本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に位置している遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図1及び図6を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータとしてのステッピングモータ65と、この各ステッピングモータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記ステッピングモータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有する変動表示手段としてのリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このステッピングモータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるステッピングモータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
本実施の形態に係るステッピングモータ65は、総ステップ数として252ステップのものが用いられている。もちろん、総ステップ数は、この252ステップに限定されるものではなく、本実施の形態のように、特定図柄の配置と、各図柄のステップ数との関係が所定の対応関係になるようなものであれば、他の総ステップ数のものでもよいものである。
また、本実施の形態では、1個のリール62の周囲に付された図柄61の数は20個(図2参照)であるため、総ステップ数の252ステップは、リール62の周囲に付された図柄数20個で割り切れない。このため、20個の図柄61は、13ステップを割り当てた複数個の図柄61と、12ステップを割り当てた残りの複数個の図柄61とに分類される。
なお、リール62の周囲には、表面に図柄を印刷した樹脂性のリールテープが貼付されているものである。このリールテープをリール62の周囲に貼付する際、リールテープ上の図柄61の位置と、ステッピングモータ65のステップとが所定の対応関係となるように設定されている。
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数(配当)が表示可能になっている。
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔で検知するように配置されている。
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、後述するホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に貯留させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
前記操作部30の中央には、停止操作により対応するリール62の回転を停止させるため、3個のリール62のそれぞれに対応する3個の停止操作手段51としてのストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、クレジットされたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89等が配置されている(図6参照)。
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、リセットスイッチとしても兼用される。
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(図6参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)、且つ、払出センサA、Bが共にオン状態であるときには、正常な状態でメダルが通過したと判定される。
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により規定の賭け数(本実施の形態では、3枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだ1本のみからなるものである。
なお、有効ライン86ではないが、本実施の形態では、左リール64の上段と中リール66の上段と右リール68の上段とを結んだ上段ライン、左リール64の下段と中リール66の下段と右リール68の下段とを結んだ下段ライン、左リール64の上段と中リール66の中段と右リール68の下段とを結んだ右下がりライン、左リール64の下段と中リール66の中段と右リール68の上段とを結んだ右上がりラインが規定されている。特に有効ライン86としての中段ラインに所定の役、例えばRP3(スイカ、リプレイ、ベル)が揃うことで、有効ライン86ではない右下がりラインに(リプレイ、リプレイ、リプレイ)のような遊技者から見ると認識されやすい図柄組み合わせが揃うようなものが種々設定されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、後述するサブ制御手段400に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示装置84とを備えている。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。この表示装置84は、後述するように、ART状態における遊技の進行の度合いを示す遊技領域上の現在地点Pを遊技者に報知するための現在地点報知手段としての役割を有する。なお、この現在地点Pには、表示装置84の画面上において所定のキャラクタが表示される。
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7、白7、青7、黒7、ブランク、スイカ、ベル、リプレイ、チェリー」の複数の種々の図柄61が形成されている。
なお、左リール64の図柄配置では、図柄番号2に赤7、図柄番号7に白7、図柄番号12に青7、図柄番号17に黒7の図柄が配置されている。
ここで、上述した赤7、白7、青7、黒7のうち異なる種類の図柄同士が、図3の左リール64の図柄配列上で見ると、停止制御において停止表示可能な範囲である5図柄の範囲に同時に含まれないように配置されている。すなわち、左リール64において、上記図柄61同士が5図柄以上離れているように配置されている。別の言い方をすると、左リール64において赤7、白7、青7、黒7の図柄同士の間に4個以上の別の図柄61が配置されていることになる。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、図3の図柄61の図柄番号の0〜19は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
図3に示すように、役の一部と、これらの役の一部の図柄組み合わせ(左リール64の図柄61、中リール66の図柄61、右リール68の図柄61)とが規定されている。
RP1(スイカ、スイカ、ブランク)は、通常リプレイであって、このRP1の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うと、上段ラインに(リプレイ、リプレイ、リプレイ)が揃う上段リプレイである。
なお、配当(メダルの払出枚数)は規定されておらず、0枚となる。ここで、RP1〜RP10のリプレイ役は全て同様に配当は0枚となる。
また、RP2(リプレイ、リプレイ、リプレイ)は、中段リプレイであり、RT4状態において、役抽選の当選確率が高確率に設定されている(図5参照)。なお、本実施の形態では、リプレイの当選確率が種々設定されているRT状態として、後述するようにRT0〜RT7状態が設定されている(図9参照)。
また、RP3(スイカ、リプレイ、ベル)は、このRP3の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うと、右下がりラインに(リプレイ、リプレイ、リプレイ)が揃う右下がりリプレイである。RP3はRT5状態において、役抽選の当選確率が高確率に設定されている(図5参照)。
また、RP4(リプレイ、リプレイ、ベル)は、このRP4の図柄組み合わせが中段ライン上に揃う中段リリベ(なお、「リリベ」とは(リプレイ、リプレイ、ベル)の略称である。以下同様)である。RP4はRT6状態において、役抽選の当選確率が高確率に設定されている(図5参照)。
また、RP5(スイカ、リプレイ、スイカ)は、このRP5の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うと、右下がりラインに(リプレイ、リプレイ、ベル)が揃う右下がりリリベである。RP5はRT7状態において、役抽選の当選確率が高確率に設定されている(図5参照)。
また、RP6(リプレイ、リプレイ、チェリー)は、RT4〜7状態においてのみ当選可能となるものであり、このRP6の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うとRT3状態へ移行するRT3移行リプレイである。
また、RP7(赤7、リプレイ、リプレイ)は、RT3状態においてのみ当選可能となるものであり、このRP7の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うとRT4状態へ移行するRT4移行リプレイである。
また、RP8(白7、リプレイ、リプレイ)は、RT3状態においてのみ当選可能となるものであり、このRP8の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うとRT5状態へ移行するRT5移行リプレイである。
また、RP9(青7、リプレイ、リプレイ)は、RT3状態においてのみ当選可能となるものであり、このRP9の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うとRT6状態へ移行するRT6移行リプレイである。
また、RP10(黒7、リプレイ、リプレイ)は、RT3状態においてのみ当選可能となるものであり、このRP10の図柄組み合わせが中段ライン上に揃うとRT7状態へ移行するRT7移行リプレイである。
また、BE1(ベル、ベル、ベル)は、中段ベルであり、配当(メダルの払出枚数)は9枚に設定されている。
また、BE2(スイカ、ブランク、リプレイ)は、配当(メダルの払出枚数)が1枚に設定されている。
また、BE3(ブランク、ブランク、リプレイ)は、配当(メダルの払出枚数)が1枚に設定されている。
また、BE4(ブランク、チェリー、スイカ)は、配当(メダルの払出枚数)が1枚に設定されている。
また、BE5(リプレイ、チェリー、スイカ)は、配当(メダルの払出枚数)が1枚に設定されている。
また、WM(スイカ、スイカ、スイカ)は、配当(メダルの払出枚数)が5枚に設定されている。
また、BB(赤7、赤7、赤7)は、ボーナス移行役であり、配当(メダルの払出枚数)が0枚に設定されている。
図4に示すように、いわゆるグループ役としての通常リプレイ1〜5、特殊リプレイ、昇格リプレイ、Lベル、Cベル、Rベル、スイカ、ボーナス等の内容が設定されている。
通常リプレイ1は、RP1からなるものである。
通常リプレイ2は、RP2、RP6が重複して当選しているものであり、ストップスイッチ50の停止操作順序が順押し(左、中、右の順)又は中押し(中、左、右又は中、右、左の順)の場合に、RP2が必ず停止し、ストップスイッチ50の停止操作順序が逆押し(右、中、左の順)の場合にRP6が必ず停止する。
通常リプレイ3は、RP3、RP6が重複して当選しているものであり、ストップスイッチ50の停止操作順序が順押し(左、中、右の順)又は中押し(中、左、右又は中、右、左の順)の場合に、RP3が必ず停止し、ストップスイッチ50の停止操作順序が逆押し(右、中、左の順)の場合にRP6が必ず停止する。
通常リプレイ4は、RP4、RP6が重複して当選しているものであり、ストップスイッチ50の停止操作順序が順押し(左、中、右の順)又は中押し(中、左、右又は中、右、左の順)の場合に、RP4が必ず停止し、ストップスイッチ50の停止操作順序が逆押し(右、中、左の順)の場合にRP6が必ず停止する。
通常リプレイ5は、RP5、RP6が重複して当選しているものであり、ストップスイッチ50の停止操作順序が順押し(左、中、右の順)又は中押し(中、左、右又は中、右、左の順)の場合に、RP5が必ず停止し、ストップスイッチ50の停止操作順序が逆押し(右、中、左の順)の場合にRP6が必ず停止する。
特殊リプレイは、RP1、RP7、RP8、RP9、RP10が重複して当選しているものであり、ストップスイッチ50の停止操作順序が順押し(左、中、右の順)又は中押し(中、左、右又は中、右、左の順)の場合に、RP1が必ず停止し、ストップスイッチ50の停止操作順序が逆押し(右、中、左の順)であって、停止操作タイミングによってRP7〜RP10のいずれかが停止する。RP7〜RP10の中リール66と右リール68とのリプレイは、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン86上に停止表示し、左リール64の赤7、白7、青7、黒7は、5図柄間隔で配置されているため、この4つの図柄61のいずれかの図柄61を停止操作のタイミングによって有効ライン86上に停止表示することができる。
Lベルでは、ストップスイッチ50による押し順が左ストップスイッチLを第1番目に停止操作する左第1停止操作が、正解の押し順となる。遊技者により、この正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、役BE1の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、9枚のメダル払出が実施される。この左第1停止操作以外の押し順(中第1停止操作、右第1停止操作)は、不正解の押し順となる。遊技者により、この不正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、BE2、BE3のいずれかの図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、1枚のメダル払出が実施される。
