JP2006199695A - 酸基を有する加水分解安定性モノマー - Google Patents

酸基を有する加水分解安定性モノマー Download PDF

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Abstract

【課題】セルフコンディショニングする接着剤の製造のために適している加水分解安定性のモノマーを提供すること
【解決手段】式I R−O−CO−C(=CHR)−Y−O−Q(AH)[式中、Aは−CO 基又は−SO 基を表し、これらはHと一緒にAHを生じ;QはC〜C12−アルキレン、−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレン又はC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ又はハロゲンで置換されていてもよいC〜C15−アリーレンを表し、その際、アリーレンの場合にこのアリール基は他の酸基Aを有することができ;YはC〜C12−アルキレン又は−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレンを表し;Rはメチル又はHを表し;RはC〜C−アルキルであり;かつnは1、2又は3の値をとる]の化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸基を有する加水分解安定性モノマー、その製造及び使用に関する。
数年来、歯科分野においてセルフエッチング型接着剤は公知である。前記接着剤は、エッチング工程とボンディング工程とを統合するため、ポリマー充填材もしくは複合充填材用の表面が調製される。一般には、二成分材料であり、これは適用前に直接混合されるか又は順番に塗布しなければならない。最初の一成分のワンボトル型接着剤のひとつは、iBONDTM Gluma Inside (Heraeus Kulzer社)で市販されていて、この場合、二つの成分の混合又は順番に行われる塗布は必要ない。iBONDTM Gluma Insideは冷所(4〜10℃)で保存しなければならないことが欠点とみなされている、それというのも比較的高い温度で貯蔵する間に成分の加水分解により容器中での早期の重合が行われる可能性があるためである。
歯科材料のために既に多様な加水分解安定性モノマーが提案されていて、その中でシロキサン基を有するスルホン酸誘導体(WO03070198A1, US20030187094A1)及びシロキサン基を有していないスルホン酸誘導体(US20030055124A1)並びにアクリルエステルホスホン酸及びそのエステル(US6710149B2, DE10206451A1, US6172131B1, US6812266B2)、アミド(DE10101523A1, WO03035013A1)、又はPO含有基を有するカルボン酸誘導体(DE10242106A1)が挙げられる。
例えば、この製品Adhese((Ivoclar Vivadent社)中には加水分解安定性のホスホン酸エーテルアクリラートが酸性成分として添加されている。
セルフエッチング型歯科用接着剤を使用する場合に、コンディショニングの工程と、引き続く接着剤の適用(ボンディング)の工程とが一つの工程に統合される。リン酸を用いた歯牙硬質物質(エナメル質、象牙質)は事前に別個にエッチングが行われない。象牙質の場合に、酸含有接着剤系はスメア層(Schmierschicht)を溶かし、その下にある象牙質を露出させるか、もしくはスメア層を接着剤に対して浸透可能にする。これと同時に歯牙硬質物質内へのモノマーの浸透が行われる。エナメル質の場合には、酸含有接着剤系によりリン酸エッチングに似たエッチングパターンが生じる。最後に、エッチングプロセス及び浸透のために必要な溶剤はエアブローを用いて除去され、この接着剤は放射線硬化される。
セルフコンディショニングする接着剤は、活性成分として酸性の重合性モノマーを含有する。一般に、このモノマーは有機酸又は無機酸の(メタ)アクリル酸エステルである。酸性モノマーの例として、リン酸エステル、例えばHEMAホスファート、又はトリメリト酸/トリメリト酸無水物のエステルが挙げられる。
有機化学からは、エステルが酸性水溶液中で加水分解安定性ではないことは公知である。従って、前記の酸性モノマーを水溶液中で貯蔵する場合に数週間〜数ヶ月の間に加水分解しかねない。このように、HEMAホスファートの加水分解の場合に、次の化合物:メタクリル酸、HEMA及びリン酸が放出されることは明らかである。加水分解の速度は、特にpH値依存及び温度依存であり、冷蔵庫に保存する場合に明らかにゆっくりと進行する。
WO03070198A1 US20030187094A1 US20030055124A1 US6710149B2 DE10206451A1 US6172131B1 US6812266B2 DE10101523A1 WO03035013A1 DE10242106A1
