JP2017525689A - 水中でヒドロメチルフルフラールから2,5−フランジカルボン酸を生成するための触媒および方法 - Google Patents

水中でヒドロメチルフルフラールから2,5−フランジカルボン酸を生成するための触媒および方法 Download PDF

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Abstract

ヒドロキシメチルフルフラールを、2,5−フランジカルボン酸を含むフラン生成物に変換するための方法であって、ある量のヒドロキシメチルフルフラールを水と組み合わせて、ヒドロキシメチルフルフラールを少なくとも約5質量パーセント含有する水溶液を提供する工程と、水溶液を、不均一系ルテニウム系触媒の存在下で、かつヒドロキシメチルフルフラールを2,5−フランジカルボン酸を含むフラン酸化生成物へと酸化するのに有効な条件であり、水以外の、ヒドロキシメチルフルフラールまたは2,5−フランジカルボン酸のためのいかなる溶媒も実質的に存在しない条件下で、酸素源と組み合わせる工程とを含む方法が記載される。

Description

[0001] 本発明は、2,5−フランジカルボン酸を生成するための触媒、および関連する方法に関する。
[0002] 石油または化石燃料をベースにした出発材料から現在作製されている様々な大規模量の化学および燃料製品を製造するための出発材料、またはそれら製品のバイオベースの均等物もしくは類似体を製造するための出発材料として、天然産物を使用することは、重要性が増しつつある分野である。
[0003] デンプン、セルロース、スクロースまたはイヌリンなどの農業的原材料は、グルコースおよびフルクトースなどのヘキソースを製造するための、安価で再生可能な出発材料である。また、グルコースおよびその他のヘキソース、特にフルクトースは、5−ヒドロキシメチルフルフラールまたは単にヒドロキシメチルフルフラール(HMF):

としても知られる、2−ヒドロキシメチル−5−フルフラアルデヒドなどのその他の有用な材料に変換され得ることが、長い間認識されてきた。利用可能なバイオマス炭水化物は、極めて豊富にあるので、HMFをベースにした汎用化学製品および燃料製品の開発に、強力な再生可能資源ベースを提供する。
[0004] この事実に鑑み、またHMFの様々な機能性に起因して、フルクトースおよびグルコースなどのヘキソースからこのように得ることが可能なHMFは、ポリマー、溶媒、界面活性剤、医薬品および植物保護剤など、再生可能な資源から誘導された広範な生成物を生成するのに利用できることが提案されてきた。HMFは、この観点から、フルフリルジアルコール、ジアルデヒド、エステル、エーテル、ハロゲン化物およびカルボン酸などの広範な化合物の合成における出発材料または中間体のいずれかとして提案されてきた。
[0005] 文献で論じられているいくつかの生成物は、HMFの酸化から誘導される。含まれているのは、ヒドロキシメチルフランカルボン酸(HmFCA)、ホルミルフランカルボン酸(FFCA)、2,5−フランジカルボン酸(FDCA、デヒドロ粘液酸としても公知である)、およびジホルミルフラン(DFF)である。これらの中で、FDCAは、ポリ(エチレンテレフタレート)またはポリ(ブチレンテレフタレート)などの何百万トンものポリエステルポリマーの生成において、バイオベースの再生可能な代替例として論じられてきた。FDCAなどの誘導体は、2,5−ジヒドロキシメチルフランおよび2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフランから作製することができ、ポリエステルポリマーを作製するのに使用することができる。FDCAエステルは、最近、PVC用フタル酸系可塑剤の置き換え例としても評価されており、例えば、Evonik Oxeno GmbHに共に譲渡されているWO2011/023491A1およびWO2011/023590A1、ならびにR.D.Sandersonら、Journal of Appl.Pol.Sci. 1994、vol.53、1785〜1793頁を参照されたい。
[0006] FDCAおよびその誘導体は、最近の商業上の関心を非常に多く引き付けており、このFDCAは例えば、将来の「グリーン」化学工業を確立するための12種の優先化学物質の1つとして、2004年の研究で米国エネルギー省によって認められているものであるが、ポリエステルを作製する際に使用されるFDCAの潜在性(テレフタル酸とのその構造的類似性に起因する)は、少なくとも1946年ほどの早期に認識されており、DrewittらのGB 621,971、「Improvements in Polymer」を参照されたい。
[0007] したがって、HMFおよびその酸化系誘導体、例えばFDCAは、様々な適用例に関して将来有望なバイオベースの出発材料、中間体および最終生成物であると長い間考えられてきたが、残念ながら、実現可能な商用規模のプロセスは実現し難いことが分かっていた。酸をベースにした脱水方法が、HMFを作製するのに長い間公知であったが、この方法は少なくとも1895年現在で、レブロースから(Dull、Chem. Ztg.、19、216)およびスクロースから(Kiermayer、Chem. Ztg.、19、1003)HMFを調製するのに使用されている。しかし、これらの初期合成は、出発材料から生成物への低変換率により、HMFを生成するのに実用的な方法ではなかった。HSO、HPOおよびHClなどの安価な無機酸が使用されてきたが、これらは溶液状態で使用され、リサイクルするのが難しい。再生および処分の問題を回避するために、固体スルホン酸触媒も使用されてきた。しかし固体酸樹脂は、樹脂の表面に失活フミンポリマーが形成されるので、代替例として完全に首尾良く用いられることが証明されているわけではない。ヘキソース炭水化物からHMFを形成するための、さらにその他の酸触媒方法は、Zhaoら、Science、2007年6月15日、No.316、1597〜1600頁、およびBickerら、Green Chemistry、2003、no.5、280〜284頁に記載されている。Zhaoらの文献で、ヘキソースは、3時間にわたり摂氏100度のイオン性液体の存在下で、塩化クロム(II)などの金属塩で処理され、その結果、HMFの収率は70%になり、それに対してBickerらの文献では、糖は、臨界未満または超臨界アセトンおよび硫酸触媒の動作により、ほぼ70%の報告された選択率でHMFに脱水素環化される。
[0008] 酸をベースにした脱水方法では、HMFの再水和から、レブリン酸およびギ酸などの副生成物をもたらすという、さらなる複雑化が起こる。別の望ましくない副反応は、フミンポリマーをもたらすHMFおよび/またはフルクトースの重合を含み、このポリマーは、今述べたように、固体廃棄生成物でありかつ固体酸樹脂触媒が用いられる触媒毒として作用するものである。
[0009] これらの難点を考慮し、HMFを作製するための、商用として実現可能なプロセスに向けた先の試みをさらに考慮して、Sanbornらは、米国公開特許出願第2009/0156841A1号(Sanbornら)において、カラム内で溶媒中の炭水化物出発材料(好ましくは、フルクトース)を加熱し、加熱された炭水化物および溶媒を固相触媒(好ましくは、酸性イオン交換樹脂)中に流し続け、生成混合物のHMFとその他の構成成分との溶出率の差を使用して「実質的に純粋な」HMF生成物を回収することにより、「実質的に純粋な」HMFを生成するための方法について記載しており、ここで「実質的に純粋な」とは、約70%以上、任意選択により約80%以上または約90%以上の純度を意味するものとして記載される。HMFエステルを生成するための代替の方法は、溶媒としても働くことができる有機酸の存在下で変換を行う。酢酸は、特にフルクトースのための溶媒として言及されている。得られたアセチル化HMF生成物は、HMF「よりも安定である」と報告されており、なぜならば、4頁、段落0048に、加熱によってHMFは分解し、「容易に単離も除去もなされない」副生成物を生成すると記載されているからである。その後Sanbornらは、テレフタル酸(ポリエステルを生成するための従来の石油供給材由来の汎用化学製品であり、置き換えのためにFDCAが提案されてきた)を得るためのp−キシレンの液相酸化のためのものとして、周知のCo/Mn/Br Mid−Century型触媒を使用し、FDCAを得るためのアセチル化HMF生成物の酸化について記載を進めている。
