JP2018002576A - 早強性コンクリート組成物 - Google Patents

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清 鯉渕
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Abstract

【課題】コンクリート工事における工期の短縮及び高品質化を図る目的として、従来技術では促進剤を使用しても、圧縮強度の増進が充分でなく、また収縮によるひび割れが小さくならない、更に一方では流動性がよくないという複数の課題を抱えている。コンクリートの流動性の向上、圧縮強度の増進及び収縮率の低減等、複数の性能を同時に改善する早強性コンクリート組成物を提供する。【解決手段】セメント、細骨材、粗骨材、セメント分散剤及び水から成るコンクリート組成物に、更に、特定の界面活性剤成分を含有させて平均粒子径が10〜400nmの炭酸カルシウム微粒子を分散させた水性サスペンジョンの新規な硬化促進剤を特定量含有させた早強性コンクリート組成物を用いた。【選択図】なし

Description

本発明はナノサイズの炭酸カルシウム微粒子の水性サスペンジョンから成る硬化促進剤を含有する早強性コンクリート組成物に関する。
コンクリート工事において、工期短縮や高品質化の観点から近年、強度発現性の優れた高性能な硬化促進剤の要求が高まっている。セメントの凝結促進や硬化促進に関する従来技術として、塩化カルシウム、亜硝酸塩、ロダン塩等の無機塩がよく知られているが、鉄筋腐食の問題、また早く硬化させても硬化物の収縮ひび割れが小さくならない等の問題を内在している。また一方で、水溶性カルシウム化合物と水溶性ケイ酸塩との反応による水性の硬化促進剤組成物の提案(特許文献1及び2)がある。しかしながら、製造上の反応プロセスが煩雑であり、それを使用して得られる硬化体のコストを考慮すると少量添加の範囲では促進効果が充分でなくコスト高になるという問題を抱えている。更に一方で、平均粒子径が0.7μm未満の炭酸カルシウムの微粒子をセメント用凝結促進剤として用いる提案(特許文献3)がある。しかしながら、コンクリートを工場で練り混ぜる際にかかる微粒子を添加すると粒子が飛散してハンドリングが悪く、また微粒子は見かけ密度が水よりも小さく水に浸漬しても直ぐに浮上して容易にスラリー化しないため、一部が凝集した塊粒子が発生し、期待する促進効果を充分に発揮できないという問題がある。更には硬化促進すると収縮によるひび割れが大きい、或いはコンクリートの流動性に悪い影響を与えるという問題も抱えている。すなわち、コンクリートを調製する上で、ハンドリングが容易で、且つ少量添加で充分な強度増進性、収縮低減性、流動性の向上等、複数の効果を同時に付与することができる早強性コンクリート組成物の提案が望まれている。
特表2012−501293号公報 特開2015−147939号公報 特開2006−111485号公報
本発明が解決しようとする課題は、コンクリート工事の工期短縮や高品質化を目的として従来の硬化促進剤を使用しても、強度増進、収縮低減、流動性の改善等の複数の性能が充分でないという課題である。本発明者らはかかる課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定の界面活性剤成分を含有させて平均粒子径が特定範囲の炭酸カルシウム微粒子を分散させた水性サスペンジョンから成る新規な硬化促進剤を特定量含有する早強性コンクリート組成物を用いることが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、少なくともセメント、細骨材、粗骨材、セメント分散剤、水及び下記の硬化促進剤を含有して成る早強性コンクリート組成物であって、セメントの単位量が270〜600kg/m、及び水/セメント比が25〜60%であって、且つ該硬化促進剤をセメント100質量部当たり0.05〜3質量部の割合で含有して成ることを特徴とする早強性コンクリート組成物に係る。
硬化促進剤:平均粒子径が10〜400nmの炭酸カルシウム微粒子の界面活性剤成分を含む水性サスペンジョンであって、且つ該界面活性剤成分を合計質量で該微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部の割合で含有して成る硬化促進剤。
一般に石灰石を原料として製造される炭酸カルシウムは、炭酸ガス反応法により製造される軽質炭酸カルシウムや石灰石を粉砕・分級して得られる重質炭酸カルシウムがよく知られている。本発明においては、その種類を限定するものではないが、炭酸ガス反応法により製造される軽質炭酸カルシウムが好ましく、更に微粒子として平均粒子径が10〜400nm、好ましくは20〜300nmの炭酸カルシウム微粒子から成るコロイダルカルシウムカーボネートを使用することが好ましい。なお、平均粒子径がかかる範囲よりも大きな粒子の炭酸カルシウム粒子を用いると本発明の硬化促進効果を充分に発揮することができない。
