JP2018003197A - 水素発生機能付き布帛及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周囲の水分と反応して、水素を発生する水素発生機能付き布帛、およびその製造方法であって、布帛の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、少なくとも水素発生剤および樹脂を含んでなる水素発生剤含有樹脂が、部分的に積層され、パターン化されてなる水素発生層を構成していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、衛生用品に抗酸化機能をもたせて、人体に装着された状態における衛生状態を向上できるようにした衛生用品が提案されている(特許文献1参照)。
より具体的には、金属マグネシウムと、カルシウム等のミネラル物質と、を焼成してなる水素発生物質と、人体からの分泌物あるいは排出物と接触することにより、これらに含まれる水分と反応して水素ガスを発生する衛生用品(救急絆創膏、汗取りパット、生理用品、口鼻マスク、フェイスマスク)である。
より具体的には、吸水性不織布等からなる吸水性シート上に、水素化マグネシウム等の水素発生剤を、樹脂中に配合してなる水素発生層と、疎水性多孔質膜と、を順次に設けてなるシート状水素発生剤である。
より具体的には、水素化金属粒子等の水素発生剤を、ポリスチレン樹脂等の非水系基剤中に配合してあり、かつ、粘着性を有する粘着シートと、水透過性を有さない保護膜と、を含む水素発生材である。
より具体的には、図8に示すように、水素ガス発生容器103内の電解液を、電源108に連結した電極106により電気分解して、水素ガスを発生させる。
次いで、発生した水素ガスを、水コップ118を介して、吸引装置125としての、口と鼻を覆う吸引マスク124に、吸引チューブ123から吸引し、すなわち、呼吸器系から水素ガスを体内に取り込む水素吸引方法である。
そして、かかる水素吸引方法によれば、吸引装置125は、吸引マスク124内に、空気流入口から呼吸に必要な空気が導入されることにより、吸引者には十分な酸素が確保されることになる。
また、特許文献2に開示されたシート状水素発生剤についても、燃料電池における水素供給を主目的としており、口鼻用マスク等につき、何ら記載も、示唆もなく、したがって、口鼻用マスク等への適用につき、何ら意図していないという問題があった。
さらに、特許文献3に開示された水素発生剤についても、ポリスチレン樹脂等の非水系基剤中に均一に配合することが困難であって、かつ、口鼻用マスクにおいて、水素発生剤をどのように固定化するのか等が不明であって、どのように水分と反応させて、安定的に水素を発生させ、それを体内に吸収させるか、何ら意図していないという問題があった。
したがって、全体として、吸引装置が大型化しやすく、持ち運びが事実上困難であるという問題が見られた。
その上、かかる水素吸引方法は、水素を効率的に発生すべく、電解液の電気分解装置も必須構成要件であって、コストが高くなって、経済的に不利になるという問題も見られた。
すなわち、マスク等を構成する布帛等において、フレキシブル性を維持したまま、周囲の水分や呼気等に反応して、効率的かつ持続的に水素発生可能な、パターン化されてなる水素発生層を有する、簡易構造かつ安価な水素発生機能付き布帛、及び、そのような水素発生機能付き布帛の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の水素発生機能付き布帛によれば、パターン化されてなる水素発生層を有することにより、フレキシブル性を維持したまま、周囲の水分や呼気等に反応して、効率的かつ持続的に水素発生可能な、簡易構造かつ安価な水素発生機能付き布帛を提供することができる。
より具体的には、所定の水素発生剤を含んでなる樹脂(水素発生剤含有樹脂層を含む。)を、布帛の表面等に部分的に備え、パターン化されてなる水素発生層とすることにより、水や水蒸気の通り道を確保しつつ、これらと水素発生剤との接触が均一となって、所定量の水素を迅速かつ持続的に、簡易かつ安価に発生させることができるばかりか、布帛のフレキシブル性を維持することができる。
このように水素発生剤含有樹脂の形状や円相当径(幅)を制御することによって、水や水蒸気との通り道を確保しつつ、これらとの接触が均一となるばかりか、布帛のフレキシブル性とのバランスを良好なものとすることができる。
なお、ドット状またはライン状の水素発生層は、必ずしも、布帛上に均一にパターン化されている必要はない。
例えば、水素発生機能付き布帛が衛生用マスクであれば、口や鼻やその近傍に該当する部分の、ドット状またはライン状の水素発生層の数を相対的に多くする一方、それ以外は、むしろ水素発生層の数を相対的に少なくすることも好適である。
このように水素発生層の存在面積を制御することによって、水や水蒸気との通り道を確保しつつ、これらとの接触が均一となるばかりか、布帛のフレキシブル性とのバランスを良好なものとすることができる。
但し、衛生用マスク等の場合、全面や全構成部位において、水素発生層の存在面積を必ずしも一定とする必要はなく、例えば、口や鼻やその近傍に該当する部分の、水素発生層の存在面積を50〜95%とし、それ以外は、50%未満の値とすることも好適である。
このように水素発生剤の配合量を制御することによって、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に制御することができる。