Cベルでは、ストップスイッチ50による押し順が中ストップスイッチCを第1番目に停止操作する中第1停止操作が、正解の押し順となる。遊技者により、この正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、役BE1の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、9枚のメダル払出が実施される。この中第1停止操作以外の押し順(左第1停止操作、右第1停止操作)は、不正解の押し順となる。遊技者により、この不正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、BE3、BE4、BE5のいずれかの図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、1枚のメダル払出が実施される。
Rベルでは、ストップスイッチ50による押し順が右ストップスイッチRを第1番目に停止操作する右第1停止操作が、正解の押し順となる。遊技者により、この正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、役BE1の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、9枚のメダル払出が実施される。この右第1停止操作以外の押し順(左第1停止操作、中第1停止操作)は、不正解の押し順となる。遊技者により、この不正解の押し順で停止操作が行われると、いずれの停止操作タイミングにおいても、役BE2、BE3、BE4のいずれかの図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示され、1枚のメダル払出が実施される。
スイカでは、WMが停止表示され、ボーナスでは、移行役としてのBBが停止表示可能に設定されている。
図5に示すように、RT0〜7状態において、Lベル、Cベル、Rベル、スイカ、ボーナスは各状態で同一の抽選値が設定されている。なお、この抽選値は、乱数抽選における当選確率の分数の分母65536に対する分子の値となるものである。例えば、Lベルの抽選値が7000に設定されている場合には、乱数抽選において、当選確率が7000/65536に設定されていることになる。RT0状態では、リプレイに関しては通常リプレイ1のみ抽選値9000が設定されている。RT1状態では、リプレイに関しては昇格リプレイのみ抽選値9000が設定されている。RT2状態では、リプレイに関しては通常リプレイ1のみが抽選値9000に設定されている。RT3状態では、リプレイに関しては通常リプレイ1の抽選値33308、特殊リプレイの抽選値8328に設定されている。
また、RT4状態では、リプレイに関しては通常リプレイ2の抽選値31226、通常リプレイ3〜5の抽選値3470に設定されている。かかる場合には、RT4状態では、通常リプレイ2が31226/65536の確率で当選し、通常リプレイ3〜5が3470/65536の確率で当選することになる。
同様に、RT5状態では、リプレイに関しては通常リプレイ3の抽選値31226、通常リプレイ2、4、5の抽選値3470に設定されている。
RT6状態では、リプレイに関しては通常リプレイ4の抽選値31226、通常リプレイ2、3、5の抽選値3470に設定されている。
RT7状態では、リプレイに関しては通常リプレイ5の抽選値31226、通常リプレイ2、3、4の抽選値3470に設定されている。
RT4状態では、通常リプレイ2が高確率で当選し、RT5状態では、通常リプレイ3が高確率で当選し、RT6状態では、通常リプレイ4が高確率で当選し、RT7状態では、通常リプレイ5が高確率で当選するように設定されている。
図6に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御するメイン制御手段200(メイン制御装置ともいう)と、このメイン制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段400(サブ制御装置ともいう)とを備えている。
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段400との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段400への一方向の通信により行われ、サブ制御手段400からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87及び払出枚数表示器88の作動を制御する。
サブ制御手段400は、演出用ボタンスイッチ42、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段400の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン制御基板と、サブ制御手段400を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段400のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200及びサブ制御手段400は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込等の割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
本実施の形態に係る遊技機10では、メイン制御手段200で遊技状態の一区分として管理される遊技であって、通常に行われるノーマル状態が設けられている(図9参照)。このノーマル状態よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス状態(BB)が設けられている(図9参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。また、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)からAT状態へ移行する際には、通常演出状態からAT状態に当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態へ移行する。
この前兆演出状態からART状態(AT状態)への移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための昇格リプレイ役のRP6の入賞を待つ状態であるART準備状態(AT状態)へ移行し、当該昇格リプレイ役のRP6の入賞によりART状態へ移行することになる(図10参照)。なお、RP6の入賞は、抽選で決定された押し順に正解したときとなる。
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)リプレイ役の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス状態に関する情報
(5)AT状態に関する情報
(6)エラーに関する情報
(7)設定値の変更の有無に関する情報
(8)前扉14の開閉状態に関する情報
図7に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、停止制御手段220、停止図柄判定手段230、遊技媒体払出制御手段240、設定値選択手段265、遊技状態制御手段245、送信手段380の各手段を有する。
遊技状態制御手段245は、遊技制御手段250、移行抽選手段255、演出状態制御手段260、演出期間制御手段268を有する。
演出期間制御手段268は、終了決定可否抽選手段270、終了ポイント決定手段280、終了抽選手段290、ラスボスバトルポイント決定手段300、ラスボスバトル結果決定手段310、遊技領域設定手段320、移動決定手段330、ステータス決定手段340、特典付与手段350、同一フロア滞在期間カウント手段360の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、上述した手段は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段400が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段400との両方に分けて有するようにしても良い。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数が設定されると、1本の有効ライン86(図1参照)が設定される。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、役抽選を行うためのものである。
この役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、設定値(1〜6)及び遊技状態(ノーマル状態、ボーナス状態、ボーナス内部中状態等)にそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶している。
役抽選手段210は、抽選テーブルに予め記憶した抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による役抽選処理は、後述するステップ132(図17参照)のスタートスイッチ40の操作直後において行われる。
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、上述した設定値に基づいて予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ46を操作することにより、複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定キースイッチ45で選択することで前記当選確率の変更が可能となる。
本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、原則として設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。
なお、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
また、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階等複数の段階であれば良いものである。
また、設定値は、例えば、設定値1、設定値2、・・・、設定値6のように数値が高い設定値になるほど、所定の役(例えばボーナス移行役)の当選確率は高くなるが、AT状態への移行抽選の当選確率が低くなる(又は共通になる)ようにしても良いものである。
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役(RP))、ボーナス移行役(ボーナス状態への移行を伴う役)が設けられている。
本実施の形態では、小役として複数種類の小役が含まれている。具体的には、押し順ベル役(BE1〜BE5)、スイカ役(WM)等である(図3参照)。ノーマル状態における設定値1〜6の各設定値での小役の役抽選における当選確率が予め定められている。押し順ベル役(BE1〜BE5)には、左第1停止操作が正解となるLベルと、中第1停止操作が正解となるCベルと、右第1停止操作が正解となるRベルとが設けられている(図4参照)。
小役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順役が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合は押し順役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役(リプレイ役)には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役が含まれている。
さらに、具体的に説明すると、AT状態への移行に係るAT抽選役として、スイカ役(WM)が設けられている。もちろん、AT抽選は、スイカ役に限定されるものではなく、他の役でもよい。
本実施の形態では、後述する移行抽選手段255によりスイカ役当選時に1500/16384の確率でAT抽選を実施するように設定されている。このAT抽選で当選するとATが開始されるように設定されている。AT中に昇格リプレイが当選し、RP6に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させるためのストップスイッチ50の停止操作順序が報知(ナビ)され、この報知された順序で停止操作が行われて、RP6に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止することでRT3へ移行し、ARTが開始されるように設定されている。
本実施の形態では、上述した役抽選手段210は、設定値に対応する抽選テーブルで役抽選を行うものであるが、これに限定されるものではない。例えば、AT状態への移行抽選は移行抽選手段255で実施しているが、役抽選手段210において、通常遊技からAT状態へ移行するための移行抽選を行うようにしてもよい。また、この役抽選手段210は、通常遊技等から所定の演出が行われる前兆演出状態や、遊技者に対して何らかの利益が付与されているようなチャンスゾーン(CZ)状態へ移行するか否かを抽選で決定してもよい。また、この役抽選手段210は、通常の状態とは異なる特殊な事象の発生に当選するか否かの特定抽選を行うようにしてもよい。
停止制御手段220は、役抽選の結果とストップスイッチ50の操作とに基づいてリール62の変動表示動作の停止制御を行うためのものである。具体的には、停止制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。停止制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、停止制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。停止制御手段220による処理は、後述するステップ136(図17参照)においてストップスイッチ50の操作後に行われる。
停止制御手段220は、停止操作手段51としてのストップスイッチ50の停止操作タイミングから所定時間内、例えば、通常の190msに、リール62を停止させるように、ステッピングモータ65を制御するものである。
