JP2018013044A - ベーンロータリー圧縮機 - Google Patents

ベーンロータリー圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2018013044A
JP2018013044A JP2016141341A JP2016141341A JP2018013044A JP 2018013044 A JP2018013044 A JP 2018013044A JP 2016141341 A JP2016141341 A JP 2016141341A JP 2016141341 A JP2016141341 A JP 2016141341A JP 2018013044 A JP2018013044 A JP 2018013044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
rotor
vane
space
switching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016141341A
Other languages
English (en)
Inventor
幸治 廣野
Koji Hirono
幸治 廣野
飯島 博史
Hiroshi Iijima
博史 飯島
竜介 山田
Ryusuke Yamada
竜介 山田
津田 昌宏
Masahiro Tsuda
昌宏 津田
士津真 金子
Shizuma Kaneko
士津真 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Kansei Corp filed Critical Calsonic Kansei Corp
Priority to JP2016141341A priority Critical patent/JP2018013044A/ja
Publication of JP2018013044A publication Critical patent/JP2018013044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】ベーン溝の背圧空間に導入した圧力によりベーンに付与されるベーン溝からの突出力を圧縮機の運転状態に応じて適正化する。【解決手段】圧縮部3のロータ23が低速回転しているときには、高圧連通路74g及び切換圧連通路74hを介して切換圧力供給溝69aに高圧の油Oを導入させる。一方、圧縮部3のロータ23が高速回転しているときには、中間圧供給路74i及び切換圧連通路74hを介して切換圧力供給溝69aに中間圧の油Oを導入させる。このため、圧縮部3のロータ23が低速回転しているときには、高速回転しているときよりも小さい回転角度の段階から、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを供給させることができる。言い換えると、圧縮部3のロータ23が高速回転しているときには、低速回転しているときよりも、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oが供給され始める回転角度を遅らせる(360°側に近付ける)ことができる。【選択図】図7

Description

本発明は、所謂、ベーンロータリー圧縮機に関する。
従来より、車両用エアコン装置等に用いられるベーンロータリー圧縮機が知られている。ベーンロータリー圧縮機は、シリンダ室を有するシリンダブロックと、シリンダ室内に回転可能に配置されたロータと、ロータの回転方向に間隔をおいた複数の周面箇所からロータの径方向に対して傾斜した方向にそれぞれ形成されたベーン溝に収容した複数のベーンとを有している。
各ベーンは、ベーン溝から突出する方向に付勢され、ロータの回転中にシリンダ室の内周面をベーンの先端面が摺動する。ベーンに対する付勢力は、例えば、ベーン溝のベーン背後の背圧空間に導入した冷凍機油の圧力によって付与される。
ロータ外周面とシリンダ室内周面との間隔は、ロータの回転角度によって増減する。詳しくは、シリンダ室を楕円等の正円以外の形状としたり、シリンダ室の中心をロータの回転中心から偏心させる等して、正円形状としたロータの外周面とシリンダ室の内周面との間隔がロータの回転角度によって増減するようにしている。この間隔は、シリンダ室への冷媒の吸入口付近でゼロとなり、ロータの回転が進むにつれて増加した後、冷媒の吐出口に向けてロータが回転するにつれて減少する。
上述したロータ外周面とシリンダ室内周面との隙間の空間は、ロータの隣り合う2つのベーンにより仕切られ、その内側に閉塞された圧縮室が形成される。この圧縮室の容積は、ロータの回転によりベーンが吸入口を通過してロータ外周面とシリンダ室内周面との間隔が増加する間は増え、その後、ロータの回転によりベーンが吐出口に近づくにつれてロータ外周面とシリンダ室内周面との間隔が減少する間は減る。
そして、ロータの回転に伴い圧縮室の容積が増加する間は、圧縮室に連通する吸入口から冷媒が圧縮室に吸入される。また、ロータの回転方向における上流側の次のベーンが吸入口を通過し圧縮室が吸入口から遮断された後は、ロータの回転に伴い圧縮室の容積が減少するのに伴って、圧縮室内の冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、ロータの回転方向における下流側のベーンが吐出口を通過し圧縮室と連通された時点で、シリンダ室から吐出口を経て圧縮機の外部に吐出される。
ところで、上述したベーンロータリー圧縮機では、ベーン溝から突出する方向に付勢されたベーンの先端面に、圧縮室の冷媒圧力が反力として作用する。この反力は、ベーン先端面のシリンダ室内周面への接触箇所を境にしたロータの回転方向における上流側の部分と下流側の部分とに、ベーンよりも上流側の圧縮室の冷媒と下流側の圧縮室の冷媒とからそれぞれ加わる圧力を合わせたものとなる。