但し、衛生用マスク等の場合、全面や全構成部位において、水素発生剤の含有量を必ずしも一定とする必要はなく、例えば、口や鼻やその近傍に該当する部分の、水素発生剤の含有量を、樹脂100重量部に対して、20〜80重量部とし、それ以外は、20重量部未満の値とすることも好適である。
このように布帛の種類を制限することにより、水素発生剤を比較的容易に固定できるとともに、水や水蒸気との通り道を確保しつつ、良好なフレキシブル性を得ることができる。
このように別な布帛を積層することにより、複数の布帛の積層間に、水素発生剤をサンドイッチ状に固定できるとともに、布帛全体として、水や水蒸気の通過性、さらにはフレキシブル性の制御を容易にすることができる。
このように衛生用マスクに加工してあることにより、外部から侵入する水分のみならず、呼気と反応して、所定量の水素を迅速かつ持続的に発生させることができ、ひいては、簡易構造かつ安価な水素発生機能付き布帛を提供することができる。
(1)所定布帛を準備する工程
(2)水素発生剤含有樹脂を準備する工程
(3)布帛の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、水素発生剤含有樹脂を部分的に積層し、前記水素発生層とする工程
第1の実施の形態は、図1(a)〜(c)に、いくつかの断面状態を例示するように、また、図2(a)〜(b)に平面状態を例示するように、周囲の水分と反応して、水素を発生する水素発生機能付き布帛14であって、布帛10の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、少なくとも水素発生剤および樹脂を含む水素発生剤含有樹脂に由来した、パターン化されてなる水素発生層12を含むことを特徴とする水素発生機能付き布帛14である。
水素発生機能付き布帛に用いる布帛は、繊維材を含む広い概念であって、典型的には、織布、不織布、ガーゼ、フェルト、穴あき繊維シート等のいずれをも含む繊維部材である。
また、用途によって、布帛の厚さや形態、さらには、外形等を適宜変更することができる。
したがって、通常、布帛の厚さを0.01〜10mmの範囲内の値とするとともに、外形を長方形、正方形、円形、楕円形、異形等とすることが好ましい。
また、水素発生機能付き布帛を用いた加工品、例えば、衛生用マスクを効率的に製造すべく、水素発生機能付き布帛をロール状とすることも好ましい。
その場合、通常、布帛として、幅10cm〜200cm、長さ1〜100mの長尺ロールとすることが好ましい。
また、布帛を構成する繊維として、合成繊維、天然繊維あるいは混紡繊維であることが好ましい。
さらには、通気性等の改善のため、穴あきやメッシュ状の布帛であっても良く、その上、取り扱いや耐久性、あるいは、通気性等の改善のため、織布や不織布と、樹脂シート等との複合材であっても良い。
また、図3(b)に示す衛生用マスク(タイプ2)20´の場合であれば、布帛10として、厚さ0.1〜5mm、縦7cm、横13cmの長方形のガーゼであるとともに、それを複数枚(例えば、2〜5枚)、積層するとともに、右側端および左側端をそれぞれ袋状に縫合し、その内部に、耳かけを通してなる態様であることが好ましい。
したがって、靴下の場合、良好な伸縮性や耐久性が求められることから、水素発生機能付き布帛用の布帛についても、同様の伸縮性や耐久性が求められることになる。
そして、繊維層および疎水性フィルムを、部分的に積層するための熱圧着部が設けてあるとともに、当該熱圧着部における疎水性フィルムに、繊維層に向かって貫通する開口部が設けてあることが好ましい。
この理由は、化粧用フェイスマスクをこのように構成することにより、適度な接着性や所定の化粧料蒸散防止性と、良好な柔軟性や形状追従性が得られるためである。
(1)水素発生剤
(1)−1 種類1
また、水素発生剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、金属マグネシウム、酸化マグネシウム、水素化マグネシウム、マグネシウム合金、水素化カルシウム、アルミニム、マグネシウム/アルミニウム混合物の少なくとも一つを主成分としたものであることが好ましい。
この理由は、このような種類の水素発生剤を用いることによって、外部から侵入してくる水や水状物、あるいは、水蒸気や呼気等と接触することにより、所定の水素を発生するが、その場合、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に制御することができるためである。
特に、マグネシウムが主成分であれば、周囲の水分との反応性が高く、呼気等に対しても迅速に反応して、水素を発生しやすいという利点がある。
また、酸化マグネシウムであれば、所定平均粒径(例えば、1μm以下)にした場合であっても、粉塵爆発等の危険性が相対的に少なく、取り扱いやすい一方、水との反応性が持続しやすいという利点がある。
さらにまた、水素化マグネシウムやマグネシウム合金であれば、所定平均粒径(例えば、1μm以下)にした場合であっても、粉塵爆発等の危険性が相対的にさらに少なく、取り扱いやすい一方、水との反応性が持続しやすいという利点がある。
そして、水素発生剤の一部に、金属アルミニウムや水素吸蔵合金等の少なくとも一つを加えて、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を調節することも好ましい。
