JP2017521451A - 微細藻類バイオマスから可溶性タンパク質を抽出するための方法 - Google Patents

微細藻類バイオマスから可溶性タンパク質を抽出するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、クロレラ属(genus Chlorella)の微細藻類のバイオマスのタンパク質単離物を調製するための方法であって、次の工程:発酵により産生される微細藻類バイオマスを供給すること;任意選択により、可溶性の間隙化合物を排除するためにこのバイオマスを洗浄すること;10秒〜5分間、好ましくは10秒〜1分間にわたり、50〜150℃、好ましくは100〜150℃の温度でこのバイオマスを熱透過処理すること;可溶性画分を得るために、前面または十字流ろ過、凝結および遠心分離、特に多段階遠心分離からなる群から選択される固体−液体分離の技術によって、このようにして透過処理されたバイオマスを排除すること;任意選択により、そこから残留不溶性要素を除去するような方法で精密濾過によって、このようにして得られた可溶性画分の回収および清澄化を行うこと;可溶性タンパク質単離物を生成させるために、5kDa未満、好ましくは1〜5kDaのカットオフ閾値の膜上で前記可溶性画分の限外ろ過を行うこと;次いで前記タンパク質単離物の蒸発、低温殺菌および微粒化を行うことを含むことを特徴とする、方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、微細藻類バイオマスから可溶性タンパク質を抽出するための方法に関する。
本発明はまた、このようにして得られる微細藻類タンパク質単離物にも関する。
クロレラが、タンパク質および他の必須栄養素が豊富であることから、食物源となる可能性があることは当業者にとって周知である。
これらは、タンパク質を45%、脂肪を20%、炭水化物を20%、繊維を5%および無機質およびビタミンを10%含有するものとして記載されている。
このように、それらの存在量およびそれらのアミノ酸プロファイルを考えると、微細藻類タンパク質は、食物中のダイズまたはエンドウマメタンパク質に対する代替源とみなされる。
このタンパク質画分は、化粧品またはさらに医薬、工業において機能性物質としても活用され得る。
しかしながら、前記画分中に望ましくない化合物(クロロフィルなど)が存在し、それらを含有する食品組成物の色、風味および構造の望ましくない変化につながるため、微細藻類タンパク質に対する食品用途における開発は重大なものではなかった。
したがって、食品用途におけるそれらの可能性を向上させるため、およびまたそれらの商業的価値を向上させるためにも、これらのタンパク質を、その分子構造に影響を及ぼすことなく、微細藻類から抽出しなければならない。
したがって、溶解性が高く、良好な技術的および機能的特性を有するタンパク質を単離するために「穏やかな」抽出技術が必要であるが、微細藻類細胞壁、特に緑色微細藻類の細胞壁が強固であることにより、細胞内タンパク質の抽出および完全性が妨げられるので、基本的に、「穏やかな」抽出技術とは相容れないものである。
それどころか、このように、微細藻類細胞壁を破壊するために、従来的に「激しい」物理学的または化学的条件が使用される。
したがって、多くの研究によって、アルカリ溶解型、有機溶媒による抽出型または高圧ホモジナイズ処理型の技術が提案されている。
しかしながら、これらの技術的選択において、これらの方法のほとんどが分析目的のために開発されたものであるか、または酵素性消化により生成するタンパク質加水分解物のための基質を提供することが意図されたものなので、タンパク質の変性が厄介なものであるとは考えられなかった。
しかしながら、細胞構成成分の完全性を保持する有効な崩壊方法は、収率だけでなく、抽出される生成物の品質も最大化するということが求められる。
言い換えると、細胞壁の最適化された崩壊のための方法は、例えば:
− 標的生成物の化学的汚染、
− 使用する破壊エネルギーが高すぎること
を回避しなければならず、後者は対象の細胞内分子の不可逆的変性または分解を引き起こす可能性がある。
さらに、大規模産生に対して、この規模に転換可能である方法を選択することが重要である。
最終的に、この細胞崩壊工程の導入は容易でなければならず、後続の方法/処理工程に対して負の影響を与えてはならない。
これらの制限は全て、崩壊方法の効率および、さらにそのエネルギー消費に影響を与える。
これは、ビーズ粉砕技術が好ましい理由であるが、それは、ビーズ粉砕技術が、細胞内タンパク質をそのままの形で放出するのに効率的であると考えられるからである。
