以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。図1は、車庫付き建物を示す図である。図1に示すように、敷地内に住宅等の建物10が設けられ、建物10には、リビングや居間といった屋内空間部11と、いわゆるインナガレージとしての車庫12とが設けられている。車庫12の内部が、駐車エリアとなっている。車庫12の車両出入口13は、敷地内に設けられたエントランススペース14に面しており、エントランススペース14は、敷地外の道路15と面している。車庫12内に平面視長方形状の駐車位置PAが決められており、その駐車位置PAに車両Vが駐車される。本実施形態において、駐車位置PAは、自動車1台の駐車が可能な幅及び奥行きを有しており、車両出入口13を除く周囲が壁16(側壁16a及び奥壁16b)により囲まれている。
また、エントランススペース14は、平面視長方形状である。エントランススペース14の幅(図1において左右方向の幅)は、車庫12の幅よりも拡張されている。また、エントランススペース14において車庫12の幅に対して拡張された拡張部分には、屋内空間部11への出入りを可能とする玄関口17が配置されている。この玄関口17を通じて屋内空間部11への出入り可能となっている。また、玄関口17には、玄関ドア18が設けられている。玄関ドア18は、屋外側へ回動可能な開き戸からなる。
車庫12及びエントランススペース14の床は、例えばコンクリートや煉瓦などにより舗装されている。車庫12及びエントランススペース14の床に、車両進行方向に連続で延びる左右一対の収容凹部19が設けられ、その収容凹部19に駐車ライン表示装置20が埋設されている。駐車ライン表示装置20は、駐車位置PAに車両Vが駐車される場合に、車両Vの車両進行方向の目安となるラインを表示する機能を備えている。以下、詳しく説明する。
図2は、駐車ライン表示装置20の概略構成を示す図1のA−A断面図である。本実施形態において駐車ライン表示装置20は、収容凹部19に設けられる台座部材30と、収容凹部19に設けられて面発光する発光部40と、収容凹部19の開口部19aを覆う蓋部材50を備える。
まず、駐車ライン表示装置20が収容される収容凹部19について説明する。図1に示すように、左右一対の収容凹部19は、車庫12の側壁16aに沿って平行に延びるように設けられている。各収容凹部19は、車庫12の駐車位置PAから車庫12の外部であるエントランススペース14までまっすぐに延びている。つまり、車庫12への車両進行方向に沿って各収容凹部19は、設けられている。
また、幅方向(図1の左右方向)において、各収容凹部19は、駐車位置PAよりも外側に設けられている。すなわち、駐車位置PAは、左右一対の収容凹部19の内側に位置する。各収容凹部19の幅L1(図1参照)は、一般的な車両のタイヤ幅よりも狭い。収容凹部19は、例えば、その幅が10〜20cmとされ、その深さが5〜10cmとされる。
図2に示すように、溝状に設けられた収容凹部19の左右両側の側壁19bには、薄板状の側壁板21がそれぞれ設けられている。この側壁板21は、鉄製であり、収容凹部19の側壁19bの全面にわたって設けられている。側壁板21は、収容凹部19の側壁19bの形状に合わせられている。この側壁板21により、収容凹部19の側壁19bが保護される。また、収容凹部19には、収容凹部19の内側に突出する段差部19cが左右両側にそれぞれ1段設けられている。
次に台座部材30について説明する。台座部材30は収容凹部19の底部19dに配置される。この台座部材30は、例えば、溝形鋼よりなる。また、台座部材30は、長尺状とされており、奥行き方向(図1における上下方向)において、収容凹部19に沿って直線のライン状に設けられている。この台座部材30は、手前側(道路15側)から奥側(奥壁16b側)に至るまで収容凹部19の底部19dに配置される。この台座部材30は、下方(収容凹部19の底部19d側)に開口するように、配置される。