すなわち、金属アルミニウムや水素吸蔵合金等の配合量を、主成分である金属マグネシウム等100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらに言えば、金属マグネシウムおよび酸化マグネシウム等の水素発生剤の主成分の周囲を、非水素発生材料被覆として、樹脂被覆したり、セラミック被覆したり、あるいはその他の非水素発生材料を用いて被覆したりすることも好ましい。
この理由は、このように非水素発生材料を用いて被覆することにより、水素発生剤と、水等との反応性を制御したり、水素発生剤の凝集を有効に防止したりすることができるためである。
そしてまた、水素発生剤の内部からアルカリ成分が溶出する場合があるが、かかる非水素発生材料を用いて被覆することにより、そのような溶出を効率的に抑制したりすることができるためである。
したがって、非水素発生材料被覆の厚さを0.01〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜30μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、水素発生層における水素発生剤の配合量を、通常、樹脂100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように水素発生剤の配合量を制御することによって、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に制御することができるためである。
より具体的には、水素発生剤の配合量が1重量部未満になると、単位時間当たりの水素発生量が過度に少なくなったり、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、水素発生剤の配合量が100重量部を超えると、水素発生層中に均一に分散させることが困難となったり、均一な厚さに形成することが困難になったり、さらには、水素発生層が布帛表面から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、水素発生剤の配合量を、樹脂100重量部に対して、2〜50重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、水素発生剤の形状に関し、粒子状(球状のみならず、薄片状や不定形等の外形も含む。)であって、当該水素発生剤の平均粒径(平均円相当径)を0.1〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように水素発生剤の平均粒径を制御することによって、水素発生剤の均一分散が容易になるばかりか、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲にさらに容易に制御することができるためである。
より具体的には、水素発生剤の平均粒径が0.1μm未満になると、単位時間当たりの水素発生量が過度に少なくなったり、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、水素発生剤の平均粒径が300μmを超えると、水素発生層中に均一に分散させることが困難となったり、均一な厚さに形成することが困難になったり、さらには、水素発生層が布帛表面から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、水素発生剤の平均粒径を5〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
その他、グラビア印刷等する場合には、グラビアロールを損傷しない観点からは、水素発生剤の平均粒径を0.1〜30μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、水素発生剤の平均粒径は、JIS Z8901に準じて、光学顕微鏡や画像処理システムによって、測定することができる。
また、水素発生剤の形状に関し、薄片状である場合、当該水素発生剤の平均厚さを0.001〜10μmの範囲内の値とするとともに、平面視した場合の平均粒径を0.1〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように薄片状水素発生剤の平均厚さ等を制御することによって、水素発生剤の均一分散が容易になるばかりか、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲にさらに容易に制御することができるためである。
より具体的には、薄片状水素発生剤の平均粒径が所定範囲において、当該平均厚さが0.001μm未満になると、安定的に製造したり、樹脂中に均一に分散することがそれぞれ困難となったり、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、薄片状水素発生剤の平均厚さが10μmを超えると、水素発生層中に均一に分散させることが困難となったり、均一な厚さに形成することが困難になったり、さらには、水素発生層が布帛表面から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、薄片状水素発生剤の平均厚さを0.005〜1μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、薄片状水素発生剤の平均粒径は、JIS Z8901に準じて、平面視した状態で測定することができ、また、薄片状水素発生剤の平均厚さについても、JIS Z8901に準じて、ノギスやマイクロメータ等を用いて測定することができる。
