JP2018017350A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造により、制動時におけるブレーキパッドの姿勢を安定させて異音の発生を抑制するディスクブレーキ装置を提供すること。【解決手段】ディスクブレーキ装置10は、マウント121の凹部123に凸部131が収容されるブレーキパッド13を備えている。凸部131には、傾斜面14が形成される。マウント121の凹部123には、接触部123a1が形成される。傾斜面14と接触部123a1は、第一スプリング15によって互いに押圧されるようになっている。制動時にブレーキパッド13がトレーリング側に変位するとき、傾斜面14と接触部123a1とが接触した状態で相対変位することにより、ブレーキパッド13はディスクロータの径方向内方に向けて変位する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の制動を行うディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。この従来のディスクブレーキ装置では、制動時におけるパッド部材の姿勢を安定させて異音の発生を抑制するために、パッド部材がディスクロータの半径方向にて内方に突出した突出部を備えている。そして、この従来のディスクブレーキ装置では、キャリパに対して、パッド部材の突出部を収容して、パッド部材のトレーリング側またはリーディング側への移動を規制する溝部が形成されている。また、キャリパには、溝部のトレーリング側端部に形成されてパッド部材をディスクロータの半径方向にて外方に変位させるトレーリング側傾斜面および溝部のリーディング側端部に形成されてパッド部材をディスクロータの半径方向にて外方に変位させるリーディング側傾斜面が形成されている。ここで溝部、トレーリング側傾斜面およびリーディング側傾斜面は、キャリパにおいてディスクロータの半径方向にて内方側(内底部)に形成されるようになっている。
特開2010−156417号公報
特許文献1に係るディスクブレーキ装置では、パッド部材(ブレーキパッド)に対して突出部を形成するとともに、キャリパのマウントに対して溝部、トレーリング側傾斜面およびリーディング側傾斜面を形成する必要がある。このように、従来のディスクブレーキ装置では、キャリパおよびパッド部材に複雑な構造を採用して制動時におけるブレーキパッドの姿勢を安定させることにより、異音の発生を抑制しており、改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造により、制動時におけるブレーキパッドの姿勢を安定させて異音の発生を抑制するディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係るディスクブレーキ装置の発明は、ディスクロータと、ディスクロータの軸方向の両側に配設され、ディスクロータを押圧可能である一対のブレーキパッドと、一対のブレーキパッドの周方向の両端部のうちリーディング側に凸設されたリーディング側凸部と、一対のブレーキパッドの周方向の両端部のうちトレーリング側に凸設されたトレーリング側凸部と、ディスクロータを跨ぐように車両の非回転部分に固定されている取付部材と、取付部材に設けられ、一対のブレーキパッドをディスクロータに向けて押圧するアクチュエータと、取付部材に凹設され、各トレーリング側凸部がそれぞれ挿入されている一対のトレーリング側凹部と、取付部材に凹設され、各リーディング側凸部がそれぞれ挿入されている一対のリーディング側凹部と、トレーリング側凸部のうちトレーリング側凹部と対向する部分である第一対向部分、またはトレーリング側凹部のうち第一対向部分に対向する第二対向部分の一方に形成された傾斜面と、トレーリング側凸部のうちトレーリング側凹部と対向する部分である第一対向部分、またはトレーリング側凹部のうち第一対向部分に対向する第二対向部分の他方に形成され、かつ、傾斜面に接触しながら相対移動可能である接触部と、トレーリング側凸部とトレーリング側凹部との間に設けられ、傾斜面と接触部とが互いに押圧される方向付勢する第一付勢部材と、を備えたディスクブレーキ装置であって、傾斜面が、制動時にアクチュエータに押圧されたブレーキパッドがディスクロータに接触した際に、ブレーキパッドのトレーリング側への変位に応じて、ブレーキパッドをディスクロータの径方向外方または径方向内方に向けて変位させるように傾斜されている。