本実施の形態では、特殊状態としてのボーナス状態(RBが連続作動するRBB)中、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから停止表示されるまでの制限時間、全リール62とも190msに設定されている。
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものであって、停止制御手段220によって停止されたリール62の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払い出しを行うものである。
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定するとメダルの払出しを行う。
ここで、遊技媒体払出制御手段240は、メダル払出を付与する役割を有するものである。
具体的には、遊技媒体払出制御手段240は、押し順役の当選時に、所定の押し順で停止操作を行ったときに当該押し順役の当選図柄の組み合わせを有効ライン86上に停止表示することができたときに予め定めた所定枚数のメダルが払い出され、当該メダルを獲得可能にしている。
具体的には、例えば、押し順役の当選として、役抽選の結果、グループ役としてLベルが当選したとする。このとき、BE1、BE2、BE3が重複当選役として同時に当選している状態となる(図4参照)。このとき、正解の押し順としては、左リール64を第1番目に停止操作すること、いわゆる第1停止操作が左リール64である左第1停止操作(左1st)が設定されてある。この正解の押し順により、役BE1(ベル、ベル、ベル)が有効ライン86上に停止表示すると、9枚のメダルが払い出される(図3、図4参照)。
設定値選択手段265は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
具体的には、設定値選択手段265は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段265は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
さらに、設定値選択手段265は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段265は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
ここで、設定値の変更作業が可能となる設定変更状態について以下に説明する。
一般的に、前扉14を開放した遊技ホールのホール管理者が設定値の変更に係る作業を行う。
設定キースイッチ45は、オン状態(ON位置)と、オフ状態(OFF位置)と、へ切り替え可能に形成されている。
電源スイッチ44をオン状態(電源投入)にしたときに、設定キースイッチ45がオン状態(ON位置)にあると、設定値の変更処理(設定変更処理)が可能な状態(設定変更状態)へ移行するように形成されている。設定キースイッチ45をオフ状態(OFF位置)へ戻すことで、設定変更状態が解除されて設定値の変更が不能となり、通常の遊技が実行可能となる。
設定した設定値は、電源スイッチをOFF(電源遮断)にしても、バックアップ機能(電源)によって、記憶保持されるように形成されている。この記憶保持された設定値は、電源スイッチ44をオン状態(ON位置)にするときに読み出され、設定変更状態へ移行しなければ、そのまま読み出した設定値が採用されるように形成されている。設定変更状態へ移行したときには、読み出した設定値が、設定変更作業時の初期値となるものである。
また、設定値選択手段265は、特定の当選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶している。さらに、設定値選択手段265は、設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、ノーマル状態や、ボーナス状態や、ボーナス内部中状態等の各遊技状態を意味する。
遊技状態制御手段245は、所定の遊技状態を所定継続期間維持するためのものである。
遊技状態制御手段245は、遊技制御手段250、移行抽選手段255、演出状態制御手段260、演出期間制御手段268を有する。
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、図7に示すように、大別すると、ノーマル状態制御手段251、RT状態制御手段252、ボーナス状態制御手段253及びボーナス内部中状態制御手段254の各手段を有する。
ノーマル状態制御手段251は、メイン制御手段200で管理される遊技状態の一区分としてのノーマル状態の進行を制御するものである。ここで、ノーマル状態は、後述するRT状態制御手段252によるRT状態(リプレイタイム状態)や、ボーナス状態制御手段253によるボーナス状態以外の遊技状態をいい、RT0及びRT1を含む(図9参照)。
RT状態制御手段252は、RT3〜RT7等のRT状態の進行を制御するものである。なお、ここで、RT状態は、RT2を含む(図9参照)。
ボーナス状態制御手段253は、ボーナス状態を制御するものである(図9参照)。
ボーナス状態は、ボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、いわゆるRBが連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、200枚を超えるメダルの払出しで終了し、RT0に移行する。
ボーナス内部中状態制御手段254は、ボーナス内部中遊技を制御するものである。このボーナス内部中遊技は、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。そして、このボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86に揃えることで終了する(ボーナス状態へ移行する)ものである。
移行抽選手段255は、「AT状態」へ移行するか否かのAT移行抽選を行うものである。このAT移行抽選は、上述した役抽選手段210の役抽選と同様の手順により行われるものである。なお、この移行抽選手段255は、AT移行抽選以外にも他の移行抽選も実行可能である。
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。演出状態には、大別して、AT状態(ART準備状態、ART状態)と、非AT状態(通常演出状態、前兆演出状態)と、ボーナス演出状態とがある(図10参照)。
AT状態は、停止操作順序としての押し順を報知する、いわゆるアシストを行う状態である。
また、「AT状態」のうち「ART準備状態」は、主として「RT1」の遊技状態の演出状態であり、「ART状態」は、主として「RT3〜7」の遊技状態の演出状態である。
ART準備状態は、RT1状態であって、非AT状態の前兆演出状態からAT状態への移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための昇格リプレイのRP6の入賞を待つ状態である。このART準備状態では、前記昇格リプレイに係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止することにより、RT3状態へ移行することでART状態へ移行する。なお、本実施の形態ではART準備状態から、押し順を報知する、いわゆるアシストが行われる。
非AT状態は、押し順を報知しない状態である。この非AT状態では、通常演出状態と、この通常演出状態からAT状態へ当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態とが設けてある。
なお、この前兆演出状態は、スイカのAT抽選役に当選し、AT非当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆するガセ前兆演出と、AT当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆する本前兆演出とを備えている。
この演出状態制御手段260は、非AT状態において、スイカのAT抽選役に当選し、更に、AT状態へ移行するか否かの抽選を行って、当該抽選に当選することでAT状態へ移行可能となるようにしているが、AT移行の条件は、もちろん当該内容に限定されるものではない。例えば、AT抽選役に当選すれば、AT移行に係る抽選の結果にかかわらず(AT移行に係る抽選を経なくても)AT状態へ移行することが確定するようにしてもよい。また、所定のAT抽選役に複数回当選することや、所定のポイント抽選を行い、ポイント数の合計が所定の閾値に到達することにより、AT状態へ移行できるようにしてもよい。
本実施の形態に係る遊技機10では、非AT状態よりも多くの特典(利益)を付与可能なアシストタイム(AT)状態を備えている。AT状態とは、ストップスイッチ50の押し順や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
AT状態は、演出状態が当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、AT状態は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT状態制御手段252で制御されるRT1状態からRT3状態に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT状態」で、且つ「AT状態」の遊技状態をいう。
なお、AT状態は、後述する演出期間制御手段268により遊技期間が決定される。
演出期間制御手段268は、所定の遊技状態の所定継続期間の開始から終了までを移動領域としての遊技領域上を現在地点が移動することで表す演出を行わせるためのものである。
演出期間制御手段268は、終了決定可否抽選手段270、終了ポイント決定手段280、終了抽選手段290、ラスボスバトルポイント決定手段300、ラスボスバトル結果決定手段310、遊技領域設定手段320、移動決定手段330、ステータス決定手段340、特典付与手段350、同一フロア滞在期間カウント手段360の各手段を有する。
終了決定可否抽選手段270は、後述する危険区域内に現在地点Pが位置する場合、毎回の遊技において、後述する終了決定可否テーブル(図11(A))に基づいて、演出上における敵と遭遇するか否か、すなわちバトルを実行するか否か、具体的には、ART終了抽選を実行するか否を抽選により決定する。
具体的には、終了決定可否抽選手段270は、敵と遭遇する、すなわちART終了抽選を実行する抽選確率は8/128に設定され、敵と遭遇しない、すなわちART終了抽選を実行しない抽選確率は120/128に設定されている(図11(A)参照)。
敵と遭遇すると決定された場合は、5回のバトル演出が実行されてART終了抽選が実行され、敵と遭遇しないと決定された場合は、バトル演出は実行されずART終了抽選が実行されないものである。
なお、上述した終了決定可否抽選は、毎回の遊技で実行しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、遊技回数10回ごとに実行する等の一定の周期で実行するようにしてもよい。また、上述した終了決定可否抽選は、抽選結果が実行することとなった回数の合計回数が予め定めた所定回数に達した場合に、終了抽選を実行するように設定してもよい。
終了ポイント決定手段280は、敵と遭遇し、すなわち例えば遊技回数5回の連続演出からなるバトル演出を実行する場合、バトル演出1回〜4回の毎回の遊技において、後述する終了ポイント決定テーブル(図11(B)参照)を用いて、終了抽選に用いるポイントを貯留するための抽選を行い、バトル演出中に当該抽選により貯留したポイントの合計を算出し、記憶するためのものである。この抽選は、敵遭遇後のバトル演出1〜4回の連続演出中に毎回の遊技で行われるものである。
具体的には、終了ポイント決定手段280は、敵遭遇後のバトル中の連続演出中に毎回の遊技で1ポイント又は2ポイントのいずれのポイント数を貯めるかの抽選を行うものである。ここで、後述するステータス決定手段340により決定されているステータス状態により、不利ステータスと通常ステータスと有利ステータスとが設定されている。
ステータス状態が通常ステータス又は有利ステータスの場合、終了ポイント決定手段280は、1ポイントを貯留する抽選確率は110/128に設定され、2ポイントを貯留する抽選確率は18/128に設定されている。
一方、ステータス状態が不利ステータスの場合、終了ポイント決定手段280は、1ポイントを貯留する抽選確率は126/128に設定され、2ポイントを貯留する抽選確率は2/128に設定されている。
本実施の形態では、バトル演出中の毎回の遊技で貯留するポイント数として、1ポイントと、2ポイントとのいずれかに設定されているが、ポイント数は、もちろん、この数値に限定されるものではなく、他のポイント数に設定してもよいものである。
終了抽選手段290は、敵遭遇時の連続演出としてのバトル演出の最終遊技、上述した遊技回数5回のバトル演出では最終遊技となる5回目の遊技において、上述した終了ポイント決定手段280がバトル演出中において記憶しているポイントの合計値に基づいて、ART状態を継続させるか、終了させるかの抽選を後述する終了抽選テーブル(図11(C))を用いて行うためのものである。
本実施の形態では、終了ポイント決定手段280がバトル演出中に貯留しているポイント数に基づいて、4ポイント、5ポイント、6ポイント以上の3つに分類して予め抽選確率が設定されている。
終了抽選手段290は、終了ポイント決定手段280がバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が4ポイントの場合、ART状態が継続となる抽選確率を85/128に設定し、ART状態が終了となる抽選確率は43/128に設定されている(図11(C)参照)。
終了抽選手段290は、終了ポイント決定手段280がバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が5ポイントの場合、ART状態が継続となる抽選確率を100/128に設定し、ART状態が終了となる抽選確率を28/128に設定している(図11(C)参照)。
