JP2018018668A - 電気接続部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性の高い電気接続部品を提供する。【解決手段】接触により電気的な接続を行う接触部(100)を有する電気接続部品(10)である。接触部(100)が、母材(101)の表面に形成される第1めっき層(102)と、第1めっき層(102)の表面に形成される第2めっき層(103)と、第1めっき層(102)に保持されるカーボンナノ材料(104)とを備える。第2めっき層(103)が、第1めっき層(102)とカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食を抑制するための保護めっき層である。【選択図】図1

Description

本発明は、電気接続部品に関する。詳しくは、本発明は、リレー及びスイッチの接点部品やコネクタの端子部品などの電気接続部品に関する。
従来、接触信頼性を向上させることを目的として、カーボンナノ材料を含有するめっき層を備えた電気接続部品が提案されている。例えば、特許文献1に記載の電気接続部品20では、他部材に接触する接触部200が、図8のように、母材210の表面にめっき層220が設けられ、めっき層220にカーボンナノ材料230が保持されて形成されている。カーボンナノ材料230はカーボンナノチューブやカーボンブラックなどであって、めっき層220の表面に露出して設けられている。従って、カーボンナノ材料230はめっき層220よりも他の部材に接触しやすくなり、電気接続部品200の接触信頼性が向上している。
特開2013−011016号公報
前記めっき層220はニッケルやニッケル合金で形成されているが、炭素(C)とニッケル(Ni)との電位差が大きいため、めっき層220が腐食しやすいという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐食性の高い電気接続部品を提供することを目的とするものである。
本発明に係る電気接続部品は、接触により電気的な接続を行う接触部を有する電気接続部品であって、
前記接触部は、母材の表面に形成される第1めっき層と、前記第1めっき層の表面に形成される第2めっき層と、前記第1めっき層に保持されるカーボンナノ材料とを備え、
前記第2めっき層は、前記第1めっき層と前記カーボンナノ材料との電位差により生じる腐食を抑制するための保護めっき層であることを特徴とする。
本発明は、第2めっき層により第1めっき層とカーボンナノ材料との電位差により生じる腐食を抑制することができ、耐食性を高くすることができる。
図1は、本発明に係る一実施の形態の電気接続部品の接触部を示す概略の断面図である。 図2は、同上のコネクタの端子部品を示す概略の正面図である。 図3は、同上のスイッチの可動接点部品と固定接点部品を示す概略の断面図である。 図4は、同上のリレーの可動接点部品と固定接点部品を示す概略の断面図である。 図5は、同上の耐食性の評価を示すグラフである。 図6Aは、接触信頼性試験における接触抵抗値の測定試験1の結果を示すグラフである。図6Bは、接触信頼性試験における接触抵抗値の測定試験2の結果を示すグラフである。図6Cは、接触信頼性試験における接触抵抗値の測定試験3の結果を示すグラフである。図6Dは、接触信頼性試験における接触抵抗値の測定試験4の結果を示すグラフである。 図7は、接触信頼性試験における接触荷重の変化と電気抵抗値の変化とを示すグラフである。 図8は、従来の電気接続部品の接触部を示す概略の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態の電気接続部品は、接触により電気的な接続を行う接触部を有している。このような電気接続部品としては、リレー及びスイッチの接点部品やコネクタの端子部品などが例示される。接点部品としては固定接点部品と可動接点部品などが例示される。端子部品としてはプラグ、ジャック、レセプタクル、ソケット、ピンヘッダーなどの各種のコネクタに適用されるものが例示される。
電気接続部品の接触部は他の部材に接触する部分である。例えば、電気接続部品が固定接点部品である場合、これと対になっている可動接点部品が他の部材となる。すなわち、固定接点部品や可動接点部品では、これらが互いに接触しあう部分が接触部として形成される。また電気接続部品がコネクタの端子部品である場合、別のコネクタに設けた端子部品が他の部材となる。すなわち、コネクタの端子部品では、機械的に接続される複数のコネクタのそれぞれに設けた端子部品が互いに接触しあう部分が接触部として形成される。接触部が他の部材と接触することにより、電気接続部品と他の部材とが電気的に接続される。
