JP2017534264A - 均質化したたばこ材料の製造方法 - Google Patents

均質化したたばこ材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、均質化したたばこ材料のためのスラリーの製造方法に関し、前記方法は、1つ以上のたばこタイプのたばこを選択することと、前記たばこを粗く粉砕することと、前記1つ以上のたばこタイプのたばこをブレンドすることと、前記1つ以上のたばこタイプのたばこを細かく粉砕することと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、均質化したたばこ材料を製造するためのプロセスに関する。特に、本発明は、例えば、紙巻たばこまたは「燃やさない加熱式」たばこを含有する製品などのエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料を製造するためのプロセスに関する。
今日では、たばこ製品の製造では、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は、例えば、たばこ茎またはたばこダストなどの、一般にカットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは、一般的にスラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次にスラリーは、例えば、いわゆるキャストリーフを製造するために粘性のあるスラリーを移動する金属ベルト上にキャスティングすることによってたばこウェブを作り出すために使用される。あるいは、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ水含有量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。従来の紙巻たばこで使用するための均質化したたばこの機能は、実質的に充填力、引き出し抵抗、たばこロッドの硬さ、および燃焼特性などのたばこの物理的特性に限定される。この均質化したたばこは、一般に味わいに対する影響を有するようには設計されていない。このような均質化したたばこを作成するプロセスは、例えば、欧州特許第EP0565360号に開示されている。
「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼は防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、一般にたばこのみであるか、または大部分がこのような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこを含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成が実質的に均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。従って、例えば、エアロゾルの味わいの制御のためには、均質化したたばこ材料の組成にわたる良好な制御を有することが重要である。従って、エアロゾル発生物品用の均質化したたばこ材料の製造のためにたばこダストまたは他のたばこ製造からの残り物を使用することは、たばこダストの厳密な組成が未知のためあまり適切ではない。
従って、こうした加熱式エアロゾル発生物品の異なる加熱特性およびエアロゾル形成の必要性に適合された、「燃やさない加熱式」のこのような加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料を調製するための新しい方法に対する必要性がある。
第一の態様によると、本発明は均質化したたばこ材料の製造方法に関し、前記方法は、1つ以上のたばこタイプのたばこを選択する工程と、前記選択したたばこを粉砕する工程と、前記1つ以上のたばこタイプのたばこをブレンドする工程と、を含む。本発明によると、粉砕する工程は、前記1つ以上のたばこタイプのたばこを粗く粉砕する工程と細かく粉砕する工程との2つの別々の工程を含む。
均質化したたばこ材料内に存在するたばこが実質的にエアロゾル発生物品内に存在する唯一のたばこ(またはその大部分)を構成するので、エアロゾルの特徴(例えば、その風味など)への影響は、主に均質化したたばこ材料に由来する。従って、本発明によると、均質化したたばこ材料の成分は、結果として得られるブレンドされたたばこ粉末の全ての要素の起源が既知であるようにブレンドされる。これは、調製のために使用されるたばこダストの厳密な組成が完全に未知である従来の再構成たばこシートを凌ぐ著しい利点である。従って、均質化したたばこ材料の製造のためにたばこをブレンドすることは、結果として得られる異なるタイプのたばこのブレンドのある一定の特性(例えば、風味特性など)に対して所定の標的値を設定し、かつこれに適合することを可能にする。本発明によるエアロゾル発生物品のための均質化したたばこ材料の製造のための出発材料は、それゆえたばこ葉であるカットフィラーをブレンドするためのたばことサイズおよび物理的特性がほぼ同一であるたばこ葉である。従って、均質な均質化したたばこ材料を得るためには、先行技術の再構成たばこの材料に使用される「ダスト」と実質的に同一のサイズに達するように均質化したたばこ材料のためのたばこラミナを粉末へと粉砕する必要がある。大きすぎるたばこ粒子(たばこ粒子が約0.15ミリメートルより大きい)は、たばこ粉末から形成された均質化したたばこウェブ内の欠陥および不均質な区域の原因となる場合がある。たばこ材料のウェブがより薄いほど、この効果は増加する。均質化したたばこウェブ内の欠陥は、均質化したたばこウェブの引張強さを減少する場合がある。引張強さの減少は、エアロゾル発生物品の製造におけるその後の均質化したたばこウェブの取り扱いの困難につながる場合があり、例えば、たばこウェブが部分的にまたは完全に裂けることに起因する機械の停止を生じる可能性がある。さらに、不均質なたばこウェブは、同一の均質化したたばこウェブから製造されたエアロゾル発生物品間でエアロゾル送達において意図しない差異を作り出す場合がある。従って、エアロゾル発生物品用として許容可能な均質化したたばこ材料を得るためのスラリーを形成するための出発たばこ材料としては、比較的小さい平均粒子サイズが望ましい。さらに、たばこ粉末がたばこ細胞構造のサイズと同一のサイズまたはそれ以下である場合、たばこからの物質のエアロゾル化を改善できることが見出されている。有利なことに、約0.05ミリメートルまで細かく粉砕することによって、たばこ細胞構造を開くことができると考えられる。
