JP2018006936A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常走行時には隣接レーン上の車外映像を表示して、ドライバの煩雑さを解消すると共に、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーンとその外側に位置する外側レーン上の車外映像を表示して、他の車両レーンから車線変更してくる後続車の有無を確実に視認して、安全性を確保する車両用表示装置を提供する。【解決手段】乗員の車線変更操作または後続車確認操作を検知する検知手段を設け、自車両の通常走行時には、表示手段に自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の第1車外映像P1を表示し、検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンL3上と隣接レーンL2上との第2車外映像P2を表示する表示制御手段を設ける。【選択図】図11

Description

この発明は、自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得する撮像手段と、上記撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示する表示手段とを備えた車両用表示装置に関する。
従来、ドライバが車両後方を視認するには、フェンダミラーやドアミラーという物理的な鏡が採用されていた。この物理的な鏡は表示できるエリアが限定されており、後方視認エリアを拡大するためには上記フェンダミラーやドアミラーを大型化するとよいが、重量増加および空力抵抗増加の観点で、これらミラーの大型化は好ましくない。
近年、法改正によってCCDカメラ等のカメラ式の後方確認用ミラーの採用が可能となり、所謂電子ミラーを採用することにより、広角での後方車外映像の収集が可能になった。但し、電子ミラーで収集した後方車外映像の全てを、車両用表示装置にて常時表示させると、不必要な画像まで表示されるので、ドライバにとって煩わしいものであった。
ところで、特許文献1には、フロントウインドガラス上に表示される仮想サイドミラー画像の表示位置が、操作パネルの操作に応じて複数位置を設定可能とされていて、仮想サイドミラー画像が複数位置に設定された場合には、それら複数位置に対応して仮想サイドミラー画像がフロントウインドガラス面上に同時に表示されるように設定されており、これにより、複数の仮想サイドミラー画像によって実際に設置されているドアミラーの死角となる領域を広範囲に渡って視認することができ、車両走行時の安全性向上を図ったものが開示されている。
また、特許文献2には、車両走行中に車線を変更する時、自車両が現在走行中の車線に加えて、変更しようとする車線まで探査波による探査範囲を拡大して、他車線において自車両前方を走行する先行車両を捕捉するものが開示されている。
さらに、特許文献3には、車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、車両の周辺の障害物を検出する障害物検出手段と、周辺画像を表示する画像表示手段とを備え、周辺画像の撮影範囲外の領域において障害物検出手段により検出された障害物の情報が、画像表示手段における周辺画像の表示領域外に表示され、特に、車両の後退時において有用となる画像表示装置が開示されている。
さらにまた、特許文献4には、車両のフロントウインドガラスに向けて映像光を投射し、該フロントウインドガラスに反射した映像情報を虚像として表示するヘッドアップディスプレイ装置を備え、車両の右折時にはフロントウインドガラスの右側半分の領域の映像情報を非表示とし、車両の左折時にはフロントウインドガラスの左側半分の領域の映像情報を非表示とするように、ウインカ操作によるHUD表示の全体を移動させ、車両の右左折時におけるドライバの視界を確保すべく構成したものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜4の何れにおいても、本願発明を示唆する技術思想は開示されていない。
特許第4849333号公報 特開平11−326518号公報 特許第5741173号公報 特開2015−202842号公報
そこで、この発明は、通常走行時には隣接レーン上の車外映像を表示して、ドライバの煩雑さを解消すると共に、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーンとその外側に位置する外側レーン上の車外映像を表示して、他の車両レーンから車線変更してくる後続車の有無を確実に視認して、安全性を確保することができる車両用表示装置の提供を目的とする。
この発明による車両用表示装置は、自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得する撮像手段と、上記撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示する表示手段とを備えた車両用表示装置であって、乗員の車線変更操作または後続車確認操作を検知する検知手段を設け、自車両の通常走行時には、上記表示手段に自車両走行レーンの隣りに位置する隣接レーン上の第1車外映像を表示し、上記検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンの外側に位置する外側レーン上と上記隣接レーン上との第2車外映像を表示する表示制御手段を設けたものである。
