JP2017523160A - 必要に応じた剥離特性を備えた歯科用材料 - Google Patents

必要に応じた剥離特性を備えた歯科用材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2017523160A
JP2017523160A JP2017500997A JP2017500997A JP2017523160A JP 2017523160 A JP2017523160 A JP 2017523160A JP 2017500997 A JP2017500997 A JP 2017500997A JP 2017500997 A JP2017500997 A JP 2017500997A JP 2017523160 A JP2017523160 A JP 2017523160A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
weight
acrylate
dental material
material according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017500997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6715233B2 (ja
Inventor
ノルベルト モスツナー,
ノルベルト モスツナー,
カイ リスト,
カイ リスト,
イーリス ランパルト,
イーリス ランパルト,
ペーター ブルチャー,
ペーター ブルチャー,
クリスティアン ゴルシェ,
クリスティアン ゴルシェ,
ロバート リスカ,
ロバート リスカ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ivoclar Vivadent AG
Original Assignee
Ivoclar Vivadent AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ivoclar Vivadent AG filed Critical Ivoclar Vivadent AG
Publication of JP2017523160A publication Critical patent/JP2017523160A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6715233B2 publication Critical patent/JP6715233B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/60Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
    • A61K6/62Photochemical radical initiators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/30Compositions for temporarily or permanently fixing teeth or palates, e.g. primers for dental adhesives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/70Preparations for dentistry comprising inorganic additives
    • A61K6/71Fillers
    • A61K6/76Fillers comprising silicon-containing compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • A61K6/889Polycarboxylate cements; Glass ionomer cements

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

少なくとも1つの式Iの化合物ならびに少なくとも1つの熱不安定性ラジカル重合性化合物および/または少なくとも1つの感光性ラジカル重合性化合物を含む、ラジカル重合性歯科用材料。この材料は、必要に応じた剥離特性を特徴とする。本発明は、例えば、インレー、アンレー、クラウンまたはブリッジをしっかり留めるための歯科用接着剤またはセメントとして特に好適な、必要に応じた剥離(Debonding−on−Demand)(DoD)特性を備えた熱硬化性および/または光硬化性材料に関する。

