以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<1.情報処理装置の外観構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1の外観構成の一例について説明する。図1に示すように、情報処理装置1は、プレイヤが携帯してゲームをプレイ可能な携帯型のゲーム機である。情報処理装置1は、操作部3と、表示部5を有する。
プレイヤは操作部3を用いて各種の入力操作を行う。図1に示す例では、操作部3は、十字キー7やボタン9,11等で構成されているが、これら以外のボタンやジョイスティック、タッチパネル等を含んでもよい。ボタン9は、十字キー7により選択された移動先やコマンド等を決定するための決定ボタン(以下適宜「Aボタン」ともいう)であり、ボタン11はAボタン9により決定された事項をキャンセル等するためのキャンセルボタン(以下適宜「Bボタン」ともいう)である。
表示部5は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されており、ゲーム画面等の各種の表示を行う。また、図示は省略するが、情報処理装置1には、ゲームに関連する各種のサウンドを出力するスピーカーも設けられている。
なお、情報処理装置1は、携帯型のゲーム機に限定されるものではなく、据え置き型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものの他、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものも含まれる。
<2.ゲームの概略内容>
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態に係るゲーム、すなわち本発明のゲームプログラムが情報処理装置1によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
本実施形態に係るゲームは、いわゆる戦略シミュレーションゲームであり、プレイヤが操作する味方軍と、ゲームプログラムによって操作される敵軍とが互いに拠点を奪いあい、陣地を拡げていくことが行われる。図2に、ゲームマップ画面の一例を示す。図2に示す例では、ゲームマップ上に複数の陣地a〜gが配置されており、各陣地には味方軍又は敵軍の拠点となる施設A〜Gがそれぞれ配置されている。
各施設A〜Gには所定数のユニットをそれぞれ配置することができる。例えば味方軍が施設を獲得した場合、その施設には味方軍を構成する味方ユニットを配置することが可能となり、その施設が配置された陣地は味方の陣地となる。敵軍についても同様である。図2に示す例では、施設A〜Dに味方ユニットが配置されており、これら施設A〜Dが配置された陣地a〜dは味方の陣地となっている(格子状ハッチングで示す陣地)。他方、施設E〜Gには敵軍を構成する敵ユニットが配置されており、これら施設E〜Gが配置された陣地e〜gは敵の陣地となっている(斜線ハッチングで示す陣地)。
隣接する施設間には、それらを結ぶ経路rがそれぞれ表示されている。味方ユニットは、この経路rを通って味方軍の施設間を移動することができる。敵ユニットも同様に、経路rを通って敵軍の施設間を移動することができる。味方軍の施設と敵軍の施設が隣接した場所では、相互に攻撃をしかけることができる。図2に示す例では、味方軍の施設A,Bと敵軍の施設E,Fが隣接しているので、プレイヤは施設A又は施設Bの味方ユニットを使用して施設E又は施設Fに攻め込むことができる。敵軍も同様である。
図3に、このときのバトル画面の一例を示す。図3に示す例では、ゲームフィールドGF上に、複数(この例では3)の味方ユニット13と、複数(この例では3)の敵ユニット15が配置されている。味方ユニット13はプレイヤにより操作され、敵ユニット15はゲームプログラムによって操作される。なお、味方ユニット13の数及び敵ユニット15の数は上記3に限定されるものではない。
ゲームフィールドGF上には、格子状に整列して配置された複数の区画17が設定されている。味方ユニット13及び敵ユニット15は、この区画17単位でゲームフィールドGF上を移動する。各ユニットの移動可能範囲は区画17の数でそれぞれ設定されており、各ユニットはその範囲内で自由に移動できる。なお、この例では区画17はマス目状(略四角形状)であるが、その他の形状(例えば円形や四角以外の多角形等)としてもよい。また、区画17は常に表示されなくともよく、例えばターンの切り替わりにより行動可能となったユニットの移動可能範囲内のみ表示してもよい。
本実施形態では、ユニット単位でターンが設定されており、各ユニットは自身のターンに切り替わると、移動及び所定の行動(攻撃、特技、魔法、アイテムの使用等)を行うことができる。また、ゲームには予め勝利条件及び敗北条件が設定されており、当該条件が満たされると勝利又は敗北となる。例えば、味方ユニット13が敵ユニット15のリーダーを倒す、敵軍の旗(図示省略)を獲得する、ゲームフィールドGF上に配置された複数のアイテム(例えば鍵など。図示省略)を全て獲得する、等が満たされると、味方軍の勝利となり、その施設を獲得することができる。反対に、敵ユニット15に味方ユニット13のリーダーが倒される、味方軍の旗(図示省略)が奪われる、ゲームフィールドGF上に配置された複数のアイテムを全て奪われる、等が満たされると、味方軍の敗北となり、その施設を敵軍に奪われる。
以上が本実施形態に係るゲームの概略内容であるが、以下、その特徴部分の内容について詳細に説明する。
<3.情報処理装置の推奨移動等に関わる機能的構成>
次に、図4及び図5〜図7を用いて、情報処理装置1の機能的構成のうち、主として推奨移動等に関わる機能的構成の一例について説明する。なお、図4中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
