JP2018016628A - 低沸点成分の分離、ならびに部分凝縮によるイソホロンジアミンにおけるアンモニア含分の低下 - Google Patents
低沸点成分の分離、ならびに部分凝縮によるイソホロンジアミンにおけるアンモニア含分の低下 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】純粋なイソホロンジアミン中のアンモニア含分が低下した、イソホロンジアミンを精密精製する単純な方法を提供する。【解決手段】粗IPDAを精密蒸留するための2つの塔システムの第二の塔の塔頂においてさらなる部分凝縮器を使用して、第一の塔へと部分流を返送することによって、純粋なIPDA中のアンモニア含分の低下を可能とする。【選択図】なし
Description
本発明は、部分凝縮器および返送による、2段階の塔構造を用いたイソホロンジアミン(IPDA)の精密精製に関する。
イソホロンニトリル(IPN)のアミノ化水素化(aminierende Hydrierung)によるIPDAの製造は公知であり、既に何度も記載されている。
最も単純な場合(米国特許第3352913号明細書(US 3,352,913))、IPNを、水素および過剰量のアンモニアの存在下、コバルト触媒により反応させる。まず、IPNおよびアンモニアから水の脱離により、イソホロンニトリルイミン(IPNI)が形成され、それから水素化されてIPDAになる:
イソホロンジアミンの製造法はさらに、中国特許出願公開第104230721号明細書(CN 104230721A)、欧州特許出願公開第2649042号明細書(EP 2 649 042A)、および国際公開第2012126869号(WO 2012126869A)から公知である。
欧州特許出願公開第2649042号明細書(EP 2 649 042A)によればイソホロンジアミンは、1段階または2段階の反応で、イソホロンニトリルから製造される。ここでイソホロンニトリルはまず、アンモニアによってイミノ化されて、イソホロンニトリルイミンになる。第二工程では、これを水素化して、イソホロンジアミンにする。この反応に引き続く後精製は、同様に2つの工程から構成される。まず、複数の蒸留塔で低沸点成分を分離し、この低沸点成分に属するのは、水素、不活性ガス、アンモニア、および低沸点不純物(易沸分離物)である。それから最後の工程で、純粋なイソホロンジアミンが、2つの真空蒸留塔によって得られる。第一の塔は、なおも含まれる低沸点副生成物の分離にも役立つ。第二の塔では、イソホロンジアミンが純粋に塔頂を介して得られ、こうして有機残渣(高沸点成分)から分離される。
国際公開第2015/038679号(WO 2015/038679)には、アンモニアおよびジアミンを分離する方法が記載されている。この際に蒸留は、3つの蒸留塔からの連続体によって行われ、ここでそれぞれの塔では、低沸点成分としてアンモニアが、塔頂を介して分離される。
欧州特許出願公開第1529027号明細書(EP 1529027)および欧州特許出願公開第1529028号明細書(EP 1529028)という2つの出願には、少なくとも2つの塔から成る構造における蒸留によるIPDAの精密精製が、記載されている。ここでは、低沸点および高沸点の副成分の分離が行われ、また2つの別個のIPDA画分への分別も行われる。これらはそれぞれ、そのシス/トランス比が異なる。
本発明の課題は、純粋なイソホロンジアミン中のアンモニア含分が低下した、イソホロンジアミンを精密精製する単純な方法を発見することである。
意外なことに、粗IPDAを精密蒸留するための2つの塔システムの第二の塔の塔頂においてさらなる部分凝縮器を使用することにより、第一の塔へと部分流を返送することによって、純粋なIPDA中のアンモニア含分を低下可能なことが判明した。
本発明の対象は、少なくともアンモニア、水素、水素化触媒、および任意でさらなる添加剤の存在下、かつ有機溶剤の存在下または不在下に、イソホロンニトリルをアミノ化水素化することで、粗イソホロンジアミンIが得られるイソホロンジアミンの製造から、イソホロンジアミンを精密精製する方法であり、
本方法は、粗イソホロンジアミンIを2つの真空蒸留塔によって精密精製にかけるにあたり、
I.第一の真空蒸留塔KIにおいて、なおも含有される低沸点副成分の分離を行い、粗IPDA IIをKIの塔底から、真空蒸留塔KIIに移し、
II.第二の真空蒸留塔KIIにおいて、イソホロンジアミンが純粋に、塔頂を介して得られ、有機残渣から分離され、ここで真空蒸留塔KIIの塔頂には、2つの凝縮器が設置されており、
ここで第一の凝縮器は、部分凝縮器であり、この部分凝縮器内では純粋なIPDAが分離され、
第二の凝縮器は、完全凝縮器であり、この完全凝縮器内では、KIIからの蒸気流の残部が完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIに返送流として返送される
ことを特徴とする。
本方法は、粗イソホロンジアミンIを2つの真空蒸留塔によって精密精製にかけるにあたり、
