JP2017523961A - 黒液からリグニンを分離および精製する方法ならびにその組成物 - Google Patents

黒液からリグニンを分離および精製する方法ならびにその組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、工業化学プラントに存在する、黒液と呼ばれる使用済み蒸解液からのリグニンの分離および精製のための方法およびプロセス、ならびにその組成物に関する。黒液を、(i)揮発性硫黄化合物を含む、気体ストリーム、(ii)リグニンを有限溶解性溶媒S1中へ抽出することによって生成される、リグニン含有ストリーム、(iii)固体のナトリウム塩および硫酸塩を含む、塩ストリーム、ならびに(iv)炭化水素を含む、塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリームから選択される少なくとも2つ、3つ、または4つのストリームに分離するプロセスを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年7月9日に出願された米国仮特許出願第62/022,644号の利益を主張する。この米国仮特許出願は、その全体が本明細書において参照により組み込まれる。
発明の分野
本発明は、工業化学プラントに存在する使用済み蒸解液(すなわち、黒液)からのリグニンの分離および精製に関する。
発明の背景
回収ボイラーの処理量が最大に達してしまったパルプ製紙工場は、黒液からリグニンの画分を除去することで、除去されたリグニンの画分に比例して生産量を増大させることができる。例えば、黒液からリグニンの30%を回収する大型の製紙工場は、全体の生産率を増加させて同じパーセンテージに近づけることができる。
リグニンもまた、「グリーンケミカル」を生産するための、価値のある材料である。リグニンを灰分から効果的に分離して、パルプ化プロセス中にリグニンが獲得した共有結合した亜硫酸基およびスルホン酸基を脱硫することでリグニンを高度に精製することができれば、リグニンの価値はなお一層高まる可能性がある。PCT/US2013/039585およびPCT/US2013/068824(いずれも、あらゆる目的で、参照により本明細書に組み込まれる)は、リグニンを有限溶解性溶媒中に抽出し、有機相中のリグニンを強酸性カチオン交換樹脂と接触させることで研磨することにより、リグニンを高純度に精製する、プロセスおよび方法を開示している。
発明の概要
一態様では、黒液を、(i)揮発性硫黄化合物を含む、気体ストリーム、(ii)リグニンを有限溶解性溶媒(limited−solubility solvent)S1中へ抽出することによって生成される、リグニン含有ストリーム、(iii)固体のナトリウム塩および硫酸塩を含む、塩ストリーム、ならびに(iv)炭化水素を含む、塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリームから選択される少なくとも2つ、3つ、または4つのストリームに分離する、プロセスを、本明細書において提供する。
別の態様では、黒液からリグニンを精製するプロセスであって、該プロセスは、(i)黒液を有限溶解性溶媒S1と接触させ、これにより溶液を形成するステップと、(ii)溶液をCOの添加によって中和するステップと、(iii)溶液から、沈殿した塩を分離するステップと、(iv)鉱酸により、溶液を少なくとも0.5から最大で3.0のpHへさらに酸性化させるステップと、(v)溶液を溶媒S1相と水相とに分離するステップと、(vi)強酸性カチオン交換樹脂と接触させることによって、溶媒S1相から灰分を除去するステップとを含み、これらにより、溶媒S1相中のリグニンの精製された溶液を得る、プロセスを、本明細書において提供する。一部の例では、このプロセスは、(i)溶媒S1相を蒸留またはフラッシュ蒸発させ、これにより有限溶解性溶媒S1の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ、(ii)固体リグニンを加熱して、固体リグニンから微量の有限溶解性溶媒S1または水を除去するステップ、(iii)固体リグニンに真空を適用して、固体リグニンから微量の有限溶解性溶媒S1または水を除去するステップ、(iv)固体リグニンを有機溶媒中に溶解させて、結果として懸濁物を形成させるステップ、および(v)懸濁物から不溶性残留物を分離するステップから選択される1つ、2つ、3つ、または4つのさらなるステップをさらに含んでいてもよい。黒液は、クラフトパルプ化プロセスの生成物であってもよい。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、溶媒S1中のリグニンを触媒および水素供与体の存在下で還元剤と反応させることによって、リグニンを脱硫させてもよい。一部の例では、水素供与体が2−ブタノールであり、2−ブタノンが脱硫の副生成物として生成される。
別の態様では、本明細書において記載されるプロセスによって調製された、塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリームの嫌気性消化により、メタンを生成するプロセスを、本明細書において提供する。
別の態様では、本発明は、(i)3.2%未満の硫黄(wt/wt)と、(ii)微量のS1溶媒と、(iii)黒液残渣とを含むリグニン組成物であって、黒液残渣が、最大で10000ppm、最大で9000ppm、最大で8000ppm、最大で7000ppm、最大で6000ppm、最大で5000ppm、最大で4000ppm、最大で3000ppm、最大で2000ppm、最大で1000ppm、最大で500ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で10ppm、または10ppm未満(wt/wt)の量で存在する、リグニン組成物を提供する。
さらに別の態様では、黒液を含む工業規模の化学プラントであって、有限溶解性S1溶媒による抽出によって黒液からリグニンを分離するように構成されており、回収ボイラーを備えていない、化学プラントを、本明細書において提供する。一部の例では、このプラントは、リグノセルロース材料、紙、ボール紙、精製リグニン、またはこれらの組合せを生産するように構成されている。この化学プラントは、黒液をリサイクルするように構成されていてもよく、ここで、リグニンは黒液から分離されて、黒液は濃縮されない。
別の態様では、黒液からリグニンを分離するプロセスであって、(i)黒液を有限溶解性溶媒と接触させ、これにより混合物を形成するステップと、(ii)混合物をCOの添加によって中和するステップと、(iii)混合物を濾過し、これにより濾液および濾過ケーキを生成するステップと、(iv)濾液を酸性化させるステップと、(v)濾液を有機相と水相とに分離するステップと、(vi)有機相から金属カチオンを除去するステップと、(vii)有機相からリグニンを回収するステップとを含む、プロセスを、本明細書において提供する。一部の例では、有限溶解性溶媒は、4炭素〜8炭素ケトン、例えば、メチルエチルケトンを含んでいてもよい。一部の例では、黒液を有限溶解性溶媒と接触させるステップは、塩の沈殿を誘起する。一部の例では、塩は、炭酸イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、または重硫酸イオンを含む。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、混合物を、COの添加中、少なくとも30℃から最高で90℃の温度に維持してもよい。一部の例では、混合物が少なくとも7.1から最大で9.5のpHを有したらすぐに、COの添加を中止する。COの添加後、混合物を少なくとも20分間撹拌して、塩の形成を可能にしてもよい。一部の例では、濾液を、酸、例えば、鉱酸(例えば、硫酸)の添加によって酸性化させる。酸性化は、塩の沈殿をさらに引き起こす場合がある。一部の例では、沈殿物を濾過によって除去する。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、有機相からリグニンを回収するステップは有機相の蒸発によって行われてよく、これにより固体リグニンを形成させてよい。