JP2018008305A - 分流子 - Google Patents

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壮人 辻
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良男 杉村
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一義 神蔵
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伸也 佐々木
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Abstract

【課題】分流子の外周面の周囲に存する溶湯を効果的に冷却する。
【解決手段】分流子1は、前端面9および外周面10を有する分流子本体21と、分流子本体の内部に形成され、冷媒が流れる流路を画成する流路穴22と、流路穴に挿入される冷媒吐出管とを備える。流路穴は、曲がり流路を画成する曲がり流路穴30を有し、曲がり流路穴は、分流子本体の前端面付近の位置まで前方に延びる上流側流路穴31と、分流子本体の外周面付近の位置で外周面に沿って後方に延びる下流側流路穴32と、上流側流路穴および下流側流路穴を連結する中間流路穴33とを含む。冷媒吐出管は、上流側流路穴に挿入されると共に、上流側流路穴の前端に近接された冷媒吐出口を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は分流子に係り、特に、ダイカスト鋳造に用いられる分流子に関する。
ダイカスト鋳造において、プランジャチップにより押し出された溶湯を受けてランナー通路に案内する分流子が一般的に用いられる。分流子の内部には冷却水や冷却オイル等の冷媒が流通され、分流子の周囲の溶湯の熱を分流子を介して冷媒により奪うことで、溶湯と冷媒との間で熱交換し、溶湯を冷却することで溶湯を固化させる。
特開2007−296572号公報
分流子の前端面に隣接した前方箇所では、比較的厚肉のビスケットと称される円盤状の鋳造部材が形成される。このビスケットの冷却および固化をできるだけ早く行うことがサイクルタイムの短縮に重要である。そのため一般的には、分流子の前端面付近の位置、すなわち前端面の裏側に、比較的冷たい新規の冷媒を吐出し、ビスケットからできるだけ早く熱を奪う試みがなされている。
しかし、ビスケット形成箇所から、製品鋳造箇所に至る手前のランナー通路に、分流子の外周面に沿って、溶湯が案内される。この外周面周囲の溶湯もできるだけ早く冷却および固化させるのが、サイクルタイムの短縮に有利であるが、従来、こうした外周面周囲の溶湯の冷却については効果的な提案が少なく、当該溶湯の冷却を効果的に行える構造が望まれる。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、分流子の外周面の周囲に存する溶湯を効果的に冷却することができる分流子を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
溶湯を受ける前端面と、前記前端面にて受けられた溶湯を後方に案内する外周面とを有する分流子本体と、
前記分流子本体の内部に形成され、冷媒が流れる流路を画成する流路穴と、
前記流路穴に挿入される冷媒吐出管と、
を備え、
前記流路穴は、曲がり流路を画成する曲がり流路穴を有し、前記曲がり流路穴は、
前記分流子本体の前端面付近の位置まで前方に延びる上流側流路穴と、
前記分流子本体の外周面付近の位置で前記外周面に沿って後方に延びる下流側流路穴と、
前記上流側流路穴および前記下流側流路穴を連結する中間流路穴と、
を含み、
前記冷媒吐出管は、前記上流側流路穴に挿入されると共に、前記上流側流路穴の前端に近接された冷媒吐出口を有する
ことを特徴とする分流子が提供される。
好ましくは、前記中間流路穴は、前記上流側流路穴から延びて前記外周面の周方向に沿って湾曲された後、前記下流側流路穴に接続される。