ところが、細かく粉砕することによって細胞構造を開くには比較的大量のエネルギーを必要とする。これは、細胞構造が破壊されると少なくとも部分的にたばこ粉末が粘着性になることによって生じると考えられる。たばこ粉末の細かい粉砕は、高い摩擦および細かく粉砕する装置の温度の上昇を作り出す。これは細かく粉砕する機械の詰まりにつながる可能性があり、製造の速度を減少する。それゆえ、細かく粉砕する装置の過熱およびたばこ粉末の過熱の可能性を防止する目的で、たばこを非常に細かい粉末へと粉砕するために使用できるエネルギーが制限される。たばこ粉末の過熱は、材料の分解、ならびにたばこ材料およびたばこ材料から放出される可能性があるエアロゾルの物理的特性の変化につながる場合がある。一方で、ラインのマスフローおよび製造の速度は、たばこを細かく粉砕するために利用できるエネルギーに依存する。本発明によると、粉砕するプロセスを粗く粉砕する工程と別の細かく粉砕する工程とに分割することによって、この問題は解決される。従って、最大量のエネルギーを第一の粗く粉砕する段階でのたばこ粉末化につぎ込み、それゆえ最終的な細かく粉砕する段階のために必要なエネルギーの量は減少する。その結果、これは細かく粉砕する装置を通るたばこ粉末のマスフローを大幅に増加することができる。同時に、細かい粉砕に起因するたばこ材料の意図しない分解を減少することができる。
「均質化したたばこ材料」という用語は、本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成される。
さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および移送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの1つ以上を含んでもよい。
均質化したたばこ材料は、たばこの粒子の凝集を助けるために、1つ以上の内因性の結合剤、1つ以上の外因性の結合剤、またはその組み合わせを備えてもよい。均質化したたばこ材料は、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体としての使用が意図されている時、均質化したたばこは、乾燥質量基準で約5パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を持つことが好ましい場合がある。加熱式エアロゾル発生物品で使用するための再構成たばこは、エアロゾル形成体含有量が乾燥質量基準で約5重量パーセント〜約30重量パーセントでありうることが好ましい。
本発明では、スラリーは、適切にブレンドされた異なるたばこの種類のたばこラミナおよびたばこ茎によって形成される。「たばこタイプ」という用語は、たばこの異なる品種のうちの1つを意味する。本発明に関しては、これらの異なるたばこの種類は、ブライトたばこ、ダークたばこおよびアロマティックたばこの3つの主な群に区別される。これらの3つの群間の区別は、たばこがたばこ製品中でさらに加工される前に受ける乾燥処理プロセスに基づく。
ブライトたばこは、一般的に大きく、明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語は熱風送管乾燥処理されたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、チャイニーズ熱風送管乾燥処理、熱風送管乾燥処理ブラジル、バージニアたばこなどのUS熱風送管乾燥処理、インディアン熱風送管乾燥処理、タンザニア産の熱風送管乾燥処理、または他のアフリカン熱風送管乾燥処理が挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして活気のある感覚と関連付けられたたばこタイプである。本発明によると、ブライトたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約2.5パーセント〜約20パーセント、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で約0.12パーセント未満であるたばこである。還元糖には、例えばグルコースまたはフルクトースが含まれる。総アンモニアには、例えばアンモニアおよびアンモニア塩が含まれる。
ダークたばこは、一般的に大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語は空気乾燥処理したたばこに対して使用される。さらに、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みタバコ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこもこの範疇に含まれる。感覚的な見方からは、ダークたばこは、乾燥処理後、スモーキーでダークシガータイプの感覚と関連付けられるたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこに対する例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、乾燥処理したダークブラジルガルパオ、日光乾燥処理または空気乾燥処理したインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約2.5パーセント未満、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で最高約0.5パーセントであるたばこである。
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば、精油の含有量が高い他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして芳香を持つ感覚と関連付けられたたばこの種類である。アロマティックたばこに対する例は、グリークオリエント、オリエントターキー、セミオリエントたばこだが火力乾燥処理もされたたばこ、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドである。
さらに、ブレンドは、いわゆるフィラーたばこも含んでもよい。フィラーたばこは具体的なたばこタイプではないが、ブレンドで使用され、かつ最終製品に特異的な特徴の芳香の方向性をもたらさないその他のたばこタイプを補完するために主に使用されるたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中央脈、または葉柄である。具体的な例は、熱風送管乾燥ブラジルの葉柄下部の熱風送管乾燥処理した茎でありうる。
