JP2018009171A - 高性能チーグラー・ナッタ触媒系、そのような担持触媒を製造するためのプロセスおよびその使用 - Google Patents

高性能チーグラー・ナッタ触媒系、そのような担持触媒を製造するためのプロセスおよびその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】オレフィン類の重合及び共重合のための非フタレートチーグラー・ナッタ触媒系を提供する。【解決手段】多孔性粒子状担体を炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物と組み合わせ懸濁液を形成し、有機マグネシウム化合物はハロゲン化され、その後アルコールを添加されて、次いで混合物はチタン化合物と反応させ、その後、ジエーテル化合物と反応させ固体触媒構成要素を形成する。その後、反応生成物はチタン化合物と炭化水素溶媒との混合物で抽出される。固体触媒構成要素は回収され、アルミニウム共触媒と組み合わされてオレフィンの重合のためのチーグラー・ナッタ触媒。特に、ジエーテル内部電子供与体を含む上記触媒系は約5.75から約9までの範囲の分子量分布(PI(GPC))を有するプロピレンポリマーの製造に適した活性と水素応答を有し得る担持チーグラー・ナッタ触媒。【選択図】なし

Description

本明細書に開示される態様は、概して向上したチーグラー・ナッタ触媒に関する。特に、本明細書における態様は、そのような触媒のオレフィン類のポリオレフィン類への重合における使用に関し、特にジエーテル化合物を内部供与体として用いてチーグラー・ナッタ触媒を作製するための向上した方法に関する。
チーグラー・ナッタ触媒は通常、MgCl2のような触媒担体材料および遷移金属構成要素からなる。遷移金属構成要素は典型的には置換第4〜8族遷移金属であり、チタン、ジルコニウム、クロムまたはバナジウムが一般的に用いられる。遷移金属はしばしば金属ハロゲン化物、例えばTiCl4として提供される。チーグラー・ナッタ触媒はオレフィン類の高収率重合を有効に促進するために用いられる。オレフィン類の重合において、上記触媒はしばしばアルミニウム共触媒との組み合わせで用いられる。
プロピレンの重合を触媒するために用いられる際、上記触媒において第3の構成要素を用いなければならない。第3の構成要素はポリマーの立体規則性を制御するために用いられる電子供与体である。それはその合成の間に上記触媒中に組み込むことができるか(内部供与体)、またはそれは重合反応の間に重合反応器に添加することができるか(外部供与体)のどちらかである。ほとんどの重合において、内部供与体および外部供与体の両方を用いることができる。様々な芳香族エステル、ジエーテル、スクシネート、アルコキシシランおよびヒンダードアミンが内部供与体として用いられてきた化合物の例である。
米国特許第5,162,465号、5,006,620号、6,524,995号、または6,831,032号には、チタン構成要素からなるチーグラー・ナッタ触媒系を用いたプロペンのポリマーの調製が開示されており、上記チタン構成要素は、微粉化した、形状付与シリカゲルに基づいており、チタンに加えて、マグネシウム、塩素、およびベンゼンカルボン酸またはフタレート誘導体を内部供与体として含有し、外部供与体として用いられるアルミニウム構成要素およびシラン構成要素を含有する。
様々なチーグラー・ナッタ触媒が開発されてきたが、オレフィン重合の重要性のため、向上した活性を有する触媒を開発する必要性が残っている。触媒の活性の向上はより高い生成物収率をもたらし、オレフィン重合反応に必要とされる触媒の量を低減し、それは触媒の費用およびポリマー中の触媒不純物の量を低減させ(低減した灰分)、より優れた性能プロファイルを有するポリマーをもたらす。
皮膚または食品と接触する可能性のあるポリマーの製造のためにフタレート含有チーグラー・ナッタ触媒を使用することに関連する健康、環境および安全性の懸念のため、新規のチーグラー・ナッタ触媒を開発するための第2の推進力は、現在広く用いられているフタレート含有チーグラー・ナッタ触媒と同一の、または少なくとも非常に類似した性能プロファイルを有するポリマーを製造する、非フタレート触媒バージョンを提供する必要性である。
内部供与体としてのフタレートに基づくチーグラー・ナッタ触媒に対する周知の代替物は、様々なマロネート、スクシネートまたはジエーテル化合物が用いられるバージョンである。残念ながら、そのような代替内部供与体の使用によっては完全に異なる性能プロファイルを有するポリマーがもたらされる。例および直接比較として、フタレートに基づくチーグラー・ナッタ触媒の使用は6.5〜8の範囲のGPC多分散性指数(PI(GPC))(分子量分布またはMw/Mnとも呼ばれる)をもたらし、特定のジエーテルを内部供与体として用いる場合、多分散性ははるかにより狭く(4.5〜5.5)、スクシネートを内部供与体として用いる場合、多分散性は10〜15である(Polypropylene Handbook, 第2版、編者: Nello Pasquini, Carl Hanser Verlag, Munich, 2005, 18ページ、表2.1ならびにP. Galli, G. Vecellio, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 42, 396-415 (2004), 404-405ページおよび表1)。
分子量分布はポリマーの最も重要な特性の1つである。このパラメーターを変えることにより、ポリマーの結晶構造および結晶化速度が劇的に影響を受け、それは特定のポリマーの特定の適用に関する変換可能性(convertability)および有用性への影響を有する。例として、シート、パイプ、フィルム、ラフィア(raffia)のような押し出し適用、または熱成型に関してはより広い分子量分布が好都合であり、一方で繊維または射出成形のような適用に関してはより狭い分子量分布が好都合であろう。フタレートに基づくチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたポリマーを処理するために用いられるように、変換者(converters)はそのような触媒により典型的に製造される分子量分布を要求し、フタレートを含まないチーグラー・ナッタ触媒が類似の分子量分布を実現させることを期待する。残念ながら、最先端技術のジエーテルに基づく触媒が実現させるポリマーは、分子量分布が狭すぎ、一方でスクシネートに基づく触媒が実現させるポリマーは、分子量分布があまりにも広すぎる。
米国特許第5,162,465号 米国特許第5,006,620号 米国特許第6,524,995号 米国特許第6,831,032号
Polypropylene Handbook, 第2版、編者: Nello Pasquini, Carl Hanser Verlag, Munich, 2005 P. Galli, G. Vecellio, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 42, 396-415 (2004)
本明細書に開示される態様は、以下で記載されるように、先行技術における上記の欠点を克服するオレフィン類の重合および共重合のための非フタレートチーグラー・ナッタ触媒系を提供し、チーグラー・ナッタ触媒の3つの必須の構成要素である担体、遷移金属構成要素、および内部供与体の独特の選択、組み合わせ、および処理によるチーグラー・ナッタ触媒系を提供する。得られるチーグラー・ナッタ触媒は異常に高い活性、優秀な水素応答、および立体選択性を有する一方で、分子量分布はフタレート含有チーグラー・ナッタ触媒と同等である。
1つの観点において、本明細書に開示される態様は、チーグラー・ナッタ触媒系での使用のための固体触媒構成要素を作製するための方法に関する。上記方法は以下の段階:
(a)不活性溶媒中の多孔性粒子状担体を炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物と組み合わせスラリー混合物を形成すること;(b)上記有機マグネシウム化合物をハロゲン化すること;(c)上記スラリー混合物をチタン化合物と反応させ、その後、上記スラリー混合物を少なくとも1種類のジエーテル化合物(内部供与体)と反応させること;(d)上記固体中間体をチタン化合物と炭化水素溶媒との混合物で抽出し、上記固体触媒構成要素を形成すること:および(e)上記固体触媒構成要素を回収することを含み得る。上記固体触媒構成要素はアルミニウム共触媒および外部供与体と組み合わされて、オレフィンの重合に有用なチーグラー・ナッタ触媒を提供することができる。