好ましくは、前記分流子本体は、前記中間流路穴を分割する分割面に沿って予め分割され、かつ互いに接合される。
好ましくは、前記分流子本体の外周面は、溶湯を案内するための案内溝を有し、
前記下流側流路穴は、前記案内溝付近の位置で前記案内溝に沿って後方に延びる。
好ましくは、前記下流側流路穴と前記案内溝の間隔が一定とされる。
好ましくは、前記下流側流路穴は、前記上流側流路穴より高い位置に配置され、
前記下流側流路穴の高さ位置は、後方に向かうほど高くされる。
好ましくは、前記曲がり流路穴は、第1の曲がり流路穴と第2の曲がり流路穴を有し、
前記第1の曲がり流路穴の前記中間流路穴は、前記上流側流路穴の中間部から延び、
前記第2の曲がり流路穴の前記中間流路穴は、前記上流側流路穴の前端部から延びる。
好ましくは、前記第2の曲がり流路穴の前記中間流路穴と、前記分流子本体の前端面との間隔が一定とされる。
本発明によれば、分流子の外周面の周囲に存する溶湯を効果的に冷却することができる。
ダイカストマシンを示す概略縦断側面図である。 分流子の外観を示す斜視図である。 分流子の内部構造を示す斜視図である。 分流子を示す縦断側面図である。 第1の曲がり流路穴と直線流路穴を示す斜視図である。 第2の曲がり流路穴を示す斜視図である。 第1の冷媒供給装置を示す縦断側面図である。 第2の冷媒供給装置を示す縦断側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る分流子が適用されたダイカストマシンを示す概略縦断側面図である。本実施形態のダイカストマシンMは横射出式であり、その前後左右上下の各方向を図示する通りとする。分流子1の水平な中心軸Cの一端側(図中左側)が前側、他端側(図中右側)が後側である。なおこれら各方向があくまで説明の便宜上定められたものに過ぎない点に留意されたい。本実施形態のダイカストマシンMは、例えばクラッチハウジングやミッションケース等といった車両部品である製品をダイカスト鋳造するために使用される。しかしながら製品の種類は任意である。本発明は縦射出式のダイカストマシンに適用することも可能である。
図中、符号2は固定型を示し、符号3は、固定型2に対し前後移動可能もしくは近接離反移動可能な可動型を示す。固定型2はダイカストマシンMの固定プラテン4に固定され、可動型3はダイカストマシンMの図示しない可動プラテンに固定される。
分流子1は可動型3に固定される。固定型2には、これに可動型3が合わされた際に分流子1が嵌合挿入される円筒状の分流子ブッシュ5と、分流子ブッシュ5の前方に隣接配置された円筒状の湯口スリーブ6とが固定される。固定プラテン4には、湯口スリーブ6の前方に隣接配置された円筒状のマシンスリーブ7が固定される。マシンスリーブ7内にはプランジャチップ8が前後にスライド可能に配置される。これらは分流子中心軸Cに同軸に配置される。
鋳造時、プランジャチップ8は後方に移動され、マシンスリーブ7内の溶湯を分流子1に向かって押し出す。この押し出された溶湯は、先ず分流子1の前端面9によって受けられ、次いで分流子1の外周面10によって、固定型2と可動型3の間に形成された細長いランナー通路11に案内される。そして溶湯は、ランナー通路11を経て、やはり固定型2と可動型3の間に形成された製品鋳造室としてのキャビティ12内に加圧状態で充満される。キャビティ12内の溶湯が冷却および固化されることで製品が鋳造成形される。
詳しくは後述するが、分流子1の前端面9は凹部13を有し、分流子1の外周面10、特にその上部は、凹部13と連続する溝部14を有する。凹部13に受け入れられた溶湯は、溝部14と分流子ブッシュ5の隙間を通じて後方に案内され、ランナー通路11に至る。よって溝部14は、溶湯を案内するための案内溝をなす。
溶湯押し出し時に最後方まで移動されたプランジャチップ8と、分流子1の前端面9との間には、図中仮想線で示すような、比較的厚い円盤状のビスケットBが形成される。このビスケットBをできるだけ早く冷却および固化させることがサイクルタイムの短縮に重要である。
