JP2018012649A - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間の保存においても変色することのない保存安定性に優れるラニチジン塩酸塩を含む錠剤を提供する。【解決手段】(A)ラニチジン塩酸塩と、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分と、(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分とを含み、(C)/(A)で表される質量比が0.05以上、かつ(C)成分の含有量が錠剤中4質量%未満であることを特徴とする錠剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ラニチジン塩酸塩を含有する錠剤に関するものである。
ラニチジン塩酸塩は胃酸の分泌を抑制し、制酸剤は胃酸を中和し、スクラルファートは胃粘膜のタンパク質と結合してペースト状の保護膜を形成して胃酸による攻撃から胃粘膜を守る。これらの成分は胃粘膜を守る作用機構が全く異なるため、これらを併用することによって高い胃痛抑制効果が期待できる。
従来、これら各成分の配合については多くの検討がなされており、これまでにも薬物の苦みや副作用を抑制して服用性を改善する試みや、治療効果を高めるために体内における薬物の溶出性を改善する試みがなされてきた。
例えば、特開平2010−280639号公報(特許文献1)では、結晶セルロース及び二酸化ケイ素から選ばれる担体にハッカ油を担持させたハッカ油担持粒子を特定の比率で配合することによって、ラニチジン塩酸塩の苦みを抑制した粒状製剤が提案されている。また、特開2003−206238号公報(特許文献2)では、ラニチジン塩酸塩等のヒスタミンH2受容体拮抗剤を服用した際の口臭の発生を強力に抑制し得る医薬組成物として、健胃剤と、ヒスタミンH2受容体拮抗剤と、粘膜修復剤及び制酸剤とを含有する医薬組成物が提案されている。
一方、国際公開第2010/001930号(特許文献3)では、スクラルファートと、スクラルファート以外の他の薬物が水難溶性担体粒子に担持された薬物粒子を用いることで、体内における薬物の溶出性を改善した固形内服製剤が提案されている。特開平8−333259号公報(特許文献4)では、スクラルファートと他の薬物が同時に配合される製剤において、スクラルファートによって他の薬物の吸収が阻害されることを回避することを目的として、スクラルファートを含有する遅放部と他の薬剤を含む速放部とで構成した製剤が提案されている。特開平7−165590号公報(特許文献5)では、ラニチジンまたはその薬学上許容可能な塩、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムおよび酸化マグネシウムを含んでなる経口医薬組成物が提案されている。
このように、各成分の配合については多くの検討がなされてきたが、ラニチジン塩酸塩とスクラルファートや制酸剤とを併用した際の錠剤の変色抑制に関する検討は十分になされているとはいえず、ラニチジン塩酸塩を含む錠剤の保存安定性に関しては未だ改善の余地がある。
特開平2010−280639号公報 特開2003−206238号公報 国際公開第2010/001930号 特開平8−333259号公報 特開平7−165590号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、長期間の保存においてもラニチジン塩酸塩の変色が抑制され、保存安定性に優れた錠剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ラニチジン塩酸塩とスクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分とを併用する際に、含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分を組み合わせることにより、スクラルファート等に含まれる水分によってラニチジン塩酸塩の変色が促進されることを抑制し、錠剤の保存安定性を大幅に改善し得ることを見出した。更に、本発明者が、検討を進めた結果、通常、各成分を同時に混合装置に投入して混合するところを、含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分をラニチジン塩酸塩と事前に混合した後、スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分を混合することにより、錠剤の変色をより効果的に抑制できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記の錠剤及びその製造方法を提供する。
[1](A)ラニチジン塩酸塩と、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分と、(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分とを含み、(C)/(A)で表される質量比が0.05以上、かつ(C)成分の含有量が錠剤中4質量%未満であることを特徴とする錠剤。
[2]単層錠又は二層以上の層を有する多層錠であり、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分が同一層に含まれている[1]記載の錠剤。
[3](A)成分及び(C)成分が粒子であり、(C)成分の粒子が(A)成分の粒子表面の全部又は一部に存在している[1]又は[2]記載の錠剤。
[4](C)成分の含有量が錠剤中0.3質量%以上4質量%未満である[1]〜[3]のいずれか1項記載の錠剤。
[5](A)ラニチジン塩酸塩と(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分とを混合した後、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分を混合することを特徴とする錠剤の製造方法。
