JP2017534454A - 粉砕ローラ - Google Patents

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Abstract

本発明は、傾斜した固定内部ローラシャフト3を有する粉砕ローラ1に関し、ローラジャケット6がローラ基体7上に設けられている。回転可能なローラ基体7は、配置されている固定軸受11およびそれから離間されているフローティング軸受12により、固定内部ローラシャフト3に対して取り付けられている。フローティング軸受12は、ローラ軸3の端面の領域内に、かつローラジャケット6を有するローラ基体7の回転を可能にするようにそれらを支持するために設けられており、位置決め軸受11が、揺動レバー14の方向に外側にずらされてローラ軸3上に配置されている。

Description

本発明は傾斜した固定内部ローラシャフトを備えた粉砕ローラに関し、ローラジャケットがローラ基体上に設けられており、複列ローラ軸受が、固定内部ローラシャフトに対して回転可能なローラ基体を取り付ける位置決め軸受として配置されており、複列ころ軸受から離間されている円筒形ころ軸受がフローティング軸受としての機能を果たす。
このタイプの粉砕ローラは、とりわけ、セメント原料、セメント、スラグ、鉱石、または石炭を粉砕するエアスウェプト垂直ミルにおいて使用される。そのような粉砕ローラの例が、独国特許出願公開第3100341(A1)号明細書、国際公開第2005/028112(A1)号パンフレットまたは米国特許出願公開第2005/0023390(A1)号明細書から既知である。
また、米国特許出願公開第2005/0023390(A1)号明細書に詳細に粉砕ローラおよびその基体すなわちローラ芯およびその周囲を取り巻いて配置されているローラジャケットのための軸受装置が示されている。
対応する粉砕ローラの従前の軸受装置が、図2に簡略に示されている。
傾斜した固定内部ローラシャフト3は、ロッカアーム14の開口領域に噛み合い結合方式かつ/または非積極的な結合方式でかつ回転に関してしっかりと固定されており、開口領域はローラシャフト3から略直角に離れて立っている。
ローラジャケット6および粉砕ローラ30に作用する力を示すために、粉砕軌道17およびこれを形成している粉砕軌道プレート18を備えた粉砕テーブル16の外側領域が、断片化された図に示されている。
粉砕ローラ30の基体7は、その周囲領域に、原理上円錐台形状に形成されているローラジャケット6を担持している。これら部品間の締結は締付けボルト37により実現される。粉砕ローラ30の基体7は、ローラシャフト3に対して、2列の円錐ころ34,35を備えた複列円錐ころ軸受31により端面9の領域内に取り付けられている。
この軸受は内側位置決め軸受として記載されることができ、用語「内側」はミルまたは粉砕テーブル16の中央または内側の方へ配置されている軸受であると理解されるべきである。
この位置決め軸受31から外側に離れた位置で、基体7は、ローラジャケット6と共に、例えば円筒形ころ軸受として外側にあるフローティング軸受32によって、ローラシャフト3に取り付けられており、支持されている。
ローラジャケット6の外周面と粉砕軌道17上に存在する原料との間の粉砕間隙27内で稼働中に起こる粉末化または粉砕プロセスは、当該分野の技術において当業者に十分に知られている。
粉砕ローラ30の内側に傾斜したシャフト4およびローラジャケット6の傾斜28により、粉砕間隙27において、ローラジャケット6の外周面と粉砕軌道プレート18とはおおよそ互いに平行な近距離にある。
セメント原料または石炭などの原料を粉末化するのに必要とされる粉砕力は、言わば、粉砕ローラ30の重量力、および支持装置によってロッカアーム14およびしたがってローラジャケット6にかけられる付加的油圧力に起因する。
図2の簡略化された図では、例えばローラジャケット6の中央において、粉砕プロセスを通じて粉砕ローラ30に作用する力が矢印で示されている。
