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糖尿病黄斑浮腫の治療のための組成物および方法
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2014年3月27日に出願の米国特許仮出願番号第61/971,170号の利益を主張するものであり、この文献全体は本明細書中参照として援用されている。
網膜疾患は、中心視を提供する網膜領域に影響を及ぼす。多くの網膜疾患は共通の症状を共有するが、それぞれは固有の特徴を有する。
糖尿病黄斑浮腫(DME)は、糖尿病患者で起こる網膜血管の漏出により引き起こされる黄斑の腫脹である。DMEは、糖尿病性網膜症の人々における失明の主な原因である。糖尿病の人々が、その生涯のうちでDMEを発症するリスクは10%である。DMEは、20年超にわたり糖尿病を患っている人では最大30%に罹患する。治療しないままである場合、DMEは、中度〜重度の失明をもたらし得る。
本開示は、糖尿病黄斑浮腫および網膜疾患の動物モデルを、DX−2944、すなわち活性PKalに結合するFab抗体で治療できることを示す試験に部分的に基づくものである。
本開示の一部の態様は、対象における、糖尿病黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、眼内炎、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、または黄斑浮腫を呈する他のいずれかの網膜疾患などの網膜疾患を治療する方法であって、その必要がある対象に活性血漿カリクレイン(Pkal)に特異的に結合する抗体を含む組成物の有効量を投与する(たとえば硝子体内注射、眼内注射、または皮下注射を介して投与する)ことを含む、方法に関する。
一部の実施形態では、抗体は、ヒトのプレカリクレインに結合しない。一部の実施形態では、抗体は、ヒトのPKalの触媒ドメインに特異的に結合する。一部の実施形態では、抗体は、ヒトの活性PKalの1つまたは複数のアミノ酸残基と相互作用し、ヒトのPKalの活性を少なくとも50%阻害する。1つまたは複数のアミノ酸残基は、V410、L412、T413、A414、Q415、R416、L418、C419、H434、C435、F436、D437、G438、L439、W445、Y475、K476、V477、S478、E479、G480、D483、F524、E527、K528、Y552、D554、Y555、A564、D572、A573、C574、K575、G576、S578、T596、S597、W598、G599、E600、G601、C602、A603、R604、Q607、P608、G609、V610、およびY611のうちの1つまたは複数であり得る。一部の実施形態では、抗体は、V410−C419、H434−L439、Y475−G480、F524−K528、Y552−Y555、D572−S578、T596−R604、またはQ607−Y611のセグメントを含むエピトープに結合する。
一部の実施形態では、抗体は、活性PKalの活性を少なくとも80%阻害する。一部の実施形態では、抗体は、約1nM未満の見かけ上のKi( i,app )を有する。一部の実施形態では、抗体は、約0.1nM未満の i,app を有する。一部の実施形態では、抗体は、約0.05nM未満の i,app を有する。一部の実施形態では、抗体は、10 −6 M未満の、活性PKalの結合親和性( )を有する。一部の実施形態では、抗体は、R551、Q553、Y555、T558、およびR560の位置で1つまたは複数の変異を含む活性PKalの変異体と比較して、優先的に活性PKalに結合する。
一部の実施形態では、抗体は、相補性決定領域1(HC CDR1)、相補性決定領域2(HC CDR2)、および相補性決定領域3(HC CDR3)を含む重鎖可変領域を含み、ここでは、HC CDR3はモチーフ 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 を含み、ここで 99 はRまたはQであり; 101 はT、I、R、S、またはPであり; 103 はV、I、またはLであり; 106 はRまたはWであり; 107 はDまたはNであり; 108 はA、S、D、E、またはVであり; 109 はFまたはLであり; 110 はD、E、またはNであり、および 111 はI、N、M、またはS(SEQ IDNO:15)である。一部の実施形態では、 99 はQであり、かつ 101 はI、R、S、またはPである。一部の実施形態では、 106 はWであり、かつ 111 はN、M、またはSである。一部の実施形態では、 101 はIであり、 108 はEであり、かつ 103 はIまたはLである。一部の実施形態では、 101 はIであり、かつ 103 はIまたはLである。一部の実施形態では、 103 はIまたはLであり、かつ 110 はD、E、またはNである。一部の実施形態では、重鎖可変領域はHC CDR1に 31 を含む。一部の実施形態では、重鎖可変領域は、フレームワーク領域1(FR1)に 27 29 、またはその両方を含む。
一部の実施形態では、抗体は、相補性決定領域1(LC CDR1)、相補性決定領域2(LC CDR2)、および相補性決定領域3(LC CDR3)を含む軽鎖可変領域をさらに含む。一部の実施形態では、LC CDR2は、 50 54 55 56 、またはそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、軽鎖可変領域は、フレームワーク領域3(FR3)に 57 をさらに含む。一部の実施形態では、軽鎖可変領域は、フレームワーク領域2(FR2)に 45 または 45 を含む。
一部の実施形態では、抗体は、DX−2944と同じエピトープに結合するか、または活性PKalへの結合に関してDX−2944と競合する。このような抗体は、DX−2930の重鎖(HC)CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3、ならびにDX−2930の軽鎖(LC)CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3を含み得る。一部の実施形態では、抗体は、DX−2930のHC可変ドメイン(SEQ ID NO:3)およびDX−2930のLC可変ドメイン(SEQ ID NO:4)を含む。一例では、抗体はDX−2944である。
本明細書中記載される方法のいずれかでは、抗体は、完全長の抗体またはその抗原結合フラグメントであり得る。一部の実施形態では、抗体はFabである。一部の実施形態では、抗体は、ヒトの抗体またはヒト化抗体である。
また、(i)網膜疾患(たとえばDME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCV)の治療に使用するための医薬組成物であって、活性PKalに結合する1つまたは複数の抗体(たとえば本明細書中に記載される抗体)と薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物、ならびに(ii)網膜疾患の治療に使用する薬剤の製造のための、当該組成物または抗体の使用は、本開示の範囲内にある。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細を、以下の説明に記載する。本発明の他の特徴または利点は、以下の図面およびいくつかの実施形態の詳細な説明から、同様に添付の特許請求の範囲から明らかである。
以下の図面は、本明細書の一部を形成しており、本開示の特定の態様をさらに例証するよう含まれており、本明細書中に提示される特定の実施形態の詳細な説明と併用してこれれら図面の1つまたは複数を参照することにより、本開示の特定の態様を良好に理解することができる。
抗VEGF抗体の眼内注射で治療した動物のフルオレセイン眼底血管造影シグナルの低下を示す(n=5、t検定によりp<0.05)。 DX−2944で治療した動物のシグナルの同様の低下を示す(ビヒクル群ではn=3、試験対象群ではn=4、t検定によりp<0.05)。 brown Norwayラットのレーザー誘発CNV後のNaClのビヒクルで治療した眼の例示的な写真を示す。 brown Norwayラットのレーザー誘発CNV後のDX―2944で治療した眼の例示的な写真を示す。 親抗体M0162−A04の重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列(DX2930はこの親抗体由来である)、ならびに記載される対応する生殖系列のVHおよびVL遺伝子とのそのアライメントを示す。生殖系列配列と比較したM0162−A04における変異を示す(太字)。図3の配列は、上から下の順で、SEQ ID NO:16〜18(軽鎖V遺伝子)およびSEQ ID NO:19〜21に対応する。 ヒトの血漿カリクレインの触媒ドメインのアミノ酸配列を示す(完全長のヒトのPKalの残基391〜638)(SEQ ID NO:22)。太字および下線が引かれた残基は、以下の実施例2で考察される結晶構造により同定されたDX2930のFabフラグメントとの相互作用に関与する残基を指す。 