図1〜図6は、本願発明に係る同軸コネクタ装置の第1の例を、それが一端に装着された同軸ケーブルとともに示す。図1〜図6に示される本願発明に係る同軸コネクタ装置の第1の例を成す同軸コネクタ装置10は、実際の使用にあたっては、中心導体11と外側導体12とを有した同軸ケーブル13の一端部に装着されて、回路基板における部品搭載面に取り付けられた相手方コネクタ装置(一例が後述される図13〜図15に示されている。)に係合接続されるものとされている。
図1〜図6において、同軸コネクタ装置10は、主要構成要素として、導電性材料により形成されたシグナルコンタクト部材14と、導電性材料により形成されたグラウンドコンタクト部材15と、合成樹脂材等の絶縁材料により形成されてシグナルコンタクト部材14とグラウンドコンタクト部材15とを相互絶縁状態をもって支持する絶縁ハウジング部材16と、を備えて構成されている。シグナルコンタクト部材14は、同軸ケーブル13の中心導体11に接続される第1のコンタクト18と、第1のコンタクト18に対する接触接続状態と非接触接続状態とを選択的にとることができる第2のコンタクト19と、を含んで成るものとされており、また、グラウンドコンタクト部材15は、外部グラウンドコンタクト部とされる相手方コネクタ装置のグラウンドコンタクト部に嵌合接続された状態をとる環状嵌合部20及び環状嵌合部20から折曲可能に伸びるシェル部21を有している。さらに、絶縁ハウジング部材16は、グラウンドコンタクト部材15の環状嵌合部20により包囲された筒状体部22を有し、第1のコンタクト18及び第2のコンタクト19を含んで成るシグナルコンタクト部材14が取り付けられた第1のハウジング23と、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に取り付けられて、第1のハウジング23にそれとの間にコンタクト収容空間24を形成して対向する状態をとる第2のハウジング25と、を含んで成るものとされている。
シグナルコンタクト部材14における第1のコンタクト18は、第1のコンタクト18を単体で示す図7に明瞭に示されるように、全体が導電性板状体に打抜き・屈曲加工が施されて成るものとされ、同軸ケーブル13の中心導体11に接続される中心導体接続部31と、中心導体接続部31から屈曲して伸びる被接触部32と、を有している。また、シグナルコンタクト部材14における第2のコンタクト19は、第2のコンタクト19を単体で示す図8及び図9に明瞭に示されるように、全体が導電性板状体に打抜き・屈曲加工が施されて成るものとされ、絶縁ハウジング部材16における第1のハウジング23により支持されてコンタクト収容空間24内に配される弾性変形部33と、各々が弾性変形部33から伸びて相互対向する一対の接触係合部34と、を有している。
第2のコンタクト19における弾性変形部33は、第1のハウジング23の筒状体部22の一端部に固定される固定部分33aと固定部分33aの一端から折り返して伸びて固定部分33aに対向する可動部分33bとを有しており、可動部分33bの自由端部が、第1のコンタクト18の被接触部32に接触接続される状態と第1のコンタクト18の被接触部32から離隔せしめられる状態とを選択的にとる接触部分33cを成している。また、第2のコンタクト19における一対の接触係合部34は、第1のハウジング23の筒状体部22内を通じて筒状体部22の他端部側へと伸び、外部シグナルコンタクト部とされる相手方コネクタ装置のシグナルコンタクト部を挟持して当該シグナルコンタクト部に接触接続される状態をとる。
グラウンドコンタクト部材15を単体で示す図10に明瞭に示されるように、グラウンドコンタクト部材15の環状嵌合部20は、絶縁ハウジング部材16における第1のハウジング23の部分が係合する複数の切欠き39が形成されたものとされており、また、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21は、環状嵌合部20の一端部から伸びていて、環状嵌合部20に向かって屈曲せしめられ、環状嵌合部20の一端部に対向する位置をとるものとされている。そして、シェル部21には、貫通孔35(第1の貫通孔)が設けられているとともに、貫通孔35の周囲においてシェル部21の外方に突出する筒状部36が設けられており、貫通孔35は筒状部36を貫通するものとされている。さらに、シェル部21には、シグナルコンタクト部材14における第1のコンタクト18が中心導体11に接続された同軸ケーブル13に係合して当該同軸ケーブル13を支える一対の第1の屈曲係合片37と一対の第2の屈曲係合片38とが設けられている。一対の第1の屈曲係合片37は、同軸ケーブル13に係合して当該同軸ケーブル13を支える状態におかれるときには、同軸ケーブル13の外側導体12に接触接続される。
絶縁ハウジング部材16における第1のハウジング23は、第1のハウジング23を単体で示す図11に明瞭に示されるように、筒状体部22に加えて、絶縁ハウジング部材16における第2のハウジング25と共にコンタクト収容空間24を形成することになる内部空間形成部40を筒状体部22に連なるものとして備えている。内部空間形成部40には、シグナルコンタクト部材14における第1のコンタクト18が固定配置される第1のコンタクト固定部41と、シグナルコンタクト部材14における第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する固定部分33aが固定配置される第2のコンタクト固定部42が設けられている。さらに、内部空間形成部40には、それから外方に突出して、グラウンドコンタクト部材15の環状嵌合部20に形成された複数の切欠き39に夫々係合する複数の係合突起部43が設けられている。