約15°で傾斜している、粉砕ローラ30のシャフト4により、径方向力はおおよそ矢印49の方向に、軸方向力は矢印48の方向に作用し、その結果、結果として得られる力は、単純に矢印50の方向に粉砕ローラ30およびその軸受装置に作用する。
内側位置決め軸受および外側にあるフローティング軸受を備えた、粉砕ローラ30の図2に示されている軸受装置は、長年に亘って実践において最良であることを証明してきた。
垂直ミルおよびそれに使用されている粉砕ローラを用いて粉砕され、分級された微細物質の処理量が益々増加する傾向にあることにより、粉砕ローラも益々大きなものが使用されるようになっている。稼動中、内側位置決め軸受および外側にあるフローティング軸受を備えたこれまで使用されている軸受装置に関する問題および高レベルの磨耗が益々頻繁に生じるようになっている。
本発明に対応して、概略的にプロットされた作用力が、円錐ころ34,35を備えた位置決め軸受31の2列に異なる荷重をかけることが認識されてきている。これは、内側すなわちミルの中心に向く円錐ころ34の列のみが外側に作用する軸方向力を、また、シャフト4の傾斜により径方向力の大部分を吸収するからである。
通常稼動中、円錐ころ35からなる外側に配向された列は低径方向力で荷重がかけられているだけである。この極度に異なる径方向荷重の配分は、結果として生じる粉砕力50がローラジャケット6上で中心に作用せず、代わりに粉砕ローラのより大きな直径の方向に、したがってより粉砕軌道17の外縁または保持リム19の方向にて作用する場合、ますます偏る。
「中心」力効果の仮定は、理論計算における簡略化に役立つに過ぎない。
やはり粉砕部品の検査および磨耗図により示されている通り、また、外側列の円錐ころ35に作用する径方向力は、結果として得られる力50の外側方向の変位でさらにずっと低下する。
これは、ある適用では、この円錐ころ35の外側列が殆ど完全に荷重から解放され、かつ個々の円錐ころ35はもはや回転体として回転せず、代わりに該軸受における摩擦の欠如により、滑走面上で滑動するという結果になり得る。この効果はおおよそアクアプレーニングの効果に匹敵する。軸受の観点から、この効果は、不適切な潤滑による破壊まで、滑走軌道の潤滑効果をもたらし得る。
独国特許出願公開第3100341号明細書 国際公開第2005/028112号 米国特許出願公開第2005/0023390号明細書
したがって、本発明の目的は、指示された欠点および問題を克服すること、ならびに軸受装置が磨耗しにくくかつ費用効率の高い解決策を考慮している粉砕ローラを作り出すことである。
この目的は、請求項1の特徴により、本発明に基づいて達成される。
本発明の必須の核となる思想が、これまでに確立された要件から離れること、すなわち位置決め軸受を粉砕ローラの端面、粉砕ローラの内側領域に設け、そしてローラジャケットに作用する推定上の相当な力が位置決め軸受の極近傍で吸収されるようにすることから離れ、その代わりに粉砕ローラの全体的な軸受配置を反対の方法で設計することに認められる。
この反対の軸受原理の範囲内で、位置決め軸受は、言わば、ローラ基体すなわちローラ芯の領域内で軸方向外側にずらされて配置されている。同時に、これまでに非常に豊富に設計され、かつ円筒形ころ軸受として構成されていることが好ましいフローティング軸受は、ローラシャフトの端面領域にすなわちローラジャケットの外周面から最短距離のところに配置されている。
また、本発明による粉砕ローラの軸受装置の構成は、現在端面領域に設けられているフローティング軸受が既知の軸受装置において外側にずらして設けられているフローティング軸受より小さい直径を有することを可能にし、その結果、本発明によれば、粉砕ローラの軸受装置の質の向上と同時に、コスト節約もまた達成される。
ローラ基体すなわちローラ芯は、本発明に基づいて、有利に複列円錐ころ軸受により、ローラシャフトに対して、その外側領域内に相応に支持されている。位置決め軸受としての役割を果たすこの複列円錐ころ軸受は、このように、粉砕ローラに作用する径方向力および軸方向力を吸収する。
用語「外側領域」は、ロッカアームの方向に外側に向かう、粉砕ローラの傾斜シャフト上の領域であると、本願の範囲内で理解されるべきである。それに対して、「内側に」配置されている領域は、粉砕テーブルの中心または粉砕ローラが使用されている対応する垂直ミルの中心に向かう配置を意味する。
