JP2018002601A - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法および2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法および2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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哲央 大塚
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Abstract

【課題】2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)とクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含む混合物から1234yfとCTFEを効率良く分離する方法、および、それにより1234yfを効率良く製造する方法の提供。
【解決手段】1234yfと、CTFEとを含む混合物と、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類、およびパーフルオロカーボン類から選ばれる少なくとも一種を含む第1の抽出溶剤とを混合して抽出用混合物を得る工程と、抽出用混合物を蒸留して、1234yfを主成分とする留出物と、第1の抽出溶剤を主成分としCTFEを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程を備える1234yfとCTFEの分離方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンを含む混合物から2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンを分離する方法、および前記混合物から2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離して製造する方法に関する。本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)は、温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる新しい冷媒として、近年大きな期待が寄せられている。
HFO−1234yfの製造方法として、クロロフルオロカーボン類を含む原料から、熱分解を伴う1回の反応でHFO−1234yfを製造する方法が提案されている。このような方法として、例えば、特許文献1には、クロロメタン(R40)とクロロジフルオロメタン(R22)との混合物を熱媒体の存在下で加熱分解して、HFO−1234yfを得る方法が提示されている。
上記熱分解を伴う反応では、目的物質のHFO−1234yf以外に、多種の化合物が副生物として生成される。本発明者らの検討によると、上記方法で得られる反応生成物中には、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VdF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、オクタフルオロシクロブタン(RC318)、トリフルオロメタン(R23)等の多種類の副生物が含まれる。
通常、反応生成物からの副生物の除去は、沸点差を利用して蒸留で行われるが、HFO−1234yfとCTFEは、HFO−1234yfが−29℃、CTFEが−27.8℃と沸点が近く、また共沸組成を形成することから、蒸留による両者の分離は容易でない。すなわち、HFO−1234yfとCTFEを含む混合物から通常の蒸留法により高濃度のHFO−1234yfを得ようとすると、非常に多くの段数を有する蒸留装置が必要となるため、一般には蒸留による分離は困難であった。
従来から、沸点が極めて近い2つの成分を含む混合物や2成分からなる共沸または共沸様組成物から、一方の成分を分離する方法として、抽出蒸留法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、どのような抽出溶剤を使用すれば、HFO−1234yfとCTFEを含む混合物から効率良く、例えば少ない段数の蒸留塔で、両者を分離して高濃度のHFO−1234yfを得ることができるかは、知られていないのが現状であった。
特許第5201284号公報 特許第2827912号公報
本発明は、上記観点からなされたものであり、HFO−1234yf(以下、1234yfともいう。)とCTFEを含む混合物から1234yfとCTFEを効率良く分離する方法、およびそれにより1234yfを効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、1234yfと、CTFEとを含む混合物と、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類、およびパーフルオロカーボン類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む第1の抽出溶剤と、を混合して抽出用混合物を得る工程と、前記抽出用混合物を蒸留して、1234yfを主成分とする留出物と、前記第1の抽出溶剤を主成分としCTFEを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程とを備えることを特徴とする1234yfとCTFEの分離方法を提供する。
また本発明は、1234yfと、CTFEとを含む混合物と、ケトン類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類、アルコール類、およびハイドロフルオルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む第2の抽出溶剤と、を混合して抽出用混合物を得る工程と、前記抽出用混合物を蒸留して、CTFEを主成分とする留出物と、前記第2の抽出溶剤を主成分とし1234yfを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程とを備えることを特徴とする1234yfとCTFEの分離方法を提供する。
さらに本発明は、上記本発明の分離方法により1234yfとCTFEを分離する工程を有することを特徴とする1234yfの製造方法を提供する。
本明細書において、「抽出蒸留」とは、沸点が極めて近く、通常の蒸留による分離が困難な2成分からなる比揮発度が1に近い混合物や、共沸または共沸様組成を持つ2成分の組み合わせの混合物に、溶剤を加え、元の2成分の比揮発度を1から隔たらせることにより、分離を容易にする蒸留操作を意味する。そして、混合物に加えて前記比揮発度を1から隔たらせる溶剤を、「抽出溶剤」という。抽出溶剤は、常温常圧で液体のものをいうが、常温常圧で気体であっても蒸留塔内の反応条件下において液体で存在するものであれば、抽出溶剤として扱うものとする。
