JP2018019228A - アンテナ装置 - Google Patents

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徹 坂本
正樹 鵜飼
Masaki Ukai
正樹 鵜飼
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Motokazu Hamano
元和 濱野
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Abstract

【課題】放射素子として、接地導体に対し平行に配置されるパッチと、接地導体に対し直交するように配置される線状素子とを備えたアンテナ装置において、直線偏波の電波を効率よく受信できるようにする。【解決手段】アンテナ装置は、板状の接地導体と、接地導体の板面に対し直交するように配置された線状の第1放射素子と、接地導体の板面に対し平行に配置された板状の第2放射素子とを備える。第2放射素子は、当該第2放射素子の板面の中心で直交する2本の線上にそれぞれ配置された2つの給電点を有し、2つの給電点を利用して直交2偏波の電波を受信可能な直線偏波用の放射素子として構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、放射方向が異なる複数の放射素子を備えたアンテナ装置に関する。
従来、円偏波の電波を放射可能な円偏波用の放射素子と、直線偏波の電波を放射可能な直線偏波用の放射素子とを備え、円偏波及び直線偏波の電波をそれぞれ送受信可能なアンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このアンテナ装置において、円偏波用の放射素子は、板状の接地導体に対し間隔を空けて配置されたパッチにて構成され、直線偏波用の放射素子は、直線形状で、接地導体の板面に直交し、パッチの中心軸を通るように配置される線状素子にて構成されている。
このため、このアンテナ装置によれば、円偏波の電波の放射方向は、接地導体の板面に直交する方向となり、直線偏波の電波の放射方向は、線状素子の中心軸周りで接地導体の板面に平行な方向となる。
特許第4121424号公報
ところで、パッチアンテナは、円偏波用のものであっても、直線偏波の電波を受信することができる。このため、上記従来のアンテナ装置を利用して直線偏波の電波を受信するようにすれば、接地導体の板面に平行な方向からの電波であっても、接地導体の板面に直交する方向(換言すればパッチの中心軸方向)からの電波であっても、受信できるようになる。
しかしながら、上記アンテナ装置において、パッチは円偏波用であるため、このパッチを利用して直線偏波の電波を受信しようとすると、利得が約3dB低下し、通信可能距離が短くなる。
本開示の一局面は、放射素子として、接地導体に対し平行に配置されるパッチと、接地導体に対し直交するように配置される線状素子とを備えたアンテナ装置において、直線偏波の電波を効率よく受信できるようにすることを目的とする。
本開示の一局面のアンテナ装置は、板状の接地導体と、接地導体の板面に対し直交するように配置された線状の第1放射素子と、接地導体の板面に対し放射面が平行となるように配置された板状の第2放射素子とを備える。
そして、第2放射素子は、当該第2放射素子の放射面の中心位置で直交する2本の線上にそれぞれ配置された2つの給電点を有し、この2つの給電点を利用して直交2偏波の電波を放射可能な直線偏波用の放射素子として構成されている。
このため、このアンテナ装置によれば、第2放射素子を利用して、第1放射素子ではカバーできない方向(つまり、接地導体の板面に直交する方向)から送信されてくる、互いに直交する垂直・水平偏波の電波を効率よく受信することができるようになる。
また、このアンテナ装置によれば、接地導体の板面で互いに直交する直交2偏波(換言すれば垂直・水平偏波)の電波と、接地導体の板面に対し偏波面が直交する直線偏波の電波との、合計3偏波の電波を受信することができる。
従って、本開示の技術によれば、3偏波の電波を受信し得るアンテナ装置を小型化することができる。このため、例えば、3ストリームMIMO(Multiple Input Multiple Output)等、直線偏波用の複数のアンテナ(放射素子)を利用して高速通信を行う無線通信装置で利用するようにすれば、無線通信装置の小型化を図ることもできる。また、本開示のアンテナ装置を複数並べることで、小さな設置面積で多ストリームMIMOを実現することもできる。
ここで、第1放射素子は、第2放射素子と共通の接地導体を利用できればよく、第2放射素子の板面の中心部以外と重ならないように配置されていればよい。