I.第一の真空蒸留塔KIにおいて、なおも含有される低沸点副成分の分離を行い、粗IPDA IIをKIの塔底から、真空蒸留塔KIIに移し、
II.第二の真空蒸留塔KIIにおいて、イソホロンジアミンが純粋に、塔頂を介して得られ、有機残渣から分離され、ここで真空蒸留塔KIIの塔頂には、2つの凝縮器が設置されており、
ここで第一の凝縮器は、部分凝縮器であり、この部分凝縮器内では純粋なIPDAが分離され、
第二の凝縮器は、完全凝縮器であり、この完全凝縮器内では、KIIからの蒸気流の残部が完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIに返送流として返送される
ことを特徴とする。
純粋なIPDAを製造するためのプロセス全体は、3つの工程段階から構成される(図1参照)。工程段階aでは、1段階または多段階のプロセスでイソホロンニトリルのアミノ化水素化による反応が、少なくともアンモニア、水素、および触媒の存在下で行われる。工程段階bでは、粗IPDAを得るために、アンモニアおよび水素の蒸留による分離を行う。この蒸留は、1つまたは複数の塔で行うことができる。工程段階cでは、IPDA、水、低沸点成分、および高沸点成分を蒸留により分離することによって、粗IPDAの精密精製を行う。精密精製は、2つの真空蒸留塔で実施する。
使用する粗IPDA Iは一般的に、質量%(wt%)で以下の組成を有する:
IPDA 75〜100質量%、
水 0〜15質量%、
低沸点成分 0〜6質量%、
高沸点成分 0〜6質量%、
アンモニア残分 10〜1000ppm。
IPDA 75〜100質量%、
水 0〜15質量%、
低沸点成分 0〜6質量%、
高沸点成分 0〜6質量%、
アンモニア残分 10〜1000ppm。
ここで低沸点成分とは、IPDAよりも低い沸点を有する、IPDAの製造プロセスからの副生成物であると規定される。ここで高沸点成分とは、IPDAよりも高い沸点を有する、IPDAの製造プロセスからの副生成物であると規定される。
本発明による方法は一般的に、粗イソホロンジアミンIを2つの真空蒸留塔によって精密精製にかけるにあたり、
I.第一の真空蒸留塔KIにおいて、なおも含有される低沸点副成分の分離を行い、粗IPDA IIをKIの塔底から、真空蒸留塔KIIに移し、
II.第二の真空蒸留塔KIIにおいて、イソホロンジアミンが純粋に、塔頂を介して得られ、有機残渣から分離され、ここで真空蒸留塔KIIの塔頂には、2つの凝縮器が設置されており、ここで第一の凝縮器は、部分凝縮器であり、この部分凝縮器内では純粋なIPDAが分離され、
第二の凝縮器は、完全凝縮器であり、この完全凝縮器内では、KIIからの蒸気流の残部が完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIに返送流として返送される、
ことを特徴とする。
I.第一の真空蒸留塔KIにおいて、なおも含有される低沸点副成分の分離を行い、粗IPDA IIをKIの塔底から、真空蒸留塔KIIに移し、
II.第二の真空蒸留塔KIIにおいて、イソホロンジアミンが純粋に、塔頂を介して得られ、有機残渣から分離され、ここで真空蒸留塔KIIの塔頂には、2つの凝縮器が設置されており、ここで第一の凝縮器は、部分凝縮器であり、この部分凝縮器内では純粋なIPDAが分離され、
第二の凝縮器は、完全凝縮器であり、この完全凝縮器内では、KIIからの蒸気流の残部が完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIに返送流として返送される、
ことを特徴とする。
最初に使用される真空蒸留塔KIは、以下のパラメータを有する:
温度 40〜120℃
圧力 10〜200mbar
理論段 10〜80。
温度 40〜120℃
圧力 10〜200mbar
理論段 10〜80。
第一の真空蒸留塔から、第二の真空蒸留塔への供給流である粗IPDA IIの組成は、以下の組成を有する:
IPDA 90〜100質量%
高沸点成分 0〜10質量%
アンモニア残分 10〜500ppm。
IPDA 90〜100質量%
高沸点成分 0〜10質量%
アンモニア残分 10〜500ppm。
使用される第二の真空蒸留塔KIIは、以下のパラメータを有する:
圧力 10〜200mbar
塔頂温度 80〜200℃
理論段 5〜50。
圧力 10〜200mbar
塔頂温度 80〜200℃
理論段 5〜50。
第二の真空蒸留塔の塔頂において使用される部分凝縮器は、以下のパラメータを有する:
圧力 10〜200mbar
温度 80〜200℃。
圧力 10〜200mbar
温度 80〜200℃。
純粋なイソホロンジアミンの純度は、少なくとも98質量%である。純粋なIPDAにおけるアンモニア残留含分は、50ppm未満である。
好ましい方法のやり方、および方法のスキーム
