JP2018007581A - バチルス属微生物株 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機化合物分解能、抗菌防黴能に優れた新規で有用なバチルス属微生物株を提供する。【解決手段】受託番号:NITE P−02009で寄託されたバチルスフィルムス(Bacillus firmus)BA1株、及び、受託番号:NITE P−02010で寄託されたバチルスプミルス(Bacillus pumilus)BK1株。【選択図】図1

Description

本発明は、バチルス属微生物株に関する。
バチルス属微生物は、水中や土壌中に普遍的に存在しており、枯草菌や納豆菌等が含まれる。バチルス属微生物は、増殖性、有機化合物分解性等に優れ、その有用性から様々な用途に用いられており、例えば、本願出願人は、バチルス属微生物を、抗菌剤(特許文献1、2)、防虫剤(特許文献3)、ホルムアルデヒド処理剤(特許文献4)、水質浄化剤(特許文献5〜8)に用いることを提案している。
特許第5140288号公報 特許第5367967号公報 特許第5694754号公報 特開2007−302706号公報 特開2009−254975号公報 特開2011−189254号公報 特開2014−136197号公報 特願2015−72845号
本発明は、有機化合物分解能、抗菌防黴能に優れた新規で有用なバチルス属微生物株を提供することを課題とする。
1.受託番号:NITE P−02009で寄託されたバチルスフィルムス(Bacillus firmus)BA1株。
2.受託番号:NITE P−02010で寄託されたバチルスプミルス(Bacillus pumilus)BK1株。
3.受託番号:NITE P−02009で寄託されたバチルスフィルムス(Bacillus firmus)BA1株、受託番号:NITE P−02010で寄託されたバチルスプミルス(Bacillus pumilus)BK1株のいずれか、または両方を含む組成物。
4.水質浄化剤、抗菌防黴剤、消臭剤、ぬめり抑制剤、堆肥化促進剤、生ごみ処理剤、土壌改良剤、植物用病害防除剤、汚泥処理剤、健康補助食品のいずれかであることを特徴とする3.に記載の組成物。
本発明のBA1株、BK1株は、一般的なバチルス属微生物株と比較して、有機化合物分解能に優れている。特に、BK1株は、顕著に優れた含窒素有機化合物の分解能を示す。また、本発明のBA1株、BK1株は、一般的なバチルス属微生物株と比較して、抗菌防黴能に優れている。特に、BA1株は、抗菌防黴能に優れており、また、その防黴能は離れた場所にも作用するが、この遠隔的な防黴能は、BK1株の方が優れている。
BA1株、BK1株は、その優れた有機化合物分解能と抗菌防黴能とを利用して、水質浄化剤、抗菌防黴剤、消臭剤、ぬめり抑制剤、堆肥化促進剤、生ごみ処理剤、土壌改良剤、植物用病害防除剤、汚泥処理剤等の様々な用途の組成物に用いることができる。また、BA1株、BK1株は、納豆菌の一種であり、健康補助食品としても用いることができる。BA1株、BK1株は、自然界由来の微生物であるため、人、ペット、自然環境等への影響が小さく、安心して利用することができる。
BA1株、BK1株は、バチルス属であるため、芽胞を形成することができる。芽胞状態で加工することにより、様々な加工処理の後もBA1株、BK1株は死滅せず、多様な剤形の組成物にすることができる。
BA1株、BK1株は、製品中で芽胞状態となり休眠しているため、倉庫や店頭で長期間放置された後であっても、使用時に適切な環境下に置かれれば、活動を再開することができ、所望の性能を発揮することができる。
BA1株、BK1株は、10℃〜65℃、pH3〜11の広い環境下で生存することができ、様々な環境に用いることができる。使用環境がこの範囲から一時的に外れても、BA1株、BK1株は、芽胞状態となり死滅せず、再び活動に適した環境となれば活動を再開する。例えば、冬期等に一時的に性能が低下しても、春先には再び性能を発揮する。そのため、活性が低下した後に菌株を追加する必要が少なく、ランニングコストを減らすことができる。
BA1株、BK1株の標準寒天培地上のコロニー写真。 BA1株、BK1株の顕微鏡画像。 BA1株の16S rDNAの部分塩基配列。 BK1株の16S rDNAの部分塩基配列。 実験1の試験後のコロニー写真。 実験2の試験後のコロニー写真。 実験3の試験後のシャーレ写真。
