JP2018001326A - 研削方法及び研削盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】砥石回転数N/工作物回転数nである回転数比が整数倍にならない膨大な量のN/nの値の中から、スパークアウトの周回数に対応させた適切な値に設定することで、スパークアウトにて工作物の表面をより滑らかに仕上げてビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる研削方法及び研削盤を提供する。【解決手段】スパークアウトの周回数を2以上の数に設定し、スパークアウトの際に工作物に形成される周期的な凹凸の波長の整数倍が、工作物の研削個所の外周の1周分の長さと一致しないように、砥石と主軸の少なくとも一方の回転数をスパークアウトの周回数に対応させて調整し、1周目のスパークアウトの際に形成された凹凸の凸部を、2周目以降のスパークアウトの際に、1周目のスパークアウトの凹凸に対してスパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた凹凸の凹部にて相殺する。【選択図】図5

Description

本発明は、砥石回転軸線回りに回転する砥石であり、砥石回転軸線に直交する断面が円形の砥石、を用いて、回転している工作物の外周面を研削する研削方法及び研削盤に関する。
いわゆる研削盤では、砥石回転軸線と平行な主軸回転軸線回りに回転する主軸にて工作物を支持している。そして、粗研削の場合では、砥石回転軸線回りに回転している砥石の外周面を、主軸回転軸線回りに回転している工作物の外周面に比較的大きく切り込んで接触させ、接触させた後も砥石を切り込んで(押し付けて)研削を行う。そして、スパークアウトでは、回転している砥石の外周面を、回転している工作物の外周面に対して比較的小さく切り込んで軽く接触させ、接触させた後は砥石を切り込むことなく、工作物を1周または2周等させて、工作物の表面を滑らかに仕上げている。なお、砥石の単位時間あたりの回転数であるNと、主軸の単位時間あたりの回転数であるnは、異なる回転数に設定されている。ここで、砥石回転数であるNが、主軸回転数であるnのちょうど整数倍である場合(N/n=整数の場合)、1周目のスパークアウトにて工作物の外周面にちょうどN/n個の凹凸が形成される。そして、2周目、3周目・・k周目のスパークアウトでも、工作物の同じ位置に同じN/n個の凹凸が形成されるので、凹凸の形成が助長され、いわゆるビビリ振動と呼ばれる微小振動が発生する。
そこで特許文献1には、砥石回転数N/工作物回転数n、である回転数比が、整数倍とならないようにして、ビビリ振動の発生を防止する研削方法が記載されている。また、N/n(回転数比)の値における整数部を除いた小数部の値を0.2〜0.8に設定することが記載されている。
特開2007−54896号公報
特許文献1に記載の研削方法では、砥石回転数N/工作物回転数n、である回転数比が、整数倍とならないようにして、ビビリ振動の発生を防止している。砥石回転数N/工作物回転数nが整数倍にならないようにすれば、スパークアウトにて工作物を何周か回転させれば、ビビリ振動は充分小さくなる。しかし、砥石回転数N/工作物回転数nが整数倍にならないようにするとともにN/nの値における整数部を除いた小数部の値を0.2〜0.8に設定するだけでは、ビビリ振動が充分小さくなるまで、スパークアウトにて工作物を何周も回転させなければならない可能性がある。これでは、研削加工の時間が延び、加工効率が低下する。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、砥石回転数N/工作物回転数nである回転数比が整数倍にならない膨大な量のN/nの値の中から、スパークアウトの周回数に対応させた適切な値に設定することで、スパークアウトにて工作物の表面をより滑らかに仕上げてビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる研削方法及び研削盤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る研削方法及び研削盤は、次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、砥石回転軸線回りに回転する砥石であり、前記砥石回転軸線に直交する断面が円形の回転体である前記砥石と、主軸回転軸線回りに棒状の工作物を回転させる主軸と、を用い、前記主軸回転軸線回りに回転している前記工作物の外周面に、前記砥石回転軸線回りに回転している前記砥石の外周面を接触させて、前記工作物の外周面を研削する研削方法であって、前記工作物に対して前記砥石を切り込んだ後、前記砥石を切り込むことなく前記工作物の外周面を研削するスパークアウトの際の前記工作物の周回数を2以上の数に設定し、前記スパークアウトの際に、振動によって前記工作物における研削個所の外周面に周方向に形成される周期的な凹凸の波長の整数倍が、前記工作物における前記研削個所の外周の1周分の長さと一致しないように、前記砥石の回転数と前記主軸の回転数との少なくとも一方の回転数を前記スパークアウトの周回数に対応させて調整し、1周目の前記スパークアウトの際に前記工作物の前記研削個所において周方向に形成された前記凹凸における凸部を、2周目以降の前記スパークアウトの際に、1周目の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸に対して、前記スパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた前記凹凸の凹部にて相殺する、研削方法である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る研削方法であって、前記砥石の単位時間あたりの回転