終了抽選手段290は、終了ポイント決定手段280がバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が6ポイント以上の場合、ART状態が継続となる抽選確率を128/128に設定し、ART状態が終了となる抽選確率を0/128に設定している(図11(C)参照)。
すなわち、終了ポイント決定手段280が貯留しているポイント数が4ポイント、5ポイント、6ポイント以上と増加するほど、ART状態を継続させることができる可能性が高くなるように抽選確率が設定され、6ポイント以上の場合には、必ずART状態が継続となり、終了することはないように設定されている。
なお、ここで、終了抽選手段290の抽選により、ART状態が終了した際の現在地点Pの位置に対応して、所定の特典を付与するようにしてもよい。例えば、後述するカギを拾った後の後述する階段までの距離に応じて、その距離が近い程、大きな特典となるような次回のART状態の上乗せ遊技回数や、所定のポイント等を付与するようにしてもよいものである。例えば、現在地点Pが階段までに5マス以内の位置にあるような場合には、次回のART状態の遊技回数10回の上乗せが行われ、10マス以内の位置にあるような場合には、次回のART状態の遊技回数5回の上乗せが行われるようにしてもよいものである。
また、ART状態が終了した後の遊技状態の優劣が異なるようにしてもいい。例えば、ART状態が終了した際に現在地点Pが階段までに5マス以内ならART状態終了後の通常状態においてAT当選確率が高い高確率状態に制御するなどにしてもよいものである。
また、ART状態が終了した際に現在地点Pが階段までに5マス以内の場合は、所定確率でART状態に再度復帰させるか否かの復活抽選などを行うようにしてもよい。また現在地点Pから階段までの距離に限らず、どのフロアで終了したかに応じた特典を付与してもよい。例えば1階でARTが終了した場合よりも3階でARTが終了した場合を有利にするように形成するとよい。
ラスボスバトルポイント決定手段300は、後述する最終フロア(3階)において最終の敵となるラスボスとバトルを開始し、例えば遊技回数10回の連続演出からなるラスボスバトル演出を実行する場合、ラスボスバトル演出1回〜9回の毎回の遊技において、後述するラスボスバトルポイント決定テーブル(図11(D)参照)を用いて、勝利又は敗北を決定する結果抽選に用いるポイントを貯留するための抽選を行い、ラスボスバトル演出中に当該抽選により貯留したポイントの合計を算出し、記憶するためのものである。この抽選は、ラスボスとのバトル開始後の1回〜9回までの連続演出中の毎回の遊技で行われるものである。
具体的には、ラスボスバトルポイント決定手段300は、最終フロア(3階)のラスボスバトル開始後のラスボスバトル中の1回〜9回の連続演出中に毎回の遊技で1ポイント又は2ポイントのいずれのポイント数を貯めるかの抽選を行う。
ここで、後述するステータス決定手段340により決定されているステータス状態により、不利ステータスと通常ステータスと有利ステータスとが設定されてある。
ステータス状態が不利ステータスの場合、ラスボスバトルポイント決定手段300は、1ポイントを貯留する抽選確率を128/128に設定し、2ポイントを貯留する抽選確率を0/128に設定する。
ステータス状態が通常ステータスの場合、ラスボスバトルポイント決定手段300は、1ポイントを貯留する抽選確率を120/128に設定し、2ポイントを貯留する抽選確率を8/128に設定している。
ステータス状態が有利ステータスの場合、ラスボスバトルポイント決定手段300は、1ポイントを貯留する抽選確率を112/128に設定し、2ポイントを貯留する抽選確率を16/128に設定している。
ラスボスバトルポイント決定手段300は、ラスボスバトル演出中、上述した例では1回〜9回のラスボスバトル演出の毎回の遊技で抽選により選択されたポイントの合計値を算出し記憶する。
本実施の形態では、ラスボスバトル演出中の毎回の遊技で貯留するポイント数として、1ポイントと、2ポイントとのいずれかに設定されているが、ポイント数は、もちろん、この数値に限定されるものではなく、他のポイント数に設定してもよいものである。
ラスボスバトル結果決定手段310は、ラスボスとのバトル開始時の連続演出としてのラスボスバトル演出の最終遊技、上述した遊技回数10回のラスボスバトル演出では最終遊技となる10回目の最終遊技において、上述したラスボスバトルポイント決定手段300がラスボスバトル演出中において記憶しているポイントの合計値に基づいて、勝利又は敗北となるか、具体的には、特典を付与するか否かの抽選を後述するラスボスバトル結果決定テーブル(図11(E))を用いて行うためのものである。
本実施の形態では、ラスボスバトルポイント決定手段300がラスボスバトル演出中に貯留しているポイント数に基づいて、9ポイント、10〜13ポイント、14ポイント以上の3つに分類して予め抽選確率が設定されている。
ラスボスバトル結果決定手段310は、ラスボスバトルポイント決定手段300がラスボスバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が9ポイントの場合、特典が付与される勝利となる抽選確率を6/128に設定し、特典が付与されない敗北となる抽選確率を122/128に設定している(図11(E)参照)。
ラスボスバトル結果決定手段310は、ラスボスバトルポイント決定手段300がラスボスバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が10〜13ポイントの場合、特典が付与される勝利となる抽選確率を50/128に設定し、特典が付与されない敗北となる抽選確率を78/128に設定している(図11(E)参照)。
ラスボスバトル結果決定手段310は、ラスボスバトルポイント決定手段300がラスボスバトル演出中に貯留しているポイント数の合計が14ポイント以上の場合、特典が付与される勝利となる抽選確率を102/128に設定し、特典が付与されない敗北となる抽選確率を26/128に設定している(図11(E)参照)。
すなわち、ラスボスバトルポイント決定手段300が貯留しているポイント数が9ポイント、10〜13ポイント、14ポイント以上と増加するほど、特典が付与される勝利となる可能性が高くなるように抽選確率が設定されている。
遊技領域設定手段320は、現在地点Pが移動可能なマップとしての遊技領域をデータとして有しているものである(図14、図15及び図16参照)。
具体的には、遊技領域設定手段320は、移動領域として3つのフロア(1階、2階、3階)を有しており、各フロアにおいて各移動領域の1個ずつのマス目にそれぞれ(X、Y)の座標を設定し(図13参照)、各座標において、移動可能な方向の座標を記憶しているものである。なお、座標に関しては、後で詳細に説明する(図13参照)。
遊技領域設定手段320は、各フロアにおいて、現在地点Pがマス目間を移動することができない壁や、現在地点Pが移動できないマス目(図中の斜線領域)を所定のプログラムにより、遊技領域を新たに設ける毎に異なるものに設定する。なお、壁や斜線領域は、マップとしての遊技領域を設ける毎に、発生させることなく、所定の遊技回数や時間の経過毎に変更するようにしてもよいし、また、変更しないようにしてもよいものである。
更に、遊技領域設定手段320は、3つのフロアにおいて、P印からなる現在地点P、カギ印からなるカギ、階段印からなる階段、バツ印からなる不利なイベントが発生するマス、ハート印からなる有利なイベントが発生するマス、白抜き星印、黒塗り星印、黒塗り四角印からなるワープするマス、VS印からなるラスボスとの対戦が発生するマス、M印からなるメッセージマス、宝印からなる入手することでラスボスとの対戦が優遇される宝箱との位置を遊技領域を新たに発生させるごとに所定の抽選により新たな位置に設けている。
なお、現在地点Pは、初期位置として、各フロアの中心に発生させるように設定されてあるが、この初期位置は他の位置に発生させるようにしてもよい。例えば、各フロアのスタート時に抽選を行って初期位置を決めてもよいし、それまでの遊技状況に基づいて決定してもよい。
遊技領域設定手段320は、各フロアにおいて、図中の四角点線の範囲内で示される安全区域と、その四角点線の範囲外となる危険区域とを、設定している。具体的には、遊技領域設定手段320は、安全区域のマス目の座標と、危険区域のマス目の座標とを記憶しているものである。もちろん、記憶の仕方はこれに限定されるものではなく、現在地点Pの座標が与えられたときに、現在地点Pが安全区域であるか、危険区域であるかの判断が可能であれば良いものであって、例えば、座標の(X、Y)のXの範囲と、Yの範囲とを記憶するようにしてもよい。この四角点線で示される領域は、その都度、抽選等により、大きさや位置を変更可能に設定されている。
移動決定手段330は、RT状態が、RT3状態からRT4〜7のいずれの状態へ移行するかによって、具体的には、遊技者の停止操作によって、RP7〜10の重複当選の際、いずれの役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができたかによって、遊技領域上の現在地点Pをいずれの方向へ移動させるか決定するためのものである。
移動決定手段330は、RT3状態において、RP7に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができた場合は、RT4状態へ移行し、現在地点Pを上方向へ1マス移動させる(図3、図12参照)。
移動決定手段330は、RT3状態において、RP8に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができた場合は、RT5状態へ移行し、現在地点Pを左方向へ1マス移動させる(図3、図12参照)。
移動決定手段330は、RT3状態において、RP9に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができた場合は、RT6状態へ移行し、現在地点Pを下方向へ1マス移動させる(図3、図12参照)。
移動決定手段330は、RT3状態において、RP10に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができた場合は、RT7状態へ移行し、現在地点Pを右方向へ1マス移動させる(図3、図12参照)。
さらに、移動決定手段330は、RT4〜7状態において、所定の役に係る図柄組み合わせを停止表示させることができた場合は、現在地点Pをいずれの方向へ移動させるか決定する。
具体的には、移動決定手段330は、RT4〜7状態において、RP2の役に係る図柄組み合わせを停止表示させることができた場合は、現在地点Pを上方向へ1マス移動させる。
移動決定手段330は、RT4〜7状態において、RP3の役に係る図柄組み合わせを停止表示させることができた場合は、現在地点Pを左方向へ1マス移動させる。
移動決定手段330は、RT4〜7状態において、RP4の役に係る図柄組み合わせを停止表示させることができた場合は、現在地点Pを下方向へ1マス移動させる。
移動決定手段330は、RT4〜7状態において、RP5の役に係る図柄組み合わせを停止表示させることができた場合は、現在地点Pを右方向へ1マス移動させる。
本実施の形態では、各状態において、高確率に設定されているリプレイ役の種類がそれぞれ異なっているため、RT4状態では、上方向へ移動するRP2が高確率に設定され、RT5状態では、左方向へ移動するRP3が高確率に設定され、RT6状態では、下方向へ移動するRP4が高確率に設定され、RT7状態では、右方向へ移動するRP5が高確率に設定されている。本実施の形態では、各状態において、高確率に設定されていない他のリプレイ役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されると、当該役に対応する方向に現在地点Pが移動するように設定されているが、これに限定されるものではなく、各RT状態において、移動できる方向は1つだけに限定するようにしてもよい。例えば、RT4状態では、役抽選における通常リプレイ2の抽選値を「41636」とし、通常リプレイ3〜5の抽選値を「0」とすることで、RP2〜5のうち、RP2のみしか入賞し得なくすることで、移動できる方向を1つだけに限定できる。
RT4〜7状態において、RT3状態への移行リプレイ役であるRP6に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されると、RT4〜7状態からRT3状態へ移行することになるが、その際、移動決定手段330は、現在地点Pを移動させない。もちろん、抽選等により決定される所定方向に移動させるようにしてもよい。
なお、ここで、本実施の形態では、上述したように各状態へ移行した際や、各状態で所定役に係る図柄組み合わせを有効ライン86を停止表示させた際に、所定方向へ1マスだけ移動させているが、移動させる距離は、1マスに限定されるものではなく、2マス以上の数値に設定してもよい。これにより、現在地点Pを移動させる速度を変更させることができる。さらに、現在地点Pが、安全区域と、危険区域とのいずれの区域に存在するかで、移動させる距離を変更させてもよい。例えば、安全区域では1回に移動させる距離を短くすることで安全区域の滞在期間を長くすることができ、危険区域では1回に移動させる距離を長くすることで危険区域の滞在期間を短くするようなことができる。
また、ここで、上述した移動決定手段330は、現在地点Pの移動方向として、上下右左の4方向だけに設定しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、斜め右上、斜め右下、斜め左上、斜め左下の斜め方向に加えた8方向に移動可能としてもよい。その際には、移動の契機となる役を別に4つ追加することにより、当該役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合に移動させることで4方向と同様に達成可能となる。さらに、この8方向に移動可能な場合は、有利なイベントが発生するマスを通過した場合に限定してもよい。
また、移動決定手段330は、有利なイベントが発生するマスを通過したような場合には、現在地点Pが移動している通路の幅だけを広げたり、壁や通路のない領域を広げて広場のように形成し、移動可能な方向の制限を緩和するようにしてもよい。