X135−A01およびX135−A03(図5A)、M162−A04およびX133−B02(図5B)、X133−D06およびX133−F10(図5C)、ならびにX133−G05およびM199−A08(図5D)を含む、ヒトのPKalに対する、M0162−A04由来の多くの抗体変異体の見かけ上のKi( i,app )を示す一連のグラフである。 野生型のPKalおよび多くのPKal変異体に対する変異体X115−F02(以下の表2参照)の見かけ上のKi( i,app )を示す一連のグラフである。 ピキア(Pichia)細胞で産生される、多くのPKal変異体のアミノ酸配列(触媒ドメイン)を示す。この配列は、上から下の順に、SEQ ID NO:23〜27に対応する。 ピキア細胞で産生される、多くのPKal変異体のアミノ酸配列(触媒ドメイン)を示す。この配列は、上から下の順に、SEQ ID NO:23〜27に対応する。 15日目のbrown NorwayラットにおけるレーザーCNVに及ぼす、抗VEGF陽性対照と比較したDX−2944の効果を示す。抗VEGF抗体の眼内注射で治療した動物で観察されたフルオレセイン眼底血管造影シグナルの低下は、DX−2944で治療した動物で観察されたシグナルの低下と同程度であった(n=7、t検定によりp<0.05)。 22日目のbrown NorwayラットにおけるレーザーCNVに及ぼす、抗VEGF陽性対照と比較したDX−2944の効果を示す。抗VEGF抗体の眼内注射で治療した動物で観察されたフルオレセイン眼底血管造影シグナルの低下は、DX―2944で治療した動物で観察されたシグナルの低下と同程度であった(n=7、t検定によりp<0.05)。
何百万人もの人々が、眼後部内部を覆う繊細な組織層の損傷により脳へ光信号を送る能力が低下する網膜疾患のために様々な程度の失明に罹っている。網膜疾患は、遺伝子および年齢に関連する要因ならびに糖尿病などの他の疾患を含む様々な要因により引き起こされ得る。糖尿病性網膜症は、I型糖尿病またはII型糖尿病のいずれかの糖尿病を有する人に起こる病態である。糖尿病性網膜症は、高血糖により誘導される網膜の微小脈管構造への損傷の結果と考えられている。この損傷により、網膜の血管がより透過性となる。一部の例では、損傷した血管は、黄斑上に体液、タンパク質、および/または脂質を漏出し、黄斑の腫脹および肥厚を引き起こす。黄斑の腫脹および肥厚は、糖尿病黄斑浮腫(DME)と呼ばれる。DMEの症状として、霧視、視覚のゆがみ、および視野の斑点(時に「飛蚊症」と呼ばれる)が挙げられる。
DMEの標準的な治療は、レーザー凝固である。この治療は、周辺視力および/または夜間視力の部分的な喪失を含む望ましくない副作用を有する。
本開示は、活性血漿カリクレイン(PKal)に結合する抗体がDME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVなどの網膜疾患の動物モデルに治療上有効であることを示す試験に、部分的に基づくものである。よって、一部の態様では、本開示は、活性PKal(たとえばヒトの活性PKal)に結合できる抗体を使用して、DME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVなどの網膜疾患の治療のための組成物および方法に関する。
活性PKalに結合する抗体
本開示は、活性PKal、たとえばPKalの触媒ドメインに特異的に結合する単離抗体を提供する。一部の実施形態では、本明細書中記載される抗体は、プレカリクレイン(たとえばヒトのプレカリクレイン)に結合しない。
血漿カリクレインは、接触相のセリンプロテアーゼ構成要素である(Sainz I.M. et al., Thromb Haemost 98, 77−83, 2007)。接触相は、異物もしくは陰性荷電表面に曝露されると、またはプロリルカルボキシペプチダーゼによって内皮細胞表面上で、第XIIa因子により活性化される(Sainz I.M. et al., Thromb Haemost 98, 77−83, 2007)。血漿カリクレインの活性化は、第XII因子のフィードバック活性化を介して内因性の凝固を増幅し、炎症誘発性ノナペプチドであるブラジキニンの産生を介して炎症を亢進する。この循環における主要なキニノゲナーゼとして、血漿カリクレインは、脈管でのブラジキニン産生の主な原因である。
例示的な血漿カリクレイン配列は、ヒト、マウス、もしくはラットの血漿カリクレインアミノ酸配列、これら配列のうち1つと80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である配列、または、それらのフラグメント、たとえば以下に提供される配列のフラグメントを含むことができる。
成熟したヒト血漿カリクレインの例示的な配列を、以下に示す(たとえば本明細書中参照として援用されるTang et al. (2005) Expression, Crystallization, and Three−dimensional Structure of the Catalytic Domain of Human Plasma Kallikrein. J of Biol Chem. 280(49): 41077−41089参照。この文献は本明細書中参照として援用される)。この例示的な配列は、同種の産物の産生を促進するために1つの変異( 484 、太字)を含む。
Figure 2017512790
第XIIa因子は、単一の部位(Arg371−Ile372の間、上記の配列中「/」により表されている切断部位)でポリペプチド配列を切断することによりプレカリクレインを活性化して、次に、2つのジスルフィド結合したポリペプチド:約52kDaの重鎖および約34kDaの触媒ドメインからなる、活性血漿カリクレインを生成する[Colman and Schmaier, (1997) “Contact System: A Vascular Biology Modulator With Anticoagulant, Profibrinolytic, Antiadhesive, and Proinflammatory Attributes” Blood, 90, 3819−3843]。
例示的なヒト、マウス、およびラットのプレカリクレインのアミノ酸配列(シグナルペプチドを含む)を以下に示す。プレカリクレインの配列は、活性血漿カリクレイン(PKal)の1つのポリペプチド鎖が1つの位置(「/」により表されている)で切断されて2つの鎖を生成することを除き、血漿カリクレインと同一である。以下に提供される配列は、シグナル配列を含む完全な配列である。発現する細胞から分泌される際に、シグナル配列が除去されると予測される。
Figure 2017512790
Figure 2017512790
Figure 2017512790
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抗体は、本明細書中に記載される方法、たとえば網膜疾患を治療する方法に使用され得る。本明細書中で使用される用語「単離抗体」は、天然に会合した分子、すなわち抗体を含む調製物の乾燥重量の最大20%を構成する天然に会合した分子を実質的に含まない抗体を指す。純度は、たとえばカラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、およびHPLCといった何等かの適切な方法により測定することができる。一部の例では、本明細書中開示される抗体は、活性PKalまたはそのエピトープに特異的に結合する。
標的またはエピトープに「特異的に結合する」(本明細書中互換可能に使用される)抗体は、この分野でよく知られた用語であり、このような特異的な結合を決定する方法もまた、当該分野でよく知られている。ある分子が、代替的な標的と反応するよりも特定の標的抗原と、より頻繁に、より迅速に、より長い期間、かつ/またはより高い親和性で反応または会合する場合に、この分子は「特異的結合」を示すと言われる。ある抗体が、他の物質に結合するよりも、高い親和性、結合活性で、より迅速に、かつ/またはより長い期間結合する場合、抗体は標的抗原に「特異的に結合する」。たとえば、ヒトの活性PKalまたはそのエピトープに特異的に(または優先的に)結合する抗体は、他の抗原または同一の抗原の他のエピトープに結合するよりも、高い親和性、結合活性で、より容易に、かつ/またはより長い期間、この標的抗原に結合する抗体である。また、たとえば、第1の標的抗原に特異的に結合する抗体は、第2の標的抗原に特異的または優先的に結合してもよく、または結合しなくてもよいことが、この定義を読むことによって理解される。同様に、「特異的結合」、または「優先的結合」は、必ずしも排他的結合を(含むことができるが)必要とするものではない。一般的に、必ずしも必要ではないが、結合という言及は、優先的な結合を意味する。