図4に示すように、情報処理装置1は、上述した操作部3及び表示部5の他、機能的構成として、優先行動判定処理部19、区画評価処理部21、区画決定処理部23、選択要求処理部25、ユニット移動処理部27、推奨行動提示処理部29、推奨行動決定処理部31、行動実行処理部33を有する。
優先行動判定処理部19は、味方ユニット13が移動可能範囲内において実行可能な行動に、予め定められた優先すべき行動が含まれるか否かを判定する。優先すべき行動とは、例えば味方ユニット13が前述した勝利条件をそのターンで達成できる場合、前述した敗北条件を阻止できる場合、勝利条件の達成又は敗北条件の阻止を実行可能な他の味方ユニット13をサポートできる場合等に、それらを実行する行動である。
このような優先すべき行動は、味方軍の勝敗に直結するものであるため、味方ユニット13は無条件に実行することが好ましい。このため、後述する区画評価処理部21は、優先行動判定処理部19により優先すべき行動が含まれると判定された場合には区画17の評価を行わず、優先すべき行動が含まれないと判定された場合にのみ、複数の区画17のそれぞれに対して評価を行う。また、後述する区画決定処理部23は、優先行動判定処理部19により優先すべき行動が含まれると判定された場合には、当該優先すべき行動を実行可能な区画17を、味方ユニット13の推奨する移動先に決定する。
区画評価処理部21は、プレイヤにより操作される味方ユニット13の移動可能範囲内に存在する複数の区画17のそれぞれに対し、所定の評価基準に基づいて評価を行う。
図5に、味方ユニット13の移動可能範囲の一例を示す。図5に示す例では、3体の味方ユニット13のうちの中央の味方ユニット13が行動可能なターンとなっている。当該味方ユニット13の移動可能範囲35は5区画に設定されており、味方ユニット13の周囲にその範囲が表示されている。区画評価処理部21は、この移動可能範囲35内に存在する区画17のそれぞれに対し、さまざまなゲーム状況を加味して評価点を算出する。
具体的には、区画評価処理部21は、以下の条件に当てはまる区画17ほど評価点を高く算出する。例えば、目標の座標(勝利条件ごとに設定された最終目標の座標。例えば敵軍の旗の座標や鍵の座標等)や敵ユニット15により近い区画、攻撃や魔法、特技によって敵ユニット15により大きなダメージを与えることが可能な区画、ゲームフィールドGF上の所定の場所に配置されたダメージを与えることが可能な仕掛け(図示省略)を起動でき、敵ユニット15により大きなダメージを与えることが可能な区画、次の敵のターンで敵ユニット15から受けるダメージがより小さい区画、等である。なお、上記は一例であり、上記以外の評価基準が設定されてもよい。
以上のように、区画評価処理部21は、複数の区画17のそれぞれに対し、味方ユニット13が当該区画17に移動した後に実行可能な行動を考慮して評価を行う。したがって、区画評価処理部21は、各区画17に対して算出した評価点を設定すると共に、当該区画17に味方ユニット13が移動した後に実行することを推奨する行動(どのコマンドをどのユニットに行うのか等)についても併せて設定する。
図4に戻り、区画決定処理部23は、区画評価処理部21の評価結果に基づいて、味方ユニット13の移動先として推奨する区画17を決定する。具体的には、上述のようにして区画評価処理部21により算出された評価点が最も高い区画17を、推奨する移動先に決定する。
なお、区画決定処理部23は、前述のように優先行動判定処理部19により優先すべき行動が含まれると判定された場合には、当該優先すべき行動を実行可能な区画17を、推奨する移動先に決定する。この場合には、区画評価処理部21による評価点の算出は行われない。
選択要求処理部25は、区画決定処理部23により決定された区画17に味方ユニット13を移動するか否かの選択をプレイヤに要求する。
図5に、このときの画面表示の一例を示す。図5に示す例では、区画決定処理部23により決定された区画17(斜線ハッチングで示す)の位置に、選択要求表示37が表示されている。プレイヤはこの選択要求表示37の内容に応じて、Aボタン9を押すと推奨された区画17に「移動する」ことを選択することができ、Bボタン11を押すと推奨された区画17に「移動しない」ことを選択することができる。なお、図5に示す例では、推奨された区画17までの味方ユニット13の移動経路が矢印39により表示されている。
図4に戻り、ユニット移動処理部27は、選択要求処理部25による要求に応じてプレイヤにより「移動する」ことが選択された場合には、味方ユニット13を区画決定処理部23により決定された区画17に移動させる。これにより、プレイヤはAボタン9を押すだけで味方ユニット13を推奨された区画17に移動させることができる。
他方、ユニット移動処理部27は、選択要求処理部25による要求に応じてプレイヤにより「移動しない」ことが選択された場合には、プレイヤの入力により決定された区画17に味方ユニット13を移動させる。これにより、プレイヤは味方ユニット13の移動先を自分で選択することができる。
図6に、このときの画面表示の一例を示す。図6に示す例では、プレイヤの入力操作により味方ユニット13の左前方の区画17(斜線ハッチングで示す)が移動先に選択されている。具体的には、プレイヤは十字キー7を用いて移動可能範囲35内の任意の区画17を選択し、その選択された状態でAボタン9を押すことで当該区画17を移動先に決定する。図6に示すように、十字キー7による区画17の選択中には、選択された区画17までの味方ユニット13の移動経路が上記矢印39とは異なる色の矢印41で表示されている。矢印39と矢印41の表示態様を異ならせることで、ゲームプログラムによる推奨された移動かプレイヤによる移動かが容易に区別できるようになっている。