図1は電気接続部品10の接触部100の概略図を示している。接触部100は母材101と第1めっき層102と第2めっき層103とカーボンナノ材料104とを備えて形成されている。
母材101は電気接続部品10の基体であって、使用目的に応じて所望の形状に成形されている。母材101は銅又は銅合金などの電気接続部品10に使われる公知の金属材料で形成されている。銅合金としては、Cu−Ti、Cu−Ti−Fe、Cu-Be、Cu−Sn−P系、Cu−Zn系、Cu−Ni−Zn系、Cu−Ni−Si系、Cu−Fe−P系合金などが挙げられる。なお、母材101はその表面に、第1めっき層102との密着性を高めるためのNiめっき膜などの下地層を有していても良い。
第1めっき層102は母材101の表面に付着しているめっき膜である。第1めっき層は、結晶質又は非晶質(アモルファス)の金属めっき膜で形成されている。第1めっき層102は母材101への付着性やカーボンナノ材料104の保持性、硬度、耐食性等を考慮して、その材質や厚みなどを決定すればよい。第1めっき層102の材質はNi又はNi−P合金で形成されていることが好ましい。第1めっき層102の膜厚は、5μm以下であることが好ましい。5μmより厚い膜厚では、第1めっき層102のばね性が失われやすく、応力によるクラックが発生しやすく場合がある。第1めっき層102の膜厚の下限は、カーボンナノ材料104の保持性等を確保するために、0.1μmとすることが好ましい。さらに接触部100の耐食性の向上を考慮すると、第1めっき層102の膜厚は0.5μm以上が好ましく、1μm以上がさらに好ましい。
第2めっき層103は第1めっき層102の表面に付着しているめっき膜である。第2めっき層103は第1めっき層102とカーボンナノ材料104との電位差により生じる第1めっき層102の腐食を抑制するための保護めっき層である。図8に示す従来例では、亜硫酸ガス試験などの過酷な耐食性試験において、めっき層220に腐食が生じやすかった。これは、めっき層220とカーボンナノ材料230とが局部電池となる隙間腐食である。すなわち、カーボンナノ材料230にめっき層220が被っている部分(界面部分)に、めっき層220の凹凸変化等により隙間が生じた場合に、該隙間にめっき層220とカーボンナノ材料230との電位差による局部電池が作用し、隙間腐食が生じる。本実施形態における第2めっき層103はこの隙間腐食の発生を抑制するものである。
第2めっき層103は、第1めっき層102に含有される金属元素よりも貴な金属元素を含有しているのが好ましい。この場合、第2めっき層103は、第1めっき層102に比べて、カーボンナノ材料104に対する電位差が小さくなり、第2めっき層103は第1めっき層102よりも腐食が生じにくくなる。この結果、第1めっき層102が腐食の生じにくい第2めっき層103で被覆されることになり、第1めっき層102に酸素、水分、その他の腐食成分が作用しにくくなって、第1めっき層102の腐食が抑制される。
具体的には、第1めっき層102がNiめっき又はNi−P合金めっきで形成されている場合、第2めっき層103は、Cu、Sn、Au、Ag、Pd、Rh、Ruの群から選ばれる1種又は複数種の金属元素からなるめっきで形成可能である。また、第1めっき層102がNiめっき又はNi−P合金めっきで形成されている場合、第2めっき層103は、Cu、Sn、Au、Ag、Pd、Rh、Ruの群から選ばれる1種又は複数種の金属元素を含む合金めっき層で形成可能である。この合金めっきとしては、例えば、Ni−Cuめっき、Ni−Snめっき、Ni−Auめっき、Ni−Agめっき、Ni−Pdめっき、Ni−Phめっき、Ni−Ruめっきなどが挙げられる。また第2めっき層103は、第1めっき層102よりも耐食性が高ければ良いため、例えば、第1めっき層102がNiめっき又はNi−P合金めっきで形成されている場合、第2めっき層103は、Ni−Wめっき、Ni−Bめっき、Ni−Feめっきなどで形成可能である。さらに第2めっき層103は、第1めっき層102を腐食から保護すれば良いため、例えば、第2めっき層103は、Znめっきで形成可能である。この場合、Znめっきの犠牲防食作用により第2めっき層103で第1めっき層102の腐食が抑制される。
第2めっき層103の厚みは0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。第2めっき層103の厚みがこの範囲であれば、第1めっき層102の腐食が第2めっき層103で抑制されやすくなる。また上記のNi合金めっきは、Ni以外の金属元素の濃度が6〜12質量%であることが好ましい。この範囲であれば、Niめっき層が硬すぎることがなく、割れなどが発生しにくくなり、また、耐食性が確保されやすくなる。
