(実施形態1)
以下では、本実施形態の光源モジュール10を、図1から図5に基づいて説明し、照明装置20を図3から図5に基づいて説明する。照明装置20を備えた照明器具30を図6に基づいて説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態に含まれる各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
本実施形態の光源モジュール10は、図1から図5に示すように、複数のLED1と、実装基板2と、複数のレンズ部材3と、を備える。実装基板2は、第1主面2aaに複数のLED1が実装される。複数のレンズ部材3は、複数のLED1のうち、対応するLED1を覆う。図1から図5では、1つのレンズ部材3が1つのLED1を覆っている例を図示している。複数のレンズ部材3は、実装基板2に配置される。複数のレンズ部材3の各々は、対応するLED1からの光を拡散する。図5では、レンズ部材3から出射される光を、一点鎖線の矢印で例示している。図5では、隣接するレンズ部材3から出射されたLED1の直接光が、被照射面において重なるように、一点鎖線の矢印が交差している。複数のレンズ部材3の各々は、第1主面2aaに接着された接着剤で形成されている。
本実施形態の光源モジュール10は、複数のレンズ部材3の各々が第1主面2aaに背着された接着剤で形成されている比較的に簡単な構成で、より信頼性を高くできる。
以下では、本実施形態の光源モジュール10を備えた照明装置20として、直管LEDランプを例に説明する。直管LEDランプは、日本照明工業会規格JIS C8159-1:2013に準拠したGX16t-5口金付直管LEDランプである。
照明装置20は、図3から図5に示すように、光源モジュール10と、筐体21と、一対の口金22と、給電線26aと、接地線26bと、接着剤27と、を備える。以下では、一対の口金22のうち、一方の口金22を第1口金部22aと称し、一対の口金22のうち、他方の口金22を第2口金部22bとも称する。
光源モジュール10は、長尺に形成される。光源モジュール10は、複数のLED1と実装基板2と複数のレンズ部材3とに加え、一対の接続部品4と、複数の回路素子5と、を備える。
複数のLED1の各々は、図2に示すように、LEDチップ1aと、パッケージ1bと、封止材1cと、を有する。各LED1は、表面実装型発光ダイオードである。LEDチップ1aは、可視光を発光するベアチップである。ベアチップは、青色光が発光可能な青色LEDチップである。青色LEDチップは、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子である。青色LEDチップは、例えば、通電により、ピーク波長が、420nmから490nmの範囲内にある青色光を放射する。
パッケージ1bは、一表面にLEDチップ1aを収納する凹所を有している。パッケージ1bは、セラミック材料で形成される。パッケージ1bのセラミック材料としては、例えば、アルミナが挙げられる。パッケージ1bは、一表面と反対の他表面に一対の外部接続端子が設けられる。一対の外部接続端子の各々は、LEDチップ1aに給電できるように、LEDチップ1aと電気的に接続される。
封止材1cは、パッケージ1bの凹所を封止する。封止材1cは、透光性材料により形成される。封止材1cの透光性材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、若しくはガラスが挙げられる。封止材1cの透光性材料には、蛍光体が混合される。
蛍光体は、例えば、黄色蛍光体である。黄色蛍光体は、青色LEDチップから放射される青色光により励起されて、黄色光を放射する。LED1は、青色LEDチップから放射される青色光と、黄色蛍光体から放射される黄色光と、の混色光を放射する。混色光としては、例えば、昼白色の光である。黄色蛍光体としては、例えば、Ceで付活されたY3Al5O12、若しくはEuで付活されたBa2SiO4が挙げられる。