これによれば、ブレーキパッドのトレーリング側凸部の第一対向部分または取付部材のトレーリング側凹部の第二対向部分の一方に傾斜面を設けることができる。また、ブレーキパッドのトレーリング側凸部の第一対向部分または取付部材のトレーリング側凹部の第二対向部分の他方に接触部を設けることができる。そして、傾斜面は、制動時に、ブレーキパッドのトレーリング側への変位に応じて、接触部が傾斜面に接触しながら相対移動することで、ブレーキパッドをディスクロータの径方向外方または径方向内方に向けて変位させることができる。従って、極めて簡単な構造により、ブレーキパッドを安定した姿勢でディスクロータの径方向外方または径方向内方に変位させることができて、異音の発生を抑制することができる。
本発明によるディスクブレーキ装置の概略的な全体図である。 本発明によるディスクブレーキ装置の第一実施形態に係り、キャリパを形成するマウントおよびブレーキパッドの構成を概略的に示す断面図である。 ブレーキパッドに作用する力を説明するための図である。 傾斜面における力の関係を説明するための図である。 制動時におけるブレーキパッドの変位を説明するための断面図である。 車両外方に位置するマウントの形状を説明するための断面図である。 第一実施形態の第一変形例に係り、凹部側に傾斜面を設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第二変形例に係り、凸部のディスクロータの径方向にて内方側に傾斜面を設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第三変形例に係り、凹部のディスクロータの径方向にて内方側に傾斜面を設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第四変形例に係り、トレーリング側の凹部に第二スプリングを設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態のその他の変形例に係り、接触部を平面形状にした場合の断面図である。 第一実施形態のその他の変形例に係り、接触部を曲面形状にした場合の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態および各変形例の相互において、互いに同一または均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
図1に示すように、ディスクブレーキ装置10は、ディスクロータ11と取付部材としてのキャリパ12とを備えている。ディスクロータ11は、円盤状のロータ本体11aと、図示を省略する車両の車軸(図示省略)にボルトおよびナット等により締結される円筒状のハット部11bと、から構成される。
キャリパ12は、例えば、浮動型キャリパであり、後述する一対のブレーキパッド13を収容してディスクロータ11のロータ本体11aを跨ぐように設けられる。なお、本実施形態においては、本発明を浮動型キャリパに適用して実施するが、例えば、対向型キャリパに本発明を適用して実施することも可能である。キャリパ12は、車両の非回転部分(例えば、図示省略の車体側)に固定されるマウント121と、キャリパ本体122と、を備える。マウント121は、キャリパ本体122を、ディスクロータ11の軸方向(以下、「ロータ軸方向」と称呼する。)に相対変位可能に、且つ、ディスクロータ11の回転方向に変位不能に支持する。
また、マウント121は、一対のブレーキパッド13を、ロータ軸方向に変位可能に支持する。このため、マウント121は、図2に示すように、ディスクロータ11の回転方向にてリーディング側とディスクロータの回転方向にてトレーリング側とに対応して凹部123が形成されている。なお、凹部123については、リーディング側とトレーリング側とで同一構造である。従って、以下の説明において、区別する場合には、「リーディング側凹部123」と、「トレーリング側凹部123」と称呼する。
凹部123は、ディスクロータ11の軸線方向に沿って形成されており、その断面が矩形状に形成されている。凹部123は、ディスクロータ11の径方向(以下、この径方向を単に「ロータ径方向」と称呼する。)にて外方側の第一面123a、ロータ径方向にて内方側の第二面123b、および、第一面123aと第二面123bとを接続する接続面123cから形成されている。
