[0030] 本明細書で開示するシステムおよび方法は、ワイヤレスに通信し、および/あるいはワイヤード接続またはリンクを使用して通信する、通信デバイスに適用され得る。例えば、いくつかの通信デバイスは、イーサネット(登録商標)プロトコルを使用して他のデバイスと通信し得る。別の例では、いくつかの通信デバイスが、ワイヤレス通信を使用して他のデバイスと通信し得る。一構成では、本明細書で開示するシステムおよび方法が、誘導ベース通信技術(induction-based communication technology)を使用して別のデバイスと通信する通信デバイスに適用され得る。誘導ベース通信技術の一実施形態は、ニアフィールド通信(NFC)である。
[0031] 本明細書で説明されるシステムおよび方法は、受信デバイスの無線周波数アナログ(RFA)段において信号に適用される利得レベルおよびオフセット電圧を制御する、自動利得およびオフセットコントローラ(AGOC)のための初期利得およびオフセットを設定することを可能にし得る。本明細書で説明されるシステムおよび方法はまた、例えば、アナログデジタル変換器(ADC)出力において、受信デバイスのデジタル段からの測定された信号レベルの変化に応答して利得およびオフセットを更新することを可能にし得る。
[0032] AGOCは、2つの機能、(1)信号をADCの入力範囲内にするために初期利得およびオフセット設定を決定することと、(2)ADC入力信号レベルが許容範囲内にとどまるように、モビリティによる信号強度変動を補償するために利得およびオフセット設定を絶えず調節することとを有し得る。これらの2つの機能は、それぞれ、AGOC初期設定およびAGOCトラッキングと呼ばれることがある。
[0033] AGOCは、NFCターゲット受信機が、小形アンテナとターゲットモビリティとをサポートするためのより広いダイナミックレンジ要件を処理することを可能にし得る。小形アンテナサポートがNFCのための新しい基準になるにつれて、ターゲット受信機がサポートする必要がある入力信号のダイナミックレンジは著しく増大している。従って、RF受信機チェーンにおける固定ユニバーサル利得/減衰設定も、電圧/電流フィードバック回路に基づくアナログのみの利得制御も、NFC受信機の次世代のために存立可能でない。このことは、デジタルモデムが、受信機のRFチェーンにおける減衰器および利得段のための制御信号を生成すべきことを意味する。
[0034] モビリティ(すなわち、送信機と受信機との相対的動き)は、送信受信アンテナ結合の量に影響を及ぼし、受信機入力における信号振幅が、連続パケット受信の間ばかりでなくデータパケットの受信中にさえNFCトランザクション内で変動することを引き起こす。このことは、制御信号を生成するとき、モビリティによる信号強度変動をトラッキングし、補償する能力が有益であることを意味する。
[0035] NFCにおける被変調キャリアの変調の深さは、13%と同程度の低さから100%と同程度の高さにわたり得、正常な復調のために、その深さに対応する被変調信号は、利得/減衰器段によってスケーリングダウン/スケーリングアップされた後にADC入力範囲内に入るべきである。従って、被変調信号をADC入力範囲内に保つために、AGOCはまた、RFAチェーンにおいて適用される実効オフセット電圧を制御すべきである。オフセット制御は、単純なスライサベースのアルゴリズムが復調のために使用される場合、特に重要である。本明細書で説明されるシステムおよび方法は、小形アンテナおよびモビリティサポートを可能にするためにAGOCを実施する。AGOC状態機械は、ADC出力を使用することによって推定された未変調キャリアレベルに基づいて、RF段にフィードバックされる減衰器/利得およびオフセット制御信号を更新する。
[0036] 次に、図を参照しながら様々な構成が説明される。本明細書で概して説明し、図に示すシステムおよび方法は、多種多様な異なる構成で構成および設計され得る。従って、図に表されるいくつかの構成についての以下のより詳細な説明は、請求する範囲を限定するものではなく、システムおよび方法を代表するものにすぎない。
[0037] 図1は、自動利得およびオフセットコントローラ(AGOC)106のための初期利得120および初期オフセット122を設定するためのシステムおよび方法が実施され得る電子デバイス102の一構成を示すブロック図である。電子デバイス102の例としては、ワイヤレス通信デバイス、セルラーフォン、スマートフォン、タブレットデバイス、ボイスレコーダ、デジタルカメラ、スチールカメラ、カムコーダ、ゲームシステム、ラップトップコンピュータなどがある。電子デバイス102の各構成要素は、ハードウェア(例えば、回路)、またはハードウェアとソフトウェアの組合せ(例えば、メモリに記憶された実行可能な命令をもつプロセッサ)で実施され得る。
[0038] 電子デバイス102は、受信機104を含むトランシーバを含み得る。一実施形態では、受信機104が、誘導ベース通信において使用され得る。例えば、受信機104は、ニアフィールド通信(NFC)ターゲット受信機であり得る。いくつかのNFCトランザクション中に、リスニングデバイスが、NFC規格において定義されている役割である「ターゲット」として機能し得る。一構成では、本明細書で説明されるシステムおよび方法が、「ターゲット」として機能するNFCデバイスの受信機104を記述し得る。
[0039] 電子デバイス102は、別のワイヤレス通信デバイスとの無線通信を確立し得る。NFC通信の場合、電子デバイス102は、NFCプロトコルを使用して「ポーラー」またはNFCポーリングデバイスとの通信を確立し得る。電子デバイス102は、1つまたは複数のアンテナ108を介して入力キャリア信号110を受信し得る。入力キャリア信号110は被変調または未変調であり得る。
[0040] 受信機104はRFA回路109を含み得る。RFA回路109は、入力キャリア信号110を受信し、調整し得る。この調整は、「有用な信号」(すなわち、受信機が抽出する必要がある情報を含んでいる信号の部分)が、有意な信号量子化損失を受けることなしに狭いダイナミックレンジを有するADC112を通過することを可能にするための、信号スケーリングおよびレベルシフトを含み得る。
[0041] RFA回路109は、スケーリングおよびシフトされた信号132をADC112に与え得る。RFA回路109は、利得120および電圧オフセット122を入力キャリア信号110に適用することによって、スケーリングおよびシフトされた信号132を生成し得る。RFA回路109は、入力キャリア信号110に対する追加の信号調整、例えば、エンベロープ検出、フィルタ処理および遅延補償を行い得る。
[0042] 受信機104は、自動利得およびオフセットコントローラ(AGOC)106を含み得る。AGOC106は、RFA回路109によって入力キャリア信号110に適用される利得120および(オフセット電圧とも呼ばれる)電圧オフセット122を決定し得る。この利得120は、信号における振幅変調が確実に検出され得るように、ADC112からの出力信号134をスケーリングする。オフセット122電圧は、キャリアが未変調であるときの出力信号134レベルをターゲットレベル130にする。キャリアが未変調であるときの出力信号134は、「未変調レベル」または「DC値」と呼ばれることもある。AGOC106は、RFA回路109に1つまたは複数の制御信号137を与え得る。制御信号137は、利得120を与えるようにRFA回路109におけるプログラマブル利得および/または減衰器段を制御し得、RFA回路109におけるデジタルアナログ変換器(DAC)は、オフセット122電圧を与えるように制御され得る。
[0043] ADC112は、入力範囲と比較して比較的狭いダイナミックレンジを有し得る。AGOC106は、ADC112に与えられる信号(例えば、スケーリングおよびシフトされた信号132)が、ADC112入力範囲を下回らないかまたは上回らないこと、言い換えれば、ADC112入力が、ADC112を「過小飽和」または「過剰飽和」させないことを保証するために、利得120制御を行い得る。従って、AGOC106は、アンテナ108における信号電圧の範囲について、ADC112入力におけるスケーリングおよびシフトされた信号132を、ADC112のダイナミックレンジ内にするように、RFA回路109の利得120および電圧オフセット122を制御し得る。
[0044] AGOC106は、上述されるように、少なくとも2つの機能、(1)信号をADC112の入力範囲内にするために初期利得120およびオフセット122電圧設定を決定することと、(2)ADC112入力信号レベルが許容範囲内にとどまるように、モビリティによる信号強度変動を補償するために利得120およびオフセット122電圧設定を絶えず調節することとを行い得る。これらの2つの機能は、それぞれ、AGOC初期設定およびAGOCトラッキングと呼ばれることがある。
[0045] 初期設定モジュール114がAGOC初期設定機能を実施し得る。初期設定モジュール114は、AGOC106のための初期利得120および初期オフセット122を設定し得る。一構成で、初期設定モジュール114は、信号(例えば、スケーリングおよびシフトされた信号132)がADC112を過小飽和または過剰飽和させない利得120レベルを決定するためのバイナリサーチモジュール118を含み得る。初期利得120および初期オフセット122の設定は、受信アンテナ108における入力キャリア信号110が未変調であるときに行われ得る。
[0046] バイナリサーチモジュール118は、スケーリングおよびシフトされた信号132がADC112入力範囲内に入るように、エンベロープ検出の後に、未変調入力キャリア信号110をスケーリングする利得レベル126を見つけるために、利用可能な利得レベル126にわたって「バイナリサーチ」を行い得る。バイナリサーチアルゴリズムの一例が、図14に関して説明される。「ツリー」構造における各ノードが利得レベルを表す。バイナリサーチアルゴリズムは、ツリーの「ルート」(すなわち、g8)で開始し得、次いで、それは、ADC112が過小飽和または過剰飽和させられたかどうかをアサートするためにDC値を推定し得る。ADC112が(図14において標示「U」によって示される)過小飽和させられた場合、それは利得120が「低すぎる」と推測し、このことは、利得レベル126がg1からg15まで下降すると仮定すると、利得g8〜g15が可能な候補でないことを意味する。アルゴリズムは、従って、ノードg8の「左サブツリー」に切り替わり、前述のように進み得る。同様に、(図14において標示「O」によって示される)過剰飽和状態がアサートされた場合、アルゴリズムは、下降する利得レベル126を仮定して、他方のサブツリー、すなわち、「右サブツリー」を選ぶべきである。