また、台座部材30の幅は、収容凹部19の底部19dの幅よりも狭い。そして、収容凹部19の底部19dにおいて、側壁板21から台座部材30までは、それぞれ離されている。このため、台座部材30と、収容凹部19の側壁19b(より詳しくは側壁板21)との間にスペースX1が形成される。このスペースX1を利用して、電気配線を通過させることが可能となる。
そして、台座部材30は、収容凹部19の底部19dよりも上方位置にて発光部40を保持する。より詳しくは、台座部材30の上に、発光部40を保持する。これにより、仮に収容凹部19に水が浸入してもスペースX1に流れるため、発光部40がすぐに水につかるという不都合を抑制できる。
次に発光部40について説明する。発光部40は、面発光する発光面41aを有する導光部としての導光板41と、光源体としてのLED(発光ダイオード)42と、LED42を保持する保持部材としてのホルダ43を備える。
導光板41は、ライン状に連続して複数枚(本実施形態では10枚)配置される。導光板41は、車両進行方向に延びる長尺状の平板である。これらの複数の導光板41は、導光板41の長手方向が車両進行方向に沿うように連続して配置される。導光板41の板厚(高さ)は、一定とされている。そして、導光板41は、導光板41の発光面41aが上面となるように、台座部材30により保持される。
導光板41は、アクリル製であり、光透過性を有する。導光板41は、短手方向の側部(側面)41b,41cから入射された光を発光面41aから出射させる加工が施されている。
また、導光板41の下面41dには、反射シート44が貼りつけられている。反射シート44は、導光板41の下面41dから出射した光を反射させて、導光板41に再入射させる。これにより、発光面41aから出射する光がより多くなり、発光面41aの輝度が高まる。
この導光板41の短手方向の両側部41b,41cにホルダ43がそれぞれ取り付けられている。以下では、図2における導光板41の右側の側部41bに取り付けられるホルダ43を、第1ホルダ43b(第1保持部材)と示す場合がある。同様に、導光板41の左側の側部41cに取り付けられるホルダ43を、第2ホルダ43c(第2保持部材)と示す場合がある。
ホルダ43は、導光板41の長手方向に沿う方向に複数のLED42を保持する。より詳しくは、図3に示すように、ホルダ43は、長手方向に沿う方向に所定間隔を空けて複数のLED42を保持する。これにより、導光板41の発光面41aの全面を発光させることが可能となる。したがって、収容凹部19内に連続して導光板41が配置されると、発光した際、発光面41aが連続して1本のラインとなり、視認性に優れる。また、本実施形態のホルダ43は、アルミ製であり、放熱性が優れているため、複数のLED42を保持しても熱による故障が発生しにくい。
また、ホルダ43は、LED42からの光が導光板41の両側部41b、41cに入射するようにLED42を保持する。これにより、LED42が発光すると、導光板41の発光面41aが面発光する。また、導光板41の両側部41b,41cにLED42を保持するため、いずれか一方の側部41b,41cのみにLED42を保持する場合と比較して、発光面41aの輝度を高くすることが可能となる。
そして、ホルダ43は、断面形状がU字形状とされており、LED42及び導光板41の側部41b,41cを囲うように取り付けられる。そして、ホルダ43が導光板41に取り付けられたとき、電気配線を通過させるためのホルダ内スペース43aがホルダ43内に形成される。このホルダ内スペース43aを利用して、LED42にそれぞれ接続される電気配線をホルダ43の長手方向に通すこととなる。また、ホルダ43の長手方向における端部は開口しているため、ホルダ内スペース43aを通過する電気配線は、ホルダ43の端部から引き出される。
ところで、導光板41は、連続して配置されるため、ホルダ43を導光板41の長手方向の全長に設けたとすると、他の導光板41に取り付けられたホルダ43と干渉して、電気配線をホルダ43の端部から引き出すことができなくなる。このため、長手方向において、ホルダ43は、導光板41よりも短くして、導光板41のいずれか一方の端部において、電気配線を引き出すための配線スペースが形成されるように配置されることが望ましい。