本発明によれば、長期間の保存においても変色することのない保存安定性に優れるラニチジン塩酸塩を含む錠剤を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の錠剤は、(A)ラニチジン塩酸塩、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分、(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分を所定の比率で含有するものである。本発明の錠剤は、単層錠のほか、二層以上の層を有する多層錠であってもよいが、崩壊性や製造の容易さ等から単層錠であることが好ましい。多層錠とする場合は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分が同一の層に含まれる錠剤において好適に採用し得る。
(A)ラニチジン塩酸塩
ラニチジンは、N−[2−(5−ジメチルアミノメチルフルフリルチオ)−エチル]−N′−メチル−2−ニトロ−1,1−エチレンジアミンの物質名(一般名)であり、本発明においてはラニチジン塩酸塩を用いる。ラニチジン塩酸塩は、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃炎、上部消化管出血等の治療に有効である。
錠剤に対する(A)成分の含有量は、ラニチジン塩酸塩として通常治療で用いられる範囲となるように適宜選定される。例えば、1日量40〜300mg程度、好ましくは60〜200mgとなるように適宜選定される。また、錠剤中3〜30質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がより一層好ましく、3〜12質量%が更に好ましい。(A)成分の含有量を下限値以上とすることで、混合均一性が確保され、上限値以下とすることで、変色が目立たなくなる。
また、(A)成分の中位径は、300μm以下が好ましく、180μm以下がより好ましい。(A)成分の中位径が上限値以下であれば、変色抑制が目立たなくなる。(A)成分の中位径の下限値は、特に制限はないが、混合粉体の流動性の観点から、50μm以上が好ましい。なお、中位径は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「LS13 320」、測定条件:ドライパウダーモジュール)により測定された値である。
(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分
(B)成分は、(b−1)スクラルファート(ショ糖オクタ硫酸エステルアルミニウム塩)及び(b−2)制酸剤から選ばれる成分であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(b−1)スクラルファートは、粘膜炎症部のタンパク質と結合して炎症部を被覆・保護しながら修復する作用を有し、「胃の絆創膏」とも呼ばれる薬物である。本発明に使用されるスクラルファートは、そのまま配合することができるが、造粒した粒子を使用してもよい。造粒は、流動層造粒、転動造粒又は混練造粒等の公知の造粒方法であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール等のバインダーとスラリー化して噴霧乾燥したもの等を用いることができる。このような市販品としては、ストマクシン(富士化学工業(株)製)等が挙げられる。
(b−1)成分の錠剤中の含有量は通常の用量である1回量200〜1,000mg、好ましくは1回量300〜800mgとなるように、適宜調整することができる。例えば、錠剤中10〜90質量%が好ましく、25〜85質量%がより好ましく、40〜80質量%が最も好ましい。下限値以上とすることで、胃内でゲルとなり炎症部に貼り付く十分な量となり、上限値以下とすることで、ラニチジン塩酸塩の十分な溶出性が得られる。
(b−1)成分の含水率は、7質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましい。含水率を下限値以上とすることで、スクラルファートの安定性をより向上させることができる。また、含水率の上限は、16質量%以下が好ましく、14質量%以下がより好ましい。含水率を上限値以下とすることで、錠剤の保存安定性(割れ、膨れ、崩れ、ラニチジン含量)が確保される。更に、錠剤が大きくなりすぎることがなく、飲みやすくなる。
(b−2)制酸剤は、日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力が200mL以上であるものをいう。日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力とは、1g当たりの0.1mol/L塩酸の消費量(mL)で示される。具体的な例としては、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(250mL)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(230mL)、水酸化マグネシウム(340mL)、酸化マグネシウム(480mL)、水酸化アルミナマグネシウム(300mL)、合成ヒドロタルサイト(290mL)、炭酸マグネシウム(210mL)、炭酸カルシウム(200mL)、及び水酸化カルシウム(260mL)等が挙げられる。これらの中で本発明では、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、及び合成ヒドロタルサイト等が、保存後の変色が少ない点で好ましい。
上記(b−2)成分の錠剤中の含有量は、通常の用量である1回量200〜1,000mg、好ましくは1回量300〜600mgとなるように、適宜調整することができる。例えば、錠剤中10〜90質量%が好ましく、25〜85質量%がより好ましく、40〜80質量%が最も好ましい。(B)成分の含有量を下限値以上とすることで、胃のムカつきを改善する効果があり、上限値以下とすることで、錠剤の変色が生じにくくなり、更に、錠剤が大きくなりすぎることがない。
