JP6952538B2 - シリカフュームの評価方法、コンクリート組成物の製造方法、コンクリート組成物及びコンクリート硬化体 - Google Patents

シリカフュームの評価方法、コンクリート組成物の製造方法、コンクリート組成物及びコンクリート硬化体 Download PDF

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Description

本開示は、シリカフュームの評価方法、コンクリート組成物の製造方法、コンクリート組成物及びコンクリート硬化体に関する。
プレキャストコンクリートに代表されるコンクリート硬化体は、種々の用途に使用され、建造物の構造材としても広く使用されており、高強度な硬化体が望まれている。
コンクリート組成物における水と、結合材、即ち、セメント、シリカフューム、高炉スラグ、フライアッシュ等、コンクリート中で水和反応する材料との質量比(以下、水/結合材比ということがある。本明細書中における水/結合材比は特にことわらなり限りにおいて、質量基準である)を、小さくすると、粒子間の距離が狭くなり、また、液相部分に水和生成物が析出し充填するため、組織が緻密になり、圧縮強度の高いコンクリートが得られることが知られている。
このような水/結合材比の小さいコンクリート組成物は水の含有量が少ないために充分な流動性が得られず、例えば、高強度化を目的として、水/結合材比を0.2以下の範囲とした場合、流動化の向上を目的として界面活性剤を大量に使用しても、均一に練り混ぜられなかったり、練り混ぜた混合物の粘性が著しく高くなったりして、実用上充分な流動性は得られないのが現状である。また、硬化に関与しない成分である界面活性剤の含有量を増加させることは、得られるコンクリート硬化体の強度維持の観点からも好ましくない。
これに対し、流動性と高強度化を目的として、球形の粒子形状を有するシリカフュームを、セメントの5%〜25%程度置換する技術が提案され、セメントに予め平均粒径0.2μm程度のシリカフュームが10%〜20%程度混合された混合セメントが市販されている。市販のシリカフュームを含むコンクリート組成物は、平均粒径がサブミクロンのSiOを主成分とする球形状のシリカフュームが、セメント粒子表面に吸着したり、液相中に存在したりすることにより、セメント粒子間のすべりをよくして、混合物の粘性を下げ、かつ、シリカフューム中のSiOがセメントの水和反応で生じる水酸化カルシウムとポゾラン反応を起し、水和物を生成して緻密化することにより、得られるコンクリート硬化体の強度増進に寄与することが期待されると考えられている。このようなシリカフュームを使用したコンクリート組成物は、設計基準強度60N/mm〜150N/mm程度の高強度コンクリートに広く適用されるようになっている。
しかし、本発明者らの検討によれば、既述の市販のシリカフュームを含むコンクリート組成物は、さらなる高強度化、即ち、設計基準強度が150N/mmを上回るような強度範囲とするために、水/結合材比を0.2以下、好ましくは0.15程度以下となるまで小さくすると、実用上好ましい流動性が得られなくなることがわかった。
流動性向上のためシリカフュームの混入率を増やすことも検討されるが、流動性改善に必要な界面活性剤がシリカフュームに吸着され添加量が増大すること、或いは、微細なシリカフュームの凝集が生じて流動性向上効果が却って低下すること、界面活性剤の多量添加に伴う凝結遅延が生じてしまうこと、などの新たな問題が生じる。
このため、シリカフュームなどのシリカ粒子をコンクリート組成物に配合した際の流動性を予め評価したり、判定したりする方法が種々提案されている。
例えば、シリカフュームを含有するセメントペーストを遠心分離し、分離した水分を測定することで自由水量を定量する方法及び自由水量が8%以上のシリカフュームをコンクリート組成物に適用する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
また、水粉体比が350%〜450%のシリカフュームと水と、シリカフュームに対して質量換算で3%以上5%未満の減水剤とを混練することで試料スラリーを作製し、その後、回転粘度計を用いて試料スラリーの粘度を測定するシリカフュームの品質評価方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、コンクリート組成物の流動性改良手段として、シリカフュームを含有した原料シリカスラリーを、粉砕媒体を用いて粉砕することを含むコンクリート組成物に好適なシリカスラリーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2008−230891号公報 特開2008−230892号公報 特開2007−70133号公報 特開2011−64647号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献4に記載の技術では、シリカフューム含有スラリーの流動性のみに着目されてはいるが、シリカフューム含有スラリーを含むコンクリート組成物の硬化体の強度に関しては考慮されていない。
また、特許文献2に記載の技術では、セメントペーストの粘性に係る評価として、減水剤入りのセメントペーストを遠心分離し、自由水量で評価してはいるが、評価に使用するポリカルボン酸系減水剤として処方の異なるものが複数存在し、セメントもバッチごとにわずかではあるが特性が変化するという問題がある。従って、シリカフュームによる物性のより間接的な評価となっており、適切に評価できているとは言い難い。
特許文献3に記載のシリカフューム含有スラリーは、流動性が良好ではあるが、前記シリカフュームを含有するコンクリート組成物の硬化体では、圧縮強度が160N/mm程度であり、本開示において目標とする200N/mmを上回るような高強度の硬化体は得難い。
本発明の一実施形態の課題は、流動性が良好であり、高い強度のコンクリート硬化体を形成し得るコンクリート組成物に好適に使用しうるシリカフュームの評価方法及びコンクリート組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の別の実施形態の課題は、水/結合材比が0.2以下であって、流動性が良好であり、高い強度のコンクリート硬化体を形成し得るコンクリート組成物及びコンクリート組成物の硬化物である高い強度のコンクリート硬化体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、シリカフュームを含むコンクリート組成物において、流動性と高強度を両立しうるシリカフュームを簡易な評価方法により選択し、このシリカフュームを用いることで、上記課題の一つを解決しうることを見出した。
即ち、課題の解決手段は、以下の実施形態を含む。
<1> シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすか否かを確認することを含むシリカフュームの評価方法。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
<2> シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、
セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
<3> セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、
前記シリカフュームが、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
<4> 前記シリカフュームを走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれるシリカフュームの全粒子に対する球状粒子の割合が90%以上である<3>に記載のコンクリート組成物。