本発明の課題は、セルフコンディショニングする接着剤の製造のために適している加水分解安定性のモノマーを提供することであった。
有機酸又はその無水物のエーテル化合物は、単独で又は他の酸性モノマーとの組合せで、十分なエッチング特性及びボンディング特性を有する加水分解安定性の酸性モノマーを得るための他の手段であることが見出され、前記課題は解決された。
本発明は、式I
−O−CO−C(=CHR)−Y−O−Q(AH) (I)
[式中、Aは−CO 基又は−SO 基を表し、これらはHと一緒にAHを生じ;
QはC〜C12−アルキレン、−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレン又は場合によりC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ又はハロゲンで置換されたC〜C15−アリーレンを表し、その際、アリーレンの場合にこのアリール基は他の酸基Aを有することができ;
YはC〜C12−アルキレン又は−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレンを表し;
Rはメチル又はHを表し;
はC〜C−アルキルであり;かつ
nは1、2又は3の値をとる]の化合物に関する。
は、C〜C−アルキルとして、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル又はそれらの異性体の形を表す。
Y又はQはC〜C12−アルキレンとして、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、デカメチレン又はドデカメチレンを表す。
−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレン基は、例えば−CH−O−CHCH−O−CH−、−CH−(O−CHCH−O−CH−、−CH−(O−CHCH−O−CH−、−CH−(O−CHCH−O−CH−及び殊に−CHCH−O−CHCH−O−CHCH−、−CH−CH−NMe−CH−CH−又は−CHCH−S−CHCH−であり、その際、Meはメチルである。
〜C15−アリーレンは、例えばo−、m−又はp−フェニレン、1,4−ナフチレン及び4,4′−ジフェニレンであることができる。
〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ又はハロゲンで置換されたC〜C15−アリーレンは、例えば環に−CH、−C、−OCH又はCl置換基を有する前記のo−、m−又はp−フェニレン、1,4−ナフチレン及び4,4′−ジフェニレンである。
式Iの化合物は、殊に接着剤、セメント、複合材料及び成形体の成分として並びに有利に歯科材料の成分として使用することができる。この場合、前記化合物は少なくとも部分的に重合した形で存在することも可能である。
式Iの加水分解安定性の酸性の重合性モノマーを接着剤調製物中に使用する場合に貯蔵安定性が改善される。他の加水分解安定性でかつ重合性の分子と組み合わせることで、長期間安定性を保証するために冷所貯蔵は必要でない。
式Iの化合物は、特に充填材料、例えば複合材料、Compomere及びOrmocereを直接固定するための歯科用接着剤に適している。
相応して、本発明は
A 少なくとも1種の式Iの化合物
B 少なくとも1種の他の重合性モノマー
C 1種又は数種の開始剤並びに場合により次のグループからなる物質
D 充填剤、顔料、安定剤、UV吸収剤、着色剤並びに離型剤
を含有する組成物にも関する。
有利に、このような接着剤は、付加的に酸性成分を保護するか又は中和する層及び間接的な実験室で調製された、セラミック又は複合材料からなる充填材料の固定のための固定セメントとの関連で使用することもできる。
式Iの化合物は、更にフィッシャーシーラント又は審美的塗料中の添加物として適している。
重合性モノマー、開始剤、充填剤、顔料及び安定剤は、歯科分野の当業者に公知である。
慣用の、ラジカル重合性モノマーとして、特に二官能性架橋剤モノマーが適している。接着剤又は歯科材料の製造のために、特に架橋性の二官能性又は多官能性アクリラート又はメタクリラート、例えばビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリラート、メタクリル酸とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルとのBis−GMAと称される添加剤製品、ヒドロキシエチルメタクリラートと2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートとのUDMAと称される添加剤製品、ジ−、トリ−又はテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、デカンジオールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート及びペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリラートが適している。同様に、(メタ)アクリル酸の相応するジオールによるエステル化により得られた化合物、ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリラート及び1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリラートも適している。