図4に戻り、推奨行動提示処理部29は、味方ユニット13が区画決定処理部23により決定された区画17にユニット移動処理部27により移動された場合に、区画評価処理部21の評価結果に基づいて、味方ユニット13が実行可能な複数の行動の中から推奨する行動を提示する。具体的には、前述のように区画評価処理部21により各区画17には評価点と共に推奨する行動についても併せて設定されていることから、推奨行動提示処理部29は、区画決定処理部23により決定された区画17に設定された行動を参照することで推奨する行動を決定し、提示する。
図7に、このときの画面表示の一例を示す。図7に示す例では、後述する選択肢表示処理部45(図9参照)により、推奨された区画17に移動された味方ユニット13が移動後に実行可能な行動の選択肢として、「こうげき」、「特技」、「魔法」、「アイテム」、「めくる」が表示されている。
なお、行動の選択肢は上記に限定されるものではなく、上記に加えて又は代えて、その他の選択肢が表示されてもよい。例えば味方ユニット13が所定のアイテム(例えば旗、鍵等)を取得可能な区画17に移動した場合には、上記「めくる」に代えて「とる」等を表示してもよい。
例えばプレイヤにより「こうげき」が選択されると、味方ユニット13は攻撃対象の敵ユニット15に対して武器等を用いて攻撃を実行する。また、「特技」が選択されると、味方ユニット13は対象となる敵ユニット15又は味方ユニット13に対して所定の特技を発動する。また、「魔法」が選択されると、味方ユニット13は対象となる敵ユニット15又は味方ユニット13に対して所定の効果を有する魔法を発動する。また、「アイテム」が選択されると、味方ユニット13は所定の効果を有するアイテムを使用する。また、「めくる」が選択されると、味方ユニット13が得られる効果の抽選が行われる(詳細は後述)。
図7に示す例では、推奨行動提示処理部29により「こうげき」の選択肢に対して推奨表示43が表示されており、上記行動の選択肢のうち「こうげき」が推奨されている。
図4に戻り、推奨行動決定処理部31は、選択要求処理部25による要求に応じて「移動する」ことが選択される際に操作される操作部3(Aボタン9)と同じ操作部3(Aボタン9)が操作された場合に、推奨行動提示処理部29により提示された行動の実行を決定する。これにより、プレイヤはAボタン9を押すことのみによって、推奨された区画17への移動と推奨された行動の実行の両方を行うことができる。
例えば図7に示す例では、プレイヤはAボタン9を押すことによって「こうげき」の選択肢を決定することができる。なお、「こうげき」以外の選択肢を選択したい場合には、プレイヤは十字キー7を用いて任意の選択肢を選択し、その選択された状態でAボタン9を押すことで当該選択肢を決定することができる。
行動実行処理部33は、推奨行動決定処理部31により決定された行動を味方ユニット13に実行させる。また、行動実行処理部33は、プレイヤの入力操作により決定された行動を味方ユニット13に実行させる。
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(図22参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
<4.情報処理装置の推奨移動等に関わる処理手順>
次に、図8を用いて、情報処理装置1のCPU101によって実行される推奨移動等に関わる処理手順の一例を説明する。
ステップS5では、情報処理装置1は、優先行動判定処理部19により、味方ユニット13が移動可能範囲35内において実行可能な行動に、予め定められた優先すべき行動が含まれるか否かを判定する。優先すべき行動が含まれる場合には(ステップS5:YES)、後述のステップS25に移る。一方、優先すべき行動が含まれない場合には(ステップS5:NO)、次のステップS10に移る。
ステップS10では、情報処理装置1は、目標(例えば勝利条件ごとに設定された最終目標の座標や、最終目標の敵ユニット15)が設定されているか否かを判定する。目標が設定されている場合には(ステップS10:YES)、後述のステップS20に移る。一方、目標が設定されていない場合には(ステップS10:NO)、次のステップS15に移る。
ステップS15では、情報処理装置1は、上記目標を設定する。
ステップS20では、情報処理装置1は、区画評価処理部21により、味方ユニット13の移動可能範囲35内に存在する区画17のそれぞれに対し、所定の評価基準に基づいて評価点の算出を行う。この際、区画評価処理部21は、複数の区画17のそれぞれに対し、味方ユニット13が当該区画17に移動した後に実行可能な行動を考慮して評価を行う。
ステップS25では、情報処理装置1は、区画決定処理部23により、上記ステップS20で算出された評価点が最も高い区画17を、味方ユニット13の移動先として推奨する区画17に決定する。
ステップS30では、情報処理装置1は、選択要求処理部25により、上記ステップS25で決定された区画17に味方ユニット13を移動するか否かの選択をプレイヤに要求する選択要求表示37を、表示部5に表示する(図5参照)。
ステップS35では、情報処理装置1は、推奨行動決定処理部31により、上記ステップS25で決定された区画17に味方ユニット13を移動するか否かを判定する。プレイヤがAボタン9を押すことにより推奨区画に味方ユニット13を移動することが決定された場合には(ステップS35:YES)、次のステップS40に移る。
ステップS40では、情報処理装置1は、ユニット移動処理部27により、味方ユニット13を上記ステップS25で決定された区画17に移動させる。
