JP2017514646A - 膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法 - Google Patents

膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017514646A
JP2017514646A JP2017508733A JP2017508733A JP2017514646A JP 2017514646 A JP2017514646 A JP 2017514646A JP 2017508733 A JP2017508733 A JP 2017508733A JP 2017508733 A JP2017508733 A JP 2017508733A JP 2017514646 A JP2017514646 A JP 2017514646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silk fibroin
microneedle
drug
delivery system
drug delivery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017508733A
Other languages
English (en)
Inventor
イン,チュピン
ル,シェンチョウ
シア,ティンティン
ユ,インイン
ウ,ユエ
Original Assignee
ソーチョウ ユニバーシティー
ソーチョウ ユニバーシティー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソーチョウ ユニバーシティー, ソーチョウ ユニバーシティー filed Critical ソーチョウ ユニバーシティー
Publication of JP2017514646A publication Critical patent/JP2017514646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法であって、該マイクロニードル薬物送達システムは、シルクフィブロインと小分子膨潤剤とを含み、脱イオン水中での膨潤度が200%〜1000%であり、薬物担持率が2%〜15%であり、放出率>70%である。その製造方法は、シルクフィブロイン溶液を小分子膨潤剤と混合した後、モデル薬物と混合し、PDMS鋳型に注ぎ、真空乾燥、恒温恒湿での乾燥平衡を経て得る方法である。【選択図】なし

Description

本願は、出願日が2015年4月3日、出願番号が201510155449.X、発明の名称が「膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容を引用により本願に組み入れる。
本発明は、医療用マイクロニードル薬物送達システムに関し、詳しくはシルクフィブロインを基材として製造されたマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法に関する。
微細加工技術の発展に伴い、表皮を貫通するが真皮及び神経を損傷しないマイクロニードル技術が、十数年前から現れ、経皮薬物投与に新しい考え方がもたらされた。サイズがマイクロメートルレベルのマイクロニードルアレイは、可逆で低侵襲の方式で、浸透性が極めて低い皮膚表層(角質層)を貫通することによって生体高分子が通過可能な機械的通路を作り出すが、痛み及び皮膚損傷が生じない。しかし、現時点のマイクロニードル薬物送達技術には、まだ、主に成形技術が煩雑であること、製造コストが高すぎること、マイクロニードルの材質が毒性を有すること、生体適合性が悪いこと、折れやすく皮膚内に残留するためアレルギーを引き起こすこと及びマイクロニードルからの薬物放出挙動を比較的正確に制御できないこと等を含めた様々な技術上のボトルネックが存在する。従来の金属、ガラス、シリコン質のマイクロニードルは、その良好な刺入性により皮膚透過性を変える能力を有するが、一般的に薬物がマイクロニードルの表面に塗布され薬物担持量が少ないので、治療効果が得られにくい。
現在、マイクロニードル経皮薬物送達システムは、親水性の小分子薬物、ペプチド、タンパク質薬物及びDNA等の経皮吸収分野において、注目を集めている。マイクロニードル経皮薬物投与方式は、胃腸管のpH、消化酵素及び肝臓による作用等により薬物の生物学的利用能が低くなるという従来の経口投与における問題を回避し、注射投与により患者に与えられる針刺入による苦痛及び皮膚損傷を回避し、しかも比較的安定した薬物血中濃度を維持できる。
近年、シルクフィブロインは、好適な生体医学材料として考えられ、良好な生体適合性及び生分解性を有している。シルクフィブロインは、良好な生体適合性及び生分解性を有することから、人工皮膚や人工角膜の製造などに適している。シルクフィブロインは、その親水性により水溶性薬物との良好な親和性が付与され、水溶性薬物を安定にシルクフィブロインの内部に包埋するのに有利である。変性処理により、乾燥状態で機械的性能に優れ、湿潤状態で素早く吸水し膨潤するタンパク質材料が得られる。よって、シルクフィブロインは、理想的なマイクロニードル基材である。