更に、本発明による組成物は機械的特性の改善のために有機粒子又は無機粒子又は繊維を充填することができる。有利な無機粒子状の充填剤は、SiO、ZrO及び/又はTiOからなる混合酸化物をベースとする非晶質の球状材料、微粉末充填剤、例えばヒュームドシリカ又は沈殿シリカ、並びにマクロ充填剤、ミクロ充填剤、ナノ充填剤、例えば0.001〜5μmの平均粒子径を有する石英粉末、ガラスセラミック粉末又はガラス粉末である。最後に、エックス線不透性充填剤、例えば三フッ化イッテルビウム、又はガラス繊維、ポリアミド繊維又は炭素繊維を使用することもできる。
本発明による組成物は、必要な場合に他の成分、特に溶剤、例えば水、酢酸エチル、アセトン、エタノール又はこれらの混合物、並びに安定剤、UV吸収剤、着色剤、顔料又は離型剤を含有することもできる。
式Iの化合物は、特に、歯科用接着剤の成分として及び象牙質又はエナメル質のエッチング及びボンディングのための薬剤の成分として、また他の歯科材料、例えば固定セメント、修復複合材料、アンダーフィル材料、歯科用塗料、フィッシャーシーラントの成分として適している。このような材料は、多様な基材、例えば歯牙硬質物質及び金属基材上での極めて良好な付着を特徴とする。相応して、本発明は、式Iの化合物を含有する材料、並びに前記材料の製造のための式Iの化合物の使用にも関する。
式Iの化合物の加水分解安定性は、この場合に、本発明による材料に同様に極めて良好な加水分解安定性を付与する。このことは、重合していない材料並びに重合した材料にも該当する。高い加水分解安定性は、持続的に水性媒体にさらされているような材料にとって必然的に特に重要であり、これはまさに、口腔内に長期間存在することが考慮されている歯科材料において該当する。
重合の実施のために、公知のラジカル開始剤(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Vol. 13, Wiley-Interscience Publisher, New York 1988, 754 ff参照)を使用することができる。これは、特にアゾ化合物、例えばアゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)又はアゾビス−(4−シアン吉草酸)又は過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、tert−ブチルペルオクトアート、tert−ブチルペルベンゾアート又はジ(tert−ブチル)ペルオキシドが適している。
熱硬化用の開始剤として、ベンゾピナコール及び2,2′−ジアルキルベンゾピナコールが適している。
更に、UV線又は可視波長の光を用いて重合させるための光開始剤(J. P. Fouassier, J. F. Rabek (Hrsg.), Radiation Curing in Polymer Science and Technology, Vol. II, Elsevier Applied Science, London und New York 1993参照)、例えばベンゾインエーテル、ジアルキルベンジルケタール、ジアルコキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキシド、アルファ−ジケトン、例えば9,10−フェナントレンキノン、ジアセチル、フリル、アニシル、4,4′−ジクロロベンジル及び4,4′−ジアルコキシベンジル、及びカンファーキノンを使用することもできる。
式Iの化合物の製造は、自体公知の方法により、例えば式II
−O−CO−C(=CHR)Y−Br (II)
の化合物を、式III
HO−Q(AL) (III)
の化合物と反応させることにより行われ、その際、Lはプロトンを置き換える保護基を表す。
有利に、この反応は非プロトン性溶剤中で、有利にジメチルホルムアミド(DMF)中で実施される。これは室温で開始するのが有利である。発熱は冷却を必要とすることができる。
次の実施例は本発明の実施態様を説明するが、本発明を制限するものではない(パーセントの表示は、特に記載がない限り質量に関するものである)。
実施例1: 4−(2−エトキシカルボニル−アリルオキシ)−フタル酸
前中間体A1: 「5−ヒドロキシ−1,2−ジカルボン酸」
出発材料: 4−スルホフタル酸(工業的)100ml、水中50%(d=1.292);NaOH粒131.4g