[0047] 利得レベル126がバイナリサーチのために最適に設計される場合、オフセット122電圧は、サーチ中に変動させられる必要はなく、予め決定された初期オフセット122電圧がバイナリサーチ全体にわたって適用され得る。言い換えれば、バイナリサーチモジュール118は、オフセット122電圧が固定されている間、複数の利得レベルの固定セット126にわたってバイナリサーチを行い得る。利得レベル126が適切に設計されない場合、オフセット122電圧は、サーチ中に利得レベル126ごとに変更されなくてはならないことがある。いずれの場合も、バイナリサーチは、サーチアルゴリズムが、利得レベル126のセットの中から適切な初期利得120を選ぶために高速に収束することを可能にする。
[0048] バイナリサーチのために最適化された一構成では、利得レベル126のセットが、意図的に対数的に離間している。そのような利得レベル126を用いて、バイナリサーチモジュール118は、オフセット122電圧をバイナリサーチ全体にわたって固定に保ち得る。ハードウェアRFA実施形態における実際の利得レベル126は、それらの公称利得値120から著しく変動することがあるので、複数の利得レベルの固定セット126は、そのような利得120変動に対する許容度を与えるのに十分な重複が組み込まれ得る。公称利得120は変動を有しないが、対応する実際の利得120は(例えば、シリコンにおいて実施されたとき)、プロセス、電圧および温度変化とともに変動し得ることに留意されたい。
[0049] このサーチが、スケーリングおよびシフトされた信号132をADC112入力範囲内にするので、それの完了時にADC112出力における未変調レベルは測定可能であり得る。その時点において、オフセット122電圧は、未変調レベルを、予め設定されたターゲットレベル130にするように調節され得る。このステップは、「オフセット補正」として解釈され得る。
[0050] 一構成では、初期設定モジュール114が、ADC112の出力(例えば、出力信号134)における未変調キャリアレベルとターゲットレベル130との差分としてオフセット122補正を決定し得る。RFA回路109への制御信号137としてフィードバックされるオフセット122にこの補正を適用することは、未変調レベルがターゲットレベル130にシフトすることを引き起こす。
[0051] トラッキングモジュール116はAGOCトラッキング機能を実施し得る。モビリティ状態(すなわち、ポーリングデバイスに対するターゲット電子デバイス102の相対位置および配向の変化)は、受信信号強度を変動させ得る。低減された信号強度は、復調感度に影響を及ぼし得るが、増加した信号強度は、被変調キャリアの「有用な」部分がクリッピングされることを引き起こし得る。モビリティのこれらの不要な影響を回避するために、トラッキングモジュール116は、信号(すなわち、入力キャリア信号110)レベルの変化に応答して、利得120およびオフセット122を更新し得る。
[0052] NFCにおいて、ターゲットは、それがポーラーから十分に強い電磁界を受信する間のみ、アクティブのままであり、その結果、未変調または被変調キャリア信号が常に存在し得る(被変調キャリアのみが有用な情報パケットを搬送する)。NFCパケットは、初期利得120およびオフセット122設定を行うのに十分に長いプリアンブル(すなわち、チャネル推定、パケット収集などを助けるための特定のパターン)を有しないので、AGOC106は、それのアクティブ化の直後に初期利得120およびオフセット122を設定するために未変調信号を使用し、実際のパケットが完全に受信されるまで、設定された利得120およびオフセット122の値を連続的に更新し得る。従って、利得120およびオフセット122更新は、受信アンテナ108における入力キャリア信号110が被変調または未変調であるときに行われ得る。
[0053] AGOCトラッキングが開始し得、未変調レベルはADC112出力におけるそれのターゲットレベル130の近くに既に設定されている。1つの手法において、トラッキングモジュール116は、単に、モビリティ状態が受信信号強度を変動させるときでも未変調レベルをそのままに維持するために、オフセット122(例えば、オフセット電圧)を調節し続け得る。例えば、1つの手法では、ADC112出力における未変調レベルがターゲットレベル130から偏差すると、オフセット122が同じ量だけ調節され得、別の手法では、この偏差が予め決定されたしきい値を上回るときのみ、オフセット122が調節され得る。このしきい値が、(例えば、バイナリサーチ中に使用される)初期オフセット122からのオフセット122の偏差である、オフセット偏差しきい値124と同じでないことに留意されたい。
[0054] これらのオフセット122調節は、モビリティによる未変調レベルシフトを補償するために絶えず行われ得る。しかしながら、無限のオフセット122調節は、実現可能でもなく、望ましくもないことがある。オフセット122が、連続調節によりオフセット122の初期値から偏差するとき、受信された入力キャリア信号110があまりに多くまたはあまりに少なく減衰させられ、変調の深さ(または信号飽和の量)を望ましくないようにする可能性がますます高まり得る。この問題が被変調キャリアの開始前にさえ当てはまり得ることに留意されたい。
[0055] 別の手法では、初期オフセット122からのオフセット122の絶対偏差が、アンテナ108出力における入力キャリア信号110レベルのための選択された利得120の適切性の指示として解釈され得る。オフセット122偏差が、予め決定されたオフセット偏差しきい値124を上回るとき、トラッキングモジュール116は利得120変更の必要をアサートし得る。オフセット122偏差の正の方向または負の方向は、利得120の減分が必要とされのるか増分が必要とされるのかを示し得る。
[0056] また別の手法では、利得120が増分されるべきであるのか、減分されるべきであるのか、そのままに保たれるべきであるのかを決定するために、2つのオフセット偏差しきい値124が、オフセット122偏差とともに使用され得る。例えば、トラッキングモジュール116は、偏差が第1のオフセット偏差しきい値124を上回る場合に利得120を減少させ得る。トラッキングモジュール116は、偏差が第2のオフセット偏差しきい値124を下回る場合に利得120を増加させ得る。
[0057] 前の利得120レベルに基づく選定されたオフセット122が小さすぎるかまたは大きすぎるので、利得120を更新することは、ADC112出力における信号レベルが上または下にシフトすることを引き起こし得る。1つの手法では、トラッキングモジュール116が、リアクティブに(後になって)オフセット122を調節し、信号レベルをそれの元の値にし得る。急激な信号レベル変化が受信機性能に影響を及ぼし得る場合により有用であり得る、別のよりプロアクティブな手法では、トラッキングモジュール116が、信号レベルのシフトを最小限に抑えるために、オフセット122および利得120を同時に調節し得る。
[0058] 要約すると、概して、AGOCトラッキングは、未変調レベルを一定に保つために、オフセット122を調節し得る。さらに、AGOCトラッキングは、オフセット122偏差が過大であるときに、利得120を増分/減分し得、各利得120変更は、リアクティブまたはプロアクティブオフセット122調節に付随し得る。繰り返されるオフセット122および利得オフセット調節によって、タッキングモジュール116は、受信機がモビリティをサポートすることを可能にし得る。
[0059] 説明されるシステムおよび方法は、アンテナ108サイズおよびモビリティにかかわらず、被変調信号をADC112の入力範囲内に保つために、ターゲット受信機104RFチェーンにおける減衰器、利得、およびオフセット段のための制御信号137を生成し得る。互換RF段を制御することによって、この説明されるシステムおよび方法は、既存のデジタルモデム(例えば、受信機104)設計が、モビリティをサポートし、より広い入力信号範囲で機能することを可能にし得る。
[0060] 図2は、AGOC106のための初期利得120および初期オフセット122を設定するための方法200を示す流れ図である。方法200は、AGOC106を含む電子デバイス102によって実施され得る。電子デバイス102は、未変調入力キャリア信号110を受信し得る。例えば、電子デバイス102は、NFC通信中に未変調入力キャリア信号110を受信し得る。
[0061] 説明されるAGOC初期設定方法200は、最小ワーストケース数の繰返しで、ADC112出力における未変調レベルをそれのターゲットレベル130にし得る。この方法200は、アンテナ108出力における信号電圧の事前知識を必要としないことがあり、単に、ADC112入力における信号過少飽和および過剰飽和が、ADC112出力から確実に検出され得ると仮定し得る。そのような方法200は、2つのフェーズ、(i)好適な利得120レベルを見つけるためのサーチフェーズ、および(ii)ADC112出力における未変調レベルを予め設定されたターゲットレベル130に適切にシフトするための後続のオフセット122調節フェーズで実施され得る。
[0062] 電子デバイス102は、202において、信号(例えば、スケーリングおよびシフトされた入力キャリア信号132)がADC112への入力を過小飽和または過剰飽和させない利得120レベルを決定する。ADC112は、入力範囲と比較して比較的狭いダイナミックレンジを有し得る。電子デバイス102は、ADC112に与えられた信号が、ADC112への入力を過小飽和または過剰飽和させないことを保証するために、利得120制御を行い得る。
[0063] 電子デバイス102は、シフトされた後にADC112入力範囲内に入るように、未変調入力キャリア信号110(未変調レベル)をスケーリングする利得120レベルを見つけるために、利得レベルの利用可能なセット126にわたってバイナリサーチを適用し得る。このシフトは、バイナリサーチ中に適用される予め決定された初期オフセット122電圧によって達成され得る。言い換えれば、電子デバイス102は、オフセット122補正が固定されている間、複数の利得レベルの固定セット126にわたってバイナリサーチを行い得る。
[0064] 一構成では、複数の利得レベルの固定セット126が対数的に離間している。対数的に離間した利得レベル126を用いて、電子デバイス102は、バイナリサーチ中にオフセット122補正を固定に保ち得る。バイナリサーチの一例が、図14に関して説明される。これら利得レベルの固定セット126は、利得120変動に対する許容度を与えるのに十分な重複を有し得る。
[0065] サーチフェーズは、好適な利得120(すなわち、ADC112入力範囲内での十分な未変調〜低レベル揺れを保証するレベル)を選択し得る。この手法は、(i)未変調レベルに関する事前情報がなく、(ii)正しい利得120レベルが見つけられるまでは、出力信号134が測定されないことがある(飽和の指示のみが見つけられ得る)ので、利得レベルの全セット126を系統的にカバーしなければならないことがある。しかしながら、全ての利得120レベルにわたる線形サーチは、容認できないほど遅くなることがある。
[0066] 収束速度は、利得レベル126を単調になるようにすることによって改善され得る。例えば、利得レベル126は、利得120インデックスが増加するにつれて大きさが下降し得る。別の例において、利得レベル126は、利得120インデックスが増加するにつれて大きさが上昇し得る。