[0010] さらにその他の最近の刊行物は、Mid−Century型酸化プロセスによってHMFをFDCAに変換する試みのようなものについて記載しており、例えば、Munoz de DiegoらのWO2011/043661およびZuoらのWO2013/033058を参照されたく、この後者では、溶媒として酢酸を用いた可溶化Co/Mn/Br Mid−Century触媒による噴霧酸化プロセスを行っている。
[0011] Mid−Century型酸化方法は、テレフタル酸およびポリエステルの事業の当業者に馴染みがあり、見たところ、Sanbornらによって開示され、かつMunoz de DiegoらのWO’661号に開示されたような、HMF誘導体を作製する方法に十分うまく調和しているようであるが、それにも関わらず、これらのプロセスは、酢酸などの追加の溶媒を除去しリサイクルすることに関連する、共通の難題および追加の費用を共有する。
[0012] SanbornらのWO2013/106136(以後、「WO’136号」とし、この出願は参照により本明細書に組み込まれる)では、HMF(またはHMF誘導体)をさらに酸化してポリマーの適用例に適切な純度のFDCAにするという文脈において望ましくないと考えられる、フミンおよび同様の材料の形成を回避するために、追加の溶媒で進行させる必要なしに、かつ「より安定な」HMF誘導体を通して進行させる必要なしに、酸の脱水を通してヘキソース水溶液からHMFを作製するためのプロセスについて記載されている。WO’136号出願では、より詳細には、ヘキソース水溶液を、酸触媒の存在下で周囲から反応温度に急速に加熱するが、このとき、HMF生成物から、発酵準備のできている残存糖生成物を分離する前の、ヘキソース糖からHMFへのパス当たりの変換率が制限されている。この手法でヘキソース糖の急速な脱水を実施することにより、酸性、高温条件にて形成されるHMFの、全体的な曝露は、相応に制限される。残存糖生成物は、追加のHMFへ変換するためにリサイクルすることができ、発酵させて様々な生成物を生成し、またはWO’136号出願で参照されるようなその他の用途に用いることができる。
[0013] WO’136号プロセスに鑑み、FDCAを得るために、WO’136号出願により生成されるように(酢酸は、HMFエステル誘導体を生成するのに使用する必要はない)水性HMF供給材中でHMFを酸化するのに、有効な触媒およびプロセスがその後利用可能であれば有利と考えられ;酢酸を省略することによって、酢酸を回収し脱水工程にリサイクルするための著しい出費を回避することができると考えられる。しかし残念ながら、馴染みのあるMid−Century型触媒以外を使用した、HMF酸化に基づく知識は、比較的さらに制限されている。
[0014] 例えばLilgaらの米国特許第8,193,382号は、不均一系担持白金触媒を使用して、空気または酸素によって水溶液中のHMFを酸化することについて記載している。水性HMF出発材料は、塩基性、中性または酸性にすることができるが、中性および酸性水におけるFDCAなどの、HMF酸化生成物の「比較的低い溶解度」は、固形分形成に適応するのに「適切な反応器設計」が利用されることを必要とし、または酢酸と水との組合せにおいて溶解度限度を超えるFDCA濃度の発生が回避されるように、供給材中のHMF濃度が制限されることを必要とし;代替例では、FDCAのカルボン酸塩を発生させる「弱塩基性条件」の下、「固形分形成および供給材濃度が典型的には問題ではない」と言える(5欄、1〜13行)。しかしNaOHなどの強塩基の使用は、「カニツァーロ反応などの望ましくない副反応」をおそらく引き起こすとして(5欄、13〜15行)、警戒される。酸化触媒は、か焼、白金(II)アセチルアセトネートとの混合、回転蒸発、反復か焼、および水素中での活性化生成物への還元、次いで2%のO2の流れの中での不動態化を伴う、複雑な方法によって調製される。
[0015] Casanovaらの「Biomass into Chemicals:Aerobic Oxidation of 5−Hydroxymethyl−2−furfural into 2,5−Furandicarboxylic Acid with Gold Nanoparticle Catalysts」、ChemSusChem、vol.2、issue 12、1138〜1144頁(2009)は、HMFからFDCAの好気性酸化に向けた、セリア担体上の不均一系ナノ微粒子金触媒について記載しており、この場合、NaOHは、酸生成物が触媒表面から脱着されるように、最適なNaOH/HMF比、4:1で使用される。
[0016] Zopeらの「Influence of Reaction Conditions on Diacid Formation During Au−Catalyzed Oxidation of Glycerol and hydroxymethylfurfural」、Topics in Catalysis、vol.55、24〜32頁(2012)は、担持金触媒の存在下でのHMF水溶液の酸化について、同様に評価している。認められた「深刻な制限」は、添加塩基が必要とされることであり、そのためプロセスの操作コストが増大し、ほとんど価値がなく環境に悪影響を及ぼし得る追加の塩副生成物が生成される(25頁)。添加される無機塩基(NaOH)の代わりの、高塩基性触媒担体の使用が、他者により提示されており、一方Zopeらは生成物である二酸(FDCA)が実際に高い選択率で形成されることを見出したが、高塩基性ハイドロタルサイト担体からのマグネシウムの「多大な溶解」についても記載している。
[0017] 日本国特許出願公開第2009−23916号は、臭化銅、2,2’−ビピリジンおよび(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)オキシル(TEMPO)をHMFアルカリ水溶液で用いて、カニツァーロ反応および酸化の両方を使用することによりFDCAカルボン酸塩を生成するという点で、いくらか異なる。5.0〜20当量のアルカリが、HMFの各モル当量に関して最も好ましいことが示され、したがって貴金属触媒の使用は回避されるが、プロセスには、Zopeらによってそのような前述の貴金属触媒を使用するプロセスに起因するとされるものと同じ「深刻な制限」が、依然としてある。
[0018] Gorbanevらの「Effect of Support in Heterogeneous Ruthenium Catalysts Used for the Selective Aerobic Oxidation of HMF in Water」、Topics in Catalysis、vol.54、1318〜1324頁(2011)は、水中でのHMFの好気性酸化に向けた不均一系ルテニウム系触媒について定めており、表面上は、Zopeらにより「深刻な制限」とされる添加塩基がないが、内実を見ると、不均一系ルテニウム系触媒が塩基性担体を必要とすることは明らかであり(したがって、2.2での触媒調製法は、従来の塩基処理なしで塩基性反応混合物を与えるMgO−Laの場合以外、塩基の添加について記載している);塩基性担体なしで行った対照実験は、FDCAを3%およびHMFCAを2%もたらしただけであり、残りはギ酸であった。さらに、Zopeの見解と矛盾することなく、塩基性担体の溶解の証拠が認められた(1321頁、2段落)。同様に、Lilgaらの教示と矛盾することなく、Gorbanevらは、希薄HMF供給濃度(0.6質量パーセント)、および、それらのRu系触媒のために望ましくないほど高い触媒対基質比を利用した。