また、マウント121には、凹部123に対して、ロータ径方向の内方側に隣接するように、トルク受面125が形成されている。トルク受面125は、ブレーキパッド13を介して伝達される制動力(制動トルク)を受け止めて車体側に伝達する。
キャリパ本体122は、ピストンおよびシリンダーから構成されるものであり、ピストンを作動させるためのアクチュエータ124を備えている。アクチュエータ124は、ロータ本体11aに対して車両内側に設けられており、油圧または電動により作動するものである。アクチュエータ124は、ピストンをロータ軸方向に進退させることにより、一対のブレーキパッド13のうち車両内側のブレーキパッド13(以下、このブレーキパッド13を「インナー側パッド13」とも称呼する。)をロータ本体11aに向けて押圧する。ここで、図2は、インナー側パッド13がマウント121に収容された状態を示している。なお、本実施形態においては、ピストンを車両内側に配置するように実施するが、例えば、ピストンを車両内側および車両外側に配置するように実施することも可能である。
なお、キャリパ本体122においては、アクチュエータ124を作動させてインナー側パッド13をロータ本体11aに摺接(接触)させることにより、シリンダーがロータ本体11aに向けて変位する。このシリンダーの変位により、一対のブレーキパッド13のうち車両外側のブレーキパッド13(以下、このブレーキパッド13を「アウター側パッド13とも称呼する。」)は、ロータ本体11aに向けて押圧される。即ち、アクチュエータ124は、一対のブレーキパッド13をディスクロータ11に向けて押圧する。
一対のブレーキパッド13は、図2に示したように、リーディング側およびトレーリング側に向けて突出するように形成された柱状の凸部131を備えている。なお、凸部131については、リーディング側とトレーリング側とで同一構造である。従って、以下の説明において、区別する場合には、「リーディング側凸部131」と、「トレーリング側凸部131」と称呼する。
リーディング側凸部131は、リーディング側凹部123内に収容され、トレーリング側凸部131はトレーリング側凹部123内に収容される。これにより、リーディング側凸部131およびトレーリング側凸部131は、それぞれ、リーディング側凹部123およびトレーリング側凹部123に支持されるようになっている。凸部131は、ロータ径方向にて外方側の第一面131a、ロータ径方向にて内方側の第二面131b、および、先端面131cを備えている。
また、ブレーキパッド13は、傾斜面14を備えている。傾斜面14は、ブレーキパッド13のトレーリング側凸部131のうちトレーリング側凹部123と対向する部分であって、第一対向部分である第一面131aに形成されている。これにより、トレーリング側凹部123のうちトレーリング側凸部131と対向する部分であって、第二対向部分であるトレーリング側凹部123の第一面123aの端部123a1が接触部となる。なお、以下の本実施形態の説明においては、この接触部を「接触部123a1」と称呼する。
また、ブレーキパッド13は、凸部131に対してロータ径方向にて内方側に隣接するように形成されたトルク伝達面132を有している。トルク伝達面132は、制動時にマウント121に形成されたトルク受面125と当接し、制動時に生じる制動力(制動トルク)をトルク受面125に伝達する。
また、ブレーキパッド13は、ライニング133を備えている。ライニング133は、摩擦材料から形成されており、相対変位不能に固定されている。ライニング133は、アクチュエータ124により、ブレーキパッド13がロータ本体11aに押圧されると、ロータ本体11aに摺接(接触)する。
ここで、本実施形態において、「制動時」とは、ブレーキパッド13がアクチュエータ124によってロータ軸方向に押圧されてロータ本体11aにライニング133を摺接させて、所定の制動力(制動トルク)以上の制動力で制動することをいう。また、本実施形態において「非制動時」とは、ブレーキパッド13がアクチュエータ124によってロータ軸方向に押圧されておらず、ロータ本体11aにライニング133が摺接していない、または、ライニング133が摺接していても所定の制動力未満で制動することをいう。