(b−2)成分の含水率の下限は特にないが上限は、15質量%以下が好ましく、13質量%以下がより好ましい。含水率を上限値以下とすることで、錠剤の保存安定性(割れ、膨れ、崩れ、ラニチジン含量)が確保される。更に、錠剤が大きくなりすぎることがなく、飲みやすくなる。
(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分
(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分は、一般に滑沢剤や賦形剤として配合される成分であるが、本発明においては更に(A)成分の変色を抑制する効果を有する。本発明では、上記(C)成分を配合することにより、保存中に錠剤内部の水分、特に(B)成分に含まれる水分を吸収して(A)成分に作用する水分の量を可及的に低減することができ、これにより保存中における錠剤の変色を抑制することができる。
(C)成分の含有量は、錠剤中4質量%未満であり、3.8質量%未満が好ましく、3.6質量%未満がより好ましい。(C)成分の含有量が、上限値未満であれば、錠剤の崩壊性が低下(遅延)しないだけでなく、打錠障害(キャッピング)等も生じにくい。(C)成分の含有量の下限値は特に限定されないが、錠剤中0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましい。(C)成分の含有量を下限値以上とすることで、変色抑制効果が高くなる。
また、(C)成分の中位径は、90μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。(C)成分の中位径が上限値以下であれば、(C)成分の粒子が(A)成分の粒子表面に存在しやすくなり、また(C)成分以外の粉体の粒子間に(C)成分が入り込みやすくなり、(C)成分による効果が得られやすくなる。(C)成分の中位径の下限値は、特に制限はないが、ハンドリングのしやすさ等の観点から、1μm以上が好ましい。なお、中位径は、(A)成分の場合と同様、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「LS13 320」、測定条件:ドライパウダーモジュール)により測定された値である。
一方、上記(A)成分及び(C)成分の(C)/(A)で表される質量比は、含水二酸化ケイ素を配合する場合は、0.05以上であり、0.07以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましい。上記質量比を下限値以上とすることで、(A)成分の変色抑制効果が向上する。また、上記質量比の上限値は、0.8以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。上記質量比を上限値以下とすることで、打錠障害(キャッピング)等が生じにくく、更に、錠剤が大きくなりすぎることがない。
また、軽質無水ケイ酸を配合する場合は、0.05以上であり、0.07以上が好ましく、0.09以上がより好ましい。上記質量比を下限値以上とすることで、(A)成分の変色抑制効果が向上する。また、上記質量比の上限値は、1.0以下が好ましく、0.9以下がより好ましい。上記質量比を上限値以下とすることで、打錠障害(キャッピング)等が生じにくく、更に、錠剤が大きくなりすぎることがない。本発明では、(C)成分の種類に応じて適切な含有量に調整することにより、より高い変色抑制効果を得ることができる。
なお、本発明では、(C)成分の変色抑制効果に悪影響を与える点から、25℃において液体の油状成分(公知の担体に担持した粉末状のものを除く)の含有量は少ない方がよく、錠剤中0.05質量%以下が好ましく、0.02質量%以下がより好ましく、0質量%が最も好ましい。なお、上記油状成分を使用する必要がある場合は、後述する粉末香料のように、予めアラビアゴム等の公知の担体に担持した粉末状のものを配合することが好ましい。本発明において、上記油状成分は特に限定されないが、例えば、オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、ハッカ油、及びナタネ油等の医薬品で使用可能な油状物質を例示することができる。
本発明の錠剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で任意成分を適宜配合することができる。任意成分としては、例えば、結合剤、崩壊剤等の賦形剤、滑沢剤、香料、及び矯味剤(甘味料、酸味料等)等が挙げられる。これらの成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、澱粉、アルファー化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルメロースやその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、及びデキストリン等が挙げられる。
崩壊剤としては、カルメロースやその塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、及びショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
その他の賦形剤としては、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース(アビセルなど)、粉糖、マンニトールなどの糖アルコール、炭酸カルシウムなどの無機塩等が挙げられる。
香料としては、粉末香料を好適に使用でき、例えば、メントール、リモネン、及び植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、及びレモン油等)をアラビアゴムやデキストリン等で倍散させた粉末香料を例示することができる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、及びスクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