これは、有機相を高温の水と接触させ、これによりリグニン沈殿物を形成させることを含んでいてもよい。リグニン沈殿物を濾過することにより、固体リグニンを収集してもよい。一部の例では、固体リグニンに真空を適用することによって固体リグニンを乾燥させる。固体リグニンを有機溶媒中に溶解させてもよい。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、有機相は脱硫反応を受けてもよい。有機溶媒中に溶解させた固体リグニンが脱硫反応を受けてもよい。一部の例では、脱硫反応は、例えば、ラネーニッケル、MoS、CoS、またはこれらの組合せが含まれる、脱硫触媒を含む。一部の例では、脱硫反応は、水素供与体、例えば、アルコール(例えば、2−ブタノール)の添加をさらに含む。脱硫反応を、少なくとも50℃から最高で200℃の温度で行ってもよい。一部の例では、脱硫反応を、少なくとも1mPaから最高で30mPaの圧力で行う。脱硫反応の後に、任意選択で、有機相を濾過してもよい。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、中和するステップが、炭水化物の沈殿を誘起してもよい。任意選択で、濾過ケーキを、酸性化された濾液の水相と接触させ、これによりスラリーを形成させる。一部の例では、スラリーを、少なくとも0.5から最大で3.0のpHへ酸性化させる。スラリーを、少なくとも80℃から最高で150℃の温度に加熱してもよい。一部の例では、スラリー中の沈殿した炭水化物の少なくとも50%を、水溶性炭水化物に変換する。スラリーから、嫌気性消化に好適な水溶液を分離してもよい。この嫌気性消化に好適な水溶液は、400ppm未満のカルシウムを含んでいてもよい。一部の例では、嫌気性消化に好適な水溶液は、2,000ppm未満の硫黄を含む。嫌気性消化に好適な水溶液は、少なくとも35,000の化学的酸素要求量(COD)値を有していてもよい。任意選択で、嫌気性消化に好適な水溶液は、例えば、微生物を使用して、嫌気性消化を受けてメタンを生成する。生成されたメタンをエネルギー源として使用してもよい。
本明細書において記載されるプロセスのいずれかを実施する際、有機相から金属カチオンを除去するステップは、有機相を強酸性カチオン交換樹脂と接触させることを含んでいてもよい。
一態様では、少なくとも80%のリグニン(wt/wt)を含み、(i)最大で3.2%(wt/wt)までの量の硫黄、(ii)最大で1%の灰分(wt/wt)までの量の灰分、(iii)リグニンに対して、最大で500ppmまでの量の多価カチオン、および(iv)リグニンに対して、最大で500ppmの炭水化物までの量の炭水化物から選択される1つ、2つ、3つ、または4つのさらなる特性を含む、リグニン組成物を、本明細書において提供する。一部の例では、リグニン組成物は、1.6%未満の硫黄(wt/wt)を含んでいてもよい。
参照による組込み
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願の各々が、具体的かつ個別に参照により組み込まれると明示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
図1Aは、黒液から有限溶解性溶媒中へのリグニンの分離、および残留水性ストリームに由来する硫酸塩負荷の低減についての、簡略化したプロセススキームの概略図である。
図1Bは、黒液から有限溶解性溶媒中へのリグニンの分離、および残留水性ストリームに由来する硫酸塩負荷の低減についての、簡略化したプロセススキームの代替的な概略図である。
図2は、溶媒のリサイクルおよび水性ストリームの有機物負荷のメタンへの嫌気性消化を含めた、リグニンの脱硫および精製のプロセススキームの概略図である。
図3は、溶媒のリサイクルおよび蒸留を含めた、抽出剤を精製するためのプロセススキームの概略図である。
発明の詳細な説明
一連の値が提示される場合、文脈により別段の規定が明確になされない限り、記述された各々の値は、記述された値から最大で10パーセント(すなわち、単位の十分の一)大きい値から、記述された値から少なくとも10パーセント小さい値までの範囲を包含するものと理解される。値の範囲が示される場合、その範囲の上限と下限との間における中間の各値も、文脈により別段の規定が明確になされない限り、下限の単位の十分の一まで具体的に開示されるものと理解される。記載された範囲内のいずれかの記載された値または中間の値と、その記載された範囲内の他のいずれかの記載された値または中間の値との間の、より小さい範囲の各々が本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立にその範囲中に含まれていても除外されていてもよく、そして、記載された範囲における任意の具体的に除外された限界を条件として、より小さい範囲内に上限下限のいずれかが含まれるか、いずれも含まれないか、またはいずれもが含まれる各々の範囲もまた、本発明に包含される。記載された範囲が上限および下限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる上限および下限のいずれかまたは両方を除外した範囲もまた、本発明に含まれる。
パルプ工場において、トールオイルを除去する、効率的に動作可能な石鹸分離器の下流側の回収プラントから、黒液を除去することができる。トールオイルは、価値の高い化学物質を含み、好適なプロセスによって回収されてもよい。本発明の一態様は、残留黒液からリグニンおよび塩を分離し、このストリームから得られるエネルギー収率を最適化するものである。「黒液」という用語は、紙パルプの製造中のクラフトプロセスの液体副生成物を指す。黒液は、リグニン残渣、ヘミセルロース、および無機残渣の水溶液を含む。鹸化されたトールオイルを未精製黒液の表面からすくい取ってもよく、後には約10%から約30%の溶存固体を含む「弱黒液」が残され、ここで、固体のうちの約25%から約45%をリグニンが構成している。黒液を濃縮して、固体を30%wt/wt超、40%wt/wt超、50%wt/wt超、60%wt/wt超、70%wt/wt超に、または80%wt/wt超にまで増加させてもよい。リグニン、炭水化物、無機溶質、および特定の組成物の相対量は、バイオマス供給原料および粉砕プロセスに応じて著しく変動してもよい。
黒液からリグニンを分離および精製し、無機塩を分離し、水性ストリーム中に残留する有機物を利用してメタンを生成するプロセスを、図1A、1B、および2に概略的に示す。一部の実施形態では、本プロセスは、(i)塩および炭水化物からのリグニンの分離、ならびに(ii)リグニンの精製の2つの部分を含む。本プロセスのこれら2つの部分を以下でさらに詳細に説明する。精製されたリグニンは、周知のフラッシュ蒸発法によって有限溶解性溶媒から分離することができる。
ここで開示する方法により、酸性化によって黒液を中和する場合に典型的に得られる高塩負荷の除去と、好ましくは製紙工場で再使用するために気体を捕捉しながら、中和する際に放出される硫化水素ガスの毒性排出物を取扱うことを可能にする。酸性化の際に形成された高塩を効果的に除去することにより、ヘミセルロースのポリマー、オリゴマー、およびモノマー、ならびに水和した糖種(例えば、フルフラールおよびその誘導体)、抽出物、および有機酸をなお含有する、塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリームから、エネルギーをさらに取り出すことが可能となる。一度塩およびリグニンを除去すると、このストリームは、嫌気的に消化されてメタンを生成し、これにより、この製紙工場の廃液ストリームの使用を最大化することができる。
リグニンの分離
