JP2018018776A - 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法 - Google Patents

割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018018776A
JP2018018776A JP2016150272A JP2016150272A JP2018018776A JP 2018018776 A JP2018018776 A JP 2018018776A JP 2016150272 A JP2016150272 A JP 2016150272A JP 2016150272 A JP2016150272 A JP 2016150272A JP 2018018776 A JP2018018776 A JP 2018018776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
composite metal
metal hydroxide
reaction zone
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016150272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7134590B2 (ja
Inventor
オッターシュテト ラルフ
Ralph Otterstedt
オッターシュテト ラルフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Umicore NV SA
Original Assignee
Umicore NV SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Umicore NV SA filed Critical Umicore NV SA
Priority to JP2016150272A priority Critical patent/JP7134590B2/ja
Publication of JP2018018776A publication Critical patent/JP2018018776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7134590B2 publication Critical patent/JP7134590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 割れのない、球状もしくは近球状のリチウムイオン電池正極活物質用複合金属水酸化物の提供。【解決手段】組成NiaCobAlc(OH)d(a=0.70〜0.95、b=0.02〜0.20、c=0〜0.1、d=2.0〜2.1、a+b+c=1)を有する複合金属水酸化物を沈殿法により製造する際に、反応帯域の液温を60℃以上、反応槽を攪拌する際の攪拌動力を2.2kw/m3以下に制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン電池正極活物質前駆体として有用な、割れのない比較的大粒径の球状もしくは近球状の複合金属水酸化物粒子の製造方法に関する。
リチウムイオン電池の歴史は古く、その商業生産は1990年代に始まっている。しかしながら、リチウムイオン電池の開発は、2000年以降の携帯端末、スマートフォン、電気自動車などの普及によって本格的に発展したと言ってよい。リチウムイオン電池は、他の電池と同様に正極、負極、電解質、外装体を主な構成部材とするが、中でも正極に用いられる正極活物質はリチウムイオン電池の電池性能を左右する重要な材料である。リチウムイオン電池に用いられる正極活物質としては、コバルト酸リチウム、三元系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、スピネル型複合酸化物、オリビン型化合物等が知られており、中でもコバルト酸リチウム、三元系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物は大きな放電容量を持つ、層状の結晶構造を持つ複合酸化物として知られている。
一般的に、層状複合金属酸化物からなる正極活物質の製造は前駆体である複合金属水酸化物とリチウム化合物を粉体混合し、酸化雰囲気下で焼成することにより製造される。焼成工程では前駆体である複合金属水酸化物の粒子の形状がほぼ維持される。したがって正極活物質の製造において粒子形状が球状である前駆体を用いると粒子形状が同じく球状となった正極活物質が得られる。一般的に、粉体を充填・圧縮する場合は、粉体を構成する粒子がより球状に近く、個々の粒子にひび割れがより少ないほど、粒子間が均一に分布し、個々の粒子の表面に加わる荷重が均一で充填によるさらなる粒子の割れや変形が少ない。このため、正極活物質粒子を電極上に充填する時にも、正極活物質の粒子がひび割れのない球状の形状であれば、電極上に均一で欠損のない正極活物質粒子層を形成することができる。このような均一で欠損のない正極活物質粒子層が形成された電極は、電池の充放電特性にとって好ましい。したがって、正極活物質の前駆体粒子の形状をひび割れのない球状に制御する技術が、リチウムイオン電池の性能向上のために求められている。より大粒径でひび割れのない球状の複合金属水酸化物粒子からなる前駆体は、より高密度の正極活物質層を電極上に形成するために、特に好ましい。
前駆体としての複合金属水酸化物は、一般的には、可溶性金属塩の水溶液にアルカリ水溶液及び錯化剤を加える共沈法により製造される。共沈反応において、反応スラリー中の複合金属水酸化物の粒子同士が攪拌によって衝突し次第にその形状は球状に近づく。しかしながら、複合金属水酸化物の粒子が大きくなると粒子相互の衝突時に粒子が割れてしまい、目的の粒径に到達しないという問題があった。大粒径で割れのない球形或いは近球形の前駆体粒子を製造する技術は重要であるにも関わらず、これまで詳細には検討されてこなかった。
例えば特許文献1では、粒子形状は球状でその表面に一様に凹凸を成すものである正極活物質が開示されている。ここで粒子形状が球形であることは言及されているものの、その前駆体調製時の割れを防止する方法に関する記載はない。例えば特許文献2には、粒子形状が六角柱状であり、かつ0.5≦(2c)/(a+b)≦1(式中のaは底面の平均長軸径、bは底面の平均短軸径、cは平均粒子高さを示す。)であるリチウムイオン二次電池用正極活物質が開示されている。しかしここにも前駆体の調製に関して何ら記載がない。
ところでニッケル系正極活物質は一般的には、前駆体としてのニッケル・コバルト複合金属水酸化物と必要に応じて使用するアルミニウムなどの微量元素を含む化合物、リチウム化合物とからなる混合物を焼成して得られる。ニッケル系正極活物質の性能は焼成に用いた前駆体の粒度分布などの性状が大きく関与していることが知られている。そこで、より優れた正極活物質の前駆体として有効なニッケル・コバルト複合金属水酸化物を製造するための様々な方法が提案されている。例えば特許文献3には、傾斜板沈降装置を有する反応器を用いて球状で規則的な粒子形状を有するニッケル・コバルト複合金属水酸化物を製造することが記載されている。特許文献3に開示された製造方法はニッケル及びコバルトを含む複合金属水酸化物を製造するための汎用性の高い手段ではある。しかし、特許文献3に記載された製造方法では、近年特に注目されているリチウム、ニッケル、コバルト、アルミニウムを含む正極活物質(NCA系正極活物質)の前駆体、すなわちニッケルとコバルトと任意にアルミニウムを含む複合金属水酸化物の製造に注目したものではなかった。