本特許出願前の中国特許(CN10258032A)には、シルクフィブロインマイクロニードルシステム及びシルクフィブロインナノ粒子の製造方法が開示されている。この方法では、可溶性のシルクフィブロイン硬化物により薬物担持シルクフィブロインナノ粒子を覆った後、マイクロニードルを製造している。該マイクロニードルは皮膚に刺入した後、外層のシルクフィブロイン硬化物が迅速に溶解し、薬物担持ナノ粒子が放出され、薬物放出の目的が達成される。しかし、このシルクフィブロインマイクロニードルシステムでは、可溶性のシルクフィブロインを用いるため、外層のシルクフィブロインが体液に接触すると素早く溶解し、薬物が迅速に放出されるので、徐放されにくい。溶液は圧力により押し出される恐れがあるので、薬物が徐放されにくい。マイクロニードルは溶解した後、表皮微孔が消えるので、薬物が持続的且つ安定的に放出されにくい。中国特許(CN103260693A)には、シルクフィブロインを基材とするマイクロニードル及びその製造方法が開示されている。この方法では、水蒸気アニーリングやメタノール溶液に曝す等の方法で薬物担持の成形後シルクフィブロインマイクロニードルに対して後処理を行うことで、シルクフィブロインβ折り畳み構造の含有量を制御しマイクロニードルを水に溶解させないようにして、そして薬物の放出速度を制御する目的を達する。しかし、これらの不溶化処理過程は、薬物の活性を低下させる恐れがある。β折り畳み構造のシルクフィブロインは、構造が安定し、吸水し膨潤する挙動が起こりにくく、分子間の隙間が狭過ぎるので、薬物の放出が遅く、薬物の放出率が低く、治療に有効な薬物血中濃度に達しにくい。中国特許(201410061578.8)に開示されているシルクフィブロインマイクロニードル及びその製造方法では、超音波振蕩によりシルクフィブロインを処理することで予備結晶構造を有する溶液を形成し、そしてゲル型マイクロニードルを形成する。該マイクロニードルのシルクフィブロイン分子は、構造が緻密であり、多くのSilkII型結晶を含み、吸水性及び膨潤性が低いので、薬物が速く持続的且つ安定的に放出されにくい。
本発明は、マイクロニードルに対する不溶化処理方式及びマイクロニードルの膨潤による薬物放出挙動における従来技術の欠点に対して、簡便で実行しやすく、条件が温和であり、マイクロニードルからの薬物放出率及び薬物放出速度が高く且つ安定した薬用量の薬物血中濃度を有するマイクロニードルシステム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の技術手段を採用している。本発明は、天然の家蚕シルクフィブロインを原料として製造されたマイクロニードル薬物送達システムであって、膨潤シルクフィブロインマイクロニードルとシルクフィブロイン膜とにより構成され、質量比率で、シルクフィブロイン75〜97%と小分子膨潤剤1%〜20%とを含み、残りは担持された薬物であり、水に溶解せず、脱イオン水中での膨潤度が100%〜1000%であり、薬物担持率が2%〜15%であり、放出率>70%であることを特徴とする膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを提供する。
前記膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムは、マイクロニードル頭部である刺入膨潤部分とマイクロニードルベース部であるシルクフィブロイン膜部分が一体となって形成されたものであって、48時間の経皮放出過程におけるインスリンの線形放出率を80%超にさせる経皮薬物放出システムであることを特徴とする。
前記膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムは、前記小分子膨潤剤が、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、グルコサミン塩酸塩、L-セリン及びビウレットのうちの1種であることを特徴とする。
本発明は、さらに、膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法を提供する。この製造方法は、
(1)シルクフィブロイン溶液を小分子膨潤剤と混合させるステップと、
(2)ステップ(1)で得られた混合溶液を薬物と均一に混合させた後、純水を加えて希釈させるステップと、
(3)ステップ(2)で得られた希釈後の混合溶液を微孔PDMS鋳型の表面に注ぎ込み、混合溶液が注ぎ込まれた微孔PDMS鋳型を真空度0.09MPa超の真空乾燥機内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせ、最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気に置き恒量になるまで乾燥平衡させ、鋳型から取り出して、シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得るステップと、を含むことを特徴とするものである。
この技術手段の好ましい態様として、前記膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法において、前記小分子膨潤剤であるエチレングリコールメチルエーテル又はエチレングリコールエチルエーテルとシルクフィブロインとを1:100〜1:5の質量比で混合させる態様;前記小分子膨潤剤であるグルコサミン塩酸塩とシルクフィブロインとを1:10の質量比で混合させる態様;前記小分子膨潤剤であるL-セリンとシルクフィブロインとを1:20の質量比で混合させる態様;及び前記小分子膨潤剤であるビウレットとシルクフィブロインとを1:20の質量比で混合させる態様が挙げられる。
この技術手段の好ましい態様として、前記ステップ(3)における乾燥平衡時間を少なくとも36時間とする態様が挙げられる。
本発明のメカニズムは、膨潤剤により変性されたシルクフィブロイン溶液を鋳型に注ぎ込み、真空減圧及び恒温恒湿乾燥等の工程を経て、溶損挙動が極めて弱く、膨潤性能、刺入性能及び薬物徐放性能に極めて優れた生分解可能な各種膨潤型乾燥ゲル状シルクフィブロインマイクロニードル放出システムを製造することである。小分子膨潤剤とシルクフィブロイン溶液を混合させ、小分子化合物によるシルクフィブロイン分子鎖への結晶形成誘導作用や化学架橋作用、或いは、シルクフィブロイン溶液中で自己重合することによって網状構造を形成する等のメカニズムを利用して、溶損性が弱く、膨潤性能に優れ、膨潤速度が制御され、且つ、生体適合性が良く生分解可能な乾燥状態の相転移が可能な各種シルクフィブロインゲルマイクロニードルを製造する。マイクロニードルは、乾燥状態では皮膚の角質層を穿刺するのに十分な強度を有し、細胞間質に接触すると十分に膨潤し、ある程度の強度を有し且つ安定に存在できる湿潤状態のヒドロゲル状マイクロニードル薬物放出システムを形成する。該システムにおいて、マイクロニードルの膨潤により薬物放出通路が形成されるので、薬物が徐々に放出される。また、マイクロニードルベース部のシルクフィブロイン膜内に薬物が多く貯蔵されているので、薬物放出通路が形成された後、薬物が持続的にマイクロニードルから放出される。
