JP2018014941A - ペット用排尿処理材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消臭能に優れ、且つ従前の製品と同程度以上の膨潤性及び固化性を有するペット用排尿処理材を提供する。
【解決手段】 スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(eq)の交換性アルカリ成分を含む第1のベントナイト粒状物と、スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(eq)の交換性アルカリ成分を含み、外表面に消臭添加剤が偏在する第2のベントナイト粒状物と、を含み、前記2種のベントナイト粒状物は、粒状物全体を100重量部とした場合に、第1のベントナイト粒状物:第2のベントナイト粒状物=0〜95(重量部):100〜5(重量部)の重量比で含まれ、前記消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物を含み、更に酸性化合物を含む、ことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、スメクタイト系粘土を用いて製したペット用排尿処理材に係り、特に、高消臭性で且つ固化性にも優れたペット用排尿処理材に関する。
従前よりペット用トイレに使用されるペット用の排尿処理材としては様々なものがある。形状としては、ペレット形状、シート形状等のものがあり、その原料についても粘土、おがくず、紙等の様々な種類のものがある。
このようなペット用排尿物の一つとしてベントナイト粒状物のようなスメクタイト系粘土を原料としたものが知られている。そのベントナイトを原料としたペット用排尿処理材は、吸尿により急激に膨潤した個々のベントナイト粒状物表層の泥状化域が相互に押し重なるように渾然一体となり塊状物となって固化するという作用機序により尿を吸収固化し使用済み部分のみを簡易に取り除けるものである。
猫砂のような粒状の排尿処理材の表面に銅化合物や亜鉛化合物を添着してアンモニアやエチルメルカプタンの悪臭を消臭する性能を付与できることは知られており、本出願人等の提案にかかる特許文献1(特開2000−302435号公報)にも、硫酸銅や硫酸亜鉛の水溶液を活性ベントナイトに噴霧して得られた金属化合物担持スメクタイトのアンモニアとエチルメルカプタンに対する消臭性能の向上について開示されている。また、特許文献2(特開2013−000036号公報)には、元々置換性水素指数で表される固体酸量の大きいスメクタイト系粘土を選択して用いアルカリ処理して製した一定度以上の固体酸量が残存する活性ベントナイトの粒状品も、アンモニアとエチルメルカプタンに対する脱臭能が高いことが開示されている。
特開2000−302435号公報 特開2013−000036号公報
しかしながら、これらの従来技術は消臭能の点で十分とは言えなかった。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、消臭能に優れ、且つ従前の物と同程度以上の膨潤性及び固化性を有するペット用排尿処理材を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本願に係るペット用排尿処理材は、スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(本発明では化学当量と同義、単位:eq)の交換性アルカリ成分を含む第1のベントナイト粒状物と、スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(eq)の交換性アルカリ成分を含み、外表面に消臭添加剤が偏在する第2のベントナイト粒状物と、を含み、前記2種のベントナイト粒状物は、粒状物全体を100重量部とした場合に、第1のベントナイト粒状物:第2のベントナイト粒状物=0〜95(重量部):100〜5(重量部)の重量比で含まれ、前記消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物を含み、更に酸性化合物を含む、ことを特徴とする。
ここで、第1のベントナイト粒状物と第2のベントナイト粒状物との配合比は、第2のベントナイト粒状物を単独で使用した場合と、第1のベントナイト粒状物と第2のベントナイト粒状物とを所望の範囲で混合した場合のいずれについても、本願の目的を満たすことを意味する。
そしてこのような構成によれば、銅化合物や亜鉛化合物は消臭に寄与するため各種悪臭成分に対する消臭能に優れ、特にペットの糞尿から発生する悪臭ガスとして酸性臭気に分類されるエチルメルカプタン等の硫黄系悪臭ガス、塩基性臭気に分類されるアンモニア等の窒素系悪臭ガス、さらには、成猫の特にオス猫の尿により多く含まれる一種のフェロモン様物質である3−MMB(3−メチルメルカプトブタノール)の特異臭に対する消臭能に優れた効果を発揮し、加えて、従来品と同程度の膨潤性及び固化性をも有する優れたペット用排尿処理材を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記交換性アルカリ成分が、0.4〜1.2当量(eq)の交換性ナトリウム成分であってもよい。
このような構成によれば、交換性アルカリ成分の中でも特に膨潤性や固化性に寄与するナトリウム成分を用いたことにより、より膨潤性や固化性に優れたペット用排尿処理材が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記消臭添加剤には、更に銀化合物が含まれてもよい。
このような構成によれば、銀化合物は銅化合物や亜鉛化合物と同様に消臭に寄与するため、ペット用排尿処理材の消臭能がより向上する。これに加えて、銀化合物はウレアーゼ等の尿成分分解酵素の活性を抑制する効果に特に優れるため、尿素分解によるアンモニア発生が抑制されることで、発生した悪臭を消臭するのではなく、悪臭の発生自体を抑制するという謂わば防臭能にも優れたペット用排尿処理材となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHが9.2以上であってもよい。
ここで「懸濁液pH」とは粒状物全体のpHの値を意味する。具体的な測定方法の一例としては、測定対象となる粒状物を1%食塩水中に5重量%濃度で投入して10分間撹拌し、更に30分間静置した後の当該1%食塩水の上澄み液のpHを測定する。即ち、懸濁液pHが9.2以上であるとは、上述の測定方法に従って測定されたpHが9.2以上であることを意味する。
そしてこのような構成によれば、懸濁液pHの高さから第1のベントナイト粒状物がアルカリ寄りであることが担保され、これにより高い膨潤性と固化性が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHが9.0以上であってもよい。
このような構成によれば、第2のベントナイト粒状物が高い消臭能を有するだけでなく、十分な膨潤性と固化性を有することも担保されるので、ペット用排尿処理材全体としての膨潤性と固化性が上がり、また第2のベントナイト粒状物の配合割合を増やしやすくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2のベントナイト粒状物表面のpH試験紙で測定したpHが3.6以下、且つ前記第2のベントナイト粒状物内部のpH試験紙で測定したpHが9.0以上であってもよい。
ここで、粒状物表面のpH測定方法としては、一例として次のような方法が挙げられる。粒状物表面の一部をピンセットで抓み取り、これを純水に浸して瞬時に引き揚げ、その直後に濡れた面をpH試験紙に軽く押しつけて約5秒以内に変色した部分の色調を肉眼で観察して標準変色表と対比することによりpHを測定する。
また、粒状物内部のpH測定方法としては、一例として次のような方法が挙げられる。粒状物を指等で折り割って内部を露出させ、粒状物内部の一部をピンセットで抓み取り、これを純水に浸して瞬時に引き揚げ、その直後に濡れた面をpH試験紙に軽く押しつけて約5秒以内に変色した部分の色調を肉眼で観察して標準変色表と対比することによりpHを測定する。
そしてこのような構成である第2のベントナイト粒状物の粒状物表面は、pHが酸性に偏り且つ金属化合物が添着されていることで高い消臭能を有し、また膨潤性及び固化性には劣るため粒状物内部への水分の浸透を妨げない。一方、第2のベントナイト粒状物の内部は、pHがアルカリ性に偏っていることにより高い膨潤性と固化性を有し、浸透してきた水分を捉えて凝集固化させる作用を有する。すなわち、該粒状物表面に水分が接すると粒状物内部までたちまち水分が浸透して吸収されるため、高い消臭能に加えて膨潤性や固化性にも優れ、更に吸水速度に優れたペット用排尿処理材となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2のベントナイト粒状物表面のpH試験紙で測定したpHが1.0〜3.4であり、且つ前記第2のベントナイト粒状物内部のpH試験紙で測定したpHが9.2〜10.2であってもよい。
このような構成によれば、より高い消臭能と膨潤性及び固化性、さらに吸水速度に優れたペット用排尿処理材が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記アルカリ化合物が、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの群より選ばれた1種または2種以上の組合せからなるアルカリ性ナトリウム化合物であってもよい。
このような構成によれば、より膨潤性と固化性に優れたペット用排尿処理材が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記消臭添加剤に含まれる各添加剤の前記第2のベントナイト粒状物1kg当たりの添加量が、銅化合物及び/又は亜鉛化合物は合計2〜100ミリ当量(meq)、酸性化合物は1〜50ミリ当量(meq)、銀化合物は0.01〜1ミリ当量(meq)であってもよい。
