JP2017525763A - 感染症の予防および/または治療のための方法および試薬 - Google Patents

感染症の予防および/または治療のための方法および試薬 Download PDF

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Abstract

本発明は治療学の分野に関し、より具体的には、対象における消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療のための作用物質および組成物に関し、上記作用物質および組成物は、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質に基づいている。【選択図】なし

Description

本発明は治療学の分野に関し、より具体的には、対象における消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療のための作用物質および組成物に関し、上記作用物質および組成物は、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質に基づく。
敗血症(感染症に続発する急性臓器不全)および敗血症性ショック(重度の敗血症に加えて、輸液蘇生により逆転しない低血圧症)を含め、重度の感染症は医療上の重大な問題であり、毎年、世界中で何百万人もの人々を冒し、4人に1人(より多いこともしばしばである)の患者を死に至らせ、その発生率は増加している。敗血症および敗血症性ショックの特定の症例では、特異的治療法が存在しない。ドロトレコギンアルファ(ザイグリス(登録商標))は、数年間にわたって、これらの状態に対する唯一の療法であると考えられていた。しかし、最近になってドロトレコギンアルファは市場から退いた。これは、再度行われた臨床試験において、最初のPROWESS試験で観察された有効性が示されなかったためである。
2種類の重度の感染症が考えられる。一つ目は、上気道に定着する外因性微生物(肺炎球菌および髄膜炎菌を含む)により引き起こされる感染症であり、この場合、この感染症に関連する疾患を予防するために特異的ワクチンが利用可能である。髄膜炎菌感染症におけるワクチン接種の効果は疑う余地がなく、これは、過去25年間の若年成人における髄膜炎菌性の敗血症または髄膜炎の症例数が劇的に減少しているためである。肺炎球菌性の敗血症または髄膜炎の症例に関連したワクチン接種の恩恵については、より議論の余地があり、これは、ワクチン接種された対象においてさえ依然として肺炎球菌性の敗血症または髄膜炎が発生するためである。
重度の感染症の二つ目の主要グループは、内因性腸内細菌により引き起こされる。「感染症の腸起源(gut origin of infections)」仮説は、通常は腸管の管腔内に常在する細菌が腸の上皮性関門を超えて移行し、離れた部位で感染源として作用するということを提唱している。いくつかの要因が細菌移行の素因となることが示されている。これらには、内臓血流の減少によるショック、非経口栄養、腸管上皮の損傷、および抗生物質療法が含まれる。
細菌移行の臨床上の重大性は、院内感染および好中球減少患者の感染症において顕著であり、敗血症の原因において重要な役割を果たす。これは、1年あたりで、ICUに入院した患者の最大12%(ICUで罹患した敗血症)および癌を有する人々の1.6%を冒す可能性がある。全人口と比較すると、癌患者は、重度の感染症で入院する可能性が4倍高く、その院内死亡率は37.8%である。腸内細菌による感染症のリスクがある他の患者は、手術または医療処置を受ける患者である。心臓手術の後に患者の1.4%が深刻な感染症を発症し、その死亡率は32%である。また、最近の研究では、一般的手術の後に、肺塞栓症および心臓発作の発生率がそれぞれ0.3%および0.2%である一方で敗血症および敗血症性ショックはそれぞれ患者の2.3%および1.6%において発生することが示された。30日以内の死亡率は、重度の感染症については5.4%、敗血症性ショックについては33.7%、肺塞栓症については9.1%、および心臓発作については32%であった。これらのデータは、重度の感染症が一般的手術を受ける患者において一般的かつ深刻な合併症であるということ、および、それらが肺塞栓症または心臓発作よりも高頻度で発生するということを示唆する。
対象における腸内細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療において、いくつかの戦略が提唱されている。米国特許第8361441B2号は、細菌外膜タンパク質A(OmpA)またはその誘導体の投与を含む、哺乳動物における腸内細菌科(Enterobacterioceae)により引き起こされる細菌感染症の予防および/または治療のための方法を開示する。国際公開第WO2004078209A1号は、グラム陰性細菌により引き起こされる腸疾患の治療のための方法を開示し、この方法は、ワクチンまたは上記ワクチンに対して産生された高度免疫物質を個体に投与することを含み、上記ワクチンは、O群血清型に特徴的な様式で反応するかリポ多糖関連抗原に特徴的な様式で反応する1種以上の細胞壁抗原を含み、上記抗原の少なくとも一部は、細菌の細胞壁または細胞壁断片から分離される。
しかし、当技術分野の現状においては、消化管の細菌(腸内細菌を含む)により引き起こされる対象の感染症の治療または予防における使用のための好適で有効な作用物質を同定する必要性が依然として存在する。
本発明の発明者等は、対象においてGAS914により媒介される、ガラクトースα1,3ガラクトース残基に対する抗体の除去が、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)血液分離株に対する血清殺菌活性を増加させるということを見出した。これにより、対象における消化管の細菌(特に腸内細菌)により引き起こされる感染症の予防および/または治療における、末端α−ガラクトシル部分を含む化合物の役割が提唱される。
従って、第一の態様では、本発明は、対象における感染症の予防および/または治療における使用のための、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質に関し、ここで上記感染症は消化管の細菌により引き起こされる。
さらなる態様では、本発明は、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物に関する。
さらなる態様では、本発明は、医薬における使用のための上記のような組成物に関する。
最後の態様では、本発明は、対象における消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療における使用のための上記のような組成物に関する。
図1は、Gal−KOマウスにおける抗Gal抗体の除去の効果を示す。CLP前のGAS914処置マウス(n=17)および対照マウス(n=17)における生存率(A)および福祉(B)。(C)CLPから12時間後のGAS914処置マウスおよび対照マウスにおける生存率。(D)CLP前のGAS914処置マウスおよび対照マウスにおける抗Gal IgMおよび抗Gal IgGのレベル。 図2は、GAS914による抗Gal抗体の除去後の、敗血症に罹患しているGal−KOマウスにおけるE.coliに結合するIgG抗体の増加を示す。 図3は、Gal−KOマウスにおけるGAS914の殺菌効果を示し、ここで、GAS914で処置したGal−KOマウスにおける血清反応性は、抗Gal抗体を欠いている野生型マウスで観察される血清反応性と同様であった。CLP:結腸の結紮および穿刺。 図4は、複数コピーの三糖α−Galで官能化された第二世代(G2、16分枝)のデンドリマーポリ(アミドアミン)(PAMAM)を示す。
本発明の発明者等は、天然の抗Gal抗体を産生する動物モデル(Gal−KOマウス)において、末端α−ガラクトシル部分を含む化合物(特にGAS914)を用いてガラクトースα1−3ガラクトースに対する抗体(抗Gal抗体)を血清から除去すると細菌の血液分離株(特にエシェリキア・コリの分離株)に対する血清IgG反応性および殺菌活性の増加が生じるということを見出した。この増加は、抗Gal抗体を欠いている野生型マウスで観察されるIgG反応性レベルと同様のIgG反応性レベルをもたらす(実施例2を参照のこと)。この実験データに基づき、本発明の発明者等は、抗Gal抗体の除去が血清の殺菌活性を増加させたと結論付け、消化管の細菌(特に腸内細菌)によって引き起こされる対象の感染症の予防および/または治療における、末端α−ガラクトシル部分を含む化合物の役割を提唱した。
定義
本明細書で使用される場合、用語「α−ガラクトシル」または「α−ガラクトシル部分」または「α−ガラクトシル残基」は、分子内の末端ガラクトース残基(すなわち、α−ガラクトースに由来するグリコシル基)に関する。一部の文脈においては、用語α−ガラクトシルは、特に、第2の単糖に結合したα−ガラクトースという単位に関する。
本明細書で使用される場合、用語「末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質」(「α−ガラクトシル作用物質」または「抗Gal結合物質」としても知られる)は、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−R、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−R、または非還元末端に末端Galα1−3Galを有する任意の炭水化物鎖、を含む末端構造を有する任意の分子または分子の一部、あるいは、抗Gal抗体を結合できる、末端α−ガラクトシル単位を有する任意の分子を指し、ここで上記α−ガラクトシル単位は、第2の単糖(ガラクトースまたはグルコースなど)に結合していてよい。α−Galエピトープ(「α−ガラクトシルエピトープ」または「抗Gal結合エピトープ」としても知られる)は、グリコシル化酵素であるα−1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼ(α1,3GT)により合成され、非霊長類の哺乳動物、原猿類および新世界ザルの細胞上において非常に大量に発現している。祖先である旧世界霊長類において、α1,3GT遺伝子は不活性化された。従って、ヒト、類人猿、および旧世界ザルは、α−galエピトープを欠いており、高力価の抗Gal抗体を産生する。特に、本発明の作用物質は末端α−ガラクトシルを含み、ここで、上記α−ガラクトシルは、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)を含む群から選択される。
用語「α−Gal糖脂質」は、その炭水化物鎖の非還元末端に少なくとも1つのα−gal部分を有する任意の糖脂質を指す。用語「α−Galリポソーム」は、α−gal部分を有し抗Gal抗体を結合できる任意のリポソームを指す。
本明細書で使用される場合、用語「抗Gal抗体」または「抗Gal」は、糖脂質、糖タンパク質または、α−ガラクトシルエピトープを含む他の分子、に存在するα−Galエピトープ(Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−RまたはGalα1−3Galβ1−3GlcNAc−R)と特異的に相互作用する抗体に関する。この抗体は、ヒト血清中の循環IgGのおよそ1%を占め、刺激時に循環Bリンパ球の1%により産生される。抗Gal抗体はまた、分泌体液(唾液、乳および初乳など)中のIgA抗体としても存在する。抗Gal抗体の定常的産生の抗原源は、消化管細菌叢の多くの細菌上に見出されるα−ガラクトシル様エピトープであることが提唱されている。抗Galは、ヒト、類人猿および旧世界ザルにおいて豊富であるのに対し、新世界ザル、原猿類および非霊長類の哺乳動物では存在しない。しかし、後者の種のグループは、大量のα−ガラクトシルエピトープを産生する。抗Galは、祖先である旧世界霊長類において2800万年未満前に、おそらくは、酵素α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼの遺伝子の不活性化によるα−ガラクトシルエピトープの発現の抑制に関する選択圧を与えた進化的事象の結果として、出現したと推定される。これはまた、α−ガラクトシルエピトープに対する免疫寛容の喪失および抗Galの産生をもたらした。抗Gal抗体は、ヒトまたは旧世界ザルに投与されると生体内でα−galエピトープに結合する。これは異種移植の状況において特に明白であり、この場合、移植されたブタの心臓または腎臓上のα−galエピトープへの抗Galの生体内での結合が、ヒトおよび旧世界ザルにおけるこのような移植片の迅速な拒絶の主な原因である。抗Gal抗体は、異種移植片の超急性拒絶の原因である。
本明細書で使用される場合、用語「抗生物質」は、低濃度で特定のクラスの感受性微生物(一般的には細菌)を死滅させるか、その増殖を阻止する、生物により産生される化学物質またはその合成誘導体に関するが、一部の抗生物質はまた、真菌または原生動物による感染症の治療にも使用される。抗生物質は、微生物により引き起こされる感染症を治療するためのヒト、動物または園芸用の医薬に使用される。本発明に包含される抗生物質は、限定されるものではないが、アミノグリコシド系抗生物質、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、セファロスポリン、糖ペプチド、マクロライド、モノバクタム、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミド、テトラサイクリン、および他のもの(アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピンまたはリファンピシン、チニダゾール、ビオマイシンおよびカプレオマイシンなど)であり、好ましくは、セファロスポリン、テトラサイクリン、糖ペプチド、カルバペネム、ポリペプチド、リファンピシン、アミノグリコシド、スルホンアミド、ビオマイシンおよびカプレオマイシンである。好ましい実施形態において、抗生物質は、カルバペネム、セファロスポリン、モノバクタム、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミドおよびテトラサイクリンという群から選択される。
用語「抗体」、「免疫グロブリン」および同様の用語は、アナライト(抗原)を特異的に結合および認識する、免疫グロブリン遺伝子もしくは免疫グロブリン遺伝子(複数)により実質的にコードされるポリペプチドまたはその断片を指す。認知されている免疫グロブリン遺伝子には、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が包含される。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは次に、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ定義する。例示的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位は、各対が1本の「軽鎖」(約25kD)および1本の「重鎖」(約50〜70kD)を有する、2対のポリペプチド鎖から構成される。各鎖のN末端は、抗原認識に主に寄与する約100〜110アミノ酸または110アミノ酸超の可変領域を定義する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)なる用語は、これらの軽鎖および重鎖をそれぞれ指す。各重鎖のC末端側がジスルフィド結合で合わさり、抗体の定常領域を形成する。抗体は、その重鎖の定常部ドメインのアミノ酸配列に応じて、異なる「クラス」に割り当てることができる。IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMという5つの抗体の主要なクラスが存在し、これらのうちのいくつかは、さらに「サブクラス(アイソタイプ)」(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2)に分けられることがある。完全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDaまたは約214アミノ酸)は、NH末端の約1−10アミノ酸の可変領域と、COOH末端のκ定常領域またはλ定常領域とを含む。完全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50kDaまたは約446アミノ酸)は同様に、可変領域(約1 16アミノ酸)と上述の重鎖定常領域またはクラスのうちの1つ(例えば、γ(約330アミノ酸))とを含む。免疫グロブリンの種々のクラスのサブユニットの構造および三次元構成は周知である。