抗体(互換可能に複数形で使用される)は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合できる免疫グロブリン分子である。本明細書中使用されるように、用語「抗体」は、無傷の(すなわち完全長の)ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を含むだけでなく、その抗原結合フラグメント(Fab、Fab’、F(ab’) 、Fv)、一本鎖(scFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、ジアボディ、線状抗体、一本鎖抗体、多重特異性抗体(たとえば二重特異性抗体)、ならびに抗体のグリコシル化変異体、抗体のアミノ酸配列変異体、および共有結合で修飾した抗体を含む、必要とされる特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の他のいずれかの改変した立体配置をも含む。抗体は、IgD、IgE、IgG、IgA、またはIgMなどのいずれかのクラス(またはそのサブクラス)の抗体を含むが、抗体は、いずれかの特定のクラスである必要はない。その重鎖の定常ドメインの抗体のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを、異なるクラスに割り当てることができる。5つの主要な免疫グロブリンのクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、たとえばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2に分けられ得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、ミュー、と呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置はよく知られている。
また、本明細書中に記載される抗体は、PKalの活性を阻害し得る。一部の例では、本明細書中に記載される抗体は、少なくとも50%、たとえば60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上、PKalの活性を阻害することができる。阻害定数(Ki)は、阻害剤の効力の測定値を提供し、酵素活性を半減させるために必要な阻害剤の濃度であり、酵素または基質の濃度に依存するものではない、抗PKal抗体の阻害活性は、以下の実施例3に記載される方法などの定例的な方法により決定することができる。
一部の例では、抗PKal抗体の阻害活性は、見かけ上のKi( i,app )値により決定される。反応(たとえば酵素活性)の程度に及ぼす抗体の異なる濃度の阻害作用を測定することと、阻害剤の濃度の関数としての擬一次速度定数の変化をモリソン式(式1)に適合させることとにより、異なる基質濃度で得た抗体の i,app 値により、見かけ上のKi値の推定値が得られる。競合的阻害剤の場合、Kiは、 i,app 対基質濃度のプロットの線形回帰解析から抽出したy切片から得られる。
Figure 2017512790
一部の例では、本明細書中記載される抗PKal抗体は、1nM未満、たとえば0.5nM、0.2nM、0.1nM、0.09nM、0.08nM、0.07nM、0.06nM、0.05nM、0.04nM、0.03nM、0.02nM、0.01nM、またはそれより低い i,app 値を有する。抗体の i,app 値は、当該分野で知られた方法および本明細書中に記載される方法(実施例2)に従って推定することができる。
本明細書中記載される抗体は、マウス、ラット、ヒト、または他のいずれかを起源とすることができる(キメラ抗体またはヒト化抗体を含む)。一部の例では、抗体は、免疫学的に不活性である定常領域などの改変した定常領域を含み、たとえば、補体を媒介した溶解を引き金とせず、または抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を刺激するものではない。ADCC活性は、米国特許第5,500,362号に開示される方法を使用して評価することができる。他の実施形態では、定常領域は、Eur. J. Immunol. (1999) 29:2613−2624;国際特許出願第PCT/GB99/01441号;および/または英国特許出願番号第9809951.8号に記載されるように改変されている。
本明細書中に記載される抗体のいずれかは、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであり得る。「モノクローナル抗体」は、均一な抗体集団を指し、「ポリクローナル抗体」は、不均一な抗体集団を指す。これら2つの用語は、抗体の供給源または抗体を作製する方法を限定するものではない。
一例では、本明細書中記載される方法で使用される抗体は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒトの免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含む、特定のキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその抗原結合フラグメントである非ヒト(たとえばマウスの)抗体の形態を指す。たいていの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒトの種(ドナー抗体)のCDR由来の残基により置換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一部の例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)は、対応する非ヒト残基により置換されている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体または移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されないが、抗体の性能をさらに改良かつ最適化するために含まれる残基を含み得る。一般的に、ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、かつFR領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒトの免疫グロブリンのコンセンサス配列のFR領域である、少なくとも1つ、典型的に2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。また、ヒト化抗体は、最適には、典型的にヒト免疫グロブリンの、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部を含む。抗体は、国際公開公報第99/58572号に記載されるように改変されたFc領域を有し得る。ヒト化抗体の他の形態は、本来の抗体に関して変化している1つまたは複数のCDR(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのCDR)を有しており、これらはまた、本来の抗体由来の1つまたは複数のCDRに「由来する」1つまたは複数のCDRとも呼ばれる。ヒト化抗体はまた、親和性成熟を伴い得る。
別の例では、本明細書中に記載される抗体は、ヒト抗体由来の重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得るキメラ抗体である。キメラ抗体は、第1の種由来の可変領域または可変領域の一部と、第2の種由来の定常領域とを有する抗体を指す。典型的に、これらのキメラ抗体では、軽鎖および重鎖の両方の可変領域は、1つの種の哺乳類(たとえばマウス、ウサギ、およびラットなどの非ヒトの哺乳類)由来の抗体の可変領域を模倣するが、定常部分はヒトなどの別の哺乳類に由来する抗体の配列と相同である。一部の実施形態では、アミノ酸の改変は、可変領域および/または定常領域で行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に記載される抗PKal抗体は、PKalまたはその触媒ドメインに対して適切な結合親和性を有する。本明細書中使用されるように、「結合親和性」は、見かけ上の結合定数または を指す。 は、解離定数( )の逆数である。本明細書中記載される抗体は、少なくとも10 −5 10 −6 10 −7 10 −8 10 −9 10 −10 M、またはそれより低い結合親和性( )を有し得る。結合親和性の増加は、Kの減少に対応する。第2の標的と比較して第1の標的に対する抗体の親和性結合が高いことは、第2の標的の結合に関する (または数値 )よりも第1の標的の結合に関する が高いこと(またはより小さい数値の )により示すことができる。このような場合、抗体は、第2の標的(たとえば第2の立体構造の同じタンパク質またはその模倣体、または第2のタンパク質)と比較して、第1の標的(たとえば第1の立体構造のタンパク質またはその模倣体)に関して特異性を有する。結合親和性の差異(たとえば特異性または他の比較に関する差異)は、少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、37.5、50、70、80、91、100、500、1000、10,000または10 倍であり得る。
結合親和性は、平衡透析、平衡結合、ゲルろ過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(たとえば蛍光アッセイを使用する)を含む様々な方法により決定することができる。結合親和性を評価する例示的な条件は、HBS―P緩衝剤(10mMのHEPES(pH7.4)、150mMのNaCl、0.005%(v/v)のSurfactant P20)中である。これらの技術を使用して、標的タンパク質濃度の関数として結合した結合タンパク質濃度を測定できる。結合した結合タンパク質の濃度([Bound])は、以下の式