数をN、前記主軸の単位時間あたりの回転数をn、前記スパークアウトの際の前記工作物の周回数をn0、N/nの値における整数部の値をm、小数部の値をs、とした場合、n0の値を2以上の整数に設定するとともに、N/nの値における小数部の値であるsを、s≒1/n0となるようにNまたはnの値の少なくとも一方を調整することで、1周目の前記スパークアウトにて前記工作物の前記研削個所において周方向に、m+1/n0個の周期的な前記凹凸を形成し、2周目以降の前記スパークアウトにて、1周前の前記スパークアウトに対して1/n0波長分のズレを有する前記凹凸を形成することで、1周目の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸における凸部を、2周目以降のn0−1回の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸における凹部にて削り取る、研削方法である。
次に、本発明の第3の発明は、砥石回転軸線回りに回転する砥石であり、前記砥石回転軸線に直交する断面が円形の回転体である前記砥石と、前記砥石が取り付けられて前記砥石を回転駆動する砥石用駆動モータを有する砥石台と、主軸回転軸線回りに回転する主軸であり、棒状の工作物を支持して前記主軸回転軸線回りに回転させる前記主軸と、前記主軸が取り付けられて前記主軸を回転駆動する主軸用駆動モータを有する主軸台と、前記砥石と、前記主軸に支持された前記工作物と、を前記砥石回転軸線に交差する方向に、相対的に互いに接近離間するように移動させる切り込み装置と、前記砥石の回転数、前記主軸の回転数、スパークアウトの周回数、および前記接近離間の移動量、を設定する制御装置と、を備えた研削盤において、前記制御装置は、前記砥石と前記工作物を相対的に接近させて前記工作物に前記砥石を切り込ませて研削を行う、切り込み研削部と、前記切り込み研削部にて、前記工作物に対して前記砥石を切り込んだ後、前記砥石を切り込むことなく前記工作物の外周面を研削する前記スパークアウトを行う、スパークアウト部と、前記砥石と前記工作物を相対的に離間させる、逃がし部と、前記切り込み研削部、前記スパークアウト部、前記逃がし部、の順に作動させる動作順序を記憶する工程記憶部と、を有する。そして、前記スパークアウト部に使用されるデータには、前記砥石の単位時間あたりの回転数であるNと、前記主軸の単位時間あたりの回転数であるnと、前記スパークアウトの際の前記工作物の周回数であるn0と、が有り、前記制御装置はn0の値が2未満である場合はn0の値を2以上の整数に変更し、あるいは、n0の値は予め2以上の整数に設定されており、前記制御装置は、N/nの値における整数部の値を除いた小数部の値をsとした場合において、s≒1/n0となるように、Nまたはnの値の少なくとも一方を変更する、あるいは、予めN及びnの値が設定されている、研削盤である。
第1の発明によれば、まず、スパークアウトの際の工作物の周回数を2以上の数に設定し、周期的な凹凸の波長の整数倍が、工作物の外周の1周分の長さと一致しないように砥石または主軸の少なくとも一方の回転数を、スパークアウトの周回数に対応させて調整する。さらに、スパークアウトの際の工作物の周回数を2以上の数に設定するとともに、スパークアウトの周回数に対応させてN/nの値を調整する。これにより、ビビリ振動によって1周目のスパークアウトの際に凹凸が形成されても、2周目以降のスパークアウトでは、1周目とは位相がズレた凹凸(スパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた凹凸)を形成する。これにより、1周目のスパークアウトによって工作物の表面に凹凸における凸部を、2周目以降のスパークアウトでは、1周目の凹凸に対して、スパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた凹凸で相殺する。例えば、スパークアウトの周回数が2の場合では、1/2波長分ズラせた2周目の凹凸の凹部で、1周目に形成された凹凸の凸部を相殺する。また例えばスパークアウトの周回数が3の場合では、1/3波長分ずつズラせた2周目、3周目の凹凸の凹部で、1周目に形成された凹凸の凸部を相殺する。このように、1周目のスパークアウトにて形成された凹凸の凸部を、予め設定されたスパークアウトの周回数に応じて効率よく相殺するので、ビビリ振動が充分小さくなるまで、必要以上にスパークアウトを行う必要がない。つまり、ビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる。
第2の発明によれば、スパークアウトの周回数に応じて適切な量だけ波長をずらし、1周目のスパークアウトにて形成された凹凸の凸部を、1周目の凹凸に対して1/n0波長ズレた2周目の凹凸の凹部、2/n0波長ズレた3周目の凹凸・・にて相殺する。このように、スパークアウトの周回数に対応させてN/nの小数部の値であるsの値を適切に設定することで、1周目のスパークアウトにて形成された凹凸における凸部を、残りのn0−1回のスパークアウトの凹凸における凹部にて、効率よく削り取ることができる。つまり、必要以上にスパークアウトを行う必要がなく、ビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる。
第3の発明によれば、砥石回転数N/工作物回転数nである回転数比が整数倍にならない膨大な量のN/nの値の中から、スパークアウトの周回数に対応させた適切な値に設定することで、スパークアウトにて工作物の表面をより滑らかに仕上げてビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる研削盤を、適切に実現することができる。