ステータス決定手段340は、現状のステータス状態が、通常ステータスであるか、有利ステータスであるか、又は、不利ステータスであるかの決定をするものである。ステータス決定手段340は、後述する遊技領域において、初期状態は、通常ステータスで開始し、現在地点Pが不利なイベントが発生するバツ印に移動すると、ステータス状態を1段階だけ不利な方向へ移行する。すなわち、ステータス決定手段340は、現在のステータス状態が通常ステータスの場合は、不利ステータスへ移行し、現在のステータス状態が有利ステータスの場合は、通常ステータスへ移行する。なお、ステータス決定手段340は、現在のステータス状態が不利ステータスの場合は、そのまま不利ステータスを維持する。
また、ステータス決定手段340は、現在地点Pが有利なイベントが発生するハート印に移動すると、ステータス状態を1段階だけ有利な方向へ移行する。すなわち、ステータス決定手段340は、現在のステータス状態が通常ステータスの場合は、有利ステータスへ移行し、現在のステータス状態が不利ステータスの場合は、通常ステータスへ移行する。なお、ステータス決定手段340は、現在のステータス状態が有利ステータスの場合は、そのまま有利ステータスを維持する。
特典付与手段350は、ラスボスバトル結果決定手段310の抽選結果、ラスボスバトルに勝利した場合に特典を付与するものである。本実施の形態では、ラスボスバトルに勝利した場合、特典付与手段350は、特典として、遊技回数30回のエンディング演出を実行するとともに、さらに再度、ART状態が開始され、RT3状態における遊技領域の1階の中央位置に現在地点Pが位置するRT状態の最初の演出が開始される。もちろん、特典は再度、上述したようなART状態が開始されることに限定されるものではなく、遊技者が利益を得られる有利なものであれば他のものに設定してもよく、例えば、予め定められた上限遊技回数(例えば遊技回数1500回)まで継続することが保証されたART状態を実行してもよい。この際、液晶表示画面としての表示装置84には、ART状態の開始時からエンディング終了時までのハイライト映像などを流すことで、これまでの遊技と関連性をもった遊技が行え、飽きることのない遊技を提供することができる。
同一フロア滞在期間カウント手段360は、現在地点Pが同一フロアに滞在する期間を遊技回数としてカウントするためのものである。同一フロア滞在期間カウント手段360は、同一フロアに滞在する期間を遊技回数としてカウントし、10回目、20回目、30回目、・・と10回増加する毎に遊技領域設定手段320により、安全区域の範囲を縦横1マス毎に縮小させるものである。例えば、遊技領域設定手段320は、当該フロアでの滞在期間が10回に達すると縦15マス×横13マスであった安全区域を、縦14マス×横12マスに範囲を縮小させるものである。
なお、遊技領域設定手段320は、当該フロアで1回、安全区域を縮小させた場合、次のフロアに移行すると1回分だけ安全区域を拡大させることにより、そのフロアでの継続が容易になるように設定されている。例えば1階で安全区域が初期状態において、縦14マス×横12マスであったときに、遊技回数が20回に到達して2回縮小させると、縦12マス×横10マスになる。一方、次のフロアである2階では、安全区域が初期状態である縦11マス×横11マスから2回分だけ拡大され、縦13マス×横13マスに設定されるようなものである。なお、安全区域の範囲の初期状態は、各フロア毎に予め設定されているが、各フロアで安全区域の初期状態の広さを同じとしてもよい。
なお、ここで、同一フロア滞在期間カウント手段360が、同一フロアに滞在する期間により、同一フロアを不利状態に移行し、次のフロアを有利状態に移行させる手段として、上述したような安全区域の縮小や拡大に限定されるものでなく、以下のようなものでもよい。
例えば、不利状態への移行としては、以下に示すようなものがある。
(1)危険区域での敵に遭遇する抽選値を高めて、敵の出現率を高める。
(2)敵遭遇時の敗北率を高める、具体的には、終了抽選テーブルの終了となる抽選確率を高める。
(3)不利なイベントが発生するマスの数を増やす。
(4)危険区域での壁を多数設けて、通路を複雑にする。
(5)安全区域での移動速度が増加する、具体的には、1回に移動するマスの個数が増加する。
(6)危険区域での移動速度が減少する、具体的には、1回に移動するマスの個数が減る。または、現在地点Pが移動する確率が小さくなるようなものが含まれる。例えばリプレイが入賞したときに抽選し、その抽選確率50%で移動するか否かを抽選で決定し、移動することに当選した場合にだけ1マス進むようにする。
なお、これらの同一フロアにおける不利状態は、この同一フロアの滞在期間が長くなるに連れて、いずれかの態様が段階的に程度を増していくものであってもよいし、複数の態様が重畳的に設定され得るように形成し、当該滞在期間が長くなるに連れて、重畳する態様の数が増していくものであってもよいし、これらを組み合わせたものでもよい。
また、これらの不利状態は、役抽選によりスイカなどのレア役に当選したときに所定確率で、不利状態となった分の一部あるいは全てを元に戻すように制御するとよい。これにより、移動対象役への当選だけでなく、レア役の当選に対しても遊技者の期待を高めることができる。
また、有利状態への移行としては、以下に示すように、上述した不利状態の逆パターンである(1)〜(6)に加えて、(7)、(8)のようなものがある。
なお、有利状態への移行については、滞在期間に応じたもののほかに、役抽選によるレア役当選時の抽選等を契機としてもよい。
(1)危険区域での敵に遭遇する抽選値を下げて、敵の出現率を低める。
(2)敵遭遇時の敗北率を下げる、具体的には、終了抽選テーブルの終了となる抽選確率を低める。
(3)不利なイベントが発生するマスの数を減らす。
(4)危険区域での壁を少なくし、通路を単純にする。
(5)安全区域での移動速度が減少する、具体的には、1回に移動するマスの個数が減少する。
(6)危険区域での移動速度が増加する、具体的には、1回に移動するマスの個数が増える。または、現在地点Pが移動する確率が大きくなるようなものが含まれる。例えばリプレイが入賞したときに抽選し、その当選確率90%で移動するか否かを抽選で決定し、移動することに当選した場合にだけ1マス進むようにする。
(7)次のフロアへ行くための経由ポイントとなるカギが安全区域の内部に位置したり、また、安全区域の近くに位置する。なお、通常は、経由ポイントしてのカギは危険区域に位置するように設定されている。
(8)遊技領域における現在地点Pが通過して後述する暗闇が解消する部分が広範囲になる(暗闇部分が減る)。例えば、通常は現在地点Pが通過する1マス分しか暗闇部分は解消しないが、現在地点Pを中心として前後左右9マスの正方形部分の暗闇部分が解消するようなものが含まれる。
なお、上述したような次のフロアの有利状態は、その前のフロア(上述した「同一フロア」)の滞在期間が長くなるに連れて、いずれかの態様が段階的に程度を増していくものであってもよいし、複数の態様が重畳的に設定され得るように形成し、当該滞在期間が長くなるに連れて、重畳する態様の数が増していくものであってもよいし、これらを組合わせたものでもよい。
送信手段380は、サブ制御手段400へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段380は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する当選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果をサブ制御手段400の受信手段410へ送信する。
また、ART状態のときに役抽選手段210により押し順役に当選したときに、送信手段380は、押し順役に対応する有利な操作手順を特定可能な操作手順特定コマンドを受信手段410へ送信する。
なお、上述した遊技領域設定手段320や、移動決定手段330等の各手段では、データを設定したり、決定等を行っているのみで、それらのデータはサブ制御手段400へ送信され、それらのデータに基づいて、サブ制御手段400の演出実行制御手段420により、画像データが抽出されることで、液晶表示器としての表示装置84にマップ上の遊技領域を現在地点Pが移動する演出が表示可能に形成されている。
本実施の形態では、メイン制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報を、サブ制御手段400へ送信している。
なお、メイン制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報を、送信経路(ハーネス等の伝送路)の途中で設定値の情報を抜き取るような不正行為(いわゆるゴト行為)を防止するため、送信しないようにしてもよい。
また、メイン制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報を、サブ制御手段400へ送信せずに、サブ制御手段400において、役の当選履歴情報から設定値を推測して決定する機能を有する設定値演算推測手段を設けて、当該手段により推測した設定値に基づいて、設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
サブ制御手段400は、図8に示すように、受信手段410、演出実行制御手段420の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段400は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段400は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
受信手段410は、送信手段380から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
演出実行制御手段420は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段420は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技状態、RT遊技状態、ボーナス状態等の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段420は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
ART状態のときに役抽選手段210により押し順役に当選したときに、演出実行制御手段420は、受信手段410により受信した操作手順特定コマンドから当該有利な操作手順を特定するとともに、表示装置84により当該有利な操作手順が特定可能となる演出を行う操作手順演出実行状態とする。
演出実行制御手段420は、上述したメイン制御手段200の遊技領域設定手段320で設定された遊技領域の各種データに基づいて、液晶表示器としての表示装置にマップ上のものを表示するとともに、メイン制御手段200から送信されてきた安全区域や、危険区域や、現在地点Pや、カギや、階段や、種々の特徴を有するマスの座標データに基づいて、遊技領域としてのマップ上にそれらの画像を表示させたりするものである。また、それらの座標データを変動がある度にメイン制御手段200から送信されてきており、それらに基づいて、各種画像データを表示させる位置をその都度、変更させるようにしている。
つぎに、図9を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、メイン制御手段200により管理され、図9に示すように、大別すると、ノーマル状態、RT状態、ボーナス内部中状態としてのBB内部中、ボーナス状態としてのBBがある。RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、RT状態に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する当選確率が、当該RT状態に対応するものとなる。
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、ノーマル状態のRT0状態(初期状態)においては1/7.3に設定されており、ノーマル状態のRT1状態では、RT0状態と同じ約1/7.3に設定されている。また、RT2状態〜RT7状態での再遊技役への当選確率はノーマル状態のRT0状態やRT1状態よりも高くなるように設定されている。
ノーマル状態は、ノーマル状態制御手段251により制御され、RT0状態と、RT1状態とがある。
RT0状態からRT1状態には、予め定めた所定図柄(例えば、押し順ベル取りこぼし図柄、いわゆる、取りこぼし図柄)を停止表示させた時に移行する。
RT状態は、RT状態制御手段252により制御され、ノーマル状態より再遊技役への当選確率の高いRT2状態〜RT7状態が設けられている。
なお、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行するボーナス内部中(RT2)では、RT3状態〜RT7状態より低いがノーマル状態より再遊技役への当選確率は高くなるように設定されている。もちろん、このRT2状態の再遊技役の当選確率は、ノーマル状態と同等に設定してもよいし、RT3状態〜RT7状態と同等又はRT3状態〜RT7状態より高くなるように設定してもよい。
ここで、ノーマル状態からRT3状態、具体的には、RT1状態からRT3状態には、RT3移行図柄としての図柄(昇格リプレイ図柄RP6、いわゆる昇格図柄)を停止表示させた時に移行する。停止操作順序の報知(ナビ)に従い正解の停止操作順序で停止すれば、RP6に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示し、RT3状態へ移行するが、ナビ無し時では、不正解の停止操作順序となり、RP1に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示し、RT3状態へ昇格しない。
また、RT3状態において、特に図示していないが、押し順ベル取りこぼし図柄等のいわゆる転落図柄を停止表示させるとRT0状態や、RT1状態に移行する。
ボーナス内部中は、ボーナス内部中状態制御手段254により制御され、ノーマル状態やRT状態においてボーナス移行役としてのBBに当選すると、移行する。
ボーナス状態は、ボーナス状態制御手段253により制御され、「ボーナス内部中」や、ボーナス役に当選した遊技で「ボーナス図柄(ボーナス移行図柄)」としてのBB(赤7、赤7、赤7)を有効ライン86上に揃えることで移行する。