(数2)
[Bound]=[N][Free]/(Kd+[Free])
により、遊離の標的タンパク質濃度([Free])および標的上の結合タンパク質の結合部位の濃度に関連しており、式中の(N)は、標的分子あたりの結合部位の数である。
しかしながら、 を正確に決定することは必ずしも必要ではなく、その理由は、場合によってたとえばELISAまたはFACS解析などの方法を使用して決定した親和性の定量的測定値が に比例するため、この測定値を得ることで十分であり、よってたとえばin vitroまたはin vivoアッセイなどの機能的アッセイでの活性により、親和性の定量的測定値を得るために、または親和性の推定値を得るために、より高い親和性がたとえば2倍高いかどうかを決定することなどの比較に用いることができる。
一部の実施形態では、抗PKal抗体は、DX−2930の重鎖および軽鎖CDRまたは重鎖および軽鎖可変領域を含む。DX−2930の完全長の重鎖および軽鎖の配列を以下に示す。重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの配列もまた、以下に示す。DX−2930のCDRの配列を、表1に示す。
Figure 2017512790
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一部の実施形態では、抗PKal抗体は、DX−2930の同じCDRまたは重鎖および軽鎖可変領域を含むFabである。たとえば、以下の実施例1に記載されるDX−2944は、DX−2930のFab部分である。
DX−2930は、親クローンM0162−A04に由来する完全にヒトのIgGである。M0162−A04の および のアミノ酸配列を、図3に示す。対応する生殖系列VH遺伝子(VH3_3−23)およびVL遺伝子(VK1_L12)とのアライメントもまた、図3に示す。M0162−A04のHC CDR3と比較して、DX−2930のHC CDR3は、T101I、I103V、およびA108Eの変異を含む(以下の表3参照、DX−2930のHC CDR3は、M0199−A08と同一である)。本開示において、Chothiaのナンバリングスキームを使用する。
www.bioinf.org.uk/abs/
以下の表2は、DX−2930、その親抗体M0162−A04、およびその変異体の構造情報を提供する。
Figure 2017512790
ヒト血漿カリクレインにおける特異的残基を標的とする抗体
一部の実施形態では、活性PKalに特異的に結合する抗体は、V410、L412、T413、A414、Q415、R416、L418、C419、H434、C435、F436、D437、G438、L439、W445、Y475、K476、V477、S478、E479、G480、D483、F524、E527、K528、Y552、D554、Y555、A564、D572、A573、C574、K575、G576、S578、T596、S597、W598、G599、E600、G601、C602、A603、R604、Q607、P608、G609、V610、および/またはY611を含む、ヒトのPKalの触媒ドメインにおける、1つまたは複数の残基(たとえば少なくとも3、5、8、10、15、20、25、30、35、40、または45個)と相互作用する(完全長のプレカリクレインアミノ酸配列に基づく数)。これら残基の位置を、図4に示す(太字および下線)。これらの残基は、以下の実施例2に記載される結晶構造に従って、DX−2930の1つまたは複数の残基と相互作用すると同定されている。
相互作用は、2つの結合パートナーにより形成された複合体における2つの残基間の距離が、所定の値よりも小さく、たとえば<6Å、<4Å、または<2Åであることを意味する。たとえば、1つの結合パートナーにおいて相互作用する残基は、複合体化した構造上の他の結合パートナーの残基からの少なくとも1つの原子の所定の閾値内(たとえば<6Å、<4Å、または<2Å)に少なくとも1つの原子を有し得る。相互作用は、実際の結合を必要とするものではない。相互作用する残基は、抗体の認識に関与すると示唆されている。
一部の実施形態では、本明細書中に記載される抗体は、上記に列挙した1つまたは複数の残基を含むエピトープでヒト活性PKalに結合する。「エピトープ」は、Fabまたは完全長の抗体などの抗体が結合する標的化合物上の部位を指す。エピトープは、直線状であり得て、典型的に長さがアミノ酸6〜15個である。あるいは、エピトープは、立体構造的であり得る。
一部の例では、本明細書中に記載される活性PKalに特異的に結合する抗体は、以下のセグメント:V410−C419、H434−L439、Y475−G480、F524−K528、Y552−Y555、D572−S578、T596−R604、またはQ607−Y611を含むエピトープに結合する。一部の例では、抗体(たとえば非DX−2930抗体)は、DX−2930と同じエピトープに結合するか、または活性PKalへの結合に関してDX−2930と競合する。
一部の例では、本明細書中に記載される抗PKal抗体は、R551、Q553、Y555、T558、およびR560のうちの1つまたは複数で変異を含む変異体、たとえば実施例4に記載の変異体2と比較して、野生型のPKaに優先的に結合する。このような抗体は、変異体と比較してより高い親和性で野生型のPKalに結合し得る(たとえば少なくとも2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1,000倍以上)。あるいはまたはさらに、抗体は、変異体と比較して、野生型PKalに対してより高い阻害活性を示す(たとえば少なくとも2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1,000倍以上)。
他の例では、本明細書中に記載される抗PKal抗体は、野生型の活性PKalおよびその機能的変異体に結合する。本抗体は、不活性な変異体との結合と比較して、活性PKalに優先的に結合することができる。抗体は、プレカリクレインと比較して活性PKalに優先的に結合することができる。
特異的なモチーフおよび/または残基を有する抗血漿カリクレイン抗体
一部の実施形態では、本明細書中に記載される抗PKal抗体は、 および を含み、そのそれぞれが、フレームワーク領域に隣接した3つのCDRを含む(FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4;図3参照)。重鎖のCDR3は、モチーフ: 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 であって、 99 がRまたはQであり、 101 がT、I、R、S、またはPであり、 103 がV、I、またはLであり、 106 がRまたはWであり、 107 がDまたはNであり、 108 がA、S、D、E、またはVであり、 109 がFまたはLであり、 110 がD、E、またはNであり、および 111 がI、N、M、またはS(SEQ ID NO:15)である、モチーフを含むことができる。一部の例では、 99 がQであり、かつ 101 がI、R、S、またはPである。あるいはまたはさらに、 106 がWであり、かつ 111 がN、M、またはSである。他の例では、 101 がIであり、 108 がEであり、かつ 103 がIまたはLであり;または 101 がIであり、かつ 103 がIまたはLである。さらなる他の例では、 103 がIまたはLであり、かつ 110 がD、E、またはNである。
さらに、このような抗PKal抗体は、本明細書中考察した結晶構造に基づき、ヒトのPKalの触媒ドメインとの相互作用に関与すると同定されている1つまたは複数の他の残基を含むことができる。これらの残基は、 または 鎖に位置することができる。例として、 のFR1のE1、V2、F27、T28、F29、およびS30、HC CDR1のH31;LC CDR1のS31およびW32、 鎖のFR1のY49、LC CDR2のK50、T53、L54、およびE55、およびS56、ならびに 鎖のFR3のG57およびV58が挙げられる。
上述した抗PKal抗体は、フレームワークとして何等かの生殖系列の重鎖および軽鎖のV遺伝子を使用することができる。重鎖V遺伝子として、限定するものではないが、IGHV1−2、IGHV1−3、IGHV1−8、IGHV1−18、IGHV1−24、IGHV1−45、IGHV1−46、IGHV1−58、IGHV1−69、IGHV2−5、IGHV2−26、IGHV2−70、IGHV3−7、IGHV3−9、IGHV3−11、IGHV3−13、IGHV3−15、IGHV3−20、IGHV3−21、IGHV3−23、IGHV3−30、IGHV3−33、IGHV3−43、IGHV3−48、IGHV3−49、IGHV3−53、IGHV3−64、IGHV3−66、IGHV3−72、IGHV3−73、IGHV3−74、IGHV4−4、IGHV4−28、IGHV4−31、IGHV4−34、IGHV4−39、IGHV4−59、IGHV4−61、IGHV4−B、IGHV5−51、IGHV6−1、およびIGHV7−4−1が挙げられる。