また、水素発生層の一部を構成する樹脂の主成分についても、特に制限されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂(アクリル樹脂を含む)、セルロースアセテ−ト樹脂(セルロースアセテ−トブチレート樹脂や、セルロースアセテ−トプロピオネート樹脂等を含む。)、ポリスチレン系樹脂、ポリシラザン化合物、ポリアセタール樹脂(ポリビニルブチルブチラ−ル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等を含む。)、酢酸ビニル樹脂、天然ゴム、合成ゴム(SBR、SBS、SEBS、SIS等)、エポキシ樹脂、およびフェノール樹脂の少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このような樹脂を用いることによって、水素発生剤との混合や保管の際の反応を抑制しつつ、所定の水素透過性を有することから、外部から侵入する水と迅速かつ確実に反応するとともに、比較的長時間にわたって、水素発生を持続することができるためである。
また、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、合成ゴム(SBR、SBS、SEBS、SIS等)であれば、印刷特性や耐久性、あるいは、各種基材に対する密着性に特に優れている点で、好適な樹脂である。
また、ポリエステル樹脂やポリスチレン系樹脂であれば、印刷特性や汎用性、あるいは、機械的強度に特に優れている点で、好適な樹脂である。
また、セルロースアセテ−ト樹脂等であれば、透明性に優れているばかりか、ポリマー特有の匂いも少なく、かつ、水素発生剤の均一分散が比較的容易である。また、セルロースアセテ−ト樹脂等であれば、ポリカーボネート樹脂やポリフェニレンエーテルと、良好に相溶するため、全体量の1〜30重量%の配合によって、良好な剛性や耐衝撃性、あるいは、布帛に対する密着性を向上させることができる。
すなわち、ポリオレフィン樹脂(アクリル樹脂を含む)であれば、良好な印刷特性(スクリーン印刷特性等)が得られるとともに、印刷層を形成した後であっても、水素発生剤の周囲を被覆することによって、均一に分散させ、より安定的な水素発生が可能となるためである。
さらに、エポキシ樹脂やフェノール樹脂であれば、熱硬化性や光硬化性等に優れており、かつ、機械的強度や耐久性、あるいは、布帛に対する密着性に優れている点で、好適な樹脂である。
この理由は、各種架橋剤によって樹脂を架橋させることにより、所定範囲に水素発生量を制御したり、水素発生層を布帛表面等に対して、さらに強固に形成したりすることができるためである。
また、添加剤の一つとして、水溶性材料である燐酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、炭酸塩化合物、および亜硫酸塩化合物の少なくとも一つがさらに配合されていることが好ましい。
この理由は、このように水との接触によって徐々に溶解する水溶性材料(微水溶性材料)をさらに含有することによって、水素発生層の内部に空孔が生じて、水分が浸透しやすくなり、ひいては、長時間にわたって単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望の範囲にさらに容易に制御することができるためである。
この理由は、このような水溶性材料の配合量とすることによって、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望の範囲にさらに容易に制御することができるためである。
より具体的には、水溶性材料の配合量が1重量部未満の値になると、単位時間当たりの水素発生量が過度に少なくなったり、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、水溶性材料の配合量が100重量部を超えると、水素発生層中に均一に分散させることが困難となったり、水素発生層を均一な厚さに形成することが困難になったり、さらには、水素発生層が布帛表面から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、水溶性材料の配合量を、樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜70重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、水素発生層中に、上述した添加物1以外の、他の添加物として、接着剤、着色剤、酸化チタン(隠蔽剤)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、帯電防止剤の少なくとも一つがさらに配合されていることが好ましい。
この理由は、このような添加物を配合することによって、水素発生層の機能性をさらに付加したり、向上させたりすることができるためである。また、水素発生剤のマグネシウムが黒色系に変化することが多いことから、着色剤や酸化チタン(隠蔽剤)を所定量配合することにより、全体として白色性となって、外観性を著しく向上させることができる。