図1Aは、本明細書において記載するリグニンおよび塩の分離の、ある特定の実施形態を示したものである。一部の実施形態では、最初に、有機相が有限溶解性溶媒S1を含む二相水性/有機溶液中で、溶液をCOでスパージすることにより、強塩基性の黒液を中和する(100)。任意選択で、気体を排気し(105)、製紙工場で使用する目的などで硫黄揮発性物質をリサイクルするために、気体を収集することができる。リサイクルは、本発明の精製プロセスで使用するために、硫黄揮発性物質をHSに還元するか、または硫黄揮発性物質を硫酸に酸化することによって実現することができる。一部の態様では、リグニンを有機相中に抽出することができ、このとき、結果として生じる水相は、塩溶解度が低下し、ヘミセルロースオリゴマー溶解度が低下した、有限溶解性溶媒を含む。一部の実施形態では、水相中への塩溶解度の低下によって、無機溶質の部分を沈殿させることができる。一部の実施形態では、有限溶解性溶媒(すなわち、S1溶媒)を含む水相中への塩溶解度の低下によって、無機溶質の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、または少なくとも70%を沈殿させる。一部の実施形態では、有限溶解性溶媒(すなわち、S1溶媒)を含む水相中への塩溶解度の低下によって、無機溶質の最大で30、35、40、45、50、55、60、65、または最大で70%を沈殿させる。一部の実施形態では、中和された溶媒が飽和している水相中への溶解度の低下によって、ヘミセルロースオリゴマーの部分を沈殿させる。このようなオリゴマーは、オリゴキシラン、オリゴマンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、オリゴマーとして存在する他のいずれかの炭水化物種、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。一部の実施形態では、炭水化物オリゴマーの少なくとも50、55、60、65、70、75、80、または少なくとも85%を、中和された溶媒が飽和している水相中で沈殿させる。他の実施形態では、最大で50、55、60、65、70、75、80、または最大で85%の炭水化物オリゴマーを、中和された溶媒が飽和している水相中で沈殿させる。
塩および炭水化物を含む、得られた沈殿物を、当技術分野で公知の少なくとも1つの方法によって、懸濁物から除去することができる。例えば、一部の実施形態では、塩を濾過110によって除去する。一部の実施形態では、塩を簡易濾過によって濾過する(110)。回収した塩を、再スラリー化タンク130に移すことができる(112)。一部の実施形態では、濾液111を酸性化させる。例えば、濾液は、そのpHを最大で8、7、6、5、4、3、または最大で2に調整することができる。例えば、濾液は、そのpHを少なくとも7、6、5、4、3、または少なくとも1に調整することができる。一部の場合では、硫酸(HSO)または他の好適な酸を使用してpHを調整する。一部の実施形態では、HSOの添加によって、濾液のpHを少なくとも2.3でありかつ3.0以下のpHに調整する。一部の場合では、HSOの添加によって、濾液のpHを少なくとも2.5でありかつ3.7以下のpHに調整する。他の実施形態では、HSOの添加によって、濾液のpHを少なくとも2.1でありかつ3.9以下のpHに調整する。他の一部の実施形態では、鉱酸で濾液を少なくとも0.5のpHから最大で3.0のpHに酸性化させる。得られた有機相と水相を、遠心分離機、または当技術分野で公知であろう他のいずれかのデカンテーションもしくは相分離プロセスにより、分離することができる(120)。リグニンと溶媒S1とを含むストリーム121を、任意選択でリグニン精製領域へ移すことができ、その一方で、水、塩、有機酸、糖、および脱水された糖を含むストリーム122を、再スラリー化タンク130に向かわせることができる。一部の態様では、塩を、少なくとも50℃でありかつ最高で65℃の温度で再スラリー化させ(130)、HSOで少なくとも2.5でありかつ最大で3.0のpHに調整する。一部の実施形態では、HSOでpHを2.5未満に調整する。一部の実施形態では、スラリーを少なくとも0.5から最大で3.0のpHに酸性化させる。一部の実施形態では、溶液を、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または少なくとも60分間撹拌する。他の実施形態では、溶液を、最大で20、25、30、35、40、45、50、55、または最大で60分間撹拌する。一部の実施形態では、同じ容器中または異なる容器中のいずれかで、酸性化させた溶液をさらに加熱して、オリゴマー炭水化物の加水分解(135)に影響を与える。一部の実施形態では、スラリーを少なくとも80℃でありかつ最高で150℃の温度に加熱することによって加水分解135に影響を与え、任意選択で、温度は、30〜300分間、任意選択で45〜120分間、少なくとも90℃でありかつ最高で120℃であり得る。一部の実施形態では、加水分解により、沈殿した炭水化物の少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、または少なくとも90%を水溶性炭水化物に変換する。一部の実施形態では、加水分解により、沈殿した炭水化物の最大で50、55、60、65、70、75、80、85、または最大で90%を水溶性炭水化物に変換する。
一部の実施形態では、得られた塩は、主にNaSOを含む。一部の態様では、得られた塩を濾過する(140)。任意選択で、残留している溶媒を、例えば水蒸気によってストリッピングして(160)、溶媒S1と水との混合物を回収することができる。一部の実施形態では、NaSO塩は、溶媒S1の存在しない(またはほとんど存在しない)水溶液の一成分としてストリッパーから抜け出し、次いでこの塩を副生成物(160P)として収集することができる。濾液ストリーム141を、例えば、好適な遠心分離機または他の相分離装置によってデカンテーション(150)して、本プロセス中での任意選択のさらなる使用のために、溶媒S1を回収することができる(ストリーム152)。次いで、水と、残存量の溶媒S1および塩とを含むストリーム151を、溶媒回収260に送ることができる。
リグニンの精製
図2は、本発明のある特定の態様によるリグニンの精製を示したものである。図2に示すように、リグニンと溶媒S1とを含むストリーム121を、脱硫領域200に移すことができる。一部の実施形態では、リグニンと溶媒S1との溶液を、熱制御されたタンク(200)中で撹拌し、任意選択で、好適な塩基、例えばNaOHを添加することにより、pHを弱塩基性、例えば、少なくとも7.5から最大で8.0のpHに調整する。一部の例では、塩基を添加することにより、pHを弱塩基性、すなわち、少なくとも7.2から最大で7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または最大で10.0のpHに調整する。pH調整用塩基は、例えば、NaOH、KOH、LiOH、Mg(OH)、Ca(OH)、またはこれらの組合せなどの任意の好適な塩基であり得る。
塩基の添加の後、脱硫用触媒、例えば、ラネーニッケル、MoS、CoS、またはこれらの組合せなどを添加することができる。さらなる実施形態では、還元試薬(すなわち、水素供与体)として作用する溶媒S2、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、またはこれらの組合せなどのアルコールを添加する。本開示による使用のための脱硫プロセスを、石油化学工業における公知のプロセスから選択することができる。リグニンは高い芳香族性を有するポリマーであるので、石油化学物質、例えば、石油化学物質源のうちの、ベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)、およびフェノール類に富む石油化学物質画分から硫黄官能基を除去するのと同様に、任意選択で触媒化学反応を採用して、リグニンポリマーから硫黄を除去することができる。硫黄化合物を含む排気された気体を、任意選択で、リサイクルのために収集することができる。硫黄化合物を、例えば、送り返して製紙工場で使用するために、HS(205)に還元することができるか、あるいは、例えば、本開示のプロセスで使用するために、硫酸に酸化することができる。
