JP5369681B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等の制動を行うディスクブレーキ装置に関する。
車両等の制動を行うディスクブレーキ装置として、例えば、特許文献1には、パッド部材をトレーリング側およびリーディング側における一対の押しアンカ部と引きアンカ部で保持する構造が開示されている。また、特許文献2には、パッド部材を支持板に形成されたU字形の凹所にボルトを挿通して車体側に固定するいわゆるプッシュプル式のディスクブレーキ構造が開示されている。
特開平3−106361号公報 特許2006−520450号公報
ここで、パッド部材は回転しているディスクロータに押し当てられるため、ディスクロータの周方向に摩擦力が発生する。この摩擦力によりパッド部材がディスクロータの回転方向に移動していき、キャリパのアンカ部に押し当てられ、アンカ部を中心とした回転モーメントが生じる。この回転モーメントがディスクロータの回転方向と同一方向である領域が当接荷重が安定した領域であり、ディスクロータの回転方向と逆の方向である領域が当接荷重が不安定な領域(以下、「偶力抜け領域」とも言う)である。当接荷重が不安定であると、所望のブレーキ制動力が得られないだけでなく、ブレーキノイズ(一般に「ブレーキ鳴き」と呼ばれる)が発生してしまう。特に、ブレーキノイズは、パッド部材をディスクロータに押し付けるためのシリンダの液圧が低いと発生しやすいことが知られている。このため、この偶力抜け領域を可能な限り小さくすることが望ましい。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、引きアンカ部だけではパッド部材が安定せず、押しアンカ部でこの荷重を受け止めざるを得ないため、偶力抜け領域が広くなってしまう。また、特許文献2に開示された技術では、パッド部材をU字形の凹所で支持するため、支持箇所が多いことから高い寸法精度でなければブレーキノイズを安定して抑制することが困難である。また、偶力抜け領域を小さくするため、この領域にスリットを設けることがあるが、スリットを設けた分だけブレーキ制動力が小さくなってしまうため、サイズの大きいパッド部材を使用せざるを得ず、装置の大型化を招く。
従って、本発明の目的は、装置の大型化を抑制しながら、ブレーキ制動力の大きさによらずにブレーキノイズを安定的に抑制することにある。
この発明によるディスクブレーキ装置は、車軸に固定された環状のディスクロータと、前記ディスクロータに車軸方向から当接するパッド部材と、前記パッド部材を前記車軸方向に移動自在に支持し、また、前記パッド部材の前記ディスクロータの周方向及び径方向への移動を規制するキャリパと、を備え、前記キャリパが、該キャリパを車体側に固定するための固定部と、前記パッド部材を前記車軸方向から前記ディスクロータに押圧するシリンダ機構と、を備えたディスクブレーキ装置であって、前記パッド部材が、前記径方向内方に突出した突出部を備え、前記キャリパが、前記突出部を収容して、前記突出部のトレーリング側又はリーディング側への移動を規制する溝部及び前記パッド部材の前記径方向外方への移動を規制する径方向規制部を備え、前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのトレーリング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向トレーリング側への移動を規制するトレーリング側規制部と、前記溝部のトレーリング側端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したトレーリング側傾斜部と、を更に備え、前記トレーリング側傾斜部は、前記ディスクロータがトレーリング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のトレーリング側端部が前記トレーリング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成され、前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのリーディング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向リーディング側への移動を規制するリーディング側規制部と、前記溝部のリーディング側の端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したリーディング側傾斜部と、を更に備え、前記リーディング側傾斜部は、前記ディスクロータがリーディング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のリーディング側端部が前記リーディング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成され、前記トレーリング側規制部及び前記リーディング側規制部は、前記キャリパの前記径方向における略中央に形成され、前記固定部は、前記溝部の前記周方向における両側に設けられ、前記溝部は、前記パッド部材の前記周方向中央かつ前記径方向内方に形成され、前記シリンダ機構は、前記ディスクロータの前記車軸方向における片側に設けられ、前記キャリパの溝部は、トレーリング側傾斜部とリーディング側傾斜部がパッド部材側に開く上開き台形状に形成され、前記パッド部材側のトレーリング側傾斜部とリーディング側傾斜部が台形状に形成されて、前記キャリパの溝部に合致しており、ブレーキ液圧の上昇に応じて、パッド部材側のトレーリング側傾斜部がキャリパ側のトレーリング側傾斜部に沿って斜めに上昇し、ブレーキ液圧が低い場合に、前記キャリパの溝部とリーディング側規制部とでパッド部材の位置を規制し、ブレーキ液圧が高い場合には、前記キャリパのトレーリング側規制部とリーディング側規制部とでパッド部材の位置を規制するものである。