このように、リチウムイオン電池の正極活物質、特にNCA系正極活物質の前駆体として有用な、大粒径でひび割れのない球状の、ニッケルとコバルトと任意にアルミニウムを含む複合金属水酸化物からなる粒子の製造方法には未だ改善の余地がある。
特開平6−333562号公報 特開2003−151546号公報 特許第5227306号公報
本発明はリチウムイオン電池の正極活物質の前駆体として好適な、ニッケルとコバルトと任意にアルミニウムを含む複合金属水酸化物からなる粒子の製造を目的とする。本発明では上記複合金属水酸化物の製造方法を改良することによって、これまで得られていない、大粒径で割れのない球状もしくは近球状の、高品質の正極活物質の原料として期待される正極活物質前駆体粒子を得ることに成功した。
本発明者らは、共沈反応を用いたニッケルとコバルトと任意にアルミニウムを含む複合金属水酸化物の製造方法において、沈殿帯域の温度と沈殿帯域に与える攪拌動力とを制御することによって、目的とする、大粒径で割れのない球状もしくは近球状の上記複合金属水酸化物粒子を製造できることを見出した。すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)出発物質を反応器中で混合し、反応器中の反応帯域で化合物を沈殿させ、沈殿生成物をろ過及び乾燥することによって、式:NiCoAl(OH)(a=0.70〜0.95、b=0.02〜0.20、c=0〜0.1、d=2.0〜2.1、a+b+c=1)で示される組成を有する平均粒径が10.0μm以上の複合金属水酸化物からなる粒子を製造する方法であって、上記反応帯域の液温が60℃以上であり、該反応帯域に与える攪拌動力が2.2kw/m以下である、複合金属水酸化物の製造方法。
(発明2)複合金属水酸化物粒子が球状もしくは近球状であり、1000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真で上記複合金属水酸化物粒子表面の割れが観察されない、発明1の複合金属水酸化物の製造方法。
(発明3)以下の装置:
反応器中での沈殿により化合物を製造するための装置であって、前記反応器が傾斜板沈降装置を有し、出発物質溶液を前記反応器の反応帯域内への導入時に均質混合するのに適合させた装置であって、 前記傾斜板沈降装置が、前記反応帯域に直接接続されるように前記反応器と一体化され、かつ少なくとも1つのポンプを介して少なくとも1つの循環容器に接続され、前記反応器内の生成物懸濁液から前記少なくとも1つの循環容器まで濁った液体を吸引し、該濁った液体からフィルタエレメントを通して固体の微粒分級物を除去した後の液体を、循環容器から取り出し、かつ反応器へ直接返送することによって、前記反応器内の生成物懸濁液の粒度分布が、より高いD50値へ変位されることを特徴とする、反応器中での沈殿により化合物を製造するための装置:
を用いる、発明1または2の複合金属水酸化物の製造方法。
(発明4)発明1〜3のいずれかの複合金属水酸化物の製造方法によってリチウムイオン電池の正極活物質の前駆体を製造する工程と、この前駆体と少なくともリチウム化合物とを含む混合物を焼成する工程とを含む、リチウムイオン電池正極活物質の製造方法。
本発明により、リチウムイオン電池の正極活物質特にNCA系正極活物質の前駆体として利用価値の高い、大粒径で割れがなく球状もしくは近球状の複合金属水酸化物が提供される。
本発明の製造方法で使用可能な傾斜板沈降装置の例を模式的に表す。 本発明の製造方法で使用可能な傾斜板沈降装置の例を模式的に表す。 本発明の製造方法で使用可能な傾斜板沈降装置の機能を理解するための模式図。 本発明の製造方法で使用可能な反応器とその付属装置を模式的に表す。 実施例1で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。 実施例2で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。 実施例3で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。 比較例1で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。 比較例2で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。 比較例3で得られた複合金属水酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真。
本発明の方法を以下に詳述する。
(出発物質)
発明の製造方法における出発物質は、ニッケル含有水溶性化合物、コバルト含有水溶性化合物と、必要に応じて使用するアルミニウム含有水溶性化合物である。ニッケル含有水溶性化合物としては硫酸ニッケルが好ましい。コバルト含有水溶性化合物としては硫酸コバルトが好ましい。アルミニウム含有水溶性化合物としてはアルミン酸ナトリウムが好ましい。これら好ましい水溶性化合物として市販物を制限なく用いることができる。以下、出発物質として硫酸ニッケル、硫酸コバルト、アルミン酸ナトリウムを用いる場合について説明する。出発物質が上記化合物以外の水溶性化合物の場合も以下に説明する条件を適宜変更して同等の複合金属水酸化物粒子を製造することができる。
それぞれの出発物質は水溶液として準備される。すなわち硫酸ニッケルの、濃度が一般的には15重量%以上30重量%以下、好ましくは20重量%以上25重量%以下である水溶液を準備する。硫酸コバルトの、濃度が一般的には15重量%以上25重量%以下、好ましくは18重量%以上23重量%以下である水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液とは、反応器外の別々の容器に投入される。
ニッケルとコバルトと、さらに、NCA系正極活物質を構成するアルミニウム原子の一部以上に相当するアルミニウムとを含有する前駆体を製造する場合には、アルミン酸ナトリウム水溶液が出発物質に含まれる。この場合には、ニッケル、コバルト、アルミニウムを含む複合金属水酸化物である前駆体とリチウム化合物、さらに必要に応じて追加のアルミニウム含有化合物とからなる混合物を焼成することによってNCA系正極活物質が得られる。アルミニウム原子を含まずニッケル及びコバルトを含有する前駆体を製造する場合には、出発物質にアルミン酸ナトリウムは含まれない。この場合には、ニッケルとコバルトとを含む複合金属水酸化物である前駆体と、リチウム化合物と、アルミニウム化合物とからなる混合物を焼成することによってNCA系正極活物質が得られる。本発明でアルミン酸ナトリウムは水酸化ナトリウム水溶液に溶解された状態で、すなわちアルミン酸ナトリウムのアルカリ水溶液として、反応器外の硫酸ニッケル水溶液あるいは硫酸コバルト水溶液の容器とは異なる容器に投入される。
本発明の方法では、反応帯域の沈殿反応を制御するために、補助的な出発物質として、沈殿剤すなわち水酸化ナトリウム水溶液と錯化剤すなわちアンモニア水、純水を準備する。水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水の濃度は反応帯域の容量と設定すべきpHによって適宜調節される。これらの補助的な出発物質は反応器外の上記各種水溶液の容器とは別の容器に投入される。
(混合)
本発明の方法では、攪拌手段を有する反応器において上記出発物質が混合され出発物質の反応帯域が形成される。このような反応器には上記出発物質の容器が連結する。上記出発物質が連続的にあるいは間欠的に反応器に供給され、反応帯域で共沈反応が開始、進行する。
硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液とは反応器外であらかじめ混合された後に反応器内に供給される。アルミン酸ナトリウムのアルカリ水溶液は硫酸ニッケルと硫酸コバルト水溶液との混合物とは異なる流路で反応器に供給される。
出発物質は目的とする複合金属水酸化物の元素組成に応じた濃度あるいは体積で、すなわち、出発物質に含まれるニッケル元素とコバルト元素さらに必要に応じてアルミニウム元素が反応帯域において目標とする組成:NiCoAl(OH)(a=0.70〜0.95、b=0.02〜0.20、c=0〜0.1、d=2.0〜2.1、a+b+c=1)を有する複合金属水酸化物を生成するような量比で、反応器内部で混合される。
本発明で用いる攪拌手段を有する反応器としては公知のものが制限なく使用される。反応器本体の形状や材質に特に制限はなく、好ましくはタンク形状のステンレス容器が使用される。攪拌手段としては例えばプロペラ、パドル、傾斜パドル、タービン、コーン、スクリュー、リボンなど各種の形状のものが使用される。出発物質の反応器への供給路は通常のパイプ、ポンプ、流量センサーから構成されており、供給量が制御される。これらの供給路は一般的には反応器の頂部に連結する。
(反応帯域)
本発明では反応器内の反応帯域において、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、水酸化アルミニウムの共沈反応によって組成:NiCoAl(OH)(a=0.7〜0.95、b=0.02〜0.2、c=0.0〜0.1、d=2〜2.1、a+b+c=1)を有する複合金属水酸化物が反応帯域の水溶液に分散した微小な粒子として生成する。このような複合金属水酸化物をNCA系正極活物質の前駆体として用いた場合には反応帯域で生成した複合金属水酸化物粒子の大きさと形状がNCA系正極活物質の粒子の大きさと形状に影響するため、本発明では反応帯域で生成する複合金属水酸化物粒子の大きさと形状を最適化するための手段を設けている。
本発明の製造方法では、反応帯域のpHは共沈反応に適当な範囲、一般的には7〜14、好ましくは9〜12の範囲に制御される。反応帯域の液温は60℃以上、好ましくは65℃以上85℃以下に制御される。60℃未満の温度で反応を行うと粒子に割れが発生する。反応帯域の液温が高すぎるとアンモニアが系内から揮発し粒子成長が妨げられるので好ましくない。
反応帯域に与えられる攪拌動力は、2.2kw/m以下、好ましくは0.5kw/m以上2.0kw/m以下に制御される。攪拌動力が小さすぎると複合金属水酸化物粒子形状が歪むために目的の球状もしくは近球状複合酸化物粒子が得られない。反応帯域の攪拌動力が2.2kw/mを超えると最終的に得られる複合金属水酸化物粒子に割れが発生する。
反応器には、生成した複合金属水酸化物と各種出発物質を含む水溶液からなるスラリーの抜出口が設けられる。抜出口の位置は、反応器の上部から底部までの任意の位置でよい。抜出口にはスラリーを反応器外に導く管と、この管に連結するポンプが連結する。反応帯域における沈殿反応が定常状態に達すると、ポンプによって一定流量で複合金属水酸化物スラリーが反応器から取り出され、次の乾燥工程に移される。
本発明で用いる反応器には、好ましくは、スラリーを高固体濃度スラリー(複合金属水酸化物が目的の粒子形状で存在する画分)と低固体濃度スラリー(複合金属水酸化物が目的形状に達していない微粒状で存在する画分)に分離する装置(分離装置)が連結する。分離機構として遠心分離装置やフィルターなどが用いられる。ポンプと吸引パイプを用いて一定量のスラリーが反応帯域から吸引され分離機構まで送られる。分離された低固体濃度スラリーの一部は反応器の外に排出され、残りの低固体濃度スラリーと高固体濃度スラリーは反応器帯域に戻される。戻されたスラリーを含む反応帯域で共沈反応がさらに進行し、目的の粒子形状を有する複合金属水酸化物が生成する。このように分離機構を介してスラリーが反応帯域を循環しながら目的の複合金属水酸化物の生成が進行する。このようなスラリーの循環によって反応帯域の複合金属水酸化物の濃度を制御することができる。本発明で反応帯域の複合金属水酸化物濃度が50g/L以上に制御されれば生産効率上の問題がない。
(傾斜板沈降装置)
本発明の方法で反応帯域からのスラリーの吸引・分離・循環を特許第5227306号公報に開示された傾斜板沈降装置を用いて行うと一層効率的である。傾斜板沈降装置は、溶液から固体を沈殿させることにより化合物を製造するための装置及び方法に使用される。傾斜板沈降装置を備える沈殿装置を用いると、沈殿の際に形成される固体の粒子の物理的及び化学的な性質が極めてフレキシブルに及び互いに独立して調節されることができ、テーラーメードの生成物が極めて高い空時収率で製造される。
傾斜板沈降装置の対象は、複合金属水酸化物が生成する反応器に接続され、反応器内のスラリーを分取、その高固体濃度スラリーと水溶液と微粒子とからなる低固体濃度スラリーを分離し、スラリーの一部を反応器に返送することのできる、体型反応器・清澄器系(IRKS)である。
傾斜板沈降装置を備えるIRKSの使用によって、化合物の沈殿後に生成物及び母液からなる生成物懸濁液の形成下に、傾斜板沈降装置を経て母液及び粒子が除去されるので、固体濃度の増加が達成される。
反応器には、開口部が設けられていてよく、これを経て場合によりポンプを用いて、懸濁液が除去されることができ、かつ反応器へポンプ返送されることができる。均質な沈殿生成物を得るために、出発物質が、反応器中への投入の際に良好に混合されることが重要である。この反応器は、撹拌反応器としても操作されることができる。傾斜板沈降装置が設置されたIRKS中の沈殿プロセスは、生成物に依存して温度を調整することができる。IRKSにおけるプロセス温度は、必要な場合には、熱交換器を介して加熱もしくは冷却により制御される。
IRKSは、スラリーからの化合物の分離のために使用される。傾斜板沈降装置中で、母液は、微粒分級物と共に生成物懸濁液から分離される。微量の固体を含有するこの濁った液体は、大部分が反応器へ返送され、生成物懸濁液と再び合一される。この濁った液体の一部を取り出すことにより、生成物懸濁液から微粒分級物が取り除かれ、粒度分布はより高いD50値へ変位される。傾斜板沈降装置のさらなる目的は、スラリーが予め清浄化され、固体含有量が小さな液体を提供することであり、この液体からろ過等の単純な方法で澄明な母液を分離することができる。
傾斜板沈降装置の分離性能を高めるために、1つ又はそれ以上のラメラが取り付けられることができ、それらの上で固体粒子は、これらが沈降によってラメラの表面に達した後に、下の方へ均質に混合された懸濁液中へ滑り落ちる。傾斜板沈降装置に設けられたラメラは図1、図2に模式的に表される。