研削盤の概略構造の例を示す斜視図である。 研削盤の概略構造の例を示す側面図である。 研削盤の概略構造の例を示す平面図である。 研削盤の制御装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。 スパークアウトの周回数n0=2に設定した場合において、工作物の研削個所に形成される1周目のスパークアウト時の凹凸の軌跡と、2周目のスパークアウト時の凹凸の軌跡の例を説明する図である。 スパークアウトの周回数n0=3に設定した場合において、工作物の研削個所に形成される1周目のスパークアウト時の凹凸の軌跡と、2周目のスパークアウト時の凹凸の軌跡と、3周目のスパークアウト時の凹凸の軌跡の例を説明する図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。まず、本発明の研削方法を適用した研削盤2の全体構成について、図1〜図3を用いて説明する。
●[研削盤2の全体構成(図1〜図3)]
図1〜図3は、研削盤2の全体構成の例を示している。研削盤2は、ベッド10、テーブル20、主軸台30、心押台40、砥石台50等を有している。なお、X軸とY軸とZ軸が記載されている図では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸方向は鉛直上方を示し、Z軸方向は砥石55が工作物Wに切り込む水平方向を示し、X軸方向は主軸31の回転軸線31Jと平行な水平方向を示している。この例では工作物Wは、円柱状または円筒状であるが、工作物Wの形状は、この形状に限定されず、複数の段差つきの円筒状や、一部が円錐状等であってもよい。
ベッド10は、平面視において略T字状に構成されており、X軸方向に沿って延びるX軸案内面12、12Vが設けられ、X軸方向に沿って延びるX軸スリット12Kが設けられている。またベッド10には、Z軸方向に沿って延びるZ軸案内面15、15Vが設けられ、Z軸方向に沿って延びるZ軸スリット15Kが設けられている。
砥石台50は、ベッド10に載置され、Z軸案内面15、15Vに静圧案内支持されて、Z軸方向に沿って往復移動可能である。砥石台駆動モータ50M(切り込み装置に相当)は、制御装置80からの制御信号に基づいて、ボールネジ50B(図2参照)を回転させる。制御装置80は、エンコーダ50E(回転検出手段)からの検出信号に基づいた砥石台50のZ軸方向の位置を検出しながら砥石台駆動モータ50Mを制御して砥石台50のZ軸方向の位置を制御する。なお、図2に示すように、ボールネジ50Bにはナット50Nが嵌合されており、当該ナット50Nはスリット15K(図1参照)に挿通されたアーム50Aを介して砥石台50に接続されている。従って、砥石台駆動モータ50Mがボールネジ50Bを回転駆動するとナット50NのZ軸方向の位置が移動し、アーム50Aを介してナット50Nに接続された砥石台50がZ軸案内面15、15Vに沿ってZ軸方向に移動する。
砥石台50には、X軸方向に平行な砥石回転軸線55J回りに回転自在に支持された砥石軸54、砥石モータ55M(砥石用駆動モータに相当)、が設けられている。なお、図3に示すように砥石回転軸線55Jと主軸回転軸線31JはどちらもX軸に平行であり、図2に示すように砥石回転軸線55Jと主軸回転軸線31Jは、同一の仮想水平面VM上にある。
砥石モータ55Mには大径プーリ51が取り付けられている。また砥石軸54の一方端には砥石55が取り付けられ、砥石軸54の他方端には小径プーリ52が取り付けられている。そして大径プーリ51と小径プーリ52には、動力伝達用のベルト53が掛けられている。砥石軸54の近傍には、砥石55の回転数を検出可能な回転検出手段55Sが設けられている。制御装置80は、回転検出手段55Sからの検出信号に基づいて砥石55の回転数を検出しながら砥石モータ55Mを制御して砥石55の回転数を制御する。
砥石55は砥石軸54に直交する平面で切断した断面が円形であり、砥石55の外周面にはCBN砥粒が接着剤や電着等にて固められており、砥石軸54と一体となって砥石回転軸線55J回りに回転する。また、図示省略するが、砥石55の上方には、砥石55の研削点Kに向けて、冷却及び潤滑用のクーラントを吐出するクーラントノズルが設けられている。当該クーラントノズルには、図示省略したクーラントタンクからクーラントが供給され、研削点K(砥石回転軸線55Jと主軸回転軸線31Jとを含む仮想水平面VMと、工作物Wに対向する側の砥石55の外周面と、の交点)の冷却及び潤滑に使用されたクーラントは図示省略した流路にて回収され、不純物がろ過等された後、クーラントタンクに戻される。
テーブル20は、ベッド10に載置され、X軸案内面12、12Vに静圧案内支持されて、X軸方向に沿って往復移動可能である。テーブル駆動モータ20Mは、制御装置80からの制御信号に基づいて、ボールネジ(図示省略)を回転させる。制御装置80は、エンコーダ20E(回転検出手段)からの検出信号に基づいたテーブル20のX軸方向の位置を検出しながらテーブル駆動モータ20Mを制御してテーブル20のX軸方向の位置を制御する。なお、ボールネジにはナット(図示省略)が嵌合されており、当該ナットはスリット12Kに挿通されたアーム(図示省略)を介してテーブル20と接続されている。従って、テーブル駆動モータ20Mがボールネジを回転駆動するとナットのX軸方向の位置が移動し、アームを介してナットに接続されたテーブル20がX軸案内面12、12Vに沿ってX軸方向に移動する。そしてテーブル20上のX軸方向における一方端には主軸台30が固定され、他方端には心押台40が固定されている。
主軸台30は、X軸方向に平行な主軸回転軸線31J回りに回転する主軸31と、主軸回転軸線31Jを中心軸線とするセンタ32と、主軸31を回転駆動する主軸モータ31M(主軸用駆動モータに相当)と、エンコーダ31E等を有している。主軸31には、主軸31と工作物Wとを接続する駆動金具33が取り付けられている。駆動金具33は、工作物Wを把持する把持部33Aと、把持部33Aと主軸31とを接続する接続部33Bとを有しており、主軸31と一体となって主軸回転軸線31J回りに回転して工作物Wを回転させる。制御装置80は、エンコーダ31E(回転検出手段)からの検出信号に基づいて主軸31の回転角度や回転数を検出しながら主軸モータ31Mを制御して主軸31の回転角度や回転数(すなわち、工作物Wの回転角度や回転数)を制御する。