[製造方法]
本発明の錠剤は、上述した(A)ラニチジン塩酸塩、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分、(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分、及びその他の成分を混合し、得られた混合物(混合粉体)を打錠することにより得ることができる。本発明では、各成分を一括混合、あるいは逐次混合して混合粉体とすることができるが、(C)成分による(A)成分の変色抑制効果をより向上させるために、(A)成分と(C)成分とを混合した後、(B)成分を混合することが好ましい。以下、本発明の錠剤の製造方法の一例について工程ごとに詳細に説明する。
<(A)成分及び(C)成分の予備混合工程>
予備混合工程は、各成分を混合する前に、予め(A)成分と(C)成分とを混合する工程である。この工程では、(C)成分の粒子が(A)成分の粒子表面の全部又は一部に存在した状態の混合物が得られる。これにより、後述する混合工程で(B)成分を混合しても、該(B)成分に含まれる水分が錠剤の保存安定性(変色)に与える影響を可及的に低減することができる。混合には、一般的に用いられる混合機だけでなく、攪拌型流動(転動)造粒装置、攪拌造粒機等も使用することができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製)や、V型混合機((株)ダルトン製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。攪拌型流動造粒装置としてはマルチプレックス((株)パウレック製)やスパイラフロー(フロンイント産業(株)製)等が挙げられる。攪拌造粒機としては、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)や高速攪拌造粒機((株)ダルトン製)等が挙げられる。
<混合工程>
混合工程は、上記予備混合工程で作製した(A)成分及び(C)成分の混合物と、(B)成分と、必要に応じて任意成分とを混合し、混合粉体を得る工程である。混合には、一般的に用いられる混合機を用いることができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製)や、V型混合機((株)ダルトン製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。全成分を混合容器に投入し混合することもできるし、一部の成分を混合した後、更に他の成分を逐次投入し混合することもできる。
<打錠工程>
打錠工程は、上記混合工程で作製した混合粉体を打錠し、錠剤を得る工程である。本発明では、公知の打錠機を使用することができ、例えば、LIBRA((株)菊水製作所製)、L−41型((株)畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠機等を用いて打錠することにより製造することができる。
なお、本発明の錠剤は、上述したように、単一の層からなる単層錠であってもよく、二層以上の層を有する多層錠であってもよい。単層錠である場合は、上記の各成分を含む混合粉体を打錠することにより製造できる。多層錠を作製する場合は、例えば、上記の各成分を含む混合粉体、及びその他添加物のいずれか一方を第1層、他方を第2層とし、第1層と第2層とを積層した後、上杵と下杵の間で圧縮成形することにより製造できる。
<コーティング工程>
コーティング工程は、上記で得た錠剤に対して、コーティング剤によるコーティング処理を施す工程であり、本発明では、錠剤の安定性の向上等を目的として必要に応じて行われる工程である。コーティングに用いる装置としては、一般的なものを用いることができる。例えば、ハイコーター(フロイント産業(株)製)、アクアコーター(フロイント産業(株)製)等のパン型コーティング装置を用いることができる。コーティング剤としては、錠剤の崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、なかでも親水性高分子化合物や糖類等を選択することがより好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びメチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸等の親水性高分子化合物;砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、乳糖及びその水和物、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、及び還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等の糖類;パラチニット(登録商標)、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、及びマンニトール等の糖アルコール等が挙げられる。また、分散性を著しく損なわなければOpadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品を用いてもよい。これらのコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。コーティング剤の使用量は、錠剤100質量部に対し、0.1〜20質量部程度とすることが好ましい。
上述したように、上記各成分を含有する錠剤が、(A)成分の粒子と(C)成分の粒子とを混合した後、(B)成分を混合する方法で製造された場合、(C)成分の粒子が(A)成分の粒子表面の全部又は一部に存在するものとなる。即ち、本発明の製造方法により得られる錠剤では、混合工程において(A)〜(C)成分を一括混合する場合に比較して、(A)成分の粒子と(B)成分の粒子との間に(C)成分の粒子をより多く介在させることができるため、(B)成分に含まれる水分が錠剤の保存安定性(変色)に与える影響をより一層低減することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。なお、以下の実施例で用いたスクラルファート(富士化学工業(株)製、「スクラルファート水和物」)には12質量%の水分が含まれる。