他の観点および利点は以下の記載および添付された特許請求の範囲から明らかであろう。
1つの観点において、本明細書に開示される態様は、オレフィン類の上記重合に有用なチーグラー・ナッタ触媒に関する。本明細書で提供されるチーグラー・ナッタ触媒系は、アルミニウム化合物、固体触媒構成要素、および好ましくは外部電子供与体を含む。上記固体触媒構成要素は、チタン化合物、少なくとも1種類のハロゲンを含有するマグネシウム構成要素、多孔性粒子状担体、および少なくとも1種類のジエーテル化合物を含む。上記固体触媒構成要素のマグネシウム構成要素は炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物から提供される。
本明細書における態様に従う触媒系の調製において、粒子状多孔性担体が用いられる。上記担体は、アルカ−1−エン類の重合と適合するチーグラー・ナッタ型触媒において一般的に用いられるあらゆるタイプの担体であることができる。上記担体は、上記ハロゲン化マグネシウム化合物を化学的、物理的または機械的に結合させる能力を有していなければならない。
約10から約1000m2/gまで、好ましくは約50から約700m2/gまで、より好ましくは約100m2/gから約600m2/gまでの範囲の比表面積を有する多孔性担体を用いることが好ましく、ここで、上記比表面積はDIN 66131に従って決定される。上記触媒担体は約5から約200μmまで、好ましくは約10から約100μmまで、より好ましくは約15から約70μmまでの範囲の平均粒径を有する。本明細書における平均粒径は、ASTM規格D 4464−00に従ってMalvern Mastersizer分析により決定されるような粒径分布の体積平均(中央値)を指す。
本明細書に記載される触媒系の固体触媒構成要素の調製において用いられる粒子状無機金属−酸素化合物は、顆粒状の(不規則な)または噴霧乾燥した(半球状、微小回転楕円体状の)性質のものであることができる。ヒュームドシリカも有用であり、それはその後の湿式化学処理において処理してより大きい粒子の凝集体を作り上げることができる。既知の粒子形成プロセスに由来する他の粒子状酸化物を用いることもできる。
本明細書における態様において有用な無機金属−酸素化合物には、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、周期表の第I族もしくは第II族からの金属、またはこれらの酸化物の混合物もしくは化学的組み合わせが含まれる。好ましい金属−酸素化合物の例としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、リン酸アルミニウム、酸化マグネシウムまたは層状シリケートが挙げられる。特に好ましいのは酸化ケイ素(シリカゲル)の使用である。また、混合酸化物、例えばケイ酸アルミニウムまたはケイ酸マグネシウムを用いることができる。
触媒構成要素において担体として用いられる粒子状無機金属−酸素化合物は一般に約0.1cm3/gから約10cm3/gまで、好ましくは約1.0cm3/gから約4.0cm3/gまでの細孔容積を有し、これらの値はDIN 66133に従う水銀圧入ポロシメトリーおよびDIN 66131に従う窒素吸着により決定される。
本明細書に記載される触媒系の固体触媒構成要素の調製において用いられる粒子状無機金属−酸素化合物のpH値(すなわちプロトン濃度の負対数)は、用いられる製造プロセスに応じて異なっていてよい。好ましくは、PH値は約3.0から約9.0まで、より好ましくは約5.0から約7.0までの範囲である。pH値はS. R. Morrison, The Chemical Physics of Surfaces, Plenum Press, New York [1977]、ページ130 ffにおいて記載されている方法を用いて決定される。
無機金属−酸素化合物はしばしばその表面上にヒドロキシル基およびその細孔中に残留水を含有する。それぞれ水の開裂またはSi−−OH基の縮合により、ヒドロキシル基含有量を低減することができ、または完全に除去することさえできる。これは熱または化学処理により実施することができる。一般に、熱処理には金属−酸素化合物を約150℃から約900℃まで、好ましくは約600℃から約800℃までの温度で約1〜約24時間、好ましくは約2〜約20時間、より好ましくは約3〜約12時間加熱することが含まれる。化学的手段によるヒドロキシル基の除去は、その材料を通常の乾燥剤、例えばSiCl4、クロロシラン類およびアルミニウムアルキルを用いて処理することにより実施することができる。好ましくは、用いられる無機酸化物は、通常は約0.1重量%から約5重量%までの物理的に吸着された水をヒドロキシル形態で結合した水に加えて含有している。通常、含水量は無機酸化物を160℃および常圧において一定重量まで乾燥させることにより決定される。重量の喪失は、最初に物理的に吸着していた含水量と一致する。
本質的にメソおよびマクロ細孔、空洞および流路を示す噴霧乾燥シリカグレードは、顆粒状シリカグレードよりも好ましい。
固体触媒構成要素の調製において、粒子状多孔性触媒担体に少なくとも1種類の下記で記載されるような炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物を含浸させる。本明細書において、用語“炭化水素可溶性”は、有機マグネシウム化合物が周囲温度において脂肪族または芳香族炭化水素溶媒中で少なくとも約5重量%の量で溶解することを意味する。典型的な脂肪族または芳香族炭化水素溶媒は、C5〜C20炭化水素またはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンまたはエチルベンゼン等の炭化水素の混合物である。
その有機マグネシウム化合物はハロゲン無含有であることができ、あるいは例えばグリニャール化合物のようにハロゲンを含有していることもできる。ハロゲン無含有有機マグネシウム化合物が用いられる場合、その固体触媒構成要素の調製のさらなる過程の間に、ハロゲン無含有有機マグネシウム化合物を既知のハロゲン化手段を用いることにより(例えばハロゲン化剤、例えばHClガスと接触させることにより)少なくとも1個のハロゲンを含有するマグネシウムの化合物に変換する。本明細書において、用語“ハロゲン”は、塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素または2種類以上のハロゲンの混合物を指す。好ましくは、少なくとも1個のハロゲンを含有するマグネシウムの化合物は、塩素または臭素、最も好ましくは塩素、を含有する。
適切な有機マグネシウム化合物の例としては、ジアルキル、ジアリールおよびアルキルアリールマグネシウム化合物、マグネシウムアルコキシもしくはマグネシウムアリールオキシ化合物またはグリニャール化合物が挙げられる。
適切なハロゲン無含有有機マグネシウム化合物の例としては、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジ−イソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、n−ブチル−sec−ブチルマグネシウム、n−ブチルオクチルマグネシウム、およびジフェニルマグネシウムが挙げられる。これらの中で、n−ブチルエチルマグネシウムおよびn−ブチルオクチルマグネシウムが好ましい。ハロゲン含有有機マグネシウムグリニャール化合物の例としては、n−ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、アミルマグネシウムクロリド、イソアミルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、オクチルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、およびフェニルマグネシウムブロミドが挙げられる。