また、キャリパ12には、第一付勢部材としての第一スプリング15が設けられている。第一スプリング15は、リーディング側凸部131とリーディング側凹部123との間、および、トレーリング側凸部131とトレーリング側凹部123との間に設けられる。具体的に、それぞれの第一スプリング15は、凸部131の第二面131bと凹部123の第二面123bとの間に配置される。これにより、トレーリング側に設けられた第一スプリング15は、傾斜面14と接触部123a1とが押圧される方向に、傾斜面14を押圧する。
さらに、キャリパ12には、第二付勢部材としての第二スプリング16が設けられている。第二スプリング16は、リーディング側凹部123とリーディング側凸部131との間に設けられる。具体的に、第二スプリング16は、凹部123の接続面123cと凸部131の先端面131cとの間に配置される。これにより、第二スプリング16は、リーディング側からトレーリング側に向けてブレーキパッド13、即ち、傾斜面14を押圧する。
ところで、傾斜面14は、第一スプリング15の押圧力により、接触部123a1に対してロータ半径方向にて外方に押圧されている。また、傾斜面14は、第二スプリング16の押圧力により、リーディング側からトレーリング側に押圧されている。このように、押圧される傾斜面14は、非制動時に位置決めされている初期位置において、第一スプリング15、第二スプリング16の押圧力および所定の制動力を釣り合わせる。また、傾斜面14は、制動時において、接触部123a1と接触した状態で、ブレーキパッド13のトレーリング側への変位に応じて、ブレーキパッド13をロータ径方向にて内方に変位させる。このため、傾斜面14の角度は、次のように決定される。以下、傾斜面14の角度について図3および図4を用いて詳細に説明する。
先ず、図3に示すように、第一スプリング15による押圧力(バネ荷重)fpsと、第二スプリング16による押圧力(バネ荷重)fpwiと、所定の制動力Fとの釣り合いから説明する。
第一スプリング15による押圧力fpsと、第二スプリング16による押圧力fpwiと、所定の制動力Fと、がブレーキパッド13に作用している状態において、傾斜面14には、接触部123a1との接触により、図4に示すように、斜面と垂直方向に垂直抗力Pが発生し、斜面と水平方向に静止摩擦力μPが発生する。この場合、角度θを有する傾斜面14における水平方向の力の釣り合いは、下記式1により表すことができる。
Figure 2018017350
ここで、前記式1における「μ」は傾斜面14と接触部123a1との間の静止摩擦係数を表し、「P」は傾斜面14における垂直抗力を表す。
また、傾斜面14における垂直方向の力の釣り合いは、下記式2により表すことができる。
Figure 2018017350
従って、前記式1および前記式2を満たす角度θを有するように傾斜面14を形成することにより、非制動時における第一スプリング15による押圧力fpsと、第二スプリング16による押圧力fpwiと、所定の制動力Fと、垂直抗力Pと、静止摩擦力μPと、が釣り合う。このように、各力が釣り合った状態を非制動時における初期位置として位置決めすることにより、非制動時において、キャリパ12(より具体的には、マウント121)に対してブレーキパッド13は安定した状態で保持される。
このように、非制動時における力の釣り合い状態から所定の制動力F以上の制動力が生じた場合、つまり、非制動時から制動時に移行した場合、ブレーキパッド13をロータ径方向にて内方に向けて案内する。このためには、傾斜面14は、接触部123a1に対して滑りを生じて相対的に変位する必要がある。従って、傾斜面14の角度θは、前記式1および前記式2から導出される下記式3を満たす必要がある。
Figure 2018017350
傾斜面14の角度θが前記式3を満たす場合、所定の制動力F以上の制動力が作用する制動時において、傾斜面14と接触部123a1との間に滑りが発生し、傾斜面14は接触部123a1に対して相対変位する。即ち、ブレーキパッド13は、制動時において、ロータ径方向にて内方に向けて変位する。ここで、このブレーキパッド13の変位においては、傾斜面14と接触部123a1とが接触しているので、ブレーキパッド13は安定した姿勢を維持してロータ径方向にて内方に変位する。従って、制動時におけるブレーキパッド13の姿勢を常に安定させることができる。
