JP5708571B2 - タンデム式ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、タンデム式ベーン型圧縮機に関する。
この種のものとしては、例えば特許文献1のものが公知である。このようなタンデム式ベーン型圧縮機のハウジングは、フロントハウジングとリヤハウジングとから形成されている。ハウジング内には二つのシリンダブロックが収容されている。二つのシリンダブロックの間にはセンタープレートが介在されている。フロント側のシリンダブロックにおけるセンタープレートとは反対側の端部にはフロントサイドプレートが接合されるとともに、リヤ側のシリンダブロックにおけるセンタープレートとは反対側の端部にはリヤサイドプレートが接合されている。そして、フロントサイドプレート、フロント側のシリンダブロック及びセンタープレートによってフロント側のシリンダ室が区画されるとともに、センタープレート、リヤ側のシリンダブロック及びリヤサイドプレートによってリヤ側のシリンダ室が区画されている。また、フロントサイドプレート、センタープレート及びリヤサイドプレートには回転軸が貫挿されるとともに、回転軸は、フロントサイドプレート、センタープレート及びリヤサイドプレートに回転支持されている。
各シリンダ室にはロータが収容されている。各ロータは回転軸に止着されており、各シリンダ室内で回転軸と共にそれぞれ回転可能になっている。各ロータには複数のベーン溝が形成されるとともに、各ベーン溝にはベーンが摺動可能に収容されている。そして、ベーンの底面とベーン溝とによって背圧室が区画されている。また、これらベーンは、背圧室内の圧力(背圧)によりシリンダブロックの内面に押し付けられ、圧縮室を形成する。そして、各ロータの回転に伴い、各圧縮室で冷媒ガスが圧縮される。
また、特許文献2の単シリンダ式ベーン型圧縮機は、背圧室と吐出室とを連通する連通路と、吐出室内の吐出圧が所定値に達するまで連通路を開く開閉弁とを備えている。そして、圧縮機の起動時には吐出室内の冷媒ガスが連通路を介して背圧室に導入されるようになっている。これにより、圧縮機の起動時にベーンを容易にシリンダブロックの内面に向けて飛び出させることができ、圧縮機の起動性が向上する。
実開平3−118294号公報 実開平2−64780号公報
しかしながら、特許文献2の開閉弁を、特許文献1のようなタンデム式ベーン型圧縮機に搭載しようとすると、各シリンダ室に対応するように開閉弁をそれぞれ搭載しなければならず、部品点数が増加して、圧縮機が大型化してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数を極力抑えて大型化してしまうことを抑制することができるタンデム式ベーン型圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、 ハウジング内に収容される回転軸と、前記ハウジング内に収容される複数のシリンダブロックと、前記複数のシリンダブロックの間又は両端に前記回転軸の軸方向に配置される複数の区画壁と、前記シリンダブロック及び前記区画壁により前記ハウジング内に区画される第1シリンダ室及び第2シリンダ室と、前記第1シリンダ室及び第2シリンダ室に収容されるとともにベーンが収容されるベーン溝が複数形成され、前記回転軸と共に回転するロータと、前記第1シリンダ室において、前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される第1背圧室と、前記第2シリンダ室において、前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される第2背圧室と、を備えたタンデム式ベーン型圧縮機において、前記複数の区画壁のうちのいずれか一つには、吐出圧領域に連通する弁室が形成されるとともに、前記弁室には、当該弁室を開閉する弁体と、前記弁室を開放する方向に前記弁体を付勢する付勢部とからなる開閉弁が設けられており、さらに、前記弁室から前記第1背圧室及び前記第2背圧室に向けて分岐されるとともに前記弁室と前記第1背圧室及び前記第2背圧室とを連通する連通通路を有し、前記吐出圧領域に存在する冷媒が前記弁室及び前記連通通路を介して前記第1背圧室及び前記第2背圧室に導かれることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、ハウジング内に収容される回転軸と、前記ハウジング内に収容される複数のシリンダブロックと、前記複数のシリンダブロックの間又は両端に前記回転軸の軸方向に配置される複数の区画壁と、前記シリンダブロック及び前記区画壁により前記ハウジング内に区画される複数のシリンダ室と、各シリンダ室に収容されるとともにベーンが収容されるベーン溝が複数形成され、前記回転軸と共に回転するロータと、前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される背圧室と、を備えたタンデム式ベーン型圧縮機において、前記複数の区画壁のうちのいずれか一つであって、前記複数のシリンダブロックの間に位置する区画壁には、吐出圧領域に連通する弁室が形成されるとともに、前記弁室には、当該弁室を開閉する弁体と、前記弁室を開放する方向に前記弁体を付勢する付勢部とからなる開閉弁が設けられており、さらに、前記弁室から各ロータの背圧室に向けて分岐されるとともに前記弁室と各ロータの背圧室とを連通する連通通路を有し、前記吐出圧領域に存在する冷媒が前記弁室及び前記連通通路を介して各ロータの背圧室に導かれることを要旨とする。