本発明は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 特許微生物寄託センター(NPMD)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818))に、2015年2月26日付けで受託番号:NITE P−02009として寄託されているバチルスフィルムス(Bacillus firmus) BA1株(以下、BA1株という。)と、受託番号:NITE P−02010として寄託されているバチルスピュミルス(Bacillus pumilus) BK1株(以下、BK1株という。)である。
BA1株、BK1株は、大分県杵築市で採取した土壌から単離した。BA1株、BK1株それぞれの標準寒天培地上のコロニー写真を図1に、顕微鏡画像を図2に示す。また、BA1株、BK1株の菌学的性質を表1に示す。
BA1株、BK1株の、27F(5’−AGAGT TTGAT C(A/C)TGG CTCAG−3’)をプライマーとした16S rDNAの部分塩基配列を図3、4、及び配列表の配列番号1、2に示す。また、BA1株、BK1株の16S rDNAの部分塩基配列のシークエンス長は、それぞれ924bp、909bpであった。
ここで、バチルス属は、環境が悪化すると芽胞を形成する。芽胞はきわめて耐久性の高い細胞構造であり、芽胞状態のバチルス属は、代謝が低下、または停止しており、数十年間休眠することができる。芽胞は、温度、水分、栄養源等が揃った適切な環境下に置かれると、発芽して菌体となって活動を再開する。
バチルス属であるBA1株、BK1株も、芽胞を形成することができる。BA1株、BK1株は、芽胞状態とすることにより、様々な加工処理に耐えることができるため、多様な剤形の組成物に加工することができる。例えば、凍結保存した菌体、L−乾燥保存した菌体、凍結乾燥した菌体等の粉末状;培養液やその濃縮液等の液状;発泡性樹脂、ゲル、活性炭、サンゴ砂、スラグ、多孔質セラミック等の多孔質材料に担持した担持体;デンプン、乳糖等とともに圧縮成形した錠剤;石膏、セメント等に混入して固化させた固化体;増粘剤等と混合したジェル状;フィルム、紙等に塗布したシート状;繊維との混合による繊維状等に加工することができる。
BA1株、BK1株は、様々な剤形の組成物内で芽胞状態で休眠している。芽胞状態のBA1株、BK1株は、適切な環境下に置かれると活動を再開することができるため、倉庫や店頭で長期間保管した後であっても、菌体の減少や死滅による性能の低下が起こらない。
BA1株、BK1株は、一般的なバチルス属の菌株と比較して、有機化合物分解性と抗菌防黴性とに優れている。BA1株、BK1株は、優れた有機化合物分解性と抗菌防黴性とにより、水質浄化剤、抗菌防黴剤、消臭剤、ぬめり抑制剤、堆肥化促進剤、生ゴミ処理剤、土壌改良剤、植物用病害防除剤、汚泥処理剤等に用いることができる。
また、BA1株、BK1株は、納豆菌の一種であり、腸内環境を整える健康補助食品として用いることができる。
また、BA1株、BK1株は、10℃から65℃の環境下で活動又は生存し、また、pH3の強酸性からpH11の強アルカリ性の範囲内でも生存することができるため、広範な環境下で上記した様々な用途に用いることができる。
「水質浄化剤」
BA1株、BK1株は、有機化合物分解能に優れており、水質浄化剤として好適に用いることができる。例えば、水質悪化の原因となる窒素、リンを含む有機化合物や、各種産業からの工場排水に含まれる界面活性剤、有機溶媒等の有機化合物を分解することができる。特に、BK1株は、タンパク質等の含窒素有機化合物の分解能に優れており、水質浄化に好適に用いることができる。
水質浄化剤としては、担持体、または固化体であることが、菌が流出せず、効果を持続することができるため好ましい。また、配合する菌体量を調整することができるため、固化体であることがより好ましい。水質浄化用の担持体、または固化体を、以下、水質浄化体という。
固化体とは、水と反応して水和・固化した硬化体のことである。固化させる水として、BA1株、BK1株のいずれか、または両方を含む水を用いることにより、固化体である水質浄化体を製造することができる。この際、水が含有する菌体量により、水質浄化体中の菌体量を調整することができる。固化体は、表面のみならず内部にまでBA1株、BK1株のいずれか、または両方が存在する。固化体の内部には栄養分は存在しないが、BA1株、BK1株は芽胞を形成して休眠している。そして、固化体がヒビ割れ等して内部に水が侵入すると、芽胞状態となっていたBA1株、BK1株は発芽して活動を再開する。そのため、水質浄化体が形を留めている限り、新たなバチルス属を供給し続けることができ、水質浄化効果を持続することができる。
