JP2017514522A - ヒト化可変性リンパ球受容体(vlr)および組成物ならびにそれに関連する使用 - Google Patents

ヒト化可変性リンパ球受容体(vlr)および組成物ならびにそれに関連する使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、標的分子に特異的に結合する、ヒト化配列およびかかる配列を含むポリペプチドなどの可変性リンパ球受容体(VLR)の修飾ならびにそれに関連する使用に関する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される組換えポリペプチドVLRおよびその変異体に関する。特定の実施形態では、本開示は、有効量の本明細書に開示される組換えポリペプチドまたは変異体を、それを必要とする被験者に投与することを含む、疾患または状態を治療または予防することに関する。【選択図】図3

Description

連邦政府資金による研究の記載
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与された助成金5R01A1072435の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明における特定の権利を有する。
関連出願の相互参照
本願は、2014年5月2日に出願された米国仮特許出願第61/987,566号明細書(本明細書でその全体が参照により援用される)に対して優先権を主張する。
免疫の試験によると、脊椎動物における2つのタイプの獲得免疫系(AIS)の出現が示される。ヒトは、主にIgV−(D)−J遺伝子セグメントのアセンブリおよび体細胞性高頻度突然変異により、Igドメインに基づくTおよびB細胞抗原受容体の広範なレパートリーを生成する。ヤツメウナギおよびメクラウナギは、可変性リンパ球受容体(VLR)に基づく別のAISを有し、その多様性はロイシンリッチリピート(LRR)カセットから生成される。コンビナトリアルVLRアセンブリは、多様性がヒト免疫グロブリンに匹敵する膨大なレパートリーの受容体を生成し得る。Han et al.Antigen recognition by variable lymphocyte receptors,Science,2008 321:1834−183;Hirano et al.,The evolution of adaptive immunity in vertebrates,Adv Immunol,2011,109:125−57;国際公開第2013/078425号パンフレット;米国特許出願公開第2011/0230374号明細書;国際公開第2010/065407号パンフレット;および国際公開第2008/016854号パンフレットを参照のこと。Guoらは、ヤツメウナギにおける適応免疫系を報告している。Nature,2009,459(7248):796−80。Tasumiらは、高親和性ヤツメウナギVLRAおよびVLRBモノクローナル抗体を報告している。Proc Natl Acad Sci USA,2009,106(31):12891−6。Nakaharaらは、ヤツメウナギイディオトープ特異抗体を用いて監視する慢性リンパ性白血病を報告している。Cancer Immunol Res,2013,1(4):223−228。
Binzらは、非免疫グロブリンドメインからの結合タンパク質の操作を報告している。Nat Biotechnol.,2005,23(10):1257−68。
Leeらは、モジュール操作による無顎類の可変性リンパ球受容体に基づく結合スキャフォールドについて報告している。Proc Natl Acad Sci USA,2012,109(9):3299−304。
本明細書中に引用される参考文献は、先行技術の承認ではない。
本開示は、標的分子に特異的に結合する、ヒト化配列およびかかる配列を含むポリペプチドなどの可変性リンパ球受容体(VLR)の修飾ならびにそれに関連する使用に関する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される組換えポリペプチドVLRおよびその変異体に関する。特定の実施形態では、本開示は、有効量の本明細書に開示される組換えポリペプチドまたは変異体を、それを必要とする被験者に投与することを含む、疾患または状態を治療または予防することに関する。
特定の実施形態では、本開示は、ヒト細胞、例えば形質細胞、B細胞、またはT細胞に特異的に結合する組換えポリペプチドVLRに関する。
特定の実施形態では、本開示は、ヒト抗体Fc配列を、任意選択的にヒト化アミノ酸配列を含むように修飾された可変性リンパ球受容体に結合させることに関する。特定の実施形態では、本開示は、無顎類の可変性リンパ球受容体(VLR)からのアミノ酸位置を、ロイシンリッチリピート(LRR)配列を含むヒトタンパク質に移植することに関する。特定の実施形態では、本開示は、ヒト様配列が豊富に存在する可変性リンパ球受容体配列に対する類似性を有するタンパク質ディスプレイライブラリーを作成し、治療用途での使用に適合したその中の配列を同定することに関する。特定の実施形態では、修飾ヒト化配列は、ヒト免疫系のエフェクター機能を活性化するのに十分なFc受容体および補体によって認識されるヒト抗体Fc配列に結合される。
特定の実施形態では、本開示は、分子に結合する無顎類の可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列を提供するステップと;可変性リンパ球受容体中のどのアミノ酸が、結合分子に空間的に最も近い状態であるか、および/または結合分子とイオン相互作用をもたらすか、および/または水素結合するか、および/またはファンデルワールス力をもたらすかを評価し、可変性リンパ球受容体における標的アミノ酸を提供するステップと;可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超、25%超、または30%超またはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列を提供するステップと;分子に特異的に結合するように形成された修飾ヒトアミノ酸配列を提供するため、可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸および標的アミノ酸を囲む十分な数のアミノ酸を既知のヒトアミノ酸配列内部で置換するステップと;組換え核酸から修飾ヒトアミノ酸配列を発現させるステップと、を含む方法によって作成される、分子に特異的に結合する単離された修飾ヒトアミノ酸配列に関する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法によって作成される既知の修飾ヒトアミノ酸配列をコードする核酸を含む組換えベクターに関する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法によって作成される既知の修飾ヒトアミノ酸配列をコードする核酸を含む組換えベクターを含む発現系に関する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される修飾ヒトアミノ酸配列および適応免疫機能を開始することができるヒトFc配列またはその断片を含む融合タンパク質に関する。
特定の実施形態では、本開示は、配列XLXLXXNKLQTIAKGTFSPLRAIQXMXLXX(配列番号38)(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、但しポリペプチドは、(配列番号16)LLSLYDおよび(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つを有しない)を含む組換えポリペプチドに関する。特定の実施形態では、組換えポリペプチドは、ヒトFc配列をさらに含む。特定の実施形態では、組換えポリペプチドは、YLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLY(配列番号66)、YLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLYQ(配列番号67)、またはYLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLYG(配列番号68)の配列を有する。特定の実施形態では、組換えポリペプチドは、B細胞ではないが形質細胞に特異的に結合する能力がある。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号56のMM3配列を含む組換えポリペプチドまたはその変異体に関する。特定の実施形態では、本開示は、組換えポリペプチドをコードする核酸を含む組換えベクターに関する。特定の実施形態では、本開示は、ベクターを含む発現系に関する。
図1は、VLRに対するヒト化スキャフォールドとしてのヒトSlit2−D2を図示する。Slit2の2番目のVLR様RRRドメイン(Slit−D2)は、抗原がVLRに結合するのと同様に凹表面のβ鎖に結合する、そのリガンドRobo1と共結晶化されている。 図2は、実質的重複を示すVLRおよびSlit2−D2の整列化を図示する。 図3は、ヤツメウナギVLRB抗体およびヒトLRR受容体の三次構造を図示する。(左)炭疽菌(Bacillus anthracis)(VLR4)およびH三糖(RBC36)に特異的なヤツメウナギVLRBクローンの三次構造。(右)ヒトは、ヤツメウナギVLRBと類似した三次構造を有する多数のロイシンリッチリピート受容体を発現する。例えば、Slit−D2、CD42b、およびNogo−66受容体は、並行型βシートからなる凹表面を含み、VLRBと同じ三日月形状を有する。 図4は、VLRB特異性とヒト免疫エフェクター機構との共役を図示する。(左)ヒトIgG1抗体は、3つの定常ドメイン(CH1〜CH3)および1つの可変(VH)を有する重鎖と1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する軽鎖からなる。可変ドメインが抗原結合に関与する一方、CH2およびCH3ドメインは、補体依存性細胞傷害性(CDC)、抗体依存細胞傷害性(ADCC)、およびマクロファージ(MΦ)による抗体コート細胞の食作用を含む免疫エフェクター機能に抗体を関連づけるように機能する。重鎖定常領域はまた、抗体をエンドソームからリサイクルするFcRnとの相互作用により、循環中の抗体の半減期を延長させる。(右)VLRB可変ドメインとIgG1のCH2およびCH3ドメインとの融合は、VLRB特異性を免疫除去のヒト機構と共役させることになる。 図5は、哺乳動物発現ベクターを図示する。 図6は、ヒト化RB36がH−三糖に結合することを示すデータを示す。ヒトSlit2−D2野生型(左)、ヤツメウナギRBC36 VLR(中央)およびSLIT2−RBC36突然変異体(右)は、HEK−293T細胞から分泌されるIgG1−Fc融合タンパク質として発現され、H−三糖を発現するように操作されたCHO細胞を染色するために用いられた。灰色影付きは非染色細胞を示し、また線は融合タンパク質での染色を示す。 図7は、ヤツメウナギVLRBモノクローナル抗体(RBC36)配列(配列番号73)を示す。ヒトSlit2−D2は4つのVLR様LRRドメインを有し、Slit2の第2ドメイン(Slit−D2)の結晶構造は解明されており、それはヤツメウナギVLRBとの構造的比較を可能にした。その抗原H−三糖と複合体をなすRBC36の構造は決定されている。抗原と接触する残基は、灰色影付きボックスによって示される。Slit2−D2はVLRB中に存在するLRRCT可変挿入ループが欠如し、抗原結合部位の一部を形成するが、その配列は灰色ボックス内の残基を、配列番号1で提供されるようなSlit2−D2中の位置に挿入することを可能にする。 図8は、配列番号1(クエリ)およびSlit2−D2のセグメント(サブジェクト)、ヒト(配列番号72)の比較を示す。 図9は、VLR MM3がヒト形質細胞に特異的であることを示すデータである。MM3は、ヒト形質細胞に結合するが、胚中心およびメモリーB細胞を含む他のB系列細胞に結合しない。 図10は、ヒト骨髄における形質細胞の亜集団で認められる高密度表面染色に関するデータを示す。 図11は、VLR抗原と接触するアミノ酸残基の記号を示す。完全VLR中に見出される全アミノ酸と比べての接触残基中の各アミノ酸の過大または過小な使用。 図12は、ヤツメウナギMM3 VLR mABのLRRVeおよびLRRCPドメインのヒト化Slit−MM3配列(部分配列:配列番号69)、ヒトSlit2−D2(部分配列:配列番号70)および混合配列(huMM3−1)(配列番号71)の整列化を図示する。灰色ボックスは、ヤツメウナギMM3由来の可変アミノ酸残基を強調している。 図13は、LRRCTループの比較を図示する。
本開示がより詳細に説明される前に、本開示が説明される特定の実施形態に限定されることなく、それ故に当然のことながら変化し得ることは理解されるべきである。また、本開示の範囲があくまで添付の特許請求の範囲によって限定されることになることから、本明細書で用いられる用語があくまで特定の実施形態を説明することを目的とし、限定することが意図されないことは理解されるべきである。
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての科学技術用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されている場合と同じ意味を有する。本明細書に記載される場合と類似または匹敵する任意の方法および材料もまた、本開示の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法および材料がここで説明される。
本明細書中に引用されるすべての出版物および特許は、あたかも個別の出版物または特許が各々、詳細かつ個別に参照により援用されるように示されるように、参照により本明細書に援用され、また、方法および/または材料を出版物が引用される場合との関連で開示し、説明するように参照により本明細書中に援用される。あらゆる出版物の引用は、出願日に先立つその開示を目的とし、本開示が、先行開示が理由で、かかる出版物に先立つという権限がないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提起される出版日が実際の出版日と異なる可能性があり、それは別途確認される必要があり得る。
本開示を読む際に当業者に明らかになるであろうが、本明細書で説明され、例示される個別の実施形態の各々は、本開示の範囲または精神から逸脱しない限り、他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離するかまたはそれらと組み合わせることが可能な別々の構成要素および特徴を有する。任意の挙げられる方法は、挙げられる事象の順にまたは論理的に考えられるそれ以外の任意の順に実施することができる。