ボーナス状態は、RBBであって、いわゆるRBが連続作動し、所定の枚数、例えば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。そして、ボーナス状態終了後、RT0の初期状態に移行する。
なお、ボーナス状態は、メダルの払出枚数を終了条件とするのではなく、所定のゲーム数で終了するものであってもよい。
次に図10を用いて、演出状態について説明する。
図10に示すように、演出状態は、「非AT状態」と、「AT状態」と、「ボーナス演出状態」とがある。
非AT状態には、通常演出状態と、AT状態の前兆となる演出状態である前兆演出状態とがある。
AT状態は、通常演出状態より遊技者に有利な状態である。当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを有効ライン86上に停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
AT状態には、ART準備状態と、ART状態とがある。ART準備状態は、前兆演出状態から移行可能なものであり、このART準備状態からART状態へ移行可能となり、ART状態が終了すると、非AT状態へ戻る。なお、これらの状態からボーナス状態への移行が可能となる。
AT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中に移行抽選手段255によりスイカ役当選時に所定確率でAT抽選が実施され、AT状態への移行抽選に当選すると、前兆演出状態へ移行し、前兆演出の後、AT状態へ移行する。AT状態への移行抽選において当選していないにもかかわらず、前兆演出状態へ移行して前兆演出が開始される場合(いわゆるガセ演出)があり、かかる場合は、数回の遊技の後、通常演出状態へ戻る。また、AT状態は、終了抽選手段290の抽選結果や、ラスボスバトル結果決定手段310の抽選結果により、ART状態を終了させる際に終了となる。
なお、AT状態への移行抽選において、当選した後、前兆演出状態へ移行して、更に抽選等によりART準備状態やART状態へ移行するか否かが抽選により決定されるようにしてもよい。また、AT状態への移行抽選に当選した場合、前兆演出状態を経由せずに直接、ART準備状態やART状態へ移行するようにしてもよい。
ART準備状態は、遊技状態が、RT1である場合のAT状態であり、RT1の状態で、RT3へ移行する役に当選した場合には、押し順が報知され、当該報知に従ってストップスイッチ50が操作された場合には、RT3に移行し、ART状態に移行する。
ART状態は、通常演出状態より遊技者に有利な状態である。当該ART状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技と、RT3〜7状態とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
本実施の形態では、RT3〜7状態において、表示装置84にマップ上の遊技領域を表示して、その遊技領域の範囲内を現在地点Pが所定の停止操作順序に対応する方向へ移動する演出が実施される。
ボーナス演出状態は、ボーナス状態中の演出状態である。
図11(A)〜(E)は、既に説明したように、各種抽選テーブルであって、(A)は終了決定可否テーブル、(B)は終了ポイント決定テーブル、(C)は終了抽選テーブル、(D)はラスボスバトルポイント決定テーブル、(E)はラスボスバトル結果決定テーブルを示すものであり、抽選するための抽選値が格納されている。
図12は、RT3状態からRT4〜7状態へ移行した際と、このRT4〜7状態で高確率で当選する所定役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた際とにおいて、現在地点Pが遊技領域のマスを移動する方向を示しているものである。各状態において、遊技者が現在地点Pを移動させたい方向に対応する役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に目押しにより停止表示させることで現在地点Pを所定方向に移動させることが可能となる。
RT4状態は、現在地点Pを遊技者が正面方向から遊技機10の方を見たときの上方向へ移動させるための遊技状態である。RT3状態において、RT4状態への移行リプレイ役であるRP7の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが上方向へ1マス移動するとともに、RT3状態からRT4状態へ移行する。また、RT4状態において、中段リプレイとしてのRP2の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが上方向へ1マス移動するように設定されている。
RT5状態は、現在地点Pを遊技者が正面方向から遊技機10の方を見たときの左方向へ移動させるための遊技状態である。RT3状態において、RT5状態への移行リプレイ役であるRP8の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが左方向へ1マス移動するとともに、RT3状態からRT5状態へ移行する。また、RT5状態において、右下がりリプレイとしてのRP3の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが左方向へ1マス移動するように設定されている。
RT6状態は、現在地点Pを遊技者が正面方向から遊技機10の方を見たときの下方向へ移動させるための遊技状態である。RT3状態において、RT6状態への移行リプレイ役であるRP9の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが下方向へ1マス移動するとともに、RT3状態からRT6状態へ移行する。また、RT6状態において、中段リリベとしてのRP4の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが下方向へ1マス移動するように設定されている。
RT7状態は、現在地点Pを遊技者が正面方向から遊技機10の方を見たときの右方向へ移動させるための遊技状態である。RT3状態において、RT7状態への移行リプレイ役であるRP10の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが右方向へ1マス移動するとともに、RT3状態からRT7状態へ移行する。また、RT7状態において、右下がリリベとしてのRP5の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合、現在地点Pが右方向へ1マス移動するように設定されている。
上述したように本実施の形態では、RT3状態からRT4〜7状態へ移行した際の移行リプレイに係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させた場合も現在地点Pを所定方向へ移動させているが、特にこれに限定されるものではなく、RT3状態からRT4〜7状態へ移行させたときには、現在地点Pを移動させないようにして、RT4〜7状態へ移行した後の中段リプレイ等の各状態における所定の役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させたときにのみ現在地点Pを移動させるようにしてもよい。
図13は、図14の1階の遊技領域の中央部分の一部を拡大したものであって、当該部分に予め設定されている座標(X、Y)を示しているものである。
図13に示すように、遊技領域は、中央の座標(X、Y)に(0、0)が設定されてあり、初期状態において、現在地点Pは(0、0)に位置している。遊技領域の1マスずつ右方向に移動すると、座標のXの値が+1ずつ加算され、1マスずつ左方向に移動すると座標のXの値に1ずつ減算される。また、遊技領域の1マスずつ上方向に移動すると、座標のYの値が1ずつ加算され、1マスずつ下方向に移動すると、座標のYの値が1ずつ減算されるように形成されている。すなわち、遊技領域の各マスの位置は、全て座標(X、Y)によって設定されていることになる。
遊技領域には、現在地点Pが移動できる方向と、移動できない方向とを表現する壁が形成されている。図13〜図15中の斜線が描かれている斜線領域は現在地点Pが移動することができないマスであり、この斜線領域の外周は、現在地点Pが移動することができない壁が形成されていることになる。この壁が設けてあることにより、各マス毎に移動することができる座標(X、Y)が記憶されている。例えば、原点である座標(X、Y)が(0、0)のマスにおいて、当該マスから移動できるマスの座標として、(0、1)(−1、0)(0、−1)(1、0)の4つのマスの座標が記憶されている。また、例えば、座標(X、Y)が(1、0)のマスにおいて、当該マスから移動できるマスの座標として、(0、0)(2、0)の2つのマスの座標が記憶されている。
このように、各マスにおいて、移動可能なマスの座標を記憶していることにより、現在地点Pが移動することができない壁を表現している。RT4〜7状態において、RP2〜5の図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができて、所定の方向へ移動することに決定されたときに、現在地点Pのマスに記憶されている移動可能なマスの座標が存在しない場合には、現在地点Pは移動せず現在の位置をそのまま維持するように設定されている。もちろん、これに限定されるものではなく、移動方向に壁が存在するような場合には、例えば反対方向等のように別方向へ移動させるようにしてもよく、また、移動可能なマスの中から抽選で移動させるようにしてもよいものである。
図14〜図16に示すように、遊技領域は、1階、2階、3階の3つのフロアの階層構造からなる。各フロアにおいて、初期状態では、中央位置に現在地点Pが位置し、この現在地点Pを移動させて、カギを取って、1階と2階とでは階段へ行くことにより、次のフロアへ移動することができるように形成されている。次のフロアでは、現在地点Pは、中央の座標位置から開始される。3階のフロアでは、階段の代わりに、ラスボスの敵とのバトルが行われ、勝利した場合には、特典が付与される。
図14〜図16では、遊技領域の全ての表示が実施されているが、いずれのフロアにおいても、現在地点Pが原点座標(X、Y)=(0、0)に位置する初期状態において、画面上には、現在地点Pと、カギと、階段とだけが表示され、それ以外の通路や壁や特殊記号が存在するマス等は全て表示されない真っ黒な暗闇の画面となる。その真っ黒な画面から現在地点Pが移動していった通路のみが明るく表示されるような状態になる。
すなわち、現在地点Pが1回移動した通路は、その後、通路や壁等が明るく見えている状態を継続するものである。初期状態では手がかりのない状態から開始され、現在地点Pが動き回りながら、カギを拾い、階段へ向かうようなゲームとなるものである。もちろん、現在移動している現在地点Pの周囲だけが明るく見えるように設定してもよい。また、不利又は有利なイベントが発生するマス等の特殊記号も初期状態では隠れている状態になっており、現在地点Pが特殊記号が隠れているマスに到達することによって、特殊記号が出現するように形成されている。また、フロアが変わると、また、真っ暗闇から開始することになる。
また、明るくなる領域は、現在地点Pが移動した通路のみに限定されるものではなく、現在地点Pを中心とする3マス×3マスの正方形状の9マスの部分が明るく見えるようにしてもよい。
図13〜図15の遊技領域における各種の特殊記号等の内容について説明する。
円形の中にP印が位置しているものが現在地点Pを意味する。遊技者の停止操作等によりRT状態が移行することによって、この現在地点Pの位置を移動させることができるものである。
遊技領域のうち、点線で囲まれる四角枠の内部が安全区域を意味し、この点線の四角枠の外側の領域が危険区域を意味する。現在地点Pが安全区域の内部に位置する場合には、ARTの終了の可能性が発生する敵と遭遇しないように設定されている。安全区域では、ARTの終了抽選は行われないものである。現在地点Pが危険区域に位置する場合、所定の確率で敵に遭遇し、その際の所定の確率で敵に敗北し、ARTが終了するように設定されている。
なお、この安全区域は、四角形状に限らずいびつな形状にしてもよい。また、点在するように形成してもよい。
敵に遭遇した場合には、遊技回数5回の連続演出が発生する。この連続演出の1回〜4回の間にポイントを貯め、連続演出5回目の遊技で貯留したポイントに基づいて、ART終了抽選が行われるように設定されている。
基本的には、カギと階段は、危険区域に配置するように設定されている。すなわち、先のフロアに進むには危険区域に現在地点Pを移動させて、カギを拾い、階段まで移動する必要があるものである。
同一フロアに滞在している期間に応じて、当該フロアの継続が困難になり、さらに、次のフロアでの継続が容易になるように設定されている。
具体的には、同一フロア滞在期間カウント手段360が同一フロアでの滞在期間としての遊技回数をカウントし、当該遊技回数が所定回数に到達するごとに、遊技領域設定手段320が当該フロア(例えば1階)で安全区域の範囲を縮小して当該フロア(1階)での継続を困難にし、さらに、当該フロア(1階)から次のフロア(2階)に移行すると、1階のフロアで安全区域を縮小した分だけ、2階のフロアでは安全区域の範囲を初期状態から拡大して、2階での継続が容易になるように設定されている。
図13〜図15の遊技領域において、安全区域に位置し、略中央位置が初期状態となるP印からなる現在地点P、危険区域に位置しカギ印からなるカギ、危険区域に位置し階段印からなる階段が設定されている。
バツ印からなる不利なイベントが発生するマスは、現在のステータス状態が1段階だけ不利な状態へ移行するものである。例えば、ステータス状態が有利ステータスである場合には、通常ステータスへ移行し、ステータス状態が通常ステータスである場合には、不利ステータスへ移行するものである。なお、このマスを通過した場合は、次の不利なイベントが発生するマス又は有利なイベントが発生するマスを通過するまで、ステータス状態を変更したままの状態を維持することになる。もちろん、これに限定されるものではなく、このような有利又は不利なイベントが発生するマスにおいてだけ、ステータス状態が変更するようにして、その間は通常ステータスに戻るようにしてもよいものである。
