JP2017537121A - オキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を有機溶媒の存在下で製造するための方法 - Google Patents

オキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を有機溶媒の存在下で製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(III)Ea−SO3R(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法であって、極性非プロトン性有機溶媒の存在下で、式(II)Ea−SOOR(II)(式中、− Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;および − Rは、水素、一価カチオンまたはアルキル基を表す)の化合物を酸化剤と接触させる工程を含む方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明の主題は、有機溶媒の存在下で酸化反応を使用して、オキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための新規な方法である。
本発明は、より特には、パーフルオロアルカンスルホン酸、特にトリフルオロメタンスルホン酸の製造を目的とする。
パーハロアルカンスルホン酸、より特には、「トリフリン酸」としてよく知られているトリフルオロメタンスルホン酸は、有機合成において触媒または中間体として使用されている。
トリフルオロメタンスルホン酸の工業的合成のための現行の経路は、2つの主要工程を使用する。第一に、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩、一般にカリウム塩は、有機非プロトン性溶媒中、典型的にはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中でトリフルオロメタンカルボン酸の塩から出発するスルフィン化反応によって合成される。第二に、トリフルオロメタンスルフィン酸の塩は、酸性化後にトリフリン酸を生じさせるトリフルオロメタンスルホン酸の塩を得るために、水性媒体中で、一般には過酸化水素水溶液によって酸化される。トリフリン酸の製造は、例えば、特許文献欧州特許第0396458号明細書および同第0735023号明細書に記載されている。
この方法は一般には満足できるものであるが、一部の要素は改良することができよう。第一に、スルフィン化反応と酸化反応との間で有機媒体/水性媒体を交換する工程は実施するのが複雑になる可能性があるため、交換する工程を制限するのが望ましい。さらに、酸性化工程中に水が存在することは短所であり、この残留水を捕捉するための手段、典型的には無水硫酸(SO)の添加が使用されなければならない。残念ながら、残留水を捕捉するための無水硫酸の添加は、大量の硫黄流出物の生成を生じさせる。
本発明は、オキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための新規な方法であって、特にトリフルオロメタンスルホン酸の合成において役立つ、および上述した短所を有していない方法を提案することを目的とする。
より詳細には、本発明は、その第1態様によると、式(III)
Ea−SOR (III)
のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法であって、有機極性非プロトン性溶媒の存在下で、式(II)
Ea−SOOR (II)
(式中、
− Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;および
− Rは、水素、一価カチオンまたはアルキル基を表す)の化合物を酸化剤と接触させる工程を含む方法に関する。
驚くべきことに、本発明者らは、反応速度および選択度に関して水性媒体中での酸化の性能水準と少なくとも同一である性能水準を備える所望のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体、特にはトリフルオロメタンスルホン酸カリウムを生じさせるために、有機溶媒中で酸化を実施できることを証明した。
例えば、トリフルオロメタンカルボン酸カリウムからトリフルオロメタンスルホン酸カリウムを生じさせるために、本発明によるスルフィン化および酸化の工程は、有利には単一有機極性非プロトン性溶媒中で、特にはこれらの工程を連続的に、および溶媒を交換する任意の中間工程を使用せずに実施できるように、同一反応器内で実施することができる。
したがって、本発明による方法は、有利には、時間の節約、および例えばトリフルオロメタンスルホン酸カリウム(およびトリフリン酸)を得るために必要な工程数の減少に起因する原価の低下を可能にする。
さらに、有機極性非プロトン性溶媒中での本発明によるスルフィン化および酸化の工程を連続させてつなぐと、溶媒間の切り換え中に発生し得る、スルフィン化の結果として生じる反応流の分解を最小限に抑えることが可能になる。
したがって、本発明の方法を実施すると、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム(およびトリフリン酸)の製造の総収率を向上させることが可能になる。
最後に、本発明の方法は、水性溶媒を使用しないことにより、硫酸塩の含有量が低いか、またはさらには硫酸塩を含有していないエレクトロニクス品質のトリフリン酸を入手することを可能にする。
当然ながら、本発明の方法は、決してトリフルオロメタンスルホン酸カリウムの合成およびトリフリン酸の合成のみに限定されるものではない。
本発明の方法の他の特徴、変形形態および長所は、本発明の非限定的な例示によって与えられる、下記の説明および実施例を読むことによってより明確になるであろう。
本明細書の残りの部分を通して、「...と...との間」、「...〜...の範囲に及ぶ」および「...〜...へ変動する」という表現は均等であり、他に特に規定しない限り、限度値が含まれることを意味することが意図されている。上記に規定したように、本発明による式Ea−SOR(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法は、有機溶媒中での化合物Ea−SOOR(II)と酸化剤との酸化反応を含む。
本発明の意義の範囲内で、「溶媒」は、その使用温度では液体であり、反応媒体中でのその含有量に起因して試薬を溶解させられる化合物を意味することが意図されている。
本発明による酸化反応に関連して、使用される有機溶媒は、より特には式(II)の化合物を溶解させることができる。
本発明による酸化反応の反応媒体は、好ましくは水性溶媒を含有していない。
水性溶媒の非存在は、極めて少量であるために試薬を溶解させることができないであろう水の存在を排除しない。
したがって、反応媒体は、10重量%以下、特に4重量%以下の含水量を含んでいるか、またはさらには水を含有していない場合がある。例えば、含水量は100ppm未満であってよい。
これらの少量の水は、特には、例えば過酸化水素水溶液などの酸化反応のために使用される酸化剤を起源とする場合があり、および/または酸化反応によって生成される場合がある。