本開示の実施形態は、別段の指示がない限り、当業者の範囲に含まれる、免疫学、医学、有機化学、生化学、分子生物学、薬理学、生理学などの技法を利用することになる。かかる技法は文献中に十分に説明されている。
明細書および添付の特許請求の範囲の中で用いられるとき、単数形「a」、「an」および「the」が文脈上特に明示されない限り複数の参照対象を含むことは注目される必要がある。本明細書中および後続する特許請求の範囲の中では、相対する意図が明白でない限り、参照は、以下の意味を有するように定義されるべきいくつかの用語に対してなされることになる。
様々な実施形態の説明に先立ち、別段の指示がない限り、以下の定義が提供され、用いられるべきである。
用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して連結されるアミノ酸を含む化合物を指し、交換可能に用いられる。特定の実施形態では、N末端は1つ以上のアセチル基またはアルカノイル基と置換されていてもよく、またC末端はアミドであってもよい。
用語「変異体」および「突然変異体」は、ポリペプチドに関連して用いられるとき、もう一つの通常の関連ポリペプチドとは1つ以上のアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を指す。変異体は「保存的」変化を有し得、置換されたアミノ酸は、類似の構造的または化学的特性を有する。保存的アミノ酸置換の1つのタイプは、類似の側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の基は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンであり;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の基は、セリンおよびトレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸の基は、アスパラギンおよびグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の基は、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸の基は、リジン、アルギニン、およびヒスチジンであり;また、硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の基は、システインおよびメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、およびアスパラギン−グルタミンである。より稀には、変異体は、「非保存的」変化(例えば、グリシンとトリプトファンの置換)を有し得る。類似の微量の変異はまた、アミノ酸の欠失または挿入(換言すれば付加)、または両方を含んでもよい。生物学的活性を損なうことなく、多数のアミノ酸残基のいずれに、またいかにして置換、挿入または欠失を行えるかを決定する指針は、当該技術分野で周知のコンピュータプログラム、例えばDNAStarソフトウェアを用いて見出してもよい。変異体は、機能的アッセイにおいて試験され得る。好ましい変異体は、10%未満、また好ましくは5%未満、またさらにより好ましくは2%未満の変化(置換、欠失などのいずれか)を有する。
用語「核酸」は、上記の通り、ヌクレオチドのポリマー、またはポリヌクレオチドを指す。同用語は、単一の分子、または分子の集まりを指定するために用いられる。核酸は、下記のように、一本鎖または二本鎖であってもよく、またコード領域および様々な調節エレメントの領域を含んでもよい。
特定のポリペプチドを「コードする核酸配列」の用語は、遺伝子のコード領域を含む核酸配列または換言すれば遺伝子産物をコードする核酸配列を指す。コード領域は、cDNA、ゲノムDNAまたはRNA形態で存在し得る。DNA形態で存在する場合、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または核酸は、一本鎖(すなわちセンス鎖)または二本鎖であってもよい。エンハンサー/プロモーター、スプライスジャンクション、ポリアデニル化シグナルなどの好適な調節エレメントは、転写の適切な開始および/または一次RNA転写物の正確なプロセシングを可能にするため、必要に応じて遺伝子のコード領域にごく接近させて配置してもよい。あるいは、本開示の発現ベクター内で利用されるコード領域は、内因性エンハンサー/プロモーター、スプライスジャンクション、介在配列、ポリアデニル化シグナルなどまたは内因性および外因性双方の調節エレメントの組み合わせを有してもよい。
特定の実施形態では、配列「同一性」は、最短配列の大きい方によって除される同一位置の数またはオーバーハングを除く等価位置(内部ギャップは等価位置として計数される)の数を用いて算出される、整列化対象の2つの配列間の配列整列化において(百分率で表される)正確に一致するアミノ酸の数を指す。例えば、ポリペプチドGGGGGGおよびGGGGTは、5つの中の4つ、すなわち80%の配列同一性を有する。例えば、ポリペプチドGGGPPPおよびGGGAPPPは、7つの中の6つ、すなわち85%の配列同一性を有する。特定の実施形態では、本明細書中で表記される配列同一性に関する任意の列挙は、配列類似性の代わりであってもよい。パーセント「類似性」は、整列化対象の2つの配列間での類似性を定量するために用いられる。本方法は、特定のアミノ酸が同一であり一致を有する必要がない点を除いて、同一性を判定することと同一である。アミノ酸は、次のアミノ酸基、すなわち、芳香族−F Y W;疎水性−A V I L;正に帯電:R K H;負に帯電−D E;極性−S T N Qに基づく、類似特性を有する基の中に含まれる場合、一致として分類される。
本明細書で用いられるとき、用語「抱合体」は、2つの分子実体の共有結合による連結を指す。分子実体は、直接的にまたは連結基を介して(標準の合成カップリング法を使用)共有結合してもよい。例えば、2つのペプチドは、同時ポリペプチド発現により共に連結してもよく、典型的には融合体またはキメラタンパク質と称される。1つ以上のアミノ酸は、対応する核酸配列の発現ベクターへの組み込みにより、連結基としてポリペプチドに挿入してもよい。他の検討対象の連結基は、カルボキシル酸基またはアミノ基を各々伴うアミノ酸側鎖を有するタンパク質とのアミドカップリングを可能にする、アミノ基またはカルボキシル酸基で末端置換されたポリエチレングリコールまたは炭化水素を含む。あるいは、アミノ基およびカルボキシル酸基は、銅触媒によるトリアゾールの形成を起こす、アジドおよびアルキンなどの他の結合パートナーと置換され得る。別の抱合の例では、ポリペプチドは、チオール基を有する天然または非天然アミノ酸を有するように発現される。チオール基は、カルボキシル酸とのカップリング反応においてアミノ基と置換され得るか、または2つのチオール基は、酸化条件に曝されるとき、ジスルフィドを形成するように反応する。
用語「組換え体」は、核酸分子に関連して作成されるとき、分子生物学的技術を介して共に連結される核酸のセグメントからなる核酸分子を指す。用語「組換え体」は、タンパク質またはポリペプチドに関連して作成されるとき、組換え核酸分子を用いて発現されるタンパク質分子を指す。
用語「ベクター」または「発現ベクター」は、特定の宿主生物または発現系、例えば細胞または無細胞における作動可能に連結されたコード配列の発現にとって必要な所望されるコード配列および適切な核酸配列を有する組換え核酸を指す。原核生物における発現にとって必要な核酸配列は通常、プロモーター、オペレーター(任意選択的)、およびリボソーム結合部位を含み、他の配列を伴うことが多い。真核細胞は、プロモーター、エンハンサー、ならびに終結およびポリアデニル化シグナルを利用することが知られている。
タンパク質「発現系」は、インビボおよびインビトロ(無細胞)系を指す。組換えタンパク質発現用の系では、典型的には、鋳型を有するDNA発現ベクターをトランスフェクトした細胞が利用される。細胞は、所望されるタンパク質を翻訳するような条件下で培養される。発現されたタンパク質は、その後の精製用に抽出される。原核生物および真核細胞を用いるインビボタンパク質発現系は周知である。また、一部のタンパク質は、変性剤およびタンパク質リフォールディング法を用いて回収される。インビトロ(無細胞)タンパク質発現系では、典型的には、転写、翻訳および任意選択的には翻訳後修飾にとって十分な構成成分、例えばRNAポリメラーゼ、調節タンパク質因子、転写因子、リボソーム、tRNAコファクター、アミノ酸およびヌクレオチドを含有する全細胞の翻訳適合性抽出物または組成物が用いられる。発現ベクターの存在下で、これらの抽出物および構成成分は、目的のタンパク質を合成し得る。無細胞系は、典型的には、プロテアーゼを含有せず、タンパク質の修飾アミノ酸による標識を可能にする。一部の無細胞系には、発現ベクターに翻訳用のコード成分を組み込んだ。例えば、Shimizu et al.,Cell−free translation reconstituted with purified components,2001,Nat.Biotechnol.,19,751−755およびAsahara&Chong,Nucleic Acids Research,2010,38(13):e141(双方は本明細書でその全体が参照により援用される)を参照のこと。
「選択可能マーカー」は、人為的選択または同定に適した形質を付与するポリペプチドをコードする、組換えベクターに導入される核酸であり(レポート(report)遺伝子)、例えばβラクタマーゼは、βラクタマーゼを発現する生物が増殖培地中、抗生物質の存在下で生存することを可能にする抗生物質耐性を付与する。別の例が、宿主にガンシクロビル選択に対する感受性をもたらすチミジンキナーゼである。それは、想定される色の存在または不在に基づいて必要な細胞と不必要な細胞との間を識別することを可能にするスクリーニング可能なマーカーであってもよい。例えば、lac−z−遺伝子は、X−gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)の存在下で青色を与えるβガラクトシダーゼ酵素を生成する。組換え挿入がlac−z−遺伝子を不活化する場合、得られるコロニーは無色である。例えば、発現生物がその成長に必要な(栄養要求性)特定の化合物を合成できないことに対して補完できる酵素および化合物を成長にとって有毒な別の化合物に変換できる酵素など、1つ以上の選択可能マーカーが存在し得る。URA3(オロチジン−5’リン酸デカルボキシラーゼ)は、ウラシルの生合成にとって必要であり、ウラシルに対して栄養要求性であるura3突然変異体を補完し得る。URA3はまた、5−フルオロオロチン酸を有毒な化合物5−フルオロウラシルに変換する。さらなる検討対象の選択可能マーカーは、抗菌耐性を授けるかまたは蛍光タンパク質を発現する任意の遺伝子を含む。例として、限定はされないが、以下の遺伝子、すなわち、amp、cam、tet、blasticidin、neo、hyg、abx、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII型遺伝子(nptII)、p−グルクロニダーゼ(gus)、緑色蛍光タンパク質(gfp)、egfp、yfp、mCherry、p−ガラクトシダーゼ(lacZ)、lacZa、lacZAM15、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(cat)、アルカリホスファターゼ(phoA)、細菌ルシフェラーゼ(luxAB)、ビアラホス耐性遺伝子(bar)、ホスホマンノースイソメラーゼ(pmi)、キシロースイソメラーゼ(xylA)、アラビトールデヒドロゲナーゼ(atlD)、UDP−グルコース:ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼI(galT)、アントラニル酸シンターゼのフィードバック非感受性αサブユニット(OASA1D)、2−デオキシグルコース(2−DOGR)、ベンジルアデニン−N−3−グルクロニド、大腸菌(E.Coli)トレオニンデアミナーゼ、グルタミン酸1−セミアルデヒドアミノトランスフェラーゼ(GSA−AT)、D−アミノオキシダーゼ(DAAO)、塩耐性遺伝子(rstB)、フェレドキシン様タンパク質(pflp)、トレハロース−6−Pシンターゼ遺伝子(AtTPS1)、リジンラセマーゼ(lyr)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)、トリプトファンシンターゼβ1(AtTSB1)、デハロゲナーゼ(dhlA)、マンノース−6−リン酸レダクターゼ遺伝子(M6PR)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)、およびD−セリンアンモニアリアーゼ(dsdA)、が挙げられる。
「標識」は、別の分子、例えば抗体またはタンパク質の検出を促進するため、その分子直接的または間接的に抱合される検出可能な化合物または組成物を指す。標識の具体的な非限定例として、蛍光タグ、酵素結合、および放射性同位元素が挙げられる。一例では、「標識受容体」は、異種ポリペプチドの受容体への取り込みを指す。標識は、放射標識アミノ酸の取り込みまたは標識化アビジン(例えば、光学的方法または比色法により検出可能な蛍光マーカーまたは酵素活性を有するストレプトアビジン)によって検出可能なポリペプチドへのビオチニル部分の共有結合を含む。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する様々な方法は当該技術分野で公知であり、用いてもよい。ポリペプチドに対する標識の例として、限定はされないが、以下のもの、すなわち、放射性同位元素または放射性ヌクレオチド(35Sまたは131Iなど)蛍光標識(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、ランタニド蛍光体など)、酵素標識(西洋わさびペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼなど)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(ロイシンジッパー対配列、二次抗体用の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグなど)、または磁気作用物質、例えばガドリニウムキレート、が挙げられる。一部の実施形態では、標識は、潜在的な立体障害を低減するため、様々な長さのスペーサーアームによって結合される。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される配列を含む組換えポリペプチドまたはその変異体もしくは融合体に関し、ここでアミノ酸配列のアミノ末端または炭素末端は、任意選択的に、異種アミノ酸配列、標識、またはレポーター分子に結合される。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチドまたはそのキメラタンパク質をコードする核酸を含む組換えベクターに関する。