れらの発明によれば、タンデム式ベーン型圧縮機の起動時において、付勢部の付勢力が吐出圧領域の圧力に抗して、付勢部が弁室を開放する方向に弁体を付勢する。そして、吐出圧領域に存在する冷媒を、弁室及び連通通路を介して各ロータの背圧室に導くことができる。その結果、複数のロータに対し、一つの開閉弁を搭載するだけで、タンデム式ベーン型圧縮機の起動時において、各ロータのベーンを容易にシリンダブロックの内面に向けて飛び出させることができるため、各シリンダ室に対応するように開閉弁をそれぞれ搭載する必要が無く、部品点数を極力抑えてタンデム式ベーン型圧縮機が大型化してしまうことを抑制することができる。
更に、請求項2に記載の発明によれば、例えば、弁室が複数の区画壁のうちの両端に位置する区画壁に設けられている場合に比べると、吐出圧領域から各ロータの背圧室への流路長さを合わせることができ、各ロータの背圧室の圧力を同じタイミングで同じ圧力にし易くすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記弁室には押さえ部材が取り付けられており、前記押さえ部材には、前記付勢部によって前記弁室を開放する方向に付勢された前記弁体が当接可能になっていることを要旨とする。
この発明によれば、区画壁をハウジングに組み付ける際に、弁体が付勢部の付勢力によって弁室から飛び出してしまうことを防止することができ、組み付け性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記吐出圧領域を形成する吐出室、及び前記複数のシリンダ室が前記回転軸の軸方向に並んで配置されていることを要旨とする。
例えば、各シリンダ室に対応するように開閉弁がそれぞれ搭載されている場合、吐出室との距離が近い開閉弁と、吐出室との距離が遠い開閉弁とが存在することになる。よって、吐出室から各開閉弁を介して各ロータの背圧室に導入される冷媒のタイミングが異なってしまい、各ロータのベーンがシリンダブロックの内面に向けて飛び出すタイミングにずれが生じてしまう虞がある。しかし、この発明によれば、吐出室から各ロータの背圧室への流路長さを合わせることができるため、吐出室を回転軸の軸方向に配置しても、吐出室から各ロータの背圧室に導入される冷媒のタイミングが異なってしまうことを抑制することができる。
この発明によれば、部品点数を極力抑えて大型化してしまうことを抑制することができる。
実施形態におけるタンデム式ベーン型圧縮機を示す縦断面図。 図1における1−1線断面図。 図1における2−2線断面図。 別の実施形態におけるタンデム式ベーン型圧縮機を一部拡大して示す部分縦断面図。 別の実施形態における弁室周辺を拡大して示す部分縦断面図。 別の実施形態における弁室周辺を拡大して示す部分縦断面図。
以下、本発明のタンデム式ベーン型圧縮機(以下、単に「圧縮機」と記載する)を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、圧縮機10のハウジング11は、金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)の有底円筒状をなすリヤハウジング12と、リヤハウジング12の開口端(図1の左端)に接合された金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)の有底円筒状をなすフロントハウジング13とから形成されている。ハウジング11内には回転軸23が収容されている。リヤハウジング12(ハウジング11)内には、シリンダブロックとしての第1シリンダブロック14及び第2シリンダブロック15が収容されている。すなわち、ハウジング11内には複数(本実施形態では二つ)のシリンダブロックが収容されている。第1シリンダブロック14及び第2シリンダブロック15は金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)であるとともに筒状をなしている。第1シリンダブロック14は、第2シリンダブロック15よりもフロントハウジング13側に配置されている。
ハウジング11の内部において、第1シリンダブロック14におけるフロントハウジング13側の端面である前端面(一端面)には、区画壁としてのフロントサイドプレート16が接合されている。フロントサイドプレート16は金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)であるとともに円盤状をなしている。
第1シリンダブロック14における第2シリンダブロック15側の端面である後端面(他端面)と、第2シリンダブロック15における第1シリンダブロック14側の端面である前端面(一端面)との間には、区画壁としてのセンタープレート17が接合されている。すなわち、センタープレート17は、隣り合う第1シリンダブロック14と第2シリンダブロック15との間に介在されている。センタープレート17は金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)であるとともに円盤状をなしている。
第2シリンダブロック15における第1シリンダブロック14側とは反対側の端面である後端面(他端面)には区画壁としてのリヤサイドプレート18が接合されている。リヤサイドプレート18は金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)であるとともに円盤状をなしている。よって、フロントサイドプレート16は、第1シリンダブロック14におけるセンタープレート17とは反対側の端部に設けられるとともに、リヤサイドプレート18は、第2シリンダブロック15におけるセンタープレート17とは反対側の端部に設けられている。フロントサイドプレート16、センタープレート17及びリヤサイドプレート18は、回転軸23の軸方向に配置されている。
そして、フロントサイドプレート16、第1シリンダブロック14及びセンタープレート17により、ハウジング11内にシリンダ室としての第1シリンダ室21が区画されている。また、センタープレート17、第2シリンダブロック15及びリヤサイドプレート18により、ハウジング11内にシリンダ室としての第2シリンダ室22が区画されている。