上記構成によれば、上述の撮像手段は、自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得し、上述の表示手段は、撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示し、上述の検知手段は、乗員(ドライバ)の車線変更操作または後続車確認操作を検知する。また、上述の表示制御手段は、自車両の通常走行時には、表示手段に自車両走行レーンの隣りに位置する隣接レーン上の第1車外映像を表示し、検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンの外側に位置する外側レーン上と隣接レーン上との第2車外映像を表示する。
このように、通常走行時(車線変更をしない場合、並びに、車線変更を意図する後続車の確認を実行しない場合)には、隣接レーン上の車外映像(第1車外映像)を表示するので、不必要な映像が表示されるのを抑制して、ドライバの煩雑さを解消することができる。
しかも、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーン上の車外映像に併せて外側レーン上の車外映像(第2車外映像)を表示するので、他の車両レーンから車線変更してくる後続車の有無を確実に視認でき、安全性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記第1車外映像と上記第2車外映像とは、表示手段の所定画像エリア内に併せて表示されるものである。
上記構成によれば、通常走行時の第1車外映像も、車線変更操作時(または後続車確認操作時)の第2車外映像も、所定画像エリア(面積が同一のエリア)に表示され、画像エリアを広げないので、映像によりドライバの前方視界が妨げられることなく、死角の拡大を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記第2車外映像のうち上記外側レーン上の映像は、上記表示手段の所定画像エリアにおける外側レーンが存在する側の車幅方向外側に表示されるものである。
上述の外側レーンが存在する側とは、車線変更側または視線の固定により車線を変更しようとする側を意味する。
上記構成によれば、第2車外映像のうち上記外側レーン上の映像を、自車両の進行方向に対して違和感なく表示することができる。
この発明の一実施態様においては、上記車線変更操作を検知する検知手段は、方向指示器または舵角センサに設定されたものである。
上記構成によれば、既存部品である方向指示器や舵角センサを用いて、これらの出力に応じて第2車外映像(外側レーン上の車外映像と隣接レーン上の車外映像)を、車線変更操作時に適切に表示することができる。
この発明の一実施態様においては、上記後続車確認操作を検知する検知手段は、乗員の視線固定を検知する室内カメラに設定されたものである。
上述の室内カメラは、車線変更を意図してドライバが表示映像を目視する際の視線固定から当該ドライバの後続車確認操作を検知することができる。
上記構成によれば、後続車確認操作を検知する室内カメラの出力に応じて第2車外映像を表示することができ、乗員による入力操作が一切不要となる。
この発明の一実施態様においては、上記表示制御手段は、撮像手段で取得した車両レーン数に応じて画像エリアを拡大縮小するものである。
上記構成によれば、車両レーン数に応じて最適な情報を表示制御手段が判断して表示提供することができる。
この発明の一実施態様においては、上記表示制御手段は、上記検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、第1車外映像および第2車外映像を拡大表示するものである。
上記構成によれば、車線変更操作または後続車確認操作時に、車線変更等に最適な画像に拡大して表示することができる。
この発明によれば、通常走行時には隣接レーン上の車外映像を表示して、ドライバの煩雑さを解消すると共に、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーンとその外側に位置する外側レーン上の車外映像を表示して、他の車両レーンから車線変更してくる後続車の有無を確実に視認して、安全性を確保することができる効果がある。
本発明の車両用表示装置を備えた車両の平面図 図1の側面図 表示手段の一例であるヘッドアップディスプレイを概略的に示す模式図 ヘッドアップディスプレイによる表示画像の位置を示す説明図 右カメラによる撮像エリアの一例を示す平面図 制御回路ブロック図 車外映像表示制御のメインルーチンを示すフローチャート 車外映像表示制御のサブルーチンを示すフローチャート 第1車外映像の表示例を示す説明図 所定画像エリア内における第2車外映像の表示列を示す説明図 第2車外映像の拡大表示例を示す説明図 車両レーン数に応じた第2車外映像の拡大表示例を示す説明図 片側一車線走行時の左カメラによる第1車外映像の表示例を示す説明図
通常走行時には隣接レーン上の車外映像を表示して、ドライバの煩雑さを解消すると共に、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーンとその外側に位置する外側レーン上の車外映像を表示して、他の車両レーンから車線変更してくる後続車の有無を確実に視認して、安全性を確保するという目的を、自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得する撮像手段と、上記撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示する表示手段とを備えた車両用表示装置において、乗員の車線変更操作または後続車確認操作を検知する検知手段を設け、自車両の通常走行時には、上記表示手段に自車両走行レーンの隣りに位置する隣接レーン上の第1車外映像を表示し、上記検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンの外側に位置する外側レーン上と上記隣接レーン上との第2車外映像を表示する表示制御手段を設けるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用表示装置を示し、図1は当該車両用表示装置を備えた車両の平面図、図2は図1の側面図である。