ビーズ粉砕において、細胞を小さな球形粒子とともに懸濁液中で撹拌する。細胞の破壊はずり応力、ビーズ間の粉砕およびビーズとの衝突により生じる。
適切なビーズ粉砕の記載は、例えば米国特許第5330913号明細書により与えられる。これらのビーズは、細胞の内容物が細胞から放出されるように細胞を破壊する。次に、元の細胞より小さいサイズの粒子の懸濁液が「水中油型」エマルジョンの形態で得られる。
このエマルジョンは、一般に微粒化され、水が排除されるが、しかしながら、細胞残渣、間隙可溶性化合物および油状物質から構成される不均一な混合物を含有する乾燥粉末が残存する。
これらの細胞崩壊技術の使用において解決が困難であるのは、(膜残渣、糖、繊維および脂肪の排除に対して)細胞内の内容物を単独で単離することおよび特にタンパク質負荷の品質の保全である。
テトラセルミス属(genus Tetraselmis sp)の微細藻類の場合、Anja Schwenzfeierら(Bioresource Technology,2011,102,9121−9127)は、次の工程:
− ビーズ粉砕による細胞崩壊、
− 粉砕された微細藻類懸濁液の遠心分離、
− 上清の透析、
− イオン交換樹脂への通過、
− 溶出物の透析、
− 変色、次いで
− 洗浄および再懸濁
を含む、単離され、夾雑物(着色物質など)が除去された、タンパク質のアミノグラムの溶解度および品質を保証する方法を提案した。
しかしながら、(24gのバイオマスを処理するための)この実験室レベルの方法は、工業スケールに規模を拡大することができず、完全なバイオマスを回収するために、むしろビーズ粉砕方法が使用される。
パルスフィールド電気処理など、微細藻類の細胞内の内容物を放出させるための技術を完全に変化させる、代替的な解決法が提案されている。
これは、高い強度のパルス電場への生物の細胞の曝露が細胞膜の構造を変化させ得るからである。
外部電場は膜の荷電を引き起こす。十分な膜横断電圧(0.5〜1V)で、リン脂質の分子配列が変化し、その結果、膜がその障壁的な役割を失い、透過性になる。使用される条件に依存して、この膜透過処理は可逆的であってもよいし、または不可逆的であってもよい。
しかしながら、細胞内化合物の効率的な抽出のために、当業者に対して、膜の不可逆的な透過処理を行い、それにより、結果的にその崩壊が起こるようにすることが依然として推奨されている。
次いで、この膜の破裂によって、細胞内容物の放出が促進され、追加の溶媒抽出技術を使用する場合、細胞への溶媒の浸透も促進される。
この技術は、有望ではあるものの、残念ながら1〜200mのリアクター中で産生されるバイオマスを処理するための工業スケールに当てはめることができない。
結果として、細胞を崩壊させるかまたはその構成成分の品質を損なうことなく、細胞内の内容物を放出可能である、微細藻類細胞壁を弱めるための技術を提供するという要求は未だ満たされていない。
出願会社は、微細藻類細胞の熱透過処理のための方法を遠心分離および膜分離(精密濾過、限外ろ過)の工程と組み合わせることにより、この要求を満たし得ることを見出した。
したがって、出願会社は、機械的崩壊により引き起こされるずり応力のような細胞破壊のための熱的方法が、微細藻類由来の産物を分解または変性させるために代わりに使用される技術であると言う技術的先入観には従わない(Richmond,1986,Handbook of Microalgal Mass Culture.CRC Press,Inc−Molina Grima et al.,2003,Recovery
of microalgal biomass and metabolites:process options and economics,Biotechnol.Adv.20:491−515)。
さらに、出願会社により開発された熱処理が細胞壁の崩壊を起こさないものであることを考慮すると、細胞内区画から一旦放出された後、分子の回収は遠心分離および膜分離により容易に行うことができる。
本発明は、特にペプチドおよびポリペプチドに、およびオリゴ糖に富む可溶性画分をクロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類のバイオマスから回収するように、クロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類のバイオマスを熱透過処理するための方法に関する。
より具体的には、本発明による方法は、クロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類のバイオマスからタンパク質単離物を調製するための方法であり、次の工程:
