JP2018016289A - 乗物用発光ユニット - Google Patents

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Masahiro Nomura
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Abstract

【課題】乗物に接近している物体の移動方向を乗員に知らせるために発光部を適切に発光させる。
【解決手段】車両用照明装置において、車両に接近する接近物を検出するセンサ3a、3b、3c、3dと、車両に取り付けられた発光部5と、センサ3a、3b、3c、3dが接近物を検出した際に発光部5を制御する制御装置2と、を備え、制御装置2は、発光部5の発光箇所が接近物の移動方向と対応する方向に沿って移動するように発光部5を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗物用発光ユニットに係り、特に、発光箇所が所定方向に移動することが可能な乗物用発光ユニットに関する。
乗物の室内に設けられた発光部を所定の発光態様にて発光させることで、乗物の乗員に各種情報を知らせる技術は既に知られている。一例を挙げて説明すると、特許文献1に記載の車両用の発光ユニット(特許文献1では「車室の内部の表示システム」と表記)では、車両の周辺情報として車両の周囲における物体の存在を車内の表示ランプの点灯又は点滅によって知らせることが可能である。
より詳しく説明すると、特許文献1では、車両に相手物(具体的には他の自動車、自転車、歩行者等)が接近してきたときに表示ランプを点灯又は点滅させることで当該相手物の存在を乗員に知らせることになっている。また、特許文献1では、表示ランプを左右一対配置し、相手物が存在する側の表示ランプを点灯又は点滅させることにしている。
特開2016−74312号公報
ところで、相手物の接近を乗員に知らせる際には、当該相手物がどの方向から接近してくるのか、すなわち、相手物の移動方向(接近方向)を知らせる必要がある。そして、発光部の発光によって相手物の移動方向を知らせるには、乗員が当該移動方向を的確に把握し得るように発光部を適切に発光させる必要がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗物に接近している物体の移動方向を乗員に知らせるために発光部を適切に発光させることが可能な乗物用発光ユニットを提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用発光ユニットによれば、乗物に接近する物体を検出する検出部と、前記乗物に取り付けられた発光部と、前記検出部が前記物体を検出した際に前記発光部を制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記発光部の発光箇所が前記検出部により検出された前記物体の移動方向と対応する方向に沿って移動するように前記発光部を制御することにより解決される。
上記の乗物用発光ユニットでは、乗物に取り付けられた発光部の発光箇所が、乗物に接近する物体の移動方向(接近方向)と対応する方向に沿って移動することになっている。したがって、乗員は、発光箇所の移動(流れ)を視認することで上記物体の移動方向を認識するようになる。
また、上記の構成において、前記検出部が、前方に進行している状態又は停止状態にある前記乗物の後方から該乗物に接近する前記物体を検出した際、前記制御部は、前記発光箇所が前記乗物の前後方向において後方から前方に向かって移動するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、前方に進行している状態又は停止状態にある乗物の後方から物体が乗物に接近しているときに、当該物体の移動方向(接近方向)を乗員に的確に知らせるように発光部(より厳密には発光箇所の移動方向)を適切に制御することが可能となる。
また、上記の構成において、前記検出部が、前方に進行している状態の前記乗物の前方から該乗物に接近する前記物体を検出した際、前記制御部は、前記発光箇所が前記乗物の前後方向において前方から後方に向かって移動するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、前方に進行している状態にある乗物の前方から物体が乗物に接近しているときに、当該物体の移動方向(接近方向)を乗員に的確に知らせるように発光部(より厳密には発光箇所の移動方向)を適切に制御することが可能となる。
また、上記の構成において、前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた移動速度にて前記発光箇所が移動するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、乗物と当該乗物に接近してくる物体との間の距離、及び、当該物体の接近速度のうち、少なくとも一つの項目の特定結果に応じて発光箇所の移動速度を変更する。これにより、乗員は、発光箇所の移動速度の変化に基づき、乗物に接近している物体の状況(具体的には、接近度合い等)を把握するようになる。
また、上記の構成において、前記制御部は、前記距離を特定する場合には、前記距離が短くなるほど前記発光箇所が早く移動する一方で前記距離が長くなるほど前記発光箇所が遅く移動するように前記発光部を制御し、前記接近速度を特定する場合には、前記接近速度が大きくなるほど前記発光箇所が早く移動する一方で前記接近速度が小さくなるほど前記発光箇所が遅く移動するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、乗物と当該乗物に接近してくる物体との間の距離、及び、当該物体の接近速度のうち、少なくとも一つの項目の特定結果が変化すると、これに連動する形で発光箇所の移動速度が変化する。これにより、乗員は、発光箇所の移動速度の変化度合いに基づき、乗物に接近している物体の状況の変化を把握するようになる。