絶縁ハウジング部材16における第2のハウジング25は、第2のハウジング25を単体で示す図12に明瞭に示されるように、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた筒状部36に、それを貫通する貫通孔35を通じて、内挿嵌合せしめられる筒状部45が設けられたものとされており、筒状部45の内側部分には、第2のハウジング25を貫通する貫通孔46(第2の貫通孔)が、その一端部が環状テーパー面を成す開口内面46aを有するものとして設けられている。当然のことながら、第2のハウジング25に設けられた貫通孔46はシェル部21に設けられた貫通孔35より小径である。また、第2のハウジング25には、筒状部45に加えて、絶縁ハウジング部材16における第1のハウジング23に備えられた内部空間形成部40と共に、コンタクト収容空間24を形成することになる内部空間形成部47を筒状部45に連なるものとして備えている。内部空間形成部47には、第1のハウジング23に備えられた内部空間形成部40に係合する係合部47aが設けられている。
上述のような、第1のコンタクト18と第2のコンタクト19とを含んで成るシグナルコンタクト部材14、環状嵌合部20とシェル部21とを有したグラウンドコンタクト部材15、及び、第1のハウジング23と第2のハウジング25とを含んで成る絶縁ハウジング部材16を備えた同軸コネクタ装置10は、第2のハウジング25が、それに設けられた筒状部45をグラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた筒状部36に貫通孔35を通じて内挿嵌合させて、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に取り付けられたもとで、シグナルコンタクト部材14を構成する第1のコンタクト18の中心導体接続部31が同軸ケーブル13の中心導体11に接続され、グラウンドコンタクト部材15におけるシェル部21が、それにおける一対の第1の屈曲係合片37及び一対の第2の屈曲係合片38が同軸ケーブル13を支えるとともに、一対の第1の屈曲係合片37が同軸ケーブル13の外側導体12に接触接続されるものとされて、同軸ケーブル13の一端に装着される。
このようにして同軸ケーブル13の一端に装着された同軸コネクタ装置10にあっては、第1のハウジング23に第2のハウジング25が対向配置され、第1のハウジング23における内部空間形成部40に第2のハウジング25における内部空間形成部47に設けられた係合部47aが係合せしめられて、内部空間形成部40と内部空間形成部47とによりコンタクト収容空間24が形成されたもとで、図5及び図6に示されるように、中心導体接続部31が同軸ケーブル13の中心導体11に接続された第1のコンタクト18の被接触部32が、コンタクト収容空間24内へと伸び、コンタクト収容空間24内において、第2のコンタクト19における弾性変形部33が有する可動部分33bの自由端部が成す接触部分33cが第1のコンタクト18の被接触部32に接触接続された状態がとられる。このとき、第2のコンタクト19における弾性変形部33から伸びる一対の接触係合部34は、第1のハウジング23の筒状体部22内に配されている。
また、図5及び図6に示されるように、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた筒状部36に、それを貫通する貫通孔35を通じて、内挿嵌合せしめられた第2のハウジング25における筒状部45を貫通する貫通孔46は、その他端部をコンタクト収容空間24に開口させて、開口部分を第2のコンタクト19における弾性変形部33が有する可動部分33bに対向させている。このようなもとで、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた貫通孔35と、それより小径のものとして第2のハウジング25に設けられた貫通孔46とは、第2のハウジング25及びグラウンドコンタクト部材15のシェル部21にそれらを貫通して設けられて、コンタクト収容空間24をシェル部21の外部に通じさせる透孔48を形成している。
それに加えて、図1に示されるように、グラウンドコンタクト部材15における環状嵌合部20に形成された複数の切欠き39に第1のハウジング23における空間形成部40に形成された複数の係合突起部43が夫々係合した状態がとられる。さらに、図5に示されるように、グラウンドコンタクト部材15において、環状嵌合部20に向かって屈曲せしめられて環状嵌合部20の一端部に対向する位置をとるものとされたシェル部21は、それに設けられた一対の第1の屈曲係合片37が、中心導体11に第1のコンタクト18の中心導体接続部31が接続された同軸ケーブル13の外側導体12に接触接続せしめられ、それにより、グラウンドコンタクト部材15におけるシェル部21が、同軸ケーブル13の外側導体12との接続状態におかれる。
図13〜図15は、同軸ケーブル13の一端部に装着された同軸コネクタ装置10が係合接続される相手方コネクタ装置の一例を成す相手方コネクタ装置50を示す。相手方コネクタ装置50は、実際の使用にあたっては、図示が省略されている回路基板における部品搭載面に取り付けられたものとされる。
図13〜図15において、相手方コネクタ装置50は、合成樹脂材等の絶縁材料により形成されて、相手方コネクタ装置50が固定される回路基板の部品搭載面上に配される絶縁基体51を備えている。絶縁基体51は、相手方コネクタ装置50が固定される回路基板の部品搭載面に対接する底面部分51aとそれに対向する上面部分51bとを有しており、上面部分51bの中央部分に環状突出部52が形成されている。