また、フロントサイドプレート16、第1シリンダブロック14、センタープレート17、第2シリンダブロック15及びリヤサイドプレート18には回転軸23が貫通している。回転軸23は、ベアリングB1,B2,B3を介してフロントサイドプレート16、センタープレート17及びリヤサイドプレート18に回転可能に支持されている。回転軸23の先端にはクラッチKが連結されている。そして、車両エンジンの駆動時には、車両エンジンからの駆動力がクラッチKを介して伝達されることで、回転軸23が回転される。
第1シリンダ室21には、ロータとしての第1ロータ31が収容されている。第1ロータ31は円筒状をなすとともに、回転軸23に一体回転可能に止着されている。また、第2シリンダ室22には、ロータとしての第2ロータ32が収容されている。第2ロータ32は円筒状をなすとともに、回転軸23に一体回転可能に止着されている。
図2に示すように、第1ロータ31の外周面には、第1ロータ31の軸方向全体に亘って延びるベーン溝としての第1ベーン溝31aが放射状に複数(本実施形態では5つ)形成されている。第1ベーン溝31aにはベーンとしての第1ベーン31bが出没可能に収容されている。さらに、各第1ベーン31bの底面311bと各第1ベーン溝31aとによって背圧室としての第1背圧室31cが区画されている。そして、回転軸23の回転に伴う第1ロータ31の回転によって、各第1ベーン31bの先端が第1シリンダブロック14の内周面に接触する。すると、第1シリンダ室21内には、第1ロータ31の外周面、第1シリンダブロック14の内周面、隣り合う第1ベーン31b、フロントサイドプレート16及びセンタープレート17との間に圧縮室としての第1圧縮室21aが区画される。ここで、第1ロータ31の回転方向において、第1圧縮室21aの容積が増大する行程が吸入行程となり、第1圧縮室21aの容積が減少する行程が圧縮行程となる。
図3に示すように、第2ロータ32の外周面には、第2ロータ32の軸方向全体に亘って延びるベーン溝としての第2ベーン溝32aが放射状に複数(本実施形態では5つ)形成されている。第2ベーン溝32aにはベーンとしての第2ベーン32bが出没可能に収容されている。さらに、各第2ベーン32bの底面321bと各第2ベーン溝32aとによって背圧室としての第2背圧室32cが区画されている。そして、回転軸23の回転に伴う第2ロータ32の回転によって、各第2ベーン32bの先端が第2シリンダブロック15の内周面に接触する。すると、第2シリンダ室22内には、第2ロータ32の外周面、第2シリンダブロック15の内周面、隣り合う第2ベーン32b、センタープレート17及びリヤサイドプレート18との間に圧縮室としての第2圧縮室22aが区画される。ここで、第2ロータ32の回転方向において、第2圧縮室22aの容積が増大する行程が吸入行程となり、第2圧縮室22aの容積が減少する行程が圧縮行程となる。
図1に示すように、フロントハウジング13には吸入ポート13aが形成されている。吸入ポート13aは図示しない外部冷媒回路に接続されている。フロントハウジング13内には、吸入ポート13aに連通する吸入空間Saが形成されている。さらに、フロントサイドプレート16には、吸入空間Saと連通する吸入口16aが形成されている。また、第1シリンダブロック14には、第1シリンダブロック14の軸方向に貫通する第1吸入通路14aが形成されている。さらに、第2シリンダブロック15には、第2シリンダブロック15の軸方向に貫通する第2吸入通路15aが形成されている。また、センタープレート17には、第1吸入通路14aと第2吸入通路15aとを連通する第1連絡通路17aが形成されている。そして、吸入行程中の第1圧縮室21aと吸入空間Saとは、吸入口16a及び第1吸入通路14aを介して連通されるとともに、吸入行程中の第2圧縮室22aと吸入空間Saとは、吸入口16a、第1吸入通路14a、第1連絡通路17a及び第2吸入通路15aを介して連通される。本実施形態では、吸入空間Sa、吸入口16a、第1吸入通路14a、第1連絡通路17a及び第2吸入通路15aは吸入圧領域とされている。
図2に示すように、第1シリンダブロック14の外周面には、一対の第1切欠部14bが形成されている。一対の第1切欠部14bは、第1シリンダブロック14の外周面から凹むとともに、第1シリンダブロック14の軸方向全体に亘って延びるように形成されている。また、第1シリンダブロック14には、圧縮行程中の第1圧縮室21aと第1切欠部14bを形成する第1シリンダブロック14の外周面よりも外側とを連通する第1吐出口14cが形成されている。第1切欠部14bを形成する第1シリンダブロック14の外周面には、第1吐出弁14vが取り付けられるとともに、この第1吐出弁14vにより第1吐出口14cは開閉可能になっている。そして、第1圧縮室21aで圧縮された冷媒ガスは、第1吐出弁14vを押し退けて第1吐出口14cから第1シリンダブロック14の外側へ吐出されるようになっている。よって、第1シリンダブロック14の外側は第1吐出空間Da1となっている。
図3に示すように、第2シリンダブロック15の外周面には、一対の第2切欠部15bが形成されている。一対の第2切欠部15bは、第2シリンダブロック15の外周面から凹むとともに、第2シリンダブロック15の軸方向全体に亘って延びるように形成されている。また、第2シリンダブロック15には、圧縮行程中の第2圧縮室22aと第2切欠部15bを形成する第2シリンダブロック15の外周面よりも外側とを連通する第2吐出口15cが形成されている。第2切欠部15bを形成する第2シリンダブロック15の外周面には、第2吐出弁15vが取り付けられるとともに、この第2吐出弁15vにより第2吐出口15cは開閉可能になっている。そして、第2圧縮室22aで圧縮された冷媒ガスは、第2吐出弁15vを押し退けて第2吐出口15cから第2シリンダブロック15の外側へ吐出されるようになっている。よって、第2シリンダブロック15の外側は第2吐出空間Da2となっている。図1に示すように、センタープレート17には、第1吐出空間Da1と第2吐出空間Da2とを連通する第2連絡通路17bが形成されている。