LED1は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色の光を放出する構成だけに限られない。LED1は、黄色蛍光体に代えて、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを備える構成でもよい。LED1は、赤色蛍光体からの赤色光と、緑色蛍光体からの緑色光と、青色LEDチップからの青色光との混色光により、白色の光を放出する。LED1は、青色LEDチップに代えて、例えば、紫外光を放出する紫外LEDチップを備える構成でもよい。LED1は、紫外LEDチップを有する場合、例えば、紫外光で励起され赤色光を放出する赤色蛍光体と、紫外光で励起され緑色光を放出する緑色蛍光体と、紫外光で励起され青色光を放出する青色蛍光体と、を備える。LED1は、赤色蛍光体からの赤色光と、緑色蛍光体からの緑色光と、青色蛍光体からの青色光と、の混色によって白色の光を放出する。封止材1cの透光性材料には、必ずしも蛍光体が混合されていなくともよい。
実装基板2は、図1から図5に示すように、長尺に形成される。実装基板2は、矩形平板状の外形形状をしている。実装基板2は、第1主面2aaに複数のLED1が実装される。実装基板2は、実装基板2の短手方向における中央部において、実装基板2の長手方向に沿って、複数のLED1が直線状に配置される。
実装基板2は、配線と、レジスト2cと、を有している。配線は、実装基板2の表面に形成される。配線は、複数のLED1を電気的に接続できるように、所定の形状に形成される。配線は、例えば、銅箔である。
レジスト2cは、配線の一部を除いて配線を覆うように、実装基板2の表面に形成される。レジスト2cは、薄膜であり、図1から図3にだけ図示している。レジスト2cは、配線の酸化及び配線の腐食を抑制する。レジスト2cは、電気絶縁性を有している。レジスト2cは、複数のLED1を電気的に接続する配線同士の短絡を抑制する。レジスト2cは、実装基板2の絶縁耐圧を向上する。レジスト2cは、白色に着色される。レジスト2cは、LED1からの光を反射して、光源モジュール10の光取り出し効率の低下を抑制する。レジスト2cは、光反射フィラーと、樹脂材料と、を有している。レジスト2cは、樹脂材料に光反射フィラーが含有されることで、白色に着色される。光反射フィラーとしては、例えば、酸化チタンが挙げられる。レジスト2cの樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、若しくはシリコーン樹脂が挙げられる。
実装基板2は、はんだを介して、LED1における外部接続端子と、レジスト2cから露出した配線と、が電気的に接続される。実装基板2は、配線により、複数のLED1の各々を、電気的に直列、並列、若しくは直列並列に接続する。実装基板2は、ガラスエポキシ樹脂基板である。実装基板2は、ガラスエポキシ樹脂基板だけに限られない。実装基板2は、例えば、セラミックス基板、若しくは金属ベース基板でもよい。実装基板2がセラミックス基板の場合、セラミックス基板の材料としては、例えば、アルミナ、若しくは窒化アルミニウムが挙げられる。実装基板2が金属ベース基板の場合、金属ベース基板の材料としては、例えば、アルミニウム合金基板、銅合金基板、若しくは鉄合金基板が挙げられる。実装基板2は、リジット基板だけでなく、フレキシブル基板でもよい。フレキシブル基板の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂が挙げられる。
レンズ部材3は、LED1からの光を拡散する。レンズ部材3は、LED1を覆って実装基板2の第1主面2aaに固定される。レンズ部材3は、実装基板2の厚み方向に突出する平凸状の外形形状をしている。レンズ部材3は、LED1を封止して、LED1を機械的に保護する。レンズ部材3は、LED1及び実装基板2の一部を覆うことで、LED1を実装基板2に接着させる。レンズ部材3は、1つのLED1だけを覆う構成に限られない。レンズ部材3は、複数のLED1のうち、2つ以上のLED1に対応して設けられてもよい。レンズ部材3は、例えば、直線状に配置された複数のLED1を一纏まりとして、纏まったLED1の群ごとに複数のLED1を覆ってもよい。各レンズ部材3は、対応するLED1それぞれを個別に封止する。言い換えれば、本実施形態の光源モジュール10では、複数のレンズ部材3の各々は、複数のLED1のうち2つ以上のLED1に対応して設けられてもよい。光源モジュール10は、複数のレンズ部材3の各々が複数のLED1のうち2つ以上のLED1に対応して設けられることで、光出力の向上と光拡散とを両立させることができる。