一方、上記ステップS35において、プレイヤがBボタン11を押すことにより推奨区画に味方ユニット13を移動しないことが決定された場合には(ステップS35:NO)、次のステップS60に移る。
ステップS60では、情報処理装置1は、ユニット移動処理部27により、プレイヤの入力操作により決定された区画17に味方ユニット13を移動させる(図6参照)。その後、後述のステップS65に移る。
ステップS45では、情報処理装置1は、推奨行動提示処理部29により、上記ステップS20における評価結果に基づいて、味方ユニット13が移動後に実行可能な複数の行動の中から推奨する行動を提示する。この際、推奨行動提示処理部29は、表示部5に推奨表示43を表示することにより推奨行動の提示を行う(図7参照)。
ステップS50では、情報処理装置1は、推奨行動決定処理部31により、上記ステップS45で提示された推奨行動に決定するか否かを判定する。プレイヤがAボタン9を押すことにより推奨行動を実行することが決定された場合には(ステップS50:YES)、次のステップS55に移る。
ステップS55では、情報処理装置1は、行動実行処理部33により、上記ステップS50で決定された推奨行動を味方ユニット13に実行させる。
一方、上記ステップS50において、プレイヤが十字キー7等を操作することにより推奨行動を実行することを決定しなかった場合には(ステップS50:NO)、次のステップS65に移る。
ステップS65では、情報処理装置1は、行動実行処理部33により、プレイヤの入力操作により決定された行動を味方ユニット13に実行させる。以上により、本フローを終了する。
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
例えば上記では、推奨区画に移動せずにプレイヤが自分で操作して味方ユニット13を移動させた場合には(ステップS60)、推奨行動の提示は行われずに、プレイヤが自分で行動を決定するようにしたが(ステップS65)、これに限定されるものではない。例えば、推奨区画に移動せずにプレイヤが自分で操作して味方ユニット13を移動させた場合でも、推奨行動の提示が行われるようにしてもよい。
<5.情報処理装置の発動効果の抽選等に関わる機能的構成>
次に、図9及び図10〜図14を用いて、情報処理装置1の機能的構成のうち、主として発動効果の抽選等に関わる機能的構成の一例について説明する。なお、図9中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
図4に示すように、情報処理装置1は、操作部3及び表示部5の他、機能的構成として、前述したユニット移動処理部27、選択肢表示処理部45、選択肢決定処理部47、抽選実行処理部49、演出表示処理部51、効果発動処理部53を有する。
ユニット移動処理部27は、プレイヤの操作入力に基づいて味方ユニット13をゲームフィールドGF上で移動させる。前述のように、味方ユニット13の移動は、推奨された区画17へ移動する場合と、プレイヤが自分で選択した区画17へ移動する場合がある。
選択肢表示処理部45は、ユニット移動処理部27により移動された味方ユニット13が移動後に実行可能な行動の選択肢として、味方ユニット13が得られる効果の抽選を行う「めくる」(第1選択肢の一例)を表示する。
図10に、このときの画面表示の一例を示す。前述の図7と同様に、味方ユニット13が移動後に実行可能な行動の選択肢として、「こうげき」、「特技」、「魔法」、「アイテム」、「めくる」が表示されている。
なお、図10に示す例では、前述の推奨行動提示処理部29により「めくる」の選択肢に対して推奨表示43が表示されている。このように「めくる」が推奨されるのは、例えば味方ユニット13と敵ユニット15が遠く離れており、味方ユニット13を移動させても敵ユニット15に対して攻撃や魔法、特技の発動等ができず、且つ、使用できる仕掛けや取得できるアイテム等がないような場合である。「めくる」が選択肢として表示されることで、味方ユニット13が移動後に実行できる行動が無く待機状態となるのを回避できるようになっている。
図9に戻り、選択肢決定処理部47は、選択肢表示処理部45により表示された選択肢の中から、プレイヤの操作入力に基づいて選択された選択肢を決定する。例えば図10に示す例において、プレイヤがAボタン9を押した場合には、選択肢決定処理部47は「めくる」の選択肢を決定する。また、プレイヤが十字キー7を用いて「めくる」以外の選択肢を選択し、その選択された状態でAボタン9を押した場合には、選択肢決定処理部47は当該選択肢を決定する。
抽選実行処理部49は、選択肢決定処理部47により「めくる」の選択肢が決定された場合に、味方ユニット13が得られる効果の抽選を実行する。得られる効果としては、例えば攻撃力の上昇、魔法や特技によるダメージ力の上昇、経験値の上昇、体力(ヒットポイント)の回復等、味方ユニット13の各種ステータスの上昇や回復の他、バトル後に取得するお金の増加、アイテムの取得等、ゲームの進行上有利となる多様な効果が用意されている。これらの効果は、その効果の大小に応じて予め複数のランク(種別)に分類されており、抽選実行処理部49は、それら複数のランクに分類された複数の効果の中から、ランクごとに設定された当選確率に基づいて効果を抽選する。
図11に、ランクごとの当選確率の一例を示す。図11に示す例では、得られる効果のランクとして、効果の高いものから順にレジェンド、S、A、B、C、D、Eの7種類が用意されており、各ランクの当選確率は効果が高いランクほど小さくなるように設定されている。例えばレジェンドのランクには、味方ユニット全員の体力が全回復する等の効果が含まれる。このように、抽選で得られる効果には、味方ユニット単体だけでなく複数又は全員に及ぶものが含まれている。