また、相手方コネクタ装置50は、例えば、合金板材とされる弾性を有した導電材料により形成され、絶縁基体51を上面部分51bの中央部分に形成された環状突出部52により包囲された状態をもって底面部分51a側から上面部分51b側へと貫通して、絶縁基体51に組み付けられるシグナルコンタクト部53を備えている。シグナルコンタクト部53には、絶縁基体51において底面部分51a側から上面部分51b側へと伸びる円柱状部を成す接触接続部53aと、絶縁基体51の底面部分51aにおいて接触接続部53aから絶縁基体51の外部へと伸びるシグナル用接続部53bとが設けられている。接触接続部53aは、相手方コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置10のシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が接触接続されるものとされ、シグナル用接続部53bは、絶縁基体51が配される部品搭載面を有する回路基板に設けられたシグナル端子に、例えば、半田付けにより接続される。
さらに、相手方コネクタ装置50は、例えば、合金板材とされる弾性を有した導電材料により形成され、絶縁基体51の上面部分51b側において、当該上面部分51b上に形成された環状突出部52の周囲に配される環状体を成すものとして、絶縁基体51に組み付けられたグラウンドコンタクト部54を備えている。グラウンドコンタクト部54には、それから絶縁基体51を貫通して絶縁基体51の底面部分51a側において絶縁基体51の外部へと伸びる複数のグラウンド接続部54aが設けられている。グラウンドコンタクト部54は、相手側コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材15における環状嵌合部20が嵌合接続されるものとされ、グラウンド接続部54aは、絶縁基体51が配される部品搭載面を有する回路基板に設けられたグラウンド端子に、例えば、半田付けにより接続される。
そして、図16〜図19に示されるように、上述のようにして回路基板における部品搭載面上に固定された相手方コネクタ装置50に、前述の同軸ケーブル13の一端部に装着された同軸コネクタ装置10が係合接続される。
同軸ケーブル13の一端部に装着された同軸コネクタ装置10が、回路基板における部品搭載面上に固定された相手方コネクタ装置50に係合接続されたもとにあっては,同軸コネクタ装置10のグラウンドコンタクト部材15における環状嵌合部20が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に嵌合接続せしめられる。それとともに、同軸コネクタ装置10における第1のハウジング23の筒状体部22が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54により包囲された絶縁基体51の上面部分51b上に形成された環状突出部52の内側に配されて、筒状体部22内に、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aが挿入され、筒状体部22内に配された、同軸コネクタ装置10の第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aを挟持して、当該シグナルコンタクト部53に接触接続される。
このようにして、同軸コネクタ装置10の第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aを挟持して、当該シグナルコンタクト部53に接触接続されたもとにおいては、第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する固定部分33aが、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うものとなる。即ち、同軸コネクタ装置10の第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に接触接続されたときには、第2のコンタクト19の弾性変形部33が、それが有する固定部分33aによって、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うことになる位置をとるのである。
それにより、例えば、同軸コネクタ装置10外からの塵埃等が、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた貫通孔35と絶縁ハウジング部材16を構成する第2のハウジング25に設けられた貫通孔46とにより形成されて開放された、第2のハウジング25及びグラウンドコンタクト部材15のシェル部21の夫々を貫通する透孔48を通じて、コンタクト収容空間24内に侵入したとしても、斯かる塵埃等が、第2のコンタクト19の弾性変形部33によって覆われるものとされた、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分に付着することになる虞は、著しく低減される。
上述のように、同軸コネクタ装置10のグラウンドコンタクト部材15における環状嵌合部20が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に嵌合接続せしめられることにより、同軸コネクタ装置10のグラウンドコンタクト部材15におけるシェル部21が接触接続された同軸ケーブル13の外側導体12が、グラウンドコンタクト部材15におけるシェル部21及び環状嵌合部20を介して、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に連結され、回路基板に設けられたグラウンド端子に電気的に接続されることになる。また、それとともに、同軸コネクタ装置10におけるシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aに接触接続されることにより、同軸コネクタ装置10における第1のコンタクト18の中心導体接続部31が接続された同軸ケーブル13の中心導体11が、第1のコンタクト18の被接触部32、それに接触接続された接触部分33cを有した第2のコンタクト19の弾性変形部33、及び、弾性変形部33から伸びる一対の接触係合部34を介して、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に連結され、回路基板に設けられたシグナル端子に電気的に接続されることになる。
