JP2017513738A - インダクションシーリング装置及びインダクションシーリング装置を用いた包装材料のシーリング方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、包装材料のヒートシーリングのためのインダクションシーリング装置（１）に関する。シーリング装置（１）は、シーリング中に前記包装材料と協働するために、部分的に支持体（２）に封入された導体（１０）を含んでいる。コイル導体（１０）は、コイル導体（１０）に沿った少なくとも１つの位置（９）においてコイル導体（１０）によって誘導される磁束を集中させるように、この少なくとも１つの位置において、減少した断面積を有している。本発明は、前記インダクションシーリング装置を用いた包装材料のヒートシーリング方法にも関連している。

Description

本発明は、インダクションシーリング装置、特に包装材料のヒートシーリングのためのインダクションシーリング装置に関するものであり、当該包装材料は特に液状食品の包装材料である。本発明は、当該インダクションシーリング装置を用いた包装材料のシーリング方法にも関する。

フルーツジュース及び超高温熱処理牛乳等の、多くの注ぎ可能な食品は、滅菌された包装材料で形成されたパッケージに包装されて販売されている。パッケージのタイプの一例としては、テトラエベロアセプティック（登録商標）として知られているものがあり、テトラエベロアセプティックは、高度に自動化された充填機で製造される紙製ボトルである。ラミネート加工された包装材料のウェブが、ブランク又はシートの形に切断される。それぞれのブランク又はシートは、スリーブとして成形され、当該スリーブの重複する長手方向縁部は、共にシーリングされる。当該スリーブは、次に、一方の端部において閉じられるが、当該端部においては、熱可塑性材料の上端が、当該スリーブの端部に直接射出成形されている。熱可塑性の上端は、例えばスクリューキャップによって閉じられる注ぎ口を含んでいる。注ぎ可能な食品は、開いているスリーブ端部を通してパッケージに充填され、開いているスリーブ端部は、充填の後、シーリングされ、平底に折り畳まれる。

当該包装材料は、実質的に、紙又はカートン等の繊維性材料の基層と、当該基層の両側を覆うポリエチレンフィルム等のヒートシーリング可能なポリマー材料の複数の層とを含む多層構造を有している。当該包装材料は、アルミニウムホイル等の気体及び光遮断性材料の層も含んでおり、当該層は、基層と、場合によっては食品と接触するパッケージの内面を形成するヒートシーリング可能なポリマー材料との間に配置されている。アルミニウムホイルと基層との間には、接着層が形成されている。

スリーブの長手方向のシールは、シーリング装置によって形成される。シーリング装置は、液状食品の包装産業では、長年にわたり用いられてきた。様々なタイプのシーリング装置が存在しており、当該シーリング装置は、電気によって加熱可能であり、シーリングに適した熱を生成するために、超音波振動を用いるか、又は、可能であれば、アルミニウムホイル層等の導電性材料を利用する。後者は、いわゆるインダクションヒートシーリングプロセスであり、当該プロセスにおいては、渦電流、すなわち損流が、アルミニウム層に誘導され、その結果、局所的な加熱が生じ、ヒートシーリング可能なポリマー材料の層が融解する。

より具体的には、インダクションヒートシーリングでは、シーリング装置は実質的に、高周波電流発生器で動くインダクタを含んでいる。当該インダクタは、導電性材料から形成されたコイルであり、形成された電磁界は、包装材料内のアルミニウム層と接触し、渦電流をアルミニウム層内に誘導し、必要なシーリング温度にまでアルミニウム層を加熱する。当該コイルは、典型的には、例えば銅等の導電性材料及び／又は金属材料等から形成されている。

包装材料の内側及び／又は外側のヒートシーリング可能なポリマー層が融解する際、２つの加熱された層を同時に押し付けることによって、シーリングが形成され得る。この押し付ける行為は、インダクションシーリング装置と、スリーブを形成するマンドレル内に固定され得るアンビル等のカウンターシーリング要素とによって実現される。

注ぎ可能な食品のためのパッケージの別のタイプとしては、テトラブリックアセプティック（登録商標）として知られた、液状又は注ぎ可能な食品のための平行六面体のパッケージがあり、当該パッケージは、ラミネート加工されたウェブ状の包装材料を折り畳み、シーリングすることによって形成される。

同様に、当該包装材料は多層構造を有しており、当該多層構造は実質的に、紙等の繊維性材料の層又は無機物が充填されたポリプロピレン材料の層を含み得る剛性及び強度のための基層と、当該基層の両側を覆っているポリエチレンフィルム等のヒートシーリングプラスチック材料の複数の層とを含んでいる。