しかしながら、配線スペースにおいては、ホルダ43によりLED42が保持されないため、導光板41の両側部41b、41cにおいて共に配線スペースが形成された場合、発光面41aの全面を発光させることができない可能性や、当該配線スペースを設けた部分において輝度が低くなる可能性がある。例えば、導光板41のいずれか一方の端部において、両側部41b、41cに配線スペースを形成した場合、当該端部にはLED42が保持されないため、当該端部において輝度が低くなる。この場合、導光板41を連続して配置したとしても、つなぎ目である当該端部において輝度が低くなり、つなぎ目が目立ってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、第1ホルダ43bと、第2ホルダ43cは、長手方向において互い違いに取り付けられるようにしている。具体的には、図3に示すように、第1ホルダ43bは、長手方向におけるその一端が導光板41の一方の端部(長手方向の端部)に位置合わせした状態で、取り付けられる。一方、第2ホルダ43cは、長手方向におけるその一端が導光板41の他方の端部に位置合わせした状態で取り付けられる。そして、長手方向において、第1ホルダ43b及び第2ホルダ43cの長さは、導光板41の長さよりも短いため、第1ホルダ43bと、第2ホルダ43cは、長手方向において互い違いに取り付けられることとなる。
より詳しく説明すると、長手方向において第1ホルダ43bの端部は、導光板41の長手方向の端部41e,41fのうち、一方の端部(以下、第1端部41eと示す)と、位置合わせされている。なお、図3における右側の端部を第1端部41eとする。そして、第1ホルダ43bの長さは、導光板41の長さよりも短いため、導光板41の他方の端部(以下、第2端部41fと示す)付近において、第1ホルダ43bが設けられない。すなわち、第1ホルダ43bが取り付けられる導光板41の側部41bにおいて、導光板41の第2端部41f付近に、上下方向に開放されている配線スペースX2が形成される。この配線スペースX2を利用して、第1ホルダ43bの端部から電気配線K1が引き出され、発光部40の下方のスペースX1に通される。
同様に、第2ホルダ43cの端部は、導光板41の長手方向の端部41e,41fのうち、第2端部41fと、位置合わせされている。そして、第2ホルダ43cの長さは、導光板41の長さよりも短いため、導光板41の第1端部41e付近において、第2ホルダ43cが設けられない。すなわち、第2ホルダ43cが取り付けられる導光板41の側部41cにおいて、導光板41の第1端部41e付近に、上下方向に開放されている配線スペースX3が形成される。この配線スペースX3を利用して、第2ホルダ43cの端部から電気配線K2が引き出され、発光部40の下方のスペースX1に通される。
また、第1ホルダ43bと、第2ホルダ43cは、長手方向において互い違いに取り付けられているため、導光板41の長手方向の端部41e,41f付近においても、いずれか一方の側部41b、41cにLED42が保持される。これにより、発光面41aの全面を発光させることが可能となる。したがって、複数の導光板41が連続して配置される場合に、導光板41と導光板41のつなぎ目(すなわち、導光板41の端部41e,41f)において、LED42が全く保持されなくなることを防止し、つなぎ目で輝度が急に低くなることを抑制できる。
また、第1ホルダ43bが保持するLED42の発光色と、第2ホルダ43cが保持するLED42の発光色は異なる。より詳しくは、第1ホルダ43bは、RGBLED42a(フルカラーLED)を保持し、第2ホルダ43cは、白色LED42bを保持する。これにより、発光色を変更することができる。
次に蓋部材50について説明する。図2に示すように、蓋部材50は、平板状の第1蓋部材51と、平板状の第2蓋部材52を有してなる。蓋部材50は、第1蓋部材51の上に、第2蓋部材52が重ねられることにより、構成される。そして、蓋部材50は、側壁板21を介して収容凹部19の段差部19cに載せられることにより、収容凹部19の開口部19aを覆うように取り付けられる。
また、蓋部材50は、長手方向において、収容凹部19の開口部19aの全域にわたって設けられている。つまり、蓋部材50は、収容凹部19に沿ってライン状に連続して設けられている。