斯かるもとで、相手方コネクタ装置50が固定された回路基板の部品搭載面に搭載されて回路基板に設けられたシグナル端子に接続された、例えば、集積回路チップとされる回路装置を検査装置に連結して、当該回路装置についての検査を行うことが要求され、そのため、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53から検査対象の回路装置が発生する高周波信号を取り出すことが必要とされることが考えられる。その際における回路装置を検査対象とする検査装置は、一般に、検査対象に連結される検査用プローブを備えている。図16〜図19には、斯かる検査用プローブの一例を成す検査用プローブ60の部分が示されている。
図16〜図19に示される検査用プローブ60の部分は、例えば、集積回路チップ用の検査装置(図示されていない。)から伸びるものとされており、円筒状の外筒部61と外筒部61内に同軸状に配された円筒状の内筒部62とを有しており、内筒部62内には、検査装置に電気的に接続されていて内筒部62をその軸方向に貫通する比較的細い棒状の電極部材63が配されている。同軸状に配された外筒部61及び内筒部62の一端部には、平底係合凹部64が形成されている。そして、電極部材63は、内筒部62内を内筒部62の軸孔方向に移動可能とされていて、必要に応じて、その先端部63aを内筒部62内から平底係合凹部64を通じて外筒部61及び内筒部62の外部に突出せしめられるものとされている。
このような図16〜図19にその部分が示される検査用プローブ60は、回路基板に設けられたシグナル端子に接続された回路装置の検査に際しては、先ず、図16及び図17に示されるように、外筒部61及び内筒部62の一端部に形成された平底係合凹部64を、相手方コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた筒状部36及び第2のハウジング25に設けられて筒状部36に内挿嵌合せしめられた筒状部45に対向させる位置に配される。このとき、検査用プローブ60における内筒部62内に配された電極部材63は、その先端部63aが、同軸コネクタ装置10における透孔48を形成するものとして第2のハウジング25に設けられた筒状部45を貫通する貫通孔46における、環状テーパー面を成す開口内面46aを有した一端部に対応して配置されるものとされる。
次に、検査用プローブ60が相手方コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置10に近接せしめられ、図18及び図19に示されるように、検査用プローブ60における外筒部61及び内筒部62の一端部に形成された平底係合凹部64が、同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた筒状部36に当接する状態がとられる。続いて、図18及び図19に示されるように、検査用プローブ60における電極部材63が、その先端部63aを内筒部62内から平底係合凹部64を通じて外筒部61及び内筒部62の外部に突出させるものとされ、電極部材63の先端部63aは、同軸コネクタ装置10における第2のハウジング25に設けられた筒状部45を貫通する貫通孔46内に、環状テーパー面を成す開口内面46aを有した貫通孔46の一端部側から挿入され、貫通孔46を通じて、同軸コネクタ装置10における絶縁ハウジング部材16を成す第1のハウジング23及び第2のハウジング25の内部に形成されたコンタクト収容空間24に達する。コンタクト収容空間24に達した電極部材63の先端部63aは、同軸コネクタ装置10におけるシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する可動部分33bに押圧当接して、可動部分33bに弾性変形部33が有する固定部分33aに向けて変位する弾性変位を生じさせる。
斯かる弾性変位を生じた可動部分33bは、その自由端部が成す接触部分33cを、第2のコンタクト19と共にシグナルコンタクト部材14を構成する第1のコンタクト18の被接触部32から離隔させて、接触部分33cに第1のコンタクト18の被接触部32との接触接続状態を解除させ、電極部材63の先端部63aのみに接触接続されたものとされる。その結果、回路基板に設けられたシグナル端子を通じて相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に伝達される検査対象の回路装置からの高周波信号が、シグナルコンタクト部53の接触接続部53a、それに接触接続された一対の接触係合部34と弾性変形部33とを有した第2のコンタクト19、及び、第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する可動部分33bに当接した電極部材63を通じて取り出されて、電極部材63が連結された検査装置に供給される。それにより、検査装置において、回路装置についての検査が行われる。
なお、回路装置についての検査が終了して、検査用プローブ60における電極部材63が、同軸コネクタ装置10におけるコンタクト収容空間24及び第2のハウジング25に設けられた筒状部45を貫通する貫通孔46内から抜去されたときには、コンタクト収容空間24内において、第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する可動部分33bが自らの弾性によって元の位置に戻り、その自由端部が成す接触部分33cに第1のコンタクト18の被接触部32に接触接続された状態をとらせる。