なお、抽選実行処理部49は、抽選結果に味方ユニット13が何らの効果も得られない「ハズレ」を含む抽選を実行する。すなわち、「めくる」が選択された場合には必ず何らかの効果が得られる訳ではなく、何らの効果も得られない場合もある。図11に示す例では、「ハズレ」の当選確率が最も大きくなるように設定されている。
なお、ランクの数及び種類や、当選確率の大小関係等は上記に限定されるものではない。例えば「ハズレ」の当選確率をもっと小さくなるように設定してもよいし、「ハズレ」自体を無くし、「めくる」が選択された場合には必ず何らかの効果が得られるようにしてもよい。
図9に戻り、演出表示処理部51は、抽選実行処理部49による抽選の実行中に、ゲームフィールドGF上の味方ユニット13の位置(区画17)に設定されたパネルの裏返し動作を行い、パネルの裏面に抽選結果が表示されるように演出表示を行う。
図12〜図14に、このときの画面表示の一例を示す。図12に示すように、例えば3体の味方ユニット13のうちの中央の味方ユニット13が移動後に「めくる」を実行した場合、当該味方ユニット13が位置する区画17に対応する形状のパネル55が表示される。そして、図13に示すように、パネル55がめくれるように裏返し動作(又は回転動作でもよい)を行い、パネル55の裏面に抽選結果が表示される。図13に示す例では抽選結果は「攻撃力UP」となっている。また、図14に示す例では抽選結果は「ハズレ」である。
なお、パネル55の裏面に抽選結果と共にそれに関連する(又は関連しなくてもよい)キャラクタ等の図柄を併せて表示してもよい。
図9に戻り、効果発動処理部53は、抽選実行処理部49による抽選結果に基づいて、抽選された効果を発動させる。なお、抽選結果がハズレとなった場合には、効果発動処理部53は効果を発動しない。
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(図22参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
<6.情報処理装置の発動効果の抽選等に関わる処理手順>
次に、図15を用いて、情報処理装置1のCPU101によって実行される発動効果の抽選等に関わる処理手順の一例を説明する。
ステップS110では、情報処理装置1は、ユニット移動処理部27により、プレイヤの操作入力に基づいて味方ユニット13をゲームフィールドGF上で移動させる。
ステップS120では、情報処理装置1は、選択肢表示処理部45により、上記ステップS110で移動された味方ユニット13が移動後に実行可能な行動の選択肢を表示する。この選択肢には、味方ユニット13が得られる効果の抽選を行う「めくる」が含まれる(図10参照)。
ステップS130では、情報処理装置1は、選択肢決定処理部47により、上記ステップS120で表示された選択肢の中から「めくる」が選択されたか否かを判定する。プレイヤの操作入力により「めくる」以外の選択肢が選択された場合には(ステップS130:NO)、次のステップS140に移る。
ステップS140では、情報処理装置1は、前述の行動実行処理部33により、プレイヤにより選択された行動を味方ユニット13に実行させる。
一方、上記ステップS130において、プレイヤの操作入力により「めくる」が選択された場合には(ステップS130:YES)、次のステップS150に移る。
ステップS150では、情報処理装置1は、抽選実行処理部49により、味方ユニット13が得られる効果の抽選を実行する。
ステップS160では情報処理装置1は、上記ステップS150で実行された抽選の結果が当たりか否かを判定する。抽選結果が「ハズレ」である場合には(ステップS160:NO)、次のステップS170に移る。
ステップS170では、情報処理装置1は、演出表示処理部51により、ゲームフィールドGF上の味方ユニット13の区画17に設定されたパネル55の裏返し動作を行い、パネル55の裏面に「ハズレ」が表示されるように演出表示を行う。
一方、上記ステップS160において、抽選結果が当たり、すなわち抽選結果が上述した7種類のランクであるレジェンド、S、A、B、C、D、Eのいずれかに分類された効果である場合には(ステップS160:YES)、次のステップS180に移る。
ステップS180では、情報処理装置1は、演出表示処理部51により、ゲームフィールドGF上の味方ユニット13の区画17に設定されたパネル55の裏返し動作を行い、パネル55の裏面に抽選された効果の内容が表示されるように演出表示を行う。
ステップS190では、情報処理装置1は、効果発動処理部53により、上記ステップS150で実行された抽選の結果に基づいて、抽選された効果を発動させる。以上により、本フローを終了する。
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
<7.情報処理装置のユニット自動再配置等に関わる機能的構成>
次に、図16を用いて、情報処理装置1の機能的構成のうち、主として味方ユニットの自動再配置等に関わる機能的構成の一例について説明する。なお、図16中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
図16に示すように、情報処理装置1は、操作部3及び表示部5の他、機能的構成として、再配置処理部57を有する。再配置処理部57は、ゲームマップ上の複数箇所に配置された、各々に所定の数の味方ユニット13を配置可能な複数の施設(拠点の一例)に、味方ユニット13を所定のルールにしたがって再配置する。
所定のルールは、例えば以下のようなルールを含む。すなわち、再配置処理部57は、敵の陣地と隣接する施設に配置された味方ユニット13については移動しない。また、再配置処理部57は、敵の陣地と隣接しない施設に配置された味方ユニット13を抽出し、敵の陣地と隣接する施設が所定の数に達していない場合には抽出した味方ユニット13を戦力が高い順に配置する。このルールの具体的な内容については後述する。