リヤハウジング12には吐出ポート12hが形成されている。吐出ポートは外部冷媒回路に接続されている。リヤハウジング12とリヤサイドプレート18との間には吐出室12aが区画されている。吐出室12a、第1シリンダ室21及び第2シリンダ室22は、回転軸23の軸方向に並んで配置されている。吐出室12a内には、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離するための油分離器40が配設されている。油分離器40のケース40aは有底円筒状をなすとともに、リヤハウジング12とリヤサイドプレート18とで挟まれた状態でリヤハウジング12及びリヤサイドプレート18に接合されている。ケース40aの開口側には円筒状の油分離筒40bが嵌合固定されている。ケース40aの下部には、ケース40a内と吐出室12aの底部側とを連通する油通路40cが形成されている。リヤサイドプレート18及びケース40aには、第2吐出空間Da2とケース40a内とを連通する連通路41が形成されている。
リヤサイドプレート18には、一端が吐出室12aの底部側と連通するとともに回転軸23の軸方向に沿って延びる第1油供給流路181が形成されている。また、リヤサイドプレート18には、第1油供給流路181の途中に連通するとともに、リヤサイドプレート18の径方向に沿って延びる第2油供給流路182が形成されている。
図1及び図3に示すように、リヤサイドプレート18には、第2油供給流路182に連通するとともに、リヤサイドプレート18の内周面全周に亘って延びる環状の第3油供給流路183が形成されている。また、リヤサイドプレート18には、一端が第3油供給流路183に連通するとともに、回転軸23の軸方向に沿って延びる第4油供給流路184が形成されている。第4油供給流路184の他端は、第2ロータ32の回転により、圧縮行程及び吐出行程中の第2背圧室32cと連通するようになっている。また、リヤサイドプレート18における第2シリンダブロック15側の端面である前端面(一端面)には、扇形状をなす一対の第1排油溝185が凹設されている。各第1排油溝185は、第2ロータ32の回転により、吸入行程中の第2背圧室32cと連通するようになっている。第2シリンダブロック15には、第1油供給流路181の他端に連通するとともに回転軸23の軸方向に沿って延びる連通流路15dが形成されている。
図1に示すように、センタープレート17には、一端が連通流路15dに連通するとともに回転軸23の軸方向に沿って延びる第5油供給流路171が形成されている。また、センタープレート17には、第5油供給流路171の他端に連通するとともに、センタープレート17の径方向に沿って延びる第6油供給流路172が形成されている。
図1及び図2に示すように、センタープレート17には、第6油供給流路172に連通するとともに、センタープレート17の内周面全周に亘って延びる環状の第7油供給流路173が形成されている。また、センタープレート17には、一端が第7油供給流路173に連通するとともに、回転軸23の軸方向に沿って延びる第8油供給流路174が形成されている。第8油供給流路174の他端は、第1ロータ31の回転により、圧縮行程及び吐出行程中の第1背圧室31cと連通するようになっている。センタープレート17における第1シリンダブロック14側の端面である前端面(一端面)には、扇形状をなす一対の第2排油溝175が凹設されている。各第2排油溝175は、第1ロータ31の回転により、吸入行程中の第1背圧室31cと連通するようになっている。
図1に示すように、センタープレート17における第2シリンダブロック15側の端面である後端面(他端面)には、扇形状をなす一対の第3排油溝176が凹設されている。各第3排油溝176は、第2ロータ32の回転により、吸入行程中の第2背圧室32cと連通するようになっている。フロントサイドプレート16における第1シリンダブロック14側の端面である後端面には、扇形状をなす一対の第4排油溝161が凹設されている。各第4排油溝161は、第1ロータ31の回転により、吸入行程中の第1背圧室31cと連通するようになっている。
フロントサイドプレート16の外周面とハウジング11(フロントハウジング13)の内周面との間には第1シール部材S1が配設されている。この第1シール部材S1により吸入空間Saと第1吐出空間Da1との間がシールされている。また、リヤサイドプレート18の外周面とリヤハウジング12の内周面との間には第2シール部材S2が配設されており、この第2シール部材S2によりリヤサイドプレート18の外周面とリヤハウジング12の内周面との間を介した冷媒ガスの漏れが防止されている。センタープレート17の外周面とリヤハウジング12の内周面との間には第3シール部材S3が配設されており、この第3シール部材S3によりセンタープレート17の外周面とリヤハウジング12の内周面との間を介した冷媒ガスの漏れが防止されている。
センタープレート17の外周面とリヤハウジング12の内周面との間であって、第3シール部材S3よりも第1シリンダブロック14側の第1間隙K1は、第1吐出空間Da1と連通している。また、センタープレート17の外周面とリヤハウジング12の内周面との間であって、第3シール部材S3よりも第2シリンダブロック15側の第2間隙K2は、第2吐出空間Da2と連通している。よって、本実施形態では、第1吐出空間Da1、第2連絡通路17b、第2吐出空間Da2、連通路41、吐出室12a、第1間隙K1及び第2間隙K2は、吐出圧領域とされている。