ラメラ(2、5)は傾斜板沈降装置(1、4)中でその床面に対して平行平面に配置されている。ラメラは、プラスチック、ガラス、木材、金属又はセラミックからなっていてよい長方形のプレートである。ラメラ(2、5)の厚さは、材料及び生成物に依存して10cmまでであってよい。好ましくは、0.5〜5cm、特に好ましくは0.5〜1.5cmの厚さを有するラメラが使用される。ラメラ(2、5)は、傾斜板沈降装置(1、4)中に固定して取り付けられる。これらは、取り外し可能であってもよい。この場合に、これらは、傾斜板沈降装置(1、4)の内側に側面で取り付けられたレールシステム(6)又は溝(3)を介して、傾斜板沈降装置(1、4)中へ入れられる。前記レールシステム(6)の高さが調節可能に設計されていてもよく、それにより傾斜板沈降装置(1、4)にラメラ(2、5)の間隔の選択に関して大きなフレキシビリティーが付与される。傾斜板沈降装置は、丸い断面を有する円筒形に又は四角形の断面を有する平行六面体形に構成されていてよい。粒子の滑り落ちが傾斜板沈降装置の閉塞なく機能するために、傾斜板沈降装置の角度は水平面に対して20〜85゜、好ましくは40〜70゜及び特に好ましくは50〜60゜である。傾斜板沈降装置は、フレキシブルな結合部を介して反応器に取り付けられていてもよい。この実施態様の場合に、角度はプロセス中に可変に調節されることができる。
傾斜板沈降装置によるIRKSの機能様式をよりよく理解するために、以下に、図3に基づいて詳細に説明する。固体粒子(7)は、傾斜板沈降装置中で、それらの形状及びサイズに応じて、一定速度で下の方へ沈降する。例えばストークス摩擦を前提とするならば、有効重力によって引き起こされる球状粒子の沈降速度は、粒子直径の2乗に比例する。この速度は傾斜板沈降装置中の層流の速度の上方成分と重なり合っている。沈降速度が液体流の上方成分よりも小さいか又は同じである全ての固体粒子は、ラメラ(8)の表面又は傾斜板沈降装置の床面までは沈降することはできず、かつ最終的に傾斜板沈降装置の溢流と共に排出される。
粒子の沈降速度が液体流の上方成分よりも大きい場合には、粒子の下方運動は一定の沈降速度で生じる。そのように粒子が溢流と共に傾斜板沈降装置から排出されるかどうかは、液体の一定流量で、傾斜板沈降装置に入る際の粒子とラメラの垂直方向の間隔に、並びに傾斜板沈降装置の長さ及び傾斜角度に依存する。臨界粒子半径rが存在することが容易にわかるので、r>rを有する全ての粒子が、傾斜板沈降装置によって完全に保持される。図3中の直線(9)は、限界半径rを有する粒子の軌跡を示す。半径がより大きい全ての粒子の軌跡は、水平面に対してより小さい角度を有し、故にラメラ又は床板上に確実に衝突する。これは、これらの粒子が保持されることを意味する。傾斜板沈降装置中の比、特に液体の流量を調節することにより、傾斜板沈降装置を溢流で去る微粒子の粒子直径の上限を調節することができる。
傾斜板沈降装置の溢流が、循環容器を経て撹拌反応器へ返送される限りは、全系では何も変わらない。ポンプを用いて、固体の微細含分により濁った液体量の一部を循環容器から取り出す場合には、微粒の定義された分率が排出され、かつ粒度分布へ直接干渉することができる。それにより粒度並びに粒度分布は、他のプラントパラメーターから独立して影響を与えることができる。
循環容器中へ入る際の固体濃度が典型的には反応器中の固体濃度0.5〜5%である濁った流れの前記の取り出しにより、反応器中の懸濁液の固体濃度ももちろん同時に高められる、それというのも、微粒含分の意図的な取り出しと共に、全系から不釣り合いに多く母液が取り出されるからである。これは通例望ましいが、しかし、反応器中の固体濃度が低い水準に保持されるべき場合及び他の物質の流れの調節により固体濃度の増加を十分に打ち消されることができない場合に望ましくない。量及び仕様に応じて、この微細含分は引き続き、再び生成物懸濁液と混合されることができる。反応器−清澄器−中での分離が決定的である。
この場合に、混濁物の固体濃度を高めるために、フィルタエレメントを経て、母液を循環容器から取り出し、かつ反応器へ直接ポンプ返送することが考えられる。同じ量の微粒を排出する際に、母液がより少なく取り除かれる。サイズが粒度分布のD50値の30%を越えない粒子が微粒と呼ばれる。循環容器中で前記系から母液をフィルタエレメントを介して取り出すことも有利でありうる。これにより、反応器中の固体含量を、第一に化学量論的な固体濃度の数倍に高めることができ、かつ第二に場合により沈殿反応の際に生じる中性塩の濃度と固体濃度との間の切り離しを達成することができる。反応器中の固体対塩の濃度比は、母液の取り出しの可能性により、例えば一定の塩濃度での固体濃度の増加によってだけでなく、一定の固体濃度で反応器に塩不含の溶剤が添加され、かつ同時に等量の母液が、フィルタエレメントを介して前記系から取り出されることによっても、増加されることができる。
傾斜板沈降装置によるIRKSのフレキシビリティーの増加と同時に付加的な自由度の達成は、双方のパラメーター塩濃度及び固体含量の例で一般的な反応AX+BY→AY固体+BX溶解についてより詳細に説明される。AX及びBYは、出発物質溶液中の出発物質を表し、かつBXは母液中の溶解された塩を表す。AYは、不溶性固体として生じる生成物を表す。
傾斜板沈降装置によるIRKSは、バッチ式に行われる沈殿に使用されることができる。しかしながら好ましくは、このIRKSは連続式操作における沈殿プロセスにより好適に使用される。
傾斜板沈降装置は、さらに、沈殿による化合物の製造方法に関するものであり、前記方法において、個々のプロセスパラメーター、例えば(出発物質の濃度、懸濁液中の固体含量、母液中の塩濃度)は、沈殿中に互いに独立して調節され、こうして沈殿プロセス中の粒度分布の展開への制御された干渉が行われ、かつ最終的に定義された物理的性質を有するオーダーメードの生成物が特に経済的に及び極めて高い空時収率で製造される。
傾斜板沈降装置の対象は故に、次の工程からなる沈殿による化合物の製造方法である:
・少なくとも第一及び第二及の出発物質溶液を準備する工程、
・少なくとも第一及び第二及の出発物質溶液を請求項1記載の反応器中で合一する工程、
・反応器中に均質混合される反応帯域を発生させる工程、
・反応帯域中で化合物を沈殿させ、不溶性生成物及び母液からなる生成物懸濁液を製造する工程、
・沈殿された生成物から母液を、傾斜板沈降装置を介して部分的に分離する工程、
・沈殿生成物の濃度が化学量論的な濃度よりも高い沈殿生成物懸濁液を製造する工程、
・生成物懸濁液を反応器から取り出す工程、
・沈殿生成物をろ過、洗浄及び乾燥する工程。
傾斜板沈降装置による方法における出発物質溶液は、反応器中へ、ポンプ系を用いて導通される。これが撹拌反応器を備えた傾斜板沈降装置によるIRKSである場合には、出発物質は、撹拌機を使用しながら混合される。IRKSが噴流型反応器の形で設計されている場合には、出発物質の混合は、ノズルから出てくるジェットにより行われる。出発物質のさらにより良好な混合を達成するために、付加的に空気又は不活性ガスも、反応器中へ導通されていてよい。均一な生成物品質を達成するために、出発物質が反応器の反応帯域中で均質に混合されていることが必要である。出発物質を混合するかもしくは均質化する間に既に、生成物及び母液が発生する沈殿反応が始まる。生成物懸濁液は、反応器下部中で所望の濃度まで豊富化される。生成物懸濁液の意図的な豊富化を達成するために、傾斜板沈降装置による方法において、母液は、傾斜板沈降装置を介して、部分的に除去される。好ましくは、傾斜板沈降装置の溢流の取り出しによる母液の部分的な分離は、ポンプを用いて行われる。
傾斜板沈降装置による方法に従って、沈殿生成物の化学量論的に可能な濃度の何倍でありうる沈殿生成物懸濁液の濃度が達成される。これは、可能な化学量論値よりも20倍まで高くなりうる。懸濁液中の特に高い生成物濃度を達成するためには、大量の母液を部分的に除去することが必要である。それどころか95%までの母液が部分的に分離されることができる。部分的に分離すべき母液の量は、選択されたプロセスパラメーター、例えば出発物質濃度、母液の塩濃度並びに懸濁液の固体濃度に依存する。
本発明の沈殿工程ではこのような傾斜板沈降装置を図4に模式的に示すように反応器に結合して複合水酸化物を製造することができる。