また、上記の構成において、前記発光部は、前記発光箇所が点滅しながら移動するように発光し、前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた点滅速度にて前記発光箇所が点滅しながら移動するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、発光箇所の点滅速度の変化を通じて、乗物に接近している物体の状況を乗物の乗員に知らせることが可能となる。
また、上記の構成において、前記発光箇所の発光色が可変であり、前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた色に前記発光箇所の発光色が変化するように前記発光部を制御するとよい。
上記の構成では、発光箇所の発光色の変化を通じて、乗物に接近している物体の状況を乗物の乗員に知らせることが可能となる。
また、上記の構成において、前記発光部は、前記乗物の幅方向において互いに離れた状態で2つ設けられており、前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物に対する前記物体の位置を特定し、2つの前記発光部のうち、前記位置の特定結果と対応する一方の前記発光部のみを発光させるとよい。
上記の構成では、発光部を左右一対配置し、2つの発光部のうち、乗物に接近している物体の位置と対応する方の発光部を発光させる。これにより、乗物に接近している物体の接近方向と共に、当該物体の位置(厳密には乗物の左側及び右側のどちらにあるのか)を乗物の乗員に的確に知らせることが可能となる。
また、上記の構成において、前記発光部は、前記乗物に設けられたドアを構成する部材中、前記乗物の室内に面している部材の前方部分に配置されているとよい。
上記の構成では、ドア構成部材中、乗物の室内に面している部材の前方部分に発光部が配置されているので、乗物の乗員にとって発光部が視認され易くなる。これにより、乗員が発光部の発光箇所の移動を適切に視認するようになり、結果として、乗物に接近している物体の移動方向(接近方向)を乗員に確実に知らせることが可能となる。
本発明によれば、乗物の乗員が発光箇所の移動(流れ)を視認することで、乗物に接近している物体の移動方向を認識するようになる。
また、本発明によれば、前方に進行している状態又は停止状態にある乗物の後方から物体が乗物に接近しているときに、当該物体の移動方向を乗員に的確に知らせるように発光部を適切に制御することが可能となる。
また、本発明によれば、前方に進行している状態にある乗物の前方から物体が乗物に接近しているときに、当該物体の移動方向を乗員に的確に知らせるように発光部を適切に制御することが可能となる。
また、本発明によれば、乗物の乗員が発光箇所の移動速度の変化に基づき、乗物に接近している物体の状況を把握するようになる。
また、本発明によれば、乗物の乗員が発光箇所の移動速度の変化度合いに基づき、乗物に接近している物体の状況の変化を把握するようになる。
また、本発明によれば、発光箇所の点滅速度の変化を通じて、乗物に接近している物体の状況を乗物の乗員に知らせることが可能となる。
また、本発明によれば、発光箇所の発光色の変化を通じて、乗物に接近している物体の状況を乗物の乗員に知らせることが可能となる。
また、本発明によれば、乗物に接近している物体の接近方向と共に、当該物体の位置を乗物の乗員に的確に知らせることが可能となる。
また、本発明によれば、ドア構成部材中、乗物の室内に面している部材の前方部分に発光部が配置することにより、乗物の乗員にとって発光部が視認され易くなり、乗物の進行方向を乗員に確実に知らせることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る乗物用発光ユニットの構成を示すブロック図である。 車両に搭載されたセンサに関する説明図である。 発光部の配置に関する説明図であり、車室の前方部を示す図である。 発光部の配置に関する説明図であり、車室の側方部を示す図である。 発光部の構成を示す図である。 発光部の発光パターンに関する説明図である。 注意喚起用制御フローを示す図である。 第1変形例に係る乗物用発光ユニットの構成を示すブロック図である。 第2変形例に係る注意喚起用制御フローを示す図である。 第3変形例に係る乗物用発光ユニットにおける発光部の配置に関する図である。 第3変形例に係る発光部の発光パターンに関する説明図である。
<<本発明の一実施形態に係る乗物用発光ユニット>>
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下では、本実施形態に係る乗物用発光ユニットとして、車両に搭載された照明装置(以下、車両用照明装置1と呼ぶ)を例に挙げて説明することとする。ただし、本発明は、車両以外の乗物にも適用可能であり、例えば、自動二輪車や自動三輪車、船舶や航空機等にも適用可能である。
なお、以下の説明中、「左右」とは、車両の乗員が車両の前方を見た際の左右方向を意味している。また、「前後方向」とは、車両の前後方向を意味している。
(車両用照明装置1の用途)
先ず、車両用照明装置1の用途について概説する。車両用照明装置1は、車両Vに搭載され、車室内(室内に相当)において発光することで車室内に居る乗員、特に運転者に対して接近物の存在を知らせて注意喚起を促すものである。ここで、「接近物」とは、駐車時に車両Vに接近してくる物体であり、車両Vに対して相対的に動いている物である。具体的には、車両Vの周辺にある他の車両や自動二輪車、自転車、人や動物、建物の壁や電信柱等の設置物等が接近物に該当する。
より具体的に説明すると、本実施形態に係る車両用照明装置1は、車両Vが前方に向かって進行(走行)している間に当該車両Vの運転者が車線変更を行う際に、変更後の車線に接近物としての後方接近車両が存在することを発光によって車両Vの乗員(厳密には運転者)に知らせる。なお、「後方接近車両」とは、車線変更後(厳密には変更予定)の車線において車両Vの後方を走行している他の車両であって、車両Vから所定距離の範囲内に存在する車両を意味する。