[0067] 2つの状態、すなわち、ADC112過小飽和および過剰飽和が検出され得るので、時間的に対数的複雑さを有するバイナリサーチが、ワーストケースサーチ時間を最小限に抑え得る。好適に計算された初期オフセット122とともに適用されたとき、下降する利得レベル126は、アンテナ108出力における信号電圧範囲を区分し得る。以下で説明されるように、対数的に離間した利得レベル126は、そのような区分を形成するために同じ初期オフセット122とともに使用され得る。AGOC106のためのそのような利得レベル設計は、また、同じ初期オフセット122を使用しながらバイナリサーチが行われ得ることを保証し得る。この対数的に離間した利得レベル設計126は、収束時間を改善し得るだけでなく、ハードウェアオーバーヘッドをも低減し得る。
[0068] 電子デバイス102は、204において、ADC112の出力における未変調キャリアレベルをターゲットレベル130にするためのオフセット122補正を決定する。バイナリサーチがRFA回路109出力における未変調レベルをADC112入力範囲内にするので、サーチ完了時にADC112出力における未変調レベルは測定可能であり得る。その時点において、未変調レベルを、予め設定されたターゲットレベル130にするために、追加のオフセット122電圧調節が行われ得る。
[0069] 一構成では、電子デバイス102が、ADC112の出力における未変調キャリアレベル(例えば、出力信号134)を測定または推定し、それがターゲットレベル130とどのくらい異なるかを決定し得る。次いで、電子デバイス102は、オフセット122を差分だけ補正し得る。補正されたオフセット122は、制御信号137としてAGOC106からフィードバックされたときにRFA回路109において、対応する電圧シフトを生成することになる。RFA回路109は、所与のオフセット122に対応する電圧シフトを生成するためにDAC段を採用し得る。
[0070] ADC112出力における未変調キャリアレベルを測定/推定するために、連続サンプルを平均化することおよびフィルタリングすることを含む、異なる技法が使用され得る。高性能アルゴリズムは、キャリアが被変調であるときでも未変調キャリアレベルの正確な推定を維持するために、未変調および被変調キャリアセグメントをトラッキングし得る。
[0071] バイナリサーチツリーが、連続サーチステップ中に適用される利得120レベルのシーケンスを規定する(例えば、図14に示されているように、7つの利得レベル126にわたるサーチが、常に、第4の利得120レベルで開始する)ので、サーチフェーズ中に、好適な利得120またはオフセット122の事前知識が廃棄されることになる。従って、モビリティが大きくない構成では、電子デバイス102が、連続パケットのためのこのフェーズを控え得る。AGOCトラッキングが有効である(enabled)と仮定して、トラッキングモジュール116は、全ての利得レベル126にわたってサーチする必要なしに正しい利得120およびオフセット122を選び得る。
[0072] 一構成では、利得レベル126が、重複を有するように設計され得る。例えば、3デシベル(dB)利得間隔は、連続利得120レベルによってサポートされる電圧範囲の(対数スケールにおける)50%の重複を生じ得る。これらの重複によってもたらされるヒステリシスを用いて、方法200は、モビリティがあるときでも正確に収束し得る。しかしながら、モビリティが大きいとき、バイナリサーチは、利得120レベルの半分を毎回考慮から除くので、バイナリサーチは失敗することがある。依然として、バイナリサーチは、適度に近い利得120レベルにおいて終了することになり、AGOCトラッキングフェーズは、最終的に、ADC112出力における未変調レベルをそれのターゲットレベル130にすることになる。
[0073] 図3は、信号レベルの変化に応答して利得120およびオフセット122を更新するための方法300を示す流れ図である。方法300は、AGOC106を含む電子デバイス102によって実施され得る。オフセット122制御を通して、または必要に応じて、同時利得120およびオフセット122制御を通して、トラッキングが達成され得る。
[0074] 電子デバイス102は、302において、AGOC初期設定の後にトラッキングを開始する。電子デバイス102は、未変調入力キャリア信号110を受信し得る。モビリティ状態は、受信信号強度が変動することを引き起こし得る。従って、電子デバイス102は、信号(すなわち、入力キャリア信号110)レベルの変化に応答して、利得120およびオフセット122を更新し得る。電子デバイス102は開始し得、未変調レベルはADC112出力におけるそれのターゲットレベル130の近くに既に設定されている。例えば、初期利得120および初期オフセット122は、図2に関して説明されるように設定され得る。
[0075] 絶対オフセット122偏差は、アンテナ108出力における入力キャリア信号110レベルのための選択された利得120の適切性を示し得る。未変調レベルがターゲットレベル130から偏差するとき、電子デバイス102は、304において、ADC112出力における未変調キャリアレベルをターゲットレベル130に維持するためにオフセット122を更新する。受信の終了までの不断のオフセット122調節が、モビリティから生じる未変調レベルシフトを完全に補償し得る。しかしながら、連続更新による(初期オフセット122からの)オフセット122偏差が大きい場合、モビリティの影響は、オフセット変更のみで対処されるには大きすぎることがあり、そのような場合、利得120変更が必要とされ得る。
[0076] 電子デバイス102は、利得120変更が必要とされるかどうかを決定し得る。電子デバイス102は、306において、初期オフセット122からの更新されたオフセット122の偏差を決定する。電子デバイス102は、308において、利得120変更が必要とされるかどうかを決定するために、この偏差をオフセット偏差しきい値124と比較する。例えば、電子デバイス102は、2つのオフセット偏差しきい値124を使用し、308において、偏差があるしきい値を下回る場合は利得120を増加させ、偏差が別のしきい値を上回る場合は利得を減少させる。別の例で、電子デバイス102は、利得120変更の必要を決定するために、絶対オフセット122偏差をあるしきい値と比較し、利得が減分されるべきであるのか、増分されるべきであるのかを決定するために、偏差の正の方向または負の方向を使用し得る。
[0077] 電子デバイス102は、310において、入力キャリア信号110の受信が終了したかどうかを決定する。入力キャリア信号110が終了しなかった場合、電子デバイス102は、利得120およびオフセット122を更新し続け得る。電子デバイス102は、未変調レベルを一定に保つように、オフセット122を調節し得る。さらに、電子デバイス102は、オフセット122偏差が過大であるときに、利得120インデックスを増分/減分し得、各利得120変更は、リアクティブまたはプロアクティブオフセット122調節に付随し得る。繰り返されるオフセット122および利得オフセット調節によって、電子デバイス102は、モバイル設定における受信をサポートし得る。電子デバイス102が、310において、入力キャリア信号110の受信が終了したと決定したとき、312において、方法300は終了する。
[0078] 方法300は、ADC112出力における未変調レベルを予め設定されたターゲットレベル130に保つために、オフセット122および、必要な場合、利得120レベルを繰り返し調節し得る。この方法300は、AGOC初期設定の完了時に開始し、受信機104(例えば、モデム)がRxモードを出るまで続き得る。しかしながら、性能基準またはモビリティの程度に応じて、電子デバイス102は早期に、312において方法300を終了し得る。例えば、いくつかの短いパケットを受信したとき、モビリティの影響は、それに対処するために電子デバイス102上のリソースを費やすことを正当化するには低すぎることがある。
[0079] 一構成では、オフセット122制御が、ADC112出力における未変調レベルをそれのターゲットレベル130の近くに保持するための、オフセット122電圧の繰り返される調節である。これは、制御信号137としてRFA回路109にフィードバックされるオフセット122値に、それのターゲットレベル130からの未変調レベルの観測された偏差を加えることを必要とし得る。この偏差は、変動するチャネル利得120の結果であり得、このことは、デルタ(Δ)、未変調および被変調(mod)(すなわち、低または高)レベル間の差分さえ、チャネル利得120が変動するにつれて、スケーリングアップまたはスケーリングダウンされることを意味する。あるしきい値を下回るデルタが復調誤差を生じ得、別のしきい値を上回るデルタが信号飽和のリスクを増加させ得るので、無限のオフセット122制御は、適切なトラッキングソリューションでないことがある。言い換えれば、デルタを許容範囲内に保つためにいくつかの時点における利得120制御が必要であり得る。
[0080] この目的で、初期オフセット122値の周りの有用なオフセット122範囲が、所望の最小デルタおよび最大信号飽和に基づいて計算され得る。オフセット122がこの範囲を越える場合、新しいオフセット122が有用な範囲内に入ることを引き起こすために、次のより高いまたはより低い利得120レベルが選択され得る。さらに、利得120変更を実行した後にこの新しいオフセット122をリアクティブに決定する代わりに、オフセット122は、信号レベルが利得120変更によって著しくシフトされないように、プロアクティブに計算され、利得120変更と同時に適用され得る。このことは、同時利得120およびオフセット122制御についての前提である。
[0081] AGOC初期設定とは異なり、AGOCトラッキングは、モデムの残り(例えば、復調器、収集エンジンなど)が機能しているときに起こり得る。従って、オフセット122変更中または同時利得120およびオフセット122変更中の信号レベル変動を低減するための予防措置は、利得120およびオフセット122変更が引き起こし得る信号レベル中断に対して受信機104の他のデジタルブロックがロバストでない場合、重要であり得る。トラッキング方法300は、この目的を達成するための1つまたは複数の追加の特徴を含み得る。
[0082] 1つのそのような追加の特徴は、オフセット122調節に課された最大絶対限度である。この制約は、AGOC106応答を減衰させ、AGOC106が、いくつかの受信機104における復調器性能に影響を及ぼし得る、急激な信号レベル変化を誘起するのを防ぎ得る。
[0083] AGOC106の別のそのような特徴は、最小絶対オフセット122調節に対する制約であり得る。ここにおいて、真意は、小さい頻繁なオフセット122変更の代わりに、低頻度の大きいオフセット122変更を行うことによって、不要なオフセット122更新を回避することであり得る。これは、特に、モビリティが低いときに、AGOCによって使用されるリソースを低減するのを助け得る。
