JP2018007825A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るゴルフクラブヘッドは、フェース部と、クラウン部と、ソール部と、を備え、前記フェース部、クラウン部、及びソール部により囲まれた内部空間を有し、前記ソール部には、トゥ−ヒール方向に延び、前記内部空間側に向かって窪んだ第1溝及び第2溝が形成され、前記第1溝は、前記第2溝よりもフェース側に配置され、前記第1溝は、フェース側に配置された第1主内壁と、バック側に配置された第1副内壁と、を有し、前記第1主内壁は、前記第1副内壁よりもフェース−バック方向の長さが長く形成されるとともに、バック側にいくにしたがって上方に向かうように傾斜し、前記第2溝は、フェース側に配置された第2副内壁と、バック側に配置された第2主内壁と、を有し、前記第2主内壁は、前記第2副内壁よりもフェース−バック方向の長さが長く形成されるとともに、フェース側にいくにしたがって上方に向かうように傾斜している。
【選択図】図5
Description
図1は、このゴルフクラブヘッドの斜視図、図2は、ヘッドの基準状態での平面図、図3は、図2のA−A線断面図である。図1に示すように、このゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある)100は、内部空間を有する中空構造であり、フェース部1、クラウン部2、ソール部3、及びホーゼル部5によって壁面が形成されたウッド型のゴルフクラブヘッドである。
本実施形態に係るゴルフクラブヘッド100は、図1〜図3に示すように、クラウン部2及びソール部3を有するヘッド本体101と、フェース部1及びその周縁から延びる周縁部15を有するカップ状に形成されたフェース用部材102と、を組み立てることで構成される。このヘッド本体101は、クラウン部2及びソール部3で囲まれた開口18を有し、この開口18を塞ぐようにフェース用部材102が取り付けられる。すなわち、フェース用部材102の周縁部15の端面が、ヘッド本体101の開口18の端面と突き合わされ、これらが、溶接によって接合される(いわゆるカップフェース構造)。そして、フェース用部材102は、ヘッド本体101の開口18に取付けられることで、ヘッド本体101と一体化され、これによって、フェース用部材102の周縁部15は、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3の一部として機能する。したがって、フェース用部材102の周縁部15がヘッド本体101に取付けられることで一体的に形成される面が、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3を構成する。そのため、厳密には、ヘッド本体101のクラウン部2及びソール部3は、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3の一部ではあるが、本願では、これらを区別することなく、ヘッド本体101の各部も、単にクラウン部2、ソール部3と称することがある。
図5は、ヘッド100をトゥ側から見た基準状態での側面図、図6は、ヘッド100の基準状態での底面図、図7は、図3において点線で囲まれたソール部3付近の領域の部分拡大図である。図5〜図7に示すとおり、ソール部3には、内部空間に向かって窪み、トゥ−ヒール方向にほぼ平行に延びる2つの溝が形成されている。ここでは、フェース側の溝を第1溝10と称し、バック側の溝を第2溝20と称することとする。また、これらの溝10,20は、底面視において、バック側に凸となるようにやや湾曲している。
本実施形態に係るゴルフクラブヘッドによれば、次の効果を得ることができる。
上記のように、第1溝10においては第1主内壁11が多くの部分を占め、この第1主内壁11はバック側にいくにしたがって上方に傾斜している。一方、第1溝10よりもバック側にある第2溝20においては第2主内壁22が多くの部分を占め、この第2主内壁22はフェース側にいくにしたがって上方に傾斜している。ここで、図8に示すように、第1主内壁11に沿い、フェース−バック方向に延びる仮想線V1と、第2主内壁22に沿い、フェース−バック方向に延びる仮想線V2とを設定する。そうすると、仮想線V1及びV2は、ヘッド100の内部空間側へ凸となるように交差するため、第1溝10及び第2溝20は、全体として山型に形成される。したがって、フェース部1にボールの打撃力が作用すると、ソール部3は、第1溝10及び第2溝20の山型形状により、内部空間側へ凹むように変形しやすくなるため、ヘッド100の反発性能を向上することができる。
ここで、第1溝10及び第2溝20は、全体として山型形状となっているが、例えば、第1副内壁12及び第2副内壁21をなくし、第1主内壁11と第2主内壁22とを直接接続した溝を形成することも考えられるが、そうすると、溝全体が深くなり、ヘッド100の低重心化が阻害されるという問題がある。これに対して、本実施形態では、第1溝10と第2溝20に分け、一方の溝を浅くすることで、溝が全体として深くなるのを抑制し、ヘッド100の低重心化を図っている。