本発明の早強性コンクリート組成物(以下、本発明の組成物という)において、炭酸カルシウム微粒子が均一に分散した状態の水性サスペンジョンを製造するには適切な界面活性剤成分が必要である。すなわち、水性サスペンジョンの分散粒子の沈殿や分離がない状態を保つための分散安定化に適した界面活性剤成分が必要不可欠である。かかる界面活性剤成分としてノニオン性のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアニオン性の脂肪酸アルカリ金属塩の双方を含有する成分を使用することが好ましい。また、かかる界面活性剤成分の使用量は合計質量で炭酸カルシウム微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で用いる。
本発明の組成物において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルは下記の化1で示される化合物と下記の化2で示される化合物の混合物の中から選ばれるものが好ましい。
Figure 2018002576
化1において、
:炭素数3〜5のアルキル基
:分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
Figure 2018002576
化2において、
:炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基。
:分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
また本発明の組成物において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、前記化1で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物と前記化2で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物との混合物の混合比において、化1/化2=60〜95/40〜5(合計100)、好ましくは、化1/化2=70〜92/30〜8(合計100、質量比)のものを用いる。
化1で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの中で具体的な化合物としては、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。なお、化1で示される化合物を用いる理由は、本発明において、先ず水性サスペンジョンを調製するための微粒子を分散安定化する効果のある化合物であることが重要であり、同時にコンクリート硬化体の収縮を抑制する効果をも兼ね備えてセメント硬化体の収縮ひび割れを低減し、高品質のコンクリート硬化体を得ることにある。
化2で示されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの中で具体的な化合物としては、抑泡性の強い性質のポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテルが好ましい。すなわち、化2で示される化合物を用いる理由は、化1の化合物が水の表面張力を低下させる性質を有するため、抑泡性の強い性質を有する化2の化合物を併用して水性サスペンジョンを調製する際の巻き込み気泡による泡立ちを抑制することにあり、更にコンクリートを調製する際に微細な気泡を導入するための空気量調整を容易にする効果を具備するからである。
次に脂肪酸アルカリ金属塩について説明する。アルカリ金属としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられるが、工業的見地からナトリウムが好ましい。また本発明において、脂肪酸は炭素数2〜4の短鎖脂肪酸(低級脂肪酸)、炭素数5〜12の中鎖脂肪酸、炭素数12以上の長鎖脂肪酸(高級脂肪酸)を包含するが、なかでも中鎖脂肪酸又は長鎖脂肪酸が好ましく、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムの中から選ばれる脂肪酸アルカリ金属塩を使用するのが好ましい。
本発明の組成物において、硬化促進剤として使用する水性サスペンジョンの調製方法は限定するものではなく、粒子と水が分離しない均一状態を長期間安定して保持することができる水性サスペンジョンを得る方法であればよい。例えば、本発明に係る前記した界面活性剤成分を所定量添加した水溶液に、一次粒子が所定範囲の粒子径を有するコロイダルカルシウムカーボネートの固体微粒子を少しずつ徐々に添加しながら、高速撹拌ホモジナイザー及び/又は超音波ホモジナイザーを用いて調製することによって固形濃度が3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%であって、平均粒子径が適切な範囲の水性サスペンジョンから成る硬化促進剤を得ることができる。