これに加え、ビスケットBと、ランナー通路11で形成されるランナーとの間には、溝部14と分流子ブッシュ5の隙間で形成されビスケットBとランナーを連結する連結体が形成される。この連結体をできるだけ早く冷却および固化させることも、サイクルタイムの短縮に重要である。
次に、分流子1について図2〜8を参照して説明する。
分流子1は、前述の前端面9および外周面10を有する分流子本体21と、分流子本体21の内部に形成され、冷媒が流れる流路を画成する流路穴22と、流路穴22に挿入される冷媒吐出管23(図7,8参照)とを備える。ここで、分流子本体21が基本的に中空でなく、中実構造であって、かつその内部に複数の細長い流路穴22が形成されている点に留意されたい。
図2は分流子1の外観を示す。図3は分流子1の内部構造、特に流路穴22の構成を示し、外観を仮想線で透過的に示す。図4は分流子1の縦断側面図である。
図2〜図4に示すように、分流子本体21は、可動型3に嵌合固定される四角形のベース部24を有する。ベース部24から前方に向かって突出される截頭円錐状の突出部25が、ベース部24の前面部に、かつ中心軸Cと同軸に形成されている。突出部25の前端面が前記前端面9をなし、突出部25の外周面が前記外周面10をなす。
凹部13は、前端面9の中心部から上部に延ばされた略長円状に形成される。溝部14は、凹部13の上端に滑らかに連続し、凹部13と略同幅で後方に延びる。外周面10の後端部は、ベース部24の前面部に滑らかに繋がるよう略直角に且つ上向きに湾曲されている。これに合わせて、溝部14の後端部も、ランナー通路11に滑らかに繋がるよう略直角に且つ上向きに湾曲されている。
本実施形態において、流路穴22は複数設けられる。流路穴22は大別して3種類に分類される。すなわち流路穴22は、図5に示す第1の曲がり流路穴30と、図6に示す第2の曲がり流路穴40と、図5に示す直線流路穴50とを有する。第1および第2の曲がり流路穴30,40は、冷却水や冷却オイル等の冷媒を、単なる直線状ではなく、適宜屈曲状に流す曲がり流路穴を画成する。これに対し直線流路穴50は冷媒を直線状に流す流路穴である。なお、図5,6がパイプ等の管材ではなく穴の形状を示す点に留意されたい。
図5に示すように、第1の曲がり流路穴30には、左右対称に構成された左側のものと右側のものとがある。ここでは便宜上、右側のものについてのみ説明し、左側のものについては説明を割愛する。
第1の曲がり流路穴30は、中心軸Cに平行に後方から前方に向かって直線的に延びる上流側流路穴31と、上流側流路穴31より高い位置に配置された下流側流路穴32と、上流側流路穴31および下流側流路穴32を連結する中間流路穴33とを含む。
図4に示すように、第1の曲がり流路穴30において、上流側流路穴31は、分流子本体21の前端面9、特に凹部13付近の位置まで前方に延びている。また下流側流路穴32は、分流子本体21の外周面10付近の位置で外周面10に沿って前方から後方に延びている。特に下流側流路穴32は、溝部14付近の位置で溝部14に沿って前方から後方に延びている。下流側流路穴32は、溝部14の後端湾曲部14Aより前方に位置する直線部14Bに沿って、あるいは直線部14Bと平行に、直線的に延びている。
図5に示すように、中間流路穴33は、上流側流路穴31から延びて外周面10の周方向に沿って湾曲された後、下流側流路穴32に接続される。より詳細には、中間流路穴33は、上流側流路穴31から左右中心側に向かって斜め下方に延び、外周面10の周方向に沿って上向き円弧状に半周湾曲され、その後下流側流路穴32に至る。中間流路穴33は、上流側流路穴31の中間部(前端31Aから所定距離後方の位置)から延び、下流側流路穴32の前端に接続される。下流側流路穴32の前端は上流側流路穴31の前端31Aより後方に位置される。
図4に示すように、下流側流路穴32と溝部14の直線部14Bとの間隔t1は一定とされる。外周面10が水平の中心軸Cを中心とする截頭円錐状あるいはテーパ状であり、溝部14の直線部14Bの高さ位置が後方に向かうほど高くされる。よってこれに倣って、下流側流路穴32の高さ位置も、後方に向かうほど高くされ、下流側流路穴32は後方に向かうほど高くなるように中心軸Cに対して傾斜される。