固化体を硬化する際に、多孔質材料を含有させてもよい。多孔質材料を含有させることにより、水質浄化体の表面積を大きくすることができる。強度、コストの点から、無機材料からなる多孔質材料を用いることが好ましい。多孔質材料の配合量は、重量比で70重量%以下であることが好ましい。多孔質材料が70重量%より多いと、水質浄化体の強度が低下してしまう。
固化体としては、ポルトランドセメント、マグネシアセメント、石膏等の水と反応して、水和・硬化する材料を用いることができる。一般的にセメントと呼称されるポルトランドセメントは、水と反応して強アルカリ性の水酸化カルシウムとなる酸化カルシウムを主原料とし、ポルトランドセメント固化体のpHは11〜13と強アルカリ性である。アルカリ性が強すぎると、芽胞状態であってもBA1株、BK1株が減少する場合がある。そのため、ポルトランドセメントを用いる場合は、酸化カルシウムの配合比を減らす、アルカリ中和剤を配合する等して、pHを11以下とすることが好ましい。また、固化体が中性である石膏、固化体のpHが10以下のマグネシアセメントを用いることが好ましく、組成により溶解性を調整することができるマグネシアセメントを用いることが最も好ましい。
担持体である水質浄化体は、下水処理場の曝気槽に投入することにより、活性汚泥として用いることができる。固化体である水質浄化体は、水槽、池、噴水、養殖池、水堀等に投入するだけで、水質浄化能を発揮する。また、内部から徐々にBA1株、BK1株が放出されるため、長期に亘って水質浄化能を維持することができる。
固化体は、型枠を用いることにより、様々な形状とすることができる。適切な形状の固化体である水質浄化体を用いて魚の養殖、飼育のためのコンクリート池、下水処理場や排水処理場の曝気槽等を作製することもできる。また、固化体である水質浄化体を、ブロック、貯水升、下水溝、波消しブロック等の土木資材として、下水道、池、噴水、岸壁等の構造物を構築することができる。
「抗菌防黴剤」
バチルス属は、増殖性と有機化合物分解性とに優れている。バチルス属と他の微生物とが同一環境下に生息していると、バチルス属は有機化合物を素早く消費して増殖し、他の微生物は栄養源が不足して増殖できない。BA1株、BK1株も、他の微生物よりも優先的に増殖することにより、同一環境下に生息する他の微生物の増殖を抑制することができる。
さらに、BA1株、BK1株は、抗生物質のように他の微生物の増殖を抑制する物質(以下、揮発性抗生物質という。)を放出し、離れた領域に生息する他の微生物の増殖を抑制することができる。特に、BA1株は、揮発性抗生物質を多く放出し、抗菌防黴に好適に利用することができる。揮発性抗生物質の具体的な化学構造式は、未だ特定するに至っていないが、揮発して離れた領域にも作用するため、低分子有機化合物であると推測している。
具体的には、BA1株、BK1株は、O157等の大腸菌、サルモネラ腸炎菌、リステリア・モノサイトゲネス、黄色ブドウ球菌、セラチア・マルセッセンス等の細菌;アスペルギルス属、ペニシリウム属、アースリニウム属、アクレモニウム属、アルタナリア属、エクソフィアラ属、エピコッカム属、オーレオバシディウム属、カーブラリア属、クラドスポリウム属、ケトミウム属、ゲオトリクム属、スポロスリックス属、トリコデルマ属、トリコフィートン属、ドレクスレラ属、ニグロスポラ属、ニューロスポラ属、ピキア属、ピソマイセス属、フィアロフォラ属、フォーマ属、フサリウム属、ペシロミセス属、ペスタロチオプシス属、ボトリチス属、ムコール属、モナスカス属、モニリエラ属、ユーロチウム属、ロドトルラ属及びワレミア属等に属する真菌;酵母等の増殖を抑制することができる。
抗菌防黴剤としては、液状、または担持体が好ましい。液状であれば、エアゾール状、泡状等にして、他の微生物の増殖を抑制したい箇所に噴霧することにより、直接作用させることができる。担持体であれば、容器等に封入した状態で設置することにより、放出される揮発性抗生物質により、一定空間内における他の微生物の増殖を抑制することができる。