(車両用照明装置1の機器構成)
次に、車両用照明装置1の機器構成について図1を参照しながら説明する。図1は、車両用照明装置1の機器構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両用照明装置1は、制御装置2と、センサと、ブザー4と、発光部5と、制御回路と、ウィンカーレバー7とを有する。
制御装置2は、制御部に相当し、車両ECU(Electric Control Unit)によって構成されている。この制御装置2は、ブザー4や発光部5を制御する。また、制御装置2は、接近物がセンサによって検出された際に、車両Vに対する接近物の位置(相対位置)、及び、接近物の移動方向(接近方向)を特定する。さらに、制御装置2は、センサの検出結果に基づき、車両Vと接近物との間の距離、及び接近物が車両Vに接近する際の接近速度を特定する。ここで、「接近速度」とは、車両Vの速度に対する接近物の相対速度を意味する。
なお、本実施形態に係る制御装置2は、車両Vと接近物との間の距離、及び接近物が車両Vに接近する際の接近速度の双方を特定するものであるが、上記2つの項目のうち、いずれか一方の項目のみを特定してもよい。
センサは、検出部に相当するものであり、接近物を検出し、その検出結果に応じた信号を制御装置2に対して出力する。制御装置2は、センサからの出力信号を受信すると、当該信号に基づいて、車両Vに対する接近物の位置、接近物の移動方向(接近方向)、車両Vと接近物との間の距離、及び接近物の接近速度を特定する。
本実施形態において、センサは、図2に示すように車両Vの車体に複数取り付けられている。図2は、車両Vに搭載されたセンサに関する説明図であり、センサの配置位置(図中、黒丸印にて表記)を模式的に示している。センサについて図1及び図2を参照しながら説明すると、本実施形態では、車体の前後左右に1カ所ずつ計4つのセンサが設けられている。つまり、右前センサ3a、右後センサ3b、左前センサ3c及び左後センサ3dが車両Vの車体に取り付けられている。
本実施形態において、各センサは、公知の超音波センサによって構成されている。ただし、これに限定されるものではなく、マイクロ波レーダからなるセンサを併用してもよい。ちなみに、マイクロ波レーダからなるセンサを用いる場合には、当該センサを車両Vのリアバンパー内(例えば、図2中、バツ印にて表記された箇所)に設置するとよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、前方2カ所のセンサ(すなわち、右前センサ3a及び右後センサ3b)と、後方2か所のセンサ(すなわち、左前センサ3c及び左後センサ3d)とは、それぞれ車両Vの幅方向(左右方向)において対称的に配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、センサの個数や配置位置については、前後左右に少なくとも1つずつあればよく、例えば、図2中、白丸印で表記された箇所に更にセンサを追加設置してもよい。
ブザー4は、車室内において警告音を発生する機器である。なお、本実施形態に係る車両用照明装置1は、ブザー4を有するものであるが、ブザー4を有しないものであってもよい。
発光部5は、車室内で発光する照明機器である。本実施形態において、発光部5は、複数設置されている。以下、図3及び図4を参照しながら発光部5の配置位置について説明する。図3及び図4は、発光部の配置に関する説明図であり、図3は、車室の前方部を示しており、図4は、車室の側方部を示している。なお、図4では、図示の都合上、ドア周辺に存在する機器(例えば、ハンドル等)の図示を省略している。
本実施形態において、発光部5は、車両Vの幅方向(左右方向)において互いに離れた状態で2つ設けられている。厳密に説明すると、本実施形態では、図3に示すように、車両の車室の前方空間のうち、右端に一つの発光部(以下、右側の発光部5A)が配置されており、左端に一つの発光部(以下、左側の発光部5B)が配置されている。
右側の発光部5A及び左側の発光部5Bは、左右方向において対称的に配置されている。また、各発光部5は、図4に示すように、車両VのドアDを構成する部材のうち、車室内に面している部材、具体的にはドアライニングRの前方部分に配置されている。より具体的に説明すると、各発光部5は、ドアライニングR中、窓枠の前端部近傍(厳密には、窓枠のやや下方位置)に配置されている。このような位置に発光部5が配置されていることにより、乗員(厳密には、運転手)の周辺視野内に発光部5が位置するようになる。この結果、乗員が発光部5の発光を認識し易くなる。
なお、発光部5の配置位置については、特に限定されるものではないが、望ましくは乗員の周辺視野内に位置するような配置位置であるとよい。このような配置位置としては、ドアライニングRの前方部分の他、ドア窓と隣接するピラー部、インストルメンタルパネルやダッシュボード等が挙げられる。
発光部5の構成について説明すると、右側の発光部5A及び左側の発光部5Bの各々は、ライン照明型の発光機器によって構成されている。以下、各発光部5の構成の詳細について図5を参照しながら説明する。図5は、発光部5の構成を示す図である。なお、同図では、右側の発光部5Aの構成を示しているが、左右対称となっている点を除き、左側の発光部5Bについても同様の構成となっている。
各発光部5は、図5に示すように、列状に並んだ複数の光源(ライト)を備えている。
より具体的に説明すると、右側の発光部5Aは、5つのライト(第1右側ライト10a、第2右側ライト10b、第3右側ライト10c、第4右側ライト10d、第5右側ライト10e)によって構成され、これらのライトは、前後方向に沿って並んでいる。同様に、左側の発光部5Bは、5つのライト(第1左側ライト10s、第2左側ライト10t、第3左側ライト10u、第4左側ライト10v、第5左側ライト10w)によって構成され、これらのライトは、前後方向に沿って並んでいる。