第1蓋部材51は、ポリカーボネート製である。また、第1蓋部材51は、光透過性を有する一方で、半透明であり、乳白色をしている。このため、発光部40からの光は、第1蓋部材51を通り抜ける。その一方で、収容凹部19の開口部19aを覆う第1蓋部材51は、半透明の乳白色をしているため、収容凹部19内に収容されている発光部40などが直接視認しにくくなっており、美観に優れる。
第2蓋部材52は、強化ガラス製であり、光透過性を有し、無色透明である。このため、第1蓋部材51を通過した光は、第2蓋部材52をそのまま通り抜ける。すなわち、発光部40からの光は、第1蓋部材51を介して、第2蓋部材52を通り抜けることとなる。したがって、蓋部材50は、導光板41からの光を透過する状態で収容凹部19の開口部19aを覆っている。なお、第2蓋部材52の周縁部には、アルミ製の枠53が設けられている。この枠53はなくてもよい。
収容凹部19の底部19dから発光部40(発光部40のうち一番高い部分)まで高さL3は、段差部19cまで高さL4よりも低い。このため、蓋部材50が、段差部19cに載せられても、蓋部材50は、発光部40に対して離間し、蓋部材50の下面(第1蓋部材51の下面)と、発光部40との間に隙間が形成される。これにより、上方から蓋部材50に荷重が作用しても、蓋部材50に加えられた荷重が直接発光部40に伝わることがない。
蓋部材50の厚さ(第1蓋部材51の厚さと第2蓋部材52の厚さの合計)は、段差部19cから床面までの高さL5とほぼ同じとなっている。このため、蓋部材50により収容凹部19の開口部19aを覆ったとき、床面と蓋部材50の上面(第2蓋部材52の上面)がほぼ平らとなり、美観が良くなる。また、平らとなっているため、蓋部材50又は収容凹部19に躓くことがない。
収容凹部19の開口部19aの幅(ただし、側壁板21の厚さを除く)と、蓋部材50の幅は、ほぼ一致している。このため、蓋部材50と側壁板21との間に隙間が生じることがなく、美観が良くなる。
なお、第1蓋部材51は、1枚の部材により構成してもよいし、複数枚の部材を連続して配置することにより構成されていてもよい。第2蓋部材52も同様である。また、第1蓋部材51と第2蓋部材52の大きさ(長手方向の長さ)を異ならせて、第1蓋部材51の構成枚数と、第2蓋部材52の構成枚数を異ならせてもよい。
次に、図4に基づき、駐車ライン表示装置20の電気的な構成について説明する。駐車ライン表示装置20は、各LED42の発光を制御する制御装置としてのコントローラ60を備える。コントローラ60は、RGBLED42aの発光を制御するRGB制御部60aと、白色LED42bの発光を制御する白色制御部60bを有してなる。
コントローラ60は、CPUなどの制御手段とROMやRAMなどの記憶手段を備えている。そして、記憶手段には、発光に関する発光処理などの各種処理を制御手段に実行させるためのプログラムや、発光面41aの発光態様を特定するための発光パターンが記憶されている。発光パターンには、例えば、駐車に伴う発光要求に応じた駐車用発光パターンや、異常検知に伴う発光要求に応じた警告用発光パターンがある。駐車用発光パターンは、複数種類あり、例えば、自動駐車機能を運転者などが利用する場合に、選択される自動駐車用発光パターンと、運転者が手動で車両Vを駐車位置PAに駐車させる場合に、選択される手動駐車用発光パターンがある。警告用発光パターンには、例えば、不審者を検知した時に選択される警報パターンがある。発光面41aの発光態様とは、例えば、発光タイミング、発光色、及び輝度のことである。自動駐車機能は、車両Vが車載センサなどにより駐車位置PAを認識して、自律して(自動的に)駐車位置PAに駐車する機能のことである。
コントローラ60は、各RGBLED42aと接続されており、信号を出力することにより、各RGBLED42aを発光させる。このコントローラ60は、導光板41ごとにRGBLED42aを識別可能に構成されている。このため、コントローラ60は、導光板41ごとにRGBLED42aの発光を制御可能となっている。また、コントローラ60は、白色LED42bとも同様に接続されており、導光板41ごとに白色LED42bの発光を制御可能となっている。