このような構成によれば、銅化合物と亜鉛化合物の配合量が適切な範囲であるため、十分な消臭能が発揮される。また酸性化合物の配合量が適切な範囲であることにより、酸性化合物によるpH調整作用が十分に得られる。更に、銀化合物により十分なウレアーゼ活性抑制が寄与される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記銅化合物が硫酸銅であり、前記亜鉛化合物が硫酸亜鉛であり、前記酸性化合物が硫酸アルミニウムであってもよい。
このような構成によれば、消臭添加剤部分はより消臭能や抗菌性に優れ、優れたpH調整能を有するものとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記銀化合物が硝酸銀であってもよい。
このような構成によれば、抗菌性とウレアーゼ抑制機能が得られることに加え、安全性や作業性の点でも好ましいものとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2のベントナイト粒状物の、最小方向における短径が1〜5mm、アスペクト比(長径/短径)が1〜10の範囲にあって、前記消臭添加剤の添着層の厚みが短径の6分の1以下であってもよい。
ここで「添着層」とは、粒状物表面に添着された金属化合物等のみを意味するものではなく、消臭添加剤水溶液が浸透した部分をも意味し、より具体的には消臭添加剤水溶液が浸透したことによりpHが粒状物表面と同程度の値になった部分を「添着層」とするものである。添着層部分と非添着層部分の境界線は、該粒状物を切断乃至折り割って露出した断面に少量の水を含ませて、この断面にpH試験紙を押し当てることでリング状の境界線が観察される。
そしてこのような構成によれば、消臭添加剤添着層の厚みが短径の6分の1以下であれば、消臭添加剤による十分な消臭能が得られながらも、粒状物内部にはアルカリ性を呈するベントナイト粒子が十分に残っているため、消臭能と膨潤性及び固化性を両立させることが容易となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のベントナイト粒状物及び前記第2のベントナイト粒状物に加えて、スメクタイト系粘土を主原料とし、1%食塩水中での懸濁液pHが6以下である酸性粘土粒状物を更に含み、前記酸性粘土粒状物の含有量が、前記二種のベントナイト粒状物との合算量100重量部に対して1〜5重量部であってもよい。
このような構成によれば、酸性粘土粒状物には固体酸が多く含まれているため、尿由来のアンモニアやアミン類の塩基性悪臭ガスを中和して化学吸着するため、特にこれらの悪臭に対して高い消臭能を有するペット用排尿処理材が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記酸性粘土粒状物の主原料であるスメクタイト系粘土が天然の酸性白土又はその酸処理物である活性白土であり、前記酸性粘土粒状物が無機酸及び/又は無機酸塩からなる酸性化合物を含むものであってもよい。
このような構成によれば、酸性白土と活性白土は無機酸塩を含み、表面酸性度が高いことから強い固体酸系の吸着剤として働くために消臭効果がより向上したペット用排尿処理材が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、下記の式(1)で示される固化吸尿能CUS(ml/100g)が50以上であってもよい。
US=[MC/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(1)
(式中、MAは容量がMC(ml)で重量がMP(g)の試験尿液を吸収したペット用排尿処理材の固化塊状物の重量(g))
ここで、固化吸尿能CUSは所定量のペット用排尿処理材がどの程度の水分を吸収するかを示すものであり、CUS=50という数値は、10gのペット用排尿処理材で5mlの尿液を吸収可能だということを意味する。そしてこのような構成によれば、十分な吸水性を有するペット用排尿処理材とすることができる。
また、本願発明は、ペット用排尿処理材の製造方法としても捉えることができる。
本発明に係るペット用排尿処理材の製造方法は、スメクタイト系粘土に対して、150℃乾燥基準の前記スメクタイト系粘土1kgに対して0.3〜0.9当量(eq)のアルカリ化合物を加えて混練し、前記混練物を造粒機に投入して造粒し、その後に乾燥することで第1のベントナイト粒状物を製造する工程と、銅化合物及び/又は亜鉛化合物と、酸性化合物とを用いてpHが4以下である消臭添加剤水溶液を調製する工程と、前記第1のベントナイト粒状物の表面に前記消臭添加剤水溶液を噴霧して第2のベントナイト粒状物を製造する工程と、前記第1のベントナイト粒状物と、前記第2のベントナイト粒状物を、0〜95重量部:100〜5重量部の重量比で混合し、さらに必要に応じて酸性粘土粒状物を0〜5重量部の重量比で混合する工程を有することを特徴とする
ここで「150℃乾燥基準」の重量とは、スメクタイト系粘土を150℃で加熱乾燥することで付着水のみならず層間水までも脱水された際の絶乾重量を意図するものであり、単純に150℃で乾燥した状態の粘土を用いるということを意味しない。
そして、このような構成によれば、高い消臭能を有し、また従来品と同程度の膨潤性及び固化性を有するペット用排尿処理材を容易に製造することが出来る。
また、前記消臭添加剤には、更に銀化合物が含まれていてもよい。
このような構成によれば、上述の効果に加えて、ウレアーゼ等の尿成分分解酵素の活性を抑制する効果に優れたペット用排尿処理材を製造することが出来る。
本発明の好ましい実施の形態においては、スメクタイト系粘土に対して、1%食塩水を使用して5重量%濃度で測定したpHが6以下となるように酸性化合物を添加して混練し、造粒機に投入して造粒し、その後に乾燥することで酸性粘土粒状物を製造する工程を更に有し、前記第1のベントナイト粒状物と前記第2のベントナイト粒状物との合算量100重量部に対して、前記酸性粘土粒状物を1〜5重量部の重量比で配合してもよい。
このような構成によれば、尿由来のアンモニアやアミン類の塩基性悪臭ガスに対して高い消臭能を有するペット用排尿処理材を製造することが出来る。
また、本願発明は、ペット用排尿処理材用消臭添加剤に関する発明としても捉えることができる。
本発明に係るペット用排尿処理材用消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物と、酸性化合物とを含み、それらは化学当量比で銅化合物及び/又は亜鉛化合物:酸性化合物=[100]:[5〜500]の割合で含まれることを特徴とする。
このような構成によれば、ベントナイト系のペット用排尿処理材に高い消臭能を付与するペット用排尿処理材用消臭添加剤が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、更に銀化合物が、化学当量比で銅化合物及び/又は亜鉛化合物:銀化合物=[100]:[0.01〜2]の割合で含まれてもよい。
このような構成によれば、上述の効果に加えて、ウレアーゼ等の尿成分分解酵素の活性を抑制する効果に優れたペット用排尿処理材用消臭添加剤を提供することができる。
以上述べたように、本発明に係るペット用排尿処理材は、ペットの糞尿から発生する悪臭ガスとして酸性臭気に分類されるエチルメルカプタン等の硫黄系悪臭ガス、塩基性臭気に分類されるアンモニア等の窒素系悪臭ガス、さらには、成猫の特にオス猫の尿により多く含まれる一種のフェロモン様物質である3−MMBの特異臭に対する消臭能に優れた効果を発揮することに加え、従来品と同程度の膨潤性及び固化性を有するものである。
更に、消臭添加剤に銀化合物を加えることで、ウレアーゼ等の尿成分分解酵素の活性を抑制して尿素分解によるアンモニア発生が抑制されることで、発生した悪臭を消臭するのではなく、悪臭の発生自体を抑制するという謂わば防臭能にも優れたペット用排尿処理材が得られる。
各実施例における原料の配合を示す図表(その1)である。 各実施例における原料の配合を示す図表(その2)である。 各実施例における原料の配合を示す図表(その3)である。 各比較例における原料の配合を示す図表である。 実施例及び比較例により得られたペット用排尿処理材の物性を示す図表(その1)である。 実施例及び比較例により得られたペット用排尿処理材の物性を示す図表(その2)である。 実施例及び比較例により得られたペット用排尿処理材の官能試験結果を示す図表である。 官能試験の評価基準を示す図表である。
以下に、本発明に係るペット用排尿処理材の好適な一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るペット用排尿処理材は、スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.8当量(eq)のアルカリ化合物を含む第1のベントナイト粒状物と、スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.8当量(eq)のアルカリ化合物を含み、外表面に消臭添加剤が偏在する第2のベントナイト粒状物と、を含み、前記2種のベントナイト粒状物は、粒状物全体を100重量部とした場合に、第1のベントナイト粒状物:第2のベントナイト粒状物=0〜95(重量部):100〜5(重量部)の重量比で含まれ、前記消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物を含み、更に酸性化合物を含むことを特徴とするものである。
本発明において第1のベントナイト粒状物、及び第2のベントナイト粒状物の主原料となるスメクタイト系粘土としては、天然に産出される所謂酸性白土やサブベントナイト、ベントナイト等のジオクタヘドラル型スメクタイトを主要成分とした粘土を適宜選択して使用することができる。
これらの原料粘土では、その種類毎にスメクタイトの層間内や層間外に付着しているイオン交換性のナトリウム成分量が異なり、一般的には酸性白土、サブベントナイト、ベントナイトの順に、pH、該Na成分量ともに高くなる。具体的には、酸性白土では、pHは5、該Na成分量は0ミリ当量/100g程度であるのに対して、サブベントナイト〜ベントナイトではpHは8〜10、該Na成分量は1〜20ミリ当量/100g程度となる。したがって、後述するアルカリ化合物の添加については、その原料粘土毎に適したアルカリ量とすることが好ましい。