たばこの各タイプの中で、たばこ葉は、例えば、原産、植物内での配置、色、表面性状、サイズ、および形状に関してさらに等級分けされる。たばこ葉のこれらの特徴および他の特徴は、たばこブレンドを形成するために使用される。たばこのブレンドは、同一の種類または異なる種類に属するたばこの混合物であり、その結果たばこブレンドは凝集した特異的な特徴を有する。この特徴は、例えば、加熱または燃焼された時の独特の味わいまたは特異的なエアロゾルの組成とすることができる。ブレンドは、一つのものと他方のものの所与の比率で特定されたたばこタイプおよび等級を含む。
本発明によると、同一のたばこの種類内での異なる等級は、各ブレンド構成成分のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。本発明によると、特異的な所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択される。例えば、ブレンドは、乾燥質量基準の均質化したたばこ材料あたりの還元糖、総アンモニア、および総アルカロイドの標的値を有してもよい。総アルカロイドは、例えば、ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイドである。
例えば、ブライトたばこは、等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこを含んでもよい。等級Aのブライトたばこは、等級Bおよび等級Cのブライトたばこと化学的特性がわずかに異なる。アロマティックたばこは、等級Dのたばこおよび等級Eのたばこを含んでもよく、等級Dのアロマティックたばこは、等級Eのアロマティックたばこと化学的特性がわずかに異なる。たばこブレンドに対する例証のために可能な標的値は、例えば、乾燥質量基準で総たばこブレンドの約10パーセントの還元糖の含有量とすることができる。選択した標的値を達成するために、たばこブレンドを形成するために70パーセントのブライトたばこと30パーセントのアロマティックたばことを選択してもよい。70パーセントのブライトたばこは等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこの中から選択されるが、30パーセントのアロマティックたばこは等級Dのたばこおよび等級Eのたばこから選択される。ブレンドの中に含まれる等級A、B、C、D、Eのたばこの量は、たばこブレンドに対する標的値に適合するために、等級A、B、C、D、Eのたばこの各々の化学的組成に依存する。
様々なたばこタイプは、一般的にラミナおよび茎で利用可能である。均質化したたばこ材料のスラリーを製造するために、適切なたばこサイズ、例えば、スラリーを形成するために適切なたばこサイズを達成する目的で、選択されたたばこタイプを粉砕する必要がある。
本発明による粉砕する段階中に使用されるエネルギーを最小化するために、粉砕する段階は2つの工程へと分けられる。本発明によると、粗く粉砕する工程は、たばこ細片を可能な限り最も小さいサイズへと粉砕する工程を含む一方で、同時にたばこの細胞構造は実質的に損傷されていないままとなる。それゆえ、粗く粉砕したたばこ粒子は実質的に乾燥したままである。乾燥したたばこ粒子は、例えば、保存するため、ブレンドするため、および他のその後のプロセスのために簡単に取り扱うことができるためこれは有利である。粗く粉砕する工程を含むことによって、有利なことに、細かく粉砕する工程でのエネルギー消費量を約30パーセント減少できることが分かっている。従って、粗い粉砕がない場合と同一のレベルにエネルギー消費量が保持される場合に、細かく粉砕する工程を通して可能な処理量を増加するために、この細かく粉砕する工程でのエネルギー消費量の減少を利用することができる。有利なことに、粗く粉砕されたたばこ粒子の製造には細かく粉砕されたたばこ粉末の製造のために必要とされるよりも高機能な機械を利用する必要がないため、これは製造コストの低下も可能にする。
本発明の方法の第一の工程では、たばこは粗く粉砕される、すなわち、たばこの細胞が概して壊されないまたは破壊されない粒子サイズに減少される。有利なことに、この段階では、結果として得られる粗く粉砕されたたばこは乾燥した状態に留まり、そのため結果として得られる粗い粉砕されたたばこの粘性のあるまたは粘着性の挙動も回避される。
この第一の粗く粉砕する工程の後、追加的な粉砕する工程では、たばこは、スラリーの形成に適切な平均粒子サイズを有するたばこ粉末へと粉砕される。この第二の粉砕する工程では、たばこの細胞はある程度までまたは完全に破壊される。
たばこ粉末の平均サイズを減少することによって、本明細書に記述される均質化したたばこウェブを形成するために必要とされる結合剤がより少量で済む場合がある。より細かい粉末サイズまでたばこを細かく粉砕することによって、例えば、ペクチン、ニコチン、精油、および他の風味などのたばこ細胞内の物質をたばこ細胞からより簡単に放出することができるとも考えられる。
たばこの粗い粉砕を、例えば、ブレンドで使用される各たばこタイプのための並列的なプロセスラインで行えることが好ましい。あるいは、たばこの粗い粉砕を直列で、すなわち順々に1つのたばこタイプで行うことができる。第一の実施形態は、異なるたばこタイプが粗く粉砕する間に異なる処理を必要とする場合には好ましい。
望ましいブレンドを得るために本発明による選択した異なるたばこタイプをブレンドする工程を、粗く粉砕する前、すなわちラミナおよび茎のレベルにおいて、または粗く粉砕した後のいずれかに実施することができる。有利には、ブレンドする工程は粗く粉砕する工程の後に続く。この段階では、粗く粉砕されたたばこ材料の取り扱いはまだ簡単である。同時に、これにより単一の製造施設においてインラインでブレンドできるようにする。さらに、ブレンドしたたばこ葉または細片の中間的な箱詰めプロセスおよび保存プロセスが必要とされない。有利なことに、たばこ粉末のために選択したたばこを、たばこ葉のための標準的な移送用クレートに入れて、粗く粉砕されたたばこ粒子が製造される施設へ送達することができる。粗く粉砕されたたばこ粒子が製造される施設の出口において、粗く粉砕されたたばこ粒子を細かく粉砕する機械およびキャスティング機械へとインラインで搬送することができる。あるいは、粗く粉砕されたたばこ粒子を梱包し、細かく粉砕する機械およびキャスティングする機械を有する施設へ移送することができる。細かく粉砕した後のたばこ粉末の物理的特性を理由に(例えば、内因性結合剤の放出につながるたばこの保護的な細胞構造の破壊を理由に)、細かく粉砕する機械およびキャスティングする機械は同一の場所にあることが好ましい。