本発明の意義の範囲内では、「反応媒体」は、その中で化学反応、本発明の場合には酸化反応が起こる媒体を意味することが意図されている。反応媒体は、反応溶媒(本発明による酸化反応の場合には有機溶媒)と、および反応の進行に依存して反応の試薬および/または生成物とを含む。さらに、反応媒体は、添加物および不純物を含む可能性がある。
本発明の意義の範囲内では、「溶媒」は、単一溶媒または溶媒の混合物を意味することが意図されている。本発明において使用される有機溶媒は、1つの有機溶媒または2つ以上の有機溶媒の混合物であってよい。混合物の場合、溶媒は、混和性または相互に不混和性であってよい。
有機溶媒は、極性非プロトン性溶媒である。
非プロトン性溶媒は、ルイスの理論によると、放出するプロトンを有していない溶媒を意味することが意図されている。
本明細書の残りの部分において詳述するように、本発明による酸化反応のために使用される有機溶媒は、より特には、式Ea−COOR(I)の化合物から出発するスルフィン化による式(II)の化合物を形成するために使用される溶媒であってよい。
使用される溶媒は、反応条件下で十分に安定性でなければならないと理解されている。
有機溶媒は、極性である。したがって、本発明によって使用される極性非プロトン性溶媒は、有意な双極子モーメントを有するのが好ましい。したがって、有機溶媒の相対誘電率εは、有利には少なくとも5に等しい。好ましくは、有機溶媒の誘電率は、50以下で5以上、特には30〜40である。有機溶媒が上述した誘電率条件を満たすかどうかを決定するには、特に、刊行物:Techniques of Chemistry,II − Organic Solvents − p.536 et seq.,3rd edition(1970)の表を参照することができる。
さらに、本発明の方法に使用される溶媒は、カチオンを十分に溶媒和できることが好ましく、これは、溶媒がルイスの理論の意味に含まれる所定の塩基性を有することを意味する。溶媒がこの要件を満たすかどうかを決定するために、その塩基性は「ドナー数」を注目することによって評価される。10よりも大きい、好ましくは20以上のドナー数を示す極性有機溶媒が選択される。この上限値は、いかなる臨界的性質も示さない。好ましくは、10〜30のドナー数を有する有機溶媒が選択される。略語DNで示される用語「ドナー数」は、溶媒の求核性に関する指標を与え、その孤立電子対を供与する能力を明示することを想起すべきである。「ドナー数」の定義は、Christian Reichardtによる刊行物[Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry − VCH,p.19(1990)]に見いだされ、ドナー数は、その中で希薄ジクロロエタン溶液中での溶媒と五塩化アンチモンとの相互作用のエンタルピー(kcal/モル)の負数(−ΔH)であると定義されている。
本発明によると、極性溶媒は、特に溶媒の極性の性質が電子吸引基の存在によって得られる場合、酸性水素を有していない。したがって、電子吸引性官能基に対してα位の原子上に水素が全く存在しないことが望ましい。
より一般的には、溶媒の第一酸性度に相当するpKaは、およそ20に少なくとも等しい(「およそ」は、最初の数字のみが重要であることを強調している)、有利には少なくともおよそ25にも等しい、好ましくは25〜35であることが好ましい。
酸性の性質はさらに、Christian Reichardt,[“Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry”,2nd,VCH(RFA),1990,pages 23−24]によって定義されている溶媒のアクセプター数ANによって表現することができる。有利には、このアクセプター数ANは、20未満、特に18未満である。
特に好ましい実施形態によると、有機溶媒はアミド型である。アミドの中には、四置換尿素および一置換ラクタムなどの特有の特質を有するアミドも含まれる。アミドは、好ましくは置換されている(通常のアミドについては二置換されている)。
有機溶媒は、より特には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、例えばN−メチルピロリドン(NMP)などのピロリドン誘導体およびそれらの混合物から選択することができる。
溶媒のまた別の特に有利なカテゴリーは、それらが対称であろうと非対称であろうと、それらが開いていようと閉じていようと、エーテルからなる。例えばジグリムなどの様々なグリムを含む様々なグリコールエーテル誘導体は、エーテルのカテゴリーに組み入れるべきである。
特に好ましい実施形態によると、本発明による酸化反応のために使用される有機溶媒は、DMFである。
酸化剤は、過酸化物、過酸およびそれらの塩から選択することができる。例えば、酸化剤は、過酸化水素水溶液;過炭酸塩、詳細には過炭酸ナトリウムまたはカリウム;過硫酸塩、詳細には過硫酸カリウム;過硫酸、例えばカロ塩;および有機過酸化物、例えば尿素過酸化水素から選択することができる。
酸化剤は、反応媒体中で混和性または不混和性であってよい。したがって、反応媒体は、不均質性または均質性であってよい。
1つの特に有利な実施形態によると、酸化剤は無水である。
別の特定の実施形態によると、酸化剤は、過酸化水素水溶液である。過酸化水素水溶液は、水中で10%〜80%、好ましくは30%〜70%の濃度を有していてよい。
さらに、酸化剤は、気体物質から、例えば空気、酸素(O)、オゾン(O)および一酸化二窒素(NO)からなる群から選択することができる。これらの作用物質を用いた酸化は、任意選択的に、金属触媒の存在下で実施することができる。
本発明の方法によると、式Ea−SOOR(II)の少なくとも1つの化合物が酸化剤と反応させられる。
前記式(II)の化合物は、フルオロスルフィン酸(Rは、上記の式(II)中の水素原子を表す)、フルオロスルフィン酸の塩(Rは、上記の式(II)中の一価カチオンを表す)またはフルオロスルフィン酸のエステル(Rは、上記の式(II)中のアルキル基、特に1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す)であってよい。
したがって、その結果は、それぞれフルオロスルホン酸(Rは、上記の式(III)中の水素原子を表す)、フルオロスルホン酸の塩(Rは、上記の式(III)中の一価カチオンを表す)またはフルオロスルホン酸のエステル(Rは、上記の式(III)中のアルキル基、特に1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す)の本発明の方法による製造である。
特に好ましい実施形態によると、前記式(II)の化合物は、式中のRが、有利にはアルカリ金属カチオン、第四級アンモニウムカチオンおよび第四級ホスホニウムカチオンから選択される一価カチオンを表すフルオロスルフィン酸の塩である。
第四級アンモニウムもしくはホスホニウムカチオンは、より優先的にはテトラアルキルアンモニウムもしくはホスホニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムもしくはホスホニウム、またはテトラアリールアンモニウムもしくはホスホニウムから選択することができ、同一または相違するそれらのアルキル基は、4〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル鎖を表し、それらのアリール基は、有利にはフェニル基である。好ましくは、それは、テトラブチルホスホニウムカチオンである。