レンズ部材3は、透光性の樹脂組成物により形成される。樹脂組成物は、接着剤である。接着剤としては、例えば、加熱硬化型接着剤、若しくは紫外線硬化型接着剤が挙げられる。接着剤の材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、若しくはアクリル樹脂が挙げられる。レンズ部材3は、硬化前の接着剤の粘度、LED1及び実装基板2と硬化前の接着剤との濡れ性が適宜に設定されることで、所定の外形形状に形成される。言い換えれば、実装基板2の第1主面2aaは、濡れ性の異なる表面を有することが好ましい。光源モジュール10は、濡れ性の異なる第1主面2aaのパターン形状を利用して、レンズ部材3の形状を調整できる。
硬化前の接着剤と実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性は、接着剤及び第1主面2aaを構成する材質、第1主面2aaにおける表面の凹凸状態によって調整できる。第1主面2aaを構成する材質としては、レジスト2c、若しくは配線が挙げられる。すなわち、光源モジュール10では、実装基板2の第1主面2aaは、第1面と、第1面よりも濡れ性の低い第2面と、を有することが好ましい。第1面は、レンズ部材3が形成されるレンズ部材形成領域である。第2面は、レンズ部材3が形成されない非形成領域である。第1面は、形成されるレンズ部材3の形状に合わせた適宜のパターン形状をしている。第1面は、例えば、実装基板2の正面視において、円形形状に形成される。第2面は、第1面を囲むように設けられる。
第1面は、プラズマ処理されたレジスト2cの表面であり、第2面は、プラズマ処理されていないレジスト2cの表面である。第1主面2aaは、例えば、レジスト2cがエポキシ樹脂であり、レジスト2cの一部を酸素プラズマに晒すプラズマ処理が施されることで第1面が形成される。酸素プラズマに晒されたレジスト2cの表面は、プラズマ処理されていないレジスト2cの表面よりも濡れ性が高くなる傾向にある。第1主面2aaでは、プラズマ処理により濡れ性の高い第1面となるか、若しくは第1面よりも濡れ性の低い第2面となるかは、プラズマ条件、第1主面2aaの材質及び接着剤の材質によって変わる。第1面と第2面とは、プラズマ処理により形成されるだけに限られない。第1面は、レジスト2cの表面であり、第2面は、配線の表面でもよい。
光源モジュール10は、例えば、LED1を囲む円環状の配線をレジスト2cから露出させることによって、濡れ性の異なる第1主面2aaが形成される。接着剤の材料は、レジスト2cと同質の樹脂材料にできる。レンズ部材3は、接着剤がレジスト2cと同質の樹脂材料であれば、レジスト2cとの接着性を高めることができる。接着剤の材料は、LED1における封止材1cと同質の樹脂材料にできる。レンズ部材3は、接着剤が封止材1cと同質の樹脂材料であれば、封止材1cとの接着性を高めることができる。
一対の接続部品4は、図1、図3及び図5に示すように、実装基板2の長手方向の両側に設けられる。一対の接続部品4の各々は、実装基板2の短手方向の一方に設けられる。一対の接続部品4のうち、一方の接続部品4は、外部からの電力を複数のLED1に供給する。一方の接続部品4は、複数のLED1に給電できるように、実装基板2の配線と電気的に接続される。一対の接続部品4のうち、他方の接続部品4は、複数のLED1が電気的に接続された接続回路を接地する。一対の接続部品4の各々は、コネクタである。
複数の回路素子5は、図1、図3及び図5に示すように、実装基板2の第1主面2aaに実装される。複数の回路素子5は、実装基板2の長手方向に沿った第1端縁部2aに配置される。複数の回路素子5は、実装基板2の配線により、相互に電気的に接続される。複数の回路素子5は、相互に電気的に接続されて、点灯回路を構成する。点灯回路は、一方の接続部品4から入力される直流電圧を所定の極性及び所定の電圧値に調整して、複数のLED1それぞれに出力する。
回路素子5としては、例えば、整流素子、抵抗素子及びヒューズ素子が挙げられる。整流素子は、ダイオードブリッジ回路を構成する。ダイオードブリッジ回路は、入力された直流電力を全波整流する。回路素子5は、コンデンサ、コイル、ダイオード、若しくはトランジスタが含まれてもよい。
以下では、光源モジュール10の形成製造について説明する。