回転数を制御可能な撹拌機(10)、熱交換器(11)、傾斜板沈降装置(12)を備えた反応器(13)に、独立したパイプ及びポンプ(23)〜(27)からなる供給経路が接続する。ポンプ(23)〜(27)のそれぞれから連続的に硫酸ニッケル水溶液(a液)、硫酸コバルト水溶液(b液)、アルミン酸ナトリウム水溶液(c液)、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水が一体型反応器−清澄器−系(IRKS)の反応帯域中へ搬送される。反応器(13)で生じるスラリーは、ポンプ(14)を用いて液位の調節装置を介して取り出される。大きな粒子が製造される場合に、沈降の危険を予防するために、循環ポンプ(16)を運転することは有利でありうる。
ポンプ(17)は、極めて低い濃度の微粒を有するスラリーを、撹拌機が備えられた循環容器(18)中へ搬送し、かつそこから反応器(13)中へ返送することができる。液体の体積流量及び傾斜板沈降装置の寸法決定に依存した分離サイズを下回る粒子のみが、循環容器(18)中へ搬送される。ポンプ(17)を用いて取り出された全ての濁った流れが、自由な溢流(19)を経て返送される限りは、反応器(13)について全く何も変わらない。
循環容器(18)からから澄明な母液を取り出し、かつこれを第二の循環容器(20)中へ搬送することによって母液及び/又は固体粒子を前記系から取り出すこともできる。ポンプ(21)は第一の循環容器(18)から澄明な母液を取り出し、かつこれを第二の循環容器(20)中へ搬送する。第二の循環容器(20)内の溶液のpH値などを連続的に分析し、共沈反応器全体で母液の組成を制御することができる。
また、第一の循環容器(18)に蓄積された澄明な母液をポンプ(22)によって排出することによって、澄明な母液に含まれるきわめて微粒の沈殿物を沈殿反応器から除去することもできる。
(複合金属水酸化物の分離・乾燥)
反応器内で目的量の原料が反応し終わった時点で、反応器の排出口からスラリーを取り出し、濾過する。こうして複合金属水酸化物を含む固体画分が分離される。さらに固体画分を洗浄する。洗浄は常法に従えばよく、アルカリ性水溶液と純水を用いて複合金属水酸化物に含まれる硫酸塩、アルカリ成分が十分除去されるまで洗浄する。こうして、水分を含む複合金属水酸化物が分離される。
次に、分離した水分を含む複合金属水酸化物を乾燥する。乾燥方法は、大気圧下での熱風乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、真空乾燥などのいずれでもよい。短時間で乾燥することができる真空乾燥が好ましい。複合金属水酸化物中の水分が1重量%程度になるまで乾燥する。
(前駆体)
こうして、リチウムイオン電池正極活物質の前駆体としての複合金属水酸化物粒子が得られる。このような本発明の方法によって得られる複合金属水酸化物粒子の大きさは比較的大きく、概ね10.0μm以上、典型的には12.0μm以上50μm以下の平均粒径を有する。
(正極活物質)
上記前駆体、リチウム化合物、及び必要に応じて用いるアルミニウム化合物とからなる混合物を酸素存在下に焼成することによって、リチウムイオン電池正極活物質が得られる。焼成温度は450℃〜950℃の範囲、好ましくは600℃〜900℃の範囲である。焼成時間は2時間〜20時間、好ましくは3時間〜15時間である。焼成回数は1回でも複数回でもよい。焼成に用いる設備はこのような焼成条件を達成できるものであれば制限はない。一般的には管状炉、マッフル炉、ロータリーキルン(RK)、ローラーハースキルン(RHK)が用いられる。好ましくはRHKまたはRKが用いられる。正極活物質中の余剰アルカリ成分を除去するために、焼成された混合物を水洗、乾燥することが好ましい。水洗、乾燥の条件に特に制限はない。通常、焼成物100gに対して100ml以上の量の純水を加えて焼成物と水を十分に接触させ、その後リチウム金属複合酸化物粉末を分離し、酸素を含む気流中で乾燥する。得られた正極活物質を用いて正極を製造する方法にも制限はない。通常の方法により得られた正極活物質を含む正極活物質合剤を調製し、電極上に塗布乾燥して正極部材を製造することができる。
[実施例1]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備した。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備した。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=84:16(重量比)部で混合した。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・アルミン酸ナトリウムのアルカリ水溶液:水酸化ナトリウム濃度200g/Lの水酸化ナトリウム水溶液1000gに、アルミン酸ナトリウム3.567gを溶解した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に0.89kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を600rpmに設定した。反応帯域の液温を65℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記アルミン酸ナトリウムのアルカリ水溶液、上記錯化剤を反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.825Co0.155Al0.02(OH)であった。その平均粒径は12.5μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト・アルミニウム複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・コバルト・アルミニウム複合金属水酸化物の性状を以下の観点で評価した。結果を表1に示す。
(平均粒径) 得られた複合金属水酸化物粒子の平均粒径(D50)をレーザー散乱型粒度分布測定装置(マルバーン製 マスターサイザー LS−230)を用いて測定した。
(粒子割れの有無と形状)得られた複合金属水酸化物を走査型電子顕微鏡(日本電子製。1000倍拡大)にて観察し、割れの有無、粒子形状を判別した。拡大写真を図5〜10として掲載する。
[実施例2]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備する。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=92.5:7.5(重量比)部で混合する。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・水酸化ナトリウム水溶液
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に2.0kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を1000rpmに設定した。反応帯域の液温を65℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記水酸化ナトリウム水溶液、上記錯化剤を、反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.925Co0.075(OH)であった。その粒子の平均粒径は12.5μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト・アルミニウム複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・バルト・アルミニウム複合金属水酸化物の性状を実施例1と同じ観点で評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備する。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=87.5:12.5(重量比)部で混合する。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・水酸化ナトリウム水溶液
