JP2018006579A - コイル部品およびパルストランス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐電圧の向上を図りつつ、小型化を実現することができるコイル部品を提供すること。【解決手段】一次コイルを構成するワイヤ41,42の線径と二次コイルを構成するワイヤ43,44の線径とを互いに異ならせる。一次コイルを構成するワイヤ41,42と二次コイルを構成するワイヤ43,44とを巻芯部22に螺旋状に巻回して、該巻芯部22の軸芯に沿う方向(X軸方向)に交互に配置する。【選択図】図2

Description

本発明は、たとえばLANケーブルなどを通じてパルス信号を伝送するための用途などに用いられるコイル部品およびパルストランスに関する。
パソコンなどの機器をLANや電話網などのネットワークに接続する場合、ケーブルを通して侵入するESD(ElectroStatic Discharge,静電放電)や高電圧から機器を守る必要がある。そこで、ケーブルと機器の接続点を構成するコネクタにはパルストランスが用いられる。
従来用いられているパルストランスはドーナツ型の磁心(トロイダルコア)に一次コイルと二次コイルを巻回して作られており、一次コイルに印加される電圧のうち交流成分(パルス)のみを二次コイルに伝えるという性質を有する。直流成分は二次コイルに伝わらないため、パルストランスはESDや高電圧を遮断することができる。
近年ではパルストランスにも小型化・表面実装化が求められており、そのために上記トロイダルコアに代えてドラム型コアを用いる例が登場している。そのようなパルストランスを表面実装型パルストランスといい、特許文献1にその例が開示されている。パルストランスに用いられるコイルとしては、特許文献1にも示されているように、一次コイルと二次コイルとで、同じ線径のワイヤ(線材)が用いられている。
ところで、このようなパルストランスにおいて、一次コイルおよび二次コイルに用いるワイヤの径を細くすることにより、その小型化を図ることが考えられる。しかしながら、これらに細径のワイヤを単に用いるだけでは、直流抵抗が増大すると共に耐電圧が低下するという問題が生じ得る。なお、パルストランス以外のコイル部品においても、コイル部品の小型化を図りつつ、耐電圧特性を向上させたいという要請がある。
特開2012−248610号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、耐電圧の向上を図りつつ、小型化を実現することができるコイル部品およびパルストランスを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコイル部品は、
巻芯部と、
前記巻芯部の外周に、互いに異なる線径のワイヤが前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してあるコイル部とを有する。
本発明の第1の観点に係るコイル部品では、互いに異なる線径(一方が細径、他方が太径)のワイヤを巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に配置している。これにより、隣接する一方のワイヤが細径でその絶縁被覆が薄い場合であっても、隣接する他方のワイヤが太径でその絶縁被覆が厚いため、これらの間における絶縁を十分に確保することが可能であり、耐電圧を向上することができる。
また、一方のワイヤが細径で他方のワイヤが太径であるため、両者を太径のワイヤとした場合と比較して、部品の小型化を図ることが可能である。さらに、一方のワイヤが細径で他方のワイヤが太径であるため、当該他方のワイヤに係る部分において直流抵抗を低減することができ、両者を細径とした場合と比較して、発熱を少なくでき、温度上昇を少なくすることができる。したがって、温度上昇の抑制や耐電圧の向上と、小型化とを両立的に実現することができる。
好ましくは、前記巻芯部の外周には、互いに異なる線径のワイヤが前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に二層以上に巻回してある。
好ましくは、互いに異なる線径のワイヤが、太径のワイヤと細径のワイヤとから成り、巻芯部に近い第1組層に位置する太径のワイヤと太径のワイヤとの間に、前記第1組層の外側に巻回して配置される第2組層に位置する太径のワイヤが位置するように、太径のワイヤと細径のワイヤとが前記巻芯部に巻回してある。このように構成することで、細径のワイヤの周囲が、太径のワイヤで囲まれることになり、耐電圧がさらに向上する。
前記第1組層に位置する太径のワイヤの線径と前記第2組層に位置する太径のワイヤの線径とが実質的に同一であってもよく、
前記第1組層に位置する細径のワイヤの線径と前記第2組層に位置する細径のワイヤの線径とが実質的に同一であってもよい。
あるいは、前記第1組層に位置する太径のワイヤの線径より、前記第2組層に位置する太径のワイヤの線径が小さくてもよく、