一部の例では、抗体は、κ軽鎖を使用する。軽鎖のVK遺伝子として、限定するものではないが、IGKV1−05、IGKV1−06、IGKV1−08、IGKV1−09、IGKV1−12、IGKV1−13、IGKV1−16、IGKV1−17、IGKV1−27、IGKV1−33、IGKV1−37、IGKV1−39、IGKV1D−16、IGKV1D−17、IGKV1D−43、IGKV1D−8、IGKV2−24、IGKV2−28、IGKV2−29、IGKV2−30、IGKV2−40、IGKV2D−26、IGKV2D−29、IGKV2D−30、IGKV3−11、IGKV3−15、IGKV3−20、IGKV3D−07、IGKV3D−11、IGKV3D−20、IGKV4−1、IGKV5−2、IGKV6−21、およびIGKV6D−41のV遺伝子が挙げられる。他の例では、抗体はたとえばIGLV1−IGLV10のいずれかの、λ軽鎖を使用する。
また抗体は、いずれかの生殖系列重鎖Jセグメント(たとえば重鎖IGJH1−IGJH6)および軽鎖Jセグメント(たとえばIGJK1、IGJK2、IGJK3、IGJK4、またはIGJK5)を使用することもでき、これらのセグメントはC末端、N末端、またはその両方で欠失などの変異を受けることができる。
生殖系列抗体の遺伝子/セグメントの配列は、当該分野でよく知られている。たとえばwww.vbase2.org/vbstat.phpを参照されたい。
一部の例では、本明細書中記載される抗PKal抗体は、重鎖および/または軽鎖のフレームワークとしてVH3_3−23および/またはVK1_L12を使用する。これは、M0162−A04の対応するCDR領域と比較して、たとえば最大5、4、3、2、または1つのアミノ酸残基の変異を含むM0162−A04(図3)と実施的に類似のHC CDR1、HC CDR2、および/またはHC CDR3、ならびにLC CDR1、LC CDR2、および/またはLC CDR3を含み得る。
他の例では、抗PKal抗体は、M0162−A04の対応する CDRと少なくとも75%(たとえば80%、85%、90%、95%、または98%)同一の CDR1、 CDR2、および CDR3を含む 鎖、ならびにM0162−A04の対応する CDRと少なくとも75%(たとえば80%、85%、90%、95%、または98%)同一の CDR1、 CDR2、および CDR3を含む 鎖を含む。
あるいは、抗PKal抗体は、M0162−A04のV鎖(成熟もしくは前駆体)と少なくとも75%(たとえば80%、85%、90%、95%、もしくは98%)同一の 鎖、および/またはM0162−A04の 鎖(成熟もしくは前駆体)と少なくとも75%(たとえば80%、85%、90%、95%、もしくは98%)同一の 鎖を含む。
2つのアミノ酸配列の「パーセント同一性」は、Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−77、 1993で改変されたf Karlin and Altschul Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264−68、 1990のアルゴリズムを使用して決定される。このようなアルゴリズムは、Altschul、 et al. J. Mol. Biol. 215:403−10, 1990のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLASTタンパク質の検索は、対象のタンパク質分子と相同のアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で行うことができる。2つの配列間にギャップが存在する場合、Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25(17):3389−3402, 1997に記載されるように、Gapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGappedBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(たとえばXBLSTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用することができる。
一部の例では、たとえば、残基が結晶構造に基づきPKalとの相互作用に関与する可能性がないと決定された位置で、保存的変異をM0162−A04のCDRに導入することができる。本明細書中で使用されるように、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸の置換を行うタンパク質の相対的な電荷または大きさの特徴を変えることのないアミノ酸置換を指す。変異体は、たとえばMolecular Cloning: A Laboratory Manual, J. Sambrook, et al., eds., Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989,またはCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel, et al., eds., John Wiley & Sons, Inc., New Yorkといった方法を編纂した参照文献で見出されるように、当業者に知られたポリペプチド配列を変化させる方法に従って調製することができる。アミノ酸の保存的置換は、以下の群:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、Dの中のアミノ酸の間で行われる置換を含む。
糖尿病黄斑浮腫(DME)を治療する抗PKal抗体の使用
本開示の態様は、たとえばDME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVといった網膜疾患を有する、有する疑いのある、または有するリスクのある対象の治療に関する。一部の実施形態では、このような対象を治療する方法であって、本明細書中に記載される活性PKalに特異的に結合する抗体の有効量を含む組成物を適切な経路を介して上記対象に投与する、方法が提供される。
本明細書中に開示される方法を行うために、本明細書中に記載される組成物(たとえば医薬組成物)の有効量を、静脈内投与(たとえばボーラスとして、または一定期間にわたる持続点滴による)、眼内注射、硝子体内注射、または皮下注射などの適切な経路を介して治療の必要がある対象(たとえばヒト)に投与することができる。本組成物は、ヒトの活性PKalに結合する1つまたは複数の抗体を含み得る。あるいは、本組成物は、適切なプロモーターに操作可能に結合し得る、抗PKal抗体をコードする核酸を含み得る。このような核酸は、発現ベクターであり得る。
本明細書中に記載される組成物および方法により治療される対象は、哺乳類、より好ましくはヒト、たとえば糖尿病を有するヒトであり得る。哺乳類として、限定するものではないが、家畜、競技用動物、ペット、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、およびラットが挙げられる。治療を必要とするヒトの対象は、DME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVを含む網膜疾患を有する、リスクがある、有する疑いのあるヒト患者であり得る。加齢黄斑変性(AMD)は、眼の黄斑の劣化または崩壊である。黄斑変性を伴う対象は、かすみ目(blurriness)、中心視における暗い領域またはゆがみ、および任意に中心視の永続的な喪失などの症状を有し得る。網膜静脈閉塞症(RVO)は、網膜から血液を運びだす小さな静脈の遮断である。多くの場合、動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)および血餅の形成により引き起こされる。糖尿病黄斑浮腫(DME)は、真性糖尿病における黄斑内の血管からの体液の漏出による網膜層の腫脹、血管新生、血管の漏出、および網膜の肥厚を特徴とする糖尿病性網膜症の増殖型である。ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)は、脈絡膜脈管構造の疾患である。これは多くの民族の男女の両方で存在し、色素上皮の漿液性剥離および滲出性の変化を特徴とし、一般的に網膜下線維症が起こり得る。ぶどう膜炎は、眼の中央の層であるぶどう膜の腫脹および刺激である。ぶどう膜は、網膜に血液供給の大部分を提供する。これは、関節リウマチまたは強直性脊椎炎を含む自己免疫障害により引き起こされる場合がある。またぶどう膜炎は、感染症または毒素への曝露により引き起こされる場合もある。多くの場合、原因は不明である。眼内炎は、通常、感染症により引き起こされる眼内腔(すなわち眼房水および/または硝子体)の炎症性の病態である。