また本発明においては、第1のベントナイト粒状物及び後述する第2のベントナイト粒状物にはアルカリ化合物を添加する。活性化処理に用いるアルカリ化合物としては、炭酸塩、ケイ酸塩、水酸化物等既知のものを適宜選択して用いることができるが、充分な膨潤性向上効果が得られ、安価であるという理由から炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ化合物を添加するのは所謂活性化処理を行うためであり、スメクタイト系粘土にアルカリ剤を添加して混練することでスメクタイト系粘土のスメクタイト層間にアルカリ化合物の陽イオンが導入され、スメクタイト系粘土の膨潤性と固化性が向上する。
より詳細には、アルカリ化合物を添加するのは原料粘土を活性ベントナイト化させるために必要なナトリウム等の交換性アルカリの至適含有量を満たすことが目的である。発明者等の知見によれば、当該目的を達成する量のアルカリ化合物を原料粘土に添加するとその結果としてpHが9.2以上となるものである。このため、pH9.2以上を目安とすることで、交換性ナトリウムの必要量を充足させることができ、ひいては高い膨潤固化性を有するペット用排尿処理材とすることができる。
本発明において、第1のベントナイト粒状物及び第2のベントナイト粒状物中の交換性アルカリ成分の含有量は、スメクタイト系粘土1kgに対して0.3〜1.5化学当量(eq)とし、アルカリ化合物の主体がナトリウム化合物の場合は0.4〜1.2化学当量(eq)であればより好ましい。ここでアルカリ化合物の好適な添加量は原料粘土の固体酸量や層間イオンの種類と量によっても左右されるが、尿に対して充分な膨潤性が発揮されるように平均pHが9.2以上となるように添加することが好ましく、pH9.5以上となるように添加すればより好ましい。
なお、原料のスメクタイト系粘土には、天然の状態で交換性(反応性)のアルカリが層間に入っていることに加え、曹長石(アルミノケイ酸ナトリウム)や正長石(アルミノケイ酸カリウム)の長石類由来の非交換性(非反応性)のアルカリも含まれており、その含有量は、発明者等がこれまで分析した限りでも、最大0.9eq/1kg近くまであった。したがって、好適なアルカリ含有量を交換性と非交換性を合わせた全アルカリ量で特定することには合理性が無く、原料に元々含まれている交換性アルカリ量と活性ベントナイト化の為に添加された交換性アルカリ量の合量として測定される交換性アルカリ成分の含有量による特定の方にこそ合理性がある。より具体的には、炭酸ナトリウム等のアルカリ化合物の好適添加量は、原料粘土に元々含有されている交換性アルカリ量と添加した交換性ナトリウム量の合量が0.3〜1.5当量(eq)となるように調整すればよい。
(交換性アルカリ成分の定量)
交換性アルカリ成分量(eq/kg)は、例えば「日本土壌肥料学会監修:土壌標準分析・測定法」に一部準拠して、次のように求められる。粒状品試料約5gを乳鉢で粉砕し、100メッシュの篩を全通させて粉末試料(≦150μm)となし、該粉末試料2gをポリエチレン製密閉フタ付きの50ml遠心管にとり、1M酢酸アンモニウム25mlを加えて1時間浸透する。その後遠心分離機にかけて試料を沈着させる。上澄液中のアルカリ成分(Na,K,Li)の各濃度を発光分光分析(ICP)等により定量し、試料1kg(150℃乾燥基準)当たりの交換性アルカリ成分含有量(eq/1kg)を算出する。
先にも述べたように第1のベントナイト粒状物はスメクタイト系粘土に所定量のアルカリ化合物を添加して混練したものであり、主として膨潤性と固化性へ寄与するものである。本願発明者等の知見によれば、ベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHが上昇すると膨潤性と固化性が向上するため、第1のベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHを9.2以上となっていれば、該粒状物は吸尿固化に十分な膨潤性と固化性を発現させることができる。
ここで「1%食塩水中での懸濁液pH」とはその粒状物全体を1%食塩水中に分散させたときの懸濁液のpHを意味し、以下の測定方法で求められる。測定対象となる粒状物を1%食塩水中に5重量%濃度で投入して10分間撹拌し、更に30分間静置した後に当該1%食塩水の液面から1〜2cmの部分のpHを測定する。本発明において第1のベントナイト粒状物はその全体がほぼ均一な構成を有するものであるため、粒状物外表面のpHと粒状物内部のpHはほぼ同じであると考えられる。
次いで、第2のベントナイト粒状物について説明を行う。本発明において第2のベントナイト粒状物は、スメクタイト系粘土に所定量のアルカリ化合物を添加して粒状物を製造し、この粒状物の外表面に消臭添加剤を噴霧してなるものである。ここで消臭添加剤を噴霧する前の粒状物は、第1のベントナイト粒状物から取り分けても良いし、別途調製してもよい。また、消臭添加剤の噴霧後、必要に応じて再乾燥してもよい。
本発明において、第2のベントナイト粒状物に用いる消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物を含み、更に酸性化合物を含むものである。また、必要に応じて銀化合物を添加しても良い。ここで用いることが出来る銅化合物としては、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等の無機塩や他の有機塩が挙げられ、これらの中でも安全性や作業性、低コストに優れ、糞から発生する悪臭であるエチルメルカプタン(以下、EMPとする)や、尿から発生する悪臭である3−メチルメルカプトブタノール(以下、3−MMBとする)等の硫黄系悪臭への吸着による脱臭効果と抗菌性、抗ウレアーゼ機能によるアンモニア発生抑制能等の点から無機塩が好ましく、中でも硫酸銅が特に好ましい。また、亜鉛化合物としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の無機塩や他の有機塩が挙げられるが、これらの中でも上記同様の理由から塩化亜鉛や硫酸亜鉛が好ましい。
ベントナイト粒状物の表面にイオン化した第二銅(Cu2+)や亜鉛(Zn2+)、銀(Ag+)を偏在させることにより、これらの金属イオンによって対ウレアーゼ活性菌への抗菌作用やウレアーゼ自体への抗酵素作用が働きウレアーゼ活性の抑制乃至失活が起こり、尿素の加水分解によるアンモニアの発生が抑制乃至防止され、結果として悪臭の発生自体を防ぐ防臭状態が具現される。
また、銅塩や亜鉛塩のCu2+やZn2+イオンは、空のd軌道が窒素原子(N)や硫黄原子(S)から電子を受容して生じる強固な配位結合により、アンモニア(NH3)とはアンミン錯体を生成し、EMPや3−MMBをも強く化学吸着し、特に3−MMBとは6員環のキレート型錯体も生成し得る。その結果、これらの悪臭物質はCu2+やZn2+イオンの存在する第2のベントナイト粒状物表面に強く固定されて揮散しないため、脱臭状態が具現される。
さらに、第2のベントナイト粒状物の表層部のpHが消臭添加剤により酸性側にある事で、アンモニアやアミン類といった塩基性悪臭ガスをより多く吸着できることとなり、その事によってもより高い脱臭力を得ることに寄与している。
本発明の第二のベントナイト粒状物は、以上に述べた防臭状態と脱臭状態が合わさって、高い消臭性能が実現されるものである。該第2のベントナイト粒状物を例えば第1のベントナイト粒状物に全体の5重量%以上配合することで高い消臭性能が期待でき、さらに後述の酸性粘土粒状物も全体の5重量%以下の量で配合することによって、より高い消臭性能を付与することができるものである。
本発明において消臭添加剤に用いる酸性化合物はpH調整を目的として添加するものであり、添加量はスメクタイト系粘土1kg当たり1〜50ミリ当量(meq)の範囲であることが好ましい。また、ここで用いることが出来る酸性化合物としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸等が挙げられ、これらの中でもアンモニアへの脱臭力と消臭添加剤偏在域(該粒状物外表面)におけるpH調整能の点から硫酸アルミニウムが好ましい。酸性化合物を添加して第2のベントナイト粒状物の消臭添加剤添着面のpHが3.6以下、好ましくは1.0〜3.4の範囲となるように調整することで、第2のスメクタイト粒状物表面に添着された銅化合物及び/又は亜鉛化合物がより有効に働くものである。
また、本発明において消臭添加剤には、銀化合物をスメクタイト系粘土1kg当たり0.01〜1ミリ当量(meq)の範囲で添加しても良い。ここで用いることが出来る銀化合物としては、水溶性のものであることが好ましく、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等が挙げられ、これらの中でも、抗菌性と抗ウレアーゼ機能によるアンモニア発生抑制能の付与性のほかに安全性や作業性の点からも硝酸銀が好ましい。具体的な添加量の一例として、硝酸銀(AgNO3=169.9)であればスメクタイト系粘土1kgに対して1.7〜170mgの範囲が好ましい。銀化合物を消臭添加剤に添加することで銅化合物や亜鉛化合物と同様に消臭に寄与し、特にウレアーゼ等の尿成分分解酵素の活性を抑制する効果に優れる。しかしながら、銀化合物の添加量がスメクタイト系粘土1kgに対して1ミリ当量を超えると、尿成分分解酵素の活性抑制効果は増すものの、その一方で消臭添加剤の添着面にAg成分の変色による黒ずみが生じ商品価値を損ね虞があり、さらには銀化合物は比較的高価なものであるため多量の添加は製造コストの高騰という点からも好ましくない。