上述のような同軸コネクタ装置10によれば、同軸コネクタ装置10が相手方コネクタ装置50に係合接続された状態のもとで、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた貫通孔35と絶縁ハウジング部材16を構成する第2のハウジング25に設けられた貫通孔46とにより形成される、第2のハウジング25及びグラウンドコンタクト部材15のシェル部21の夫々を貫通する透孔48を通じてコンタクト収容空間24内に挿入され、コンタクト収容空間24内においてシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19に当接する検査用プローブ60の電極部材63を通じて、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53から高周波信号を取り出すことができる。
しかも、同軸コネクタ装置10によれば、同軸コネクタ装置10における第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に接触接続されたときには、第2のコンタクト19の弾性変形部33が、それが有する固定部分33aによって、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うことになる位置をとり、それにより、例えば、同軸コネクタ装置10外から、グラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた貫通孔35と絶縁ハウジング部材16を構成する第2のハウジング25に設けられた貫通孔46とにより形成されて開放された、第2のハウジング25及びグラウンドコンタクト部材15のシェル部21の夫々を貫通する透孔48を通じて、コンタクト収容空間24内に侵入した塵埃等が、第2のコンタクト19の弾性変形部33によって覆われるものとされた、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分に付着することになる虞が、著しく低減される。従って、例えば、絶縁ハウジング部材16を構成する第2のハウジング25に設けられた貫通孔46を塞ぐ蓋部材等を必要としない、部材数の増加や作業上の煩わしさを招かない構成をもって、開放された透孔48を通じて侵入した塵埃等が、シグナルコンタクト部材14と相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53との接触接続状態に悪影響を及ぼす事態を回避することができる。
図20〜図24は、本願発明に係る同軸コネクタ装置の第2の例を、それが一端に装着された同軸ケーブルとともに示す。図20〜図24に示される本願発明に係る同軸コネクタ装置の第2の例を成す同軸コネクタ装置70も、実際の使用にあたっては、前述の中心導体11と外側導体12とを有した同軸ケーブル13の一端部に装着されて、回路基板における部品搭載面に取り付けられた前述の相手方コネクタ装置50に係合接続されるものとされている。
同軸コネクタ装置70は、前述の同軸コネクタ装置10と同様に構成された部材及び部分を多々有しており、このような同軸コネクタ装置10と同様に構成された部材及び部分は、図20〜図24において、同軸コネクタ装置10と共通の符号が付されて示されていて、それらについての詳細説明は省略される。
斯かる同軸コネクタ装置70は、主要構成要素として、導電性材料により形成されたシグナルコンタクト部材14と、導電性材料により形成されたグラウンドコンタクト部材71と、合成樹脂材等の絶縁材料により形成されてシグナルコンタクト部材14とグラウンドコンタクト部材71とを相互絶縁状態をもって支持する絶縁ハウジング部材72と、を備えて構成されている。グラウンドコンタクト部材71は、外部グラウンドコンタクト部とされる相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に嵌合接続された状態をとる環状嵌合部20及び環状嵌合部20から折曲可能に伸びるシェル部73を有している。さらに、絶縁ハウジング部材72は、グラウンドコンタクト部材71の環状嵌合部20により包囲された筒状体部22を有し、第1のコンタクト18及び第2のコンタクト19を含んで成るシグナルコンタクト部材14が取り付けられた第1のハウジング23と、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に取り付けられて、第1のハウジング23にそれとの間にコンタクト収容空間24を形成して対向する状態をとる第2のハウジング74と、を含んで成るものとされている。シグナルコンタクト部材14は、前述の同軸コネクタ装置10におけるシグナルコンタクト部材14と同様のものである。
グラウンドコンタクト部材71を単体で示す図25に明瞭に示されるように、グラウンドコンタクト部材71の環状嵌合部20は、前述の同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材15の環状嵌合部20と同様のものであり、また、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73は、環状嵌合部20の一端部から伸びていて、環状嵌合部20に向かって屈曲せしめられ、環状嵌合部20の一端部に対向する位置をとるものとされている。そして、シェル部73には、貫通孔75(第1の貫通孔)が、その一端部に環状テーパー面を成す開口内面75aが形成されたものとして設けられており、その貫通孔75に隣接する貫通孔として形成された係合孔76も設けられている。さらに、シェル部73には、シグナルコンタクト部材14における第1のコンタクト18が中心導体11に接続された同軸ケーブル13に係合して当該同軸ケーブル13を支える一対の第1の屈曲係合片37と一対の第2の屈曲係合片38とが設けられている。これらの第1の屈曲係合片37及び第2の屈曲係合片38は、前述の同軸コネクタ装置10におけるグラウンドコンタクト部材15のシェル部21に設けられた第1の屈曲係合片37及び第2の屈曲係合片38と同様のものである。