[0019] このように、当技術分野は、FDCAを含むフラン酸化生成物が得られるよう、水性供給材中でHMFを酸化するための触媒方法の2〜3の実施例をまさに提供しているが(例えば、WO’136号出願の高速脱水法を使用して生成されてもよい)、酢酸などの溶媒の使用に伴う、付加された出費およびその他の難題を回避するための、真に満足のいく解決策は提供されていない。
[0020] したがって本発明は、一態様において、HMFを、FDCAを含むフラン生成物に変換するための方法に関し、この方法では、ある量のHMFを水と組み合わせて、少なくとも約5質量パーセントの濃度でHMFを含有する水溶液を提供すること、HMFを含有するこの水溶液を、不均一系ルテニウム系触媒の存在下で、かつHMFを触媒の存在下で酸化してFDCAを含むフラン酸化生成物を形成するのに有効な条件下であり、水以外のいかなる溶媒も実質的に存在しない条件下で、酸素源と組み合わせる。
[0021] 一実施形態では、触媒は、その単独活性触媒成分としてルテニウムを有する。
[0022] 別の実施形態では、触媒が担持されていない。
[0023] さらに別の実施形態では、触媒が、非担持酸化ルテニウム触媒である。
[0024] 一実施形態では、形成されたFDCAは、不均一系酸化触媒から、FDCAを実質的に完全に水溶液中に維持するのに十分な温度で高温濾別され、次いで冷却することによって溶液から沈殿させて、固体FDCA生成物を回収する。
[0025] 別の実施形態では、FDCAは、触媒を実質的に可溶化しない溶媒、例えばメタノールに溶解し、その後、濾過して触媒を回収し、溶媒を除去することによって、触媒から分離され、その結果、高純度のFDCA固体生成物が得られる。
[0026] さらに別の実施形態では、FDCAは、より水溶性の高いFDCA誘導体(例えば、FDCAのジメチルエステル)が得られるようにin situで誘導され、次いでこの誘導体を固体触媒から濾別して、さらなる使用に供しまたはさらに処理して非誘導体化FDCAを回収することができる。
[0027] 第2の態様では、本発明は、FDCAをヘキソース水溶液から作製するための統合方法に関し、この方法では、組み込まれる先のWO’136号出願による方法を使用して、少なくともHMFを含んだ1種または複数種のヘキソース脱水生成物を含む水性供給材を生成し、水性供給材中のHMFを、本願による触媒および方法を使用して酸化することによりFDCAを生成する。
[0028] この第2の態様による一実施形態では、WO’136号出願に記載された高速脱水プロセスを最初に使用して水性HMF生成物および残存糖生成物を発生させ、次いでこの水性HMF生成物を使用して、本発明による酸化プロセスに向けて水性供給材を提供し(ある実施形態では、この操作では、水中で所望の濃度のHMFを有する酸化のための水性供給材を発生させるのに希釈水の添加が必要になる)、残存糖生成物は、リサイクルして追加のHMFを提供し、発酵によってその他の生成物を作製するのに使用し、またはさらにその他の手法でWO’136号出願に既に記載されているように使用される。当業者ならば、関連生成物の需要、市場価格決定、およびそのような統合方法の全体的な採算性に影響を及ぼすその他の要因に応じて、水性HMF生成物を発生させるための上流の高速脱水プロセスは、生成混合物全体の残存糖部分をさらに処理することにより、ヘキソース糖から作製し得る様々なその他の生成物よりも多少のヘキソース糖をHMFに変換するように操作できることが理解されよう。
[0029] したがって、HMFおよびそこからのフラン酸化生成物(当然ながら、FDCAなどであるが、これに限定するものではない)の最大限の生成が望ましい、この第2の態様によるさらに別の企図される実施形態では、WO’136号出願の高速脱水手法を使用して、ほとんどまたは全く残存糖生成物部分は発生させずに水性HMF生成物を発生させ、水性HMF生成物を水性HMF供給材の発生に使用して、統合方法の酸化工程に用いる。
[0030] 好ましくは、生成混合物全体から単離されまたは除去される残存糖は実質的に残されておらず、脱水工程からの水性HMF生成物部分は、希釈水の添加によって単に希釈されて、所望の濃度の水性HMF供給材を発生させ、次いでこれを酸化工程に供する。
[0031] あるいは、脱水工程からの生成混合物は、後に酸化される水性HMF供給材を得るのに直接(希釈を除いて)は使用されず、かなりの量の残存糖生成物部分のみが脱水工程で生成され、脱水生成混合物の全体から除去されるが、これはルテニウム系酸化触媒の過剰な失活または後続の酸化工程での、その他同様の難題を回避することが必要だからであり、これらの難題は、そのようにしなければ、残存糖部分が発生しないようにかつFDCAを含むフラン酸化生成物を生成するため後続の酸化工程で直接(希釈を除いて)使用することができる水性HMF生成物部分が生成されるように、脱水工程を侵襲的に実施することによって発生するフミンおよびその他のヘキソース糖脱水の分解副生成物という結果を伴って経験され得るものである。
[0032]WO’136号出願の図1に対応し、好ましい実施形態におけるWO’136号による方法の概略図を提供する。 [0033]少なくともHMFを含む1種または複数種の糖脱水生成物を含む水性供給材中でHMFの酸化を実施するための、第1の態様による本発明の方法を概略的に示す図である。 [0034]好ましい実施形態における本発明の第2の態様による統合方法を示す図であり、WO’136号出願による方法を使用して、少なくともHMFを含む1種または複数種のヘキソース脱水生成物を含む水性供給材を生成し、この水性供給材中のHMFは、本願による触媒および方法を使用して酸化される。
[0035] 本発明は、ある実施形態についてより詳細に記載することによって、より完全に理解することができる。これらの実施形態は、以下に続く特許請求の範囲でより詳細に定義される本発明の範囲および幅を限定するようには解釈されず、発明の背後にある原理の例示であり、本発明を実施するに際してそれらの原理をどのように適用できるかに関する様々な方法および選択肢を実証する。
[0036] 例えば、本願は主に、FDCAを含むフラン酸化生成物が得られるように、HMFを酸化するための触媒および方法に関するが、当業者ならば、FDCAに加えて(またはそれに優先して)その他の望ましい酸化生成物を生成するための、本発明の触媒および方法を使用する酸化のためのさらにその他の基質に想到し得ることが理解されよう。したがって、例えばレブリン酸は(HMFのように)、コハク酸が得られるように本発明の触媒を用いて酸化することができるヘキソース脱水生成物であり、これは、FDCAのように、従来の石油由来の消費財、例えばマレイン酸無水物に代わる将来有望なバイオベースの生成物であること、または現在のところ石油由来の供給原材料(例えば、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、およびγブチロラクトン)から作製されている化学物質を生成するためのバイオベースの出発材料を提供することが明らかにされた。
[0037] 酸化のための好ましい基材は、デンプン、セルロース、スクロースまたはイヌリン、特に、フルクトース、グルコース、またはフルクトースとグルコースとの組合せなど、農業的原材料から容易に入手可能な炭水化物から脱水によって誘導できるものであり、任意のそのような炭水化物源を、一般に使用することができる。適切な炭水化物源の例には、ヘキソース、フルクトースシロップ、結晶質フルクトース、およびフルクトースの結晶化からのプロセス流が含まれるが、これらに限定するものではない。適切な混合型炭水化物源は、コーンシロップなど、任意の工業的に都合の良い炭水化物源を含んでいてもよい。その他の混合型炭水化物源には、ヘキソース、フルクトースシロップ、結晶質フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、粗製フルクトース、精製フルクトース、高フルクトースコーンシロップ精製中間体および副生成物、フルクトースまたはグルコースまたはキシロースの結晶化からのプロセス流、ならびに糖蜜、例えば大豆タンパク質濃縮物の生成から得られる大豆糖蜜、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。