次に、図6に示す第2の曲がり流路穴40について説明する。第2の曲がり流路穴40にも、左右対称に構成された左側のものと右側のものとがある。ここでも便宜上、右側のものについてのみ説明し、左側のものについては説明を割愛する。
第2の曲がり流路穴40は第1の曲がり流路穴30と近似した構成を有する。従って、第1の曲がり流路穴30の構成要素に対応する第2の曲がり流路穴40の構成要素については、符号を40番台に変更し、同一名称を用いて説明する。
第2の曲がり流路穴40は、中心軸Cに平行に後方から前方に向かって直線的に延びる上流側流路穴41と、上流側流路穴41より高い位置に配置された下流側流路穴42と、上流側流路穴41および下流側流路穴42を連結する中間流路穴43とを含む。
図4に示すように、第2の曲がり流路穴40において、上流側流路穴41は、分流子本体21の前端面9、特に凹部13付近の位置まで前方に延びている。また下流側流路穴42は、分流子本体21の外周面10付近の位置で外周面10に沿って前方から後方に延びている。特に下流側流路穴42は、溝部14付近の位置で溝部14に沿って前方から後方に延びている。下流側流路穴42は、溝部14の直線部14Bに沿って、あるいは直線部14Bと平行に、直線的に延びている。
図6に示すように、中間流路穴43は、上流側流路穴41から延びて外周面10の周方向に沿って湾曲された後、下流側流路穴42に接続される。より詳細には、中間流路穴43は、上流側流路穴41から一旦下方に直線的に延びた後、外周面10の周方向に沿って上向き円弧状に半周湾曲され、その後下流側流路穴42に至る。中間流路穴43は、上流側流路穴41の前端部、特に前端41Aから延び、下流側流路穴42の前端に接続される。下流側流路穴42の前端と上流側流路穴41の前端41Aとは前後方向の同一位置に位置される。
図4に示すように、下流側流路穴42と溝部14の直線部14Bとの間隔t2は一定とされる。また下流側流路穴42の高さ位置は、溝部14の直線部14Bに倣って、後方に向かうほど高くされ、下流側流路穴42は後方に向かうほど高くなるように中心軸Cに対して傾斜される。さらに中間流路穴43と、分流子本体21の前端面9、特に凹部13との間隔t3は一定とされる。
なお、図4は便宜上、第1の曲がり流路穴30については上流側流路穴31の穴軸の位置で切った断面を示し、第2の曲がり流路穴40については上流側流路穴41の穴軸の位置で切った断面を示し、直線流路穴50についてはその穴軸の位置で切った断面を示す。実際には図3に示すように、これら上流側流路穴31,41および直線流路穴50が同一の鉛直平面上にない点に留意されたい。
図4および図5に示すように、直線流路穴50は、単純に、中心軸Cに平行に後方から前方に向かって直線的に延びている。直線流路穴50は、分流子本体21の前端面9、特に凹部13付近の位置まで前方に延びている。前後方向において、直線流路穴50の前端50Aは、上流側流路穴31の前端31Aと同一位置に位置され、上流側流路穴41の前端41Aより僅かに後方に位置されている。
このように本実施形態では、二つの第1の曲がり流路穴30と、二つの第2の曲がり流路穴40と、一つの直線流路穴50とを含む3種類、計五つの流路穴22が設けられている。こうした複雑形状の複数の流路穴22を分流子本体21の内部に分散して配置することで、後に詳述するが、前端面9(特に凹部13)だけでなく、外周面10(特に溝部14)付近の溶湯をも効果的に冷却することができ、サイクルタイムの短縮が図れる。
ここで図3〜6を参照して、各流路穴30,40,50の相対配置についてより詳しく述べる。中心軸Cの軸方向(前後方向)に関して、上流側流路穴31と直線流路穴50とは概ね同じ範囲内に位置され、上流側流路穴41がそれら流路穴31,50より前方に延長されている。従って中間流路穴43もそれら流路穴31,50より前方に位置される。中間流路穴43よりも後方に中間流路穴33が位置される。下流側流路穴42は下流側流路穴32より前方に延長されている。但し図4から分かるように、下流側流路穴42,32は同一の高さ位置に配置される。