第2のベントナイト粒状物は前述の通り消臭能への寄与を主な目的とするものであるが、pHを調整することで膨潤性と固化性についても十分な機能を付与することができる。具体的には、第2のベントナイト粒状物の懸濁液pHが9.0以上となるように調製することで第2のベントナイト粒状物を吸尿時に十分な膨潤性と固化性を有するものとすることができる。第2のベントナイト粒状物の懸濁液pHが9.0未満の場合には、第2のベントナイト粒状物の膨潤性や固化性が十分ではないため多量に配合することはあまり好ましくない。一方、第2のベントナイト粒状物の懸濁液pHが9.0以上となると第2のベントナイト粒状物の膨潤性や固化性へが向上するため、高い消臭性能を有する第2のベントナイト粒状物の配合比率を増やしても十分な膨潤性や固化性が得られるものとなる。更に、第2のベントナイト粒状物の懸濁液pHが9.2以上となるように調製すれば、第2のベントナイト粒状物は高い膨潤性と固化性を有するものとなるため、ペット用排尿処理材の大部分乃至全量を第2のベントナイト粒状物とすることも可能となる。また、第2のベントナイト粒状物のpHが9.0〜9.2の範囲のときには、配合割合は5〜10重量%程度であることが好ましい。なお、本発明において第2のベントナイト粒状物は、尿と接触する前の段階では、消臭添加剤が噴霧された外表面は酸性、消臭添加剤が存在しない内部はアルカリ性である。
また、第2のベントナイト粒状物の添着層部分のpHは1.0〜3.6の酸性、内部は9.2以上のアルカリ性、該粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHは9以上のアルカリ性であることが好ましい。添着面のpHが酸性ではあっても1.0より低くなると、内部の高pH域のベントナイト粒子の量が不足したり、吸尿後の表層と内部が混然となった泥状化部分のpHが膨潤に好適な高pHを維持できず、十分な固化性が得られないおそれがある。ここでpHの調整方法としては、原料粘土の選択、アルカリ化合物の種類と添加量の選択、消臭添加剤の構成とその添加量、等が挙げられる。
本発明において、各粒状物のpHを調整する理由の一つは以下の通りである。先にも述べたようにウレアーゼの安定性と活性にはpHも影響し、pHが6〜8のときはウレアーゼは安定して活性も高いが、pHが5以下、若しくは9以上になると安定性と活性のいずれもが低下し、更にpHが4以下、若しくは10以上になると安定性と活性のいずれもが著しく低下すると言われている。
ウレアーゼ等の尿成分分解酵素が尿中の尿素を分解することで悪臭成分の一つであるアンモニアが発生するが、本発明のペット用排尿処理材によれば発生したアンモニアの臭気を消臭することに加え、アンモニアの発生自体を抑制することが可能となる。
本発明の第2のベントナイト粒状物のように、pHが粒状物の表面で5以下且つ内部で9以上となっている場合、尿素を大量に含む尿が粒の表層と内部のいずれにあっても、上記理由により臨在するウレアーゼの活性が減失しているためかアンモニアの発生が抑制乃至防止され、高い防臭状態が具現される。なお表面と内部のpHについては、表面pHが4以下、内部pHが10以上であればより好ましい。
本発明において消臭添加剤水溶液のpHは水溶液の濃度によっても異なるが、硫酸銅や硫酸亜鉛の水溶液のpHは略5以下であり、硝酸銀の水溶液のpHは略7以下である。従って、これらの金属塩が、Cu2+,Zn2+,Ag+のようにイオン化した状態で安定して存在するためには、消臭添加剤が付着する第2のベントナイト粒状物表面のpHが略5以下、特に略4以下であることが好ましい。
本発明に係るペット用排尿処理材は、pHの調整に加えて、消臭添加剤を粒状物表面に偏在させたことにより、より効果的に消臭能が得られるものである。
本発明において、消臭添加剤に含まれる銅化合物と亜鉛化合物の添加量は、第2のベントナイト粒状物1kg当たり合計2〜100ミリ当量(meq)の範囲であることが好ましい。また、消臭添加剤に含まれる銅化合物と亜鉛化合物の添加量を全粒状物1kg当たり1ミリ当量以上とすることで、消臭性の向上に有効に寄与し好ましい。なお、ここで全粒状物とは、第1のベントナイト粒状物と、第2のベントナイト粒状物と、酸性白土粒状物を合わせた全重量を意味する。
また、本発明において消臭添加剤水溶液のpHは、消臭添加剤が第2のベントナイト粒状物表面に添着された状態で銅イオンや亜鉛イオン、銀イオン等が十分にイオン性を発揮して有効に作用できるpH域であることが望ましい。具体的には、pH3.6以下、より好ましくはpH1.0〜3.4の範囲であれば各種金属イオンが十分に消臭能を発揮するため、消臭添加剤水溶液のpHは4以下であることが好ましい。消臭添加剤水溶液のpHを4以下とすることで消臭添加剤が添着された後の消臭添加剤添着面のpHを3.6以下とすることが容易となる。
本発明において消臭添加剤の添着層の厚みは、第2のベントナイト粒状物の短径の6分の1以下であることが好ましい。添着層の厚みをこの範囲とすることで第2のベントナイト粒状物全体の膨潤性を有効に維持しつつ十分な固化性を確保しやすくなる。より具体的に説明すると、消臭添加剤が含まれた添着層部分は酸性を示すため、のベントナイト粒子は粒子間の間隙の毛管を通って尿液を急速に内部に送り込む働きはあるが、それ自体による膨潤性は乏しい。一方、内部のベントナイト粒子はアルカリ性が維持されているために高い膨潤性を示し、表面の添着層と部分的に混じった泥状化部分もアルカリ性が維持されるため十分な固化性が確保される。すなわち、消臭添加剤添着層の厚みを短径の6分の1以下にすることで、消臭添加剤による高い消臭効果を得ながらも膨潤性に乏しい酸性部分の範囲を最小限にとどめ、高い膨潤性と固化性も維持されるものである。なおここで「泥状化部分」とは、粒状物の吸尿部分と水分を含んで軟らかくなった部分を合わせたものを意味し、吸尿により軟らかく泥状になった部分すべてを意図している。
消臭添加剤添着層の厚みは、カッターナイフ等を用いて粒状物を短径方向に切断し、該断面に少量の水を浸ませてその直後に適宜の変色域を有するpH試験紙を濡れた断面に押し当てることで、外周上の酸性である添着層部分とその内側のアルカリ性である非添着層部分との境界線とを識別することが可能である。また本発明において、添着層の厚みは消臭添加剤水溶液の濃度により調整することができる。消臭添加剤水溶液の濃度を上げることで消臭添加剤水溶液の必要噴霧量が減少し、結果として添着層の厚みも減少する。
一方、添着層の厚みが短径の6分の1を大きく上回ったり、消臭添加剤添着面のpHが1.0よりも低いpHになったりすると、粒状物中のアルカリ性を呈する部分の割合が減少することにより粒状物全体としてpHが酸性側に偏りすぎるためか、内部の高pH域のベントナイト粒子の量が不足したり、吸尿後の表層と内部が混然となった泥状化部分のpHが膨潤に好適な高pHを維持できず、十分な固化性が得られない場合がある。
なお本発明において消臭添加剤水溶液の噴霧量は消臭添加剤水溶液中の各成分の濃度によっても異なるが、第2のベントナイト粒状物1kgに対する消臭添加剤水溶液の噴霧量の範囲は5〜20gであることが好ましく、10〜15gであればより好ましい。噴霧量が5g以下であると消臭添加剤水溶液を第2のベントナイト粒状物の表面全体に添着させることが難しく、逆に噴霧量が20gを上回ると噴霧量が多すぎるために消臭添加剤水溶液が粒状物の深奥まで吸収されてしまい添着層が厚くなることで各成分の表面濃度が薄くなって消臭効果が低下するだけでなく、粒状物内部の膨潤性ベントナイト相が少なくなり固化性が低下するおそれがあり好ましくない。また、各成分の添加量(meq/kg)の大小の調整は、噴霧量を一定にして各成分の含有濃度を増減することによって可能となる。
本発明のペット用排尿処理材においては、第1のベントナイト粒状物、第2のベントナイト粒状物に加えて酸性粘土粒状物を配合してもよい。酸性白土粒状物には固体酸が含まれており、この固体酸が尿由来のアンモニアやアミン類の塩基性悪臭ガスを中和し強く化学吸着するため高い消臭能を有する。酸性粘土粒状物を配合する場合には、全粒状物100重量部に対して酸性粘土粒状物の配合量が5重量部以下となるように配合することが好ましい。酸性粘土粒状物の配合量が5重量部を上回ると、膨潤性と固化性に乏しい酸性粘土粒状物の割合が増えることによりペット用排尿処理材全体としての膨潤性と固化性が低下する虞がある。
本発明において、酸性粘土粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHは6以下であることが好ましく、5以下であればより好ましい。酸性粘土粒状物の酸性度が上がると、酸性粘土粒状物による消臭能がより向上するものである。
(pH測定時の試験紙)
本発明において、消臭添加剤添着面のpHの測定にはクレゾールレッド(CR)試験紙、チモールブルー(TB)試験紙、ブロムフェノールブルー(BPB)試験紙等を用いることが出来る。また、各ベントナイト粒状物内部のpH測定や1%食塩水中での懸濁液pHの測定にはチモールブルー(TB)試験紙、アリザリンイエロー(AZY)試験紙等を用いることが出来る。
従前のペット用排尿処理材においては、銅や亜鉛の正塩乃至塩基性塩である無機酸塩や酸化物等を単純な水溶液乃至水分散液として粒状物に噴霧することで添着させるという手法が用いられていた。これに対して本発明に係るペット用排尿処理材においては、銅や亜鉛の正塩に硫酸や硫酸アルミニウム等の無機酸や酸性の無機酸塩等を加えた水溶液を消臭添加剤水溶液として第2のベントナイト粒状物の表面に噴霧し、消臭添加剤を添着させる。これにより無機酸や酸性の無機酸塩等が低いpH域でのpH緩衝液として作用することでpHがより安定に保たれる。
(固化性能)
第2のベントナイト粒状物およびそれを配合した本発明のペット用排尿処理材は、上記消臭性能が著しく向上するのみならず、排尿を吸収した時の固化性能もやや向上乃至維持することが特長である。
本発明において、固化性能は比固化長と固化吸尿能によって評価する。比固化長SL(mm/g)は、測定対象となるベントナイト系排尿処理材を充填した上から猫尿を模した試験尿20mlを30秒かけて注下した時に生じる固化塊状物の垂直方向の長さを評価するものであり、次の式(2)で表される。
SL=LV/MC・・・・・・・・・・式(2)
(式中、MCは試験尿液20mlを吸収した固化塊状物の重量(g)、LVは垂直
方向(縦方向)の固化長(mm))