固体触媒構成要素の調製において特に好ましい有機マグネシウム化合物は、マグネシウム ジ−(C2−C10−アルキル)化合物である。
適切なハロゲン化剤には、それらの元素状態でのハロゲン、ハロゲン化水素(例えば、HCl、HBr、HI)、SiCl4またはCCl4が含まれる。特に好ましいのは塩素または塩化水素である。
固体触媒構成要素はさらにチタン化合物を含む。固体触媒構成要素の調製において有用なチタン化合物には、3または4価のチタンのハロゲン化物が含まれる。チタンアルコキシハロゲン化物化合物および2種類以上のチタン化合物の混合物も意図されている。好ましいチタン化合物にはハロゲンが塩素であるチタン化合物が含まれ、特に四塩化チタンが好ましい。
本明細書における態様において有用な適切なジエーテル内部供与体化合物は、一般構造(I)により表すことができ:
1O−(CR56n−CR34−(CR78m−OR2 (I)
式中、R1およびR2は同じまたは異なっており、1から約20炭素原子までの飽和もしくは不飽和の脂肪族基または6から約20炭素原子までのアリール基からなる群から選択され、
n+m=2〜4であり、
3、R4、R5、R6、R7およびR8は同一または異なっており、それぞれ水素原子、直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約20炭素原子までのアルキル基、2から約20炭素原子までのアルケニル基、6から約20炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、Si、B、Al、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、および/またはF、ClまたはBrのようなハロゲン原子を含有していてもよく、および/または2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよい。R3および/またはR4は水素とは異なる。
本明細書における態様において有用な好ましいジエーテル内部供与体化合物は、構造(II)により表される1,3−ジエーテル化合物であってもよく:
1O−CH2−CR34−CH2−OR2 (II)
式中、R1およびR2は同じまたは異なっており、1から約20炭素原子までの飽和または不飽和の脂肪族基、より好ましくは1から約10炭素原子までのアルキル基、さらにより好ましくは1から4炭素原子までのアルキル基、理想的にはメチルまたはエチル基、最も理想的にはメチル基からなる群から選択され、R3およびR4は同一または異なっており、それぞれ直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約20炭素原子までのアルキル基、2から約20炭素原子までのアルケニル基、6から約20炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、Si、B、Al、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、および/またはF、ClまたはBrのようなハロゲン原子を含有していてもよく、および/または2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよい。
より好ましくは、本明細書における態様において有用なジエーテル内部供与体化合物は構造(III)により表される1,3−ジエーテル化合物であることができ:
1O−CH2−CR34−CH2−OR2 (III)
式中、R1およびR2は同一であり、1から約10炭素原子までのアルキル基、さらにより好ましくは1から4炭素原子までのアルキル基、理想的にはメチルまたはエチル基、最も理想的にはメチル基からなる群から選択され、R3およびR4は同一または異なっており、それぞれ直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約10炭素原子までのアルキル基、2から約10炭素原子までのアルケニル基、6から約10炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、および/または2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよく、それはSi、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよい。
好ましいジエーテル電子供与体化合物の例としては:2,2 ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2 ジ−(シクロペンチルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−ノルボルニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニルメチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−secブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(メチルブチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルブタ−2−イル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−2−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−3−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(4−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(4−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;および対応する1,3−ジエトキシプロパン類似体が挙げられる。
適切なジエーテル内部供与体化合物のさらなる群には以下の化合物が含まれる:9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−テトラメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,8−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2−メチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4−メチルフルオレン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジメトキシアントラセン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジエトキシアントラセン;9,9−ジメトキシキサンテン;9,9−ジエトキシキサンテン;および対応する9,9−ビス(エトキシメチル)類似体。
好ましくは、上記ジエーテル電子供与体は、2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパンもしくは対応する1,3−ジエトキシプロパン類似体または9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンまたは9,9−ビス(エトキシメチル)フルオレンのような化合物である。
また、2種類以上のジエーテル内部電子供与体化合物の混合物を本明細書における態様に従う固体触媒構成要素の調製において用いることができる。
粒子状固体構成要素の調製において用いられる際、ジエーテル供与体化合物はハロゲン化マグネシウム化合物のそれぞれのモルに関して約0.01から約2モルまで、好ましくは約0.05から約0.9モルまで、より好ましくは約0.1から約0.6モルまでの量で用いることができる。
触媒系:
本明細書に記載される触媒系にはさらに、固体触媒構成要素に加えて少なくとも1種類のアルミニウム化合物が共触媒として含まれる。アルミニウム化合物に加えて、本明細書に記載される触媒系には少なくとも1種類の外部電子供与体化合物が含まれる。