この反力は、ベーンが吐出口に近づいてロータの回転方向におけるベーンよりも下流側の圧縮室の冷媒圧力が最高圧となる頃にピークを迎える。
そこで、ベーンが吸入口を通過し吐出口に到達するまでの間、ロータの回転が進むにつれてベーン溝の背圧空間に導入される冷凍機油の圧力を次第に高める構成が提案されている。
この提案では、シリンダブロックに取り付けるサイドブロックのシリンダ室の開口を塞ぐ部分に、ベーン溝の背圧空間と連通する複数の溝を形成している。そして、ロータの回転方向における上流側の溝には、導入経路における圧力損失によって吐出圧よりも下がった中間圧の冷凍機油を、下流側の溝には吐出圧に近い高圧の冷凍機油をそれぞれ導入している。
このため、ベーンが吸入口を過ぎた直後のベーン溝の背圧空間には、しばらくの間、ベーンの先端面にかかる比較的低い反力に見合った中間圧の冷凍機油が、上流側の溝から導入される。そして、ロータが回転してベーンが吐出口に近づくと、ベーンの先端面にかかる反力が増加するのに合わせて、下流側の溝から高圧の冷凍機油がベーン溝の背圧空間に導入される。
これにより、ロータの回転中にベーンが一時的にベーン溝に収容されるチャタリングの発生を防ぎ、ベーンの先端面を常にシリンダ室内周面に当接させて、ロータの回転方向におけるベーンの上流側の圧縮室と下流側の圧縮室との連通による圧縮室の冷媒圧力の低下を防ぐことができる(例えば、特許文献1)。
特許第5878970号公報
ところで、ロータの回転中には遠心力が発生する。遠心力は、圧縮機の運転状態によって異なり、例えば、ロータが高い速度で回転する運転状態では大きく、ロータが低い速度で回転する運転状態では小さい。この遠心力は、ベーンをベーン溝から突出させる力として働く。
このため、ロータが高速回転し大きな遠心力が発生する圧縮機の運転状態において、ベーンをベーン溝から突出させる力がロータの回転に伴い増加する反力を常に上回らせるために、ベーン溝の背圧空間に高圧の冷凍機油を導入する必要が生じるのは、ロータの比較的狭い回転角度の範囲となる。
ということは、ロータが低速回転するような圧縮機の運転状態では、発生する遠心力が小さいことから、ロータの比較的広い回転角度の範囲でベーン溝の背圧空間に高圧の冷凍機油を導入する必要が生じる。
したがって、ロータの回転速度が低くてもベーンをベーン溝から突出させるのに十分な力がベーンに働くように、ロータの比較的広い回転角度の範囲でベーン溝の背圧空間に高圧の冷凍機油を導入すると、ロータが高速回転するような圧縮機の運転状態では、発生する遠心力が大きい分、ベーンが過剰な突出力でベーン溝から突出することになる。
ベーンが過剰な突出力でベーン溝から突出すると、ベーン先端面とシリンダ室内周面との摺動摩擦が高くなって、ロータを回転させる動力の損失が大きくなってしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ベーン溝の背圧空間に導入した圧力によりベーンに付与されるベーン溝からの突出力を圧縮機の運転状態に応じて適正化し、ロータを回転させる動力の損失を抑制することができるベーンロータリー圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によるベーンロータリー圧縮機は、
吸入した冷媒が圧縮工程を経て吐出室に吐出されるシリンダ室を内部に有する筒状のシリンダブロックと、
前記シリンダブロックの側部に取り付けられ、該側部における前記シリンダ室の開口を封止するサイドブロックと、
前記シリンダ室内で回転し、前記シリンダ室の内周面に対向する外周面に開口するベーン溝を有するロータと、
前記ベーン溝に収納されて前記外周面から出没し、前記シリンダ室の内周面に摺接して該内周面と前記ロータの外周面との間を複数の圧縮室に仕切るベーンと、
前記サイドブロックの少なくとも一方に形成され、吸入工程から吐出工程にかけての前記圧縮室を仕切る前記ベーンを収容した前記ベーン溝の溝底の背圧空間に連通して、吸入工程から吐出工程にかけての前記圧縮室の冷媒圧力より大きい圧力を前記背圧空間に供給する圧力供給部と、
前記圧力供給部から前記背圧空間に供給される圧力を、前記ロータの回転速度に応じて、吸入工程から圧縮工程にかけての前記圧縮室の冷媒圧力より大きく前記吐出室の冷媒圧力よりも低い中間圧と該中間圧よりも高い高圧との間で切り換えるときの、前記背圧空間への供給圧力が切り換わる前記ロータの回転角度を切り換える切換弁と、
を備える。
本発明によれば、ベーン溝の背圧空間に導入した圧力によりベーンに付与されるベーン溝からの突出力を圧縮機の運転状態に応じて適正化し、ロータを回転させる動力の損失を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るベーンロータリー式の気体圧縮機の全体構成を示す断面図である。 図1の気体圧縮機のI−I断面図である。 図1の気体圧縮機のII−II断面図である。 図2のベーン溝の背圧空間に高圧を導入する必要があるロータの回転角度とロータの回転速度との関係を示すグラフである。 ベーン溝の背圧空間に高圧を導入する必要があるロータの回転角度範囲を示すもので、(a)は図4の運転領域(1)についての説明図、(b)は図4の運転領域(6)についての説明図である。 図1の切換弁の構造を示すもので、(a)は切換弁の内部状態を示す断面図、(b)は(a)中に仮想的に示すスプール弁の斜視図である。 (a)〜(c)は吐出冷媒の動圧に応じた図6(a)のスプール弁の切り換え状態を示す断面図である。 図3のリアサイドブロックの斜視図である。 (a),(b)は図7(b),(c)のスプール弁の切り換え状態に応じたシリンダの各ポートと図2の中間圧供給溝、切換圧力供給溝及び高圧供給溝との接続状態を示す説明図である。 ベーン溝の背圧空間に高圧を導入する必要があるロータの回転角度範囲を示すもので、(a)は図4の運転領域(2)についての説明図、(b)は図4の運転領域(3)についての説明図である。 ベーン溝の背圧空間に高圧を導入する必要があるロータの回転角度範囲を示すもので、(a)は図4の運転領域(4)についての説明図、(b)は図4の運転領域(5)についての説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る気体圧縮機1は、略円筒状のハウジング2と、ハウジング2内に収容される圧縮部3と、圧縮部3に駆動力を伝達するモータ部4と、ハウジング2に固定され、モータ部4の駆動を制御するインバータ部5とを備えている。