比固化長の値が小さいということは、尿と接触した排尿処理材が速やかに尿を吸収したことにより尿の水分があまり下方に流れなかったということを意味し、排尿処理材の瞬間的な吸尿能を判断する指標となる。本発明に係るペット用排尿処理材においては、比固化長は一般的な猫砂よりも優れた0.8以下であることが好ましい。
一方、固化吸尿能CUSは所定量の排尿処理材がどれだけの尿を吸収することができるのかを示すものであり、固化吸尿能の値が大きければそれだけ尿の吸収量が大きいことを意味する。なお、尿液MC(ml)(MP(g))を吸収したペット用排尿処理材の固化塊状物の重量がMA(g)であるとき、このペット用排尿処理材の固化吸尿能CUSは、下記の式(1)により求められる。
US=[MC/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(1)
(式中、MAは容量がMC(ml)で重量がMP(g)の試験尿液を吸収したペット用排尿処理材の固化塊状物の重量(g))
本発明に係るペット用排尿処理材は特に消臭性能をより一層向上させることを目的にしたものであるため、固化吸尿能CUSについては50以上あれば十分である。なお、CUS=50という数値は、10gのペット用排尿処理材で5mlの尿液を吸収可能だということを意味する。
一般的にスメクタイト系粘土のpHが酸性側に偏ると、消臭能は向上するもののその一方で固化性や膨潤性は低下する。このため当初本願発明者等は、本発明の第2のベントナイト粒状物は表面に硫酸塩などの酸性物質が噴霧されて表面のpHが酸性を呈することから表層部分の膨潤性が失われ、吸水速度も吸水量も低下することで固化長は長くなり固化吸尿能も小さくなるのではないかと予想し、そうであれば全体に対する配合量も低配合量でしか用いられないのではないかと懸念した。アルカリ膨潤性のベントナイト系の排尿処理基材の表面に酸性物質を噴霧するといったような工程は、固化性を損なわせないという観点からは、当業者であれば避けるのが一般的に考えられる事である。
本発明に係るペット用排尿処理材の開発においては発明者らは消臭性能の向上をより重視しており、予想された固化性能の低下は配合量の調整によって抑制しようと考えていた。しかしながら、第2のベントナイト粒状物を試作してみたところ、酸性物質の添加量や表層部分のpHが適正であれば固化性能も維持乃至向上するという思いがけない結果が得られた。このため、本発明においてはコストや生産性を度外視すれば第2のベントナイト粒状物のみの構成とすることも可能であり、第2のベントナイト粒状物の配合量に上限を設けずとも済むことから本発明の更なる優位性を見出すこととなった。
従来のベントナイト系排尿処理材である第1のベントナイト粒状物においては、アルカリ性で膨潤性を有するベントナイト粒子が粒の表層から内部まで均一に粒子間隙にマクロ孔を形成しながら充填されている。このため水を吸水する段階においては、先ず表層のベントナイト粒子が水を吸って膨潤・抱水(飽和)し、粒子間隙のマクロ孔(毛管)を通って内部に吸収されていき、その過程でマクロ孔を通る水によってより内部のベントナイト粒子も次々に膨潤・抱水(飽和)しながら吸水していくという現象が数秒〜数十秒の時間で起こる。この1個の粒状物の吸水現象が、水分が垂直方向に流れることでベントナイト系排尿処理材充填層のより下層の粒状物に次々に伝搬して繰り返して起こり、その結果、膨潤した各粒状物表層の泥状化域が相互に押し重なり、一塊の楕円球状乃至半紡錘状の塊状物となって固化する。この時、1個の粒状物における吸水現象を想像するに、先ず粒状物の表層部分全体に水が行き渡ることで表層全体が膨潤・ヒドロゲル化してゼリー状の或る種の止水層となり、続けて外部から供給される水は粒状物内部への吸水速度を抑制されながらも徐々に吸水され、最終的な吸水・膨潤・抱水(飽和)の状態に至っているものと考えられる。
一方、本発明の第2のベントナイト粒状物は粒状物表層のpHが酸性であるために粒状物表層ではベントナイト本来のアルカリ膨潤が起こらない。このため、粒状物全体が膨潤・抱水・ヒドロゲル化によるゼリー状の止水層に包まれるようなことにはならず、外部から供給される水は粒子間隙のマクロ孔を通って即座に粒状物内部に吸収されて行き、第1のベントナイト粒状物の場合より早く水が供給された内部のアルカリ性のベントナイト粒子は、第1のベントナイト粒状物の場合と同様に次々に膨潤・抱水(飽和)しながら吸水していくという現象が起こる。その結果として第1のベントナイト粒状物よりも短時間で固化塊状物が形成され、それにより比固化長がより小さく、固化吸尿能もより大きくなるために、粒状物内部の膨潤性ベントナイト相が少なくなっているにもかかわらず、従来品である第1のベントナイト粒状物と同等乃至同等以上の固化性能を有するに至ったものと考えられる。したがって、本発明に係る第2のベントナイト粒状物は、排尿処理材としての総合的機能は従来品である第1のベントナイト粒状物よりも充分に向上していると言える。
[第1のベントナイト粒状物]
新潟県新発田市所在のサブベントナイト粘土鉱床から採掘したスメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、水分含有率が33%の粗砕物を得た。150℃乾物換算で10kgの該粗砕物とアルカリ化合物として炭酸ナトリウム粉末をNa2CO3として300g(=5.67当量)を同一ポリエチレン製袋に入れてよく振り混ぜてから、孔径10mmの成形板の付いた単軸式横型押出造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッター(回転ロール式縦型押出造粒機)を用いて造粒し、回転式小型乾燥炉により170℃で乾燥し、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物からなる第1のベントナイト粒状物を得た。
得られた第1のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.7であった。
[第2のベントナイト粒状物]
本実施例で得られた第1のベントナイト粒状物1kgを回転式円筒容器に容れ、粒状物全体が均質に流動・混合するように適宜回転させながら、別途に調製した硫酸銅(金属化合物)、硫酸(酸性化合物)、硝酸銀(銀化合物)の各成分から成る消臭添加剤水溶液(CuSO4:15.4%,H2SO4:4.0%,AgNO3:0.24%)12.5gを噴霧により粒状物の表面に吹き付けて添着することで第2のベントナイト粒状物が得られた。各添着成分の粒状物の1kg当たりの添加量(meq/kg)については図1〜4に示した。得られた第2のベントナイト粒状物のうちの一粒について添着層の厚みを後述の測定法により顕微鏡下で観察した結果、短径が2.9mmに対して添着層は0.1〜0.4mmの範囲で不均一に観察されるがその中央値の0.25mmは短径の約12分の1であり最大値の0.4mmは約7分の1であった。また、得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.1であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは1.2、粒状物内部のpHは9.4であった。
[酸性粘土粒状物]
新潟県新発田市所在の酸性白土粘土鉱床から採掘したスメクタイト系粘土を原料とし、必要に応じて水を添加し、孔径10mmの成形板の付いた単軸式横型押出造粒機に3回かけて混合・捏和する。該粗造粒物を孔径3mmの成形板の付いたデスクペレッター(回転ロール式縦型押出造粒機)を用いて造粒し、送風式箱型乾燥機により170℃で乾燥し、解砕機と篩分機にかけて、短径:約3mm、長径:4〜7mmの円柱状造粒物からなる酸性粘土粒状物を得た。得られた酸性粘土粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは5.6であった。なおここで「必要に応じて水を添加し」とあるのは、原料粘土に水分がある程度以上含まれているときは添加不要、水分が製造作業に必要な程度よりも少ないときは足りない分を補う、という意味である。
[混合調製]
本実施例では、得られた3種の粒状物を[第一のベントナイト粒状物]:[第二のベントナイト粒状物]:[酸性粘土粒状物]=[85]:[10]:[5]の重量比で混合し、実施例1のペット用排尿処理材を調製した。
実施例1において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤の成分のうち、酸性化合物成分である硫酸を硫酸アルミニウムに変更した(CuSO4:15.4%,Al2(SO43:4.6%,AgNO3:0.24%)以外は実施例1と同様にして実施例2のペット用排尿処理材を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.2であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.8、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例2において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤の成分のうち、金属化合物成分である硫酸銅を硫酸亜鉛に変更した(ZnSO4:15.6%,Al2(SO43:4.6%,AgNO3:0.24%)以外は実施例2と同様にして実施例3のペット用排尿処理材を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.2であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.8、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例2において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤の成分のうち、金属化合物成分を硫酸銅と硫酸亜鉛に変更した(CuSO4:7.7%,ZnSO4:7.8%,Al2(SO43:4.6%,AgNO3:0.24%)以外は実施例2と同様にして実施例4のペット用排尿処理材を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.2であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.8、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例2で得られた第2のベントナイト粒状物と、実施例1で得られた酸性粘土粒状物を95:5の重量比で混合して調製することで実施例5のペット用排尿処理材が得られた。