粗IPDA Iをまず、第一の真空蒸留塔KIに導く(図2参照)。ここで低沸点成分(流れ2)および水(流れ3)を、第一の真空蒸留塔の塔頂を介して分離する。IPDAは、塔底流4(粗IPDA II)として塔を出て、高沸点成分(流れ5)を分離するため、および純粋なIPDA(流れ6)を得るために、第二の真空蒸留塔KIIに供給する。第二の真空蒸留塔の塔頂に、直列に接続された凝縮器EおよびFが設置されている。ここで第一の凝縮器Eは、部分凝縮器として稼動する。ここで、第二の真空蒸留塔の塔頂からの水蒸気流の一部が凝縮され、これによって純粋なIPDAが、流れ6として得られる。水蒸気流の残りの部分は、第二の凝縮器Fで完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIで返送流7として返送される。これによって、粗IPDA IIからのアンモニア含分の大部分も、凝縮によってIPDAから分離され、流れ7によって真空蒸留塔KIへと返送される。これによって、非常に高い品質および非常に低いアンモニア含分で、純粋なIPDAを得ることが可能になる。
粗IPDA Iをまず、第一の真空蒸留塔KIに導く(図2参照)。ここで低沸点成分(流れ2)および水(流れ3)を、第一の真空蒸留塔の塔頂を介して分離する。IPDAは、塔底流4(粗IPDA II)として塔を出て、高沸点成分(流れ5)を分離するため、および純粋なIPDA(流れ6)を得るために、第二の真空蒸留塔KIIに供給する。第二の真空蒸留塔の塔頂に、直列に接続された凝縮器EおよびFが設置されている。ここで第一の凝縮器Eは、部分凝縮器として稼動する。ここで、第二の真空蒸留塔の塔頂からの水蒸気流の一部が凝縮され、これによって純粋なIPDAが、流れ6として得られる。水蒸気流の残りの部分は、第二の凝縮器Fで完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIで返送流7として返送される。これによって、粗IPDA IIからのアンモニア含分の大部分も、凝縮によってIPDAから分離され、流れ7によって真空蒸留塔KIへと返送される。これによって、非常に高い品質および非常に低いアンモニア含分で、純粋なIPDAを得ることが可能になる。
例1:
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留構造を考慮した。
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留構造を考慮した。
使用する原料流(粗IPDA I)は、質量%(wt%)で以下の組成を有していた:
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分、およびNH3残分 2.2質量%。
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分、およびNH3残分 2.2質量%。
42の分離段を有する第一の真空蒸留塔において、有機低沸点成分および水を、流入する粗IPDA Iの流れから蒸留物として塔頂を介して分離し、続いて有機相と水相を、凝縮後にデカンタで分離した。有機相の一部を返送流として、第一の真空蒸留塔に、返送流の、原料に対する比率1.2で入れた。真空蒸留塔は、110mbar、塔底温度178℃、塔頂温度114℃で稼動させた。
この第一から第二の真空蒸留塔への原料流は、以下の組成を有していた(粗IPDA II):
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 247ppm。
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 247ppm。
13の理論分離段を有する第二の真空蒸留塔を、塔底温度207℃、塔頂温度168℃、圧力110mbarで稼動させた。ここで高沸点成分は、真空蒸留塔の底部を介して分離し、IPDAおよびアンモニア残分は、塔頂を介して分離した。塔頂生成物は、蒸気相として部分凝縮器に導き、165℃、110mbarで部分的に凝縮させた。部分凝縮物と、凝縮されていない蒸気相との質量比率は、130であった。凝縮されていない蒸気流は、引き続き第二の凝縮器において133℃、110mbarで完全に凝縮させ、返送流として第一の真空蒸留塔へと導いた。部分凝縮器の凝縮物からは、純粋なIPDAが、99.9質量%の純度および15ppmのアンモニア残留含分で得られた。
よって、第二の真空蒸留塔の塔頂で部分凝縮器を使用することによって、アンモニア残留含分は、粗IPDA中における247ppmから、純粋なIPDA中における15ppmに減少させることができた。
例2
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留構造を考慮した。
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留構造を考慮した。
使用する原料流(粗IPDA I)は、質量%(wt%)で以下の組成を有していた:
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分およびNH3残分 2.2質量%。