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に0.63kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を500rpmに設定した。反応帯域の液温を65℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記水酸化ナトリウム水溶液、上記錯化剤を反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.875Co0.125(OH) であった。その粒子の平均粒径は18.3μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・コバルト・アルミニウム複合金属水酸化物の性状を実施例1と同じ観点で評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備する。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=85:15(重量比)部で混合する。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・水酸化ナトリウム水溶液
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に1.68kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を888rpmに設定した。反応帯域の液温を50℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記水酸化ナトリウム水溶液、上記錯化剤を反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.850Co0.150(OH)であった。その粒子の平均粒径は16.3μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・コバルト複合金属水酸化物の性状を実施例1と同じ観点で評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備する。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=84.2:15.8(重量比)部で混合する。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・水酸化ナトリウム水溶液
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に1.00kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を640rpmに設定した。反応帯域の液温を50℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記水酸化ナトリウム水溶液、錯化剤を反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.842Co0.158(OH)であった。その粒子の平均粒径は17.0μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・コバルト複合金属水酸化物の性状を実施例1と同じ観点で評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
以下に示す出発物質を用いた。
・硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、これらの混合物:ニッケル濃度8.2重量%の硫酸ニッケル水溶液を準備する。コバルト濃度8.2重量%の硫酸コバルト水溶液を準備する。上記硫酸ニッケル水溶液と上記硫酸コバルト水溶液を、硫酸ニッケル水溶液:硫酸コバルト水溶液=85.8:14.2(重量比)部で混合する。この混合物を反応器に供給路を介して連結する容器に投入した。
・錯化剤:アンモニア濃度25重量%で含むアンモニア水。
・水酸化ナトリウム水溶液
・純水
図4に示す反応器内に濃度133.6g/Lの硫酸ナトリウム水溶液を満たし、傾斜板沈降装置を介して水溶液を循環させながら、反応帯域に2.32kw/mの攪拌動力が与えられるように撹拌回転数を1111rpmに設定した。反応帯域の液温を50℃に維持した。上記硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液の混合物、上記水酸化ナトリウム水溶液、上記錯化剤を反応帯域に供給した。こうして反応帯域で共沈反応が開始した。
反応帯域のpHを11.7〜12.0に制御し、固体濃度が400g/Lで安定するまで反応帯域の出発物質およびスラリーの抜き出しを行った。共沈反応開始から72時間かけて反応設備を連続運転した。その後、反応帯域からポンプ14を介してスラリーを排出した。スラリーをろ過して複合金属水酸化物を分離、洗浄した。この複合金属水酸化物を大気中80℃で乾燥した。得られた複合金属水酸化物の組成はNi0.858Co0.142(OH)であった。その粒子の平均粒径は8.6μmであった。こうして粉末の状態でニッケル・コバルト複合金属水酸化物粒子を得た。このニッケル・コバルト複合金属水酸化物の性状を実施例1と同じ観点で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018018776
図5〜10と表1に示されるように、反応帯域の液温が60℃より低く、反応帯域に与える攪拌動力が2.2kw/mを超える比較例では、得られた複合金属水酸化物の粒子には割れが発生しており、その形状が実施例に比べて歪なものとなっている。これに対して実施例の複合金属水酸化物は大粒径であっても割れがなく、球状もしくは近球状である。このような複合金属水酸化物を前駆体として用いれば、大粒径にもかかわらず割れがなく球状あるいは近球状のNCA系正極活物質粒子が得られると期待できる。
本発明の方法によって、比較的大粒径でしかも球状のNCA系正極活物質前駆体、及びこれを用いた比較的大粒径でしかも球状のNCA系正極活物質を製造することが出来る。本発明はリチウムイオン電池用の放電容量と体積容量の改善に貢献する。
1 傾斜板沈降装置
2 ラメラ
3 溝
4 傾斜板沈降装置
5 ラメラ
6 レールシステム
7 固体粒子
8 ラメラ
9 直線
10 パドル翼
11 熱交換器
12 傾斜板沈降装置
13 反応器
14 ポンプ
15 スラリー流れ
16 循環ポンプ
17 ポンプ
18 循環容器
19 スラリー流れ
20 循環容器
21 ポンプ
22 ポンプ
23 金属水溶液の供給ポンプ
24 錯化剤の供給ポンプ
25 pH調整剤の供給ポンプ
26 純水の供給ポンプ