センタープレート17の外周面における第3シール部材S3よりも第2シリンダブロック15側には、弁室51が凹設されている。弁室51の開口には板状の押さえ部材52が取り付けられている。押さえ部材52には孔52hが形成されている。弁室51は、押さえ部材52の孔52hを介して第2間隙K2に連通している。よって、弁室51は、吐出圧領域に連通している。
弁室51内には開閉弁50が設けられている。開閉弁50は、弁室51内に収容されるとともに弁室51を開閉するボール状の弁体53と、弁室51を開放する方向に弁体53を付勢する付勢部としての付勢ばね54とから構成されている。また、弁室51内には弁体53が着座する座部51aが形成されている。そして、弁体53が座部51aに着座することで、弁室51が弁体53によって閉鎖されるようになっている。
センタープレート17には、弁室51における開口側(押さえ部材52側)とは反対側に連通する主通路60aが形成されている。さらに、センタープレート17には、一端が主通路60aにおける弁室51とは反対側に連通するとともに他端が第2排油溝175内に連通する第1分岐路61と、一端が主通路60aにおける弁室51とは反対側に連通するとともに他端が第3排油溝176内に連通する第2分岐路62とが形成されている。そして、弁室51と第1背圧室31cとは、主通路60a、第1分岐路61及び第2排油溝175を介して連通する。また、弁室51と第2背圧室32cとは、主通路60a、第2分岐路62及び第3排油溝176を介して連通する。よって、本実施形態では、主通路60a、第1分岐路61、第2排油溝175、第2分岐路62及び第3排油溝176によって、弁室51における開口側とは反対側から第1背圧室31c及び第2背圧室32cに向けて分岐されるとともに、弁室51と第1背圧室31c及び第2背圧室32cとを連通する連通通路60が構成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
車両エンジンが駆動して、回転軸23がクラッチKを介して回転すると、第1ロータ31及び第2ロータ32が同期して回転する。すると、外部冷媒回路から吸入ポート13aを介して吸入空間Saに冷媒ガスが吸入される。吸入空間Saに吸入された冷媒ガスは、吸入口16a及び第1吸入通路14aを介して吸入行程中の第1圧縮室21aに吸入されるとともに、吸入口16a、第1吸入通路14a、第1連絡通路17a及び第2吸入通路15aを介して吸入行程中の第2圧縮室22aに吸入される。
第1圧縮室21aに吸入された冷媒ガスは、圧縮行程中の第1圧縮室21aの容積減少により圧縮されるとともに、第1吐出弁14vを押し退けて第1吐出口14cから第1吐出空間Da1に吐出される。また、第2圧縮室22aに吸入された冷媒ガスは、圧縮行程中の第2圧縮室22aの容積減少により圧縮されるとともに、第2吐出弁15vを押し退けて第2吐出口15cから第2吐出空間Da2に吐出される。
第1吐出空間Da1に吐出された冷媒ガスは、第2連絡通路17bを介して第2吐出空間Da2に流入し、第2吐出口15cから第2吐出空間Da2に吐出された冷媒ガスと合流する。そして、第2吐出空間Da2内の冷媒ガスは、連通路41を介してケース40a内に流出して、油分離筒40bの外周面に吹き付けられるとともに、油分離筒40bの外周面を旋回しながらケース40a内の下方へ導かれる。このとき、遠心分離によって、冷媒ガスから潤滑油が分離される。そして、冷媒ガスから分離された潤滑油はケース40aの底部側へ移動するとともに、油通路40cを介して吐出室12aの底部に貯留される。油分離器40において、潤滑油が分離された冷媒ガスは、油分離筒40bの内部を上方へ移動し、吐出ポート12hを介して外部冷媒回路へ吐出される。
吐出室12aの底部に貯留された潤滑油は、第1油供給流路181、連通流路15d、第5油供給流路171、第6油供給流路172、第7油供給流路173及び第8油供給流路174を経由して、圧縮行程中及び吐出行程中の第1背圧室31cに供給される。これにより、圧縮行程中及び吐出行程中の第1背圧室31cに供給された潤滑油が背圧となって、圧縮行程中及び吐出行程中において、第1ベーン31bが第1シリンダブロック14の内周面に押し付けられる。その結果、圧縮行程中及び吐出行程中の第1圧縮室21aからの冷媒ガスの漏れが抑制される。
また、吐出室12aの底部に貯留された潤滑油は、第1油供給流路181、第2油供給流路182、第3油供給流路183及び第4油供給流路184を経由して、圧縮行程中及び吐出行程中の第2背圧室32cに供給される。これにより、圧縮行程中及び吐出行程中の第2背圧室32cに供給された潤滑油が背圧となって、圧縮行程中及び吐出行程中において、第2ベーン32bが第2シリンダブロック15の内周面に押し付けられる。その結果、圧縮行程中及び吐出行程中の第2圧縮室22aからの冷媒ガスの漏れが抑制される。
さらに、第1背圧室31cは、第1ロータ31の回転により、吸入行程中の際に、第2排油溝175及び第4排油溝161に連通する。ここで、第2排油溝175は第1背圧室31cの軸方向一端に連通するとともに、第4排油溝161は第1背圧室31cの軸方向他端に連通している。よって、圧縮行程中及び吐出行程中の際に第1背圧室31cに供給された潤滑油が、第2排油溝175及び第4排油溝161に流れ込み、第1背圧室31cの軸方向全体に亘って背圧が圧縮行程及び吐出行程のときよりも減圧される。これにより、吸入行程中では、第1ベーン31bが第1シリンダブロック14の内周面に対して押し付けられる力が、圧縮行程及び吐出行程のときよりも小さくなっており、吸入行程中において、第1ベーン31bが第1シリンダブロック14の内周面に過度に押し付けられることが防止されている。
