JP2018012567A - 昇降機用ブレーキの異常診断装置および異常診断方法 - Google Patents

昇降機用ブレーキの異常診断装置および異常診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
異常発報の誤報の発生を抑えて、信頼性の高い昇降機用ブレーキの異常診断装置および異常診断方法を提供する。
【解決手段】
電動機を制御するためのトルク指令値を作成する制御手段3と、かご内の荷重と制御手段が作成するトルク指令値とから余剰トルクを算出する余剰トルク算出手段4と、余剰トルク算出手段によって算出される余剰トルクから摩擦力を算出する摩擦力算出手段5と、かご内における偏荷重を検出する偏荷重検出手段6と、摩擦力算出手段によって算出される摩擦力と、偏荷重検出手段によって検出される偏荷重とに基づいて、ブレーキの異常の有無を判定する異常摩擦力判定手段7と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇降機用ブレーキの異常を検出する異常診断装置および異常診断方法に関する。
昇降機用ブレーキとしては、一般的に電磁ブレーキが使用されている。このブレーキ装置は、シーブとともに回転する回転体であるブレーキドラムあるいはブレーキディスクに、ブレーキシューをブレーキスプリングの弾性力によって押付け、ブレーキドラムあるいはブレーキディスクと、ブレーキシューに固定されたブレーキライニングとの摩擦力により、シーブの回転を阻止する。これにより、かごが制動される。また、制動力を開放するためには、ブレーキコアが発生する電磁力により、ブレーキスプリングの弾性力に抗してブレーキシューの押付を解いて、ブレーキライニングをブレーキドラムあるいはブレーキディスクから離す。なお、この時、昇降機用ブレーキの主たる役割は、巻上機の電動機が停止している時にかごの停止状態を保持することである。
上記のようなブレーキの動作に不具合が生じると、制動力が十分に開放されず、かごを正常に昇降できなくなる。そこで、昇降機用ブレーキの異常を検出する従来技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。本従来技術では、かごの一回の起動から停止にわたる電動機のトルク指令値の平均値を演算すると共に、かごの停止中に、かご側の重量とつり合い重りの重量との差により生じる不平衡トルクを算出する。さらに、トルク指令値の平均値から不平衡トルクを減算して摩擦トルクを算出し、この摩擦トルクが所定値以上になるとブレーキ引きずり(ブレーキが作用したままかごが走行)と判断する。
特許第3244643号公報
上記従来技術によれば、ブレーキの摩擦力に基づいて昇降機用ブレーキの異常を高精度で検出できる。しかしながら、かご内における乗客の人数の増減に伴って、異常発報の誤報(正常状態で発報)が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、誤報の発生を抑えて、安定して高精度でブレーキの異常を検出できる、信頼性の高い昇降機用ブレーキの異常診断装置および異常診断方法を提供する。
上記課題を解決するために本発明による昇降機用ブレーキの異常診断装置は、電動機によって駆動されるシーブに接続される回転体とブレーキライニングとの間の摩擦力によってシーブの回転を阻止するブレーキの状態を診断し、ブレーキに異常が検出されると異常発報を発信するものであって、かご内の荷重を計測する荷重センサと、電動機を制御するためのトルク指令値を作成する制御手段と、荷重センサによって計測される荷重と、制御手段が作成するトルク指令値とから余剰トルクを算出する余剰トルク算出手段と、余剰トルク算出手段によって算出される余剰トルクから摩擦力を算出する摩擦力算出手段と、かご内における偏荷重を検出する偏荷重検出手段と、摩擦力算出手段によって算出される摩擦力と、偏荷重検出手段によって検出される偏荷重とに基づいて、ブレーキの異常の有無を判定する異常摩擦力判定手段と、を備える。
また、上記課題を解決するために本発明による昇降機用ブレーキの異常診断方法は、電動機によって駆動されるシーブに接続される回転体とブレーキライニングとの間の摩擦力によってシーブの回転を阻止するブレーキの状態を診断し、ブレーキに異常が検出されると異常発報を発信し、かご内の荷重と電動機のトルク指令値とから余剰トルクを算出する第一のステップと、余剰トルクから摩擦力を算出する第二のステップと、第二のステップにおいて算出される摩擦力とかご内における偏荷重とに基づいてブレーキの異常の有無を判定する第三のステップと、を含む。