特定の実施形態では、組換えベクターは、任意選択的に、哺乳動物、ヒト、昆虫、ウイルス、細菌、細菌プラスミド、酵母関連の複製起点または遺伝子、例えば遺伝子またはレトロウイルス遺伝子またはレンチウイルスLTR、TAR、RRE、PE、SLIP、CRS、およびINSのヌクレオチドセグメントまたは遺伝子を含む。
特定の実施形態では、組換えベクターは、任意選択的に、遺伝子ベクター配列(核酸)、例えば、選択可能マーカー領域、lacオペロン、CMVプロモーター、ハイブリッドニワトリB−アクチン/CMVエンハンサー(CAG)プロモーター、tacプロモーター、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、SP6 RNAポリメラーゼプロモーター、SV40プロモーター、内部リボソーム進入部位(IRES)配列、シス作用性ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(woodchuck post regulatory element)(WPRE)、スキャフォールド結合領域(SAR)、インバーテッド末端リピート(ITR)、FLAGタグコード領域、c−mycタグコード領域、金属アフィニティータグコード領域、ストレプトアビジン結合ペプチドタグコード領域、ポリHisタグコード領域、HAタグコード領域、MBPタグコード領域、GSTタグコード領域、ポリアデニル化コード領域、SV40ポリアデニル化シグナル、SV40複製起点、Col E1複製起点、f1起点、pBR322起点、またはpUC起点、TEVプロテアーゼ認識部位、loxP部位、Creリコンビナーゼコード領域、あるいは例えば、50もしくは60未満のヌクレオチドの連続セグメント内部に5、6、もしくは7またはそれより多い制限部位を有するか、または20もしくは30未満のヌクレオチドの連続セグメントに3もしくは4またはそれより多い制限部位を有する複数のクローニング部位、を含む。
可変性リンパ球受容体(VLR)
特定の実施形態では、本開示は、分子に対する特異的結合剤を作製する方法であって、可変性リンパ球受容体(VLR)を有する細胞が分子に結合し、かつ無顎類の形質細胞が分子に結合する可変性リンパ球受容体(VLR)を生成するような条件下で、分子を無顎類に投与するステップを含む、方法に関する。標的分子に結合する可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列の提供は、種々の方法によって達成され得る。Yuらは、ヒトT細胞で免疫されたヤツメウナギ幼生由来のモノクローナルVLR抗体パネルの作製、ならびに抗原精製および質量分析同定のための組換えモノクローナルVLR抗体の使用について報告している。J Immunol Methods,2012,386(1−2):43−9、表題「Purification and identification of cell surface antigens using lamprey monoclonal antibodies」を参照のこと。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるVLRアミノ酸配列を有するVLRを含む組換えポリペプチド、その配列または変異体に関する。特定の実施形態では、本開示は、VLR配列および蛍光タンパク質、タグ、またはマーカーなどの他のポリペプチド配列を含む、天然には存在しない組換えポリペプチドに関する。特定の実施形態では、本開示は、抗体が形成されるような条件下で無顎類を抗原に曝露させる方法によって作成される組換えタンパク質に関し、抗原は、無顎類が天然にかかる抗原への曝露を受けないようなものである。
特定の実施形態では、変異体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10のアミノ酸置換を含むか、または50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%を超えるその同一性または類似性を有する。特定の実施形態では、変異体は非天然配列を提供する。特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存されたアミノ酸置換である。特定の実施形態では、アミノ酸置換は、VLR(VLR、例えばMM3)内部のXXLXLXX(Xは任意のアミノ酸であり、Lはロイシンまたはイソロイシンであってもよい)の中に存在しない。特定の実施形態では、組換え核酸はVLR MM3またはその変異体をコードする。特定の実施形態では、組換えベクターは、本明細書に開示されるVLRまたはその変異体をコードする核酸を含む。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される組換えベクターを含む発現系に関する。
特定の実施形態では、本開示は、発現系においてタンパク質またはその変異体をコードする核酸を発現する方法によって作成される、本明細書に開示される組換えVLRまたはその変異体に関する。
標的配列を移植することによるVLR由来の修飾ヒト配列
特定の実施形態では、本開示は、分子に結合する無顎類の可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列を提供するステップと;可変性リンパ球受容体中のどのアミノ酸が、結合分子に空間的に最も近い状態であるか、および/または結合分子に対してイオン相互作用をもたらすか、および/または水素結合するか、および/またはファンデルワールス力をもたらすかを評価し、可変性リンパ球受容体における標的アミノ酸を提供するステップと;可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超、25%超、もしくは30%超またはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列を提供するステップと;分子に特異的に結合するように形成された修飾ヒトアミノ酸配列を提供するため、標的アミノ酸および可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸を囲む十分な数のアミノ酸を既知のヒトアミノ酸配列内部で置換するステップと;組換え核酸から修飾ヒトアミノ酸配列を発現させるステップと、を含む方法によって作成される、分子に特異的に結合する単離された修飾ヒトアミノ酸配列に関する。
無顎類であるヤツメウナギおよびメクラウナギは、可変性リンパ球受容体(VLR)を発現する、クローン的に多様なリンパ球からなる適応免疫系を有する。生殖系列VLRB遺伝子は不完全であり、非コード介在配列によって分離された不変の5’および3’定常領域からなる。5’定常領域は、シグナルペプチドおよびN末端LRR(LRR−NT)の一部をコードする。3’定常領域は、LRR−CTの一部および不変ストーク領域をコードする。不完全な生殖系列遺伝子は、数百の部分的LRR遺伝子セグメントによって隣接される。リンパ球の発生においては、隣接するLRR遺伝子セグメントは、不完全VLRB遺伝子に無作為かつ連続的にコピーされる。各LRR遺伝子セグメントは、遺伝子座へコピーされるとき、介在配列の一部を置換する。アセンブリ機構は、介在配列の全部がLRRモジュールと置換され、かつ機能的VLRBが発現されるまで継続する。VLRB遺伝子アセンブリは一つの対立遺伝子でのみ生じることから、各リンパ球は1つのVLRB遺伝子を発現する。VLRB遺伝子アセンブリ機構は、1014を超える固有の抗原受容体を生成し得、ヒト抗体レパートリーの理論的多様性に対抗する。
成熟VLRB遺伝子は、アミノ酸配列の多様性が凹表面上に集中した、三日月形状のタンパク質をコードする。凹表面は、並行型β鎖およびC末端可変ループからなる。各LRRサブユニットは1つのβ鎖に寄与し、また各β鎖は5つの可変アミノ酸位置を有する。またVLRB抗体は、可変数のLRRサブユニットを有する。最小のVLRB抗体は4つのLRRサブユニットを有し、最大のものは11のLRRサブユニットを有する。各LRRサブユニットは、凹表面の曲率を約10°増加させ、凹表面積を約220Å増加させる。C末端LRRであるLRR−CTは、可変長のループおよび凹表面の上側に突出する配列組成物をコードする。微粒子抗原、例えば炭疽菌(Bacillus anthracis)外皮またはヒト赤血球(RBC)での免疫により、抗原結合VLRB+細胞の形質細胞への増殖および分化が誘導される。形質細胞は、血液中を循環する多価VLRB抗体を分泌する。各々の分泌されるVLRB抗体は、可動性で不変のストーク領域のC末端でジスルフィド結合によって共に保持された二量体の五量体または四量体に配列した同一のVLRBポリペプチド鎖からなる。この多価性に起因し、VLRB抗体は、その抗原に高い結合活性で結合する。
哺乳動物細胞系(HEK−293TおよびCHO細胞)で発現されるVLRB cDNAは、インビボでVLRBのようなジスルフィド結合された多価抗体として組織培養上清に分泌される。組換えVLRB抗体は極めて安定である。組換えVLRB抗体は、pHの極値(<1.5および>12)および温度の極値(55℃で36時間)への曝露後、その抗原結合能を保持する。抗原特異的なVLRBクローンを単離するため、VLRB cDNAライブラリーが免疫したヤツメウナギのリンパ球から調製される。VLRB cDNAはHEK−293Tにトランスフェクトされ、VLRB含有組織培養上清が抗原結合性についてスクリーニングされる。モノクローナルVLRB抗体は、免疫抗原に高度に特異的である。炭疽菌(B.anthracis)のBclA胞子−コートタンパク質に特異的なVLRB抗体は、アミノ酸配列同一性が90%であるにもかかわらず、炭疽菌(B.anthracis)のBclAとセレウス菌(B.cereus)のBclAを忠実に(7中7で)識別した。
ヒト赤血球H−三糖抗原と複合体を形成したVLRB抗体(RBC−36)のX線結晶学によると、凹表面が抗原結合部位であることが確認された。H−三糖相互作用が、VLRB凹表面上の7つの中の6つのβ鎖内のアミノ酸との水素結合およびファンデルワールス接触によって安定化した。RBC−36のLRR−CTは、ループの先端近傍のトリプトファン(TRP204)残基を介して、H−三糖のガラクトース環との主要な相互作用に寄与する延長ループを形成する。
実験では、VLRBタンパク質は、マウスにおいて反復免疫後、免疫原性を示した。VLRB抗体の免疫原性は、ヒトにおける治療試薬としてのその可能性を制限する。VLRBと構造的に類似したロイシンリッチリピート受容体は、脊椎動物、無脊椎動物、植物、および原核生物において見出される。数種のヒトロイシンリッチリピート受容体、例えば、Slitファミリータンパク質(Slit1、2、および3)、CD42b、およびNogo−66は、VLRBと構造的重複部分を有する。抗原結合に関与するVLRB抗体(RBC36)の配列は、VLRBを「ヒト化する」ため、構造的に類似したヒトLRR受容体(Slit2−D2)上に移植され得る。実際、選択されたアミノ酸が抗原結合に関与する可能性が高いことから、置換される必要があるのは凹表面のβシート上のアミノ酸の全部でないことになる。さらに、インビボで主に抗原結合状態で存在する高親和性VLRBであれば、主に完全ヒト化凸表面を体液性免疫系に曝露させることになる。Slit2−D2およびCD42bの双方は、ヒトにおいて分泌されるタンパク質であり、凹表面上のそれらの天然リガンドのRobo1およびフォン・ヴィルブランド因子(vWF)に各々結合する。VLRB配列のこれらヒトLRR受容体への移植の場合、VLRB抗体の抗原結合エピトープが付加される一方、それらの天然リガンドへの結合が消失することになる。
特に、VLR内部のどのアミノ酸が結合分子と相互作用するかを評価するための詳細な方法を報じるHan et al.Science,2008,321:1834−183に対して参照がなされる。結合分子に空間的に最も近い状態にある、および/または目的の分子とイオン相互作用をもたらす、および/または水素結合する、および/またはファンデルワールス力をもたらす可変性リンパ球受容体中の2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれより多いアミノ酸を評価し、可変性リンパ球受容体中に標的アミノ酸を提供することは、種々の方法により達成され得る。ファンデルワールス力は、相互のまたは中性分子もしくは帯電分子との共有結合、水素結合、またはイオンの静電相互作用に起因する場合と異なる、分子間の引力または斥力を指す。同用語は、2つの永久双極子間の力(ケーソム力)、永久双極子と対応する誘起双極子との間の力(デパイ力)、2つの一時的な誘起双極子間の力(ロンドン分散力)を含む。これらの力は、典型的にはコンピュータシミュレーションを通じて評価される。Ohue et al.,MEGADOCK:An All−to−all Protein−protein Interaction Prediction System Using Tertiary Structure Data,Protein Pept Lett,2013;Matsuzaki et al.,MEGADOCK3.0:a high−performance protein−protein interaction prediction software using hybrid parallel computing for petascale supercomputing environments,Source Code Biol Med,2013,8(1):18;Tuncbag et al.,Predicting protein−protein interactions on a proteome scale by matching evolutionary and structural similarities at interfaces using PRISM.Nat Protoc,2011,6(9):1341−54.Wang et al.,Protein recognition and selection through conformational and mutually induced fit,Proc Natl Acad Sci USA,2013,110(51):20545−50;Solernou&Fernandez−Recio,pyDockCG:new coarse−grained potential for protein−protein docking,J Phys Chem B,2011,115(19):6032−9;Antes,DynaDock:A new molecular dynamics−based algorithm for protein−peptide docking including receptor flexibility,Proteins,2010,78(5):1084−104;Cerqueira et al.,MADAMM:a multistaged docking with an automated molecular modeling protocol,Proteins,2009,74(1):192−206;Claussen et al.,FlexE:efficient molecular docking considering protein structure variations.J Mol Biol,2001,308(2):377−95、を参照のこと。