絶縁ハウジング部材72における第1のハウジング23は、前述の同軸コネクタ装置10における絶縁ハウジング部材16における第1のハウジング23と同様のものであり、また、絶縁ハウジング部材72における第2のハウジング74は、第2のハウジング74を単体で示す図26に明瞭に示されるように、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75より小径の貫通孔77(第2の貫通孔)が、その一端部に環状テーパー面を成す開口内面77aが形成されたものとして設けられたものとされている。そして、第2のハウジング74には、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた係合孔76に嵌合係合する状態をとる係合突起部78が設けられており、さらに、第1のハウジング23に備えられた内部空間形成部40と共に、コンタクト収容空間24を形成することになる内部空間形成部79が備えられている。内部空間形成部79には、第1のハウジング23に備えられた内部空間形成部40に係合する係合部79aが設けられている。
上述のような、第1のコンタクト18と第2のコンタクト19とを含んで成るシグナルコンタクト部材14,環状嵌合部20とシェル部73とを有したグラウンドコンタクト部材71、及び、第1のハウジング23と第2のハウジング74とを含んで成る絶縁ハウジング部材72を備えた同軸コネクタ装置70は、第2のハウジング74が、それに設けられた係合突起部78をグラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた係合孔76に嵌合係合させて、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に取り付けられたもとで、シグナルコンタクト部材14を構成する第1のコンタクト18の中心導体接続部31が同軸ケーブル13の中心導体11に接続され、グラウンドコンタクト部材71におけるシェル部73が、それにおける一対の第1の屈曲係合片37及び一対の第2の屈曲係合片38が同軸ケーブル13を支えるとともに、一対の第1の屈曲係合片37が同軸ケーブル13の外側導体12に接触接続されるものとされて、同軸ケーブル13の一端に装着される。
このようにして同軸ケーブル13の一端に装着された同軸コネクタ装置70にあっては、第1のハウジング23に第2のハウジング74が対向配置され、第1のハウジング23における内部空間形成部40に第2のハウジング74における内部空間形成部79に設けられた係合部79aが係合せしめられて、内部空間形成部40と内部空間形成部79とによりコンタクト収容空間24が形成されたもとで、図23及び図24に示されるように、中心導体接続部31が同軸ケーブル13の中心導体11に接続された第1のコンタクト18の被接触部32が、コンタクト収容空間24内へと伸び、コンタクト収容空間24内において、第2のコンタクト19における弾性変形部33が有する可動部分33bの自由端部が成す接触部分33cが第1のコンタクト18の被接触部32に接触接続された状態がとられる。このとき、第2のコンタクト19における弾性変形部33から伸びる一対の接触係合部34は、第1のハウジング23の筒状体部22内に配されている。
また、図23及び図24に示されるように、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75が、貫通孔75より小径の第2のハウジング74に設けられた貫通孔77の外側に配されて、貫通孔75の仮想中心軸線と貫通孔77の仮想中心軸線とが実質的に一致するようにされている。そして、貫通孔75の内側に配された貫通孔77は、その他端部をコンタクト収容空間24に開口させて、開口部分を第2のコンタクト19における弾性変形部33が有する可動部分33bに対向させている。このようなもとで、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と、それより小径のものとして第2のハウジング74に設けられた貫通孔77とは、第2のハウジング74及びグラウンドコンタクト部材71のシェル部73にそれらを貫通して設けられて、コンタクト収容空間24をシェル部73の外部に通じさせる透孔80を形成している。
それに加えて、図20に示されるように、グラウンドコンタクト部材71における環状嵌合部20に形成された複数の切欠き39(図20には一つの切欠き39のみがあらわれている。)に第1のハウジング23における空間形成部40に形成された複数の係合突起部43が夫々係合した状態がとられる。さらに、図23に示されるように、グラウンドコンタクト部材71において、環状嵌合部20に向かって屈曲せしめられて環状嵌合部20の一端部に対向する位置をとるものとされたシェル部73は、それに設けられた一対の第1の屈曲係合片37が、中心導体11に第1のコンタクト18の中心導体接続部31が接続された同軸ケーブル13の外側導体12に接触接続せしめられ、それにより、グラウンドコンタクト部材71におけるシェル部73が、同軸ケーブル13の外側導体12との接続状態におかれる。
そして、図27〜図30に示されるように、同軸ケーブル13の一端部に装着された同軸コネクタ装置70は、回路基板における部品搭載面上に固定された、前述の図13〜図15に示される相手方コネクタ装置50に係合接続される。