<5> 前記シリカフュームは、シリカフュームの全粒子に対する、粒径が0.1μm以上10μm以下の粒子の割合が90%以上であり、かつ、粒度分布測定により得られる平均粒径が0.2μm以上1.5μm以下である<3>又は<4>に記載のコンクリート組成物。
<6> 前記骨材が、粗骨材を含む<3>〜<5>のいずれか1つに記載のコンクリート硬化体。
<7> <3>〜<6>のいずれか1つに記載のコンクリート組成物の硬化体であり、材齢28日における圧縮強度が250MPa以上であるコンクリート硬化体。
<8> シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすか否かを確認することを含むシリカフュームの評価方法。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
<9> シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、
セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
<10> セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、前記シリカフュームが、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
本発明者らは、コンクリート組成物に用いるシリカフュームに着目し、微細な球状の形状をなし、かつ2次凝集体を含まないか、含んでも極めて少ないシリカフュームを用いることで、コンクリート組成物の性能が格段に向上すること、及びコンクリート組成物に好適なシリカフュームを簡易に選択しうるシリカフュームの評価方法等を見出した。
以下、シリカフュームの分散物における粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径を、単に「50%積算粒径」と略称することがある。
なお、本明細書では、超音波を付与したシリカフューム分散物の粒度分布を測定して求めた50%積算粒径、所謂メジアン径を、当該シリカフュームの平均一次粒径と見なして検討を行なった。
従来、セメントの一部を小粒径シリカフュームに置き換えることで、流動性が改善されることが知られていた。しかしながら、高強度化によりコンクリート組成物の水/結合材比が0.2以下の如く小さくなると液相が極端に減少して、セメント粒子間の距離が狭くなり、且つ、セメント粒子に吸着しない微粒子の2次凝集体が生じやすくなり、凝集体の発生は却って粘性を高めることになる。このため、2次凝集体を含まず、球形粒子の形態を有する、シリカフューム粒子が単分散された、コンクリート組成物に好適なシリカフュームを選択する簡易な方法が求められていた。
コンクリート組成物に好適なシリカフュームの評価方法に係る作用は明確ではないが、以下のように考えている。
本発明者らの検討によれば、シリカフューム粒子の2次凝集体を解砕するために好適な方法として超音波分散が挙げられる。
そこで、まず、シリカフューム粒子の水分散物を調製する。
すると、凝集体を形成しやすいシリカフュームは、水分散物の調製時において、水中で2次凝集体を形成してしまう。しかし、分散性に優れる球状のシリカフューム粒子は、水分散物を調製した際も、粒子が凝集することなく均一に分散され易いことを見出した。また、分散性は、シリカフュームの平均一次粒径のサイズに依存することを見出した。
まず、評価対象のシリカフュームを水分散させ、粒度分布を測定して50%積算粒径から平均粒径を求める。そして、同様に調製したシリカフュームの水分散物に超音波を付与すると、シリカフュームの2次凝集体が解砕され、粒子が均一に分散される。ここで、超音波を付与した分散物の粒度分布50%積算粒径から平均粒径を求める。
上記の如くして得られた、単なる水分散物の50%積算粒径と、超音波を付与した分散物の50%積算粒径との比率が所定の範囲内である場合には、当初よりシリカフュームはコンクリート組成物の流動性を損なわない、2次凝集体を含まないか、或いは、含んでも許容の範囲であるシリカフューム粒子であることが分かり、単なる水分散物と、超音波を付与した分散物との粒度分布から求めた50%積算粒径との比率が所定の範囲を超える場合には、シリカフュームが2次凝集体を許容量以上含み、コンクリート組成物に添加した場合の流動性に劣ることが推定できる。
従って、本開示のシリカフュームの評価方法によれば、簡易な方法により、コンクリート組成物の流動性を低下させず、かつ、高強度のコンクリート硬化体を形成しうるシリカフュームを選択することができると考えている。
本開示のコンクリート組成物に係る作用は明確ではないが、以下のように考えている。
コンクリート組成物に含まれる好適な結合材としてシリカフュームが着目されている。シリカフュームは微粒子であるため、一般に凝集性が強い。コンクリート組成物に使用されるシリカフュームとして、例えば、BET法により比表面積を測定し推定したシリカフュームの一次粒子径の平均値は約1〜2μm前後が好適とされている。しかし、微細なシリカフューム粒子は凝集し易く、凝集体を含むシリカフュームの見かけの粒子径は数μm以上になっていると考えられる。
シリカフュームをコンクリート組成物に含有させる際に、練混ぜにおいて凝集体が解砕されることが好ましいが、一般に用いられるコンクリートミキサーではシリカフュームの如き微粒子凝集体を解砕する能力は殆どなく、コンクリート組成物の練混ぜにおいて、比表面積が高いシリカフューム凝集体がまず水分を吸着してしまい流動性が低下することがある。
そこで、超音波を付与したシリカフューム分散物の粒度分布から求めた50%積算粒径を、単分散した一次粒子の粒径と仮定し、超音波を付与しないシリカフュームの水分散物の粒度分布から求めた50%積算粒径とを対比することにより、これらの差異が所定の範囲内であることで、コンクリート組成物の流動性に与えるシリカフュームの影響を予め評価したものである。ここで、分散性が平均一次粒径に依存することに着目し、一次粒子の粒径の範囲に分けて、前記シリカフューム分散物の粒度分布から求めた50%積算粒径を対比することで、より正確なシリカフュームの評価方法が可能となったと考えている。
本開示のコンクリート組成物には、超音波付与前後のシリカフューム分散物の粒度分布から求めた50%積算粒径が、所定の範囲内であるシリカフュームが含まれること、好ましくは、走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれるシリカフュームの全粒子に対する球状粒子の割合が90%以上であるシリカフューム、即ち、球形であり、凝集体を形成していないシリカフュームが含まれることにより、水/結合材比が少ない場合においても、流動性が良好となり、かつ、硬化体の形成時には、球状で良好な分散状態を示すシリカフュームがセメント粒子と均一に分散され、シリカフュームに含まれるSiOとセメントに含まれる成分が反応し、常圧下で生成されるシリケート水和物(C−S−H:x(CaO)・y(SiO)・z(HO))が生成して、緻密な組織の骨格を形成するため、本開示のコンクリート組成物によれば高強度なコンクリート硬化体が得られると推定している。
なお、本開示は上記推定機構に何ら制限されない。
本発明の一実施形態によれば、流動性が良好であり、高い強度のコンクリート硬化体を形成し得るコンクリート組成物に好適に使用しうるシリカフュームの評価方法及びコンクリート組成物の製造方法を提供することができる。
また、本発明の別の実施形態によれば、水/結合材比が0.2以下であって、流動性が良好であり、高い強度のコンクリート硬化体を形成し得るコンクリート組成物及びコンクリート組成物の硬化物である高い強度のコンクリート硬化体を提供することができる。