図1,図2において、左右のフロントピラー1,1と、ルーフパネル2前端下部のフロントヘッダ(図示せず)と、カウルパネル(図示せず)とで囲繞されたフロントウインドガラス配設用の開口部3には、フロントウインドガラス4が接着剤を介して配置されている。
また、上述のフロントピラー1と、ルーフサイドレール5と、ヒンジピラーと、サイドシルと、センタピラーとで囲繞された前席乗員乗降用のドア開口部6には、左右のフロントドア7(サイドドア)が開閉可能に設けられている。
上述の左右の各フロントドア7,7の前部上側には、その主体部がベルトラインBLより上方に位置するようにサイドカメラユニット8,8が取付けられている。
左右のサイドカメラユニット8,8は、その内部に運転席10後方の車外映像を取得する撮像手段としてのカメラ9,9(左カメラと右カメラ)を備えている。これらの左カメラ9および右カメラ9としては、CCDまたはCMOS撮像素子等の固体撮像素子を用いることができる。
図3は表示装置の一例であるヘッドアップディスプレイを概略的に示す模式図、図4はヘッドアップディスプレイによる表示画像(虚像)の位置を示す説明図である。
カメラ9で取得した車外映像を運転席10前方に鏡像かつ虚像にて表示するヘッドアップディスプレイ11(以下、単にHUDと略記する)は、図3に示すように、投影機としてのプロジェクタ12(projector)と、反射鏡としてのリフレクタ13(reflector)と、プロジェクタ12の少なくとも車両前後方向の位置を調整する駆動部14(図6参照)とを有し、プロジェクタ12からリフレクタ13を介してフロントウインドガラス4にHUDレーザを照射し、フロントウインドガラス4前方の所定画像エリア15Lまたは所定画像エリア15Rに、カメラ9で取得した車外映像を鏡像表示画像(虚像としての仮想サイドミラー)として表示する表示手段である。
ここで、図6に示す駆動部14により、プロジェクタ12の車両前後方向の位置を調整すると、図3に示すリフレクタ13とフロントウインドガラス4との間の距離LE1が可変し、これによりフロントウインドガラス4と所定画像エリア15L,15Rとの間の距離LE2が変化し、所定画像エリア15L,15Rの位置を車両前後方向にコントロールすることができ、運転席10に着座した乗員はフロントウインドガラス4を通して表示された画像(表示画像)を目視することができる。また、上述のHUD11は左右のサイドカメラユニット8,8に対応して左右一対設けられている。なお、図3において、16はドライバアイポイントである。
また、上述のHUD11の駆動部14はプロジェクタ12を車両前後方向のみならず、上下左右方向にも微調整することができる。
図4に示すように、車両左側のサイドカメラユニット8内のカメラ9で撮像された自車両の左側後方の車外映像は、フロントウインドガラス4の車幅方向中央よりも左側下部前方の、この実施例では最外側の表示エリア15Lに鏡像として表示され、同様に、車両右側のサイドカメラユニット8内のカメラ9で撮像された自車両の右側後方の車外映像は、フロントウインドガラス4の車幅方向中央よりも右側下部前方の、この実施例では最外側の表示エリア15Rに鏡像として表示される。
図4において、ステアリングホイール17には、完了確認スイッチ18と表示形態選択スイッチ19とが設けられており、またセンタコンソール20上面部にはコマンダスイッチ21が設けられている。
上述の完了確認スイッチ18は、乗員が運転席10におけるシートクッションの正しい位置(正しいポジション)に着座完了した時、そのON操作により完了確認信号(ドライビングポジションの調整完了が終了したことを確認する信号)を出力するスイッチである。
上述の表示形態選択スイッチ19は、後述する第1車外映像P1と第2車外映像P2とを、所定画像エリア15L,15R内に併せて表示(図10参照)するか、或は、第2車外映像P2のうち外側レーン上の映像を、所定画像エリア15L,15Rにおける外側レーンが存在する側の車幅方向外側に表示(図11参照)するかを、選択するためのスイッチである。
上述のコマンダスイッチ21は、ドライバアイポイント16による虚像表示位置(所定画像エリア15L,15Rの位置)が乗員の好みによって異なるので、表示位置調整の指示信号を出力するためのスイッチである。
図5は右カメラ9(図1参照)による撮像エリアの一例を示す平面図である。
図5では自車両Aと進行方向が同じ複数の車両レーンL1,L2,L3を例示している。L1は自車両走行レーン、L2は自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーン、L3は隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンである。
図5では説明の便宜上、自車両Aの後方における隣接レーンL2上に他車両Bを示し、自車両Aの後方における外側レーンL3に他車両Cを示している。
右カメラ9は、自車両Aの右後側部の車体の一部と隣接レーンL2の路面および他車両Bを含む第1車外映像撮像エリアE1を包含して、隣接レーンL2よりさらに外側に位置する外側レーンL3の路面および他車両Cを含む第2車外映像撮像エリアE2の広範囲を撮像することができる。ここで、第2車外映像撮像エリアE2にて撮像された車外映像が第2車外映像となり、第1車外映像撮像エリアE1の映像のみを残すように第2車外映像をトリミングした映像が第1車外映像となる。換言すれば、第1車外映像撮像エリアE1内の撮像画像が第1車外映像となる。