そして、特に、第1放射素子の中心軸が第2放射素子の放射面の中心を通るように、第1放射素子を配置すれば、2つの放射素子の設置面積を小さくすることができるので、アンテナ装置をより小型化することができる。
また、この場合、接地導体と第2放射素子とを、第1放射素子から延出された中心導体と共に同軸伝送路を形成する外部導体にて接続することで、第2放射素子を第1放射素子の接地導体として機能させることができる。従って、第1放射素子に対する給電を簡単に行うことができる。
次に、第2放射素子は、接地導体の片面側に、放射面の中心軸が一致するように間隔を空けて配置された複数のパッチにて構成され、複数のパッチは、接地導体に近いほど、放射面の面積が大きく、且つ、給電点が中心軸から離れるように構成されていてもよい。
このようにすれば、複数のパッチにて、周波数帯域が異なる複数の電波を受信することができるようになり、アンテナ装置の利用範囲を拡大できる。
また、この場合、第1放射素子は、第1放射素子を構成する線状の導電体の中間にトラップコイルを備えることで、第2放射素子を構成する複数のパッチと同じ周波数帯域の電波を受信できるように構成されていてもよい。
一方、本開示のアンテナ装置は、アンテナ支持部材の外壁面に対し第2放射素子の放射面が平行となるよう、アンテナ支持部材に設けられていてもよい。
このようにすれば、例えば、アンテナ支持部材として無線通信装置の筐体を利用することで、筐体の壁面にアンテナ装置を取り付けて、アンテナ装置を無線通信装置と一体化させることができる。
また、この場合、アンテナ支持部材の外壁が板状の導電体にて構成されている際には、そのアンテナ支持部材の外壁を接地導体として利用することもできる。
また、アンテナ支持部材が、アンテナ装置を固定可能な外壁面を複数有する多面体形状である場合、アンテナ装置は、そのアンテナ支持部材の複数の外壁面にそれぞれ設けられていてもよい。
このようにすれば、複数のアンテナ装置を使って、アンテナ支持部材の複数の外壁面に向かって送信されてくる直線偏波の電波を受信できるようになり、アンテナ支持部材周囲の無線通信装置との間でより良好に無線通信を実施できることになる。
また、第2放射素子は、接地導体を挟んで両面側に、放射面の中心軸が一致するように配置された一対又は複数対のパッチにて構成されていてもよい。このようにすれば、第2放射素子は、接地導体を挟んで両面側に設けられた一対又は複数対のパッチを利用して、接地導体の両面側で直線偏波の電波を受信できることになる。
第1実施形態のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第1実施形態のアンテナ装置の構成を表す断面図である。 第1変形例のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第2実施形態のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第2実施形態のアンテナ装置の構成を表す断面図である。 第2変形例のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第3変形例のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第3実施形態のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第3実施形態のアンテナ装置の構成を表す断面図である。 第4実施形態のアンテナ装置の構成を表す斜視図である。 第4実施形態のアンテナ装置の構成を表す断面図である。 第5実施形態のアンテナ装置のアンテナ支持部材への組み付け例を表す説明図である。 第6実施形態のアンテナ装置の無線通信装置への組み付け例を表す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のアンテナ装置2は、円板状の接地導体4と、接地導体4の板面に対し直交するように配置された線状の第1放射素子10と、接地導体4の板面に対し放射面が平行となるように間隔tを空けて配置された円板状の第2放射素子6とを備える。
第2放射素子6は、板面の中心が接地導体4と一致するように配置されており、その板面(放射面)には、放射面の中心位置で直交する2本の線上にそれぞれ配置された2つの給電点6V,6Hが設けられている。
図2に示すように、この2つの給電点6V,6Hには、それぞれ、給電用の同軸伝送路16V,16Hを構成する中心導体11V,11Hが接続されている。また、中心導体11V,11Hは、接地導体4において給電点6V,6Hとの対向位置に設けられた孔を通って、接地導体4の裏面側に突出されている。
接地導体4の裏面側には、中心導体11V,11Hを囲むように配置されて中心導体11V,11Hと共に同軸伝送路16V,16Hを構成する筒状の外部導体12V,12Hが設けられている。