実施例3で得られた第2のベントナイト粒状物と、実施例1で得られた酸性粘土粒状物を95:5の重量比で混合して調製することで実施例6のペット用排尿処理材が得られた。
実施例2において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤の成分のうち、金属化合物成分である硫酸銅の濃度を10倍に薄めた(CuSO4:1.54%,Al2(SO43:4.6%,AgNO3:0.24%)以外は実施例2と同様にして第2のベントナイト粒状物を得て、この第2のベントナイト粒状物のみを用いて実施例7のペット用排尿処理材とした。即ち本実施例では、得られた第2のベントナイト粒状物のみを用い、第1のベントナイト粒状物と酸性粘土粒状物のいずれも混合せずに本発明のペット用排尿処理材を調製したものである。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.3であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは3.0、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例1において、第1のベントナイト粒状物の製造の際に用いるアルカリ化合物を炭酸ナトリウムからメタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3として345g(=5.67当量))に変更し、また第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、金属化合物成分である硫酸銅の濃度を2倍に高め、酸性化合物成分である硫酸の濃度を2倍に薄め、銀化合物成分である硝酸銀の濃度を4倍に高めた(CuSO4:30.8%,H2SO4:2.0%,AgNO3:0.96%)以外は実施例1と同様にして実施例8の第1のベントナイト粒状物と、第2のベントナイト粒状物を得た。本実施例で得られた第1のベントナイト粒状物と第2のベントナイト粒状物と実施例1で得られた酸性粘土粒状物を90:5:5の重量比で混合し、実施例8のペット用排尿処理材を調製した。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.6であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.4、粒内部のpHは9.6であった。
実施例1において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、金属化合物成分である硫酸銅を4倍当量の塩化亜鉛に、酸性化合物成分である硫酸を塩化アルミニウムに変更し、銀化合物成分である硝酸銀は無添加とした(ZnCl2:52.2%,AlCl3:1.8%)以外は実施例1と同様にして実施例9の第2のベントナイト粒状物を得た。実施例1で得られた第1のベントナイト粒状物と本実施例で得られた第2のベントナイト粒状物と実施例1で得られた酸性粘土粒状物とを、90:5:5の重量比で混合し、実施例9のペット用排尿処理材を調製した。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.4であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは3.2、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例1において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、金属化合物該添加剤中の主剤成分である硫酸銅を塩化亜鉛に、酸性化合物成分である硫酸を塩化アルミニウムに変更し、銀化合物成分である硝酸銀は無添加とした(ZnCl2:13.1%,AlCl3:3.6%)以外は実施例1と同様にして実施例10の第2のベントナイト粒状物を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.4であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.6、粒状物内部のpHは9.4であった。また酸性粘土粒状物は、実施例1において、原料のスメクタイト系粘土を押出造粒機にかけて混合・捏和する際に酸性度の増強用に適当量の硫酸アルミニウムを加えて調製することで実施例10の酸性粘土粒状物が得られた。得られた酸性粘土粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは4.2であった。実施例1で得られた第1のベントナイト粒状物と本実施例で得られた第2のベントナイト粒状物と本実施例で得られた酸性粘土粒状物とを、77:20:3の重量比で混合し、実施例10のペット用排尿処理材を調製した。
実施例1において、第1のベントナイト粒状物の製造の際に用いるアルカリ化合物の炭酸ナトリウムの添加量を350g(=6.60当量)に増量して行い、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、金属化合物成分である硫酸銅の濃度を約5倍に薄め、酸性化合物成分である硫酸を2倍当量分の硫酸アルミニウムに変更し、銀化合物成分である硝酸銀の濃度を5倍に薄めた(CuSO4:3.2%,Al2(SO43:9.2%,AgNO3:0.048%)以外は実施例1と同様にして実施例11の第1のベントナイト粒状物と第2のベントナイト粒状物を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.6であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは2.0、粒状物内部のpHは10.0であった。また酸性粘土粒状物は、実施例9において、酸性度の増強用に加えた硫酸アルミニウムを適当量の硫酸に変えて調製することで実施例11の酸性粘土粒状物が得られた。得られた酸性粘土粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは3.0であった。本実施例で得られた第1のベントナイト粒状物と第2のベントナイト粒状物と酸性粘土粒状物とを、48:50:2の重量比で混合し、実施例11のペット用排尿処理材を調製した。
実施例11において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、酸性化合物成分である硫酸アルミニウムの濃度を4倍に薄めた(CuSO4:3.2%,Al2(SO43:2.3%,AgNO3:0.048%)以外は実施例11と同様にして実施例12の第2のベントナイト粒状物を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.8であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは3.6、粒状物内部のpHは10.0であった。第一のベントナイト粒状物と第二のベントナイト粒状物と酸性粘土粒状物を48:50:2の重量比で混合し、実施例12のペット用排尿処理材を調製した。
比較例1
実施例11において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、酸性化合物成分を無添加とした(CuSO4:3.2%,AgNO3:0.048%)以外は実施例11と同様にして比較例1の第2のベントナイト粒状物を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.9であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは3.8、粒状物内部のpHは10.1であった。実施例11で得られた第1のベントナイト粒状物と本比較例で得られた第2のベントナイト粒状物と実施例11で得られた酸性粘土粒状物とを、48:50:2の重量比で混合し、比較例1のペット用排尿処理材を調製した。
比較例2
実施例1において、第2のベントナイト粒状物へ添着させる消臭添加剤成分のうち、金属化合物成分を無添加とした(Al2(SO43:4.6%,AgNO3:0.24%)以外は実施例1と同様にして比較例2の第2のベントナイト粒状物を得た。得られた第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中における5重量%濃度でのpHは9.4であり、pH試験紙で測定した消臭添加剤添着面のpHは3.2、粒状物内部のpHは9.4であった。
実施例1で得られた第1のベントナイト粒状物と本比較例で得られた第2のベントナイト粒状物と実施例10で得られた酸性粘土粒状物とを、85:10:5の重量比で混合し、ペット用排尿処理材を調製した。
比較例3
実施例1で得られた第1のベントナイト粒状物と実施例9で得られた酸性粘土粒状物とを、95:5の重量比で混合し、比較例3のペット用排尿処理材を調製した。
比較例4
実施例1で得られた第1のベントナイト粒状物を単独で用いて比較例4のペット用排尿処理材とした。なお比較例3に係るペット用排尿処理材は、従来一般に多用されている市販のベントナイト系猫砂の多くに相当する。
実施例1〜12および比較例1〜4で得られた粒状物の配合を図1〜4に、ペット用排尿処理材としての各種物性の試験結果を図5〜6に示す。
<試験方法>
[各粒状物試料の前処理(共通)]
固化性能に関する試験に用いる各粒状物試料は、あらかじめ150℃で3時間乾燥した後にシリカゲルを敷き詰めたデシケータ中で1時間放冷し、その後チャック付ポリエチレン製袋に充填して密封保存し、3日間以内に試験に供した。
[水溶液または水性懸濁液のpH]