実施例1のコンクリート組成物に用いられたシリカフュームAの走査型顕微鏡写真である。 比較例1のコンクリート組成物に用いられた2次凝集体を含むシリカフュームBの走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2のコンクリート組成物に用いられた2次凝集体を含むシリカフュームCの走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1のコンクリート組成物に用いられたシリカフュームAの粒度分布を表すグラフである。 比較例1のコンクリート組成物に用いられたシリカフュームBの粒度分布を表すグラフである。 比較例2のコンクリート組成物に用いられたシリカフュームCの粒度分布を表すグラフである。
以下、本開示のシリカフュームの評価方法、コンクリート組成物の製造方法、コンクリート組成物及びコンクリート硬化体についてそれぞれ詳細に説明する。本開示は、以下に開示した実施形態に制限されず、その主旨を超えない限り種々の変形が可能である。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の成分の合計量を意味する。
〔コンクリート組成物〕
本開示における一実施形態であるコンクリート組成物(以下、第一の実施形態と称することがある)は、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、前記シリカフュームが、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物である。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
本開示のコンクリート組成物は、粒径は前記式(II)を満たす場合、コンクリート組成物に含まれる前記シリカフュームを走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれるシリカフュームの全粒子に対する球状粒子の割合が、個数基準で90%以上であることが好ましい。
なお、本明細書における「コンクリート組成物」の文言は、骨材として細骨材のみを含み、粗骨材を含まない「モルタル組成物」をも包含する意味で用いられる。
(シリカフューム)
本開示のコンクリート組成物に含まれるシリカフュームの粒子を観察した場合、その大部分、具体的には走査型電子顕微鏡写真(以下、SEM写真と称することがある)により、視野角内において観察しうるシリカフューム粒子が、全粒子に対する個数基準で90%以上が球状粒子であり、2次凝集体の如き、不定形状の粒子を含まないか、或いは、含んでも10%未満である。
シリカフュームが、上記条件を満たし、シリカフュームの粒子の殆どが、それぞれ独立に存在する球状粒子であることで、シリカフュームと、セメントと、骨材と、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるコンクリート組成物の流動性が作業性の良好な範囲に維持される。
図1は、後述する実施例1のコンクリート組成物に含まれるシリカフューム粒子のSEM写真である。図1に明らかなように、SEM写真の視野角に含まれるシリカフュームは、殆どが球状粒子であることがわかる。なお、図1に示すSEM写真は、測定対象としてのシリカフューム粒子をカーボンテープ(5mm×5mm)に付着させた状態で、撮影した。
測定対象試料の作製は、既述のカーボンテープにシリカフューム粒子を配置し、粒子の配置された表面をスプーンで押し当てて粒子をカーボンテープに押しつけ、その後、余剰の粒子を、ブロワーを用いて除くことにより行なった。
図1に示すSEM写真は、走査型電子顕微鏡として(株)日立ハイテクノロジーズ製、SU8230を用い、20000倍で撮影した写真である。
本開示のコンクリート組成物に含まれるシリカフュームは、粉体状、スラリー状または顆粒状のどちらの形態でも用いることができる。
シリカフュームは、シリカフュームの全粒子に対する、粒径が0.1μm以上10μm以下の粒子の割合が90%以上であり、かつ、粒度分布測定により得られる平均粒径が0.2μm以上1.5μm以下であることが、得られるセメントスラリーの流動性がより良好であるという観点から好ましい。
即ち、粒度分布測定した場合のグラフが正規分布に近い形状を有し、かつ、0.1μm未満の微細な粒子、及び10μmを超える大粒径粒子が存在しないか、含有量が10%未満である、分散度の高い粒子であり、粒度分布測定により得られる平均粒子径が、0.1μm〜3.0μmであることが好ましく、0.1μm〜1.5μmであることがより好ましい。
なお、上記式(I)及び式(II)は、式(II)で規定する範囲から明らかなように、シリカフュームとして、平均一次粒径が1.0μm〜2.0μmの範囲の比較的大きな粒径を規定している。平均一次粒径が1.0μm未満である比較的微細なシリカフューム粒子の評価方法については後述する。
シリカフュームとしては、一般に用いられるフェロシリコンや金属シリコン製造時に副成されるシリカフューム(平均粒径:0.1μm〜0.2μm、pH5〜10)、ジルコニア由来のシリカフューム(平均粒径:0.22μm〜1.0μm、pH2〜4)等が挙げられ、これらのうち、SEM写真を観察したとき、視野角に含まれるシリカフュームの全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフュームを選択して用いればよい。
本明細書におけるシリカフュームの粒径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII)で測定した個数基準の粒度分布から求めることができる。
シリカフュームの含有量としては、コンクリート組成物における全結合材中、10質量%〜30質量%であることが好ましく10質量%〜20質量%であることがより好ましい。シリカフュームを全結合材中、10質量%〜30質量%含有させるには、結合材であるセメントのうちの10質量%〜30質量%をシリカフュームで置き換えればよい。なお、ここで言うシリカフュームの含有量とは、複数種のシリカフュームを併用する場合にはその総量を指す。シリカフュームの含有量が上記範囲において、コンクリート組成物の流動性向上効果及び得られるコンクリート硬化体の強度向上効果が充分に発現される。
なお、既述のように市販のセメントの中には、予めシリカフュームが含まれているものがあり、このようなセメントを用いる場合には、予め含有されたシリカフュームの含有量を考慮して、追加して含有させるシリカフュームの置き換え量を算出する必要がある。市販のセメントに含まれるシリカフュームの粒子形状が本開示に規定する範囲外である場合、好ましい流動性が得られない懸念があるため、シリカフュームを含むセメントにおけるシリカフュームの粒子形状が球状粒子であることを確認して用いることが好ましい。
また、コンクリート組成物の硬化性の観点からは、シリカフュームは、二酸化ケイ素(SiO)を質量比で80%以上含有し、90%以上であることが好ましく、かつ、BET法による比表面積が3m/g〜25m/gであることが好ましく、5m/g〜15m/gであることがより好ましい。
SiOの含有量が80質量%以上であることで、反応性が充分に得られ、得られるコンクリート硬化体の強度向上効果が充分に発現される。また、比表面積が上記範囲であることで、流動性及び混練性が良好に維持される。
(水/結合材比)
本開示のコンクリート組成物は、水/結合材比が0.2以下の組成物であることが好ましく、流動性が適切であり、かつ、高強度のコンクリート硬化体を得やすいという観点からは、0.08〜0.17の範囲であることがより好ましく、0.09〜0.13の範囲であることがさらに好ましい。
本明細書における結合材とは、コンクリート組成物に含まれる主成分であるセメント及び一般にセメントと共に用いられるシリカフューム、スラグ、フライアッシュなどのセメント硬化体の硬化に関与する微粉末(固形分)を包含するものである。
なお、骨材、流動化向上のために添加される界面活性剤等は、本明細書における結合材には包含されない。
(セメント)