ハウジング2は、図示しない吸入ポートが形成されるフロントヘッド7と、開口をフロントヘッド7に閉塞される有底筒状のリアケース9とからなっている。
リアケース9の内壁13には圧縮部3が固定されている。圧縮部3は、ハウジング2内を区画するようにして一方側に吸入室11が形成され、他方側に吐出室15とが形成されている。また、リアケース9の外周には、吐出室15と冷凍サイクルとを連通する図示しない吐出ポートが形成されている。また、吐出室15の下方には、圧縮部3の潤滑性を保つための油O(請求項中の冷凍機油に相当)が貯留する油溜まり17が形成されている。
圧縮部3は、シリンダ室33を形成する圧縮ブロック19と、圧縮ブロック19に固定される油分離器21と、シリンダ室33内に回転自在に収容されるロータ23と、ロータ23から出没してシリンダ室33を仕切るベーン25(図2参照)と、ロータ23と一体に固定されて駆動力を伝達する駆動軸27とを備えている。
圧縮ブロック19は、シリンダブロック29と、一対のサイドブロック31と、シリンダブロック29の内周に形成されるシリンダ室33とからなっている。
図2に示すように、シリンダブロック29のシリンダ室33は、ロータ23の回転中心からの距離が連続的に変化する非正円形状の内周面を有している。このシリンダ室33の開口は、シリンダブロック29の両端を一対のサイドブロック31によって狭持することにより閉塞される。
ロータ23は、1箇所がシリンダ室33の内壁に接するように配置されており、ロータ23の外周面に開口するベーン溝75と、ベーン25の背面側の背圧空間77とを備えている。
シリンダ室33は、ロータ23の複数のベーン溝75から出没する複数のベーン25によって、ロータ23の回転方向Xに複数に仕切られる。これにより、シリンダ室33の内周面33dとロータ23の外周面23aとの間に複数の圧縮室33a,33b,33cが形成される。
また、シリンダブロック29は、シリンダブロック29を貫通する吸入通路39と、シリンダ室33内で圧縮した冷媒を吐出する2箇所の吐出孔35と、各吐出孔35をそれぞれ開閉する2つの開閉弁37と、サイドブロック31の油供給路と連通するシリンダ側油供給路41とを備えている。
図1に示すように、一対のサイドブロック31は、フロントサイドブロック31aとリアサイドブロック31bとからなっており、リアサイドブロック31bには油分離器21が固定されている。
フロントサイドブロック31aは、シリンダブロック29に当接するフロント側端面43と、吸入通路39と連通し、吸入室11から冷媒をシリンダ室33に吸入する図示しない吸入孔と、駆動軸27を回転自在に支持するフロント側軸受47と、シリンダ側油供給路41と連通するフロント側油供給路49とを備えている。
フロント側端面43には、圧力供給溝が設けられており、圧力供給溝は、吸入した冷媒よりも高く、吐出する冷媒の圧力よりも低い中間の圧力(中間圧)を背圧空間77へ供給する中間圧供給溝51と、吐出した冷媒の圧力(吐出圧)である高圧の油Oを背圧空間77へ供給する高圧供給溝53とを備えている。中間圧供給溝51及び高圧供給溝53は、リアサイドブロック31b側の後述する中間圧供給溝67及び高圧供給溝69bにそれぞれ対向する位置に設けられる。
また、フロント側軸受47には、環状のフロント側環状溝55が形成されており、フロント側油供給路49の一端側に連通して設けられている。なお、フロント側油供給路49の他端側は、シリンダ側油供給路41と連通している。
リアサイドブロック31bは、シリンダブロック29に当接するリア側端面57と、吐出室15の下方に貯留する油Oを吸入する油供給穴59と、駆動軸27を回転自在に支持するリア側軸受63と、シリンダ側油供給路41と連通するリア側油供給路59bとを備えている。
図3に示すように、リア側端面57は、吸入室11から吸入した吸入通路39内の冷媒をシリンダ室33内に導く連通溝40と、シリンダ室33内で圧縮した冷媒を吐出室15の油分離器21(図1参照)に導く吐出通路61と、吸入した冷媒の圧力(吸入圧)よりも高く、吐出した冷媒の圧力(吐出圧)よりも低い中間圧の油Oを背圧空間77へ供給する中間圧供給溝67(請求項中の中間圧供給部に相当)と、吐出した冷媒の圧力(吐出圧)である高圧の油Oを背圧空間77へ供給する高圧供給溝69b(請求項中の高圧供給部に相当)とを備えている。
また、リア側端面57は、中間圧の油Oと高圧の油Oとを切り換えて背圧空間77へ供給する切換圧力供給溝69a(請求項中の切換圧力供給部に相当)を備えている。
切換圧力供給溝69a及び高圧供給溝69bは、ロータ23の回転方向Xにおいて間隔をおいて配置されている。高圧供給溝69bには、リア側連通路65が開口しており、リア側連通路65は、一端側がリア側環状溝73に連通し、他端側が高圧供給溝69bに連通している。
図1に示すように、油供給穴59は、リア側油供給路59aと連通して形成されており、リア側油供給路59aから分岐してリア側油供給路59bが形成されている。このリア側油供給路59bは、シリンダ側油供給路41に連通している。
リア側軸受63には、環状のリア側環状溝73が形成されており、リア側連通路65と連通している。リア側連通路65は、一端側がリア側環状溝73と連通し、他端側が高圧供給溝69bに開口している。