本明細書において、比揮発度としては、以下の式(I)で示される1234yfとCTFEとの比揮発度(以下、「Rv」と表記することもある。)を用いる。
Rv=
(気相部における1234yfのモル分率/気相部におけるCTFEのモル分率)/(液相部における1234yfのモル分率/液相部におけるCTFEのモル分率) (I)
本発明者らは、溶剤の添加によりRvが1.08より大きくなれば、抽出蒸留により、1234yfを留出物成分として、CTFEを溶剤と共に缶出物成分として、それぞれ容易に取り出すことができることを見出した。また、溶剤の添加によりRvが0.95より小さくなれば、抽出蒸留により、CTFEを留出物成分として、1234yfを溶剤と共に缶出物成分として、それぞれ容易に取り出すことができることを見出した。
本明細書において、「留出物」とは、蒸留塔の塔頂側から留出される物質をいい、「缶出物」とは、蒸留塔の塔底側から留出される物質をいう。
本明細書において、「主成分」なる語は、当該成分以外の成分の量が相対的に少ないことを意味する。「主成分」の量は、全体の50モル%以上が好ましく、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、最も好ましくは80モル%以上である。
本発明によれば、1234yfとCTFEを含む混合物から1234yfとCTFEを効率良く分離することができる。また、本発明によれば、高濃度の1234yfを効率良く得ることができる。
本発明の分離方法の第2の実施形態における物質の流れを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施形態の分離方法は、以下の(1)および(2)の工程を備える。
(1)1234yfと、CTFEと、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類およびパーフルオロカーボン類からなる群より選ばれる少なくとも一種である第1の抽出溶剤とを混合して、抽出用混合物を得る工程
(2)前記抽出用混合物を蒸留して、1234yfを主成分とする留出物と、前記第1の抽出溶剤を主成分としCTFEを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程
第1の実施形態においては、(3)前記抽出蒸留工程で得られた缶出物を蒸留して前記第1の抽出溶剤を回収する工程(以下、「缶出物の蒸留工程」ともいう。)をさらに有することができる。そして、缶出物の蒸留工程で回収された前記第1の抽出溶剤を、前記抽出蒸留工程において再使用することが好ましい。
以下、第1の実施形態の各工程について説明する。
なお、以下の記載では、抽出溶剤を加える前の1234yfとCTFEを含む混合物を、混合物Aと示すことがある。混合物Aは1234yfとCTFEの2成分からなる混合物として説明するが、混合物Aは1234yfとCTFE以外の第3の成分を含んでいてもよい。該混合物が第3の成分を含む場合、第3の成分は、その沸点と第1の抽出溶剤に対する親和性に応じて、1234yfおよび/またはCTFEと挙動を共にする点が異なる成分である。第3の成分を含む場合であっても、第1の実施形態の分離方法を実施することで、1234yfとCTFEを効率良く分離することができる。後述する第2の実施形態においても同様である。
<(1)抽出用混合物を得る工程>
この工程では、1234yfとCTFEを含む混合物Aに第1の抽出溶剤を加えて、抽出用混合物とする。混合物Aに対する第1の抽出溶剤の添加は、蒸留(抽出蒸留)の前であれば特にタイミングを問わず、混合物Aに第1の抽出溶剤を加えて得られた抽出用混合物を、抽出蒸留塔に供給するようにしてもよい。しかし、蒸留作業の効率の観点から、混合物Aが供給された抽出蒸留塔に第1の抽出溶剤を供給するなどの方法で、抽出用混合物が抽出蒸留塔内で調製され、調製と同時に蒸留が行われるようにすることが好ましい。
混合物Aは、例えば、1234yfとCTFEとからなる混合物である。混合物Aにおける1234yfとCTFEの組成(モル比)は、特に限定されない。
前記のとおり、1234yfとCTFEは沸点が近く、さらに特定の組成において共沸または共沸様組成物を形成するというように、両者の混合物はRvが1に近い混合物である。
ここで、1234yfとCTFEの共沸組成物とは、前記式(I)で表される「1234yfとCTFEとの比揮発度(以下、Rvともいう)」が1.00である組成物である。共沸組成物は、該組成物を繰り返し蒸発、凝縮させた場合、組成変化がなく、冷媒等の用途に用いたときに極めて安定して性能が得られる利点があるが、共沸組成物の成分を通常の蒸留操作によって分離することができない。
また、1234yfとCTFEの共沸様組成物とは、前記式(I)で表されるRvが1.00±0.05の範囲内となる組成物である。
混合物AのRvの具体的な例として、1234yfとCTFEの組成を変えた複数の混合物について、圧力1.011×10PaにおいてRvを以下の方法で測定した結果を、表1に示す。
表1から、1234yfとCTFEの混合物は、いずれの組成においてもRvが1からあまり隔たりのない範囲内にあることがわかる。
(Rvの測定方法)
500mLの圧力計付きオートクレーブに測定試料を入れ、所定の圧力(1.011×10Pa)となるように外部ヒータによって徐々に加熱し、圧力が所定の値となった後、一定時間(2時間)保持してオートクレーブ内の組成を安定化させた。次いで、気相および液相からそれぞれサンプルを採取して、ガスクロマトグラフィー(アジレントテクノロジー社製、機器名:6850)により分析し、1234yfとCTFEのモル比を測定した。そして、両者のモル比からRvを求めた。
Figure 2018002601
本発明の第1の実施形態の分離方法は、抽出蒸留により1234yfを留出物成分として取り出す方法である。以下に説明する第1の抽出溶剤の添加により、Rvを1より相当に大きくすることで、言い換えればCTFEを揮発させにくくすることで、1234yfとCTFEの分離を効率良く行うものである。
混合物Aに添加する第1の抽出溶剤は、それ自体の沸点が高く揮発しにくいうえに、1234yfとCTFEのうちのCTFEに対してのみ親和性を有し、CTFEを揮発しにくくすることで、Rvの値を1より相当に大きくする溶剤である。第1の抽出溶剤は、Rvを1.08より大きくする溶剤であることが好ましく、1.09より大きくする溶剤であることがより好ましい。
第1の抽出溶剤の種類によるRvの違いについては、後述する。