このような網膜疾患を有する対象は、たとえば視力検査、眼圧測定、光干渉断層撮影、カラーステレオ眼底撮影法、フルオレセイン眼底血管造影図、またはそれらの組み合わせといった、定例的な医療検査により同定することができる。網膜疾患を有する疑いのある対象は、たとえば霧視、乱視、また視野におけるスポットといった疾患の1つまたは複数の症状を示し得る。網膜疾患のリスクがある対象は、1つまたは複数のリスク因子を有する対象であり得る。たとえば、DMEのリスクのある対象は以下のリスク因子:高血圧、体液貯留、低アルブミン血症、または高脂血症のうちの1つまたは複数を有し得る。RVOに関連するリスク因子には、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、高血圧(高血圧症)、および緑内障、黄斑浮腫、または硝子体出血などの他の眼の病態が挙げられる。
一部の実施形態では、DMEの別の治療と併用して、本明細書中に記載される抗体で対象を治療することができる。DMEの治療の非限定的な例として、レーザー光凝固、ステロイド、VEGF経路標的化剤(たとえばLucentis(登録商標)(ラニビズマブ)もしくはEylea(登録商標)(アフリベルセプト))、および/または抗PDGF剤が挙げられる。
本明細書中使用される「有効量」は、単独でまたは1つもしくは複数の他の活性薬剤と併用して、対象に治療上の効果を与えるために必要な各活性薬剤の量を指す。有効量は、当業者に認識されているように、治療される特定の病態、病態の重症度、年齢、身体状態、体格、性別、および体重を含む個々の患者のパラメータ、治療期間、併用療法の性質(存在する場合)、特定の投与経路、および医療従事者の知識および見解内の同様の要因に依存して変動する。これらの要因は、当業者に良く知られており、単なる定例的な実験を用いて行うことができる。一般的に、個々の成分の最高用量またはその組み合わせを使用すること、すなわち、健全な医療従事者の判断により安全な最高用量を使用することが好ましい。しかしながら、医療上の理由、心理的な理由、または実質的な他のいずれかの理由のため、患者がそれよりも低い用量または認容量を要求できることは当業者に理解されるであろう。
半減期などの経験的考慮は、一般的に、用量の決定に寄与する。たとえば、ヒト化抗体または完全にヒトの抗体などのヒトの免疫系と適合できる抗体を、抗体の半減期を長くし、抗体が宿主の免疫系により攻撃されないようにするために使用してもよい。投与回数は、治療過程のあいだで決定して調節してもよく、一般的に、必ずしも必要ではないが、DMEの治療および/または抑制および/または改善および/または遅延に基づくものである。あるいは、抗PKalの持続的な徐放製剤が適切である場合もある。持続的放出を達成するための様々な製剤およびデバイスは、当該分野で知られている。
一例では、本明細書中に記載される抗PKal抗体の用量は、抗体の1つまたは複数の投与を受けている個体で経験的に決定され得る。個体は、漸増用量の抗体を投与される。抗体の効能を評価するために、網膜疾患の指標を追跡する。
一般的に、本明細書中記載される抗体のいずれかの投与では、初回候補用量は約2mg/kgであり得る。本開示の目的のため、典型的な一日量は、上述の要因に基づき、おおよそ、0.1μg/kg〜3μg/kg〜30μg/kg〜300μg/kg〜3mg/kg、〜30mg/kg〜100mg/kgまたはそれ以上のいずれかの範囲であり得る。数日間またはそれ以上にわたって反復投与する場合、病態に応じて、DMEまたはその症状を軽減するために、症状の望ましい抑制が起こるまで、または十分な治療レベルが達成されるまで、治療を継続する。例示的な投与計画は、約2mg/kgの初回用量、次に、約1mg/kgの維持用量の抗体を1週間、次に約1mg/kgの維持用量を隔週で投与することを含む。しかしながら、医師が達成を望む薬物動態の減衰パターンに応じて、他の投与計画が有益であり得る。たとえば、1週間に1〜4回の投与が考えられる。一部の実施形態では、約3μg/mg〜約2mg/kg(約3μg/mg、約10μg/mg、約30μg/mg、約100μg/mg、約300μg/mg、約1mg/kg、および約2mg/kgなどの)の範囲の用量が使用され得る。一部の実施形態では、投与回数は、1週間に1回、2週間ごと、4週間ごと、5週間ごと、6週間ごと、7週間ごと、8週間ごと、9週間ごと、もしくは10週間ごと;または1か月に1回、2ヶ月ごと、もしくは3か月ごと、またはそれ以上である。この治療の進捗は、従来の技術およびアッセイにより容易にモニタリングされる。投与計画(使用される抗体を含む)は、経時的に変動し得る。
一部の実施形態では、正常な体重の成年患者では、約0.3〜5.00mg/kgの範囲の用量を投与してもよい。特定の投与計画、すなわち、用量、タイミング、および反復は、特定の個体、その個体の病歴、ならびに、個々の薬剤の特性(薬剤の半減期、および当該分野でよく知られている他の考察など)に依存する。
本開示の目的のため、抗PKal抗体の適切な用量は、使用される特定の抗体(またはその組成物)、網膜疾患(たとえばDME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCV)のタイプおよび重症度、抗体が予防目的または治療目的で投与されるかどうか、従来の治療、患者の病歴および抗体への応答、ならびに主治医の裁量に依存する。典型的に、臨床医は、望ましい結果を達成する用量に達するまで、抗PKal抗体を投与する。抗PKal抗体の投与は、たとえば、レシピエントの生理的状態、投与の目的が治療または予防かどうか、および当業者に知られている他の要因に応じて、連続的または間欠的であり得る。抗PKal抗体の投与は、あらかじめ選択された期間にわたり本質的に連続的であり得るか、または、たとえば網膜疾患を発症する前、最中、または後のいずれかで、間隔をあけた一連の用量であり得る。
本明細書中使用されるように、用語「治療している」は、網膜疾患、網膜疾患の症状、または疾患に対する素因を治療、治癒、緩和、軽減、変質、救済、回復、改善、または影響を与える目的で、DME、網膜疾患(たとえばDME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCV)、または網膜疾患に対する素因を有する対象への、1つまたは複数の活性薬剤を含む組成物の適用または投与を指す。
DME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVなどの網膜疾患を緩和することは、疾患の発症または進行を遅延させること、または疾患の重症度を低減することを含む。疾患を緩和することは、必ずしも治療的結果を必要とするものではない。本明細書中使用される、網膜疾患の発症を「遅延させること」は、疾患の進行を延ばす、妨害する、遅らせる、阻止する、安定化する、および/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の病歴および/または治療される個体に応じた様々な期間の遅延であり得る。疾患の発症を「遅延」もしくは緩和する、または疾患の発病を遅延する方法は、本方法を使用しない場合と比較して、所定の時間枠で疾患の1つまたは複数の症状を発症する可能性を低下させ、かつ/または所定の時間枠で症状の程度を低減する方法である。このような比較は、典型的に、統計学的に有意な結果を得るために十分数の対象を使用した臨床試験に基づく。
疾患の「発症」または「進行」は、疾患の初回症状発現および/または確実な進行を意味する。疾患の発症は、当該分野でよく知られている標準的な臨床技術を使用することにより、検出可能であり、かつ評価することができる。しかしながら、発症は、検出できない可能性のある進行をも指す。本開示の目的のため、発症または進行は、症状の生物学的経過を指す。「発症」は、発生、再発、および発病(onset)を含む。本明細書中使用される網膜疾患の「発病」または「発生」は、最初の発病および/または再発を含む。
一部の実施形態では、本明細書中記載される抗PKal抗体は、in vivoで活性PKalの活性を少なくとも20%(たとえば30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)阻害するために十分な量で、その必要のある対象に投与される。他の実施形態では、抗体は、PKalのレベルを少なくとも20%(たとえば30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)低下させるのに有効な量で投与される。
医療の分野の当業者に知られている従来の方法を使用して、治療すべき疾患のタイプ、または疾患部位に応じて、対象に医薬組成物を投与することができる。また、たとえば経口投与、非経口投与、吸入スプレー、局所投与、直腸投与、経鼻投与、頬側投与、経膣投与、またはインプラントリザーバーといった他の従来の経路を介して、本組成物を投与することもできる。本明細書中使用される用語「非経口」は、硝子体内、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内、および頭蓋内の注射または点滴の技術を含む。さらに、1、3、または6ヶ月のデポー注射可能または生物分解性の物質および方法を使用するなどの、注射可能なデポー投与経路を介して対象に投与することができる。一部の実施形態では、本明細書中に記載される組成物は、治療が必要な患者の眼に投与される。一例では、局所的に投与される。別の例では、眼内または硝子体内に注射される。