光源モジュール10は、実装基板2の第1主面2aaに複数のLED1が実装される。実装基板2は、配線を覆うように予めレジスト2cが形成される。レジスト2cは、エポキシ樹脂で形成される。実装基板2は、レジスト2cから露出した配線のランドにクリームはんだが塗布され後、複数のLED1がランドに搭載される。実装基板2の第1主面2aaには、複数のLED1と同様に、一対の接続部品4及び複数の回路素子5が搭載される。実装基板2は、リフロー炉で加熱され、複数のLED1、一対の接続部品4及び複数の回路素子5がはんだ付けされる。
次に、実装基板2には、複数のLED1を各別に覆うように、ディスペンサから透光性の接着剤が塗布される。接着剤は、シリコーン樹脂である。実装基板2は、LED1を接着剤が第1主面2aaに付着まで充填される。続いて、実装基板2が加熱炉で加熱されることで、第1主面2aaに接着された接着剤が熱硬化される。光源モジュール10の製造工程では、接着剤が熱硬化されることで、レンズ部材3が形成される。
次に、照明装置20の構成のうち、光源モジュール10以外の構成について説明する。
筐体21は、図3から図5に示すように、長尺に形成される。筐体21は、円筒状の外形形状をしている。筐体21は、照明装置20の外郭を構成する発光管である。筐体21は、光源モジュール10からの光に対して、透光性を有している。筐体21は、光源モジュール10からの光が透過できれば、必ずしも筐体21全体が透光性を有する必要はない。筐体21は、内表面に光拡散部材が設けられる。光拡散部材は、光源モジュール10から放射される光を光拡散させる。光拡散部材は、光散乱粒子と、バインダと、を有する。光散乱粒子は、光源モジュール10からの光を散乱させる。光散乱粒子の材料としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、若しくは炭酸カルシウムが挙げられる。バインダは、光散乱粒子を筐体21に付着させる。バインダの材料としては、例えば、シリコーン樹脂、若しくはエポキシ樹脂が挙げられる。光拡散部材は、筐体21の内表面に設けられる構成に限られず、筐体21の外表面に設けられてもよい。光拡散部材は、筐体21の内表面、若しくは外表面に形成された凹凸でもよい。筐体21の材料としては、例えば、ガラス、若しくは透光性樹脂が挙げられる。筐体21がガラスで形成され場合、筐体21の材料は、例えば、ソーダ石灰ガラスが挙げられる。筐体21が透光性樹脂で形成される場合、筐体21の材料は、例えば、ポリカーボネート樹脂、若しくはアクリル樹脂が挙げられる。
第1口金部22aは、図3及び図5に示すように、第1口金本体24aと、一対の第1ランプピン24bと、を有する。第1口金本体24aは、有底円筒状の外形形状をしている。第1口金本体24aは、外底面において、凹部24cと、突出部24dと、を有している。凹部24cは、第1口金本体24aの径方向における中央部の両側に設けられる。凹部24cは、半円状に凹んでいる。突出部24dは、第1口金本体24aの中央部に設けられる。突出部24dは、直方体状の外形形状をしている。突出部24dは、第1口金本体24aの軸方向に沿って、凹部24cよりも外方に突出する。第1口金本体24aは、樹脂材料によって構成される。第1口金本体24aの樹脂材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、若しくはポリカーボネート樹脂が挙げられる。
一対の第1ランプピン24bは、第1口金本体24aにおける突出部24dに設けられる。一対の第1ランプピン24bの各々は、第1口金本体24aの軸方向に沿って、第1口金本体24aの外底面から外方に向かって突出する。一対の第1ランプピン24bは、板状に形成される。一対の第1ランプピン24bは、互いに対向して配置される。第1ランプピン24bの各々は、板状突出部24eと、屈曲部24fと、を備えている。板状突出部24eは、第1口金本体24aの軸方向に沿って、外方に突出する。板状突出部24eは、金属材料により形成される。屈曲部24fは、板状突出部24eの先端部において、板状突出部24eの突出方向と交差する方向に突出する。一対の屈曲部24fは、互いに反対向きに突出する。屈曲部24fは、金属材料により形成される。板状突出部24eと屈曲部24fとは、一体に形成される。一対の第1ランプピン24bそれぞれは、導電ピンである。第1ランプピン24bの金属材料としては、例えば、真ちゅう、若しくは銅合金が挙げられる。