つまり、自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の映像を、第1車外映像P1(図9参照)に設定し、隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンL3と隣接レーンL2との両レーンL3,L2上の映像を、第2車外映像P2(図10または図11参照)に設定している。但し、何れの車外映像P1,P2も、自車両走行レーンL1の路面映像と、自車両Aの右後側部の車体の一部の映像と該当レーンの路面映像(第1車外映像P1の場合は、隣接レーンL2の路面映像、第2車外映像P2の場合は、隣接レーンL2および外側レーンL3の路面映像)を含むものである。
図5では右カメラ9の車外映像撮像エリアE1,E2について説明したが、左カメラ9の車外映像撮像エリアは右カメラ9のそれと左右対称または左右略対称に形成されている。
図6は車両用表示装置の制御回路ブロック図を示し、表示制御手段としてのCPU30は、左側のサイドカメラユニット8のカメラ9(左カメラ)、右側のサイドカメラユニット8のカメラ9(右カメラ)、イグニッションスイッチ22、室内カメラ23、完了確認スイッチ18、コマンダスイッチ21、方向指示器24、舵角センサ25、ドアロックスイッチ26、車速センサ27、表示形態選択スイッチ19からの各種出力信号に基づいて、ROM28に格納されたプログラムに従って、左右の表示手段としてのHUD11,11を駆動制御し、またRAM29は必要なデータやマップを記憶する記憶手段である。
上述のイグニッションスイッチ22は、エンジンの点火装置のスイッチである。また、上述の室内カメラ23はフロントヘッダ下面に支持され、運転席10に着座した乗員の視線固定を検知することで、当該乗員の後続車確認操作を検知する検知手段である。
上述の方向指示器24は、自車両の進路変更に基づいてその車線変更操作を検知する検知手段である。また、上述の舵角センサ25(詳しくは、ステアリング舵角センサ)は、ステアリングホイール17による操舵角を検出するセンサであって、車線変更操作を検知する検知手段である。
また、上述のドアロックスイッチ26はドア錠によるドアの施錠、開錠を検出し、上述の車速センサ27は自車両の車速を検出する。
さらに、上述のCPU30は、カメラ9で撮像した画像データに基づいて、自車両Aと進行方向が同じ複数の車両レーン数を検出する白線検知部31と、CPU内蔵タイマとを有している。
ここで、上述のCPU30は、自車両Aの通常走行時には、表示手段であるHUD11に自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の第1車外映像P1(図9参照)を表示し、上述の検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23)で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンL3上と上述の隣接レーンL2上との第2車外映像P2(図10,図11または図12参照)を表示する表示制御手段である。
上述の第2車外映像P2の表示形態は図10に示す形態(第1パターン)と、図11または図12に示す形態(第2パターン)とがあり、乗員が表示形態選択スイッチ19(いわゆるパターン選択スイッチ)で何れの形態にて表示させるのかを選択することができる。
図10に示す表示形態(第1パターン)は、第1車外映像P1と第2車外映像P2とが、HUD11の所定画像エリア15R内に併せて表示されるものであって、この表示形態(第1パターン)においては、通常走行時の第1車外映像P1も、車線変更操作時(または、後続車確認操作時)の第2車外映像P2も、所定画像エリア15R(表示縦寸法、表示横寸法および表示面積が同一のエリア)に表示され、画像エリアを広げないので、映像によりドライバの前方視界が妨げられることがなく、死角の拡大を防止するものである。
図11,図12に示す表示形態(第2パターン)は、第2車外映像P2のうち外側レーンL3(または外側レーンL3,L4)上の映像が、HUD11の所定画像エリア15Rにおける外側レーンL3(または外側レーンL3,L4)が存在する側の車幅方向外側に表示されるものである。ここに、外側レーンL3またはL3,L4が存在する側とは、車線変更側または乗員の視線の固定により車線を変更しようとする側を意味する。そして、図11,図12に示すこの表示形態(第2パターン)では、第2車外映像P2のうち外側レーンL3(または外側レーンL3,L4)上の映像を、自車両Aの進行方向に対して違和感なく表示することができると共に、図10に示す表示形態(第1パターン)と比較して、外側レーンL3(または外側レーンL3,L4)上の他車両C等の画像がより大きく表示されるので、当該他車両Cの挙動(特に、ウインカの点滅)をより一層正確に把握することができる。
さらに、上述のCPU30で構成された表示制御手段は、カメラ9で取得した車両レーン数に応じて画像エリアを拡大縮小する。すなわち、図11に示すように、自車両走行レーンL1の外側に隣接レーンL2と1つの外側レーンL3とが存在する場合には、所定画像エリア15Rに対し表示縦寸法、表示横寸法および表示面積が大きいエリア15Raまで拡大し、図12に示すように、自車両走行レーンL1の外側に隣接レーンL2と2つの外側レーンL3,L4とが存在する場合には、所定画像エリア15Rに対し図11のエリア15Raよりも大きくなるように、その表示縦寸法、表示横寸法および表示面積がさらに大きいエリア15Rbまで拡大する。
これにより、車両レーン数に応じて最適な情報を表示制御手段(CPU30参照)が判断して表示提供すべく構成したものである。