なお、本実施形態において、ライトがなす列は、図5に示すように、後方部分が緩やかにカーブした形状となっている。ただし、ライトの配置パターンについては、図5に図示のパターンに限定されるものではない。また、発光部5が有するライトの個数は、5個に限定されるものではなく、2個以上の任意の数に設定してもよい。
各発光部5中の各ライトは、制御回路を介して制御装置2によって制御される。具体的に説明すると、制御装置2は、右側発光部制御回路6Aを介して、右側の発光部5Aを構成する各ライトを制御し、左側発光部制御回路6Bを介して、左側の発光部5Bを構成する各ライトを制御する。
また、制御装置2は、各発光部5を構成するライトを個別制御することが可能である。より詳しく説明すると、制御装置2は、各発光部5を構成するライトの中から点灯させるライトを選択し、当該ライトのみが点灯するように各発光部5を制御する。このような制御により、発光部5の発光箇所が変化(移動)するようになる。
また、制御装置2は、各発光部5を構成するライトの中で点灯させるライトを切り換える際の速度を変更することにより、発光箇所が移動する際の速度(移動速度)を変更することが可能である。
さらに、制御装置2は、各発光部5を構成するライトを点灯させる際に当該ライトを点滅させることが可能である。これにより、発光部5の発光箇所が点滅しながら移動するようになる。
また、本実施形態において、各ライトは、発光色が切り換えられるライトからなる。そして、制御装置2は、各発光部5を構成するライトを点灯させる際、その発光色を制御する。このような制御により、発光部5の発光箇所の発光色が切り換わるようになる。つまり、本実施形態において、発光部5の発光箇所の発光色は可変である。なお、発光色が切り換え可能なライトについては、公知のものが利用可能であり、発光色の切り換えを行う機構や仕組みについては説明を省略する。
ウィンカーレバー7は、車両Vの乗員が車線変更を行う際に操作され、車線変更方向を示す信号を制御装置2に対して出力する。制御装置2は、ウィンカーレバー7からの出力信号を受信すると、当該信号に基づいて車線変更方向を特定する。そして、制御装置2は、特定した車線変更方向と同じ側にあるセンサから出力信号を受信すると、変更後(厳密には変更予定)の車線に後方接近車両が存在することを認識する。例えば、ウィンカーレバー7からの出力信号として車線変更方向が「右向き」であることを示す信号を受信したとき、制御装置2は、右後センサ3bからの出力信号を受信すると、変更後の車線に後方接近車両が存在することを認識する。
(発光部5の発光について)
次に、発光部5の発光に関して説明する。本実施形態において、発光部5は、車室内の照明として発光する共に、前述したように接近物の存在を乗員に知らせるために発光する。また、本実施形態において、発光部5は、発光箇所が所定方向に移動するように発光する。以下、発光部5の発光パターンについて図6を参照しながら説明する。図6は、発光部5の発光パターンの一例を示す図である。
制御装置2は、センサからの信号受信を通じて車両Vに接近物が接近していることを認識すると、センサからの出力信号に基づき、接近物の位置(厳密には、車両Vに対する接近物の相対位置)及び当該接近物の接近方向を特定する。さらに、制御装置2は、センサからの出力信号に基づき、車両Vと接近物との間の距離及び接近物の接近速度を特定する。
そして、制御装置2は、左右一対の発光部5のうち、接近物の位置に関する特定結果と対応する一方の発光部5のみを発光させる。つまり、接近物が車両Vの右側に位置する場合、制御装置2は、右側の発光部5Aのみを発光させる。反対に、接近物が車両Vの左側に位置する場合、制御装置2は、左側の発光部5Bのみを発光させる。
また、制御装置2は、発光対象の発光部5が図6に図示した発光パターンにて発光するように発光部5を制御する。具体的に説明すると、制御装置2は、発光対象の発光部5の発光箇所9がセンサにより検出された接近物の移動方向(接近方向)と対応する方向に沿って移動するように上記の発光部5を制御する。
以下、発光パターンにて詳しく説明すると、制御装置2は、発光対象の発光部5を構成するライトの1つを点灯させると共に、点灯するライトが前後方向に沿って順次入れ替わるように上記の発光部5を制御する。これにより、発光部5の発光箇所9が前後方向(厳密には、発光部5を構成するライトが並ぶ方向)に沿って移動するようになる。この際、発光箇所9は、後方から前方に向かって移動し、発光部5Aの前端に達した後には再び発光部5の後端に戻って上記の移動(後方から前方へ向かう移動)を繰り返す。
なお、上述した発光箇所9の移動方向については、発光対象の発光部5を構成するライトの中で点灯させるライトの順序を前後反転させることで切り替え可能である。すなわち、制御装置2は、発光箇所9が図6に図示した移動方向とは逆方向(前方から後方へ向かう方向)に移動するように発光部5を制御することが可能である。
本実施形態において、制御装置2は、上記の発光パターンにて発光部5Aを発光させるにあたり、発光箇所9の発光色及び移動速度を設定する。そして、制御装置2は、発光箇所9が設定された発光色にて発光しながら設定された移動速度にて移動するように発光部5を制御する。
具体的に説明すると、制御装置2は、センサからの信号受信を通じて車両Vに接近物が接近していることを認識した際に、車両Vと接近物との間の距離を特定する。そして、制御装置2は、上記の距離の特定結果に応じた移動速度にて発光箇所9が移動するように発光部5を制御する。より詳しく説明すると、制御装置2は、上記の距離が短くなるほど発光箇所9が早く移動する一方で上記の距離が長くなるほど発光箇所9が遅く移動するように発光部5を制御する。