4−スルホフタル酸溶液に鋼製ビーカー中で注意深く、最初のNaOH粒30gを添加する。その際、混合物を沸点まで加熱する。2個の添加された沸騰石は著しい沸騰遅延を抑制する。ビーカーを210℃に予熱された油浴中に浸漬し、スパチュラで撹拌しながら残りのNaOH粒を少しずつ添加した。導入の間に、繰り返しいくらかの泡立ちが観察され、この泡立ちは撹拌及び暫時の短時間の浴の低下により制御しながら維持した。完全に添加した後、約30分以内に浴温度を200゜に低下させ、この懸濁液をスパチュラで暫く撹拌しながら2時間反応させた。
この懸濁液を鋼製ビーカーに注ぎ、凝固の間にスパチュラで引っ掻き、大きな表面積を維持した。全部で1.5リットルの水を用いて溶解させ、ビーカーガラス中に注ぎ込んだ。外側から氷冷しながら、濃HCl 340mlで酸性に調節した。この温度をその間に暫く50℃にまで上昇させた。酸性化の後に約2リットルのほとんど無色透明な溶液が得られた。この溶液を、酢酸エステル500mlで1回、酢酸エステル300mlで2回抽出した。この有機相を、希食塩水150mlで2回、濃食塩水100mlで1回洗浄した。MgSOで乾燥した後に濾過し、蒸発により濃縮し、回転蒸発器(Rotavapor)で乾燥させた。粗製生成物として無色結晶42.2g(86%)が得られた。
この粗製生成物は、他のバッチ(40.6g)の粗製生成物と一緒に、酢酸エステル400mlと共に30分間加熱還流させた。室温に冷却した後、一晩中放置した。この懸濁液を氷浴中で冷却し、濾過し、氷冷酢酸エステルで洗浄した。濾過後に、乾燥庫中で真空中で50℃で乾燥させた。酢酸エステルから再結晶により、無色結晶68.26gが得られた、Fp:202〜203℃、0.524Molに対して収率71.5%。
HPLC及びNMRは異性体不含の生成物を示した。
中間体A: 5−ヒドロキシフタル酸無水物
段階1の生成物を有するフラスコを、約200℃に予熱した油浴に浸漬した。数分後に、以前に無色の結晶が褐色に変色し、次いで軽度に泡立ちながら、明褐色の溶融物に移行した。30分後にフラスコを浴から引き上げた。これは即座に晶析が始まった。
粗重量は0.39gであった。NMR、HPLC及びLC−MSのために、SO1081.015として粗製
Fp:162℃から焼結、164〜169℃で溶融。
この生成物を後のバッチと一緒に再結晶させた。
前中間体B1 2−ヒドロキシメチル−アクリル酸エチルエステル
水中のCHO溶液(37%)16.2mlを、アクリル酸エチルエステル65.2ml、ジオキサン1800ml及びDABCO 22.4gと合わせ、室温で撹拌した。14時間後に、HPLCにより反応の進行を調査した。まず回転蒸発器(Rotavapor)で約40℃の浴温度で、<70mbarの圧力で溶剤を留去し始めた。その際、過剰量のアクリルエステルも留去された。残留する透明な水溶液を、分液漏斗中でメチル−tert−ブチルエーテルで3回抽出した。この抽出物を、食塩水で2回洗浄し、硫酸Mgで乾燥させ、濾過し、蒸発により濃縮させた。残留物として、無色透明な油状物17.3g(66.5%)が得られ、これはNMRによるとなお約20Mol%のジオキサンを含有していた。
参考文献:Chengzhi Yu et al. J. Org. Chem. 2001, 66 5413-5418。
中間体B 2−ブロモメチル−アクリル酸エチルエステル
2−ヒドロキシメチル−アクリル酸エチルエステル10gをエーテル中に装入し、−15℃に冷却し、PBr 3.2ml(9.26g)5分以内に滴加した。冷却をやめ、室温で2時間撹拌した。
無色の溶液から極めてわずかな白色沈殿物が析出した。再び−15℃で冷却し、水100mlを滴加した。最初にいくらかガス発生しながら発熱性であるが、約10mlを滴加した後では、残りを急速に供給することができる。相を分離し、水相をジエチルエーテル(3×50ml)で抽出し、合わせた有機相を水で2回及び食塩水で1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発により濃縮した。透明なわずかに黄色がかった液体13.67gが生じた。
4−(2−エトキシカルボニル−アリルオキシ)−フタル酸
中間体A(11.55g)及びB(13.67g)をDMF100ml中に撹拌しながら装入し、室温で炭酸カリウム4.65gを添加した。即座に懸濁液の黄色着色及び軽度にガス発生が生じる。この反応は、弱い発熱性である。念のために、冷水浴を冷却手段としてフラスコの下に置いた。室温で2時間撹拌させた。後処理の後に、無色の結晶残留物20.52gが乾燥して得られた。
この粗製生成物を酢酸エステル80mlと共に沸騰させて溶かし、黄色の溶液を濾過した。引き続き、回転蒸発器(Rotavapor)を約200mbarで酢酸エステルを留去し、溶液の最終重量約61gが生じた。これは、約47gの酢酸エステル割合に相当した。シーディングの際に、生成物は無色の極めて微細な針状結晶の形で晶出し始めた。エーテル20mlを添加し、氷浴中で冷却した。濾過後に、氷冷した酢酸エステル/エーテル混合物で洗浄し、真空乾燥庫中で40℃で乾燥させた。