<8.情報処理装置のユニット自動再配置等に関わる処理手順>
次に、図17、図18〜図21及び前述の図2を用いて、情報処理装置1のCPU101によって実行される味方ユニットの自動再配置等に関わる処理手順の一例を説明する。
ステップS210では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、プレイヤによって味方ユニット13の再配置を指示する操作があったか否かを判定する。具体的には、例えば表示部5に表示された「ユニット再配置」ボタン(図示省略)が押されたか否かを判定する。再配置操作が行われるまで本ステップを繰り返し、再配置操作が行われた場合には(ステップS210:YES)、次のステップS220に移る。
ステップS220では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、敵の陣地と隣接していない施設に配置された味方ユニット13を抽出する。
ステップS230では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、上記ステップS220で抽出した味方ユニット13を、戦力が高い順番に並び替える。
図18及び図19に上記ステップS220及びステップS230の処理内容の具体例を示す。なお、図18及び図19に示す内容は前述の図2に対応している。図2及び図18に示す例では、敵の陣地と隣接している味方の施設は施設A及び施設Bであり、敵の陣地と隣接していない味方の施設は施設C及び施設Dである。図18に示す例では、各施設A〜Dに配置可能な味方ユニット13の数(配置枠)はそれぞれ5ユニットとなっており、施設Aには4ユニット(ユニットA1〜A4)、施設Bには3ユニット(ユニットB1〜B3)、施設Cには3ユニット(ユニットC1〜C3)、施設Dには2ユニット(ユニットD1〜D2)が配置されている。
図19に示すように、敵の陣地と隣接していない施設、すなわち施設C及び施設Dに配置された5ユニット(ユニットC1〜C3及びユニットD1〜D2)が抽出される。そして、各ユニットは戦力の高い順番に並び替えられる。図19に示す例では、ユニットC2,D2,D1,C3,C1の順である。なお、ここでいう「戦力」は味方ユニット13のステータスの1つであり、「こうげき」、「特技」、「魔法」等の行動により敵ユニット15に与えることができるダメージの大きさを表す(いわゆる戦闘力)。
図17に戻り、ステップS240では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、敵の陣地に隣接している施設の配置枠に空きがあるか否かを判定する。空きがない場合には(ステップS240:NO)、後述のステップS270に移る。一方、空きがある場合には(ステップS240:YES)、次のステップS250に移る。
ステップS250では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、上記ステップS230で並び替えを行った味方ユニット13を、上記ステップS240で配置枠に空きがあると判定された施設の配置枠が埋まるまで、戦力が高いユニットから順に配置する。
図20に上記ステップS240及びステップS250の処理内容の具体例を示す。なお、図20に示す内容は前述の図18及び図19に対応している。上述の図18に示す例では、敵の陣地に隣接している施設A及び施設Bの両方に配置枠に空きがある。そこで、抽出された味方ユニット13のうち戦力が高いユニットから施設A,Bに配置される。図20に示す例では、最も戦力が高いユニットC2が施設Aに、次に戦力が高い2つのユニットD2及びユニットD1が施設Bに配置されている。その結果、施設A及び施設Bの配置枠が埋まっている。
なお、ユニットの再配置態様は上記に限定されるものではない。例えば、最も戦力が高いユニットC2を施設Bに、次に戦力が高いユニットD2を施設Aに、その次に戦力が高いユニットD1を施設Bに配置してもよい。
図17に戻り、ステップS260では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、ステップS250で配置を行った後に、上記ステップS230で並び替えを行った味方ユニット13が残っているか否かを判定する。味方ユニット13が残っていない場合には(ステップS260:NO)、本フローを終了する。一方、味方ユニット13が残っている場合には(ステップS260:YES)、次のステップS270に移る。
ステップS270では、情報処理装置1は、再配置処理部57により、敵の陣地と隣接していない施設の各々に、残っている味方ユニット13を1ユニットずつ配置する。なお、上述のように上記ステップS240で敵の陣地に隣接している施設の配置枠に空きがないと判定された場合には(ステップS240:NO)、本ステップS270に直接移り、上記ステップS230で並び替えを行った味方ユニット13について同様の処理をする。以上により、本フローを終了する。
図21に上記ステップS260及びステップS270の処理内容の具体例を示す。なお、図21に示す内容は上述の図20に対応している。図20に示す例では、抽出リストにユニットC3,C1が残っている。したがって、図21に示すように、敵の陣地と隣接していない施設C及び施設Dの各々に、残っているユニットC3,C1が1ユニットずつ配置される。各施設に1ユニットずつ配置することで、各施設のユニット数(戦力)を均等化することができる。
なお、再配置態様は上記に限定されるものではない。例えば、上記とは反対にユニットC3を施設Dに、ユニットC1を施設Cに配置してもよい。また、ユニットの残数が3以上である場合には、施設Cと施設Dに戦力が高い順に交互に配置されるのが好ましい。