また、駐車ライン表示装置20は、電源コントローラ61を備える。電源コントローラ61は、外部から供給された電力をコントローラ60に供給可能に接続されている。コントローラ60は、電源コントローラ61から供給された電力を利用して、信号を出力し、LED42を発光させる。
また、コントローラ60は、敷地内(本実施形態では、エントランススペース14の左側)に設けられたセンサ62から、異常検知に伴う発光要求としての異常検知信号を入力可能に構成されている。センサ62は、敷地内(より詳しくは、車庫12及びエントランススペース14)において、不審者を検知する機能を有しており、不審者を検知した場合、異常検知信号をコントローラ60に出力する。
また、コントローラ60は、運転者などが操作する操作端末63や建物10に設けられた操作盤64から無線又は優先にて駐車に伴う発光要求としての要求信号を入力可能とされている。操作端末63は、自動駐車用の要求信号と、手動駐車用の要求信号を出力可能である。自動駐車用の要求信号は、自動駐車機能を利用した駐車に伴う発光要求を通知するための信号であり、手動駐車用の要求信号は、手動による駐車に伴う発光要求を通知するための信号である。操作端末63は、操作端末63の操作ボタンが運転者などにより操作されることにより、操作に応じた要求信号を出力する。
次に、図5に基づき、車両Vの車両進行方向の目安となるラインを表示するために、導光板41の発光面41aを発光させる発光処理について説明する。発光処理は、コントローラ60により所定周期ごとに実行される。
コントローラ60は、センサ62から異常検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS101)。すなわち、ステップS101において、コントローラ60は、敷地内での不審者の有無を判定している。
異常検知信号を入力した場合(ステップS101:Yes)、コントローラ60は、不審者有りと判定し、警告用発光パターンを選択する(ステップS109)。
一方、異常検知信号を入力していない場合(ステップS101:No)、コントローラ60は、操作端末63から駐車に伴う要求信号を入力か否かを判定する(ステップS102)。すなわち、コントローラ60は、操作端末63から駐車に伴う発光要求がされたか否かを判定する。要求信号を入力していない場合(ステップS102:No)、コントローラ60は、発光処理を終了する。
一方、要求信号を入力した場合(ステップS102:Yes)、コントローラ60は、入力した要求信号の種類に応じて、駐車用発光パターンを選択する(ステップS103)。具体的には、コントローラ60は、自動駐車用の要求信号を入力した場合、自動駐車用発光パターンを選択し、手動駐車用の要求信号を入力した場合、手動駐車用発光パターンを選択する。選択された駐車用発光パターンは、コントローラ60の記憶手段に記憶される。
次に、コントローラ60は、自動駐車用の要求信号を入力したか否かを判定する(ステップS104)。自動駐車用の要求信号を入力した場合(ステップS104:Yes)、コントローラ60は、高輝度で発光面41aを発光させることを選択する(ステップS105)。高輝度で発光面41aを発光させることが選択された場合、その旨を示す情報(フラグなど)がコントローラ60の記憶手段に記憶される。
一方、ステップS109の処理を行った後、又は自動駐車用の要求信号を入力しなかった場合(ステップS104:No)、すなわち、手動駐車用の要求信号を入力した場合、コントローラ60は、夜間であるか否かを判定する(ステップS106)。夜間であるか否かは、コントローラ60が、時刻に基づき判定してもよいし、照度センサを設け、検知された照度に基づき判定してもよい。
夜間である場合(ステップS106:Yes)、コントローラ60は、低輝度で発光面41aを発光させることを選択する(ステップS107)。低輝度で発光面41aを発光させることが選択された場合、その旨を示す情報(フラグなど)がコントローラ60の記憶手段に記憶される。
一方、夜間でない場合(ステップS106:No)、すなわち、昼間である場合、コントローラ60は、ステップS105の処理を行う。