したがって、このような添加物を配合する場合、その配合量を、樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、水素発生層の厚さを1〜2000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように水素発生剤の平均粒径を制御することによって、水素発生剤の均一分散が容易になるばかりか、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲にさらに容易に制御することができるためである。
より具体的には、水素発生層の厚さが1μm未満になると、単位時間当たりの水素発生量が過度に少なくなったり、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、水素発生層の厚さが2000μmを超えると、布帛表面から剥離しやすくなったり、均一な厚さに形成することが困難になったりする場合があるためである。
したがって、水素発生層の厚さを10〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、水素発生層の表面は、実質的に平坦であることが好ましいが、JIS B 0651に準拠して測定される中心線平均粗さ(Ra)として、0.1〜20μmの表面凹凸を有することも好ましい。
また、布帛10に対する水素発生層12の積層位置については特に制限されるものではないが、通常、図1(a)〜(b)、あるいは図2(a)〜(b)等に示すように、各種布帛の表面(片面または両面)が好適である。
すなわち、このように布帛の表面に、水素発生層を形成することによって、図1(a)に示されるように、外部(A面側)からの水分や、図1(b)に示されるように、人体から排出され、内部(B面側)から侵入する呼気との接触機会が多くなり、したがって、比較的大量の水素(H2)を、外部(A面側)のみならず、内部(B面側)に向かって、迅速かつ確実に発生させることができるためである。
したがって、例えば、図1(a)は、図中、A面側に存在する水が、水素発生機能付き布帛14のA面側にパターン化してある水素発生層12と反応し、B面側に、発生した水素を放出する状態を示している。
また、図1(b)は、図中、B面側に存在する呼気が、水素発生機能付き布帛14のA面側にパターン化してある水素発生層12と反応し、B面側に、発生した水素を放出する状態を示している。
この理由は、このように構成することにより、水素発生層12における水素発生量を制限したり、発生時間を長期化させたり、さらには、水素発生層12からアルカリ成分が溶出しやすい場合であっても、そのアルカリ成分の外部飛散(A面側および/またはB面側)を有効に防止することができるためである。
したがって、図1(c)は、図中、B面側に存在する呼気が、水素発生機能付き布帛14を構成する複数の布帛10aと、10bとの間に、パターン化して存在する水素発生層12と反応し、B面側に、発生した水素を放出する状態を示している。
また、パターン化された水素発生層12の形状に関して、特に制限されるものではないが、例えば、図2(b)、あるいは、図3(a)〜(b)や、図4等に示されるように、布帛10の表面に、水素発生層12を、ドット状およびライン状、あるいはいずれか一方の形状として、設けることが好ましい。
この理由は、ドット形状等の水素発生層を設けることにより、印刷法等によって容易かつ精度良く形成できるばかりか、良好な空気透過性が得られたり、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に調整できたりするためである。
そして、水素発生層をドット形状等とする場合、単位面積(100cm2)あたり、水素発生層の面積割合を0.1〜95cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、水素発生層の面積割合が0.1cm2になると、安定的に製造するのが困難になったり、さらには、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、水素発生層の面積割合が95cm2を超えると、空気透過性が著しく低下したり、水素発生時間等が過度に長くなったりする場合があるためである。
したがって、単位面積(100cm2)あたり、水素発生層の面積割合を1〜50cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜30%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、各ドットの平均粒径や各ライン幅(あるいは、ライン間のスペース幅)が、それぞれ1μm未満になると、安定的に製造したり、空気透過性が低下したり、樹脂中に均一に分散することがそれぞれ困難となったり、さらには、水素発生時間等が過度に短くなったりする場合があるためである。
一方、各ドットの平均粒径や各ライン幅(あるいは、ライン間のスペース幅)が、それぞれ5000μmを超えると、安定的に形成したり、樹脂中に均一に分散することがそれぞれ困難となったり、水素発生時間等が過度に長くなったりする場合があるためである。
したがって、水素発生層をドット形状/ライン形状とするに際して、各ドットの平均粒径や各ライン幅を、それぞれ10〜1000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、100〜500μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらに、パターン化された水素発生層の表面に、水素発生調整層として、シラザン、シリカ材料、チッ化物等からなる無機材料層を設けることにより、水素発生層の表面保護性を向上させるとともに、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に調整し、特に長期間にわたって持続させることができる。