本発明の状況において、抗体は、α−Galエピトープを認識し、これに結合する抗Gal抗体であり、ここで、上記エピトープは末端α−ガラクトシルを含む。より具体的には、抗Gal抗体は、Galα1−3Gal、Galα1−2Gal、Galα1−6Gal、および抗Gal抗体を結合できるα−ガラクトース糖単位(複数可)、を含む群から選択される末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質を認識し、これに結合する。より好ましくは、抗Gal抗体は、α−Galエピトープ、または末端Galα1−3Galを含む作用物質、を認識し、これに結合する。さらにより好ましくは、抗Gal抗体は、GAS914を認識し、これに結合する。本明細書で使用される場合、「抗体は〜を標的とする」なる表現は、特定の抗原に対する抗体の特異的な認識および結合に対して適用される。本明細書で使用される場合、「に特異的に結合する」なる表現は、末端α−ガラクトシルを含むエピトープに特異的に結合し、他の炭水化物を含むエピトープには結合しないという抗体の能力に対して適用される。
本明細書で使用される場合、用語「消化管の細菌」(「腸管微生物叢」または「消化管細菌叢」としても知られる)は、健康な対象の腸管において通常見出される細菌(好気性細菌および嫌気性細菌を含む)に関する。消化管細菌叢の構成は、様々な動物種の間で、および一動物種内で、異なる。ヒトでは、細菌叢の構成に差異があり、これは、年齢、食生活、文化的条件、および抗生物質の使用に影響される。成人の上部消化管において、食道は、唾液および食物とともに嚥下された細菌のみを含有する。胃液が高酸性であるため、正常な胃からは、ごく僅かの細菌(主に酸耐性の乳酸桿菌(lactobacilli))しか培養できない。近位の小腸は、比較的まばらなグラム陽性細菌叢を有し、これは主に乳酸桿菌およびエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)から構成される。この領域は、液体1mlあたり約10〜10細菌を示す。小腸の遠位部分は、より多数の細菌(10/ml)ならびに乳酸桿菌および腸球菌(enterococci)に加えてさらなる種(大腸菌(E.coliおよび近縁種)およびバクテロイデス(Bacteroides))を含有する。大腸(結腸)の細菌叢は、糞便に見出されるものと質的に類似している。結腸の細菌数は、1011/ml糞便というレベルに達する。大腸菌がより顕著になり、腸球菌、クロストリジウム(clostridia)および乳酸桿菌が通常見出され得るが、優勢種は、嫌気性バクテロイデスおよび、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の嫌気性乳酸菌(ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum))である。これらの生物は、1,000:1〜10,000:1でE.coliより多いことがある。時には、著しい数の嫌気性メタン生成菌(最大1010/gm)がヒトの結腸に存在することがある。消化管の細菌叢の構成は、管に沿って(長軸方向のレベルで)、および管を横切って(水平方向のレベルで)、変動し、この場合、一定の細菌が消化管上皮に付着しており、他の細菌は管腔内に存在する。本発明の特定の実施形態において、消化管の細菌は腸内細菌である。
本明細書で使用される場合、用語「デンドリマー」は、コアを有し、且つ、コアから延びる分枝構造のシェルを複数有する、巨大分子に関連する。デンドリマーの形状およびサイズは変動し得る。特定の実施形態において、デンドリマーは、ほぼ球形または球状である。デンドリマーは、約15オングストローム(A)〜約250Aの範囲の直径ならびに対応する範囲(例えば、約500ダルトン〜約200万ダルトン)の分子量を有してよい。デンドリマーは、様々な供給元(例えば、Dendritech, Midland, Michigan)から購入できるか、当業者に公知の方法により合成できる。樹枝状分子は、低分子量の種と高分子量の種とにおおまかに分けることができる。一つ目のカテゴリーにはデンドリマーおよびデンドロンが包含されるのに対し、二つ目にはデンドロン化ポリマー(dendronized polymers)、ハイパーブランチポリマー、およびブラシポリマー(ボトルブラシとも呼称される)が包含される。デンドリマーおよびデンドロンは、繰り返し分枝した単分散性の、通常は高対称性の、化合物である。デンドリマーおよびデンドロンの定義に明白な差はない。デンドロンは通常、フォーカルポイント(focal point)と呼称される単一の化学的に処理可能な基を含有する。モル質量分布がないため、高モル質量のデンドリマーおよびデンドロンは巨大分子であるがポリマーではない。デンドリマーの特性は、分子表面上の官能基に左右される。機能性分子の樹枝状カプセル化は、その活性部位(生体物質中の活性部位の構造を模倣する構造)の隔離を可能にする。これは、樹枝状骨格が内部の官能基と外部の官能基とを分離するためである。例えば、デンドリマーは、その末端基がカルボキシル基のような親水基である場合、水溶性となり得る。
デンドリマーは一般的に以下の特徴によって特徴付けられる可能性がある:(i)デンドリマーの最終的なトポロジーをもたらすために、1つ以上の反応部位を有し且つ点状または大きなサイズであってよい開始コア(I);(ii)開始コアに結合した分枝状繰り返し単位の1つ以上の層;(iii)デンドリマーの表面に、任意選択で連結基を介して、結合した官能性末端基(アニオン性またはカチオン性の基など)。
コア部分は、構成ユニット用の結合点を1つだけ含んでよいか、2つまたは3つ以上の結合点を含んでよく、これらはさらに構成ユニットの結合に利用されてもされなくてもよい。典型的には、結合点は遊離アミノ基である。コア部分は、構成ユニットからなるか、構成ユニットを含むか、構成ユニットに由来してよく、あるいは、構成ユニットとは異なる分子であってもよい。例示的なコア部分は、本明細書で説明されており、および国際公開公報第WO/2007/106944号に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語「腸内細菌」は、健康な動物および病気の動物の腸管に生息する、通性嫌気性代謝を備えたグラム陰性桿状細菌に関する。それらはまた、真性のカタラーゼおよびシトクロムについて陽性であること、様々な最終生成物に至る2種類の主要経路のうちの一方によりグルコースを発酵すること、オキシダーゼ陰性であること、および細胞壁に腸内細菌共通抗原を有することによって特徴付けられる。この科のメンバーの一部は、健康状態の良い個体において健康問題を引き起こすことなく腸内に生息し得るが、他のものは、ほぼ常に感染症の徴候(嘔吐、下痢、および関連する症状を含む)を生じさせる。特定の実施形態において、本発明に従う腸内細菌は、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノミセス属(Actinomyces)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、カンピロバクター属(Campylobacter)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ユーバクテリウム属(Eubacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、ラクトバチルス属(Lactobacilus)、モビルンカス属(Mobiluncus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、ポルフィロモナス属(Porphyromonas)、プレボテラ属(Prevotella)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、およびベイロネラ属(Veillonella)、ならびに腸内細菌科、の細菌からなる群から選択される。
本明細書で使用される場合、用語「腸内細菌科」は、シトロバクター属(Citrobacter)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、シゲラ属(Shigella)およびエルシニア属(Yersinia)の細菌からなる群から選択される腸内細菌に関する。
本明細書で使用される場合、用語「エピトープ」または「抗原決定基」には、抗体が特異的に認識する抗原の任意の領域が包含される。同一の抗原が種々のエピトープを有し得る。各エピトープは通常、分子の化学的に活性な表面(アミノ酸または糖側鎖など)のクラスターからなり、これらのクラスターは特定の三次元構造特性ならびに特定の電荷特性を有する。本発明の状況において、エピトープはα−Galエピトープであり、ここで、上記エピトープは末端α−ガラクトシルを含み、上記エピトープは抗Gal抗体によって認識および結合される。
本明細書で使用される場合、用語「感染症」は、細菌、ウイルス、真菌、原生動物または他の微生物による侵襲に関し、宿主生物における病原微生物の望ましくない増殖または侵襲の存在を指す。これには、哺乳動物または他の生物の体内または身体上に通常存在する微生物の過剰増殖が包含される。より一般的には、微生物感染症は、微生物集団(複数可)の存在が宿主哺乳動物に対して被害を与えている任意の状況であってよい。従って、微生物感染症は、哺乳動物の体内または身体上に過剰な数の微生物集団が存在する場合に、あるいは微生物集団(複数可)の存在の影響が哺乳動物の細胞または他の組織に被害を与えている場合に、存在する。特に、本発明の状況において、感染症は細菌感染症である。特定の実施形態において、細菌感染症は消化管の細菌によって引き起こされる。より特定の実施形態において、消化管の細菌は腸内細菌であり、好ましくは、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属、ならびに腸内細菌科、の細菌からなる群から選択される腸内細菌である。より具体的には、腸内細菌は、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属の細菌からなる群から選択される。別の実施形態において、消化管の細菌は、消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の細菌ではない、クロストリジウム属の細菌ではない、および/またはスタフィロコッカス属の細菌ではない。消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の腸内細菌は、サルモネラ属、シゲラ属、エルシニア属、ならびにE.coliの腸管病原性株(EPEC;下痢の原因病原体)、腸内毒素原性株(ETEC;発熱を伴わない下痢の原因病原体)、腸管侵入性株(EIEC;細菌性赤痢に類似する症候群の原因病原体)、腸管出血性株(EHEC;血性下痢の原因病原体)、および腸管凝集性株(EAEC;ヘテロ接着性(heteroadherent)としても知られる;発熱を伴わない水様性下痢の原因病原体)、の細菌からなる群から選択される腸内細菌である。
本明細書で使用される場合、用語「ガラクトース」または「Gal」は、開鎖型および環状型の両方の形態で存在するグルコースのC−4エピマーに関する。開鎖型形態は、鎖の末端にカルボニルを有する。開鎖型形態ではD−異性体とL−異性体とを分離できないが、環状型形態は、結晶化させて単離することができる。
用語「Gal(α1,3)Gal」または「Gal(α1,3)」またはα1,3ガラクトビオース(一部の文脈では、α−Galとも呼称される)は、ガラクトース(α1,3)ガラクトース(CAS No 13168−24−6)に関する。ガラクトース−α−1,3−ガラクトースエピトープを含む化合物には、限定されるものではないが、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースおよびその誘導体(ガラクトース−α−1,3−ガラクトースのオリゴマー(例えば、二量体、三量体、四量体、五量体)を含む)、ならびに末端ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを備えたオリゴ糖を有する糖ペプチドが包含される。ガラクトース−α−1,3−ガラクトースの誘導体には、例えば、アミド、エステル、エーテル、アミン、スルホンアミド、チオエーテル、アセタール、カルバメート、尿素およびアミジンが包含される。ガラクトース−α−1,3−ガラクトースエピトープを含む化合物の例としては、限定ではなく例として、ガラクトース−α−1,3−ガラクトース(α1,3ガラクトビオース)(Galα1−3Gal)およびその誘導体(例えば、グルコサミン誘導体など)、直鎖状B−2三糖(Galα1−3Galβ1−4GlcNAc)、直鎖状B−6三糖(Galα1−3Galβ1−4Glc)およびその誘導体、α1−3ガラクトビオシルβ−メチルグリコシド、α1−3,β1−4ガラクトトリオース(Galα1−3Galβ1−4Gal)、ガラクトテトラオース(Galα1−3Galβ1−4Galα1−3−D−Gal)、ならびに上記のものの誘導体(例えばアミノ酸誘導体(例えば、ドデカリジン、グリシン)など)、ならびに、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを有する糖ペプチドが挙げられる。
同様に、用語「Gal(α1,2)Gal」、「Gal(α1,6)Gal」および「Gal(α1,6)Glc」は、それぞれ、ガラクトース(α1,2)ガラクトース、ガラクトース(α1,6)ガラクトースおよびガラクトース(α1,6)グルコースに関する。
本明細書で使用される場合、用語「GAS914」は、in vitroにおいてα−Gal IgM抗体(IC(50)、43nM)およびα−Gal IgG抗体(IC(50)、28nM)によるα−Galへの結合に関して効果的に競合する約500kDaの可溶性Gal三糖−ポリリジンコンジュゲートに関する(Katopodis G et al. 2002 J. Clin. Invest., 110: 1869−1877; Zhong R et al. 2003 Transplantation 75: 10−19)。これは、直鎖状ポリリジン骨格(1,000個のリジンという平均長を有する)を有し、且つ、側鎖の約25%が直鎖状B三糖(直鎖状B2型三糖、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc)に結合されている、注射可能な人工抗原である。これは、Novartis AG(Basel,スイス)による国際公開第WO9847915に記載されている。GAS914は以下の構造を有する(Katopodis G et al. 2002 J Clin Invest 110(12):1869−1877)。
ここでは、GAS914はランダムコポリマーの化学構造として示されており、式中、nは平均重合度を表し、xはグリコシル化モノマーの割合を表し、1−xはチオグリセロールでキャッピングされたモノマーの割合を表す。