他の実施形態では、コンピュータシミュレーションとX線結晶学、NMR分光学またはクライオ電子顕微鏡実験を組み合わせて利用する。典型的には、可変性リンパ球受容体および目的の結合分子の構造は、結晶化複合体を形成する。複合体が結晶化しない場合、他の方法を試みることができる。場合によっては、分子相互作用および空間関係を見積もるため、任意選択的には計算的な方法と組み合わせた二次元NMR技術を用いることができる。Nishida&Shimada,An NMR method to study protein−protein interactions,Methods Mol Biol,2012,757:129−37およびO’Connell et al.,The structural analysis of protein−protein interactions by NMR spectroscopy,Proteomics,2009,9(23):5224−32を参照のこと。
可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超、25%超、30%超、35%超、もしくは40%超またはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列の提供は、BLASTなどの公的に利用可能なデータベースを用いて行うことができる。特定の実施形態では、配列同一性または類似性の比較ウインドウは、100、150、200、または250アミノ酸にわたって設けることができる。
既知のヒトアミノ酸配列における位置が異なる場合に相関する既知のヒトアミノ酸配列内部での可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸の置換は、典型的には配列整列化とそれに続く置換を行うことによって達成される。標的アミノ酸アミノ酸に加えて、標的アミノ酸のN側またはC側のアミノ酸のうちの1つ、両方、またはそれより多くであっても、異なる場合、置換されてもよい。一部の実施形態では、可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸の各々に隣接する少なくとも1つのアミノ酸を、ヒトアミノ酸配列と位置が相関する既知のヒトアミノ酸配列内部で置換する。特定の実施形態では、各標的アミノ酸の、N側の2つとC側の1つ、C側の2つとN側の1つ、またはN側の2つとC側の2つが置換される。
特定の実施形態では、本開示は、分子に特異的に結合する単離された修飾ヒトアミノ酸配列に関し、分子に結合する無顎類の可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列を提供するステップと;分子と水素結合する、および/または結合分子とイオン相互作用を有する、および/または結合分子に空間的に最も近い状態である、可変性リンパ球受容体中の2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれより多くのアミノ酸を判定、選択または評価し、可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸を提供するステップと;可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超、25%超、30%超、もしくは40%超またはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列を提供するステップと;可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸を、既知のヒトアミノ酸配列における位置が異なる場合に相関する既知のヒトアミノ酸配列内部で置換するステップと;可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸の各々に隣接する少なくとも1つのアミノ酸を、修飾ヒトアミノ酸配列を提供する(作製されるとき、分子に特異的に結合するポリペプチドを提供する)ための条件下で、位置が相関する既知のヒトアミノ酸配列と置換するステップと;修飾ヒトアミノ酸配列を組換え核酸から発現させることにより、分子に特異的に結合するポリペプチドを作製するステップと、を含む。
特定の実施形態では、分子はポリペプチド配列または多糖を含む。
特定の実施形態では、無顎類はヤツメウナギまたはメクラウナギである。特定の実施形態では、可変性リンパ球受容体は、ヤツメウナギ可変性リンパ球受容体B(VLRB)である。
特定の実施形態では、分子と水素結合する、および/または分子に空間的に最も近い状態である可変性リンパ球受容体中の2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれより多くのアミノ酸が、三日月形状のVLRの凹表面のβ鎖およびC末端可変ループの可変アミノ酸位置内部から選択される。
特定の実施形態では、分子は、ウイルスまたは微生物関連分子である。
特定の実施形態では、ウイルスまたは微生物関連分子は、炭疽菌(Bacillus anthracis)、インフルエンザ(Influenza)、またはHIV−1抗原である。
特定の実施形態では、分子は特定の正常または悪性ヒト細胞に関連した分子である。特定の実施形態では、正常または悪性ヒト細胞は、血液型O赤血球、B細胞白血病細胞、Bリンパ腫細胞株である。特定の実施形態では、既知のヒトアミノ酸配列は、ヒトロイシンリッチリピート受容体である。特定の実施形態では、既知のヒトアミノ酸配列は、Slitファミリータンパク質(Slit1、2、および3)、CD42b、またはNogo−66である。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法によって作成される単離された修飾ヒトアミノ酸配列をコードする核酸を含む組換えベクターに関する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法によって作成される単離された修飾ヒトアミノ酸配列をコードする核酸を含む組換えベクターを含む発現系に関する。
特定の実施形態では、本開示は、分子に対する特異的結合剤を作製する方法であって、可変性リンパ球受容体(VLR)を有する細胞が分子に結合し、かつ無顎類の形質細胞が分子に結合する可変性リンパ球受容体(VLR)を生成するような条件下で分子を無顎類に投与するステップと;分子に結合する可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列を提供するステップと;分子に空間的に最も近い状態である、および/または分子と水素結合する可変性リンパ球受容体中の2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれより多いアミノ酸を評価し、可変性リンパ球受容体における標的アミノ酸を提供するステップと;可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超、25%超、30%超、35%超、もしくは40%超またはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列を提供するステップと;VLR配列と既知のヒトアミノ酸配列とを整列するステップと;可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸を、既知のヒトアミノ酸配列における位置が異なる場合に相関する既知のヒトアミノ酸配列内部で置換するステップと;可変性リンパ球受容体中の標的アミノ酸の各々に近接する少なくとも1つのアミノ酸を、修飾ヒトアミノ酸配列が分子に特異的に結合するように形成されるような条件下で位置が相関する既知のヒトアミノ酸配列内のアミノ酸と置換するステップと;組換え核酸から修飾ヒトアミノ酸配列を発現させることにより、特異的結合剤を作製するステップと、を含む、方法に関する。
可変性リンパ球受容体は、典型的には、N末端LRR配列、C末端LRR配列、および約12〜25のアミノ酸での複数の内部LRRモジュールを有する。C末端LRR配列は、典型的には可変ループ(高度に可変のインサート)を有する。内部LRRモジュール内部では、7つのアミノ酸が典型的には1つもしくは2つのロイシンまたはイソロイシンを有し、2つの場合、典型的には凹表面上に位置する単一のアミノ酸、例えば(配列番号21)XXLXLXXによって分かれる(式中、Xは任意のアミノ酸であってもよく、Lはロイシンまたはイソロイシンであってもよい)。場合によっては、1つのL(ロイシンまたはイソロイシン)は、任意のアミノ酸と置換されてもよい。特定の実施形態では、ヒト配列へ移植するための標的アミノ酸は、2、3、4、5、6、もしくは7つのアミノ酸であり、LRRモジュールの少なくとも1、2、3、もしくは全部、また任意選択的にはC末端の高度に可変のインサート内のアミノ酸の全部または一部における関連する7つの残基内部に存在する。特定の実施形態では、可変性リンパ球受容体は、配列VXCXXXXLXSVPAXIPTTTXXLXXXXNXITKXXPGVFDXLXXLXXXXLXXNXLXXXPXGXFD(配列番号25)(式中、Xは任意のアミノ酸であってもよい)を有する。
特定の実施形態では、本開示は、83%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%を超える配列同一性または85%、90%、95%、97%、98%、または99%を超える配列類似性を有する、配列番号1もしくは10を含むポリペプチドまたはその変異体を含む組成物に関する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10のアミノ酸置換を含む。特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、変異体は、配列番号3(IIYLHD)、配列番号4(EIYLGS)、配列番号5(VLDLGT)、配列番号6(ELFLCC)、配列番号7(HLALDQ)、配列番号8(HMYLFG)、配列番号9(IAMRWDGKAVNDPDS)の内部に存在しないアミノ酸置換を含む。
特定の実施形態では、変異体は、配列番号3(IIYLHD)、配列番号4(EIYLGS)、配列番号5(VLDLGT)、配列番号6(ELFLCC)、配列番号7(HLALDQ)、配列番号8(HMYLFG)、配列番号9(IAMRWDGKAVNDPDS)の配列のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、または6つを含む。
特定の実施形態では、変異体は、任意選択的に、配列番号3(IIYLHD)、配列番号4(EIYLGS)、配列番号5(VLDLGT)、配列番号6(ELFLCC)、配列番号7(HLALDQ)、配列番号8(HMYLFG)、配列番号9(IAMRWDGKAVNDPDS)の配列の各々の内部に1つの保存的アミノ酸置換を含む。
特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号9(IAMRWDGKAVNDPDS)または1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を有する変異体を含む。
ヒト化Slit2−VLR
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号10)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但しポリペプチドは、(配列番号11)IVDCRG、(配列番号12)EIRLEQ、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ 6つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、または3つのアミノ酸の置換を有し、但しアミノ酸の置換はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号26)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号11)IVDCRG、(配列番号12)EIRLEQ、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。