超高温熱処理牛乳のような長期保存製品のためのアセプティックパッケージの場合、包装材料もやはり、アルミニウムホイル又はエチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）フィルム等の気体及び光遮断性材料の層を含んでおり、当該層は、ヒートシーリングプラスチック材料の層に重ね合わされ、場合によっては食品と接触するパッケージの内面を構成する、ヒートシーリングプラスチック材料の別の層で覆われる。

知られているように、後者の種類のパッケージは、完全に自動化された包装ユニットで製造され、当該包装ユニットでは、ウェブ状の包装材料から連続的なチューブが形成される；包装材料のウェブは、包装ユニットで、過酸化水素溶液等の化学的滅菌剤を用いることによって滅菌され、当該化学的滅菌剤は、滅菌が完了すると、加熱により蒸発すること等によって、包装材料の表面から除去される；このように滅菌された包装材料のウェブは、閉鎖された無菌の環境で維持され、長手方向に折り畳まれ、シーリングされて、垂直チューブが形成される。

当該チューブは、第１の垂直方向において連続的に供給され、滅菌された、又は、無菌処理された食品で充填され、２対のジョー（jaw）によって、等間隔の横断面で把持される。より具体的には、２対のジョーは、チューブに循環的かつ連続的に作用し、当該チューブの包装材料にヒートシーリングを行い、それぞれの横方向のシーリングバンドによって互いに接続された、すなわち前記第１の方向に対して垂直な第２の方向に延在しているピローパックの連続的なストリップを形成する。

これらのピローパックは、関連する横方向のシーリングバンドを切断することによって分離し、その後、最終的な折畳みステーションに搬送され、当該折り畳みステーションにおいて、機械的に、最終的な平行六面体に折り畳まれる。

各対のジョーの間に把持されたチューブ部分には、シーリングジョーとして知られたジョーの内１つに固定された加熱手段によって、ヒートシーリングが行われ、当該加熱手段は、当該ジョーの間に把持されたヒートシーリングプラスチック材料の２つの層を局所的に融解させる。

横方向のシーリングは、インダクションシーリングによって行われ、加熱手段は実質的に、高周波電流発生器によって動力を供給され、導電性材料から形成された１つ又は複数のインダクタバーを実質的に含んでおり、第２の方向に対して平行に延在しているインダクタを含んでおり、当該インダクタは、チューブ材料に接触し、損流を当該チューブ材料内に誘導し、必要なシーリング温度にまで当該チューブ材料を加熱する。

他方で、カウンタージョー又はアンビルとして知られた、もう一方のジョーは、エラストマー材料で形成された圧力パッドで固定されており、当該圧力パッドは、インダクタバーと協働して、関連する横方向のシーリングバンドに沿って、チューブのヒートシーリングを行う。

上述のタイプのインダクタを含むシーリング装置のシーリングジョーは知られている。

より具体的には、例として知られているシーリング装置は、実質的に、シーリングジョーに一体的に接続され、それぞれのインダクタバーのハウジングのための２つの前面（front seats）を決定している支持体と、磁束濃縮材料、特にフェライトを含む複合材料から形成され、当該支持体内部で、インダクタバーの近くに収められたインサートとを含んでいる。

より具体的には、インダクタバーは、磁界を形成するための単純な一重コイル又は二重コイルであり、インサートは、磁束集中材料から形成されている。このような従来のシーリング装置は、例えば特許文献１及び特許文献２から知られている。

単ループ型横方向シーリングインダクタと共通の問題は、インダクタの長さに沿って、異なる磁界又は異なる加熱力が必要であるということである。追加の加熱力が、パッケージの角に相当する領域と、包装材料が重複する交差領域とにおいて必要である。なぜなら、これらの領域は、シーリングすることがより難しいからである。現在では、比較的高い磁気特性を有する、控えめな（discreet）追加部分がこの目的で用いられている。その結果、複雑性及び費用がもたらされ、製造プロセスもより難しくなる。また、全ての部材を共に維持するために、プラスチック材料の外側シェルが使用されてきたが、それによってさらに、複雑性とプラスチックシェル内の脆弱性とが増大している。

全てのインダクションシーリング技術は、包装材料のアルミニウム層の使用に依存しているので、誘導される熱は、常に最適な方法で、及び／又は、最適な位置で、生成されるとは限らない。従って、インダクションシーリングに用いられるインダクタに関しては、常に改善の余地がある。