油分離器21は、リアサイドブロック31bに固定され、シリンダ室33内で圧縮された冷媒が油分離器21に流入し、冷媒と油Oとを分離させている。
駆動軸27は、一方側をロータ23に固定されるとともに、各サイドブロック31a,31bの軸受47,63によって回転自在に支持されている。また、駆動軸27の他方側には、モータ部4のモータロータ81が固定されている。
モータ部4は、リアケース9の内壁13に固定されるステータ79と、ステータ79の内周側に回転自在に配置され、磁力によって回転するモータロータ81とを備えている。磁力によってモータロータ81が回転することで、圧縮部3へ回転駆動力を伝達している。
このように構成された気体圧縮機1では、図1に示すインバータ部5の制御によって、モータ部4のステータ79に巻き掛けられたコイルに電流が流れる。コイルに電流が流れることにより磁力が発生し、ステータ79の内周に配置されたモータロータ81が回転する。
モータロータ81が回転することにより、一端側にモータロータ81が固定された駆動軸27が回転し、他端側の駆動軸27に固定されたロータ23も回転する。
ロータ23の回転とともに、吸入室11に冷媒が流入し、吸入室11からフロントサイドブロック31aの吸入孔(不図示)を介してシリンダ室33へ冷媒が吸入される(吸入工程)。シリンダ室33へ吸入した冷媒は、複数のベーン25によってシリンダ室33内に圧縮室33a,33b,33cが形成され、ロータ23が回転することによって圧縮室33a,33b,33c内の冷媒を圧縮している(圧縮工程)。
シリンダ室33内で圧縮された冷媒は、開閉弁37を押し開けて、図2に示す2箇所の吐出孔35から、シリンダブロック29の周面に2箇所形成した凹部29aにそれぞれ吐出される(吐出工程)。各凹部29aは、各サイドブロック31a,31b側の側壁29bによって吐出室15から遮蔽されているので、凹部29aの吐出冷媒は、シリンダブロック29の周面に形成された2つの凹部29aを連絡する連絡通路29dを通って、一方の凹部29aに導かれる。
そして、一方の凹部29aの冷媒は、リアサイドブロック31b側の側壁29bに形成された吐出孔29cから図3に示すリアサイドブロック31bの吐出通路61及び図1に示す油分離器21を介して、吐出室15へ吐出される。油分離器21によって冷媒と油Oとに分離された冷媒は、図示しない吐出ポートから図示しない冷凍サイクルに吐出し、油Oは、吐出室15の下方に貯留される。
吐出室15の下方に貯留した油Oは、リアサイドブロック31bの油供給穴59からリア側油供給路59aを通りリア側軸受63へ供給される。
リア側軸受63へ供給された高圧の油Oは、駆動軸27との間で絞られることによって、吸入した冷媒の圧力(吸入圧)よりも高く、吐出した冷媒の圧力(吐出圧)よりも低い中間圧となり、中間圧となった油Oは駆動軸27とリアサイドブロック31bとの間の隙間を通って中間圧供給溝67へ供給される。
また、リア側軸受63へ供給された高圧の油Oは、リア側連通路65を介してリア側端面57に開口する高圧供給溝69bへ供給される。さらに、高圧供給溝69bと対向し背圧空間77を介して高圧供給溝69bと連通するフロントサイドブロック31a側の高圧供給溝53にも、高圧の油Oが供給される。
また、高圧の油Oは、油供給穴59からリア側油供給路59aに流入し、リア側油供給路59aから分岐してリア側油供給路59bを通り、シリンダ側油供給路41を介してフロント側油供給路49からフロント側軸受47へ供給される。
フロント側軸受47に供給された高圧の油Oは、駆動軸27との間で絞られることで中間圧となり、中間圧となった油Oは駆動軸27とフロントサイドブロック31aとの間の隙間を通って中間圧供給溝51へ供給される。
以上のように構成された本実施形態の気体圧縮機1では、図2に示すように、隣り合う2つの圧縮室33a,33b、33b,33c、33c,33aを仕切るベーン25が、ロータ23の回転により吸入工程から圧縮工程の前半にかけて移動する間、ベーン溝75の背圧空間77は中間圧供給溝51,67と連通する。したがって、この区間の背圧空間77の圧力は、中間圧供給溝51,67から導入される油Oと同じ中間圧となる。
また、ベーン25がロータ23の回転により圧縮工程の中間位置にある際に、背圧空間77は切換圧力供給溝69aと短期間連通する。切換圧力供給溝69aには、中間圧の油Oと高圧の油Oとが切り換わって供給される。したがって、この区間の背圧空間77の圧力も、中間圧の油Oと高圧の油Oとに切り換わる。
さらに、ベーン25がロータ23の回転により圧縮工程の中間位置を過ぎ吐出位置に向けて移動する間、背圧空間77は高圧供給溝69b及びこれに対向する高圧供給溝53と連通する。したがって、この区間の背圧空間77の圧力は、高圧供給溝69b及びこれに対向する高圧供給溝53から導入される油Oと同じ高圧となる。
ここで、切換圧力供給溝69aが背圧空間77へ供給する油Oを中間圧の油Oと高圧の油Oとで切り換える構成とした理由について説明する。
ベーンロータリー式の気体圧縮機1では、ベーン溝75から突出する方向に付勢されたベーン25の先端面に、圧縮室33a,33b,33cの冷媒圧力が反力として作用する。この反力は、シリンダ室33の内周面33dに対するベーン25の接触箇所を境にしたロータ23の回転方向Xにおける下流側の部分と上流側の部分とに、ベーン25よりも下流側の圧縮室33a,33b,33cの冷媒と上流側の圧縮室33b,33c,33aの冷媒とからそれぞれ加わる圧力を合わせたものとなる。
この反力は、ベーン25が吐出孔35に近づいてロータ23の回転方向Xにおけるベーン25よりも上流側の圧縮室33b,33c,33aの冷媒圧力が最高圧となる頃にピークを迎える。
そこで、ベーン25が吸入通路39を通過し吐出孔35に到達するまでの間、ロータ23の回転が進むにつれてベーン溝75の背圧空間77に連通するのが、中間圧供給溝67から高圧供給溝69bへと順次切り替わるようにして、背圧空間77に導入される油Oの圧力を次第に高めるようにしている。