本開示のコンクリート組成物に含まれるセメントには特に制限はなく、目的に応じて、各種セメント類の中から、適宜選択することができる。
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどの公知のセメントはいずれも好適に使用しうる。なかでも、低熱ポルトランドセメントを好ましく挙げることができる。
また、予めシリカフュームを含有するポルトランドセメントを用いてもよい。しかし、既述のようにセメントに含まれるシリカフュームの粒子形状に留意して用いることが必要である。シリカフュームを含有するポルトランドセメントを用いる場合、既述のようにシリカフュームの含有量は、予めセメントに含まれるシリカフュームの含有量を考慮して決定される。
(その他の結合材)
本開示のコンクリート組成物は、セメント及びシリカフュームに加え、効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、その他の結合材を適宜選択して、適切な使用量で使用してもよい。
その他の結合材としては、結晶質のシリカを微粉砕したシリカ微粉末、高炉スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末、フライアッシュなどが挙げられる。
セメント及びシリカフューム以外の結合材の含有量は、全結合材の10質量%以下であることが好ましい。
(骨材)
コンクリート組成物は、骨材を含有する。骨材としては、細骨材が好ましい。また、さらに粗骨材を含んでもよい。
(1.細骨材)
細骨材は、良質で堅固な天然砂、砕砂、加工砂は使用される。細骨材の種類と含有量は目標とするセメント硬化体の強度に応じて適宜選定すればよいが、砕砂や加工砂を使用する場合には、角を処理したものや、粒度を調整したもの等を使用するのが効果的である。
細骨材として、成分にSiOが多い細骨材を用いると、シリカフュームに含有されるSiO由来成分と同様の挙動を示し、細骨材の構成成分が高温養生などを行った際に僅かではあるが反応するため、強度増進に有効である。より具体的には、SiOを70%以上含有する細骨材、例えば、流紋岩等、石英系の骨材を用いることが好ましい。
(2.粗骨材)
骨材として、細骨材に加えて、さらに粗骨材を使用する場合には、良質で堅固な粗骨材を用いればよい。粗骨材の最大寸法は粒径(最大粒径)が20mm以下であることを要し、好ましくは最大寸法が15mm以下とすることが望ましい。岩種については、硬質砂岩、安山岩、流紋岩などの一般的なものから、目標とする強度に応じて適宜選定すればよい。
(その他の成分)
コンクリート組成物は、目的に応じて、さらに、減水剤、遅延剤、消泡剤など、コンクリート組成物に通常用いられるその他の成分を含むことができる。
〔コンクリート硬化体〕
本開示のコンクリート硬化体は、既述の本開示のコンクリート組成物の硬化物であり、材齢28日における圧縮強度が250MPa以上である。
本開示のコンクリート硬化体は、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下である本開示のコンクリート組成物を混合して型枠に投入し、硬化させて得ることができる。
型枠に投入し、硬化させた成形体は、公知の養生を行うことができる。養生を行うことで、得られるコンクリート硬化体の強度がより向上する。
コンクリート成形体の養生方法には特に制限はなく、公知の養生方法を、硬化体の使用目的等に応じて適宜選択して適用することができる。
公知の養生方法としては、例えば、70℃〜100℃の温度範囲で2時間〜72時間行う常圧蒸気養生、100℃〜400℃の温度範囲で2時間〜72時間加熱する加熱養生、オートクレーブ内で、高圧条件で行う高圧水蒸気養生等が挙げられる。
公知の蒸気養生を行うことで、水/結合材比が質量基準で0.2以下である本開示のコンクリート組成物の硬化物であるコンクリート硬化体は、材齢28日における圧縮強度が250MPa以上である高強度硬化体となる。
コンクリート硬化体の製造に際しては、まず、既述のコンクリート組成物を均一に混合して流動状のスラリーを調製する。
混合は常法により行うことができる。即ち、セメント、骨材、シリカフューム、水及び所望により添加されるその他の添加剤をミキサに投入して混合することでスラリーを調製する方法である。また、まず、骨材を混合した後、セメント及びシリカフュームを添加して混合し、その後、水を添加して混合する等、材料を順次添加して混合してもよく、全結合材中の50質量%〜90質量%と水とを練り混ぜてスラリーを調製し、その後、残余の結合材を投入して混合する方法をとることもできる。
必要に応じて消泡剤、減水剤などを、スラリーの調製時に含有させてもよい。
調製されたスラリーを型枠に投入して硬化させ、コンクリート成形体を形成する。スラリーを型枠内に投入した後、常法に従い脱泡などの工程をさらに行ってもよい。
型枠内に投入されたコンクリート組成物が自己発熱を伴い硬化してコンクリート成形体が形成されるまで脱型を行わないことが好ましく、このようにして得られた硬化したコンクリート成形体を既述の如き公知の養生工程に付することが好ましい。
養生方法には特に制限はなく、標準養生、蒸気養生などの公知の養生方法を適用すればよい。また、蒸気養生と加熱養生など、複数の養生を順次行ってもよい。
好ましくは養生工程を実施して得られたコンクリート硬化体は、水分の逸散や吸水を抑えるための被膜材で表面を被覆したり、表面に処理剤を含浸させたりする表面処理工程を施してもよい。
〔コンクリート組成物〕
本開示のコンクリート組成物の別の実施形態(以下、第二の実施形態と称することがある)として、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、前記シリカフュームが、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物が挙げられる。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
第二の実施形態における上記式(III)及び式(IV)の規定は、平均一次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のシリカフュームに係る。即ち、平均一次粒径が1.0μm未満であるシリカフュームは、平均一次粒径が1.0μm以上のシリカフュームに比較して凝集しやすいが、凝集体の二次粒径が流動性を損なうほど大きくなり難く、従って、式(III)で表される、超音波付与後に求めた50%積算粒径Bに対する水分散物における50%積算粒径Aの比率は、既述の式(I)により規定された範囲より、より大きい場合にも良好な分散性が発現し、本開示の第二の実施形態のコンクリート組成物もまた、実用上問題のない流動性を発現する。
なお、第二の実施形態のコンクリート組成物において用い得るセメント、骨材、水、その他の任意の成分、及び水/結合材比は、既述の第一の実施形態のコンクリート組成物と同じであり、好ましい例も同様である。第二の実施形態のコンクリート組成物において用い得るシリカフュームは、平均一次粒子径が相違する以外は、既述の第一の実施形態のコンクリート組成物において例示したシリカフュームと同様である。
従って、第二の実施形態のコンクリート組成物においても、前記骨材は、粗骨材を含む態様をとることができる。
本開示の第二の実施形態のコンクリート組成物は、既述の第一の実施形態のコンクリート組成物と同様に、高強度の硬化体を形成しうる、本開示の第二の実施形態のコンクリート組成物の硬化物であるコンクリート硬化体は、既述の本開示の第一の実施形態のコンクリート組成物の硬化物と同様に、材齢28日における圧縮強度が250MPa以上であることが好ましい。
このようなコンクリート硬化体は、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下である本開示の第二の実施形態のコンクリート組成物を混合して型枠に投入し、硬化させて得ることができる。