欧州特許出願公開第１２７０１８２号明細書 欧州特許出願公開第２００８７９５号明細書

本発明は、先行技術に係るインダクションシーリング装置の問題点の少なくともいくつかを軽減又は緩和することを目指している。本発明の第１の態様によると、これは、包装材料のヒートシーリングのためのインダクションシーリング装置によって達成された。当該シーリング装置は、部分的に支持体に封入されたコイル導体を含んでいる。当該コイル導体は、シーリング中の包装材料との協働のために構成されている。当該コイル導体は、コイル導体に沿った少なくとも１つの位置においてコイル導体によって誘導される磁束を集中させるように、この少なくとも１つの位置において、減少した断面積を有している。

１つ又は複数の態様では、減少した断面積は、コイル導体の高さを減少させることによって得られる。

１つ又は複数の態様では、減少した断面積は、コイル導体（１０）の幅を減少させることによって得られる。

１つ又は複数のさらなる態様では、減少した断面積は、コイル導体の幅及び高さを減少させることによって得られる。

１つ又は複数の態様では、コイル導体は、シーリング中に包装材料と協働するための、少なくとも１つの第１の導電性ストリップを含んでいる。この第１の導電性ストリップは、第１の横断面領域を有する部分を備えており、この第１の横断面領域は、この少なくとも１つの導電性ストリップの残りの部分の第２の横断面領域よりも小さく、第１の横断面領域は、第２の横断面領域の３０％〜７０％である。

１つ又は複数の態様では、少なくとも１つの第１の導電性ストリップの高さは一定であり、第１の横断面領域の幅は、第１の導電性ストリップの残りの部分の第２の横断面領域の幅の３０％〜７０％である。

１つ又は複数の態様では、当該導体は、シーリング中の包装材料との協働のために、第２の導電性ストリップを含んでおり、当該導体は、動力供給装置に接続されるように構成された第１及び第２のコネクタを含んでおり、第１のコネクタは、第１の導電性ストリップの第１の端部に接続されており、第２のコネクタは、第２の導電性ストリップの第１の端部に接続されており、導電性ブリッジは、第１及び第２の導電性ストリップの第２の端部を電気的に相互接続し、それによって、導体を電流が流れることを可能にする。

１つ又は複数の態様では、第１及び第２の導電性ストリップは、平行かつ直線的である。

１つ又は複数の態様では、第１及び第２の導電性ストリップは、インダクションシーリング装置の作業面において、環境に曝露され、当該作業面は、シーリング中に包装材料と協働するように構成されている。

１つ又は複数の態様では、第２の導電性ストリップの第３の横断面領域は、第１の導電性ストリップの第２の横断面領域よりも大きい。

１つ又は複数の態様では、第１及び第２の導電性ストリップの高さは一定であり、第３の横断面領域の幅は、第１の導電性ストリップの第２の横断面領域の幅よりも約１５％〜３５％大きい。

１つ又は複数の態様では、導体は、金属材料を含んでおり、支持体は、ポリマー材料と金属材料のコアとを含んでいる。

１つ又は複数の態様では、インダクションシーリング装置は、磁束集中インサートを含んでおり、支持体は、熱伝導性材料を含んでおり、コイルインダクタと磁束集中インサートとを格納している。

１つ又は複数の態様では、コイル導体は、単一ループコイルである。

１つ又は複数の態様では、少なくとも１つの位置は、インダクションシーリング装置によってシーリングされるように調整された領域において重なり合う包装材料に対応するように配置されている。

１つ又は複数の態様では、コイル導体は、減少した断面積を、シールの縁部を加熱するように意図された位置において有している。

１つ又は複数の態様では、磁束集中インサートは、ポリマー及び軟質磁性粒子の磁性化合物を含んでいる。

本発明の別の態様は、包装材料のヒートシーリング方法、特に包装材料ブランクの第１の内縁部と第２の外縁部とを、２つの縁部が重なり合う重複領域において、共にシーリングする方法に関する。当該方法は、上述したタイプのインダクションシーリング装置の使用を含んでいる。当該方法は、インダクションシーリング装置がまず第２の外縁部と接触するように、インダクションシーリング装置を重複部の外側に配置するステップと、第１の導電性ストリップが第１の内縁部と一直線になり、当該部分が包装材料ブランクの自由縁に位置するように、インダクションシーリング装置を重複領域に配置するステップと、を含んでいる。

さらなる利点と好ましい特徴とは、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。全ての図において、同じ又は対応する要素には、同じ参照符号が付される。異なる態様に関連して記載される特徴は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることが可能である。これらの態様は、添付された図面に関連して説明される。示されているのは以下の図である。