そして、ステップS105又はステップS107の処理を行った後、コントローラ60は、各LED42の発光を制御する(ステップS108)。ステップS108において、コントローラ60は、記憶手段に記憶された発光パターンにより特定された発光態様で発光面41aを発光させるように、各LED42の発光を制御する。その際、コントローラ60は、記憶手段に高輝度で発光面41aを発光させることを示す情報が記憶されている場合、高輝度で発光面41aを発光させる。コントローラ60は、記憶手段に低輝度で発光面41aを発光させることを示す情報が記憶されている場合、低輝度で発光面41aを発光させる。
本実施形態において、発光面41aの輝度を高くする場合、発光面41aの輝度を低くする場合と比較して、各LED42に印加する電圧を高くしている。この別例として、発光面41aの輝度を高くする場合、発光面41aの輝度を低くする場合と比較して、各導光板41において発光させるLED42の数を多くしてもよい。
このような発光処理を実行することにより、操作端末63が操作されて自動駐車用の要求信号が出力された場合、自動駐車用発光パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように、各LED42の発光が制御される。自動駐車用発光パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように、各LED42の発光が制御されると、例えば、すべての発光面41aが白色で発光する。このため、普段は、発光部40を目立たないようにすることができ、美観がよくなる。
また、自動駐車用の要求信号が出力された場合、手動駐車用の要求信号が出力された場合よりも、発光面41aの輝度が高くなり、地面(車庫12及びエントランススペース14の床)との明暗差が明確となる。地面と発光面41aの明暗差が明確となると、車両V(の車載センサ)が発光面41aを認識しやすくなる。このため、車両V(の車載センサ)が駐車位置PAを認識しやすくなり、車両Vが自動で駐車することを支援することができる。
また、操作端末63が操作されて、手動駐車用の要求信号が出力された場合、手動駐車用発光パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように、各LED42の発光が制御される。手動駐車用発光パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように、各LED42の発光が制御されると、例えば、すべての発光面41aが青色で発光する。手動駐車用の要求信号が出力された場合であって、昼間である場合、夜間である場合と比較して、発光面41aの輝度が高くなり、昼間であっても地面(車庫12及びエントランススペース14の床)との明暗差が明確となる。なお、夜間である場合、発光面41aの輝度は低くなるが、周りが暗いため、発光面41aと地面との明暗差が明確となる。また、輝度を低くすることで、消費電力を抑えることができる。
また、センサ62が不審者を検知した場合、警報パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように各LED42の発光が制御される。警報パターンにより特定される発光態様で発光面41aを発光させるように各LED42の発光が制御されると、例えば、すべての発光面41aが赤色で点滅発光する。これにより、駐車ライン表示装置20を、不審者が存在することを周囲に知らせるために、利用することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
車両Vを駐車位置PAに駐車させる場合における車両進行方向に沿って、連続で延びる収容凹部19内に配置されて面発光する発光部40を備えた。そして、発光部40を面発光させることで、駐車位置PAまで車両進行方向に沿って延びるラインが表示されるため、駐車位置PAに車両Vを駐車する際、車両進行方向の目安となる。