本発明によれば、摩擦力と偏荷重とに基づいてブレーキの異常の有無が判定されるので、異常発報の誤報が抑制され、異常診断の信頼性が向上する。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態である異常診断装置の機能ブロック図である。 異常診断の対象となる昇降機用ブレーキの一例を示す。 本実施形態における異常診断処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態における偏荷重検出手段の説明図である。 本実施形態における偏荷重検出手段の説明図である。
本発明の実施形態においては、ブレーキの摩擦力が所定値を超えると、かご内における乗客による荷重分布に応じて、ブレーキの異常の有無が判断される。このような手段は、昇降機用ブレーキの異常診断における異常発報の誤報に関する本発明者の検討結果に基づく。
本発明者の検討によれば、誤報の主たる要因は、かご内における乗客による荷重分布である。すなわち、かご内の荷重分布に偏りがあると、荷重の検出誤差が大きくなり、かご側の重量とつり合い重りの重量との差により生じる不平衡トルクの算出値の精度が低下する。これにより、ブレーキの摩擦力の算出値の精度が低下するため、誤報が発生する。
これに対し、後述する本発明の一実施形態では、ブレーキの摩擦力が所定値を超えている時、かご内における乗客による偏荷重の有無に応じてブレーキの異常の有無が判定される。すなわち、偏荷重が無ければ、異常有りと判定されて、異常発報が発信され、偏荷重が有れば、異常無と判定されて、異常発報は発信されない。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の一実施形態である昇降機用ブレーキの異常診断装置の機能ブロック図である。なお、本実施形態においては、マイクロコンピュータなどの演算処理装置が、所定のコンピュータプログラムを実行することによって、図1中の各手段として機能する。なお、コンピュータプログラムは、図示されない記憶装置(ハードディスクや半導体メモリなど)に記憶される。
図1に示すように、診断対象となるブレーキを備える昇降機(エレベータ)においては、電動機1によって回転駆動されるシーブ8に巻き掛けられる主ロープの一端および他端に、それぞれ、かご9およびつり合い重り10が接続される。シーブ8が回転して主ロープが駆動されると、かご9およびつり合い重り10は、図示されない昇降路内を、互いに反対方向に昇降する。かご9が任意の階床に停止する時に、電動機への通電が停止されると共に、後述するようなブレーキによりシーブ8の回転が阻止され、かご9の停止状態が保持される。
図1に示す異常診断装置において、荷重算出手段2は、かご9に設けられた荷重検出器11(例えば、ロードセルなど)の出力信号に基づいて、かご9内の積載荷重を算出する。なお、荷重算出手段2は、かご9が停止中、乗客の乗降が完了した時、例えば、かごドアが閉じてからブレーキが開放されるまでの間に、積載荷重を算出して、算出値を記憶する。あるいは、荷重算出手段2は、かご9が走行を開始して、次に停止するまでの間に、積載荷重を算出して、算出値を記憶する。この場合は、走行するかご9に作用する慣性力による荷重の増減を補正する。なお、慣性力が作用しない定速走行時において荷重を計測すれば、慣性力の補正は不要となる。
ブレーキが開放されて、かご9が走行する時、トルク・電流制御手段3は、図示しない制御装置から与えられる速度指令値に電動機1の速度が一致するように電動機1のトルク指令値を演算し、このトルク指令値に応じた電流指令値を演算する。そして、電動機1は、電動機1に流れる電流がトルク・電流制御手段3によって演算される電流指令値に一致するように制御される。
余剰トルク算出手段4は、荷重算出手段2によって算出されかつ記憶されるかご9内の積載荷重に基づいて、かご9内の荷重とつり合い重り10の重量との差から生じる不平衡重量分を保持するための不平衡トルクの値を算出して記憶する。なお、つり合い重り10の重量は、図示しない記憶装置(例えば、半導体メモリなど)に予め記憶される。また、余剰トルク算出手段4は、自手段が算出して記憶する不平衡トルクの値と、トルク・電流制御手段3が算出するトルク指令値との差分、すなわち余剰トルクを算出する。