第１の態様に係るインダクションシーリング装置の斜視図である。 インダクションシーリング装置の側面図である。 インダクションシーリング装置の底面図である。 インダクションシーリング装置を用いることが可能である包装材料スリーブの斜視図である。 包装材料スリーブの位置を示した、使用中のインダクションシーリング装置の部分図である。 図３の線ＶＩ‐ＶＩに沿った、インダクションシーリング装置の部分的な断面図である。 図３の線ＶＩＩ‐ＶＩＩに沿った、インダクションシーリング装置の部分的な断面図である。 インダクションシーリング装置及び包装材料スリーブの部分的な断面図である。 図１１の線Ｃに沿った、横方向のシーリング装置の横断面図である。 図１１の線Ｄに沿った、横方向のシーリング装置の横断面図である。 コイル導体の局所的に減少した横断面を示す、コイル導体の図である。 コイル導体の局所的に減少した横断面を示す、本発明に係るシーリング装置のコイル導体の斜視図である。 図１１の線Ｃに沿った、横方向のシーリング装置の磁界の横断面の図である。 図１１の線Ｄに沿った、横方向のシーリング装置の磁界の横断面の図である。

第１の態様は、図１〜図８に関連して説明される。これは、背景技術において、紙製ボトルに関連して記載したような、長手方向のシーリング、すなわち包装材料のスリーブの長手方向端部のシーリングにおいて用いられるインダクションシーリング装置である。

図１〜図３を参照すると、長手方向のシーリングのための例示的なインダクションシーリング装置１は、細長い支持体２を含んでおり、支持体２は、シーリングプロセスの間に包装材料と協働するための作業面７を有している。導体１０が支持体２に部分的に封入されており、しばしばインダクタコイルと呼ばれる。第１のコネクタ３と第２のコネクタ４とは、支持体２から突出しており、動力供給装置（図示せず）に接続されるように調整され、電流が導体１０を通って流れることを可能にするために、導体１０の反対側の端部にも接続される。導体１０は、シーリング装置１０の第１の端部１ａから反対側の端部１ｂへ直線的に延在している。導体１０は、第１の端部１ａと第２の端部１ｂとの間で長手方向の延在部分を有している。

支持体２は、典型的には、ポリマー材料、好ましくはガラス繊維強化ポリマー材料から形成されており、アルミニウム又は鋼等の金属材料のコアを含んでいる。当該導体は、金属材料から形成されており、好ましくは、以下の材料：銅（Ｃｕ）、アルミニウム（Ａｌ）、銀（Ａｇ）、金（Ａｕ）、ステンレススチールの内の１つ、又は、当該材料の内の１つ若しくはいくつかを含む合金から形成されている。

図１に示されているように、導体１０は、支持体２に部分的に封入されているが、包装材料と協働するために、作業面７に露出している。導体１０は、作業面とほぼ同じ高さにシーリング面を有している。しかしながら、導体１０には、第１の突起５と第２の突起６とが設けられており、図２を参照すると、両方の突起は、インダクションシーリング装置１の作業面７からわずかに突出している。さらに、導体１０は、第１の導電性ストリップ１１と、導電性ブリッジ１３と、第２の導電性ストリップ１２と、を含んでいる。これらは、図３に最も良好に示されている。第１の導電性ストリップ１１及び第２の導電性ストリップ１２は、インダクションシーリング装置１の長手方向に配置されており、平行である。導電性ブリッジ１３は、インダクションシーリング装置１の長手方向延在部分に対して横方向に配置されている。これらのストリップは共に、シーリング面を形成している。

第１の突起５及び第２の突起６は、シーリングの質に機能的な効果を与えない。代わりに、これらの突起は、完成したパッケージにおけるシールの位置の正確な測定を可能にするために供給される。複数のインダクションシーリング装置が充填機に取り付けられている場合に、どのインダクションシーリング装置がどのシーリングを行ったのかを識別するために、突起５、６の形状を修正することも可能である。

第２の導電性ストリップ１２の横断面領域Ａ_３は、第１の導電性ストリップ１１の横断面領域Ａ_２よりも大きい。異なる横断面領域を得るための１つの方法は、第１の導電性ストリップ及び第２の導電性ストリップの幅の大きさを変えることである。