心押台40は、主軸回転軸線31Jを中心軸線とするセンタ42と、センタ42を収容して主軸台30に向かう方向に付勢されたラム41とを有している。心押台40のセンタ42の中心軸線と、主軸台30のセンタ32の中心軸線は、どちらも主軸回転軸線31Jと一致している。センタ32とセンタ42とで挟持された工作物Wは、センタ42によって主軸台30の側に押し付けられ、主軸31及び駆動金具33の回転によって主軸回転軸線31J回りに回転する。
制御装置80は、図示省略した記憶装置(工程記憶部に相当)を有している。そして記憶装置には、制御装置80が、砥石台駆動モータ50M、砥石モータ55M、テーブル駆動モータ20M等を制御するためのプログラムやデータ等が記憶されている。例えば制御装置80には、図示しない記憶装置(工程記憶部に相当)に、後述する砥石回転数N[rpm]、主軸回転数n[rpm]、スパークアウト周回数n0、テーブル20や砥石台50の移動方向と移動量等を示すデータ、等が記憶されている。
●[砥石または主軸に発生する振動と、工作物の表面に形成される凹凸の関係(図5、図6)]
砥石と主軸には、上述したビビリ振動等が発生する場合がある。砥石と主軸は回転しながら、微細な振動をしている。砥石の単位時間あたりの回転数(以下、砥石回転数と記載する)と、主軸の単位時間あたりの回転数(以下、主軸回転数と記載する)と、の回転数比(=砥石回転数/主軸回転数)が整数倍の場合では、スパークアウト時に、工作物Wの表面に、ちょうど整数個の凹凸が形成される。そして回転数比がちょうど整数倍の場合では、1周目、2周目・・k周目のスパークアウトで、工作物の同じ位置の凹部または凸部に砥石の凹部または凸部が対応し、凹部または凸部が大きくなり、ビビリ振動が大きくなる。
例えば、砥石回転数N=3500[rpm]、主軸回転数n=50[rpm]の場合、N/n=3500/50=70であり、ちょうど整数倍である。この場合では、工作物に対して砥石を切り込んだ後、砥石を切り込むことなく工作物の外周面を研削するスパークアウトの際、工作物の周囲には、ちょうど70個(3500/50=70より)の凹凸が形成される。また、この場合では、工作物の周囲にちょうど70個の凹凸が形成されてしまうので、スパークアウトの周回数を何周に設定しても、同じ位置に凹凸が形成される。従って、当該凹凸によってビビリ振動が発生し、スパークアウトを何周実行しても、発生したビビリ振動を充分小さくすることができない。
本願の発明者は、回転数比(=砥石回転数/主軸回転数)が整数倍の場合では、上記のように、スパークアウトの周回数を何周に設定しても、同じ位置に凹凸が形成されるので、形成された凹凸の高さは低くならず、むしろ大きくなることに気づいた。しかし、回転数比(=砥石回転数/主軸回転数)が整数倍と一致しない場合では、1周目のスパークアウトで形成された凹凸に対して、2周目では位相がズレた凹凸を形成することになる。従って、1周目のスパークアウトで形成された凹凸の凸部を、2周目のスパークアウトで形成される凹凸(位相がズレた凹凸)の凹部にて相殺することができる、と考えた。しかも、スパークアウトの周回数に対応させて凹凸の位相をズラすことで、1周目に形成された凹凸の凸部を、2周目以降の凹凸の凹部にて効率よく削り取ることができると考えた。
例えば、砥石回転数N=3500[rpm]、主軸回転数n=50[rpm]、スパークアウト周回数n0=2、の場合、N/n=3500/50=70であり、この状態では、1周目のスパークアウトにて工作物Wの研削個所には周方向にちょうど70個の凹凸が形成される。しかし、2周目のスパークアウトにて形成される凹凸の位相は、1周目に形成される凹凸と同じであるので、これでは1周目の凹凸を、2周目の凹凸で相殺できない。そこで、例えばn=49[rpm]とすると、N/n=71.428≒71.5であるので、1周目のスパークアウトでは工作物Wの研削個所に約71.5個の凹凸ができる。そして続く2周目のスパークアウトでは、約0.5個分(約1/2波長分)だけ位相がズレた凹凸が形成される。スパークアウト周回数n0=2の場合では、1周目のスパークアウトにて形成された凹凸の凸部を、2周目のスパークアウトの凹凸の凹部にてより効率よく削り取るためには、図5に示すように、1周目の凹凸の軌跡に対して、2周目の凹凸の軌跡を、1/2波長分だけズラせばよい。
図5は、例えば砥石回転数N=3500[rpm]、主軸回転数n=49[rpm]、スパークアウト周回数n0=2、の場合における工作物W及び凹凸の模式図であり、わかりやすいように、凹凸の波長や振幅を実際よりも大きくして記載している。図5は、Pspの位置から時計回りの回転方向に、スパークアウトによる凹凸が形成された例を示している。この場合、N/n=3500/49=71.428・・≒71.5であるので、Pspの位置から時計回りの方向に1周するまでに、約71.5個の凹凸が形成される。N/nの値を、整数部の値m+小数部の値sとすると、この場合はm=71であり、s≒0.5(=1/n0)となる。つまり1周目のスパークアウトでは、図5に示す一点鎖線(「1周目の凹凸の軌跡」と記載)に示すように、71個(m個)の凹凸と、0.5個(s個または1/n0個)の凹凸が形成される。そして2周目のスパークアウトでは、図5に示す点線(「2周目の凹凸の軌跡」と記載)に示すように、1周目とは位相が0.5波長分だけズレた71.5個の凹凸が形成される。