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分およびNH3残分 2.2質量%。
42の分離段を有する第一の真空蒸留塔において、有機低沸点成分および水を、流入する粗IPDA Iの流れから蒸留物として塔頂を介して分離し、続いて有機相と水相を、凝縮後にデカンタで分離した。有機相の一部を返送流として、第一の真空蒸留塔に、返送流の、原料に対する比率1.2で入れた。真空蒸留塔は、110mbar、塔底温度178℃、塔頂温度114℃で稼動させた。この第一から第二の真空蒸留塔への原料流は、以下の組成を有していた(粗IPDA II):
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 104ppm。
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 104ppm。
13の理論分離段を有する第二の真空蒸留塔を、塔底温度207℃、塔頂温度168℃、圧力110mbarで稼動させた。ここで高沸点成分は、塔の底部を介して分離し、IPDAおよびアンモニア残分は、塔頂を介して分離した。塔頂生成物は、蒸気相として部分凝縮器に導き、165℃、110mbarで部分的に凝縮させた。部分凝縮物と、凝縮されていない蒸気相との質量比率は、344であった。凝縮されていない蒸気流は、引き続き第二の凝縮器において133℃、110mbarで完全に凝縮させ、返送流として第一の真空蒸留塔へと導いた。部分凝縮器の凝縮物からは、純粋なIPDAが、99.9質量%の純度および15ppmのアンモニア残留含分で得られた。
第二の真空蒸留塔の塔頂で部分凝縮器を使用することによって、アンモニア残留含分は、粗IPDA中における104ppmから、純粋なIPDA中における15ppmに減少させることができた。
例3:比較例
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留を考慮した。本発明による例と比較して、この場合では、第二の真空蒸留塔の塔頂における完全凝縮器のみを考慮した。
蒸留のシミュレーションを、Aspen Plusによって行った。計算については、2つの真空蒸留塔から成る蒸留を考慮した。本発明による例と比較して、この場合では、第二の真空蒸留塔の塔頂における完全凝縮器のみを考慮した。
使用する原料流(粗IPDA I)は、質量%(wt%)で以下の組成を有していた:
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分、およびNH3残分 2.2質量%。
IPDA 85.8質量%
水 9.7質量%
高沸点成分 2.3質量%
低沸点成分、およびNH3残分 2.2質量%。
42の分離段を有する第一の真空蒸留塔において、有機低沸点成分および水を、流入する粗IPDA Iの流れから蒸留物として塔頂を介して分離し、続いて有機相と水相を、凝縮後にデカンタで分離した。有機相の一部を返送流として、第一の真空蒸留塔に、返送流の、原料に対する比率1.2で入れた。真空蒸留塔は、110mbar、塔底温度178℃、塔頂温度114℃で稼動させた。この第一から第二の真空蒸留塔への原料流は、以下の組成を有していた(粗IPDA II):
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 50ppm。
IPDA 97.4質量%
高沸点成分 2.6質量%
アンモニア残分 50ppm。
13の理論分離段を有する第二の真空蒸留塔を、塔底温度207℃、塔頂温度168℃、圧力110mbarで稼動させた。ここで高沸点成分は、塔の底部を介して分離し、IPDAおよびアンモニア残分は、塔頂を介して分離した。塔頂生成物は、133℃で完全に凝縮させた。この凝縮物からは純粋なIPDAが、99.9質量%の純度および50ppmのアンモニア残留含分で得られた。よって純粋なIPDAにおけるアンモニア残留含分は、粗IPDAと比較して、減少させることができなかった。
これらの実施例からは、部分凝縮の適用によって明らかに、純粋なIPDAにおけるアンモニア残留含分の低下につながることが分かる。さらに、第二の真空蒸留塔の後に部分凝縮器を使用することによって、粗IPDA IIの流れにおけるアンモニア残留含分を変えた場合でも、純粋なIPDAにおけるアンモニア含分は、明らかに50ppmを下回っていたことが分かった。
図1
a 還元的アミノ化の反応段階
b 蒸留によるアンモニア分離段階
c IPDAの精密蒸留段階
1 アンモニア
2 イソホロンニトリル
3 水素
4 イソホロンジアミン
5 水
6 低沸点成分
7 高沸点成分
図2
1 粗IPDA I
2 水相
3 有機相
4 粗IPDA II
5 高沸点成分
6 純粋なIPDA
7 低沸点成分およびIPDAの返送
A 凝縮器
B 蒸留物受け器
C 凝縮器
D 凝縮器
E 凝縮器
F 凝縮器
G 蒸留物受け器
KI 第一の真空蒸留塔
KII 第二の真空蒸留塔
a 還元的アミノ化の反応段階
b 蒸留によるアンモニア分離段階