前記第1組層に位置する細径のワイヤの線径より、前記第2組層に位置する細径のワイヤの線径が小さくてもよい。
本発明の第2の観点に係るコイル部品は、
巻芯部と、
前記巻芯部の外周に形成してある一次コイルおよび二次コイルから成るコイル部とを有するコイル部品であって、
前記一次コイルは、第1ワイヤおよび第2ワイヤを有し、
前記二次コイルは、前記第1ワイヤとは線径の異なる第3ワイヤおよび前記第2ワイヤとは線径の異なる第4ワイヤを有し、
前記第1ワイヤと前記第3ワイヤの組み合わせから成る第1組層と、前記第2ワイヤと前記第4ワイヤとの組合せから成り、該第1組層の外側に巻回して配置された第2組層とを有し、
前記第1ワイヤと前記第3ワイヤとが、前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してあるとともに、前記第2ワイヤと前記第4ワイヤとが、前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してある。
本発明の第2の観点に係るコイル部品では、第1組層および該第1組層の外側に配置される第2組層のそれぞれにおいて、互いに異なる線径(一方が細径、他方が太径)のワイヤを巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に配置している。これにより、隣接する一方のワイヤが細径でその絶縁被覆が薄い場合であっても、隣接する他方のワイヤが太径でその絶縁被覆が厚いため、これらの間における絶縁を十分に確保することが可能であり、耐電圧を向上することができる。
また、一方のワイヤが細径で他方のワイヤが太径であるため、両者を太径のワイヤとした場合と比較して、部品の小型化を図ることが可能である。さらに、一方のワイヤが細径で他方のワイヤが太径であるため、当該他方のワイヤに係る部分において直流抵抗を低減することができ、両者を細径とした場合と比較して、発熱を少なくでき、温度上昇を少なくすることができる。したがって、温度上昇の抑制や耐電圧の向上と、小型化とを両立的に実現することができる。
好ましくは、前記第1ワイヤの外側に前記第4ワイヤが配置してあり、前記第3ワイヤの外側に前記第2ワイヤが配置されるように、これらのワイヤが前記巻芯部の回りに巻回してある。このように配置することにより、第1組層における太線(太径のワイヤ)とこれに隣接する太線の間の部分に第2組層の太線が、第1組層の細線(細径のワイヤ)とこれに隣接する細線の間の部分に第2組層の細線が配置されることになり、第1組層の細線と第2組層の太線との間に、および第2組層の細線と第1組層の太線との間に、ある程度の間隔を確保することが可能であり、耐電圧をさらに向上することができる。
本発明に係るパルストランスは、上記コイル部品を有するパルストランスである。耐電圧の向上を図りつつ、小型化を実現することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るパルストランスの斜視図である。 図2は図1に示すトランスの巻芯部に巻回してあるコイル部の概略半断面図である。 図3は図1に示すトランスの等価回路図である。 図4は本発明の他の実施形態に係るパルストランスの斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るパルストランスは、表面実装型のコイル部品10で構成してある。このコイル部品10は、ドラム型コアである第1コア20と、板状の第2コア30と、第1コア20の巻芯部22に巻回されたコイル部40とを有する。
なお、コイル部品10の説明では、コイル部品10を実装する実装面と平行な面内にあり第1コア20の巻芯部22の巻軸と平行な方向をX軸方向、X軸と同じく実装面と平行な面内にありX軸と垂直な方向をY軸方向、実装面の法線方向をZ軸方向とする。
コイル部品10は、その外形寸法が、たとえば幅2.5〜4.5mm×高さ1.5〜4.5mm×奥行き3.2〜6.5mmであるが、コイル部品10のサイズはこれに限定されない。
コイル部品10のコアは、第1コア20と第2コア30とを組み合わせて構成される。第1コア20は、棒状の巻芯部22と、巻芯部22の両端に備えられる一対のコア端部としての一対の鍔部24,24と、を有する。
鍔部24の外形状は、略直方体であり、一対の鍔部24は、X軸方向に関して所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。巻芯部22は、一対の鍔部24において互いに向かい合うそれぞれの面の中央部に接続しており、一対の鍔部24を接続している。巻芯部22の横断面形状は、本実施形態では矩形であるが、円形でも良く、その断面形状は特に限定されない。
第2コア30は、板状のコアであり、第2コア30の外形状は、Z軸方向の辺が最も短い辺となる略直方体である。第2コア30は、外側面36の法線方向(Z軸方向)から見てX軸方向に長い略長方形であるが、正方形その他の形状であってもよい。X軸方向の両端に位置する第2コア30の上面32は、鍔部24の底面24aと向かい合っており、底面24aに対して、たとえば熱硬化性樹脂などの接着剤などにより固定される。これにより、第2コア30は、第1コア20と連続する磁路を形成する。