そして、水素発生調整層を設ける場合、その種類にもよるが、通常、厚さを1〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる水素発生調整層の厚さが1μm未満の値となると、均一な厚さに形成することが困難となったり、水素発生量の調節機能や接着剤機能が著しく低下したりする場合があるためである。
一方、かかる水素発生調整層の厚さが200μmを超えると、取り扱いが困難となったり、精度良く形成するのが困難となったりする場合があるためである。
したがって、水素発生調整層の厚さを10〜60μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜40μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
第2の実施の形態は、図6(a)〜(d)に例示するように、少なくとも水素発生剤および樹脂を含む水素発生剤含有樹脂に由来した、パターン化されてなる水素発生層12を有する水素発生機能付き布帛14の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする水素発生機能付き布帛14の製造方法である。
(1)所定布帛10を準備する工程
(2)水素発生剤含有樹脂を準備する工程
(3)布帛10の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、水素発生剤含有樹脂を部分的に積層し、水素発生層12とする工程
布帛の準備工程は、図6(a)に示すように、所定形状や所定形態の布帛を、枚様またはロール状等で準備する工程である。
より具体的には、例えば、図3(a)〜(b)に示す衛生用マスク20、20´、図4(a)〜(b)に示す靴下30、図5(a)〜(b)に示す化粧用フェイスマスク50やその補助部品60、あるいは、図示しないものの、シーツやマクラの寝具類、水素発生シートの形態を有する、あるいはそれらの用途に適した形状の水素発生機能付き布帛を準備することが好ましい。
なお、水素発生機能付き布帛の態様については、第1の実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるため、ここでの再度の説明を省略する。
水素発生剤含有樹脂の態様については、第1の実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるため、ここでの再度の説明を省略する。
なお、後述するように、布帛に対して、水素発生剤含有樹脂を部分的に積層しやすいことから、希釈剤の配合量や種類、固形分の調整、粘度調整剤の配合量や種類、添加剤の配合量や種類、樹脂の配合量や種類、積層温度等を適宜変更し、水素発生剤含有樹脂の粘度を100〜100000mPa・sec(測定温度:25℃)の範囲内の値とすることが好ましく、300〜10000mPa・secの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、水素発生層の積層工程、すなわち、水素発生剤含有樹脂の部分的な積層工程に関し、所定の水素発生剤含有樹脂を各種手法で積層することができるが、より好ましくは、印刷法である。
この理由は、かかる印刷法によって、所定の水素発生層を形成することにより、所望箇所に対して、大面積であっても、小面積であっても、樹脂中に、水素発生剤を含んでなる水素発生樹脂組成物に由来した水素発生層として、面積や厚さ等に関して、極めて精度良く形成することができるためである。
また、印刷法であれば、水素発生層を、部分的かつ精度良く形成することができ、ひいては、単位時間当たりの水素発生量や、水素発生時間等を所望範囲に容易に調整することができるためである。
特に、スクリーン印刷法であれば、マグネシウム等の金属水素発生剤を用いた場合であっても、グラビアコート法等と比較して、塗布装置の磨耗損傷を少なくできるためである。
また、スクリーン印刷法であれば、水素発生機能付き布帛の多ロット、少量製造にも対応することができるためである。
さらに言えば、布帛として、目開きのあるガーゼ(対応1〜4)を準備し、それを、水素発生剤含有樹脂中に浸漬したり、水素発生剤含有樹脂をロールコートや刷毛ぬり等するだけで、水素発生層がパターン印刷された水素発生機能付き布帛とすることもできる。
なお、印刷法の変形として、水素発生層の厚さをより均一とし、さらには、布帛に対する密着性を向上させるべく、あらかじめ剥離基材に、ドット状/パターン水素発生層を形成しておき、その基材を含めて、水素発生層を、布帛に対して、直接的に転写したり、さらには、接着剤や機械的接合部材等を用いて、布帛に貼付する転写法であっても良い。
この理由は、光硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)12´等を用いることにより、図6(d)に示すように、水素発生層12を迅速かつ強固に形成することができるためである。
次いで、水素発生機能付き布帛の加工工程を設け、所定形態を有する衛生用マスク等に加工することが好ましい。
より具体的には、例えば、図3(a)〜(b)に示す衛生用マスク20の場合であれば、水素発生機能付き布帛14を切断したり、縫合したり、さらには、耳ひも18等を設けたりして、衛生用マスク等を所定形態とする加工工程を設けることが好ましい。