注射可能な組成物は、植物油、ジメチルアクトアミド(dimethylactamide)、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、およびポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)などの様々な担体を含み得る。静脈内注射では、水に可溶な抗体を、滴注法により投与でき、これにより、抗体および生理的に許容可能な賦形剤を含む医薬製剤が点滴される。生理的に許容可能な賦形剤は、たとえば5%デキストロース、0.9%の生理食塩水、リンガー液、または他の適切な賦形剤を含み得る。たとえば抗体の適切な可溶性の塩型の滅菌製剤といった筋肉内調製物を、注射用水、0.9%の生理食塩水、または5%のグルコース溶液などの薬学的賦形剤に溶解して投与することができる。
一実施形態では、抗PKal抗体を、部位特異的な送達技術または標的化局所送達技術を介して投与する。部位特異的な送達技術または標的化局所送達技術の例として、抗PKal抗体の様々な埋め込みデポー供給源、または注入カテーテル、留置カテーテル、もしくはニードルカテーテルなどの局所送達カテーテル、人工血管、外膜ラップ(adventitial wrap)、シャント、およびステント、または他の埋め込み可能デバイス、部位特異的担体、直接注射、または直接適用が挙げられる。たとえば、国際特許公開公報第00/53211号または米国特許第5,981,568号を参照されたい。
また、アンチセンスポリヌクレオチド、発現ベクター、またはサブゲノムポリヌクレオチドを含む治療用組成物の標的化送達を使用することもできる。受容体媒介型DNA送達技術は、たとえばFindeis et al., Trends Biotechnol. (1993) 11:202; Chiou et al., Gene Therapeutics: Methods And Applications Of Direct Gene Transfer (J. A. Wolff, ed.) (1994); Wu et al., J. Biol. Chem. (1988) 263:621; Wu et al., J. Biol. Chem. (1994) 269:542; Zenke et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1990) 87:3655; Wu et al., J. Biol. Chem. (1991) 266:338に記載されている。
ポリヌクレオチド(たとえは本明細書中に記載される抗PKal抗体をコードするポリヌクレオチド)を含む治療用組成物は、遺伝子療法プロトコルの局所投与のため、約100ng〜約200mgのDNAの範囲で投与される。一部の実施形態では、約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μg、またはそれ以上のDNAの濃度範囲を、遺伝子治療プロトコルにおいて使用することもできる。
本明細書中に記載される抗PKal抗体は、遺伝子送達ビヒクルを使用して送達することができる。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス由来または非ウイルス由来であり得る(一般的にJolly, Cancer Gene Therapy (1994) 1:51; Kimura, Human Gene Therapy (1994) 5:845; Connelly, Human Gene Therapy (1995) 1:185; and Kaplitt, Nature Genetics (1994) 6:148を参照されたい)。このようなコード配列の発現を、内在性の哺乳類または異種性のプロモーターおよび/またはエンハーサーを使用して誘導することができる。コード配列の発現は、構成的または調節的のいずれかであり得る。
所望の細胞における所望のポリヌクレオチドの送達および発現のためのウイルスベースのベクターは、当該分野でよく知られている。例示的なウイルスベースのビヒクルとして、限定するものではないが、組み換えレトロウイルス(たとえば国際特許公開公報第90/07936号;第94/03622号;第93/25698号;第93/25234号;第93/11230号;第93/10218号;第91/02805号;米国特許第5,219,740号および第4,777,127号;英国特許第2,200,651号;ならびに欧州特許第0 345 242号参照)、アルファウイルスベースのベクター(たとえばシンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR 1249;ATCC VR−532))、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(たとえば国際特許公開公報第94/12649号、第93/03769号;第93/19191号;第94/28938号;第95/11984号および第95/00655号)が挙げられる。また、Curiel, Hum. Gene Ther. (1992) 3:147に記載される死滅アデノウイルスに結合したDNAの投与を使用することもできる。
非ウイルス送達ビヒクルおよび方法もまた使用することができ、これは、限定するものではないが、死滅アデノウイルスのみに結合または結合していないポリカチオン性縮合DNA(たとえばCuriel, Hum. Gene Ther. (1992) 3:147参照);リガンド結合型DNA(たとえばWu, J. Biol. Chem. (1989) 264:16985参照)、真核細胞送達ビヒクル細胞(たとえば米国特許第5,814,482号;国際特許公開公報第95/07994号;第96/17072号;第95/30763号;および第97/42338号参照)、ならびに核酸の電荷の中和または細胞膜との融合を含む。ネイキッドDNAもまた使用することができる。例示的なネイキッドDNA導入方法は、国際特許公開公報第90/11092号および米国特許第5,580,859号に記載されている。遺伝子送達ビヒクルとして作用できるリポソームは、米国特許第5,422,120号、国際特許公開公報第95/13796号、国際特許公開公報第94/23697号、国際特許公開公報第91/14445号、および欧州特許第0524968号に記載されている。さらなる手法は、Philip, Mol. Cell. Biol. (1994) 14:2411, and in Woffendin, Proc. Natl. Acad. Sci. (1994) 91:1581に記載されている。
本明細書中に記載される方法で使用される、特定の投与計画、すなわち用量、タイミング、および反復は、特定の対象、および対象の病歴に依存する。一部の実施形態では、1つより多くの抗PKal抗体、または抗PKal抗体と別の適切な治療剤との組み合わせを、治療の必要がある対象に投与してもよい。アンタゴニストは、同じタイプであり得るか、または互いに異なり得る。また、抗PKal抗体は、薬剤の有効性を亢進かつ/または補完するように作用する他の薬剤と併用して使用することができる。
網膜疾患の治療の効力は、当該分野によく知られた方法により、たとえばフルオレセイン眼底血管造影により評価することができる。
抗体の調製
本明細書中に記載されるPKalに結合できる抗体は、当該分野で知られたいずれかの方法により作製することができる。たとえば、Harlow and Lane, (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照されたい。
一部の実施形態では、標的抗原(たとえばヒトのPKalまたはその触媒ドメイン)に特異的な抗体は、従来のハイブリドーマの技術により作製することができる。任意にKLHなどの担体タンパク質に結合した完全長の標的抗原またはそのフラグメントを、この抗原に結合した抗体を作製するために宿主動物を免疫するために使用することができる。宿主動物の免疫の経路およびスケジュールは、一般的に、本明細書中にさらに記載される抗体の刺激および生成の確立された従来技術を踏まえたものである。マウスの抗体、ヒト化抗体、およびヒトの抗体の生成のための一般的な技術は、当該分野で知られており、本明細書中記載されている。ヒトを含むいずれかの哺乳類の対象またはヒト由来の抗体産生細胞を、ヒトを含む哺乳類のハイブリドーマ細胞株を産生する基礎として役立つよう操作することができることが企図される。典型的に、宿主動物に、本明細書中に記載されるものを含む、ある量の免疫原を、腹腔内、筋肉内、経口、皮下、足底内、かつ/または皮内に接種する。
ハイブリドーマは、Kohler, B. and Milstein, C. (1975) Nature 256:495−497またはBuck, D. W., et al., In Vitro, 18:377−381 (1982)による改変版の一般的な体細胞ハイブリダイゼーション技術を使用して、リンパ球および不死化骨髄腫細胞から調製することができる。限定するものではないが、X63−Ag8.653およびSalk Institute, Cell Distribution Center, San Diego, Calif., USA由来のものを含む、入手可能な骨髄腫細胞株を、ハイブリダイゼーションに使用してもよい。一般的に、この技術は、ポリエチレングリコールなどの融合物質、または当業者に良く知られている電気的な手段を使用して、骨髄腫細胞とリンパ球細胞とを融合することを含む。融合後、細胞を、融合培地から分離して、ヒポキサンチン‐アミノプテリン‐チミジン(HAT)培地などの選択的増殖培地で増殖させ、ハイブリダイズされていない親細胞を除去する。血清を補充したまたは補充していない、本明細書中に記載される任意の培地を、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを培養するために使用することができる。細胞融合技術の別の代替物として、EBV不死化B細胞を、本明細書中に記載される抗PKalモノクローナル抗体を生成するために使用してもよい。ハイブリドーマを増殖させて、必要に応じてサブクローニングし、その上清を、従来のイムノアッセイの手法(たとえばラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、または蛍光イムノアッセイ)により抗免疫原活性に関してアッセイする。