本発明は、従来技術に比べて、下記の長所を有している。
1.マイクロニードルの薬物担持率が高い。シルクフィブロイン膜薬物貯蔵部が形成されるため、薬物担持率が大幅に向上する。
2.マイクロニードルからの薬物放出は安定的で速く、且つ、長時間持続される。膨潤したマイクロニードルは薬物放出通路を提供するので、薬物の放出速度が大幅に向上する。マイクロニードルの膨潤程度によりマイクロニードルにおける薬物通路の大きさが決められることで、薬物放出は安定化される。同時に、シルクフィブロイン膜薬物貯蔵部の存在により、マイクロニードルからの薬物放出は長く持続される。
3.シルクフィブロインは、薬物活性を安定化させる。恒温恒湿の乾燥平衡方式でマイクロニードルアレイを成形するので、条件が温和であり、薬物が安定に包埋され、薬物の生物活性が高い。
小分子膨潤剤がエチレングリコールメチルエーテルである場合のシルクフィブロインマイクロニードルの溶損率曲線である。 小分子膨潤剤がエチレングリコールメチルエーテルである場合のシルクフィブロインマイクロニードルの膨潤率曲線である。 本発明の1つ以上の実施例におけるPDMS鋳型表面のシルクフィブロインマイクロニードルアレイの顕微鏡写真である。 図3におけるシルクフィブロインマイクロニードルアレイの部分拡大図である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルの乾燥状態の顕微鏡写真である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルの膨潤後の顕微鏡写真である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルが刺入されたヒドロゲル平面の顕微鏡写真である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルが刺入された豚皮平面の顕微鏡写真である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルが刺入された豚皮の切断面一の顕微鏡写真である。 本発明の1つ以上の実施例におけるシルクフィブロインマイクロニードルが刺入された豚皮の切断面二の顕微鏡写真である。 カプサイシン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/50)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルからの薬物累積放出の曲線図である。 インスリン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルからの薬物累積放出の曲線図である。 カプサイシン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/50)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルからのカプサイシン累積放出の線形回帰図である。 インスリン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルからのインスリン累積放出の線形回帰図である。
以下、本発明を具体的な実施例によってさらに説明するが、これらの実施例が、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。また、当業者が、本発明における記載を読んだ後、本発明に対して様々な変更又は修正を行うことが可能であり、これらの等価形態も同様に本明細書に添付される特許請求の範囲で限定される範囲内に含まれることを理解すべきである。
[実施例1]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるエチレングリコールメチルエーテルを純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/10で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるカプサイシンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/50)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
[実施例2]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるエチレングリコールメチルエーテルを純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/20で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるカプサイシンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/50)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