あるいは、細かく粉砕する工程の後でブレンドする工程を実現することもでき、このため異なるたばこタイプまたは等級から作成されたたばこ粉末がブレンドされる。
選択したたばこを細かく粉砕する工程は、前記たばこを平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこ粉末になるまで細かく粉砕する工程を含むことが好ましい。約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルの平均サイズは、粉砕によってたばこ細胞が少なくとも部分的に破壊されるサイズを表す。さらに、この平均サイズを有するたばこの粉末を使用して得られたスラリーは滑らかで均一である。以下では、「たばこ粉末」という用語は、本明細書を通して、平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこを示すために使用される。
本発明による粗く粉砕する工程は、平均サイズが約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルであるたばこ粒子を得るために前記たばこ葉の粗い粉砕を含むことが好ましく、平均サイズが約0.3ミリメートル〜約1.0ミリメートルであることがより好ましく、平均サイズが約0.3ミリメートル〜約0.6ミリメートルであることが最も好ましい。約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルのサイズでは、たばこの細胞はまだ実質的に損傷されておらず、このため粗く粉砕されたたばこの取り扱いは比較的簡単である。特にこのサイズでは、たばこ粒子は本質的に乾燥したままであり、また非粘着性である。細かく粉砕するプロセスに割り当てられるエネルギーの量は粒子サイズと反比例する。すなわち、粗く粉砕する段階後の粒子サイズが小さいほど、粗く粉砕するプロセスにより多くのエネルギーを割り当てることができる。従って、その後の細かく粉砕するプロセスのために必要とされるエネルギーの量を有利なことに減少することができる。以下では、「たばこ粒子」という用語は、本明細書を通して、平均サイズが約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルであるたばこを示すために使用される。
有利な実施形態では、本発明の方法は、前記粗い粉砕の前に、平均サイズが約2ミリメートル〜約100ミリメートルであるたばこ細片を得るために前記たばこを細断する工程をさらに含む。
たばこ粒子のサイズ減少を複数の分離された工程へと分けることは、各個別のサイズ減少工程中の全体的なエネルギー消費量をさらに減少させる。従って、たばこをラミナおよび茎のサイズから約0.3ミリメートル〜約2ミリメートルの粒子サイズへ粉砕する工程も2つの下位工程、すなわち、たばこが数センチメートルの平均サイズまで細断される第一の細断する工程、および次に約0.3ミリメートル〜約2ミリメートルの望ましいサイズまで粗く粉砕する工程で実施されることが好ましい。明白なことに、前段階の細断するプロセスが粒子サイズを約2ミリメートルのサイズ未満まで減少する場合、その後の粗く粉砕する工程は、粒子サイズをより小さい範囲までさらに減少する。
有利なことに、1つ以上のたばこタイプのたばこを選択する工程は、ブレンド内のたばこ総量の乾燥質量基準で少なくとも約30パーセントのブライトたばこと、ブレンド内のたばこ総量の乾燥質量基準で約0パーセント〜約40パーセントのダークたばこと、ブレンド内のたばこ総量の乾燥質量基準で約0パーセント〜約40パーセントのアロマティックたばこと、を選択することを含む。本発明の方法により調製された均質化したたばこ材料がエアロゾル形成物品内で使用される場合、装置によって発生したエアロゾルの風味、味わい、および化学的組成は、ほぼ完全に、その後均質化したたばこ材料に変換されるスラリー内に存在する化合物に由来する。本発明によると、スラリー内、およびその後今度は均質化したたばこ材料内に存在するたばこブレンドは、他のたばこ製造プロセスの残留物を少量のみ(例えば、乾燥質量基準でブレンド内のたばこ総量の約5パーセント未満)含む。有利なことに、たばこブレンドは、紙巻たばこのブレンドプロセスと類似の様式で得られる、異なるたばこタイプおよび等級のブレンドである。特に、これは、ある一定の特異的な所定の特性を有する望ましい特定のブレンドを得るために、たばこの異なるタイプが選択されることを意味する。例えば、選択される特性は、たばこブレンド内の還元糖、総アンモニア、および総アルカロイドのうちの1つ以上とすることができる。
本発明の方法は、乾燥質量基準で均質化したたばこ材料の約1パーセント〜約5パーセントの異なるたばこタイプのブレンドに結合剤を添加する工程を含むことが好ましい。本発明のプロセスで使用されるたばこ粉末のサイズを制御することに加えて、たばこ粉末が均質化したたばこウェブを通して実質的に分散したままになるよう確保するために、本明細書に記述されるガムまたはペクチンのいずれかなどの結合剤を添加することも有利である。ガムの記述的な検討のためには、Gums And Stabilizers For The Food Industry,IRL Press(G.O.Phillip et al.eds.1988);Whistler,Industrial Gums:Polysaccharides And Their Derivatives,Academic Press(2d ed.1973);およびLawrence,Natural Gums For Edible Purposes,Noyes Data Corp.(1976)を参照されたい。
任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コニャックフラー、キサンタンガム、およびこれに類するものである。本発明で使用するために特に好ましい結合剤はグアーである。
有利なことに、本発明による方法は、スラリーの乾燥質量の約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体を異なるたばこタイプのブレンドに添加する工程を含む。
均質化したたばこ材料のウェブのためのスラリーに含むための適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、一価アルコール(メントールなど)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これに限定されない。