ここで、図4(a)に示す靴下30の場合、水素発生機能付き布帛30´、30´´を、靴下30の内部のつま先部や踵部に、それぞれ部分的に設けた例であって、水虫やあかぎれ等が生じやすい箇所に、重点的に、かつ、経済的に、水素発生機能付き布帛30´、30´´を貼付できる態様である。
また、図4(b)に示す靴下30の場合、水素発生機能付き布帛30´´´を、靴下30の内部の底部に全面的に設けた例であって、水素発生機能付き布帛30´´´の積層工程を簡易化しやすい態様である。
その他、シーツやマクラの寝具類であれば、水素発生機能付き布帛を切断し、端部がほつれないように、まつり縫いをしたり、フリンジを周囲に装着したり、さらには、水素発生シートであれば、水素発生剤からのアルカリ成分が外部に溶出しないように、保護層や装飾層を形成したり、さらには、平滑化処理/粗面化処理等の表面加工処理工程を設けることが好ましい。
1.水素発生機能付き布帛の準備
布帛として、所定大きさ(30cm×100cm)の木綿ガーゼ(ガ−ゼ規格:タイプI)を準備した。
一方、水素発生剤としての平均粒径150μmの金属マグネシウム20gと、ポリオレフィン系樹脂80gと、を均一に混合し、水素発生樹脂(マグネシウム配合量:20重量%)とした。
次いで、布帛の表面に、スクリーン印刷法により、ドット状(個数:72個/インチ2、平均直径:2.2mm、面積率:約40%)の水素発生層を形成し、水素発生機能付き布帛とした。
(1)酸化還元電位(ORP)による水素発生性の評価
容量900cm3の金属製の蓋付きガラス容器の内部に収容した水(約300g)の中に、水素発生機能付き布帛を投入した。
次いで、かかるガラス容器を、40℃に保持された恒温槽に放置し、1日経過した後における、ガラス容器内の水の酸化還元電位を、ORP計Lutron PH−280(東亜電波工業(株)製)を用いて測定し、下記基準で水素発生性を評価した。
なお、水素発生機能付き布帛を投入前の水における酸化還元電位は、約350mVであることを、別途確認した。
◎:−200mv以下の値である。
○:−100mv以下の値である。
△:0mv以下の値である。
×:0mv超の値である。
図7(a)に示すように、容量900cm3のガラス容器40における金属製の蓋42の内部に、約100gの水を湿らせた脱脂綿44を収容した。
次いで、図7(b)に示すように、上述したガラス容器40を倒立させた状態で、その裏側底面に、所定大きさ(120×160mm2)の水素発生機能付き布帛14が懸架するように、粘着テープで取り付けた。
次いで、そのままの倒立状態、すなわち、図7(b)に示すように、ガラス容器40の内部において、水素発生機能付き布帛14と、脱脂綿44に含ませた水と、が直接接することがない状態を維持した。
一方、ガラス容器40の蓋42に、水素測定装置(D)46cの検出口に連結された配管に連なる、緑色のチューブ46aを取り付けた。また、同様に、ガラス容器40の蓋42の別の箇所に、水素測定装置46cの排出口に連結された透明チューブ46dを取り付けた。
すなわち、ガラス容器40の水素発生機能付き布帛14において発生した水素等が、水素測定装置46cを介して、循環するシステムを構築した。
そして、そのシステムのガラス容器40の内部に、水素発生機能付き布帛14を懸架した状態を、所定時間(8、12、および124時間)保持した。
次いで、それぞれ所定時間経過した後、その間に発生した、単位時間当たりの水素量を水素濃度測定装置XP−3160(新コスモス電機(株)製)を用いて測定した。
より具体的には、所定時間経過した後、循環ポンプ(図示せず)を用いて、ガラス容器の内部の水素および空気を循環させながら、水素濃度測定装置を用いて水素量を測定した。そして、測定した水素量を、経過時間で除することにより、単位時間当たりに換算した水素量(ppm/1Hr)として、それを水素濃度と定義した。
実施例2では、水素発生剤中のマグネシウムの配合量を約20重量%としたほかは、実施例1と同様に、水素発生機能付き布帛を準備し、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例3では、布帛の表面に、スクリーン印刷法により、ドット状(個数:72個/インチ2、平均直径:1.2mm、面積率:約20%)の水素発生層を形成したほかは、実施例1と同様に、水素発生機能付き布帛を準備し、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例4では、水素発生剤中のマグネシウムの配合量を20重量%としたほかは、実施例3と同様に、水素発生機能付き布帛を準備し、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例5〜6では、それぞれ水素発生剤としての金属マグネシウムの平均粒径を15および50μmとしたほかは、実施例2と同様に、水素発生機能付き布帛を準備して、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例1では、水素発生層において、水素発生剤を全く配合せず、そのかわりに、水素発生機能がない炭酸カルシウム(平均粒径:10μm)を、20重量%の割合となるように配合したほかは、実施例1と同様に、所定布帛を準備し、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例7〜10では、水素発生剤を構成する樹脂の主成分を、それぞれセルロースアセテートブチレート樹脂(イーストマンケミカル社製、CAB Solus2000)に変えたほか、実施例1〜4と同様に、水素発生機能付き布帛を準備し、評価した。得られた結果を表2に示す。