[0038] しかし最も好ましくは、酸化のための水性供給材中でプロセスに供給される基質は、フルクトース、グルコース、またはこれらの組合せから、酸で触媒された脱水反応によって形成されたものであり、やはり2−ヒドロキシメチル−5−フルフルアルデヒド(HMF)は、主に関心が持たれる糖脱水生成物である。
[0039] WO’136号による方法の実施形態10は、HMFの水性供給材を提供するのに使用されてもよく、または使用するのに適合し、WO’136号出願の図1に概略的に示されており、この図は、本明細書では同様に図1に再現されているが、当業者ならば、少なくとも5質量パーセントの濃度のHMFの水溶液をいくつかの手法で提供できることが、やはり理解されよう。例えばHMFは、水中で1種または複数種のヘキソース糖の脱水を実施することによって水と組み合わせてもよく、したがってHMFおよび追加の水が発生し、事実上、所望のHMF水溶液が、脱水を行うプロセスにおいて提供される。しかし同様に、HMFは、発生するのではなく、取得するものであり、少なくとも5質量パーセントの濃度でHMFの水溶液を得るのに適切な割合で、水の個別の供給源と組み合わせることができる。
[0040] そうは言うものの、本方法の実施形態10では、酸もしくは酵素によるデンプンの加水分解からまたはセルロース材料の加水分解から誘導され得るグルコースが、イソメラーゼの使用を通して工程12で酵素によりまず変換されて、ヘキソース糖水溶液14の形をとるグルコースおよびフルクトースの混合物になる。デンプンからグルコースを作製するための、およびグルコースの一部をフルクトースに変換するためのプロセスは、例えば高フルクトースコーンシロップの作製において周知である。あるいは当然ながら、グルコースの異性化からではなく甘蔗糖またはテンサイから誘導されたフルクトースを、所望の割合でグルコースと組み合わせてもよい。さらに別の実施形態では、グルコースの異性化と、その他の公知の供給源からのフルクトースのブレンドとの組合せを用いて、さらなる処理に向けてヘキソース糖水溶液を形成するためのグルコースとフルクトースとの組合せを提供してもよい。好ましくはかつ都合良いことに、ヘキソース糖水溶液14を、現行の高フルクトースコーンシロップ生成物、例えばHFCS42(フルクトース42パーセントおよびグルコース53パーセントを含有する)、HFCS90(追加の精製によってHFCS42から作製され、フルクトース90パーセント、グルコースおよびマルトースがそれぞれ5パーセント)、またはHFCS55(フルクトース55パーセントを含有し、従来はHFCS42およびHFCS90のブレンドから作製された)に対応させることができ、その結果、HFCSの需要および価格決定ならびにHMFおよびHMF誘導体の需要および価格決定が示すように、既存のHFCS生成能力を利用してHMFおよび誘導生成物を作製して、有用資源の利用を改善することができかつ資本利益を改善することができる。
[0041] 次いでヘキソース糖水溶液14を、酸触媒脱水工程16に供する。WO’136号出願の方法では、ヘキソース糖の一部は変換できず、生成混合物18中に残ることになり、エタノールを生成するための発酵によって直接使用する(望む場合)のに適切な特徴になり得ると考えられる。この点に関し、WO’136号による脱水プロセスの好ましい実施形態では、酸触媒脱水工程16は、周囲温度から所望の脱水反応温度へのヘキソース糖水溶液14の急速加熱、次いでHMF/未変換糖混合物18の急速冷却をし、その後、HMF生成物22から、発酵準備のできている残存糖生成物24を、溶媒抽出または吸着/脱着工程20により分離することによって実行される。同様に、糖溶液14を導入してからHMF/未変換糖混合物が冷却され始めるまでの時間も、好ましくは制限される。
[0042] 制限されたパス当たりのHMFへの変換率を受け入れることによって、および記載したような酸触媒脱水を実行することによって、形成されたHMFの、酸性の高温状態への全曝露は、相応に制限されてもよく、したがってフミンまたはその他同様の廃棄材料をほとんどまたは全く生成しないことが可能である。所望の生成物の分離および回収は、それによって単純化され、HMFと、発酵によってエタノール生成を阻害することが公知であるその他のヘキソース脱水生成物とのレベルは、ある程度まで残存糖生成物中で低減させることができ、それによって残存糖生成物を、望む場合にはエタノール発酵に直接使用することができる(しかし、残存糖生成物のいくつかのその他の使用が予測可能であり、その例を後で引用する)。
[0043] しかし当業者ならば、本発明の文脈において−上記にてまとめた第2の態様による統合方法の特定の文脈において−時々、ヘキソース糖水溶液14の酸触媒脱水16を実施する際に残存糖生成物24を可能な限り少なく生成すること、および本発明による後続の酸化に関してHMF生成物22の生成を最大限にすることが、好ましいと考えられることが理解されよう。残存糖がほとんどまたは全く生成されないときには、そのような状況では、分離工程20を省略し、後続の酸化工程に水性HMF供給材を提供する(またはそれ自体を構成する)のに生成混合物18を使用することが可能である場合がある。生成混合物18をこのように直接使用することができる程度は、生成混合物18におけるHMF収率を最大限にするのに用いられ得る侵襲的条件下での酸触媒脱水工程16で発生し得るフミンおよびその他同様の副生成物の量が後続の酸化触媒に及ぼす影響に、部分的に依存することになり、また、先の残存糖生成物24から作製することができた発酵またはその他の生成物の価値と比較した、追加のHMFから作製することができるフラン酸化生成物の価値、ならびに分離工程20および残存糖生成物24のさらなる処理に関連した費用などのその他の要因にも、部分的に依存することになる。いずれにしても、当業者ならば、本発明の統合方法の文脈において、HMF生成物22に対する、ある割合の残存糖生成物24を生成することに関連した利益および妥協点を十分決定することができるようになり、その際には、その他の点はWO’136号出願に従った高速脱水プロセス(しかし、おそらくは残存糖の任意の生成を全体的に省略する)を使用して、本発明によるルテニウム系酸化プロセスへの水性供給材中で(または上記供給材として)使用するためのHMFを発生させる。
[0044] 次に脱水工程16に関しては、様々な酸触媒が、均一系および不均一系の両方の固体酸触媒も含めて、ヘキソース含有材料からHMFに脱水するために用いられるとしてこれまでにも記載されてきたことが理解されよう。均一系触媒の中で、硫酸がWO’136号出願の実施例で使用され、良好な収率と優れた糖割合とをもたらした。脱水工程16に都合の良い代替の不均一系触媒は、以下の実施例により実証されるように、混合物18中または混合物18からHMFの後続の酸化工程を実施する際に使用するのに好ましいものと同じ非担持酸化ルテニウム触媒に見出すことができる。
[0045] 本発明者らは、所与の酸化反応温度(以下でさらに説明するように)でのpHの関数として、本発明の酸化触媒の性能におけるいくつかの相違を観察してきたが、当業者ならば、ヘキソースの酸触媒脱水に関する広範な技術分野に鑑み、および本願の教示に鑑み、図3の概略的な実施形態による統合型脱水/酸化プロセスの文脈において脱水工程16に適切な触媒を選択することが十分に考えられる。