特定の実施形態では、本明細書に開示される配列のいずれにおいても、[X]nは[X]−[VLRまたはMM3のループ配列]または[X]−[VLRまたはMM3のループ配列]Aである(式中、[X]は、任意選択的にX、X、X、Xである(式中、XはH、XはT、XはN、およびXはPである))。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸ではない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号27)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号12)EIRLEQ、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号28)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号29)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号30)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号31)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但し、アミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号32)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号16)LLSLYDおよび(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号33)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号12)EIRLEQ、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号34)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号13)RIDLSN、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号35)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号36)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号14)SLVLYG、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、3つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号37)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号38)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16であり、但し任意選択的に、ポリペプチドは、(配列番号16)LLSLYDおよび(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つもしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号23)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、但し、ポリペプチドは、(配列番号16)LLSLYDおよび(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つを有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号65)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、但しポリペプチドは、(配列番号15)LLLLNA、(配列番号16)LLSLYD、および(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つ、2つ、もしくは全部を有しない)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換を有し、但しアミノ酸の置換はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
ヒト化Slit2−MM3配列
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号39)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、本明細書に開示される配列のいずれにおいても、[X]nは[X]m−[VLRまたはMM3のループ配列]または[X]−[VLRまたはMM3のループ配列]Aである(式中、[X]は、任意選択的にX、X、X、Xである(式中、XはH、XはT、XはN、およびXはPである))。
特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸ではない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号40)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号41)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号42)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号43)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号44)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号45)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号46)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号47)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号48)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、nは5〜20の間であるかまたはnは10〜18の間であり、またはnは14、15、もしくは16である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号49)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号50)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号51)
Figure 2017514522
(式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸である)を含む単離された組換えポリペプチドまたはその変異体を検討する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し、但しアミノ酸の置換、欠失または挿入はXアミノ酸でない。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、本開示は、(配列番号58〜63)
Figure 2017514522
を含む融合体またはSlit2−MM3ポリペプチドまたはその変異体を検討する。
タンパク質ディスプレイライブラリーからの選択によるVLR由来の修飾ヒト配列
ヒト化された特異的結合剤は、タンパク質ディスプレイ技術、例えばファージディスプレイ、酵母表面ディスプレイ、細菌ディスプレイ、または無細胞系を用いて、変異タンパク質のコンビナトリアルライブラリーから単離してもよい。Finlay et al.,Methods Mol.Biol.,2011,681:87−101;Daugherty,Curr.Opin.Struct.Biol.,2007,17:474−480;Gai&Wittrup,Curr.Opin.Struct.Biol.,2007,17:467−473;Zhou et al.,MAbs.,2010,2:508−518;Shen et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,2005,102:5969−5974を参照のこと。典型的には、固有の変異タンパク質の集団が、対応する突然変異核酸からの発現により、ディスプレイプラットフォームを介して連結される。ディスプレイプラットフォーム上で発現される変異タンパク質を標的分子に曝露するかまたは標的分子と混合してから、分子と結合された変異体は、分析用に同定および/または分離される。典型的には、タンパク質配列は、ディスプレイプラットフォーム内の関連核酸を配列決定することにより決定される。例えば、酵母表面ディスプレイでは、組換え酵母細胞が変異タンパク質を発現し、ここで酵母細胞は細胞壁タンパク質に抱合された変異タンパク質を発現する。酵母細胞は、酵母細胞の表面上に発現される変異タンパク質をコードするプラスミドDNAを有することができ、プラスミドDNAの配列決定することにより、変異タンパク質のタンパク質配列が提供される。Gera et al.,Protein selection using yeast surface display,Methods,2013,60(1):15−26を参照のこと。ファージディスプレイでは、変異タンパク質が典型的にはバクテリオファージコートタンパク質に抱合される。細胞に基づく系はまた、典型的には、例えば、細菌,酵母、および哺乳類細胞における細胞表面タンパク質に抱合された変異タンパク質の発現に依存し、宿主細胞は変異タンパク質をコードするプラスミドベクターを保有する。無細胞系もまた開発されており、変異タンパク質は、リボソームディスプレイまたはmRNAディスプレイと称されるそのコードmRNAに直接的に抱合される。
特定の実施形態では、本開示は、ヒト化された特異的結合剤を作製する方法であって、
a)標的分子に特異的に結合するヤツメウナギ抗体配列を提供するステップ;
b)1)比較ウインドウにわたり、ヤツメウナギ抗体配列をヒトロイシンリッチリピート配列と比較し、重複アミノ酸位置、保存的置換を有する非重複アミノ酸位置、および非保存的置換を有する非重複アミノ酸位置を同定するステップと;
2)重複アミノ酸位置をそれら各々の位置におけるアミノ酸として割り当てるステップと;
3)ヒトリッチリピート配列のアミノ酸を、それら各々の位置における保存的置換を有する非重複アミノ酸位置に割り当てるステップと;
4)ヒトロイシンリッチリピート配列またはヤツメウナギのアミノ酸配列でのアミノ酸間にランダム選択を割り当て、それら各々の位置に変異ロイシンリッチリピート配列のライブラリーを提供するステップと;
を含む方法によって作成される、ロイシンリッチリピート配列のライブラリーを同定するステップ;
b)各々の位置に割り当てられたアミノ酸を有する変異ロイシンリッチリピート配列のディスプレイライブラリーを調製し、標的分子と混合して結合するステップ;
c)標的分子に結合する変異ロイシンリッチリピート配列の1つ以上を同定し、ヒト化された特異的結合剤を提供するステップ;
d)ヒト化された特異的結合剤をコードする組換えベクターを含む発現系においてヒト化された特異的結合剤を発現させるステップ
のうちの1つ以上を含む、方法を検討する。
特定の実施形態では、比較ウインドウは、50、100、250、500、もしくは1000アミノ酸長であるか、少なくとも同アミノ酸長であるか、または同アミノ酸長を超える。特定の実施形態では、比較ウインドウは、ドメインLRRNT、LRR1、LRRV1、LRRV2、LRRV3、(LRRVX)、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、もしくはそれより多いかまたは全部にわたり、ここでXおよびnは整数、例えば、0、1、2、3、4、5、もしくは6を指す。
特定の実施形態では、本開示は、複数のヒト化された特異的結合剤を同定することを検討し、結合親和性の最大化および重複ヒトアミノ酸位置の数の最大化などの要素を平衡化することにより、望ましい候補が選択される。
特定の実施形態では、アミノ酸は、次のアミノ酸基、すなわち、芳香族−F Y W;疎水性−A V I L;正に帯電:R K H;負に帯電−D E;極性−S T N Qに基づく、類似特性を有する基の中に含まれる場合、保存的置換である。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチ配列内に1つ以上のアミノ酸欠失が存在する場合、それら各々の位置にヤツメウナギのアミノ酸が割り当てられる。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列はSlit−D2である。例えば、ポリペプチドライブラリーは、ヒト化結合剤を同定するための各々の位置に割り当てられたアミノ酸であり得、ここでライブラリーは、配列CPXCTCSXNXVDCRGKX(配列番号22)(式中、X〜Xは任意のアミノ酸である)を含むLRRNTドメインを発現する。特定の実施形態では、XはAまたはSであり、XはAまたはQであり、XはNまたはGであり、XはIまたはTであり、XはGまたはRであり、XはLまたはHである。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRNT、LRR1、LRRV1、LRRV2、LRRV3、LRRV4、LRRV5、LRRV6、LRRV7、LRRV8、LRRV9、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、もしくはそれより多くを含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRNT、LRR1、LRRV1、LRRV2、LRRV3、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または全部を含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRV1、LRRV2、LRRV3、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または全部を含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRV2、LRRV3、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、または全部を含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRV3、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、3つ、または全部を含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRVe、LRRCP、およびLRRCTのうちの1つ、2つ、または全部を含む。
特定の実施形態では、ヒトロイシンリッチリピート配列は、ドメインLRRCPおよびLRRCTの一方または両方を含む。
特定の実施形態では、本開示は、ヒトロイシンリッチリピート配列のライブラリーが、ペプチドライブラリー発現系における高レベルの発現を可能にするため、望ましい配列と置換されているLRRNT、LRR1、LRRV1、LRRV2、LRRV3、LRRVe、LRRCP、およびLRRCTなどのドメインの組み合わせを有し得ることについて検討する。例えば、Lee et al.Proc Natl Acad Sci USA,2009,106(31):12891−6は、インターナリンBとのLRRNT、LRR1、およびLRRV1の置換が細菌における高レベルの発現を可能にすることを報告している。特定の実施形態では、本開示は、本明細書中で作製されるような、ヒトロイシンリッチリピートライブラリーのドメイン(LRRVX)、LRRVe、LRRCP、およびLRRCT(式中、Xおよびnは整数、例えば、3、4、5、6、7、もしくは8を指す)に抱合されたインターナリンBのLRRNT、LRR1、およびLRRV1を有するライブラリーについて検討する。
融合タンパク質
特定の実施形態では、本開示は、任意選択的に、ヒト免疫系のエフェクター機能にとって十分なFc受容体および補体によって認識されるヒト抗体定常領域に抱合された、本明細書に開示されるようなヒト化アミノ酸配列を含むように修飾された可変性リンパ球受容体に関する。特定の実施形態では、本開示は、エフェクター機能を提供する、例えば、インビボまたはインビトロでの抗体依存細胞傷害性、また任意選択的には野生型ヒト抗体に匹敵する半減期を誘発することが可能な、本明細書に開示される修飾ヒトアミノ酸配列とFc配列またはその断片を含む融合タンパク質に関する。治療抗体では、典型的にはインタクトなIgG分子を用いている。IgG1 Fcは、エフェクター機能を引き起こすFcγ受容体と相互作用することができる。Fcは補体アクチベーターC1qに対する結合部位を有する。新生児Fc受容体(FcRn)における結合部位は半減期に効果を及ぼす。