他方、中心軸Cの軸方向に垂直な方向(上下左右方向)に関して、左右の上流側流路穴31,31および直線流路穴50が逆三角形(例えば逆正三角形)の各頂点をなすように配置される。左右の上流側流路穴31,31および下流側流路穴32,32により囲まれたスペースの中に、左右の上流側流路穴41,41および下流側流路穴42,42が配置される。上流側流路穴31は上流側流路穴41より低い位置に配置され、直線流路穴50は上流側流路穴31より低い位置に配置される。
左右の下流側流路穴32,32の間に、左右の下流側流路穴42,42が同一の高さ位置で配置され、これら四つの流路穴32,32,42,42は互いに平行とされる。中心軸Cを基準とした外周面10の半径が後方ほど大きくされるので、これに倣って、後方に位置する中間流路穴33の曲率半径は、前方に位置する中間流路穴43の曲率半径より大きくされる。
このように、分流子本体21の内部には複雑形状の複数の流路穴22が入り組んだ格好で配設されている。こうした分流子本体21の製造を容易に可能とするため、分流子本体21は、中間流路穴33,43を分割する分割面P1,P2(図4参照)に沿って予め分割され、かつ互いに接合される。
詳細には、軸方向に延びる直線状の流路穴31,32,41,42,50は、分流子本体21に対しドリル加工を行うことで比較的容易に作成できる。しかしながら、軸方向に対して垂直な方向に延びる中間流路穴33,43の作成は必ずしも容易ではない。そこで本実施形態では、中間流路穴33,43に沿ってこれを分割ないし縦割りする分割面P1,P2に沿って、分流子本体21を予め分割することで、中間流路穴33,43の作成を容易としている。
具体的には、分流子本体21の各分割片における分割面に対し、フライス加工等の機械加工を施し、中間流路穴33,43の半体を機械加工する。本実施形態では、中間流路穴33,43の全体が軸方向の一定位置で軸方向に垂直な方向に沿っているので、分割面P1,P2も軸方向に垂直な平面とされる。そして分割面P1,P2は中間流路穴33,43の穴軸上に位置され、中間流路穴33,43を等しく二分割するようになっている。
もっとも、中間流路穴は他の形状であっても良く、部分的にまたは全体的に、多少屈曲していたり、垂直方向に対し傾いていてもよい。こうした中間流路穴の形状に合わせて、分割面は屈曲面を含んでもよく、垂直方向に対して傾いた傾斜面を含んでもよい。いずれにしても分割面は、中間流路穴のできるだけ多くの領域、好ましくは全ての領域を、軸方向に分割できるような最適な位置、形状等とされるのがよい。必要であれば、一つの中間流路穴に対し二つ以上の分割面を設けてもよい。
こうして中間流路穴33,43の半体が機械加工された各分割片は、任意の接合方法、好ましくは本実施形態のような拡散接合により、互いに接合される。拡散接合は、高温高圧下で分割片同士を押し付け合うことでなされる接合方法で、これによると接合面同士が分子間結合するので、分割片同士を強固に接合できる。
さて、以上が流路穴22の詳細であるが、これら流路穴22には次に述べるような冷媒吐出管が挿入される。
図7および図8には、かかる冷媒吐出管を含む二種類の冷媒供給装置、すなわち第1の冷媒供給装置60および第2の冷媒供給装置70が示される。これら冷媒供給装置は、いずれも流路穴22内に冷媒を供給するための装置である。
総じて述べると、第1の冷媒供給装置60は直線流路穴50と組み合わせて使用され、第2の冷媒供給装置70は第1および第2の曲がり流路穴30,40と組み合わせて使用される。従って第1の冷媒供給装置60は一つだけ使用され、第2の冷媒供給装置70は四つ使用されることとなる。
ここで、各流路穴30,40,50の入口部および出口部はそれぞれ、分流子本体21の後端面26に開口されている。これら入口部および出口部には、後端面26の位置で開放された拡径部27が設けられ、これら拡径部27に各冷媒供給装置60,70の外管61,71の前端部ないし先端部が液密に挿入されるようになっている。本実施形態では、外管61,71の前端部の複数(本実施形態では二つ)のリング溝62,72にOリング62A,72Aが装着され、Oリング62A,72Aが拡径部27の内周面に密着することで液漏れが防止される。