同様に、第2背圧室32cは、第2ロータ32の回転により、吸入行程中の際に、第1排油溝185及び第3排油溝176に連通する。ここで、第1排油溝185は第2背圧室32cの軸方向一端に連通するとともに、第3排油溝176は第2背圧室32cの軸方向他端に連通している。よって、圧縮行程中及び吐出行程中の際に第2背圧室32cに供給された潤滑油が、第1排油溝185及び第3排油溝176に流れ込み、第2背圧室32cの軸方向全体に亘って背圧が圧縮行程及び吐出行程のときよりも減圧される。これにより、吸入行程中では、第2ベーン32bが第2シリンダブロック15の内周面に対して押し付けられる力が、圧縮行程及び吐出行程のときよりも小さくなっており、吸入行程中において、第2ベーン32bが第2シリンダブロック15の内周面に過度に押し付けられることが防止されている。
圧縮機10の起動時においては、吐出された冷媒ガスの圧力が小さく、第2吐出空間Da2と第2排油溝175との差圧、及び第2吐出空間Da2と第3排油溝176との差圧が小さくなっている。よって、付勢ばね54の付勢力が第2吐出空間Da2の圧力に抗して、付勢ばね54が弁室51を開放する方向に弁体53を付勢しており、弁室51が開放されている。このとき、弁体53は押さえ部材52に当接している。
よって、第2吐出空間Da2に吐出された冷媒ガスが、第2間隙K2、押さえ部材52の孔52h、弁室51、主通路60a、第1分岐路61及び第2排油溝175を経由して第1背圧室31cに導かれる。同時に、第2吐出空間Da2に吐出された冷媒ガスが、第2間隙K2、押さえ部材52の孔52h、弁室51、主通路60a、第2分岐路62及び第3排油溝176を経由して第2背圧室32cに導かれる。これにより、第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導かれた冷媒ガスが背圧となって、第1ベーン31b及び第2ベーン32bが第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に飛び出し易くなり、圧縮機10の起動性が向上する。
そして、圧縮機10が定常運転時になると、吐出された冷媒ガスの圧力が圧縮機10の起動時よりも大きくなるため、第2吐出空間Da2と第2排油溝175との差圧、及び第2吐出空間Da2と第3排油溝176との差圧が大きくなる。その結果、第2吐出空間Da2からの冷媒ガスの圧力によって、弁体53が座部51a側に押圧されて、弁体53が座部51aに着座し、弁室51が閉鎖される。このとき、第1背圧室31cと第2背圧室32cとは、第2排油溝175、第1分岐路61、主通路60a、第2分岐路62及び第3排油溝176を介して連通している。よって、第1背圧室31c及び第2背圧室32cの背圧が均圧化され、第1ベーン31b及び第2ベーン32bにおける第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面への押し付け力が同じになり、第1ベーン31b及び第2ベーン32bの押し付け力のばらつきに基づく圧縮機10の振動が抑制され、圧縮機10が安定して駆動される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)センタープレート17に、吐出圧領域である第2間隙K2に連通する弁室51を形成し、弁室51に、当該弁室51を開閉する弁体53と、弁室51を開放する方向に弁体53を付勢する付勢ばね54とからなる開閉弁50を設けた。さらに、センタープレート17に、弁室51から第1背圧室31c及び第2背圧室32cに向けて分岐されるとともに弁室51と第1背圧室31c及び第2背圧室32cとを連通する連通通路60を形成し、第2間隙K2に存在する冷媒ガスを弁室51及び連通通路60を介して第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導くようにした。よって、圧縮機10の起動時において、付勢ばね54の付勢力が第2間隙K2の圧力に抗して、付勢ばね54が弁室51を開放する方向に弁体53を付勢する。そして、第2間隙K2に存在する冷媒ガスを、弁室51及び連通通路60を介して第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導くことができる。その結果、一つの開閉弁50を搭載するだけで、圧縮機10の起動時において、第1ベーン31b及び第2ベーン32bを容易に第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に向けて飛び出させることができる。よって、第1シリンダ室21及び第2シリンダ室22に対応するように開閉弁をそれぞれ搭載する必要が無く、部品点数を極力抑えて圧縮機10が大型化してしまうことを抑制することができる。
(2)弁室51をセンタープレート17に設けた。よって、例えば、弁室をリヤサイドプレート18に設ける場合に比べると、吐出圧領域から第1背圧室31c及び第2背圧室32cへの流路長さを合わせることができ、第1背圧室31c及び第2背圧室32cの圧力を同じタイミングで同じ圧力にし易くすることができる。
圧縮機10の起動時においては、第1背圧室31c及び第2背圧室32cに供給される潤滑油による背圧が十分でないため、第1ベーン31b及び第2ベーン32bが第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に十分に押し付けられていない。よって、第1ベーン31b及び第2ベーン32bが第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に対して接離して、この第1ベーン31b及び第2ベーン32bにおける第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面への接触によって打音が発生(チャタリング)してしまう。