各水溶液または水性懸濁液のpH測定については、ガラス電極式pHメーターにより室温下で測定を行った。
[1%食塩水中でのpH]
各実施例及び比較例に係る粒状物試料をそれぞれ5g(無水物換算)ずつ100mlのビーカーに取り、1%食塩水95gを加えてマグネチックスターラ―で10分間かき混ぜ、30分間静置した後、液面から1〜2cmの深さの上部液のpHを測定した。
[粒状物表面(消臭添加剤添着面)のpH]
第2のベントナイト粒状物をピンセットで抓み取り、消臭添加剤添着面の一部を純水に1mm程度の深さに浸して瞬時に引き揚げ、その直後に濡れた面をクレゾールレッド試験紙に軽く押し付けて約5秒以内に変色した部分の色調を肉眼で観察し、標準変色表との対比により、0.4〜4.4の範囲の0.2刻みのpH値として測定した。続けて、チモールブルー試験紙、及びブロムフェノールブルー試験紙を用いても同様の操作を行った。
[粒状物内部のpH]
第2のベントナイト粒状物を略中央部で折断し、粒状物内部の一部をピンセットで抓み取って折断面を下にし純水に1mm程度の深さに浸して瞬時に引き揚げ、その直後に濡れた折断面をチモールブルー試験紙に軽く押し付けて約5秒以内に変色した中央部分の色調を肉眼で観察し、標準変色表との対比により、8.0〜12.0の範囲の0.2刻みのpH値として測定した。続けて、新たに粒状物内部の一部を抓み取り、アリザリンイエロー試験紙でも同様の操作を行った。
[消臭添加剤の添着層の厚み]
上述の粒状物内部のpHを測定した際に試験紙に生じた粒状物断面との接触面の略円形の呈色像を顕微鏡下で観察し、該呈色像の外周部分に現れる不完全な円周状乃至円弧状の酸性色に呈色した線状部分の内、上記粒状物表面の添着面と同色調に呈色した部分を消臭添加剤の添着層と見做し、その平均的な厚みを、略円形の呈色像全体の直径に対する比(%)で表した。なお、前述の実施例1以外についても測定は行っており、いずれについても短径が2.9mmに対して添着層は0.1〜0.4mmの範囲で不均一に観察され、その中央値の0.25mmは短径の約12分の1であり最大値の0.4mmは約7分の1であった。これは添加量が異なっても濃度を調整して消臭添加剤水溶液の噴霧量を揃えたことが原因だと考えられる。
[試験尿液の調製]
猫の実尿を模して各種試験用に供した試験尿液は以下の処方で調製した。
容量2Lのビーカーに約500mlの脱イオン水を入れ、撹拌下、各々別々に秤取した下記7種の無機試薬(1〜7)を順次加え入れて溶解した後、下記2種の有機試薬(8,9)も秤り入れ、脱イオン水を加えて全量を1kgとした。
1_塩化カルシウム(CaCl2・2H2O=147.01;≧99%):74mg
2_塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O=203.30;≧97%):943mg
3_塩化カリウム(KCl=74.55;≧99%):9.0g
4_塩化ナトリウム(NaCl=58.44;≧99%):1.2g
5_硫酸ナトリウム(Na2SO4=142.04;≧99%):5.7g
6_炭酸水素ナトリウム(NaHCO3=84.01;≧99.5%):4.2g
7_リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4・2H2O=155.99;≧99%):15.8g
8_尿素(Urea;CH42O=60.06;≧99%):60.7g
9_アラントイン(Allantoin;C4643=158.12;≧98%):3.1g

さらに撹拌して均質な溶液となしてpHを測定したところ、pH:6.3〜6.4(20〜30℃)であった。本水溶液を本発明の各種性能試験に用いる試験尿液とした。
[消臭性能(3−MMB消臭能)]
3−MMB(3−メチルメルカプトブタノール)水溶液での官能試験
容量200mlの広口ガラス瓶(口径:45.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、各実施例及び比較例に係るペット用排尿処理材試料20gを秤取して平らに敷き容れ、臭気源として3−MMB水溶液(0.01(W/V)%)10mlを試料上に垂直に滴下し、直ちに密封したものを5セット用意する。室温(20〜30℃)で1分間静置後、5人のモニターがそれぞれ何れかのセットの蓋を外して開封し、内部から漂ってくる空気の臭いを嗅いで、3−MMB臭に対する消臭性を下記評価基準により4段階にて区分評価した。なお、3−MMBの消臭能試験を官能試験としたのは、3−MMBは検知管等による検出が難しく、GC−MS等の大型で高額な装置を用いないと検出できないためである。
◎:4名以上のモニターが3−MMBの悪臭を感じず、1名以下が僅かに感じた。
○:3名のモニターが3−MMBの悪臭を感じず、2名が僅かに感じた。
△:3名のモニターが3−MMBの悪臭を感じた。
×:4名以上のモニターが3−MMBの悪臭を感じた。
[脱臭能1(メルカプタン脱臭能:DO(%))]
容量1800mlの広口ガラス瓶(口径:58.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、各実施例及び比較例に係るペット用排尿処理材試料100gを秤取して平らに敷き容れ、臭気源としてエチルメルカプタン水溶液(0.02(V/V)%)1mlを試料上に垂直に滴下し、直ちに密封して室温(20〜30℃)で5分間静置後、北川式ガス検知管(エチルメルカプタンガス検知用)を用いてヘッドスペースのエチルメルカプタン濃度[EM](ppm)を測定した。
ブランク濃度[EM]の測定は、試料を容れないブランクサンプルを作成し、別個に同場所でほぼ同時に行った。測定の結果、ブランク濃度[EM]は20ppmであった。
得られたエチルメルカプタン濃度及びブランク濃度を下記式に代入してメルカプタン脱臭能DOM(%)を、小数を四捨五入した整数値で求めた。
DO={([EM]−[EM])/[EM]}×100
[脱臭能2(アンモニア脱臭能:DO(%))]
容量1800mlの広口ガラス瓶(口径:58.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、各実施例及び比較例に係るペット用排尿処理材試料100gを秤取して平らに敷き容れ、臭気源としてアンモニア水溶液(0.7(W/V)%)1mlを試料上に垂直に滴下し、直ちに密封して室温(20〜30℃)で20分間静置後、北川式ガス検知管(アンモニアガス検知用)を用いてガラス瓶内のヘッドスペース(蓋の下付近)のアンモニア濃度[AM](ppm)を測定した。
ブランク濃度[AM]の測定は、試料を容れないブランクサンプルを作成し、別個に同場所でほぼ同時に行った。測定の結果、ブランク濃度[AM]は4000ppmであった。
得られたアンモニア濃度及びブランク濃度を下記式に代入してアンモニア脱臭能DOA(%)を、小数を四捨五入した整数値で求めた。
DO={([AM]−[AM])/[AM]}×100
[防臭能(アンモニア防臭能:PO(%))]
容量1800mlの広口ガラス瓶(口径:58.5mm、ポリエチレン製中蓋・ポリプロピレン製ネジ蓋付、中蓋の中央部には注入口ゴム栓を付設)の底部に、各実施例及び比較例に係るペット用排尿処理材試料100gを秤取して平らに敷き容れ、臭気源として尿素濃度6.07(W/W)%である試験尿10gに0.3(W/V)%ウレアーゼ水溶液(ナタ豆由来、使用当日に調製したもの)1mlをすばやく混合したものを、シリンジを用いて試料上に垂直に滴下し、直ちに密封して室温(20〜30℃)下に静置し、24時間経過後に、ガラス瓶内のヘッドスペースのアンモニアガス濃度[AM](ppm)を北川式ガス検知管(アンモニアガス検知用)を用いて測定した。
ブランク濃度[AM]の測定は、試料を容れない状態で同様の操作を、別個に同場所でほぼ同時に行った。測定の結果、ブランク濃度[AM]は8000ppmであった。
得られたアンモニア濃度及びブランク濃度を下記式に代入し、アンモニア防臭能POA(%)を、小数を四捨五入した整数値で求めた。
PO={([AM]−[AM])/[AM]}×100
[消臭性能総合評価]
本実施例においては、ペットの糞尿から発生する悪臭ガスに対する消臭性能の評価として、酸性臭気に分類され硫黄(S)系悪臭ガスであるエチルメルカプタンに対する脱臭能(DOM)、塩基性臭気に分類され窒素(N)系悪臭ガスであるアンモニアに対する脱臭能(DOA)、トレイに生息している雑菌が保有するウレアーゼの作用により尿中の尿素が分解されることにより発生するアンモニアをその発生を防止することによって消臭する防臭能(POA)、さらには、成猫の特にオス猫の尿により多く含まれる一種のフェロモン様物質である3−MMBの特異臭に対する消臭能を測定し、それらを総合して、下記評価基準により5段階にて区分評価した(各数値は小数を四捨五入した整数値)。なお、以下の評価基準においては、4つの項目すべてを満たす基準のうち最も上の基準がその試料の評価となる。
・S:3−MMB消臭能:◎、かつDO≧95、かつDO≧99、かつPO≧99であるもの
3−MMBに対する消臭能が極めて高く、メルカプタン脱臭能とアンモニアに対する脱臭能及び防臭能の何れも極めて高いことから、ペットの尿と糞から発生する硫黄系と窒素系の全ての悪臭に対する極めて優れた消臭効果が期待できる。
・A:3−MMB消臭能:○以上、かつDO;DO;POがBの基準を満たした上で、何れか一種以上がSの基準に該当するもの
Sよりはやや劣るが、各種悪臭成分に対する消臭能乃至防臭能がいずれも高く、全体として優れた消臭効果が期待できる。
・B:3−MMB消臭能:○以上、かつDO≧90、かつDO≧98、かつPO≧98であるもの
3−MMBに対する消臭能が高く、メルカプタン脱臭能とアンモニアに対する脱臭能および防臭能の何れも高いことから、ペットの尿と糞から発生する硫黄系と窒素系の全ての悪臭に対する高い消臭効果が期待できる。
・C:3−MMB消臭能:△以上、DO;DO;POの何れか一種以上がBの基準に該当するもの
やや高い〜やや不充分な消臭効果である。
・D:S〜Cのいずれの基準にも該当しないもの