Description

本発明は、例えば、インレー、アンレー、クラウンまたはブリッジをしっかり留めるための歯科用接着剤またはセメントとして特に好適な、必要に応じた剥離(Debonding−on−Demand)(DoD)特性を備えた熱硬化性および/または光硬化性材料に関する。
歯科用複合セメントは、重合性有機マトリックスおよび1つまたは1つより多くの充填材を含み、これは通常、重合性接着促進剤で表面改質されている。充填材の種類、モノマーマトリックスおよび用途に応じて、充填レベルは、約20〜80重量%の間で変えることができる。
一般に、重合性有機マトリックスは、モノマー、開始剤成分、安定剤および顔料の混合物を含む。ジメタクリレートの混合物が通常、樹脂として使用される。この例としては、高粘稠ジメタクリレート、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]プロパン(ビス−GMA)および1,6−ビス−[2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニルアミノ]−2,4,4−トリメチルヘキサン(UDMA)または希釈モノマーとして使用されるより低い粘度のジメタクリレート、例えば、ビスメタクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.1]デカン(TCDMA)、デカンジオール−1,10−ジメタクリレート(DMA)およびトリメチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)などである。
架橋性ジメタクリレートをベースとする歯科用複合セメントのラジカル重合では、三次元ポリマーネットワークがいわゆるゲル化点で数秒内に既に形成され、したがって、高い機械的強度が発現し、その結果、このセメントを使用して結合した基材または部品、例えば、セラミッククラウンの歯根への結合などの単純な非破壊的剥離が困難になるか、または不可能となり得る。さらに、三次元ネットワークの早期形成によって、比較的大きな重合収縮応力(PCS)が生ずる。というのも、この重合収縮がもはやモノマーの粘性流により相殺され得ないためである。
再び剥離することが可能な接着剤結合が、種々の技術分野においてますます重要になっている。例としては、自動製造プロセスの枠組み内での成分の脱離、接着結合された一部の成分による複合成分の修繕、または製品寿命の最後にこのような成分を再利用する場合の材料の分離の簡略化がある。接着剤結合の剥離は、例えば、加熱により、接着剤結合層の強度を著しく低下させることによって、必要に応じて達成することができる。
このように、独国特許出願公開第19832629A1号には、接着剤成分が分解するようにエネルギーを導入することによって追加の成分を活性化することができる、ポリウレタン、ポリウレアまたはエポキシ樹脂をベースとする可逆性接着剤結合を形成するための接着剤系が記載される。例えば、熱または放射線エネルギーを導入することによって、ブロック化された前駆物質から、接着性樹脂を分解する有機塩基または有機酸を放出することができる。
国際公開第2010/128042A1号には、通常の接着性マトリクスおよび粒子状膨張材料、例えば、アゾジカルボンアミドなどからなる、航空機または自動車構造用の剥離可能な接着剤結合のための工業用接着剤組成物が記載される。成分は、少なくとも膨張材料の膨張温度に接着剤結合を加熱することにより剥離される。
歯科医療では、接着剤結合の剥離は歯科矯正において特に重要であり、歯科矯正では、歯表面に接着結合させて不正咬合を矯正するためのブラケットを、矯正成功後に、歯のエナメル質を傷つけることなく再度取り外す必要がある。さらに、機械的に取り外すのがかなり困難な場合がある高強度セラミック修復物またはクラウンの修繕または完全交換の場合、容易に軟化もしくは分離させることができるセメント接合剤が好都合である。
歯科矯正用途に関連して、米国特許出願公開第2007/0142498A1号には、熱的に制御可能な添加剤、例えば、熱可塑性ポリマーなどを含む歯科用組成物が記載される。
米国特許出願公開第2007/0142497A1号には、酸に不安定な第三級カーボネート基および例えば、トリアリールスルホニウム塩などの光酸を有するジメタクリレートをベースとする歯科用組成物が開示される。これらの組成物を、可視領域の光を用いて、例えば、ビスアシルホスフィンオキシドIrgacure819などの適切な開始剤で光化学的に硬化させることができ(光結合)、高温でのUV光の照射によって、再軟化させることができる(光熱剥離)。
国際公開第2013/034777A2号および同第2013/034778A2号には、熱不安定性の重合性化合物または感光性の重合性化合物を含む歯科用材料が開示される。この材料は、熱を導入することまたはUVもしくは可視波長領域の光を照射することにより基材から再度剥離させることができる。
独国特許出願公開第19832629A1号明細書 国際公開第2010/128042A1号 米国特許出願公開第2007/0142498A1号明細書 米国特許出願公開第2007/0142497A1号明細書 国際公開第2013/034777A2号 国際公開第2013/034778A2号
本発明の目的は、必要に応じた剥離特性を有し、特に歯構造および/または歯科用セラミックスへの良好な基材接着を示し、減少した重合収縮応力(PCS)および向上した衝撃強度を特徴とし、特に、接着剤または複合セメントとして好適である、重合性歯科用材料を提供することである。
この目的は、本発明に従って、好ましくは、熱不安定性ラジカル重合性化合物および/または感光性ラジカル重合性化合物と組み合わされた、少なくとも1つの式Iの化合物を含む組成物により達成される。
以下の意味が当てはまる:
Aは、H;−CN;CH、C、OH、OCH、O−COCH、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アクリルアミド基などの置換基の1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基;あるいは1,4−フェニレン基、ウレタン基、OまたはSの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アクリルアミド基を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり;
は、H、脂肪族直鎖状または分枝状C〜Cアルキル残基、トリルまたはフェニルであり;
Lは、SR、CO−フェニル、SO、PO(R)、PO(OR)(R)、PO(OR)(OR)またはハロゲンであり、式中、
2〜9は、各場合にて互いに独立して、CH、C、OH、OCH、−O−COCH、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213などの置換基の1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基であるか;あるいはOまたはSに介在され得、かつ末端位置に、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり、式中、R11〜13は、各場合にて互いに独立して、直鎖状または分枝状C1〜6残基であり;
Xは、−COO−、−CON(R10)−または存在せず、Aへの結合は、OまたはNを介して起こり、式中、
10は、H;あるいはOまたはSの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり、式中、R11〜13は、各場合にて互いに独立して、直鎖状または分枝状C1〜6残基であり;
nは、1〜6の整数である。
好ましいハロゲンは塩素または臭素である。
上記式は、化学原子価理論に適合可能な化合物のみに拡張される。例えば、Aが水素の場合、nは1のみであり得る。ラジカルが、芳香族基、ウレタン基、O、Sなどの1つまたは1つより多くに介在されるという表現は、これらの基が残基の炭素鎖中に挿入されることを意味すると理解されるべきである。したがって、これらの基は、両側がC原子に隣接し、末端となることはない。Cラジカルは、介在され得ない。
式Iの化合物は、少なくとも1つのラジカル重合性基を含み、2〜8つ、特に2〜4つのラジカル重合性基を有する化合物が好ましい。
上記変数は、好ましくは以下の意味を有する:
Aは、H、−CN、フェニル残基、脂肪族直鎖状または分枝状C〜C15アルキル残基であって、1,4−フェニレン基、ウレタン基、またはOの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に、重合性(メタ)アクリロイルオキシ基を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C15アルキル残基であり;
は、H、フェニル、トリル、脂肪族直鎖状C〜Cアルキル残基であり;
Lは、SRまたはSOであり、式中、
2〜3は、各場合にて互いに独立して、Oに介在され得、かつ末端位置に、重合性(メタ)アクリロイルオキシ基または−C(=CH)−COOR11を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり、式中、R11は、直鎖状または分枝状C1〜3残基;あるいは置換基、好ましくは、CH、C、OCH、および/またはO−COCHの1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基であり;
Xは、−COO−または−CON(R10)−であり、式中、R10は、メチルであるかまたは存在せず;
nは、1または2である。
特に好ましいのは、変数の少なくとも1つ、および好ましくは全てが以下の意味を有する式Iの化合物である:
Aは、1〜12個の炭素原子を有し、1,4−フェニレン基、ウレタン基またはOの1つまたは1つより多くに介在され得、かつメタクリロイルオキシ基を保持し得る、飽和直鎖状脂肪族炭化水素残基であり;
Xは、−COO−または−CON(R10)−であり、式中、R10は、メチルであるかまたは存在せず;
は、Hであり;
Lは、−SOであり、式中、Rは、CHまたはトリルであり;
nは、1または2である。
かなり特に好ましいのは、変数が以下の意味を有する式Iの化合物である:
Aは、6〜12個の炭素原子を有し、1〜3個のO原子に介在され得る、飽和直鎖状脂肪族炭化水素残基であり;
Xは、−COO−であり;
は、Hであり;
Lは、SOであり、式中、Rは、CHまたはトリルであり;
nは、1または2である。
式Iのいくつかの重合移動活性化合物は公知であり、また、公知の合成法を使用して容易に調製することができる。したがって、ヨウ素化合物I−Lを以下に示すように不飽和の誘導体に加えることができ、その後、HI開裂により本発明による式Iの化合物が得られる:
具体例は下記に示すものである:
本発明による式Iの重合移動活性化合物の好ましい例は、下記に示すものである:
式Iの化合物により、ラジカル重合中にネットワーク構造を制御または調節することが可能となる。式Iの化合物は著しく遅延されたゲル形成をもたらし、したがって、より長いゲル化時間をもたらし、三次元ポリマーネットワークが後に形成されることを意味する。したがって、樹脂または対応する複合物の硬化中に、より小さいPCSが達成され、これは、例えば、充填材料としての歯科用途に大きな利点となる。さらに、式Iの重合移動活性化合物は、意外にも、より狭いガラス転移を有するより均一なポリマーネットワークも生成し、このことは、ガラス転移がより狭い温度範囲で起こることを意味する。これは、鎖張力が緩和プロセスによって、より良好に低下し得、より素早く必要に応じた剥離(DoD)が行われ得るという利点を有する。ガラス転移温度が著しく低下することは、特に有利である。低下したガラス転移温度の結果として、ポリマーをより低温で軟化させることができる。これにより、例えば、接着剤およびセメントの場合に、口腔条件下であっても、必要に応じた接着剤結合の剥離(必要に応じた剥離)が可能となる。低下したガラス転移温度は、向上した衝撃強度を備えたポリマー材料が得られるというさらなる利点を有する。
図1は、硬化樹脂試料の場合および複合物の場合の両方で、同様に、移動試薬1の添加が、ガラス転移温度の低下をもたらし、かつより深く、著しく狭いガラス転移領域をもたらすことを示す、貯蔵弾性率のグラフである。 図2は、未充填樹脂の場合および複合物の場合の両方で、移動試薬2(実施例2)の添加が、ガラス転移温度(TG)が低下した、著しく狭いガラス転移領域をもたらすことを示す、貯蔵弾性率のグラフである。 図3は、実施例20で得られた結果を示したものである。 図4は、実施例20で得られた結果を示したものである。 図5は、調査したネットワークA1〜A5のDMTA測定後のポリマーロッドを示したものである。
必要に応じた剥離効果を向上させるために、本発明による組成物は、式Iの化合物に加えて、少なくとも1つの熱不安定性ラジカル重合性化合物および/または少なくとも1つの感光性ラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。
熱不安定性化合物および感光性化合物は、それぞれ、熱的にまたは照射により開裂され得る基を含むモノマーを意味する。対照的に、式Iの化合物を使う場合、温度の上昇により軟化することはできるが、それ自体開裂しないポリマーを得ることができる。熱不安定性モノマーが式Iの化合物と組み合わされる場合、比較的低温で軟化し、さらに、熱的に開裂させることができるポリマーが生成される。上記式の化合物が感光性モノマーと組み合わされる場合、比較的低い温度で軟化し、さらに、光化学的に開裂させることができるポリマーが生成される。最終的に、式Iの化合物が、熱不安定性モノマーおよび感光性モノマーの混合物と組み合わせられ得ることにより、これらの特徴の組み合わせを示すポリマーを得ることができる。本発明により、熱不安定性モノマーおよび/または感光性モノマーを含む式Iの化合物の組み合わせは、硬化した材料の必要に応じた剥離特性に対し有利な効果を有することが分かった。
特に好適な熱不安定性ラジカル重合性化合物および感光性ラジカル重合性化合物は、熱不安定性多官能性(メタ)アクリレートおよび感光性多官能性(メタ)アクリレート、特に、熱不安定性ジ(メタ)アクリレートおよび感光性ジ(メタ)アクリレート、すなわち、少なくとも1つの熱不安定性基または少なくとも1つの感光性基を有するジ(メタ)アクリレートである。熱不安定性コモノマーを含む材料が好ましい。多官能性(メタ)アクリレートは、2つまたは2つより多くの、好ましくは2〜4つのラジカル重合性基を有する化合物を意味する。同様に、ジ(メタ)アクリレートは、2つの(メタ)アクリレート基を含む。
さらに好ましいのは、熱不安定性多官能性(メタ)アクリルアミドおよび感光性多官能性(メタ)アクリルアミド、特に、熱不安定性ジ(メタ)アクリルアミドおよび感光性ジ(メタ)アクリルアミドである。
適切な熱不安定性基はそれ自体公知である。これらは、1つまたは1つより多くの熱不安定性共有結合を含むことを特徴とする。熱不安定性共有結合を有する熱不安定性基には、好ましくは、ディールス・アルダー付加物、ヘテロディールス・アルダー付加物などの熱不安定性付加環化付加物ならびに熱不安定性アルコキシアミン、オキシムエステル、オキシムウレタンまたはアゾ基が挙げられる。熱不安定性基の例は、R.J.Wojteckiら,Nature Materials 2011,10,14−27中にも記載されている。
特に好ましいのは、熱不安定性基が、2つの重合性(メタ)アクリルアミド基、特に、(メタ)アクリレート基に結合した化合物である。