BA1株、BK1株は、有機化合物分解能、抗菌防黴能とを有しており、これらの性質を利用して、様々に応用することができる。例えば、アンモニア、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、トルエン、酢酸、酪酸等の悪臭を有する有機化合物を分解する能力を利用した消臭剤、防黴能を利用した排水口等のぬめり抑制剤、有機化合物分解能を利用した堆肥化促進剤、生ごみ処理剤、土壌改良剤、汚泥処理剤、抗菌防黴能を利用した植物用病害防除剤として利用することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
「実験1」有機化合物分解試験
(1)デンプン分解試験
ジャガイモデンプン1%を添加した標準寒天培地中央に、OD660が1.0になるように調整したBA1株培養液を10μl滴下し、30℃で2日間培養した。培養後、培地に1%ヨウ素液を添加した。デンプンが存在する部分はヨウ素デンプン反応により紫色に変色するが、デンプンが分解された部分は透明のままである。コロニー外側のクリアゾーンの大きさでデンプン分解の効果を判定した。
それぞれ、OD660が1.0になるように調整したBK1株培養液10μl、BA1株培養液5μlとBK1株培養液5μlの混合液10μl、市販のバチルス菌(Bacillus subtilis、有限会社高橋祐蔵研究所製、商品名:納豆素)の培養液10μlを用いた以外は上記と同様にして、デンプン分解試験を行った。
(2)タンパク質分解試験
スキムミルク1%を添加した標準寒天培地を利用した以外は上記デンプン分解試験と同様にして、タンパク質分解試験を行った。培養後、スキムミルクが分解されると、培地の色が白色から透明となる。コロニー外側のクリアゾーンの大きさでタンパク質分解の効果を判定した。
(3)脂質分解試験
トリブチリン1%を添加した標準寒天培地を利用した以外は上記デンプン分解試験と同様にして、脂質分解試験を行った。培養後、トリブチリンが分解されると、培地の色が白色から透明となる。培養後、コロニー外側のクリアゾーンの大きさで脂質分解の効果を判定した。
各分解試験後のコロニーの写真を図5に、試験結果を表2に示す。
BA1株、BK1株は、市販のバチルス菌と比較して、デンプン分解性に優れていた。また、BK1株は、顕著に優れたタンパク質分解性に示した。BA1株、BK1株は、有機物分解性に優れており、この性質を利用して、水質浄化剤、消臭剤、堆肥化促進剤、土壌改良剤等に利用可能であることが確かめられた。
「実験2」抗菌防黴試験
(1)抗Escherichia coli試験
大腸菌の一種であるEscherichia coli NBRC3972を使用した。
標準寒天培地にて30℃で培養したEscherichia coliのコロニーを白金耳で取り、0.85%生理食塩水1mlに懸濁した。この懸濁液0.2mlを60℃以下に冷ました標準寒天培地200mlに添加・混合し、風乾させた。標準寒天培地上のコロニーを白金耳で取り滅菌水で懸濁し、OD660が1.0になるように調整したBA1株培養液10μl滴下し、風乾させた後、30℃で1日間培養した。培養後、コロニー外縁からハローが確認されたものを(+)、ハローが見られないものを(−)、コロニー外縁で色が薄くなっているが完全にクリアなゾーンとなっていないものを(−*)とした。
それぞれ、OD660が1.0になるように調整したBK1株培養液10μl、BA1株培養液5μlとBK1株培養液5μlの混合液10μl、市販のバチルス菌(商品名:納豆素)の培養液10μlを用いた以外は上記と同様にして試験を行った。
(2)抗Staphylococcus aureus試験
黄色ブドウ球菌の一種であるStaphylococcus aureus subsp.aureus Rosenbach 1884 NBRC12732を使用した以外は、上記抗Escherichia coli試験と同様にして試験を行った。
(3)抗Rhodotorula mucilaginosa試験
酵母の一種であるRhodotorula mucilaginosa NBRC1538を使用した。
ポテトデキストロース寒天培地にて30℃で培養したRhodotorula mucilaginosaのコロニーを白金耳で取り、0.85%生理食塩水1mlに懸濁した。この懸濁液を60℃以下に冷ましたポテトデキストロース寒天培地200mlに添加・混合し、風乾させた。OD660が0.8になるように調整したBA1株培養液10μl滴下し、風乾させた後、30℃で5日間培養した。培養後、コロニー外縁からハローが確認されたものを(+)、ハローが見られないものを(−)、コロニー外縁で色が薄くなっているが完全にクリアなゾーンとなっていないものを(−*)とした。