天然に産生される抗体は、Fc領域に結合したFab抗原結合部位アームを有する。IgG Fc領域は、CH3ドメインおよびCH2ドメインを有するホモ二量体である。CH2ドメインは、典型的にはAsn297を介してグリコシル化される。IgG Fc CH2ドメインは、抗体依存細胞傷害性(ADCC)などのエフェクター機構に関与する、FcγRI、FcγRII、FcγRIIIおよびC1qエフェクターリガンドに対する相互作用部位を有する。
特定の実施形態では、本開示は、Fc配列が抗体依存細胞傷害性を誘発することができ、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、補体アクチベーターC1q、新生児Fc受容体(FcRn)、およびそれらの組み合わせに対する結合部位を有するFc融合タンパク質を検討する。特定の実施形態では、本開示は、融合タンパク質が修飾ヒト配列およびFc配列の一本鎖融合体であることについて検討する。Powersらは、一本鎖Fv−Fc融合体が、エフェクターとしてヒト末梢血単核球を用いて腫瘍標的細胞に対する抗体依存細胞傷害性を媒介することが可能であることを報告している。J Immunol Methods,2001,251(1−2):123−35。
特定の実施形態では、本開示は、Fc配列が特定の欠失または突然変異を有し得る(例えばCH3ドメイン)ことについて検討する。Wozniak−Knoppらは、ヒトIgG1 Fc領域が、CH3ドメインのC末端先端部のループ配列がランダム化されるように調製されたことを報告している。これらのタンパク質は、野生型抗体に類似した抗原結合性、エフェクター機能およびインビボ半減期を提供することができた。Protein Engineering,Design and Selection,2010,23(4):289−297。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質を含む組換えベクターおよび同ベクターを含む発現系を検討する。
特定の実施形態では、本開示は、83%、85%、90%、95%、97%、98%、もしくは99%を超える配列同一性または85%、90%、95%、97%、98%、もしくは99%を超える配列類似性を有する配列番号19、20、24を含むポリペプチドまたはその変異体を含む組成物に関する。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10のアミノ酸置換を含む。特定の実施形態では、アミノ酸置換は保存的置換である。
特定の実施形態では、VLRまたは修飾VLRまたは断片は、CD3−ζなどのT細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分に融合してもよい。特定の実施形態では、T細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分は、コンセンサス配列YXXLXXXXXXXXYXXL(配列番号52)(式中、Xは任意のアミノ酸、Lはロイシンまたはイソロイシンである)を有する免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフを有するペプチドであり、ここで配列番号15は、任意選択的に中間セグメントXXXXXXXX(配列番号53)内部に1つもしくは2つのXアミノ酸の欠失を有する。免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(下線)は、部分的CD3−ζ配列
Figure 2017514522
または断片もしくは変異体の中に存在し、例えば、1、2、もしくは3つのアミノ酸の欠失、付加、または置換変異体、あるいはそれに対して50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超またはそれより大きい同一性を有する配列を有する。
特定の実施形態では、T細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分は、免疫グロブリンε受容体サブユニットγ前駆体の配列
Figure 2017514522
その断片もしくは変異体の変異体、あるいはそれに対して50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超またはそれより大きい同一性を有する配列を有する、免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(下線)を有するペプチドである。
使用方法
B細胞は、典型的にはB細胞を未熟および成熟形質細胞などのより特殊化した細胞に分化するように刺激するT細胞に抗原を提示する。形質細胞は大量の抗体を産生する。多発性骨髄腫は、形質細胞内で形成するがんである。B細胞悪性腫瘍は、正常および悪性B細胞の枯渇をもたらす、CD20表面抗原に特異的な治療抗体によって効果的に治療される。B細胞リンパ腫および白血病の治療が奏効するにもかかわらず、成熟B細胞が形質細胞に分化するときCD20表面発現が失われることから、抗CD20抗体は多発性骨髄腫を治療する場合に有効でない。多発性骨髄腫形質細胞を標的化するために現在研究中の他の形質細胞表面抗原もまた、多数の他の細胞型および組織によって発現されるが、形質細胞の標的化は許容できない副作用の可能性があるために複雑である。現在、モノクローナル抗体に基づく治療として、多発性骨髄腫を有する患者に対して利用可能なものはない。化学療法剤および自家造血幹細胞移植による治療は、全生存を延長するものの、被験者を治癒しない場合がある。したがって、改善された治療方法を同定する必要がある。
特定の実施形態では、本開示は、有効量の本明細書に開示される融合タンパク質またはポリペプチドまたはその断片を、それを必要とする被験者に投与することにより、形質細胞悪性腫瘍、例えば多発性骨髄腫を治療することを検討する。特定の実施形態では、融合タンパク質は、MM3配列またはヒト化MM3配列およびヒトFc配列などのT細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分を含む。特定の実施形態では、融合タンパク質は、レナリドミドおよびデキサメタゾン、ボルテゾミブ、またはそれらの組み合わせと併用投与される。特定の実施形態では、治療は自家または同種幹細胞移植と併用される。
特定の実施形態では、本開示は、腫瘍関連抗原に結合する本明細書に開示される修飾ヒト配列を含むVLRに基づく融合タンパク質を有効量でそれを必要とする被験者に投与するステップを含む、がんを治療または予防することを検討する。融合タンパク質は、本明細書中に報告される方法を用いて作製されるVLRまたは修飾VLR配列、またはヒト化VLR配列、Slit2−VLR配列を含んでもよい。
特定の実施形態では、VLRに基づく融合タンパク質は、CD20、CD20、CD30、CD33、CD52、EpCAM、上皮細胞接着分子、gpA33、糖タンパク質A33、ムチン、TAG−72、腫瘍関連糖タンパク質72、葉酸結合タンパク質、VEGF、血管内皮増殖因子、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、FAP、線維芽細胞活性化タンパク質、CEA、癌胎児性抗原、テネイシン、Le、ルイスY抗原、CAIX、炭酸脱水酵素IX、上皮成長因子受容体(EGFR;ERBB1としても公知)、ERBB2(HER2としても公知)、ERBB3、MET(HGFRとしても公知)、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)、エフリン受容体A3(EPHA3)、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導性リガンド受容体1(TRAILR1;TNFRSF10Aとしても公知)、TRAILR2(TNFRSF10Bとしても公知)および核内因子−κBリガンドの受容体アクチベーター(RANKL;TNFSF11としても公知)ならびにその断片から選択される腫瘍関連抗原に結合する。
特定の実施形態では、被験者は、リンパ腫、B細胞リンパ腫、乳がん、前立腺がん、結腸直腸がん、胃がん、肺がん、皮膚がん、膀胱がん、脳がん、腎臓がん、子宮内膜がん、膵がん、および甲状腺がんの、リスクがあるか、症状を呈するか、または診断を受ける。
特定の実施形態では、検討される方法は、ベバシズマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テマゾラミド、ドセタキセル、シスプラチン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン タクソール、タキソテール、エトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、カンプトテシン、ボルテゾミブ、アネグリリド、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェン フルベストラント、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、シプロテロン、ゴセレリン、リュープロレリン、ブセレリン、メゲストロール、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、エキセメスタン、フィナステリド、マリマスタット、トラスツズマブ、セツキシマブ、ダサチニブ、イマチニブ、コンブレタスタチン、サリドマイド、および/またはレナリドミド、またはそれらの組み合わせなどの第2の抗がん剤を投与するステップをさらに含む。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびもう1つの他の抗がん剤を用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびトラスツズマブおよび/またはラパチニブを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびドセタキセルおよびシクロホスファミドを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびドセタキセル、カルボプラチン、およびトラスツズマブを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびシクロホスファミド、ドキソルビシン、および5−フルオロウラシル(5−FU)を用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびドキソルビシンおよびシクロホスファミド、その後にパクリタキセルまたはドセタキセルを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質および5−FU、エピルビシン、およびシクロホスファミド、その後にドセタキセルまたはパクリタキセルを用いて、乳がんを治療または予防することを検討する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびもう1つの他の抗がん剤を用いて、前立腺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびリュープロリド、ゴセレリン、またはブセレリンを用いて、前立腺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびフルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、またはニルタミドを用いて、前立腺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびケトコナゾールまたはアミノグルテチミドを用いて、前立腺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびアビラテロン、ビカルタミド、カバジタキセル、ビカルタミド、デガレリクス、デノスマブ、ドセタキセル、エンザルタミド、カバジタキセル、リュープロリド、プレドニゾン、デノスマブ、シプロイセルT、または塩化ラジウム223およびそれらの組み合わせを用いて、前立腺がんを治療または予防することを検討する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびもう1つの他の抗がん剤を用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質および5−FU、ロイコボリン、またはカペシタビンまたはそれらの組み合わせを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびカペシタビンおよびオキサリプラチンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質および5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびロイコボリン、5−FU、およびイリノテカンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびロイコボリン、5−FU、オキサリプラチン、およびイリノテカンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびベバシズマブまたはセツキシマブを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、任意選択的にベバシズマブとともに本明細書に開示される融合タンパク質および5−FUおよびロイコボリンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、任意選択的にベバシズマブとともに本明細書に開示される融合タンパク質およびカペシタビンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、任意選択的にセツキシマブとともに本明細書に開示される融合タンパク質およびイリノテカンを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびセツキシマブを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびパニツムマブを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびレゴラフェニブを用いて、大腸がんを治療または予防することを検討する。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびビノレルビン、エトポシド、マイトマイシンC、ゲムシタビン、イリノテカン、ペメトレキセド、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、クリゾチニブ、およびビンカアルカロイドまたはそれらの組み合わせから選択される化学療法剤を用いて、肺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、またはビノレルビンである。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質およびベバシズマブ パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、マツズマブ、またはセツキシマブである化学療法剤を用いて、肺がんを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質および白金に基づく薬剤および/またはタキサン、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、またはそれらの組み合わせを用いて、肺がんを治療または予防することを検討する。