本発明の組成物において、以上説明した硬化促進剤の使用方法は、セメント、水、骨材等を練り混ぜてコンクリートを調製する際に、練り混ぜ水と一緒に添加して用いることができる。練り混ぜる際の添加量は、水性サスペンジョンから成る硬化促進剤の含水を除いた固形分でセメント100質量部当たり0.05〜3質量部、好ましくは、0.1〜2質量部の割合で添加して用いる。
また、本発明の組成物において、セメント分散剤としてはその種類を限定するものではないが、好ましくはポリカルボン酸塩系のもの、より好ましくは水溶性ビニル共重合体から成るポリカルボン酸塩系のものを用いる。ポリカルボン酸塩系のセメント分散剤としては、公知のもの(例えば、特開昭58−74552号公報や特開平1−226757号公報に記載のもの)が挙げられ、例えば市販のコンクリート用混和剤として知られる高性能AE減水剤やAE減水剤を使用することができる。かかるセメント分散剤は通常、セメント100質量部当たり0.05〜2質量部となる割合で練り混ぜる際に添加して用いる。
本発明の組成物において、使用するセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、及び中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ微粉末、或いはシリカフューム微粉末を混合した混合セメントを使用することができる。なかでも、汎用で安価であり、且つ本発明が目的とする効果が顕著に得られやすい観点から、普通ポルトランドセメント及び高炉スラグセメントを使用するのが好ましい。
本発明の組成物において、使用する細骨材としては、川砂、山砂、海砂等が挙げられる。また粗骨材としては、川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。
本発明の組成物は以上説明したように、少なくともセメント、細骨材、粗骨材、セメント分散剤、水及び前記硬化促進剤を含有して成るものであり、且つセメントの単位量が270〜600kg/m、好ましくは290〜500kg/mであって、また、水/セメント比が25〜60%、好ましくは30〜55%である早強性コンクリート組成物である。
本発明の組成物は公知の方法で調製できるが、先ずセメント分散剤及び前記硬化促進剤を練り混ぜ水の一部として希釈しながら必要に応じて空気量調整剤を添加し、セメント、細骨材及び練り混ぜ水を混合したモルタルをコンクリートミキサーで先に練り混ぜておき、その後に粗骨材を投入して再び練り混ぜることにより早強性コンクリート組成物を調製する方法が好ましい。
本発明の組成物の調製に際しては、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて空気量調整剤、消泡剤、防錆剤、防水剤等の添加剤を併用することができる。
以上説明した本発明の組成物において、複数の性能を同時に付与する理由について説明する。先ず強度増進性能については、ナノ粒子サイズに水分散した炭酸カルシウム微粒子と、相対的に大きな粒子であるミクロンサイズのセメント粒子とがアルカリ性のセメント懸濁液中で接触すると、初期反応の過程でセメントの水和反応の助長源となる種結晶化物が数多く生成し、その種結晶化物がセメント粒子の水和反応率を向上させることによって、結果として強度が大きく増進した硬化体が得られるものと推察される。また、収縮率の低減性能については、水の表面張力低下作用が大きな前記界面活性剤が収縮低減剤として作用する相乗効果のためと推察される。また更に、コンクリートを練り混ぜる際の流動性が向上する理由は、練り混ぜ時にサスペンジョンの炭酸カルシウム微粒子の一部が、流動性のマイナス要因となるセメント鉱物組成のCA粒子表面に優先的に吸着、被覆してセメント分散剤が該粒子表面に過剰に吸着するのを防ぐことによって、セメント分散剤の分散効果を高めることになり、結果として流動性が向上するものと推察される。
以上説明した本発明の早強性コンクリート組成物によると、コンクリートを練り混ぜる際の流動性が向上し、コンクリート硬化体の圧縮強度が増進して早期脱型枠が可能になると共に、収縮率が低減してコンクリート硬化体の収縮ひび割れが減少するという、複数の効果が同時に得られる特徴を有しており、結果としてコンクリート工事における工期の短縮及び高品質化を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
試験区分1(硬化促進剤の調製)
参考例1
2リットルの容器にイオン交換水を1264g、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル(A−1)を11gと、ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル(B−1)3gとを予め配合した混合物{A−1/B−1=78/22(合計100、質量比)}を14g、及びオレイン酸ナトリウム(C−1)を2g投入して界面活性剤溶液を作成した。次に、該界面活性剤溶液に回転数が300〜20000rpmの高速撹拌ホモジナイザーを取り付け、徐々に回転数を上げながら、一次粒子径が80nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(P−1)300gを少しずつ徐々に界面活性剤溶液に投入して懸濁し、続いて更に超音波ホモジナイザーを用いて均一に分散させ、平均粒子径が90nmの炭酸カルシウム微粉末の水性サスペンジョンから成る固形濃度が20質量%の硬化促進剤(SP−1)を得た。