特に好ましい実施形態によると、Rは、特にナトリウム、カリウム、セシウムおよびルビジウムカチオンから選択される、アルカリ金属カチオンを表す。
特定の実施形態によると、Rは、カリウムカチオンである。
上述したように、Ea基は、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表す。
本発明に関連して、
− 「アルキル」は、好ましくは1〜10個の炭素原子、特には1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の炭化水素鎖を意味することが意図されており;
− 「フルオロアルキル」は、少なくとも1個のフッ素原子を含む直鎖状または分岐状のC〜C10炭化水素鎖から形成される基を意味することが意図されており;
− 「パーフルオロアルキル」は、炭素原子に加えて、フッ素原子のみを含み、および水素原子を有していない直鎖状または分岐状のC〜C10鎖から形成される基を意味することが意図されており;
− 「フルオロアルケニル」は、少なくとも1個のフッ素原子を含み、少なくとも1つの二重結合を含む直鎖状または分岐状のC〜C10炭化水素鎖から形成される基を意味することが意図されている。
Ea基は、好ましくはフッ素原子ならびにフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜5個の炭素原子を有する基から選択される。
特に好ましい実施形態によると、式(II)の化合物中のEa基は、フッ素原子、CHF基、CHF基、C基およびCF基から選択される。したがって、その結果は、それぞれ本発明の方法によるF−SOR、CHF−SOR、CHF−SOR、C−SORおよびCF−SOR(Rは、上記に定義した通りである)の製造である。
特定の実施形態によると、EaはCF基を表す。
R基およびEa基についての上述の定義は、それぞれ結合できると理解されている。
したがって、変形実施形態によると、本発明による方法は、式Ea−SOOR(II)
(式中、
− Eaは、フッ素原子、CHF基、CHF基およびCF基から選択され;特には、EaはCF基であり;および
− Rは、アルカリ金属カチオン、好ましくはカリウムカチオンを表す)の化合物を使用する。
本発明の方法は、より特には、トリフルオロメチルスルホン酸アルカリ金属塩(CFSOR(式中、Rは、アルカリ金属カチオンを表す))、特に下記で詳述するように、有利にはトリフリン酸(CFSOH)またはトリフリン酸無水物((CFSOO)を生じさせるために使用できるトリフルオロメチルスルホン酸カリウム(CFSOKまたはトリフリン酸カリウム)を製造するために実施することができる。
当業者であれば、所望の式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を生じさせるために、有機溶媒中で酸化反応を実施するための条件を適合させることができる。本発明による方法では、式(II)の化合物は、式(III)の誘導体の形成を導く条件下で酸化剤と接触させられる。
式(II)の化合物は、酸化剤と連続的、半連続的またはバッチ法で接触させられる。式(II)の化合物は、好ましくは半連続的に(半バッチ法で)接触させられる。半連続法の場合、酸化剤は、反応媒体中に連続的に導入することができる。
本発明による方法は、半連続的または連続的作業を可能にする装置内で、例えば完全撹拌反応器、有利にはジャケットを装備した一連の完全撹拌反応器またはその中で熱交換流体が循環しているジャケットを装備した管型反応装置中で実施することができる。
1つの半連続的実施モードによると、酸化剤、例えば過酸化水素水溶液は、有機溶媒中に前記式(II)の化合物を含む事前に製造された液体媒体に連続的に添加することができる。
一般に、この初期反応媒体内の有機溶媒中の式(II)の化合物の濃度は、1重量%〜40重量%、特に5重量%〜30重量%である。
本発明の方法による酸化反応は、反応媒体を20℃〜有機溶媒の沸点、特に40℃〜140℃の温度にすることによって実施することができる。有利には、酸化剤は、有機溶媒中の式(II)の化合物を含む液体媒体を予熱した後に添加することができる。
加熱時間は、選択される反応温度の関数として調整することができる。加熱時間は、30分間〜24時間、特に1時間〜20時間およびより特には2時間〜7時間であってよい。
酸化反応の進行は、有利には分析法によって監視できる。
酸化反応の進行、例えば式(II)の化合物の濃度は、インライン(例えば、サンプリングループを介して)またはラマン分光法、近赤外線分光法もしくは紫外線分光法、好ましくはラマン分光法によってin situで監視することができる。
反応の進行状態のラマン分光法による監視に関連して、その中で酸化反応が起こる反応には、ラマン分光計に光ファイバーによって接続されたラマンプローブを装備することができ、前記プローブは、例えば媒体中の式(II)の化合物の濃度を監視することを可能にする。
本発明の方法による酸化反応のために使用される式Ea−SOOR(II)の化合物は、有機溶媒の存在下で、式Ea−COOR(I)(式中、EaおよびRは、上記に定義した通りである)の化合物と硫黄酸化物との反応(スルフィン化反応)から事前に製造することができる。
したがって、上述のように、本発明によると、同一有機溶媒中で、溶媒を変更する作業を必要とせずに、スルフィン化および酸化の工程を連続させてつなぐことが可能である。
また別の態様によると、本発明は、式(III):
Ea−SOR (III)
(式中、
− Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;および
− Rは、水素、一価カチオンまたはアルキル基を表す)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法であって、
(i)式Ea−SOOR(II)の化合物を得るために、有機極性非プロトン性溶媒の存在下で、式Ea−COOR(I)の化合物を硫黄酸化物と接触させる工程;および
(ii)式(III)の誘導体を得るために、スルフィン化の工程(i)の終了時に得られる反応混合物に酸化剤を加える工程
を含む少なくとも連続工程を含む方法に関する。
有機溶媒は、より特には上記に定義した通りである。有機溶媒は、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)であってよい。
工程(i)および(ii)の反応媒体は、好ましくは10重量%以下、特に4重量%以下の含水量を含むか、またはさらには水を含有していない場合がある。
上述したように、反応媒体の少量の水は、過酸化水素水溶液などの水素化酸化剤の場合には酸化剤を起源とするか、または酸化反応中の酸化還元によって生成される水を起源とする。
スルフィン化反応は公知であり、例えば欧州特許第0735023号明細書に既に記載されている。当業者であれば、スルフィン化の工程(i)を実施するための条件を調整することができる。本発明による方法では、式(I)の化合物は、式(II)の誘導体の形成を導く条件下で硫黄酸化物と接触させられる。