特定の実施形態では、本開示は、脳がん、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、原始神経外胚葉性腫瘍、上衣腫、またはグリオーマを治療または予防することを検討する。特定の実施形態では、融合タンパク質は、任意選択的に、テモゾロミド、プロカルバジン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ビンクリスチン、およびそれらの組み合わせと併用投与される。特定の実施形態では、プロカルバジン、ロムスチン(CCNU)およびビンクリスチンは組み合わされる。特定の実施形態では、融合タンパク質は、任意選択的に、イリノテカン、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、エトポシド、ブレオマイシン、ビンブラスチン、アクチノマイシン(ダクチノマイシン)、シクロホスファミド、またはイホスファミドと併用投与される。
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質とテモゾロミドとを併用投与することを検討する。神経膠芽腫の治療は、放射線療法の間および後の化学療法を含む。平均して、手術および放射線療法の後の化学療法は、初期に腫瘍サイズを低減し得る。放射線療法の間と放射線療法後の6か月間の双方でのテモゾロミドの使用により、生存中央値の有意な増加がもたらされ、さらなる毒性は最小限である。この治療レジームは、患者が臨床試験に登録されない場合、現在では神経膠芽腫の大部分の症例にとって標準的である。テモゾロミドは、腫瘍細胞を放射線に感作させることによって作用するように思われる。アメリカ食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)は、神経膠芽腫を有する患者を標準的治療後の進行時にアバスチン(ベバシズマブ)で治療することを認可した。
特定の実施形態では、本開示は、脳におけるがんまたは腫瘍を管理するため、本明細書に開示される組成物を対流強化送達(CED)によって投与することに関する。CEDは、カテーテル留置後の流体圧勾配を用いて、組成物を直接注入により脳間質空間(brain interstitial spaces)に投与する方法である。
有害な自己抗体およびアレルゲン反応性抗体が、CD20抗原が欠如した長寿命形質細胞によって産生されることから、がんおよび形質細胞悪性腫瘍の治療に加えて、抗体を分泌する形質細胞の枯渇もまた、抗体媒介性自己免疫疾患(例えば、エリテマトーデス)やB細胞枯渇によって軽減されないようなアレルギー性疾患を抗CD20モノクローナル抗体で治療するのに用いることができた。
特定の実施形態では、本開示は、有効量のMM3融合体またはヒト化Slit2−MM3融合体をそれを必要とする被験者に投与することを含む、自己免疫疾患の治療に関する。特定の実施形態では、自己免疫疾患は、エリテマトーデス、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫性肝炎、自己免疫性膵炎、ベーチェット病、セリアック病、1型糖尿病、ギラン・バレー症候群、乾癬性関節炎、および関節リウマチである。
実験
固有の結合特異性を有するモノクローナルVLR抗体
大きい進化的距離を組み合わせた基本的に異なるタンパク質構造は、VLR抗体が、構造的または免疫寛容原性的な理由(すなわち、「自己」を認識し、ひいては自己免疫性合併症を引き起こす抗体の産生を宿主が阻止する必要性)で従来の抗体により検出できない抗原を検出し得ることを示唆する。ヤツメウナギの進化的距離および根本的に異なるVLR抗体のタンパク質構造により、VLR抗体は、構造的または免疫寛容原性的な理由で従来の抗体を用いて検出できないバイオマーカーの発見にとって理想的な試薬になる。VLR抗体MM3の結合特性は、任意の既知の細胞表面抗原に対応しないことから、VLR抗体の固有の抗原認識特性が支持される。特定のヒト造血細胞集団に結合するモノクローナルヤツメウナギVLR抗体は同定されている。これらVLR抗体のいくつかに対する結合特異性の分析によると、対象として従来の哺乳動物モノクローナル抗体が全く産生されていないような抗原構造をVLR抗体が認識することが示される。
組換えVLR抗体は、抗体をコードするcDNAのヒトHEK293細胞へのトランスフェクションにより作製される。組換えVLR抗体は、細胞上清に分泌され、次いで細胞特異性を判定ために用いられる。これらVLR配列の組換えバージョンは、モノクローナルVLR抗体の効率的精製用および結合されたVLR抗体のフローサイトメトリー検出用のヒスチジン残基をコードする組み込まれた6コドンのストレッチを含む。
スキャフォールドとしてヒトSlit2−D2を用いるヒト化VLRBクローンRBC36
Hanらは、我々のヤツメウナギVLR2913結晶構造を用いて、1.67Åの解像度での分子置換によりヒト血液型O赤血球のH抗原由来のH−三糖と複合体を形成したVLR RBC36外部ドメイン(ECD)の結晶構造を報告している(2008,Science 321:1834−183)。II型H抗原三糖は、α−l−Fucp−(1→2)−β−d−Galp−(1→4)−β−d−GlcNacp−OHである。
Slit2−D2スキャフォールドを用いてヒト化VLRB抗体を作成するため、RBC36からの可変アミノ酸位置をSlit−D2上の対応する位置に移植することで(図7参照)、以下の配列(配列番号1)が得られる。
Figure 2017514522
野生型Slit−D2(図7、上部、配列番号2を参照)は下線部の206アミノ酸からなり、アミノ酸の一部はLRRCT領域から除去した。
Figure 2017514522
VLRBクローンRBC36からの41アミノ酸は、Slit−D2スキャフォールドの残存する196アミノ酸上に移植したが、それはLRRNT、LRR1、LRRVにおける26アミノ酸の置換(赤色で背景が灰色)、および15アミノ酸の可変挿入ループをコードするLRRCT領域への挿入(赤色で背景が灰色の下線部)を含む。最終の213アミノ酸のヒト化配列では、41がヤツメウナギVLRに由来し、172がヒトSlit2−D2に由来する(%ヒト=172/213=80.8%;%ヤツメウナギVLR=41/213=19.2%)。可変位置の一部は、RBC36−H三糖結晶構造中の抗原と接触しない。例えば、H三糖と接触するのは、LRRNT中のアミノ酸には存在せず、LRR1中では1つの残基にすぎない。したがって、抗原に接触する残基と、おそらくは数個の隣接残基を置換することが必要であり得るにすぎない。しかし、VLR:抗原結晶構造または突然変異結合部位のデータが利用可能でない場合、可変アミノ酸位置の全部の置換を、VLRBモノクローナル抗体をヒト化するための一般的手法として用いることができた。例えば、配列番号24は、「Slit−M4」と命名した、Slit2−D2に移植されたRBC38と3つのアミノ酸のループを有する。タイプIIH抗原三糖に結合するSlit−M4は、α−l−Fucp−(1→2)−β−d−Galp−(1→4)−β−d−GlcNacp−OHである。
Figure 2017514522
Slit−M4では、214中195のアミノ酸位置はヒトである(91%)。
(LRRNT、LRR1、LRRV、LRRVeおよびLRRCPによってコードされる)VLR凹表面上の各β鎖は、4つの可変位置を有し、xLxLxxモチーフ(式中、xは任意のアミノ酸である)によって規定される(このモチーフ内のロイシン残基が、イソロイシン、バリンおよびメチオニンを含む他の疎水性アミノ酸によって置換される場合があることに着目のこと)。このモチーフ中のロイシンは、抗原と接触しない代わりに、タンパク質内部に面してLRRソレノイドの疎水性コアを形成するが、それは同じくその内部に面する凸表面上に位置する保存されたフェニルアラニン残基に対して充填することによる。可変アミノ酸位置は、凹表面上の外側に面し、LRRCT中の可変挿入ループと共に集合的に抗原結合表面を形成する。可変アミノ酸が強固な二次構造を形成するβ鎖上に位置し、xLxLxxモチーフ内の4つの中の1つの位置に常に位置することから、VLRからSlit2−D2スキャフォールドにかけての対応する残基の位置は、たとえ構造データがなくても、一次アミノ酸配列から判定することができる。
例としてRBC36を用いると、Asp153はLRRVe LRRモチーフ(HLALDQ)の3番目の可変位置にある。Slit2−D2のLRRVe中のLRRモチーフ配列はLLSLYDであり、例えばAsp153をRBC36からSlit2−D2スキャフォールド上へ移植するには、対応するアミノ酸をLRRVe xLxLXxモチーフの3番目の位置で交換することのみが必要である。この場合であれば、RBC36のアスパラギン酸をSlit2−D2のチロシンと置換することになる(例えば、Slit2−D2からのLRRVeはLLSLYDからLLSLDDへ変化する)。原則としていずれのアミノ酸も可変位置にて用いることができるが、アミノ酸の使用はアミノ酸のサブセットに向けてバイアスが生じる。チロシン(Tyr)は最も頻繁に用いられるアミノ酸であり、他の芳香族アミノ酸(フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)およびヒスチジン(His))、アスパラギン(Asn)およびアスパラギン酸(Asp)がそれに続く。さらに、4つの利用可能なVLR:抗原結晶構造では、抗原接触の大部分がアミノ酸のこのサブセットによって形成される(図11)。H−三糖に接触する12アミノ酸のRBC36では、2つのTyr、2つのPhe、1つのTrp、2つのAsp、および1つのHisが存在することから、12の中の9の抗原結合アミノ酸が残基のこのサブセットに由来する。同様のパターンが他の3つのVLR構造の中に認められる。また、4つ全部のVLR:抗原結晶構造中に、さらなるC末端LRRモジュール(LRRVe、LRRCPおよびLRRCT、図7)が最も多くの抗原と接触し、LRRNTのみが同構造の1つの中の抗原と接触し(VLR4−BclA)、またその場合でもそれは単一のアミノ酸にすぎない。したがって、たとえVLR−抗原結晶構造データがなくても、これらの観察結果を用いて、Slit2−D2スキャフォールド上への移植のための残基の選択を導くことが可能である。
SLIT2スキャフォールド上でのVLRB LRRCTループの融合は、変異体に適合し得る。VLRおよびSLIT構造双方におけるLRRCTループよりも、αヘリックスが先行する(図13に示される)。詳細に検討される変異体は、1つ、2つ、3つ、もしくは4つのアミノ酸の付加または欠失についてであってもよく、αヘリックスの後にSLIT2配列は終了し、VLRループ配列は開始する。VLRのLRRCTループは長さおよび配列組成が変化し得ることから、アミノ酸を付加し、最適な配列を実験的に判定することができる(すなわち、αヘリックス:ループ接合部での追加的な残基から、結合のための右方向へのループが得られる)。それがSLIT2スキャフォールドに逆融合される場合のループの他方の側では、保存されたシステインよりも、VLRおよびSLIT2の双方の中でLRRCTループの末端を画定するRまたはK残基が先行する(図13)。特定の実施形態では、本開示は、LRRCTループの末端に1つ、2つ、3つ、もしくは4つのアミノ酸の付加または欠失を含んだ変異体に関する。
したがって、特定の実施形態では、本開示は、本明細書中のSlit2−D2配列の変異体を検討し、ヒト化Slit2 VLR配列またはヒト化Slit2−MM3配列は、セグメント(配列番号78)
Figure 2017514522
を含む(式中、太字はαヘリックス、[X]は任意選択的にX、X、X、Xである(式中XはH、XはT、XはN、XはP、XはRまたはKである))。
VLRのヒト化は、Slitファミリータンパク質に限定されないことになる。スキャフォールドとしても使用可能であったヤツメウナギVLRに対して構造的類似性(例えば、30〜40%を超える配列同一性)を有する多数の他のヒトLRRに基づく受容体が存在する。この例は、あくまで一般的なヒト化概念を例示するのに役立つ。ヒト化VLRの立体構造および表面相補性を最適化するため、可変アミノ酸位置の置換以外にも、抗原結合部位からアミノ酸に小さい変化を起こす必要があり得る。
ヒト化VLRB融合体
多数の治療抗体によるインビボでの腫瘍細胞の排除は、抗体の定常領域(Fc)によって媒介される。ヒトIgG1の定常領域は、CH2ドメインを介して補体およびFcγ受容体(FcγR)に結合し、補体依存性細胞傷害性(CDC)、抗体依存細胞傷害性(ADCC)、およびFcγR担持マクロファージによる抗体オプソニン化細胞の食細胞による貪食を介して標的細胞の死滅を促進する。VLRの抗原結合ドメインおよびヒト抗体、例えばIgG1の定常領域からなる融合タンパク質は、VLR抗体の固有の抗原検出をヒトの免疫クリアランス機構と共役させることになる。ヒトIgG抗体の定常領域はまた、ヒト血漿中の抗体の半減期を延長する。FcRnが、IgG定常領域のCH2およびCH3ドメインに結合し、エンドサイトーシス区画からの抗体のリサイクルを促進することで、循環中のその存在が延長され、治療薬としてのその有効性が増強される。
ベクターを、(1)アカゲザルIgG1、(2)ヒトIgG1および(3)マウスIgG2aのFc領域と融合したVLRの発現用に作成した(図5)。発現構築物は、一過性トランスフェクションまたはパッケージング細胞株への構築物のトランスフェクション後の安定なレンチウイルス形質導入による発現を可能にする伸長因子1α(EF1α)プロモーターの支配下で、レンチウイルスに基づくベクター内に存在する。両手法は、HEK−293およびCHO細胞内でVLRを発現させるために用いた。発現ベクターはまた、高発現を伴う細胞を選別するためのIRES−GFP配列を有する。MM3 VLR−IgG1−Fcタンパク質は、静置培養用CELLineバイオリアクターフラスコ(Integra Biosciences)を用いて得られた。