第１の導電性ストリップ１１は、作業面において、インダクションシーリング装置１の長手方向延在部分に対して横方向で、幅Ｗ_２を有している。第２の導電性ストリップ１２は、作業面において、インダクションシーリング装置１の長手方向延在部分に対して横方向で、幅Ｗ_１を有しており、これは図５に示されている。一態様において、第２の導電性ストリップ１２の幅Ｗ_１は、第１の導電性ストリップ１１の幅Ｗ_２よりもわずかに大きく、典型的には約１５％〜３５％、好ましくは約２５％大きい。第２の導電性ストリップ１２の幅は、２．０ｍｍ〜３．００ｍｍの間であるか、２．２５ｍｍ〜２．７５ｍｍの間であるか、又は、２．５ｍｍである。第１の導電性ストリップ１１の幅は、１．５ｍｍ〜２．５ｍｍであるか、又は、１．７５ｍｍ〜２．２５ｍｍの間であるか、又は、２．０ｍｍである。図６に示すように、第１の導電性ストリップの高さＨと第２の導電性ストリップの高さＨとは同じである。図示されていない別の態様では、第１の導電性ストリップ及び第２の導電性ストリップに関して、幅Ｗ_１とＷ_２は同じであるが、高さＨは同じではない。さらに別の態様では、横断面領域Ａ_３及びＡ_２の寸法は同じである。

第１の導電性ストリップ１１は、位置９において部分１１ｂを有しており、当該部分の横断面領域Ａ_１は、第１の導電性ストリップ１１の残りの部分１１ａ及び１１ｃの横断面領域Ａ_２よりも小さい。部分１１ｂの横断面領域Ａ_１は、第１の導電性ストリップ１１の残りの部分１１ａ及び１１ｃの横断面領域Ａ_２の３０％〜７０％である。部分１１ｂの横断面領域Ａ_１は、第１の導電性ストリップ１１の残りの部分１１ａ及び１１ｃの横断面領域Ａ_２の４０％〜６０％である。部分１１ｂの横断面領域Ａ_１は、第１の導電性ストリップ１１の残りの部分１１ａ及び１１ｃの横断面領域Ａ_２の５０％である。横断面領域の差異は、図６及び図７に示されている。これらの図は、２つの断面を示しており、一方（図６）は図３の線ＶＩ‐ＶＩに沿った、他方（図７）は図３の線ＶＩＩ‐ＶＩＩに沿った断面である。

より小さい横断面領域Ａ_１を有する部分１１ｂを得るための１つの方法は、部分１１ｂに幅Ｗ_３を与えることであり、この幅Ｗ_３は、第１の導電性ストリップの残りの部分の幅Ｗ_２よりも小さい。好ましくは、幅Ｗ_３は幅Ｗ_２の半分である。これは、図５に最も良好に示されている。図示された態様に関しては、幅Ｗ_３は、幅Ｗ_２の約５０％か、又は、０．７５ｍｍ〜１．２５ｍｍの間か、又は、０．８７５ｍｍ〜１．１２５ｍｍの間か、又は、約１．０ｍｍであるべきである。インダクションシーリング装置の長手方向延在部分に沿った、部分１１ｂの長さＬは、５ｍｍ〜１５ｍｍの間か、又は、７ｍｍ〜１１ｍｍの間か、又は、約９ｍｍである。部分１１ｂの中心は、長手方向において、第１の導電性ストリップ１１の第一の端部から、長さＬの約１．５倍の位置にある。部分１１ｂの中心は、長手方向において、シーリング中の包装材料の自由縁に置かれるであろう。これについては、後述する。

使用中は、本発明に係るインダクションシーリング装置１は、ホルダに取り付けられており、当該ホルダには、インダクションシーリング装置１を、シーリングされるべき包装材料に接触させるためのいくつかの手段が設けられている。

１つの特定の適用例では、インダクションシーリング装置１は、冒頭に述べたタイプの紙製ボトルパッケージを製造するために用いられるべきスリーブ５０上に、長手方向のシールを形成するために用いられる。図４を参照のこと。スリーブ５０は、包装材料ブランクを充填機のマンドレルの周りに巻き付けることによって、及び、その縁部５１、５２を重複領域Ａにおいて共にシーリングすることによって形成される。重複部分の幅Ｗ_４は、インダクションシーリング装置１の寸法を決定する。典型的な適用例では、縁部５１、５２は互いに８ｍｍ重複している。第１の導電性ストリップ１１の外縁部と第２の導電性ストリップ１２の外縁部との間の幅の合計Ｗ_ｔは、これとほぼ同じ幅であるか、又は、７ｍｍ〜８ｍｍの間か、又は、７ｍｍ〜７．５ｍｍの間か、又は、約７．２ｍｍである。内縁部５１のシーリングが最も重要であり、これは、第１の導電性ストリップ１１によって処理され、第１の導電性ストリップ１１の外縁部は、包装材料スリーブの内縁部５１と位置合わせされている。第２の導電性ストリップ１２の外縁部は、包装材料スリーブ５０の外縁部５２と位置合わせされているか、又は、当該縁部のわずかに内側に配置されている。図５を参照のこと。図５は、インダクションシーリング装置の部分図であり、当該部分図は、図３の破線で示された円ＩＶに相当する。