例えば、本明細書による均質化したたばこ材料が加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体として使用されるよう意図されている場合、均質化されたたばこ材料のウェブは、乾燥質量基準で約5重量パーセント〜約30重量パーセントのエアロゾル形成体または保湿剤含有量を有してもよく、約15パーセント〜約20パーセントであることが好ましい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料は、5%〜約30%を超えるエアロゾル形成体を含むことが好ましい場合がある。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料は、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい場合がある。
本発明の方法は、結合剤およびエアロゾル形成体をブレンドされたたばこ粉末に添加する前に、結合剤とエアロゾル形成体を混合する工程を含むことがより好ましい。結合剤が水と接触した時に結合剤はゲル化する場合があるので、残りのスラリーを混合する前に結合剤とエアロゾル形成体を予混合することには利点がある。ゲル化は、均質化したたばこ材料の製造に使用されるスラリーの意図しない不均一な混合につながる場合がある。このゲル化を可能な限り回避または遅延させるために、結合剤とエアロゾル形成体とが懸濁液を形成することができるように、任意の他の化合物をスラリー内に導入する前に結合剤とエアロゾル形成体を一緒に混合することが好ましい。
有利なことに、前記たばこ粉末ブレンドは乾燥質量基準で約20パーセント〜約93パーセントの均質化したたばこ材料を形成する。たばこ粉末ブレンドは、乾燥質量基準で約50パーセント〜約90パーセントの均質化したたばこ材料を形成することがより好ましい。好ましい量のたばこ粉末は、たばこウェブを形成するプロセスにも依存する。
本発明による方法は、前記たばこ粉末の粉砕されたブレンドに、乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の約1パーセント〜約3パーセントの量でセルロースパルプを添加する工程を含むことが好ましい。
セルロースパルプは、水およびセルロース繊維を含む。均質化したたばこ材料のスラリーに含むためのセルロース繊維は当業界において周知であり、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。パルプ化に加えて、セルロース繊維は、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切なプロセスを受ける場合がある。
繊維粒子は、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料を含む場合がある。木材繊維などのセルロースベースの繊維はリグニン含有量が低いことが好ましい。繊維粒子は、キャストリーフのために十分な引張強さを生成するという所望に基づいて選択されてもよい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには大麻および竹が含まれる。
スラリーから、切断されエアロゾル発生装置内に導入されるべき最終的な均質化したたばこ材料へと処理する間、均質化したたばこシートは、多くの場合、湿潤、移動、乾燥、および切断に耐える必要がある。均質化したたばこウェブが破壊および欠陥形成を最小限に抑えつつ処理の厳しさに耐える能力は、たばこ材料の損失を減少させることから非常に望ましい特性である。スラリー内へのセルロース繊維の導入は、強化剤として作用して、材料ウェブの牽引に対する引張強さを増加する。従ってセルロース繊維の添加は均質化したたばこ材料ウェブの弾力を増加し、そしてそれゆえエアロゾル発生装置および他の喫煙物品の製造コストを減少する場合がある。
特に均質化したたばこウェブを形成するためにスラリーをキャスティングする工程の前のスラリーの密度は、ウェブ自体の最終品質を決定する上で重要である。適切なスラリー密度および均質性は、欠陥の数を最小化し、またウェブの引張強さを最大化する。
有利なことに、この方法は、前記たばこ粉末のブレンドを含むスラリーを形成する工程と、スラリーのウェブを連続たばこウェブへとキャスティングする工程とを含む。
均質化したたばこ材料は、キャストリーフたばこであってもよい。キャストリーフを形成するために使用されるスラリーは、たばこ粉末、ならびに好ましくは繊維粒子、エアロゾル形成体、風味、および結合剤のうちの1つ以上を含む。たばこ粉末は、望ましいウェブの厚さおよびキャスティング間隙に応じて、平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートル程度の粉末の形態であってもよい。
均質化したたばこ材料のウェブは、上述のたばこ粉末のブレンドを含めて調製されたスラリーを支持表面上でキャスティングすることを一般的に含む種類のキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。次に、均質化したたばこ材料のウェブを形成するためにキャストウェブを乾燥し、次に、支持表面から取り外すことが好ましい。
キャスティング工程において前記キャストたばこ材料ウェブの水分は、キャストにおけるたばこ材料の総重量の約60重量パーセント〜約80重量パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料の製造方法は、前記キャストウェブを乾燥する工程と、前記キャストウェブを巻き取る工程と、を含み、巻き取り工程における前記キャストウェブの水分はたばこ材料ウェブの乾燥質量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。巻き取り工程における前記均質化したたばこウェブの水分は、均質化したたばこウェブの乾燥質量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。