しかし、本実施形態によれば、第1背圧室31c及び第2背圧室32cの圧力を同じタイミングで同じ圧力にし易くすることができるため、圧縮機10の起動時において、第1ベーン31b及び第2ベーン32bにおける第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面への接触によって生じる打音を同じタイミングで抑え易くすることができる。その結果、第1ベーン31bにおける第1シリンダブロック14の内周面への飛び出し、及び第2ベーン32bにおける第2シリンダブロック15の内周面への飛び出しを同じタイミングにし易くすることができ、圧縮機10の起動性が向上する。
(3)第1背圧室31cと第2背圧室32cとが、第2排油溝175、第1分岐路61、主通路60a、第2分岐路62及び第3排油溝176を介して連通している。よって、第1背圧室31c及び第2背圧室32cの背圧を均圧化することができ、第1ベーン31b及び第2ベーン32bにおける第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面への押し付け力を同じにすることができる。その結果、第1ベーン31b及び第2ベーン32bの押し付け力のばらつきに基づく圧縮機10の振動が抑制され、圧縮機10が安定して駆動される。
(4)弁室51に押さえ部材52が取り付けられており、押さえ部材52に、付勢ばね54によって弁室51を開放する方向に付勢された弁体53が当接可能になっている。よって、センタープレート17をリヤハウジング12に組み付ける際に、弁体53が付勢ばね54の付勢力によって弁室51から飛び出してしまうことを防止することができ、組み付け性を向上させることができる。
(5)吐出室12aを回転軸23の軸方向に配置した。例えば、第1シリンダ室21及び第2シリンダ室22に対応するように開閉弁がそれぞれ搭載されている場合、吐出室12aとの距離が近い開閉弁と、吐出室12aとの距離が遠い開閉弁とが存在することになる。よって、吐出室12aから各開閉弁を介して第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導入される冷媒ガスのタイミングが異なってしまい、第1ベーン31b及び第2ベーン32bが第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に向けて飛び出すタイミングにずれが生じてしまう虞がある。しかし、本実施形態によれば、吐出室12aから第1背圧室31c及び第2背圧室32cへの流路長さを合わせることができるため、吐出室12aを回転軸23の軸方向に配置しても、吐出室12aから第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導入される冷媒ガスのタイミングが異なってしまうことを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図4に示すように、弁室71をリヤサイドプレート18に形成してもよい。弁室71は、リヤサイドプレート18における吐出室12a側の端面の一部を径方向に切り欠いた切欠部72と、ケース40aの側壁401aとにより区画されている。弁室71は吐出室12aに連通している。弁室71内には、弁体53及び付勢ばね54からなる開閉弁50が収容されている。弁体53は、ケース40aの側壁401aと当接することで、弁室71から飛び出してしまうことが防止されている。
リヤサイドプレート18には、弁室71と第1排油溝185とを連通する第1通路81が形成されている。また、リヤサイドプレート18には、一端が第1通路81の途中に連通するとともに他端がリヤサイドプレート18の前端面に開口する第2通路82が形成されている。第2シリンダブロック15には、一端が第2通路82の他端に連通するとともに他端が第2シリンダブロック15の前端面に開口する第3通路83が形成されている。センタープレート17には、一端が第3通路83の他端に連通するとともに他端が第2排油溝175に連通する第4通路84が形成されている。
弁室71と第1背圧室31cとは、第1通路81、第2通路82、第3通路83、第4通路84及び第2排油溝175を介して連通する。弁室71と第2背圧室32cとは、第1通路81及び第1排油溝185を介して連通する。よって、図4に示す実施形態では、第1通路81、第2通路82、第3通路83、第4通路84、第1排油溝185及び第2排油溝175によって、弁室71における開口側とは反対側から第1背圧室31c及び第2背圧室32cに向けて分岐されるとともに、弁室51と第1背圧室31c及び第2背圧室32cとを連通する連通通路80が構成されている。
そして、圧縮機10の起動時において、吐出室12aに存在する冷媒ガスが、弁室71、第1通路81、第2通路82、第3通路83、第4通路84及び第2排油溝175を経由して第1背圧室31cに導かれる。同時に、吐出室12aに存在する冷媒ガスが、弁室71、第1通路81及び第1排油溝185を経由して第2背圧室32cに導かれる。これにより、第1背圧室31c及び第2背圧室32cに導かれた冷媒ガスが背圧となって、第1ベーン31b及び第2ベーン32bが第1シリンダブロック14の内周面及び第2シリンダブロック15の内周面に飛び出し易くなり、圧縮機10の起動性が向上する。
○ 図5に示すように、第2シリンダブロック15の前端面と弁体53とを当接させることで、弁体53が付勢ばね54の付勢力によって弁室91から飛び出してしまうことを防止するようにしてもよい。弁室91は、センタープレート17における第2シリンダブロック15側の端面の一部を径方向に切り欠いた切欠部92と、第2シリンダブロック15の前端面とにより区画されている。これによれば、弁体53が弁室91から飛び出してしまうことを防止するための部材を別途設ける必要が無く、部品点数を少なくすることができる。