− 発酵により産生される微細藻類バイオマスを供給すること、
− 任意選択により、間隙可溶性化合物を排除するためにそのバイオマスを洗浄すること、
− 10秒〜5分の持続時間、好ましくは10秒〜1分の持続時間にわたり、50〜150℃、好ましくは100〜150℃の温度でバイオマスを熱透過処理すること、
− 可溶性画分を得るために、前面(frontal)または十字流(tangential)ろ過、凝結および遠心分離、特に多段階遠心分離からなる群から選択される固体−液体分離の技術によって、このようにして透過処理されたバイオマスを排除すること、
− 任意選択により、そこから残留不溶性物質を除去するための精密濾過によって、このようにして得られた可溶性画分の回収および清澄化を行うこと、
− 可溶性タンパク質単離物を得るために、5kDa未満、好ましくは1〜5kDaのカットオフ閾値の膜上で可溶性画分(回収および清澄の先行の工程がそれぞれ行われるか否かに依存して、清澄化されているかまたは未清澄)の限外ろ過を行うこと、次いで
− 前記タンパク質単離物の蒸発、低温殺菌および微粒化を行うこと
を含む。
微細藻類の選択
好ましくは、クロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類は、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)およびクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)からなる群から選択され、とりわけクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)である。
ある特定の実施形態において、株は、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)(株UTEX 250−The Culture Collection of Algae at the University of
Texas at Austin−USA)である。
別の特定の実施形態において、株は、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)(株UTEX1663−The Culture Collection of Algae at the University of Texas at Austin−USA)である。
従属栄養条件下および光がない状態での培養の結果、従来、乾燥細胞の45〜70重量%のタンパク質含量(窒素含量Nx6.25を測定することにより評価)を有するクロレラバイオマスが産生される。
本明細書中で以後例証するように、この培養は2つの工程:
− 撹拌しながら28℃で72時間、グルコースおよび酵母抽出物を含有する培地中で予備培養を行うこと、次いで
− 撹拌しながら、アンモニア水でpH6.5に調整して、28℃で36時間超、グルコースおよび酵母抽出物中でバイオマスそれ自身の産生のために培養を行うこと
で行われ、この結果、乾燥細胞の52重量%のオーダーのタンパク質含量(Nx6.25により評価)でおよそ80g/Lのバイオマスが得られる。
次いで、固体−液体分離により、前面または十字流ろ過により、またはさらに当業者にとって公知の何らかの手段により、バイオマスを回収する。
次いで、任意選択により、出願会社は、一連のバイオマスの(遠心分離による)濃縮/希釈により、間隙可溶性化合物を排除するような方法で、バイオマスを洗浄することを推奨する。
本発明の目的のために、「間隙可溶性化合物」という用語は、発酵培地の可溶性の有機夾雑物全て、例えば、塩、残留グルコース、重合度(またはDP)が2または3のオリゴ糖またはペプチドなどの水溶性化合物を意味するものとする。
次いで、その間隙可溶性化合物の、このようにして精製されたこのバイオマスを15〜30重量%の乾燥物質、好ましくは20〜30%の乾燥物質になるように選択的に調整する。
バイオマスの熱透過処理
次いで、10秒〜5分の持続時間、好ましくは10秒〜1分の持続時間にわたり、50〜150℃、好ましくは100〜150℃の温度で、熱処理を行う。
この処理によって、細胞内構成成分を反応培地中に分散させることが可能となる。
最後に、これらの工程の終了時に、温度を0℃〜10℃の最終温度、好ましくは4℃のオーダーの温度に低下させる。