脱硫の後、触媒を濾過(210)して、さらなる使用のためにリサイクル(212)することができる。リグニンと溶媒S1とを含む濾液ストリーム211を、PCT/US2013/039585およびPCT/US2013/068824に開示されているように処理することができる。このような場合、最初に、濾液ストリームをH形態の強酸性カチオン交換(SAC)樹脂と接触させて、残留している金属カチオンを捕捉することにより、濾液ストリームを精製(220)してもよい。本開示の一部の態様によれば、フラッシュ蒸発230によって、精製されたストリーム221から純粋なリグニンを分離することができる。一部の実施形態では、精製されたストリームからのリグニンの分離は、S1溶液を、水が添加される溶媒を蒸発させる程十分に高い温度の水と接触させることによって達成されてもよい。S1溶媒は、添加された水の沸点より低い沸点を有するときに蒸発する。例えば、本開示の様々な態様では、溶媒S1は、周囲圧力において、最高で99、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50℃、またはそれ未満の温度で沸騰する沸点または水との共沸混合物を有する。溶媒S1のほとんどまたは実質的にすべてを除去(232)した後、任意の好適な手段によって、リグニンを水中の粒子として収集することができる。一部の実施形態では、固体リグニンを濾過(240)し、乾燥(250)して、高純度の固体リグニンを得る。溶媒S1と溶媒S2とを含む蒸気ストリーム251を、溶媒回収プロセス260に向かわせて、任意選択で、これらの潜在的に価値のある溶媒を再使用することができる。
図3は、本開示のある特定の態様による回収プロセス260を示したものである。主に水、ならびに非リグニン溶存有機物、残存する塩、および溶媒S1を含むストリーム151を、蒸留塔1に供給することができる。一部の実施形態では、溶媒S1またはその水性共沸混合物を留去(261)し、これにより底部に水相(263)が残される。この相は、嫌気性消化270用の供給材料として好適であり得る。好適な嫌気性供給原料は、低レベルの硫酸塩およびカルシウム塩(毒性を回避するため)、低濃度のフェノール性リグニン、ならびに、炭水化物と有機塩とに起因し得る、高い化学的酸素要求量(COD)によって一般に特徴付けられる。リグニンの濾過に由来するストリーム232とリグニンの乾燥に由来するストリーム251とを蒸留塔2に供給してもよく、ここで溶媒S1を留去(261)することができ、溶媒S2(264)を任意選択で塔の底部から収集することができる。両溶媒を、任意選択で、さらなる使用のために収集してリサイクルしてもよい。一部の実施形態では、嫌気性消化270は微生物を含み得る。一部の例では、微生物は、天然(野生型)または遺伝的に改変された嫌気性細菌を含み得る。
試薬の回収:各反応タンクは、硫黄化合物またはCOを含む気体を任意選択で収集できるように、排気口を備えていてもよい。一部の実施形態では、COを、次のバッチを酸性化するためのプロセス(例えば、図1a、100で示される)においてさらに使用するために、リサイクルする。さらに、気体硫黄化合物を収集(例えば、図1a、105で示される)してもよい。収集した気体硫黄化合物を、例えば、製紙工場で使用するためにHSに還元し、かつ/または酸化して本プロセスで必要な硫酸を生成することができる。
本明細書において記載される方法またはプロセスの一部の実施形態では、この方法またはプロセスは、黒液を濃縮する必要性を排除し、したがって、必要とされるエネルギー入力量を低減し、黒液を回収炉に供給する前に弱黒液を濃黒液に濃縮しなければならないことに伴う高いコストを低減する。
一部の実施形態では、塩およびリグニンが枯渇した水性ストリーム(例えば、図2、263で示される)は嫌気性消化槽(270)中でメタンに消化され、したがって、回収炉の必要性を部分的または完全に排除する。一部の例では、メタンをエネルギー源として使用する。一部の実施形態では、この排除により現行の製紙工場のボトルネックが軽減され、既存の工場の能力を増強することができる。
一部の実施形態では、本開示のプロセスの結果として、高純度のリグニンが生成される。一部の実施形態では、溶媒S1のフラッシュ蒸発230およびその後の簡易濾過240によって高純度の固体リグニン(250P)の収集を行う。さらなる実施形態では、固体リグニンを水相から濾取する。ある特定の態様では、本プロセスによって生成されたリグニンは、低い灰分含有量、低い揮発性物質含有量、またはこれらの組合せを有する。さらなる態様では、生成されたリグニンは、低い臭気を有する。一部の実施形態では、生成されたリグニンは、極めて少ない灰分および揮発性物質が要求される用途、ならびに低い臭気を必要とする用途に適用するのに十分な程に純粋である。一部の実施形態では、生成されたリグニンは、最大で3.5%、3.0%、2.0%、1.0%、0.5%、もしくは0.25%wt/wtの硫黄、最大で1%、0.5%、もしくは最大で0.025%の灰分、またはこれらの特定された硫黄レベルおよび灰分レベルの任意の組合せを含む。
一部の実施形態では、本開示のプロセスで使用された試薬を、部分的または完全にリサイクルする。一部の実施形態では、リサイクルした試薬は、CO、HSO、溶媒S1、溶媒S2、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、過剰な溶媒S1がS2の反応において生成し、これにより、収集されるS1の量が増加する。
リグニンおよび塩の分離の詳細な実施形態
一部の実施形態では、少なくとも5%から最大で70%wt/wtの溶存固体、少なくとも15%から最大で50%wt/wtの溶存固体、または少なくとも20%から最大で25%wt/wtの溶存固体を含む黒液を、有限溶解性溶媒S1および水と混合して、約30部:70部から約70部:30部のS1:水、約40部:60部から約60部:40部のS1:水、約55部:45部から約45部:55部のS1:水、または55部:45部のS1:水を含む混合物を得る。いずれかの好適な有限溶解性溶媒を、本開示に従って使用することができる。本発明と共に使用するのに好適な有限溶解性溶媒の非限定的な例には、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メシチルオキシド、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2−エチルフラン、1−クロロ−2−ブタノン、メチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アニソール、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、2−フェニルエタノール、トルエン、1−フェニルエタノール、フェノール、m−クレゾール、2−フェニルエチルクロリド、2−メチル−2H−フラン−3−オン、γ−ブチロラクトン、アセタール、メチルエチルアセタール、ジメチルアセタール、モルホリン、ピロール、2−ピコリン、2,5−ジメチルピリジン、メチルテトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、イソプロピルエチルケトン、およびジイソプロピルケトンなど、またはこれらの任意の組合せが含まれる。任意選択で、有限溶解性溶媒は、4〜8個の炭素原子を有する、エステル、エーテル、およびケトンのうちの1種または複数種を含む。例えば、有限溶解性溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸アルキル、および酢酸アリールなど、またはこれらの任意の組合せを含み得、ここで、上記アルキルは直鎖であっても分枝鎖であってもよい。一部の実施形態では、S1溶媒は、水に最大で80、70、60、50、40、30、20、または最大で15%可溶な有機溶媒である。他の実施形態では、S1溶媒は、水に少なくとも80、70、60、50、40、30、20、または少なくとも15%可溶な有機溶媒である。
リグニンの抽出を実施するのに好適な、有限溶解性溶媒の水に対する比は、バイオマス材料と使用する特定の有限溶解性溶媒に応じて変わり得る。一部の実施形態では、溶媒の水に対する比は、100:1から1:100、例えば、90:1から1:90、80:1から1:80、70:1から1:70、60:1から1:60、50:1から1:50、40:1から1:40、30:1から1:30、20:1から1:20、または1:1の範囲内であり得る。一部の実施形態では、溶媒の水に対する比は、1:1である。