本発明の方法のスルフィン化の工程(i)を実施するための好ましい条件によると、反応媒体中に存在する不純物の含有量をコントロールするのが望ましい。
より詳細には、スルフィン化反応媒体の不安定な水素原子の含有量(工程(i))、またはより正確にはそれらの不純物を含むその様々な成分によって生じる放出可能なプロトンの含有量は、式(I)の化合物の分解によって放出されるフッ素化基の含有量より少なくなければならない。用語「不安定な水素原子」または「放出可能なプロトン」は、強塩基によってプロトン形で引きはがせる水素原子を意味すると理解されている。実際に、それらは、およそ20未満のpKaを有する酸性官能基のプロトンである。放出可能なプロトンの含有量が低いほど、副反応のリスクは低くなり、スルフィン化収率は良好になる。媒体中に存在する放出可能なプロトンの含有量は、前記式(I)の化合物の初期濃度の最大でも20%に等しい。有利には、その含有量は、前記式(I)の化合物の初期含有量に対して、最大でも10%、好ましくは1モル%に等しい。
不安定な水素を有する主な分子は、一般に、1分子当たり2個までのプロトンを放出可能な水である。一般に、試薬のそれぞれの重量含水率が、前記試薬の総重量に対して、1,000当たり最大でも1に等しいように、脱水した試薬および溶媒を使用することが好ましい。複合反応条件に依存して、そのような含水率は満足できるものであるが、一部の場合には、例えば10,000当たり1桁のより低いレベルで動作することが有利な可能性がある。しかし、水のすべてを除去することが必ずしも不可欠ではなく、厳密には10%未満、好ましくは1%未満の水/式(I)の化合物のモル比は許容できる。
さらに、金属不純物は少量であることが望ましい。金属元素は、特に試薬、溶媒または金属設備によって腐食の結果として導入される不純物として存在する可能性がある。したがって、追加の金属汚染を導入しないために、特に式(I)の化合物がフルオロカルボン酸の塩である場合、塩基が化学量論量の±5%内の近く、および好ましくは化学量論量に等しい量で導入されるような条件下で塩基と対応するフロオロカルボン酸との反応によって塩を製造することが重要である。より一般的には、本質的に存在してもよい2つのカテゴリーの金属、すなわち、2つの価数状態を有する遷移元素(例えば銅、鉄またはクロム)ならびに第VIII族の元素(特に、白金、オスミウム、イリジウム、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群である白金族の金属)は、フルオロカルボン酸に対して表示して、媒体中で最大でも1,000モルppmに等しい、好ましくは最大でも10モルppmに等しい含有量で存在しなければならないと指摘されてよい。
工程(i)において使用される式Ea−COOR(I)の化合物は、例えば、酸化反応の終了時に分離によって入手できるか、またはその後の合成工程から、例えば、フッ素化誘導体の製造の終了時にスルホン酸、または下記で詳述するように、スルホン酸無水物官能基を有するフッ素化化合物の分離によって入手できる完全または部分的再利用化合物であってよい。
工程(i)で使用される式Ea−COOR(I)の化合物が塩である、すなわち、Rが一価カチオンを表す場合、前記塩は対応する酸、すなわち、式Ea−COOR(I)(式中、Rは、水素原子を表す)の化合物の塩化によって得られていてよい。特定の実施形態によると、式(I)の化合物がトリフルオロカルボン酸のアルカリ金属塩、特にトリフルオロ酢酸カリウムである場合、トリフルオロ酢酸カリウムは、対応するトリフルオロカルボン酸、特にトリフルオロ酢酸の塩化によって得られていてよい。塩化剤は、慣習的には、無機または有機塩基、詳細には一価カチオンの水酸化物、炭酸塩およびアルコキシドから選択することができる。一価カチオンは、有利には、アルカリ金属カチオン、特にナトリウム、カリウム、セシウムおよびルビジウムから選択することができ、より特にはカリウムである。塩基は、好ましくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選択することができ、極めて好ましくは水酸化カリウムである。
酸および塩化剤は、当業者に知られている任意の手段によって混合することができる。混合装置は、様々なクラスのミキサー、例えば撹拌反応器、外部再循環ループを備える反応器および動的ミキサーから適切に選択されてよい。好ましい実施形態によると、増強型混合システムを使用することができる。混合手段は、衝突型ジェットミキサー、同軸ノズルインジェクターおよび任意選択的にズルツァー型もしくはケニックス型の静的ミキサーが追加されたベンチュリ管から優先的に選択することができる。増強混合方法は、有利には試薬を連続的および効果的に接触させることを可能にする。反応体積は、混合条件を増強しながら最小限に抑えることができる。反応エンタルピーの除去が加速され、これは温度上昇を制限することを可能にし、腐食現象に対して従来型金属(ステンレス鋼、ニッケル系鋼)より抵抗性であるプラスチック材料の使用を可能にする。この技術は、有利にはより経済的およびより生産的な方法をもたらすことができる。
硫黄酸化物は、より特には二酸化硫黄であってよい。一般には、ガス状形態で使用される。硫黄酸化物は、さらにまた、反応のために選択された有機溶媒中で、一般には1重量%〜10重量%、好ましくは3重量%〜6重量%の濃度にある溶液形で導入することができる。
特定の実施形態によると、スルフィン化の工程(i)は、硫黄酸化物/式(I)の化合物の0.4未満、特に0.2未満の初期モル比、および反応の全持続期間にわたり0.2重量%〜3重量%の数値で一定に保持される反応媒体中の溶存硫黄酸化物の濃度で実施される。
反応媒体中の硫黄酸化物の一定濃度は、反応媒体への硫黄酸化物の制御した連続添加によって保持することができる。
本発明の意義の範囲内で、「一定濃度」は、前記濃度が±20%まで、好ましくは±10%まで変動する可能性があるという意味であると解釈するのが好適である。
反応媒体中の溶存硫黄酸化物の濃度は、以前に記載した分析方法、特にラマン分光法によって監視することができる。反応媒体への硫黄酸化物の制御された添加は、有利には、硫黄酸化物による式(I)の化合物の分解に関連する望ましくない化学反応を実質的に抑えながら、式(I)の化合物を式(II)の化合物へ転化させることを可能にする。
一般に、工程(i)の初期反応媒体内の有機溶媒中の式(I)の化合物の濃度は、1重量%〜40重量%、特に5重量%〜30重量%であってよい。
式(I)の化合物は、本発明の方法の工程(i)において硫黄酸化物と連続的または半連続的に(もしくは半バッチ法で)接触させることができる。これは、特に本発明による酸化方法のための上述した装置内で、好ましくは半連続的に実施される。
これを半連続的に実施する1つの例としては、式(I)の化合物の全部が有機溶媒中に導入されてよく、その後に硫黄酸化物が連続的に添加される。
硫黄酸化物は、好ましくは有機溶媒および式(I)の化合物から形成された溶液を50℃〜150℃の温度に予熱した後に添加される。