適切なアルミニウム化合物の例にはアルミニウムトリアルキル類およびその誘導体が含まれ、ここでアルキル基はアルコキシ基またはハロゲン原子、例えば塩素または臭素原子により置換されている。アルキル基は同じであってもまたは異なっていてもよい。アルキル基は直鎖状または分枝鎖のアルキル基であることができる。好ましいトリアルキルアルミニウム化合物は、アルキル基がそれぞれ1〜8個の炭素原子を有するトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムまたはメチルジエチルアルミニウムである。
本明細書における触媒系において用いることができる外部電子供与体化合物の例には、モノ−およびポリ−官能性カルボン酸、カルボン酸無水物およびカルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ならびに有機リンおよびケイ素化合物が含まれる。また、2種類以上の外部電子供与体化合物の混合物を用いることができる。固体触媒構成要素の調製において用いられる外部電子供与体化合物および内部電子供与体化合物は、同じであってもまたは異なっていてもよい。好ましい外部電子供与体化合物は、一般式(IV)の有機ケイ素化合物であり:
9 nSi(OR104-n (IV)
式中、同じであってもまたは異なっていてもよいR9ラジカルのそれぞれはC1〜C20アルキル基、場合によりC1〜C10アルキルで置換されている5〜7員環状アルキル基、C6〜C18アリール基またはC6〜C18アリールアルキルもしくはアルキルアリール基を表し、R10ラジカルは同じであってもまたは異なっていてもよく、C1〜C20アルキル基であり、nは整数1、2または3である。
式(IV)の好ましい化合物は、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジ(tert−ブチル)ジメトキシシラン、イソブチル(イソプロピル)ジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、イソプロピル(tert−ブチル)ジメトキシシラン、イソプロピル(sec−ブチル)ジメトキシシラン、イソブチル(sec−ブチル)ジメトキシシラン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル ジメトキシ−(メチル)シラン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル トリメトキシシラン、およびジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ジメトキシシランである。
固体触媒化合物の調製
本明細書に記載される触媒系の固体触媒構成要素は、以下の段階を適用することにより製造し得る:
a)粒子状多孔性担体、例えばシリカのような無機酸化物を不活性溶媒、好ましくは、液体アルカンまたは芳香族炭化水素溶媒(例えば、ヘプタン、トルエン、またはエチルベンゼン)に懸濁させ、形成されたスラリーを ジアルキルマグネシウムのような炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物の溶液(すなわち、ヘプタンのような炭化水素溶媒中)で処理し、次いで、形成された混合物を約10℃から約120℃の温度で約0.5から約5時間、典型的には撹拌しながら反応させる。
b)ハロゲン化試薬、好ましくは塩素または塩化ハロゲンを、上記有機マグネシウム化合物に基づき少なくとも2倍モル過剰量、好ましくは少なくとも5倍モル過剰量で撹拌下添加し、約0.5〜約3時間反応させ、その後、上記有機マグネシウム化合物の各モルに対して、1から5モル、好ましくは約1.6から4モル、より好ましくは約1.5から3.5モルの、エタノールのようなC1−C8アルカノールを、約−20℃と約150℃との間の温度で加え、好ましくは0.5から1時間の期間反応させる。
c)四塩化チタンなどのチタン化合物、および、約0.1から0.5時間後、ジエーテル内部電子供与体化合物または少なくとも2つのジエーテル内部供与体化合物の混合物を加える。上記チタン化合物は上記マグネシウム化合物の各モルに対して1から15モル、好ましくは2から10モルの量で用いられ、上記ジエーテル内部電子供与体化合物または少なくとも2つのジエーテル内部電子供与体化合物の混合物は上記マグネシウム化合物の各モルに対して0.01から1モル、好ましくは0.1から0.6モルの量で添加される。得られる混合物を、一般的には撹拌下、0.5から3時間の間、約10℃から150℃、好ましくは約60℃から140℃の範囲の温度で反応させる。得られる固体生成物を次いで濾過により回収し、C1−C10アルキルまたはアルキルアリール溶媒、好ましくはヘプタンまたはエチルベンゼンで洗浄する。
d)得られる固体生成物を、少なくとも5重量%の四塩化チタンを含有する、不活性溶媒、好ましくはC7−C10アルキルベンゼン、例えばトルオール、キシロールまたはエチルベンゼンの、四塩化チタン溶液の過剰量で抽出する。一般的には、抽出は少なくとも約30分間、好ましくは1から5時間、より好ましくは1.5から4時間の間継続される。
e)濾過し、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタンのような炭化水素を用いて数回洗浄し、次いで真空下で、および/または30〜100℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜80℃の高温の下で、乾燥させること。
固体触媒構成要素は、好ましくは約1000から1,より好ましくは約100から2、および最も好ましくは50から2の範囲の、チタンの化合物に対する無機化合物酸化物のモル比を有する。
固体触媒構成要素は、最も好ましくは、以下の段階を適用することにより製造される:
a)粒子状多孔性シリカ担体をヘプタンおよびエチルベンゼンの混合物に懸濁させ、形成されたスラリーを、ジアルキルマグネシウムのヘプタン溶液で処理し、次いで、形成された混合物を約10℃から約120℃の温度で約0.5から約5時間、撹拌しながら反応させる;
b)塩化ハロゲンを、ジアルキルマグネシウム化合物に基づき好ましくは少なくとも5倍モル過剰量で撹拌下添加し、約0.5〜約2.5時間反応させ、その後、上記ジアルキルマグネシウム化合物の各モルに対して、約1.5から3.5モルの、エタノールのようなC1−C8アルカノールを、約10℃と約100℃との間の温度で加え、0.5から1時間の期間反応させる;
c)四塩化チタン、および、約0.1から0.5時間後、ジエーテル内部電子供与体化合物または少なくとも2つのジエーテル内部供与体化合物の混合物を加える。四塩化チタンは上記マグネシウム化合物の各モルに対して2から10モルの量で用いられ、上記ジエーテル内部電子供与体化合物または少なくとも2つのジエーテル内部電子供与体化合物の混合物は上記マグネシウム化合物の各モルに対して0.1から0.6モルの量で添加される。得られる混合物を、一般的には撹拌下、0.5から3時間の間、約60℃から140℃の範囲の温度で反応させる。得られる固体生成物を次いで濾過により回収し、エチルベンゼンで洗浄する。
d)得られる固体生成物を、少なくとも5重量%の四塩化チタンを含有する、キシロールまたはエチルベンゼンの、四塩化チタン溶液の過剰量で抽出する。一般的には、抽出は1.5から4時間、継続される;
e)濾過し、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタンのような炭化水素を用いて数回洗浄し、次いで真空下で、および/または50〜80℃の高温下で、乾燥させること。
固体触媒構成要素は、50から2の範囲の、四塩化チタンに対する粒子状多孔性シリカ担体のモル比を有する。
触媒系の調製
本明細書に記載される触媒系を調製するため、共触媒としてのアルミニウム化合物および/または外部電子供与体化合物を固体触媒構成要素とあらゆる順序で別々に、または一緒に混合して、通常は約0℃から200℃まで、好ましくは約20℃から約90℃までの範囲の温度で、そして約1から約100barまで、特に約1から約40barまでの圧力で接触させることができる。
好ましくは、アルミニウム化合物共触媒は、アルミニウム化合物の固体触媒構成要素の遷移金属に対する原子比率が約10:1から約800:1まで、特に約20:1から約200:1までであるような量で添加される。