ところで、制動時においては、傾斜面14が接触部123a1に接触した状態を維持するとともに、マウント121のトルク受面125に対してブレーキパッド13のトルク伝達面132が確実に当接し、制動力(制動トルク)を車体に伝達する必要がある。このため、図4に示すように、非制動時におけるトレーリング側凸部131の第二面131bとトレーリング側凹部123の第二面123bとの間の距離Hと、非制動時におけるトルク伝達面132とトルク受面125との間の距離Lと、は、下記式4の条件を満たす必要がある。
Figure 2018017350
非制動時において、即ち、初期位置において、前記式4を満たすように距離Hと距離Lとを設定することにより、図5に示すように、傾斜面14または接触部123a1以外の部分、即ち、凸部131の第二面131bと凹部123の第二面123bとが当接するまでに、トルク伝達面132がトルク受面125に確実に当接する。このように、トルク伝達面132がトルク受面125に先に当接して、制動力(制動トルク)を車体側に伝達することにより、ディスクロータ11を確実に制動することができる。加えて、例えば、傾斜面14が接触部123a1に対して過度に大きな力によって押し付けられることを回避することができる。これにより、傾斜面14は、例えば、変形することがなく、安定してブレーキパッド13をロータ径方向にて内方に向けて案内することができる。
なお、制動時においては、トレーリング側凸部131の先端面131cとトレーリング側凹部123の接続面123cとの間の距離は当接しない距離が確保されている。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態のディスクブレーキ装置によれば、ディスクロータ11と、ディスクロータ11の軸方向の両側に配設され、ディスクロータ11を押圧可能である一対のブレーキパッド13と、一対のブレーキパッド13の周方向の両端部のうちリーディング側に凸設されたリーディング側凸部131と、一対のブレーキパッドの周方向の両端部のうちトレーリング側に凸設されたトレーリング側凸部131と、ディスクロータ11を跨ぐように車両の非回転部分に固定されている取付部材12と、キャリパ本体122に設けられ、一対のブレーキパッド13をディスクロータ11に向けて押圧するアクチュエータ124と、マウント121に凹設され、各トレーリング側凸部131がそれぞれ挿入されている一対のトレーリング側凹部123と、マウント121に凹設され、各リーディング側凸部131がそれぞれ挿入されている一対のリーディング側凹部123と、トレーリング側凸部131のうちトレーリング側凹部123と対向する部分である第一対向部分131aに形成された傾斜面14と、トレーリング側凹部123のうち第一対向部分131aに対向する第二対向部分123aに形成され、かつ、傾斜面14に接触しながら相対移動可能である接触部123a1と、トレーリング側凸部131とトレーリング側凹部123との間に設けられ、傾斜面14と接触部123a1とが互いに押圧される方向付勢する第一スプリング15と、を備えたディスクブレーキ装置10であって、傾斜面14が、制動時にアクチュエータ124に押圧されたブレーキパッド13がディスクロータ11に接触した際に、ブレーキパッド13のトレーリング側への変位に応じて、ブレーキパッド13をディスクロータ11の径方向外方または径方向内方に向けて変位させるように傾斜されている。
これによれば、ブレーキパッド13のトレーリング側凸部131の第一対向部分である第一面131aに傾斜面14を設けることができる。また、キャリパ12を構成するマウント121のトレーリング側凹部123の第二対向部分である第一面123aに接触部123a1を設けることができる。そして、傾斜面14は、制動時に、ブレーキパッド13のトレーリング側への変位に応じて、接触部123a1が傾斜面14に接触しながら相対移動することで、ブレーキパッド13をロータ半径方向にて内方に向けて変位させることができる。従って、極めて簡単な構造により、ブレーキパッド13を安定した姿勢でロータ径方向にて内方に変位させることができて、異音の発生を抑制することができる。
ここで、キャリパ12は、ディスクロータ11を跨ぐように設けられる。上記実施形態では、車両内側でインナー側パッド13を収容する場合を説明した。通常、キャリパ12においては、マウント121が車両外側に位置する部分がディスクロータ11のハット部11bと干渉することを回避するために、マウント121の底部側の形状が車両内側の部分と車両外側の部分とで異なる。具体的に、図2等で示した車両内側でブレーキパッド13を収容するマウント121の底部側の形状に比して、図6に示したように、車両外側でブレーキパッド13を収容するマウント121の底部側121aの形状が異なる。