特定の実施形態では、本開示は、修飾ヒトアミノ酸配列、ヒト化VLRB配列をヒトFc配列、典型的にはコンセンサス配列と抱合させ、それらをヒトIgG1 Fcとの融合体として大腸菌(E.Coli)中で発現させることを検討する。特定の具体的なFc融合タンパク質のヒトIgG1 Fc配列部分のアミノ酸配列は次の通りである。
Figure 2017514522
特定の実施形態のヒト化VLRB配列−Fc配列の融合タンパク質の完全アミノ酸配列は次の通りである。
M−Fc配列−ヒト化VLRB配列
Figure 2017514522
M−ヒト化VLRB配列−Fc配列
Figure 2017514522
高圧均質化を用いて、ヒト化VLRB配列およびFc配列の融合タンパク質を発現する大腸菌(E.Coli)細胞、および封入体を溶解してもよい。その後のタンパク質フォールディング、選択的沈殿、および濾過の後、クロマトグラフィー精製ステップ(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、プロテインA、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー)を用いてもよい。
特定の実施形態では、VLRまたは修飾VLRまたは断片は、CD3−ζなどのT細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分に融合してもよい。特定の実施形態では、T細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分は、コンセンサス配列YXXLXXXXXXXXYXXL(配列番号52)(式中、Xは任意のアミノ酸 Lはロイシンまたはイソロイシンである)を伴う免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフを有するペプチドであり、ここで配列番号52は、任意選択的に、中間セグメントXXXXXXXX(配列番号53)内部に1つもしくは2つのXアミノ酸の欠失を有する。免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(下線)は、部分的CD3−ζ配列
Figure 2017514522
またはその断片もしくは変異体(例えば、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の欠失、付加、または置換変異体を有する)、またはそれに対して50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超もしくはそれより大きい同一性を有する配列の中に存在する。
特定の実施形態では、T細胞抗原受容体のシグナル形質導入成分は、免疫グロブリンε受容体サブユニットγ前駆体の配列
Figure 2017514522
その断片もしくは変異体の変異体、またはそれに対して50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超もしくはそれより大きい同一性を有する配列を有する免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(下線)を有するペプチドである。
ヒト化RBC36のH−三糖への結合
Slit2−D2突然変異体は、IgG1−Fcを有するレンチウイルス発現ベクターにクローン化し、一過性トランスフェクションによりHEK−293T細胞内で発現させた。Slit2−D2突然変異体の発現は、上清を抗−IgG−HRP結合二次抗体を用いてウエスタンブロットすることにより確認した。上清は、CHO−H細胞株を染色するために用いて、結合性を、抗−IgG−PE結合二次抗体を用いてフローサイトメトリーにより検出した。正の対照として、CHO−H細胞をまた、野生型RBC36−IgG−Fc融合タンパク質で染色した。Slit−M4−IgG−Fcタンパク質で染色したCHO−H細胞の場合、H−三糖の特異性をSlit2−D2スキャフォールドに移せることが示された(図6)。
ヒト形質細胞に特異的なVLR mAb(MM3)
形質細胞に特異的なVLR mAb(MM3)を、ヤツメウナギをヒト多発性骨髄腫細胞で免疫することにより作製した。ヒト形質細胞抗原に対するマウス抗体は予め作成しているが、形質細胞に特異的なものはない。MM3 VLR mAbは、正常(25中25のドナー試験試料)および悪性ヒト形質細胞(32中27の骨髄腫患者)の双方に結合するが、他のB細胞または造血系細胞に結合しない(図9)。MM3はまた、非ヒト霊長類(アカゲザルおよびスーティーマンガベイ)における形質細胞を認識するが、マウス形質細胞に結合しない。アカゲザル骨髄由来のMM3細胞が形質細胞であったことを確認するため、MM3細胞をフローサイトメトリーにより選別し、透過型電子顕微鏡により分析した。MM3+細胞は、形質細胞に特有の特徴である、小さくて密な偏心性の核および大きい細胞質量を有し、大幅に拡大した粗面小胞体およびゴルジを伴っていた。非ヒト霊長類における形質細胞上でのMM3抗原の保存により、VLR抗体がインビボで形質細胞を標的化し、枯渇させる能力の評価用のモデル系が提供される。CD19およびCD138の発現に基づき、健常ヒトドナー由来のヒト骨髄由来形質細胞サブセット上でのMM3の発現を分析するため、多重パラメータフローサイトメトリーを用いた(図10)。MM3 VLR mAbで長寿命形質細胞集団(CD19−、CD27+、CD138+、CD38hi)を含む、4つすべてのCD38hi形質細胞サブセットを染色した。それでまた、最も広範に用いられる形質細胞マーカーであるCD138を発現しないヒト骨髄における抗体分泌細胞の亜集団を染色した。
特定の実施形態では、本開示は、MM3抗原結合ドメイン配列(配列番号56)
Figure 2017514522
またはその変異体を含むポリペプチドまたは融合体に関する。
特定の実施形態では、変異体は、それに対して80%、85%、90%、95%、97%、98%を超えるパーセント同一性または類似性を有するものである。特定の実施形態では、変異体は、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する。特定の実施形態では、置換は保存的置換である。
シグナルペプチドおよびストーク(下線)を含むMM3完全配列(配列番号57)
Figure 2017514522
MM3 VLR mAbのヒト化
特定の実施形態では、本開示は、
(配列番号64)
Figure 2017514522
またはその変異体;
(配列番号74)
Figure 2017514522
またはその変異体;
(配列番号75)
Figure 2017514522
またはその変異体;
(配列番号76)
Figure 2017514522
またはその変異体;または
(配列番号77)
Figure 2017514522
またはその変異体、を含むSlit2−MM3ポリペプチドを検討する。
図11に記載のように、VLR可変位置におけるアミノ酸のサブセットは、抗原接触の大部分をなす。MM3 VLR mAbの凹表面上のβ鎖は、全部で13のこれらアミノ酸残基(4Tyr、2Trp、4Asn、2Aspおよび1His)を有する。ヒト化MM3(huMM3−1)は、Slit2−D2スキャフォールド上の対応する位置に置換されたこれらの残基と、RBC36 LRRCTインサートと同じ位置に移植されたMM3LRRCTインサートとを有することになる。図12は、この手法がMM3の2つの最大のC末端LRRモジュール(LRRVeおよびLRRCP)にいかに適用されることになるかを示す。同図は、MM3およびこれらのモジュールにおけるヒトSlit2−D2スキャフォールドおよびVLRの整列化を示す(可変アミノ位置は灰色で影付きである)。この例では、MM3LRRVeからのTyr、Aspおよび2つのAsn残基、ならびにMM3LRRCPからのHis、TrpおよびTyrは、Slit2−D2スキャフォールド上に置換される。MM3LRRCP中のGln残基は、抗原に最も頻繁に接触するVLRアミノ酸のサブセットに該当しないことから、初期構築物中で置換されないことになるが、付加してもよい。この手法は、他のLRRモジュール(LRRV、LRR1およびLRRNT)に適用される。
可溶性IgG−Fc融合タンパク質として、また抗原結合性を評価するための酵母表面ディスプレイフォーマットで、HuMM3−1を発現させた。酵母ディスプレイフォーマットでは、抗原結合性は、huMM3を発現する酵母をMM3+細胞由来のビオチン化ライセートで染色し、検出用にストレプトアビジン−PEを用いることにより、測定されることになる。RBC36ヒト化のために用いられる手法と同様の手法に従い、追加的な残基をMM3の可変位置からhuMM3−1スキャフォールド上に反復的に組み込むことができる。

Claims (21)

  1. 分子に特異的に結合する単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、
    分子に結合する無顎類の可変性リンパ球受容体(VLR)のアミノ酸配列を提供するステップと;
    前記可変性リンパ球受容体中のどのアミノ酸が、前記結合分子に空間的に最も近い状態であるか、および/または前記結合分子に対してイオン相互作用をもたらすか、および/または水素結合するか、および/またはファンデルワールス力をもたらすかを評価し、前記可変性リンパ球受容体における標的アミノ酸を提供するステップと;
    前記可変性リンパ球受容体(VLR)アミノ酸配列に対して20%超もしくはそれより大きい配列同一性を有する既知のヒトアミノ酸配列を提供するステップと;
    前記分子に特異的に結合するように形成された修飾ヒトアミノ酸配列を提供するため、前記可変性リンパ球受容体中の前記標的アミノ酸および前記標的アミノ酸を囲む十分な数のアミノ酸を前記既知のヒトアミノ酸配列内部で置換するステップと;
    組換え核酸から前記修飾ヒトアミノ酸配列を発現させるステップと、
    を含む方法によって作成されることを特徴とする、分子に特異的に結合する単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  2. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記可変性リンパ球受容体がヤツメウナギ可変性リンパ球受容体B(VLRB)であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  3. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記既知のヒトアミノ酸配列がヒトロイシンリッチリピート受容体であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  4. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記既知のヒトアミノ酸配列が、Slitファミリータンパク質(Slit1、2、および3)、CD42b、またはNogo−66であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  5. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記分子がウイルスまたは微生物抗原であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  6. 請求項5に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記ウイルスまたは微生物抗原が、炭疽菌(Bacillus anthracis)、インフルエンザ(Influenza)、またはHIV−1抗原であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  7. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記分子が腫瘍関連抗原であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  8. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記分子が、特に正常または悪性ヒト細胞に関連することを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  9. 請求項8に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列において、前記正常または悪性ヒト細胞が、血液型O赤血球、B細胞白血病細胞、またはBリンパ腫細胞株であることを特徴とする、単離された修飾ヒトアミノ酸配列。
  10. 請求項1に記載の単離された修飾ヒトアミノ酸配列を含む組換えベクター。
  11. 請求項12に記載のベクターを含む発現系。
  12. 請求項1に記載の修飾ヒトアミノ酸配列およびFc配列を含む融合タンパク質。
  13. 請求項13に記載の融合タンパク質を含む組換えベクター。
  14. 請求項14に記載のベクターを含む発現系。
  15. Figure 2017514522
    (式中、各位置のXは個別かつ独立に任意のアミノ酸であり、但しポリペプチドは、(配列番号16)LLSLYDおよび(配列番号17)TMHLAQから選択される野生型Slit2−D2配列の少なくとも1つを有しない)
    を含む、1つ以上の配列を含む組換えポリペプチド。
  16. 請求項16に記載の組換えポリペプチドにおいて、ヒトFc配列をさらに含むことを特徴とする、組換えポリペプチド。
  17. 請求項16に記載の組換えポリペプチドにおいて、配列
    YLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLY(配列番号66)、
    YLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLYQ(配列番号67)、または
    YLDLNNNKLQTIAKGTFGTFSPLRAIQHMWLYG(配列番号68)
    を有することを特徴とする、組換えポリペプチド。
  18. 請求項16に記載の組換えポリペプチドにおいて、B細胞ではなく、形質細胞に特異的に結合する能力があることを特徴とする、組換えポリペプチド。
  19. 配列番号56を含む組換えポリペプチド、その変異体。
  20. 請求項20に記載の組換えポリペプチドをコードする核酸を含む組換えベクター。
  21. 請求項21に記載のベクターを含む発現系。
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