〔シリカフュームの評価方法〕
次に、本開示のシリカフュームの評価方法について述べる。本開示のシリカフュームの評価方法は、使用するシリカフュームの平均一次粒径が1.0μm以上2.0μm以下の粒子を用いる場合(第一の実施形態)と、使用するシリカフュームの平均一次粒径が0.1μm以上1.0μm未満の粒子を用いる場合(第二の実施形態)と、互いに異なる評価基準にて評価する。
まず、本開示のシリカフュームの評価方法の第一の実施形態について説明する。
シリカフュームの評価方法の第一の実施形態は、シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすか否かを確認することを含む。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
分散液に含まれるシリカフュームの粒度分布測定は、マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII装置を用いて、レーザー回折散乱式の方法に準拠して行うことができる。測定は常温:25℃にて行う。なお、粒度分布は個数基準である。
式(II)に示す如く、前記式(I)で表される規定は、50%積算粒径が1.0μm以上2.0μm以下のシリカフューム粒子に適用される評価方法である。
上記式(I)を満たすシリカフュームは、超音波を付与して凝集体を解砕する前と解砕した後の粒度分布から得られたシリカフュームの50%積算粒径に大きな変化はなく、超音波付与しない状態でも、2次凝集体が殆ど存在せず、各粒子が良好な単分散状態を維持していることを意味する。従って、上記式(I)を満たすシリカフュームは、特段の処理を行わずにそのままコンクリート組成物に使用して、良好な流動性を得ることが期待できると評価される。
他方、式(I)を満たさない場合には、超音波付与する前には、より大きな2次凝集体が存在するシリカフュームであることを示し、このようなシリカフュームをコンクリート組成物にそのまま含有させると、水が最初にシリカフューム凝集体内部に吸着され、2次凝集体に起因して流動性の低下が懸念されると評価される。
式(I)における〔A/B〕の値が1.0に近いほど、超音波付与の前後における平均粒径、即ち、粒度分布におけるピーク値の変動がなく、無処理のシリカフュームの分散状態が良好であることを示す。
なお、後述の実施例におけるように、超音波振動を付与する時間を180秒、360秒、及び540秒にて評価した。その結果、いずれも同様の傾向が見られ、超音波振動の付与前後にてシリカフュームの分散状態が推定できることが確認された。
本開示では、超音波振動未付与の水分散液における評価との際が最も顕著に表れた540秒間の超音波振動を付与した後のデータを、評価基準として採用したものである。
式(I)における〔A/B〕の値は、シリカフュームの平均粒径に依存して、より好ましい範囲が存在する。粒径が小さいものほど、凝集しやすく、粒径が大きいものほど凝集性は小さいので、粒径に応じて適切にA/Bの値を選択するのが好ましい。
例えば、シリカフュームの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下と50%積算粒径が比較的大きい場合、即ち、既述の式(II)を満たす場合には、既述の水分散液を対象として測定した50%積算粒径Aと、超音波分散液を対象として測定した50%積算粒径Bとの関係〔A/B〕は、以下の式(I−2)を満たすことが好ましく、式(I−3)を満たすことがより好ましい。
〔A/B〕≦4 式(I−2)
〔A/B〕≦3 式(I−3)
次に、本開示のシリカフュームの評価方法の第二の実施形態について説明する。
シリカフュームの評価方法の第二の実施形態は、シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすか否かを確認することを含むシリカフュームの評価方法である。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
また、シリカフュームの50%積算粒径が0.1μm以上1.0μm未満である場合、即ち、式(IV)を満たす場合、既述の水分散液を対象として測定した平均粒径Aと、超音波分散液を対象として測定した平均粒径Bとの関係〔A/B〕は、既述の式(III)を満たし、式(IV−2)を満たすことが好ましい。
〔A/B〕≦200 式(IV−2)
既述のように、本開示のシリカフュームの評価方法によれば、大がかりな装置を必要とせず、簡易な方法にて、例えば、市販のシリカフュームが、水/結合材比が小さく、高強度コンクリート硬化体を製造し得るコンクリート組成物の調製に適するか否かの評価を行うことができる。
〔コンクリート組成物の製造方法〕
次に、本開示のコンクリート組成物の製造方法について述べる。本開示のコンクリート組成物の製造方法においては、使用するシリカフュームの平均一次粒径が1.0μm以上2.0μm以下の粒子を用いる場合(第一の実施形態)と、使用するシリカフュームの平均一次粒径が0.1μm以上1.0μm未満の粒子を用いる場合(第二の実施形態)と、互いに異なる評価基準にて評価し、選択したシリカフュームを用いてコンクリート組成物を製造する製造方法である。
まず、本開示のコンクリート組成物の製造方法の第一の実施形態について説明する。
本開示のコンクリート組成物の製造方法の第一の実施形態は、シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、
セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
即ち、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造に先立ち、まず、使用するシリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームを選択する。
〔A/B〕≦5.0 式(I)
1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
前記工程を経ることで、シリカフュームとして50%積算粒径が1.0μm以上2.0μm以下の比較的粗粒であるシリカフュームを用いた場合において、水/結合材比が質量基準で0.2以下である高強度硬化体を製造しうるコンクリート組成物の製造に適するシリカフュームを選択することができる。
したがって、上記工程を経て選択されたシリカフュームを含むことで、打込み時の流動性に優れ、かつ、高強度のコンクリート硬化体を製造しうるコンクリート組成物を簡易に製造することができる。
次に、本開示のコンクリート組成物の製造方法の第二の実施形態について説明する。
コンクリート組成物の製造方法の第二の実施形態は、シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法である。
〔A/B〕≦300 式(III)
0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
前記工程を経ることで、シリカフュームとして50%積算粒径が0.1μm以上1.0μm未満の比較的微粒であるシリカフュームを用いた場合において、水/結合材比が質量基準で0.2以下である高強度硬化体を製造しうるコンクリート組成物の製造に適するシリカフュームを選択することができる。
したがって、上記工程を経て選択されたシリカフュームを含むことで、打込み時の流動性に優れ、かつ、高強度のコンクリート硬化体を製造しうるコンクリート組成物を簡易に製造することができる。
本開示のコンクリート組成物の製造方法に用いられる各材料は、既述の本開示のコンクリート組成物の項において述べた材料と同じであり、好ましい態様も同様である。
本開示のコンクリート組成物の製造方法は、一般的なコンクリート組成物の製造に適用されるその他の工程を含むことができる。