また、制御装置2は、上記の距離の特定結果に応じた色に発光箇所9の発光色が変化するように発光部5を制御する。より詳しく説明すると、制御装置2は、上記の距離の特定結果が基準値(接近物の接近度合いを判定する際に参照される値)を超えているか否かを判定する。そして、距離の特定結果が基準値を下回る場合、制御装置2は、発光箇所9の発光色が第1の発光色(例えば青色)となるように発光部5を制御する。他方、距離の特定結果が基準値を超える場合、制御装置2は、発光箇所9の発光色が第2の発光色(例えば赤色)となるように発光部5を制御する。
なお、本実施形態では、上述したように、車両Vと接近物との間の距離を特定し、その特定結果に応じて発光箇所9の発光色や移動速度を設定することとしたが、これに限定されるものではない。接近物の接近速度を特定し、その特定結果に応じて発光箇所9の発光色や移動速度を設定してもよい。この場合、制御装置2は、接近速度が大きくなるほど発光箇所9が早く移動する一方で接近速度が小さくなるほど発光箇所9が遅く移動するように発光部5を制御することになる。また、制御装置2が接近速度の特定結果に応じて発光箇所9の発光色を変更する際には、接近速度が基準値を下回る場合には発光箇所9の発光色が第1の発光色となるように発光部5を制御し、接近速度が基準値を超える場合には発光箇所9の発光色が第2の発光色となるように発光部5を制御する。
また、車両Vと接近物との間の距離及び接近物の接近速度の双方を特定し、当該双方の特定結果に応じて発光箇所9の発光色や移動速度を設定してもよい。
さらに、本実施形態において、各発光部5は、発光箇所9が点滅しながら移動するように発光することが可能である。そして、制御装置2は、車両Vと接近物との間の距離及び接近物の接近速度のうち、少なくとも一つの項目の特定結果に応じた点滅速度にて発光箇所9が点滅しながら移動するように発光部5を制御することが可能である。
<<制御装置2による発光部5の制御の流れについて>>
次に、制御装置2による発光部5の制御の流れについて説明する。本実施形態において、制御装置2は、車両Vの乗員が車線変更のためにウィンカーレバー7を操作すると、これをトリガーとして、図7に図示した注意喚起用制御フローを実施して発光部5を制御する。図7は、注意喚起用制御フローを示す図である。以下では、注意喚起用制御フローについて図7を参照しながら説明することとする。
注意喚起用制御フローでは、先ず、制御装置2がセンサからの出力信号の受信の有無を通じて後方からの接近物(具体的には後方接近車両)が存在するか否かを判定する(S001)。具体的に説明すると、制御装置2は、ウィンカーレバー7からの出力信号に基づいて車線変更方向を特定する。その後、右後センサ3b及び左後センサ3dのうち、特定された車線変更方向と同じ側に位置するセンサが後方接近車両を検出すると、当該センサから制御装置2へ信号が出力される。かかる信号を受信すると、制御装置2は、変更後の車線に後方接近車両が存在すると判定する。
そして、ステップS001において後方接近車両が存在すると制御装置2が判定した場合、ステップS002に移行し、後方接近車両が存在しないと制御装置2が判定した場合、ステップS007に移行する。
ステップS002において、制御装置2は、センサからの出力信号に基づき、後方接近車両の位置(車両Vに対する相対位置)と、車両Vと後方接近車両との間の距離と、を特定する。その後、制御装置2は、左右一対の発光部5のうち、後方接近車両の位置の特定結果と対応する一方の発光部5を選定する(S003)。本ステップS003において選定された発光部5は、その後の発光動作において発光対象(すなわち、制御装置2による制御の対象)となる発光部5である。
また、制御装置2は、ステップS002にて特定した距離の特定結果に応じて、発光部5を発光させた際の発光箇所9の移動速度及び発光色を設定する(S004)。より具体的に説明すると、制御装置2は、所定の算出式に距離をパラメータとして代入することで発光箇所9の移動速度を算出する。この際、移動速度は、距離が短くなるほど大きくなり、距離が長くなるほど小さくなるように算出される。また、制御装置2は、距離の特定結果と基準値とを比較し、距離が基準値を下回っている場合には発光色を第1の発光色に設定し、距離が基準値を超えている場合には発光色を第2の発光色に設定する。
そして、発光箇所9の移動速度及び発光色を設定した後、制御装置2は、発光箇所9が接近物の移動方向(接近方向)と対応する方向に沿って移動するように発光対象の発光部5を制御する(S005)。より具体的に説明すると、発光箇所9がステップS004にて設定された発光色にて発光しながら同じくステップS004にて設定された移動速度にて後方から前方へ移動するように上記の発光部5を制御する。
なお、ステップS004において発光部5を制御する際、発光箇所9が点滅しながら移動するように発光部5を制御してもよい。このとき、ステップS002において特定した距離(車両Vと後方接近車両との間の距離)に応じた点滅速度にて発光箇所9が点滅しながら移動するように発光部5を制御すれば、車両Vの乗員(運転者)が後方接近車両の状況(具体的には接近度合い)を把握し易くなる。
さらに、制御装置2は、上述の発光態様にて発光部5が発光している間、ブザー4を通じて警告音を再生する(S006)。ここで、警告音は、発光部5が発光していることを車両Vの乗員(運転者)に気付かせるための音である。
その後、制御終了操作が行われるまで、制御装置2は、上述した一連のステップS001〜S006を繰り返す(S007)。ここで、制御終了操作は、注意喚起用制御フローを終了させる操作として乗員によって行われる操作であり、具体的には、ウィンカーレバー7を元の位置(通常位置)に戻す操作が該当する。
そして、制御終了操作が行われて当該操作が受け付けられたことを制御装置2が認識した時点で、制御装置2は、発光部5を消灯すると共に、ブザー4を制御して警告音を停止させる(S008)。ステップS008が終了すると、その時点で注意喚起用制御フローが終了する。なお、後方接近車両を検出する前に制御終了操作が行われた場合(すなわち、ステップS001でNo、かつ、ステップS007でYesの場合)、ステップ008が行われずにそのまま注意喚起用制御フローが終了する。