第1コア20の各鍔部24には、端子部51〜56が設けられている。端子部51〜56は、略L字の外形状を有する金具で構成されており、少なくとも一部が鍔部24の設置面24bに設けられている。なお、鍔部24の設置面24bは、第2コア30の上面32に向かい合う底面24aとは、反対側のZ軸方向の上面である。
3つの端子部51〜53は、一方の鍔部24に設けられており、他の3つの端子部54〜56は、他方の鍔部24に設けられている。隣接する端子部の間隔は等間隔ではなく、端子部52と端子部53の間隔は、端子部51と端子部52の間隔より広くなるよう設計されており、端子部54と端子部55の間隔は、端子部55と端子部56の間隔より広くなるよう設計されている。
第1コア20の巻芯部22には、コイル部40が形成されている。コイル部40は、4本のワイヤ41〜44により構成される。ワイヤ41〜44は、たとえば被覆導線で構成してあり、良導体からなる芯材を絶縁性の被覆膜で覆った構成を有しており、巻芯部22に、後述する2層構造で巻回されている。
本実施形態では、一次コイルを構成する第1ワイヤ41と第2ワイヤ42としては、同一の線径のワイヤを用いており、二次コイルを構成する第3ワイヤ43と第4ワイヤ44とは、同一の線径のワイヤを用いている。ただし、一次コイルを構成する第1ワイヤ41と第2ワイヤ42として、互いに異なる線径のワイヤを用い、二次コイルを構成する第3ワイヤ43と第4ワイヤ44として、互いに異なる線径のワイヤを用いてもよい。
また、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の線径と、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44の線径とは、互いに異なっている。本実施形態では、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の線径は、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44の線径よりも、小さい値に設定されている。すなわち、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42としては細径のワイヤ(細線)を用い、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44としては太径のワイヤ(太線)を用いている。
ただし、これとは逆に、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の線径は、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44の線径よりも、大きい値に設定してもよい。すなわち、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42として太径のワイヤ(太線)を用い、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44として細径のワイヤ(細線)を用いてもよい。
一次コイルを構成する細線としての第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の線径と、二次コイルを構成する太線としての第3ワイヤ43および第4ワイヤ44の線径との比としては、1:1.05〜1:7の範囲で設定することができ、より好ましくは1:2〜1:6の範囲で設定することができ、さらに好ましくは1:3〜1:5の範囲で設定することができる。
より具体的には、一次コイルを構成する細線としての第1ワイヤ41および第2ワイヤ42の線径は、φ0.03〜φ0.06mmの範囲で設定し、二次コイルを構成する太線としての第3ワイヤ43および第4ワイヤ44の線径は、φ0.065〜φ0.2mmの範囲で設定することができる。なお、ワイヤの線径に対する被覆の膜厚は、JIS規格等により規定されており、細線としての線径φ0.03〜0.06mmでは、3〜15μm程度、太線としての線径φ0.065〜φ0.2mmでは、15〜34μm程度である。