図5の例は、「スパークアウト前の工作物Wの外周面」に対して、1周目のスパークアウトでは、一点鎖線にて示す「1周目の凹凸の軌跡」によって、ドッドで示した「1周目の削除部」が削り取られることを示している。つまり、1周目のスパークアウトが終了した時点では、凹凸の高さはΔH1であることを示している。そして2周目のスパークアウトでは、点線にて示す「2周目の凹凸の軌跡」によって、斜線ハッチングで示した「2周目の削除部」が削り取られることを示している。従って、スパークアウト(2周)が完了後の工作物Wの外周面は、図5における太実線にて示すように、凹凸の高さがΔH1からΔH2へと低くなっており、ビビリ振動が低減される(ビビリ振動が充分小さくなる)。
上記の説明及び図5からわかるように、スパークアウト周回数n0=2に設定した場合では、1周目の凹凸に対して、2周目の凹凸が、ちょうど1/2波長分だけズレていると、1周目の凹凸の凸部を、2周目の凹凸の凹部にて、最も効率よく相殺する(削り取る)ことができる。つまり、スパークアウト周回数n0=2の場合では、N/n0の小数部の値s=1/n0=1/2=0.5とすると、より好ましい。別の書き方をすると、N/n=m+1/n0(mは任意の整数)=m+0.5とすると、より好ましい。
図6は、例えば砥石回転数N=3500[rpm]、主軸回転数n=52[rpm]、スパークアウト周回数n0=3、の場合における工作物W及び凹凸の模式図であり、わかりやすいように、凹凸の波長や振幅を実際よりも大きくして記載している。図6は、Pspの位置から時計回りの回転方向に、スパークアウトによる凹凸が形成された例を示している。この場合、N/n=3500/52=67.307≒67.333・・であるので、Pspの位置から時計回りの方向に1周するまでに、約67.3個の凹凸が形成される。N/nの値を、整数部の値m+小数部の値sとすると、この場合はm=67であり、s≒0.333・・(=1/n0)となる。つまり1周目のスパークアウトでは、図6に示す一点鎖線(「1周目の凹凸の軌跡」と記載)に示すように、67個(m個)の凹凸と、0.3個(s個または1/n0個)の凹凸が形成される。そして2周目のスパークアウトでは、図6に示す長間隔点線(「2周目の凹凸の軌跡」と記載)に示すように、1周目とは位相が0.3波長分だけズレた67.3個の凹凸が形成される。また3周目のスパークアウトでは、図6に示す短間隔点線(「3周目の凹凸の軌跡」と記載)に示すように、2周目とは位相が0.3波長分だけズレた(1周目とは位相が0.6波長分だけズレた)67.3個の凹凸が形成される。
図6の例は、「スパークアウト前の工作物Wの外周面」に対して、1周目のスパークアウトでは、一点鎖線にて示す「1周目の凹凸の軌跡」によって、ドッドで示した「1周目の削除部」が削り取られることを示している。つまり、1周目のスパークアウトが終了した時点では、凹凸の高さはΔH1であることを示している。そして2周目のスパークアウトでは、長間隔点線にて示す「2周目の凹凸の軌跡」によって、斜線ハッチングで示した「2周目の削除部」が削り取られることを示している。そして3周目のスパークアウトでは、短間隔点線にて示す「3周目の凹凸の軌跡」によって、格子状ハッチングで示した「3周目の削除部」が削り取られることを示している。従って、スパークアウト(3周)が完了した工作物Wの外周面は、図6における太実線にて示すように、凹凸の高さがΔH1からΔH3へと低くなっており、ビビリ振動が低減される(ビビリ振動が充分小さくなる)。
上記の説明及び図6からわかるように、スパークアウト周回数n0=3に設定した場合では、1周目の凹凸に対して、2周目と3周目の凹凸が、ちょうど1/3波長分だけズレていると、1周目の凹凸の凸部を、2周目の凹凸の凹部と、3周目の凹凸にて、最も効率よく相殺する(削り取る)ことができる。つまり、スパークアウト周回数n0=3の場合では、N/n0の小数部の値s=1/n0=1/3=0.333とすると、より好ましい。別の書き方をすると、N/n=m+1/n0(mは任意の整数)=m+0.333とすると、より好ましい。
上記のとおり、砥石回転数N、主軸回転数n、スパークアウト周回数n0、の関係は、「N/nの値を、整数部の値mと小数部の値sとに分離した(分解した)際の小数部の値s=1/n0」の関係とすることが、好ましい。この場合では、工作物の外周にm+1/n0個の周期的な凹凸が形成されることになる。スパークアウト周回数n0は、2以上の数(整数)であればよく、2と3に限定されるものではないが、スパークアウト周回数を大きな値に設定すると加工時間が長くなるので、加工時間とビビリ振動の低減度合を考慮して適切な値に設定される。
●[制御装置80の処理手順(図4)]
次に図4に示すフローチャートを用いて、制御装置80の処理手順の例について説明する。作業者は、研削盤2のセンタ32及びセンタ42の間に工作物Wをセットし、駆動金具33を主軸31と工作物Wに取り付けた後、制御装置80から加工開始の操作を行う。制御装置80は、作業者から加工開始の操作を受け付け、図4に示す処理を開始する。
ステップS10にて制御装置80は、(図示省略した)記憶装置から、n0、N、nの値をそれぞれ読み出し、ステップS13に進む。なおn0は、スパークアウトの際の工作物Wの周回数(以下、スパークアウト周回数と記載する)として予め設定された値である。またNは、砥石55の単位時間あたりの回転数(以下、砥石回転数と記載する)として予め設定された値である。またnは、主軸31の単位時間あたりの回転数(以下、主軸回転数と記載する)として予め設定された値である。