同軸ケーブル13の一端部に装着された同軸コネクタ装置70が、回路基板における部品搭載面上に固定された相手方コネクタ装置50に係合接続されたもとにあっては,同軸コネクタ装置70のグラウンドコンタクト部材71における環状嵌合部20が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に嵌合接続せしめられる。それとともに、同軸コネクタ装置70における第1のハウジング23の筒状体部22が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54により包囲された絶縁基体51の上面部分51b上に形成された環状突出部52の内側に配されて、筒状体部22内に、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aが挿入され、筒状体部22内に配された、同軸コネクタ装置70における第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aを挟持して、当該シグナルコンタクト部53に接触接続される。
このようにして、同軸コネクタ装置70の第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aを挟持して、当該シグナルコンタクト部53に接触接続されたもとにおいては、第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する固定部分33aが、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うものとなる。即ち、同軸コネクタ装置70の第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に接触接続されたときには、第2のコンタクト19の弾性変形部33が、それが有する固定部分33aによって、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うことになる位置をとるのである。
それにより、例えば、同軸コネクタ装置70外からの塵埃等が、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と絶縁ハウジング部材72を構成する第2のハウジング74に設けられた貫通孔77とにより形成されて開放された、第2のハウジング74及びグラウンドコンタクト部材71のシェル部73の夫々を貫通する透孔80を通じて、コンタクト収容空間24内に侵入したとしても、斯かる塵埃等が、第2のコンタクト19の弾性変形部33によって覆われるものとされた、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分に付着することになる虞は、著しく低減される。
上述のように、同軸コネクタ装置70のグラウンドコンタクト部材71における環状嵌合部20が、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に嵌合接続せしめられることにより、同軸コネクタ装置70のグラウンドコンタクト部材71におけるシェル部73が接触接続された同軸ケーブル13の外側導体12が、グラウンドコンタクト部材71におけるシェル部73及び環状嵌合部20を介して、相手方コネクタ装置50のグラウンドコンタクト部54に連結され、回路基板に設けられたグラウンド端子に電気的に接続されることになる。また、それとともに、同軸コネクタ装置70におけるシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53における接触接続部53aに接触接続されることにより、同軸コネクタ装置70における第1のコンタクト18の中心導体接続部31が接続された同軸ケーブル13の中心導体11が、第1のコンタクト18の被接触部32、それに接触接続された接触部分33cを有した第2のコンタクト19の弾性変形部33、及び、弾性変形部33から伸びる一対の接触係合部34を介して、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に連結され、回路基板に設けられたシグナル端子に電気的に接続されることになる。
斯かるもとで、相手方コネクタ装置50が固定された回路基板の部品搭載面に搭載されて回路基板に設けられたシグナル端子に接続された、例えば、集積回路チップとされる回路装置を検査装置に連結して、当該回路装置についての検査を行うことが要求され、そのため、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53から検査対象の回路装置が発生する高周波信号を取り出すことが必要とされることが考えられる。その際における回路装置を検査対象とする検査装置は、一般に、検査対象に連結される検査用プローブを備えている。図27〜図30には、斯かる検査用プローブの一例を成す検査用プローブ90の部分が示されている。
図27〜図30に示される検査用プローブ90の部分は、例えば、集積回路チップ用の検査装置(図示されていない。)から伸びるものとされており、円筒状の外筒部91と外筒部91内に同軸状に配された円筒状の内筒部92とを有しており、内筒部92内には、検査装置に電気的に接続されていて内筒部92をその軸方向に貫通する比較的細い棒状の電極部材93が配されている。外筒部91の一端部には、内筒部92の一端面から外筒部91の外部へと通じる透孔94が形成されており、外筒部91の一端部の外面部分には、透孔94を包囲するテーパー外周面95aを有した環状係合凸部95が形成されている。そして、電極部材93は、内筒部92内を内筒部92の軸孔方向に移動可能とされていて、必要に応じて、その先端部93aを内筒部92内から外筒部91の一端部に形成された透孔94を通じて外筒部91の外部に突出せしめられるものとされている。