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、出願会社は、これらの操作条件下で行われる熱処理が、このように、細胞内区画の可溶性構成成分またはさらに細胞外マトリクスの自発的放出を可能にする膜弱体化プロセスとして作用し得ると考える。
イオン性物質に加えて、炭水化物(主にDP1およびDP2)、ペプチドおよびポリペプチドなどの有機物質が細胞から排出される。
逆に、脂質および疎水性有機化合物は細胞中に留まり、それにより細胞が透過性になり、分解または破壊されていないことが明らかに示される。
したがって、本発明による方法の結果、エマルジョンは形成されないが、実際には水性懸濁液になる。
透過処理膜を通じた全てのこれらの可溶性物質の放出は、透析型の自由拡散の過程と類似している。
それゆえに、膜を透過処理する熱処理後に十分に拡散させるために、遅延時間が必要であり得る。
文献において、タンパク質を酵母から抽出するための酵母膜のパルスフィールド透過処理のための過程は、4〜6時間を要する(Ganeva et al.,2003,Analytical Biochemistry,315,77−84)。
本発明によれば、使用する反応時間は10秒〜5分とかなり短い。
次いで、前面または十字流ろ過による、凝結による、遠心分離による、またはさらに当業者にとって公知の何れかの手段による、固体−液体分離の技術によって、残留バイオマスを除去し、それにより、微細藻類細胞が除去されている可溶性画分を容易に回収することが可能になる。
バイオマスを除去するためのこの工程の前に、この固体−液体分離工程の収率および品質を向上させるために、透過処理細胞の希釈を行うことが可能である。
得られる可溶性画分は最終的に、基本的にはタンパク質(50〜80%w/w)および炭水化物(5〜15%w/w)から構成される。
膜分離
可溶性タンパク質を回収するための従来法は一般に、前記タンパク質をトリクロロ酢酸(10%重量/体積)または硫酸アンモニウムで沈殿させる工程に基づく。
しかしながら、沈殿によるこれらの単離が、非常に破壊性の大きい細胞破壊方法(通常は超音波処理またはホモジナイズ処理による)に続いて行われ、それらにより、実際に抽出収率を向上させることができるようになる一方で、その結果、特に、変性している低溶解度のタンパク質が生じる。
そして、化学的手段(水酸化ナトリウムでの分解)、物理学的手段(高温処理)または酵素的手段(タンパク質分解酵素)による(ペプチドへの)加水分解のそれらの産物によってのみ、その再機能化を想定することが可能になる。
本発明による方法によって、それとは反対に、無傷のそのままのペプチドおよびポリペプチドを放出させることが可能となり、これらの機能性が全て依然として発現され得る。
次に、本発明の方法は、膜分画化による対象のタンパク質の単離につながる。
したがって、出願会社は、2つの工程:
− 任意選択により、このように得られた可溶性画分から残留不溶性物質を除去するために、精密濾過によって、このように得られた可溶性画分の回収および清澄を行うこと;
− 可溶性タンパク質単離物を得るために、5kDa未満、好ましくは1〜5kDaのカットオフ閾値の膜上で可溶性画分(回収および清澄の先行の工程がそれぞれ行われるか否かに依存して、清澄化されているかまたは未清澄)の限外ろ過を行うこと
でこの方法を行うことを推奨する。
これらの経路を利用することにより、それらの残留塩および糖の可溶性ペプチドおよびポリペプチドを精製することが可能になる。
このようにして、90重量%を超えるタンパク質含量を有する、可溶性タンパク質の単離物が得られる。
例示であり、非限定的であるものとされる次の実施例から、本発明がさらに明確に理解されよう。
実施例1:流加発酵によるクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)の産生
使用株はクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoi
des)UTEX250である。
予備培養
− 2L三角フラスコ中500mLの培地;
− 培地の組成(g/L):
Figure 2017521451
インキュベーションは次の条件下で行う:持続時間:72時間;温度:28℃;撹拌:110rpm(Infors Multitron Incubator)。
次に、予備培養物を30Lザルトリウス型発酵槽に移す。
バイオマス産生のための培養
培地は次のとおりである:
Figure 2017521451
接種後、発酵槽の最初の体積(Vi)を17Lに調整する。これをおよそ20〜25Lの最終体積にする。
発酵を行うためのパラメーターは次のとおりである:
Figure 2017521451