ところで、上記実施形態では、傾斜面14がインナー側パッド13およびアウター側パッド13のトレーリング側凸部131に形成されるので、マウント121の底部側の形状の差に影響されることはない。これにより、車両内側と車両外側とで区別することなく、傾斜面14が一対のブレーキパッド13をディスクロータ11の半径方向に安定した姿勢により変位させることができる。
また、ディスクブレーキ装置10は制動時にブレーキパッド13がトレーリング側に変位するとき、トレーリング側凸部131のうち傾斜面14または接触部123a1以外の部分が、リーディング側凹部123の何れかの部分に当接するまでに、マウント121に形成され制動時に生じる制動トルクを受け止めるトルク受面125と、ブレーキパッド13に形成され制動トルクをトルク受面125に伝達するトルク伝達面132と、が当接するように構成されている。
これによれば、制動時において、傾斜面14よってブレーキパッド13がロータ半径方向にて内方に変位しても、ブレーキパッド13に形成されたトルク伝達面132とマウント121に形成されたトルク受面125とを確実に当接させることができる。従って、制動時に生じるトルクを車体側で受けることができる。これにより、制動時に生じる過大な力(トルク)が傾斜面14と接触部123a1とに入力されることが防止されるので、傾斜面14および接触部123a1が変形することを防止することができる。従って、傾斜面14および接触部123a1は、常に安定して、ブレーキパッド13をロータ半径方向にて内方に案内することができる。
また、ディスクブレーキ装置10は、リーディング側凹部123とリーディング側凸部131との間に設けられ、ブレーキパッド13をトレーリング側に向けて付勢する第二スプリング16をさらに備え、傾斜面14の角度θは、ブレーキパッド13がアクチュエータ124によって押圧されておらずディスクロータ11に接触していない非制動時において、ブレーキパッド13に第一スプリング15による押圧力および第二スプリング16による押圧力が作用して、ブレーキパッド13がマウント121に対して位置決めされている初期位置において、ブレーキパッド13に作用する、押圧力fps、押圧力fpwi、制動時の制動力F、ならびに、傾斜面14と接触部123a1との間の垂直抗力Pおよび静止摩擦力μPと、が傾斜面14の水平方向および垂直方向において釣り合うように、設定されている。
これによれば、非制動時における初期位置でのブレーキパッド13の姿勢を安定させることができる。従って、非制動時から制動時への移行に伴って、傾斜面14がトレーリング側に変位するブレーキパッド13をロータ半径方向にて内方に変位させる場合において、常に姿勢を安定させることができる。従って、異音の発生を抑制することができる。
<実施形態の第一変形例>
上記実施形態では、ブレーキパッド13のトレーリング側凸部131の第一対向部分である第一面131aに傾斜面14を形成するようにした。これに代えて、図7に示すように、トレーリング側凹部123の第二対向部分である第一面123aに傾斜面14を形成することも可能である。この場合、トレーリング側凸部131の第一面131aの端部131a1が接触部(以下、「接触部131a1」と称呼する。)となる。
この場合においても、トレーリング側凹部123に傾斜面14を形成し、傾斜面14とトレーリング側凸部131の接触部131a1とが接触しながら相対変位することが可能である。これにより、この場合においても、傾斜面14は、制動時におけるブレーキパッド13のトレーリング側への変位に伴って、ブレーキパッド13をディスクロータ11の半径方向にて内方に向けて案内することができる。これにより、上記実施形態と同等の効果が得られる。
<実施形態の第二変形例>
上記実施形態および上記第一変形例においては、傾斜面14が、制動時においてブレーキパッド13のトレーリング側への変位に伴って、ブレーキパッド13をロータ径方向にて内方に向けて案内するようにした。これに代えて、制動時において、ブレーキパッド13のトレーリング側への変位に伴って、ブレーキパッド13をロータ径方向にて外方に向けて案内するように、傾斜面14を設けることも可能である。以下、この第二変形例を詳細に説明するが、上記実施形態および第一変形例と同一部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態の第二変形例においては、図8に示すように、トレーリング側凸部131の第一対向部分が第二面131bとされて傾斜面14が形成される。そして、トレーリング側凹部123の第二対向部分が第二面123bの端部123b1とされる。なお、以下の説明において、端部123b1を接触部123b1と称呼する。