参考例2
脂肪酸アルカリ金属塩の種類において、オレイン酸ナトリウムをラウリン酸ナトリウム(C−2)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして固形濃度が20質量%の硬化促進剤(SP−2)を得た。
参考例3
2リットルの容器にイオン交換水を1298g、ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル(A−1)を17.9gと、ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル(B−1)3gとを予め配合した混合物{A−1/B−1=85/15(合計100、質量比)}を21g、及びオレイン酸ナトリウム塩(C−1)を3g投入して界面活性剤溶液を作成した。次に、前記と同様にして高速撹拌ホモジナイザーの回転数を徐々に上げながら一次粒子径が200nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(P−2)300gを少しずつ徐々に界面活性剤溶液に投入して懸濁し、続いて更に超音波ホモジナイザーを用いて均一に分散させ、平均粒子径が220nmの炭酸カルシウム微粉末の水性サスペンジョンから成る固形濃度が20質量%の硬化促進剤(SP−3)を得た。
参考例4
脂肪酸アルカリ金属塩の種類において、オレイン酸ナトリウムをラウリン酸ナトリウムに置き換えた以外は、実施例4と同様にして固形濃度が20質量%の硬化促進剤(SP−4)を得た。以上の参考例1〜4の結果を表1にまとめて示した。
比較参考例1〜3
比較参考例1は微粉末の状態で用いた場合について、比較参考例2は界面活性剤成分を添加しない場合について、比較参考例3は粒子サイズの大きな炭酸カルシウム粒子(P−3)を用いた場合について、実施例1同様にして調製した。
以上の比較参考例1〜3を表1にまとめて示した。
Figure 2018002576
表1の*1〜*7において、
*1は、
P−1:一次粒子径が80nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末(竹原化学工 業社製の商品名:ネオライトSP)
P−2:一次粒子径が200nmのコロイダルカルシウムカーボネート微粉末
P−3:一次粒子径が0.6μmの炭酸カルシウム粉末
*2は、
A−1:ジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの 付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテル
*3は、
B−1:ポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチ レンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテル
*4は、
C−1:オレイン酸ナトリウム
C−2:ラウリン酸ナトリウム
*5:混合比(合計100、質量比)
*6:炭酸カルシウム微粒子100質量部当たりの質量部の割合(質量%)
*7:硬化促進剤の調製後1か月経過した水性サスペンジョンの分散安定性
試験区分2(硬化促進剤としての水性サスペンジョンの分析及び評価)
・平均粒子径の測定:レーザー回折式粒度分布測定器を用いて炭酸カルシウム粒子水性サスペンジョンの粒度分布を測定し、平均粒子径を算出した。
・水性サスペンジョンの分散安定性:サスペンジョンの調製後、室温で1か月間、静置保存した後の製品(水性サスペンジョン)状態を目視観察した。分散安定性の良否として、沈殿物がなく均一の状態のものを(均一)、水と粒子が分離しており不均一なものを(分離)とした。
試験区分3(コンクリートの調製及び評価)
実施例1〜4
試験区分1で調製した表1に記載の参考例の硬化促進剤を用いて、表2に記載の配合番号1の条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに普通ポルトランドセメント(密度=3.16g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、表1に記載の参考例の硬化促進剤(P−1)の所定量と、更にポリカルボン酸塩系セメント分散剤(市販のポリカルボン酸系高性能AE減水剤を使用した)の必要量及び市販の空気量調整剤の必要量を投入してスラリーが均一になるまで90秒間練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入して60秒間練り混ぜた。なお、水性サスペンジョンの硬化促進剤に含まれる含水は練り混ぜ水の一部とみなして練り混ぜ水で希釈しながら投入し、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4±1%の実施例1のコンクリートを調製した。また同様にして、表1記載の硬化促進剤(SP−2)〜(SP−4)を用いて、実施例2〜4のコンクリートを調製した。いずれも練り混ぜ温度は20℃で行った。