重合
本明細書に記載される触媒系は、好都合にはアルカ−1−エン類の重合において用いられる。適切なアルカ−1−エンには、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C10アルケン、特に直鎖状C2〜C10アルカ−1−エン類、例えばエチレン、プロピレン、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、ヘプタ−1−エン、オクタ−1−エン、ノナ−1−エン、デカ−1−エンまたは4−メチルペンタ−1−エンが含まれる。これらのアルカ−1−エンの混合物も重合させることができる。
固体触媒構成要素ならびに共触媒としてアルミニウム化合物またはアルミニウム化合物および好ましくは外部電子供与体化合物が含まれる本明細書に記載される触媒系は、プロピレンポリマー(プロピレンのホモポリマーならびにプロピレンおよび10炭素原子までを有する1種類以上のさらなるアルカ−1−エンのコポリマーの両方)の製造における使用のための優秀な触媒系である。本明細書で用いられる際のコポリマーという用語は、10炭素原子までを有するさらなるアルカ−1−エンがランダムに組み込まれているコポリマーも指す。これらのコポリマーにおいて一般にコモノマーの含有量は約15重量%未満である。コポリマーはいわゆるブロックまたはインパクトコポリマーの形態であることもでき、それは一般に少なくともプロピレンホモポリマーまたは15重量%未満の10炭素原子までを有するさらなるアルカ−1−エンを含有するプロピレンランダムコポリマーのマトリックスおよび15重量%〜80重量%の10炭素原子までを有するさらなるアルカ−1−エンを含有するプロピレンコポリマーの軟質相(ゴム相)を含む。また、コモノマーの混合物が意図されており、それによって、例えばプロピレンのターポリマーがもたらされる。
プロピレンポリマーの製造は、アルカ−1−エン類の重合に適したあらゆる一般的な反応器中で、バッチ式か、または好ましくは連続的に、すなわち、溶液中で、液体モノマーにおけるバルク重合が含まれる懸濁重合として、またはガス相重合として、のいずれかで実施することができる。適切な反応器の例としては、連続撹拌反応器、ループ反応器、流動床反応器、および水平または垂直撹拌粉体床反応器が挙げられる。重合は一連の連続的に連結された反応器中で実施することができることは理解されるであろう。反応時間は選択された反応条件に依存する。一般に、反応時間は約0.2から約20時間まで、通常は約0.5から約10時間まで、最も好ましくは0.5〜2時間までである。
一般に、重合は約20℃から約150℃まで、好ましくは約50℃から約120℃まで、より好ましくは約60℃から約95℃までの範囲の温度で、約1から100バールまで、好ましくは約15から約50barまで、より好ましくは約20から約45barまでの範囲の圧力で実施される。
得られるポリマーの分子量は、重合の技術分野において一般的に用いられるようなポリマー鎖移動または終結剤、例えば水素を添加することにより広い範囲にわたって制御および調節することができる。加えて、不活性溶媒、例えばトルエンもしくはヘキサン、または不活性ガス、例えば窒素もしくはアルゴン、およびより少ない量の粉末状ポリマー、例えばポリプロピレン粉末を添加することができる。
本明細書に記載される触媒系を用いることにより製造されるプロピレンポリマーの重量平均分子量は約10,000から2,000,000g/モルまでの範囲内であり、メルトフローレートは約0.01から2000g/10分まで、好ましくは約0.1から100g/10分までの範囲内である。上記メルトフローレートは、ISO 1133に従う試験機器から230℃の温度において2.16kgの負荷の下で10分以内に押される(pressed)量に対応する。特定の適用は上記で言及した分子量と異なる分子量を必要とする可能性があり、それは本明細書における態様の範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書に記載される触媒系は、先行技術の触媒系と比較した場合に優れた形態および高い容積密度を有するポリマーを製造するアルカ−1−エンの重合を可能にする。加えて、上記触媒系は生産性の劇的な増大を示し得る。
本明細書における態様に従うジエーテル内部供与体を用いる触媒系を用いて、ジエーテル類が内部供与体として含まれる先行技術の触媒により達成される分子量分布よりも大きい分子量分布を有するプロピレンポリマーを製造することができる。例えば、本明細書に記載される触媒を用いて、一部の態様において約5.75より大きい;他の態様において6より大きい;さらに他の態様において6.25または6.5より大きい;一部の態様において約5.75から約9.5までの範囲の;他の態様において約6から約9までの範囲の;そしてさらに他の態様において約6.5から約8までの範囲の分子量分布(PI(GPC))を有するプロピレンポリマーを製造することができる。
分子量分布(PI(GPC))のような分子量特性は、屈折計およびトリプルキャピラリーオンライン粘度計(Waters Corporation)を備えた、3個の混床式カラム(Agilent/Polymer Labs PLgel 10μm Mixed−B)およびガードカラム(Agilent/Polymer Labs PL gel 10μm)の組み合わせを有するAlliance/GPCV2000機器を用いて145℃において測定することができる。1.7mg/mlの濃度を有するポリマー溶液を(800ppm 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールで安定化した)1,2−ジクロロベンゼン中で、ポリマー試料を160℃で2時間加熱することにより調製する。注入体積は300μlであり、溶媒流速は0.5ml/分である。上記機器は10種類のポリスチレン標準物質(PSSによるReadyCalキット)を用いて較正される。データ取得および処理はWaters Milleniumソフトウェアおよび普遍較正曲線を用いて行われる。
それらの優れた機械的特性により、本明細書に開示される触媒系を用いることにより得ることができるポリマーおよび特にプロピレンホモポリマーまたはプロピレンの10個までのC原子を有する1種類以上のさらなるアルカ−1−エンとのコポリマーは、フィルム、繊維または成型物の製造のために、特にフィルムの製造のために好都合に用いることができる。
触媒合成
本発明の固体触媒構成要素(触媒)のいくつかのサンプルを製造して試験した。例示の態様の以下の記載は本明細書の範囲を限定することを一切意図していない。
触媒構成要素を、60ミクロンの粒径(d50)を有する回転楕円体状のシリカゲル(SiO2)を用いて作製した。シリカゲルは、505m2/gの比表面積、1.8cm3/gの細孔容積、5.5のpH、および2.1重量%の水分量を有していた。シリカゲルをn−ブチルエチルマグネシウムのn−ヘプタンおよびエチルベンゼンの混合物(ヘプタン量:33%)の溶液にSiO2のモルあたり0.5モルの上記マグネシウム化合物を用いて加えた。上記混合物を30分間95℃で撹拌し、次いで20℃に冷却し、その後、上記有機マグネシウム化合物に基づき10倍のモル量の塩化水素を透過させた。90分後、反応生成物をマグネシウム1モルあたり2.5モルのエタノールと継続的に撹拌しながら混合した。この混合物を80℃で0.5時間撹拌し、その後冷却した。室温で、四塩化チタンを添加した。用いるMg/Tiのモル比はそれぞれの触媒について提供する。Mg/Tiのモル比は、1:15と1:1との間、好ましくは、1:10と1:2との間である。
最初の装填の実際の量はそれぞれの触媒調製運転でわずかに異なるが、別途記さない限り最初の装填は10gのSiO2担体の使用に基づいていた。TiCl4を添加した後、温度を55℃まで上げた。次いで、内部供与体(ID)、例えばジエーテルまたはD−i−BP(フタル酸ジ−i−ブチル)を添加した。内部供与体(ID)のMgに対するモル比はそれぞれの触媒に関して提供された。ID/Mgのモル比は約0.01から約1モルまで、好ましくは約0.1から約0.6モルまでの範囲である。