そして、この第二変形例においては、第一スプリング15が凸部131の第一面131aと凹部123の第一面123aとの間に設けられる。これにより、第一スプリング15は、傾斜面14と接触部123b1とが押圧されるように、傾斜面14を付勢する。
このように構成された第二変形例においても、傾斜面14の角度θは、前記式1、前記式2および前記式3を満たすように決定される。これにより、傾斜面14は、非制動時の初期状態において力の釣り合いを維持し、制動時において接触部123b1に対して滑りを生じて相対的に変位することができる。従って、ブレーキパッド13は、非制動時の初期状態において、安定した姿勢を維持することができる。また、ブレーキパッド13は、制動時において、トレーリング側への変位に伴って、安定した姿勢で、ブレーキパッド13のロータ径方向にて外方に向けて変位することができる。
これにより、この第二変形例においても、上記実施形態および第一変形例と同等の効果が得られる。
<実施形態の第三変形例>
上記実施形態の第二変形例では、ブレーキパッド13のトレーリング側凸部131の第一対向部分である第二面131bに傾斜面14を形成するようにした。これに代えて、図9に示すように、トレーリング側凹部123の第二対向部分である第二面123bに傾斜面14を形成することも可能である。この場合、トレーリング側凸部131の第二面131bの端部131b1が接触部(以下、「接触部131b1」と称呼する。)となる。
この場合においては、トレーリング側凹部123に傾斜面14を形成し、トレーリング側凸部の接触部131b1は傾斜面14と接触しながら相対変位することが可能である。これにより、この場合においても、上記第二変形例と同様に、傾斜面14は、制動時におけるブレーキパッド13のトレーリング側への変位に伴って、ブレーキパッド13をディスクロータ11の半径方向にて外方に向けて案内することができる。これにより、上記実施形態および上記各変形例と同等の効果が得られる。
<実施形態の第四変形例>
上記実施形態および上記各変形例では、リーディング側凹部123内のみに第二スプリング16を設けるように実施した。これにより、例えば、前進している車両の制動時にブレーキパッド13をロータ径方向に安定して変位させることができる。この場合、例えば、後進している車両の制動時においても、ブレーキパッド13をロータ径方向に安定して変位させるために、図10に示すように、トレーリング側凹部123内にも第二スプリング16を設けることも可能である。
この場合においても、前記式1、前記式2および前記式3を満たすように傾斜面14の角度θを決定することができ、傾斜面14と接触部123a1との相対変位が可能となる。これにより、車両の前進および後進にかかわらず、傾斜面14は、制動時におけるブレーキパッド13のトレーリング側への変位に伴って、ブレーキパッド13をディスクロータ11の半径方向にて外方または内方に向けて案内することができる。これにより、上記実施形態および上記各変形例と同等の効果が得られる。
本発明は、上記実施形態および上記各変形例に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変更例を採用可能である。
例えば、上記実施形態および上記各変形例においては、接触部を第一面123a、第一面131a、第二面123bおよび第二面131bの各端部とした。すなわち、これらの場合には、接触部が角形状であるとした。これらの場合、例えば、図11に示すように、接触部の形状を平面とすることができる。また、例えば、図12に示すように、接触部の形状を曲面とすることができる。
このように、接触部の形状を変更した場合であっても、前記式1、前記式2および前記式3を満たすように傾斜面14の角度θを決定することができ、傾斜面14と接触部との相対変位が可能となるので、上記実施形態および上記各変形例と同等の効果が得られる。さらに、このように、接触部の形状を変更することにより、例えば、接触部との接触によって傾斜面14が変形することを効果的に防止することができるという効果も奏する。