そして、外部導体12V,12Hは、接地導体4の裏面側で中心導体11V,11Hが挿通される孔の内周に接続されている。
従って、第2放射素子6は、同軸伝送路16V,16Hに同軸ケーブル等を介して無線通信装置を接続することで、放射面に直交する方向から送信されてくる直交2偏波(つまり垂直偏波V及び水平偏波H)の電波を受信可能なパッチアンテナとして機能する。
一方、第1放射素子10は、第2放射素子6の板面(つまり放射面)から接地導体4とは反対側の表面に突出されており、その中心軸周囲で、接地導体4の板面に沿って伝搬されてくる電波を受信可能なモノポールアンテナとして機能する。
また、第1放射素子10は、第2放射素子6及び接地導体4の板面の中心位置に設けられた孔を通って、接地導体4の裏面側に延出されている。接地導体4の裏面側に延出された第1放射素子10の延出部分は、モノポールアンテナへの給電用の中心導体21となる。
また、この中心導体21の周囲には、給電用の同軸伝送路20を構成する筒状の外部導体22が設けられている。そして、この外部導体22は、第2放射素子6及び接地導体4において中心導体21が挿通される孔の内周に接続されている。このため、第2放射素子6は、接地導体4と共に第1放射素子10の接地導体としても機能する。
従って、同軸伝送路20に同軸ケーブル等を介して無線通信装置を接続することで、無線通信装置から第1放射素子10へ給電して、第1放射素子10の中心軸周りで接地導体4の板面方向に沿って伝搬されてくる直線偏波の電波を受信できるようになる。
このように、本実施形態のアンテナ装置2によれば、第2放射素子6を利用して、第1放射素子10ではカバーできない方向(つまり、接地導体4の板面に直交する方向)から送信されてくる直交2偏波(垂直偏波及び水平偏波)の電波を効率よく受信することができる。
また、本実施形態のアンテナ装置2によれば、接地導体4の板面で互いに直交する直交2偏波(垂直偏波及び水平偏波)の電波と、接地導体4の板面に対し偏波面が直交する直線偏波の電波との、合計3偏波の電波を受信できる。
従って、本実施形態のアンテナ装置2によれば、偏波面が異なる3種類の直線偏波の電波を受信し得るアンテナ装置を実現でき、しかも、そのアンテナ装置を小型化できる。
このため、例えば、3ストリームMIMO(Multiple Input Multiple Output)等、直線偏波用の複数のアンテナ(放射素子)を利用して高速通信を行う無線通信装置で利用するようにすれば、無線通信装置の小型化を図ることもできる。
また、本実施形態のアンテナ装置2を複数並べることで、小さな設置面積で多ストリームMIMOを実現することもできる。
[第1変形例]
ここで、パッチアンテナのパッチを構成する第2放射素子6と接地導体4との間は、空気であってもよいが、図3に示すように、これらの間に所定誘電率の誘電体30を設けるようにしてもよい。
この場合、第2放射素子6(つまりパッチ)の寸法は、誘電体30の誘電率と厚さによって決まる電気長で設計され、誘電体30の誘電率が大きいほど寸法を小さくできることから、誘電体30を設けることでアンテナ装置2の小型化することができる。
また、この場合、接地導体4と第2放射素子6とを、誘電体基板の両面に導電体層が積層された両面基板を用いて構成すれば、本実施形態のアンテナ装置2をより簡単に構成できる。
また、図1及び上記説明では、接地導体4及び第2放射素子6は略円形であるものとしたが、図3に示すように、これら各部は矩形であってもよく、或いは、他の形状であってもよい。
[第2実施形態]
図4及び図5に示すように、本実施形態のアンテナ装置2Aは、第2放射素子として、矩形形状の接地導体4の片面側に間隔を空けて配置された矩形形状の2つのパッチ7、8を備える。
2つのパッチ7、8のうち、接地導体4側のパッチ7の板面(放射面)は、パッチ8よりも大きく、給電点7V,7Hは、パッチ8の給電点8V,8Hよりも第1放射素子10から離れた位置に配置されている。
このため、パッチ7で受信可能な電波の周波数帯域は、パッチ8で受信可能な電波の周波数帯域よりも低くなる。従って、本実施形態の第2放射素子では、例えば、2.4GHz帯と5GHz帯というように、周波数帯域の異なる2種類の電波(直交2偏波)を受信できることになる。
そして、各パッチ7,8の給電点7V,8V及び7H,8Hに接続された中心導体は、パッチ8及び接地導体4に形成された孔を通って接地導体4の裏面側に引き出され、接地導体4の裏面側に設けられたダイプレクサ18V,18Hに接続されている。
ダイプレクサ18V,18Hは所謂分波器であり、同軸伝送路16V,16Hを介して入力される送信信号を各パッチ7,8に対応した周波数帯の信号に分波して各パッチ7,8に出力し、各パッチ7,8からの受信信号を混合して同軸伝送路16V,16Hに出力する。