第1の抽出溶剤の沸点は、後述する(3)缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、CTFEとの沸点差が大きいことが必要である。ただし、(3)缶出物の蒸留工程における生産性の観点から、第1の抽出溶剤の沸点は高すぎないことが好ましい。第1の抽出溶剤の沸点は、40〜250℃の範囲であることが好ましい。なお、本明細書における物質の沸点は、特に断りのない限り、常圧(1.013×10Pa)における沸点(標準沸点)を示すものとする。
第1の抽出溶剤は、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類、およびパーフルオロカーボン類から選ばれる少なくとも一種を含む溶剤を含む。第1の抽出溶剤としては、好ましくは、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類、およびパーフルオロカーボン類から選ばれる少なくとも一種である。
ここで、飽和炭化水素類は、不飽和結合を有さず、ハロゲン元素を持たない炭化水素化合物である。炭素数5〜12の飽和炭化水素類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、炭素数5〜12の直鎖状の飽和炭化水素化合物が好ましく、炭素数6〜10の直鎖状飽和炭化水素化合物がより好ましい。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンが好ましく、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンがより好ましい。
炭素数6〜9の芳香族炭化水素類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、1個または2個以上の芳香環を有し、芳香環に結合した置換基として、直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基を有する化合物が好ましい。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンが好ましく、トルエンが最も好ましい。
ハイドロフルオロカーボン類とは、分子を構成する原子が炭素、フッ素および水素である化合物である。後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、ハイドロフルオロカーボン類として、具体的には、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン(市販品として、アサヒクリンAC−2000(商品名、旭硝子社製))、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン(市販品として、アサヒクリンAC−6000(商品名、旭硝子社製))を挙げることができる。
ハイドロクロロフルオロカーボン類とは、分子を構成する原子が炭素、フッ素、塩素および水素である化合物である。ハイドロクロロフルオロカーボン類として、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、具体的には、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(市販品として、アサヒクリンAK225cb(商品名、旭硝子社製))を挙げることができる。
ハイドロクロロカーボン類とは、分子を構成する原子が炭素、塩素および水素である化合物である。ハイドロクロロカーボン類として、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、具体的には、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロプロパンを挙げることができる。
クロロカーボン類とは、分子を構成する原子が炭素および塩素である化合物である。クロロカーボン類として、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、具体的には、四塩化炭素、テトラクロロエチレンを挙げることができる。
パーフルオロカーボン類とは、分子を構成する原子が炭素とフッ素のみである化合物である。パーフルオロカーボン類として、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、具体的には、パーフルオロヘキサン(市販品として、PF−5060(商品名、住友3M社製))を挙げることができる。
上記第1の抽出溶剤は、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロプロパン、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、パーフルオロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
混合物Aに第1の抽出溶剤を添加した場合のRvの値の具体例として、1234yfとCTFEの1:1(モル比)混合物に、第1の抽出溶剤を、溶剤:1234yf:CTFE=60:20:20(モル比)となるように添加した場合のRvの値を、該溶剤の沸点とともに表2に示す。なお、Rvは、全て同一の圧力(1.011×10Pa)のもとに、上記と同様の方法で測定されたものである。1234yfとCTFEの1:1(モル比)混合物のRvは、表1に示す通り1.009である。
Figure 2018002601
表2からわかるように、上に具体的に挙げた溶剤は、いずれもRvを1.08より大きくする溶剤である。1234yfとCTFEの混合物に前記溶剤を加えることで、1234yfとCTFEの気液平衡が変化し、Rvは1.08超を示した。したがって、これらの溶剤を抽出溶剤として用いることで、CTFEを揮発させにくくして1234yfとCTFEを分離し、1234yfを効率良く得ることができる。具体的には、留出物として高濃度の1234yfを得ることができる。
一方、Rvが1.08以下で、より1に近くなる溶剤を用いた場合には、この溶剤の添加では1234yfとCTFEの気液平衡をほとんど変化させることができない。そのため、蒸留により1234yfとCTFEを分離するためには、溶剤を添加しない場合と同程度に多くの段数を有する蒸留装置が必要となり、溶剤添加の効果が得られない。
前記した第1の抽出溶剤の添加量(以下、抽出溶剤比率ともいう)は、抽出蒸留により1234yfとCTFEとを効率良く分離する観点から、CTFEに対する抽出溶剤のモル比で、0.1/1〜1000/1が好ましく、1/1〜100/1がより好ましく、1.5/1〜50/1がさらに好ましい。この範囲にすることで、第1の抽出溶剤を混合した抽出用混合物におけるRvを1.08より大きくして、1234yfとCTFEを効率良く分離することができる。