熱不安定性架橋性モノマーの好ましい例は、2つの(メタ)アクリル基または(メタ)アクリルアミド基の間に、少なくとも1つの熱不安定性基を有する多官能性(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドである。好ましい熱不安定性化合物には、ディールス・アルダー付加物、例えば、フルフリルメタクリレートおよびN−(3−(メタクリロイルオキシ)プロピル)−マレイミドからのディールス・アルダー付加物、N−ヒドロキシ−(メタ)アクリルアミドと、ジイソシアネートまたはトリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートまたはHDIのトリマーなどとの反応生成物、ならびに、ジイソシアネートまたはトリイソシアネートと、1−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル、例えば、1−ヒドロキシメチルアクリル酸エチルエステルなどと、またはβ−ケトエステル(メタ)アクリレート、例えば2−アセトアセトキシエチルメタクリレートなどとの化学量論反応により得られる生成物がある。
ガスを放出する熱不安定性架橋性モノマーもまた、非常に好適である。例としては、アゾビス(4−シアノ吉草酸)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートもしくはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどと、またはN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、例えば、N−(5−ヒドロキシペンチル)メタクリルアミドもしくはN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドなどとのエステル化生成物である。
好適な熱不安定性基もそれ自体公知である。これらは、1つまたは1つより多くの感光性共有結合を含むことを特徴とする。感光性共有結合を有する感光性基には、好ましくは、ベンゾインエーテル、オキシアルキルフェニルアセトフェノン、ジアルキルオキシアセトフェノン、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ジベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ジアルキルベンゾイルゲルマニウム誘導体およびジアルキルジベンゾイルゲルマニウム誘導体が挙げられる。特に、1つの感光性基および2つの重合性(メタ)アクリレート基を含む化合物が好ましい。好ましい化合物としては、ビス−(4−メタクリロイルオキシベンゾイルジエチルゲルマニウム、ビス−{4−[2−(メタクリロイルオキシ)ジエチルカルバモイルオキシベンゾイル}ジエチルゲルマニウム、ビス−[3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,4,6−トリメチルベンゾイル]フェニルホスフィンオキシドおよびメタクリル酸2−[2−(4−{2−メチル−2−[2−(メタクリロイルオキシ)エチルカルバモイルオキシ]−プロピオニル}−フェノキシ)−エトキシカルボニルアミノ]エチルエステルである。
さらに、国際公開第2013/034777A2号および同第2013/034778A2号に記載の熱不安定性モノマーまたは感光性モノマーは、非常に好適である。
本発明による歯科用材料はまた、任意選択で、熱不安定性重合性化合物または感光性重合性化合物に加えて、1つまたは1つより多くのさらなるラジカル重合性モノマーを含むのが好ましく、少なくとも1つの多官能性(メタ)アクリレートまたは単官能性(メタ)アクリレートおよび多官能性(メタ)アクリレートの混合物を含むのが特に好ましい。この場合もまた、単官能性(メタ)アクリレートは、1つのラジカル重合性基を有する化合物を意味し、多官能性(メタ)アクリレートは、2つまたは2つより多くの、好ましくは2〜4つのラジカル重合性基を有する化合物を意味する。かなり特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つのジメタクリレートまたはモノメタクリレートおよびジメタクリレートの混合物を含む。
特に好適な単官能性(メタ)アクリレートまたは多官能性(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートまたはイソボルニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチレングリコールメタクリレート(CMP−1E)、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビス−G(M)A((メタ)アクリル酸とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルの付加生成物)、エトキシ化ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレートまたはプロポキシ化ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、例えば、3つのエトキシ基を有するビスフェノール−A−ジメタクリレート SR−348c(Sartomer)もしくは2,2−ビス[4−(2−(メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル]−プロパンなど、UD(M)A(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの付加生成物)、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートまたはテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ならびに、グリセロールジ(メタ)アクリレートおよびグリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート(DMA)または1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートである。
上記したコモノマーに加えて、本発明による歯科用材料はまた、好ましくは、ラジカル重合性、酸基含有モノマー(接着性モノマー)を含むことができる。好ましい酸基としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびスルホン酸基である。カルボン酸基を有する好ましいモノマーは、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシンおよび4−ビニル安息香酸である。ホスホン酸基を有する好ましいモノマーは、ビニルホスホン酸、4−ビニルフェニルホスホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−ペンチルホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]−アクリル酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸エチルおよび2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸2,4,6−トリメチルフェニルエステルである。リン酸基を有する好ましいモノマーは、2−メタクリロイルオキシプロピル一水素ホスフェートまたは2−メタクリロイルオキシプロピル二水素ホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル一水素ホスフェートまたは2−メタクリロイルオキシエチル二水素ホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニル一水素ホスフェート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリロイルオキシホスフェート、10−メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート、リン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)エステル、6−(メタクリルアミドヘキシル二水素ホスフェートおよび1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピルアミノ)−プロパン−2−イル二水素ホスフェートである。スルホン酸基を有する好ましいモノマーは、ビニルスルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸および3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸である。
ラジカル重合を開始するために、本発明による組成物は、好ましくはラジカル重合用の開始剤、特に好ましくは光開始剤を含む。光開始剤として特に好適なのは、ベンゾフェノン、ベンゾインおよびそれらの誘導体またはα−ジケトンもしくはその誘導体、例えば、9,10−フェナントレンキノン、1−フェニル−プロパン−1,2−ジオン、ジアセチルまたは4,4’−ジクロロベンジルである。カンファーキノン(CQ)および2,2−ジメトキシ−2−フェニル−アセトフェノンが好ましく使用され、特に、還元剤としてのアミン、例えば、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エステル(EDMAB)、N,N−ジメチルアミノ−エチルメタクリレート、N,N−ジメチル−sym.−キシリジンまたはトリエタノールアミンなどと組み合わせたα−ジケトンが特に好ましい。ノリッシュI型光開始剤、特に、アシルホスフィンオキシドまたはビスアシルホスフィンオキシドもまた好適であり、モノアシルトリアルキルゲルマニウム化合物またはジアシルジアルキルゲルマニウム化合物、例えば、ベンゾイルトリメチルゲルマニウム、ジベンゾイルジエチルゲルマニウムまたはビス(4−メトキシベンゾイル)ジエチルゲルマニウム(MBDEGe)などが特に好適である。例えば、カンファーキノンおよび4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルと組み合わせたビス(4−メトキシベンゾイル)ジエチルゲルマニウムなどの異なる光開始剤の混合物も使用可能である。
好ましい実施形態では、本発明による歯科用材料は、有機または無機の粒子状充填材、特に好ましくは1つまたは1つより多くの無機の粒子状充填材をさらに含む。
特に好適なのは、0.01〜15μmの粒径を有する、SiO、ZrOおよびTiOなどの酸化物またはSiO、ZrO、ZnOおよび/もしくはTiOの混合酸化物をベースとする充填材、10〜300nmの粒径を有する、熱分解法シリカまたは沈殿シリカなどのナノ粒子状充填材または超微粒子状充填材、ならびに、0.01〜15μm、好ましくは0.2〜1.5μmの粒径を有する、石英、ガラスセラミックまたは、例えば、ケイ酸アルミニウムバリウムガラスもしくはケイ酸アルミニウムストロンチウムガラスのX線不透過性ガラス粉末などのガラス粉末、および0.2〜5μmの粒径を有する、三フッ化イッテルビウム、酸化チタン(V)、硫酸バリウムまたはSiOと酸化イッテルビウム(III)もしくは酸化タンタル(V)との混合酸化物などのX線不透過性充填材である。繊維状充填材、ナノファイバーまたはウィスカーも除外されない。別に指示がない限り、全ての粒径は重量平均粒径である。
充填材は、粒径により、マクロ充填材とマイクロ充填材とに分類される。マクロ充填材は、石英、X線不透過性ガラス、ボロシリケートまたはセラミックを粉砕することにより得られ、純粋に無機的性質であり、主に、破片状粒子からなる。0.2〜10μmの平均粒径を有するマクロ充填材が好ましい。好ましくは、熱分解法SiOもしくは沈殿シリカ、または混合酸化物、例えば、金属アルコキシドの加水分解共縮合によって入手可能なSiO−ZrOもマイクロ充填材として使用される。マイクロ充填材は、好ましくは約5〜100nmの平均粒径を有する。
好ましい充填材含量は、所望の用途に準じる。各場合にて、材料の合計質量に対し、接着剤は、好ましくは、0〜20重量%、セメントおよび複合物は、好ましくは、20〜80重量%の充填材を含む。
充填材粒子と架橋重合マトリックスとの間の結合を向上させるために、SiO系充填材は、(メタ)アクリレート官能化シランで表面改質することができる。このようなシランの好ましい例としては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランである。ZrOまたはTiOなどの非シリケート充填材を表面改質するために、官能化酸性ホスフェート、例えば、10−(メタ)アクリロイルオキシデシル二水素ホスフェートなども使用することができる。
本発明による歯科用材料は、熱によるガス放出性添加剤をさらに含むことができる。好ましいガス放出性添加剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルまたは2,2’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、N−ニトロソ化合物などのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジドなどのヒドラジド、ジクモール過酸化物などの過酸化物、またはアセトンジカルボン酸などである。このような化合物の例としては、例えばSt.Quinn,Plastics,Additives & Compounding 2001,3,16−21に記載されている。分解温度は、例えば、アゾ化合物の場合、置換基パターンによりそれ自体公知の方法で設定することができる(D.Braun,R.Jakobi,Monatshefte Chemie 1982,113,1403−1414参照)。
さらに、本発明による歯科用材料は、放射された電磁放射線を熱に変換することが可能な添加剤を含むことができる。このようないわゆる放射線から熱への変換剤は、熱不安定性基を切断するために、UV、NIRまたはIR放射線、可視光、マイクロ波または電波放射線を熱に変換することができる、有機物質、無機物質または有機金属物質またはハイブリッド成分である。これの例としては、UV、NIRまたはIR放射線を吸収する染料および顔料である。IR領域において吸収する染料の例としては、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料またはポルフィリン染料である。NIR放射線を吸収する顔料の例としては、アンチモンおよびインジウムスズ酸化物、フタロシアニン顔料、煤、NiおよびPtジチオレン錯体である。UV領域で吸収する化合物の例としては、ベンゾトリアゾール、トリアジン、ベンゾフェノン、シアノアクリレート、サリチル酸誘導体およびヒンダードアミン系光安定剤(HALS)である。マイクロ波(1〜300GHz)または電波(10kHz〜1GHz)の周波数領域で吸収する添加剤の例としては、強磁性セラミック物質、いわゆる、酸化鉄であるヘマタイト(Fe)またはマグネタイト(Fe)およびさらなる酸化物、例えば、金属のZn、MnまたはNiの酸化物から構成され、かつ粉末として市販されている、フェライトである。
任意選択で、本発明により使用される組成物は、添加剤、特に、水、エタノールもしくは対応する溶媒混合液などの溶媒、安定剤、染料、フッ化物イオン放出添加剤、蛍光増白剤、可塑剤またはUV吸収剤の1つまたは1つより多くを含むことができる。