また、一般的に、フェース部1は、打撃時の衝撃に対する耐久性が求められることから、ソール部3よりも剛性が高くなるように設計される。そのため、フェース部1の近傍ではソール部3の剛性が高くなり、ソール部3が変形し難い傾向にある。そこで、上記のように、ソール部3に2つの溝10,20を形成すると、フェース部1の近傍に位置する第1溝10は、ソール部3の剛性の低下に寄与するものの、その寄与度は、よりバック側に位置する第2溝20のそれよりも小さい。したがって、本実施形態においては、第1溝10の深さd1と第2溝20の深さd2の関係を、d2>d1としている。すなわち、剛性の低下に効果的に寄与するよりバック側の第2溝20が相対的に深く、かつ、剛性の低下に相対的に寄与しにくいよりフェース側の第1溝10が相対的に浅く形成されている。その結果、主としてバック側の第2溝20により反発性能を効果的に高めつつ、フェース側の第1溝10を浅くすることで重心位置が高くなることが防止される。すなわち、低重心化が図られている。
また、各溝10,20のフェース−バック方向の長さと、深さとの関係を次のようにすることができる。まず、第1溝10については、w1/d1>1であることが好ましく、w1/d1>3であることがより好ましく、w1/d1>6であることがさらに好ましい。かかる条件下では、第1溝10が相対的にフェース−バック方向に広く、上下方向に浅くなる。よって、ソール部3の反発性能の向上及びヘッド100の低重心化という、本来的に相反する2つの要求をバランスよく満たすことができる。
上記のように、ソール部3においては、バック側に配置された第2溝20がより変形に寄与する。この観点から、第2溝20の位置は、次のように設定することができる。まず、図6に示すように、基準状態において、フェース−バック方向のヘッド100の長さをL1とし、ヘッド100の最も前側の点(リーディングエッジの最も前側の点)から第2溝20のフェース側のエッジまでのフェース−バック方向の長さをL2とする(図6参照)。なお、L1は、ヘッド100の最も前側の点から、ヘッド100の最も後側の点までのフェース−バック方向の長さである。
また、上記実施形態では、フェース側に近い第1溝10を浅くしている。これにより、ゴルフクラブのスイング時にソール部3が地面H(芝生)につっかかり難く、地面H上を滑り易くなるという利点がある。
第2溝20は、ソール部3上において、トゥ−ヒール方向の概ね全域に亘って形成される一方、第1溝10は、ソール部3上において、トゥ−ヒール方向のトゥ寄りの位置にのみ形成されている。すなわち、フェース側の第1溝10の方が、バック側の第2溝20よりもトゥ−ヒール方向に短い。その結果、第1溝10が形成されているトゥ側の位置においては、反発性能が特に向上する。但し、第1溝10が形成されるトゥ−ヒール方向の位置は、ここでの例に限定されない。すなわち、反発性能を特に向上させたいトゥ−ヒール方向の任意の位置において、選択的に第1溝10を形成することができる。ただし、後述する図10、図11及び図14に示すように、第1溝10は、ソール部3上において、トゥ−ヒール方向の概ね全域に亘って形成されていてもよい。その他、第1溝10及び第2溝20のトゥ−ヒール方向の長さは、いずれを長くしてもよく、適宜変更することができる。
本実施形態では、第1溝10及び第2溝20は、底面視において、バック側に向かってトゥ−ヒール方向の中央付近が突出するような円弧(湾曲線)を描いている。その結果、打点の集中するフェースセンターFcから第1溝10までの距離を、第1溝10のトゥ−ヒール方向の全域にわたって概ね等しくすることができる。同様に、第2溝20についても、フェースセンターFcから第2溝20までの距離を、第2溝20のトゥ−ヒール方向の全域にわたって概ね等しくすることができる。これにより、打球時に第1溝10及び20近傍を効果的に変形させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、第2溝20を第1溝10よりも深く形成しているが、図9に示すように、第1溝10を深く形成することもできる。このようにしても、第1溝10及び第2溝20は、全体として山型に形成されるため、ソール部3は、内部空間側へ凹むように変形しやすくなる。その結果、ヘッド100の反発性能を向上することができる。
上記実施形態では、第2溝20よりもバック側に重量物を配置しているが、重量物60の形状、数、取り付け位置は、これに限定されるものではない。すなわち、ここでの例に限定されず、設計目標となる重心位置に応じて、任意の数の重量物60を任意の位置に取り付けることができる。例えば、図10の例では、ソール部3の後方だけでなく、第1溝10内のヒール側の位置にも重量物60が取り付けられており、重心をヒール側に近付けることができる。また、図11の例では、ソール部3の後方の重量物60がなく、第1溝10内のトゥ側及びヒール側の2箇所に重量物60が取り付けられており、重心をフェース側に近付けることができる。後述する図14の例では、ソール部3の後方に位置する重量物60をトゥ側に少し移動させるとともに、第1溝10内のヒール側の位置にも重量物60が取り付けられている。また、重量物の形状についても、平面視台形状以外の円形、多角形状など、種々の形状にすることができる。
本発明に係るゴルフクラブヘッドでは、ソール部3の内部空間側の厚肉部を形成することができる。厚肉部は、種々の形態にすることができる。例えば、図12A〜図12Cに示すように、第1主内壁11のフェース−バック方向の中央付近において、トゥ−ヒール方向に延びるリブ状の厚肉部40を形成することができる。この厚肉部40は、ソール部において、トゥ−ヒール方向の概ね全域に亘って延びている。また、この例では、厚肉部40が直線状に延びているが、例えば、厚肉部40は、第1溝10の形状に沿うように、バック側に向かって凸となるように湾曲していてもよい。
上記実施形態では、ソール部に、地面に接地する3つの接地部31〜33を設けているが、いずれか1つを省略してもよい。例えば、第3接地部33が省略されたとしても、2点でヘッド100が支持されるため、ヘッド100を安定させることができる。特に、第1接地部31及び第2接地部32が側方断面視において平坦であり、側方断面視において地面Hに線で接する。したがって、基準状態のヘッド100が前方へも後方へも倒れ難く、基準状態のヘッド100が安定する。