ステップS13に進んだ場合、制御装置80は、N/n≒m+1/n0であるか否かを判定し、N/n≒m+1/n0である場合(Yes)はステップS15に進み、N/n≒m+1/n0でない場合(No)はステップS14に進む。なお、Nは予め設定された砥石回転数であり、nは予め設定された主軸回転数であり、mは任意の整数であり、n0は、予め設定されたスパークアウト周回数である。N/nがm+1/n0と近似しているか否かを判定するわけであるが、近似の閾値を、例えば0.1とする。そしてN/nと、m+1/n0と、の偏差が近似閾値以下であるか否かを判定する。すなわち、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1であるか否かを判定することになる。なお、近似閾値は0.1に限定されるものではなく、0.1以下であれば、例えば0.01でもよい。なお、N/n≒m+1/n0であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合は、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1であるか否かを判定することになる。
例えばN=3500[rpm]、n=50[rpm]、n0=2、である場合、N/n=3500/50=70であるので、この場合ではm=70とする。そして|N/n−(m+1/n0)|に各値を代入すると、|N/n−(m+1/n0)|=|3500/50−(70+1/2)|=|−0.5|となる。|−0.5|>0.1であるので、この場合では、N/n≒m+1/n0でないと判定する。また、例えばN=3500[rpm]、n=49[rpm]、n0=2、である場合、N/n=3500/49=71.428・・であるので、この場合ではm=71とする。そして|N/n−(m+1/n0)|に各値を代入すると、|N/n−(m+1/n0)|=|3500/49−(71+1/2)|=|−0.072・・|となる。|−0.072|≦0.1であるので、この場合では、N/n≒m+1/n0であると判定する。
もっと簡単に考えると、「N/n≒m+1/n0であるか否か」は、「N/nの小数部の値≒1/n0であるか否か」と置き換えることができる。N/nの値を、整数部の値であるm+小数部の値であるs、に分解して、小数部の値sと1/n0との偏差が近似閾値以下であるか否かを判定する。すなわち|小数部の値s−1/n0|≦0.1であるか否かを判定するのと同じである。例えばN=3500[rpm]、n=49[rpm]、n0=2、である場合、N/n(=71.428)の小数部の値sは、s=0.428である。従って、|s−1/n0|=|0.428−0.5|=|−0.072|となる。|−0.072|≦0.1であるので、この場合では、N/nの小数部の値≒1/n0であると判定する。
ステップS14に進んだ場合、制御装置80は、N/n≒m+1/n0となるように、記憶装置に記憶されている砥石回転数Nまたは主軸回転数nの少なくとも一方の値を書き換えてステップS15に進む。例えば、N=3500[rpm]、n=50[rpm]、n0=2、が記憶装置に記憶されている場合、制御装置80は、nの値を、50を中心として種々の値に変更してみて、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1を満足するnの値を探す。そして制御装置80は、n=49[rpm]とすることで(N/n=71.428)、|N/n−(m+1/n0)|=|3500/49−(71+1/2)|=|−0.072|となり、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1を満足できると確認すると、記憶装置に記憶されている主軸回転数nを49[rpm]に書き換える。
また例えば、N=3500[rpm]、n=50[rpm]、n0=3、が記憶装置に記憶されている場合、制御装置80は、nの値を、50を中心として種々の値に変更してみて、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1を満足するnの値を探す。そして制御装置80は、n=52[rpm]とすることで(N/n=67.307)、|N/n−(m+1/n0)|=|3500/52−(67+1/3)|=|−0.026|となり、|N/n−(m+1/n0)|≦0.1を満足できると確認すると、記憶装置に記憶されている主軸回転数nを52[rpm]に書き換える。なお上記の例では主軸回転数nを調整(変更)したが、砥石回転数Nと主軸回転数nの少なくとも一方を調整(変更)すればよい。
ステップS15に進んだ場合、制御装置80は、予め設定された砥石回転数N(またはステップS14にて変更された砥石回転数N)を読み出し、砥石の回転数をN[rpm]となるように制御する。また制御装置80は、予め設定された主軸回転数n(またはステップS14にて変更された主軸回転数n)を読み出し、主軸の回転数をn[rpm]となるように制御し、ステップS20に進む。
ステップS20にて制御装置80は、(図示省略した)記憶装置から粗研削用テーブル位置データと、粗研削用砥石台切り込み(速度・量)データを読み出し、ステップS21に進む。
ステップS21にて制御装置80は、テーブル20のX軸方向の位置を、粗研削用テーブル位置データに基づいて制御する。また制御装置80は、砥石台50のZ軸方向の位置を、粗研削用砥石台切り込み(速度・量)データに基づいて制御し、ステップS22に進む。これにより、砥石55が工作物Wに切り込み速度で切り込み量だけ切り込むように移動し、粗研削が行われる。
ステップS22にて制御装置80は、粗研削が終了したか否かを判定し、粗研削が終了した場合(Yes)はステップS30に進み、粗研削が終了していない場合(No)はステップS21に戻る。例えば、工作物Wが研削されている個所には、工作物Wの径を計測可能なワーク径計測装置(図示省略)が接触されており、制御装置80は、当該ワーク径計測装置にて計測した工作物Wの径が、予め設定された粗研削終了径に達した場合に粗研削が終了したと判定する。
ステップS30に進んだ場合、制御装置80は、(図示省略した)記憶装置から精研削用テーブル位置データと、精研削用砥石台切り込み(速度・量)データを読み出し、ステップS31に進む。