以上のように注意喚起用制御フローでは、車両Vの乗員が車線変更を行う際に変更後の車線において後方接近車両をセンサによって検出すると、車線変更方向と同じ側に位置する発光部5(換言すると、車両Vから見て後方接近車両と同じ側に配置された発光部5)を発光させる。この際、上記の発光部5は、発光箇所9が前後方向において後方から前方に向かって移動するように発光する。これにより、車両Vの乗員(運転者)は、発光箇所9の移動(流れ)を視認することで変更後の車線に後方接近車両が存在すること、すなわち、変更後の車線において車両Vに接近している物体の接近方向を認識するようになる。
なお、発光箇所9が後方から前方に向かって移動するように発光部5が発光することにより、乗員は、後方接近車両が存在することを直感的に把握するようになる。また、注意喚起用制御フローでは、車両Vと接近物との間の距離の特定結果に応じて発光部5の発光態様(具体的には発光箇所9の移動速度や発光色)を変化させる。これにより、乗員は、発光態様の変化を認識し易くなり、また、変化後の発光態様から接近物の接近度合いを把握するようになる。
また、本実施形態では、左右一対の発光部5のうち、車線変更方向と同じ側に位置する一方の発光部5のみを発光させるので、乗員は、接近物の接近方向と共に、接近物の位置(厳密には車両Vの左側及び右側のどちらにあるのか)を的確に把握するようになる。
<<変形例に係る乗物用発光ユニットについて>>
上記の実施形態(すなわち、本実施形態)では、本発明の乗物用発光ユニットの一例として、車線変更時に変更後の車線に後方接近車両が存在していることを発光部5の発光によって乗員に知らせる車両用照明装置1について説明した。ただし、本発明の乗物用発光ユニットについては、他の実施形態も考えられる。以下では、本発明の乗物用発光ユニットの変形例として三つの実施形態(第1変形例、第2変形例及び第3変形例)を例に挙げて説明する。
なお、以下に説明する各変形例では、上記の実施形態と同様、として、車両用照明装置を乗物用発光ユニットの例に挙げて説明することとする。また、各変形例では、上記の実施形態と相違する点を中心に説明する一方で、上記の実施形態と共通する点については説明を省略することとする。
(第1変形例)
第1変形例に係る車両用照明装置1xは、車両Vが停止状態にあるときに車両V内に居る乗員がドアDを開く際、当該ドアD側に後方接近車両が存在している場合にそのことを発光部5の発光によって乗員に知らせるものである。第1変形例に係る車両用照明装置1xの構成について図8を参照しながら説明すると、ウィンカーレバー7の代わりにタッチスイッチ8が設けられている点を除き、図1に図示の構成(すなわち、本実施形態に係る車両用照明装置1の構成)と共通する。図8は、第1変形例に係る車両用照明装置1xの構成を示すブロック図である。
タッチスイッチ8は、車両Vに備えられた各ドアDのドアノブに設置されており、乗員がドアノブに触ることで作動し、その際に信号を制御装置2に向けて出力する。制御装置2は、タッチスイッチ8からの出力信号を受信すると、当該信号に基づいて開対象のドアDを特定する。そして、制御装置2は、開対象のドアDと同じ側にあるセンサから出力信号を受信すると、そのドアD側に後方接近車両が存在することを認識する。例えば、右側のドアDのドアノブに設置されたタッチスイッチ8から信号を受信したとき、制御装置2は、右後センサ3bからの出力信号を受信すると、開対象のドアD側に後方接近車両が存在することを認識する。
そして、第1変形例において、制御装置2は、開対象のドアD側に後方接近車両が存在することを認識すると、後方接近車両の位置を特定する。その上で、制御装置2は、左右一対の発光部5のうち、特定した後方接近車両の位置と対応する一方の発光部5を制御して当該発光部5を発光させる。つまり、第1変形例では、開対象のドアD側に後方接近車両が存在するとき、制御装置2が注意喚起用制御フローを実行して発光部5を発光させる。
なお、第1変形例に係る注意喚起用制御フローは、乗員が開対象のドアDのドアノブに触れてタッチスイッチ8が作動すると、これをトリガーとして開始され、図7に図示の注意喚起用制御フローと略同様の手順に従って行われる。ちなみに、第1変形例の注意喚起用制御フローでは、乗員がドアノブから手を放す操作が制御終了操作に該当する。つまり、第1変形例では、乗員がドアノブから手を放してタッチスイッチ8がオフになると注意喚起用制御フローが終了する。
また、第1変形例に係る注意喚起用制御フロー中、発光部5を発光させるステップ(図7中のステップS005に相当するステップ)では、発光部5の発光箇所9が後方から前方に向かって移動するように発光部5(後方接近車両の位置と対応する一方の発光部5)を制御する。これにより、車両Vの乗員は、発光箇所9の移動(流れ)を視認することで開対象のドアDに後方接近車両が接近していること、すなわち、開対象のドアDに接近している物体の接近方向を直感的に把握するようになる。
(第2変形例)
第2変形例に係る車両用照明装置は、車両Vが前方に向かって走行している間に車両Vの前方から当該車両Vに接近する物体(接近物)が存在している場合に、そのことを発光部5の発光によって知らせるものである。より具体的に説明すると、第2変形例では、例えば夜間や雨天時に車両Vが市街地を走行している間、当該車両Vの前方から自転車(厳密には無灯火の自転車であり、以下、接近自転車)が接近していると、接近自転車をセンサにより検出し、さらに、発光部5を発光させて接近自転車の存在を知らせる。
第2変形例に係る車両用照明装置の構成は、図1に図示の構成(すなわち、本実施形態に係る車両用照明装置1の構成)と略共通する。