[0046] 図1に戻ると、前述のように、酸触媒脱水工程16からの混合物18中には未変換の残存糖が残されたままであり、これらを分離工程20で、吸着、溶媒抽出またはこれらの組合せによって混合物18中のHMFから分離して、HMF生成物流または部分22と発酵準備のできている糖の流れまたは部分24とを得ることができ、この流れまたは部分24をリサイクルして追加のHMFを生成することができ、またはエタノール発酵工程26に供給してエタノール生成物28(図示されるように)を生成し、またはWO’136号出願で述べたその他の生成用途に投入することができる。
[0047] 工程20での吸着は、混合物18中の残存ヘキソース糖からHMFを優先的に吸着する任意の材料を用いて行うことができる。HMFおよび形成された少量のレブリン酸を保持するときに非常に有効であることが見出されている材料は、DOWEX(登録商標)OPTIPORE(登録商標)V−493マクロ多孔質スチレン−ジビニルベンゼン樹脂(CAS 69011-14-9、The Dow Chemical Company、Midland、MI)であって、その製造業者によって、メッシュ粒度20〜50、平均孔径46オングストロームおよび細孔容積1.16mL/g、表面積1100平方メートル/g、およびバルク密度680g/リットルを有すると記載されているものである。エタノール洗浄は、吸着されたHMFのほとんどを脱着するのに有効であり、その後のアセトンによる樹脂の洗浄は、吸着されたHMFの定量的回収をもたらした。代替例は、AMBERLITE(商標)XAD(商標)−4ポリスチレンジビニルベンゼンポリマー吸着剤樹脂(CAS 37380-42-0、Rohm & Haas Company、Philadelphia、PA)であり、乾燥密度1.08g/mL、グラム当たり725平方メートルの表面積、平均孔径50オングストローム、湿潤メッシュサイズ20〜60、および細孔容積0.98mL/グラムを有する非官能化樹脂である。その他の適切な吸着剤は、活性炭、ゼオライト、アルミナ、クレイ、非官能化樹脂(LEWATIT(登録商標)AF-5、LEWATIT(登録商標)S7968、LEWATIT(登録商標)VPOC1064樹脂、全てLanxess AG製)、Amberlite(登録商標)XAD−4マクロ網状架橋ポリスチレンジビニルベンゼンポリマー樹脂(CAS 37380-42-0、Rohm & Haas Company、Philadelphia、PA)、および陽イオン交換樹脂とすることができ、米国特許第7,317,116B2(Sanborn)および後の米国特許第7,897,794(GeierおよびSoper)を参照されたい。脱着溶媒は、極性有機溶媒、例えば、エタノール、アミルアルコール、ブタノールおよびイソペンチルアルコールなどのアルコール、前述のアセトン、ならびに酢酸エチル、メチルテトラヒドロフランおよびテトラヒドロフランを含んでいてもよい。アセトンが一般に好ましく、それは脱着溶媒としてのアセトンの有効性に加え、アセトンが非常に低沸点であり、蒸留または蒸発によって容易に定量的に除去されるからである。
[0048] 溶媒抽出に適切な溶媒には、メチルエチルケトンおよび特に酢酸エチルが含まれるが、それはHMFおよびレブリン酸に対する後者の多大な親和性、低沸点(77℃)および水からの分離の容易さに起因するものである。WO’136号出願の実施例のある特定の場合で実証されるように、混合物18からの糖およびHMFの事実上完全な回収は、一連の酢酸エチル抽出を通してWO’136号で実現された。さらに、その他の手段によって回収された残存糖は、後続のエタノール発酵工程26において直接処理してエタノールにするのに依然適切であったが、酢酸エチルによる定量的抽出の後に回収されたものは、最適ではない条件下であっても阻害性が著しく低いことが観察された。様々なその他の溶媒が、2相系でのHMFおよびHMF誘導体合成および回収に関する文献に提示されまたは使用され、これらは使用に適切となり得る。その他の有用な溶媒の例は、ブタノール、イソアミルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、シクロペンチルジメチルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、およびメチルブチルエーテルである。
[0049] 用いられる場合のエタノール発酵工程26は、任意の公知のプロセスを包含することができ、それによって、発酵準備のできている糖の流れまたは部分24により表されるタイプのヘキソース糖供給材は、少なくともいくつかの部分では発酵手段によって、エタノールを含む1種または複数種の生成物に変換することができる。したがって、様々な酵母(例えば、kluyveromyces lactis、kluyveromyces lipolytica、saccharomyces cerevisiae、s. uvarum、s. monacensis、s. pastorianus、s. bayanus、s. ellipsoidues、candida shehata、c. melibiosica、c. intermedia)のいずれか、または様々な細菌(例えば、clostridium sporogenes、c. indolis、c. sphenoides、c. sordelli、candida bracarensis、candida dubliniensis、zymomonas mobilis、z. pomaceas)のいずれかであって、好気性または嫌気性条件下およびその他の適切な条件下で発酵準備のできている糖の流れまたは部分24からのエタノール生成能力を有するものを使用する、好気性および嫌気性の両方のプロセスが考えられる。使用される特定の酵母(または細菌)、およびこれらの様々な酵母(または細菌)を用いる発酵のその他の特定のものは、発酵の当業者により普通に選択されるものであるが、以下の実施例は、ある一般的な嫌気性酵母株、saccharomyces cerevisiaeの機能性を実証する。糖の流れまたは部分24が、酸脱水生成物HMFを作製するためのプロセスから誘導されるとすれば、バイオマスおよび/またはバイオマスからのセルロース画分を酸加水分解することによってリグノセルロースバイオマスから誘導された糖と共に特に使用されることが実証されてきた酵母または細菌が、好ましいと考えられる。例えば、好気性細菌corynebacterium glutamicum Rは、Sakaiらの「Effect of Lignocellulose−Derived Inhibitors on Growth of and Ethanol Production by Growth−Arrested Corynebacterium glutamicum R」、Applied and Environmental Biology、vol.73、no.7、2349〜2353頁(2007年4月)で、バイオマスの希薄酸前処理からの有機酸、フランおよびフェノール副生成物に対する解毒手段の代替例として評価され、将来性があることが見出された。
[0050] 存在する場合、発酵準備のできている糖の流れまたは部分24は、全体としてまたは部分的に、エタノールの生成を超えたその他の目的に使用することができる。例えば、流れまたは部分24の中の糖を、酸脱水工程16の始まりにリサイクルして、追加のHMFを生成することができる。流れまたは部分24によって表されるヘキソース糖は、その他のバイオベースの燃料および燃料添加物(エタノール以外またはエタノールの他に)を生成するために、糖アルコールへ水素化することもでき、例えばYaoらの米国特許第7,678,950号を参照されたい。流れまたは部分24の中の糖は、公知の方法によってリジンまたは乳酸が生成されるように発酵させることができ、またはレブリン酸などの別の脱水生成物を作製するために使用することができる。記載したプロセスによって提供された糖の流れまたは部分24の特徴が分かれば、さらにその他の使用が当業者に明らかになろう。