さらにまた、上述のCPU30は、検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23)で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時(図8に示すフローチャートの各ステップS23,S26のYES判定参照)には、図9に示す通常走行時の表示に対して、図11,図12に示すように第1車外映像P1および第2車外映像P2をエリア15Rからエリア15Raまたはエリア15Rbまで拡大表示(図8に示すフローチャートの各ステップS24,S27参照)し、これにより、車線変更操作または後続車確認操作時に、車線変更等に最適な画像に拡大して表示すべく構成している。
図7は車外映像表示制御のメインルーチンを示すフローチャート、図8は車外映像表示制御のサブルーチンを示すフローチャート、図9は第1車外映像P1の表示例を示す説明図、図10は所定画像エリア15R内における第2車外映像P2の表示例(第1パターンの表示例)を示す説明図、図11は第2車外映像P2の拡大表示例(第2パターンの表示例)を示す説明図、図12は車両レーン数に応じた第2車外映像P2の拡大表示例(第2パターンの表示例)を示す説明図である。
なお、図9〜図12で示す内容は、全て画像(鏡像かつ虚像)であるが、説明の便宜上、図5と同一符号を付している。
このように構成した車両用表示装置の作用を、図7に示すメインルーチンおよび図8に示すサブルーチンを参照して、以下に説明する。
図7に示すメインルーチンのステップS1で、CPU30は図6に示す各要素9,18,19,21,22,23,24,25,26,27からの出力信号の読込みを実行する。
次のステップS2で、CPU30はイグニッションスイッチ22がONか否かを判定し、NO判定時には処理を終了する一方で、YES判定時には次のステップS3に移行する。
このステップS3で、CPU30は左右のHUD11,11および室内カメラ23を同時起動する。室内カメラ23は乗員(ドライバ)のアイポイント16を検知し、HUD11は対応する側のカメラ9で撮像した車外映像を一旦、左右反転して鏡像と成した後(鏡像と成す画像処理はCPU30内部で実行される)にフロントウインドガラス4に投影開始する。このフロントウインドガラス4に投影される画像は虚像となる。
次のステップS4で、CPU30はドライビングポジションの調整を促す。すなわち、ドライバに対して運転席10のシートクッションにおける正しい位置に着座するよう促すと共に、着座完了時には完了確認スイッチ18をON操作させる。完了確認スイッチ18がON操作されると、ドライビングポジションの調整完了が終了したことを確認する信号がCPU30に出力される。
次のステップS5で、CPU30は室内カメラ23で検知したドライバアイポイント16により虚像表示位置の調整を実行する。すなわち、図3,図4で示す左右の所定画像エリア15L,15Rの車両前後方向の位置および上下左右方向の位置を、駆動部14の制御にて調整する。
次のステップS6で、CPU30はドライバに対し虚像表示位置(所定画像エリア15L,15Rの位置)が問題ないか否かを確認要求し、YES判定時(問題なしの場合)にはステップS8に移行し、NO判定時(問題ありの場合)には別のステップS7に移行する。
上述のステップS7で、乗員がコマンダスイッチ21を操作すると、表示位置調整の指示信号がCPU30に出力されるので、CPU30は駆動部14を介してプロジェクタ12を車両前後方向および上下左右方向に調整し、虚像表示位置(所定画像エリア15L,15Rの位置)を調整した後に、ステップS6にリターンする。このステップS6で表示位置に問題がない場合には、乗員に表示位置設定OK承認スイッチ(図示せず)のON操作を実行させる。
上述のステップS8で、CPU30はHUD11作動による車外映像表示制御を実行するが、このステップS8の具体的制御内容については、図8に示すサブルーチンを参照して後述する。
次に、ステップS9で、CPU30はイグニッションスイッチ22がOFFで、かつドライバが運転席10から離席したか否かを判定する。離席の有無は室内カメラ23の撮像信号に基づいて判定することができるが、シートクッションに感圧センサを設け、感圧センサの信号に基づいて離席の有無を判定する構成を採用してもよい。
上述のステップS9でNO判定されると、ステップS8にリターンし、YES判定されると次のステップS10に移行する。
このステップS10で、CPU30は車両の外側からドアロック操作されたか否かを判定する。車両の外側からのドアロック操作は鍵操作による場合と、キーレスエントリシステムの携帯端末による場合とがある。何れの場合にあってもドアロック操作が実行されると、ドアロックスイッチ26からの信号により施錠が検知されるので、ステップS10でのYES判定時には次のステップS11に移行してHUD11の作動を終了する。
一方、ステップS10でNO判定されると別のステップS12に移行し、車両の外側からのドアロック操作がない場合においても一定時間経過後(ステップS12のYES判定時)にはステップS11にてHUD11の作動を自動終了するものである。
図8は、図7で示したメインルーチンのステップS8の具体的内容を示すサブルーチンである。なお、以下の説明においては図5で示した車両右側のカメラ9にて撮像した車外映像を、フロントウインドガラス4の右側の所定画像エリア15Rに鏡像にて表示する場合について例示する。
図8に示すサブルーチンのステップS21で、CPU30はHUD11を駆動して通常表示を実行する(図9参照)。すなわち、図9に示すように、HUD11の所定画像エリア15Rに自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の他車両Bを含む第1車外映像P1を表示する。この場合、カメラ9の第1車外映像撮像エリアE1に対応して、自車両Aの右後側部の車体の一部の映像と自車両走行レーンL1の路面の映像と隣接レーンL2の路面の映像とが所定画像エリア15Rに表示される。
次のステップS22で、CPU30はカメラ9で撮像した画像データに基づいて、自車両Aと進行方向が同じ車両レーンが自車両A外側方(詳しくは、自車両走行レーンL1の外側方)に複数存在するか否かを、白線検知部31の処理内容から判定する。