第2変形例では、センサ(より具体的には右前センサ3a又は左前センサ3c)が接近自転車を検出すると、制御装置2は、接近自転車の位置を特定する。その上で、制御装置2は、左右一対の発光部5のうち、特定した接近自転車の位置と対応する一方の発光部5を制御して当該発光部5を発光させる。つまり、第2変形例では、接近自転車が存在するとき、制御装置2が注意喚起用制御フローを実行して発光部5を発光させる。
以下、図9を参照しながら第2変形例に係る注意喚起用制御フローについて説明する。図9は、第2変形例に係る注意喚起用制御フローを示す図である。制御装置2は、車両Vが市街地に進入すると、これをトリガーとして、図9に図示した注意喚起用制御フローを実施して発光部5を制御する。なお、車両Vが市街地に進入したことは、車両Vに搭載された不図示のカーナビゲーションやGPSの機能を通じて検知される。
第2変形例に係る注意喚起用制御フローでは、先ず、制御装置2がカーナビゲーションやGPSの機能を通じて車両Vの現在位置を特定し、車両Vが市街地を走行しているか否かを判定する(S011)。車両Vが市街地を走行していると判定した場合、制御装置2は、センサからの出力信号の受信の有無を通じて接近自転車が存在するか否かを判定する(S012)。具体的に説明すると、右前センサ3a及び左前センサ3cのうち、いずれかのセンサが接近自転車を検出すると、当該センサから制御装置2へ信号が出力される。かかる信号を受信すると、制御装置2は、接近自転車が存在すると判定する。
そして、ステップS012において接近自転車が存在すると制御装置2が判定した場合、ステップS013に移行し、接近自転車が存在しないと制御装置2が判定した場合、ステップS011に戻る。
ステップS013において、制御装置2は、センサからの出力信号に基づき、接近自転車の位置(車両Vに対する相対位置)と、車両Vと接近自転車との間の距離と、を特定する。その後、制御装置2は、左右一対の発光部5のうち、接近自転車の位置の特定結果と対応する一方の発光部5を選択する(S014)。本ステップS014において選択された発光部5は、その後の発光動作において発光対象(すなわち、制御装置2による制御の対象)となる発光部5である。
また、制御装置2は、ステップS013にて特定した距離の特定結果に応じて、発光部5を発光させた際の発光箇所9の移動速度及び発光色を設定する(S015)。このステップS015は、図7に図示した注意喚起用制御フロー(すなわち、本実施形態に係る注意喚起用制御フロー)のステップS004と同様の要領で行われる。すなわち、発光箇所9の移動速度は、上記の距離が短くなるほど大きくなり、上記の距離が長くなるほど小さくなるように算出される。また、発光箇所9の発光色は、上記の距離が基準値を下回っている場合には第1の発光色に設定され、距離が基準値を超えている場合には第2の発光色に設定される。
そして、発光箇所9の移動速度及び発光色を設定した後、制御装置2は、発光箇所9が接近自転車の移動方向(接近方向)と対応する方向に沿って移動するように発光対象の発光部5を制御する(S016)。より具体的に説明すると、発光箇所9がステップS015にて設定された発光色にて発光しながら同じくステップS015にて設定された移動速度にて前方から後方へ移動するように上記の発光部5を制御する。さらに、制御装置2は、上述の発光態様にて発光部5が発光している間、ブザー4を通じて警告音を再生する(S017)。
その後、接近自転車を検出し続ける間、制御装置2は、上述したステップS013〜S017を繰り返す(S018)。そして、接近自転車が検出されなくなった時点で、制御装置2は、発光部5を消灯すると共に、ブザー4を制御して警告音を停止させる(S019)。
以上までに説明してきた一連のステップS011〜S019は、車両Vが市街地を走行している間、随時繰り返されることになっており、車両Vが市街地を脱した時点で第2変形例に係る注意喚起用制御フローが終了する。
以上のように第2変形例に係る注意喚起用制御フローでは、夜間や雨天時に車両Vが市街地を走行している間、当該車両Vの前方から接近してくる自転車(接近自転車)をセンサによって検出すると、接近自転車と同じ側に位置する発光部5を発光させる。この際、上記の発光部5は、発光箇所9が前後方向において前方から後方に向かって移動するように発光する。これにより、車両Vの乗員(運転者)は、発光箇所9の移動(流れ)を視認することで接近自転車が存在することを直感的に把握するようになる。
(第3変形例)
第3変形例に係る車両用照明装置は、車両Vが前方に向かって走行している間に車両Vの側方から当該車両Vに接近する物体(接近物)が存在している場合に、そのことを発光部5の発光によって知らせるものである。より具体的に説明すると、第3変形例では、車両Vが所定のエリア(例えば、見通しが悪い交差点の周辺等)を走行している間、当該車両Vの側方から人や自転車等(以下、側方接近物)が接近していると、側方接近物をセンサにより検出し、さらに、発光部5を発光させて接近自転車の存在を知らせる。
第3変形例に係る車両用照明装置の構成について説明すると、第3変形例では、左右一対の発光部5に加え、第3の発光部5Cが更に設けられている点で、上述した各実施形態とは相違する。第3の発光部5Cについて説明すると、第3の発光部5Cは、図10に示すように、例えばハンドルWに取り付けられている。図10は、第3変形例に係る車両用照明装置における発光部5の配置に関する図である。
また、第3の発光部5Cは、左右一対の発光部5(すなわち、右側の発光部5A及び左側の発光部5B)と同様、ライン照明型の発光機器によって構成されており、列状に並んだ複数の光源(ライト)を備えている。また、第3の発光部5Cを構成するライトは、左右方向(車両Vの幅方向)に沿って並んでいる。