抽出溶剤としてヘキサンを使用した場合、抽出溶剤比率がRvに与える影響は、表3に示す通りである。
抽出溶剤比率=抽出溶剤のモル分率/CTFEのモル分率
Figure 2018002601
表3から、抽出溶剤としてヘキサンを使用した場合、抽出溶剤比率が3〜18の広い範囲において、1234yfとCTFEの比揮発度Rvは1.08より大きくなっていることがわかる。
以下の抽出蒸留において、上記抽出溶剤比率は分離の程度に影響を与えるので、抽出蒸留すべき混合物Aの組成(1234yf/CTFEのモル比)や、分離された一方の成分中に残存を許容される他方の成分の濃度等に応じて、抽出溶剤比率を適宜選択できる。また、抽出蒸留塔の必要段数を、抽出溶剤比率と関連させて選択することも可能である。
<(2)抽出蒸留工程>
この工程では、前記工程(1)で得られた抽出用混合物を蒸留する。この蒸留は抽出蒸留となる。第1の実施形態で使用される第1の抽出溶剤は、1234yfとCTFEとの混合物に溶剤を加えた場合のRvを、1より相当に大きい値(例えば、1.08超)にするものである。したがって、抽出用混合物の蒸留により、蒸留塔の塔頂側から、1234yfを主成分とする留出物が得られ、塔底側からCTFEを含む缶出物が得られる。
なお、後述する第2の実施形態を含めて以下の記載では、抽出蒸留工程で蒸留塔の塔頂側から得られる留出物を、第1の留出物と示し、蒸留塔の塔底側から得られる缶出物を第1の缶出物と示す。また、第1の缶出物の蒸留工程で蒸留塔の塔頂側から得られる留出物を、第2の留出物と示し、第1の缶出物の蒸留工程で蒸留塔の塔底側から得られる缶出物を、第2の缶出物と示す。
第1の実施形態において、抽出蒸留は、一般に使用される蒸留装置、例えば棚段塔、充填塔などを使用して実施できる。抽出蒸留の種々の条件、例えば、操作温度、操作圧力、還流比、蒸留塔の総段数、仕込み段の位置、抽出溶剤を供給する段の位置等は、特に限定されるものではなく、目的とする分離を達成するために適宜選択することができる。1234yfとCTFEはいずれも低い沸点を有するため、加圧下で抽出蒸留するのが好ましい。抽出蒸留の際の圧力は、例えば0〜5MPaG(ゲージ圧)とすることが好ましい。
さらに、蒸留塔の塔頂部および塔底部の温度は、操作圧力ならびに留出物(第1の留出物)および缶出物(第1の缶出物)の組成に応じて決まる。塔頂部や塔底部に設けられる凝縮器および再加熱器の温度を考慮して、経済的に蒸留操作を行うためには、塔頂部の温度は−60〜100℃、塔底部の温度は50〜200℃とするのが好ましい。抽出蒸留は、バッチ式でも連続式でも良く、場合により、留出物および缶出物を間欠的に抜き出したり、間欠的に仕込みを行う半連続式でも実施できるが、抽出溶剤については、蒸留装置に連続的に供給する必要がある。
CTFEと親和性を有する第1の抽出溶剤は、表2に示される溶剤に代表されるように、Rvを1.09より大きくする。したがって、1234yfとCTFEと第1の抽出溶剤を含む抽出用混合物を抽出蒸留することにより、第1の留出物として1234yfを主成分とする混合物が、抽出蒸留塔の塔頂側から得られる。この第1の留出物は、1234yfを主成分として含むものであれば組成は限定されないが、1234yfのモル分率が90%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましい。
また、抽出蒸留塔の塔底側から、第1の抽出溶剤を主成分とし、かつこの抽出溶剤に対して親和性を有するCTFEを含む第1の缶出物が得られる。この第1の缶出物には、1234yfも含まれるが、1234yfとCTFEの合計に対する1234yfのモル分率は、混合物Aにおけるモル分率に比べて大幅に減少されている。第1の缶出物中の1234yfとCTFEとの合計に対する1234yfのモル分率は、混合物Aにおけるモル分率の好ましくは1/10以下に減少していればよい。このように、1234yfは抽出蒸留により分離され、第1の留出物中に極めて高濃度に含有される。第1の缶出物は、さらに蒸留工程に送り、蒸留(再蒸留)することが好ましい。
<(3)缶出物の蒸留工程>
この工程では、前記抽出蒸留工程で得られた第1の缶出物を蒸留(再蒸留)する。第1の缶出物に含まれる第1の抽出溶剤とその親和性成分であるCTFEとは、沸点差が大きいため、この蒸留は通常の蒸留分離操作で容易に実施できる。第1の缶出物の蒸留により、第1の抽出溶剤とCTFEとが分離される。そして、CTFEを含み、かつ1234yfとCTFEの合計に対するCTFEのモル分率が、混合物Aにおけるモル分率より増大された、すなわちCTFEが混合物Aに比べて濃縮された第2の留出物が、蒸留塔の塔頂側より得られる。
なお、第1の缶出物には、CTFEとともに1234yfも含有されるので、第1の缶出物を蒸留して得られる第2の留出物には、1234yfも含まれるが、第2の留出物では、前記したようにCTFEのモル分率が混合物Aに比べて大きくなっているので、第2の留出物における1234yfのモル分率は混合物Aに比べてかなり小さくなる。したがって、第2の留出物として、高濃度のCTFEを得ることができる。
さらに、再蒸留工程では、蒸留塔の塔底側から第1の抽出溶剤を極めて高濃度で含有する第2の缶出物が得られる。得られる第2の缶出物はそのまま抽出蒸留工程に供給し、第1の抽出溶剤として再使用することができる。また、第2の缶出物をさらに精製して第1の抽出溶剤を回収し、回収した第1の抽出溶剤を抽出蒸留工程で再使用することもできる。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、混合物A中の1234yfとCTFEとが効率良く分離され、1234yfが、抽出蒸留工程における第1の留出物の主成分として高濃度で得られる。また、再蒸留工程で第2の留出物として、混合物Aより濃縮されたCTFEを得ることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
本発明の第2の実施形態の分離方法は、
(1’)1234yfと、CTFEと、ケトン類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類、アルコール類およびハイドロフルオルエーテル類から選ばれる少なくとも一種である第2の抽出溶剤とを混合して、抽出用混合物を得る工程と、
(2’)前記工程で得られた抽出用混合物を蒸留して、CTFEを主成分とする留出物と前記第2の抽出溶剤を主成分とし1234yfを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程を備える。
第2の実施形態においては、(3’)前記抽出蒸留工程で得られた缶出物を蒸留して前記第2の抽出溶剤を回収する缶出物の蒸留工程をさらに有し、回収された前記第2の抽出溶剤を前記抽出蒸留工程において再使用することが好ましい。