10…ディスクブレーキ装置、11…ディスクロータ、11a…ロータ本体、11b…ハット部、12…キャリパ(取付部材)、121…マウント、122…キャリパ本体、123…凹部(リーディング側凹部およびトレーリング側凹部)、123a…第一面、123b…第二面、123c…接続面、124…アクチュエータ、125…トルク受面、13…ブレーキパッド、131…凸部(リーディング側凸部およびトレーリング側凸部)、132…トルク伝達面、133…ライニング、14…傾斜面、15…第一スプリング(第一付勢部材)、16…第二スプリング(第二付勢部材)。

Claims (3)

  1. ディスクロータと、
    前記ディスクロータの軸方向の両側に配設され、前記ディスクロータを押圧可能である一対のブレーキパッドと、
    前記一対のブレーキパッドの周方向の両端部のうちリーディング側に凸設されたリーディング側凸部と、
    前記一対のブレーキパッドの周方向の両端部のうちトレーリング側に凸設されたトレーリング側凸部と、
    前記ディスクロータを跨ぐように車両の非回転部分に固定されている取付部材と、
    前記取付部材に設けられ、前記一対のブレーキパッドを前記ディスクロータに向けて押圧するアクチュエータと、
    前記取付部材に凹設され、前記各トレーリング側凸部がそれぞれ挿入されている一対のトレーリング側凹部と、
    前記取付部材に凹設され、前記各リーディング側凸部がそれぞれ挿入されている一対のリーディング側凹部と、
    前記トレーリング側凸部のうち前記トレーリング側凹部と対向する部分である第一対向部分、または前記トレーリング側凹部のうち前記第一対向部分に対向する第二対向部分の一方に形成された傾斜面と、
    前記トレーリング側凸部のうち前記トレーリング側凹部と対向する部分である第一対向部分、または前記トレーリング側凹部のうち前記第一対向部分に対向する第二対向部分の他方に形成され、かつ、前記傾斜面に接触しながら相対移動可能である接触部と、
    前記トレーリング側凸部と前記トレーリング側凹部との間に設けられ、前記傾斜面と前記接触部とが互いに押圧される方向に付勢する第一付勢部材と、
    を備えたディスクブレーキ装置であって、
    前記傾斜面は、制動時に前記アクチュエータに押圧された前記ブレーキパッドが前記ディスクロータに接触した際に、前記ブレーキパッドの前記トレーリング側への変位に応じて、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの径方向外方または径方向内方に向けて変位させるように傾斜されているディスクブレーキ装置。
  2. 前記ディスクブレーキ装置は、
    前記制動時に前記ブレーキパッドが前記トレーリング側に変位するとき、
    前記トレーリング側凸部のうち前記傾斜面または前記接触部以外の部分が、前記リーディング側凹部の何れかの部分に当接するまでに、
    前記取付部材に形成され前記制動時に生じる制動トルクを受け止めるトルク受面と、前記ブレーキパッドに形成され前記制動トルクを前記トルク受面に伝達するトルク伝達面と、が当接するように構成されている請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記ディスクブレーキ装置は、
    前記リーディング側凹部と前記リーディング側凸部との間に設けられ、前記ブレーキパッドを前記トレーリング側に向けて付勢する第二付勢部材をさらに備え、
    前記傾斜面の角度は、
    前記ブレーキパッドが前記アクチュエータによって押圧されておらず前記ディスクロータに接触していない非制動時において、前記ブレーキパッドに前記第一付勢部材による第一押圧力および前記第二付勢部材による第二押圧力が作用して、前記ブレーキパッドが取付部材に対して位置決めされている初期位置において、
    前記ブレーキパッドに作用する、前記第一押圧力、前記第二押圧力、前記制動時の制動力、ならびに、前記傾斜面と前記接触部との間の垂直抗力および静止摩擦力と、が前記傾斜面の水平方向および垂直方向において釣り合うように、設定されている請求項1または請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
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