好ましい溶媒含量は、所望の用途に準じる。接着剤は、好ましくは、0〜60重量%、特に好ましくは、1〜50重量%の溶媒を含む。対照的に、セメントは溶媒を含まないのが好ましい。
本発明による歯科用材料の剥離特性は、材料の組成により標的化方式で影響を受け得、かつ所望の意図した用途に適合され得る。したがって、加熱または照射により必要に応じて剥離する能力は、使用される熱不安定性成分または感光性成分の濃度、すなわち、特に、熱不安定性架橋モノマーまたは感光性架橋モノマーおよびガス放出性添加剤の濃度とともに増大する。さらに、剥離特性はまた、コモノマーの選択によっても変動し得、架橋密度、したがって強度および弾性係数も、架橋モノマーの割合とともに、または、単官能性モノマーの添加により、変動し得る。
本発明による歯科用材料は、0.5〜60重量%、好ましくは1.0〜50重量%、特に好ましくは1.0〜40重量%の少なくとも1つの一般式Iの化合物を含む。
さらに、該材料はまた、好ましくは0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%のラジカル重合用の反応開始剤(単数または複数)、特に好ましくは光開始剤を含み、また、特に好ましくは、1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%の二官能性熱不安定性(メタ)アクリレート(単数または複数)および/または二官能性感光性(メタ)アクリレート(単数または複数)も含む。
さらに、本発明による歯科用材料は、好ましくは0〜80重量%、好ましくは0〜70重量%、特に好ましくは0〜60重量%の充填材(単数または複数)を含み、充填材含量は、上述のように、材料の計画された使用に一致する。
さらに、本発明による歯科用材料は、好ましくは0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは5〜30重量%の膨張添加剤(単数または複数)および/または放射線から熱への変換剤を含み、任意選択で、0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%のその他の添加剤(単数または複数)を含む。
本発明では、以下の成分を含む歯科用材料が特に好ましい:
(a)1〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは10〜60重量%の多官能性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
(b)0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%の開始剤(単数または複数)、
(c)0.5〜60重量%、好ましくは1.0〜50重量%、特に好ましくは1.0〜40重量%の少なくとも1つの一般式Iの化合物、
(d)0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜30重量%の単官能性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
(e)1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%の二官能性熱不安定性(メタ)アクリレート(単数または複数)および/または二官能性感光性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
(f)0〜80重量%、好ましくは0〜70重量%、特に好ましくは0〜60重量%の充填材(単数または複数)、
(g)0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは5〜30重量%の膨張添加剤(単数または複数)および/または放射線から熱への変換剤、
(h)0〜60重量%、好ましくは0〜50重量%、特に好ましくは1〜50重量%の溶媒(単数または複数)、ならびに
(i)0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%のその他の添加剤(単数または複数)。
別に指示がない限り、全ての量は、組成物の合計質量に対するものである。個々の量の範囲は、別々に選択することができる。
上記した成分からなる歯科用材料は、かなり特に好ましい。さらに、各場合にて、個々の成分が、上記の好ましい物質、および特に好ましい物質から選択される材料が好ましい。特に好ましいのは、式(I)の化合物に加えて、揮発性メルカプタン、すなわち、典型的なメルカプタン臭気を有するメルカプタン、を含まない材料である。かなり特に好ましいのは、さらなるメルカプタンを含まず、好ましくは、その他のジスルフィドもチオエーテルも含まない組成物である。
本発明による材料は、歯科用接着剤およびセメントとして特に好適である。該材料は、ジメタクリレートをベースとする材料に類似の機械的特性(曲げ強度および弾性係数)を有するが、低下した重合収縮応力(PCS)、必要に応じた剥離特性、狭いガラス転移領域、向上した衝撃強度および低い固有の臭気を特徴とする。
歯科用材料は、主として、損傷した歯を修復するための歯科医による口腔内用途に好適である(臨床材料)。しかし、歯科用材料はまた、口腔外、例えば、歯科用修復物の製造または修繕でも使用することができる(技術的材料)。
本発明の主題はまた、必要に応じた剥離特性を備えた接着剤またはセメントの調製のための、式Iの化合物の使用である。
本発明を、実施形態の例を用いて、以下でさらに詳細に説明する。
実施例1:
2−(トルエン−4−スルホニルメチル)アクリル酸ラウリルエステル(1)の合成
最初に、黄色灯実験室で、3.81g(15mmol)のヨウ素を70mlのエタノールに溶解させ、0.1Mのp−トルエンスルフィン酸ナトリウム(15mmol)水溶液にゆっくり滴下して加えた。形成された黄色固体(4−メチルベンゼン−1−スルホニルヨージド、MBSI)を濾過した後、水で洗浄した。次に、固体をCHCl(50ml)に溶解させ、無水NaSOで乾燥させた。乾燥剤を濾過し、新たに調製したMBSIを含む溶液を2.54g(10mmol)ラウリルメタクリレート(LMA)と一緒に撹拌した。反応を薄層クロマトグラフィー(PE/EE 20/1)を使用してモニターした。全てのLMAが消費された後で、反応溶液を5重量%の亜ジチオン酸ナトリウム溶液(2x25ml)および水(1x25ml)で洗浄した。水相をCHCl(1x25ml)で再抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させた。次に、50mlの酢酸エチルを該溶液に添加し、ロータリーエバポレーターでCHClを蒸発させた。次に、Ar雰囲気下で5.06g(50mmol)のトリエチルアミンを反応溶液に添加し、その後、還流下で一晩沸騰させた。反応が完了すると、溶液を1NのHCl(2x50ml)および蒸留水(1x50ml)で洗浄した。水相を再抽出し、合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレーターで取り除き、粗生成物を、5/1のPE/EE混合物(R=0.39)を用いたカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。収量は約28.8g(理論値の73%)であった。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):7.71 (d, J = 8.2 Hz, 2H; Ar-H), 7.30 (d, J = 8.2Hz, 2H; Ar-H), 6.47 (s, 1H; =CH2), 5.89 (s, 1H; =CH2), 4.12 (s, 2H; -SO2-CH2-), 3.94 (t, 2H; -O-CH 2 -CH2-), 2.42 (s, 3H; Ar-CH3), 1.52 (m, 2H; -O-CH2-CH 2 -), 1.25 (s, 18H; -O-CH2-CH2-CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH 2 -CH3); 0.86 (m, 3H; -CH2-CH 3 );
13C-NMR (50 MHz, CDCl3, δ):164.9 (C=O), 144.8 (C4), 135.5 (C4), 133.1 (C2), 129.6 (C3), 129.2 (C4), 128.8 (C3), 65.6 (C2), 57.5 (C2), 31.9 (C2), 29.6 (C2, C2, C2), 29.5 (C2), 29.3 (C2), 29.2 (C2), 28.4 (C2), 25.8 (C2), 22.7 (C2), 21.6 (C1), 14.1 (C1).
実施例2:
テトラエチレングリコールビス[2−(トルエン−4−スルホニルメチル)アクリレート](2)の合成
テトラエチレングリコールジメタクリレート(TTEGDMA:5.29g、16mmol)および4−トルエンスルホニルヨージド(9.03g、32mmol)を一緒に、室温でCHCl(約50ml)中、黄色灯下で撹拌した。反応をH−NMR分光測定を使用してモニターした。全てのTTEGDMAが消費された(二重結合シグナルの低下)後で、反応溶液を5重量%の亜ジチオン酸ナトリウム溶液(2x25ml)および水(1x25ml)で洗浄した。水相をCHCl(1x25ml)で再抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。次に、50mlの酢酸エチルを該溶液に添加し、ロータリーエバポレーターでCHClを蒸発させた。次に、50mlの酢酸エチルをさらに反応溶液に添加し、Ar雰囲気下でトリエチルアミン(8.1g、80mmol)を滴下して加えた(固体が沈殿した)。その後、反応溶液を還流下で一晩沸騰させた。反応が完了すると、溶液を1NのHCl(2x50ml)および蒸留水(1x50ml)で洗浄した。水相を再抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレーターで取り除き、粗生成物を、1/4のPE/EE混合物を用いたカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。(R約0.32)。収率70%。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ): 7.73 (d, J = 8.2Hz, 4H; Ar-H), 7.32 (d, J = 8.2Hz, 4H; Ar-H), 6.52 (s, 2H; =CH2), 5.89 (s, 2H; =CH2), 4.14 (m, 8H; OOC-CH2-, SO2-CH2-), 3.62 (m, 12H; -CH2-O-CH2-CH2-), 2.43 (s, 6H; Ar-CH3).
13C-NMR (50 MHz, CDCl3, δ): 164.9 (C=O), 144.9 (C4), 135.4 (C4), 133.6 (C2), 129.7 (C3), 128.9 (C4), 128.8 (C4), 70.7 (C2), 68.8 (C2), 64.5 (C2), 57.5 (C2), 21.6 (C1).
実施例3:
トリメチレングリコールビス[2−(トルエン−4−スルホニルメチル)アクリレート](3)の合成
褐色ガラスフラスコ中で、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(39.20g、0.22mol)をヨウ素(55.83g、0.22mol)と反応させて、実施例1に従って後処理し、MBSI1を調製した。黄色固体をジクロロメタン(300ml)に溶解させた。トリエチレングリコールジメタクリレート(28.63g、0.10mol)を添加し、反応混合物を室温で攪拌した。24時間後、トリエチルアミン(22.26g、0.22mol)を滴下して加えた。赤褐色溶液を周囲温度で2時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。暗褐色油を1:1のn−ヘキサン/酢酸エチル(100ml)中に溶解させ、シリカゲル(シリカゲル60、n−ヘキサン/酢酸エチル 1:1)で満たしたフリットで濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を酢酸エチル(400ml)に溶解させ、トリエチルアミン(22.26g、0.22mol)を添加した。褐色がかった溶液を6時間加熱還流させた。冷却後、反応溶液を塩酸(1N;2x200ml)および水(200ml)で洗浄後、NaSOで乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレーターで濃縮した。褐色がかった油をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、n−ヘキサン/酢酸エチル 1:2;R=0.35)を使用して精製した。48.44g(81%収率)の黄色油を得た。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):7.73 (d, J = 8.2Hz, 4H; Ar-H), 7.32 (d, J = 8.2Hz, 4H; Ar-H), 6.52 (s, 2H; =CH2), 5.89 (s, 2H; =CH2), 4.14 (m, 8H; OOC-CH2-, SO2-CH2-), 3.62 (m, 12H; -CH2-O-CH2-CH2-), 2.43 (s, 6H; Ar-CH3);
13C-NMR (50 MHz, CDCl3, δ):164.9 (C=O), 144.9 (C4), 135.4 (C4), 133.6 (C2), 129.7 (C3), 128.9 (C4), 128.8 (C4), 70.7 (C2), 68.8 (C2), 64.5 (C2), 57.5 (C2), 21.6 (C1);
実施例4:
2−プロペン酸2−[(ジエトキシホスフィニル)メチル]エチルエステル(4)の合成
4の合成のために、エチル2−ブロモメチルアクリレート(1.5g、0.008mol)を10mlの丸底フラスコ中で、蒸留して得た亜リン酸トリエチル(1.3g、0.008mol)とともにAr雰囲気下、7時間加熱還流し、その後、室温で12時間反応させた。生成物を梨型フラスコに移し、EtBr(1.013バールでbp=38℃)を5ミリバールにて除去した。次に、3:2の石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EE)を用いたMPLCを使用して精製を行った(Rf 約0.13)。カラムクロマトグラフィーを使用して精製した4の収量は1.6g(理論値の82%)であった。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):0.92-1.34 (9.1 H, m,3x -CH2-CH3), 2.77 (1 H, d, J=0.78 Hz, =C(COOEt)-CH2-PO(OEt)2), 2.87 (1 H, d, J=0.78 Hz, =C(COOEt)-CH2-PO(OEt)2), 3.87-4.18 (6.1 H, m,3x -O-CH2-CH3), 5.73 (1 H, dd, J=5.46 Hz, J=0.78 Hz, H2C=C(COOEt)-), 6.22 (1 H, dd, J=5.66 Hz, J=0.58 Hz, H2C=C(COOEt)-).
実施例5:
2−プロペン酸2−[(ドデシルチオ)メチル]エチルエステル(5)の合成