収量10.52g(50.8%)無色の結晶
Fp:−148℃
この母液を蒸発により濃縮し、更に結晶となった残留物をエーテルと共に温浸した。3時間後に室温で濾過し、エーテルで洗浄した。真空中で乾燥した後、第2のフラクションとして無色の結晶2.54g(12.2%)が生じた。
実施例2A−D: 接着剤調製物中での酸性モノマーとしての効果の試験
成分を強力に混合することにより次の調製物を製造した:
Figure 2006199695
接着剤調製物中での酸性モノマーとして効果を、象牙質及びエナメル質に関する剪断接着強度の測定により試験した。0.5%クロラミンT溶液中で抽出後に最長3ヶ月間貯蔵されたヒトの歯牙を利用した。結合試験において使用する前に、歯牙を注意深く流動水で洗浄した。結合試験において使用する日の前に、歯牙を単独で隣接面を横にしてTechnovit 4001でシリンダ状のゴム型に埋め込んだ。この歯牙を、粒度80、240及び最後に600のSiCペーパーを用いる湿式研磨により研磨して、3.5mmの直径を有するプラスチックシリンダの結合のために十分な大きさの象牙質面積並びにエナメル質面積を露出させた。脱塩水を用いて濯いだ後に、この歯牙を空気流中で乾燥させた。歯牙表面上へ、実施例2A−Dからの調製物を、刷毛で3層に塗布し、圧縮空気流中で乾燥させ、照射装置Translux(R) Energy (Heraeus Kulzer)で20秒間照射した。このように前処理した試料を、引張装置を用いて2つに分割されたシリンダ状のテフロン型(直径3.5mm、高さ1mm)の下に狭着固定した。その後で、プラスチック−充填材料Charisma(R) (Heraeus Kulzer)をテフロン型中に充填し、酸素不透過性のPEシートで覆い、照射装置Translux(R) Energy (Heraeus Kulzer)で20秒間照射した。直後にテフロンを除去し、シリンダ状の試料を37℃の温度の水中で24時間、剪断負荷をかけるまで貯蔵した。さらに、シリンダ状の試料を一般の試験装置中で加圧スタンプを用いて研磨された歯牙表面に対して平行でかつその表面に緊密に接するように1mm/minの速度で、プラスチックシリンダが歯牙から分離するまで負荷した。剪断接着強度は、破壊力と結合面積との商であり、それぞれ8つの試料について測定し、その際平均値を表中に記載した。
結果:
Figure 2006199695
象牙質及びエナメル質への剪断接着性の測定は、式Iの化合物、4−(2−エトキシカルボニル−アリルオキシ)−フタル酸が接着剤中の酸性モノマーとして有効であることを確認した。

Claims (6)

  1. 式I
    −O−CO−C(=CHR)−Y−O−Q(AH) (I)
    [式中、Aは−CO 基又は−SO 基を表し、これらはHと一緒にAHを生じ;
    QはC〜C12−アルキレン、−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレン又はC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ又はハロゲンで置換されていてもよいC〜C15−アリーレンを表し、その際、アリーレンの場合にこのアリール基は他の酸基Aを有することができ;
    YはC〜C12−アルキレン又は−O−、>N−又は−S−により中断されたC〜C12−アルキレンを表し;
    Rはメチル又はHを表し;
    はC〜C−アルキルであり;かつ
    nは1、2又は3の値をとる]の化合物。
  2. 式II
    −O−CO−C(=CHR)Y−Br (II)
    の化合物を、式III
    HO−Q(AL) (III)
    [式中、Lはプロトンを置き換える保護基を表す]の化合物と反応させることを特徴とする、請求項1記載の式Iの化合物の製造方法。
  3. A 請求項1記載の少なくとも1種の式Iの化合物
    B 少なくとも1種の他の重合性モノマー
    C 1種又は数種の開始剤並びに場合により
    D 充填剤及び/又は顔料及び/又は安定剤
    を有する組成物。
  4. 請求項1記載の式Iの少なくとも1種の化合物を含有する歯科材料。
  5. 固定セメント、修復複合材料、アンダーフィル材料、歯科用塗料、フィッシャーシーラント、歯科用接着剤又は象牙質又はエナメル質のエッチング及びボンディングのための薬剤の形の請求項4記載の歯科材料。
  6. 固定セメント、修復複合材料、アンダーフィル材料、歯科用塗料、フィッシャーシーラント、歯科用接着剤又は象牙質又はエナメル質のエッチング及びボンディングのための薬剤の製造のための請求項1記載の式Iの化合物の使用。
JP2006008263A 2005-01-17 2006-01-17 酸基を有する加水分解安定性モノマー Withdrawn JP2006199695A (ja)

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