本発明の第二の態様は、上述の方法により調製された均質化したたばこ材料の一部分を含むエアロゾル発生物品を対象とする。エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であってもよく、または可燃性のエアロゾル発生物品であってもよい。不燃性のエアロゾル発生物品は、例えば、エアロゾル形成基体を加熱することにより、または化学反応により、またはエアロゾル形成基体の機械的な刺激により、エアロゾル形成基体を燃焼することなしに揮発性化合物を放出する。燃焼性エアロゾル発生物品は、例えば、従来の紙巻たばこでの場合の通り、エアロゾル形成基体の直接的な燃焼によりエアロゾルを放出する。
エアロゾル形成基体は、エアロゾル揮発性化合物を形成することができ、またエアロゾル形成基体を加熱または燃焼することによって放出しうる揮発性化合物を放出する能力を有する。エアロゾル形成生成物品で使用される均質化したたばこ材料のために、エアロゾル形成体はキャストリーフを形成するスラリーに含まれることが好ましい。所定の特性のうちの1つ以上に基づいてエアロゾル形成体を選んでもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱された時、エアロゾル形成体が気化してエアロゾル内のニコチンおよび/または風味剤を運ぶことができるメカニズムを提供する。
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
図1は、本発明による均質化したたばこ材料のためのスラリーを製造する方法の流れ図を示す。 図2は、図1の方法のブロック図の異形を示す。 図3は、本発明による均質化したたばこ材料の製造方法のブロック図を示す。 図4は、図1、図2、または図3の方法の工程のうちの1つの拡大図を示す。 図5は、図1および図2の方法を実施するための装置の概略図を示す。 図6は、図3の方法を実施するため装置の概略図を示す。
最初に図1を参照すると、本発明によるスラリーの製造方法が示される。本発明の方法の第一の工程は、均質化したたばこ材料を製造するためにたばこブレンドに使用されるたばこタイプおよびたばこ等級の選択100である。本方法で使用されるたばこタイプおよびたばこ等級は、例えば、ブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこである。
均質化したたばこ材料の製造のための使用が意図されている選択されたたばこタイプおよびたばこ等級のみが、本発明の方法の以下の工程による処理を受ける。
方法は、選択したたばこを設置するさらなる工程101を含む。この工程は、例えば、製品追跡およびトレーサビリティのためにバーコードリーダーによって検証できる、等級および品質などのたばこの完全性の点検を含んでもよい。たばこの葉は、収穫および乾燥処理の後、例えば、葉柄位置、品質、および色を記述する等級が与えられる。
さらに、均質化したたばこ材料の製造のためにたばこを製造施設に移送する場合には、設置する工程101は、たばこ箱の再度の箱詰めまたはケースの開梱も含んでもよい。次に、再度箱詰めされたたばこは、たばこを計量するために計量ステーションに供給されることが好ましい。
さらに、たばこを設置する工程101は、通常たばこ葉は移送のために移送箱内でベール梱包へと圧縮されるので、必要に応じてベール梱包を開く工程を含んでもよい。
以下に詳細に述べるように、各たばこタイプに対して以下の工程が実施される。これらの工程はその後等級ごとに実施されてもよく、その結果1つの生産ラインのみを必要とする。あるいは、異なるたばこタイプが分離したラインで処理されてもよい。一部のたばこタイプに対する処理工程が異なる場合、これは有利でありうる。例えば、従来の主なたばこプロセスでは、ダークたばこは通常追加的なケーシングを受けるので、ブライトたばことダークたばことは少なくとも部分的に分離されたプロセスで処理される。ところが、本発明によると、均質化したたばこウェブの形成の前にブレンドされたたばこ粉末にケーシングを添加しないことが好ましい。
さらに、本発明の方法はたばこ葉を粗く粉砕する工程102を含む。
本発明の方法の変形によると、図2に図示するように、たばこを設置する工程101の後で、かつたばこを粗く粉砕する工程102の前に、さらに細断する工程103が実施される。細断する工程103では、たばこは、平均サイズが約2ミリメートル〜約100ミリメートルである細片へと細断される。
細断する工程103の後、細片から非たばこ材料を取り除く工程を実施することが好ましい(図1および図2に図示せず)。
その後、細断されたたばこは粗く粉砕する工程102に向かって搬送される。たばこ葉の細片を粗く粉砕するためのミルへのたばこの流量を制御および測定することが好ましい。
粗く粉砕する工程102では、たばこ細片は約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルの平均粒子サイズまで減少する。この段階では、たばこ粒子の細胞はまだ実質的に損傷されておらず、また結果として得られる粒子は関連する搬送問題をもたらさない。
本発明の方法は、粗く粉砕されたたばこを包装および移送する工程を含む、随意の工程104(図2に図示する)を含んでもよい。この工程104は、本発明の方法の粗く粉砕する工程102およびその後の工程が異なる製造施設で実施される場合に実施される。
粗く粉砕する工程102の後、たばこ粒子は、ブレンドする工程105へ(例えば、空気輸送によって)搬送されることが好ましい。あるいは、粗く粉砕する工程102の前にブレンドする工程105を実施してもよく、または存在する場合には、細断する工程103の前にブレンドする工程105を実施してもよく、あるいは細断する工程103と粗く粉砕する工程102との間にブレンドする工程105を実施してもよい。
ブレンドする工程105で、たばこブレンドのために選択された異なるたばこタイプの全ての粗く粉砕されたたばこ粒子がブレンドされる。従って、ブレンドする工程105は全ての選択されたたばこタイプに対して単一の工程である。これは、ブレンドする工程の後は、全ての異なるたばこタイプに対して単一のプロセスラインのみが必要であることを意味する。
ブレンドする工程105では、粒子状の様々なたばこタイプの混合を実施することが好ましい。たばこブレンドの特性のうちの1つ以上を測定および制御する工程を実施することが好ましい。本発明によると、予め設定した標的値(複数可)による望ましいブレンドが得られるように、たばこの流れを制御してもよい。例えば、ブレンドは乾燥質量基準でブレンド内の総たばこの少なくとも約30パーセントのブライトたばこ1を含み、また乾燥質量基準でブレンド内の総たばこの少なくとも約0パーセント〜約40パーセント(例えば、約35パーセント)の割合でダークたばこ2およびアロマティックたばこ3を含むことが望ましい場合がある。乾燥質量基準でブレンド内の総たばこの約0パーセント〜約20パーセントの割合でフィラーたばこ4も導入することがより好ましい。従って、異なるたばこタイプの流量は、これらの様々なたばこタイプの比が得られるように制御される。あるいは、使用される異なるたばこ葉に対して粗く粉砕する工程102がその後行われる場合、工程102の初めの計量する工程が、流量を制御する代わりにたばこタイプおよび等級当たりの使用されるたばこ量を決定する。