また、導光板41の側部41b、41cにLED42を設けた。このため、導光板41の下方にLED42を配置する場合と比較して、収容凹部19の深さを浅くすることができる。これにより、駐車ライン表示装置20のために、収容凹部19を設ける場合、容易となる。
さらに、ホルダ43が導光板41の長手方向の長さよりも短い長さを有しているので、導光板41の側部41b、41cにホルダ43を取り付けると、導光板41の側部41b、41cにおいて、ホルダ43が存在しない配線スペースX2,X3が導光板41ごとに形成される。これにより、LED42に接続される電気配線K1,K2をその配線スペースX2,X3から導光板41の下方のスペースX1に通すことができる。したがって、導光板41が連続して配置された状態において、LED42からの電気配線K1,K2が邪魔となることを抑制することができる。これにより、導光板41を連続して配置する場合、容易となる。
導光板41の両側部41b、41cにそれぞれLED42がホルダ43により保持される。このため、例えば両側部41b、41cのLED42を発光させることにより、発光面41aの輝度を高くすることができ、地面との明暗差をよりつけることができる。このため、駐車する際に、目安としやすくなる。
また、ホルダ43が、導光板41の両側部41b、41cに、互い違いに設けられる。このため、導光板41の長手方向の端部41e、41fにおいて、いずれか一方の側部41b、41cにLED42が保持される。これにより、複数の導光板41が連続して配置される場合に、導光板41と導光板41のつなぎ目(端部41e、41f)において、LED42が保持されなくなることを防止し、つなぎ目で輝度が急に低くなることを抑制できる。したがって、発光面41aが連続するライン状となり、車両進行方向を認識させやすくすることができる。
また、発光部40は、駐車位置PAから車庫12の外部(エントランススペース14)まで延びる収容凹部19内に配置される。このため、発光部40を面発光させることで、エントランススペース14から車庫12内の駐車位置PAまでの車両進行方向に沿って延びるラインが表示されるため、車庫12の外部でも車両進行方向を認識しやすくなる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、収容凹部19は連続して延びるように設けられていたが、非連続としてもよい。収容凹部19に合わせて、発光部40も非連続に配置されてもよい。
・コントローラ60は、各LED42を識別可能に構成し、LED42の発光をそれぞれ制御してもよい。同様に、コントローラ60は、導光板41の側部41b、41cごとにLED42を識別可能に構成し、側部41b、41cごとにLED42の発光を制御してもよい。これにより、車両Vの駐車位置PAにおいて多種多様な発光態様を実現可能となる。
・上記実施形態では、各収容凹部19において、発光部40は、複数の導光板41を有していたが、1枚の導光板41としてもよい。これにより、1本のラインとして認識させやすくなる。
・上記実施形態において、ホルダ43は、導光板41の長さと同じとしてもよい。これにより、導光板41の側部41b、41c全体においてLED42を保持し、発光面41aを均一に発光させることができる。この場合、導光板41を連続して配置するために、ホルダ43の上面などに電気配線を引き出すためのスペースを設けてもよい。また、ホルダ43と導光板41の長さを同じとした場合、ホルダ43の端部から電気配線を引き出すために、導光板41を連続して配置しなくてもよい。
・上記実施形態において、導光板41の両側部41b、41cにホルダ43を取り付けたが、いずれか一方の側部だけにホルダ43を取り付けてもよい。
・上記実施形態において、ホルダ43は、互いに異なる発光色のLEDを保持していたが、同じ発光色でもよい。
・駐車ライン表示装置20は、車庫12の内部のみ(又は駐車位置PAのみ)に設けられてもよい。収容凹部19の長さが短くなり、施工が容易となる。