以下、第2の実施形態の各工程について説明する。なお、以下の記載では、第1の実施形態の対応する工程と異なる部分についてのみ説明する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
<(1’)抽出用混合物を得る工程>
この工程では、1234yfとCTFEを含む混合物Aに第2の抽出溶剤を加えて、抽出用混合物とする。
本発明の第2の実施形態の分離方法は、抽出蒸留によりCTFEを留出物成分として取り出す方法であり、以下に説明する第2の抽出溶剤の添加によりRvを1より相当小さくすることで、言い換えれば1234yfを揮発させにくくすることで、1234yfとCTFEの分離を効率良く行うものである。
第2の抽出溶剤は、それ自体の沸点が高く揮発しにくいうえに、1234yfとCTFEのうちの1234yfに対してのみ親和性を有し、1234yfを揮発しにくくすることで、Rvの値を1より相当小さくする溶剤である。第2の抽出溶剤は、好ましくはRvを0.95より小さくする溶剤であり、より好ましくはRvを0.9より小さくする溶剤である。第2の抽出溶剤の種類によるRvの違いについては、後述する。
また、第2の抽出溶剤の沸点は、後述する(3’)缶出物の蒸留工程において蒸留・分離を効率良く行う観点から、1234yfとの沸点差が大きいことが必要である。ただし、この蒸留工程における生産性の観点から、第2の抽出溶剤の沸点は高すぎないことが好ましい。第2の抽出溶剤の沸点は、40〜250℃の範囲であることが好ましい。
第2の抽出溶剤としては、ケトン類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類、アルコール類、およびハイドロフルオルエーテル類から選ばれる少なくとも一種を含む溶剤を使用することができる。第2の抽出溶剤は、好ましくは、ケトン類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類、アルコール類、およびハイドロフルオルエーテル類から選ばれる少なくとも一種である。
ケトン類とは、一般式:R−C(=O)−R(RおよびRは、互いに同じまたは相異なる非置換の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される化合物である。ケトン類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、上記一般式において、RおよびRの炭素数がそれぞれ1〜2であってRおよびRの炭素数の合計が2〜4のケトン類が好ましい。ケトン類として、具体的には、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンを挙げることができる。
エステル類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、炭素数3〜6の鎖状エステル類または脂肪族環状エステル類が挙げられ、炭素数4〜6の環状エステル類が好ましい。具体的には、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アミド類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、炭素数3〜5の鎖状アミド類または脂肪族環状アミド類が挙げられる。アミノ基の水素原子が全てアルキル基で置換された3級アミド類が好ましい。具体的には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)が好ましい。
ニトリル類とは、一般式:R−CN(Rは非置換の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される化合物である。ニトリル類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、上記一般式において、Rの炭素数が1〜5であるニトリル類が好ましい。具体的には、アセトニトリルが好ましい。
スルホキシド類とは、一般式:R−S(=O)−R(RおよびRは、互いに同じまたは相異なる非置換の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される化合物である。具体的には、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、上記一般式において、RおよびRが共にメチル基であるジメチルスルホキシド(DMSO)を挙げることができる。
アルコール類とは、少なくとも1つのアルコール性水酸基を有する化合物である。アルコール類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、主鎖の炭素数が1〜4の脂肪族アルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノールが好ましい。
ハイドロフルオルエーテル類としては、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、一般式:Rf1−O−Rf2(Rf1およびRf2は、互いに同じまたは相異なる炭素数1〜3のフルオロアルキル基を示す。フルオロアルキル基はパーフルオロアルキル基であってもよい。ただし、Rf1およびRf2の少なくとも一方は水素原子を有し、Rf1およびRf2の炭素数の合計は2〜4である。)で表される化合物が好ましい。具体的には、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(市販品として、アサヒクリンAE−3000(商品名、旭硝子社製))を挙げることができる。
上記第2の抽出溶剤は、後述する缶出物の蒸留工程で蒸留・分離を効率良く行う観点から、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、メタノール、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
1234yfとCTFEを含む混合物に第2の抽出溶剤を添加した場合のRvの値の具体例として、1234yfとCTFEの1:1(モル比)混合物に、第2の抽出溶剤を、溶剤:1234yf:CTFE=60:20:20(モル比)となるように添加した場合のRvの値を、該溶剤の沸点とともに表4に示す。なお、Rvは、全て同一の圧力(1.011×10Pa)のもとに前記と同様の方法で測定されたものである。ここで、1234yfとCTFEの1:1(モル比)混合物のRvは、表1に示す通り1.009である。
Figure 2018002601