図4では、ブレンドする工程105の間の様々なたばこタイプの導入を示す。
当然のことながら、各たばこタイプはそれ自体が下位ブレンドである可能性があり、言い換えれば、「ブライトたばこタイプ」は、例えば、バージニアたばことブラジル熱風送管乾燥処理たばことの異なる等級のブレンドである可能性がある。
ブレンドする工程105の後、たばこ粉末平均サイズ約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルにまで細かく粉砕する工程106が実施される。この細かく粉砕する工程106は、たばこのサイズをスラリーの調製のために適切な粉末サイズまで減少する。この細かく粉砕する工程106の後、たばこの細胞は少なくとも部分的に破壊され、たばこ粉末が粘着性になる場合がある。
このようにして得られたたばこ粉末は、たばこスラリーを形成するためにすぐ使用することができる。あるいは、例えば適切な容器内でのさらなるたばこ粉末の保存の工程を挿入してもよい(図示せず)。
図3を参照すると、均質化したたばこウェブの製造のための本発明の方法が示される。細かく粉砕する工程106から、たばこ粉末がその後のスラリー調製工程107で使用される。スラリー調製工程107の前またはスラリー調製工程107の間に、本発明の方法は、2つのさらなる工程を含む。すなわち、繊維を水中に均一に分散して精製するためにセルロース繊維5と水6とをパルプ化するパルプ調製工程108と、エアロゾル形成体7と結合剤8とを予混合する懸濁液調製工程109である。エアロゾル形成体7はグリセロールを、結合剤8はグアーを含むことが好ましい。有利なことに、懸濁液調製工程109は、水を導入することなくグアーとグリセロールとを予混合する工程を含む。
スラリー調製工程107は、エアロゾル形成体と結合剤との予混合溶液をスラリー混合タンクへ移送する工程と、パルプをスラリー混合タンクへ移送する工程と、を含むことが好ましい。さらに、スラリー調製工程は、パルプが入ったスラリー混合タンクへたばこ粉末ブレンドを投与し、グアーとグリセロールとの懸濁液を投与する工程を含む。この工程は、スラリーの均一性および均質性を確保するために高剪断ミキサーを用いてスラリーを処理する工程も含むことがより好ましい。
スラリー調製工程107は水を添加する工程も含むことがより好ましく、望ましい粘性および水分を得るためにスラリーに水が添加される。
均質化したたばこウェブを形成するために、工程107により形成されたスラリーはキャスティング工程110でキャストされることが好ましい。このキャスティング工程110は、キャスティングステーションへスラリーを搬送する工程、およびスラリーを均質でフィルム厚さが均一なウェブへと支持体上にキャスティングする工程を含むことが好ましい。キャスティング工程中、キャストウェブの厚さ、水分、および密度がキャスティングの直後に制御されることが好ましく、またプロセス全体にわたりスラリー測定装置を使用して連続的にモニターしてフィードバック制御することもより好ましい。
次に、均質化したキャストウェブは、例えば、無限ステンレス鋼製ベルトドライヤーでの均一で穏やかな乾燥工程を含む、キャストウェブの乾燥工程111で乾燥される。無限ステンレス鋼製ベルトドライヤーは、個別の制御可能ゾーンを備えてもよい。乾燥工程は、各乾燥ゾーンにおいて穏やかな乾燥プロファイルを確保するために各乾燥ゾーンにおけるキャストリーフ温度をモニターする工程、および均質化したキャストウェブが形成される支持体を加熱する工程を含むことが好ましい。乾燥プロファイルは、いわゆるTLC乾燥プロファイルであることが好ましい。
ウェブ乾燥工程111の最後に、乾燥したウェブ中の含水量および存在する欠陥の数を測定するために、モニターする工程(図示せず)が実行される。
標的の含水量にまで乾燥された均質化したたばこウェブは、次に、例えば、単一のマスターボビンを形成するために、巻き取り工程111で巻き取られることが好ましい。次に、切り込みを入れて小さいボビンを形成するプロセスによってより小さいボビンの製造を実施するために、このマスターボビンを使用してもよい。次に、エアロゾル発生物品(図示せず)の製造のためにより小さいボビンを使用してもよい。
図1または図2による均質化したたばこ材料のためのスラリーの製造の方法が、図5に概略的に図示したスラリー製造のための装置200を使用して実施される。装置200は、異なるたばこタイプの蓄積、積層解除、計量、および検査が行われるたばこ受容ステーション201を含む。随意に、たばこがカートンの中に入れられて移送されている場合には、たばこを収容するカートンの取り出しが受容ステーション201で実施される。随意に、たばこ受容ステーション201は、たばこベール梱包分割ユニットも備える。
図5では、1つのタイプのたばこのための生産ラインのみを示すが、ブレンドする工程が実施される時期によっては、本発明による均質化したたばこ材料ウェブで使用される各たばこタイプのために同一の設備が存在してもよい。さらにたばこは、細断する工程103のためにシュレッダー202内に導入されてもよい。シュレッダー202は、例えば、ピンシュレッダーとすることができる。シュレッダー202は、たばこ細片を解して細片をより小さい葉片へと細断するように、全てのサイズのベール梱包を取り扱うように適合されることが好ましい。各生産ライン内の細断されたたばこは、例えば、空気輸送203によって、粗く粉砕する工程102のためにミル204へ搬送される。搬送中に細断されたたばこ中の異物が取り除かれるように制御がなされることが好ましい。例えば、細断されたたばこの空気輸送に沿って、ストリング除去コンベアシステム、重粒子分離装置、および金属検出器が存在してもよく、添付図ではこれら全てが205で示される。
ミル204は、たばこ細片の約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルのサイズまでの粗い粉砕に適合する。ミルのローター速度を制御することができ、またたばこ細断片の流量に基づいて変えることができる。
均一なマスフロー制御のためにバッファーサイロ206を粗い粉砕機ミル204の後に位置させることが好ましい。さらに、ミル204は、安全のためにスパーク検出器および安全停止システム207を装備していることが好ましい。