別途言及しない限り、懸濁液を105℃まで直接加熱し、そこで1.5時間保った。その後反応器の内容物をソックスレー抽出装置に移し、まだ熱い間に濾過し、次いでエチルベンゼンで洗浄した。次いで、プレ触媒をエチルベンゼンおよびTiCl4の90/10体積混合物でこの混合物の沸騰温度においておおよそ2時間ソックスレー抽出した。抽出後、上記触媒を100mlのヘプタンで3回洗浄し、2時間真空乾燥させたが、そのことによって、触媒構成要素および比較触媒に関して2重量%未満の残留溶媒含有量が得られる。
1つ以上のパラメーターをそれぞれの触媒構成要素の調製について変更した。用いたパラメーターおよび上記手順からのあらゆる変更を以下に記す:
触媒構成要素1:Mg/Tiのモル比は1:6であった。内部供与体として2−イソプロピル−2−イソペンチル−ジメトキシプロパンを0.55のID/Mg比にて添加した。
触媒構成要素2:Mg/Tiのモル比は1:6であった。内部供与体として2,2−ジイソブチル−ジメトキシプロパンを0.55のID/Mg比にて添加した。
触媒構成要素3:Mg/Tiのモル比は1:6であった。内部供与体として9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを0.55のID/Mg比にて添加した。
触媒構成要素4:Mg/Tiのモル比は1:12であり、一方、5gのSiO2を添加した。内部供与体として9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンを0.33のID/Mg比にて添加した。
フタレートを内部供与体(ID)として用いる非発明(non−Inventive)触媒の合成
比較触媒A:Mg/Tiのモル比は1:6であった。内部供与体としてジ−イソ−ブチル−フタレートを0.45のID/Mg比にて添加した。
比較触媒B:Mg/Tiのモル比は1:6であった。内部供与体としてジ−イソ−ブチル−フタレートを0.55のID/Mg比にて添加した。
上記触媒構成要素の重量百分率によるチタン、マグネシウムおよびケイ素含有量を表1において要約する。比較例は表の下部にある。
重合試験
比較例のフタレートに基づく触媒と比較した上記触媒構成要素および触媒系の性能を、バルク重合およびガス相重合条件の両方の下で試験した。
別途言及しない場合、バルク重合試験は、螺旋状撹拌機を備えた5リットル反応器、1800グラムのプロピレン、場合により2.0mlの外部電子供与体化合物、9.0mlの1.3Mトリエチルアルミニウム(TEAl)、および0.5グラムの水素を用いて実施され、反応器に25℃において以下の順序で添加した:水素の添加後に、TEAlおよび場合によりシランを予め混合し、次いで反応器中に900グラムのプロピレンを用いて流し込んだ。添加した最後の構成要素はおおよそ0.01グラムの触媒であり、残りの900グラムのプロピレンを用いた。200rpmでの一定の撹拌の下で、次いで反応器を70℃まで急速に、通常は10分以内に加熱し、重合運転を懸濁媒体としての液体プロピレン中で1時間進行させた。
バルク重合のために用いられたものと同じベンチ規模の反応器を、ガス相重合のために用いた。別途言及しない場合、ガス相条件下で添加の順序は同じであったが、プロピレンの装填のサイズをおおよそ180グラムに低減し、一方で2.5mlのTEAl、場合により外部供与体化合物および0.1gの水素を添加した。触媒を40℃で注入し、反応器を75℃に10分間にわたって加熱するようにプログラムした。ガス相条件を上記プロピレンの上記系中への導入を制御することにより維持した。上記システムが最終温度まで加熱された際に、プロピレンを、反応容器中の圧力がプロピレンが常にガス相中にあるような圧力であることを確実にするような速度で添加した。ガス相条件を保証するため、反応器の圧力を75℃において26.7barで維持し、ガス状のプロピレンを必要に応じて質量流量計を通して添加した。
外部供与体化合物として、シクロヘキシル−(メチル)−ジメトキシシランを用いた;以下Cにより示す。重合のため、外部供与体をヘプタンで希釈し、0.1M溶液を得た。
様々な触媒構成要素および/または触媒系を用いて製造されたポリプロピレンポリマーの物理的特性を、以下で記載する試験を用いて決定した。
活性。 この研究全体を通して報告された活性の結果は、1時間の重合について、キログラムでのポリマー収量を反応器に装填された触媒構成要素のグラムでの重量で割ったものに基づいている。
キシレン可溶分(重量%XS)。 キシレン可溶分を、当該産業において周知であるViscotekのフローインジェクターポリマー分析(FIPA)技法を用いて測定した。Viscotekは“FIPA for xylene soluble determination of polypropylene and impact copolymers"と題された論文(Viscotekのウェブサイト、http://www.viscotek.com/applications.aspxから取り寄せることができる)を公開しており、これはViscotekのFIPA法が0.3%〜20%のキシレン可溶分の範囲にわたってASTM法D5492−06(ISO 16152と同等)と0.994 r2の相関を示すことを示している。従って、当業者はViscotekのFIPA法またはASTM法D5492−06のどちらかを用いて本発明の結果を再現し得る。ポリプロピレン中のキシレン可溶分の重量パーセントは、触媒構成要素または触媒系の立体規則能力(stereoregulating ability)の指標であり−重量%XSがより高いほど、触媒の立体特異性はより低い。より高いXS値がBOPPフィルム製造プロセスのような適用に関して必要とされるが、射出成型のような適用に関しては低いXS値が価値がある。
メルトフローレート(MFR)測定。 メルトフローレートの効果をASTM法D1238−04を用いて測定した。それぞれの5グラムのポリマーの試料に関して、0.2グラムの標準安定化パッケージを添加した。添加剤パッケージは50重量%のIrganox 1010および50重量%のIrgafos 168からなる。ポリマーは試験の間230℃で数分間空気に晒されるため、このパッケージを添加してポリマーの熱分解および酸化分解を抑制する。メルトフローレートはポリマーの分子量および触媒の水素応答に関する情報を提供する。MFRがより高いほど、ポリオレフィンを製造する触媒の水素応答率がより高い。同様に、MFRがより高いほど、ポリマーの分子量はより低い。
分子量分布(MWD)。 多分散性指数(PI)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)および/または動的せん断試験、いわゆる動的振動速度掃引(Dynamic Oscillatory Rate Sweep)(DORS)を用いる流体力学的方法により決定することができる。DORSにより得られるPIはGPCにより得られるPIよりも低いことが当該技術分野において周知である。
IR−4赤外検出器を有する高温ゲル浸透クロマトグラフ(GPC−IR、PolymerChar(バレンシア、パテルナ46980、スペイン))に3個のPolymer Laboratories PLgel 10μm Mixed−BLSカラムを取り付けた。上記機器を150℃および1.0cm3/分の流速において1,2 ジクロロベンゼンで運転した。上記カラムセットの分離効率は、分析されている試料の予想Mw範囲を反映する一連の狭いMWDポリスチレン標準および上記カラムセットの排除限界を用いて較正される。ピーク分子量(Mp)が376〜9,290,000の範囲の14種類の別個のポリスチレン標準を用いて較正曲線を生成した。平均分子量および多分散性指数をISO 16014に従って決定した。
動的振動速度掃引(DORS)試験のために、圧縮成型したディスクの形態の試料を平行プレート対プレート幾何配置の間に装填する。測定は、T=210℃において0.1〜400rad/sの周波数範囲で実施された。多分散性指数(PI)は以下のようにクロスオーバー弾性率(crossover modulus)から計算された:
PI=105Pa/Gc
ここで、Gc=動的貯蔵弾性率(G’)=上記クロスオーバー周波数における動的損失弾性率(G”)である。
重合試験に基づく触媒構成要素の活性