一対の第1ランプピン24bの各々は、はんだにより、給電線26aと各別に接続される。一対の第1ランプピン24bは、給電線26a及び一方の接続部品4を介して、実装基板2の配線と電気的に接続される。一対の第1ランプピン24bは、光源モジュール10を点灯させる電力を外部から受ける。一対の第1ランプピン24bは、光源モジュール10に給電する給電端子として機能する。第1口金部22aは、第1口金本体24aと、第1ランプピン24bと、が一体的に形成される。第1口金部22aは、インサート成形によって、成形された成形品である。
第2口金部22bは、図3及び図5に示すように、第2口金本体25aと、第2ランプピン25bと、を有する。第2口金本体25aは、有底円筒状の外形形状をしている。第2口金本体25aは、樹脂材料によって構成される。第2口金本体25aの樹脂材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、若しくはポリカーボネート樹脂が挙げられる。第2口金本体25aは、第1口金本体24aと同じ樹脂材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
第2ランプピン25bは、第2口金本体25aの外底面の中央部に設けられる。第2ランプピン25bは、第2口金本体25aの軸方向に沿って、第2口金本体25aの外底面から外方に向かって突出する。第2ランプピン25bは、軸部25cと、径大部25dと、を有している。軸部25cは、丸棒状の外形形状をしている。軸部25cは、第2口金本体25aの軸方向に沿って外方に突出する。軸部25cは、金属材料により形成される。径大部25dは、軸部25cの先端部に配置される。径大部25dは、軸部25cの軸径よりも大きな外形形状をしている。径大部25dは、第2口金本体25aの軸方向から見て、長円形状をしている。径大部25dの長手方向は、第1口金本体24aから突出する一対の第1ランプピン24bが並ぶ方向に沿って配置される。径大部25dは、金属材料により形成される。第2ランプピン25bは、軸部25cと径大部25dとが一体に形成される。第2ランプピン25bは、導電ピンである。第2ランプピン25bの金属材料としては、例えば、真ちゅう、若しくは銅合金が挙げられる。
第2ランプピン25bは、はんだにより、接地線26bと電気的に接続される。第2ランプピン25bは、接地線26b及び他方の接続部品4を介して、実装基板2の配線と電気的に接続される。第2ランプピン25bは、光源モジュール10を接地させるアース端子として機能する。第2口金部22bは、第2口金本体25aと、第2ランプピン25bと、が一体的に形成される。第2口金部22bは、インサート成形によって、成形された成形品である。
接着剤27は、図4及び図5に示すように、実装基板2における第1主面2aaと反対の第2主面2abに設けられる。接着剤27は、実装基板2の長手方向に沿って、所定の間隔で設けられる。接着剤27は、実装基板2の第2主面2abと、筐体21と、を接着する。接着剤27は、実装基板2の長手方向に沿って、所定の間隔に設けられる。接着剤27は、所定の間隔で設けられるので、実装基板2と筐体21との線膨張係数が異なる場合でも、光源モジュール10の点灯に伴う熱膨張及び光源モジュール10の消灯に伴う熱収縮で剥がれることを抑制できる。接着剤27は、実装基板2の長手方向に沿って、所定の間隔に設けられる構成だけに限られない。接着剤27は、実装基板2の長手方向に沿って連続的に形成されてもよい。
接着剤27は、実装基板2の第1端縁部2aと、第1口金本体24aと、を接着する。接着剤27は、第1口金本体24aの内周面に設けられる。接着剤27は、第1口金本体24aの内周面に設けられる構成だけでなく、実装基板2の第1端縁部2aにおける第2主面2abに設けられてもよい。接着剤27は、実装基板2の長手方向における第1端縁部2aと反対の第2端縁部2bと、第2口金本体25aと、を接着する。接着剤27は、第2口金本体25aの内周面に設けられる。接着剤27は、第2口金本体25aの内周面に設けられるだけでなく、実装基板2の第2端縁部2bにおける第2主面2abに設けられてもよい。接着剤27は、例えば、シリコーン樹脂、若しくはエポキシ樹脂が挙げられる。