[実施例3]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるエチレングリコールエチルエーテルを純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/10で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるインスリンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
[実施例4]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるL-セリンを純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/20で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるインスリンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/10)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
[実施例5]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるグルコサミン塩酸塩を純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/10で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるインスリンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
[実施例6]
(1)シルクフィブロイン溶液の製造:シルクフィブロイン溶液の製造:家蚕の生糸80gを取り、濃度0.06%の炭酸ナトリウム溶液4000mlに加え、98〜100℃で3回煮た。3回とも脱イオン水を用い、各回30分間処理し、生糸中のセリシンを除去した。洗浄し、解した後に、60℃のオーブンに入れて乾燥させ、純シルクフィブロイン繊維を得た。乾燥されたシルクフィブロイン繊維を60℃で9.3Mの臭化リチウム溶液に溶解した。浴比を3:20、溶解時間を約1時間とした。冷却後、該溶液を取り出して、透析バッグに入れ、脱イオン水に置き3日間透析した。脱脂綿で濾過し、純シルクフィブロイン溶液を得た。これを室温で濃縮し、4℃の冷蔵庫に入れて保存した。
(2)シルクフィブロイン溶液の製造及び変性:小分子膨潤剤であるビウレットを純水で0.2g/mlに希釈し、(1)で得られた純シルクフィブロイン溶液と質量比(M膨潤剤/Mシルクフィブロイン)=1/20で混合した。
(3)モデル薬物の包埋:モデル薬物であるインスリンを(2)で得られた混合溶液と質量比(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)で均一に混合し、さらにシルクフィブロイン濃度が0.09g/mlになるまで純水を加えて希釈し、保存した。
(4)シルクフィブロインマイクロニードルの注ぎ込み及び成形:(3)で得られた混合溶液を15×15微孔アレイのPDMS鋳型の表面に注ぎ込み、1単位アレイあたり160μlとした。混合溶液が注ぎ込まれたPDMS鋳型を真空度0.09MPa以上の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせた。最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気(φ=65%、T=278K)に置き36時間以上乾燥平衡させ、マイクロニードル及びその台座部が一体化された、膨潤が高く、溶損が少なく、薬物担持量が多いシルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得た。鋳型から取り出した後、使用すればよい。
エチレングリコールメチルエーテルを小分子膨潤剤として製造された一連のマイクロニードルについて、溶損率及び膨潤率を測定した。測定結果は、図1及び図2に示す。溶損率の測定方法は下記の通りである。シルクフィブロインマイクロニードル約0.1g(ml)を量り、1組毎に同様のサンプルを5つ用い、それに浴比1/100で脱イオン水10mlを加え、37℃の水浴恒温振盪機に24時間浸した後、サンプルを10分間遠心し、上清を取り、278nmにおける紫外吸光度を測定し、シルクフィブロインの濃度を算出し、式(1)によりシルクフィブロインの溶損率(溶出されたシルクフィブロインの質量/マイクロニードル中におけるシルクフィブロインの質量)を算出した。
Figure 2017514646
式(1)中、C1:シルクフィブロインの濃度、m1:マイクロニードルの質量、φ1:マイクロニードルにおける固形分の含有率、S:小分子膨潤剤のシルクフィブロインに対する質量比である。
膨潤率の測定方法は下記の通りである。前記遠心後の下層シルクフィブロインマイクロニードルを取り、脱イオン水で洗い、3回遠心し、濾過紙で表面の水分を吸い取り、その湿重量m2を量り、式(2)によりマイクロニードルの膨潤率を算出した。
Figure 2017514646
式(2)中、m1:マイクロニードルの質量、m2:膨潤後のマイクロニードルの質量、φ1:マイクロニードルにおける固形分の含有率、S:小分子膨潤剤のシルクフィブロインに対する質量比である。
電子顕微鏡で乾燥状態のシルクフィブロインマイクロニードル及び膨潤後のマイクロニードルを観察した。顕微鏡写真はそれぞれ図3、図2、図5に示す。該マイクロニードルの膨潤率が比較的高いことがわかった。