なお、各冷媒供給装置60,70は可動型3(図1)の図示しない挿通穴に挿通され、外部の冷媒供給源または冷媒排出部との間で冷媒のやり取りを行う。
図7に示すように、直線流路穴50と組み合わされる第1の冷媒供給装置60は、ベース部材63と、ベース部材63に後端部ないし基端部が支持された内管64および外管61を備える。つまり第1の冷媒供給装置60は、互いに同軸配置された内管64および外管61を備える二重管構造である。内管64が前述の冷媒吐出管23をなす。なお内管64および外管61は共に直管からなる。
ベース部材63は、内管64に連通して内管64内に冷媒を供給する供給口65と、内管64および外管61の間の通路に連通して当該通路から冷媒を排出する排出口66とを有する。供給口65および排出口66には、外部の配管との接続を行う管継手が締結されるネジ穴67が設けられている。
内管64は外管61から軸方向前方に突出され、直線流路穴50の内部で前方に向かって同軸に延ばされると共に、直線流路穴50の前端50Aに近接した位置、具体的には前端50Aから所定距離(例えば10mm程度)後方の位置にて終端する。内管64の前端開口部は、直線流路穴50の前端50Aに直接的に冷媒を吐出する冷媒吐出口68となっている。
図中矢印で示すように、供給口65から内管64内に供給された冷媒は、最初に直線流路穴50の前端50Aに衝突し、分流子本体21の前端面9付近を冷却する。供給直後の最も低温となっている冷媒により、前端面9付近を冷却するので、ビスケットBの冷却を促進し、サイクルタイムを短縮できる。
その後、冷媒は、内管64と直線流路穴50の隙間を通じて後方に流れる。この流通過程においても、直線流路穴50の周囲の部分を冷却できる。そして冷媒は、内管64および外管61の間の通路を経た後、排出口66から排出される。
このように第1の冷媒供給装置60は、直線流路穴50の内部で往復方向の冷媒の流れを生じさせるものである。なお図5にも、冷媒の流れを矢印で参考的に示す。
次に、図8を参照して、第1および第2の曲がり流路穴30,40と組み合わされる第2の冷媒供給装置70について説明する。ここでは便宜上、まず第1の曲がり流路穴30と組み合わされた場合の例を説明し、その後第2の曲がり流路穴40と組み合わされた場合の例を補足的に説明する。
第2の冷媒供給装置70は、ベース部材73と、ベース部材73に後端部ないし基端部が支持された内管74および外管71を備える。第2の冷媒供給装置70も、互いに同軸配置された内管74および外管71を備える二重管構造である。内管74が前述の冷媒吐出管23をなす。なお内管74および外管71は共に直管からなる。
ベース部材73は、内管74に連通して内管74内に冷媒を供給する供給口75を有する。供給口75には、外部の配管との接続を行う管継手が締結されるネジ穴77が設けられている。
第1の曲がり流路穴30の上流側流路穴31の後端部に拡径部27が形成される。この拡径部27に外管71の前端部が前述の如く液密に挿入される。
内管74は外管71から軸方向前方に突出され、上流側流路穴31の内部で前方に向かって同軸に延ばされると共に、上流側流路穴31の前端31Aに近接した位置、具体的には前端31Aから所定距離(例えば10mm程度)後方の位置にて終端する。内管74の前端開口部は、上流側流路穴31の前端31Aに直接的に冷媒を吐出する冷媒吐出口78となっている。
冷媒吐出口78は当然に、上流側流路穴31に対する中間流路穴33の接続位置よりも前方に位置される。
図中矢印で示すように、供給口75から内管74内に供給された冷媒は、最初に上流側流路穴31の前端31Aに衝突し、分流子本体21の前端面9付近を冷却する。供給直後の最も低温となっている冷媒により、前端面9付近を冷却するので、ビスケットBの冷却を促進し、サイクルタイムを短縮できる。