例えば、空気輸送208によって、たばこ粒子がミル204からブレンダー210へ搬送される。ブレンダー210は、その中に適切な弁制御システムが存在するサイロを含むことが好ましい。ブレンダー内に、所定のブレンドのために選択されたたばこの全ての異なるタイプの全てのたばこ粒子が導入される。ブレンダー210内でたばこ粒子は均一ブレンドへと混合される。たばこ粒子のブレンドは、ブレンダー210から細かく粉砕するステーション211へと搬送される。
細かく粉砕するステーション211は、例えば、細かいたばこ粉末を正しい仕様で、すなわち約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末で生産するための適切に設計された補助設備を有する衝撃分類ミルである。スラリー調製プロセスが行われる下流のスラリーバッチ混合タンクへの連続供給のためのバッファ粉末サイロ213に細かいたばこ粉末を移動するために、細かく粉砕するステーション211の後に、空気輸送ライン212が適合される。
本発明の方法の工程106、107、および108で上述されるたばこ粉末を使用して調製されたスラリーは、図6に示すキャスティングステーション300でキャストもされることが好ましい。
バッファタンクからのスラリー(図示せず)は、精密流量制御測定付きの適切なポンプによってキャスティングステーション300へ移動される。キャスティングステーション300は、以下のセクションを備えることが好ましい。スラリーが、適切なウェブ形成のために必要な均質性および厚さを有するステンレス鋼製ベルトなどの支持体303上にキャストされる精密スラリーキャスティングボックスおよびブレードアセンブリ301は、ポンプからスラリーを受ける。キャストたばこウェブを乾燥するために、乾燥ゾーンまたは乾燥セクションを有する主ドライヤー302が提供される。個別の乾燥ゾーンは、支持体上方の加熱空気および調節可能な排気制御とともに、支持体の下側に蒸気加熱を有することが好ましい。主ドライヤー302の中では、均質化したたばこウェブが支持体303上で望ましい最終的水分を有するまで乾燥される。

Claims (15)

  1. 均質化したたばこ材料の製造方法であって、
    1つ以上のたばこタイプのたばこを選択する工程と、
    前記たばこを粗く粉砕する工程と、
    前記1つ以上のたばこタイプのたばこをブレンドする工程と、
    前記1つ以上のたばこタイプのたばこを細かく粉砕する工程と、を含む方法。
  2. 前記たばこを細かく粉砕する工程が、
    前記たばこを、平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこ粉末になるまで細かく粉砕することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粗く粉砕する工程が、
    平均サイズが約0.25ミリメートル〜約2.0ミリメートルであるたばこ粒子を得るためにたばこ葉を粗く粉砕する工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記粗く粉砕する工程が前記ブレンドする工程の前に実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記粗く粉砕する工程の前に、平均サイズが約2ミリメートル〜約100ミリメートルであるたばこ細片を得るために前記たばこ葉を細断する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記1つ以上のたばこタイプのたばこを選択する工程が、
    乾燥質量基準で前記たばこブレンド内のたばこ総量の少なくとも約30パーセントのブライトたばこと、
    乾燥質量基準で前記たばこブレンド内のたばこ総量の約0パーセント〜約40パーセントのダークたばこと、
    乾燥質量基準で前記たばこブレンド内のたばこ総量の約0パーセント〜約40パーセントのアロマティックたばこと、を選択する工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の約1パーセント〜約5パーセントから成る量の異なるたばこタイプのたばこブレンドに結合剤を添加する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の約5パーセント〜約30パーセントから成る量のエアロゾル形成体を前記異なるたばこタイプのブレンドに添加する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記異なるたばこタイプのブレンドに前記結合剤と前記エアロゾル形成体を添加する前に、前記結合剤と前記エアロゾル形成体とを混合する工程をさらに含む、請求項7および8に記載の方法。
  10. 前記たばこブレンドが、乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の約20パーセント〜約93パーセントの量から成る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記たばこ粉末のブレンドに乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の約1〜約3パーセントの量のセルロースパルプを添加する工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記たばこ粉末のブレンドを含むスラリーを形成する工程と、
    前記スラリーの連続ウェブをキャスティングする工程と、を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. キャスティング時の前記ウェブの水分が前記ウェブの総重量の約60パーセント〜約80パーセントから成る、請求項12に記載の方法。
  14. 前記キャストウェブを乾燥する工程と、
    前記キャストウェブを巻き取る工程と、をさらに含む方法であって、
    巻き取り時の前記キャストウェブの水分が前記キャストウェブの総重量の約7パーセント〜約15パーセントである、請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項1〜14の1項以上により実現される均質化したたばこ材料の一部分を含む、エアロゾル発生物品。
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