ところで、ロータ23の回転中には遠心力が発生する。遠心力は、圧縮部3の運転状態によって異なり、例えば、ロータ23が高速で回転する運転状態では大きく、ロータ23が低速で回転する運転状態では小さい。この遠心力は、ベーン25をベーン溝75から突出させる力として働く。
このため、ロータ23が高速回転し大きな遠心力が発生する圧縮部3の運転状態において、ベーン25をベーン溝75から突出させる力がロータ23の回転に伴い増加する反力を常に上回らせるために、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを導入する必要が生じるのは、ロータ23の比較的狭い回転角度の範囲となる。
図4は、ベーン溝75の背圧空間77に高圧を導入する必要があるロータ23の回転角度と圧縮部3の運転状態であるロータの回転速度(Nc)との関係を示すグラフである。なお、図4の縦軸は、気体圧縮機1の運転時における冷媒の吐出圧(Ps)である。
このグラフからも明らかなように、背圧空間77に高圧を導入する必要があるロータ23の回転角度の範囲は、ロータの回転速度(Nc)が高いほど小さくなる。
例えば、ロータの回転速度(Nc)が一番低い図4中の運転領域(1)では、シリンダ室33とロータ23との最接近部をベーン25の1つが通過するときのロータ23の回転角度を0°(360°)とした場合、図5(a)の説明図に示すように、210°から360°までの広い回転角度範囲において、ベーン溝75の背圧空間77に高圧を導入する必要がある。
一方、ロータの回転速度(Nc)が一番高い図4中の運転領域(6)では、図5(b)の説明図に示すように、ベーン溝75の背圧空間77に高圧を導入するのは、340°から360°までのわずかな回転角度範囲で十分である。
ここで、図4における運転領域(1)の低速の運転状態に合わせてベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを導入するには、ロータ23が210°から360°までの回転角度範囲にある間、ベーン溝75の背圧空間77が高圧供給溝69b,53と連通するように高圧供給溝69b,53を配置する必要がある。
しかし、そのように構成すると、図4における運転領域(6)の高速の運転状態では、ロータ23の回転角度が210°から340°までの範囲において、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oが必要ないのに導入される。これでは、高速運転状態において、ロータ23を回転させる動力の損失が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態の気体圧縮機1では、図3に示すように、ロータ23の回転方向Xにおいて、リアサイドブロック31bの高圧供給溝69bの開始位置をロータ23の210°の回転角度に対応する位置よりも下流側にずらし、そこに、高圧供給溝69bから独立して切換圧力供給溝69aを配置した。
そして、図1に示すように、リアサイドブロック31bに設けた切換弁74を用いて、切換圧力供給溝69aが背圧空間77へ供給する油Oを中間圧の油Oと高圧の油Oとで切り換えるようにした。
なお、切換弁74は、図2の吐出孔29cから吐出されて図3の吐出通路61に流入する冷媒の圧力(動圧)によって切り換わる。したがって、切換圧力供給溝69aが背圧空間77へ供給する油Oの圧力はが中間圧であるか高圧であるかは、ロータ23の回転速度によって決まる。そこで、切換弁74の構成について説明する。
切換弁74は、図6(a)の断面図に示すように、有底状のシリンダ74aと、シリンダ74a内を移動するスプール弁74bとを有している。シリンダ74aの開放側の端部は、図3に示すように、リアサイドブロック31bのリア側端面57に開口している。
図6(a)中に仮想線で示したスプール弁74bは、図6(b)の斜視図に示すように、シリンダ74aの内径と等しい外径を有する2つの大径部74c,74dを、大径部74c,74dよりも外径が小さい小径部74eの軸方向Yにおける両端にそれぞれ接続して構成されている。
スプール弁74bは、一方の大径部74cの端面74c1が図6(a)に示すようにシリンダ74aの開口に臨むようにシリンダ74a内に収容されている。そして,スプール弁74bは、他方の大径部74dの端面74d1とシリンダ74aの底面との間に収容されたバネ74fの弾発力により、シリンダ74aの開口側に付勢されている。
スプール弁74b及びバネ74fを収容した後のシリンダ74aの開口の周縁部分には、図2に示すように、シリンダブロック29の凹部29aの側壁29bが当て付けられている。側壁29bの吐出孔29cは、シリンダ74aの内径よりも一回り小さい孔径で形成されており、吐出孔29cの周りの側壁29bがシリンダ74aの開口の縁部を塞いでいる。
即ち、シリンダブロック29の側壁29b及び吐出孔29cは、スプール弁74bがシリンダ74aから抜け落ちるのを防ぐストッパの機能と、スプール弁74bの大径部74cの端面74c1を凹部29aに露出させる機能とを果たしている。
したがって、開閉弁37が開弁して吐出孔35から凹部29aに圧縮冷媒が吐出されると、スプール弁74bの大径部74cの端面74c1は、凹部29aに吐出された圧縮冷媒の受圧面として機能する。
なお、シリンダ74aのバネ74fが収容された空間には、シリンダ74aの底部に形成された通孔74mから吐出室15の冷媒が導入される。一方、図7(a)〜(c)の断面図及び図8の斜視図に示すように、シリンダ74aの開放側の端部は、リアサイドブロック31bのリア側端面57に形成された吐出通路61と連通している。
したがって、スプール弁74bの大径部74c側と大径部74d側とは、シリンダブロック29の凹部29aに吐出されて吐出室15に導入される圧縮冷媒の圧力で均圧化される。