その後、冷媒は、内管74と上流側流路穴31の隙間を通じて後方に流れる。この流通過程においても、上流側流路穴31の周囲の部分を冷却できる。そして冷媒は、当該隙間から中間流路穴33に流入する。
図5に矢印で示すように、中間流路穴33に流入した冷媒は、中間流路穴33内を流れた後、下流側流路穴32に流入し、下流側流路穴32内を後方に向かって流れ、その出口部から排出される。下流側流路穴32の出口部の拡径部27には冷媒排出用の管(図示せず)が挿入されており、この管を通じて冷媒が外部に排出される。このように第2の冷媒供給装置70は、上流側流路穴31の内部で概ね一方向の冷媒の流れを生じさせるものである。
冷媒は、中間流路穴33および下流側流路穴32を流れる過程において、それら流路穴33,32の周囲の部分を冷却する。特に、下流側流路穴32が、分流子本体21の溝部14付近の位置で溝部14に沿って延びているので、溝部14内に存する溶湯を積極的かつ効果的に冷却することができる。
下流側流路穴32と溝部14の直線部14Bとの間隔t1が一定とされるので、溝部14内の溶湯を均一に冷却できる。
中間流路穴33は、分流子本体21の軸方向中間位置で周方向あるいは外周面10に沿って湾曲されている。よって、冷媒が中間流路穴33を通じて流れるとき、中間流路穴33の外側に位置する外周面10の周方向領域を冷却できる。これも、溝部14内に存する溶湯の冷却を促進するのに有利である。
最も冷却が要求される前端面9付近は、最も低温の新規の冷媒によって冷却され、次いで冷却が要求される外周面10ないし溝部14付近は、前端面9付近の冷却に用いられ若干温度上昇した冷媒によって冷却される。よって、前端面9付近の冷却後の冷媒を有効利用して外周面10ないし溝部14付近を冷却することができ、冷媒の利用効率を高めることができる。
第2の冷媒供給装置70は、第2の曲がり流路穴40と組み合わされた場合にも、概ね同様の作用効果を奏する。但し、冷媒の流通経路の相違に起因して若干の相違があるので、以下これについて説明する。図8ではこの場合の符号を適宜括弧書きで示す。
図8に示すように、第2の曲がり流路穴40と組み合わされた場合、中間流路穴43の分岐位置は仮想線で示すように、上流側流路穴41の前端41Aの位置に変更される。前端41Aに衝突した冷媒は、破線矢印で示すように、その直後に下方に折れ曲がって中間流路穴43に流入する。
図6に矢印で示すように、中間流路穴43に流入した冷媒は、中間流路穴43内を流れた後、下流側流路穴42に流入し、下流側流路穴42内を後方に向かって流れ、出口部から排出される。
前記同様、下流側流路穴42を流れる冷媒により、溝部14内に存する溶湯を積極的かつ効果的に冷却することができる。
また、中間流路穴43は、上流側流路穴41の前端41Aから出発し、前端面9ないし凹部13付近の位置でD字状を描いて下流側流路穴42に至る。このため、前端41Aに衝突した後も、中間流路穴43を流れる冷媒により、前端面9付近を積極的かつ効果的に冷却することができ、ビスケットBの冷却を促進できる。
中間流路穴43と凹部13の間隔t3が一定とされるので、凹部13内、ひいてはビスケットを形成する溶湯を均一に冷却できる。
以上のほか、第1および第2の曲がり流路穴30,40では、下流側流路穴32,42が上流側流路穴31,41より高い位置に配置されるので、冷媒の流れの中でエアが下流側に向かって浮上移動するのを促進できる。よってエア抜き性を向上すると共に、エア溜まりを抑制して、冷却効率を高めることができる。また、下流側流路穴32,42の高さ位置が後方に向かうほど高くされることも、エア溜まりの抑制および冷却効率向上に有利である。
ここで比較例として、本実施形態と同等の合計流路面積を持つ一つの太い直線流路穴の前端に、太い一つの冷媒吐出管から吐出した冷媒を衝突させ、分流子前端面付近を冷却する例を考える。この場合、直線流路穴の前端に衝突する冷媒の流速が、必ずしも十分な高速となり得ないため、高い熱交換効率や冷却性能を得ることが困難と想定される。
しかし本実施形態では、複数の細い流路穴(上流側流路穴31,41および直線流路穴50)の前端に、それぞれ、細い冷媒吐出管(内管64)から噴流の如く吐出した冷媒を衝突させる。このため、流路穴の前端に衝突する冷媒の流速を十分な高速とし、高い熱交換効率や冷却性能を得ることが可能となる。