表2および3はそれぞれ上述の本発明の触媒構成要素を用いて得られたバルクおよびガス相重合の結果を要約している。シランCの外部電子供与体化合物(ED)としての使用を縦列3において示す。比較例は表の下部にある。
表2および3における結果は、本発明の例示のジエーテルに基づく触媒構成要素が、重合プロセスにおける外部電子供与体化合物としてのシランなしで比較触媒Aよりも有意に高い活性および立体選択性を示し、一方で多分散性指数(PI)は意外にも全ての触媒に関して同等であることを明確に示している。
フタレートを含有する触媒、例えば比較触媒Aによる高い立体選択性は、外部電子供与体化合物の存在下でのみ得ることができる。XS値の低下と同時に、活性が著しく増大する(比較例2対3)。フタレートに基づく触媒およびシラン系と比較して、ジエーテル構成要素を内部供与体として含有する触媒は、優秀な水素応答と共に広いXS範囲にわたってより高い活性を示す。表2および表3参照。例えば、バルク重合条件下では触媒構成要素1は一切の立体調節剤なしで35.3kg/gcatの活性を示し、比較触媒Aはシランの存在下で22.6kg/gcatの活性を示し、一方で両方のホモポリマーのXSおよびPI値は同等である(実施例1および比較例1参照)。
本発明の触媒の立体選択性は、様々な合成パラメーターにより調節することができる。1つは合成のために用いられる内部供与体としてのジエーテル構成要素の量であり、例示的に触媒構成要素3および4により示されている(実施例3および4または8および9参照)。ここで、合成の間のより高いID/Mg比で、立体選択性が増大し、ポリマーにおけるより低いXS値がもたらされる(表2および3参照)。
シランの存在下での比較触媒AおよびBと対比して、ジエーテルに基づく触媒の活性は低下する(例えば、実施例5対実施例6)。驚くべきことに、シランの存在は得られるポリマーの多分散性指数に影響を及ぼさず、それは当業者に予想されていない。逆に、PIは以下の順序で減少することが予想されるであろう:フタレート構成要素およびシランを含有する触媒系>ジエーテル構成要素を含有する触媒>ジエーテル構成要素およびシランを含有する触媒系(Polypropylene Handbook、第2版、編者: Nello Pasquini, Carl Hanser Verlag, Munich, 2005, 18ページ、表2.1ならびにP. Galli, G. Vecellio, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 42, 396-415 (2004)、404〜405ページおよび表1)。
重合条件、例えばバルクもしくはガス相重合またはシランを用いるか否かとは無関係に、本発明に従って合成されたジエーテルに基づく触媒を用いて製造されたPPの多分散性指数はフタレートを含有する比較触媒を用いて製造されたPPと同等である(表2および3参照)。ジエーテル構成要素を内部供与体として用いた全ての発明例(実施例1〜9)のDORSにより得られた平均PIは4.1であり、フタレートを内部供与体として用いた比較例(比較例1〜4)の平均PI(4.0)と一致する。
動的せん断試験(DORS)に加えて、多分散性指数をGPCにより決定した。表4は両方の方法により得られたこれらのPIを要約する。
両方の方法に関して、多分散性指数を得ることができる。表4はDORSにより決定されたPIがGPCにより決定されたPIより低いことを示しており、それは当該技術分野において周知である。
フタレートを含有する比較触媒系の得られたPI(GPC)値は予想される範囲内であった。予想とは、および文献における合意とは、全く逆に、本発明に従って製造されたジエーテルに基づく触媒系を用いて得られるポリプロピレンのPI(GPC)値はフタレートに基づく触媒系を用いて得られるPPと同じ範囲内である(比較例3および4対実施例2、5、6および9)。当業者は、ジエーテルに基づく触媒系に関して5〜5.5の間の値を予想すると考えられ、一方でフタレートに基づく触媒系に関しては6.5〜8の値が予想される(Polypropylene Handbook、第2版、編者: Nello Pasquini, Carl Hanser Verlag, Munich, 2005, 18ページ、表2.1ならびにP. Galli, G. Vecellio, Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 42, 396-415 (2004)、404〜405ページおよび表1)。
DORSおよび/またはGPCにより決定した多分散性指数によって、本発明に従って製造されたジエーテル構成要素を含有する触媒を用いて得られたポリマーのPIおよび非発明のフタレートに基づく触媒を用いて得られたポリマーのPIは同等であり、一方で全ての触媒が5.75以上の多分散性指数PI(GPC)を与えるという同じ結論が導かれる。
上述したように、本明細書に開示される態様は、ジエーテル類を内部電子供与体として用いる独特の触媒を提供する。好都合には、本明細書に開示される態様は優秀な水素応答および立体選択性を有するチーグラー・ナッタ型の向上した触媒系を提供することができ、一方で分子量分布はフタレート含有チーグラー・ナッタ触媒と同等である。加えて、上記触媒は高い活性を有し、優れた形態および容積密度を有するα−アルカ−1−エンのポリマーの製造を可能にする。
本開示には限られた数の態様が含まれるが、この開示の利益を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱しない他の態様を考案することができることを理解するであろう。従って、上記範囲は添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (13)

  1. ジエーテル内部供与体を含み、かつ
    約5.75から約9までの範囲の分子量分布(PI(GPC))を有するプロピレンポリマーの製造に適した活性および水素応答を有する担持チーグラー・ナッタ触媒系。
  2. チーグラー・ナッタ触媒系での使用のための固体触媒構成要素の作製方法であって、前記方法が:
    (a)不活性溶媒中の多孔性粒子状担体を炭化水素可溶性有機マグネシウム化合物と組み合わせスラリー混合物を形成すること;
    (b)前記有機マグネシウム化合物をハロゲン化すること;
    (c)前記スラリー混合物をチタン化合物と反応させ、その後、前記スラリー混合物を少なくとも1種類のジエーテル化合物と反応させること;
    (d)前記固体中間体をチタン化合物と炭化水素溶媒との混合物で抽出し、前記固体触媒構成要素を形成すること:および
    (e)前記固体触媒構成要素を回収することを含む方法。
  3. 前記ジエーテル化合物が一般構造(I)を有する請求項2のプロセス:
    1O−(CR56n−CR34−(CR78m−OR2 (I)
    式中、R1およびR2は同じまたは異なっており、1から約20炭素原子までの飽和もしくは不飽和の脂肪族基または6から約20炭素原子までのアリール基からなる群より選択され、
    n+m=2〜4であり、
    3、R4、R5、R6、R7およびR8は同一または異なっており、それぞれ水素原子、直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約20炭素原子までのアルキル基、2から約20炭素原子までのアルケニル基、6から約20炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、Si、B、Al、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、および/またはF、ClまたはBrのようなハロゲン原子を含有していてもよく、および/または前記2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよく、R3および/またはR4は水素とは異なる。
  4. 前記ジエーテル化合物が一般構造(II)を有する請求項2のプロセス:
    1O−CH2−CR34−CH2−OR2 (II)
    式中、R1およびR2は同じまたは異なっており、1から約20炭素原子までの飽和または不飽和の脂肪族基、より好ましくは1から約10炭素原子までのアルキル基、さらにより好ましくは1から4炭素原子までのアルキル基、理想的にはメチルまたはエチル基、最も理想的にはメチル基からなる群より選択され、