[0051] 前述のように酸脱水工程16は、フミンおよびその他同様の分解型材料の形成をもたらす酸性高温条件に、形成されたHMFを曝露するのを制限するような手法で、好ましくは実行される。その結果、ヘキソース糖溶液14の急速加熱が望ましい。さらに、ヘキソース水溶液14が所望の反応温度範囲に到達したら、ヘキソース水溶液が酸性高温条件に供されたままになる範囲も、WO’136号出願で教示され具体化されたように制限されることが好ましい。
[0052] 一般的な問題として、当然ながら、より少ない量よりもより多い量のヘキソース糖を有する糖溶液14を処理することが好ましいと考えられるが、いくつかの妥協点が、全体的な糖割合とその他の点に関して観察され、これらは、所与の供給原材料で観察されるべき最適な条件を決定する際に考慮することが必要と考えられる。
[0053] 最大20パーセントの最終乾燥固形分濃度をもたらす、40パーセントの乾燥固形分が投入されたHFCS42供給材の特定の実施例では、より短い反応時間とより高い終端に向かう温度との使用は、WO’136号出願によれば好ましいと考えられ、例えば200℃で5分であった。HFCS90の場合、同じ酸開始濃度とするなら、反応温度は摂氏185度〜205度の範囲にすることができ、糖溶液14中のヘキソース糖の乾燥固形分量を30〜50パーセントにすることができ、8〜15パーセントの最終乾燥固形分濃度を提供することができ、反応時間を5〜10分にすることができる。
[0054] 1種の供給原材料を別の原材料に対して処理するのに関わる考慮事項の例として、HFCS42と対照的なHFCS90では、20パーセントの最終乾燥固形分濃度を、同じ全糖割合で処理することができず、より低い最終乾燥固形分濃度が好ましいと示された。10パーセントの最終乾燥固形分濃度では、反応温度摂氏185度および反応時間10分が、好ましい結果をもたらすことが観察された。流れまたは部分24に回収された糖に関する好ましい条件は、留意すべきは、リサイクルが追加のHMF生成物またはレブリン酸を作製するために企図されるものである、糖溶液14中に新たに供給される糖に関して企図される条件とは異なると考えられる。
[0055] いずれにしても、所望の反応温度への加熱は、好ましくは15分以下で実現され、好ましくは11分以下、より好ましくは8分以下で、さらにより好ましくは5分以下で実現される。WO’136号の実施例によって実証されるように、ある量の周囲ヘキソース糖溶液の、高温水性酸母材への急速供給(2分で)は、ある量のヘキソース糖溶液が完全に導入されたときと冷却が開始されたときとの間に同じ経過時間が与えられたとしても、それほど急速ではない供給と比較して、HMF選択率、収率および全糖割合の1つまたは複数で矛盾なく改善がなされた。より詳細には、バッチ反応器において、所望の反応温度に既に近くなっているまたは所望の反応温度にある高温反応器内で糖溶液14と酸触媒とを組み合わせることにより、糖溶液14および酸触媒が反応器に添加され次いで所望の反応温度に一緒に徐々に加熱された場合に比べて改善された結果が得られた。
[0056] 連続プロセスに関し、糖溶液14および酸触媒を急速加熱するための1つの適切な手段は、直接水蒸気注入であると考えられる。市販のインライン式直接水蒸気注入デバイス、Hydro−Thermal Corporation、400 Pilot Court、Waukesha、WIで製造されたHydro−Thermal Hydroheater(商標)は、音速の水蒸気を、一連の隙間を通して入口パイプから流れてくる液体(糖溶液14など)の薄層に注入する。水蒸気流は、出口流体温度を、大きい液体ターンダウン比で華氏0.5度以内に制御可能であると主張される範囲まで、可変面積ノズルを通して厳密に調節される。乱流混合が、特別に設計された連結管内で生じ、この管内では、剪断の調節可能な程度は一連の隙間を通る水蒸気流および液体流(または一連の隙間の両端の圧力降下)の調節に応答する。この一般的特徴のデバイスは、例えば米国特許第5,622,655号;第5,842,497号;第6,082,712号;および第7,152,851号に記載されている。
[0057] そのようなデバイスを使用するWO’136号の実施例では、HFCS42シロップからの最高HMF収率および糖割合は、硫酸(糖の0.5質量%)の系、初期乾燥固形分濃度20%、システム背圧1.48〜1.52MPa、ゲージ(215〜220psig)、水蒸気圧力1.90MPa、ゲージ(275psig)のHydro−Thermal Hydroheater(商標)を用いて、5〜6分間、直接水蒸気注入で得られた反応温度での直接水蒸気注入による反応混合物の急速加熱、圧力解放の前の生成混合物の急速冷却を伴った。反応制御設定点は摂氏200度であり、静止管の端部で到達した最高温度は摂氏166度であった。HMFは、これらの条件で、最高20%のモル収率および90%超の全糖割合で得られた。不溶性フミンの目に見える生成は、事実上なかった。
[0058] 同じ装置内で処理されたHFCS90シロップの場合、最高HMF収率および糖割合は、硫酸(糖の0.5質量%)の系、初期乾燥固形分濃度10%、システム背圧1.03MPa、ゲージ(150psig)、水蒸気圧力1.38MPa、ゲージ(200psig)を用いて、11分間、直接水蒸気注入によって得られた反応温度での直接水蒸気注入による反応混合物の急速加熱、圧力解放の前の生成混合物の急速冷却を伴った。反応制御設定点は摂氏185度であり、静止管の端部で到達した最高温度は摂氏179度であった。HMFは、HFCS90からこれらの条件で、最高31%のモル収率および95%超の全糖割合で得られた。不溶性フミンの目に見える生成は、この場合も事実上なかった。
[0059] WO’136号出願で、混合物18の急速冷却は、高温および酸性条件に対するHMF生成物の曝露を限定するのに好ましい別の手段と定められ、エタノール生成物28を生成するためにエタノール発酵工程26に任意選択により供給することができるHMF生成物流または部分22および発酵準備のできている糖の流れまたは部分24が得られるよう、前述の分離工程20における吸着、溶媒抽出またはこれらの組合せを使用する前にこの急速冷却を実現することができる様々な手法が記載されている。しかし本発明の目的で、より詳細には図3に概略的に例示された統合方法を目的として、HMFの酸化に好ましい温度の場合には、流れまたは部分22中のHMFを酸化してFDCAが得られるように、HMF生成物流または部分22を後続の酸化工程に単に直接搬送することが、おそらく好ましくなる(分離工程20後)。
[0060] 図3に概略的に示される好ましい統合方法の実施形態について、目下説明することになるが、まず単独状態の本発明による酸化プロセス30について考えることが有益になり、この場合、少なくとも約5質量パーセントの濃度で少なくともHMFを含んだ1種または複数種の脱水生成物を含む水性供給材32(この水性供給材32は、WO’136号出願に記載された方法から、または既に示した方法から得られてもよく、いくつかのその他の供給源のいずれかからまたはその他の手段によって得られてもよい)を、本発明によるHMF酸化触媒の存在下で処理して、FDCAを含む生成物を得る。
[0061] したがって、次に図2に戻ると、水性供給材32は、反応器36内で、不均一系ルテニウム系触媒の存在下、酸化を実施するのに有効な条件下で、酸素源34(空気、酸素に富む空気、酸素、または酸素と1種または複数種のその他の不活性ガスとの組合せであってよい)と組み合わせることによって酸化される。それによって、FDCAを含む生成物38が生成される。
[0062] 一実施形態では、触媒は、単独活性触媒金属としてルテニウムを用いる。他の改良例では、触媒は担持されない。さらに他の改良例では、触媒は非担持酸化ルテニウム触媒であり、従来の塩基処理または塩基性担体を基本的に有効にする必要はない。しかし本発明者らの研究による非担持酸化ルテニウム触媒は、より低い酸化温度で流入する水性供給材32のpHに基づいて、性能においていくつかの相違を実証しており;より低い温度では、中性pHがFDCA生成に好都合であるが、より高い温度は、流入する水性供給材32のpHに対してそれほど感受性が高くないことが観察された。