特定の実施形態によると、優先的には反応媒体中で0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%を示すような量のシリカが反応媒体中に導入される。シリカは、特に、有機溶媒および式(I)の化合物から形成される溶液に、本発明による方法が半連続的に実施される場合に添加される。シリカの添加は、本発明によるスルフィン化工程の実施によって媒体中で生成されたフッ化物による反応器への腐食の衝撃を実質的に低減することを可能にする。
本発明の方法の工程(i)によるスルフィン化反応は、反応媒体を100℃〜200℃、特に120℃〜160℃の温度にさせることによって実施できる。スルフィン化反応は、有利には、大気圧で実施されるが、より高い圧力も使用することができる。したがって、1〜20bar(バール)、好ましくは1〜3barから選択される絶対全圧が好適な可能性がある。
別の実施形態によると、反応は、大気圧より低い圧力で実施することができる。絶対全圧は、1mbar(ミリバール)〜999mbar、特に500mbar〜950mbar、およびより特には800mbar〜900mbarであってよい。
加熱時間は、選択される反応温度の関数として調整することができる。加熱時間は、30分間〜24時間、特に1時間〜20時間、およびより特には2時間〜7時間であってよい。
連続的実施形態によると、反応マスの容積対供給流量の比として定義される平均滞留時間は、30分〜10時間、および詳細には2時間〜4時間である。
スルフィン化反応の終了時に形成される式(II)の化合物の過度の分解を回避するため、したがってスルフィン化反応の良好な選択性を保証するために、式Ea−COOR(I)の出発化合物を完全に転化させようとしないことが好ましい可能性がある。
反応の進行は、初期反応媒体中の式(I)の化合物の総量に対する、反応中に消費された式(I)の化合物のモル量の比率を表す式(I)の化合物の転化率によって監視できる。この転化率は、反応媒体中に残留している前記式(I)の化合物のアッセイ後に容易に計算することができる。
スルフィン化の工程(i)は、一般に、50%〜100%、特に55%〜90%の前記式(I)の化合物の転化率が入手されるまで実施される。
したがってスルフィン化の工程(i)の終了時、反応媒体は、一般に、形成された化合物であるEa−SOOR(II)と消費されていない化合物Ea−COOR(I)の混合物とを含んでいる。
本発明の方法の第2工程(ii)では、上述のスルフィン化工程に続いて、式Ea−SOOR(II)の化合物との酸化反応によって式Ea−SOR(III)の所望の誘導体を形成するために、酸化剤が反応媒体に添加される。
酸化反応を実施するための条件は、上記に記載した通りである。
酸化の工程(ii)の終了時に得られる反応媒体は、一般に、式Ea−SOR(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体と消費されていない出発化合物Ea−COOR(I)との混合物を含む。後者は、有利には単離して再利用する、例えば本発明による方法の工程(i)において使用することができる。
特に有利な実施形態によると、工程(i)および(ii)は、同一反応器内で半連続方式で実施することができる。また別の実施形態によると、工程(i)および(ii)は、2基の管型反応器内で順番に実施することができる。
有利には、本発明の方法は、フルオロカルボン酸の塩から出発してフルオロスルホン酸の塩を製造することを可能にする。
より特には、本発明の方法は、トリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩(CFSOR(式中、Rは、アルカリ金属カチオンを表す)、特にトリフルオロメチルスルホン酸カリウム(CFSOKまたはトリフリン酸カリウム)を得ることを可能にする。
後者は、有利には、下記で詳述するように、トリフリン酸(CFSOH)またはトリフリン酸無水物((CFSOO)を得るために使用できる。
有利には、本発明によって得られる式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体、特にトリフルオロメチルスルホン酸のアルカリ金属塩(CFSOR(式中、Rは、アルカリ金属カチオンを表す))は、スルホン酸のフッ素化誘導体、特により一般的にはトリフリン酸(CFSOH)と呼ばれるトリフルオロメタンスルホン酸を製造するために使用できる。
したがって、さらにまた別の態様によると、本発明の主題は、式(IV)
Ea−SOH (IV)
(式中、Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;特に、EaはCF基を表す)のスルホン酸のフッ素化誘導体を製造するための方法であって、少なくとも下記の工程:
− 上述の方法により、有機溶媒S1中で、式Ea−SOR(III)(式中、Rは、一価カチオンまたはアルキル基、特にアルカリ金属カチオンを表す)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造する工程;および
− 所望の式(IV)のスルホン酸のフッ素化誘導体を得るために式(III)の化合物を酸性化する工程
を含む方法である。
特に、式Ea−SOH(式中、Eaは上記に定義した通りである)のスルホン酸のフッ素化誘導体は、本発明によると、少なくとも下記の工程:
(a1)有機溶媒S1の存在下で、式Ea−SOOR(II)の化合物を得るために、式Ea−COOR(I)(式中、Rは、一価カチオンまたはアルキル基、特にアルカリ金属カチオンを表す)の化合物を硫黄酸化物と接触させる工程;
(b1)式Ea−SOR(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を得るために、スルフィン化工程(a1)の終了時に得られる反応混合物に酸化剤を添加する工程;および
(c1)所望の式(IV)のスルホン酸のフッ素化誘導体を得るために式(III)の化合物を酸性化する工程
によって製造することができる。
有利には、本発明の方法は、トリフルオロメタンスルホン酸(EaはCF基を表す)を製造するために実施される。
特定の実施形態によると、工程(a1)で使用される式(I)の化合物は、トリフルオロカルボン酸のアルカリ金属塩、特にトリフルオロ酢酸カリウム(CFCOOK)であり、工程(c1)の終了時にトリフルオロメタンスルホン酸(CFSOH)を生じさせる。
上述したように、スルフィン化反応(工程(a1))中の式(I)のカルボキシル化合物の転化は、一般に完全ではない。
式Ea−SORの化合物とEa−COORの化合物との混合物の酸性化は、所望のスルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOHとフルオロカルボン酸Ea−COOHとの混合物、例えばトリフリン酸とトリフルオロ酢酸との混合物を生じさせる(EaはCFを表す)。
スルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOHは、酸性化の終了時に得られる混合物から、例えば蒸留によって単離することができる。
カルボン酸のフッ素化誘導体Ea−COOHは、有利には、例えば本発明による方法において再利用される。
スルフィン化(a1)および酸化(b1)の工程は、より特には上述した条件下で実施される。
式Ea−SOR(III)の化合物(より一般的には、それと未反応カルボキシル化合物Ea−COOR(I)との混合物)の酸性化は、下記に詳述するように実施することができる。