粉砕テーブルに向かう粉砕ローラのシャフトの傾斜により、かつ粉砕テーブルの粉砕軌道の広範囲に亘る水平な配向により、ローラジャケットの周囲外形は、円錐台タイプの周囲外形として設計されている。この構造により、径方向に延びる範囲全体に亘って略等しい距離を有して、粉砕軌道と粉砕ローラとの間の粉砕間隙が達成される。
粉末化される原料に応じて、セメント原料が使用される場合に、位置決め軸受は複列円錐ころ軸受として設計されることが好ましく、一方、垂直ミルにおける原炭の粉末化では、複列振り子ころ軸受(複列自動調心ころ軸受)が使用されることが好ましい。
複列振り子ころ軸受は、それが対応する寸法範囲内で軸方向荷重および径方向荷重の両方に耐えかつアラインメント誤差を補償することに良く適しているという利点を有する。
複列円錐ころ軸受は、径方向および軸方向の両方の非常に高い荷重に同程度に耐えることができる。複列円錐ころ軸受は、軸受として「X」配置で取り付けられていること(複列内向き形)が好ましい。しかし、用途に応じて、「O」配置(複列外向き形)もまた可能である。
フローティング軸受としておおよそローラシャフトとローラ芯との間の端面に設けられている円筒形ころ軸受は、外側領域に向かう位置決め軸受の本発明による配置により、相対的に小さい寸法を有することができ、それにより、かなりのコスト節約が既に達成され得る。
位置決め軸受およびフローティング軸受の本発明による配置では、したがって、粉砕ローラのシャフトの傾斜および作用点の傾斜ならびに結果として得られる粉砕力の力方向により、2つの軸受間の荷重分布の修正および位置決め軸受上の荷重の増大が達成される。このことは、ローラジャケット上の結果として得られる粉砕力が、さらに外側にすなわち粉砕テーブルの保持リムにより近接して作用する場合、特に有利である。
このようにして、複列円錐ころ軸受の2つのころ軸受の一方の荷重の解放が回避され、その結果、前述の問題および軸受への損傷が防止され得る。
移送される力はフローティング軸受においてより低いので、詳細には円筒形ころ軸受として構成されているこの軸受は、より小さくかつより費用効率が高いように設計され得る。
本願の主題は、概略的な図の参照により、以下により詳細に説明される。
下部領域で断片化されて示されている粉砕テーブルに対して対応する軸受装置を備えた、本発明による粉砕ローラを貫通する軸方向断面図である。 粉砕テーブルの縁部領域を含む、対応する軸受装置を備えた、従来の粉砕ローラを貫通する比較可能な軸方向断面図である。
図1は、ローラシャフト3とロッカアーム14を介した回動機構とを備えた、本発明による粉砕ローラ1を軸方向断面で示す。原料のための粉砕および粉末化の機能を考慮して、粉砕軌道プレート18を備えた粉砕テーブル16の一部と、保持リム19と、ローラジャケット6の外周面と粉砕軌道プレート18の表面との間の対応する粉砕間隙27とが、下部領域で断片化されて示されている。
ローラジャケット6の外周面および粉砕ローラのシャフト4に対するその傾斜28は、粉砕間隙27が粉砕テーブル平面26に略平行に延在するように設計されている。
対応する粉砕ローラの同一のまたは同一タイプのアセンブリに関して、図2と同じ参照数字が図1において使用されていることが言及されるべきである。
ローラシャフト3は、ロッカアーム14の対応する凹部の外側領域(図1において左)内に堅く、回転に関してしっかりと固定されている。
おおよそ粉砕テーブル16の中心に向かう、内側に向かう領域では、径方向外側に付けられているローラジャケット6を備えたローラ基体7すなわちローラ芯は、位置決め軸受11およびフローティング軸受12により、ローラシャフト3上に回転可能に取り付けられている。
位置決め軸受11は図1の例では複列円錐ころ軸受21として設計されており、ローラシャフト3上に「O」配置(外向き配置)で設置されている。この位置決め軸受11は、例では、ロッカアーム14の方へ外側に配置されているローラ基体7の外側領域内に配置されており、その結果、位置決め軸受は、稼動中に粉砕ローラジャケット6の下部領域に作用する力の大部分を吸収することができる。