Claims (4)

  1. リチウムイオン電池の正極活物質の前駆体である、組成:NiCoAl(OH)(a=0.70〜0.95、b=0.02〜0.20、c=0〜0.1、d=2.0〜2.1、a+b+c=1)を有する複合金属水酸化物からなる平均粒径が10.0μm以上の粒子を製造する方法であって、
    出発物質の供給部、共沈反応が進行する反応帯域、および反応帯域からのスラリー排出部を備える装置を用い、
    上記反応帯域の液温が60℃以上であり、
    上記反応帯域に与える攪拌動力が2.2kw/m以下である、
    複合金属水酸化物の製造方法。
  2. 上記複合金属水酸化物からなる粒子が球状もしくは近球状であり、1000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真で上記複合金属水酸化物粒子表面の割れが観察されない、請求項1に記載の複合金属水酸化物の製造方法。
  3. 反応器中での沈殿により化合物を製造するための装置であって、前記反応器が傾斜板沈降装置を有し、出発物質溶液を前記反応器の反応帯域内への導入時に均質混合するのに適合させた装置であって、
    前記傾斜板沈降装置が、前記反応帯域に直接接続されるように前記反応器と一体化され、かつ少なくとも1つのポンプを介して少なくとも1つの循環容器に接続され、
    前記反応器内の生成物懸濁液から前記少なくとも1つの循環容器まで濁った液体を吸引し、該濁った液体からフィルタエレメントを通して固体の微粒分級物を除去した後の液体を、循環容器から取り出し、かつ反応器へ直接返送することによって、前記反応器内の生成物懸濁液の粒度分布が、より高いD50値へ変位されることを特徴とする、反応器中での沈殿により化合物を製造するための装置:
    を用いる、請求項1または2に記載の複合金属水酸化物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された複合金属水酸化物の製造方法によってリチウムイオン電池の正極活物質の前駆体を製造する工程と、この前駆体と少なくともリチウム化合物とを含む混合物を焼成する工程とを含む、リチウムイオン電池正極活物質の製造方法。
JP2016150272A 2016-07-29 2016-07-29 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法 Active JP7134590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150272A JP7134590B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150272A JP7134590B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018018776A true JP2018018776A (ja) 2018-02-01
JP7134590B2 JP7134590B2 (ja) 2022-09-12