実施例5〜8
表1に記載の参考例の硬化促進剤を用いて、表2に記載の配合番号2の条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに高炉セメントB種(密度=3.04g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、前記参考例の硬化促進剤(P−1)の所定量と、更にポリカルボン酸塩系セメント分散剤(前記高性能AE減水剤と同じ)の必要量及び前記空気量調整剤の必要量を投入してスラリーが均一になるまで90秒間練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入して60秒間練り混ぜた。なお、水性サスペンジョンの硬化促進剤に含まれる含水は練り混ぜ水の一部とみなして練り混ぜ水で希釈しながら投入し、目標スランプが21±1cm、目標空気量が4±1%の実施例5のコンクリートを調製した。また同様にして、表1記載の硬化促進剤(SP−2)〜(SP−4)を用いて、実施例6〜8のコンクリートを調製した。いずれも練り混ぜ温度は20℃で行った。
比較例1〜3
実施例1と同様な方法により、表1の比較参考例1〜3を用いて、表2の配合番号1の条件で比較例1〜3のコンクリートを調製した。
比較例5〜7
実施例1と同様な方法により、表1の比較参考例1〜3を用いて、表2の配合番号2の条件で比較例5〜7のコンクリートを調製した。
比較例4及び8
塩化カルシウム(試薬)を比較用に用いて、試験例1と同様な方法により、表2の配合条件で比較例5及び8のコンクリートを調製した。
Figure 2018002576
表2において、
*1:普通ポルトランドセメント(密度=3.16/cm
*2:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm
*3:細骨材(川砂、密度=2.58g/cm
*4:粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm
・コンクリートの物性評価
調製した各例のコンクリートについて練り混ぜ直後から60分間静置後のスランプ及び空気量、圧縮強度、及び乾燥収縮率を下記の方法で評価し、結果を表3及び表4にまとめて示した。
・スランプ(cm):練り混ぜ直後及び60分間静置後のコンクリートについて、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):60分間静置後のスランプ値/練り混ぜ直後のスランプ値)×100で求めた。
・空気量(容量%):練り混ぜ直後及び60分間静置後のコンクリートについて、JIS−A1128に準拠して測定した。
・圧縮強度(N/mm):材齢1日、材齢3日、及び材齢28日の硬化体について、JIS−A1108に準拠して測定した。
・乾燥収縮率:JIS−A1132に準じて、寸法10cm×10cm×40cmの鋼製直方型枠に充填して供試体を作成し、JIS−A1129に準拠してコンパレータ法により材齢26週(162日)における硬化体の乾燥収縮率を測定した。数値が小さいほど収縮が小さいことを示す。
Figure 2018002576
表3において、
*1:表1に記載の硬化促進剤の種類
*2:セメント100質量部当たりの硬化促進剤(固形分)の添加質量部
*3:セメント分散剤はいずれもポリカルボン酸塩系セメント分散剤(市販のポリカルボ ン酸系高性能AE減水剤)を用いた。
*4:セメント100質量部当たりのセメント分散剤(固形分)の添加質量部
*5:塩化カルシウム(試薬一級)
*6:硬化促進剤の水性サスペンジョンが分離していたので測定しなかった。
Figure 2018002576
本発明の早強性コンクリート組成物は、表3の結果より、コンクリートを練り混ぜる際にセメント分散剤の必要添加量が減少して目標のスランプが得られ、且つ経過時間の流動保持性が向上することが明らかである。また表4の結果より、コンクリート硬化体の圧縮強度が顕著に増進して早期脱型枠が可能になると共に、収縮率が低減してコンクリート硬化体の収縮ひび割れが減少する等の複数の効果が同時に得られることが明らかである。したがって、本発明の早強性コンクリート組成物は、コンクリート工事における工期の短縮及び高品質化を図ることができるという特長を有することが明白である。

Claims (15)