表4からわかるように、上に具体的に挙げた溶剤は、いずれもRvを0.95より小さくできる溶剤である。1234yfとCTFEの混合物に前記溶剤を加えることで、1234yfとCTFEの気液平衡が変化し、Rvは0.95未満を示した。したがって、これらの溶剤を抽出溶剤として用いることで、1234yfを揮発させにくくして、1234yfとCTFEを効率良く分離することができる。具体的には、留出物として高濃度のCTFEを得ることができる。
一方、Rvが0.95以上でより1に近くなる溶剤を用いた場合には、この溶剤の添加では1234yfとCTFEの気液平衡をほとんど変化させることができず、蒸留により1234yfとCTFEを分離するためには、溶剤を添加しない場合と同程度に大規模な蒸留装置が必要となる。
このような第2の抽出溶剤の添加量(抽出溶剤比率)は、1234yfとCTFEとを抽出蒸留により効率良く分離する観点から、1234yfに対する抽出溶剤のモル比で、0.1/1〜1000/1が好ましく、1/1〜100/1がより好ましく、1.5/1〜50/1がさらに好ましい。この範囲とすることで、抽出用混合物におけるRvを0.95より小さくして、1234yfとCTFEを効率良く分離することができる。
例えば、第2の抽出溶剤の一種であるアセトンを溶剤として、1234yfとCTFEからなる混合物を抽出蒸留する場合、以下の式で示される抽出溶剤比率がRvに与える影響は、表5に示す通りである。
抽出溶剤比率=抽出溶剤のモル分率/1234yfのモル分率
Figure 2018002601
表5から、抽出溶剤としてアセトンを使用した場合、抽出溶剤比率が3〜18の広い範囲において、Rvは0.95より小さくなっていることがわかる。
<(2’)抽出蒸留工程>
この工程では、前記工程で得られた抽出用混合物を蒸留(抽出蒸留)する。第2の実施形態で使用される第2の抽出溶剤は、1234yfとCTFEとの混合物Aに溶剤を加えた場合の1234yfとCTFEとのRvを、1より相当に小さい値(例えば、0.95未満)にするものである。したがって、抽出用混合物の蒸留により、蒸留塔の塔頂側から、CTFEを主成分とする第1の留出物が得られ、塔底側から1234yfを含む第1の缶出物が得られる。
1234yfと親和性を有する第2の抽出溶剤は、表4に示される溶剤に代表されるように、Rvを0.95より小さくする。したがって、1234yfとCTFEと第2の抽出溶剤を含む抽出用混合物を抽出蒸留することにより、第1の留出物としてCTFEを主成分とする混合物が、抽出蒸留塔の塔頂側から得られる。
第1の留出物中のCTFEのモル分率は、特に限定されないが、80モル%以上であることが好ましい。抽出蒸留塔の塔底側からは、第2の抽出溶剤を主成分とし、かつ第2の抽出溶剤に対して親和性を有する1234yfを含む第1の缶出物が得られる。なお、この第1の缶出物には、CTFEも含まれるが、1234yfとCTFEとの合計に対するCTFEのモル分率は、混合物Aに比べてはるかに減少されている。第1の缶出物中の1234yfとCTFEとの合計に対するCTFEのモル分率は、混合物Aにおけるモル分率の好ましくは1/10以下に減少していれば、後述する再蒸留工程で高濃度の1234yfを得ることができる。第1の缶出物は、さらに蒸留工程に送り、蒸留(再蒸留)することが好ましい。
<(3’)缶出物の蒸留工程>
この工程では、前記抽出蒸留工程で得られた第1の缶出物を蒸留(再蒸留)する。第1の缶出物に含まれる第2の抽出溶剤とその親和性成分である1234yfとは、沸点差が大きいため、この蒸留は通常の蒸留分離操作で容易に実施できる。第1の缶出物の蒸留により、第2の抽出溶剤と1234yfとが分離される。そして、1234yfを含み、かつ1234yfとCTFEの合計に対する1234yfのモル分率が、混合物Aにおけるモル分率より増大された、すなわち1234yfが混合物Aに比べて濃縮された第2の留出物が、蒸留塔の塔頂側より得られる。
なお、第1の缶出物には、1234yfとともにCTFEも含まれるので、第1の缶出物を蒸留して得られる第2の留出物には、CTFEも含まれるが、第2の留出物では、前記したように1234yfのモル分率が混合物Aに比べて大きくなっているので、第2の留出物におけるCTFEのモル分率は混合物Aに比べてかなり小さくなる。したがって、第2の留出物として、高濃度の1234yfを得ることができる。
さらに、再蒸留工程では、蒸留塔の塔底側から第2の抽出溶剤を極めて高濃度で含有する第2の缶出物が得られる。得られる第2の缶出物は、そのまま抽出蒸留工程に供給し、第2の抽出溶剤として再使用することができる。また、第2の缶出物をさらに精製して第2の抽出溶剤を回収し、回収した第2の抽出溶剤を抽出蒸留工程で再使用することもできる。
このように、第2の実施形態によれば、混合物A中の1234yfとCTFEとが効率良く分離され、CTFEが、抽出蒸留工程における第1の留出物の主成分として高濃度で得られる。また、再蒸留工程で第2の留出物として、混合物Aより濃縮された1234yfを得ることができる。
次に、本発明の1234yfとCTFEの分離方法における物質の流れを、図1を参照してさらに説明する。なお、以下の記載では、1234yfに対して親和性を有する第2の抽出溶剤を使用する場合を例に説明するが、CTFEに対して親和性を有する第1の抽出溶剤を使用する場合は、CTFEの流れと1234yfの流れとが置き換わるだけで、同様な流れ図で表わすことができる。
図1に示すように、1234yfとCTFEを所定の割合(例えば、1234yf/CTFE=10モル%/90モル%)で含む混合物1は、例えば加圧で操作される抽出蒸留塔2に供給される。抽出蒸留塔2としては、段数が1〜100段のものが使用され、混合物1は、抽出蒸留塔2の中央部より下側の段に供給される。そして、混合物1における1234yfのモル分率に対して0.1〜1000倍のモル分率の第2の抽出溶剤3(例えば、アセトン)を、抽出蒸留塔2の混合物1の供給段より上方の段に供給する。こうして蒸留を行い、第2の抽出溶剤3に対して親和性を有しない成分であるCTFEを主成分とする第1の留出物4を、抽出蒸留塔2の塔頂側から抜き出す。
また、抽出蒸留塔2の塔底側から、第1の缶出物5として、第2の抽出溶剤を主成分とし1234yfを含む混合物を抜き出す。次いで、この第1の缶出物5を、例えば加圧で操作される別の蒸留塔である溶剤回収塔6に供給し、実質的に第2の抽出溶剤を含まない第2の留出物7を塔頂側から得る。得られる第2の留出物7においては、1234yfとCTFEの合計に対する1234yfのモル分率が、混合物1における同様なモル分率に比べて増大されている。こうして第2の留出物7として、混合物1に比べて1234yfのモル分率が増大され、すなわち1234yfのモル濃度が濃縮された混合物が得られる。
なお、本明細書において、「実質的にAを含まない」なる語は、Aの含有量が0.1モル%以下であることを意味する。
溶剤回収塔6の塔底側からは、第2の抽出溶剤を主成分とする第2の缶出物8が得られる。こうして第2の抽出溶剤は回収され、回収された第2の抽出溶剤3は再使用される。再使用される第2の抽出溶剤3は、必要に応じて熱交換器9により加熱または冷却された後に、抽出蒸留塔1に供給される。