カーボンナノ材料104は、ナノオーダーサイズの炭素材料であって、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(CB)、フラーレン、グラフェンなどである。カーボンナノ材料104は、化学的に安定かつ電気伝導性、摺動性、機械的強度に優れるものが好ましい。CNTは、直径が100〜200nm、長さ10〜20μmであることが好ましい。また、CNTは、グラファイトのシートが1層に筒状に巻かれた単層CNTとグラファイトのシートが2層以上の多層に巻かれた多層CNTが存在するが、多層CNTは単層CNTよりも量産性に優れ、比較的安価に入手できるため、コストを抑えることができる点で好ましい。CBは粒子状であって、その粒子径はレーザー回折法等による測定で数〜100nmであることが好ましい。また、CBは電気伝導性に優れた品種であり、その各粒子がクラスター状になったミクロンオーダーの大きさの集合体の状態で存在していることが好ましい。CBはCNTよりも量産性に優れ、比較的安価に入手できるため、コストを抑えることができる点で好ましい。
図1はカーボンナノ材料104がCNTの場合について示している。このCNTはその一端が第1めっき層102に埋め込まれて固着されている。このようにしてCNTは第1めっき層102に保持されている。CNTは第1めっき層102の表面から突出し、第2めっき層103を貫通している。従って、CNTの他端は第2めっき層103の表面に突出している。CNTの第2めっき層103の表面からの突出長さは0.1μm〜10μmである。
カーボンナノ材料104は第1めっき層102との複合めっきで接触部100に設けられる。カーボンナノ材料104の使用量は、カーボンナノ材料104と第1めっき層102との合計量に対して、0.02〜2.0質量%であることが好ましい。カーボンナノ材料104の使用量が上記の範囲であると、カーボンナノ材料104による接触部100の接触信頼性の向上が充分に得られ、また、カーボンナノ材料104のめっき液への分散性や第1めっき層102の母材101への密着性が十分に確保されやすくなる。
上記のような接触部100を形成するにあたっては、まず母材101の接触部100となる部分にカーボンナノ材料104と第1めっき層102とからなる複合めっき層が形成される。この複合めっき層は母材101の接触部100が形成される部分のみに設けることが好ましい。この場合、部分浸漬法、スポットめっき法、スパージャーによるめっき法、マスクめっき法、レジストめっき法などの部分めっき法を採用することができる。例えば、複合めっき層は電着(電解めっき)により母材101の表面に形成され、NiやPなどの金属元素とカーボンナノ材料104とを含むめっき液を母材101の表面に付着させ、通電することによって、カーボンナノ材料104を保持する第1めっき層102が析出して形成される。
次に、第1めっき層102の表面に第2めっき層103が形成される。第2めっき層103も上記のような部分めっき法より形成することができる。例えば、Snなどの金属元素を含むめっき液を第1めっき層102の表面に付着させ、通電することにより、第2めっき層103が析出して形成される。
図2は端子部品20a、20bを示す。これらの端子部品20a、20bは、コネクタの対となる接続部品(例えば、ヘッダとソケットなど)にそれぞれ組み込まれる。端子部品20a、20bは、接続部品の接続により、一方の端子部品20aの接触部21aと、他方の端子部品20bの接触部21bとが接触し、これにより、端子部品20aと端子部品20bとが電気的に接続される。そして、端子部品20a、20bの一方又は両方が本実施形態の電気接続部品10として形成することが可能である。すなわち、接触部21a、21bの一方又は両方が図1に示す構造を有して形成することができる。
図3はスイッチ30の概略図を示す。このスイッチ30はケース31の上面に押釦32が突出して設けられている。押釦32はレバー33で押圧自在に形成されている。ケース31内において押釦32の下にはバネ34が設けられている。バネ34の先端には可動接点部品30aがバネ34の上下両面に突出して設けられている。またケース31内において、可動接点部品30aの上方及び下方には固定接点部品30bが設けられている。各固定接点部品30b、30cはそれぞれ接点台36b、36cに接合されている。このスイッチ30は、レバー33が操作されることで押釦32が押圧され、バネ34が動作することにより、可動接点部品30aが上方の固定接点部品30cと接触し、下方の固定接点部品30bと離間する状態と、可動接点部品30aが上方の固定接点部品30cと離間し、下方の固定接点部品30bと接触する状態する状態との間で切り替わるように形成されている。そして、可動接点部品30aと固定接点部品30bとが接触することにより電気的な接続が行われる。