上記構成によれば、前記径方向内方に突出した突出部を前記溝部に収容し、前記溝部が前記突出部のトレーリング側またはリーディング側への移動を規制するため、前記キャリパが前記径方向内方で前記パッド部材を受け止めることができる。このため、前記キャリパの前記周方向への曲げ変形を抑制できると共に回転モーメントが逆転する不安定領域を小さくすることができる。これにより、装置の大型化や高剛性化を施すことなく、面圧中心が前記不安定領域に進入することを抑制できるため、ブレーキノイズを効果的に抑制することができる。
た、前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのトレーリング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向トレーリング側への移動を規制するトレーリング側規制部と、前記溝部のトレーリング側端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したトレーリング側傾斜部と、をさらに備え、前記トレーリング側傾斜部は、前記ディスクロータがトレーリング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のトレーリング側端部が前記トレーリング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成されてい。このように、前記溝部のトレーリング側端部が周方向に傾斜しているため、車両の前進時において、前記シリンダ機構の押圧力が比較的小さい場合には大きな偶力を確保することができる一方で、前記シリンダ機構の押圧力が比較的大きい場合には前記トレーリング側規制部でも前記パッド部材の前記周方向の変位を規制し、大きな制動力を受けることができる。
さらに、前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのリーディング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向リーディング側への移動を規制するリーディング側規制部と、前記溝部のリーディング側の端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したリーディング側傾斜部と、をさらに備え、前記リーディング側傾斜部は、前記ディスクロータが前記リーディング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のリーディング側端部が前記リーディング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成されてい。このように、前記溝部のリーディング側端部が周方向に傾斜しているため、車両の後進時において、前記シリンダ機構の押圧力が比較的小さい場合には大きな偶力を確保することができる一方で、前記シリンダ機構の押圧力が比較的大きい場合には前記リーディング側規制部でも前記パッド部材の前記周方向の変位を規制することができる。
さらにまた、前記トレーリング側規制部および前記リーディング側規制部は、前記キャリパの前記径方向における略中央に形成されているので、前記パッド部材を安定的に支持することができる。
加えて、前記固定部は、前記溝部の前記周方向における両側に設けられていので、前記パッド部材から前記溝部に入力される前記周方向の荷重は、張力および圧縮力として前記固定部に伝達されるため、前記キャリパを補強することなく、前記パッド部材の支持剛性を向上することができる。
また、前記溝部は、前記パッド部材の前記周方向中央かつ前記径方向内方に形成されているので、偶力が抜ける不安定領域と面圧中心を離すことができる。
さらに、前記シリンダ機構は、前記ディスクロータの前記車軸方向における片側に設けられていので、前記シリンダ機構を片側だけに設ければよいため、コストを低減することができる。
本発明によれば、装置の大型化を抑制しながら、ブレーキ制動力の大きさによらずにブレーキノイズを安定的に抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で以下の実施形態を修正または変形したものに適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ装置100の平面図である。本発明に係るディスクブレーキ装置100は、四輪自動車等の各車輪毎に設けられ、車両を制動する装置である。