即ち、セメントと、骨材と、前記工程により選択したシリカフュームに対し、水を適切な量で混合し、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるコンクリート組成物を調製する、このとき、必要に応じて消泡剤、減水剤などの添加剤を含有させてもよい。
調製されたコンクリート組成物は、型枠に投入し、硬化させてコンクリート成形体を形成し、養生することで、既述のコンクリート硬化体の製造に供することができる。
本開示の製造方法により得られたコンクリート組成物は、分散状態の良好なシリカフュームを含有するため、水/結合材比が低くても、速やかに均一に混合して流動状のスラリーを得ることができる。
混合は常法により行うことができる。即ち、セメント、骨材、シリカフューム、水及び所望により添加されるその他の添加剤をミキサに投入して混合することでスラリーを調製する方法である。このとき、骨材として粗骨材を配合してもよい。
本開示の製造方法により得られたコンクリート組成物は、水/結合材比は0.2以下であるが、分散性に優れ、2次凝集体が殆ど含まれないシリカフュームを含有しているために流動性に優れ、型枠内に均一に投入される。
本開示のコンクリート組成物は水/結合材比が0.2以下であっても流動性に優れるため、型枠への投入が速やかに行われ、さらに、既述のように本開示のコンクリート組成物から得られたコンクリート硬化体は、均一で高強度である。また、このようなコンクリート組成物に適するシリカフュームを、本開示のシリカフュームの評価方法により、簡易に選択することができる。
以下、本開示のシリカフュームの評価方法、コンクリート組成物の製造方法、コンクリート組成物及び硬化体について、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本開示は以下の記載に制限されるものではない。
(実施例1、比較例1、2)
〔コンクリート組成物の配合〕
<使用材料>
(セメント)
セメント:低熱ポルトランドセメント
(商品名:宇部三菱セメント社製、密度:3.24g/cm
(シリカフューム)
シリカフュームA:SF−Silicafume(商品名:巴工業(株)製、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:7m/g、密度2.3g/cm
シリカフュームB:SF−AN(商品名:巴工業(株)製、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:14m/g、密度2.2g/cm
シリカフュームC:AGCSF(商品名:旭硝子セラミック(株)製、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:11m/g、密度2.2g/cm
(水)
水:水道水
(細骨材)
細骨材:石英系細骨材(粒度D50:212μm、密度:2.6g/cm
(その他添加剤)
混和剤:カルボン酸系高性能減水剤:SSP−104T、商品名:竹本油脂(株)製
消泡剤:AFK−2、商品名:竹本油脂(株)製
下記表1に、実施例、比較例のコンクリート組成物の調合条件を示す。調合に使用した各材料の詳細は、上記の通りである。
なお、下記表1中、含有量の「C×」は、セメント(Cで略記)に対する各成分の含有比率であることを示し、「S/C」は、細骨材/セメントの含有比を示す。
Figure 0006952538
[シリカフュームの評価]
(1.SEMによる形状観察)
上記シリカフュームA、シリカフュームB、及びシリカフュームCについて、それぞれ、0.1g以下の少量の粒子を、サイズ5mm×5mmのカーボンテープ(日新EM(株)製、NEMTAPE:商品名)に付着させ、高分解能走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、SU8230)を用い、SEM像(20000倍)を撮影し、粒子形状の観察を行った。
図1は、シリカフュームAのSEM写真である。図1より、シリカフュームAは、0.1μmから10μm程度と幅広い粒子径を持つ粒子群であることが確認された。視野角に観察できる殆どすべての粒子が球状粒子であることが確認され、観察される全粒子に対する球状粒子の割合は99%を超えていた。したがって、シリカフュームAは、本開示のコンクリート組成物に適合するシリカフュームであることがわかる。
シリカフュームAを用いて、表1の処方に従い、後述の方法により実施例1のコンクリート組成物を調製した。
図2は、シリカフュームBのSEM写真である。図2より、シリカフュームBは、0.1μmから10μm程度と幅広い粒子径を持つ粒子群であることが確認された。視野角に観察できる粒子は、球状粒子が変形、又は凝集し、球形をしていない粒子が多く存在することが確認され、観察される全粒子に対する球状粒子の割合は70%以下であった。したがって、シリカフュームBは、本開示のコンクリート組成物に適合しないシリカフュームであることがわかる。
シリカフュームBを用いて、表1の処方に従い、後述の方法により比較例1のコンクリート組成物を調製した。
図3は、シリカフュームCのSEM写真である。図3より、シリカフュームCは、0.1μmから10μm程度と幅広い粒子径を持つ粒子群であることが確認された。視野角に観察できる粒子は、球状粒子が変形、又は凝集し、球形をしていない粒子が多く存在することが確認され、観察される全粒子に対する球状粒子の割合は85%以下であった。したがって、シリカフュームCは、本開示のコンクリート組成物に適合しないシリカフュームであることがわかる。
シリカフュームCを用いて、表1の処方に従い、後述の方法により比較例2のコンクリート組成物を調製した。
(2.粒度分布からの平均粒子径による評価)
上記シリカフュームA、シリカフュームB、及びシリカフュームCについて、それぞれ1gを、水99gに分散させ、撹拌してシリカフュームの水分散液を調製した。
得られた水分散液を評価対象として、レーザー回折式粒度分布計(マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII装置を用いて粒度分布を測定した。
次に、得られたシリカフュームの水分散液に対し、マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII装置を用いて、40kHzの超音波振動を180秒付与した後、水分散液に対する方法と同様にして粒度分布を測定した。超音波振動を付与する時間を360秒、540秒に変えて同様にして粒度分布を測定した。評価に用いた前記レーザー回折式粒度分布計は、分散物に超音波を付与する機能を有する装置である。
まず、シリカフュームAを評価した。
これらの結果を図4のグラフに示した。
また、粒度分布から得られたピーク粒径に基づく平均粒径を下記表2に示した。
図4及び表2の結果より、シリカフュームAでは、水分散液の粒度分布から得られた平均粒径Aは、1.676μmであり、540秒間超音波を付与した後に粒度分布から得られた平均粒径Bは、1.597μmであり、〔平均粒径A/平均粒径B〕の値は、1.052であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(I)の条件を満たすことがわかる。
また、図4のグラフにおける分散状態より、前記シリカフュームの評価方法により、本開示の範囲であると図4から確認されたシリカフュームAは、図1に示すSEM写真に明らかなように、SEM写真の視野角内における殆どの粒子が球状粒子であるシリカフュームAであることがわかる。
次に、シリカフュームBについて、シリカフュームAと同様にして評価した。
シリカフュームBにおける結果を図5のグラフに示した。
また、粒度分布から得られたピーク粒径に基づく平均粒径を下記表2に示した。