    3およびR4は同一または異なっており、それぞれ直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約20炭素原子までのアルキル基、2から約20炭素原子までのアルケニル基、6から約20炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、Si、B、Al、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、および/またはF、ClまたはBrのようなハロゲン原子を含有していてもよく、および/または前記2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよい。
  5. 前記ジエーテル化合物が一般構造(III)を有する請求項2のプロセス:
    1O−CH2−CR34−CH2−OR2 (III)
    式中、R1およびR2は同一であり、1から約10炭素原子までのアルキル基、さらにより好ましくは1から4炭素原子までのアルキル基、理想的にはメチルまたはエチル基、最も理想的にはメチル基からなる群より選択され、
    3およびR4は同一または異なっており、それぞれ直鎖状、環状または分岐鎖状の炭化水素基、例えば1から約10炭素原子までのアルキル基、2から約10炭素原子までのアルケニル基、6から約10炭素原子までのアリール基、7から約40炭素原子までのアリールアルキル基、7から約40炭素原子までのアルキルアリール基、または8から約40炭素原子までのアリールアルケニル基であり、および/または前記2個のラジカルR3およびR4は炭化水素環系を形成していてもよく、
    Si、O、S、NまたはPのようなヘテロ原子を1個以上含有していてもよい。
  6. 前記ジエーテル化合物が、2,2 ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2 ジ−(シクロペンチルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−ノルボルニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−フェニルメチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−secブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−ペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(メチルブチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルブタ−2−イル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−2−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−3−ヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(2−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(3−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−(4−メチルペンチル)−1,3−ジメトキシプロパン;2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−tertブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ヘキシル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(4−メチルペンチル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−プロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−secブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−n−ペンチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(2−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−ペンチル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−メチルブチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;2−(3−メチルブタ−2−イル)−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン;および対応する1,3−ジエトキシプロパン類似体の少なくとも一つを含む請求項2のプロセス。
  7. 前記ジエーテル化合物が、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,3,6,7−テトラメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,7−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2,8−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジtertブチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−3,6−ジイソプロピルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−2−メチルフルオレン;9,9−ビス(メトキシメチル)−4−メチルフルオレン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジメトキシアントラセン;9,10−ジヒドロ−9,9−ジエトキシアントラセン;9,9−ジメトキシキサンテン;9,9−ジエトキシキサンテン;および対応する9,9−ビス(エトキシメチル)類似体の少なくとも一つを含む請求項2のプロセス。
  8. 前記ジエーテル化合物が、2,2−ジ−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン;2,2−ジ−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン;2−イソプロピル−2−シクロペンチル−ジメトキシプロパン;2−エチル−2−tert−ブチル−1,3−ジメトキシプロパンもしくは対応する1,3−ジエトキシプロパン類似体または9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンまたは9,9−ビス(エトキシメチル)フルオレンの少なくとも一つを含む請求項2のプロセス。
  9. 前記ジエーテル供与体化合物が前記ハロゲン化マグネシウム化合物のそれぞれのモルに関して約0.01から約2モルまでの量で用いられる請求項2のプロセス。
  10. 請求項2〜9のいずれか一項のプロセスで製造される触媒。
  11. 前記触媒が約5.75から約9までの範囲の分子量分布(PI(GPC))を有するプロピレンポリマーの製造をもたらす活性および水素応答を有する請求項10の触媒。
  12. 式CH2=CHR1のオレフィンの重合のためのプロセスであって、式中、R1は水素または1−12炭素原子を有する炭化水素ラジカルであり、請求項1および10−11のいずれか一項に記載の触媒の存在下で行われるプロセス。
  13. ジエーテル内部電子供与体を含む担持チーグラー・ナッタ触媒系を用いて製造された約5.75から約9までの範囲の分子量分布(PI(GPC))を有するプロピレンポリマー。
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