一部の実施形態では、有限溶解性溶媒S1は、メチルエチルケトン(MEK)である。室温におけるMEKの水への溶解度は約28g/100mlであり、約80:20の水との共沸混合物組成物である。PCT/US2013/039585およびPCT/US2013/068824に開示されているように、MEKをS1溶媒として選択することができ、そしてMEKは、リグニンを抽出するのに効率的な溶媒であり得る。一部の実施形態では、S1溶媒は、MEKを含み得る。一部の実施形態では、MEKをS1溶媒として選択する。本開示の一部の実施形態では、S1溶媒は、中和された黒液中に存在する塩の効果的な沈殿を誘起する。例えば、S1溶媒は、液溶液または懸濁物から、NaCO、NaHCO、NaSO、NaHSO、またはこれらの任意の組合せの沈殿を誘起し得る。一部の例では、S1溶媒は、液溶液または懸濁物から、(アルカリ)CO、(アルカリ)HCO、(アルカリ)SO、および(アルカリ)HSOの沈殿を誘起し得、ここで、「アルカリ」は、任意のアルカリイオン、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、またはこれらの任意の組合せであり得る。一部の例では、黒液を有限溶解性溶媒と接触させることが、塩、例えば、炭酸イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、または重硫酸イオンを含む塩の沈殿を誘起する。一部の実施形態では、2つの濾過ステップ110および140で収集された塩は、NaCO、NaHCO、NaSO、NaHSO、またはこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、S1溶媒は、中和された黒液中に所定の濃度で存在する、実質的にすべての塩の沈殿を誘起する際にも効果的である。このような塩は、本明細書において記載された塩であってもよく、形成される任意の他の塩であってもよい。
一部の実施形態では、二相液体は、CO気流と接触することによって中和(100)される。一部の実施形態では、溶液(100)を、少なくとも50℃から最高で65℃の温度に温度制御された反応器中で撹拌しながら、COガスでバブリングする。一部の態様では、温度は、少なくとも30℃、40℃、50℃、もしくは少なくとも60℃、またはそれを超える温度である。他の態様では、温度は、最高で40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、もしくは最高で90℃、またはそれより低い温度である。一部の例では、COの添加の間、混合物を少なくとも30℃から最高で90℃の温度に維持する。気泡は、大きくても、中程度であっても、微細であっても、これらの組合せであってもよい。一部の実施形態では、水相のpHが少なくとも7.5のpHから最大で7.7のpHに低下するまで、COを添加する。一部の実施形態では、水相のpHが少なくとも7.1のpHから最大で9.5のpHに低下するまで、COを添加する。一部の実施形態では、溶液を、さらに少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、もしくは少なくとも180分間、またはそれより長い時間にわたって撹拌して、濾過可能な塩の形成を可能にする。一部の実施形態では、溶液を、さらに最大で20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、もしくは最大で180分間、またはそれより短い時間にわたって撹拌して、濾過可能な塩の形成を可能にする。一部の実施形態では、塩を、任意の工業的に一般的な濾過装置または濾過プロセスによって濾過(110)する。一部の実施形態では、濾過ケーキ(112)を収集し、この濾過ケーキは、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、または少なくとも55%(wt/wt)の乾燥時損失によって特徴付けられ、このとき、乾燥物質は、NaHCO、NaCO、またはNaHCOとNaCOとの組合せの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%を含んでいてもよい。所与の試料についての乾燥時損失値は、試料を乾燥させたときに失われる質量に相当する。固体112はまた、黒液の元の組成に応じて、相対的に少量の他の金属の重炭酸塩および/または炭酸塩を含んでいてもよい。一部の実施形態では、濾過ケーキは、酸性化前の黒液中に存在する塩の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、または少なくとも40%を含む。一部の実施形態では、濾過ケーキ中の乾燥物質は、オリゴマーとして存在する炭水化物の少なくとも20%、30%、40%、50%、または少なくとも60%wt/wtを含む。
濾液(111)を温度制御された反応器に移すことができ、pHを、好適な酸の添加により、少なくとも0.5から最大で3.0のpHに調整してもよい。酸は、鉱酸、例えば、硫酸であり得る。一部の実施形態では、酸は、本明細書において記載されるプロセスの反応器の排気口から収集された気体硫黄化合物を酸化することによって生成された硫酸である。このpH範囲(すなわち、少なくとも0.5から最大で3.0のpH)で、リグニンを有機相中に抽出することができる。任意選択で、酸性化させた溶液を、所望のpHに達した後、少なくとも1、2、3、4、または少なくとも5分間撹拌してもよい。次いで、水相と有機相を分離(120)する。一部の実施形態では、分離を、デカンテーション、または遠心分離機、ハイドロサイクロン、もしくは別の好適な分離装置の使用によって達成する。一部の実施形態では、抽出されたリグニンと溶媒S1とを含む軽質相ストリーム121を、リグニン精製プロセスに移す。
一部の実施形態では、濾過ケーキを、デカンテーション120における下相(すなわち、ストリーム122)を含む水溶液中に再スラリー化(130)させる。任意選択で、pHを調整して、少なくとも0.5から最大で3.0、少なくとも1.5から最大で3.0、または少なくとも2.5から最大で3.0の安定なpHに達するようにしてもよい。一部の実施形態では、酸性化により、炭酸イオンがCOとして放出され、これを本プロセスでさらに使用するために収集しリサイクルしてもよい。一部の実施形態では、溶液中に有限溶解性溶媒S1が存在することによって、NaSO、NaHSO、またはNaSOとNaHSOとの組合せが沈殿し、この溶液は、沈殿を生じさせるために、必要に応じて調整されてもよい。任意選択で、スラリーを、少なくとも80℃でありかつ最高で150℃の温度(例えば、少なくとも90℃でありかつ最高で120℃)に30〜300分間(例えば、45〜120分間)加熱して、沈殿した炭水化物オリゴマーの水溶性炭水化物への加水分解(135)を引き起こす。一部の実施形態では、加水分解により、沈殿した炭水化物の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または少なくとも90%が水溶性炭水化物に変換される。一部の実施形態では、加水分解により、沈殿した炭水化物の最大で50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または最大で90%が水溶性炭水化物に変換される。