摩擦力算出手段5は、余剰トルク算出手段4によって算出される余剰トルクに基づいてブレーキの摩擦力を算出する。ここで、摩擦力算出手段5は、例えば、余剰トルクとブレーキの径(ブレーキドラムあるいはブレーキディスクの径)から摩擦力を算出する。
偏荷重検出手段6は、かご内に設置される図示しないカメラによって取得されるかご内の画像に基づいて、乗客によるかご内の荷重分布を検出して、検出される荷重分布に基づいて偏荷重の有無を判定する。
異常摩擦力判定手段7は、摩擦力算出手段5で算出される摩擦力が、異常判定用の所定の基準値以上であるか否かを判定する。摩擦力が基準値以上であると判定される場合、異常摩擦判定手段7は、偏荷重検出手段6による偏荷重の有無に関する判定結果に応じて、ブレーキの異常の有無を判定する。すなわち、異常摩擦判定手段7は、偏荷重検出手段6の判定結果が偏荷重有りの場合にはブレーキの異常無しと判定する。また、異常摩擦判定手段7は、偏荷重検出手段6による判定結果が偏荷重無しの場合、ブレーキの異常有りと判定する。
異常摩擦判定手段7によるブレーキ異常有りという判定結果は、異常発報として、外部、例えば監視センターへ向けて発信される。
図2は、本実施形態において異常診断の対象となる昇降機用ブレーキの一例を示す。なお、本図は、ブレーキの一部の構成を示す。
回転体であるブレーキドラム303は、図示されないシーブおよび電動機とともに、巻上機を構成する。ブレーキドラム303は、円筒状の形状を有し、シーブおよび電動機と同軸に接続され、シーブおよび電動機と共に、回転および停止する。
かご9が、巻上機が停止してかごが停止すると、ブレーキコア301が備える電磁石への通電が停止され、ブレーキコア301によるブレーキアーマチャ307の吸引が解除される。このため、ブレーキアーマチャ307は、ブレーキバネ302によって付勢されるので、ブレーキドラム303の内壁に向って移動する。従って、ブレーキアーマチャ307に接続されるブレーキシュー305が、ブレーキドラム303内においてブレーキドラム303の内壁とブレーキアーマチャ302との間に位置するブレーキガイド306に案内されながら、ブレーキドラム303の内壁に押し付けられる。このとき、ブレーキシュー305が備えるブレーキライニング304(摩擦材)がブレーキドラム303の内壁と接触するので、ブレーキライニング304とブレーキドラム303と間に作用する摩擦力によってブレーキドラム303の回転が阻止される。これにより、シーブの回転が阻止されて、かご9の停止状態が保持される。
なお、回転体であるブレーキドラム303以外のブレーキ部品は、図示されないフレームに支持されている。
かご9が走行するときは、ブレーキコア301が備える電磁石が通電されるので、ブレーキコア301によってブレーキアーマチャ307が吸引される。このため、ブレーキアーマチャ307は、ブレーキバネ302のバネ力に抗して、ブレーキコア301に向って移動する。従って、ブレーキシュー305は、ブレーキガイド306に案内されながら、ブレーキドラム303の内壁から離れる。このため、ブレーキライニング304とブレーキドラム303の内壁との接触が解除されるで、ブレーキドラム303は回転可能状態となる。
ここで、ブレーキ部品の経年変化などによりブレーキに異常が生じると、ブレーキライニング304とブレーキドラム303の内壁との接触が十分解除されずにかご9が走行する。このため、ブレーキライニング304とブレーキドラム303との間に摩擦力が作用したまま電動機1が駆動されるので、この摩擦力により電動機の負荷が増大する。従って、電動機1のトルク指令値に基づいて、ブレーキの異常を検出できる
次に、本実施形態の昇降機用ブレーキの異常診断装置における異常診断処理について説明する。
図3は、本実施形態における昇降機用ブレーキの異常診断処理の流れを示すフローチャートである。
処理が開始されると(ステップS101)、ブレーキが開放されると共に、トルク・電流制御手段3によって電動機1が制御されて巻上機が駆動される(ステップS102)。これによって、停止していたかご1が走行を開始する。
次に、荷重算出手段2によって、かご9内の積載荷重の値が検出される(ステップS103)。なお、上述したように、かご9が走行する前に、かご9内の積載荷重の値が検出しても良い。この場合、ステップS102の前にステップS103が実行される。