残留グルコース濃度が10g/Lを下回るとき、発酵槽中でグルコース含量を0〜20g/Lに維持するために、およそ800g/Lの濃縮溶液形態のグルコースを導入する。
結果
40時間で、52%タンパク質を含有する80g/Lのバイオマスが得られる。
実施例2.クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)バイオマスの熱透過処理および可溶性画分の回収
実施例1に従い得られたバイオマスを、
− 乾燥物質含量が220g/Lとなり、90%超の純度(総乾燥物質に対するバイオマスの乾燥物質の比率により定められる純度)となるように、遠心分離および洗浄し、次いで
− およそ10秒間、135℃でUHTにより熱処理する。
このようにして得られた「部分的に可溶化された」バイオマスは、50%のペプチドおよびタンパク質(総アミノ酸として表す)、20%の糖および15%の脂質のオーダーを有し、これは、最初の総バイオマスに対して20%〜50%の溶解度に相当する。
次いで、遠心分離によって可溶性画分からこれを分離する。
したがって、「未加工の」可溶性物質は、60%〜75%のペプチドおよびタンパク質(総アミノ酸として表す。その90%がアルギニンおよびグルタミン酸)、10%〜25%の糖および1%未満の脂質を含有する。
遠心ペレット中の「枯渇」バイオマスは、依然として20%〜35%のペプチドおよびタンパク質(総アミノ酸として表す)、25%〜35%の糖およびとりわけ20%〜25%の脂質を有する。
次に、乾燥物質含量が5%であり力価が60%〜75%のペプチドおよびタンパク質(総アミノ酸として表される)を有する、精密濾過透過物「P1」を<5kDaカットオフ閾値の膜上で限外ろ過する。
このようにして得られた限外ろ過残余物「R2」は10%(5%〜20%)乾燥物質を有し、5kDa以上の分子量を有する90%超のペプチドを含有する。
3%未満の乾燥物質含量を有する透過物「P2」は、分子量が5kDa未満のペプチドおよびDPが2以下のオリゴ糖を含有する。
次いで、次のものを得るために、(93%のNaCl除去率を有する)逆浸透膜上でこの透過物「P2」を特にろ過し得る:
・分子量が5kDa未満のペプチドおよびDP2のオリゴ糖、例えばスクロースなどを含有する、10%超の乾燥物質を有する残余物「R3」;
・DP1のオリゴ糖、塩、遊離アミノ酸および有機酸を含有する、0.1%乾燥物質を有する透過物「R3」。
次いで、タンパク質単離物「R2」を、
− 水酸化カリウムでpH7に中和し、
− 蒸発により35%乾燥物質(DM)まで濃縮し、
− 低温殺菌し、
− 微粒化する。

Claims (2)

  1. クロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類のバイオマスからタンパク質単離物を調製するための方法であって、次の工程:
    − 発酵により産生される微細藻類バイオマスを提供すること、
    − 任意選択により、間隙可溶性化合物を排除するために前記バイオマスを洗浄すること、
    − 10秒〜5分の持続時間、好ましくは10秒〜1分の持続時間にわたり、50〜150℃、好ましくは100〜150℃の温度で前記バイオマスを熱透過処理すること、
    − 可溶性画分を得るために、前面または十字流ろ過、凝結および遠心分離、特に多段階遠心分離からなる群から選択される固体−液体分離の技術によって、このようにして透過処理された前記バイオマスを排除すること、
    − 任意選択により、そこから残留不溶性物質を除去するための精密濾過によって、このようにして得られた前記可溶性画分の回収および清澄化を行うこと、
    − 可溶性タンパク質単離物を得るために、5kDa未満、好ましくは1〜5kDaのカットオフ閾値の膜上で前記可溶性画分の限外ろ過を行うこと、次いで
    − 前記タンパク質単離物の蒸発、低温殺菌および微粒化を行うこと
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記クロレラ属(Chlorella genus)の微細藻類が、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)およびクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)からなる群から選択され、とりわけクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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