図5及び表2の結果より、シリカフュームBでは、水分散液の粒度分布から得られた平均粒径Aは、25.74μmであり、540秒間超音波を付与した後に粒度分布から得られた平均粒径Bは、1.443μmであり、〔平均粒径A/平均粒径B〕の値は、17.838であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(I)の条件を満たさないことがわかる。
図5の如き分散状態を有するシリカフュームBは、図2のSEM写真で観察された粒子と同じであり、凝集体を多く含むことがわかる。
シリカフュームCについて、シリカフュームAと同様にして評価した。
シリカフュームCにおける結果を図6のグラフに示した。
また、粒度分布から得られたピーク粒径に基づく平均粒径を下記表2に示した。
図6及び表2の結果より、シリカフュームCでは、水分散液の粒度分布から得られた平均粒径Aは、14.3μmであり、540秒間超音波を付与した後に粒度分布から得られた平均粒径Bは、1.584μmであり、〔平均粒径A/平均粒径B〕の値は、9.028であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(I)の条件を満たさないことがわかる。
図6に示すグラフの如き分散状態を有するシリカフュームCは、図3のSEM写真で観察された粒子と同じであり、シリカフュームBよりもやや良好ではあるが、やはり凝集体が観察されることがわかる。
Figure 0006952538
これらの結果より、超音波を付与した後得られる50%積算粒径(B)は、シリカフュームA、B及びCのいずれも、上記式(II)を満たすことがわかる。
さらに、上記式(I)の値を満たすシリカフュームAは、水分散液中においても、凝集体を形成していないことが確認された。
他方、式(I)を満たさないシリカフュームB及びシリカフュームCはいずれも、超音波振動付与前の水分散液中では20μm〜40μm程度の凝集体を形成しており、そのままコンクリート組成物に使用するには不適であることがわかる。
<コンクリート組成物の調製>
(1.スラリーの調製)
前記表1に記載のコンクリート組成物の調合条件に従い、水、セメント、骨材、及びそれぞれのシリカフュームを表1に記載の量で、ホバートミキサ(ホバートジャパン社製 HL−200:商品名、容量:10L(リットル))を用いて、全量を投入後、速度:270rpm(回転数/分)で、10分間撹拌して、スラリーを調製した。
(2.スラリーの物性評価)
得られたスラリーのテーブルフローをJIS R5201(2015年)に準拠して測定した。結果を、下記表3に示す。
テーブルフローの目標値は200mmであり、実施例1、比較例1及び比較例2のコンクリート組成物によるスラリーは、いずれも目標値を達成しており、実用上問題のない流動性を示した。
(3.硬化体の製造)
得られたスラリーを直径50mm高さ100mmの円筒形型枠に投入し、棒を貫入して上下させることで脱泡を行った。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、硬化を確認した後、型枠から取り出し、成形体を得た。
得られた成形体を、昇温速度、降温速度10℃/hrで、最高温度90℃になるまで加熱し、72時間蒸気養生を行い、コンクリート硬化体を得た。
(4.コンクリート硬化体の強度試験)
得られたセメント硬化体をJIS A 1108(2006年)に準じて材齢28日の圧縮強度を測定した。結果を表3に併記した。
なお、表1に記載の処方のコンクリート組成物において、セメントをシリカフュームに置き換えなかった、即ち、シリカフュームを含有しないコンクリート組成物を調製し、実施例1と同様に評価した結果を、参考例として表3に併記した。
Figure 0006952538
表3より、実施例1のコンクリート組成物によるスラリーは、良好な流動性を示し、得られた硬化体は292MPaと、非常に高い圧縮強度を示していることが明らかとなった。
他方、比較例1及び比較例2のコンクリート組成物によるスラリーも実用上問題のない流動性を示してはいたが、実施例1における流動性よりも低い値であり、得られた硬化体の圧縮強度も、実施例1のコンクリート組成物により得られた硬化体よりも劣っていた。
これらの結果より、凝集体を含まないシリカフュームを選択することで、スラリーの良好な流動性が達成され、得られる硬化体の強度がより高くなることがわかる。
また、コンクリート組成物の調製に好適な分散状態を示す、凝集体を含まないシリカフュームを、水分散物の超音波付与前後の粒度分布により得られる平均粒径の算出結果より、簡易に評価し、選択できることがわかる。
(実施例2、3、比較例3)
〔コンクリート組成物の配合〕
<使用材料>
(セメント)
セメント:低熱ポルトランドセメント
(商品名:宇部三菱セメント社製、密度:3.24g/cm
(シリカフューム)
シリカフュームD:sf−r(、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:19m/g、密度2.3g/cm
シリカフュームE:マイクロシリカ940U、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:23m/g、密度2.3g/cm
シリカフュームF:マイクロシリカ971U、平均粒径0.15μm、二酸化ケイ素含有量:95質量%、BET比表面積:23m/g、密度2.3g/cm
(水)
水:水道水
(細骨材)
細骨材:石英系細骨材(粒度D50:212μm、密度:2.6g/cm
(その他添加剤)
混和剤:カルボン酸系高性能減水剤:SSP−104T、商品名:竹本油脂(株)製
消泡剤:AFK−2、商品名:竹本油脂(株)製
下記表4に、実施例2、実施例3、及び比較例3のコンクリート組成物の調合条件を示す。調合に使用した各材料の詳細は、上記の通りである。
なお、下記表1中、含有量の「C×」は、セメント(Cで略記)に対する各成分の含有比率であることを示し、「S/C」は、細骨材/セメントの含有比を示す。
Figure 0006952538
[シリカフュームの評価]
(1.粒度分布からの平均粒子径による評価)
上記シリカフュームD、シリカフュームE、及びシリカフュームFについて、それぞれ1gを、水99gに分散させ、撹拌してシリカフュームの水分散液を調製した。
得られた水分散液を評価対象として、レーザー回折式粒度分布計(マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII装置を用いて粒度分布を測定した。
次に、得られたシリカフュームの水分散液に対し、マイクロトラックベル(株)製、MT3300EXII装置を用いて、40kHzの超音波振動を540秒付与した後、水分散液に対する方法と同様にして粒度分布を測定し、50%積算粒径を得た。
また、より共振し易い超音波振動数を調整できる(株)日本精機製作所製、超音波ホモジナイザーus−150t(商品名)を用いて、シリカフュームの水分散液に対し、周波数19.5kHZで、180秒間、超音波振動を与えて同様にして粒度分布を測定し、50%積算粒径を得た。これを、上記で得たレーザー回折式粒度分布計により測定した結果と対比したところ、ほぼ同様の結果が得られ、超音波振動付与装置によれば、より短い超音波付与時間で同様の結果が得られることが示唆された。
まず、シリカフュームDを評価した。
粒度分布から得られた50%積算粒径を下記表3に示した。
表3の結果より、シリカフュームDでは、水分散液の粒度分布から得られた50%積算粒径Aは、50μmであり、超音波を付与した後に粒度分布から得られた50%積算粒径Bは、0.29μmであり、〔A/B〕の値は、172であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(III)及び式(IV)のいずれの条件をも満たすことがわかる。
次に、シリカフュームEについて、シリカフュームDと同様にして評価した。
粒度分布から得られた50%積算粒径を下記表5に示した。