本明細書で使用される場合、用語「糖コンジュゲート」は、共有結合で第2の化学種と連結された炭水化物に関し、ここで上記第2の化学種は、タンパク質(糖タンパク質として知られる)、ペプチド(ペプチドグリカン、グルコペプチド)、脂質(糖脂質、リポ多糖)、サッカライド(グリコサッカライド)を含む群から選択される。本発明に従う糖コンジュゲートには、限定されるものではないが、末端α−ガラクトシル部分を含む炭水化物がウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、または1,2−ジ−O−ヘキサデシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(HDPE)に結合されているものが包含される。
用語「糖脂質」は、炭水化物に結合した脂質分子に関する。糖脂質は、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質およびグリコシルホスファチジルイノシトールを含む。本発明に従う糖脂質は少なくとも、末端α−ガラクトシル残基を含む炭水化物残基を含む。特定の実施形態において、本発明に従う糖脂質は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、または抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)を含み、より好ましくは、末端Galα1−3Galを含む。
用語「糖タンパク質」は、少なくとも1つの炭水化物残基によって共有結合的に修飾された任意のタンパク質に関する。本発明の方法に従って試験できる糖タンパク質には、単糖またはオリゴ糖によって修飾された糖タンパク質であって、上記単糖またはオリゴ糖が、窒素原子(N−グリコシル化)または酸素原子(O−グリコシル化)を含む側鎖によってポリペプチド鎖に結合している糖タンパク質が包含される。典型的には、N−グリコシル化は、Asn−X−Ser型またはAsn−X−Thr型というコンセンサス配列の一部を形成するアスパラギン残基におけるタンパク質の修飾を含む。O−グリコシル化は、セリン残基および/またはトレオニン残基の側鎖において生じる。本発明に従う糖タンパク質および糖ペプチドは少なくとも、末端α−ガラクトシル部分(特に、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、または抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)を含む群から選択されるもの、より好ましくは末端Galα1−3Gal)を含む炭水化物残基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「部分」は、官能基全体または官能基の一部を部分構造として含んでよい分子の一部に関する。
用語「対象」または「個体」または「動物」または「患者」は、診断、予後診断、または治療が望まれる任意の対象(特に哺乳動物対象)を意味する。哺乳動物対象には、ヒト、飼育動物、家畜、および動物園用、スポーツ用、またはペット用の動物(イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、雌牛等など)が包含される。本発明の好ましい実施形態において、対象はα−Galエピトープを欠いているが天然の抗Gal抗体を有し、この対象にはヒト、類人猿、および旧世界ザル(上科:オナガザル上科(Cercopithecoidea)、クレード:狭鼻下目(Catarrhini)、ヒヒおよびマカクを含む)が包含される。本発明のより好ましい実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、対象は感染症に罹患しており、特に対象は、消化管の細菌により引き起こされる(より具体的には腸内細菌により引き起こされる)感染症に罹患している。
本明細書で使用される場合、用語「支持体(support)」は、安定した会合をもたらす様式で、本発明の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質に化学的に結合するように構成された任意の材料に関する。このような結合は共有結合性または非共有結合性であってよい。非共有結合性の結合には、静電相互作用、親水性相互作用および疎水性相互作用が包含される。共有結合性の結合は、原子間に電子対を共有することを特徴とする共有結合の形成である。このような共有結合性の結合は、作用物質と支持体の間を直接つないでよいか、架橋剤によって、あるいは支持体もしくは作用物質のいずれかまたはその両方に特定の反応基を包含することによって形成されてよい。支持体に固定された結合パートナー(アビジンまたはストレプトアビジンなど)とアビジンまたはストレプトアビジンに対するビオチン化作用物質の非共有結合性の結合とを用いて、共有結合による作用物質の連結を達成できる。固定はまた、共有結合による相互作用および非共有結合による相互作用の組み合わせを伴ってもよい。本発明に従う支持体は、その上に作用物質を沈着させること、作用物質の輸送および/または所望の部位(特に作用物質がその効果を発揮する部位)における作用物質の放出を可能にする。
感染症の予防および/または治療における使用のための作用物質
第一の態様では、本発明は、対象における感染症の予防および/または治療における使用のための、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質に関し、ここで、上記感染症は消化管の細菌により引き起こされる。
あるいは、本発明は、対象における感染症の予防および/または治療のための医薬の製造のための、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質の使用に関し、ここで、上記感染症は消化管の細菌により引き起こされる。あるいは、本発明は、対象における感染症の予防および/または治療のための方法に関し、ここで、上記感染症は消化管の細菌により引き起こされ、上記方法は、それを必要とする対象に末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質の治療有効量を投与することを含む。
特定の実施形態において、感染症の上記予防および/または治療は、上記作用物質により媒介される血清からの抗Gal抗体の除去によって実施される。別の好ましい実施形態において、予防および/または治療は、IgG2アイソタイプのものである抗Gal抗体の除去によって実施される。これらの抗体は、補体を効率的に活性化することができない。IgG2アイソタイプの抗Gal抗体の除去は、より効率的な補体活性化因子である他のIgGアイソタイプが細菌抗原に結合することを可能にし、補体の活性化を促進する。
従って、本発明は、末端α−ガラクトシル部分を含む、対象における感染症の予防および/または治療における使用のための作用物質に関する。本発明による使用のための作用物質により予防および/または治療される上記感染症は、消化管の細菌により引き起こされる。特定の実施形態において、消化管の細菌は腸内細菌である。より具体的には、腸内細菌は、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属およびベイロネラ属、ならびに腸内細菌科、の細菌からなる群から選択される。より具体的には、腸内細菌科の腸内細菌は、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属およびエルシニア属の細菌からなる群から選択される。より具体的には、腸内細菌は、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属の細菌からなる群から選択される。別の実施形態において、消化管の細菌は、消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の細菌ではない、クロストリジウム属の細菌ではない、および/またはスタフィロコッカス属の細菌ではない。消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の腸内細菌は、サルモネラ属、シゲラ属、エルシニア属、ならびにE.coliの腸管病原性株(EPEC)、腸内毒素原性株(ETEC)、腸管侵入性株(EIEC)、腸管出血性株(EHEC)、および腸管凝集性株(EAEC;ヘテロ接着性としても知られる)、の細菌からなる群から選択される。
アシネトバクター属は、より広範なガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria)綱に属する好気性グラム陰性細菌の属である。アシネトバクター属の種は、運動性ではなく、オキシダーゼ陰性であり、拡大下では対になって存在する。アシネトバクター属の種(特にアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)種)は、病院において、衰弱した患者における主要な感染源である。特定の実施形態において、アシネトバクター属の腸内細菌はアシネトバクター・バウマニである。
アクチノミセス属は、通性嫌気性(厳密な嫌気性菌であるA.meyeriを除く)のグラム陽性アクチノバクテリア(actinobacteri)の属である。全ての種が、嫌気性条件下で最も良く増殖する。アクチノミセス属の種は内生胞子を形成せず、個々の細菌が桿状である一方で、アクチノミセス属のコロニーは真菌様の菌糸の分枝ネットワークを形成する。アクチノミセス属の種は通常、歯肉に存在し、歯科処置および口腔膿瘍における感染の最も一般的な原因である。多くのアクチノミセス属の種は、ヒトおよび他の哺乳動物の、特に口腔内における、日和見病原体である。稀に、これらの細菌は、口内、肺内、または消化管内における膿瘍の形成を特徴とする疾患である放線菌症を引き起こすことがある。放線菌症は、アクチノマイセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)によって最も頻繁に引き起こされる。A.israeliiはまた、心内膜炎も引き起こす。
バクテロイデス属は、グラム陰性偏性嫌気性細菌の属である。バクテロイデス属の種は、内生胞子を形成しない桿菌であり、種に応じて運動性または非運動性のいずれかである可能性がある。そのDNAの塩基組成は40〜48%GCである。一部の種(例えばB.fragilis)は、日和見性のヒト病原体であり、腹膜腔の感染症、胃腸手術、および膿瘍の形成を介した虫垂炎を引き起こし、ファゴサイトーシスを阻害し、βラクタム系抗生物質を不活性化する。バクテロイデス属の種は嫌気性であるが、それらは一時的に耐気性であり、従って腹腔内で生存できる。
ビフィドバクテリウム属は、分枝することが多いグラム陽性非運動性嫌気性細菌の属である。それらは広範に分布し、哺乳動物(ヒトを含む)の消化管、膣および口(B.dentium)の内共生生息菌である。ビフィドバクテリウム属は、哺乳動物において結腸の細菌叢を構成する細菌の主要な属の一つである。一部のビフィドバクテリアはプロバイオティクスとして使用される。
カンピロバクター属は、微好気性グラム陰性細菌の属である。これは、生肉を扱うか生肉を十分に調理しないことによる食中毒の重大な原因である。この生物は、単極性鞭毛または双極性鞭毛のいずれかを備え、運動性であり、特徴的なスパイラル/らせん状の外見を有し、オキシダーゼ陽性である。カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)は、多くの先進国における細菌性の食品媒介疾患の主な原因の一つである。少なくとも12種のカンピロバクターがヒトの疾患に関与している。本発明の好ましい実施形態には、C.jejuniおよびC.coliが包含される。カンピロバクター症は、カンピロバクターにより引き起こされる感染症に関する。カンピロバクター症は、炎症性の、時には血性の、下痢、歯周炎または赤痢症候群(大抵は腹痛、発熱および疼痛を含む)をもたらす。
クロストリジウム属は、内生胞子を作ることができる偏性嫌気性菌であるグラム陽性細菌の属である。個々の細胞は桿状である。ヒトにおける疾患の原因となる5つの主な種が存在し、これらは全て、本発明の好ましい実施形態である:C.botulinum(これは食物/創傷においてボツリヌス毒素を産生し、ボツリヌス症を引き起こし得る)、C.difficile(これは、抗生物質治療中に腸内の他の細菌が死滅すると大増殖する可能性があり、抗生物質関連下痢症の原因である偽膜性大腸炎を導く)、C.perfringens(C.welchiiとしても知られる;これは、食中毒からガス壊疽に至るまで、広範な症状を引き起こし、腸毒血症の原因にもなる)、C.tetani(これは破傷風の原因生物である)、およびC.sordellii(これは、医学的人工流産の後に、ごく稀に致命的感染症を引き起こすことがある)。
コリネバクテリウム属は、天然において広範に分布しており大抵は無害なグラム陽性桿状細菌の属である。好ましい実施形態において、コリネバクテリウムはC.diphtheriaeである。
エンテロコッカス属は、ファーミキューテス(Firmicutes)門のグラム陽性乳酸菌の属である。エンテロコッカスにより引き起こされる重要な臨床的感染症には、尿路感染症、菌血症、細菌性心内膜炎、憩室炎、および髄膜炎が包含される。これらの細菌の感受性株は、アンピシリン、ペニシリンおよびバンコマイシンで治療できる。特定の実施形態において、エンテロコッカス属の腸内細菌は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)からなる群から選択される。
ユーバクテリウム属は、ユーバクテリア(Eubacteriaceae)科内のグラム陽性またはグラム陰性のいずれかの細菌の属である。これらの細菌は、強固な細胞壁を特徴とする。これらは運動性(これらは鞭毛を有する)または非運動性のいずれかである可能性がある。
フソバクテリウム属は嫌気性グラム陰性細菌の属であり、個々の細胞は、尖った端を有する桿状の桿菌である。
ヘモフィルス属は、パスツレラ(Pasteurellaceae)科に属するグラム陰性多形性球桿菌細菌の属であり、好気性または通性嫌気性のいずれかである。好ましい実施形態には、H.influenzaおよびH.ducreyi(軟性下疳の原因病原体)が包含される。
ヘリコバクター属は、特徴的ならせん形状を有するグラム陰性細菌の属である。好ましい実施形態において、ヘリコバクター属の細菌はH.pyloriである。
ラクトバチルス属は、グラム陽性で通性嫌気性または微好気性の桿状細菌の属である。
モビルンカス属は、グラム陽性嫌気性桿状細菌の属である。これらはヒトの膣に見出され、特に細菌性腟症の症例ではガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)を伴って見出される。
ペプトストレプトコッカス属は、胞子を形成しない嫌気性グラム陽性細菌の属である。一実施形態において、ペプトストレプトコッカス属の細菌はP.magnusである。
ポルフィロモナス属は、非運動性グラム陰性桿状嫌気性細菌の属である。一実施形態において、ポルフィロモナス属の細菌はP.gingivalisである。
プレボテラ属は、グラム陰性細菌の属である。プレボテラ属の種は、口腔および膣の細菌叢のメンバーであり、気道の嫌気性菌感染症から回収される。
プロピオニバクテリウム属は、トランスカルボキシラーゼ酵素によりプロピオン酸を合成できるグラム陽性で桿状の細菌の属である。
シュードモナス属は、グラム陰性好気性ガンマプロテオバクテリアの属である。特定の実施形態において、シュードモナス属の腸内細菌はシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)である。