スリーブの長手方向に見た、スリーブの上端５３は、シーリング中に、より小さい幅Ｗ_３を有する部分１１ｂの中心に配置されるべきである。すなわち、上端５３は、部分１１ｂの長さＬの半分の位置に配置されるべきである。スリーブ５０の当該上端５３を示す破線Ｅを参照のこと。すなわち、部分１１ｂの中心は、上端５３に配置されている。導体１０からの磁界は、スリーブ５０の上端５３の外側に広がっているが、誘導される電流は、アルミニウムホイルを流れる。従って、当該電流は、縁部５３の前で、最適とは言えない形で屈折する。誘導された電流の屈折を形作るため、及び、上端５３における屈折を減少させるために、より小さい横断面領域Ａ_１を有する部分１１ｂは、縁部５３に配置され、当該地点における電流密度を増大させる。アンペールの法則によると、電磁場は、電流密度に依存するので、このような方法で電磁場を形作ることが可能である。これは同様に、アルミニウムホイル内の誘導された電流を形作るので、必要な箇所、この場合には、内縁部５１と上端５３との交差部において、十分な加熱が達成される。

図８は、線ＶＩ‐ＶＩ（図３）に沿った、インダクションシーリング装置の断面を、図４のスリーブの一部と共に示している。図から明らかであるように、ヒートシーリング可能なポリマー材料のストリップ１４は、スリーブの縁部５１を囲んでいる。これは、パッケージ内部の液状食品が、未加工の紙の縁部に吸い込まれることを防止するためのものである。ストリップ１４は、シーリングされるべき領域に余分な材料を加えるので、より多くの熱を生成することが必要になる。これは、第１の導電性ストリップ１１の横断面領域が、第２の導電性ストリップ１２の横断面領域よりも小さいことの理由である。誘導された電流は、横断面領域がより小さいアルミニウムホイル内により集中し、局所的により多くの熱を発生させるであろう。

本発明の第２の態様は、図９〜図１４に関連して記載される。これは、横方向のシーリングにおいて用いられるインダクションシーリング装置であり、すなわち、背景技術において平行六面体形状のパッケージに関連して記載したように、包装材料のチューブを横方向にシーリングする装置である。

図９は、図１１の線Ｃにおける横断面に沿って見た、横方向のインダクションシーリング装置１の横断面の図である。支持体２は、空洞２２を有しており、空洞２２内には、誘導装置２０が配置されている。誘導装置２０は、コイル導体１０を含んでおり、電流と、従って熱とを、シーリングプロセスの間に包装材料の金属層に誘導するために、包装材料表面（図示せず）に対して押圧されるように構成された活性表面２５、２６を有している。空洞２２内には、磁束集中インサート３０が、誘導装置の活性表面２５、２６を覆うことなく、誘導手段２０の周囲に成形されている。磁束集中インサートは、誘導装置２０の活性表面２５と同じ高さにある相互作用表面３１を有している。誘導装置２０は、誘導装置を空洞内に固定するために、誘導装置のコイル導体１０の外側壁面に沿って、周方向の凹部２７を有している。磁束集中インサート３０は、ポリマー及び軟質磁性粒子（図示せず）の磁性化合物によって成形され、当該ポリマーは、ポリアミド又はポリフェニレンスルファイドから形成されており、当該磁性粒子は、フェライト、ＮｉＺｎフェライト、ＦｅＳｉＡｌ、ＦｅＳｉＢ、又は、ＦｅＮｉ合金である。ＮｉＺｎフェライトが好ましい。成形された材料を、ガラス繊維等（図示せず）によって強化しても良い。切断溝４０が、支持体２に形成されており、それによって、切断溝４０の両側において、包装材料を包装材料のシーリングと同時に切断することが可能になっている。各空洞２２の開口横断面は、空洞内２２に成形された磁束集中インサート３０を固定している、各空洞のより下側の横断面よりも小さい。この横断面図では、コイル導体１０の高さは、Ｈ_ｔで示されている。