○ 図6に示すように、センタープレート17に、一端が第2排油溝175内に連通するとともに他端が第3排油溝176内に連通し、回転軸23の軸方向に沿って延びる分岐路99aを形成してもよい。分岐路99aの途中には主通路60aにおける弁室51とは反対側と連通している。そして、弁室51と第1背圧室31cとは、主通路60a、分岐路99a及び第2排油溝175を介して連通する。また、弁室51と第2背圧室32cとは、主通路60a、分岐路99a及び第3排油溝176を介して連通する。このように、主通路60a、分岐路99a、第2排油溝175及び第3排油溝176によって、弁室51における開口側とは反対側から第1背圧室31c及び第2背圧室32cに向けて分岐されるとともに、弁室51と第1背圧室31c及び第2背圧室32cとを連通する連通通路99を構成してもよい。
○ 実施形態において、押さえ部材52を削除してもよい。この場合、付勢ばね54の付勢力が第2吐出空間Da2の圧力に抗して、付勢ばね54が弁室51を開放する方向に弁体53を付勢したとき、弁体53はリヤハウジング12の内周面に当接する。
○ 実施形態において、弁室51を、例えば、第2連絡通路17bに連通させてもよい。要は、弁室51は、吐出圧領域に連通されていればよい。
○ 実施形態において、弁体53は、例えば、板状であってもよく、弁体53の形状は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、ハウジング11内に3つ以上のシリンダブロックを収容してもよい。そして、各シリンダブロックの間又は両端に回転軸23の軸方向に区画壁を配置するとともに、さらに、シリンダブロック及び区画壁によりハウジング内に複数のシリンダ室を形成し、各シリンダ室にロータを収容してもよい。
10…圧縮機(タンデム式ベーン型圧縮機)、11…ハウジング、12a…吐出室、14…シリンダブロックとしての第1シリンダブロック、15…シリンダブロックとしての第2シリンダブロック、16…区画壁としてのフロントサイドプレート、17…区画壁としてのセンタープレート、18…区画壁としてのリヤサイドプレート、21…シリンダ室としての第1シリンダ室、22…シリンダ室としての第2シリンダ室、23…回転軸、31…ロータとしての第1ロータ、31a…ベーン溝としての第1ベーン溝、31b…ベーンとしての第1ベーン、311b,321b…底面、31c…背圧室としての第1背圧室、32…ロータとしての第2ロータ、32a…ベーン溝としての第2ベーン溝、32b…ベーンとしての第2ベーン、32c…背圧室としての第2背圧室、50…開閉弁、51,71,91…弁室、52…押さえ部材、53…弁体、54…付勢部としての付勢ばね、60,80,99…連通通路。

Claims (4)

  1. ハウジング内に収容される回転軸と、
    前記ハウジング内に収容される複数のシリンダブロックと、
    前記複数のシリンダブロックの間又は両端に前記回転軸の軸方向に配置される複数の区画壁と、
    前記シリンダブロック及び前記区画壁により前記ハウジング内に区画される第1シリンダ室及び第2シリンダ室と、
    前記第1シリンダ室及び第2シリンダ室に収容されるとともにベーンが収容されるベーン溝が複数形成され、前記回転軸と共に回転するロータと、
    前記第1シリンダ室において、前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される第1背圧室と、
    前記第2シリンダ室において、前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される第2背圧室と、を備えたタンデム式ベーン型圧縮機において、
    前記複数の区画壁のうちのいずれか一つには、吐出圧領域に連通する弁室が形成されるとともに、前記弁室には、当該弁室を開閉する弁体と、前記弁室を開放する方向に前記弁体を付勢する付勢部とからなる開閉弁が設けられており、
    さらに、前記弁室から前記第1背圧室及び前記第2背圧室に向けて分岐されるとともに前記弁室と前記第1背圧室及び前記第2背圧室とを連通する連通通路を有し、
    前記吐出圧領域に存在する冷媒が前記弁室及び前記連通通路を介して前記第1背圧室及び前記第2背圧室に導かれることを特徴とするタンデム式ベーン型圧縮機。
  2. ハウジング内に収容される回転軸と、
    前記ハウジング内に収容される複数のシリンダブロックと、
    前記複数のシリンダブロックの間又は両端に前記回転軸の軸方向に配置される複数の区画壁と、
    前記シリンダブロック及び前記区画壁により前記ハウジング内に区画される複数のシリンダ室と、
    各シリンダ室に収容されるとともにベーンが収容されるベーン溝が複数形成され、前記回転軸と共に回転するロータと、
    前記ベーンの底面と前記ベーン溝とによって区画される背圧室と、を備えたタンデム式ベーン型圧縮機において、
    前記複数の区画壁のうちのいずれか一つであって、前記複数のシリンダブロックの間に位置する区画壁には、吐出圧領域に連通する弁室が形成されるとともに、前記弁室には、当該弁室を開閉する弁体と、前記弁室を開放する方向に前記弁体を付勢する付勢部とからなる開閉弁が設けられており、
    さらに、前記弁室から各ロータの背圧室に向けて分岐されるとともに前記弁室と各ロータの背圧室とを連通する連通通路を有し、
    前記吐出圧領域に存在する冷媒が前記弁室及び前記連通通路を介して各ロータの背圧室に導かれることを特徴とするタンデム式ベーン型圧縮機。
  3. 前記弁室には押さえ部材が取り付けられており、
    前記押さえ部材には、前記付勢部によって前記弁室を開放する方向に付勢された前記弁体が当接可能になっていることを特徴とする請求項2に記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
  4. 前記吐出圧領域を形成する吐出室、及び前記複数のシリンダ室が前記回転軸の軸方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のタンデム式ベーン型圧縮機。
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