このステップS22でNO判定されるとステップS28にスキップする。ステップS28での処理内容はステップS21の処理内容と同一であって、該ステップS28では、CPU30はHUD11を駆動して通常表示を継続して実行する(図9参照)。
自車両Aの外側方に、自車両Aと進行方向が同じ複数の車両レーンが検知された場合には、上述のステップS22でYES判定される。このステップS22でYES判定されると、次のステップS23に移行する。
上述のステップS23で、CPU30は乗員が図5に矢印aで示す自車両走行レーンL1から隣接レーンL2(または外側レーンL3)に車線変更するに当り、後続車確認操作を行なったか否かを判定する。詳しくは、CPU30は室内カメラ23の出力により、乗員の視線固定(所定画像エリア15Rに対する一定時間の視線固定であって、一定時間は例えば0.5秒程度)が検知されたか否かを判定する。
そして、このステップS23でYES判定されると、次のステップS24に移行する一方で、NO判定時には別のステップS26に移行する。
上述のステップS24で、CPU30は予め出力された表示形態選択スイッチ19からの信号に基づいて、第1車外映像P1と第2車外映像P2とを、所定画像エリア15R内に併せて表示するか(図10に示す第1パターン参照)、または、第1車外映像P1と第2車外映像P2とを表示するに当り、第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像は所定画像エリア15Rにおける視線固定側つまり外側レーンL3,L4が存在する側の車幅方向外側に拡張、拡大して表示する(図11,図12に示す第2パターン参照)。
表示形態選択スイッチ19で第1パターンが選択された際には、図10に示すように、第1車外映像P1と第2車外映像P2(詳しくは、第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像)とが、所定画像エリア15Rを拡張、拡大することなく、当該所定画像エリア15R内に併せて表示される。
表示形態選択スイッチ19で第2パターンが選択された際には、車両レーン数(特に、外側レーン数)に対応して、図11または図12に示すように、第1車外映像P1を表示する所定画像エリア15Rの大きさをそのままに保った状態で、この所定画像エリア15Rの外側レーンL3,L4が存在する側つまり視線固定側の車幅方向外側に表示エリアを図11,図12に示す画像エリア15Ra,15Rbまで拡張、拡大して第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像を表示する。
図10,図11,図12の何れの場合においても、自車両Aの右後側部の車体の一部の映像と、各車両レーンL1,L2,L3,L4の路面の映像と、他車両B,Cの映像とが表示され、自車両Aのドライバは他車両Cのウインカの点滅を視認することで、当該他車両Cが図5に矢印bで示すように、外側レーンL3またはL4から隣接レーンL2に車線変更してくるか否かを判断することができる。
一方、上述のステップS26で、CPU30は車線変更操作が検知されたか否かを判定する。詳しくは、方向指示器24または舵角センサ25からの出力に基づいて図5に矢印aで示す自車両走行レーンL1から隣接レーンL2(または外側レーンL3)に車線変更するに当り、当該車線変更操作を行なったか否かを判定し、NO判定時にはステップS28にスキップして、通常表示を継続して実行し(図9参照)、YES判定時には、次のステップS27に移行する。
上述のステップS27で、CPU30は予め出力された表示形態選択スイッチ19からの信号に基づいて、第1車外映像P1と第2車外映像P2とを、所定画像エリア15R内に併せて表示するか(図10に示す第1パターン参照)、または、第1車外映像P1と第2車外映像P2とを表示するに当り、第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像は所定画像エリア15Rにおける車線変更側つまり外側レーンL3,L4が存在する側の車幅方向外側に拡張、拡大して表示する(図11,図12に示す第2パターン参照)。
表示形態選択スイッチ19で第1パターンが選択された際には、図10に示すように、第1車外映像P1と第2車外映像P2(詳しくは、第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像)とが、所定画像エリア15Rを拡張、拡大することなく、当該所定画像エリア15R内に併せて表示される。
表示形態選択スイッチ19で第2パターンが選択された際には、車両レーン数(特に、外側レーン数)に対応して、図11または図12に示すように、第1車外映像P1を表示する所定画像エリア15Rの大きさをそのままに保った状態で、この所定画像エリア15Rの外側レーンL3,L4が存在する側つまり車線変更側の車幅方向外側に表示エリアを図11,図12に示す画像エリア15Ra,15Rbまで拡張、拡大して第2車外映像P2のうち外側レーンL3,L4上の映像を表示する。
図10,図11,図12の何れの場合においても、自車両Aの右後側部の車体の一部の映像と、各車両レーンL1,L2,L3,L4の路面の映像と、他車両B,Cの映像とが表示され、自車両Aのドライバは他車両Cのウインカの点滅を視認することで、当該他車両Cが図5に矢印bで示すように、外側レーンL3またはL4から隣接レーンL2に車線変更してくるか否かを判断することができる。
上述の各ステップS24,S27での第1、第2車外映像P1,P2表示の処理の次に、ステップS25に移行し、このステップS25で、CPU30は経過時間tが所定時間toを超えたか否かを判定し、t>toのYES判定時つまり所定時間経過時にのみ上述のステップS28に移行して、HUD11による表示内容を第1、第2車外映像P1,P2表示から第1車外映像P1表示つまり通常表示(図9参照)に戻して、サブルーチンを終了する。