なお、同軸伝送路16V,16Hの中心導体11V,11Hは、それぞれ、ダイプレクサ18V,18Hを介してパッチ7及び8の給電点7V,7H及び8V,8Hに接続され、外部導体12V,12Hは、ダイプレクサ18V,18Hを介して接地導体4に接続されている。
一方、第1放射素子10には、第2放射素子を構成するパッチ7,8にて放射可能な2種類の電波と同じ周波数帯の電波を受信できるように、モノポールアンテナを構成する線状の導体の中間部分にトラップコイル14が設けられている。
また、第1放射素子10には、パッチ7,8及び接地導体4の板面の中心位置に設けられた孔を通って接地導体4の裏面側に延出される中心導体21と、中心導体21の周囲に設けられる筒状の外部導体22とにより構成される同軸伝送路20が接続されている。そして、パッチ7,8及び接地導体4は、この同軸伝送路20を構成する外部導体22にて、接続されている。
このように構成された本実施形態のアンテナ装置2Aによれば、第2放射素子としての2つのパッチ7及び8と、トラップコイル14にて分断された第1放射素子10とで、2つの周波数帯域の電波を受信することができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置2Aによれば、第1実施形態のアンテナ装置2と同様の効果を得ることができるだけでなく、第1実施形態のアンテナ装置2に比べて用途を拡大することができる。
[第2変形例]
第1変形例として、第2放射素子6と接地導体4との間に誘電体30を設けてもよいことを説明したが、第2実施形態或いは後述する他の実施形態のアンテナ装置においても、第2放射素子を構成する複数のパッチの間に、誘電体を設けるようにしてもよい。
またこの場合、誘電体基板として、多層配線基板を利用し、各導電体層に第2放射素子6としてのパッチ及び接地導体を形成するようにしてもよい。
またこのように両面基板若しくは多層配線基板を用いてアンテナ装置2,2Aを構成する場合、基板の大きさは、必ずしも接地導体に合わせる必要はなく、図6に示すように構成してもよい。
すなわち、図6に示すアンテナ装置2は、通信回路等が実装された両面基板32の一部に接地導体4と第2放射素子6を形成することで構成されている。このため、アンテナ装置2を通信回路と同一基板上に構成できることになり、両面基板32を用いてアンテナ装置付きの無線通信装置を簡単に構成することができる。
なお、多層配線基板の複数の導電体層に、それぞれ、接地導体4及び複数のパッチを設けるようにすれば、第2実施形態若しくは後述実施形態のアンテナ装置を備えた無線通信装置を簡単に構成することができる。
[第3変形例]
次に、上記各実施形態において、第1放射素子10は、必ずしも導電線にて構成する必要はなく、例えば、図7に示すように、通信回路等が実装される基板34の一部を長尺形状にし、その基板面に線状の導電体パターンを設けることにより構成してもよい。
この場合、アンテナ装置2、2Aの接地導体4側から第1放射素子10となる導電体パターンが形成された基板部分を挿通させることで、上記各実施形態と同様のアンテナ装置を実現できる。
なお、図7は、第1放射素子10にトラップコイル14を設けたアンテナ装置2Aの構成例を表しているが、この場合、トラップコイル14は、チップコイル等を利用して基板34に実装することで、簡単に設けることができる。
[第3実施形態]
図8及び図9に示すように、本実施形態のアンテナ装置2Bは、第2放射素子として、矩形形状の接地導体4の片面側に間隔を空けて配置された矩形形状のパッチ7、8、9を備える。
各パッチ7〜9は、上記実施形態の第2放射素子6及びパッチ7、8と同様、直交2偏波の電波をそれぞれ受信するための2つの給電点7V,7H、8V,8H、9V,9Hを備える。
そして、各パッチ7〜9の放射面は、接地導体4に近いほど大きく、給電点7V,7H、8V,8H、9V,9Hは、接地導体4に近いパッチほど、第1放射素子10から離れるように配置されている。
このため、各パッチ7〜9で受信可能な電波の周波数帯域は、接地導体4に近いほど低くなり、例えば、パッチ7では、900MHz帯の電波を受信させ、パッチ8では、2.4GHz帯の電波を受信させ、パッチ9では5GHz帯の電波を受信させる、といったことが可能となる。
そして、第2実施形態のアンテナ装置2Aと同様、各パッチ7〜9の給電点7V〜9V及び7H〜9Hに接続された中心導体は接地導体4の裏面側に引き出され、接地導体4の裏面側に設けられたダイプレクサ18V,18Hに接続されている。
また、第1放射素子10には、第2放射素子を構成するパッチ7〜9にて受信可能な3種類の電波と同じ周波数帯の電波を受信できるように、モノポールアンテナを構成する線状の導体の中間部分に間隔を空けて2つのトラップコイル14,15が設けられている。