  1. 少なくともセメント、細骨材、粗骨材、セメント分散剤、水及び下記の硬化促進剤を含有して成る早強性コンクリート組成物であって、セメントの単位量が270〜600kg/m、及び水/セメント比が25〜60%であって、且つ該硬化促進剤をセメント100質量部当たり0.05〜3質量部の割合で含有して成ることを特徴とする早強性コンクリート組成物。
    硬化促進剤:平均粒子径が10〜400nmの炭酸カルシウム微粒子の界面活性剤成分を含む水性サスペンジョンであって、且つ該界面活性剤成分を合計質量で該微粒子100質量部当たり0.3〜15質量部の割合で含有して成る硬化促進剤。
  2. 炭酸カルシウム微粒子としてコロイダルカルシウムカーボネートを用いる請求項1記載のる早強性コンクリート組成物。
  3. 界面活性剤成分が少なくともポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル及び脂肪酸アルカリ金属塩を含有し、且つ該界面活性剤成分の合計質量が炭酸カルシウム微粒子100質量部当たり1〜10質量部の割合で含有する請求項1又は2記載の早強性コンクリート組成物。
  4. ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが下記の化1で示される化合物と下記化2で示される化合物の混合物である請求項1〜3記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
    Figure 2018002576
    (化1において、
    :炭素数3〜5のアルキル基
    :分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位又は、分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基)
    Figure 2018002576
    (化2において、
    :炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基。
    :分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。)
  5. ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルが、化1で示される化合物と下記化2で示される化合物の混合物の混合比において、化1/化2=60〜95/40〜5(合計100)である請求項1〜4記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  6. 化1で示される化合物がジ(酸化プロピレンの付加モル数2)プロピレングリコールジ(酸化エチレンの付加モル数2)エチレングリコールモノブチルエーテルである請求項1〜5記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  7. 化2で示される化合物がポリ(酸化プロピレンの付加モル数40)プロピレングリコールポリ(酸化エチレンの付加モル数6)エチレングリコールモノオレイルエーテルである請求項1〜6記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  8. 脂肪酸アルカリ金属塩がオレイン酸ナトリウム又はラウリン酸ナトリウムである請求項1〜7記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  9. 硬化促進剤の平均粒子径が20〜300nmの炭酸カルシウム微粒子の水性サスペンジョンである請求項1〜8記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  10. セメント分散剤がポリカルボン酸塩系セメント分散剤である請求項1〜9記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  11. セメントの単位量が290〜500kg/mである請求項1〜10記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  12. 水/セメント比が30〜55%である請求項1〜11記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  13. 硬化促進剤をセメント100質量部当たり0.1〜2質量部の割合で含有する請求項1〜12記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  14. セメントが普通ポルトランドセメントである請求項1〜13記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
  15. セメントが高炉スラグセメントである請求項1〜13記載のいずれか一つの項記載の早強性コンクリート組成物。
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