表5の結果より、シリカフュームEでは、水分散液の粒度分布から得られた50%積算粒径Aは、90μmであり、540秒間超音波を付与した後に粒度分布から得られた50%積算粒径Bは、0.5μmであり、〔A/B〕の値は、180であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(III)及び式(IV)のいずれの条件をも満たすことがわかる。
シリカフュームFについて、シリカフュームDと同様にして評価した。
粒度分布から得られた50%積算粒径を下記表5に示した。
表5の結果より、シリカフュームFでは、水分散液の粒度分布から得られた平均粒径Aは、150μmであり、540秒間超音波を付与した後に粒度分布から得られた平均粒径Bは、0.45μmであり、〔A/B〕の値は、333であり、本開示のシリカフュームの評価方法で規定する式(III)の条件を満たすが、式(IV)の条件を満たさないことがわかる。
Figure 0006952538
これらの結果より、シリカフュームD及びシリカフュームEは、いずれも、水分散液中においても、過度の凝集体を形成していないことが確認された。
他方、シリカフュームFは、超音波振動付与前の水分散液中では一次粒子の300倍以上の径であり、凝集体の形成が顕著であり、そのままコンクリート組成物に使用するには不適であることがわかる。
<コンクリート組成物の調製>
(1.スラリーの調製)
前記表1に記載のコンクリート組成物の調合条件に従い、水、セメント、骨材、及びそれぞれのシリカフュームを表1に記載の量で、ホバートミキサ(ホバートジャパン社製 HL−200:商品名、容量:10L(リットル))を用いて、全量を投入後、速度:270rpm(回転数/分)で、10分間撹拌して、スラリーを調製した。
(2.スラリーの物性評価)
得られたスラリーのテーブルフローをJIS R5201(2015年)に準拠して測定した。結果を、下記表6に示す。
テーブルフローの目標値は200mmであり、実施例1、比較例1及び比較例2のコンクリート組成物によるスラリーは、いずれも目標値を達成しており、実用上問題のない流動性を示した。
(3.硬化体の製造)
得られたスラリーを直径50mm高さ100mmの円筒形型枠に投入し、棒を貫入して上下させることで脱泡を行った。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、硬化を確認した後、型枠から取り出し、成形体を得た。
得られた成形体を、昇温速度、降温速度10℃/hrで、最高温度90℃になるまで加熱し、72時間蒸気養生を行い、コンクリート硬化体を得た。
(4.コンクリート硬化体の強度試験)
得られたセメント硬化体をJIS A 1108(2006年)に準じて材齢28日の圧縮強度を測定した。結果を表6に併記した。
Figure 0006952538
表6より、実施例2及び実施例3のコンクリート組成物によるスラリーは、良好な流動性を示し、得られた硬化体は比較例3よりも高い圧縮強度を示していることが明らかとなった。
他方、比較例3のコンクリート組成物によるスラリーも実用上問題のない流動性を示してはいたが、実施例2及び実施例3における流動性よりも低い値であり、得られた硬化体の圧縮強度も、実施例2及び実施例3のコンクリート組成物により得られた硬化体よりも劣っていた。
これらの結果より、50%積算粒径が1.0μm未満の微細なシリカフュームであっても、凝集体を含まないか、或いは、含んでも凝集体の程度が許容の範囲であるシリカフュームを選択することで、スラリーの良好な流動性が達成され、得られる硬化体の強度がより高くなることがわかる。
また、コンクリート組成物の調製に好適な分散状態を示す、凝集体を含まないか、或いは、含んでも許容される範囲であるシリカフュームを、水分散物の超音波付与前後の粒度分布により得られる平均粒径の算出結果より、簡易に評価し、選択できることがわかる。

Claims (9)

  1. 走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすか否かを確認することを含むシリカフュームの評価方法。
    〔A/B〕≦5.0 式(I)
    1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
  2. 走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、
    セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法。
    〔A/B〕≦5.0 式(I)
    1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
  3. セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、
    前記シリカフュームが、走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフュームであり、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(I)及び式(II)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物。
    〔A/B〕≦5.0 式(I)
    1.0μm≦B≦2.0μm 式(II)
  4. 前記シリカフュームは、
    シリカフュームの全粒子に対する、粒径が0.1μm以上10μm以下の粒子の割合が90%以上であり、
    かつ、粒度分布測定により得られる平均粒径が0.2μm以上1.5μm以下である請求項3に記載のコンクリート組成物。
  5. 前記骨材が、粗骨材を含む請求項3又は請求項4に記載のコンクリート組成物。
  6. 請求項3〜請求項のいずれか1項に記載のコンクリート組成物の硬化物であり、材齢28日における圧縮強度が250MPa以上であるコンクリート硬化体。
  7. 走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすか否かを確認することを含むシリカフュームの評価方法。
    〔A/B〕≦300 式(III)
    0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
  8. 走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームを選択する工程を有する、
    セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であるコンクリート組成物の製造方法。
    〔A/B〕≦300 式(III)
    0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
  9. セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比が質量基準で0.2以下であり、
    前記シリカフュームが、走査型電子顕微鏡で観察したとき、視野角に含まれる全粒子に対する球状粒子の割合が個数基準で90%以上であるシリカフュームであり、前記シリカフューム1gを水100gに分散させ、得られたシリカフューム分散液を測定対象として粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をAとし、前記得られたシリカフューム分散液に、15kHz〜50kHzから選ばれる周波数の超音波を540秒間付与した超音波分散液を測定対象とし、粒度分布を測定して得たシリカフュームの50%積算粒径をBとしたとき、前記Aと前記Bとが、下記式(III)及び式(IV)を満たすシリカフュームであるコンクリート組成物。
    〔A/B〕≦300 式(III)
    0.1μm≦B<1.0μm 式(IV)
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