スタフィロコッカス属は、丸い外見(球菌)およびブドウのような房の形態を伴うグラム陽性細菌の属である。特定の実施形態において、スタフィロコッカス属の腸内細菌は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)からなる群から選択される。
ストレプトコッカス属は、ファーミキューテス門および乳酸菌群に属する球状グラム陽性細菌の属である。
ベイロネラ属は、その乳酸発酵能で有名であるグラム陰性嫌気性細菌の属である。好ましい実施形態において、ベイロネラ属の細菌はベイロネラ・パルブーラ(Veillonella parvula)である。
腸内細菌科は、無害な共生菌ならびに病原菌(サルモネラ属、エシェリキア・コリ、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)、クレブシエラ属およびシゲラ属を含む)を包含するグラム陰性細菌の大きな科である。この科の他の病原細菌には、プロテウス属、エンテロバクター属、セラチア属、およびシトロバクター属が包含される。この科の多くのメンバーは、ヒトおよび他の動物の腸管に見出される腸内細菌叢の標準的な一部であるが、他のメンバーは、水中または土壌中に見出されるか、または様々な異なる動物および植物における寄生者である。エシェリキア・コリは、最も重要なモデル生物の一つである。特定の実施形態において、腸内細菌科の腸内細菌は、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属およびエルシニア属の細菌からなる群から選択される。
シトロバクター属は、腸内細菌科内のグラム陰性大腸菌群の属である。C.amalonaticus種、C.koseri種、およびC.freundii種は、単一炭素源としてクエン酸を利用できる。これらの種は全て、本発明の好ましい実施形態である。
エンテロバクター属は、腸内細菌科の、胞子を形成しない一般的なグラム陰性通性嫌気性桿状細菌の属である。特定の実施形態において、エンテロバクター属の腸内細菌は、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)およびエンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)からなる群から選択される。
エシェリキア属は、腸内細菌科の、胞子を形成しないグラム陰性通性嫌気性桿状細菌の属である。特定の実施形態において、エシェリキア属の腸内細菌はエシェリキア・コリである。
クレブシエラ属は、腸内細菌科の、顕著な多糖類ベースの莢膜を有する非運動性グラム陰性オキシダーゼ陰性桿状細菌の属である。特定の実施形態において、クレブシエラ属の腸内細菌はクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumonia)である。
プロテウス属は、腸内細菌科のグラム陰性プロテオバクテリアの属である。好ましい実施形態において、プロテウス属の細菌はP.mirabilisまたはP.vulgarisである。
サルモネラ属は、腸内細菌科の桿状グラム陰性細菌の属である。サルモネラ属には、サルモネラ・ボンゴリ(Salmonella bongori)およびサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)という2種しか存在せず、これらには約6種の亜種が存在する。サルモネラ菌は世界中で、冷血動物および温血動物の両方において、および環境中に、見出される。これらは、腸チフス、パラチフス、および食中毒などの疾病を引き起こす。サルモネラ属の種は通性細胞内病原体である。多くの感染症は、汚染された食物の摂取に起因する。これらは、チフス性サルモネラ血清型および非チフス性サルモネラ血清型という2つのグループに分けることができる。チフス性血清型には、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)およびサルモネラ・パラチフィ(Salmonella paratyphi)が包含される。
セラチア属は、腸内細菌科のグラム陰性通性嫌気性桿状細菌の属である。特定の実施形態において、セラチア属の細菌は、S.marcescens、S.plymuthica、S.liquefaciens、S.rubidaea、またはS.odoriferaeである。
シゲラ属は、胞子を形成しないグラム陰性通性嫌気性非運動性桿状細菌の属である。特定の実施形態において、シゲラ属の細菌は、S.boydii、S.dysenteriae、S.flexneriまたはS.sonneiである。
エルシニア属は、数マイクロメートルの長さであり1マイクロメートル足らずの直径であり通性嫌気性菌である、腸内細菌科内のグラム陰性桿状細菌の属である。エルシニア属の一部のメンバーはヒトにおいて病原性である。特に、Y.pestisはペストの原因病原体である。齧歯類がエルシニアの天然の保菌者であり、それより頻度は低いが、他の動物も宿主の役割を果たす。感染は、血液を介して(Y.pestisの場合)、あるいは食餌による様式で(時には、感染した尿または糞便で汚染された食品(特に野菜、乳由来製品、および肉)の摂取を介して)、起こる可能性がある。
特定の実施形態において、消化管の細菌による感染症に罹患している対象は、または消化管の細菌による感染症に罹患しそうな対象は、天然の内因性抗Gal抗体を有する。特定の好ましい実施形態において、対象はヒトである。
消化管の細菌により引き起こされる感染症は、対象の任意の臓器または組織で生じる可能性がある。特定の実施形態において、消化管の細菌(特に腸内細菌)により引き起こされる感染症は、血液、消化管、心臓、心血管系、肝臓、肺、気道、腎臓、尿路、神経中枢系、皮膚、皮下組織または手術創において生じる。より特定の実施形態において、消化管の細菌(特に腸内細菌)により引き起こされる感染症は、血液において生じる。
一実施形態において、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質の治療効果は、血清から抗Gal抗体を枯渇させることおよび血清の殺菌活性を向上させることによって達成される。別の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質の治療効果は、感染症を引き起こす細菌に対する患者の炎症反応を調節することによっては達成されない。
上述のように、本発明による使用のための作用物質は、末端α−ガラクトシル部分を含む。特定の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)を含む群から選択される。特定の好ましい実施形態において、本発明による使用のための作用物質の末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Galを含む。
本発明に従う1つ以上の末端α−ガラクトシル部分を含む天然分子または合成分子には、限定されるものではないが、以下のものが包含される:
(i)ガラクトース−α−1,3−ガラクトース、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースのオリゴマー(例えば、二量体または二糖、三量体または三糖、四量体または四糖、五量体または五糖)、およびそれらの誘導体(グルコサミン誘導体を含む)、直鎖状B−2三糖(Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、CAS No.101627−01−4)、直鎖状B−6三糖(Galα1−3Galβ1−4Glc、CAS No.56038−36−9)およびその誘導体、α1−3ガラクトビオシルβ−メチルグリコシド、α1−3,β1−4ガラクトトリオース(Galα1−3Galβ1−4Gal、CAS No.56038−36−9)、ガラクトテトラオース(Galα1−3Galβ1−4Galα1−3−D−Gal、CAS No.56038−38−1)、Galili五糖(Galili pentasaccharide)(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)、ならびに上記のものの誘導体(例えば、アミノ酸誘導体(例えば、ドデカリジン、グリシン)、アミド、エステル、エーテル、アミン、スルホンアミド、チオエーテル、アセタール、カルバメート、尿素およびアミジンなど)、
(ii)末端ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを有するオリゴ糖を含む糖ペプチド、
(iii)末端ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを有するオリゴ糖を含む糖タンパク質、
(iv)血液型B2型直鎖状三糖(GN334、Galα1−3Galβ1−4GlcNac、CAS No.101627−01−4)を含むGalα1−3Gal糖脂質およびGalili五糖(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)を含むGalα1−3Gal糖脂質などの市販の糖脂質(Dextra Laboratories, Ltd.、英国)など、末端α−ガラクトシル部分を含む糖脂質、
(v)例えばGalα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(3−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2335)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−HDPE(#NGL0334)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP0203、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−BSA(#NGP0333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−HSA(#NGP2333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(6−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2336、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4Glc−HSA(#NGP2330、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP1203、14原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP2203、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP3203、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP0334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP1334、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP2334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP3334、14原子スペーサー)、およびGalα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−HDPE(#NGL0203)などの、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースエピトープを含む市販の糖コンジュゲートなど、末端α−ガラクトシル部分を含む糖コンジュゲート、
(vi)限定されるものではないがGalα1−3Galβ1−3(Fucα1−4)GlcNAc(#GLY076)、Galα1−3Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc(#GLY075)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]4Galβ1−4Glc(#GLY079)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]3Galβ1−4Glc(#GLY078)、Galα1−3Galβ1−4Glc(#GLY070)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]2Galβ1−4Glc(#GLY077)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc(#GLY071)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc(#GLY74−2、直鎖状B−2三糖)、およびGalα1−3Galβ1−3GlcNAc(#GLY74−1)などのElicitylから市販されているものなど、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースオリゴ糖、
(vii)末端α−ガラクトシル部分を含むリポソーム、ならびに
(viii)限定されるものではないが、
・Life Technologiesから市販されている(#23017−015)、50〜70個のα−galエピトープを有するマウスラミニン(Galili U 1993 Springer Seminars in Immunopathology 15, 155)、
・BSAに連結された複数の合成α−galエピトープ(Stone KR et al. 2007 Transplantation 83(2):211−219)、
・Novartisにより作製され(国際公開第WO9847915号)、Zhong R et al. 2003 Transplantation 75(1):10−19に開示されている、GAS914、
・α−GalポリエチレングリコールコンジュゲートTPC(Schirmer JM et al. 2004 Xenotransplantation 11(5):436−443)、および
・巨大分子骨格に連結されたα−Galエピトープ模倣ペプチド(Sandrin MS et al. 1997 Glycoconj J 14(1):97−105)、およびムチン遺伝子MUC1、MUC3およびMUC4によりコードされるペプチド、
など、注射およびその後の抗Gal抗体へのインサイチュ結合に適した、α−Galエピトープを有するさらなる巨大分子。
本発明の一実施形態において、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は、支持体に固定される。特定の実施形態において、上記作用物質は、リンカーを介して支持体に固定され、ここでリンカーは、支持体に作用物質を共有結合で連結することを可能にする任意の二官能性(ホモ二官能性またはヘテロ二官能性)ユニットである。支持体に固定された、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質のこの構造は、標的抗体に対する作用物質のより良好な有効性、ならびにより安定な化合物を与える。さらに、作用物質が皮下投与または静脈内投与される好ましい場合において、作用物質の半減期は、無支持形態で(例えば単糖、二糖、または三糖として)投与される場合よりも長い。
特定の実施形態において、架橋剤によってコンジュゲートされることが可能な反応基を含む分子は、タンパク質またはペプチドである。タンパク質の架橋については、架橋剤のためのタンパク質の官能基は、アミン基、リジンのεアミン基、末端αアミノ基、システインのスルフヒドリル基(−SHまたはチオール基)、炭水化物基(糖タンパク質の場合)またはカルボキシル基を含む。