5の合成のために、トリエチルアミン(1.1g、0.011mol)および新たに蒸留して得たドデシルチオール(1.6g、0.008mol)を、10mlのTHFの入った50mlの丸首フラスコ中に入れ、エチル2−ブロモメチルアクリレート(1.5g、0.008mol)を、9mlのTHFが入った反応フラスコ中に流し込んだ。アクリレートの添加時に、微細な白色沈殿物がすぐに析出した。室温(RT)で21時間撹拌後、反応の終了を薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して確認した。未反応の塩を15mlの脱イオン水に溶解させることにより、後処理を行った。水相を15mlの石油エーテルで3回抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、PEをロータリーエバポレーターで取り除いた。その後、10:1のPE/EEを用いた中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)を使用して精製を行った(R 約0.46(PE/EE 12:1))。カラムクロマトグラフィーを使用して精製した5の収量は1.2g(理論値の50%)であった。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):0.85 (3.5 H, t, J=6.46 Hz, -C10H20-CH 3), 1.10-1.65 (27.1 H, m, -CH2-C10 H 20-CH3 and -O-CH2-CH 3), 2.42 (2.1 H, t, J=7.24 Hz, -S-CH 2-C11H23), 3.35 (2 H, s, =C(COOC2H5)-CH 2-S-), 4.21 (2.2 H, q, J=7.11 Hz, -O-CH 2-CH3), 5.61 (1H, d, J=1.17 Hz, H 2C=C(COOC2H5)-), 6.17 (1 H, d, J=1.98 Hz, H 2C=C(COOC2H5)-).
実施例6:
2−{[2−(エトキシカルボニル)−2−プロペニル]−スルファニル]メチル}−アクリル酸エチルエステル(6)の合成
6の合成のために、エチル2−ブロモメチルアクリレート(10.0g、0.052mol)を50mlの丸底フラスコ中に入れ、脱イオンHOから新たに再結晶させた、2mlの脱イオンHO中の硫化ナトリウム(5.9g、0.021mol)を一度に添加し、8mlのHOを用いて濯いだ。室温で24時間撹拌を行い、TLCを使用して反応を制御した後、15mlの脱イオンHOで希釈し、形成されたあらゆる塩を溶解させた。15mlの石油エーテルで3回抽出し、合わせた有機相を飽和食塩溶液で抽出した後、NaSOで乾燥させた。ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除いた後、6:1のPE/EE(R 約0.49)を用いたMPLCを使用して精製を行い、4.0gの6を得た(理論値の30%収率)。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):1.18 (6.1 H, t, J=7.13 Hz, 2x -CH2-CH 3), 3.20 (3.8 H, d, J=0.58 Hz, 2x =C(COOC2H5)-CH 2-S-), 4.10 (4.1 H, q, J=7.11 Hz, -O-CH 2-CH3), 5.55 (2 H, d, J=0.98 Hz, 2x H 2C=C(COOC2H5)-), 6.09 (2 H, d, J=0.98 Hz, 2x H 2C=C(COOC2H5)-).
実施例7:
2−{[2−(エトキシカルボニル)−2−プロペニル]−スルホニル]−メチル}−アクリル酸エチルエステル(7)の合成
7の合成のために、100mlのDMF中の化合物6(3.0g、0.012mol)を、500mlの丸首フラスコに入れ、ペルオキソ硫酸カリウム(13.9g、0.045mol)を添加し、200mlのDMFで濯いだ。Ar雰囲気下、室温で4時間撹拌を行い、TLCを使用して反応を制御した後、脱イオンHO(900ml)を添加した。130mlのジエチルエーテルで3回、150mlの飽和食塩溶液で1回抽出を行った後、NaSOで乾燥させた。ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除いた後、10:1のPE/EEを用いたMPLC(R 約0.67(PE/EE 1:1))を使用して精製を行い、1.2gの7を得た(理論値の37%収率)。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):1.24 (6.4 H, t, J=7.14 Hz, 2x -CH2-CH 3), 4.03 (4.1 H, s, 2x =C(COOC2H5)-CH 2-S-), 4.18 (4.1 H, q, J=7.17 Hz, -O-CH 2-CH3), 6.08 (2 H, s, 2x H 2C=C(COOC2H5)-), 6.53 (2 H, s, 2x H 2C=C(COOC2H5)-).
実施例8:
2−(トシルメチル)アクリロニトリル(8)の合成
トシルヨージド(4.88g、17mmol)およびメタクリロニトリル(1.16g、17mmol)を100mlの四塩化炭素に溶解させ、室温で4時間攪拌した。次に、溶媒および形成されたあらゆるヨウ素を真空下で蒸発させた。100mlの四塩化炭素を新たに添加後、溶液に4当量のトリエチルアミンを添加し、12時間加熱還流した。得られた褐色溶液を5%亜ジチオン酸ナトリウム溶液(2x20ml)、1NのHCl(1x20ml)および飽和NaCl溶液(1x20ml)で洗浄し、あらゆる残存するヨウ素およびトリエチルアミンを除去した。収集した有機相を15gのNaSOで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除いた。粗生成物を、純粋なジクロロメタンを移動溶媒として用いて、カラムクロマトグラフィーを使用して精製した。微細白色針状晶としての2−(トシルメチル)アクリロニトリル8の収量は789mg(理論値の21%)であった。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ= 7.73 (d, 8.45 Hz, 2 H; Ar-H), 7.33 (d, J= 8.45 Hz, 2 H; Ar-H), 6.15 (s, 1 H; C=H2), 5.94 (s, 1 H; C=H2), 3.84 (s, 2 H; -SO2-CH2-), 2.41 (s, 3 H; Ar-CH3) ppm.
実施例9:
1−メチル−4−((2−フェニルアリル)スルホニル)ベンゼン(9)の合成
メチルスチレン(2.95g、25mmol)、トシルクロリド(4.77g、25mmol)、Cu(I)Cl(2.48g、25mmol)およびトリエチルアミン(2.53g、25mmol)を70mlの乾燥アセトニトリル中に入れ、アルゴン雰囲気下で3時間加熱還流した。ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除いた後、粗生成物を30mlのジクロロメタンに溶解させ、1NのHCl(2x20ml)、飽和NaHCO溶液(1x20ml)および飽和NaCl溶液(1x20ml)で洗浄した。ジクロロメタンを移動溶媒として用いて、カラムクロマトグラフィーを使用して精製後、1−メチル−4−((2−フェニルアリル)スルホニル)ベンゼン9を3.60g(理論値の53%)の収量で得た。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ= 7.59 (d, J= 7.64 Hz, 2 H; Ar-H), 7.5-6.9 (m, 7 H; Ar-H), 5.51 (s, 1 H; C=H2), 5.14 (s, 1 H; C=H2), 4.18 (s, 2 H; -SO2-CH2-), 2.32 (s, 3 H; Ar-CH3) ppm.
実施例10:
2−(トシルメチル)アクリル酸(10)の合成
ブロモメタクリル酸(8.25g、50mmol)を250mlの熱MeOHに溶解させ、そこにNaOH(2g、50mmol)を添加した。次に、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(8.91g、50mmol)を少しずつ分けて添加し、2時間加熱還流した。ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除いた後、固体残留物を500mlの水に溶解させ、2−(トシルメチル)アクリル酸10を1NのHClを使用して沈殿させた。収量7.44g(理論値の62%)。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ= 8.81 (bs, 1H), 7.67 (d, J= 8.6 Hz, 2 H; Ar-H), 7.27 (d, J= 8.6 Hz, 2 H; Ar-H), 6.55 (s, 1 H; C=H2), 5.94 (s, 1 H; C=H2), 4.04 (s, 2 H; -SO2-CH2-), 2.36 (s, 3 H; Ar-CH3) ppm.
実施例11:
N−メチル−N−プロピル−2−(トシルメチル)アクリルアミド(11)の合成
2−(トシルメチル)アクリル酸10(3.00g、12.5mmol)を30mlの塩化チオニル中で2時間加熱還流した。過剰のSOClを取り除いた後、酸塩化物を100mlのジクロロメタン中に溶解させ、そこに6当量のプロピルメチルアミンを0℃でゆっくり添加した。室温で12時間撹拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を取り除き、20mlのジクロロメタンに溶解させた後、粗生成物を1NのHCl(2x20ml)および飽和NaCl溶液(1x20ml)で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(PE:EE(1:1)+0.5%酢酸)を使用して精製後、701mg(理論値の19%)のN−メチル−N−プロピル−2−(トシルメチル)アクリルアミド11を得た。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ= 7.78 (d, J= 8.1 Hz, 2 H; Ar-H), 7.34 (d, J= 8.1 Hz, 2 H; Ar-H), 5.51 (bs, 1 H; C=H2), 5.41 (s, 1 H; C=H2), 4.09 (s, 2 H; -SO2-CH2-), 3.5-2.7 (m, 5 H; N-CH 3 , N-CH 2 -CH2-CH3), 2.38 (s, 3 H; Ar-CH3), 1.7-1.3 (m, 2H; N-CH2-CH 2 -CH3), 0.85 (t, J= 7.5 Hz, 3 H; N-CH2-CH2-CH 3 ) ppm.
実施例12:
14−メチル−13−オキソ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−14−エン−1−イル2−(トシルメチル)アクリレート(12)の合成
テトラエチレングリコールジメタクリレート(TTEGDMA、14.6g、44.7mmol)および4−トルエンスルホニルヨージド(12.6g、44.7mmol)を一緒に、室温でCHCl(約100ml)中、黄色灯下で撹拌した。実施例2の合成と同様に合成を行った。トリエチルアミン(22.6g、223.4mmol)を滴下して加えた(固体が沈殿した)。粗生成物を、1/3のPE/EE混合物を用いたカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。(R 約0.38)。収率24%。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ): 7.70 (d, J = 8.2Hz, 2H; Ar-H), 7.31 (d, J = 8.2Hz, 2H; Ar-H), 6.49 (s, 1H; =CH2), 6.10 (m, 1H; =CH2), 5.86 (s, 1H; =CH2), 5.50 (m, 1H; =CH2), 4.27 (m, 2H; -OOC-CH2-), 4.12 (m, 4H; -OOC-CH2-, -SO2-CH2-), 3.71 (m, 2H; OOC-CH2-CH 2 -), 3.63 (m, 10H; -CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-), 2.41 (s, 6H; Ar-CH3) 1.92 (m, 3H; -CO-C-CH3).
13C-NMR (50 MHz, CDCl3, δ): 164.9 (C=O), 145.0 (C4), 136.2 (C4) 135.5 (C4), 133.7 (C2), 129.8 (C3), 129.0 (C4), 128.9 (C3), 125.9 (C2), 70.7 (C2), 69.2 (C2), 68.9 (C2), 64.6 (C2), 64.0 (C2), 57.7 (C2), 21.8 (C1), 18.4 (C1).
実施例13:
2−(メチルスルホニルメチル)アクリル酸エチルエステル(13)の合成
エチル2−ブロモメチルアクリレート(1.1g、5.8mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(0.7g、6.7mmol)および0.1gのポリエチレンオキシド400を、アルゴン雰囲気下で10mlの無水THF中に入れた。次に、加熱還流を20時間行い、反応の進行をNMRおよびTLCを使用してモニターした。反応が完了すると、反応溶液を10mlの脱イオン水および10mlのジエチルエーテルで希釈した。水相を各場合にて25mlのジエチルエーテルを用いて3回抽出した。その後、合わせた有機相を飽和食塩溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。得られた粗生成物を、1/1のPE/EE混合物を用いたカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。(R 約0.45)。収率33%。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):6.64 (s, 1H; =CH2), 6.15 (s, 1H; =CH2), 4.28 (q, J = 7.1Hz, 2H; -COO-CH 2 -CH3), 4.06 (s, 2H; -SO2-CH 2 -C-), 2.90 (s, 3H; -SO2-CH3), 1.33 (t, J = 7.1Hz, 3H; -COO-CH2-CH 3 ).
13C-NMR (50 MHz, CDCl3, δ):165.3 (C=O), 133.9 (C2), 129.1 (C4), 61.9 (C2), 56.4 (C2), 40.5 (C1), 14.1 (C1).
実施例14:
2−メチレン−3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]酪酸メチルエステル(14)の合成