ステップS31にて制御装置80は、テーブル20のX軸方向の位置を、精研削用テーブル位置データに基づいて制御する。また制御装置80は、砥石台50のZ軸方向の位置を、精研削用砥石台切り込み(速度・量)データに基づいて制御し、ステップS32に進む。これにより、砥石55が工作物Wに切り込み速度で切り込み量だけ切り込むように移動し、精研削が行われる(砥石の切り込み量は、粗研削の場合よりも少ない。砥石の切り込み速度は、粗研削の場合よりも遅い。)。
ステップS32にて制御装置80は、精研削が終了したか否かを判定し、精研削が終了した場合(Yes)はステップS40に進み、精研削が終了していない場合(No)はステップS31に戻る。例えば、制御装置80は、上述したワーク径計測装置にて計測した工作物Wの径が、予め設定された精研削終了径に達した場合に精研削が終了したと判定する。
ステップS40に進んだ場合、制御装置80は、(図示省略した)記憶装置から微研削用テーブル位置データと、微研削用砥石台切り込み(速度・量)データを読み出し、ステップS41に進む。
ステップS41にて制御装置80は、テーブル20のX軸方向の位置を、微研削用テーブル位置データに基づいて制御する。また制御装置80は、砥石台50のZ軸方向の位置を、微研削用砥石台切り込み(速度・量)データに基づいて制御し、ステップS42に進む。これにより、砥石55が工作物Wに切り込み速度で切り込み量だけ切り込むように移動し、微研削が行われる(砥石の切り込み量は、精研削の場合よりも少ない。砥石の切り込み速度は、精研削の場合よりも遅い。)。
ステップS42にて制御装置80は、微研削が終了したか否かを判定し、微研削が終了した場合(Yes)はステップS50に進み、微研削が終了していない場合(No)はステップS41に戻る。例えば、制御装置80は、上述したワーク径計測装置にて計測した工作物Wの径が、予め設定された微研削終了径に達した場合に微研削が終了したと判定する。
ステップS50に進んだ場合、制御装置80は、(図示省略した)記憶装置からスパークアウト用テーブル位置データと、スパークアウト用砥石台位置データと、スパークアウト周回数n0を読み出し、ステップS51に進む。
ステップS51にて制御装置80は、テーブル20のX軸方向の位置を、スパークアウト用テーブル位置データに基づいて制御する。また制御装置80は、砥石台50のZ軸方向の位置を、スパークアウト用砥石台位置データに基づいて制御し、スパークアウト周回数n0だけスパークアウトを行い、ステップS52に進む。これにより、工作物Wに対して砥石55を相対的に比較的小さく切り込んで砥石55を工作物Wに比較的軽く接触させ、接触させた後は切り込むことなく工作物Wの外周面を研削するスパークアウトを行う。このスパークアウトにて、例えばスパークアウト周回数n0=2の場合では、図5に示すように、1周目の凹凸の凸部を、位相が1/2だけズレた2周目の凹凸の凹部にて相殺する。また、例えばスパークアウト周回数n0=3の場合では、図6に示すように、1周目の凹凸の凸部を、1/3ずつ位相がズレた2周目及び3周目の凹凸の凹部にて相殺する。
ステップS52にて制御装置80は、スパークアウトが終了したか否かを判定し、スパークアウトが終了した場合(Yes)はステップS60に進み、スパークアウトが終了していない場合(No)はステップS51に戻る。例えば、制御装置80は、工作物Wを、予め設定されたスパークアウト周回数n0だけ回転させると、スパークアウトが終了したと判定する。
ステップS60に進んだ場合、制御装置80は、予め設定された砥石台待機位置へと砥石台50のZ軸方向の位置を制御して工作物Wから砥石台50を離間し、予め設定されたテーブル待機位置へとテーブル20のX軸方向の位置を制御する。そして制御装置80は、砥石55の回転を停止し、主軸31の回転を停止し、処理を終了する。
上記の処理において、ステップS21(粗研削)、ステップS31(精研削)、ステップS41(微研削)の処理を行っている制御装置80は、砥石と工作物を相対的に接近させて、工作物に砥石を切り込ませて研削を行う、切り込み研削部を有している。またステップS51(スパークアウト)の処理を行っている制御装置80は、切り込み研削部にて、工作物に対して砥石を比較的小さく切り込ませて砥石を工作物に比較的軽く接触させ、接触させた後は切り込むことなく工作物の外周面を研削するスパークアウトを行う、スパークアウト部を有している。またステップS60の処理を行っている制御装置80は、砥石と工作物を相対的に離間させる、逃がし部を有している。そして、図示省略した記憶装置は、切り込み研削部、スパークアウト部、逃がし部、の順に作動させる動作順序である制御プログラムを記憶する工程記憶部に相当している。
以上、本実施の形態では、スパークアウト周回数を2以上の数(整数)に設定し、回転数比(=砥石回転数/主軸回転数)が整数倍と一致しないように、砥石回転数と主軸回転数の少なくとも一方を、スパークアウトの周回数に対応させて調整する。これにより、1周目のスパークアウトで形成された凹凸の凸部を、2周目以降のスパークアウトで形成される凹凸(スパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた凹凸)の凹部にて相殺し、工作物の表面をより滑らかに仕上げることができる。また、スパークアウトの周回数に応じてより効率よく凹凸の凸部を削り取ることができるので、ビビリ振動が充分小さくなるまでの時間をより短くすることができる。例えば、スパークアウトが1周だけの場合では凹凸の高さが約0.7[μm]であったところ、本実施の形態の処理のように設定してスパークアウトを2周とした場合、凹凸の高さが約0.35[μm]に低減されたことを確認できた。
本発明の研削方法の処理手順、演算式等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。また本発明の研削盤の構成、構造、形状等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