スイッチ30は、可動接点部品30aと固定接点部品30bの一方又は両方が本実施形態の電気接続部品10として形成することが可能である。すなわち、可動接点部品30aの接触部(固定接点部品30b、30cと接触する部分)31aと、固定接点部品30b、30cの接触部(可動接点部品30aと接触する部分)31b、31cの一方又は両方が図1に示す構造を有して形成することができる。
図4はリレー40の概略図を示す。このリレー40はボディ42とケース43とで囲まれる空間に電磁石ブロック44と接点ブロック45とを備えている。電磁石ブロック44はコイル線46、コイルボビン47、鉄心48、接極子49、継鉄50とを備えている。コイル線46に電気的に接続されるコイル端子51はボディ42に底面から突出している。接点ブロック45は、可動バネ52、可動接点部品40a、固定バネ53、固定接点部品40bを備えている。可動接点部品40aと固定接点部品40bとに電気的に接続される接点端子54はボディ42に底面から突出している。接極子49と可動バネ52とはカード55で接続されている。このリレー40は、コイル線46への通電・不通電により接極子49が動作し、これにより、可動バネ52が動作して、可動接点部品40aが固定接点部品40bと接触する状態と、可動接点部品40aが固定接点部品40bと離間する状態との間で切り替わるように形成されている。そして、可動接点部品40aと固定接点部品40bとが接触することにより電気的な接続が行われる。
リレー40は、可動接点部品40aと固定接点部品40bの一方又は両方が本実施形態の電気接続部品10として形成することが可能である。すなわち、可動接点部品40aの接触部(固定接点部品40bと接触する部分)41aと、固定接点部品40bの接触部(可動接点部品40aと接触する部分)41bの一方又は両方が図1に示す構造を有して形成することができる。
本実施形態の電気接続部品10は、接触することにより電気的な接続を行う接触部100を備え、この接触部100がカーボンナノ材料104を有しているので、低接触圧力であってもカーボンナノ材料104で他の部材との接触を確保して電気的な接続を行うことができ、低接圧領域での接触信頼性を確保しやすくなる。また、接触部100の表面の第2めっき層103と、接触部100と接触する他の部材との間にカーボンナノ材料104が介在するため、第2めっき層103と他の部材との凝着・磨耗を少なくすることができ、電気接続部品10の耐スティッキング性が向上しやすくなる。従って、上記のような電気接続部品10を開閉回数の多いスイッチやリレー等の接点部品として用いると、スティッキング現象が起こりにくく、また、容易に長寿命化を図ることができて好ましい。さらに本実施形態の電気接続部品10は、カーボンナノ材料104を保持する第1めっき層102の表面に、第1めっき層102とカーボンナノ材料104との電位差により生じる腐食を抑制するための保護めっき層となる第2めっき層103を設けている。従って、本実施形態の電気接続部品10は、第1めっき層102の腐食を抑制することができ、耐食性を高くすることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
母材としては、大きさ3.5cm×4.0cm×厚み0.1cmの銅板を用いた。母材の接触部となる部分にカーボンナノ材料と第1めっき層とを備えた複合めっき層を形成した。ここで、カーボンナノ材料としてCNTを含有するNi−P合金めっき液を用いた。CNTとしては、昭和電工(株)製のVGCFを用いた。このCNTは単層CNTと多層CNTの混合物である。また、CNTの直径(外径)が100〜200nmで、長さが10〜20μmの範囲であった。Ni−P合金めっき液の組成は、硫酸Ni(1mol/dm)、塩化Ni(0.2mol/dm)、ホウ酸(0.5mol/dm)、クエン酸三ナトリウム(0.5mol/dm)、ホスホン酸(1.0mol/dm)であった。CNTを含有するNi−P合金めっき液はCNTの混合量を2g/dmとした。また、CNTを含有するNi−P合金めっき液をめっき浴とし、浴温25℃、電流密度5A/dmのめっき条件とした。そして、Ni−P合金めっき層である第1めっき層の厚みが1.5μm、CNTの含有量が0.2質量%のCNT含有Ni−P合金めっき層を形成した。