図１０は、図１１の線Ｄにおける断面に沿って見た、横方向のインダクションシーリング装置１の横断面の図である。見てわかるように、コイル導体１０の高さは、磁界を集中させるために、当該位置において減少しており、それによって、活性表面２５、２６付近の磁界強度が増大している。図において、減少した高さはＨ_ｒで示されている。

図１１は、誘導装置２０のコイル導体１０の平面図である。コイル導体の横断面が減少する位置９以外では、溝２７も視認可能である。

図１３は、２つのコイル導体１０の斜視図である。溝２７もまた、コイル導体の横断面が減少する位置９以外では視認可能である。当該態様では、コイル導体の高さのみが減少しており、それによって、コイル導体の断面積が局所的に減少している。

図１３は、図１１の線Ｃに沿った、横方向のシーリング装置の磁界の横断面の図、すなわち図９と同じ横断面の図である。横断面が減少していない位置におけるコイル導体の周りの磁界が示されている。図１４は、図１１の線Ｄに沿った、横方向のシーリング装置の磁界の横断面の図であり、当該位置では、断面積は、コイル導体の高さを減少させることによって減少している。図１４から明らかであるように、磁界が集中し、活性表面２５、２６の周囲で局所的に増大した結果、包装材料５０のヒートシーリングに追加的な力が加えられる。

図から明らかであるように、コイル導体の幅は、この第２の態様では一定である。この幅は、図３においてＷ_５で示されている。

本発明において他の変型例が考えられること、及び、いくつかの例では、本発明のいくつかの特徴が、他の特徴を対応して利用することなく用いられ得るということ、が理解される。例えば、コイル導体は、断面積が減少する部分を複数有していても良い、と理解される。従って、添付された請求項が、本発明の範囲と整合する形で広く解釈されることは適切である。

１ インダクションシーリング装置
１ａ 第１の端部
１ｂ 第２の端部
２ 支持体
３ 第１のコネクタ
４ 第２のコネクタ
５ 第１の突起
６ 第２の突起
７ 作業面
９ 位置
１０ コイル導体
１１ 第１の導電性ストリップ
１１ａ、１１ｂ、１１ｃ 部分
１２ 第２の導電性ストリップ
１３ 導電性ブリッジ
１４ ストリップ
２０ 誘導装置
２２ 空洞
２５、２６ 活性表面
２７ 溝
３０ 磁束集中インサート
３１ 相互作用表面
４０ 切断溝
５０ スリーブ
５１ 内縁部
５２ 外縁部
５３ 上端
Ａ 重複領域
Ａ_１ 部分１１ｂの横断面領域
Ａ_２ 部分１１ａ及び部分１１ｃの横断面領域
Ａ_３ 第２の導電性ストリップ１２の横断面領域
Ｈ 高さ
Ｈ_ｒ 減少した高さ
Ｈｔ コイル導体１０の高さ
Ｗ_１ 第２の導電性ストリップ１２の幅
Ｗ_２ 第１の導電性ストリップ１１の幅
Ｗ_３ 部分１１ｂの幅
Ｗ_４ 重複部分の幅
Ｗ_５ コイル導体の幅
Ｗ_ｔ 第１の導電性ストリップ１１の外縁部と第２の導電性ストリップ１２の外縁部との間の幅の合計

Claims (18)