[0063] この点に関し、適切な反応温度は摂氏約70度から摂氏約170度に及び、好ましくは摂氏約85度から摂氏約160度の範囲にあり、より好ましくは摂氏約90度から摂氏約150度の範囲にある。動作可能な温度のより広い範囲のうちのより低い温度では、前述のように、ある酸化生成物に対する選択率は、流入する水性供給材のpHにある程度依存し;塩基性の値では、FDCAに対する選択率が低減し、マレイン酸、コハク酸およびフマル酸の生成が増大する。しかし動作温度のより好ましい範囲内で、流入する水性供給材のpHの相違は、生成物の分布に対して比較的小さい影響しか及ぼさなかった。
[0064] 触媒量は、水性供給材中のHMFの質量に対して0.5〜30質量パーセントにすることができるが、好ましくは水性供給材中のHMFの質量に対して1〜20質量パーセントの範囲で使用され、より好ましくは水性供給材中のHMFの質量に対して3〜15質量パーセントで用いられる。
[0065] 水性供給材中のHMF濃度は、少なくとも5質量パーセントから30質量パーセントまでであり、好ましくは水性供給材の5質量パーセントから供給材の20質量パーセントであり、より好ましくは水性供給材の5質量パーセントから15質量パーセントである。
[0066] 酸化を行うための酸素の供給源は、酸素、酸素に富む空気、空気、または酸素と1種もしくは複数の不活性ガス、例えば二酸化炭素と別の混合物とすることができる。好ましくは、酸素源は単に酸素である。0.5MPa〜10MPa(5〜100bar)の酸素が存在するが、好ましくは、酸素は2.0MPa〜9.0MPa(20〜90bar)で存在し、より好ましくは3.0〜7.0MPa(30〜70bar)で存在する。
[0067] バッチ反応時間または連続反応器内での平均滞留時間は、1〜26時間になり、好ましくは2〜20時間になり、より好ましくは3時間〜15時間になる。
[0068] 反応器36は、酸化工程が実施されるように、いくつかの方法で構成することができる。FDCAは周囲温度の水に少しだけ可溶であるので、また不均一系固体ルテニウム系触媒が用いられるので、形成されたままのFDCAの、固体不均一系触媒からの分離は、重要な設計上の課題である。一実施形態では、FDCAは、FDCAが水溶性のままである温度よりも高く生成物の温度を維持することによって、触媒から高温濾過する。この操作手法は、連続固定床多管式反応器の設計に適していると考えられる。あるいはFDCAは、水中のFDCA固形分およびルテニウム系不均一系触媒(例えば、非担持酸化ルテニウム)のスラリーを、反応器36の後に第2の槽にポンプ送出し、触媒を実質的に可溶化させない溶媒、例えばメタノールにFDCAを溶解し、次いでFDCA/メタノール溶液を槽から引き出して、固体触媒を反応器36に戻すことにより、多槽式スラリープロセスにおいて不均一系触媒から分離することができる。次いでメタノールの蒸発は、高純度FDCA固体生成物を提供すると考えられる。そのような多槽式スラリープロセスのいくつかの工業的に実施される実施例を、見出すことができる。別の可能性ある手法では、CarberryまたはRobinson−Mahoney型反応器のように触媒がバスケットに含有されている半バッチ撹拌タンク構成を考えることができ、この撹拌タンクは、反応器内および触媒中に堆積されたFDCA固形分を除去するようにメタノールで洗浄するためオフラインで設けられている。水中のFDCAの限られた溶解度を取り扱うためのさらに別の手法では、FDCAよりも実質的に可溶性のあるFDCA誘導体を反応器36内で形成すると考えられ、したがってFDCA誘導体は、反応器36から溶液状態で除去することができる。FDCA誘導体、例えばFDCAのジメチルエステルは、それ自体の有益な適用例を有することができ、またはFDCAは、公知の方法によるさらなる処理によって、FDCA誘導体から再生され得る。
[0069] 水性供給材32の調製および水性供給材32に含有されるHMFの酸化は、時間および/または場所に関して互いに独立して引き起こすことができるが、図3に概略的に例示される好ましい実施形態40では、好ましくは、HMFを含有する水性供給材を得るための、水溶液中でのヘキソース糖の脱水と、後続の、そのような供給材中のHMFの酸化とが、統合方法において一緒に実現される。好ましい実施形態40を、本発明の第2の態様により、WO’136号出願に記載されたタイプの高速脱水プロセスを実施する種々の形態に関してこれまでまとめてきたが、一般に、脱水反応器44内でヘキソース糖水溶液42の酸触媒脱水が実施される。溶液42中のヘキソース糖の脱水は、水性HMF生成物46と、任意選択により水性HMF生成物46とは別の生成物として得られてもよい残存糖生成物48とを、図1に関して説明した(工程20として)溶媒抽出または吸着/脱着工程を実施することによって生成し、脱水工程の後に、この脱水工程で発生したHMFから残存糖を分離する。
[0070] しかし、主な所望の全生成物(複数可)が、脱水工程からのHMFを酸化することによって得られるFDCAなどのフラン酸化生成物である場合、好ましくは残存糖生成物48は共生成物として生成されず、または生成する場合は、溶液42中のヘキソース糖と合わせるために戻してリサイクルするためだけに生成され、残存糖のかなりの部分は、ルテニウム系酸化触媒の過剰な失活またはまだ説明していない後続の酸化工程におけるその他同様の難題を回避するように、必要に応じて生成物48中に生成されるのみである。
[0071] 次いで水性HMF生成物46を、水50の添加によって従来通り希釈することにより、酸化工程で水性HMF供給材51が得られる。酸化工程では、水性HMF供給材51を、ルテニウム系不均一系触媒の存在下(図示せず)および酸化を実施するのに適切な条件下、適切な酸化反応器54内で酸素52の供給原と組み合わせ、FDCAを含むフラン酸化生成物が、生成物56として生成される。酸化反応器54および関連するプロセスは、上記図2で記載したようにすることができる。
[0072] 実施例
[0073] 本発明を、以下の非限定的な実施例を用いてさらに例示する:
[0074] 実施例1〜9
[0075] 一連のHMF酸化反応を、Parrマルチ反応器システム(Parr Instrument Company、Moline、IL)を使用して、バッチ規模で、異なる温度でかつその他の点では一定の二組の反応条件により行った。所与の組の条件下にある実験操作ごとに、75mLの反応チャンバにHMFの水溶液および酸化ルテニウムを充填し、酸素源で加圧した。溶液を、850rpmの制御された速度で磁気撹拌しながら、所望の温度に20〜30分間にわたって加熱した。反応を、一時の間継続し、次いで溶液を冷却し、不均質な混合物を濾過して固形分を除去した。固形分中の酸化生成物を、メタノールで固形分を洗浄することによって単離し、次いで回転蒸発によってメタノールを除去した。ろ液およびメタノール洗浄後の固体について、HPLC分析を行った。触媒を回収し、リサイクルした。
[0076] 第1の組の条件下、異なる温度での一連の反応では、HMFを、異なる反応器温度で反応時間3時間にわたり、HMFの質量に対して乾燥固形分10%、酸化ルテニウム触媒10%で、酸素6.0MPa(60bar)で酸化した。生成された生成物組成、および生成混合物中に見出された様々な材料のパーセンテージモル収率は、それらが酸化生成物であっても未変換HMFであっても、表1Aに示した通りであった。第2の組の条件下の一連の反応では、様々な温度で、乾燥固形分5%、酸化ルテニウム触媒10%、酸素7.0MPa(70bar)で6時間の反応時間にわたり、追加の4つの実験操作を実施した。結果を、表1Bに比較のために示す。結果は、変換したHMFの量、生成物の収率、および全体の割合が、用いられた反応温度によって影響を受ける可能性があることを実証している。