次に、余剰トルク算出手段4によって、余剰トルクが算出される(ステップS104)。本ステップS104においては、ステップS103において検出される積載荷重の値と、つり合い重りの重量値とから、不平衡トルクが算出される。さらに、この不平衡トルクと、トルク・電流制御手段3から取得されるトルク指令値との差分、すなわち余剰トルクが算出される。
次に、ステップS104において算出される余剰トルクに基づいて、摩擦力算出手段5によって、ブレーキの摩擦力が算出される(ステップS105)。
次に、ステップS105において算出される摩擦力の値と、ブレーキの異常の有無を判定するための基準となる所定の摩擦力の基準値とを比較して、比較結果に応じて、ステップS105において算出される摩擦力が非正常の摩擦力であるか否かが判定される(ステップS106)。算出される摩擦力が、基準値以上であり、非正常であると判定されると(ステップS106,YES)、次にステップS107が実行される。算出される摩擦力が、基準値より小さく、非正常ではない、すなわち正常であると判定されると(ステップS106,NO)、異常診断処理は終了する(ステップS110)。
ステップS107においては、偏荷重検出手段6によって、かご内における偏荷重が算出される。なお、本実施形態においては、前述のように、かご内の画像に基づいて偏荷重が算出される。
ステップS107の実行後、ステップS107において算出される偏荷重に基づいて、異常摩擦力判定手段7によって、積載荷重の検出値に影響するような偏荷重が有るか否かかが判定される(ステップS108)。そのような偏荷重が有ると判定されると(ステップS108,YES)、異常診断処理は終了する(ステップS110)。この場合、偏荷重によってステップ103における積載荷重の検出誤差が過大であるため、算出された摩擦力が、実際には正常であるにもかかわらず、非正常な値を示しているとして、異常発報を行うことなく異常処理は終了する。これにより、異常発報の誤報が防止できる。
ステップS107において、異常摩擦力判定手段7によって、積載荷重の検出値に影響するような偏荷重は無いと判定されると(ステップS108,NO)、次に、ステップS109が実行される。
ステップS109においては、異常摩擦力判定手段7によって偏荷重は無い、すなわち摩擦力の非正常値はブレーキの異常によるものであると、判定される。このような判定結果に応じて、ブレーキに故障の予兆が有ることを報知する異常発報が発信される。そして、ステップS109の実行後、異常診断処理は終了する(ステップS110)。
次に、本実施形態における偏荷重の検出について説明する。
図4および図5は、本実施形態における偏荷重検出手段の説明図である。図4および図5は、共にかご9内における乗客203の積載状態を示す。
図4および図5に示すように、かご9は、複数の防振用弾性体204、例えば防振ゴムや防振用スプリングを介してかご枠50に支持されている。このような構成においては、かご9内において乗客の分布に偏りがあると偏荷重が生じる。そこで、本実施形態においては、次のように、かご9内の乗客の画像を用いて算出される乗客の分布に基づいて、偏荷重の有無が判定される。
本実施形態においては、図4および図5に示すように、かご9内に設けられるカメラ202によってかご9内の画像が取得される。カメラ202は、かご9内の任意の場所に位置する乗客がカメラ202の視野内に入るような位置に設置される。例えば、カメラ202は、かご天井部に設置され、かご床面全体を含むかご9内を撮影する。カメラ202によって取得される画像を画像処理することにより、かご9内における乗客の分布が算出される。画像処理においては、カメラ202によって予め取得される乗客がいない時の画像と乗客を検出するために取得される画像とを比較する、公知の技術が適用される。
なお、本実施形態では、カメラ202を一台のみ用いるが、複数台用いても良い。また、カメラ202としては、通常の単眼カメラを用いても良いし、ステレオカメラを用いても良い。
また、乗客が携帯する荷物など、かご内に積載される物品も乗客と見なして、乗客人数を算出しても良い。これにより、偏荷重の有無の判定の確度が向上する。
本実施形態において、乗客の分布は、乗客の位置および人数によって表わされる。このような、乗客の分布に基づいて、偏荷重の有無が判定される。例えば、偏荷重が発生する場合の乗客分布のパターンを予め記憶装置に記憶しておき、算出された乗客分布のパターンが、記憶されるパターンに一致あるいは近ければ、偏荷重が発生していると判定される。なお、乗客の分布として、乗客の密度分布を算出しても良い。