以上述べたように本実施形態によれば、分流子1の前端面9付近に存する溶湯のみならず、分流子1の外周面10の周囲に存する溶湯をも効果的に冷却することができ、サイクルタイムを短縮することができる。
なお、本発明の実施形態は他にも様々考えられる。例えば各流路穴の形状、寸法、向き、位置および相対配置等は必要に応じて適宜変更することが可能である。例えば上流側流路穴31,41を中心軸Cに対し多少傾斜させてもよい。また中間流路穴33,43を、中心軸Cに垂直な方向に対し多少傾斜させてもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 分流子
9 前端面
10 外周面
14 溝部
21 分流子本体
22 流路穴
30 第1の曲がり流路穴
31,41 上流側流路穴
31A,41A,50A 前端
32,42 下流側流路穴
33,43 中間流路穴
40 第2の曲がり流路穴
64,74 内管
68,78 冷媒吐出口
P1,P2 分割面
t1,t2,t3 間隔

Claims (8)

  1. 溶湯を受ける前端面と、前記前端面にて受けられた溶湯を後方に案内する外周面とを有する分流子本体と、
    前記分流子本体の内部に形成され、冷媒が流れる流路を画成する流路穴と、
    前記流路穴に挿入される冷媒吐出管と、
    を備え、
    前記流路穴は、曲がり流路を画成する曲がり流路穴を有し、前記曲がり流路穴は、
    前記分流子本体の前端面付近の位置まで前方に延びる上流側流路穴と、
    前記分流子本体の外周面付近の位置で前記外周面に沿って後方に延びる下流側流路穴と、
    前記上流側流路穴および前記下流側流路穴を連結する中間流路穴と、
    を含み、
    前記冷媒吐出管は、前記上流側流路穴に挿入されると共に、前記上流側流路穴の前端に近接された冷媒吐出口を有する
    ことを特徴とする分流子。
  2. 前記中間流路穴は、前記上流側流路穴から延びて前記外周面の周方向に沿って湾曲された後、前記下流側流路穴に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載の分流子。
  3. 前記分流子本体は、前記中間流路穴を分割する分割面に沿って予め分割され、かつ互いに接合される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の分流子。
  4. 前記分流子本体の外周面は、溶湯を案内するための案内溝を有し、
    前記下流側流路穴は、前記案内溝付近の位置で前記案内溝に沿って後方に延びる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の分流子。
  5. 前記下流側流路穴と前記案内溝の間隔が一定とされる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の分流子。
  6. 前記下流側流路穴は、前記上流側流路穴より高い位置に配置され、
    前記下流側流路穴の高さ位置は、後方に向かうほど高くされる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の分流子。
  7. 前記曲がり流路穴は、第1の曲がり流路穴と第2の曲がり流路穴を有し、
    前記第1の曲がり流路穴の前記中間流路穴は、前記上流側流路穴の中間部から延び、
    前記第2の曲がり流路穴の前記中間流路穴は、前記上流側流路穴の前端部から延びる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の分流子。
  8. 前記第2の曲がり流路穴の前記中間流路穴と、前記分流子本体の前端面との間隔が一定とされる
    ことを特徴とする請求項7に記載の分流子。
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