第1代替法によると、酸性化は、
(1)有機溶媒S1、および存在する場合は前記式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を含む反応混合物(および一般には式Ea−COOR(I)の未反応カルボキシル化合物)由来の水を有機溶媒S2で置換する工程であって、前記溶媒S2は酸性化剤に対して不活性であり、溶媒S1と不混和性であり、かつ溶媒S1の沸点より高い沸点を有し、および/または溶媒S1とともに共沸混合物を形成する、工程;および
(2)所望のスルホン酸Ea−SOH(IV)のフッ素化誘導体(一般に、フルオロカルボン酸Ea−COOHとの混合物中で)を得るために、工程(1)の終了時に形成される、前記溶媒S2中に式(III)の誘導体(および一般には式Ea−COOR(I)の未反応カルボキシル化合物)を含む混合物を酸性化する工程
を含む工程によって実施される。
有機溶媒S1は、下記の連続する工程:
− 蒸留による有機溶媒S1、および存在する場合は水の大部分の排除;
− 有機溶媒S2の添加;および
− 共沸蒸留による残留溶媒S1の排除
によって溶媒S2と置換することができる。
上記から明らかなように、有機溶媒S1は、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。
DMFより高い沸点を有する有機溶媒S2は、例えば、高沸点アルカン、例えばデカリン(異性体の混合物を含む)および電子吸引基を有する芳香族誘導体、例えばオルト−ジクロロベンゼン(ODCB)またはニトロベンゼンから選択することができる。
工程(2)における式Ea−SOR(III)の化合物(および未反応カルボキシル化合物Ea−COOR(I))の酸性化は、工程(1)の終了時に得られる液体混合物への特にオレウム形にある硫酸の添加によって実施することができる。
硫酸相は、次に酸性化後の相の分離によって得られる混合物から抽出することができ、式(IV)のスルホン酸のフッ素化誘導体は、例えば、硫酸相の蒸留によって単離することができる。
溶媒S2は、有利には、例えば工程(1)において再利用することができる。
カルボン酸のフッ素化誘導体Ea−COOHは、有利には、例えば本発明による方法において再利用するために回収される。
第2代替法によると、酸性化工程は、
(1’)有機溶媒S1中の前記式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体(および一般には、式Ea−COOR(I)の未反応カルボキシル化合物)を含む反応混合物に、式(III)の化合物を溶解させることができない溶媒S2’を、溶媒S1/S2’の混合物から式(III)の化合物の沈降を導く量で加える工程;
(2’)式Ea−SOR(III)の化合物(および一般には、式Ea−COOR(I)の未反応カルボキシル化合物)から形成される工程(1’)の終了時に沈降した固体を単離する工程;および
(3’)所望のスルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOH(IV)(一般には、酸Ea−COOHとの混合物で)を得るために、工程(2’)の終了時に回収される固体を酸性化する工程
を含む工程によって実施することができる。
有機溶媒S1は、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。
S1/S2’混合物は、均質または不均質混合物、好ましくは均質混合物であってよい。S2’は、特には、アルカン、芳香族誘導体、例えばオルト−ジクロロベンゼン(ODCB)またはトルエン、ハロゲン化誘導体、例えばジクロロメタン、エーテルまたはエステルであってよい。
工程(3’)における固体の酸性化は、硫酸またはオレウムの添加によって実施することができる。
上述したように、式(IV)のスルホン酸のフッ素化誘導体は、次に、例えば硫酸相の蒸留によって単離することができる。
カルボン酸のフッ素化誘導体Ea−COOHは、有利には、例えば本発明による方法において再利用するために回収される。
本発明によって得られたスルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOHは、有利には式(Ea−SOO(V)の無水物に転化させることができる。
特に、本発明によって得られるトリフリン酸は、式(CF−SOOのトリフルオロメタンスルホン酸(トリフリン酸無水物)を得るために使用することができる。
したがって、本発明のさらにまた別の態様によると、本発明の主題は、式(Ea−SOO(V)(式中、Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;特に、EaはCF基を表す)の無水物化合物を製造するための方法であって、少なくとも下記の工程:
− 上述した方法により、式Ea−SOHのスルホン酸のフッ素化誘導体を製造する工程;および
− 前記所望の式(V)の無水物化合物を得るために式Ea−SOHの誘導体を無水化する工程
を含む方法である。
特に、式(Ea−SOO(V)(式中、Eaは上記に定義した通りである)の無水物化合物は、本発明により、少なくとも下記の工程:
(a2)式Ea−SOOR(II)の化合物を得るために、有機溶媒S1の存在下で、式Ea−COOR(I)(式中、Rは、水素原子、一価カチオンまたはアルキル基、特にアルカリ金属カチオンを表す)の化合物を硫黄酸化物と接触させる工程;
(b2)式Ea−SOR(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を得るために、スルフィン化工程(i)の終了時に得られる反応混合物に酸化剤を加える工程;
(c2)スルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOHを得るために、Rが水素原子と異なる場合に、式(III)の化合物を酸性化する工程:および
(d2)前記所望の式(V)の無水物化合物を形成するために、式Ea−SOHの化合物を無水化する工程
によって製造することができる。
有利には、本発明の方法は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(EaはCF基を表す)を製造するために実施される。
特定の実施形態によると、工程(a2)で使用される式(I)の化合物は、トリフルオロカルボン酸のアルカリ金属塩、特にトリフルオロ酢酸カリウム(CFCOOK)であり、工程(d2)の終了時にトリフルオロメタンスルホン酸無水物((CF−SOO)を生じさせる。
スルフィン化(a2)および酸化(b2)ならびに任意選択的に酸性化(c2)の工程は、より特には上述した条件下で実施される。
無水化反応は、当業者に公知であり、より特には文献米国特許第8222450号明細書に記載されている。
式Ea−SOHのスルホン酸のフッ素化誘導体、詳細にはトリフリン酸および式(Ea−SOOの無水物化合物、詳細にはトリフリン酸無水物は、様々な用途において、詳細には酸性触媒として、有機合成における保護基として、医薬品、農業化学もしくはエレクトロニクスの分野におけるシントンとして、またはエレクトロニクス工業のための塩として、またはイオン性液体の構成成分として使用できる。
以下では、当然ながら本発明の非限定的例示によって与えられる実施例によって詳細に説明する。