得られた塩沈殿物を、任意の工業的に一般的な濾過装置または濾過プロセスによって濾過(140)することができる。一部の実施形態では、濾過ケーキ142を収集し、この濾過ケーキは、少なくとも35%、40%、45%、または少なくとも50%の乾燥時損失によって特徴付けられ、このとき、乾燥物質は、少なくとも50%、60%、70%、または少なくとも80%のNaHSO、NaSO、またはNaHSOとNaSOとの組合せを含む。一部の例では、収集された濾過ケーキは、最大で35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または最大で70%の乾燥時損失によって特徴付けられ、このとき、乾燥物質は、NaHSO、NaSO、またはNaHSOとNaSOとの組合せの最大で50%、60%、70%、または最大で80%を含む。任意選択で、固体は、黒液の元の組成に応じて、少量の他の金属の重炭酸塩および/または炭酸塩を含んでいてもよい。濾液(141)をデカンテーション(150)して、水相から溶媒S1を含む軽質相を分離(151)することができる。任意選択で、溶媒S1を再スラリー化タンクへとリサイクル(152)してもよい。一部の実施形態では、図1でストリーム151と表記されている水相は、約2、3、4、5、6、7、8%wt/wtの炭水化物と、最大で38%wt/wtの溶媒S1とを含む。一部の実施形態では、水相151は、約2、3、4、5、6、7、8%wt/wtの炭水化物と、少なくとも5%から最大で50%、少なくとも15%から最大で40%、少なくとも25%から最大で40%、または少なくとも30%から最大で40%wt/wtの溶媒S1とを含む。
一部の態様では、ストリーム151を溶媒回収260に向かわせることができ、ここで、任意選択で溶媒S1を留去し、本プロセスでさらに使用するためにリサイクル(261)することができる。一部の実施形態では、底部の水溶液(263)は、必要とされる態様の中でもとりわけ、好適に低い毒性および好適に高いCOD値を含めて、嫌気性消化270に好適である。一部の実施形態では、水溶液は400ppmまたはそれ未満のカルシウムと、2,000ppmまたはそれ未満の硫黄とを含み、少なくとも35,000、40,000、45,000、または少なくとも50,000という高いCOD値を有する。嫌気性消化の硫黄に対する許容性は、CODと直線的な関係であってもよい。例えば、一部の場合では、30,000のCODにおいて、最大で3,000ppmの硫黄濃度が許容可能であり、これは微生物系の安定性に影響を与えない。しかし、一部の場合では、50,000のCODにおいて、許容可能な硫黄濃度は4,500ppmである。
リグニンの精製の詳細な実施形態
以上で説明した通り、溶媒S1と抽出されたリグニンとを含むストリーム121を、脱硫反応器(200)に供給してもよい。塩基、例えば、NaOH、LiOH、またはKOHを添加することにより、溶液のpHを少なくともpH7.5から最大でpH8.0に調整してもよい。一部の実施形態では、塩基、例えば、NaOH、LiOH、またはKOHを添加することにより、溶液のpHを少なくともpH7.1から最大でpH9.0に調整してもよい。任意選択で、少なくとも1種の脱硫触媒を添加してもよい。一部の実施形態では、触媒は、ラネーニッケル、MoS、CoS、またはこれらの組合せを含む群から選択される。触媒は、石油製品の脱硫を触媒することが公知である任意の他の触媒であってもよい。溶媒S2を水素供与体または還元剤として添加してもよい。溶媒S2は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、またはこれらの混合物を含めたアルコールであってもよい。一部の実施形態では、水素供与体は2−ブタノールであり、これは、本プロセスにおいて溶媒S1として使用される2−ブタノン、すなわち、MEKをもたらす。本プロセスにおいて生成された過剰なMEKをパージして、製品として販売してもよい。一部の実施形態では、反応において揮発性硫黄化合物が放出される(205)。揮発性硫黄化合物は、出されても、硫黄のリサイクルのために収集されても、出されかつリサイクルのために収集されてもよい。
一部の態様では、リグニン脱硫反応200の効率を、高温、高圧、またはこれらの組合せの使用によって改善する。例えば、リグニン脱硫の温度は、少なくとも50℃から最高で200℃、少なくとも100℃から最高で195℃、または少なくとも140℃から最高で190℃の範囲内であってもよい。圧力は、1mPaから最高で30mPa、例えば、12mPaから最高で26mPaの範囲内であってもよい。さらに、溶液を0.5時間から24時間加熱してもよい。
一部の実施形態では、リグニンから触媒を除去し、さらなる使用のためにリサイクルする(212)。触媒は化学的に除去しても物理的に除去してもよく、例えば、触媒は濾過210によって、または任意の他の好適な装置もしくはプロセスを使用して除去してもよい。一部の実施形態では、反応させた溶液を濾過して触媒を除去し、触媒をさらなる使用のためにリサイクルする(212)。脱硫されたリグニンを含むS1の溶液211を、PCT/US2013/039585およびPCT/US2013/068824においてこれまでに開示されたように精製してもよい。溶媒とリグニンとを含む有機相を強酸性カチオン交換体220と接触させて、残存する金属カチオンを除去してもよい。さらなる態様では、強酸性カチオン交換体を、任意の好適な手段によって再生することができる。高純度の固体リグニンを得るために、有限溶解性溶媒を、例えば、有限溶解性溶媒の蒸発(230)によって、リグニンから分離してもよい。一部の実施形態では、酸性リグニンを含有する溶媒溶液を高温(例えば、少なくとも50℃から最高で80℃)の水と混合することにより、有限溶解性溶媒をリグニンから分離する。一部の態様では、真空下で水を有限溶解性溶媒と合わせる。沈殿したリグニン231を、例えば、濾過または遠心分離によって回収(240)してもよい。固体リグニンに真空を適用することによって、固体リグニンを乾燥させてもよい。リグニン溶液を作製するために、固体リグニンを、任意の好適な溶媒(例えば、フェニルエチルアルコール)中に溶解させてもよい。一部の例では、好適な溶媒は、有機溶媒である。一部の実施形態では、本プロセスにより、溶媒と溶存リグニンとを含むストリーム241(あるいは、221)であって、残存灰分が、1000ppmまたはそれ未満、好ましくは500ppmまたはそれ未満であり、多価カチオンが、リグニン(乾燥基準)に対して500ppmまたはそれ未満、好ましくは200ppmまたはそれ未満であり、残存炭水化物が、リグニン(乾燥基準)に対して500ppmまたはそれ未満である、ストリーム241(あるいは、221)が生じる。一部の実施形態では、溶液は、粒子状物質を含まない。
任意選択で、脱硫ステップ(200)を省略してもよく、この結果、リグニン上に共有結合した硫黄が残される一方で、他の灰分元素が除去される。脱硫ステップの省略により、典型的には約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、または3.5%wt/wtの硫黄がリグニンに共有結合しているので、より低純度のリグニンが生じ得、このリグニンはある特定の用途に好適であり得る。例えば、少なくとも1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.2、3.5%wt/wtまたはそれ超の硫黄を含む乾燥リグニンを燃料として使用して、製紙工場のエネルギーを生産してもよく、この場合、石灰窯の気体を処理して硫黄を回収する。一部の実施形態では、生成されたリグニンは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%のリグニン(wt/wt)と、最大で3.5%、3.0%、2.0%、1.0%、0.5%、もしくは0.25%wt/wtの硫黄と、最大で1%、0.5%、もしくは最大で0.025%の灰分と、リグニンに対して最大で500ppmもしくはそれ未満、好ましくは200ppmもしくはそれ未満の量の多価カチオンと、リグニンに対して最大で500ppmもしくはそれ未満の量の残存炭水化物とを含むか、またはこれらの特定されたリグニンレベル、硫黄レベル、灰分レベル、多価カチオンレベル、および炭水化物レベルの任意の組合せを含む。一部の例では、生成されたリグニンは、1.6%未満の硫黄(wt/wt)を含む。