ディスクブレーキ装置100は、車軸に固定された環状のディスクロータ10と、ディスクロータ10に車軸方向から当接するパッド部材20と、パッド部材20を車軸方向に移動自在に支持すると共にパッド部材20のディスクロータ10における周方向および径方向への移動を規制するキャリパ30とを備える。
パッド部材20は、車幅方向内側からディスクロータ10に当接するインナパッド21と車幅方向外側からディスクロータ10に当接するアウタパッド22とを有する。インナパッド21およびアウタパッド22のそれぞれは、裏金21a、22aの表面に摩擦部材21b、22bを固着して構成される。
キャリパ30は、ディスクロータ10を挟み込むように断面略U字状(図2参照)に形成される。また、キャリパ30は、キャリパ30を車体側に固定するための固定部31と、パッド部材20を車軸方向からディスクロータ10に押圧するシリンダ機構32とを備える。
固定部31は、後述の溝部35の周方向における両側に形成されたボルト孔であり、このボルト孔にボルトB1を挿通して車体側に固定される。これにより、パッド部材20から溝部35に入力される荷重は、張力および圧縮力として固定部31に伝達されるため、キャリパ30を補強することなく、パッド部材20の支持剛性を向上することができる。
シリンダ機構32は、ディスクロータ10の軸方向における片側に設けられる。シリンダ機構32は、本実施形態では、インナパッド21側に設けられる。これにより、シリンダ機構32をインナパッド21側およびアウタパッド22側の双方に設けても構わないが、独立して設けた場合に比べて、コストを低減することができ、また、ディスクブレーキ装置100を小型化することができる。
詳述すれば、シリンダ機構32には、ドライバのブレーキ操作に応じて図示しないブレーキマスタシリンダからブレーキオイルが送られ、シリンダ内の圧力が高まると、ピストンがインナパッド21をディスクロータ10側に押し出す。そして、ピストンに押されたインナパッド21がディスクロータ10に押し付けられ、ピストンがインナパッド21をディスクロータ10に押し付けた反力でキャリパ30がインナパッド21の方向に移動する。そして、キャリパ30の移動によって、アウタパッド22がディスクロータ10に押し付けられる。これにより、所望のブレーキ制動力を得ることが可能である。
図2は、アウタパッド22側から見たパッド部材20およびキャリパ30を示す図である。パッド部材20は、ディスクロータ10の周方向中央かつ径方向内方に突出した突出部23と、パッド部材20のトレーリング側(正転側)に形成され、ディスクロータ10の径方向に突出したトレーリング側突出部24と、パッド部材20のリーディング側(逆転側)に形成され、ディスクロータ10の径方向に突出したリーディング側突出部25と、を更に備える。トレーリング側突出部24は、後述のトレーリング側規制部33に対応する位置に形成され、リーディング側突出部25は、後述のリーディング側規制部34に対応する位置に形成される。
キャリパ30は、キャリパ30のトレーリング側にトレーリング側固定部31近傍から径方向外側に延びるように形成され、パッド部材20の周方向トレーリング方向および径方向外方への移動を規制するトレーリング側規制部33と、キャリパ30のリーディング側にリーディング側固定部31近傍から径方向外側に延びるように形成され、パッド部材20の周方向リーディング方向および径方向外方への移動を規制するリーディング側規制部34と、突出部23を収容して、突出部23のトレーリング側またはリーディング側への移動を規制する溝部35と、溝部35のトレーリング側の端部に形成され、ディスクロータ10の周方向に傾斜したトレーリング側傾斜部36と、溝部35のリーディング側の端部に形成され、ディスクロータ10の周方向に傾斜したリーディング側傾斜部37とを更に備える。
トレーリング側規制部33は、キャリパ30のディスクロータ10の径方向(上下方向)略中央において、キャリパ30の内側部に形成される。リーディング側規制部34は、トレーリング側規制部33に対向する位置に形成される。すなわち、リーディング側規制部34は、キャリパ30のディスクロータ10の径方向(上下方向)略中央において、キャリパ30の内側部に形成される。溝部35は、ディスクロータ10の周方向中央かつ径方向内方において、キャリパ30の内底部に形成される。
トレーリング側傾斜部36は、シリンダ機構32の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、パッド部材20のトレーリング側端部がトレーリング側規制部33に当接する位置までパッド部材20の変位を案内するように形成される。詳述すれば、トレーリング側傾斜部36は、ディスクロータ10からパッド部材20に入力される周方向の荷重がパッド部材20の可聴領域での振動を阻止可能である予め定めた荷重以上の場合に、パッド部材20のトレーリング側端部がトレーリング側規制部33に当接する位置までパッド部材20の変位を案内するように形成される。パッド部材20のトレーリング側傾斜部36に対応する位置には、同様の傾斜部26が形成されている。