それぞれ、OD660が0.8になるように調整したBK1株培養液10μl、BA1株培養液液5μlとBK1株培養液液5μlの混合液10μl、市販のバチルス菌(商品名:納豆素)の培養液10μlを用いた以外は上記と同様にして試験を行った。
(4)抗Cladosporium cladosporioides試験
糸状菌の一種であるCladosporium cladosporioides NBRC6348を使用した。
ポテトデキストロース寒天培地にて30℃で培養したCladosporium cladosporioidesに0.05%ポリソルベート80+0.85%生理食塩水を添加し、胞子懸濁液を作製した。この懸濁液2mlを60℃以下に冷ましたポテトデキストロース寒天培地200mlに添加・混合し、風乾させた。OD660が1.0になるように調整したBA1株培養液10μl滴下し、風乾させた後、30℃で3日間培養した。培養後、コロニー外縁からハローが確認されたものを(+)、ハローが見られないものを(−)、コロニー外縁で色が薄くなっているが完全にクリアなゾーンとなっていないものを(−*)とした。
それぞれ、OD660が1.0になるように調整したBK1株培養液10μl、BA1株培養液液5μlとBK1株培養液液5μlの混合液10μl、市販のバチルス菌(商品名:納豆素)の培養液10μlを用いた以外は上記と同様にして試験を行った。
上記(1)〜(4)で実施した抗菌防黴試験後のコロニーの写真を図6に、試験結果を表3に示す。
BA1株、BK1株は、市販のバチルス菌と比較して、抗菌性に優れ、特に、BA1株は優れた防黴性を示した。この性質を利用して、BA1株、BK1株を、抗菌防黴剤、植物用病害防除剤等に利用可能であることが確かめられた。なお、BK1株は、Rhodotorula mucilaginosa、Cladosporium cladosporioidesに対して、ハローが確認できなかったが、これは、上記実験1の(1)デンプン分解試験の結果が示すように、デンプンを栄養源とするポテトデキストロース寒天培地が、BK1株の培養に不向きだったためであると考えられる。
「実験3」遠隔抗菌活性試験
BA1株のコロニーを白金耳で標準液体培地にとり、30℃で一晩振盪培養し、OD660が1.0となるように滅菌水で調整した。シャーレ(直径80mm)に作成した標準寒天培地に、調整した培養液0.2mlを塗沫し、30℃で2日間培養した。
上記実験2(4)で作成した糸状菌の胞子懸濁液の胞子数を血球計数盤で胞子数を計数し、10spores/mlとなるように調整した。調製した胞子懸濁液0.1mlを、シャーレ(直径80mm)に作成した1/10ポテトデキストロース寒天培地に塗沫した。
BA1株培養液を塗布したシャーレと、胞子懸濁液を塗布したシャーレとを、向い合せに重ねあわせ、周囲をビニールテープで隙間なく貼り合せて固定し、30℃で培養した。
それぞれ、OD660が1.0になるように調整したBK1株の培養液、BA1株の培養液とBK1株の培養液の等量混合液、市販のバチルス菌(商品名:納豆素)の培養液を用いた以外は上記と同様にして、遠隔抗菌活性試験を行った。
また、比較区として、バチルス属菌株を塗布していない標準寒天培地のシャーレを用いた。
培養11日後の胞子懸濁液を塗布したシャーレの写真を図7に示す。
比較区に比べて、本発明のBA1株、BK1株を用いた実験の全てにおいて、糸状菌の発育の遅れが確認できた。BA1株、BA1株とBK1株の混合、市販のバチルス菌では小さなコロニーがわずかに観察されたが、BK1株ではコロニーが観察されなかった。

Claims (4)

  1. 受託番号:NITE P−02009で寄託されたバチルスフィルムス(Bacillus firmus)BA1株。
  2. 受託番号:NITE P−02010で寄託されたバチルスプミルス(Bacillus pumilus)BK1株。
  3. 受託番号:NITE P−02009で寄託されたバチルスフィルムス(Bacillus firmus)BA1株、受託番号:NITE P−02010で寄託されたバチルスプミルス(Bacillus pumilus)BK1株のいずれか、または両方を含む組成物。
  4. 水質浄化剤、抗菌防黴剤、消臭剤、ぬめり抑制剤、堆肥化促進剤、生ごみ処理剤、土壌改良剤、植物用病害防除剤、汚泥処理剤、健康補助食品のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の組成物。



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