上記実施形態では、各溝10、20をバック側に凸となるようにやや湾曲させているが、いずれか一方、または両方をトゥ−ヒール方向と平行に延ばすこともできる。あるいは、図14に示すように、フェース側に向かってトゥ−ヒール方向の中央付近が突出するような円弧(湾曲線)を描くように形成することもできる。第2溝20についても、同様である。
本発明において、各溝10、20の「主内壁11,22」とは、各溝10、20を形成する複数の内壁のうち、フェース−バック方向の長さが、各溝10,20のフェース−バック方向の幅(長さ)の50%よりも大きい内壁であり、「副内壁12,21」より長く形成されていれば、特には限定されない。例えば、第1溝10及び第2溝20を形成する各内壁の傾斜角度についても、特には限定されず、第1主内壁11に沿う仮想線V1と第2主内壁22に沿う仮想線V2とが、ヘッド100の内部空間側に凸となるように交差していればよい。
上記実施形態では、ソール部3に形成された溝の数は2つであるが、その数はこれに限定されるものではなく、3以上であってもよい。この場合、隣接する2つの溝が本発明における第1溝及び第2溝に相当する。
上記実施形態では、ゴルフクラブヘッドをドライバー型としたが、そのタイプは限定されず、例えば、フェアウェイウッドのような別のウッド型であってもよいし、いわゆるユーティリティ型、ハイブリッド型等であってもよい。
フェース用部材102は、カップフェース型でなくてもよく、例えば、周縁部15を省略したようなプレート型として、フェース部に形成した開口部に溶接することも可能である。
2 クラウン部
3 ソール部
10 第1溝
20 第2溝
11 第1主内壁
12 第1副内壁
21 第2副内壁
22 第2主内壁
31 第1接地部
32 第2接地部
33 第3接地部
40 厚肉部
50 厚肉部
Claims (10)
- フェース部と、
クラウン部と、
ソール部と、
を備え、
前記フェース部、クラウン部、及びソール部により囲まれた内部空間を有し、
前記ソール部には、トゥ−ヒール方向に延び、前記内部空間側に向かって窪んだ第1溝及び第2溝が形成され、
前記第1溝は、前記第2溝よりもフェース側に配置され、
前記第1溝は、フェース側に配置された第1主内壁と、バック側に配置された第1副内壁と、を有し、
前記第1主内壁は、前記第1副内壁よりもフェース−バック方向の長さが長く形成されるとともに、バック側にいくにしたがって上方に向かうように傾斜し、
前記第2溝は、フェース側に配置された第2副内壁と、バック側に配置された第2主内壁と、を有し、
前記第2主内壁は、前記第2副内壁よりもフェース−バック方向の長さが長く形成されるとともに、フェース側にいくにしたがって上方に向かうように傾斜している、ゴルフクラブヘッド。 - 前記第2溝は、前記第1溝よりも深い、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記第1溝は、フェース側に配置された第1主内壁と、バック側に配置された第1副内壁と、を連結することで形成され、
前記第2溝は、フェース側に配置された第2副内壁と、バック側に配置された第2主内壁と、を連結することで形成されている、請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ソール部は、
前記第1溝よりもフェース側に位置し、前記ソール部を地面に設置したときに当該地面に接する第1接地部と、
前記第1溝と前記第2溝との間に位置し、前記ソール部を前記地面に設置したときに当該地面に接する第2接地部と
をさらに備えている、請求項1から3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記第1接地部及び前記第2接地部は、前記ソール部を前記地面に設置したときに、側方断面視において当該地面に線で接するように構成されている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記ソール部は、前記第2溝よりもバック側に位置し、前記ソール部を前記地面に設置したときに当該地面に接する第3接地部をさらに有する、請求項4または5に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記ソール部は、前記第1主内壁及び第2主内壁の少なくとも1つにおいて、前記トゥ−ヒール方向に延びる厚肉部をさらに有する、請求項1から6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記ソール部は、少なくとも前記第1溝の位置においてフェース−バック方向に延びる厚肉部をさらに有する、請求項1から7のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
- トゥ−ヒール方向において、前記第1溝は、前記第2溝よりも短い、請求項1から8のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記第1溝及び前記第2溝の少なくとも一方は、平面視において、バック側に向かって凸状となるように延びている、請求項1から9のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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