[0084] プロアクティブオフセット120計算を用いた同時利得120およびオフセット122変更は、AGOC106のまた別の追加の特徴であり得る。この特徴は、潜在的に、利得120変更中に生じた信号レベルシフトを低減し、それにより、いくつかの復調器が利得120変更により受け得る性能損失を防止できる。
[0085] AGOC106はまた、着信信号およびそれの性質に関する任意の事前情報に基づいて、利得120およびオフセット122変更をスケジュールし得る。例えば、AGOC106は、利得120変更による信号における中断が、復調器性能に影響を及ぼす可能性が最少であるときを計算することによって、利得120変更のための「セーフゾーン(safe-zone)」を予測し得る。様々なパケットタイプ、データレートなどの知識が、そのような予測のために使用され得る。NFCに固有の、最も単純な例は、振幅被変調キャリアにおける「休止」からの利得120変更を制限することであろう。そのような予防措置は、RFA回路109における不確実性がプロアクティブオフセット計算のような特徴を無効にし得る場合、有益である。
[0086] AGOC106の主要なタスクは、ADC112への入力132を適宜にスケーリングおよびシフトするためのRFA回路109のための制御信号137の生成である。それらの制御信号137に加えて、AGOC106は、受信機104中の他のデジタルブロックのための信号を生成し得る。例えば、そのような信号は、いくつかのデジタルフィルタ処理ブロックに、ADC112出力が、差し迫った利得120変更のために数クロックサイクルの間、信頼できなくなり得ることを示し得、そのブロックは、例えば、フィルタの内部状態をリセットするためにこの情報を使用し得る。
[0087] 図4は、ワイヤレス通信システム400における誘導通信の一構成を示すブロック図である。ポーリングデバイス402aおよびリスニングデバイス402bは、NFCプロトコルに従って動作し得る。各デバイス402a〜bは、電子回路440a〜bに接続されたアンテナ408a〜bを含み得る。動作中、2つのNFCデバイス402(すなわち、ポーリングデバイス402aとリスニングデバイス402b)の組合せは、誘導性結合を通して被変調キャリア信号を通信するための「変換器」のように挙動し得る。
[0088] NFCは誘導性通信技術である。2つのNFC対応デバイス402は、ある距離だけ分離され得る。(例えば、被変調キャリア信号に対応する)交流は、1次コイル(すなわち、ポーリングデバイスアンテナ408a)を通過し、(無線周波数(RF)電界または放射界と呼ばれることもある)電磁界442を作成し得る。電磁界442は、2次コイル(すなわち、リスニングデバイスアンテナ408b)中に電流を誘起し得る。データ送信に加えて、リスニングデバイス402bは、また、それ自体に電力供給するために、ポーリングデバイス402aによって送信された電磁エネルギーを「収穫(harvest)」し得る。
[0089] 両方のアンテナ408a〜bの構成および同調が、一方のデバイス402から他方のデバイス402への結合効率を決定し得る。ポーリングデバイス402aおよびリスニングデバイス402bは図4に示されている。いくつかのNFCトランザクション中に、リスニングデバイス402bは、NFC規格において定義された役割である「ターゲット」として機能し得る。本開示は、ターゲットとして機能するNFCデバイス402の受信機104に関し得る。
[0090] 一構成では、一方のデバイス402のNFC送信機と、他方のワイヤレス通信デバイス402のNFC受信機とが、相互共振関係に従って構成され得る。NFC受信機の共振周波数とNFC送信機の共振周波数とが極めて近いとき、放射界の「ニアフィールド」に位置するNFC送信機とNFC受信機との間の伝送損失は最小になる。
[0091] NFCデバイス402がNFCループアンテナ408を含み得る。NFCループアンテナ408は、エネルギー送信および受信のための手段を与え得る。上述のように、エネルギーの大部分を電磁波でファーフィールドに伝搬するのではなく、送信アンテナ408のニアフィールドにおけるエネルギーの大部分を受信アンテナ408に結合することによって効率的なエネルギー伝達が行われ得る。このニアフィールドにあるとき、NFCループアンテナ408間に結合モードが生じ得る。
[0092] NFC対応デバイス402が、通信が確立されることを可能にするのに十分なデータ444を取得し得る。確立され得る通信の一形態は、国際標準化機構データ交換プロトコル(ISO−DEP)通信リンクである。NFCデバイス間の通信は、限定はしないが、NFC−A、NFC−Bなどを含む、様々なNFC無線周波数(RF)技術を介して可能にされ得る。
[0093] 図5に、トラッキングモード501の間の状態遷移を示す。適用例、必要とされるモビリティサポートの程度、および他のファクタに応じて、AGOC106は、入来信号の異なるセグメントに対するトラッキングについてオフセット122変更、または利得120およびオフセット122変更を制限し得る。例えば、第1のパケットのための待ち時間が後続のパケットのためのものよりも長い場合、トラッキングは第1のパケットに制限され得、または、復調器性能が利得120変更による過渡現象によって影響を及ぼされ得る場合、トラッキング中の利得120変更は(すなわち、キャリアが被変調であるとき)データパケット内に抑制され得る。そのような制限を可能にするために異なるトラッキングモードが定義され得る。図5に、3つのそのようなトラッキングモード501、すなわち、それぞれ、(i)第1のパケットを待ちながらトラッキングすること、(ii)第1のパケット以外の全てのパケットを待ちながらトラッキングすること、および(iii)被変調キャリアを受信しながらパケット内をトラッキングすることに対応し得る、「初期トラッキング」501a、「インターパケットトラッキング」501c、および「イントラパケットトラッキング」501bの間で可能な状態遷移を示す。
[0094] イントラパケットトラッキング501bは、AGOC106がデータパケット内をトラッキングすることを指し得る。言い換えれば、イントラパケットトラッキングモード501bは、被変調キャリア中に発生し得る。
[0095] キャリアが変調されていない(すなわち、未変調である)とき、トラッキングは、初期トラッキングモード501aまたはインターパケットトラッキングモード501cのいずれかであり得る。これらのモード501a、cは、機能的に等価であり得、受信機104が通信において第1のパケットを受信したのか受信しなかったのかのみを識別し得る。そのような識別でも、AGOC106のコンフィギュアビリティを増加させ得る。別の実施形態では、モードが、例えば、第1のパケットの収集の信頼性を改善するために機能的に異なり得る。図5において、「First_packet=1」は、受信機104が第1のパケットを待つこと(すなわち、第1のパケットが、まだ受信されていていないこと)を示し、「Mod_detected=1」は、キャリアが被変調であることを示す。
[0096] 「First_packet」インジケータの値に応じて、AGOC106は、503において、初期設定から初期トラッキング501aまたはインターパケットトラッキング501cに入り得る。AGOC106が被変調入力キャリア信号110を検出すると、AGOC106はMod_detectedインジケータを1に設定し得、他の場合、Mod_detectedインジケータは0であり、Mod_detectedインジケータに基づいて、AGOC106は、イントラパケットトラッキングモード501bに入り、そこから出得る。AGOC106トラッキングの詳細な例が、図7に関して説明される。
[0097] 図6は、AGOC初期設定のための方法600を示す流れ図である。方法600は、AGOC106を含む電子デバイス102によって実施され得る。
[0098] 電子デバイス102は、602において、入力キャリア信号110に適した利得120レベルを選ぶために、利得レベルの利用可能なセット126にわたってバイナリサーチを開始し、ここで、サーチは、ノードが利得120レベルに対応する論理的な「バイナリツリー」構造上で起こる。電子デバイス102は、サーチアルゴリズムの所与の反復に対応するサーチサブツリーをトラッキングするために、開始インデックスおよび停止インデックスを使用し得、604において、利得レベル126の全てをカバーするためにアルゴリズムの開始時にそれらのインデックスを設定する。開始インデックスおよび停止インデックスは、サーチを最小利得インデックスと最大利得インデックスとの間の隣接利得レベルのサブセット126に制約するために設定され得る。
[0099] 電子デバイス102は、606において、利得120およびオフセット122を更新する。例えば、電子デバイス102は、開始インデックスおよび停止インデックスによって制約された利得レベルのサブセット126中の中間利得120値になるように利得120を設定し得、オフセット122は、予め決定された初期値に設定され得る。次いで、電子デバイス102は、608において、進む前に、「利得整定(gain settling)」時間の間(例えば、利得120およびオフセット122変更によるRFA回路109における過渡現象が整定するまで)待ち得る。
[00100] 電子デバイス102は、ADC112出力におけるDC値または信号134レベルを推定し得る。電子デバイス102は、610において、出力信号134レベル推定が完了するまで待つ。
[00101] 電子デバイス102は、612において、推定された出力信号134レベルが有効であるかどうかを決定する。例えば、出力信号134が、推定を信頼できなくするほど容認しがたく変動する場合、出力信号134レベルは無効であると見なされる。出力信号134レベルが有効でない場合、電子デバイス102は、602において、AGOC初期設定を再開し得る。
[00102] 出力信号134レベルが有効である場合、電子デバイス102は、614において、出力信号134レベルが最大しきい値を上回るかどうかを決定する。出力信号134レベルが最大しきい値を上回る場合、電子デバイス102は、利得120レベルを減少させなくてはならないことがある。例えば、利得レベルのセット126について制御信号137「利得インデックス」が増加するにつれて利得120が減少する場合、電子デバイス102は、618において、開始インデックスを利得インデックス+1として設定し、606において、より低い利得120値の利得レベルのサブセット126を選ぶために、利得120およびオフセット122を更新する。616において、利得インデックスが既に停止インデックスにある場合、電子デバイス102は、利得レベルの選択されたサブセット中の最も低い利得120を既に使用していることがあり、バイナリサーチは、さらなる利得120更新なしに終了され得る。