一部の例では、生成されたリグニンは、3.5%、3.2%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.0%、0.5%、もしくは0.25%未満の硫黄(wt/wt)と、10000ppm未満、9000ppm未満、8000ppm未満、7000ppm未満、6000ppm未満、5000ppm未満、4000ppm未満、3000ppm未満、2000ppm未満、1000ppm未満、500ppm未満、100ppm未満、50ppm未満、10ppm未満、もしくは最大で10ppm(wt/wt)のS1溶媒が含まれるがこれらに限定されない、微量のS1溶媒と、最大で10000ppm、最大で9000ppm、最大で8000ppm、最大で7000ppm、最大で6000ppm、最大で5000ppm、最大で4000ppm、最大で3000ppm、最大で2000ppm、最大で1000ppm、最大で500ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で10ppm、もしくは10ppm(wt/wt)未満の量の黒液残渣とを含むか、またはこれらの特定された硫黄レベル、S1溶媒レベル、および黒液残渣レベルの任意の組合せを含む。
本明細書において記載される実施例および実施形態は単に例示を目的としたものであり、本願発明の範囲の限定を意図したものではないことが理解される。また、本明細書に記載される実施例および実施形態を踏まえた様々な変形または変更が当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の中に含まれることも理解される。本明細書において引用するすべての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的で、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(実施例1)
黒液からの塩およびリグニンの分離
20〜25%の溶存固体を有する弱黒液1部を、85:15のMEK:水の溶液1.5部と混合して、MEK:水の比を55:45とした。この溶液を50〜65℃の温度で撹拌し、COでゆっくりとスパージした。45〜60分後、pHは、7.5〜7.7の範囲内で測定された。溶液を少なくともさらに1時間撹拌して沈殿物を形成させ、次いで、これをWhatman54濾紙を通して吸引濾過した。濾液をさらにHSOでpH2.5〜3.0に酸性化させ、pHが安定化するまで、溶液を50〜65℃でさらに数分間撹拌した。溶液を遠心分離し、抽出されたリグニンを含む有機相をリグニンの精製のために収集した。沈殿した固体をフィルターから収集し、水相中で撹拌することにより再スラリー化した。pHを2.5〜3.0に調整した。第2の塩が沈殿し、これを濾過によって収集した。得られた水溶液は、6,700mg/Lの硫黄と15,200mg/LのNaとを含んでいた。このことは、最初の黒液と比較して、水相の硫黄含有量が50%超低下し、ナトリウム含有量が70%超低下したことを表している。有機相を、H形態の強酸性カチオン(SAC)樹脂と接触させた。MEK溶液を80℃の水浴中に滴下添加し、溶媒のフラッシュ蒸発、および水相中でリグニン粒子の沈殿を生じさせた。固体を濾過によって収集し、乾燥させた。このリグニン生成物は、2.5%の硫黄と60mg/kgのCaとを含み、Fe、K、Mg、およびNaは検出されなかった。本プロセスで収集された試料のICP結果を、表1にまとめる。
Figure 2017523961
(実施例2)
黒液からのリグニンの精製
実施例1に従って精製した、2.7%の残存硫黄を有するリグニン(収量約2グラム)を水中(約20ml)でスラリー化した。NaOH(5%)の水溶液をこの混合物に添加してpH12.5〜13.0に達するようにし、沈殿したリグニンを可溶化した。次いで、60mlの80:20のMEK:水(vol/vol)混合物を添加した。HSOの添加により、混合物のpHを2.0〜2.5に調整した。有機相をデカンテーションによって分離した。約6%のリグニンを含むMEK溶液(20ml)を、触媒としての硫化モリブデン(約1g)および水素供与体としてのメタノール(10ml)の添加により脱硫した。混合物を、窒素圧下(225〜325psiの反応圧力)、175℃で2時間さらに撹拌した。各反応により、約30mlの粗製反応混合物が得られた。反応物を合わせて、メタノールを留去した。溶液をSACと接触させ、フラッシュ気化によってリグニンを収集し、乾燥させた。
(実施例3)
精製されたリグニンの特徴付け
実施例1および2に従って、黒液からリグニンを分離した。リグニンを含む有機相を、H形態のSAC樹脂と接触させた。溶媒のフラッシュ蒸発により固体リグニンを得、得られた固体リグニンを濾過し、乾燥させた。
元素分析:黒液から得られた、精製したリグニン試料を、C、H、N、O、およびSについて元素分析により分析した。特徴付けの結果を表2にまとめ(「精製した黒液」と標識された列)、Virdia CASE(商標)法によって調製したリグニンおよびクラフト軟材(SW)リグニンについての文献値と比較した。
Figure 2017523961
13C NMR:リグニンを、固体13C NMRによって特徴付けした。結果を表3にまとめる。
Figure 2017523961

Claims (54)

  1. 黒液を、
    (i)揮発性硫黄化合物を含む、気体ストリーム、
    (ii)リグニンを有限溶解性溶媒S1中へ抽出することによって生成される、リグニン含有ストリーム、
    (iii)固体のナトリウム塩および硫酸塩を含む、塩ストリーム、ならびに
    (iv)炭化水素を含む、塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリーム
    から選択される少なくとも2つ、3つ、または4つのストリームに分離する、プロセス。
  2. 黒液からリグニンを精製するプロセスであって、前記プロセスは、
    (i)黒液を有限溶解性溶媒S1と接触させ、これにより溶液を形成するステップと、
    (ii)前記溶液をCOの添加によって中和するステップと、
    (iii)前記溶液から、沈殿した塩を分離するステップと、
    (iv)鉱酸により、前記溶液を少なくとも0.5から最大で3.0のpHへさらに酸性化させるステップと、
    (v)前記溶液を溶媒S1相と水相とに分離するステップと、
    (vi)強酸性カチオン交換樹脂と接触させることによって、前記溶媒S1相から灰分を除去するステップと
    を含み、これらにより、前記溶媒S1相中のリグニンの精製された溶液を得る、プロセス。
  3. (i)前記溶媒S1相を蒸留またはフラッシュ蒸発させ、これにより前記有限溶解性溶媒S1の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ、
    (ii)前記固体リグニンを加熱して、前記固体リグニンから微量の有限溶解性溶媒S1または水を除去するステップ、
    (iii)前記固体リグニンに真空を適用して、前記固体リグニンから微量の有限溶解性溶媒S1または水を除去するステップ、
    (iv)前記固体リグニンを有機溶媒中に溶解させて、結果として懸濁物を形成させるステップ、および
    (v)前記懸濁物から前記不溶性残留物を分離するステップ
    から選択される1つ、2つ、3つ、または4つのさらなるステップをさらに含む、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記黒液が、クラフトパルプ化プロセスの生成物である、請求項1または2に記載のプロセス。
  5. 溶媒S1中の前記リグニンを触媒および水素供与体の存在下で還元剤と反応させることによって、前記リグニンを脱硫させる、請求項2または3に記載のプロセス。
  6. 前記水素供与体が2−ブタノールであり、2−ブタノンが前記脱硫の副生成物として生成される、請求項2または3に記載のプロセス。
  7. 請求項1に記載の塩が枯渇しリグニンが枯渇した水性ストリームの嫌気性消化により、メタンを生成するプロセス。
  8. (i)3.2%未満の硫黄(wt/wt)と、
    (ii)微量のS1溶媒と、
    (iii)黒液残渣と
    を含むリグニン組成物であって、前記黒液残渣が、最大で10000ppm、最大で9000ppm、最大で8000ppm、最大で7000ppm、最大で6000ppm、最大で5000ppm、最大で4000ppm、最大で3000ppm、最大で2000ppm、最大で1000ppm、最大で500ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で10ppm、または10ppm(wt/wt)未満の量で存在する、リグニン組成物。