したがって、ローラ基体7の端面領域9およびローラシャフト3上の粉砕ローラ1に設けられているフローティング軸受12は、本発明による軸受装置において、相対的に限定された作用力のみを吸収する。このため、また、このフローティング軸受12は、先行技術に基づいてこれまで使用されているフローティング軸受32より小さい寸法を有し得る。
図1による例では、軸受12は、円筒形ころ軸受22としてかつ先行技術における従来の軸受32より小さく設計されている。
本発明による粉砕ローラ1の軸受装置は、特に粉砕間隙27内の結果として得られる力効果50が、理論上の仮定である中央から、示されている保持リム19の方向に径方向外側(左)に移行する場合、その極めて優れた利点および先行技術における既知の問題の克服を呈示する。径方向および軸方向の両方に作用する力の大部分がこの位置決め軸受により吸収され得るので、図1による位置決め軸受11がその顕著な効果を呈示するのは特にその時である。
本発明は、このように、本発明による粉砕ローラ1における軸受装置を作り出し、位置決め軸受11は、かなりの力を吸収するように配置され、設計zされている一方、より小さい寸法を有するフローティング軸受12は比較的より小さい力を吸収しなければならないだけである。また、本解決策は対応する軸受のより低い程度の磨耗をもたらし、その結果、より長い保守間隔が適用され得る。
位置決め軸受11は図1の例では複列円錐ころ軸受21として設計されており、ローラシャフト3上に「」配置(向き配置)で設置されている。この位置決め軸受11は、例では、ロッカアーム14の方へ外側に配置されているローラ基体7の外側領域内に配置されており、その結果、位置決め軸受は、稼動中に粉砕ローラジャケット6の下部領域に作用する力の大部分を吸収することができる。

Claims (6)

  1. 傾斜した固定内部ローラシャフト(3)と、
    ローラ基体(7)上に設けられているローラジャケット(6)と、
    前記固定内部ローラシャフト(3)に対して前記回転可能なローラ基体(7)を担持するために配置されている複列ころ軸受(21)およびそれから離間されている円筒形ころ軸受(22)と、
    を備えた粉砕ローラにおいて、
    前記円筒形ころ軸受(22)は、前記固定ローラシャフト(3)に対して回転可能に、前記ローラジャケット(6)を備えた前記ローラ基体(7)を担持するために、前記ローラシャフト(3)の端面領域内に設けられ、
    前記複列ころ軸受(21)は、前記ローラシャフト(3)上で外側にずらされて配置されていること、
    を特徴とする粉砕ローラ。
  2. 請求項1に記載の粉砕ローラであって、前記ローラ基体(7)上に付けられている前記ローラジャケット(6)は円錐台タイプの周囲外形を有することを特徴とする粉砕ローラ。
  3. 請求項1または2に記載の粉砕ローラであって、前記複列ころ軸受は複列円錐ころ軸受(21)としてまたは複列振り子ころ軸受として設計されていることを特徴とする粉砕ローラ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の粉砕ローラであって、前記複列円錐ころ軸受(21)は相互に傾斜したころ軸受として設計されていることを特徴とする粉砕ローラ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の粉砕ローラであって、同一の粉砕ローラ寸法で比較した場合、寸法的観点から、端面領域内に配置された前記円筒形ころ軸受(22)は、これまで使用されている外側領域に配置された円筒形ころ軸受より小さいように設計され得ることを特徴とする粉砕ローラ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の粉砕ローラであって、前記複列円錐ころ軸受(21)は「X」配置または「O」配置で設けられていることを特徴とする粉砕ローラ。
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