ここで、上述の所定時間toは乗員が所定画像エリア15Rから視線を外してから1秒後、または車線変更後の2〜3秒後が好ましい。
また、上記実施例においてはHUD11の起動前に表示形態選択スイッチ19からCPU30に表示形態選択信号を出力すべく構成したが、HUD11の起動後において表示形態選択スイッチ19からCPU30に表示変更選択信号を出力し、HUD作動中に第1パターンと第2パターンとの表示切換えができるよう構成してもよい。
図13は片側一車線走行時の左カメラ9による第1車外映像の表示例を示す説明図である。
図13に示すように、自車両Aが片側一車線を走行している場合には、車両左側のカメラ9で撮像した映像が、一旦反転処理されて鏡像と成った後に、HUD11の作動により所定画像エリア15Lには、自車両Aの左後側部の車体の一部の映像と、自車両走行レーンL1の路面の映像と、後続車Dの映像と、路肩および歩道の映像とがフロントウインドガラス4の前方に虚像として映し出されるよう構成している。
このように、上記実施例の車両用表示装置は、自車両Aと進行方向が同じ複数の車両レーン上L1,L2,L3の運転席10後方の車外映像を取得する撮像手段(カメラ9参照)と、上記撮像手段(カメラ9)で取得した車外映像を運転席10前方に鏡像にて表示する表示手段(HUD11参照)とを備えた車両用表示装置であって、乗員の車線変更操作または後続車確認操作を検知する検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23参照)を設け、自車両Aの通常走行時には、上記表示手段(HUD11)に自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の第1車外映像P1(図9参照)を表示し、上記検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23)で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンL3上と上記隣接レーンL2上との第2車外映像P2(図10,図11,図12参照)を表示する表示制御手段(CPU30参照)を設けたものである(図5,図6,図9,図10,図11,図12参照)。
この構成によれば、上述の撮像手段(カメラ9)は、自車両Aと進行方向が同じ複数の車両レーン(L1,L2,L3)上の運転席10後方の車外映像を取得し、上述の表示手段(HUD11)は、撮像手段(カメラ9)で取得した車外映像を運転席10前方に鏡像にて表示し、上述の検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23)は、乗員(ドライバ)の車線変更操作または後続車確認操作を検知する。また、上述の表示制御手段(CPU30)は、自車両Aの通常走行時には、表示手段(HUD11)に自車両走行レーンL1の隣りに位置する隣接レーンL2上の第1車外映像P1(図9参照)を表示し、検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンL2の外側に位置する外側レーンL3上と隣接レーンL2上との第2車外映像P2(図10,図11,図12参照)を表示する。
このように、通常走行時(車線変更をしない場合、並びに、車線変更を意図する後続車の確認を実行しない場合)には、隣接レーンL2上の車外映像(図9に示す第1車外映像P1)を表示するので、ドライバの煩雑さを解消することができる。
しかも、車線変更操作または後続車確認操作時には、隣接レーンL2上の車外映像に併せて外側レーンL3上の車外映像(図10,図11,図12に示す第2車外映像P2)を表示するので、他の車両レーンL3から車線変更してくる後続車の有無を確実に視認でき、安全性を確保することができる。
この発明の一実施形態においては、上記第1車外映像P1と上記第2車外映像P2とは、表示手段(HUD11)の所定画像エリア15R内に併せて表示されるものである(図10参照)。
この構成によれば、通常走行時の第1車外映像P1も、車線変更操作時(または後続車確認操作時)の第2車外映像P2も、図10に示すように、所定画像エリア15R(面積が同一のエリア)に表示され、画像エリアを広げないので、映像によりドライバの前方視界が妨げられることなく、死角の拡大を防止することができる。
この発明の一実施形態においては、上記第2車外映像P2のうち上記外側レーン上の映像は、上記表示手段(HUD11)の所定画像エリア15Rにおける外側レーンL3,L4が存在する側の車幅方向外側に表示されるものである(図11,図12参照)。
ここで、外側レーンが存在する側とは、車線変更側または視線の固定により車線を変更しようとする側を意味する。
この構成によれば、第2車外映像P2のうち上記外側レーンL3,L4上の映像を、自車両の進行方向に対して違和感なく表示することができる。
この発明の一実施形態においては、上記車線変更操作を検知する検知手段は、方向指示器24または舵角センサ25に設定されたものである(図6参照)。
この構成によれば、既存部品である方向指示器24や舵角センサ25を用いて、これらの出力に応じて第2車外映像P2(外側レーンL3,L4上の車外映像と隣接レーンL2上の車外映像)を、車線変更操作時に適切に表示することができる。
この発明の一実施形態においては、上記後続車確認操作を検知する検知手段は、乗員の視線固定を検知する室内カメラ23に設定されたものである(図6参照)。
ここで、上述の室内カメラ23は、車線変更を意図してドライバが表示映像を目視する際の視線固定から当該ドライバの後続車確認操作を検知することができる。
この構成によれば、室内カメラ23の出力に応じて第2車外映像P2を表示することができ、乗員による入力操作が一切不要となる。