(Z)−メチル−2−(ブロモメチル)ブタ−2−エノエート(2.7g、14.0mmol)および0.5gのポリエチレンオキシド400を、15mlの無水THF中に入れ、−20℃に冷却した。次に、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(0.8g、4.7mmol)をゆっくり添加した。−20℃で10時間撹拌を行った。2/1のPE/EE混合物を用いたカラムクロマトグラフィーを使用して精製を行った。(R 約0.50)。収率36%。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3, δ):7.69 (d, J = 8.2 Hz, 2H; Ar-H), 7.30 (d, J = 8.2Hz, 2H; Ar-H), 6.53 (s, 1H; =CH2), 5.98 (s, 1H; =CH2), 4.58 (q, J = 7.2 Hz, 1H; -SO2-CH-), 3.60 (s, 3H; -COO-CH3), 2.42 (s, 3H; Ar-CH3), 1.54 (d, J = 7.2 Hz, 3H; -SO2-CH-CH 3 ).
実施例15:
熱不安定性ジメタクリレート 3−オキソ−2−(2,2,4−トリメチル−6−{2−[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシカルボニル]−3−オキソ−ブチリルアミノ}−ヘキシルカルバモイル)−酪酸2−(メタクリロイル−オキシ)−エチルエステル15の合成
ジエチルエーテル(400ml)中のナトリウム(0.50g、2.2mmol)をアルゴン下で加熱した装置中に入れ、(2−アセトアセトキシ)エチルメタクリレート(85.69g、0.40mol)を滴下して加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した後、氷浴中で0℃に冷却した。2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン(42.06g、0.20mol)をゆっくり滴下して加えた。添加終了後、反応混合物を氷冷を伴ってさらに2時間、およびその後、周囲温度で撹拌した。48時間後、懸濁液を濾過し、濾液を塩酸(1N;2x100ml)、水(100ml)および飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄して、NaSOで乾燥させ、濾過して、ロータリーエバポレーターで濃縮した。黄色がかった油をジクロロメタン(100ml)に溶解させ、シリカゲル(シリカゲル60、n−ヘキサン/酢酸エチル 1:1)で満たしたフリットを通して濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、残留物を高真空下で乾燥させた。黄色がかった油として、ジメタクリレート15(105.42g、83%収率)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ = 0.95 (s, 6H), 0.98 - 1.02 (m, 3H), 1.09 - 1.68 (m, 5H), 1.95 (s, 6H), 2.41 - 2.43 (m, 6H), 3.05 - 3.36 (m, 4H), 4.44 (s, 8H), 5.61 (s, 2H), 6.13 (s, 2H), 9.10 - 9.30 (m, 2H), 18.70 - 18.73 (m, 2H).
実施例16:
実施例1由来の移動試薬1を含む複合物の調製
モノマーUDMAおよびモノマーDMAの1/1混合物(mol/mol)を調製した(樹脂混合物2M)。この混合物の一部を実施例1由来のモノマー1と混合した。第2の混合物は以下の組成を有した:UDMA(39重量%)、DMA(26重量%)および1(35重量%)。光開始剤Ivocerin(登録商標)(1重量%)を両方の混合物に添加した。30重量%の熱分解法ケイ酸Ox50を添加することにより、これらの混合物をベースとする複合ペーストを調製した。モノマー1を有する複合ペーストは、下記の全体組成を有した:UDMA(27重量%)、DMA(18重量%)、1(24.3重量%)、開始剤(0.7重量%)およびOx50(30重量%)。配合物をシリコーン型に流し込み、Lumamat100(Ivoclar AG)中でプログラム2(P2:約20mW/cmの強度で10分照射)を使用して重合した。ロッドを回転させ、再度P2を使用して硬化させた。試験ロッドを研磨した後、CTD炉(対流温度制御)および一体型固体クランプデバイス(12mmまでの方形断面用のSRF12)を備えたAnton PaarレオメーターMCR301で測定した。加熱速度設定を2℃/分とした。全試料を−100℃から200℃に加熱し、1Hzの一定周波数および0.1%の撓みで振動させた。図1に示す貯蔵弾性率のグラフは、硬化樹脂試料の場合および複合物の場合の両方で、同様に、移動試薬1の添加が、ガラス転移温度の低下をもたらし、かつより深く、著しく狭いガラス転移領域をもたらすことを示す。
実施例17:
実施例2の移動試薬2を含む複合物の調製
試験片を調製し、実施例4と同様に調査した。以下の配合を使用した:UDMAとDMAの1/1(mol/mol)混合物(混合物2M)およびUDMA(43重量%)、DMA(28重量%)とモノマー2(29重量%)の混合物。60重量%のOx50を添加することにより、対応する複合ペーストを得た。モノマー2を含む複合ペーストは、以下の全体組成を有した:UDMA(17重量%)、DMA(11重量%)、2(12重量%)およびOx50(60重量%)。図2は、未充填樹脂および充填樹脂に対する、温度の関数としての貯蔵弾性率を再度示す。図2に示す貯蔵弾性率のグラフは、未充填樹脂の場合および複合物の場合の両方で、移動試薬2(実施例2)の添加が、ガラス転移温度(T)が低下した、著しく狭いガラス転移領域をもたらすことを示す。
実施例18:
必要に応じた剥離特性の決定
クラウン除去実験のために、2成分である光硬化のデュアルキュア固定セメントVariolink II(Ivoclar Vivadent AG、セメントは、ビス−GMA、UDMAおよびTEGDMAのモノマー混合物をベースとし、さらに、バリウムガラス、Ba−Al−フルオロシリケートガラス、SiO−ZrO混合酸化物および三フッ化イッテルビウムが充填材として含まれている)を、実施例3由来のモノマー3で改質した。このために、9.066gのVariolink II base transparent成分と0.934gのモノマー3とを、0.2バール残圧の最高設定で2x3分間混合した(プラネタリーミキサー DAC 600.2 VAC−P,Hauschild & Co.KG,Hamm,Germany)。同様にして、9.017gのVariolink II catalyst transparent/thin成分を、0.983gのモノマー3で改質した。
改質材料Variolink II(上記参照)および未改質Variolink IIの両方を使用して、クラウン除去力の調査を行った。このために、試験クラウンを二酸化ジルコニウムから作製された一致する歯根(円錐台形状:円錐角40°、高さ3.3mm、曲面面積56.3mm、所定セメントギャップ50μm)に固定した。試験系の結合面をそれぞれ事前に新しくサンドブラスト(Al110μm、1バール)し、接着促進剤Monobond Plus(Ivoclar Vivadent AG、滞留時間60秒)で表面コンディショニングした。固定するために、各場合にて、250mgのbaseペーストおよびcatalystペースト(試験グループ1および2:Variolink II base transparent、Variolink II catalyst transparent/thin;試験グループ3および4:上記実施例に従って改質したVariolink II base transparent、上記実施例に従って改質したVariolink II catalyst transparent/thin)をミキシングブロック上でスパチュラを使用して、手動で10秒間混合し、約半分の混合物をクラウン中に注ぎ込んだ。その後、クラウンを上記歯根上にセットし、2kgの静的重量を負荷した。直後に、過剰物をMicrobrush(Microbrush,Grafton,USA)を使用して除去し、その後、負荷の開始約30秒後に、各場合にて、光重合デバイス(Bluephase G2,Ivoclar Vivadent AG;High Power)を使用して、2側面からの光に40秒間曝露した。その後、試験体から負荷を取り去り、上記試験体を乾燥炉中で37℃にて少なくとも16時間、測定まで貯蔵した。
クラウン除去力を決定するために、材料試験機(Z010,Zwick−Roell)を使用して、試験グループ1および3由来の試験体を、23℃に温度制御された水浴中で測定し、試験グループ2および4由来の試験体を60℃に温度制御された水浴中(医薬実験用の温度制御容器、Zwick−Roell GmbH & Co.KG,Ulm,Germany)で測定した。測定の開始前に、対応する水浴中で少なくとも2分間、クラウンをそれぞれ温度制御した。その後、1mm/分の移動速度で位置制御方式によりクラウンを除去し、生じた最高の力をクラウン除去力として記録した。表3の結果は、本発明による化合物3を含むセメントに関し、60℃での著しく低下したクラウン除去力を示す。
実施例19:
ジメタクリレートおよび移動試薬を含むポリマーの調製および特徴付け
UDMAおよびDMAの1/1(mol/mol)混合物(2M)ならびにUDMA、DMAおよび、各場合にて、1つの移動試薬の混合物(化合物番号1、2、5〜14)を表3に従って調製した。配合物は、1重量%のGe開始剤(Ivocerin)をさらに含んだ。光反応性を調べるために、調製した配合物をフォトレオメーター(MCR 302 WESP model,Anton Paar)を使用して測定した。PP25タイプのプレート−プレート型測定システムを使用し、測定ギャップを0.1mmに設定した。UVランプでの硬化前および硬化中(Omnicure2000モデル;400〜500nm;それぞれ、1W/cmおよび3W/cm)に、試料の貯蔵弾性率および損失弾性率を振動モード(1%撓み、1Hz)で測定した。
ゲル化点(貯蔵弾性率と損失弾性率の交点)で達成される二重結合変換率(DBC)は、発生する重合収縮の尺度となる。ゲル化点までの二重結合変換率は、発生する重合収縮が流動プロセスにより相殺されるために、応力の蓄積をもたらさない。ゲル化点での二重結合変換率が高くなるほど、結果として、ゲル状態での二重結合変換率および重合収縮が小さくなり、したがって、このことが、より低い重合収縮力をもたらす。ガラス転移を決定するために、配合物をシリコーン型に流し込み、光炉(Lumamat100 model、Ivoclar AG)中でプログラム2(P2:約20mW/cmの強度で10分照射)を使用して重合した。ロッドを回転させ、再度P2を使用して硬化させた。試験ロッドを研磨した後、CTD炉(対流温度制御)および一体型固体クランプデバイス(12mmまでの方形断面用のSRF12)を備えたレオメーター(MCR302モデル)で測定した。加熱速度設定を2℃/分とした。全試料を−100℃から200℃に加熱し、1Hzの一定周波数および0.1%の撓みで振動させた。
表4に示すガラス転移温度(損失弾性率グラフの極大値)は、移動試薬の添加が、より深く、著しく狭いガラス転移領域をもたらし、これが、本発明による組成物の必要に応じた剥離を実質的により容易にすることを示す。さらに、ゲル化点での二重結合変換率が移動試薬により増加することが理解され得る。したがって、ゲル化点までの流動プロセスにより応力が消失し得るために、より低い収縮応力が予測される。
実施例20:
β−アリルスルホンと熱不安定性ジメタクリレート15との組み合わせの効率の決定
連鎖調節β−アリルスルホンと、熱不安定性ジメタクリレート15(=実施例15のキャッピングされたイソシアネートモノマー)との組み合わせの効率を試験するために、実施例16と同様にして、下記のポリマーロッドを調製した:
A1MAおよび2(実施例2由来の連鎖移動剤、25DB、41重量%)、
A2MAおよび15(実施例15由来の熱不安定性ジメタクリレート;67重量%)の等モルジメタクリレート配合物、
A3 A2および1(実施例1由来の連鎖移動剤、25DB、36重量%)、
A4 A2および2(実施例2由来の連鎖移動剤、25DB、31重量%)、
A5 15(実施例15由来の熱不安定性ジメタクリレート)および2(実施例2由来の連鎖移動剤、50DB、50重量%)の等モル配合物。
比較例
ネットワークを破壊するために、キャッピングされたイソシアネートにより誘導されるガス形成が、ネットワーク(より低密度のネットワーク)の制御により許容されるかどうかを試験するために、DMTA実験を行った。DMTAユニットを備えたAnton Paarレオメーター(MCR 301)を使用して、−100℃から200℃の温度範囲にわたり、0.1%の撓みおよび1Hzの周波数で、上記の5個の試料を実施例16に従って振動させた。得られた結果を図3および図4と表5に示す。
比較例A1は、急なガラス転移を有する改質ネットワークを表す。ここで、熱不安定性架橋剤は含まれない。
ネットワークA2(DMAおよび熱不安定性ジメタクリレート架橋剤15の純粋なジメタクリレートネットワーク、67重量%)もまた比較として使用され、全温度領域にわたって急な熱転移を示さない。熱不安定性ジメタクリレート架橋剤15の分解により誘導されたガス形成は、高密度ネットワークに起因して観察できなかった。
本発明によるβ−アリルスルホン1または2(25DB;36重量%のA3または31重量%のA4)を添加することにより、必要に応じた剥離領域を標的温度間隔中に設定可能となった。さらに、A3およびA4の架橋密度は、ラジカル光重合の制御により、A2に対して低下した。ネットワークA5(50DB、50重量%)は、より低い架橋密度(G’<2MPa)であっても、より高い均一性のネットワーク(FWHM=18℃)を示す。本発明によるβ−アリルスルホンの高含量のために、熱ガラス転移は、室温で既に開始され、その材料は比較的柔軟であることが容易に理解され得る。それにもかかわらず、ビス−GMAなどのモノマーの添加により、機械的特性を向上させることができる。
表5には、DMTA分析を行った際の特徴値が示され、本発明によるβ−アリルスルホン1および2を使用することにより、光重合体のネットワーク密度を調整することができ、それにより急な熱ガラス転移が得られる(FWHM=18〜26℃)ことが記載される。これはポジティブな効果であり、必要に応じた剥離のために使用することができる。ここでTgが42℃という既に非常に低いA5(50重量%の2、FWHM=18℃)の非常に狭いガラス転移に基づくと、このことはなお一層明らかである。次に、調査したネットワークA1〜A5のDMTA測定後のポリマーロッド(図5)を見てみると、キャッピングされたイソシアネート15は、ネットワークA2の高架橋密度のために分解せず、また、明らかなガス形成がないことが理解され得る。より結合の緩いネットワークのA3およびA4(36重量%または31重量%の2)では、既に変色を認めることができ、これは、熱的に誘導された反応を指す。それにもかかわらず、ネットワークA2〜A4の貯蔵弾性率は、不変のままであり、これらのネットワークは熱処理により破壊されていない。
しかし、図5(右側)のネットワークA5について考えると、ここで熱処理中に、15が原因となって、誘導されたガス形成が発生したことが理解され得る。ガス形成は、約110℃を超えると、容易に目視により観察可能であった。ポリマーネットワークは気泡により膨張し、生じた気孔が機械的特性の劣化を引き起こす。これにより、ネットワーク密度に応じて、熱不安定性ジメタクリレート架橋剤15の誘導された開裂およびその後のガス形成が起こることが示され得る。この効果を、目的とする必要に応じた剥離のために使用することができる。