次に、第1めっき層の表面に第2めっき層を形成した。ここで、第2めっき層はSnめっきで形成した。この場合、めっき液としては石原薬品株式会社製の「PF−095S」を使用し、浴温35℃、電流密度3ASDの条件でSnめっきを形成した。第2めっき層の厚みは0.1μmとした。
このようにして電気接続部品(平板)を形成した。
(実施例2)
カーボンナノ材料として、CNTの代わりにCBを用いてCB含有Ni−P合金めっき層を形成した以外は実施例1と同様にした。CBとしては、Cabot社製のバルカンXC−72を用いた。このCBは直径(粒子径)が20〜40nmの範囲である。
(実施例3)
第1めっき層としてNi−P合金めっきの代わりに、Niめっきを形成した以外は実施例1と同様にした。Niめっき液の組成は、硫酸Ni(1mol/dm)、塩化Ni(0.2mol/dm)、ホウ酸(0.5mol/dm)であった。CNTを含有するNiめっき液はCNTの混合量を2g/dmとした。また、CNTを含有するNiめっき液をめっき浴とし、浴温50℃、電流密度5A/dmのめっき条件とした。
(比較例1)
第2めっき層を形成しなかった以外は実施例2と同様にした。
(比較例2)
母材としては実施例1と同様のものを用いた。母材の接触部となる部分にNiめっき層(カーボンナノ材料を含有していない)を形成した。Niめっき層の形成条件は、Niめっき液の組成が、スルファミン酸ニッケル400g/dm、ホウ酸40g/dm、塩化ニッケル5g/dmであった。また、浴温50℃、電流密度5A/dmのめっき条件とした。Niめっき層の厚みは1.5μmとした。
次に、Niめっき層の表面にAu−Co合金めっき層を形成した。この場合、めっき液としては日本高純度化学社製の「オーロブライト BAR7」を使用し、浴温50℃、電流密度10A/dmの条件でAu−Co合金めっきを形成した。Au−Co合金めっき層の厚みは0.15μmとした。
このようにして平板(電気接続部品)を形成した。
(比較例3)
Au−Co合金めっき層の厚みを0.06μmとした以外は比較例2と同様にした。
(比較例4)
比較例2において、Au−Co合金めっき層に封孔処理(水溶性封孔処理液に浸漬後、80℃で乾燥)を施した。
(比較例5)
比較例3において、Au−Co合金めっき層に封孔処理を施した。封孔処理の条件は比較例4と同様にした。
(耐食性の評価)
上記各実施例及び各比較例について、耐食性の評価を行った。すなわち、各実施例及び各比較例の平板(電気接続部品)を濃度80ppmの硫酸水溶液に浸漬した後、温度260℃で5分間放置した。この後、電気化学測定を行ってターフェルプロットを作製した。電気化学測定は、北斗電工株式会社の「HZ−7000」を使用し、参照電極をAg/Ag−Cl、対極にPtを用い、腐食電流・電位を測定した。結果を図5に示す。
図5から明らかなように、各実施例は比較例よりも腐食電位及び腐食電流が低くなって貴であり、腐食が抑制されていることが判る。
(接触信頼性試験)
パナソニック株式会社製のコネクタ「P5KS」に使用される端子部品を形成した。このコネクタはヘッダとソケットからなり、ヘッダとソケットはそれぞれ40個の端子部品を有している。コネクタのサンプルとして以下の(1)〜(5)及び現状品を準備した。
サンプル(1)は、端子部品の接触部がカーボンナノ材料であるCBとNi−P合金からなる第1めっき層との複合めっき層(Ni−P−CB複合めっき層、第1めっき層の厚み1.5μm、めっき皮膜中のP濃度10wt%)を有し、第1めっき層の表面に第2めっき層としてSnめっき層(厚み0.1μm)を有しているものである。
サンプル(2)は、めっき皮膜中のP濃度5wt%である以外はサンプル(1)と同様に形成されている。
サンプル(3)は、第2めっき層がSn−Ni合金めっきである以外はサンプル(1)と同様に形成されている。
サンプル(4)は、カーボンナノ材料がCNTである以外はサンプル(1)と同様に形成されている。
サンプル(5)は、カーボンナノ材料がCNTである以外はサンプル(2)と同様に形成されている。
現状品は、端子部品の接触部がカーボンナノ材料を有しておらず、第1めっき層であるNiめっき層を厚み1.5μmで有し、第2めっき層をAu−Co合金めっきで厚み0.2μmで形成した後、封孔処理したものである。
このようなコネクタ(サンプル(1)〜(5)及び現状品)を用いて、以下の接触抵抗値の測定試験1〜4を行った。各測定試験は3個のコネクタを用いて行った。
(接触抵抗値の測定試験1)