アミン基、リジンのεアミン基、および末端αアミノ基のためのタンパク質架橋剤には、限定されるものではないが、イミドエステルおよびNH−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS−エステル)が包含される。スルフヒドリル基のためのタンパク質架橋剤には、限定されるものではないが、マレイミド、ハロアセチル(ヨードアセチルなど)およびピリジルジスルフィド(ピリジルジチオール)が包含される。糖タンパク質の炭水化物の酸化処理によるカルボニル基(アルデヒドまたはケトンなど)のためのタンパク質架橋剤には、限定されるものではないが、ヒドラジド(−NH−NH−)を含む試薬が包含される。カルボキシル基のためのタンパク質架橋剤には、限定されるものではないが、カルボジイミドが包含される。
本発明における使用に好適な支持体には、末端α−ガラクトシル部分を含む本発明の作用物質を結合できる任意の分子が包含される。支持体として好適な材料には、ポリマー材料が包含され、特に、繊維含有紙などのセルロース系材料およびセルロース由来の材料;ポリアミノ酸(特にポリL−リジン)、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、架橋デキストラン、アガロース、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタラート)、ナイロン、ポリビニルブチレートなどの、合成ポリマーまたは修飾天然起源ポリマー等が包含され、これらは、単独で、または他の材料(ガラス、セラミックス、金属等)と共に、使用される。
特定の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分が連結される支持体は、直鎖状ポリリジン(好ましくはポリL−リジン)、およびデンドリマーからなる群から選択される。支持体として使用されるポリリジンは、10〜5000個のリジン、好ましくは20〜2500個のリジン、より好ましくは50〜2000個のリジン、さらにより好ましくは約1000個のリジンを含む。
特定の実施形態において、本発明による使用のための末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結され、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれ、好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、より好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、さらにより好ましくは末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体は、直鎖状ポリリジン骨格(好ましくはポリL−リジン)であり、上記骨格は、10〜5000個のリジン、好ましくは20〜2500個のリジン、より好ましくは50〜2000個のリジン、さらにより好ましくは約1000個のリジンを含む。
別の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分を含まない、ポリL−リジン骨格中の鎖のεアミノ基の一部または全ては、キャッピングされている。好ましい実施形態において、キャップ構造はチオグリセロールである。
より特定の実施形態において、本発明による使用のための末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結され、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体は直鎖状ポリリジン骨格であり、好ましくは作用物質はGAS914であり、
直鎖状ポリリジン骨格は1,000個のリジンという平均長を有し、側鎖の約25%がGalα1−3Galβ1−4GlcNAcにコンジュゲートされる。
別の特定の実施形態において、本発明による使用のための末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結され、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれ、好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、より好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、さらにより好ましくは末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体はデンドリマーである。
より特定の実施形態において、本発明による使用のための末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結され、ここで、末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、支持体はデンドリマーである。
デンドリマーは、世代数(Gn)によって識別することができ、完全合成反応はそれぞれ、新しいデンドリマー世代をもたらす。分子量および末端基の数は、デンドリマーの世代数(層の数)の関数として指数関数的に増加する。重合プロセスを開始させるコア構造に基づいて、異なるタイプのデンドリマーを合成できる。任意の世代のデンドリマーを本発明に使用してよい。
一部の態様では、デンドリマーのコア構造が、全体の形状、密度、および表面の機能性など、分子のいくつかの特性を決定づける。特定の実施形態において、球状のデンドリマーは、三価の開始コアとしてアンモニアを有するか、または四価の開始コアとしてエチレンジアミン(EDA)を有する。棒状のデンドリマーは、異なる長さのポリエチレンイミン直鎖状コアを利用し、コアが長くなれば棒の長さが増加することになる。
特定の実施形態において、デンドリマーのコアは、以下の式:
に従う、アルキルジアミン、ヒドロキシアルキルアミンまたはヒドロキシアルケノールを含む群から選択され、式中、nは0〜20の範囲であり、好ましくは0〜10の範囲であり、より好ましくは0〜5の範囲であり、さらにより好ましくはnは2であり、RはHおよびアルキルから選択される。
本発明の例示的で非限定的な実施形態において、構成単位は、以下のような構造:
を形成するコアに結合し、式中、nは0〜20の範囲であり、好ましくは0〜10の範囲であり、より好ましくは0〜5の範囲であり、Rは、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルケニルアミノ、(C〜C)ジアルケニルアミノ、(C〜C)アルキニル、(C〜C)アルキニルアミノ、(C〜C)ジアルキニルアミノ、アルコキシ、アラルキル、アルカノイル、アルキル、ヒドロキシアルキル、−COR’およびCONHR’から選択され、ここで、R’はアルキルである。
本発明に従う樹枝状ポリマーには、限定されるものではないが、対称性および非対称性の分枝デンドリマー、カスケード分子、アルボロール等が包含されるが、最も好ましい樹枝状ポリマーは高密度星型ポリマーである。本明細書に開示される高密度星型デンドリマーは、分枝アームの長さが等しいという点で対称性である。分枝は、全世代(full−generation)デンドリマーの末端NH基の水素原子において、または半世代(half−generation)デンドリマーの末端COOH基の水素原子において、生じる。デンドリマーを与える分枝の数は2である。
本発明に従うデンドリマーには、限定されるものではないが、高密度星型ポリマーおよびスターバーストポリマーなどのポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマー、ポリ(アミドアミン−有機ケイ素)(PAMAMOS)デンドリマー、(ポリ(プロピレンイミン))(PPI)デンドリマー、テクトデンドリマー(tecto dendrimers)、マルチリンガルデンドリマー(multilingual dendrimers)、キラルデンドリマー、デンドリマー/直鎖状ポリマーハイブリッド、両親媒性デンドリマー、ミセルデンドリマー(micellar dendrimers)、およびフレシェット型デンドリマー(Frechet−type dendrimers)が包含される。
特定の実施形態において、本発明の作用物質はデンドリマーに連結され、上記デンドリマーはPAMAMデンドリマーである。PAMAMデンドリマーは、独特の樹状分枝構造および溶液中における小型の球形を特徴とする水溶性ポリマーのファミリーである。いくつかのクラスのPAMAMデンドリマーは、異なる表面基(例えばアミン、ヒドロキシル、またはカルボキシル)と共にエチレンジアミン(EDA)および1,4−ジアミノブタン(DAB)などの異なるコアを用いて合成される可能性がある。一部の実施形態において、PAMAMデンドリマーは、n世代(Gn)デンドリマーのデンドリマーであり、ここで、nは0〜10の整数であり、官能基の数は2である。一実施形態において、デンドリマーはG1デンドリマーであり、別の実施形態において、デンドリマーはG2デンドリマーである。
一態様では、PAMAMデンドリマーが好ましい。特定の実施形態において、デンドリマーの分枝の数は、4(G0)〜1024(G7)の範囲であり、好ましくは8(G1)〜512(G6)の範囲であり、より好ましくは、見込まれる分枝は16(G2)〜128(G5)の範囲である。これらの分枝の置換の程度は、10〜100%の範囲であり、より好ましくは25%〜100%の範囲である。これら2つのパラメータ(Gnおよび置換の%)は、その分子全体に存在するエピトープ(作用物質)分子の総数を与える。
例として、α−Galを含む三糖で完全に置換された第二世代(G2)のデンドリマーPAMAMを含む分子構造を図4に示す。
これらの化合物、ならびに、末端α−ガラクトシル部分(好ましくは末端Galα1−3Gal)を含む反応基に連結された類似する合成および天然の糖コンジュゲート、糖脂質、糖タンパク質またはオリゴ糖はまた、抗Gal抗体を結合してもよく、従って、本発明によるその使用のための作用物質の機能的等価物とみなされてもよい。特定の好ましい実施形態において、本発明による使用のための末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質はGAS914である。
分子が抗体(特に抗Gal抗体)に特異的に結合できるかどうかを決定するためのアッセイは当業者には公知であり、これには、限定されるものではないが、免疫沈降法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)および免疫蛍光法(蛍光顕微鏡観察またはフローサイトメトリーなど)が包含される。
同様に、作用物質の殺菌活性を決定するための方法が当業者には公知であり、これには、発明者等によって実施され、本願の実施例2に記載されるようなアッセイ、ならびにHacek(Hacek DM et al. 1999 J Clin Microbiol 37(6):1881−1884)により説明されているような、薬物の最小殺菌濃度(MBC)および治療中の患者の血液または体液の血清殺菌力価(SBT)を決定するためのアッセイが包含される。
本発明に従う作用物質の適切な量を医薬的に許容される賦形剤および/または担体と共に製剤化して、消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療における使用のための医薬組成物を得ることができる。本発明に従う作用物質を含む組成物は、限定されるものではないが全身送達(例えば、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射および腹腔内送達によるもの)を含め、様々な経路で対象に送達され得る。さらに、本発明の作用物質を含む組成物を鼻腔内投与または舌下投与することも可能であり、これは、非侵襲性の投与形態による全身投与を可能にする。また、脳室内投与が適切である可能性がある。好ましい送達経路は皮下注射である。特定の実施形態において、本発明による使用のための作用物質は対象に皮下投与または静脈内投与される。別の実施形態において、本発明による使用のための作用物質は経口投与されない。当業者は、Remington’s Pharmaceutical Science(17th Ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1985)およびGoodman and Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics(8th Ed., Pergamon Press, Elmsford, N.Y., 1990)(これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる)のような広く知られており入手可能な情報源において論じられている原理および手順に精通している。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の作用物質は、標準的な手順に従って、天然の抗Gal抗体を産生するヒトおよび他の動物への送達投与に適した医薬組成物として製剤化される。対象における抗Gal抗体の存在は、試料中における目的の抗原に対する抗体の存在を決定するための当技術分野において公知の方法によって決定できる。例えば、対象における抗Gal抗体の存在は、対象由来の試料を、末端α−ガラクトシル部分を含む試薬(好ましくはグリコシドエピトープGalα1−3Galβ1−4Glc−R)と接触させること、および試薬に結合した抗体の量を決定することによって決定できる。好ましくは、結合していない物質からの試薬の分離を容易にするために試薬が固定されている。抗Gal抗体の測定のための好適な方法は、Galili et al.(Proc.Natl.Acad.Sic.USA, 1987, 84: 1369−1373)によって説明されている。抗Gal抗体のレベルは、絶対的に、あるいは、Galili et al.(上記と同じ文献)により説明されているような抗Gal結合特性に関連した生物学的活性(例えば、異なる種の赤血球の赤血球凝集)に対する参照および測定工程中におこなった全ての希釈を十分に考慮して元の試料中の抗体の力価を与えることによって、求めることができる。一実施形態において、ラット赤血球、ウサギ赤血球、雌牛赤血球、ブタ赤血球またはイヌ赤血球を使用するGalili et al.により説明される方法を用いて解析した場合に対象由来の試料(好ましくは血清)が少なくとも1:5000、1:2500、1:2000、1:1000、1:500、1:100、1:50、1:25、1:10、1:5またはそれ以上の力価を示せば、対象は抗Gal抗体を含むとみなされる。
別の実施形態において、本発明による使用のための作用物質は、感染症の開始前に、すなわち予防目的で、投与される。
典型的には、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与または脳室内投与のための組成物は、無菌等張水性緩衝液の溶液である。
必要に応じて、本発明の作用物質は、可溶化剤および注射部位の任意の疼痛を和らげるための局所麻酔薬も含む組成物中に含まれる。一般的に成分は、例えば、活性薬剤の量を表示するアンプルまたは小袋などの密封容器中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、別々に、あるいは単位剤形中に混合されて、供給される。組成物が点滴により投与される場合、組成物は、無菌の医薬品グレードの水または生理食塩水を含む点滴ボトルを用いて定量投与できる。組成物が注射により投与される場合、投与前に成分を混合できるように注射用の無菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。