  9. 黒液を含む工業規模の化学プラントであって、前記プラントが、有限溶解性S1溶媒による抽出によって前記黒液からリグニンを分離するように構成されており、前記化学プラントが、回収ボイラーを備えていない、化学プラント。
  10. 請求項9に記載の化学プラントであって、前記プラントが、リグノセルロース材料、紙、ボール紙、精製リグニン、またはこれらの組合せを生産するように構成されている、化学プラント。
  11. 請求項9または10に記載の化学プラントであって、前記プラントが黒液をリサイクルするように構成されており、リグニンは前記黒液から分離され、前記黒液は濃縮されない、化学プラント。
  12. 黒液からリグニンを分離するプロセスであって、前記プロセスが、
    (i)前記黒液を有限溶解性溶媒と接触させ、これにより混合物を形成するステップと、
    (ii)前記混合物をCOの添加によって中和するステップと、
    (iii)前記混合物を濾過し、これにより濾液および濾過ケーキを生成するステップと、
    (iv)前記濾液を酸性化させるステップと、
    (v)前記濾液を有機相と水相とに分離するステップと、
    (vi)前記有機相から金属カチオンを除去するステップと、
    (vii)前記有機相からリグニンを回収するステップと
    を含む、プロセス。
  13. 前記有限溶解性溶媒が、4炭素〜8炭素ケトンを含む、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記有限溶解性溶媒が、メチルエチルケトンである、請求項12または13に記載のプロセス。
  15. 前記黒液を前記有限溶解性溶媒と接触させる前記ステップが、塩の沈殿を誘起する、請求項12から14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記塩が、炭酸イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、または重硫酸イオンを含む、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記混合物を、前記COの添加中、少なくとも30℃から最高で90℃の温度に維持する、請求項12から16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 前記混合物が少なくとも7.1から最大で9.5のpHを有したらすぐに、前記COの添加を中止する、請求項12から17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記COの添加後、前記混合物を少なくとも20分間撹拌して、塩の形成を可能にする、請求項12から18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記濾液の前記酸性化させるステップを、酸の添加によって実現する、請求項12から19のいずれか一項に記載のプロセス。
  21. 前記酸が鉱酸である、請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記酸が硫酸である、請求項20または21に記載のプロセス。
  23. 前記酸性化させるステップが、塩の沈殿をさらに引き起こす、請求項20から22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記沈殿物を濾過によって除去する、請求項23に記載のプロセス。
  25. 前記有機相からリグニンを回収する前記ステップは前記有機相の蒸発によって行われ、これにより固体リグニンを形成させる、請求項12から24のいずれか一項に記載のプロセス。
  26. 前記有機相からリグニンを回収する前記ステップが、前記有機相を高温の水と接触させ、これによりリグニン沈殿物を形成させることを含む、請求項12から24のいずれか一項に記載のプロセス。
  27. 前記リグニン沈殿物を濾過し、これにより固体リグニンを収集することをさらに含む、請求項26に記載のプロセス。
  28. 前記固体リグニンに真空を適用することによって前記固体リグニンを乾燥させる、請求項25または27に記載のプロセス。
  29. 前記固体リグニンを有機溶媒中に溶解させる、請求項25、27、または28のいずれか一項に記載のプロセス。
  30. 前記有機相が脱硫反応を受ける、請求項12から22のいずれか一項に記載のプロセス。
  31. 有機溶媒中に溶解させた前記固体リグニンが脱硫反応を受ける、請求項29に記載のプロセス。
  32. 前記脱硫反応が脱硫触媒を含む、請求項30または31に記載のプロセス。
  33. 前記脱硫触媒が、ラネーニッケル、MoS、CoS、またはこれらの組合せから選択される、請求項32に記載のプロセス。
  34. 水素供与体の添加をさらに含む、請求項30から33のいずれか一項に記載のプロセス。
  35. 前記水素供与体がアルコールである、請求項34に記載のプロセス。
  36. 前記水素供与体が2−ブタノールである、請求項34または35に記載のプロセス。
  37. 前記脱硫反応を、少なくとも50℃から最高で200℃の温度で行う、請求項30から36のいずれか一項に記載のプロセス。
  38. 前記脱硫反応を、少なくとも1mPaから最高で30mPaの圧力で行う、請求項30から37のいずれか一項に記載のプロセス。
  39. 前記脱硫反応の後に前記有機相を濾過するステップをさらに含む、請求項30〜38のいずれか一項に記載のプロセス。
  40. 中和する前記ステップが、炭水化物の沈殿を誘起する、請求項12から16のいずれか一項に記載のプロセス。
  41. 前記濾過ケーキを、前記酸性化された濾液の前記水相と接触させ、これによりスラリーを形成させる、請求項12から16または40のいずれか一項に記載のプロセス。
  42. 前記スラリーを、少なくとも0.5から最大で3.0のpHへ酸性化させる、請求項41に記載のプロセス。
  43. 前記スラリーを、少なくとも80℃から最高で150℃の温度に加熱する、請求項41または42に記載のプロセス。
  44. 前記スラリー中の沈殿した炭水化物の少なくとも50%を、水溶性炭水化物に変換する、請求項41から43のいずれか一項に記載のプロセス。
  45. 前記スラリーから、嫌気性消化に好適な水溶液を分離する、請求項41から44のいずれか一項に記載のプロセス。
  46. 前記嫌気性消化に好適な水溶液が、400ppm未満のカルシウムを含む、請求項45に記載のプロセス。
  47. 前記嫌気性消化に好適な水溶液が、2,000ppm未満の硫黄を含む、請求項45または46に記載のプロセス。
  48. 前記嫌気性消化に好適な水溶液が、少なくとも35,000の化学的酸素要求量(COD)値を有する、請求項45から47のいずれか一項に記載のプロセス。
  49. 前記嫌気性消化に好適な水溶液が、嫌気性消化を受けてメタンを生成する、請求項45から48のいずれか一項に記載のプロセス。
  50. 前記嫌気性消化を微生物によって達成する、請求項49に記載のプロセス。
  51. 前記メタンをエネルギー源として使用することをさらに含む、請求項49または50に記載のプロセス。
  52. 前記有機相から金属カチオンを除去する前記ステップが、前記有機相を強酸性カチオン交換樹脂と接触させることを含む、請求項12から51のいずれか一項に記載のプロセス。
  53. リグニン組成物であって、前記組成物が、少なくとも80%のリグニン(wt/wt)を含み、
    (i)最大で3.2%(wt/wt)の量の硫黄、
    (ii)最大で1%の灰分(wt/wt)の量の灰分、
    (iii)リグニンに対して、最大で500ppmの量の多価カチオン、および
    (iv)リグニンに対して、最大で500ppmの炭水化物の量の炭水化物
    から選択される1つ、2つ、3つ、または4つのさらなる特性を含む、リグニン組成物。
  54. 1.6%未満の硫黄(wt/wt)を含む、請求項53に記載の組成物。
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