実施例11〜12では、水素発生剤を構成する樹脂の主成分を、それぞれセルロースアセテートプロピオネート樹脂(イーストマンケミカル社製、CAP482−20)に変えたほか、実施例5〜6と同様に、水素発生機能付き布帛を準備し、評価した。得られた結果を表2に示す。
実施例13〜16では、それぞれ実施例1〜4の水素発生機能付き布帛を、図2(a)〜(b)に示す衛生用マスクに加工して、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表3に示す。
実施例17〜18では、それぞれ実施例5〜6の水素発生機能付き布帛を、図3(a)〜(b)に示す靴下に加工して、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表3に示す。
実施例19〜22では、ドット状に印刷した水素発生剤含有樹脂を、ライン状に印刷し、所定の水素発生機能付き布帛を作成し、実施例1等と同様に評価した。
より具体的には、実施例19では、実施例1で使用した水素発生剤を、幅2mmのライン状とし、隣接する間隔を調整し、全体面積に対する水素発生剤の面積割合を約40%としたほかは、実施例1等と同様に、水素濃度等を評価した。
また、実施例20では、実施例2で使用した水素発生剤を、幅2mmのライン状とし、隣接する間隔を調整し、全体面積に対する水素発生剤の面積割合を約40%としたほかは、実施例1等と同様に、水素濃度等を評価した。
また、実施例21では、実施例1で使用した水素発生剤を、幅2mmのライン状とし、隣接する間隔を調整し、全体面積に対する水素発生剤の面積割合を約20%としたほかは、実施例1等と同様に、水素濃度等を評価した。
さらにまた、実施例22では、実施例2で使用した水素発生剤を、幅2mmのライン状とし、隣接する間隔を調整し、全体面積に対する水素発生剤の面積割合を約20%としたほかは、実施例1等と同様に、水素濃度等を評価した。
特に、ウイルスやPM2.5がプラス帯電しているためと思われるが、発生した水素と反発することが予想され、衛生用マスク等の場会、より良好な抗ウイルスやPM2.5性が得られることが期待される。
また、本願発明の水素発生機能付き布帛等の場合、水素発生剤含有樹脂が、部分的に積層されて、水素発生層を形成していることから、周囲に存する水分や空気等の侵入を阻害することなく、良好なフレキシブル性を発揮することも期待される。
12:水素発生剤含有樹脂
14:水素発生機能付き布帛
18:耳ひも
19:光照射装置(紫外線照射装置)
20、20´:衛生用マスク
30:靴下
30´、30´´、30´´´:水素発生機能付き布帛
40:ガラス容器
42:ビン口
44:脱脂綿
46:水素濃度測定装置
50:化粧用フェイスマスク
Claims (8)
- 周囲の水分と反応して、水素を発生する水素発生機能付き布帛であって、
布帛の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、少なくとも水素発生剤および樹脂を含む水素発生剤含有樹脂に由来した、パターン化されてなる水素発生層を有することを特徴とする水素発生機能付き布帛。 - 前記水素発生層が、ドット状またはライン状であって、かつ、前記水素発生層の円相当径、またはライン幅を、それぞれ10〜5000μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の水素発生機能付き布帛。
- 前記水素発生層の存在面積を、前記布帛の単位面積100cm2あたり、1〜95cm2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の水素発生機能付き布帛。
- 前記水素発生剤含有樹脂における、前記水素発生剤の含有量を、前記樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素発生機能付き布帛。
- 前記布帛が、不織布、織布、ガーゼ、包帯、フェルトの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素発生機能付き布帛。
- 前記布帛を第1の布帛としたときに、当該第1の布帛の表面および裏面、あるいは、いずれか一方に、別な布帛として、第2の布帛が積層してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素発生機能付き布帛。
- 衛生用マスクに加工してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素発生機能付き布帛。
- 少なくとも水素発生剤および樹脂を含む水素発生剤含有樹脂に由来した、パターン化されてなる水素発生層を有する水素発生機能付き布帛の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする水素発生機能付き布帛の製造方法。
(1)所定布帛を準備する工程
(2)前記水素発生剤含有樹脂を準備する工程
(3)前記布帛の表面および裏面、あるいはいずれか一方に、前記水素発生剤含有樹脂を部分的に積層し、前記水素発生層とする工程
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