照明装置20は、1つの光源モジュール10を備える構成だけに限らず、複数の光源モジュール10を備える構成でもよい。照明装置20は、第1口金部22aのみの片側から筐体21内の全LED1に給電を行う片側給電方式の構成だけに限られない。照明装置20は、第1口金部22a及び第2口金部22bの両方から給電を行う両側給電方式に構成されてもよい。照明装置20は、外部電源から直流電力を受電する構成だけに限られない。照明装置20は、点灯回路を内蔵することにより、外部電源から交流電力を受電する構成でもよい。
以下では、照明装置20の組立工程について、簡単に説明する。
照明装置20の組立工程では、予め形成された光源モジュール10を、筐体21の一方の開口から筐体21の内部に挿入する。光源モジュール10は、筐体21の長手方向に沿って、筐体21の内部に配置される。光源モジュール10は、実装基板2の両側が筐体21からはみ出す位置までスライドされる。光源モジュール10は、実装基板2を筐体21の内部に挿入するに先立って、実装基板2の第2主面2abに所定の間隔で接着剤27が塗布される。
その後、第1口金部22aから延びる給電線26aの先端に設けられたレセプタクルコネクタが、実装基板2の一方の接続部品4とコネクタ接続される。第1口金部22aは、第1ランプピン24bと、対応する給電線26aとが予め電気的に接続される。同様に、第2口金部22bから延びる接地線26bの先端に設けられたレセプタクルコネクタが、実装基板2の他方の接続部品4とコネクタ接続される。第2口金部22bは、第2ランプピン25bと、接地線26bとが予め電気的に接続される。
次に、第1口金部22aの内周面に接着剤27が塗布される。続けて、筐体21からはみ出した実装基板2の第1端縁部2aを第1口金部22aの内部に差し込むようにして、第1口金部22aが筐体21の長手方向の第1端部21aに装着される。第1口金部22aは、筐体21の長手方向の第1端部21aを覆うように、筐体21に取り付けられる。第1口金部22aは、筐体21の開口を塞ぐ。
同様に、第2口金部22bの内周面に接着剤27が塗布される。筐体21からはみ出した実装基板2の第2端縁部2bを第2口金部22bの内部に差し込むようにして、第2口金部22bが筐体21の長手方向の第1端部21aと反対の第2端部21bに装着される。第2口金部22bは、筐体21の第2端部21bを覆うように、筐体21に取り付けられる。第2口金部22bは、筐体21の開口を塞ぐ。
筐体21における第1端部21a及び第2端部21bから中央部に向かう方向に力を加えるようにして、第1口金部22a及び第2口金部22bが互いに押し付けられる。その後、組み立てられた照明装置20全体を加熱炉で加熱させることで、接着剤27を硬化させる。実装基板2は、照明装置20全体が加熱されることで、接着剤27により、筐体21と接着される。第1口金部22aは、照明装置20全体が加熱されることで、接着剤27により、第1口金本体24aと実装基板2の第1端縁部2aとが接着される。第2口金部22bは、照明装置20全体が加熱されることで、接着剤27により、第2口金本体25aと実装基板2の第2端縁部2bとが接着される。
以下では、実施形態1に係る照明装置20を備えた照明器具30について、図6に基づいて簡単に説明する。
本実施形態に係る照明器具30は、図6に示すように、照明装置20と、器具本体31と、を備える。器具本体31は、実施形態1に係る照明装置20を保持する。照明器具30は、器具本体31が天井に固定され、照明装置20が鉛直方向の下方を照明する。
器具本体31は、長尺に形成される。器具本体31は、正面視において、矩形状の外形形状をしている。器具本体31は、一面が開口する箱状に形成される。器具本体31は、断面が逆三角形をした傾斜部31aを有している。器具本体31は、例えば、固定具により、開口が塞がるように天井に固定される。器具本体31は、金属板の打ち抜き加工及び折り曲げ加工により形成される。器具本体31の金属板としては、例えば、鋼板が挙げられる。
器具本体31は、ソケット32と、電源装置と、端子台と、を備える。器具本体31は、一対のソケット32を1組として、2組のソケット32を備えている。一対のソケット32は、器具本体31の長手方向の両側に設けられる。ソケット32は、器具本体31の表面から外方へ突出する。2組のソケット32は、器具本体31の短手方向に並んで設けられる。一対のソケット32は、照明装置20における第1口金部22aと第2口金部22bとの間の長さに応じて所定の間隔で配置される。器具本体31は、2つ照明装置20を並行に並んで配置させる。