静脈内投与以外の場合には、組成物は、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含んでよい。組成物は、液体溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、ポリマー、または徐放性製剤であってよい。組成物は、当技術分野において公知であるように、従来の結合剤および担体と共に製剤化されてよい。製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカライドナトリウム(sodium saccharide)、セルロース、炭酸マグネシウム等などの標準的な担体、医薬の製造において十分に立証された機能を有する不活性担体を含んでよい。リポソーム、微粒子、マイクロカプセル等への封入を含め、様々な送達系が公知であり、本発明の治療剤を投与するために使用できる。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の作用物質を含む治療剤は、中性または塩の形態として製剤化されてよい。医薬的に許容される塩には、遊離アミノ基と形成される塩(塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等に由来する塩など)、および遊離カルボキシル基と形成される塩(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン(thriethylamine)、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインまたは同様のもの、に由来する塩など)が包含される。
本発明に従う作用物質を含む医薬組成物は、選択された投与経路(例えば、全身投与、経口投与、非経口投与または局所投与による投与経路)に適切であると考えられる任意の投与用医薬形態で存在してよく、そのために医薬組成物は、所望の投与方法の製剤化に必要な医薬的に許容される賦形剤を含むであろう。
本発明の作用物質の有効量は、広い範囲内で変動してよく、一般に、適用の特定の状況、曝露時間および他の検討事項に応じて変動するであろう。特定の実施形態において、用量は、0.05mg/kg〜10mg/kgの範囲である。
経口投与のための固体剤形には、従来のカプセル、徐放性カプセル、従来の錠剤、徐放性錠剤、チュアブル錠、舌下錠、発泡錠、丸剤、懸濁液、粉末、顆粒およびゲルが包含される可能性がある。これらの固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性賦形剤と混合されてよい。このような剤形は、通常の慣行におけるように、不活性希釈剤以外の追加的な物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤)を含んでもよい。カプセル、錠剤、発泡錠および丸剤の場合には、剤形は、緩衝剤を含んでもよい。錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングを伴って調製されてよい。
経口投与のための液体剤形には、当技術で一般に使用される不活性希釈剤(水など)を含む医薬的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が包含される可能性がある。これらの組成物は、補助剤(湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤など)、ならびに甘味剤、香味剤および芳香剤を含んでもよい。
注射用調製物(例えば、無菌注射用の水性懸濁液または油性懸濁液)は、好適な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を用いて公知の技術に従って製剤化されてよい。許容されるビヒクルおよび溶媒のうち、使用できるものは、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。また、無菌の油も、溶媒または懸濁化媒体として従来通りに使用される。
局所投与のために、本発明の化合物は、好適な賦形剤(例えば、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤およびそれらのうちの2種以上の組み合わせなど)を使用する従来の方法に従って製剤化される可能性があるクリーム、ゲル、ローション、液体、ポマード、スプレー溶液、分散液、固体の棒、エマルジョン、マイクロエマルジョンおよび同様のものとして製剤化されてよい。
さらに、本発明の化合物は、経皮パッチまたはイオン導入装置の形態で投与されてよい。一実施形態において、本発明の化合物は、経皮パッチとして(例えば徐放性経皮パッチの形態で)投与される。好適な経皮パッチは、例えば米国特許第5262165号、米国特許第5948433号、米国特許第6010715号および米国特許第6071531号において、より詳細に説明されている。
本発明の作用物質を含む組成物は、従来の賦形剤(すなわち、活性化合物と反応してダメージを与えることがない、非経口適用に好適な医薬的に許容される担体)を追加で含んでよい。好適な医薬的に許容されるビヒクルには、例えば、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸エステルペトロエトラール(petroetrals)、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよび同様のものが包含される。
例えば、リポソーム、微小気泡、エマルジョン、微粒子、マイクロカプセルおよび同様のものへの封入を含め、いくつかの薬物送達系が公知であり、本発明の作用物質または組成物を投与するために使用できる。必要とされる投与量は、単一の単位として、または徐放性形態で、投与されてよい。
徐放性形態ならびにその調製のための適切な材料および方法は、例えば、「Modified−Release Drug Delivery Technology」(Rathbone, M. J. Hadgraft, J. and Roberts, M. S. (eds.), Marcel Dekker, Inc., New York (2002))、「Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology」(Wise, D. L. (ed.), Marcel Dekker, Inc. New York, (2000))に記載されている。本発明の一実施形態において、本発明に従う化合物の経口投与用形態は、少なくとも1種のコーティングまたはマトリックスをさらに含む徐放性形態である。コーティングまたは徐放性マトリックスには、限定されるものではないが、天然ポリマー、半合成もしくは合成の水不溶性改質ワックス、脂肪、脂肪アルコール、脂肪酸、天然半合成もしくは合成の可塑剤、またはそれらのうちの2種以上の組み合わせが包含される。
腸溶性コーティングは、例えば「Pharmaceutical tablet coating」(Johnson, J. L., Coatings Technology Handbook (Second Edition), Satas, D. and Tracton, A. A. (eds), Marcel Dekker, Inc. New York, (2001))、「Coating Tablets in Advanced Pharmaceutical Solids」(Carstensen, T., Swarbrick, J. (ed.), Marcel Dekker, Inc. New York (2001), 455−468)に記載されているように、当業者に公知である従来の方法を用いて施されてよい。
個々の必要性は様々であるが、本発明の作用物質の有効量の最適範囲の決定は、当業者の一般的な経験に属する。一般的に、当業者が調整できる、このような化合物の有効量をもたらすために必要な投与量は、年齢、健康状態、フィットネス、性別、食事、体重、受容体の変化の度合い、治療の頻度ならびに機能障害または病気の性質および程度、患者の医学的状態、投与経路、薬理学的検討事項(使用される特定の化合物の活性、有効性、薬物動態プロファイルおよび毒物学的プロファイルなど)、薬物送達システムを使用するかどうか、ならびに化合物が薬物の組み合わせの一部として投与されるかどうか、に応じて変動するであろう。
特定の障害または状態の治療に有効な、本発明に従う化合物の量は、障害または状態(特に、消化管の細菌により引き起こされる感染症)の性質に依存するであろうし、Goodman and Gilman(上記と同じ文献)、The Physician’s Desk Reference(Medical Economics Company, Inc., Oradell, NJ, 1995)およびDrug Facts and Comparisons(Facts and Comparisons, Inc., St. Louis, MO, 1993)への参照を含め、従来の臨床技術によって決定できる。製剤において使用する正確な用量はまた、投与経路、および疾患または障害の重症度にも依存するであろうし、医師の意見および患者の状況によって決定されるべきである。
本発明の組成物およびその使用
別の態様では、本発明は、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物に関する。
本発明に従う末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は、本発明の治療用途に関連して上述されている。特定の実施形態において、末端α−ガラクトシルは、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)を含む群から選択される。より特定の実施形態において、末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galである。好ましい実施形態において、作用物質は、グループ(i)〜(viii)において治療用途に関連して上記で定義された作用物質のうちのいずれかである。
本発明に従う1つ以上の末端α−ガラクトシル部分を含む天然分子または合成分子は、本発明の治療用途に関連して上述されている。そこに記載される作用物質は全て、本発明に従う抗生物質と組み合わせるのに等しく好適である。
一実施形態において、組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は、支持体に固定されている。好適な支持体は、本発明による使用のための作用物質に関連して前述されており、ここに組み込まれる。特定の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分が連結される支持体は、直鎖状ポリL−リジンおよびデンドリマーからなる群から選択される。別の実施形態において、末端α−ガラクトシル部分を含む、ポリL−リジン骨格中の鎖のεアミノ基の一部または全ては、キャッピングされている。好ましい実施形態において、キャップ構造はチオグリセロールである。
特定の実施形態において、本発明による組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結されており、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれ、好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、より好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、さらにより好ましくは末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体は、直鎖状ポリL−リジンであり、上記骨格は、10〜5000個のリジン、好ましくは20〜2500個のリジン、より好ましくは50〜2000個のリジン、さらにより好ましくは約1000個のリジンを含む。
より特定の実施形態において、本発明による組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結されており、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体は直鎖状ポリリジン骨格であり、好ましくは作用物質はGAS914であり、
直鎖状ポリリジン骨格は1,000個のリジンという平均長を有し、側鎖の約25%がGalα1−3Galβ1−4GlcNAcにコンジュゲートされている。
別の特定の実施形態において、本発明による組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結されており、ここで、
末端α−ガラクトシル部分は、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれ、好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、より好ましくは末端α−ガラクトシルは末端Galα1−3Galであり、さらにより好ましくは末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、
支持体はデンドリマーである。
より特定の実施形態において、本発明による組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結されており、ここで、末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、支持体はデンドリマーである。本発明に従うデンドリマーは、本発明の使用のための作用物質に関連して前述されており、ここに組み込まれる。特定の実施形態において、デンドリマーは、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマーである。より特定の実施形態において、本発明による組成物の末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質は支持体に連結されており、ここで、末端α−ガラクトシル部分は末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcであり、支持体はPAMAMであり、好ましくは図4に示される化合物と同様である。
本発明の組成物の抗生物質には、限定されるものではないが、カルバペネム、セファロスポリン、モノバクタム、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミドおよびテトラサイクリンが包含される。
別の態様では、本発明は、医薬における使用のための、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物に関する。
代替的な実施形態において、本発明は、消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療のための医薬の製造のための、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物の使用に関する。
さらに代替的な実施形態において、本発明は、疾患の治療のための方法であって、それを必要とする対象に、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
別の態様では、本発明は、消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療における使用のための、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物に関する。
あるいは、本発明は、消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療のための医薬の製造のための、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物の使用に関する。