このため、小径部74eの軸方向Y(スラスト方向)におけるシリンダ74a内でのスプール弁74bの位置は、シリンダブロック29の吐出孔29cを通過して大径部74cの端面74c1に衝突する冷媒の圧力とバネ74fの付勢力とのバランスによって決まる。
図7(a)〜(c)に示すように、シリンダ74aの内周面には、3つのポートが開口している。これらは、図9(a)の説明図に示す、高圧供給溝69bに接続された高圧連通路74g、切換圧力供給溝69aに接続された切換圧連通路74h、及び、中間圧供給溝67に接続された中間圧供給路74iの開口である。
気体圧縮機1の停止中には、バネ74fの付勢力によりスプール弁74bが小径部74eの軸方向Yにおける一端側に移動し、図7(a)に示すシリンダ74aの開口側の切換箇所に位置する。開口側の切換箇所にスプール弁74bが位置しているときは、小径部74eとシリンダ74aとの間に形成されるリング状の空間74jによって、高圧連通路74gの開口と切換圧連通路74hの開口とが連通し、これらから中間圧供給路74iの開口が遮断される。
したがって、空間74jによって連通した高圧連通路74g及び切換圧連通路74hを介して、高圧供給溝69bの高圧の油Oが切換圧力供給溝69aに導入される。即ち、切換圧力供給溝69aは、高圧供給溝69bと同じく、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを供給する状態となる。
また、図7(a)に示すシリンダ74aの開口側の切換箇所では、スプール弁74bの大径部74cがシリンダブロック29の吐出孔29cを塞ぎ、大径部74cの端面74c1が吐出孔29cを介して凹部29aに露出して、凹部29aに吐出された圧縮冷媒の受圧面となる。
ところで、シリンダ74aの内周面には、連通孔74kが形成されている。この連通孔74kは、図1に示す油分離器21の導入通路21aに連通している。したがって、切換弁74のスプール弁74bの大径部74cが図7(a)に示すようにシリンダブロック29の吐出孔29cを塞いでいると、シリンダブロック29の凹部29aから図1の油分離器21の導入通路21aに対する吐出冷媒の流れが遮断される。
この状態で、気体圧縮機1が始動しシリンダブロック29の凹部29aに圧縮冷媒が吐出されると、スプール弁74bの大径部74cの端面74c1が受ける冷媒の圧力が、切換弁74のバネ74fの付勢力を上回る。すると、バネ74fの付勢力と冷媒の圧力との差でスプール弁74bがシリンダ74a内を底部側(通孔74m側)に移動し、図7(b),(c)に示すように、スプール弁74bの大径部74cがシリンダブロック29の吐出孔29cを開く。
吐出孔29cが開くと、凹部29aの圧縮冷媒が連通孔74kを介して図1の油分離器21の導入通路21aに流入するようになる。したがって、吐出孔29cが開いているときの切換弁74は、スプール弁74bの大径部74cの端面74c1が受ける冷媒の動圧の大きさがバネ74fの付勢力を上回っている間、スプール弁74bの大径部74cが吐出孔29cを開いている状態を維持する。
ここで、圧縮部3のロータ23が低速回転していると、シリンダブロック29の凹部29aに圧縮冷媒が吐出されてもその流速が低いので、切換弁74のバネ74fの付勢力と冷媒の動圧との差は大きくならない。
このため、ロータ23の低速回転中には、図7(b)に示すように、スプール弁74bはシリンダ74a内をわずかに底部側(通孔74m側)に移動するだけである。この位置では、シリンダ74a内の空間74jによる、高圧連通路74g、切換圧連通路74h及び中間圧供給路74iの各開口の接続及び遮断の各状態は変化しない。
したがって、切換圧力供給溝69aには、空間74jによって連通した高圧連通路74g及び切換圧連通路74hを介して、高圧供給溝69bの高圧の油Oが導入される。即ち、切換圧力供給溝69aは、高圧供給溝69bと同じく、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを供給する状態のままとなる。
一方、圧縮部3のロータ23が高速回転していると、シリンダブロック29の凹部29aに吐出される圧縮冷媒の流速が高いので、切換弁74のバネ74fの付勢力と冷媒の動圧との差は大きくなる。
このため、ロータ23の高速回転中には、吐出孔29cを通過した冷媒の動圧によってスプール弁74bが、図7(c)に示すシリンダ74aの底面側の切換箇所に位置する。底面側の切換箇所にスプール弁74bが位置しているときは、空間74jによって中間圧供給路74iの開口と切換圧連通路74hの開口とが連通し、これらから高圧連通路74gの開口が遮断される。
したがって、空間74jによって連通した中間圧供給路74i及び切換圧連通路74hを介して、中間圧供給溝67の中間圧の油Oが切換圧力供給溝69aに導入される。即ち、切換圧力供給溝69aは、中間圧供給溝67と同じく、ベーン溝75の背圧空間77に中間圧の油Oを供給する状態となる。
なお、気体圧縮機1の動作が停止し、シリンダブロック29の凹部29aの冷媒圧力が下がると、切換弁74のスプール弁74bがバネ74fの付勢力によって図7(a)切換箇所に移動し、スプール弁74bの大径部74cがシリンダブロック29の吐出孔29cを塞ぐ。
以上のように構成された切換弁74は、圧縮部3のロータ23が低速回転しているときには、高圧連通路74g及び切換圧連通路74hを介して切換圧力供給溝69aに高圧の油Oを導入させる。一方、圧縮部3のロータ23が高速回転しているときには、中間圧供給路74i及び切換圧連通路74hを介して切換圧力供給溝69aに中間圧の油Oを導入させる。
したがって、圧縮部3のロータ23が低速回転しているときには、ベーン溝75の背圧空間77が切換圧力供給溝69aと連通している間に、高圧供給溝69bと連通しているときと同じく、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oが供給される。一方、圧縮部3のロータ23が高速回転しているときには、ベーン溝75の背圧空間77が切換圧力供給溝69aと連通している間に、中間圧供給溝67と連通しているときと同じく、ベーン溝75の背圧空間77に中間圧の油Oが供給される。