試薬の転化率は、試薬の初期量に対する反応中に消費(転化)された試薬のモル量の比率に一致する。
試薬からの生成物収率は、試薬の初期モル量に対する形成された生成物のモル量の比率に一致する。
実施例1
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中のHによるトリフルオロメチルスルフィン酸カリウムの酸化によるトリフルオロメチルスルホン酸カリウムの製造
i.N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中のトリフルオロ酢酸カリウム(CFCOOK)のスルフィン化によるトリフルオロメチルスルフィン酸カリウム(CFSOOK)の製造
撹拌棒およびバッフルとともに、−15℃でグリコール水溶液を有する凝縮器を備えた500mLのジャケット付き反応器へ下記:
・200gの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
・50gのトリフルオロ酢酸カリウム(KTFA)(すなわち、DMF−KTFA混合物中で20重量%に等しい濃度のKTFA)
を室温で導入する。
反応器に、媒体中で溶存SOの濃度を監視することを可能にするラマンプローブを備え付ける。このプローブを光ファイバーによってラマン分光器に接続する。
媒体を攪拌し、100℃の温度にさせる。
加圧二酸化硫黄シリンダーに接続された封管を介して、0.5重量%に等しい溶存SOの濃度および0.059の初期SO/KTFAモル比を有するように、1.25gの量のガス状SOを高精度調整弁に通して反応器へ連続的に導入する。
SO濃度を0.5重量%で一定に保ちながら温度を145℃にする。SO濃度を0.5重量%に調節しながら5時間にわたり反応が起こるようにする。
5時間後に反応混合物を冷却し、NMRによって分析すると、結果は次の通りである。
・トリフルオロ酢酸カリウムの転化率:90%;
・トリフルオロメチルスルフィン酸カリウムの収率:64.8%。
ii. DMF中の過酸化水素水溶液によるトリフルオロメチルスルフィン酸カリウムの酸化
上記のi項で記載したように製造したDMF中のトリフルオロ酢酸カリウムのスルフィン化反応から生じた総重量267.19gを有する溶液を60℃にし、次に3時間にわたりそれに過酸化水素水溶液(力価=30重量%)を加える。
使用する過酸化水素水溶液の総量は、トリフルオロメチルスルフィン酸カリウムの含有量に対して2モル当量である。
媒体は次にさらに2時間51分間にわたり60℃に保持するが、その間にin situラマン分光法による監視によってこの種の発生を監視するのが可能になる。
この保持時間の終了時、残留過酸化物の含有量を監視してアリコートを19F NMRによって分析すると、トリフルオロメチルスルホン酸カリウムの収率が98.44%であることを確定することが可能になる。
実施例2
DMF中の過炭酸ナトリウムによるトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムの酸化によるトリフルオロメタンスルホン酸カリウムの製造
DMF中の過炭酸ナトリウム(20.8g)の懸濁液を60℃にし、次に先行する実施例1に記載したように製造したDMF中のトリフルオロ酢酸カリウムのスルフィン化反応から生じた、176.73gの総重量を備える溶液を2〜3時間かけてこの媒体の上方に加える。
この保持時間の終了時、残留過酸化物の含有量を監視してアリコートを19F NMRによって分析すると、トリフルオロメチルスルホン酸カリウムの収率が90.7%であることを確定することが可能になる。
実施例3
トリフリン酸およびトリフルオロ酢酸の製造
先行する実施例2による酸化の終了時に得られた反応媒体を減圧(160mbar)下で蒸留し、次にデカリンをそれ(200mL、異性体の混合物)に加える。ディーン・スターク装置によって蒸留を継続すると、ボイラーが空になるまで蒸留したDMFを適当に排除することが可能になる。蒸留したDMFの総重量は164.1gである。
次に20%のオレウム150mLを加え、硫酸相を排除する。
次に、9.4gの純粋トリフルオロ酢酸(CFCOOH)および17.6gの純粋トリフリン酸(CFSOH)のそれぞれを生じさせるために、硫酸相を減圧下で蒸留する。

Claims (31)

  1. 式(III)
    Ea−SOR (III)
    のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法であって、有機極性非プロトン性溶媒の存在下で、式(II)
    Ea−SOOR (II)
    (式中、
    − Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;および
    − Rは、水素、一価カチオンまたはアルキル基を表す)の化合物を酸化剤と接触させる工程を含む方法。
  2. 前記反応媒体は、水性溶媒を含有していない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応媒体は、10重量%以下、特に4重量%以下の含水量を含むか、またはさらには水を含有していない、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、アミド型溶媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N−メチルピロリドン(NMP)またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記酸化剤は、過酸化水素水溶液;過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムまたはカリウム;過硫酸塩、特に過硫酸カリウム;および尿素過酸化水素から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. Rは、アルカリ金属カチオン、第四級アンモニウムおよび第四級ホスホニウムカチオンから選択される一価カチオンを表し、特にRは、アルカリ金属カチオンを表し、およびより特にはナトリウム、カリウム、セシウムおよびルビジウムから選択され、好ましくはカリウムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. Eaは、フッ素原子、CHF基、CHF基、C基およびCF基から選択され、特にEaはCF基を表す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 酸化反応の進行は、インラインまたはin situでラマン分光法、近赤外線分光法または紫外線分光法によって、好ましくはラマン分光法によって監視される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. トリフルオロメチルスルホン酸アルカリ金属塩、特にトリフルオロメチルスルホン酸カリウムを製造するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(III)
    Ea−SOR (III)
    (式中、
    − Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;および