Claims (16)

  1. 少なくとも1つの式Iの化合物:
    (式中、
    Aは、H;−CN;CH、C、OH、OCH、O−COCH、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アクリルアミド基などの置換基の1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基;あるいは1,4−フェニレン基、ウレタン基、OまたはSの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アクリルアミド基を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり;
    は、H、脂肪族直鎖状または分枝状C〜Cアルキルラジカル、トリルまたはフェニルであり;
    Lは、SR、CO−フェニル、SO、PO(R)、PO(OR)(R)、PO(OR)(OR)またはハロゲンであり、式中、
    2〜9は、各場合にて互いに独立して、CH、C、OH、OCH、−O−COCH、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213などの置換基の1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基であるか;あるいはOまたはSに介在され得、かつ末端位置に、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレンラジカルであり、式中、R11〜13は、各場合にて互いに独立して、直鎖状または分枝状C1〜6ラジカルであり;
    Xは、−COO−、−CON(R10)−または存在せず、Aへの結合は、OまたはNを介して起こり、式中、
    10は、H;あるいはOまたはSの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に、重合性ビニル、(メタ)アクリロイルオキシ、(メタ)アクリルアミド基、−C(=CH)−COOR11または−C(=CH)−CO−NR1213を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり、式中、R11〜13は、各場合にて互いに独立して、直鎖状または分枝状C1〜6残基であり;
    nは、1〜6の整数である)
    ならびに少なくとも1つの熱不安定性ラジカル重合性化合物および/または少なくとも1つの感光性ラジカル重合性化合物を含む、ラジカル重合性歯科用材料。
  2. 前記式Iの変数が、以下の意味を有する、請求項1に記載の歯科用材料:
    Aは、H、−CN、フェニル残基、脂肪族直鎖状または分枝状C〜C15アルキル残基であって、1,4−フェニレン基、ウレタン基、またはOの1つまたは1つより多くに介在され得、かつ末端位置に、重合性(メタ)アクリロイルオキシ基を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C15アルキル残基であり;
    は、H、フェニル、トリル、脂肪族直鎖状C〜Cアルキルラジカルであり;
    Lは、SRまたはSOであり、式中、
    2〜3は、各場合にて互いに独立して、Oに介在され得、かつ末端位置に、重合性(メタ)アクリロイルオキシ基または−C(=CH)−COOR11を保持し得る脂肪族直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン残基であり、式中、R11は、直鎖状または分枝状C1〜3ラジカル;あるいは置換基、好ましくは、CH、C、OCH、および/またはO−COCHの1つまたは1つより多くを保持し得るフェニル残基であり;
    Xは、−COO−または−CON(R10)−であり、式中、R10は、メチルであるかまたは存在せず、
    nは、1または2である。
  3. 前記式Iの変数が、以下の意味を有する、請求項2に記載の歯科用材料:
    Aは、1〜12個の炭素原子を有し、1,4−フェニレン基、ウレタン基またはOの1つまたは1つより多くに介在され得、かつメタクリロイルオキシ基を保持し得る、飽和直鎖状脂肪族炭化水素残基であり;
    Xは、−COO−または−CON(R10)−であり、式中、R10は、メチルであるかまたは存在せず;
    は、Hであり;
    Lは、−SOであり、式中、Rは、CHまたはトリルであり;
    nは、1または2である。
  4. 前記式Iの変数が、以下の意味を有する、請求項3に記載の歯科用材料:
    Aは、6〜12個の炭素原子を有し、1〜3個のO原子に介在され得る、飽和直鎖状脂肪族炭化水素残基であり;
    Xは、−COO−であり;
    は、Hであり;
    Lは、SOであり、式中、Rは、CHまたはトリルであり;
    nは、1または2である。
  5. 熱不安定性ラジカル重合性化合物として、熱不安定性多官能性(メタ)アクリレートもしくは熱不安定性多官能性(メタ)アクリルアミドおよび/または、感光性ラジカル重合性化合物として、少なくとも1つの感光性多官能性(メタ)アクリレートもしくは少なくとも1つの感光性多官能性(メタ)アクリルアミドを含む、請求項1〜4の1項に記載の歯科用材料。
  6. 熱不安定性ラジカル重合性化合物として、2つの(メタ)アクリル基または(メタ)アクリルアミド基の間に、少なくとも1つの熱不安定性基を有する多官能性(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミド、フルフリルメタクリレートおよびN−(3−(メタクリロイルオキシ)プロピル)マレイミドからのディールス・アルダー付加物、N−ヒドロキシ−(メタ)アクリルアミドと、ジイソシアネートまたはトリイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートまたは前記HDIのトリマーとの反応生成物、ジイソシアネートまたはトリイソシアネートと、1−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル、1−ヒドロキシメチルアクリル酸エチルエステルと、またはβ−ケトエステル(メタ)アクリレートもしくは2−アセトアセトキシエチルメタクリレートとの化学量論反応により得られ得る生成物、ガスを放出する熱不安定性架橋性モノマー、アゾビス(4−シアノ吉草酸)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−ヒドロキシペンチル)メタクリルアミドまたはN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドとのエステル化生成物から選択されるモノマーを含む、請求項1〜5の1項に記載の歯科用材料。
  7. 感光性ラジカル重合性化合物として、ベンゾインエーテル、オキシアルキルフェニルアセトフェノン、ジアルキルオキシアセトフェノン、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ジベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ジアルキルベンゾイルゲルマニウム誘導体およびジアルキルジベンゾイルゲルマニウム誘導体から選択される感光性基を有するモノマーを含む、請求項1〜6の1項に記載の歯科用材料。
  8. 感光性ラジカル重合性化合物として、1つの感光性基および2つの重合性(メタ)アクリレート基を有するモノマー、ビス−(4−メタクリロイルオキシベンゾイルジエチルゲルマニウム、ビス−{4−[2−(メタクリロイルオキシ)ジエチルカルバモイルオキシベンゾイル}ジエチルゲルマニウム、ビス−[3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,4,6−トリメチルベンゾイル]フェニルホスフィンオキシドまたはメタクリル酸2−[2−(4−{2−メチル−2−[2−(メタクリロイルオキシ)エチルカルバモイルオキシ]−プロピオニル}−フェノキシ)−エトキシカルボニルアミノ]エチルエステルを含む、請求項1〜7の1項に記載の歯科用材料。
  9. 少なくとも1つの多官能性(メタ)アクリレートまたは単官能性(メタ)アクリレートおよび多官能性(メタ)アクリレートの混合物をさらに含む、請求項1〜8の1項に記載の歯科用材料。
  10. 少なくとも1つのラジカル重合性酸基含有モノマーを含む、請求項1〜9の1項に記載の歯科用材料。
  11. 前記ラジカル重合用の少なくとも1つの開始剤、好ましくは光開始剤をさらに含む、請求項1〜10の1項に記載の歯科用材料。
  12. 以下を含む、請求項1〜10の1項に記載の歯科用材料:
    各場合にて前記歯科用材料の合計質量に対して、
    0.5〜60重量%、好ましくは1.0〜50重量%、特に好ましくは1.0〜40重量%の少なくとも1つの一般式Iの化合物、
    0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%の前記ラジカル重合用の開始剤(単数または複数)、ならびに
    1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%の二官能性熱不安定性(メタ)アクリレート(単数または複数)および/または二官能性感光性(メタ)アクリレート(単数または複数)。
  13. 以下の組成を有する、請求項12に記載の歯科用材料:
    各場合にて前記歯科用材料の合計質量に対して、
    (a)1〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは10〜60重量%の多官能性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
    (b)0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、特に好ましくは0.1〜3.0重量%の開始剤(単数または複数)、
    (c)0.5〜60重量%、好ましくは1.0〜50重量%、特に好ましくは1.0〜40重量%の少なくとも1つの一般式Iの化合物、
    (d)0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜30重量%の単官能性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
    (e)1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%の二官能性熱不安定性(メタ)アクリレート(単数または複数)および/または二官能性感光性(メタ)アクリレート(単数または複数)、
    (f)0〜80重量%、特に好ましくは0〜70重量%の充填材(単数または複数)、
    (g)0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは5〜30重量%の膨張添加剤(単数または複数)および/または放射線から熱への変換剤、
    (h)0〜60重量%、好ましくは0〜50重量%、特に好ましくは1〜50重量%の溶媒(単数または複数)、ならびに
    (i)0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%のその他の添加剤(単数または複数)。
  14. 接着剤またはセメントとして口腔内で使用するための、請求項1〜13の1項に記載の歯科用材料。
  15. 口外での歯科用修復物の製造または修繕のための、請求項1〜13の1項に記載の歯科用材料の使用。
  16. 必要に応じた剥離特性を有する接着剤またはセメントの調製のために、前記変数が、請求項1〜4の1項で定められる通りである、式Iの化合物の使用。
JP2017500997A 2014-07-11 2015-07-09 必要に応じた剥離特性を備えた歯科用材料 Active JP6715233B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14176730.1A EP2965740A1 (de) 2014-07-11 2014-07-11 Dentalmaterialien mit Debonding-on-Demand-Eigenschaften
EP14176730.1 2014-07-11
PCT/EP2015/065779 WO2016005540A1 (de) 2014-07-11 2015-07-09 Dentalmaterialien mit debonding-on-demand eigenschaften