リーディング側傾斜部37は、シリンダ機構32の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、パッド部材20のリーディング側端部がリーディング側規制部34に当接する位置までパッド部材20の変位を案内するように形成される。詳述すれば、リーディング側傾斜部37は、ディスクロータ10からパッド部材20に入力される周方向の荷重がパッド部材20の可聴領域での振動を阻止可能である予め定めた荷重以上の場合に、パッド部材20のリーディング側端部がリーディング側規制部34に当接する位置までパッド部材20の変位を案内するように形成される。パッド部材20のリーディング側傾斜部3に対応する位置には、同様の傾斜部27が形成されている。
次に、上述の構成を用いて、ディスクブレーキ装置100の動作手順を説明する。図3は、シリンダ機構32の低液圧時におけるパッド部材20とキャリパ30との関係を示す図である。図4は、シリンダ機構32の高液圧時におけるパッド部材20とキャリパ30との関係を示す図である。なお、ここでは、ディスクブレーキ装置100が車両の前進時に制動を行う例について説明するが、車両の後進時に制動を行う場合についても同様に説明することができる。
ブレーキの液圧が低い場合に、トレーリング側に回転しているディスクロータ10に対してパッド部材20を押し当てると、パッド部材20の押圧力が小さいため、パッド部材20がディスクロータ10との摩擦力F1により、トレーリング側に移動していく。この際、面圧中心がずれて当接力が不安定となる領域である偶力抜け領域に進入し易いため、ブレーキ鳴きが発生しやすいことが知られている。
従って、偶力抜け領域をできるだけ小さくする必要がある。そこで、本実施形態では、パッド部材20に突出部23を形成し、また、キャリパ30に溝部35を形成することにより、パッド部材20の周方向トレーリング側の動きを規制する。
なお、摩擦力F1は、摩擦係数μ、パッド部材20の押圧力N1とすると、F1=μN1で表すことができる。当接点X1回りの回転モーメントP1は、摩擦力F1、当接点までの周方向距離L1、当接点までの径方向距離H1とすると、P1=F1L1/H1で表すことができる。
更に、ブレーキの液圧が高くなっていくにつれて、ディスクロータ10とパッド部材20との間の摩擦力が高まっていくため、溝部35のトレーリング側の端部にトレーリング側傾斜部36を形成し、摩擦力が大きくなるにつれてパッド部材20やキャリパ30の変形を伴いつつ突出部23がトレーリング側傾斜部36に沿って斜めに上昇させる。そして、パッド部材20は、キャリパ30のトレーリング側規制部33によっても周方向トレーリング側への移動を規制されることとなる。
ここで、上述の偶力抜け領域は、パッド部材20がキャリパ30に当接する当接点X1またはX2とディスクロータ10の回転中心Oとを結ぶ直線の中点Mを中心として、当該直線を直径とする円を描き、当該円で囲まれた領域におけるパッド部材20の領域が偶力抜け領域となることが知られている。
従って、ブレーキの液圧が低い場合に、リーディング側突出部25およびリーディング側規制部34でパッド部材20の径方向外方への動きを規制すると共に突出部23および溝部35でパッド部材20の周方向トレーリング側への動きを規制することにより、パッド部材20のキャリパ30に対する周方向の当接点をよりディスクロータ10の径方向内方側にすることができるため、ブレーキ鳴きが発生しやすい偶力抜け領域を小さくすることができる。
これにより、パッド部材20の偶力抜け領域とされた部位にスリットを形成することで偶力抜け領域に面圧中心が進入することを回避するのではなく、偶力抜け領域自体を小さくすることにより、面圧中心が偶力抜け領域に進入することを回避することができる。このため、パッド部材20の当接面積を確保するため、ディスクブレーキ装置100を大型化する必要がない。この際、パッド部材20がトレーリング側規制部33に対して周方向に当接しないことが好ましい。
また、溝部35に入力される周方向荷重とリーディング側規制部34に入力される径方向外側への荷重は、いずれも固定部31に対して張力や圧縮力として伝達されるため、キャリパ30の変形が抑制され、キャリパ30の大型化や補強をすることなく、大きな制動力を受けることができる。
また、ブレーキの液圧が高い場合には、パッド部材20の振動が抑えられると共にディスクロータ10とパッド部材20との間の摩擦力が大きいため、面圧中心が大きくぶれることはない。従って、偶力抜け領域は、突出部23および溝部35でパッド部材20を受け止める場合に比べて大きくなるが、突出部23および溝部35よりも径方向外方に位置するトレーリング側規制部33でもパッド部材20の周方向トレーリング側への動きを規制してもブレーキ鳴きが発生しにくい。
なお、摩擦力F2は、摩擦係数μ、パッド部材20の押圧力N2とすると、F2=μN2で表すことができる。当接点X2回りの回転モーメントP2は、摩擦力F2、当接点までの周方向距離L2、当接点までの径方向距離H2とすると、P2=F2L2/H2で表すことができる。