図4においては、かご9内において、複数の乗客203が分散して位置する。従って、かご9内における乗客203の分布に大きな偏りが無く、偏荷重は無いと判定される。
図5においては、かご9内において、複数の乗客203が局所的に集中して位置する。従って、かご9内における乗客203の分布に大きな偏りが有り、偏荷重が有ると判定される。
なお、図示されてはいないが、本実施形態における乗客の分布は、かご床面に対する2次元分布となる。この場合、少数の領域、例えば、かご床面を面積が等しい二つの領域に分け、各領域の乗客人数あるいは乗客密度を比較して、人数差あるいは密度差が所定値よりも大きければ偏荷重が有ると判定することができる。これにより、演算処理装置の負荷を増やすことなく偏荷重の有無を判定できる。
また、かご床面が2次元であることを考慮すれば、例えば、かご9のドア(図示せず)の幅方向に二つの領域に分けて各領域の乗客人数を比較するとともに、かご9の奥行き幅方向に二つの領域に分けて各領域の乗客人数を比較することが好ましい。これら二つの比較結果を両方用いることにより、例えば、どちらか一方の比較結果が偏荷重を示していれば偏荷重有とすることにより、偏荷重の有無を精度よく判定できる。
なお、荷重検出器11によって検出される荷重データに基づいて検出される乗客による積載荷重と、かご内の画像に基づいて検出される乗客の人数に基づいて推定される積載荷重(=人数×予め設定される乗客一人あたりの平均体重値)とを比較し、両者の差が所定値以上である場合に、偏荷重が有ると判定しても良い。
上述の実施形態によれば、ブレーキの摩擦力に異常が検出されると、偏荷重の有無を判定し、偏荷重が無いと判定されたら異常発報を発信する。これにより、異常発報の誤報が抑制される。従って、異常診断の信頼性が向上する。
なお、本実施形態においては、不平衡トルクの算出値と、電動機を制御するトルク指令値との差分、すなわち余剰トルクから摩擦力を算出する。これにより、かごの自重に関わらず、ブレーキ摩擦力の基準値を設定すれば、高精度にブレーキの異常を検出できる。
また、複数の荷重計により偏荷重の有無を検出することもできるが、本実施形態のように、カメラを一台のみ用いれば、ブレーキの異常診断装置を備えることに伴うエレベータ装置の部品点数の増大を抑えることができる。特に、かご内監視用のカメラをブレーキの異常診断装置にも用いれば、エレベータ装置の部品点数が増大することはない。
また、本実施形態によれば、巻上機あるいはブレーキ本体が異常検出装置を備えることなく、ブレーキの異常診断が可能になる。
また、摩擦力異常を判定する基準値に応じて、ブレーキが故障までに至らない状態で異常発報を発信することができる。これにより、故障の予兆をとらえた時にブレーキの保守作業を行うことができるので、エレベータの停止を伴うブレーキの定期点検の回数を低減したり、ブレーキ点検のインターバルを長くすることができる。従って、保守点検作業に伴うエレベータの総停止時間は短縮されるので、エレベータ利用者の利便性が向上する。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、異常診断の対象となるブレーキは、ドラムブレーキ(図2)だけでなく、ディスクブレーキでも良い。
また、本実施形態(図1)では、荷重検出器11がかご9の上方に設けられるが、かごの下方、例えば図4のかご9の下方のかご枠50に設けても良い。
また、ブレーキの異常診断の対象となる昇降機は、巻上機および制御盤が機械室に設置されるエレベータでも良いし、巻上機および制御盤が昇降路内に設置される、いわゆる機械室レスエレベータでも良い。
また、異常発報は、昇降機が設置される建物から地理的に離れた場所に設置される監視センターへ向けて発信されても良いし、昇降機が設置される建物内、例えば管理人室や管制室に向けて発信されても良い。
1 電動機、2 荷重算出手段、3 トルク・電流制御手段、
4 余剰トルク算出手段、5 摩擦力算出手段、6 偏荷重検出手段、
7 異常摩擦力判定手段、8 シーブ、9 かご、10 つり合い重り、
11 荷重検出器、50 かご枠、202 カメラ、203 乗客、
204 防振用弾性体、301 ブレーキコア、302 ブレーキばね、
303 ブレーキドラム、304 ブレーキライニング、305 ブレーキシュー、