[00103] 電子デバイス102は、614において、出力信号134レベルが有効であり、最大しきい値を上回らないと決定した場合、電子デバイス102は、620において、出力信号134レベルが最小しきい値を下回るかどうかを決定する。出力信号134レベルが最小しきい値を下回る場合、電子デバイス102は、利得120レベルを増加させなくてはならないことがある。例えば、利得レベルのセット126について制御信号137「利得インデックス」が増加するにつれて利得120が減少する場合、電子デバイス102は、624において、停止インデックスを利得インデックス−1として設定し、606において、より高い利得120値の利得レベルのサブセット126を選ぶために、利得120およびオフセット122を更新する。622において、利得インデックスが既に開始インデックスにある場合、電子デバイス102は、利得レベルの選択されたサブセット中の最も高い利得120を既に使用していることがあり、バイナリサーチは、さらなる利得120更新なしに終了され得る。
[00104] 出力信号134レベルが有効であり、最大しきい値を上回らないかまたは最小しきい値を下回らない場合、電子デバイス102は、出力シグナリング134レベルのために適切な利得120レベルを既に使用していることがある。その場合、さらなる利得120更新なしにバイナリサーチが終了する。バイナリサーチの終了時に、それが、適切な利得120が見つかったためであるのか、または利得レベル126の全てを試し尽くした後でさえ適切な利得120が見つからなかったためであるのかにかかわらず、電子デバイス102は、次のステップに進み得、626において、ADC112出力における未変調レベルをそれのターゲットレベル130のほうへシフトするために、オフセット122を更新する。電子デバイス102は、オフセット122を、推定された出力信号134と未変調信号のためのターゲットレベル130との差分だけ調節し得る。
[00105] 電子デバイス102は、628において、「オフセット整定(offset settling)」時間の間(すなわち、オフセット122変更によるRFA回路109における過渡現象が整定するまで)待ち、630において、AGOC初期設定を終了する。
[00106] 図7は、AGOCトラッキングのための方法700を示す流れ図である。方法700は、AGOC106を含む電子デバイス102によって実施され得る。方法700は、図6に関して上述されるように、AGOC初期設定が完了すると行われ得る。
[00107] 電子デバイス102は、702において、イントラパケットトラッキングモード501bへ/からの遷移を制御する変調検出指示(すなわち、図5に関して説明されるMod_detectedインジケータ)を再設定する。電子デバイス102は、被変調キャリアセグメントが開始または終了するとすぐにそれぞれ1または0にMod_detectedインジケータが設定され得るように、AGOCトラッキングと並列に変調検出機構を稼働し続け得る。
[00108] 電子デバイス102は、704において、ADC112出力における未変調キャリアレベルの推定を開始する。例えば、電子デバイス102は、ADC112からの出力信号134を使用して、前に推定された未変調キャリアレベル(すなわち、DC値)を再設定し得る。次いで、電子デバイス102は、706において、ADC112出力134における未変調キャリアレベルの新しい推定の準備ができるまで待つ。イントラパケットトラッキング501b中に、キャリアは変調され、未変調キャリアレベルを正確に推定するために、被変調レベルと未変調レベルとの間での信号遷移をトラッキングする推定機構が使用され得る。
[00109] AGOCトラッキングモード(例えば、図5に関して説明される501a、b、c)が独立して有効または無効(enabled or disabled)であり得る場合、電子デバイス102は、708において、AGOCトラッキングが有効である(例えば、Mod_detectedインジケータおよびFirst_packetインジケータのステータスが与えられた)かどうかを決定する。AGOCトラッキングが有効でない場合、電子デバイス102は、704において、推定を再開すること(例えば、再設定すること)と、706において、ADC112出力134における未変調キャリアレベルを再推定することとを巡回し得る。
[00110] 電子デバイス102は、708において、AGOCトラッキングが有効である(例えば、Mod_detectedインジケータおよびFirst_packetインジケータのステータスが与えられた)と決定した場合、電子デバイス102は、710において、利得120更新が必要とされるかどうかを決定する。言い換えれば、電子デバイス102は、オフセット122更新または組み合わせられた利得120およびオフセット122更新を行うべきかどうかを決定し得る。ステップ710が「いいえ」であるとき、これはオフセット122更新に対応する。ステップ710が「はい」であるとき、これは同時利得120およびオフセット122更新に対応する。
[00111] 電子デバイス102は、AGOCトラッキング方法700を開始し、未変調レベルはADC112出力134におけるそれのターゲットレベル130の近くに既に設定されていることがある。例えば、初期利得120および初期オフセット122は、図2に関して説明されるように設定され得る。AGOCトラッキング中の任意のポイントにおいて、絶対オフセット122偏差(例えば、初期設定中に使用される初期オフセットからのオフセット122の偏差)は、アンテナ108出力における入力キャリア信号110レベルのための選択された利得120の適切性を示し得る。
[00112] 利得120更新が必要とされない場合、電子デバイス102は、712において、ADC112への出力134における未変調キャリアレベルをターゲットレベル130に維持するためのオフセット122補正を決定することによって、オフセット122を更新する。電子デバイス102は、714において、AGOCトラッキングを巡回する前に、オフセット122整定時間の間、待つ。
[00113] 電子デバイス102が、710において、利得120更新が必要とされると決定した場合、それは、RFA回路109にフィードバックされる利得制御信号137である、新しい利得インデックスを決定することになる。それはまた、利得120変更による未変調レベルのシフトを低減するために、新しいオフセット122をプロアクティブに計算し得る。
[00114] 電子デバイス102は、利得更新716のための新しい利得120レベルを決定するために、オフセット122を使用し得る。例えば、電子デバイス102は、初期オフセット122からの更新されたオフセット122の偏差を決定し得る。電子デバイス102は、偏差がオフセット偏差しきい値124を上回る場合に利得120を減少させ得る。電子デバイス102は、偏差が別のオフセット偏差しきい値124を下回る場合に利得120を増加させ得る。
[00115] 電子デバイス102は、次いで、更新された利得120に基づいて、オフセット122を決定し得る。電子デバイス102は、利得更新716とともに適用するために、オフセット122を決定し得る。電子デバイス102は、718において、オフセットを予め決定されたオフセット122値に更新し、その後、ADC112出力における未変調レベルをターゲットレベル130にするために、オフセット122をリアクティブに補正するか、または、電子デバイス102は、利得更新716とともにオフセット更新718が行われるとき、ADC112出力における未変調レベルをターゲットレベル130にできるだけ近くすることになる、オフセット122をプロアクティブに計算するかのいずれかである。いずれの場合も、利得更新716およびオフセット更新718の後、電子デバイス102は、720において、AGOCトラッキングを巡回する前に、「利得整定」時間の間、待つ。
[00116] 電子デバイス102は、オフセット更新712、同時利得およびオフセット更新716/718を巡回することによってトラッキングを無期限に続け得るか、または、708においてAGOCトラッキングが無効である場合、再試行する。電子デバイス102はまた、様々なトラッキングモードに応じて、オフセット更新712および/または同時利得/オフセット更新716/718を有効/無効にし得る(例えば、イントラパケットトラッキングモード501bにおいて、「休止」中の716における利得更新を無効にする)。
[00117] 図8は、図1に関して説明されるRFA回路109の簡略化されたモデル800を示す図である。簡略化されたRFA回路モデル800は、AGOC106設計および分析を簡略化するために、RFA回路809における全ての減衰器および利得段による「実効利得」が増倍係数820として表され、オフセットが加算822として表される、線形化数学的モデルを仮定し得る。簡略化されたRFA回路モデル800はまた、ADC812を含み得る。このモデル800は、初期設定およびトラッキングのための効率的なアルゴリズムを開発するのに十分な抽象レベルを与え得る。アルゴリズムは、この数学的モデル800における抽象的な利得820値およびオフセット822値を使用して開発され得、AGOC106実施形態は、それらの値を、RFA回路109にフィードバックされる実際の利得120およびオフセット122制御信号137にマッピングし得る。
[00118] AGOC106設計の数学的解析は、以下の式、すなわち、x=gu−vに基づき得る。この式は、熱雑音846誤差とADC812量子化誤差との不在を仮定する。ここで、xはADC入力信号852であり、gは、(全ての利得820とRFA回路809チェーンがもたらす減衰の組合せである)実効利得820であり、uはRFA入力信号850であり、vは正のオフセット822電圧である。簡単のために、RFA入力信号850が、図1に関して説明される被変調または未変調入力キャリア信号110のエンベロープであると仮定され得る。ADC812は、ADC入力信号852に基づいてADC出力信号854を生成することになる。簡略化されたRFAモデル800のための入出力関係の一例が、図9に関して説明される。
[00119] 分析を簡略化するために、入力キャリア信号110は、被変調レベルおよび未変調レベルのみの理想的な波形を有し、すなわち、RFA入力信号850が、所与の時間において2つの可能な値u∈{a,b}のうちの1つのみをとり得ると仮定し、ここで、aは未変調レベルであり、bは被変調レベルである。次いで、変調インデックスmが
として定義され得る。
[00120] 式(1)を使用することによって、未変調レベルと被変調レベルとの間の差分は、
として定義され得、ここで、μは
であると定義される。
ADC出力854における変調の深さ(Δ)は、利得gによってスケーリングされた後の未変調レベルと被変調レベルとの間の差分であり、それは、Δ=ga−gbとして定義され得る。式(2)から、Δ=μgaである。ADC出力854を正常に復調するために、Δが復調感度レベルよりも大きいことが保証されなくてはならないことがある。
[00121] 最小変調インデックスが、全てのNFC技術タイプの間で7%であり得るmminであると仮定すると、Δは常に、最小値
よりも大きいと予想され得、ここで、
である。