また、第1放射素子10には、パッチ7〜9及び接地導体4の板面の中心位置に設けられた孔を通って接地導体4の裏面側に延出される中心導体21と、中心導体21の周囲に設けられる筒状の外部導体22とにより構成される同軸伝送路20が接続されている。そして、パッチ7〜9及び接地導体4は、この同軸伝送路20を構成する外部導体22にて、接続されている。
このように構成された本実施形態のアンテナ装置2Bによれば、第2放射素子としての3つのパッチ7,8,9と、トラップコイル14,15にて分断された第1放射素子10とで、3つの周波数帯域の電波を受信することができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置2Bによれば、第2実施形態のアンテナ装置2Aと同様の効果を得ることができるだけでなく、第2実施形態のアンテナ装置2Aに比べて用途を更に拡大することができる。
[第4実施形態]
図10及び図11に示すように、本実施形態のアンテナ装置2Cは、第2放射素子として、矩形形状の接地導体4を挟んで両面側に、放射面の中心軸が一致するように配置された一対のパッチ6A、6Bを備える。
この一対のパッチ6A,6Bは、接地導体4に対応した矩形形状であり、その大きさは、接地導体4よりも小さく、互いに同じ大きさになっている。
また、これら各パッチ6A,6Bには、上記各実施形態と同様、中心位置を通り、互いに直交する軸上にそれぞれ配置されて、直交2偏波の電波を受信するための給電点6VA,6HA及び6VB,6HBがそれぞれ設けられている。
また、接地導体4を挟んで第1放射素子10が突出される側に配置されるパッチ6Aの給電点6VA,6HAに接続された中心導体は、接地導体4に形成された孔を通って接地導体4の裏面側に引き出されている。
そして、その引き出された中心導体は、それぞれ、接地導体4の裏面側に設けられた分配器19V,19Hの一方の出力端子に接続されている。また、分配器19V,19Hの他方の出力端子には、パッチ6Bの給電点6VB,6HBに接続された中心導体が接続されている。
なお、分配器19V、19Hは、上述したダイプレクサ18V,18Hと同様、同軸伝送路16V,16Hが接続されており、各パッチ6A,6Bにて受信された受信信号を混合して同軸伝送路16V,16Hに出力する、混合器として利用される。
また、第1放射素子10は、パッチ6A、接地導体4、及び、パッチ6Bの中心位置に設けられた孔に挿通される中心導体21に接続されている。
そして、この中心導体21を挿通するためにパッチ6A、接地導体4、及び、パッチ6Bの中心位置に設けられた孔の内周は、同軸伝送路20を構成するために中心導体21の周囲に設けられる筒状の外部導体22にて接続されている。
このように構成された本実施形態のアンテナ装置2Cによれば、第2放射素子としての2つのパッチ6A、6Bが、接地導体4の両面側で電波を受信できるようになり、上記実施形態のアンテナ装置2,2A,2Bに比べて、電波の受信可能方向を拡大できる。
なお、本実施形態のように、接地導体4の両面側に第2放射素子を設ける場合、各面の第2放射素子を、第2実施形態若しくは第3実施形態のように複数のパッチにて構成するようにしてもよい。このようにすれば、第2実施形態若しくは第3実施形態と同様、周波数帯域の異なる複数種類の電波を接地導体4の両面側で受信できるようになる。
またこの場合、第1放射素子10を構成する線状の導電体の中間部分にトラップコイルを設けることで、第1放射素子10でも第2放射素子と同じ周波数帯の電波を受信させるようにしてもよい。
[第5実施形態]
次に、第1実施形態〜第3実施形態のアンテナ装置2,2A,2Bは、接地導体4の片面側で3種類の直線偏波の電波を受信することから、例えば、接地導体4の裏面側を、アンテナ支持部材の外壁面に直接貼り付けることで使用することができる。
この場合、アンテナ装置2,2A,2Bは、アンテナ支持部材の一つの外壁面に貼り付けるようにしてもよいが、例えば、図12Aに示すように、アンテナ支持部材36の形状が三角柱であれば、3つの側壁に設けることで、各側壁で電波を受信できるようになる。
また、例えば、図12B、図12Cに示すように、アンテナ支持部材36の形状が四角柱若しくは立方体であれば、4つの側壁、若しくは、4つの側壁に上下の壁面を加えた5面又は6面に、アンテナ装置2,2A,2Bを設けるようにしてもよい。
またこのようにアンテナ支持部材36の外壁面にアンテナ装置2,2A,2Bを設ける場合、アンテナ支持部材の外壁の一部を接地導体4として構成するようにしてもよい。
[第6実施形態]
一方、アンテナ装置2,2A,2Bを、無線通信装置に組み込む場合、接地導体4や第2放射素子6は、無線通信装置の筐体の外壁に沿って配置できるものの、第1放射素子10は、その筐体の外に突出されることになる。