1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルアレイを用いて、ヒドロゲル平面及び豚皮に刺入した後、ホルマリン溶液に24時間浸し固定させ、取り出して、洗浄した後、蛍光立体顕微鏡で刺入面を観察した。Leica CM1950冷凍スライサーを用いてマイクロニードルが刺入された豚皮から厚み15μmのスライスを切り出し、蛍光立体顕微鏡で観察し、豚皮を刺入した微孔の断面写真を撮った。写真は図3〜6に示す。図3〜6から、実施例1のシルクフィブロインマイクロニードルの刺入深さが200〜250μmの範囲にあることがわかった。これは、該手段によるシルクフィブロインマイクロニードルは、良好に皮膚の角質層を突破する能力を有し、しかも刺入深さが皮下層に達しておらず、痛覚神経に触れることがないので、穿刺による痛覚が起こらず、マイクロニードルの效果がよく実現できることを証明している。
それぞれ、カプサイシン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/50)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードル及びインスリン(M薬物/Mシルクフィブロイン=1/20)を薬物とした1つの実施例で製造されたシルクフィブロインマイクロニードルを用いて、厚み400〜500μmの豚皮に刺入し、シルクフィブロイン膜を同じ仕様の豚皮に貼り付け、12mLの経皮放出セルを覆い、厚み1.5cmのフォームで下支えした後、クリップで固定した。試料採取口からPBS緩衝液12mL(V)及びローターを入れ、TT-6/TT-8経皮放出機に置き、恒温において薬物を放出させた。水浴温度を32℃、ローターの回転速度を500r/minとした。それぞれ、1、2、3、4、6、8、16、24、28、32時間に、試料1mL(Vi)を採取し、FM4P-TCSPC蛍光分光光度計を用いて、励起波長:280nm、測定波長:290〜550nm、スリット幅:2nmの条件で測定を行い、316nm波長における回折強度を記録し、薬物放出セル中の薬物濃度Ciを算出し、時間に対するマイクロニードルからの薬物累積放出率の変化曲線を描き、それぞれ図11(薬物はカプサイシンである)及び図12(薬物はインスリンである)の曲線図を得た。これらの曲線から、該方法により得られたマイクロニードルは、薬物放出率が高く、薬物放出速度が速いので、薬物の経皮吸收に有利であることがわかった。
本発明のシルクフィブロインマイクロニードルの経皮薬物放出過程の線形挙動を得るために、図11及び図12における各点に対して回帰を行った。回帰図は、図13及び図14に示す。図13において、回帰によって得られた線形方程式はy=4.46943+6.79271xなので、線形段階における薬物放出率はy=4.46943+6.79271×6=45.23%、単位時間あたりの薬物放出率は6.79271%である。よって、LJS/SF=1/50である場合、約45%の薬物が6時間以内に6.79271%/hの速度で安定に放出される。図14において、回帰によって得られた線形方程式はy=0.39037+1.84749xなので、安定した薬物放出段階における薬物放出率はy=0.39037+1.84749×44=81.68%、単位時間あたりの薬物放出率は1.84749%である。即ち、INS/SF=1/20である場合、該マイクロニードルにおける80%以上のINSが44時間以内に1.84749%の速度で安定に放出される。図13及び図14からわかるように、各ゲルマイクロニードルは、経皮薬物放出曲線の前段階においていずれも良好な線形挙動を有し、薬物放出速度及び単位時間あたりの放出率が基本的に一定であるので、大、小分子薬物に対する徐放性経皮薬物送達を実現することが期待できる。
前記データは、マイクロニードルの薬物担持量を制御する又はマイクロニードルの使用数量を上げることで、患者に薬用量が一定である薬物血中濃度を提供することを実現でき、従来の注射投与で薬物血中濃度が高くなりすぎることによる衝撃を徹底的に回避し、徐放性を良好にすることを証明している。
従って、本発明で製造されるマイクロニードルは、膨潤率が高く、溶損率が少なく、皮膚に刺入した後、膨潤して薬物放出通路を形成し、分子間の隙間が顕著に拡大されるので、薬物が効率的且つ安定的に放出される。同時に、該マイクロニードルは、不溶性のシルクフィブロインマイクロニードルであるため皮膚表面を刺入した微孔が安定に存在し、全放出過程において薬物の放出速度が効率的且つ持続的に維持され、薬物の放出率が高いので、マイクロニードルは薬物担持量が低く薬物放出量が少ないという使用上の制約を克服することが期待できる。膨潤型マイクロニードルは、顕著な薬物放出促進性能を確実に有し、且つヒドロゲルマイクロニードルの膨潤性能に正の相関性を示している。
前記実施方式は、本発明の好ましい実施方式に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の技術趣旨を逸脱しない範囲で様々な改良及び変形を行うことが可能であり、これらの改良及び変形も本発明の保護範囲内に含まれることを指摘しなければならない。

Claims (9)

  1. 天然の家蚕シルクフィブロインを原料として製造されたマイクロニードル薬物送達システムであって、膨潤シルクフィブロインマイクロニードルとシルクフィブロイン膜とにより構成され、質量比率で、シルクフィブロイン75〜97%と小分子膨潤剤1%〜20%とを含み、残りは担持された薬物であり、水に溶解せず、脱イオン水中での膨潤度が100%〜1000%であり、薬物担持率が2%〜15%であり、放出率>70%であることを特徴とする膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム。
  2. マイクロニードル頭部である刺入膨潤部分とマイクロニードルベース部であるシルクフィブロイン膜部分が一体となって経皮薬物放出システムを形成し、該システムは、48時間の経皮放出過程におけるインスリンの線形放出率を80%超にさせることを特徴とする請求項1に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム。