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
<9.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図22を用いて、上記で説明したCPU101が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置1のハードウェア構成の一例について説明する。
図22に示すように、情報処理装置1は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123等を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、記録装置117等に記録しておくことができる。
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の区画評価処理部21や選択肢表示処理部45、再配置処理部57等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
また、CPU101は、必要に応じて、例えば前述の操作部3や、マウス・キーボード・マイク・ゲームコントローラ等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
そして、CPU101は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示部5等の表示装置や音声出力装置を含む、出力装置115から出力してもよく、さらにCPU101は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
<10.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、ゲームフィールドGFに配置されたユニット13,15をゲームフィールドGFに設定された区画17単位で移動させるゲームの処理を行うゲームプログラムであって、情報処理装置1を、プレイヤにより操作される味方ユニット13の移動可能範囲35内に存在する複数の区画17のそれぞれに対し、所定の評価基準に基づいて評価を行う区画評価処理部21、区画評価処理部21の評価結果に基づいて、味方ユニット13の移動先として推奨する区画17を決定する区画決定処理部23、区画決定処理部23により決定された区画17に味方ユニット13を移動するか否かの選択を要求する選択要求処理部25、選択要求処理部25による要求に応じて移動することが選択された場合に、味方ユニット13を区画決定処理部23により決定された区画17に移動させるユニット移動処理部27、として機能させる。
これにより、プレイヤは推奨された区画17に移動することを選択する、という簡易な操作を行うだけで、味方ユニット13を例えば戦略上優位な区画に移動させることができる。したがって、プレイヤが子供である場合や、戦略シミュレーションに不慣れな初心者である場合でも、容易にゲームを進行することができ、ゲームを楽しむことができる。また、プレイヤは推奨された区画17を参照することで当該ゲームの攻略の仕方等を容易且つ効率的に学習できる。したがって、攻略本や攻略データ等が不要となると共に、プレイヤの上達を早める効果もある。
また、本実施形態では特に、ユニット移動処理部27は、選択要求処理部25による要求に応じて移動しないことが選択された場合に、プレイヤの入力により決定された区画17に味方ユニット13を移動させる。これにより、次の効果を得る。
すなわち、プレイヤがゲームを進めるうちに上達したり、元々戦略シミュレーションゲームに慣れた人である場合等には、味方ユニット13の移動先を自分で選択したい場合が考えられる。また、戦況やプレイヤの戦略等によっては、区画決定処理部23により決定された区画が必ずしも戦況に有利とはならない可能性もある。
そこで本実施形態では、プレイヤが選択要求処理部25による要求に応じて移動しないことを選択した場合には、プレイヤは自分の指示で味方ユニット13を任意の区画17に移動させることができる。これにより、プレイヤが自分で味方ユニット13を移動させたいというニーズに対応できる。また、例えば通常の場面ではゲームプログラムの推奨する移動に従いつつ、ボス戦等の重要な場面では自ら移動先を選択する、といったゲームプレイが可能となるので、利便性と戦略性を両立できる。
また、本実施形態では特に、区画評価処理部21は、複数の区画17のそれぞれに対し、味方ユニット13が当該区画17に移動した後に実行可能な行動に基づいて評価を行う。
本実施形態によれば、味方ユニット13の移動後の行動(こうげき、特技や魔法の発動、アイテムの使用等)も含めて評価されるので、より戦略的に区画17の推奨を行うことができる。また、移動先を評価する際にそこでの行動も併せて評価することにより、例えば区画17に移動した後にその区画17で実行可能な行動を評価する場合に比べて計算量を少なくできる。したがって、情報処理装置1(CPU101)の負担を軽減できる。
また、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置1を、ユニット移動処理部27により、味方ユニット13が区画決定処理部23により決定された区画17に移動された場合に、区画評価処理部21の評価結果に基づいて、味方ユニット13が実行可能な複数の行動の中から推奨する行動を提示する推奨行動提示処理部29、としてさらに機能させる。
これにより、ゲームの場面や戦況等に応じた好適な行動をプレイヤに提示することができる。したがって、プレイヤが子供である場合や、戦略シミュレーションに不慣れな初心者である場合でも、ゲームを容易に進めることができ、ゲームを楽しむことができる。