上述した実施形態では、図1に示すように、砥石台50が主軸回転軸線31Jと直交する方向に往復移動可能である例について述べた。他の実施形態として、砥石台が主軸回転軸線に対して斜め方向に往復移動可能であるアンギュラ研削盤にも本発明を適用できる。また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
2 研削盤
10 ベッド
20 テーブル
20E エンコーダ(回転検出手段)
20M テーブル駆動モータ
30 主軸台
31 主軸
32 センタ
31E エンコーダ(回転検出手段)
31J 主軸回転軸線
31M 主軸モータ(主軸用駆動モータ)
33 駆動金具
40 心押台
41 ラム
42 センタ
50 砥石台
50E エンコーダ(回転検出手段)
50M 砥石台駆動モータ(切り込み装置)
54 砥石軸
55 砥石
55J 砥石回転軸線
55M 砥石モータ(砥石用駆動モータ)
55S 回転検出手段
80 制御装置
K 研削点
W 工作物

Claims (3)

  1. 砥石回転軸線回りに回転する砥石であり、前記砥石回転軸線に直交する断面が円形の回転体である前記砥石と、
    主軸回転軸線回りに棒状の工作物を回転させる主軸と、を用い、
    前記主軸回転軸線回りに回転している前記工作物の外周面に、前記砥石回転軸線回りに回転している前記砥石の外周面を接触させて、前記工作物の外周面を研削する研削方法であって、
    前記工作物に対して前記砥石を切り込んだ後、前記砥石を切り込むことなく前記工作物の外周面を研削するスパークアウトの際の前記工作物の周回数を2以上の数に設定し、
    前記スパークアウトの際に、振動によって前記工作物における研削個所の外周面に周方向に形成される周期的な凹凸の波長の整数倍が、前記工作物における前記研削個所の外周の1周分の長さと一致しないように、前記砥石の回転数と前記主軸の回転数との少なくとも一方の回転数を前記スパークアウトの周回数に対応させて調整し、
    1周目の前記スパークアウトの際に前記工作物の前記研削個所において周方向に形成された前記凹凸における凸部を、2周目以降の前記スパークアウトの際に、1周目の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸に対して前記スパークアウトの周回数に対応させて位相をズラせた前記凹凸の凹部にて相殺する、
    研削方法。
  2. 請求項1に記載の研削方法であって、
    前記砥石の単位時間あたりの回転数をN、
    前記主軸の単位時間あたりの回転数をn、
    前記スパークアウトの際の前記工作物の周回数をn0
    N/nの値における整数部の値をm、小数部の値をs、
    とした場合、
    0の値を2以上の整数に設定するとともに、N/nの値における小数部の値であるsを、s≒1/n0となるようにNまたはnの値の少なくとも一方を調整することで、
    1周目の前記スパークアウトにて前記工作物の前記研削個所において周方向に、m+1/n0個の周期的な前記凹凸を形成し、
    2周目以降の前記スパークアウトにて、1周前の前記スパークアウトに対して1/n0波長分のズレを有する前記凹凸を形成することで、1周目の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸における凸部を、2周目以降のn0−1回の前記スパークアウトにて形成された前記凹凸における凹部にて削り取る、
    研削方法。
  3. 砥石回転軸線回りに回転する砥石であり、前記砥石回転軸線に直交する断面が円形の回転体である前記砥石と、
    前記砥石が取り付けられて前記砥石を回転駆動する砥石用駆動モータを有する砥石台と、
    主軸回転軸線回りに回転する主軸であり、棒状の工作物を支持して前記主軸回転軸線回りに回転させる前記主軸と、
    前記主軸が取り付けられて前記主軸を回転駆動する主軸用駆動モータを有する主軸台と、
    前記砥石と、前記主軸に支持された前記工作物と、を前記砥石回転軸線に交差する方向に、相対的に互いに接近離間するように移動させる切り込み装置と、
    前記砥石の回転数、前記主軸の回転数、スパークアウトの周回数、および前記接近離間の移動量、を設定する制御装置と、を備えた研削盤において、
    前記制御装置は、
    前記砥石と前記工作物を相対的に接近させて前記工作物に前記砥石を切り込ませて研削を行う、切り込み研削部と、
    前記切り込み研削部にて、前記工作物に対して前記砥石を切り込んだ後、前記砥石を切り込むことなく前記工作物の外周面を研削する前記スパークアウトを行う、スパークアウト部と、
    前記砥石と前記工作物を相対的に離間させる、逃がし部と、
    前記切り込み研削部、前記スパークアウト部、前記逃がし部、の順に作動させる動作順序を記憶する工程記憶部と、を有し、
    前記スパークアウト部に使用されるデータには、
    前記砥石の単位時間あたりの回転数であるNと、
    前記主軸の単位時間あたりの回転数であるnと、
    前記スパークアウトの際の前記工作物の周回数であるn0と、
    が有り、
    前記制御装置はn0の値が2未満である場合はn0の値を2以上の整数に変更し、あるいは、n0の値は予め2以上の整数に設定されており、
    前記制御装置は、
    N/nの値における整数部の値を除いた小数部の値をsとした場合において、s≒1/n0となるように、Nまたはnの値の少なくとも一方を変更する、あるいは、予めN及びnの値が設定されている、
    研削盤。

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