[0077] 実施例10〜14
[0078] 一連の3つの実験を、反応混合物中の3つの異なる乾燥固形分濃度で、並行して実施したが、その他の点は同一条件であり、即ち、摂氏120度で反応時間3時間、HMFの質量に対して酸化ルテニウム触媒10%、および酸素7.0MPa(70bar)であった。追加の2つの実験は、2つの異なる乾燥固形分濃度で、摂氏160度で実施したが、その他の点は、摂氏120度で行われたものと同一条件であった。得られた生成混合物の分析は、表2に示される結果を提供し、より高い出発乾燥固体濃度は、より低い出発乾燥固体濃度よりも、高いHMF変換率と、多くの酸化生成物全体量とをもたらすことを実証している。
[0079] 実施例15〜18
[0080] 一連の4つの実験を、4つの異なる反応時間で、HMFの質量に対して酸化ルテニウム10%、摂氏100度、および空気7.0MPa(70bar)、乾燥固形分6%で実施した。実験操作は、1時間、3時間、6時間、および16時間の反応時間で実施し、その結果を表3に示す。反応時間は、生成物の組成および収率に著しい影響を及ぼす。
[0081] 実施例19〜21
[0082] 実施例15との比較のため、追加の実験を、同じ反応時間1時間で、かつ同じその他の反応条件(乾燥固形分6%、HMFの質量に対して酸化ルテニウム10%、空気7.0MPa(70bar))で実施したが、例外として反応温度は、摂氏100度ではなく摂氏85度であった。次いで2つのその他の実験を、同じ摂氏85度および摂氏100度の反応温度で、かつ同じその他の反応条件で実施し、例外として7.0MPa(70bar)の空気ではなく7.0MPa(70bar)の酸素を使用した。これらの結果を表4に示す。
[0083] 実施例22〜24
[0084] HMF(乾燥固形分ベースで5%)を含んだHMF水溶液を、酸素で3.0MPa(30bar)に加圧し、摂氏100度に、25分間かけてゆっくり加熱した。ある場合には、金属酸化物をHMF水溶液に添加せず、一方、第2の場合には、先の実施例で使用されたものと同じ酸化ルテニウム酸化触媒をその後同じ割合で添加し(HMFの質量に対して10%)、第3の場合には、酸化ルテニウムを、HMFの質量に対して1%で酢酸ジルコニウムにより接合した。摂氏100度で3時間後、3つの実験操作(触媒なし、酸化Ru触媒、および酢酸ジルコニウムを持つ酸化Ru)からの生成混合物を、先の実施例のように急速冷却し、HPLCにより分析した。様々な生成物のモル収率を、パーセントとして表5に示す。表5において、FDCAは2,5−フランジカルボン酸(またはデヒドロ粘液酸)であり、FFCAはホルミルフランカルボン酸であり、HMFCAはヒドロキシメチルフランカルボン酸であり、DFFはジホルミルフランである。
[0085] 実施例25〜26
[0086] HMFの水溶液(水中で5%の乾燥固形分)を、HMFに対して酸化ルテニウム10質量%の存在下で、7.0MPa(70bar)の酸素により摂氏100度に1時間加熱することによって、酸化した。次いで生成混合物(実施例25)を、同じ条件下(実施例26)で第2の酸化サイクルにリサイクルした。結果を、以下の表6に示す。
[0087] 実施例27と比較例1および2
[0088] 表7から分かるように、摂氏100度で、30barの二酸化炭素と酸素との1:1混合物、および共触媒として酸化ルテニウム10%および追加の酢酸ジルコニウム1%の存在下で、5%乾燥固形分水性供給材中のHMF約55%が変換され、このときの主要な生成物はFFCAおよびDEFであった。同様の効果が、酢酸中でHMFの5%乾燥固形分溶液を処理する際に見られた。酢酸に投入される触媒を2倍にし、二酸化炭素と酸素との均等な混合物ではなく酸素を導入することによって、HMF変換率は70パーセントに上昇し、DFFモル収率はほぼ2倍になった。
[0089] 実施例28
[0090] 摂氏160度および7.0MPa(70bar)の酸素で、5%および9%の乾燥固形分水性HMF供給材の酸化から得られた生成物の凝集サンプルを、メタノール、および0.06Mのビスマス(III)トリフレートのメタノール溶液を添加することで、エステル化に供した。この組合せを120℃に3時間加熱した。この組合せを冷却し、過剰なメタノールを除去した。生成物サンプルのH NMRは、FDCA、フラン−2,5−カルボン酸メチルエステル、およびフラン−2,5−ジカルボン酸メチルエステルの、1:1:1の比を示した。

Claims (8)

  1. ヒドロキシメチルフルフラールを、2,5−フランジカルボン酸を含むフラン生成物に変換するための方法であって、
    ある量のヒドロキシメチルフルフラールを水と、ヒドロキシメチルフルフラールを少なくとも5質量パーセント含有する水溶液を提供する工程と、
    前記水溶液を、不均一系ルテニウム系触媒の存在下で、かつヒドロキシメチルフルフラールを2,5−フランジカルボン酸を含むフラン酸化生成物へと酸化するのに有効な条件であり、水以外の、ヒドロキシメチルフルフラールまたは2,5−フランジカルボン酸のためのいかなる溶媒も実質的に存在しない条件下で、酸素源と組み合わせる工程と
    を含む、方法。
  2. 前記触媒が、その単独触媒活性成分としてルテニウムを使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記触媒が担持されていない、請求項2に記載の方法。
  4. 前記触媒が、非担持酸化ルテニウム触媒である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記2,5−フランジカルボン酸が、前記2,5−フランジカルボン酸の実質的に全てが溶液中に残存する温度で、前記不均一系触媒から分離される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法を、第1の槽で実施し、次いで、2,5−フランジカルボン酸を、溶液中にある状態で、前記第1の槽から、前記第1の槽内の前記不均一系触媒の少なくともいくらかを伴って第2の槽に移し、前記第1の槽からの移された前記2,5−フランジカルボン酸および触媒を、前記第2の槽内で、前記第2の槽内において2,5−フランジカルボン酸に有効な溶媒であり、前記触媒を実質的に可溶化させない材料と組み合わせ、次いで、前記触媒を、2,5−フランジカルボン酸、水、および添加された溶媒から分離する、請求項1に記載の方法。
  7. 1種または複数種のヘキソース糖を含む水溶液から、2,5−フランジカルボン酸を作製するための方法であって、
    前記水溶液を急速酸触媒脱水に供して、ヒドロキシメチルフルフラールを含む生成混合物を生成する工程であり、前記水溶液が、酸触媒の存在下で周囲温度から摂氏175度超に、15分未満で加熱される、工程と、
    必要に応じて、高温の水を、前記急速酸触媒脱水からの前記生成混合物に添加して、水中にヒドロキシメチルフルフラールを5〜30質量パーセント含有する水性酸化供給材を実現する工程と、
    前記水性酸化供給材を、不均一系ルテニウム系触媒の存在下で、かつヒドロキシメチルフルフラールを2,5−フランジカルボン酸を含むフラン酸化生成物へと酸化するのに有効な条件であり、水以外の、ヒドロキシメチルフルフラールまたは2,5−フランジカルボン酸のためのいかなる溶媒も実質的に存在しない条件下で、酸素源と組み合わせる工程と
    を含む方法。
  8. 前記急速酸触媒脱水からの前記生成混合物が、いくらかの残存糖を含有し、残存糖が前記生成混合物から分離された後に、前記生成混合物中のヒドロキシメチルフルフラールを酸化させて、2,5−フランジカルボン酸を含むフラン酸化生成物を得る、請求項7に記載の方法。
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