[実施例1、2]
表1に示す組成に基づき、(A)成分と(C)成分をハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2L)で約10分間混合した(予備混合工程)。次いで、得られた混合物をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM-20型)に投入し、更にステアリン酸マグネシウム以外の成分を投入後、15分間混合した。更に、ステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計5kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機LIBRA2((株)菊水製作所製)で打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[実施例3]
表1に示す組成に基づき、ステアリン酸マグネシウムを除く全成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM-20 型)で約15分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計5kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機LIBRA2((株)菊水製作所製)で打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[実施例4〜12]
表1に示す組成に基づき、実施例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例1]
表2に示す組成に基づき、ステアリン酸マグネシウムを除く全配合成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM-20 型)で約15分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計5kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機LIBRA2((株)菊水製作所製)で打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例2]
表2に示す組成に基づき、(C’)成分として無水リン酸カルシウムを用いた以外は実施例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例3]
表2に示す組成に基づき、実施例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例4]
表2に示す組成に基づき、(C’)成分として無水リン酸カルシウムを用いた以外は実施例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例5]
表2に示す組成に基づき、実施例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例6]
表2に示す組成に基づき、比較例1と同様の手順で各成分を混合し、得られた混合粉体を打錠して直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
上記で作製した錠剤について、下記評価を行った。結果を表1、2に示す。
[保存後の色差]
錠剤をPTPにて包装し、アルミガセットに入れた。これを50℃・75%RHの恒温槽に6週間保存した。保存後の錠剤の色差を色差計(MINOLTA(株)製、分光測色計CM−700d型)で測定し、以下の評価基準に従って評価を行った。
〈評価基準〉
保存前のサンプルと保存後のサンプルの色差(b*)を比較し、その差を計算した。本発明では4未満を合格とした。なお、色差が2.5以下であれば、変色が目視による比較で判断できないレベルであるため、より好ましい。
[崩壊性]
第16改正日本薬局方の崩壊試験法に基づき、製造直後の錠剤の崩壊性を評価した。試験はいずれもn=6で行い、評価にはその平均値を用いた。本発明では3未満を合格とした。











Figure 2018012649
Figure 2018012649
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
Figure 2018012649

Claims (5)

  1. (A)ラニチジン塩酸塩と、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分と、(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分とを含み、(C)/(A)で表される質量比が0.05以上、かつ(C)成分の含有量が錠剤中4質量%未満であることを特徴とする錠剤。
  2. 単層錠又は二層以上の層を有する多層錠であり、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分が同一層に含まれている請求項1記載の錠剤。
  3. (A)成分及び(C)成分が粒子であり、(C)成分の粒子が(A)成分の粒子表面の全部又は一部に存在している請求項1又は2記載の錠剤。
  4. (C)成分の含有量が錠剤中0.3質量%以上4質量%未満である請求項1〜3のいずれか1項記載の錠剤。
  5. (A)ラニチジン塩酸塩と(C)含水二酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸から選ばれる成分とを混合した後、(B)スクラルファート及び制酸剤から選ばれる成分を混合することを特徴とする錠剤の製造方法。
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