3−MMBに対する消臭能、メルカプタン脱臭能とアンモニアに対する脱臭能および防臭能の何れか一種以上について従来のベントナイト系猫砂と同レベル以下、場合によっては4種の能力すべてについて従来のベントナイト系猫砂と同レベル以下であり、ペットの尿と糞から発生する悪臭に対する消臭効果についても現在の市販品と同等かそれ以下である。
[固化実験]
深さが15cm以上である方形または円筒形のトレイ(容器)に、あらかじめ150℃で乾燥したペット用排尿処理材試料を約15cmの深さに敷き詰め、表面を平らにしてから、試験尿液20ml(=20.8g)を1cmの高さから30秒間で注下して得られた固化塊状物を10分後に取り出し、重量MA(g)及び垂直方向(縦方向)の長さL(mm;5mm刻みの数値)を測定して、以下の固化吸尿能と比固化長を測定する。この実施例においては、固化吸尿能と比固化長の測定を各試料毎に3回ずつ行い、3つの測定値のうち真ん中の値を採用してそれぞれの固化吸尿能、及び比固化長としたものである。
尚、固化吸尿能CUSは、固化塊状物を構成している吸液前の粒状品試料100g当たりの吸液量(ml)を意味しており(小数点以下四捨五入)、比固化長SLは、固化塊状物の単位重量(g)当たりの固化長(mm)を意味している(小数第2位以下四捨五入)。

固化吸尿能:CUS(ml/100g)
US=[20/(MA−20.8)]×100
(式中、MAは試験尿液20mlを吸収した固化塊状物の重量(g)である。)

比固化長:SL(mm/g)
SL=L/M
式中、Mは試験尿液20mlを吸収した固化塊状物の重量(g)、Lは垂直
方向(縦方向)の固化長(mm)である。
[実用評価試験]
実施例2、実施例9、比較例2および比較例4について、5名のモニターに依頼して得られた実用の際の評価結果を図7に示した。試験依頼時まで同じメーカーで同じ品種のトイレ砂(ベントナイト系・無香料)を使用している室内飼育の猫の飼い主5名をモニターに選び、消臭性と固化性に関する官能試験を依頼し、試験結果より、消臭性と固化性を図8の評価基準により5段階で評価した。
図5〜6から明らかなように、実施例1〜12によるペット用排尿処理材は各種悪臭ガスに対する消臭能に優れ、いずれの悪臭ガスに対しても高い消臭能を発揮した。また、固化性能についても、固化吸尿能CUSが50以上、比固化長SLが0.8以下と十分な性能を有するものであった。特に実施例5〜7については第2のベントナイト粒状物の配合割合が高いことにより、また実施例11は第2のベントナイト粒状物の配合割合が高いことに加え表面pHが低いことにより、非常に高い消臭能を示した。
一方、比較例1〜4によるペット用排尿処理材は、いずれも各種悪臭ガスに対する消臭能が全体的に低下している。比較例1については、消臭添加剤に酸性化合物を添加しなかったことが理由であり、これにより消臭添加剤添着面のpHも3.6を超えたものと考えられる。また、比較例2については、金属化合物である銅化合物と亜鉛化合物をいずれも添加しなかったことが理由であると考えられる。比較例3,4については第2のベントナイト粒状物を用いなかったことが理由であり、酸性粘土粒状物も配合しなかった比較例4(従来品に相当)は比較例3よりも更に消臭能が低下している。

Claims (20)

  1. スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(eq)の交換性アルカリ成分を含む第1のベントナイト粒状物と、
    スメクタイト系粘土を主原料とし、前記スメクタイト系粘土1kg当たり0.3〜1.5当量(eq)の交換性アルカリ成分を含み、外表面に消臭添加剤が偏在する第2のベントナイト粒状物と、を含み、
    前記2種のベントナイト粒状物は、粒状物全体を100重量部とした場合に、第1のベントナイト粒状物:第2のベントナイト粒状物=0〜95(重量部):100〜5(重量部)の重量比で含まれ、
    前記消臭添加剤は、銅化合物及び/又は亜鉛化合物を含み、更に酸性化合物を含む、ことを特徴とするペット用排尿処理材。
  2. 前記交換性アルカリ成分が0.4〜1.2化学当量(eq)の交換性ナトリウム成分である請求項1に記載のペット用排尿処理材。
  3. 前記消臭添加剤には、更に銀化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用排尿処理材。
  4. 前記第1のベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHが9.2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  5. 前記第2のベントナイト粒状物の1%食塩水中での懸濁液pHが9.0以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  6. 前記第2のベントナイト粒状物表面のpH試験紙で測定したpHが3.6以下、且つ前記第2のベントナイト粒状物内部のpH試験紙で測定したpHが9.0以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  7. 前記第2のベントナイト粒状物表面のpH試験紙で測定したpHが1.0〜3.4であり、且つ前記第2のベントナイト粒状物内部のpH試験紙で測定したpHが9.2〜10.2であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  8. 前記アルカリ化合物が、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムの群より選ばれた1種または2種以上の組合せからなるアルカリ性ナトリウム化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  9. 前記消臭添加剤に含まれる各添加剤の前記第2のベントナイト粒状物1kg当たりの添加量が、銅化合物及び/又は亜鉛化合物は合計2〜100ミリ当量(meq)、酸性化合物は1〜50ミリ当量(meq)、銀化合物は0.01〜1ミリ当量(meq)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  10. 前記銅化合物が硫酸銅であり、前記亜鉛化合物が硫酸亜鉛であり、前記酸性化合物が硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  11. 前記銀化合物が硝酸銀であることを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  12. 前記第2のベントナイト粒状物の、最小方向における短径が1〜5mm、アスペクト比(長径/短径)が1〜10の範囲にあって、前記消臭添加剤の添着層の厚みが短径の6分の1以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  13. 前記第1のベントナイト粒状物及び前記第2のベントナイト粒状物に加えて、スメクタイト系粘土を主原料とし、1%食塩水中での懸濁液pHが6以下である酸性粘土粒状物を更に含み、
    前記酸性粘土粒状物の含有量が、前記二種のベントナイト粒状物との合算量100重量部に対して1〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  14. 前記酸性粘土粒状物の主原料であるスメクタイト系粘土が天然の酸性白土又はその酸処理物である活性白土であり、前記酸性粘土粒状物が無機酸及び/又は無機酸塩からなる酸性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
  15. 下記の式(1)で示される固化吸尿能CUS(ml/100g)が50以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のペット用排尿処理材。
    US=[MC/(MA−MP)]×102・・・・・・・・・・式(1)
    (式中、MAは容量がMC(ml)で重量がMP(g)の試験尿液を吸収したペット用排尿処理材の固化塊状物の重量(g))
  16. スメクタイト系粘土に対して、150℃乾燥基準の前記スメクタイト系粘土1kgに対して0.3〜0.9当量(eq)のアルカリ化合物を加えて混練し、前記混練物を造粒機に投入して造粒し、その後に乾燥することで第1のベントナイト粒状物を製造する工程と、
    銅化合物及び/又は亜鉛化合物と、酸性化合物とを用いてpHが4以下である消臭添加剤水溶液を調製する工程と、
    前記第1のベントナイト粒状物の表面に前記消臭添加剤水溶液を噴霧して第2のベントナイト粒状物を製造する工程と、
    前記第1のベントナイト粒状物と、前記第2のベントナイト粒状物を、0〜95重量部:100〜5重量部の重量比で混合し、さらに必要に応じて酸性粘土粒状物を0〜5重量部の重量比で混合する工程を有することを特徴とするペット用排尿処理材の製造方法。
  17. 前記消臭添加剤水溶液には、更に銀化合物が含まれることを特徴とする請求項16に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  18. スメクタイト系粘土に対して、1%食塩水を使用して5重量%濃度で測定したpHが6以下となるように酸性化合物を添加して混練し、造粒機に投入して造粒し、その後に乾燥することで酸性粘土粒状物を製造する工程を更に有し、
    前記第1のベントナイト粒状物と前記第2のベントナイト粒状物との合算量100重量部に対して、前記酸性粘土粒状物を1〜5重量部の重量比で配合することを特徴とする請求項16又は17に記載のペット用排尿処理材の製造方法。
  19. 銅化合物及び/又は亜鉛化合物と、酸性化合物とを含み、それらは化学当量比で銅化合物及び/又は亜鉛化合物:酸性化合物=[100]:[5〜500]の割合で含まれることを特徴とするペット用排尿処理材用消臭添加剤。
  20. 更に銀化合物が、化学当量比で銅化合物及び/又は亜鉛化合物:銀化合物=[100]:[0.01〜2]の割合で含まれることを特徴とする請求項19に記載のペット用排尿処理材用消臭添加剤。
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