さらに代替的な実施形態において、本発明は、対象における炎症の予防および/または治療のための方法であって、それを必要とする対象に、
(i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
(ii)抗生物質と、
を含む組成物の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
特定の実施形態において、感染症は消化管の細菌により引き起こされ、ここで、消化管の細菌は腸内細菌である。より具体的には、腸内細菌は、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属、ならびに腸内細菌科、の細菌からなる群から選択される。より具体的には、腸内細菌科の腸内細菌は、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属およびエルシニア属の細菌からなる群から選択される。より具体的には、腸内細菌は、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属の細菌からなる群から選択される。別の実施形態において、消化管の細菌は、消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の細菌ではない、クロストリジウム属の細菌ではない、および/またはスタフィロコッカス属の細菌ではない。消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の腸内細菌は、サルモネラ属、シゲラ属、エルシニア属、ならびにE.coliの腸管病原性株(EPEC)、腸内毒素原性株(ETEC)、腸管侵入性株(EIEC)、腸管出血性株(EHEC)、および腸管凝集性株(EAEC;ヘテロ接着性としても知られる)、の細菌からなる群から選択される。
特定の実施形態において、感染症は、血液、消化管、心臓、心血管系、肝臓、肺、気道、腎臓、尿路、神経中枢系、皮膚、皮下組織および手術創において生じる。
好適な投与経路は、本発明の作用物質に関連して上述されている。特定の実施形態において、組成物は、対象に皮下投与または静脈内投与される。別の実施形態において、本発明による使用のための作用物質は経口投与されない。特定の実施形態において、対象は、内因性抗Gal抗体を有する。対象における抗Gal抗体の存在を決定するための方法および抗Gal抗体を有するものと有さないものとに対象を分類するための方法は、本発明の治療方法に関連して定義されており、本発明の組成物の使用に関連して等しく適用可能である。好ましい実施形態において、対象はヒトである。
以下の実施例により、本発明が以下で詳細に説明されるが、以下の実施例は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。
実施例
実施例1.抗Gal抗体の除去は、Galノックアウトマウスにおいて敗血症を防ぐ。
α−1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼ(α1,3GT)遺伝子を欠いているノックアウトマウスを使用した。このマウスは、追加的な免疫化を全く必要とすることなく天然の抗Gal抗体を産生し、それにより、発明者等は、独特の作用としてのGAS914による抗Gal抗体の除去が、結腸の結紮および穿刺(CLP)の後にGalノックアウトマウスで発症する敗血症において影響を有するかどうかを調べることが可能となる。このモデルにおいて、合計で0.5cmの盲腸を結紮し、30ゲージの針を用いて2回穿刺して、盲腸の内容物を突出させ、腹膜における細菌の存在を確実にした。
マウスの臨床状態を評価するために、自発活動、食物摂取および外因性刺激に対する応答を評価する確立された福祉スコア付けシステムを用いて身体活動性を解析した。合計で34匹の動物を研究に含めた。17匹(対照群)は、いかなる処置も受けなかった。他の17匹(GAS914群)は、CLPの3日前からその後にかけて1日おきに10mg/kgのGAS914で腹腔内を処置された。GAS914注射の投与量および間隔は、0日目(CLPの日)に抗Gal抗体の完全な除去を示した以前の局所研究に基づいて選択された。基本的に、最初のGAS914注射によって、全ての抗Gal抗体が除去される。
図1Aに示されるように、GAS914で処置した17匹のGalノックアウトマウスのうちの4匹(24%)がCLP後に死亡し、これに対し、無処置の動物では11匹(65%)であった(p=0.01)。死亡の大半はCLP後の48時間以内に発生した。また、動物の福祉は、対照と比べるとGAS914で処置した動物においてCLP後の1日目から、より良好であった(図1B)。敗血症において抗Gal抗体の除去の利点を得るためには、CLPの前に抗Gal抗体を枯渇させる必要がある。発明者等はまた、CLPから12時間後のGAS914による抗Gal抗体の除去が動物の生存および福祉に影響を有するかどうかを、10匹の動物の群2つにおいて調べた。この場合、GAS914は、対照の動物と比べて、いかなる利点ももたらさなかった(図1C)。
CLP前のGAS914による処置は、CLPの時点でのほぼ全ての抗Gal IgM抗体および抗Gal IgG抗体の枯渇を伴った(図1D)。これらの抗体はCLP後にはほとんど変化しないが、無処置の動物ではCLP後に抗Gal IgM抗体および抗Gal IgG抗体は有意に低下しており、これは、術式後の抗原の存在を示唆している(図1D)。これにもかかわらず、CLPから24時間後には、GAS914を与えた動物と与えなかった動物の間で、血液において分離された細菌の数、これらの微生物の種類(全ての場合においてエシェリキア・コリ)および遺伝子型について差異は観察されなかった。
実施例2.抗Gal抗体の除去は血清殺菌活性を増加させる。
本発明の発明者等は、CLP後における細菌の血液分離株に対する天然抗体の結合がGAS914によって改変されるということを観察した。抗Gal抗体の除去は、gal−KOマウス由来の他のIgG抗体のE.coliに対する反応性の増加を伴った(図2)。従って、Gal−KOマウスにおけるCLPは、抗Gal抗体が結合するE.coliの血液分離を伴う敗血症を引き起こし、GAS914による抗Gal抗体の除去は、同じE.coliに対する他のIgG抗体の反応を可能にした。
CLP後にGal−KOマウスの血液から分離されたE.coli、およびE.coli O86:B7(ATCC)を、37℃の振盪機においてDifco Nutrient Broth(Becton Dickinson)中で一晩培養した。翌日、新鮮な培地を用いて細菌懸濁液を100倍希釈した。無菌の仔ウサギ補体(Serotec)を細菌懸濁液に添加した(30μl/mL)。その後、混合物を50μl/mLの熱不活性化マウス血清試料(抗Gal抗体を有するものと有さないもの)と共に37℃で12時間培養した。37℃で18時間にわたって、適切に希釈した培養液を1.5%(w/v)の寒天培地プレート上に1時間ごとにプレーティングすることで、血清の殺菌能力を評価した。翌日、細菌のコロニーを計数した。ブロス単独を細菌の増殖についての陰性対照として使用し、マウス血清を添加しない補体を、補体副経路を介したE.coli O86:B7(ATCC)の死滅についての陽性対照として使用した。
E.coliの血液分離株に対する抗体の結合の増大は、Gal−KOマウスの血清の直接的な血清殺菌活性を増加させた(図3)。市販のマウス血清プール(Sigma S3509)は、CLP後にGal−KOマウスから分離されたE.coli、およびE.coli O86:B7株の、補体を介した抗体による死滅に関して75%および74%を示した(図3)。後者は、α−Gal抗体を効率的に結合する細菌の対照として使用された(Posekany KJ et al. 2002 Infect Immun 70 (11):6215−6222; Lamontagne A et al. 2013 PLoS One 8(6):e64992)。抗Gal抗体を保持するGal−KO血清マウスは、2種のE.coliに対してそれぞれ18.3%および32%という平均死滅を示し、これらは、GAS914による抗Gal抗体の枯渇の後に、それぞれ73%および78%まで増加した(両方の増大についてp<0.05)。
要するに、これらのデータは、Gal−KOマウスにおいてGAS914が、E.coli血液分離株に対する血清抗体IgG反応性および殺菌活性を、抗Gal抗体を欠いている野生型マウスで観察されるレベルと同様のレベルにまで増加させたことを実証する。
実施例3.GAS914による抗Gal抗体の除去の後の血清抗炭水化物のパターン
435種のグリカン抗原および141種の細菌抗原を含むグリカンアレイにおいて、GAS914による処置の前後における血清抗炭水化物抗体のパターンを調べた。GAS914での処置の後に減少を示した炭水化物抗原はGal三糖、Gal四糖およびGal五糖だけであり、それぞれレベルが、処置前のレベルと比べて96.5%、95.%%および90%低下した。さらに、48種の炭水化物抗原および9種の細菌抗原に対して統計的に有意な増大も見られた。増大の多くは、1000未満の相対蛍光単位(RFU)に相当した。しかし、これらの増加は、抗Gal抗体の除去による殺菌活性の増加が観察された細菌の1つであるE.coli O86:B7で発現するFuca1−2Galb1−3(Fuca1−4)GlcNAcbの2種の構造を含んだ。従って、1000未満の値の場合でも、統計的に有意な変化が妥当に生じている可能性がある。1500RFUを超える値を伴って抗Gal抗体の枯渇の後に統計的に有意な増加を示す炭水化物抗原および細菌抗原には、以下のものが含まれた。
1.キトトリオース、キトペンタオースおよびキトヘキサオース。これらは、高い値を伴って統計的に有意な増加を示した。これらのGlcNAc残基はまた、やはり高い値を伴って統計的に有意な変化を示す2種の細菌抗原においても発現していた:サルモネラ・エンテリカO62およびシュードモナス・エルギノーサO3。
2.有意な増大および高い値を伴う別の炭水化物は、8つの二糖を有するヒアルロン酸であった。ヒアルロン酸は、GAS914での処置の後に最大の統計的に有意な変化を伴う細菌抗原であるE.coli O161上で発現している。
3.Galb1−4GalNAcb残基、b−マンノースおよびシアリルLeaも、統計的に有意な変化および高い値を有していた。
4.サルモネラ・エンテリカO47は、高い値を伴って統計的に有意な変化を示した。

Claims (43)

  1. 対象における感染症の予防および/または治療における使用のための、末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質であって、前記感染症が消化管の細菌により引き起こされる、作用物質。
  2. 前記感染症の予防および/または治療が、前記作用物質により媒介される抗Gal抗体の除去によって実施される、前記請求項に記載の使用のための作用物質。
  3. 前記消化管の細菌が腸内細菌である、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  4. 前記腸内細菌が、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属およびベイロネラ属の細菌、ならびに腸内細菌科の細菌、からなる群から選択される、前記請求項に記載の使用のための作用物質。
  5. 前記腸内細菌科の腸内細菌が、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属およびエルシニア属の細菌からなる群から選択される、前記請求項に記載の使用のための作用物質。
  6. 前記腸内細菌が、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属の細菌からなる群から選択される、請求項3に記載の使用のための作用物質。
  7. 前記消化管の細菌が、消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の細菌ではない、クロストリジウム属の細菌ではない、および/またはスタフィロコッカス属の細菌ではない、請求項1の使用のための作用物質。
  8. 前記感染症が、血液、消化管、心臓、心血管系、肝臓、肺、気道、腎臓、尿路、神経中枢系、皮膚、皮下組織および手術創において生じる、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  9. 前記末端α−ガラクトシル部分が、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれる、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  10. 前記末端α−ガラクトシルが末端Galα1−3Galである、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  11. 前記作用物質が、
    ガラクトース−α−1,3−ガラクトース(Galα1−3Gal)、
    直鎖状B−2三糖(Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、CAS No.101627−01−4)、直鎖状B−6三糖(Galα1−3Galβ1−4Glc、CAS No.56038−36−9)、α1−3ガラクトビオシルβ−メチルグリコシド、α1−3,β1−4ガラクトトリオース(Galα1−3Galβ1−4Gal、CAS No.56038−36−9)、ガラクトテトラオース(Galα1−3Galβ1−4Galα1−3−D−Gal、CAS No.56038−38−1)、Galili五糖(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)、Galα1−3Galβ1−3(Fucα1−4)GlcNAc(#GLY076)、Galα1−3Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc(#GLY075)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]4Galβ1−4Glc(#GLY079)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]3Galβ1−4Glc(#GLY078)、Galα1−3Galβ1−4Glc(#GLY070)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]2Galβ1−4Glc(#GLY077)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc、(#GLY071)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、およびGalα1−3Galβ1−3GlcNAc(#GLY74−1)を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースのオリゴマーおよびオリゴ糖、ならびにそれらの誘導体、
    グルコサミン誘導体、アミド、エステル、エーテル、アミン、スルホンアミド、チオエーテル、アセタール、カルバメート、尿素およびアミジンを含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースの誘導体、
    末端ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを有するオリゴ糖を含む糖ペプチドおよび糖タンパク質、