電源装置及び端子台は、器具本体31に内蔵される。電源装置は、例えば、商用の交流電力を直流電力に変換する。電源装置は、端子台を介して、外部電源と電気的に接続される。電源装置は、入力される外部電源からの交流電圧を、照明装置20に適合した所定の電圧に変換する。電源装置は、ソケット32を介して、照明装置20に所定の点灯電力を供給する。電源装置は、照明装置20の点灯電力を生成する電源回路を有している。電源回路は、例えば、昇圧チョッパ回路及び降圧チョッパ回路を備えている。電源回路は、商用交流電源などの外部電源からの交流電圧を直流電圧に整流する。電源回路は、整流した直流電圧を昇圧及び降圧し、所定の目標値に一致する電流を出力する。端子台は、商用交流電源など外部からの電源線が接続される。
照明器具30は、照明装置20がソケット32に装着された状態で、光源モジュール10のLED1が、器具本体31と反対の鉛直方向の下方を向くように、実装基板2と第1ランプピン24b及び第2ランプピン25bとの位置関係が規定されている。照明器具30では、照明装置20が何れの第1ランプピン24bが外部の直流電源の正極側と接続された場合でも、各LED1に順方向電流が流れるように、一対の第1ランプピン24bと各LED1とが点灯回路の全波整流器を介して電気的に接続される。
以下では、本実施形態に係る照明装置20が比較例の照明装置と比較して、比較的に簡単な構成で、より信頼性を高くできることについて説明する。比較例の照明装置は、複数のLEDのうち、対応するLEDを覆って実装基板に配置されたレンズ部材を備える。複数のレンズ部材は、出射する光と、隣接するレンズ部材から出射される光と、が被照射面において重なるように、対応するLEDからの光を拡散する。複数のレンズ部材は、樹脂によって形成された成形品である。複数のレンズ部材の各々は、接着剤によって実装基板の第1主面に接着されている。照明装置は、レンズ部材がLEDからの光を拡散する。比較例の照明装置では、レンズ部材によりLEDからの光を拡散させているので、人が照明装置を見た場合でも、各LED周りの輝度が高く、LEDごとの粒々感を人に感じさせることを低減できる。比較例の照明装置は、接着剤によりレンズ部材を接着しているので、ねじによりレンズ部材を実装基板にねじ止めする構成と比べて組立作業性を向上できる。
ところで、照明装置は、一般に器具本体のソケットに装着され鉛直方向の下向きを照射するように配置される。照明装置は、レンズ部材が実装基板に対し鉛直方向の下側に配置される。照明装置では、LEDの寿命が数万時間にも及ぶにも関わらず、レンズ部材を固定させる接着剤の劣化による寿命がLEDの寿命よりも短い場合、レンズ部材が実装基板から剥がれる場合がある。接着剤は、LEDからの光及びLEDからの熱に起因して、劣化が促進される場合もある。照明装置は、レンズ部材が実装基板から剥がれると均斉度が低下する。照明装置では、特に、実装基板が長尺の場合、実装基板とレンズ部材との線膨張係数の違いに起因した応力でレンズ部材が実装基板から剥がれ易い傾向にある。比較例の照明装置では、接着剤は、実装基板とレンズ部材との両方を接着させる必要がある。比較例の照明装置では、実装基板と成形品のレンズ部材との熱膨張や熱収縮に起因して、実装基板とレンズ部材との両方を接着させる接着剤の接着性が低下するおそれがある。
本実施形態に係る照明装置20は、レンズ部材3が光を拡散することで、隣接するLED1の間が暗くなることを抑制する。照明装置20では、人が照明装置20を見た場合でも、LED1ごとの粒々感を人に感じさせることを抑制できる。レンズ部材3は、光源モジュール10の被照射面である筐体21において、複数のLED1が粒々に発光しているように見える粒々感を低減する。照明装置20は、レンズ部材3が接着剤自体により形成されているので、実装基板2との接着性が高ければよい。照明装置20は、レンズ部材3が実装基板2に接着された接着剤で実装基板2との接着力が高くすることが容易であり、成形品のレンズ部材が接着剤で実装基板に固定される構成と比較して、レンズ部材3が実装基板2から剥がれることを抑制できる。言い換えれば、光源モジュール10は、レンズ部材3が実装基板2から剥がれることを抑制できる。光源モジュール10は、レンズ部材3が剥がれて、被照射面における均斉度の低下を抑制できる。照明装置20では、レンズ部材3が剥がれることで、外観の見栄えが悪くなることが抑制できる。