上述の通り、本実施形態によれば、ブレーキの液圧の大きさ(すなわち、ブレーキ制動力の大きさ)によらずにブレーキノイズを安定的に抑制することができる。
なお、トレーリング側規制部33およびリーディング側規制部34は、本実施形態では、パッド部材20の倒れを防止して所望の摩擦力を確保できるように、ディスクロータ10の径方向略中央位置に形成されることとしたが、ブレーキの液圧が高い場合にも偶力抜け領域を小さくするため、径方向の略中央位置から内方(上下方向下方)にずれた位置に形成しても構わない。
また、突出部23は、本実施形態では、パッド部材20の周方向中央に形成されることとしたが、例えば、前進時であってブレーキの液圧が低い場合に、溝部35とリーディング側規制部34のみでパッド部材20の周方向および径方向への移動を規制できるのであれば、突出部23は、一対の固定部31の間のいずれの位置に形成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ装置の面図 アウタパッド側から見たパッド部材およびキャリパをす図 シリンダ機構の低液圧時におけるパッド部材とキャリパとの関係を示す図 シリンダ機構の高液圧時におけるパッド部材とキャリパとの関係を示す図
10 ディスクロータ
20 パッド部材
23 突出部
26…パッド部材側のトレーリング側傾斜部
27…パッド部材側のリーディング側傾斜部
30 キャリパ
31 固定部
32…シリンダ機構
33…トレーリング側規制部
34…リーディング側規制部
35 溝部
36…トレーリング側傾斜部
37…リーディング側傾斜部

Claims (1)

  1. 車軸に固定された環状のディスクロータと、
    前記ディスクロータに車軸方向から当接するパッド部材と、
    前記パッド部材を前記車軸方向に移動自在に支持し、また、前記パッド部材の前記ディスクロータの周方向及び径方向への移動を規制するキャリパと、
    を備え、
    前記キャリパが、該キャリパを車体側に固定するための固定部と、前記パッド部材を前記車軸方向から前記ディスクロータに押圧するシリンダ機構と、を備えたディスクブレーキ装置であって、
    前記パッド部材が、前記径方向内方に突出した突出部を備え、
    前記キャリパが、前記突出部を収容して、前記突出部のトレーリング側又はリーディング側への移動を規制する溝部及び前記パッド部材の前記径方向外方への移動を規制する径方向規制部を備え
    前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのトレーリング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向トレーリング側への移動を規制するトレーリング側規制部と、
    前記溝部のトレーリング側端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したトレーリング側傾斜部と、を更に備え、
    前記トレーリング側傾斜部は、前記ディスクロータがトレーリング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のトレーリング側端部が前記トレーリング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成され、
    前記キャリパが、前記溝部よりも前記径方向外方において、前記キャリパのリーディング側に形成され、前記パッド部材の前記周方向リーディング側への移動を規制するリーディング側規制部と、
    前記溝部のリーディング側の端部に形成され、前記ディスクロータの周方向に傾斜したリーディング側傾斜部と、を更に備え、
    前記リーディング側傾斜部は、前記ディスクロータがリーディング側に回転し、かつ、前記シリンダ機構の押圧力が予め定めた荷重を越えた場合に、前記パッド部材のリーディング側端部が前記リーディング側規制部に当接する位置まで前記パッド部材の変位を案内するように形成され、
    前記トレーリング側規制部及び前記リーディング側規制部は、前記キャリパの前記径方向における略中央に形成され、
    前記固定部は、前記溝部の前記周方向における両側に設けられ、
    前記溝部は、前記パッド部材の前記周方向中央かつ前記径方向内方に形成され、
    前記シリンダ機構は、前記ディスクロータの前記車軸方向における片側に設けられ、
    前記キャリパの溝部は、トレーリング側傾斜部とリーディング側傾斜部がパッド部材側に開く上開き台形状に形成され、前記パッド部材側のトレーリング側傾斜部とリーディング側傾斜部が台形状に形成されて、前記キャリパの溝部に合致しており、
    ブレーキ液圧の上昇に応じて、パッド部材側のトレーリング側傾斜部がキャリパ側のトレーリング側傾斜部に沿って斜めに上昇し、
    ブレーキ液圧が低い場合に、前記キャリパの溝部とリーディング側規制部とでパッド部材の位置を規制し、
    ブレーキ液圧が高い場合には、前記キャリパのトレーリング側規制部とリーディング側規制部とでパッド部材の位置を規制する
    ディスクブレーキ装置。
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