このような図27〜図30にその部分が示される検査用プローブ90は、同軸コネクタ装置70が嵌合接続された相手方コネクタ装置50を支持する回路基板におけるシグナル端子に接続された回路装置の検査に際しては、先ず、図27及び図28に示されるように、外筒部91の一端部の外面部分に形成された環状係合凸部95を、相手方コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置70におけるグラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75に対向させる位置に配される。このとき、検査用プローブ90における内筒部92内に配された電極部材93は、その先端部93aが、同軸コネクタ装置70における、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と第2のハウジング74に設けられた貫通孔77とが形成する透孔80に対応して配置されるものとされる。
次に、検査用プローブ90が相手方コネクタ装置50に係合接続された同軸コネクタ装置70に近接せしめられ、図29及び図30に示されるように、検査用プローブ90における外筒部91の一端部の外面部分に形成された環状係合凸部95が、同軸コネクタ装置70におけるグラウンドコンタクト部材71のシェル部73に形成された貫通孔75の開口内面75aに当接する状態がとられる。続いて、図29及び図30に示されるように、検査用プローブ90における電極部材93が、その先端部93aを内筒部92内から外筒部91の一端部に形成された透孔94を通じて外筒部91の外部に突出せしめられるものとされ、電極部材93の先端部93aは、同軸コネクタ装置70におけるグラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と第2のハウジング74に設けられた貫通孔77を通じて、同軸コネクタ装置70における絶縁ハウジング部材72を成す第1のハウジング23及び第2のハウジング74の内部に形成されたコンタクト収容空間24に達する。コンタクト収容空間24に達した電極部材93の先端部93aは、同軸コネクタ装置70におけるシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する可動部分33bに押圧当接して、可動部分33bに弾性変形部33が有する固定部分33aに向けて変位する弾性変位を生じさせる。
斯かる弾性変位を生じた可動部分33bは、その自由端部が成す接触部分33cを、第2のコンタクト19と共にシグナルコンタクト部材14を構成する第1のコンタクト18の被接触部32から離隔させて、接触部分33cに第1のコンタクト18の被接触部32との接触接続状態を解除させ、電極部材93の先端部93aのみに接触接続されたものとされる。その結果、回路基板に設けられたシグナル端子を通じて相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に伝達される検査対象の回路装置からの高周波信号が、シグナルコンタクト部53の接触接続部53a、それに接触接続された一対の接触係合部34と弾性変形部33とを有した第2のコンタクト19、及び、第2のコンタクト19の弾性変形部33が有する可動部分33bに当接した電極部材93を通じて取り出されて、電極部材93が連結された検査装置に供給される。それにより、検査装置において、回路装置についての検査が行われる。
このように、同軸コネクタ装置70によれば、同軸コネクタ装置70が相手方コネクタ装置50に係合接続された状態のもとで、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と絶縁ハウジング部材16を構成する第2のハウジング74に設けられた貫通孔77とにより形成される、第2のハウジング74及びグラウンドコンタクト部材71のシェル部73の夫々を貫通する透孔80を通じてコンタクト収容空間24内に挿入され、コンタクト収容空間24内においてシグナルコンタクト部材14を構成する第2のコンタクト19に当接する検査用プローブ90の電極部材93を通じて、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53から高周波信号を取り出すことができる。
しかも、同軸コネクタ装置70によれば、同軸コネクタ装置70における第2のコンタクト19における一対の接触係合部34が、相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53に接触接続されたときには、第2のコンタクト19の弾性変形部33が、それが有する固定部分33aによって、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分を覆うことになる位置をとり、それにより、例えば、同軸コネクタ装置70外から、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75と絶縁ハウジング部材72を構成する第2のハウジング74に設けられた貫通孔77とにより形成されて開放された、第2のハウジング74及びグラウンドコンタクト部材71のシェル部73の夫々を貫通する透孔80を通じて、コンタクト収容空間24内に侵入した塵埃等が、第2のコンタクト19の弾性変形部33によって覆われるものとされた、一対の接触係合部34におけるシグナルコンタクト部53との接触接続部分に付着することになる虞が、著しく低減される。従って、例えば、グラウンドコンタクト部材71のシェル部73に設けられた貫通孔75を塞ぐ蓋部材等を必要としない、部材数の増加や作業上の煩わしさを招かない構成をもって、開放された透孔80を通じて侵入した塵埃等が、シグナルコンタクト部材14と相手方コネクタ装置50のシグナルコンタクト部53との接触接続状態に悪影響を及ぼす事態を回避することができる。