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017523160A true JP2017523160A (ja) 2017-08-17
JP6715233B2 JP6715233B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=51167757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017500997A Active JP6715233B2 (ja) 2014-07-11 2015-07-09 必要に応じた剥離特性を備えた歯科用材料

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10213367B2 (ja)
EP (2) EP2965740A1 (ja)
JP (1) JP6715233B2 (ja)
CN (1) CN106659641B (ja)
ES (1) ES2711298T3 (ja)
WO (1) WO2016005540A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3091037A1 (de) 2015-05-07 2016-11-09 Ivoclar Vivadent AG Sulfonsäureester als regler in radikalischen polymerisationsreaktionen
JP7012329B2 (ja) * 2017-02-24 2022-02-14 国立大学法人信州大学 α-(ハロメチル)アクリル化合物、重合体、重合体の製造方法、硬化物の製造方法及び硬化物
ES2767850T3 (es) * 2017-07-06 2020-06-18 Ivoclar Vivadent Ag Materiales poliméricos con reactivos de transferencia a base de silano
EP3621089B1 (de) 2018-09-10 2021-08-25 Ivoclar Vivadent AG Dentalmaterial mit magnetpartikeln mit verbesserter farbabschirmung
EP3659575A1 (de) * 2018-11-28 2020-06-03 Ivoclar Vivadent AG Photopolymerisierbare dentale komposite mit schneller aushärtung und geringer schrumpfspannung
EP3769943A1 (de) * 2019-07-22 2021-01-27 Ivoclar Vivadent AG Behälter zum erzeugen einer zahnmedizinischen kunststoffmasse

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008535936A (ja) * 2005-02-10 2008-09-04 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド, ア ボディー コーポレイト 架橋ポリマーにおける応力緩和
JP2009520025A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱不安定性成分を含む歯科用組成物、およびその使用
JP2009540107A (ja) * 2006-06-16 2009-11-19 デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド 光重合性且つ光開裂性の樹脂及び低応力複合組成物
WO2013034778A2 (de) * 2011-09-08 2013-03-14 Ivoclar Vivadent Ag Dentalmaterialien auf basis von verbindungen mit debonding-on-demand eigenschaften

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19832629A1 (de) 1998-07-21 2000-02-03 Daimler Chrysler Ag Klebstoffsystem zur Bildung reversibler Klebeverbindungen
DE19832628C2 (de) 1998-07-21 2000-10-12 Daimler Chrysler Ag Transponderanordnung
US20070142498A1 (en) 2005-12-20 2007-06-21 Brennan Joan V Dental compositions including thermally responsive additives, and the use thereof
US7776940B2 (en) 2005-12-20 2010-08-17 3M Innovative Properties Company Methods for reducing bond strengths, dental compositions, and the use thereof
DE102009019483A1 (de) 2009-05-04 2010-11-11 Eads Deutschland Gmbh Klebstoff-Zusammensetzung für lösbare Klebeverbindungen und Modifikation der Verkapselungsmaterialien für gezielte Energieeinbringung
EP2578201B1 (de) * 2011-10-06 2020-11-25 Ivoclar Vivadent AG Dentalmaterialien mit verbesserter Hydrolysestabilität auf der Basis von Phthalsäuremonomeren

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008535936A (ja) * 2005-02-10 2008-09-04 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド, ア ボディー コーポレイト 架橋ポリマーにおける応力緩和
JP2009520025A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱不安定性成分を含む歯科用組成物、およびその使用
JP2009540107A (ja) * 2006-06-16 2009-11-19 デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド 光重合性且つ光開裂性の樹脂及び低応力複合組成物
WO2013034778A2 (de) * 2011-09-08 2013-03-14 Ivoclar Vivadent Ag Dentalmaterialien auf basis von verbindungen mit debonding-on-demand eigenschaften

Also Published As

Publication number Publication date
ES2711298T3 (es) 2019-05-03
CN106659641B (zh) 2020-08-07
US20170156993A1 (en) 2017-06-08
EP2965740A1 (de) 2016-01-13
CN106659641A (zh) 2017-05-10
JP6715233B2 (ja) 2020-07-01
WO2016005540A1 (de) 2016-01-14
EP3166568A1 (de) 2017-05-17
EP3166568B1 (de) 2018-11-21
US10213367B2 (en) 2019-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6715233B2 (ja) 必要に応じた剥離特性を備えた歯科用材料
JP6700247B2 (ja) 制御されたネットワーク構造を有する複合物
JP6077542B2 (ja) 付加開裂剤を含む歯科用組成物
JP6100262B2 (ja) 必要に応じた剥離特性を有するモノマーに基づく歯科材料
JP2018534249A (ja) アシルゲルマニウム光開始剤およびその調製のための方法
JP7096814B2 (ja) アシルスズ化合物を含む重合性組成物
JP5688933B2 (ja) アシルホスフィンオキシド化合物及びそれを含む重合性組成物
JP5601872B2 (ja) 含イオウ重合性化合物およびそれを含有する接着性組成物
JP5688939B2 (ja) ビスアシルホスフィンオキサイド化合物及びそれを含む重合性組成物
JP6726276B2 (ja) 熱的に切断可能な化合物をベースとした重合性組成物
CN113292594B (zh) 长波吸收光引发剂
JP7356456B2 (ja) 歯科用接着性組成物
JP2019501230A5 (ja)
JP5660707B2 (ja) 酸性基を有する重合性化合物およびそれを含有する接着性組成物
JP3612287B2 (ja) 加水分解に安定であり、重合可能なアクリロホスホン酸モノエステル
JP2006199695A (ja) 酸基を有する加水分解安定性モノマー
JP2022120823A (ja) 重合可能なチオ尿素誘導体に基づく歯科材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6715233

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250