図2に示すように、第1ワイヤ41と第3ワイヤ43とは、これら2本のワイヤを略平行に配置した状態で巻芯部22に螺旋状に巻回(バイファイラ巻き)して第1組層を構成し、第2ワイヤ42と第4ワイヤ44とは、第1組層の外側に積層して重ね、同様にバイファイラ巻きして第2組層を構成している。したがって、第1ワイヤ41と第3ワイヤ43とは、巻芯部22の軸芯(巻軸)に沿う方向(X軸方向)に螺旋状に交互に隣接して配置(巻回)され、第2ワイヤ42と第4ワイヤ44とは、巻芯部22の軸芯(巻軸)に沿う方向(X軸方向)に螺旋状に交互に隣接して配置(巻回)されている。なお、巻線方法としては、このようなバイファイラ巻きに限られず、1本ずつ巻回して同様の構成としてもよいし、第1組層はバイファイラ巻きし、第2組層は第1組層をガイドとして1本ずつ巻回して同様の構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1ワイヤ41の外側に第4ワイヤ44が、第3ワイヤ43の外側に第2ワイヤ42がそれぞれ対応するように配置されている。すなわち、第1組層における第3ワイヤ43の一部(一巻き)とこれに隣り合う第3ワイヤ43の他の一部(一巻き)の間の部分に第2組層の第4ワイヤ44の一部(一巻き)が配置されている。また、互いに隣接する第3ワイヤ43の一部(一巻き)と第3ワイヤ43の他の一部(一巻き)と第4ワイヤ44の一部(一巻き)により画成される空間部分に第1ワイヤ41の一部(一巻き)が配置され、互いに隣接する第3ワイヤ43の一部(一巻き)と第4ワイヤ44の一部(一巻き)と第4ワイヤ44の他の一部(一巻き)により画成される空間部分に第2ワイヤ42の一部(一巻き)が配置されている。ここで、一巻きとは、巻芯部22に螺旋状に巻回されたワイヤの一周分に相当する部分である。
なお、本実施形態では、第1組層のワイヤ41,43と第2組層のワイヤ42,44とでは、逆方向に巻回してある。また、ワイヤ41〜44の巻き数は全て同じであるが、異なっていてもよい。
図1に示すように、第1ワイヤ41のワイヤ端41a,41bは、それぞれ端子部54,52に接続され、第2ワイヤ42のワイヤ端42a,42bは、それぞれ端子部51,54に接続される。第3ワイヤ43のワイヤ端43a,43bは、それぞれ端子部53,56に接続され、第4ワイヤ44のワイヤ端44a,44bは、それぞれ端子部55,53に接続される。
なお、図3に示すように、端子部51,52は、それぞれ平衡入力のプラス側端子IN+とマイナス側端子IN−として用いられる。また、端子部55,56は、それぞれ平衡出力のプラス側端子OUT+とマイナス側端子OUT−として用いられる。端子部53,54は、それぞれ入力側および出力側の中間タップCTとして用いられる。ワイヤ41,42はパルストランスの一次巻線(一次コイル)を構成し、ワイヤ43,44はパルストランスの二次巻線(二次コイル)を構成する。
コイル部品10の製造では、まず、端子部51〜56を設置したドラム型の第1コア20とワイヤ41〜44を準備する。第1コア20は、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、たとえばNi−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成してある磁性粉体を、成型および焼結することにより作製される。金属の端子部51〜56は、接着等により第1コア20の鍔部24に固定される。なお、端子部51〜56は、第1コア20に印刷・メッキ等により導体膜を形成し、その導体膜を焼き付けることにより、鍔部24に設けられてもよい。
ワイヤ41〜44としては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。準備された端子部51〜56を設置した第1コア20およびワイヤ41〜44は、巻線機にセットされ、ワイヤ41〜44が、所定の順序で第1コア20の巻芯部22に巻回される。
巻回されたワイヤ41〜44のワイヤ端41a〜44a,41b〜44bは、図1に示す所定の端子部51〜55に、銀ロー付け、熱圧着またはレーザー接合などにより固定される。
次に、板状の第2コア30を準備し、コイル部40が巻かれた第1コア20に接合する。第2コア30は、第1コア20と同様に、Ni−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成してある磁性材料の焼結体または成形体で構成される。
本実施形態では、第1組層を構成する第1ワイヤ41を細線とし、第3ワイヤ43を該第1ワイヤ41よりも線径の大きい太線として、これらを巻芯部22に螺旋状に巻回して、該巻芯部22の軸芯に沿う方法(X軸方向)に交互に配置するとともに、該第1組層の外側に配置される第2組層を構成する第2ワイヤ42を細線とし、第4ワイヤ44を該第2ワイヤ42よりも線径の大きい太線として、これらを巻芯部22に巻回された第1組層の外側に螺旋状に巻回して、該巻芯部22の軸芯に沿う方法(X軸方向)に交互に配置している。
一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42は細線であり、その絶縁被覆は薄いが、その周囲に隣接または近接して存在する二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44が太線であり、その被覆が厚い。このため、巻芯部22に対する巻回時に被覆の一部に多少の損傷が生じた場合であっても、これらの間の絶縁を十分に確保することが可能であり、耐電圧を向上することができる。