なお、図1において、符号10は凝縮器を示し、符号11は加熱器を示す。
抽出蒸留塔2において第2の抽出溶剤3を供給する位置(段)は、前記したように、混合物1を供給する段より上方に位置する段であるのが好ましく、還流を供給する段と同じ段に第2の抽出溶剤3を供給してもよい。場合により、混合物1と同じ段に第2の抽出溶剤3を供給してもよい。さらに、混合物1は、抽出蒸留塔2に供給する前に、予め第2の抽出溶剤3と混合してから供給してもよい。
このような装置および操作により、1234yfとCTFEを含む混合物1から、1234yfとCTFEとを分離し、実質的にCTFEを含まない1234yfを得ることができる。
前述の1234yfとCTFEとの比揮発度(Rv)の測定により求められた表2〜5の結果を使用し、既知の熱力学特性に基づく計算手法(Chemcad;Chemstations社の化学工学プロセスシミュレータ)により、以下に示す抽出蒸留および再蒸留のシミュレーションを行った。
抽出溶剤を加えた三元系でのRvを1.08超とする第1の抽出溶剤を使用する実施例1〜7および実施例12〜13のシミュレーションと、前記Rvを0.95未満とする第2の抽出溶剤を使用する実施例8〜11のシミュレーションをそれぞれ行った。また、抽出溶剤を加えないで1234yfとCTFEの混合物を蒸留する、比較例のシミュレーションを行った。
実施例1
段数90段の抽出蒸留塔の塔頂部から80段目から、1234yfとCTFEの混合物(モル比1:1)を、1152g/hrの速度で連続的に供給するとともに、塔頂部から5段目から、ヘキサンを1723g/hrの速度で連続的に供給した。そして、抽出蒸留塔内の圧力を0.2MPaG(ゲージ圧)、塔頂温度を−0.6℃、塔底温度を32.2℃として、連続的に抽出蒸留を行った。塔頂側から第1の留出物である第1フラクションを566g/hrの速度で抜き出し、塔底側から第1の缶出物である第2フラクションを2310g/hrの速度で抜き出した。
抜き出した第1フラクション、第2フラクションのそれぞれについて組成を分析すると、第1フラクションでは、CTFEは0.3モル%で、抽出溶剤は非検出(N.D.)であり、残りは1234yfとなった。
他方、第2フラクション中の1234yfは0.2モル%、CTFEは20モル%となり、残部は抽出溶剤であるヘキサンが占めていた。
次に、抽出蒸留塔から得られる第2フラクションを、16段の溶剤回収塔の塔頂部から9段目に、前記第2フラクションの抜き出し速度と同じ速度で連続的に供給し、溶剤回収塔の圧力0.2MPaG(ゲージ圧)、塔頂温度0.8℃、塔底温度107.9℃で連続的に蒸留した。溶剤回収塔の塔頂側から第2の留出物である第3フラクションを587g/hrの速度で抜き出し、塔底側から第2の缶出物である第4フラクションを1722g/hrの速度で抜き出した。
抜き出した第3フラクション、第4フラクションのそれぞれについて組成を分析すると、第3フラクションでは、CTFEは99.1モル%となり、1234yfは0.9モル%となった。他方、第4フラクション中のヘキサンは100モル%となった。
実施例2〜7
実施例1とは抽出溶剤の種類を変えてシミュレーションを行った。具体的には、表6に示す抽出溶剤を使用し、かつ、1234yfとCTFEのモル比(表6において「1234yf/CTFE」と示す。以下同様である。)、1234yfとCTFEの混合物(混合ガス)の時間当たりの供給量(A)、抽出溶剤の時間当たりの供給量(B)、抽出溶剤と1234yfとのモル比(表6において「溶剤/1234yf」と示す。以下同様である。)、抽出溶剤とCTEとのモル比(表6において「溶剤/CTE」と示す。以下同様である。)、および各条件を、表6に示すように設定し、その他は実施例1と同様にして、抽出蒸留と再蒸留のシミュレーションを行った。
そして、第1から第4の各フラクションの組成を分析した結果を、前記実施例1についての結果とともに表6に示す。なお、このシミュレーションにおいて、抽出蒸留塔内の圧力および溶剤回収塔内の圧力は、ともに0.2MPaGとした。これらの圧力は、以下の実施例8〜13および比較例についても同様であった。
Figure 2018002601
実施例8〜11
表7に示す抽出溶剤を使用し、かつ、1234yfとCTFEのモル比(1234yf/CTFE)、1234yfとCTFEの混合物の時間当たりの供給量(A)、抽出溶剤の時間当たりの供給量(B)、抽出溶剤と1234yfとのモル比(溶剤/1234yf)、抽出溶剤とCTFEのモル比(溶剤/CTFE)、および各条件を、表7に示すように設定し、その他は実施例1と同様にして、抽出蒸留と再蒸留のシミュレーションを行った。
そして、第1から第4の各フラクションの組成を分析した結果を表7に示す。
Figure 2018002601
実施例12〜13
抽出溶剤として、実施例1と同じヘキサンを使用し、主に親和性成分に対する抽出溶剤のモル比を変えてシミュレーションを行った。
具体的には、表8に示す抽出溶剤を使用し、かつ、1234yfとCTFEのモル比(1234yf/CTFE)、1234yfとCTFEの混合物の時間当たりの供給量(A)、抽出溶剤の時間当たりの供給量(B)、抽出溶剤と1234yfとのモル比(溶剤/1234yf)、抽出溶剤とCTFEのモル比(溶剤/CTFE)、および各条件を、表8に示すように設定し、実施例1と同様に抽出蒸留と再蒸留のシミュレーションを行った。そして、第1から第4の各フラクションの組成を分析した結果を、実施例1のそれとともに表8に示す。
Figure 2018002601
比較例
段数90段の蒸留塔の塔頂部から80段目から、1234yfとCTFEの混合物(モル比1:1)を毎時576gで連続的に供給して蒸留を行い、塔頂側から第1フラクションを毎時288gで連続的に抜き出し、塔底側から第2フラクションを毎時288gで連続的に抜き出した。この間の蒸留塔内の圧力は0.2MPaGとし、塔頂温度は−0.1℃、塔底温度は0.1℃とした。
抜き出した第1フラクション、第2フラクションのそれぞれについて組成を分析した結果を表9に示す。第1フラクションでは、1234yfは56.2モル%、CTFEは43.8モル%となった。他方、第2フラクションでは、1234yfは43.8モル%、CTFEは56.2モル%となった。
Figure 2018002601
表6〜表8に示す結果から、抽出溶剤を加えた三元系でのRvを1.09超とする第1の抽出溶剤を使用する実施例1〜7および実施例12〜13と、抽出溶剤を加えた三元系でのRvを0.95未満とする第2の抽出溶剤を使用する実施例8〜10においては、いずれも1234yfとCTFEの混合物から1234yfとCTFEとを効率良く分離することができ、高濃度の1234yfが得られることがわかる。