また、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置1を、選択要求処理部25による要求に応じて移動することが選択される際に操作される操作部3と同じ操作部3が操作された場合に、推奨行動提示処理部29により提示された行動の実行を決定する推奨行動決定処理部31、推奨行動決定処理部31により決定された行動を味方ユニット13に実行させる行動実行処理部33、としてさらに機能させる。
これにより、プレイヤは同じ操作部3を操作することによって、推奨された区画17への移動と、推奨された行動の実行を行うことができる。その結果、同じ操作部3の操作のみによってゲームを進行することができるので、プレイヤの利便性を大幅に向上できる。また、ゲームを容易化できるので、プレイヤが子供である場合に特に有効である。
また、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置1を、味方ユニット13が移動可能範囲35内において実行可能な行動に、予め定められた優先すべき行動が含まれるか否かを判定する優先行動判定処理部19、としてさらに機能させ、区画評価処理部21は、優先行動判定処理部19により優先すべき行動が含まれると判定された場合には区画17の評価を行わず、優先すべき行動が含まれないと判定された場合に複数の区画17のそれぞれに対して評価を行い、区画決定処理部23は、優先行動判定処理部19により優先すべき行動が含まれると判定された場合には、当該優先すべき行動を実行可能な区画17に決定する。これにより、次のような効果を得る。
すなわち、戦略シミュレーションゲームのプレイヤのターンにおいて、プレイヤが操作する味方ユニット13の行動により、例えば勝利条件を達成できたり、あるいは敗北条件を阻止できる場合等がある。このような場合には、ゲームの戦略上、無条件に上記行動を実行するのが好ましい。
そこで本実施形態では、味方ユニット13がこのような優先すべき行動を実行可能である場合、区画評価処理部21による区画17の評価を行わずに、区画決定処理部23により当該優先すべき行動を実行可能な区画17に決定する。これにより、プレイヤは味方ユニット13に無条件に上記行動を実行させることが可能となり、ゲームを戦略上優位に進めることができる。
また、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置1を、ゲームマップ上の複数箇所に配置され、各々に所定の数の味方ユニット13を配置可能な複数の施設A〜Dに、味方ユニット13を所定のルールにしたがって再配置する再配置処理部57、としてさらに機能させる。これにより、次のような効果を得る。
すなわち、戦略シミュレーションゲームでは、味方ユニット13と敵ユニット15とが互いに施設を奪い合うことにより、陣地を拡げていくことが行われる。
本実施形態によれば、プレイヤは例えばワンボタン操作等の極めて簡易な操作を行うだけで、味方ユニット13を例えば戦略上優位な拠点に再配置することができる。したがって、プレイヤの利便性を向上できると共に、プレイヤが例えば子供や戦略シミュレーションに不慣れな初心者である場合でも、容易にゲームを進行することができ、ゲームを楽しむことができる。
また、本実施形態では特に、再配置処理部57は、敵の陣地と隣接する施設A,Bに配置された味方ユニット13については移動しないように、複数の味方ユニット13を再配置する。これにより、次のような効果を得る。
すなわち、敵の陣地と隣接する施設A,Bには、プレイヤが自分の戦略や好み等に応じて独自の味方ユニット13(例えばエースとなるユニット)を配置していることが考えられるので、配置が変更されるのは好ましくない。そこで本実施形態では、上記施設A,Bに配置された味方ユニット13については移動しないように再配置を行うことで、プレイヤの戦略や好み等を妨げることなく、利便性を向上できる。
また、本実施形態では特に、再配置処理部57は、敵の陣地と隣接しない施設C,Dに配置された味方ユニット13を抽出し、敵の陣地と隣接する施設A,Bが所定の数に達していない場合には抽出した味方ユニット13を戦力が高い順に配置する。
これにより、戦略上の優先度が低い施設C,Dに配置された味方ユニット13を、戦力が高い者から順番に戦略上の優先度が高い施設A,Bに自動的に移動させることができる。したがって、敵の陣地と隣接する施設A,Bの戦力を高めることができる。
<11.変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。なお、以下の変形例において、上記実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。
例えば、図23に示すように、本発明のゲームプログラムを2以上の表示部を一体に備えた情報処理装置59に適用してもよい。本変形例の情報処理装置59は、前述の表示部5に加えて、表示部61をさらに備える。なお、表示部の数は2に限定されるものではなく、3以上でもよい。ゲーム実行中は、例えば表示部5,61の一方にゲーム進行画面が表示され、他方にマップ画面やメニュー画面等が表示される。
また例えば、図24に示すように、本発明のゲームプログラムを据え置き型の情報処理装置63に適用してもよい。情報処理装置63には、ゲームコントローラ等の入力装置65と、テレビ等の表示装置67が通信可能に接続されている。なお、図24には有線により接続された場合を図示しているが、無線により接続されてもよい。この場合にも、上記実施形態と同様の効果を得る。
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。