また、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42は細径であるため、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42と、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44との両者を太径のワイヤとした場合と比較して、部品の小型化を図ることが可能である。
さらに、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44は太径であるため、当該二次コイルにおける直流抵抗を低減することができ、全てのワイヤ41〜44を細径のワイヤとした場合と比較して、発熱を少なくでき、温度上昇も少なくすることができる。特に、PoE(Power over Ethernet)対応LANケーブルに使用されるパルストランスでは、二次側に電流が印加されるため、本実施形態のように、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を太径とすることにより、二次側の直流抵抗を改善し、温度上昇を効果的に抑制することができ、好適である。ただし、本実施形態とは逆に、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42を太径とし、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を細径としてもよい。
また、本実施形態では、第1ワイヤ41の外側に第4ワイヤ44を、第3ワイヤ43の外側に第2ワイヤ42をそれぞれ対応するように配置している。このため、第1組層における互いに隣り合う太線(第3ワイヤ43)と太線(第3ワイヤ43)の間に対応する部分に第2組層の太線(第4ワイヤ44)が配置することになる。また、第1組層の互いに隣り合う細線(第1ワイヤ41)と細線(第1ワイヤ41)の間に対応する部分に第2組層の細線(第2ワイヤ42)が配置される。
このため、第1組層の細線(第1ワイヤ41)と第2組層の太線(第4ワイヤ44)との間に、ある程度の間隔を確保することが可能であると共に、第2組層の細線(第2ワイヤ42)と第1組層の太線(第3ワイヤ43)との間に、ある程度の間隔を確保することが可能であり、耐電圧をさらに向上することができる。特に、第1組層の細線(第1ワイヤ41)は、巻芯部22に接触しており、薄い絶縁被覆膜が傷つきやすいが、絶縁被覆膜が厚い太線(ワイヤ43および44)で囲まれているため、絶縁不良が生じるおそれが少ない。
上述したように、本実施形態によると、温度上昇の抑制や耐電圧の向上と、部品の小型化とを両立的に実現することができる。
第2実施形態
図4に示す第2実施形態のパルストランスとしてのコイル部品10aでは、両端の鍔部24に各4つずつ、合計8つの端子部が設けられている点で相違するが、その他の構成は第1実施形態のコイル部品10と同様である。コイル部品10aの端子部53a,53bは、第1実施形態のコイル部品10の端子部53に対応しており、コイル部品10aの端子部54a,54bは、コイル部品10の端子部54に対応している。
コイル部品10aでは、ワイヤ端43bとワイヤ端44aとの電気的な接続、およびワイヤ端41aとワイヤ端42bとの電気的な接続は、コイル部品10aを実装する配線基板上の配線パターンを介して行われる。本実施形態に係るコイル部品10aのその他の構成および作用効果は、第1実施形態の場合と同様であり、詳細な説明は省略する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、第1コア20の形状については、実施形態に示すドラム型に限定されず、U字型など、巻芯部の両端に一対のコア端部を備える任意の形状とすることができる。また、第1コア20の2つの鍔部24は、同じ形状であっても、異なる形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、コイル部40の第1組層を、2本のワイヤ41,43で構成し、第2組層を、2本のワイヤ42,44で構成してあるが、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とは、端子部54にて連続する1本のワイヤで構成してもよい。また、第3ワイヤ43と第4ワイヤ44とは、端子部53にて連続する1本のワイヤで構成してもよい。
さらにまた、上述した実施形態では、端子部53および54を用いているが、用途によっては、端子部53および54を省略してもよい。すなわち、図3に示すように、それぞれ入力側および出力側の中間タップCTとして用いられる端子部53および54を削除して、パルストランスを構成してもよい。その場合には、2本のワイヤのみを用いてパルストランスを構成することになる。