そして、上記各実施形態のように、第1放射素子10を第2放射素子6若しくは第2放射素子を構成するパッチの中心軸上に配置すると、無線通信装置の筐体の外壁の中央から第1放射素子10が突出されることになり、無線通信装置の見栄えが悪くなる。
このため、例えば、図13Aに示すアンテナ装置2のように、第1放射素子10は、第2放射素子6(若しくは第2放射素子を構成するパッチ)と重なることのない接地導体の角部周囲に設けるようにしてもよい。
このようにすれば、アンテナ装置2を無線通信装置38に組み込んだ場合、図13Bに示すように、無線通信装置38の筐体の角部から第1放射素子10を突出させることができるようになり、無線通信装置38の見栄えをよくすることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示のアンテナ装置は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、アンテナ装置2,2A,2B,2Cは直線偏波の電波を受信するものとして説明したが、本開示のアンテナ装置は、当然ながら、電波を送信するのに利用することもできる。
また、上記各実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
また、本開示の技術は上記実施形態のアンテナ装置の他、当該アンテナ装置を搭載した電子機器、当該アンテナ装置を利用する通信システムなど、種々の形態で実現することもできる。
2,2A,2B,2C…アンテナ装置、4…接地導体、6…第2放射素子、6A,6B,7,8,9…パッチ、6V,6VA,6VB,6H,6HA,6HB,7V,7H,8V,8H,9V,9H…給電点、10…第1放射素子、11V,11H,21…中心導体、12V,12H,22…外部導体、14,15…トラップコイル、16V,16H,20…同軸伝送路、18V,18H…ダイプレクサ、19V,19H…分配器、30…誘電体、32…両面基板、34…基板、36…アンテナ支持部材、38…無線通信装置。

Claims (7)

  1. 板状の接地導体と、
    前記接地導体の板面に対し直交するように配置された線状の第1放射素子と、
    前記接地導体の板面に対し放射面が平行となるように配置された板状の第2放射素子と、
    を備え、前記第2放射素子は、当該第2放射素子の放射面の中心位置で直交する2本の線上にそれぞれ配置された2つの給電点を有し、該2つの給電点を利用して直交2偏波の電波を受信可能な直線偏波用の放射素子として構成されている、アンテナ装置。
  2. 前記第1放射素子は、中心軸が前記第2放射素子の放射面の中心を通るように設けられ、
    前記接地導体と前記第2放射素子とは、前記第1放射素子から延出された中心導体と共に同軸伝送路を形成する外部導体にて接続されている、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第2放射素子は、前記接地導体の片面側に前記放射面の中心軸が一致するように間隔を空けて配置された複数のパッチにて構成されており、
    該複数のパッチは、前記接地導体に近いほど、前記放射面の面積が大きく、且つ、前記給電点が前記中心軸から離れることで、受信可能な電波の周波数帯域が異なるように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1放射素子は、当該第1放射素子を構成する線状の導電体の中間にトラップコイルを備えることで、前記第2放射素子を構成する前記複数のパッチと同じ周波数帯域の電波を受信可能に構成されている、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 当該アンテナ装置は、アンテナ支持部材の外壁面に対し前記第2放射素子の前記放射面が平行となるよう、前記アンテナ支持部材に設けられる、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナ支持部材は、当該アンテナ装置を固定可能な外壁面を複数有する多面体形状であり、当該アンテナ装置は、前記アンテナ支持部材の複数の外壁面にそれぞれ設けられている、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第2放射素子は、前記接地導体を挟んで両面側に、前記放射面の中心軸が一致するように配置された一対又は複数対のパッチにて構成されている、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
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