    血液型B2型直鎖状三糖(GN334、Galα1−3Galβ1−4GlcNac、CAS No.101627−01−4)を含む糖脂質およびGalili五糖(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)を含む糖脂質を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを含む糖脂質、
    Galα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(3−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2335)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−HDPE(#NGL0334)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP0203、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−BSA(#NGP0333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−HSA(#NGP2333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(6−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2336、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4Glc−HAS(#NGP2330、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP1203、14原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP2203、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP3203、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP0334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP1334、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP2334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP3334、14原子スペーサー)、およびGalα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−HDPE(#NGL0203)を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトース糖コンジュゲート、ならびに
    マウスラミニン、BSAに連結された合成α−galエピトープ、GAS914、α−GalポリエチレングリコールコンジュゲートTPC、および巨大分子骨格に連結されたα−Galエピトープ模倣ペプチドを含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを含む巨大分子、
    を含む群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  12. 前記末端α−ガラクトシル部分が末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcである、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  13. 前記末端α−ガラクトシル部分が支持体に連結されている、請求項1〜12のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  14. 前記支持体が、直鎖状ポリL−リジン骨格およびデンドリマーからなる群から選択される、前記請求項に記載の使用のための作用物質。
  15. 前記作用物質が、以下の構造:
    を有するランダムコポリマーGAS914であり、式中、nは平均重合度を表し、xはグリコシル化モノマーの割合を表し、1−xはチオグリセロールでキャッピングされたモノマーの割合を表す、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  16. 前記デンドリマーがポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマーである、請求項14に記載の使用のための作用物質。
  17. 前記作用物質および前記デンドリマーが、式:
    のように連結されている、前記請求項に記載の使用のための作用物質。
  18. 前記対象が内因性抗Gal抗体を有する、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  19. 前記対象がヒトである、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  20. 前記作用物質が前記対象に皮下投与または静脈内投与される、前記請求項のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  21. 前記作用物質が経口投与されない、請求項1〜20のいずれかに記載の使用のための作用物質。
  22. (i)末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質と、
    (ii)抗生物質と、
    を含む組成物。
  23. 前記末端α−ガラクトシル部分を含む作用物質が、末端Galα1−3Gal、末端Galα1−2Gal、末端Galα1−6Gal、末端Galα1−6Glc、および抗Gal抗体を結合できる末端α−ガラクトース糖単位(複数可)からなる群から選択される基の中に含まれる、前記請求項に記載の組成物。
  24. 前記末端α−ガラクトシル部分が末端Galα1−3Galである、前記請求項に記載の組成物。
  25. 前記作用物質が、
    ガラクトース−α−1,3−ガラクトース(Galα1−3Gal)、
    直鎖状B−2三糖(Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、CAS No.101627−01−4)、直鎖状B−6三糖(Galα1−3Galβ1−4Glc、CAS No.56038−36−9)、α1−3ガラクトビオシルβ−メチルグリコシド、α1−3,β1−4ガラクトトリオース(Galα1−3Galβ1−4Gal、CAS No.56038−36−9)、ガラクトテトラオース(Galα1−3Galβ1−4Galα1−3−D−Gal、CAS No.56038−38−1)、Galili五糖(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)、Galα1−3Galβ1−3(Fucα1−4)GlcNAc(#GLY076)、Galα1−3Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc(#GLY075)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]4Galβ1−4Glc(#GLY079)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]3Galβ1−4Glc(#GLY078)、Galα1−3Galβ1−4Glc(#GLY070)、Galα1−3[Galβ1−4GlcNAcβ1−3]2Galβ1−4Glc(#GLY077)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−3Galβ1−4Glc、(#GLY071)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc、およびGalα1−3Galβ1−3GlcNAc(#GLY74−1)を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースのオリゴマーおよびオリゴ糖、ならびにそれらの誘導体、
    グルコサミン誘導体、アミド、エステル、エーテル、アミン、スルホンアミド、チオエーテル、アセタール、カルバメート、尿素およびアミジンを含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースの誘導体、
    末端ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを有するオリゴ糖を含む糖ペプチドおよび糖タンパク質、
    血液型B2型直鎖状三糖(GN334、Galα1−3Galβ1−4GlcNac、CAS No.101627−01−4)を含む糖脂質およびGalili五糖(L537、Gal−α1,3Gal−β1,4GlcNAc−β1,3Gal−β1,4Glc、CAS No.119502−59−9)を含む糖脂質を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを含む糖脂質、
    Galα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(3−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2335)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAcβ1−HDPE(#NGL0334)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP0203、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−BSA(#NGP0333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−3GlcNAc−HSA(#NGP2333、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4(6−デオキシGlcNAc)−HSA(#NGP2336、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4Glc−HAS(#NGP2330、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−BSA(#NGP1203、14原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP2203、3原子スペーサー)、Galα1−3Gal−HSA(#NGP3203、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP0334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−BSA(#NGP1334、14原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP2334、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−4GlcNAc−HSA(#NGP3334、14原子スペーサー)、およびGalα1−3Galβ1−4Glc−BSA(#NGP0330、3原子スペーサー)、Galα1−3Galβ1−HDPE(#NGL0203)を含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトース糖コンジュゲート、ならびに
    マウスラミニン、BSAに連結された合成α−galエピトープ、GAS914、α−GalポリエチレングリコールコンジュゲートTPC、および巨大分子骨格に連結されたα−Galエピトープ模倣ペプチドを含む、ガラクトース−α−1,3−ガラクトースを含む巨大分子、
    を含む群から選択される、請求項22〜24のいずれかに記載の組成物。
  26. 前記末端α−ガラクトシル部分が末端Galα1−3Galβ1−4GlcNAcである、請求項22〜25のいずれかに記載の組成物。
  27. 前記末端α−ガラクトシル部分が支持体に連結されている、請求項22〜26のいずれかに記載の組成物。
  28. 前記支持体が、直鎖状ポリリジン骨格およびデンドリマーからなる群から選択される、前記請求項に記載の組成物。
  29. 前記作用物質が、以下の構造:
    を有するランダムコポリマーGAS914であり、式中、nは平均重合度を表し、xはグリコシル化モノマーの割合を表し、1−xはチオグリセロールでキャッピングされたモノマーの割合を表す、請求項22〜28のいずれかに記載の組成物。
  30. 前記デンドリマーがポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマーである、請求項28に記載の組成物。
  31. 前記作用物質および前記デンドリマーが、式:
    のように連結されている、前記請求項に記載の組成物。
  32. 医薬における使用のための、請求項22〜31のいずれかに記載の組成物。
  33. 対象における消化管の細菌により引き起こされる感染症の予防および/または治療における使用のための、請求項22〜31のいずれかに記載の組成物。
  34. 前記消化管の細菌が腸内細菌である、請求項33に記載の使用のための組成物。
  35. 前記腸内細菌が、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属およびベイロネラ属の細菌、ならびに腸内細菌科の細菌、からなる群から選択される、前記請求項に記載の使用のための組成物。
  36. 前記腸内細菌科の腸内細菌が、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、プロテウス属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属およびエルシニア属の細菌からなる群から選択される、前記請求項に記載の使用のための組成物。
  37. 前記腸内細菌が、アシネトバクター属、アクチノミセス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンピロバクター属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ヘリコバクター属、ラクトバチルス属、モビルンカス属、ペプトストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、およびベイロネラ属の細菌からなる群から選択される、請求項34に記載の使用のための組成物。
  38. 前記消化管の細菌が、消化管感染症を引き起こす腸内細菌科の細菌ではない、クロストリジウム属の細菌ではない、および/またはスタフィロコッカス属の細菌ではない、請求項33に記載の使用のための組成物。
  39. 前記感染症が、血液、消化管、心臓、心血管系、肝臓、肺、気道、腎臓、尿路、神経中枢系、皮膚、皮下組織および手術創において生じる、請求項33〜38のいずれかに記載の使用のための組成物。
  40. 前記組成物が前記対象に皮下投与または静脈内投与される、請求項33〜39のいずれかに記載の使用のための組成物。
  41. 前記組成物が経口投与されない、請求項33〜40のいずれかに記載の使用のための作用物質組成物。
  42. 前記対象が内因性抗Gal抗体を有する、請求項33〜40のいずれかに記載の組成物。
  43. 前記対象がヒトである、前記請求項に記載の組成物。
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