このため、圧縮部3のロータ23が低速回転しているときには、高速回転しているときよりも小さい回転角度の段階から、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oを供給させることができる。言い換えると、圧縮部3のロータ23が高速回転しているときには、低速回転しているときよりも、ベーン溝75の背圧空間77に高圧の油Oが供給され始める回転角度を遅らせる(360°側に近付ける)ことができる。
この切換弁74を設けたことで、ロータ23の回転速度(Nc)が低い、例えば図4中の運転領域(1),(2)において、図5(a)や図10(a)の説明図に示すように、ベーン溝75の背圧空間77を高圧にする必要がある210°から360°までの回転角度範囲や、240°から360°までの回転角度範囲で、ベーン溝75の背圧空間77に高圧を導入することができる。
また、ロータ23の回転速度(Nc)が高い、例えば図4中の運転領域(3)〜(8)において、図10(b)、図11(a),(b)、図5(b)の説明図に示すように、ベーン溝75の背圧空間77を高圧にする必要がある270°から360°までの回転角度範囲、300°から360°までの回転角度範囲、340°から360°までの回転角度範囲、330°から360°までの回転角度範囲のそれぞれで、ベーン溝75の背圧空間77に高圧を導入し、必要以上にロータ23の回転角度が小さい段階から背圧空間77に高圧が導入されてしまうのを防ぐことができる。
以上に、本発明をモータ部4により圧縮部3のロータ23を回転させる電動式の気体圧縮機1に適用した場合の実施形態を説明した。しかし、本発明は、例えば、車両に搭載されてエンジンの動力によりロータが回転されるベーンロータリー圧縮機等、電動式以外のベーンロータリー圧縮機にも広く適用可能である。
本発明は、所謂、ベーンロータリー圧縮機において利用することができる。
1 気体圧縮機(ベーンロータリー圧縮機)
2 ハウジング
3 圧縮部
4 モータ部
5 インバータ部
7 フロントヘッド
9 リアケース
11 吸入室
13 内壁
15 吐出室
19 圧縮ブロック
21 油分離器
21a 導入通路
23 ロータ
23a 外周面
25 ベーン
27 駆動軸
29 シリンダブロック
29a シリンダブロック凹部
29b シリンダブロック側壁
29c 吐出孔
29d 連絡通路
31 サイドブロック
31a フロントサイドブロック
31b リアサイドブロック
33 シリンダ室
33a,33b,33c 圧縮室
33d 内周面
35 吐出孔
37 開閉弁
39 吸入通路
40 連通溝
41 シリンダ側油供給路
43 フロント側端面
47 フロント側軸受
49 フロント側油供給路
51 中間圧供給溝
53 高圧供給溝
55 フロント側環状溝
57 リア側端面
59 油供給穴
59a,59b リア側油供給路
61 吐出通路
63 リア側軸受
65 リア側連通路
67 中間圧供給溝(中間圧供給部、中間圧空間)
69a 切換圧力供給溝(切換圧力供給部)
69b 高圧供給溝(高圧供給部、高圧空間)
73 リア側環状溝
74 切換弁
74a シリンダ
74b スプール弁
74c,74d スプール弁大径部
74c1,74d1 スプール弁大径部端面
74e スプール弁小径部
74f バネ
74g 高圧連通路
74h 切換圧連通路
74i 中間圧供給路
74j 空間
74k 連通孔
74m 通孔
75 ベーン溝
77 背圧空間
79 ステータ
81 モータロータ
O 油
X 回転方向
Y 軸方向

Claims (6)

  1. 吸入した冷媒が圧縮工程を経て吐出室(15)に吐出されるシリンダ室(33)を内部に有する筒状のシリンダブロック(29)と、
    前記シリンダブロック(29)の側部に取り付けられ、該側部における前記シリンダ室(33)の開口を封止するサイドブロック(31a,31b)と、
    前記シリンダ室(33)内で回転し、前記シリンダ室(33)の内周面(33d)に対向する外周面(23a)に開口するベーン溝(75)を有するロータ(23)と、
    前記ベーン溝(75)に収納されて前記外周面(23a)から出没し、前記シリンダ室(33)の内周面(33d)に摺接して該内周面(33d)と前記ロータ(23)の外周面(23a)との間を複数の圧縮室(33a,33b,33c)に仕切るベーン(25)と、
    前記サイドブロック(31a,31b)の少なくとも一方に形成され、吸入工程から吐出工程にかけての前記圧縮室(33a,33b,33c)を仕切る前記ベーン(25)を収容した前記ベーン溝(75)の溝底の背圧空間(77)に連通して、吸入工程から吐出工程にかけての前記圧縮室(33a,33b,33c)の冷媒圧力より大きい圧力を前記背圧空間(77)に供給する圧力供給部(67,69a,69b)と、
    前記圧力供給部(67,69a,69b)から前記背圧空間(77)に供給される圧力を、前記ロータ(23)の回転速度に応じて、吸入工程から圧縮工程にかけての前記圧縮室(33a,33b,33c)の冷媒圧力より大きく前記吐出室(15)の冷媒圧力よりも低い中間圧と該中間圧よりも高い高圧との間で切り換えるときの、前記背圧空間(77)への供給圧力が切り換わる前記ロータ(23)の回転角度を切り換える切換弁(74)と、
    を備えるベーンロータリー圧縮機(1)。
  2. 前記圧力供給部(67,69a,69b)は、少なくとも、
    吸入工程から圧縮工程にかけての前記圧縮室(33a,33b,33c)を前記ベーン(25)が仕切る前記ロータ(23)の回転角度範囲において、前記背圧空間(77)に連通して、前記中間圧を前記背圧空間(77)に供給する中間圧供給部(67)と、