1. 包装材料のヒートシーリングのためのインダクションシーリング装置（１）であって、前記インダクションシーリング装置（１）は、部分的に支持体（２）に封入されたコイル導体（１０）を含んでおり、前記コイル導体（１０）は、シーリング中に前記包装材料と協働するように構成されており、前記コイル導体（１０）は、前記コイル導体（１０）に沿った少なくとも１つの位置（９）において前記コイル導体によって誘導される磁束を集中させるように、前記少なくとも１つの位置において、減少した断面積を有しているインダクションシーリング装置（１）。
2. 前記減少した断面積が、前記コイル導体（１０）の高さを減少させることによって得られる、請求項１に記載のインダクションシーリング装置（１）。
3. 前記減少した断面積が、前記コイル導体（１０）の幅を減少させることによって得られる、請求項１に記載のインダクションシーリング装置（１）。
4. 前記減少した断面積が、前記コイル導体（１０）の幅及び高さを減少させることによって得られる、請求項１〜３のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
5. 前記コイル導体が、シーリング中の前記包装材料との協働のために、少なくとも１つの第１の導電性ストリップ（１１）を含んでおり、前記第１の導電性ストリップ（１１）は、第１の横断面領域（Ａ_１）を備えた部分（１１ｂ）を有しており、前記第１の横断面領域は、前記少なくとも１つの導電性ストリップの残りの部分（１１ａ、１１ｃ）の第２の横断面領域（Ａ_２）よりも小さく、前記第１の横断面領域（Ａ_１）は、前記第２の横断面領域（Ａ_２）の面積の３０％〜７０％である、請求項１〜４のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
6. 前記第１の導電性ストリップ（１１）の高さが一定であり、前記第１の横断面領域（Ａ_１）の幅（Ｗ_３）が、前記第１の導電性ストリップの残りの部分（１１ａ、１１ｃ）の前記第２の横断面領域（Ａ_２）の幅（Ｗ_２）の３０％〜７０％である、請求項５に記載のインダクションシーリング装置（１）。
7. 前記コイル導体（１０）が、シーリング中の包装材料との協働のために、第２の導電性ストリップ（１２）を含んでおり、前記コイル導体（１０）が、動力供給装置に接続されるように構成された第１のコネクタ（３）及び第２のコネクタ（４）を含んでおり、前記第１のコネクタ（３）は、前記第１の導電性ストリップ（１１）の第１の端部に接続されており、前記第２のコネクタ（４）は、前記第２の導電性ストリップ（１２）の第１の端部に接続されており、導電性ブリッジ（１３）が、電流が前記コイル導体（１０）を流れることができるように、前記第１の導電性ストリップ（１１）の第２の端部と前記第２の導電性ストリップ（１２）の第２の端部とを電気的に相互接続する、請求項６に記載のインダクションシーリング装置（１）。
8. 前記第１の導電性ストリップ（１１）及び前記第２の導電性ストリップ（１２）が、平行かつ直線的である、請求項７に記載のインダクションシーリング装置（１）。
9. 前記第１の導電性ストリップ及び前記第２の導電性ストリップが、前記インダクションシーリング装置（１）の作業面（７）において、環境に曝露されており、前記作業面（７）は、シーリング中に前記包装材料と協働するように構成されている、請求項７又は８に記載のインダクションシーリング装置（１）。
10. 前記第２の導電性ストリップ（１２）の第３の横断面領域（Ａ_３）が、前記第１の導電性ストリップ（１１）の前記第２の横断面領域（Ａ_２）よりも大きい、請求項７〜９のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
11. 前記第１の導電性ストリップ（１１）及び前記第２の導電性ストリップ（１２）の高さが一定であり、前記第３の横断面領域（Ａ_３）の幅（Ｗ_１）が、前記第１の導電性ストリップ（１１ａ、１１ｃ）の前記第２の横断面領域（Ａ_２）の幅（Ｗ_２）よりも約１５％〜３５％大きい、請求項１０に記載のインダクションシーリング装置（１）。
12. 前記コイル導体が、金属材料を含んでおり、前記支持体が、ポリマー材料と金属材料のコアとを含んでいる、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
13. 前記インダクションシーリング装置が、磁束集中インサート（３０）を含んでおり、前記支持体（２）が、熱伝導性材料を含むとともに前記コイル導体と前記磁束集中インサート（３０）とを格納している、請求項１〜１２のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
14. 前記コイル導体（１０）が単一ループコイルである、請求項１に記載のインダクションシーリング装置（１）。
15. 前記少なくとも１つの位置が、前記インダクションシーリング装置によってシーリングされるように調整された領域の包装材料重複部に整合するように配置されている、請求項１に記載のインダクションシーリング装置（１）。
16. 前記コイル導体が、シーリングの縁部を加熱するように意図された位置において、減少した断面積を有している、請求項１に記載のインダクションシーリング装置（１）。
17. 前記磁束集中インサート（３０）が、ポリマーと軟質磁性粒子との磁性化合物を含んでいる、請求項１３〜１６のいずれか一項に記載のインダクションシーリング装置（１）。
18. 包装材料のヒートシーリング方法、特に包装材料ブランクの第１の内縁部（５１）と第２の外縁部（５２）とを、２つの縁部が重なり合う重複領域（Ａ）において、請求項５に記載のインダクションシーリング装置（１）を用いて共にシーリングする方法であって、前記インダクションシーリング装置がまず前記第２の外縁部（５２）と接触するように、前記インダクションシーリング装置を重複部の外側に配置するステップと、第１の導電性ストリップ（１１）が前記第１の内縁部（５１）と一直線になり、前記部分（１１ｂ）が前記包装材料ブランクの自由縁（５３）に位置するように、前記インダクションシーリング装置を前記重複領域（Ａ）に配置するステップと、を含んでいる方法。

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