したがって、制御装置2が第3の発光部5Cを制御して発光させる際に当該第3の発光部5Cを構成するライトのうち、点灯するライトが左右方向に順次入れ替わるように制御すると、図11に示すように、第3の発光部5Cの発光箇所9が左右方向に沿って移動するようになる。図11は、第3の発光部5Cの発光パターンに関する説明図である。なお、図11では、発光箇所9が左側から右側に向かって移動するケースを図示しているが、第3変形例に係る制御装置2は、発光箇所9が左側から右側に向かって移動するように第3の発光部5Cを制御することも、発光箇所9が右側から左側に向かって移動するように第3の発光部5Cを制御することも可能である。
そして、第3変形例において、制御装置2は、センサが側方接近物を検出すると、当該側方接近物の位置及び接近方向を特定した上で、第3の発光部5Cの発光箇所9が側方接近物の接近方向と対応する方向に移動するように当該第3の発光部5Cを制御する。具体的に説明すると、制御装置2は、側方接近物が車両Vの左側から接近している場合には、発光箇所9が左側から右側に移動するように第3の発光部5Cを制御し、側方接近物が車両Vの右側から接近している場合には、発光箇所9が右側から左側に移動するように第3の発光部5Cを制御する。
以上のように第3変形例では、側方接近物の存在を乗員に知らせる目的で注意喚起用制御フローが実施される。つまり、第3変形例に係る注意喚起用制御フローにおいて、車両Vの乗員は、第3の発光部5Cにおける発光箇所9の移動(流れ)を視認することで側方接近物の存在及びその接近方向を直感的に把握するようになる。ちなみに、第3変形例に係る注意喚起用制御フローは、図9に図示した第2変形例に係る注意喚起用制御フローに準じた手順にて行われる。
1,1x 車両用照明装置(乗物用発光ユニット)
2 制御装置(制御部)
3a 右前センサ(検出部)
3b 右後センサ(検出部)
3c 左前センサ(検出部)
3d 左後センサ(検出部)
4 ブザー
5,5A,5B,5C 発光部
6A 右側発光部制御回路
6B 左側発光部制御回路
7 ウィンカーレバー
8 タッチスイッチ
9 発光箇所
10a,10b,10c,10d,10e 右側ライト
10s,10t,10u,10v,10w 左側ライト
D ドア
V 車両(乗物)
R ドアライニング
W ハンドル

Claims (9)

  1. 乗物に接近する物体を検出する検出部と、
    前記乗物に取り付けられた発光部と、
    前記検出部が前記物体を検出した際に前記発光部を制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、前記発光部の発光箇所が前記検出部により検出された前記物体の移動方向と対応する方向に沿って移動するように前記発光部を制御することを特徴とする乗物用発光ユニット。
  2. 前記検出部が、前方に進行している状態又は停止状態にある前記乗物の後方から該乗物に接近する前記物体を検出した際、前記制御部は、前記発光箇所が前記乗物の前後方向において後方から前方に向かって移動するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1に記載の乗物用発光ユニット。
  3. 前記検出部が、前方に進行している状態の前記乗物の前方から該乗物に接近する前記物体を検出した際、前記制御部は、前記発光箇所が前記乗物の前後方向において前方から後方に向かって移動するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1に記載の乗物用発光ユニット。
  4. 前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた移動速度にて前記発光箇所が移動するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗物用発光ユニット。
  5. 前記制御部は、前記距離を特定する場合には、前記距離が短くなるほど前記発光箇所が早く移動する一方で前記距離が長くなるほど前記発光箇所が遅く移動するように前記発光部を制御し、前記接近速度を特定する場合には、前記接近速度が大きくなるほど前記発光箇所が早く移動する一方で前記接近速度が小さくなるほど前記発光箇所が遅く移動するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項4に記載の乗物用発光ユニット。
  6. 前記発光部は、前記発光箇所が点滅しながら移動するように発光し、
    前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた点滅速度にて前記発光箇所が点滅しながら移動するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の乗物用発光ユニット。
  7. 前記発光箇所の発光色が可変であり、
    前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物と前記物体との間の距離及び前記物体が前記乗物に接近するときの接近速度のうち、少なくとも一つの項目を特定し、該項目の特定結果に応じた色に前記発光箇所の発光色が変化するように前記発光部を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の乗物用発光ユニット。
  8. 前記発光部は、前記乗物の幅方向において互いに離れた状態で2つ設けられており、
    前記制御部は、前記検出部が前記物体を検出した際に、前記乗物に対する前記物体の位置を特定し、2つの前記発光部のうち、前記位置の特定結果と対応する一方の前記発光部のみを発光させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の乗物用発光ユニット。
  9. 前記発光部は、前記乗物に設けられたドアを構成する部材中、前記乗物の室内に面している部材の前方部分に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の乗物用発光ユニット。
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