また、抽出溶剤としてAE−3000を使用する実施例11においても、1234yfとCTFEの混合物から十分に高濃度の1234yfが得られることがわかる。
本発明によれば、1234yfとCTFEを含む混合物から1234yfとCTFEとを効率良く分離することができる。また、本発明によれば、オゾン層への影響が少なくかつ地球温暖化係数が低いことで、冷媒として有用な1234yfを高濃度で得ることができ、経済的なメリットが大きい。
1…混合物、2…抽出蒸留塔、3…抽出溶剤、4…第1の留出物、5…第1の缶出物、6…溶剤回収塔、7…第2の留出物、8…第2の缶出物。

Claims (15)

  1. 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、クロロトリフルオロエチレンとを含む混合物と、炭素数5〜12の飽和炭化水素類、炭素数6〜9の芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロカーボン類、クロロカーボン類、およびパーフルオロカーボン類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む第1の抽出溶剤と、を混合して抽出用混合物を得る工程と、
    前記抽出用混合物を蒸留して、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを主成分とする留出物と、前記第1の抽出溶剤を主成分としクロロトリフルオロエチレンを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程と
    を備えることを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  2. 前記第1の抽出溶剤は40〜250℃の沸点を有する、請求項1に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  3. 前記第1の抽出溶剤は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンとの比揮発度を1.08より大きくする溶剤である、請求項1または2に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  4. 前記第1の抽出溶剤は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロプロパン、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、パーフルオロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  5. 前記第1の抽出溶剤を、クロロトリフルオロエチレンに対するモル比で0.1/1〜1000/1の範囲で混合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  6. 前記抽出蒸留工程を0〜5MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  7. 前記缶出物を蒸留して前記第1の抽出溶剤を回収する工程を有し、回収された前記第1の抽出溶剤を前記抽出蒸留工程において再使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  8. 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、クロロトリフルオロエチレンとを含む混合物と、ケトン類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類、アルコール類、およびハイドロフルオルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む第2の抽出溶剤と、を混合して抽出用混合物を得る工程と、
    前記抽出用混合物を蒸留して、クロロトリフルオロエチレンを主成分とする留出物と、前記第2の抽出溶剤を主成分とし2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む缶出物をそれぞれ得る抽出蒸留工程と
    を備えることを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  9. 前記第2の抽出溶剤は40〜250℃の沸点を有する、請求項8に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  10. 前記第2の抽出溶剤は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンとの比揮発度を0.95より小さくする溶剤である、請求項8または9に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  11. 前記第2の抽出溶剤は、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、メタノール、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  12. 前記第2の抽出溶剤を、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンに対するモル比で0.1/1〜1000/1の範囲で混合する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  13. 前記抽出蒸留工程を0〜5MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、請求項8〜12のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  14. 前記缶出物を蒸留して前記第2の抽出溶剤を回収する工程を有し、回収された前記第2の抽出溶剤を前記抽出蒸留工程において再使用する、請求項8〜13のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンの分離方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の分離方法により、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとクロロトリフルオロエチレンを分離する工程を有することを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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