大気圧リフロー半田付け工程を想定した温度260℃の大気中で3回熱処理を行った後の接触抵抗値を測定した。
(接触抵抗値の測定試験2)
濃度10±3ppmの亜硫酸ガス中で温度40±2℃、湿度90±3%RHの条件で48時間放置した後の接触抵抗値を測定した。
(接触抵抗値の測定試験3)
ヘッドとソケットとを50回挿抜した後の接触抵抗値を測定した。
(接触抵抗値の測定試験4)
耐湿サイクル12回行った後の接触抵抗値を測定した。
測定試験1〜4の結果を図6A〜6Dに示す。この結果から明らかなように、サンプル(1)〜(5)は現状品と同程度あるいはそれ以下の接触抵抗値を有し、低接触圧力領域での接触信頼性が高いと言える。
またサンプル(1)〜(5)について、接触荷重の変化による電気抵抗値の変化を測定した。結果を図7に示す。図7から明らかなように、本実施形態の電気接続部品であるサンプル(1)〜(5)は、接触荷重0.1Nでも安定した接触抵抗値を示す。
本実施形態の電気接続部品(10)は、以下の特徴を有する。
すなわち、電気接続部品(10)は、接触により電気的な接続を行う接触部(100)を有する。接触部(100)が、母材(101)の表面に形成される第1めっき層(102)と、第1めっき層(102)の表面に形成される第2めっき層(103)と、第1めっき層(102)に保持されるカーボンナノ材料(104)とを備える。第2めっき層(103)が、第1めっき層(102)とカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食を抑制するための保護めっき層である。
このような電気接続部品(10)は、第1めっき層(102)とカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食が第2めっき層(103)で抑制され、耐食性が高い。
上記電気接続部品(10)は、第2めっき層(103)が、第1めっき層(102)に含有される金属元素よりも貴な金属元素を含有していることが好ましい。
このような電気接続部品(10)は、第1めっき層(102)とカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食を抑制する効果の高い第2めっき層(103)が得られ、耐食性がより高くなる。
上記電気接続部品(10)は、第1めっき層(102)がNi又はNi−P合金で形成される。第2めっき層(103)がNiよりも貴な金属元素としてSn、Cu、Ag、Au、Pd、Rh、Ruの群から選ばれる少なくとも1つを含有していることが好ましい。
このような電気接続部品(10)は、第1めっき層(102)に含有されるNiとカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食が第2めっき層(103)に含有されるSn、Cu、Ag、Au、Pd、Rh、Ruの群から選ばれる少なくとも1つで抑制され、耐食性が高い。
上記電気接続部品(10)は、第2めっき層(103)の厚みが0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。
このような電気接続部品(10)は、第1めっき層(102)とカーボンナノ材料(104)との電位差により生じる腐食を抑制する効果の高い第2めっき層(103)が得られ、耐食性がより高くなる。
10 電気接続部品
100 接触部
101 母材
102 第1めっき層
103 第2めっき層
104 カーボンナノ材料

Claims (4)

  1. 接触により電気的な接続を行う接触部を有する電気接続部品であって、
    前記接触部が、母材の表面に形成される第1めっき層と、前記第1めっき層の表面に形成される第2めっき層と、前記第1めっき層に保持されるカーボンナノ材料とを備え、
    前記第2めっき層が、前記第1めっき層と前記カーボンナノ材料との電位差により生じる腐食を抑制するための保護めっき層である電気接続部品。
  2. 前記第2めっき層が、前記第1めっき層に含有される金属元素よりも貴な金属元素を含有している請求項1に記載の電気接続部品。
  3. 前記第1めっき層がNi又はNi−P合金で形成され、前記第2めっき層がNiよりも貴な金属元素としてSn、Cu、Ag、Au、Pd、Rh、Ruの群から選ばれる少なくとも1つを含有している請求項2に記載の電気接続部品。
  4. 前記第2めっき層の厚みが0.1μm〜1.0μmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気接続部品。
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