[00122] パラメータμminは、設計パラメータとして使用され得る。任意の変調インデックスmに対応する実際のμ値にかかわらず、Δ=μga≧Δminであることを保証するために、以下の不等式が保証され得る。
AGOC106は、パケットが開始する前に初期利得120およびオフセット122を決定するように意図されているので、未変調キャリアレベル(すなわち、u=a)のみが、入力850において利用可能であり得る。従って、Δmin要件を満たすために、所与のRFA入力850レベルuについて以下の不等式を満たすように利得820が決定され得る。
[00123] RFA入力電圧850を仮定すると、範囲[u0,u1]は、利得820g1によってスケーリングされ、オフセット822v0によってシフトされた後に、ADC812のダイナミックレンジ上にあるべきである。u0がこの範囲の最も低い値なので、上記の不等式が、u0について満たされる場合、それは、範囲[u0,u1]中の全ての他の値について自動的に満たされるであろう。従って、式(1)によれば、このことは、オフセット822v0が与えられれば、
および
であることを必要とし得る。これらの式は、ADC入力852範囲が[−0.5,0.5]である場合のみを示す。
[00124] AGOC106によって使用されるべき利得レベルのセット126は、一連の利得820値g1,g2,...gNを連続的に計算することによって設計され得る。あるu0が与えられたときにg1を計算するために、第1の等式、式(8)のみが考慮される必要がある。次いで、このようにして計算されたg1を代入することによって式(9)を用いて計算されたu1の値は、次の利得820レベルであるg2を計算するために使用され得る。このようにして、式(8)および(9)の連続適用が、範囲[u0,uN]をADC812ダイナミックレンジ上にマッピングする、一連のN個の利得820値g1,g2,...gNを与え得る。唯一の未知数は、オフセット822電圧v0の値であり、それは、全ての利得820レベルについて固定され、定数であるか、または、利得レベルごとに変動させられ得る。説明の目的で、v0を固定とする。図1に関して説明されるバイナリサーチに関して、このオフセットは、「初期オフセット」と見なされ得る。
[00125] Δmin条件に基づいて、初期オフセットv0のための以下の下限が定義され得、
ここで、
である。
言い換えれば、RFA入力電圧[un-1,un]の範囲についてのΔmin条件は、v0≧vminである場合に満たされる。次いで、簡単のために、v0はv0=vminとして設定され得、所与のu0の場合、対応する利得g1は、
として計算され得る。
式(8)および(9)の連続適用は、以下のように、他の利得820レベルg2,g3,...gNを与える。
[00126] 上述されるようにvminを固定することによって設計された利得820レベルg1,g2,...gNは、幾何学的な一連の(すなわち、対数的に離間した)数を形成する。あるΔminが選択され、v0=vminとしておよび式(11)を満たすように、v0オフセット822が選定された場合、設計された利得820レベルおよびオフセット822は、ADC812出力における変調の深さΔが常にΔmin条件を満たすことになることを保証する。
[00127] 図9は、簡略化されたRFAモデル800についての入出力関係を幾何学的に示すグラフである。ADC入力電圧952は、所与の利得920およびオフセット922を用いてRFA入力電圧950の範囲に対してプロットされている。図9は、選択された利得920gnおよびオフセット922vが、RFA入力電圧950範囲u∈[un-1,un]をADC入力電圧952範囲、例えば、[−0.5,0.5]上に線形的にマッピングし得ることを示す。範囲u∈[un-1,un]の外側にあるRFA入力電圧950は、ADC812を過剰飽和させるか、過小飽和させるかのいずれかになる。
[00128] RFA入力電圧950のこの範囲[un-1,un]は、利得920またはオフセット922を変更することによって、シフトされ、広げられ/狭くされ得る。言い換えれば、各(gn,v)ペアは別個の入力範囲[un-1,un]に対応する。従って、初期オフセット922vは、所与の利得920gnに対応するADC入力電圧952範囲へのRFA入力電圧950範囲(例えば、[un-1,un])のマッピングをシフトするように選定され得る。言い換えれば、初期オフセット922vの選定は、特定の利得設計によって保証されるΔminを規定する。
[00129] AGOC106初期設定のバイナリサーチフェーズは、初期オフセット922を使用し得、それの値に応じて、利得920は、ADC入力951(および、従って、ADC出力854)がADC812ダイナミックレンジ内に入るように選択されることになる。バイナリサーチの終了時の実際のADC出力854は、ADC812ダイナミックレンジ内のどこかであり得る。バイナリサーチの完了時に、オフセット922は、ADC出力854を(図1に関して説明されるターゲットレベル130に対応する)それの最終値にするために補正され得る。この補正されたオフセット922は、「最終オフセット」と呼ばれることがある。最終オフセット922は、選択された利得920レベルと、RFA入力電圧950と、ADC出力854における未変調レベルのためのターゲットレベル130とに依存する。RFA入力電圧950が(例えば、モビリティにより)変化したとき、ADC出力854は、最終オフセット922がそのままにとどまる場合、変化すべきである。AGOC106トラッキングでは、最終オフセット922が、RFA入力電圧(または、等価的に、入力キャリア信号110強度)の変動を補償するように絶えず調節され得る。この更新されたオフセット922が初期オフセットから偏差するとき、ADC812における未変調レベルは過剰飽和または過小飽和のいずれかに向かうことになる。従って、初期オフセット922からのその更新されたオフセット922の偏差は、利得920レベルをいつ切り替えるべきかの指示として使用され得る。
[00130] 図10は、任意のRFA入力u∈[u0,un]のためのAGOC106初期設定収束を保証するためにRFA入力電圧1050範囲[u0,un]を区分する、利得1020レベル設計g1,g2,...gnを示すグラフである。詳細には、図10は利得設計問題について説明する。
[00131] ADC入力電圧1052は、固定オフセット1022v0を仮定して、所与の利得1020を用いてRFA入力電圧1050の範囲に対してプロットされている。図10は、各利得gn1020が、別個のRFA入力電圧1050範囲u∈[un-1,un]を、説明のために[−0.5,0.5]であると仮定されたADC入力電圧1052範囲上にどのように線形的にマッピングし得るかを示す。
[00132] ADC812入力は、(図示された構成では)1V範囲のみにわたり得、利得gnが、入力信号の1/gn範囲のみをADC812入力上にマッピングし得る。概して、利得gnが、1/gnに比例する入力信号範囲のみをADC812入力上にマッピングし得る。従って、上記のように決定された対数的に離間した利得1020のセットが、RFA入力電圧1050範囲のダイナミックレンジを対数的に区分し得る。
[00133] 連続利得1020レベル間で観測される対数関係並びに各利得1020レベルに対応する入力範囲1050は、以下のように要約され得る。固定初期オフセットv0とともに、各利得gnが入力信号(すなわち、RFA入力電圧1050)の区分[un-1、un]をADC812入力(すなわち、ADC入力電圧1052)上にマッピングするような、N個の利得1020レベルのセット{g1,g2,...,gN}が見つけられ得ると仮定する。連続利得1020レベルは、RFA入力電圧1050の全ダイナミックレンジをシームレスにカバーするために区分がu∈{u0,u1,u2...,uN}に整合するように選択され得る。
[00134] パラメータrが、
として定義され得る。
カバーされるべき最小のRFA入力信号1050がu0であると仮定すると、unを計算するために基本ジオメトリが使用され得る。
、n=1,...,N。また、gnは、
および
のように計算され得る。
利得1020レベルの数(すなわち、区分の数)は、
であり、ここで、umaxはカバーされるべき最大の入力信号レベルである。最終的に、
が示され得る。
[00135] 図11は、AGOC106カバレージに必要とされる区分の数に対する、初期オフセット1122v0を変更する影響を示すグラフである。ADC入力電圧1152は、2つのオフセット1122値v0aおよびv0bについて、並びに、同じRFA入力電圧1150範囲を区分するために式(16)および(17)を使用することによって決定される、利得1120の対応する2つのセット{g1a,g2a,...}および{g1b,g2b,...}について、RFA入力電圧1150の範囲に対してプロットされている。初期オフセット1122v0aに対応する傾きよりも(図11上で)急な傾きを有する初期オフセット1122v0bに対応する利得1120から明らかなように、所与のRFA入力電圧1150に対応する利得1120は、初期オフセット1122の増加とともに増加する。従って、初期オフセット1122が増加するにつれて、Δminも増加する。この事実は、式(11)からも推論され得る。これは好都合な結果であり得る。しかしながら、図11に示されているように、所与のRFA入力電圧1150範囲をカバーするために必要とされる利得1120レベルの数(すなわち、区分の数)も、増加し得る。この影響は、所与のRFA入力電圧1150を用いてより高いΔminを達成するために必要とされるより大きい利得gnが、より狭い区分を生じることになるからである(1/gnに比例することを想起されたい)。その上、式(19)が示唆するように、増加したΔは、入力信号がADC812を飽和させる可能性を高くし得る。
[00136] 図12は、AGOC106カバレージに対する利得1220変動の影響を示すグラフである。詳細には、図12に、AGOC106カバレージのための利得設計中に、利得1220許容度がなぜ重要な問題であるのかを示す。
[00137] 図9、図10、および図11に関する利得設計問題の説明は、RFA回路809における理想的な利得820の実現を仮定する。しかしながら、実際には、実際の利得820値は、様々な理由(例えば、プロセス、温度、または供給電圧変動)によりそれらの公称値から偏差していることがある。そのような変動は、RFA入力電圧1250範囲を、利得1220のセット{g1,g2,...,gn}によって与えられる重複しないサブレンジのセットに区分することによって(図10に関するように)達成されたシームレスカバレージを破壊し得る。ADC入力電圧1252は、前述のように決定された利得1220のセットおよびオフセット1222について、RFA入力電圧1250の範囲に対してプロットされている。図12は、また、値g’4までの利得g4の小さい利得1220偏差に対応するカバレージ損失を強調し、明らかに、小さい利得変動により、入力範囲の一部分(すなわち、図12中の影付きエリア)がカバーされないままになり得る。この説明は、AGOC106カバレージを保証するために、重複する利得1220のセットが必要とされ得ることを示唆する。