306 ブレーキガイド、307 ブレーキアーマチャ

Claims (8)

  1. 電動機によって駆動されるシーブに接続される回転体とブレーキライニングとの間の摩擦力によって前記シーブの回転を阻止するブレーキの状態を診断し、前記ブレーキに異常が検出されると異常発報を発信する昇降機用ブレーキの異常診断装置において、
    かご内の荷重を計測する荷重センサと、
    前記電動機を制御するためのトルク指令値を作成する制御手段と、
    前記荷重センサによって計測される前記荷重と、前記制御手段が作成する前記トルク指令値とから余剰トルクを算出する余剰トルク算出手段と、
    前記余剰トルク算出手段によって算出される前記余剰トルクから前記摩擦力を算出する摩擦力算出手段と、
    前記かご内における偏荷重を検出する偏荷重検出手段と、
    前記摩擦力算出手段によって算出される前記摩擦力と、前記偏荷重検出手段によって検出される前記偏荷重とに基づいて、前記ブレーキの異常の有無を判定する異常摩擦力判定手段と、
    を備えることを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断装置。
  2. 請求項1に記載の昇降機用ブレーキの異常診断装置において、
    前記異常摩擦力判定手段は、前記摩擦力の値が所定の基準値以上であり、かつ前記かご内に前記偏荷重が有る場合、前記ブレーキに異常は無いと判定することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断装置。
  3. 請求項2に記載の昇降機用ブレーキの異常診断装置において、
    前記異常摩擦力判定手段は、前記摩擦力の値が所定の基準値以上であり、かつ前記かご内に前記偏荷重が無い場合、前記ブレーキに異常が有ると判定することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断装置。
  4. 請求項1に記載の昇降機用ブレーキの異常診断装置において、
    さらに、前記かご内を撮影するカメラを備え、
    前記偏荷重検出手段は、前記カメラによって取得される前記かご内の画像に基づいて、前記偏荷重を検出することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断装置。
  5. 請求項4に記載の昇降機用ブレーキの異常診断装置において、
    前記偏荷重検出手段は、前記画像に基づいて、前記かご内における乗客の分布を算出し、前記乗客の分布に基づいて前記偏荷重を検出することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断装置。
  6. 電動機によって駆動されるシーブに接続される回転体とブレーキライニングとの間の摩擦力によって前記シーブの回転を阻止するブレーキの状態を診断し、前記ブレーキに異常が検出されると異常発報を発信する昇降機用ブレーキの異常診断方法において、
    かご内の荷重と前記電動機のトルク指令値とから余剰トルクを算出する第一のステップと、
    前記余剰トルクから前記摩擦力を算出する第二のステップと、
    前記第二のステップにおいて算出される前記摩擦力と前記かご内における偏荷重とに基づいて前記ブレーキの異常の有無を判定する第三のステップと、
    を含むことを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断方法。
  7. 請求項6に記載の昇降機用ブレーキの異常診断方法において、
    前記第三のステップにおいては、
    前記摩擦力の値が所定の基準値以上であり、かつ前記かご内に前記偏荷重が有る場合、前記ブレーキに異常は無いと判定し、
    前記摩擦力の値が所定の基準値以上であり、かつ前記かご内に前記偏荷重が無い場合、前記ブレーキに異常が有ると判定することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断方法。
  8. 請求項7に記載の昇降機用ブレーキの異常診断方法において、
    前記偏荷重の有無を、前記かご内の画像に基づいて検出することを特徴とする昇降機用ブレーキの異常診断方法。
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