さらに、ハート印からなる有利なイベントが発生するマスは、現在のステータス状態が1段階だけ有利な状態へ移行するものである。例えば、ステータス状態が不利ステータスである場合には、通常ステータスへ移行し、ステータス状態が通常ステータスである場合には、有利ステータスへ移行するものである。なお、このマスを通過した場合は、次の不利なイベントが発生するマス又は有利なイベントが発生するマスを通過するまで、ステータス状態を変更したままの状態を維持することになる。もちろん、これに限定されるものではなく、このような有利又は不利なイベントが発生するマスにおいてだけ、ステータス状態が変更するようにして、その間を通常ステータスに戻るようにしてもよいものである。
白抜き星印、黒塗り星印、黒塗り四角印からなる特殊記号は、現在地点Pがワープ(瞬間移動)するマスである。具体的には、白抜き星印に現在地点Pが通過すると、その位置から、もう一つの白抜き星印へ現在地点Pが途中の経路や壁等に影響を受けることなく、瞬間的に移動するものである。また、黒塗り星印に現在地点Pが通過すると、その位置から、もう一つの黒塗り星印へ現在地点Pが途中の経路や壁等に影響を受けることなく、瞬間的に移動するものである。また、黒塗り四角印に現在地点Pが通過すると、その位置から、もう一つの黒塗り四角印へ現在地点Pが途中の経路や壁等に影響を受けることなく、瞬間的に移動するものである。
M印からなるメッセージマスには、当該マスを通過することで、当該フロアの攻略要素が表示されるものである。例えば、「このフロアのカギは右下の辺りだ!」の様なメッセージが表示装置84に表示されるものである。
宝印からなる宝マスには、当該マスを通過することで、所定のアイテムを獲得することができるものであり、このアイテムを獲得することでラスボスとの対戦が優遇されるように設定されているものである。具体的には、10回の連続演出からなるラスボスバトルにおいて、ポイントが加点される、例えば3点加算されるものである。これにより、ラスボスバトル結果決定テーブル(図11(E)参照)の勝利及び敗北の抽選確率を格納している欄がより有利な欄へ移行することになれば、ラスボスバトルにおいて勝利となる抽選確率を増加させることができ、より勝利することが容易となる。
VS印からなるラスボスとの対戦が発生するマスは、遊技領域3階においてのみ出現するものであり、この1階、2階、3階の遊技領域における最後の敵であるラスボスとのバトルが開始するマスである。このラスボスとのラスボスバトルにおいて、勝利すると特典が付与され、負けると特典を得られない。
この3階で待ち構えるラスボスを倒して勝利することで、遊技回数30回のエンディング演出を遊技することができ、このエンディング演出の遊技を終了すると、いったん、ART状態は終了するが、通常演出状態へ移行した後、前兆演出状態を経て、再度、ART状態が開始されるように設定されている。
なお、ここで、3階では、現在地点Pが移動することができないマス目である斜線領域は有していないが、マス目の極太ラインは、現在地点Pが移動することができない、いわゆる壁となっているものである。
図17に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
ステップ131において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ132に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ131に戻る。
なお、このステップ131の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。
ステップ132において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段400へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ133に進む。
ステップ133において、停止制御手段220により、リールユニット60におけるリール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ134に進む。
ステップ134において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、停止制御手段220により、操作されたストップスイッチ50に対応するリール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ136に進む。
ステップ136において、停止制御手段220により、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ138に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ134に戻る。
ステップ138において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び遊技媒体払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
図18に示すフローチャートに基づいて、RT3〜7状態におけるマップ処理について説明する。
先ず、ステップ210において、現在の遊技状態が敵と遭遇して実施されるバトル中であるか否かが判定される。なお、このバトルには、ラスボスバトルも含まれる。現在の遊技状態がバトル中であると判定された場合、ステップ220に進み、バトル中でないと判定された場合、ステップ211に進む。
ステップ211において、有効ライン86上に停止した役に係る図柄組み合わせが、移動対象役であるRP2〜4や、RP7〜10に係るもの、いわゆる移動対象役であるか否かが判定される。有効ライン86上に停止した役に係る図柄組み合わせが、上述したような移動対象役に係る図柄組み合わせであると判定された場合、次のステップ212に進み、上述したような移動対象役に係る図柄組み合わせでないと判定された場合、ステップ216に進む。
なお、本実施の形態では、ベルや、スイカは移動対象役ではなく、これらの役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されても移動図柄Pは移動しない。
ステップ212において、現在地点Pのマス目に記憶されている移動可能な座標(X、Y)の中に、移動対象役により移動可能な方向の座標(X、Y)が含まれているか否かにより、現在地点Pが壁等の影響を受けずに移動することができるか否が判定される。現在地点Pが移動可能であると判定された場合、次のステップ213に進み、移動可能でないと判定された場合、ステップ216に進む。
ステップ213において、現在地点Pの座標(X、Y)の値を、移動した後の座標に更新する。そして、次のステップ214に進む。
ステップ214において、移動した後の座標(X、Y)に特殊記号等が配置されている特定座標であるか否かが判定される。移動した後の座標(X、Y)が、特定座標であると判定された場合、次のステップ215に進み、特定座標でないと判定された場合、ステップ216に進む。
ステップ215において、特定座標に予め記憶されている特殊記号の内容に対応する処理、いわゆる特定座標時処理が実施される。そして、次のステップ216に進む。
ステップ216において、現在地点Pが危険区域であるか否かが判定される。現在地点Pが危険区域であると判定された場合、次のステップ217に進み、現在地点Pが危険区域でない、すなわち安全区域であると判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ217において、終了決定可否抽選手段270により、バトルを実行するか否かのバトル抽選であって、敵と遭遇するか否かの抽選が行われる。そして、次のステップ218に進む。
ステップ218において、バトル抽選の結果、敵と遭遇することに決定されたか否か、すなわちバトルを開始するか否かが判定される。敵と遭遇する、すなわちバトルを開始すると判定された場合、次のステップ219に進み、敵と遭遇しない、すなわちバトルを開始しないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ219において、ラスボスバトル又は通常のバトルのフラグがON状態となる。そして、当該処理が終了する。
ステップ210でラスボスバトルを含めたバトル中であると判定された場合、ステップ220において、ラスボスバトル又は通常のバトルの連続演出の最終遊技であるか否かが判定される。すなわち、ラスボスバトルでは10回目、通常のバトルでは5回目であるか否かが判定されるものである。ラスボスバトル又は通常のバトルの最終遊技であると判定された場合、ステップ222に進み、最終遊技でないと判定された場合、ステップ221に進む。
ステップ221において、ポイント獲得処理が行われる。具体的には、ラスボスバトル以外の通常のバトルでは、終了ポイント決定手段280により、終了ポイント決定テーブルを用いてポイントが抽選により決定され、これまでのポイントに合算され、貯留される。また、ラスボスバトルでは、ラスボスバトルポイント決定手段300により、ラスボスバトルポイント決定テーブルを用いてポイントが決定され、これまでのポイントに合算され、貯留される。そして、当該処理が終了する。
一方、ステップ220で最終遊技であると判定された場合は、ステップ222において、終了抽選が行われる。ラスボスバトル以外の通常のバトルでは、終了抽選手段290により、終了抽選テーブルを用いて、ART状態の継続か終了かが抽選で決定される。一方、ラスボスバトルでは、ラスボスバトル結果決定手段310により、ラスボスバトル結果決定テーブルを用いて、勝利となるか敗北となるかが抽選で決定されるものである。そして、次のステップ223に進む。
ステップ223において、ラスボスバトル又は通常のバトルのフラグがOFF状態となる。そして、当該処理が終了する。
本実施の形態によれば、上述したような構成を有することにより、以下に示すような作用及び効果を奏する。
本実施の形態では、ART状態の継続期間を移動領域としての遊技領域を現在地点Pが移動することで表すことができ、継続期間を従来にない表現方法で遊技者に見せることができ興趣を高めることができる。
本実施の形態では、現在地点Pを安全区域に常に位置するようにすることで、ART状態が永続的に続くかもしれないという期待感を創出することができる。
本実施の形態では、終了の可能性がある危険区域と終了の可能性がない安全区域とを設けることで、現在地点Pがいずれの区域に位置しているかで、所定の遊技状態の終了の可能性の有無を区別することができ、安堵感と緊迫感とのメリハリを創出することができる。
本実施の形態では、ART状態の継続期間を移動領域としての遊技領域上を現在地点Pが移動することで表し、この現在地点Pの移動方向を、いずれの役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されるかという遊技者の停止操作の技量により選択可能となり、現在地点Pの移動方向を遊技者の意思を反映させたものにすることができる。これにより、遊技に注力させることができ、漫然とした遊技を防止することができる。
本実施の形態では、ART状態において、同一の遊技回数を消化した場合であっても、現在地点Pが様々な態様になるため、多種多様な遊技を提供することができる。
本実施の形態では、RT4〜7状態の4つの遊技状態のそれぞれにおいて、RP2〜5の役のうちのいずれかの役がRP2〜5の役のうちの他の役と比べて高確率で当選するように形成されている。具体的には、RT4ではRP2、RT5ではRP3、RT6ではRP4、RT7ではRP5が高確率で当選するように設定されている。
そして、RP2〜5の役のそれぞれの役の種類と、現在地点Pの移動する方向とが対応している。具体的には、RP2は上方向、RP3は左方向、RP4は下方向、RP5は右方向に現在地点Pが移動するように対応している。
すなわち、RT4〜7の遊技状態のそれぞれの遊技状態において、現在地点Pの移動する方向が異なるようにすることができる。
RT4〜7の遊技状態とは異なる遊技状態であるRT3状態においてRP1、RP7〜10が重複当選する特殊リプレイに当選した場合には、遊技者がストップスイッチ50の操作態様に基づいて、4つの停止態様の種類の中から現在地点Pを移動させたい方向に対応する遊技状態へ移行することができるような停止態様に停止表示させることが可能となる。
具体的には、RP7に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させるとRT3状態からRT4状態へ移行するとともに現在地点Pが上方向へ1マス移動する。また、RP8に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させるとRT3状態からRT5状態へ移行するとともに現在地点Pが左方向へ1マス移動する。RP9に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させるとRT3状態からRT6状態へ移行するとともに現在地点Pが下方向へ1マス移動する。RP10に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させるとRT3状態からRT7状態へ移行するとともに現在地点Pが上方向へ1マス移動する。
すなわち、遊技者によるストップスイッチ50の停止操作によって、所定の停止態様となるように停止表示させると、遊技者が望む所定の遊技状態へ移行し、当該遊技状態に対応する上下右左のいずれかの方向へ移動する。
その後、当該遊技状態に対応する上下右左のいずれかの方向へ移動可能な役に高確率で当選させることができるものである。
これにより、遊技者の意思によって、現在地点Pを希望する方向に移動させることが可能となり、遊技者が有利となる方向に現在地点Pを移動させ、自己達成感の高い遊技を実施することが可能となる。
本実施の形態では、1階、2階等の複数の遊技領域における現在地点Pの遊技領域の滞在期間に応じて、当該遊技領域での有利又は不利と、当該遊技領域から所定の順序で移行する次の遊技領域での有利又は不利とが関連性を持って生じるように形成されているため、遊技進行の戦略性が高まり、興趣を高めることができる。
本実施の形態では、上述したような構成を有する遊技が可能なことで、遊技者は、下記に示すような複数の戦略で当該遊技に望むことが可能となる。