[00138] 図13は、利得1320変動に対する許容度をもたらすための重複する利得1320レベルをもつAGOC106利得設計を示すグラフである。ADC入力電圧1352は、所与の利得1320およびオフセット1322を用いてRFA入力電圧1350の範囲に対してプロットされている。重複をもつこの「最も単純な」利得設計では、図10の場合と同様の様式で設計された利得1320の各連続ペア{g1,g2,...}の間に、利得1320レベル{g’1,g’2,...}が追加される。より高性能の利得設計では、必要とされる利得1320許容度の程度に応じて、隣接する区分の間に計算された量の重複がもたらされ得る。どちらにしても、重複する利得1320設計の場合、利得1320がそれらの公称値から(ある程度まで)偏差するときに、各入力レベルuがカバーされ得る。
[00139] 図10に関して行われた分析は、以下のように、利得1320変動を含めるために図13に拡張され得る。βが利得1320レベルの最大分数誤差であると仮定する。βの分数利得1320変動を許容しながら、N個の「区分」(より正確には、N個の重複するサブレンジ)を使用することによって、RFA入力電圧1350範囲[u0,umax]をカバーするための式(15)および(16)におけるrの値は、
によって与えられ得る。
[00140] 隣接する区分間の十分な重複を保証するために、このrはまた、
を満たすべきである。
他の説明の場合と同様に、ADC入力電圧1352範囲は、[−0.5,0.5]であると仮定され、分析は、異なる入力範囲に適応するためにわずかな変更のみを必要とする。
[00141] いくつの利得レベルが必要とされるか、それらの値が何であるべきかは知られているので、AGOC初期設定に関して上述されるように、所与の入力信号レベル1350のための利得1320レベルおよび最後のオフセット1322の電圧は計算され得る。さらに、AGOCトラッキングに関して上述されるように、入力信号レベル1350は、ターゲットが動作ボリューム内で移動するにつれてトラッキングされ得、利得1320レベルおよびオフセット1322電圧は、モビリティの影響を補償するために更新され得る。
[00142] AGOC初期設定は、(多くとも)パケットごとに1回行われ得る。AGOC初期設定の目的は、入力キャリア信号レベル110を測定するためにさえ必要とされる初期利得1320またはオフセット1322の事前知識に依存することなしに、利得1320およびオフセット1322を計算することである。入力キャリア信号110は、AGOC初期設定中に未変調であると仮定され得る。従って、ADC出力854は、DC値を推定するために(場合によっては、RFA回路809におけるエンベロープ検出の後の過渡現象または残りのキャリアおよび高調波を除去するためのさらなるフィルタ処理の後に)単に平均化され得る。
[00143] AGOC初期設定は、利得1320レベルが、固定初期オフセット1322とともに適用されたとき、入力範囲1350のダイナミックレンジを(場合によっては、重複を用いて)カバーするように、利得1320レベルが設計されていることがあると仮定する。
[00144] AGOC初期設定は、以下の3つの前提に基づいて各選択された利得1320レベルの適合性を評価しながら、利用可能な利得1320レベルにわたってサーチし得る。第1に、選択された利得1320は、入力信号がADC812の入力範囲内に入る場合は許容可能であり、サーチは終えられ得る。第2に、利得1320は、入力信号がADC812が過剰飽和することを引き起こす場合は高すぎであり、より低い利得1320が適用されるべきであり、サーチは繰り返されるべきである。第3に、利得1320は、入力信号がADC812が過小飽和することを引き起こす場合は低すぎであり、より高い利得1320が適用されるべきであり、サーチは繰り返されるべきである。
[00145] 言い換えれば、AGOC初期設定は、2つの状態、すなわち、ADC812過剰飽和とADC812過小飽和とに基づいて行われる、事前設計された利得1320のレベルのセットにわたるサーチである。利得1320レベルがそれらの値の降順にあるように設計される場合、AGOC初期設定はバイナリサーチツリーに対応し(15個の利得1320レベルにわたるサーチの説明のための図14参照)、サーチは、サーチ反復の数における対数的複雑さで集束し得る。バイナリサーチは、各サーチ反復において利得1320レベルの約半分を除き、それにより、利得1320レベルのセットのための最も低いワーストケースサーチ時間を達成する。
[00146] AGOCトラッキングは、モビリティの影響を補償するために、利得1320およびオフセット1322を変更し得る。AGOCトラッキングは(例えば、イントラパケットトラッキングモード501b中は)パケット内にさえ進むので、ADC出力854の単純な平均は、未変調レベルの推定値として好適でないことがある。信号レベルアウェアなフィルタ処理または平均化機構は、ADC出力信号134から未変調レベルを推定することを必要とされ得る。このレベルは、AGOCによって推定されるか、または、データの復調と関係する別のデジタルブロックによって、場合によっては、より容易に計算され得る。AGOCトラッキングは、ADC出力134における未変調レベルを周期的に監視し、予め設定されたターゲット値130からのそれの偏差を決定し得る。その偏差が大きい場合、オフセット1322は、未変調レベルがターゲット値130にシフトされ得るように、その偏差と同じ量だけ補正され得る。式(19)を満たすように初期オフセットvが選択された場合、オフセット1322は、範囲[−v−0.5,−v+0.5]内にとどまるべきである。オフセット1322がこの範囲の外側に移動する場合は、オフセット1322をそれの有効範囲内に戻すために、隣接するより低い/より高い利得1320レベルが選択されるべきである。概して、初期オフセットvからのオフセット1322の偏差は、利得1320更新の必要をアサートするために、予め設定されたオフセット偏差しきい値124と比較され得る。
[00147] 図14は、利得インデックスnが増加するにつれて利得1420値gn、n∈{1,...,N}が減少すると仮定する、15個の利得1420レベルに対応する「バイナリサーチツリー」を示す図である。バイナリサーチは、常に、中間利得インデックス(すなわち、15個の利得レベルの場合、g8)で開始し、そのレベルはサーチツリーの「ルート」に対応する。ADC1412が過剰飽和する場合、サーチアルゴリズムは、適用された利得は高すぎであり、全てのより高い利得1420値を廃棄すると決定する。言い換えれば、サーチアルゴリズムは、現在のノードの「右サブツリー」(すなわち、現在の利得インデックスよりも大きい利得インデックス)を選び、サーチを反復することになる。ADC1412が過小飽和する場合、次のサーチ反復のために「左サブツリー」が選択されることになる。ADC1412が過剰飽和も過小飽和もしない場合、サーチアルゴリズムは、適用された利得が入力信号レベルに適すると推論し、サーチを終える。
[00148] 各反復において候補利得1420レベルの約半分を除くことによって、バイナリサーチが、入力信号レベルに適する利得1420を決定するために対数的時間複雑さで収束する。バイナリサーチが完了すると、スケーリングおよびシフトされた信号132の未変調レベルはADC112入力範囲内にあり得る。言い換えれば、ADC112出力において未変調レベルの測定可能な値があり得る。この値は、最終オフセット122を推定するために使用され得る。オフセット122調節は、ADC出力134における未変調レベルを予め設定されたターゲットレベル130にするために行われ得る。
[00149] AGOCトラッキングが有効でない場合、バイナリサーチに続く第1のオフセット122調節は、AGOC106動作を終え得る。その場合、選択された利得1420およびオフセット122設定は、全NFCトランザクション中に使用され得る。トラッキングが有効である場合、ADC出力134における未変調レベルをターゲットレベル130に保つために、オフセット122が絶えず調節され、オフセット122をバイナリサーチ中に使用される初期オフセット122の周りの許容範囲内に保つために、必要に応じて利得120更新が実行される。
[00150] 図15は、初期オフセット1522v0の周りのオフセット1522電圧範囲を示すグラフである。ADC入力電圧1552は、所与の利得1520およびオフセット1522を用いてRFA入力電圧1550の範囲に対してプロットされている。図示された利得1520設計は、ADC入力範囲[−0.5.,0.5]を仮定し、利得1520変動許容度のための重複を含まない。
[00151] 図15中の実線の黒い線は、各利得1520レベルgnのための式x=gn・u−v0に対応し、ここで、v0は初期オフセット1522である。シフト矢印1501は、利得g3の線が、異なるオフセットv1522に対してどのくらいシフトし得るかを示す。一点短鎖線は、v0から±0.5V内の任意の値をとり得る、シフトされたオフセット1522のための有効な領域を定義する。オフセット1522vがその範囲の外側にシフト1501する場合、新しいオフセット1522が再び有効範囲内に戻り得るように、g2またはg4のいずれかが選定されるべきである。
[00152] 図16に、電子デバイス1602において利用され得る様々な構成要素を示す。図示された構成要素は、同じ物理的構造物内に配置され、または別個の筐体もしくは構造物中に配置され得る。図16に関して説明される電子デバイス1602は、本明細書で説明される電子デバイス102、402のうちの1つまたは複数に従って実施され得る。
[00153] 電子デバイス1602はプロセッサ1660を含む。プロセッサ1660は、汎用シングルまたはマルチチップマイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイなどであり得る。プロセッサ1660は中央処理ユニット(CPU)と呼ばれることがある。図16の電子デバイス1602中に単一のプロセッサ1660のみが示されるが、代替的な構成では、プロセッサ1660の組合せ(例えば、ARMとDSP)が使用され得る。
[00154] 電子デバイス1602はまた、プロセッサ1660と電気通信しているメモリ1662を含む。すなわち、プロセッサ1660は、メモリ1662からの情報を読み取り、および/または、メモリ1662に情報を書き込み得る。メモリ1662は、電子情報を記憶することが可能な任意の電子コンポーネントであり得る。メモリ1662は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、磁気ディスクストレージ媒体、光記憶媒体、RAM中のフラッシュメモリデバイス、プロセッサ1660とともに含まれるオンボードメモリ、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM(登録商標))、レジスタなど、およびそれらの組合せであり得る。