また、上述した実施形態では、図3に示す回路図において、一次コイルを構成する第1ワイヤ41と第2ワイヤ42の配置位置は、逆でもよい。また、二次コイルを構成する第3ワイヤ43と第4ワイヤ44の配置位置も、逆であってもよい。すなわち、第1ワイヤおよび第2ワイヤとは、一次コイルにおける位置関係を示すものではなく、一次コイルを構成する任意の二つのコイルをそれぞれ構成するワイヤを意味する。また、同様に、第3ワイヤおよび第4ワイヤとは、二次コイルにおける位置関係を示すものではなく、二次コイルを構成する任意の二つのコイルをそれぞれ構成するワイヤを意味する。このため、図3に示す回路において、符号44に示す位置に第3ワイヤ43を配置し、符号43に示す位置に第4ワイヤ44を配置することも可能である。
上述した実施形態では、一次コイルを構成する第1ワイヤ41および第2ワイヤ42を互いに同一の線径(細径)とし、二次コイルを構成する第3ワイヤ43および第4ワイヤ44を互いに同一の線径(太径)としたが、巻き乱れの防止およびインダクタンスの調整を目的として、一次コイルを構成する第1ワイヤ41の線径と第2ワイヤ42の線径とを互いに異なる値に設定し、二次コイルを構成する第3ワイヤ43の線径と第4ワイヤ44の線径とを互いに異なる値に設定してもよい。
たとえば、上述した実施形態では、第2組層を構成するワイヤ42,44は第1組層を構成するワイヤ41,43の外側に巻回されるため、第2組層を構成するワイヤ42,44の線径を、第1組層を構成するワイヤ41,43の線径よりも小さい値でそれぞれ適宜に設定することにより、巻乱れを防止すると共にインダクタンスを調整することが可能である。
さらにまた、上述した実施形態では、巻芯部22の回りにワイヤ41,43を巻回して第1組層とし、その外側にワイヤ42および44を巻回して第2組層としたが、第3組層以上のワイヤを巻回して積層配置することも可能である。さらに本実施形態では、互いに異なる線径のワイヤを、巻芯部22の軸芯に沿う方向に交互に巻回して一層のみのコイル部を形成して、コイル部品を組み立ててもよい。
10… コイル部品
20… 第1コア
22… 巻芯部
24… 鍔部
30… 第2コア
40… コイル部
41… 第1ワイヤ
42… 第2ワイヤ
43… 第3ワイヤ
44… 第4ワイヤ

Claims (8)

  1. 巻芯部と、
    前記巻芯部の外周に、互いに異なる線径のワイヤが前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してあるコイル部とを有するコイル部品。
  2. 前記巻芯部の外周には、互いに異なる線径のワイヤが前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に二層以上に巻回してある請求項1に記載のコイル部品。
  3. 互いに異なる線径のワイヤが、太径のワイヤと細径のワイヤとから成り、巻芯部に近い第1組層に位置する太径のワイヤと太径のワイヤとの間に、前記第1組層の外側に巻回して配置される第2組層に位置する太径のワイヤが位置するように、太径のワイヤと細径のワイヤとが前記巻芯部に巻回してある請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1組層に位置する太径のワイヤの線径と前記第2組層に位置する太径のワイヤの線径とが実質的に同一であり、
    前記第1組層に位置する細径のワイヤの線径と前記第2組層に位置する細径のワイヤの線径とが実質的に同一である請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記第1組層に位置する太径のワイヤの線径より、前記第2組層に位置する太径のワイヤの線径が小さく、
    前記第1組層に位置する細径のワイヤの線径より、前記第2組層に位置する細径のワイヤの線径が小さい請求項3に記載のコイル部品。
  6. 巻芯部と、
    前記巻芯部の外周に形成してある一次コイルおよび二次コイルから成るコイル部とを有するコイル部品であって、
    前記一次コイルは、第1ワイヤおよび第2ワイヤを有し、
    前記二次コイルは、前記第1ワイヤとは線径の異なる第3ワイヤおよび前記第2ワイヤとは線径の異なる第4ワイヤを有し、
    前記第1ワイヤと前記第3ワイヤの組み合わせから成る第1組層と、前記第2ワイヤと前記第4ワイヤとの組合せから成り、該第1組層の外側に巻回して配置された第2組層とを有し、
    前記第1ワイヤと前記第3ワイヤとが、前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してあるとともに、前記第2ワイヤと前記第4ワイヤとが、前記巻芯部の軸芯に沿う方向に交互に巻回してあるコイル部品。
  7. 前記第1ワイヤの外側に前記第4ワイヤが配置してあり、前記第3ワイヤの外側に前記第2ワイヤが配置されるように、これらのワイヤが前記巻芯部の回りに巻回してある請求項6に記載のコイル部品。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のコイル部品を有するパルストランス。
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