遊技者は、遊技を進めるにあたって、戦略として、大別して少なくとも第1の戦略と、第2の戦略と、第3の戦略との3つの戦略の中から遊技状況を鑑みながら自己の意思で自由に選択することが可能となるものである。
先ず、第1の戦略は、遊技開始から最後の階層となる3階の終点位置となるラスボスバトル開始まで現在地点Pを可能な限り最短ルートで移動させて、1階から2階へ、2階から3階へ可能な限り短い期間で移動し、最後の3階でラスボスバトルに勝利することで、有利な特典を獲得する戦略である。この場合、滞在中のフロアでの滞在期間が極力短くなることで、滞在中のフロアにおける不利状態の設定の程度を抑えることができる。不利状態の設定の程度が低いうちに(例えば、安全区域の縮小の程度が低いうちに)、カギや階段へ近づくことが可能であり、次のフロアへ進む期待度が高まる。さらには、すべてのフロアを早く攻略することで、特典を早く享受できる。その反面、危険区域に積極的に進んでいく遊技性となり、ART状態が早期に終了してしまうリスクが高まる。また、次のフロアにおける有利状態の設定の程度も低くなる。
次に、第2の戦略は、同一階に滞在する期間を程好い期間となるように調整することで当該階とは異なる次の移行先の階での有利度を有利にする戦略である。例えば、1階において、当該階での不利状態の程度が大きくなりすぎない程度に適度な期間滞在し、次の2階での有利度を有利にすることで利益を獲得しようとするものである。この場合、滞在フロアにおける不利状態の程度と次フロアにおける有利状態の程度を適度なものにすることができ、ある程度のリスクを負いながらも有利度を高めることができる。
次に、第3の戦略は、ART状態が終了することがないように、現在地点Pを次の階に移動させることなく、同一の階にできるだけ長く滞在させる戦略である。
例えば、安全区域内に現在地点Pを滞在させ、危険区域内に出ないように注意しながら、ART状態の期間を可能な限り長期間実行することで、小役等の入賞によるメダルの払い出しを受け、利益を多数獲得しようというものである。この場合、現在地点Pが安全区域内に滞在する限りART状態を継続させることができ、さらにメダルの払い出しによる利益を確実に得ることができる。さらに、長く同一フロアに滞在することで次のフロアの有利度を極めて大きくすることができる。その反面、不利状態の程度が極めて大きくなるため、危険区域に侵入してしまった場合には途端にART状態の終了のリスクが高まる。
遊技者は、上述のように大別した3つの戦略から選択して遊技を実施することが可能となる。
さらには、遊技領域上の移動を入賞役に基づいて進行するものであり、移動対象役のうちのいずれの役が高確率で入賞するかを遊技者の技量に基づいて遊技状態を制御可能にすることで、上述の戦略を実現できる。
これにより、戦略の選択が、ART状態の開始時などの一つの契機でART期間にわたって維持されるものではなく、遊技を進めながら、その遊技状況を鑑みて遊技者が戦略を都度変更することができる。このように形成されているため、遊技の戦略性に幅をもたせることができ、遊技者の意思をつぶさに反映させることができる。
このように、第1戦略と、第2戦略と、第3戦略との特徴の異なる3つの戦略を遊技者が自己の意思で自由に選択して実施することができ、自己が選択した戦略で大きな利益を獲得することができた場合には、達成感のある遊技にすることができ、興趣に富む遊技機を提供することができる。
また、遊技が進行して1階〜3階の3つの遊技領域のうちの最後の遊技領域である3階の遊技領域でラスボスバトルが行われて、勝利した場合には有利な特典として再度、1階へ現在地点Pを移動させてART状態を実行することができる。これにより、複数の遊技領域を遊技の進行に基づいて、現在地点Pを次のフロアの遊技領域に移動させていき、最後の遊技領域である3階にまで到達させるインセンティブを付与することができる。
上述した実施の形態において、現在地点Pを移動させる演出によりART状態の期間を表現するものであるが、適用対象となるのはART状態に限定されるものではなく、他の遊技状態にも適用可能なものであり、例えば、通常遊技中の所定の有利遊技や、有利な状態に適用してもよい。
上述した実施の形態において、予め定めた特定のレア役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合、安全区域を広げることや、不利なイベントが発生するマスを有利なイベントが発生するマスへ書き換える等の有利な状態へ移行させるようにしてもよい。また、予め定めた特定のレア役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合、現在地点Pをカギや階段のマスに数マス近づけるようにしてもいい。また、危険区域に滞在しているときに所定期間に亘って敵に遭遇しない、あるいは、遭遇しても必ず敗北しない、いわゆる無敵状態となるようにしてもいい。
上述した実施の形態において、遊技領域は、現在地点Pが移動することできない壁によって所定の通路が形成されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、壁等を一切設けずに、現在地点Pが4方向や8方向等の自由な方向へ自由に移動することができるようにしてもよい。
上述した実施の形態において、RT3〜7状態において、現在地点Pが遊技領域を移動する演出を実施させているが、これに限定されることなく、RT3状態の演出と、RT4〜7状態との演出を別の演出となるようにして、RT3状態と、RT4〜7状態とを区別するようにしてもよい。
上述した実施の形態において、遊技領域上に設けた階段の代わりに、敵としての中ボスが出現して、この中ボスとのバトル演出を行い、抽選等のよるバトルの結果により、次のフロアへ移動させるか否かを決定させるようにしてもよい。
上述した実施の形態において、ラスボスバトルでの勝利の結果、特典としてのエンディング演出と再度のART状態への移行を獲得することができるが、特典としては、これに限定されるものではなく、遊技者が有利になるような状況になる態様のものであれば、他の態様でもよい。
上述した実施の形態において、RT4〜7状態では、所定の役の当選確率が高確率に設定され、その他の役は低確率ではあるが当選の可能性は有するように設定されていたが、これに限定されるものではない。例えば、各RT状態において、高確率に設定された所定の役だけが当選可能であり、その他の役は当選しないようにしてもよい。
上述した実施の形態において、安全区域ではART状態の終了抽選は実施されず、危険区域ではART状態の終了抽選が実施されるようにしているが、特にこれに限定されるものではなく、安全区域でもART状態の終了抽選を実施するようにしてもよい。その際、安全区域でのART状態の終了抽選が発生する頻度が、危険区域と比べて少なくなるように設定されてあればよいものである。また、終了抽選の結果、終了と決定される確率が危険区域と比べて小さくなるように設定されてあればよい。
上述した実施の形態において、遊技領域で現在地点Pが敵と遭遇した際のバトル演出や、ラスボスバトルでのラスボスバトル演出は、いずれも複数回の連続演出になるように設定されているが、このような連続演出に限定されるものではなく、1回の遊技だけで決定されるような一発抽選で決定されるようなものでもよい。その際、上述したようなポイントを用いた抽選にしなくてもよい。
また、敵との遭遇時に1回の敗北でART状態を終了するものに限らず、敗北が複数回に達したときにART状態を終了とするものであってもよい。例えば、1回の敗北でプレイヤーの体力が10%減り、合計10回敗北することでプレイヤーの体力が100%減ってART状態を終了としてもよい。さらには、プレイヤーの体力の減少度合いを都度抽選で決定してもよい。これにより、遊技者は残り体力を判断材料に遊技を進めることができ、戦略の幅が広がるため興趣が高まる。
また、通常はRP2〜5に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示することで上、下、左、右の4方向に進むようにしているが、有利な状況になった場合には、RP2〜5に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示することで左上、右上、右下、左下の4方向に進むように変更することを遊技者が任意に選択できるように形成してもよい。
また、安全区域と危険区域の境界(図14〜図16中の四角点線)は、遊技者に安堵感と緊迫感を感じさせるために、図14〜図16で示したように遊技者に認識可能に表示することが望ましいが、これに限らず、例えば表示装置84の液晶画面の背景や効果音などの態様を変更することで安全区域に滞在しているのか危険区域に滞在しているのかを示唆するものであってもよい。
また、敵が遊技領域としてのフロア上を徘徊していてもよい。これにより、敵から逃げつつ進行することも可能となり戦略の幅が広がり興趣が高まる。
また、上述した実施の形態では、階段は上り階段だけであったが、これに限定されることなく、階段に下のフロアに降りることが可能な下り階段を設けてもよい。
また、遊技領域としてのフロアが切り替わることを契機として、ステータスを初期状態となるようにクリアしてもよいし、そのまま引き継いでもよい。
また、遊技者による技術介入の態様として、ストップスイッチ50の停止操作順序(押し順)や、停止操作タイミングを例に挙げたが、他の技術介入が可能な態様でもよい。
本発明は、特別な遊技状態としての特別状態の管理方法として、従来にない管理方法による新規な遊技性を提供することにより、緊張感のある遊技を提供するとともに、興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
更に具体的には、本発明は、特別状態の継続期間を移動領域としての遊技領域を現在地点が移動することで表すことができ、継続期間を従来にない表現方法で遊技者に見せることができ興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、次の点を特徴とする。すなわち、複数種類の図柄61を変動表示する複数のリール62と、前記複数のリール62それぞれに対応して前記リール62それぞれの変動表示を操作により停止させる複数のストップスイッチ50と、少なくとも役に当選か否かの役抽選をする役抽選手段210と、複数の遊技状態(例えばART状態)を制御可能な遊技状態制御手段245とを備えた遊技機10であって、前記複数の遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも有利な特別状態とが含まれ、前記遊技状態制御手段245は、前記特別状態の開始に基づいて移動領域としての遊技領域上を現在地点Pが移動可能な演出を開始させるとともに、当該演出の結果によって前記特別状態の終了を報知する演出期間制御手段268を有し、前記特別状態における遊技の進行の度合いを示す前記遊技領域上の前記現在地点Pを遊技者に報知するための現在地点報知手段(例えば液晶表示器としての表示装置84)が設けられ、前記遊技領域上には、第1の区域(例えば危険区域)と、この第1の区域とは異なる第2の区域(例えば安全区域)とが設けられ、前記現在地点Pは前記遊技領域上を遊技の進行に伴って複数方向のいずれかの方向へ移動可能とするものであり、前記第1の区域(例えば危険区域)に前記現在地点Pが位置し且つ所定の条件を満たした(例えばART終了抽選で終了が決定した)場合には、前記特別状態が終了(例えばART状態が終了)するものであり、前記第2の区域(例えば安全区域)に前記現在地点Pが位置する場合には、前記特別状態が終了することがないようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、複数種類の図柄61を変動表示する複数のリール62と、前記複数のリール62それぞれに対応して前記リール62それぞれの変動表示を操作により停止させる複数のストップスイッチ50と、少なくとも役に当選か否かの役抽選をする役抽選手段210と、前記役抽選で当選し且つ当選した役に係る図柄組み合わせを前記ストップスイッチ50の操作に基づいて所定態様で停止表示させたときに利益を付与可能な利益付与手段(例えば遊技媒体払出制御手段240)と、複数の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段245とを備えた遊技機10であって、前記複数の遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも有利な特別状態とが含まれ、前記遊技状態制御手段245は、前記特別状態の開始に基づいて移動領域としての遊技領域上を現在地点Pが移動可能な演出を開始させるとともに、当該演出の結果によって前記特別状態の終了を報知する演出期間制御手段268を有し、前記特別状態における遊技の進行の度合いを示す前記遊技領域上の前記現在地点Pを遊技者に報知するための現在地点報知手段(例えば液晶表示器としての表示装置84)が設けられ、前記特別状態において、役として少なくとも3以上の役(例えばRP2、RP3、RP4、RP5等)が当選し得るよう形成され、前記3以上の役のそれぞれの役の種類と、前記現在地点Pの移動する方向とが対応するように形成され、前記3以上の役のうちのいずれかが停止表示された場合に、前記遊技領域上を前記3以上の役のうちの停止表示された役に応じた方向へ前記現在地点Pを移動可能に形成されていることを特徴とする。
なお、「停止表示された役に応じた方向へ前記現在地点Pを移動可能」とは、例えば、RT2に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されると現在地点Pが上方向へ移動するようなものが含まれる。
3以上の遊技状態とは異なる遊技状態において特定役に当選した場合には、遊技者がストップスイッチ50の操作態様に基づいて、3以上の停止態様の種類の中から現在地点Pを移動させたい方向に対応する遊技状態へ移行することができるような停止態様に停止表示させることが可能となる。すなわち、遊技者によるストップスイッチ50の停止操作によって、所定の停止態様となるように停止表示させると、特別状態へ移行し、当該遊技状態に対応する所定の方向へ移動可能な役に高確率で当選させることができるものである。これにより、遊技者の意思によって、現在地点Pを希望する方向に移動させることが可能となり、遊技者が有利となる方向に現在地点Pを移動させ、自己達成感の高い遊技を実施することが可能となる。