すなわち、本実施形態に係る照明装置20は、上述の光源モジュール10と、筐体21と、一対の口金22と、を備える。筐体21は、筒状の外形形状をしている。筐体21は、透光性を有する。筐体21は、内部に光源モジュール10を配置する。一対の口金22のうち一方の口金22は、筐体21の第1端部21aに設けられる。一対の口金22のうち他方の口金22は、筐体21の第1端部21aと反対の第2端部21bに設けられることが好ましい。
本実施形態に係る照明装置20は、上述の光源モジュール10を備える比較的に簡単な構成で、より信頼性を高くすることができる。
本実施形態の光源モジュール10では、接着剤は、シリコーン樹脂であることが好ましい。
本実施形態の光源モジュール10は、接着剤がシリコーン樹脂であることで、比較的に簡単にレンズ部材3を形成することができる。
(実施形態2)
図7に示す実施形態2に係る照明装置20は、実施形態1のレンズ部材3を多層に構成した点が主として相違する。照明装置20は、多層に構成された以外、図4に示す実施形態1に係る照明装置20と同様の構成をしている。図中において実施形態1と同じ部材に対しては、同じ符号を付して説明を適宜に省略する。
本実施形態に係る照明装置20では、レンズ部材3は、第1レンズ部材3aと、第2レンズ部材3bと、を有している。
第1レンズ部材3aは、LED1を覆う。第1レンズ部材3aは、第1主面2aaに接着された接着剤である。第2レンズ部材3bは、第1レンズ部材3aを覆う。第2レンズ部材3bは、第1レンズ部材3aに接着された接着剤である。第1レンズ部材3aと第2レンズ部材3bとは、硬化前の接着剤にフィラーが含有される。第1レンズ部材3aと第2レンズ部材3bとは、硬化前の接着剤の粘度が異なる。第1レンズ部材3aは、第2レンズ部材3bと比較して、硬化前の接着剤の粘度が低い。硬化前の接着剤の粘度は、接着剤に含有されたフィラーの含有量が適宜に設定されることで、調整できる。第1レンズ部材3aは、フィラーの含有量が、第2レンズ部材3bと比較して、少ない。フィラーとしては、例えば、樹脂粉末、若しくは無機粉末が挙げられる。
本実施形態に係る照明装置20では、第1レンズ部材3aによりLED1を覆う。第1レンズ部材3aは、実装基板2と接着される。第2レンズ部材3bは、第1レンズ部材3aを覆う。第2レンズ部材3bは、第1レンズ部材3aと接着される。第1レンズ部材3aは、第2レンズ部材3bと比較して、実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性の高い材料が好ましい。第1レンズ部材3aと第2レンズ部材3bとは、同質の材料で形成されることが好ましい。レンズ部材3は、第1レンズ部材3aがシリコーン樹脂の場合、第2レンズ部材3bも同質の材料として、シリコーン樹脂が好ましい。
ところで、レンズ部材3は、硬化前の接着剤が実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性が低ければ、比較的簡単に所定のレンズ形状に形成することができる。レンズ部材3は、硬化前の接着剤が実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性が低ければ、接着剤中に気泡が入りやすい傾向にある。レンズ部材3は、接着剤中に気泡が入れば所定の光学特性を確保することが難しい傾向にある。
本実施形態に係る照明装置20では、第1レンズ部材3aの硬化前の接着剤が、第2レンズ部材3bの硬化前の接着剤と比較して、実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性が高く、かつ粘度の低い。言い換えれば、第2レンズ部材3bの硬化前の接着剤は、第1レンズ部材3aの硬化前の接着剤と比較して、実装基板2の第1主面2aaとの濡れ性が低く、かつ粘度の高い。レンズ部材3は、第1レンズ部材3aと、第2レンズ部材3bとで光学特性と接着性とを機能分離することで、所定の光学特性を有するレンズ部材3を比較的に簡単に形成することができる。
本実施形態の光源モジュール10を備えた照明装置20も、実施形態1と同様にして、照明器具30を構成することができる。
本発明は、上述の実施形態だけに限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲で、種々変更することができる。