・コントローラ60は、発光要求がされた場合に発光面41aを発光させていたが、常に発光させていてもよい。例えば、コントローラ60は、常に発光面41aを白色で発光させてもよい。このように構成する場合、発光要求がされた際、コントローラ60は、発光要求に基づき、発光面41aの発光態様を変更させるようにLED42の発光を制御してもよい。例えば、異常検知信号を入力した場合には、白色から赤色になるように発光面41aを発光させるようにしてもよい。また、電源が切られない限り、常に同じ発光パターンで発光させてもよい。この場合、電源コントローラ61から各LED42に直接電力を供給すればよく、コントローラ60やセンサ62などを備えなくてもよい。これにより、駐車ライン表示装置20の電気的な構成を簡素化できる。
・上記実施形態において、収容凹部19は直線のライン状であったが、曲線のライン状としてもよい。この場合、発光部40の形状も収容凹部19の形状に合わせて曲線のライン状とすることが望ましい。
・駐車用発光パターンの種類や駐車用発光パターンにより特定される発光態様を任意に変更してもよい。すなわち、駐車に伴う発光要求がされた場合における発光面41aの発光態様を任意に変更してもよい。例えば、導光板41ごとに発光面41aが順次発光する駐車用発光パターンがあってもよい。また、時間の経過とともに、発光面41aの発光色や輝度が変更する駐車用発光パターンがあってもよい。また、発光面41aの点灯及び消灯が繰り返される駐車用発光パターンがあってもよい。これにより、駐車する際、発光態様が多様化し、運転者などを楽しませることができる。
・利用者により作成された駐車用発光パターンを記憶可能に構成してもよい。
・要求信号の種類に基づき、駐車用発光パターンの種類が選択されていたが、他の方法で駐車用発光パターンの種類が選択されてもよい。例えば、抽選により、駐車用発光パターンの種類が選択されてもよいし、現在時刻により、駐車用発光パターンの種類が選択されてもよい。また、例えば、信号を出力する操作端末の種類により、駐車用発光パターンの種類が選択されてもよい。
・操作端末63や操作盤64以外の装置から駐車に伴う発光要求がされてもよい。例えば、車庫12又はエントランススペース14において車両Vを検知した場合に、車両検知信号を出力する車両検知センサを備え、コントローラ60は、車両検知信号を入力した場合に、所定の駐車用発光パターンに基づき、LED42の発光を制御してもよい。車両Vを検知した場合に、発光するため、運転者などが操作端末63や操作盤64を操作する手間がなくなる。また、車庫12の車両出入口13にシャッターが設けられている場合、コントローラ60は、シャッターが開いた場合に、所定の駐車用発光パターンに基づき、LED42の発光を制御してもよい。
・車両Vの車両進行方向が、駐車ライン表示装置20により表示されるラインに沿っているか否かを判定し、沿っていないと判定した場合に、警告信号を出力する機能を備えた判定装置を備えてもよい。そして、コントローラ60は、警告信号を入力した場合に、所定の警告用発光パターンに基づき、LED42の発光を制御してもよい。これにより、車両Vの車両進行方向がラインに沿っていない場合、警告されるため、車両Vを駐車位置PAに駐車しやすくなる。
・駐車用発光パターンと同様に、警告用発光パターンの種類や警告用発光パターンにより特定される発光態様を任意に変更してもよい。
・警告用発光パターンを複数種類備えた場合、異常検知信号の種類に応じて、選択される警告用発光パターンを変更してもよい。例えば、センサ62とは別に、煙を検知した場合に、煙が発生していることを示す異常検知信号としての煙検知信号を出力する煙検知装置を備え、煙検知信号が入力された場合には、火災警告用発光パターンが選択されてもよい。
・導光板41の材質は、アクリル製に限るものではなく、ポリカーボネートなど一般的に導光板41に用いられるものであってもよい。また、導光板41の形状は、板厚が一定な平板形状に限るものではなく、例えば、入射面から遠ざかるほど板厚が小さくなる楔形状であってもよい。
・導光板41の形状は、長方形状に限らず、円形や、楕円形上、台形形状などであってもよい。
・駐車位置PAは、複数台の自動車の駐車が可能な幅及び奥行きを有していてもよい。
・入射された光を反射する反射板などを導光板41の下面に設けるのであれば、導光板は、入射された光をそのまま透過させるものであってもよい。この場合、導光部は、導光板及び反射板により構成される。