Family

ID=61076314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016150272A Active JP7134590B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7134590B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113443658A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 旭化成株式会社 金属氢氧化物结晶的制造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009531173A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 沈殿により化合物を製造するための装置及び方法
JP2010536697A (ja) * 2007-08-21 2010-12-02 ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 粉末状化合物、その製造方法並びにリチウム二次電池におけるその使用
WO2012169274A1 (ja) * 2011-06-07 2012-12-13 住友金属鉱山株式会社 ニッケル複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、非水系電解質二次電池
WO2013183711A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 住友金属鉱山株式会社 ニッケル複合水酸化物、非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池、およびこれらの製造方法
WO2014051089A1 (ja) * 2012-09-28 2014-04-03 住友金属鉱山株式会社 ニッケルコバルト複合水酸化物とその製造方法および製造装置、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池
JP2015002120A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 住友金属鉱山株式会社 ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物及びその製造方法
JP2015508050A (ja) * 2012-02-08 2015-03-16 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 水酸化物を含む遷移金属炭酸塩の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009531173A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 沈殿により化合物を製造するための装置及び方法
JP2010536697A (ja) * 2007-08-21 2010-12-02 ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 粉末状化合物、その製造方法並びにリチウム二次電池におけるその使用
WO2012169274A1 (ja) * 2011-06-07 2012-12-13 住友金属鉱山株式会社 ニッケル複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、非水系電解質二次電池
JP2015508050A (ja) * 2012-02-08 2015-03-16 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 水酸化物を含む遷移金属炭酸塩の製造方法
WO2013183711A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 住友金属鉱山株式会社 ニッケル複合水酸化物、非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池、およびこれらの製造方法
WO2014051089A1 (ja) * 2012-09-28 2014-04-03 住友金属鉱山株式会社 ニッケルコバルト複合水酸化物とその製造方法および製造装置、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池
JP2015002120A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 住友金属鉱山株式会社 ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113443658A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 旭化成株式会社 金属氢氧化物结晶的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7134590B2 (ja) 2022-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI457288B (zh) 粉狀化合物,其製備過程及其在二次鋰電池上的用途
TWI469823B (zh) 藉沉澱作用製備化合物之裝置及方法
JP7308755B2 (ja) ガス発生を抑制したリチウム金属複合酸化物粉末
JP6605390B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末
JP6616216B2 (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
JP6616217B2 (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
JP6619302B2 (ja) 高タップ密度の複合金属水酸化物粒子の製造方法
JP7134590B2 (ja) 割れのないリチウムイオン電池正極活物質前駆体の製造方法
JP6605412B2 (ja) 複合金属水酸化物粒子の高効率製造方法
JP6475186B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末の改質方法
JP6605391B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末の改質方法
JP6495861B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末の改質方法
JP6616218B2 (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
JP2017188293A (ja) リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物粉末
JP2017188292A (ja) リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物粉末
JP6616215B2 (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
JP2017188294A (ja) リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物粉末
JP6605389B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末
JP6605388B2 (ja) リチウム金属複合酸化物粉末
US10059602B2 (en) Process for producing suspensions

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170718

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200821

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200821

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200827

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200901

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20201023

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20201029

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210520

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220408

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220512

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20220712

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20220812

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7134590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150