c IPDAの精密蒸留段階
1 アンモニア
2 イソホロンニトリル
3 水素
4 イソホロンジアミン
5 水
6 低沸点成分
7 高沸点成分
図2
1 粗IPDA I
2 水相
3 有機相
4 粗IPDA II
5 高沸点成分
6 純粋なIPDA
7 低沸点成分およびIPDAの返送
A 凝縮器
B 蒸留物受け器
C 凝縮器
D 凝縮器
E 凝縮器
F 凝縮器
G 蒸留物受け器
KI 第一の真空蒸留塔
KII 第二の真空蒸留塔
Claims (8)
- 少なくともアンモニア、水素、水素化触媒、および任意でさらなる添加剤の存在下、かつ有機溶剤の存在下または不在下に、イソホロンニトリルをアミノ化水素化することで、粗イソホロンジアミンIが得られるイソホロンジアミンの製造から、イソホロンジアミンを精密精製する方法であって、
粗イソホロンジアミンIを2つの真空蒸留塔によって精密精製にかけるにあたり、
I.第一の真空蒸留塔KIにおいて、なおも含有される低沸点副成分の分離を行い、粗IPDA IIをKIの塔底から、真空蒸留塔KIIに移し、かつ、
II.第二の真空蒸留塔KIIにおいて、イソホロンジアミンが純粋に、塔頂を介して得られ、有機残渣から分離され、ここで真空蒸留塔の塔頂には、2つの凝縮器が設置されており、ここで第一の凝縮器は、部分凝縮器であり、この部分凝縮器内では純粋なIPDAが分離され、
第二の凝縮器は、完全凝縮器であり、この完全凝縮器内では、KIIからの蒸気流の残部が完全に凝縮され、第一の真空蒸留塔KIに返送流として返送される、
ことを特徴とする、前記方法。 - 粗イソホロンジアミンIが一般的に、以下の組成:
IPDA 75〜100質量%
水 0〜15質量%
低沸点成分 0〜6質量%
高沸点成分 0〜6質量%
アンモニア残分 10〜1000ppm
を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。 - 第一の真空蒸留塔KIが、以下のパラメータ:
温度 40〜120℃
圧力 10〜200mbar
理論段 10〜80
を有することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。 - 第一の真空蒸留塔から、第二の真空蒸留塔への供給流である粗IPDA IIの組成が、以下の組成:
IPDA 90〜100質量%
高沸点成分 0〜10質量%
アンモニア残分 10〜500ppm
を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。 - 第二の真空蒸留塔KIIが、以下のパラメータ:
圧力 10〜200mbar
塔頂温度 80〜200℃
理論段 5〜50
を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 - 第二の真空蒸留塔KIIの塔頂において使用される部分凝縮器が、以下のパラメータ:
圧力 10〜200mbar
温度 80〜200℃
を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 - 粗イソホロンジアミンIが一般的に、以下の組成:
IPDA 75〜100質量%
水 0〜15質量%
低沸点成分 0〜6質量%
高沸点成分 0〜6質量%
アンモニア残分 10〜1000ppm
を有し、かつ
第一の真空蒸留塔KIは、以下のパラメータ:
温度 40〜120℃
圧力 10〜200mbar
理論段 10〜80
を有し、かつ
第一の真空蒸留塔から、第二の真空蒸留塔への供給流である粗IPDA IIの組成が、以下の組成:
IPDA 90〜100質量%
高沸点成分 0〜10質量%
アンモニア残分 10〜500ppm
を有し、かつ
第二の真空蒸留塔KIIは、以下のパラメータ:
圧力 10〜200mbar
塔頂温度 80〜200℃
理論段 5〜50
を有し、かつ
第二の真空蒸留塔KIIの塔頂において使用される部分凝縮器は、以下のパラメータ:
圧力 10〜200mbar
温度 80〜200℃
を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。 - 純粋なイソホロンジアミンの純度が少なくとも98質量%であり、純粋なIPDA中のアンモニア残留含分が、50ppm未満であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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EP16181360.5A EP3275858B1 (de) | 2016-07-27 | 2016-07-27 | Abtrennung von leichtsiedern sowie reduktion des ammoniakgehaltes im isophorondiamin durch partialkondensation |
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