[00155] データ1666aおよび命令1664aがメモリ1662に記憶され得る。命令1664aは、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを含み得る。命令は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多くのコンピュータ可読ステートメントを含み得る。命令1664aは、上述される方法と、機能と、プロシージャのうちの1つまたは複数を実施するためにプロセッサ1660によって実行可能であり得る。命令を実行することは、メモリ1662に記憶されたデータ1666aの使用を含み得る。図16は、プロセッサ1660にロードされている(メモリ1662に記憶された命令1664aおよびデータ1666aから来ることがある)いくつかの命令1664bおよびデータ1666bを示す。
[00156] 電子デバイス1602はまた、他の電子デバイスと通信するための1つまたは複数の通信インターフェース1668を含み得る。通信インターフェース1668は、ワイヤード通信技術、ワイヤレス通信技術、またはその両方に基づき得る。様々なタイプの通信インターフェース1668の例としては、シリアルポート、パラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネットアダプタ、米国電気電子技術者協会(IEEE)1394バスインターフェース、ニアフィールド通信(NFC)トランシーバ、小型コンピュータシステムインターフェース(SCSI)バスインターフェース、赤外線(IR)通信ポート、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス通信アダプタ、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))トランシーバ、IEEE802.11(「Wi−Fi(登録商標)」)トランシーバなどがある。例えば、通信インターフェース1668は、ワイヤレス信号を送信および受信するために1つまたは複数のアンテナ(図示せず)に結合され得る。
[00157] 電子デバイス1602はまた、1つまたは複数の入力デバイス1670と、1つまたは複数の出力デバイス1674とを含み得る。様々な種類の入力デバイス1670の例としては、キーボード、マウス、マイクロフォン1672、遠隔制御デバイス、ボタン、ジョイスティック、トラックボール、タッチパッド、ライトペンなどがある。例えば、電子デバイス1602は、音響信号を捕捉するための1つまたは複数のマイクロフォン1672を含み得る。一構成では、マイクロフォン1672が、音響信号(例えば、音声、会話)を電気信号または電子信号に変換するトランスデューサであり得る。様々な種類の出力デバイス1674の例としては、スピーカー1676、プリンタなどがある。例えば、電子デバイス1602は、1つまたは複数のスピーカー1676を含み得る。一構成では、スピーカー1676が、電気信号または電子信号を音響信号に変換するトランスデューサであり得る。電子デバイス1602中に一般に含まれ得る1つの特定のタイプの出力デバイス1674はディスプレイ1678デバイスである。本明細書で開示する構成とともに使用されるディスプレイ1678デバイスは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、ガスプラズマ、エレクトロルミネセンスなど、任意の好適な画像投影技術を利用し得る。また、ディスプレイコントローラ1680は、メモリ1662に記憶されたデータを、ディスプレイ1678デバイス上に示されるテキスト、グラフィック、および/または動画に(適宜に)変換するために設けられ得る。
[00158] 電子デバイス1602の様々な構成要素は、電力バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データバスなどを含み得る、1つまたは複数のバスによって互いに結合され得る。簡単のために、様々なバスがバスシステム1682として図16に示されている。図16は、電子デバイス1602の1つの可能な構成を示しているにすぎないことに留意されたい。様々な他のアーキテクチャおよび構成要素も利用され得る。
[00159] 上記の説明では、様々な用語とともに参照番号を時々使用した。用語が参照番号とともに使用されている場合、これは、図のうちの1つまたは複数に示された特定の要素を指すものとされ得る。用語が参照番号なしに使用されている場合、これは、概して特定の図に限定されない用語を指すものとされ得る。
[00160] 「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含し、従って、「決定すること」は、計算すること(calculating)、計算すること(computing)、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含むことができる。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセス(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含むことができる。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選定すること、確立することなどを含むことができる。
[00161] 「に基づいて」という句は、別段に明示されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という句は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を表す。
[00162] 「プロセッサ」という用語は、汎用プロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械などを包含するものと広く解釈されたい。いくつかの状況下で、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを指すことがある。「プロセッサ」という用語は、処理デバイスの組合せ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)とマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)コアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他のそのような構成を指すことがある。
[00163] 「メモリ」という用語は、電子情報を記憶することが可能な任意の電子的構成要素を包含するものと広く解釈されたい。メモリという用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データストレージ、レジスタなど、様々なタイプのプロセッサ可読媒体を指すことがある。プロセッサがメモリから情報を読み取り、および/または情報をメモリに書き込むことができる場合、メモリはプロセッサと電子通信していると言われる。プロセッサに一体化されたメモリは、プロセッサと電子通信している。
[00164] 「命令」および「コード」という用語は、任意のタイプの(1つまたは複数の)コンピュータ可読ステートメントを含むものと広く解釈されたい。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを指すことがある。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントまたは多くのコンピュータ可読ステートメントを備え得る。
[00165] 本明細書で説明される機能は、ハードウェアによって実行されているソフトウェアまたはファームウェアで実施され得る。機能は、1つまたは複数の命令としてコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。「コンピュータ可読媒体」または「コンピュータプログラム製品」という用語は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスされ得る任意の有形記憶媒体を指す。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびBlu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。コンピュータ可読媒体は有形で非一時的であり得ることに留意されたい。「コンピュータプログラム製品」という用語は、コンピューティングデバイスまたはプロセッサによって実行、処理または計算され得るコードまたは命令(例えば、「プログラム」)と組み合わせたコンピューティングデバイスまたはプロセッサを指す。本明細書で使用する「コード」という用語は、コンピューティングデバイスまたはプロセッサによって実行可能であるソフトウェア、命令、コードまたはデータを指すことがある。
[00166] ソフトウェアまたは命令はまた、伝送媒体を介して送信され得る。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
[00167] 本明細書で開示される方法は、説明された方法を達成するための1つまたは複数のステップまたは動作を備える。本方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換され得る。言い換えれば、説明される方法の適切な動作のためにステップまたはアクションの特定の順序が必要とされない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲を逸脱することなく修正され得る。
[00168] さらに、図2、図3、図6および図7によって示されたものなど、本明細書で説明される方法および技法を行うためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、デバイスによってダウンロードおよび/または他の方法で取得され得ることを諒解されたい。例えば、デバイスは、本明細書で説明される方法を行うための手段の転送を可能にするために、サーバに結合され得る。代替的に、本明細書で説明される様々な方法は、デバイスが、記憶手段をそのデバイスに結合するかまたは与えると様々な方法を取得し得るように、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理記憶媒体など)によって与えられ得る。その上、本明細書で説明される方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の好適な技法が利用され得る。
[00169] 特許請求の範囲は、上で示された厳密な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されるシステム、方法、および装置の動作および詳細において、様々な修正、変更および変形が行われ得る。