  3. 前記小分子膨潤剤が、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、グルコサミン塩酸塩、L-セリン及びビウレットのうちの1種であることを特徴とする請求項1に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム。
  4. (1)シルクフィブロイン溶液を小分子膨潤剤と混合させるステップと、
    (2)ステップ(1)で得られた混合溶液を薬物と均一に混合させた後、純水を加えて希釈させるステップと、
    (3)ステップ(2)で得られた希釈後の混合溶液を微孔PDMS鋳型の表面に注ぎ込み、混合溶液が注ぎ込まれた微孔PDMS鋳型を真空度0.09MPa超の真空乾燥庫内に20〜30分間置き、溶液及び鋳型微孔中の気泡を脱出させ且つ溶液を十分に鋳型微孔に入らせ、最後は、脱泡後のPDMSシステムを恒温恒湿の雰囲気に置き恒量になるまで乾燥平衡させ、鋳型から取り出して、シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムを得るステップと、を含むことを特徴とする膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
  5. 前記小分子膨潤剤であるエチレングリコールメチルエーテル又はエチレングリコールエチルエーテルとシルクフィブロインとを1:100〜1:5の質量比で混合することを特徴とする請求項4に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
  6. 前記小分子膨潤剤であるグルコサミン塩酸塩とシルクフィブロインとを1:10の質量比で混合することを特徴とする請求項4に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
  7. 前記小分子膨潤剤であるL-セリンとシルクフィブロインとを1:20の質量比で混合することを特徴とする請求項4に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
  8. 前記小分子膨潤剤であるビウレットとシルクフィブロインとを1:20の質量比で混合することを特徴とする請求項4に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
  9. 前記ステップ(3)における乾燥平衡時間を少なくとも36時間とすることを特徴とする請求項4に記載の膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システムの製造方法。
JP2017508733A 2015-04-03 2015-05-06 膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法 Pending JP2017514646A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201510155449.X 2015-04-03
CN201510155449 2015-04-03
PCT/CN2015/078338 WO2016155082A1 (zh) 2015-04-03 2015-05-06 一种溶胀型丝素蛋白微针给药系统及其制备方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017514646A true JP2017514646A (ja) 2017-06-08

Family

ID=57003898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017508733A Pending JP2017514646A (ja) 2015-04-03 2015-05-06 膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017514646A (ja)
WO (1) WO2016155082A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109420250A (zh) * 2018-02-11 2019-03-05 西南民族大学 一种新型微针及其制备方法
AU2019247655A1 (en) * 2018-04-03 2020-10-01 Vaxess Technologies, Inc. Microneedle comprising silk fibroin applied to a dissolvable base
DE102020122557A1 (de) * 2020-08-28 2022-03-03 Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag Mucosa-Perforierung
CN112370654A (zh) * 2020-11-17 2021-02-19 南京工业大学 一种基于激光雕刻技术的微针贴片制作方法
CN113679657B (zh) * 2021-07-30 2023-04-07 苏州大学 用于治疗失眠的丝素蛋白微针透皮贴片及其制备方法
CN115671026A (zh) * 2022-04-25 2023-02-03 复向丝泰医疗科技(苏州)有限公司 一种丝蛋白微针及其制备方法
CN114834066B (zh) * 2022-04-25 2023-09-29 武汉纺织大学 复合多层微针的制备方法
CN116509768B (zh) * 2023-04-24 2024-06-25 澜锡(浙江)生物科技有限公司 基于纯天然中草药、蚕丝提取的抗氧化抗皱效果的纳米微针化妆品及其制备工艺