    前記切り換え角度位置を含み、圧縮工程の前記圧縮室(33a,33b,33c)を前記ベーン(25)が仕切る前記ロータ(23)の回転角度範囲において、前記背圧空間(77)に連通して、前記中間圧及び前記高圧のうち前記切換弁(74)による切り換え先の圧力を前記背圧空間(77)に供給する切換圧力供給部(69a)と、
    吐出工程の前記圧縮室(33a,33b,33c)を前記ベーン(25)が仕切る前記ロータ(23)の回転角度範囲において、前記背圧空間(77)に連通して、前記高圧を前記背圧空間(77)に供給する高圧供給部(69b)と、
    を有している請求項1記載のベーンロータリー圧縮機(1)。
  3. 内圧が前記中間圧である中間圧空間(67)と、内圧が前記高圧である高圧空間(69b)と、前記中間圧空間(67)及び前記高圧空間(69b)を前記切換弁(74)にそれぞれ連通させる連通路(74i,74g)とを有しており、前記切換弁(74)は、前記連通路(74i)により供給される前記中間圧空間(67)からの前記中間圧と、前記連通路(74g)により供給される前記高圧空間(69b)からの前記高圧とを切り換えて、いずれか一方の圧力を前記切換圧力供給部(69a)に供給する請求項2記載のベーンロータリー圧縮機(1)。
  4. 前記中間圧空間(67)は前記中間圧供給部(67)であり、前記高圧空間(69b)は前記高圧供給部(69b)である請求項3記載のベーンロータリー圧縮機(1)。
  5. 前記切換弁(74)は、前記圧力供給部(67,69a,69b)から前記背圧空間(77)への供給圧力が切り換わる前記ロータ(23)の回転角度を、前記圧縮室(33a)から前記吐出室(15)に向かう冷媒の動圧に応じて切り換える、
    請求項3又は4記載のベーンロータリー圧縮機(1)。
  6. 前記切換弁(74)は、小径部(74e)の軸方向(Y)の両端に大径部(74c,74d)をそれぞれ接続したスプール弁(74b)がシリンダ(74a)内を移動するスプール式切換弁であり、
    前記軸方向(Y)における一端側の前記大径部(74c)の端面(74c1)が、前記圧縮室(33a)から前記吐出室(15)に向かう冷媒の動圧の受圧面であり、
    前記軸方向(Y)における他端側の前記大径部(74d)の端面(74d1)に、前記スプール弁(74b)を前記軸方向(Y)における一端側に付勢するバネ(74f)が弾接されており、
    前記切換弁(74)は、前記ロータ(23)の回転速度に応じた前記動圧と前記バネ(74f)の付勢力とで定まる、前記シリンダ(74a)内での前記スプール弁(74b)の位置により、前記切換圧力供給部(69a)に供給する圧力を、前記中間圧空間(67)からの前記中間圧と前記高圧空間(69b)からの前記高圧との間で切り換える、
    請求項5記載のベーンロータリー圧縮機(1)。
JP2016141341A 2016-07-19 2016-07-19 ベーンロータリー圧縮機 Pending JP2018013044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016141341A JP2018013044A (ja) 2016-07-19 2016-07-19 ベーンロータリー圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016141341A JP2018013044A (ja) 2016-07-19 2016-07-19 ベーンロータリー圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018013044A true JP2018013044A (ja) 2018-01-25

Family

ID=61019294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016141341A Pending JP2018013044A (ja) 2016-07-19 2016-07-19 ベーンロータリー圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018013044A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9695691B2 (en) Gas compressor
JP5879010B2 (ja) 気体圧縮機
WO2013077388A1 (ja) 気体圧縮機
JP6174879B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP2019065745A (ja) ベーン型圧縮機
WO2016104274A1 (ja) 気体圧縮機
JP2018013044A (ja) ベーンロータリー圧縮機
JP6238726B2 (ja) 圧縮機
JP5831619B1 (ja) 気体圧縮機
JP2007100602A (ja) 気体圧縮機
JP5708571B2 (ja) タンデム式ベーン型圧縮機
JP5751215B2 (ja) タンデム式ベーン型圧縮機
JP5843729B2 (ja) 気体圧縮機
JP4185723B2 (ja) 気体圧縮機
JP6098265B2 (ja) 圧縮機
JP4370037B2 (ja) 気体圧縮機
JP5878970B1 (ja) 気体圧縮機
JP2006177278A (ja) 容量可変型気体圧縮機
JP5878971B1 (ja) 気体圧縮機
JP2023119329A (ja) ベーン型圧縮機
WO2016129334A1 (ja) 気体圧縮機
JP4787095B2 (ja) 気体圧縮機
JP2016205202A (ja) 気体圧縮機
JP2014218961A (ja) ベーン型圧縮機
JP2012012940A (ja) 気体圧縮機