この発明の一実施形態においては、上記表示制御手段(CPU30)は、撮像手段(カメラ9)で取得した車両レーン数に応じて画像エリアを拡大縮小するものである(図11,図12参照)。
この構成によれば、車両レーン数に応じて最適な情報を表示制御手段(CPU30)が判断して表示提供することができる。なお、この実施形態においては、車両レーン数に応じて図10で示した所定画像エリア15Rの縦横の寸法を拡大し、画像エリアの面積を大きくする構造を採用してもよい。
この発明の一実施形態においては、上記表示制御手段(CPU30)は、上記検知手段(方向指示器24、舵角センサ25または室内カメラ23)で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、第1車外映像P1および第2車外映像P2を拡大表示するものである(図11,図12参照)。
この構成によれば、車線変更操作または後続車確認操作時に、車線変更等に最適な画像に拡大して表示することができる。
なお、以上の説明においては、車両右側のカメラ9で撮像した車外映像を、フロントウインドガラス4の右側の所定画像エリア15Rに鏡像かつ虚像として表示する車外映像表示制御について例示したが、車両左側のカメラ9で撮像した車外映像を、フロントウインドガラス4の左側の所定画像エリア15Lに鏡像かつ虚像として表示する車外映像表示制御についても、上述同様に機能するものである。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の撮像手段は、実施例のカメラ9に対応し、
以下同様に、
表示手段は、HUD11に対応し、
乗員の車線変更操作を検知する検知手段は、方向指示器24、舵角センサ25に対応し、
乗員の後続車確認操作を検知する検知手段は、室内カメラ23に対応し、
表示制御手段は、CPU30に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記表示手段としては、HUD11に代えて、インストルメントパネルの略中央上部に設けられる液晶表示装置や従来のルームミラーと同等位置に設けられる横長形状の液晶表示装置などの他の表示手段であってもよい。
また、車両レーン数をカメラ9で取得する構成に代えて、ナビゲーション装置の地図情報から取得する構成を採用してもよい。
さらに、乗員の視線固定を検知する検知手段としては、室内カメラ23に代えて顔検知カメラを用いてもよい。
加えて、上述の完了確認スイッチ18、表示形態選択スイッチ19、コマンダスイッチ21の配設位置は、実施例の位置に代えて、インストルメントパネルにおける運転席10近傍に配設する構造を採用してもよい。
以上説明したように、本発明は、自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得する撮像手段と、上記撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示する表示手段とを備えた車両用表示装置について有用である。
9…カメラ
10…運転席
11…HUD(表示手段)
15L,15R…所定画像エリア
23…室内カメラ(検知手段)
24…方向指示器(検知手段)
25…舵角センサ(検知手段)
30…CPU(表示制御手段)
L1…自車両走行レーン(車両レーン)
L2…隣接レーン(車両レーン)
L3,L4…外側レーン(車両レーン)
P1…第1車外映像
P2…第2車外映像

Claims (7)

  1. 自車両と進行方向が同じ複数の車両レーン上の運転席後方の車外映像を取得する撮像手段と、
    上記撮像手段で取得した車外映像を運転席前方に鏡像にて表示する表示手段とを備えた
    車両用表示装置であって、
    乗員の車線変更操作または後続車確認操作を検知する検知手段を設け、
    自車両の通常走行時には、上記表示手段に自車両走行レーンの隣りに位置する隣接レーン上の第1車外映像を表示し、
    上記検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、隣接レーンの外側に位置する外側レーン上と上記隣接レーン上との第2車外映像を表示する表示制御手段を設けた
    車両用表示装置。
  2. 上記第1車外映像と上記第2車外映像とは、表示手段の所定画像エリア内に併せて表示される
    請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 上記第2車外映像のうち上記外側レーン上の映像は、上記表示手段の所定画像エリアにおける外側レーンが存在する側の車幅方向外側に表示される
    請求項1に記載の車両用表示装置。
  4. 上記車線変更操作を検知する検知手段は、方向指示器または舵角センサに設定された
    請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用表示装置。
  5. 上記後続車確認操作を検知する検知手段は、乗員の視線固定を検知する室内カメラに設定された
    請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用表示装置。
  6. 上記表示制御手段は、撮像手段で取得した車両レーン数に応じて画像エリアを拡大縮小する
    請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用表示装置。
  7. 上記表示制御手段は、上記検知手段で車線変更操作または後続車確認操作が検知された時には、第1車外映像および第2車外映像を拡大表示する
    請求項1,3〜5の何れか一項に記載の車両用表示装置。
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