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101530402A (zh) * 2009-04-23 2009-09-16 苏州大学 丝素蛋白复层膜及其制备方法
JP2012505164A (ja) * 2008-10-07 2012-03-01 ジン・トゥオ 相転移重合体マイクロニードル
CN102580232A (zh) * 2012-02-23 2012-07-18 游学秋 一种丝素微针系统和丝素纳米颗粒及其制备方法
JP2014501547A (ja) * 2010-10-19 2014-01-23 トラスティーズ オブ タフツ カレッジ シルクフィブロインベースのマイクロニードルおよびその製造方法
CN103800998A (zh) * 2014-02-24 2014-05-21 苏州大学 一种丝素蛋白凝胶微针系统及其制备方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012505164A (ja) * 2008-10-07 2012-03-01 ジン・トゥオ 相転移重合体マイクロニードル
CN101530402A (zh) * 2009-04-23 2009-09-16 苏州大学 丝素蛋白复层膜及其制备方法
JP2014501547A (ja) * 2010-10-19 2014-01-23 トラスティーズ オブ タフツ カレッジ シルクフィブロインベースのマイクロニードルおよびその製造方法
CN102580232A (zh) * 2012-02-23 2012-07-18 游学秋 一种丝素微针系统和丝素纳米颗粒及其制备方法
CN103800998A (zh) * 2014-02-24 2014-05-21 苏州大学 一种丝素蛋白凝胶微针系统及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016155082A1 (zh) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017514646A (ja) 膨潤型シルクフィブロインマイクロニードル薬物送達システム及びその製造方法
Wang et al. Insulin-loaded silk fibroin microneedles as sustained release system
Chen et al. Controlled Delivery of Insulin Using Rapidly Separating Microneedles Fabricated from Genipin‐Crosslinked Gelatin
ES2939972T3 (es) Uso cosmético para reducir arrugas de una microaguja
ES2369948T5 (es) Tela no tejida de fibras
Fang et al. A needle-type glucose biosensor based on PANI nanofibers and PU/E-PU membrane for long-term invasive continuous monitoring
CN103800998B (zh) 一种丝素蛋白凝胶微针系统及其制备方法
US20210275359A1 (en) Microneedle Adhesive Patch Based on Hydrogel Formulation
CN105617526B (zh) 一种溶胀型丝素蛋白微针给药系统及其制备方法
Medhi et al. Lidocaine-loaded fish scale-nanocellulose biopolymer composite microneedles
Gao et al. PEGDA/PVP microneedles with tailorable matrix constitutions for controllable transdermal drug delivery
JP2012505164A (ja) 相転移重合体マイクロニードル
CN108430565A (zh) 用于经皮吸收的微结构体及其制备方法
CN106474620A (zh) 一种药物可控释放的聚合物微针、制备方法及微针贴片
CN110664439B (zh) 一种可提取皮肤组织液的微针及其制备方法
CN113797155B (zh) 一种不可溶的透皮微针贴片及其制备方法和应用
CN114917465B (zh) 一种自发热微针载药贴片及其制备方法
Cao et al. Sustained release of insulin from silk microneedles
Zheng et al. A Rapidly Dissolvable Microneedle Patch with Tip‐Accumulated Antigens for Efficient Transdermal Vaccination
CN114834066B (zh) 复合多层微针的制备方法
WO2019182099A1 (ja) 糖反応性複合ゲル組成物、その製造方法、前記糖反応性複合ゲル組成物を含むインスリン送達マイクロニードルおよびその製造方法
KR102138060B1 (ko) 마이크로니들형 하이드로겔 제조용 조성물 및 마이크로니들형 하이드로겔의 제조방법
JP2011173963A (ja) フィブロインスポンジシート及びその製造方法
CN110840823A (zh) 一种传递体复合自溶微针及其制备方法
Barati et al. Protein-based microneedles for biomedical applications: A systematic review

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171219