    − Rは、水素、一価カチオンまたはアルキル基を表す)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造するための方法であって、
    (i)式Ea−SOOR(II)の化合物を得るために、有機極性非プロトン性溶媒の存在下で、式Ea−COOR(I)の化合物を硫黄酸化物と接触させる工程;および
    (ii)式(III)の前記誘導体を得るために、スルフィン化の工程(i)の終了時に得られる反応混合物に酸化剤を加える工程
    を含む少なくとも連続工程を含む方法。
  13. 工程(i)および(ii)の前記反応媒体は、10重量%以下、特に4重量%以下の含水量を含むか、またはさらには水を含有していない、請求項12に記載の方法。
  14. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、アミド型溶媒である、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N−メチルピロリドン(NMP)またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記有機極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記酸化剤は、過酸化水素水溶液;過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムまたはカリウム;過硫酸塩、特に過硫酸カリウム;および尿素過酸化水素から選択される、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. Rは、アルカリ金属カチオン、第四級アンモニウムおよび第四級ホスホニウムカチオンから選択される一価カチオンを表し、特にRは、アルカリ金属カチオンを表し、およびより特にはナトリウム、カリウム、セシウムおよびルビジウムから選択され、好ましくはカリウムである、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. Eaは、フッ素原子、CHF基、CHF基、C基およびCF基から選択され、特にEaはCF基を表す、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. スルフィン化反応および/または酸化反応の進行は、インラインまたはin situでラマン分光法、近赤外線分光法または紫外線分光法によって、好ましくはラマン分光法によって監視される、請求項12〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. トリフルオロメチルスルホン酸アルカリ金属塩、特にトリフルオロメチルスルホン酸カリウムを製造するための、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 式(IV)
    Ea−SOH (IV)
    (式中、Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表す)のスルホン酸のフッ素化誘導体を製造するための方法であって、少なくとも下記の工程:
    − 請求項1〜11または12〜21のいずれか一項に記載の方法により、有機溶媒S1中で、式Ea−SOR(III)(式中、Rは、一価カチオンまたはアルキル基を表す)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を製造する工程;および
    − 前記所望の式(IV)のスルホン酸のフッ素化誘導体を得るために前記式(III)の化合物を酸性化する工程
    を含む方法。
  23. 前記酸性化は、
    (1)前記有機溶媒S1、および存在する場合は前記式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を含む反応混合物由来の水を有機溶媒S2で置換する工程であって、前記溶媒S2は酸性化剤に関して不活性であり、前記溶媒S1と不混和性であり、かつ前記溶媒S1の沸点より高い沸点を有し、および/または前記溶媒S1とともに共沸混合物を形成する、工程;および
    (2)前記所望のスルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOH(IV)を得るために、工程(1)の終了時に形成される、前記溶媒S2中の前記式(III)の誘導体を含む前記混合物を酸性化する工程
    を含む工程によって実施される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記有機溶媒S1は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記有機溶媒S2は、高沸点アルカン、例えばデカリン、および電子吸引基、例えばオルト−ジクロロベンゼン(ODCB)またはニトロベンゼンを有する芳香族誘導体からなる群から選択される、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記酸性化は、
    (1’)有機溶媒S1中の前記式(III)のオキシスルフィドおよびフッ素化誘導体を含む前記反応混合物に、前記式(III)の化合物を溶解させることができない溶媒S2’を、溶媒S1/S2’の混合物から前記式(III)の化合物の沈降を導く量で加える工程;
    (2’)前記式Ea−SOR(III)の化合物から形成される工程(1’)の終了時に沈降した固体を単離する工程;および
    (3’)前記所望のスルホン酸のフッ素化誘導体Ea−SOH(IV)を得るために、工程(2’)の終了時に回収される前記固体を酸性化する工程
    を含む工程によって実施される、請求項22に記載の方法。
  27. 前記有機溶媒S1は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記溶媒S2’は、アルカン、芳香族誘導体、例えばオルト−ジクロロベンゼン(ODCB)またはトルエン、ハロゲン化誘導体、例えばジクロロメタン、エーテルまたはエステルである、請求項26または27に記載の方法。
  29. トリフルオロメタンスルホン酸を製造するための、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 式V
    (Ea−SOO (V)
    (式中、Eaは、フッ素原子またはフルオロアルキル、パーフルオロアルキルおよびフルオロアルケニルから選択される1〜10個の炭素原子を有する基を表し;特に、EaはCF基を表す)の無水物化合物を製造するための方法であって、少なくとも下記の工程:
    − 請求項1〜11、12〜21または22〜29のいずれか一項に記載の方法により、式Ea−SOHのスルホン酸のフッ素化誘導体を製造する工程;および
    − 前記所望の式(V)の無水物化合物を得るために前記式Ea−SOHの化合物を無水化する工程
    を含む方法。
  31. トリフルオロメタンスルホン酸無水物を製造するための、請求項30に記載の方法。
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