抗体の供給源として使用することができるハイブリドーマは、PKal活性に干渉できるモノクローナル抗体を産生する親ハイブリドーマのすべての誘導体、子孫細胞を含む。このような抗体を産生するハイブリドーマは、既知の手法を使用して、in vitroまたはin vivoで増殖させることができる。必要に応じて、硫酸アンモニウム沈殿、ゲル電気泳動、透析、クロマトグラフィー、および限外濾過などの従来の免疫グロブリン精製手法により、モノクローナル抗体を、培養培地または体液から単離することができる。望ましくない活性がもし存在する場合、たとえば、固相に結合した免疫原から作製された吸着剤の上に調製物を流すこと、および免疫原から望ましい抗体を溶出または放出することにより、除去することができる。たとえば、二官能性物質または誘導体化剤、たとえばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介した結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介した)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、またはRおよびR1が異なるアルキル基であるR1N=C=NRを使用して、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシン阻害剤といった、免疫化される種に免疫原性であるタンパク質をコンジュゲートさせた標的抗原または標的アミノ酸配列を含むフラグメントを用いた宿主動物の免疫により、抗体(たとえばモノクローナル抗体)集団を生成することができる。
必要に応じて、対象の(たとえばハイブリドーマにより産生される)抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)をシークエンシングしてもよく、次にポリヌクレオチド配列を、発現または増殖のために、ベクターにクローニングしてもよい。対象の抗体をコードする配列は、宿主細胞においてベクター中で維持してもよく、次に宿主細胞を増殖させて、将来の使用のために凍結することができる。あるいは、抗体を「ヒト化」するため、または抗体の親和性(親和性の成熟化)もしくは他の特徴を改善するために、ポリヌクレオチド配列を遺伝的操作に使用してもよい。たとえば、抗体を臨床試験およびヒトの治療に使用する場合、免疫応答を回避するため、定常領域を、ヒトの定常領域により類似するように操作してもよい。標的抗原に対するより高い親和性を得るためおよびPKal活性の阻害の効能をより高めるために、抗体配列を遺伝的に操作することが望ましい場合があり得る。1つまたは複数のポリヌクレオチドの変化を抗体に対して行うことができ、それでもなお標的抗原に対するその結合特異性を維持することができることは、当業者に明らかである。
他の実施形態では、完全にヒトの抗体は、特異的なヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するよう操作されている市販のマウスを使用することにより、得ることができる。より望ましい(たとえば完全にヒトの抗体)またはより強力な免疫応答を産生するよう設計されているトランスジェニック動物もまた、ヒト化抗体またはヒト抗体の作製に使用することができる。このような技術の例として、Amgen, Inc.(カリフォルニア州フリーモント)製のXenomouseRTMならびにMedarex, Inc.(ニュージャージー州プリンストン)製のHuMAb−MouseRTMおよびTC MouseRTMがある。別の代替物では、抗体は、ファージディスプレイまたは酵母の技術により組み換えを使用して作製され得る。たとえば、米国特許第5,565,332号;第5,580,717号;第5,733,743号;および第6,265,150号;ならびにWinter et al., (1994) Annu. Rev. Immunol. 12:433−455, andを参照されたい。あるいは、ファージディスプレイ技術(McCafferty et al., (1990) Nature 348:552−553)を使用して、非免疫ドナー由来の免疫グロブリン可変(V)ドメインの遺伝子レパートリーから、in vitroでヒト抗体または抗体フラグメントを生成することができる。
無傷の抗体(完全長の抗体)の抗原結合フラグメントは、定例的な方法を介して調製することができる。たとえばF(ab’)2フラグメントは、抗体分子のペプシン消化により生成することができ、Fabフラグメントは、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することにより作製することができる。
ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fab、および二重特異性抗体などの遺伝子操作された抗体は、たとえば従来の組み換え技術を介して作製することができる。一例では、標的抗原に特異的なモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手法を使用することにより(たとえばモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)、容易に単離し、シークエンシングすることができる。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。単離した後、DNAを1つまたは複数の発現ベクターに入れてもよく、次にベクターを、そうでなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない、大腸菌細胞、サルのCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトして、組み換え宿主細胞においてモノクローナル抗体を合成させる。たとえば、国際特許公開公報第87/04462号を参照されたい。次にたとえば、相同なマウスの配列の代わりに、ヒトの重鎖および軽鎖の定常ドメインのコード配列を置換することにより(Morrison et al., (1984) Proc. Nat. Acad. Sci. 81:6851,)、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列のすべてもしくは一部を免疫グロブリンのコード配列に共有結合させることにより、DNAを改変することができる。このようにして、標的抗原の結合特異性を有する「キメラ」抗体または「ハイブリッド」抗体などの遺伝子操作された抗体を調製することができる。
また、Fabを生成する技術も、当該分野で知られている(たとえば本明細書中参照として援用されている国際特許公開公報第1993006217号および同2005038031号を参照)。様々な宿主‐発現ベクター系を利用して、Fabを組み換えにより発現させることができる。このような宿主‐発現ベクター系は、適切なヌクレオチドコード配列で形質転換またはトランスフェクトされると本明細書中に記載されるFabを発現し得る細胞を表す。これらの例として、限定するものではないが、本明細書中に記載されるFab抗体をコードするコード配列を含む、組み換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌などの微生物(たとえば大腸菌および枯草菌);本明細書中に記載されるFab抗体をコードする配列を含む組み換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母(たとえばサッカロミケス ピキア(Saccharomyces pichia));本明細書中に記載されるFab抗体をコードする配列を含む組み換えウイルス発現ベクター(たとえばバキュロウイルス(baclovirus))を感染させた昆虫細胞系;は本明細書中に記載されるFab抗体をコードする配列を含む、組み換えウイルス発現ベクター(たとえばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV))を用いて感染させた、また組み換えプラスミド発現ベクター(たとえばTiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;または本明細書中に記載されるFab抗体をコードする組み換え発現構築物を有する哺乳類細胞系(たとえばCOS細胞、CHO細胞、BHK細胞、293細胞、293T細胞、3T3細胞、リンパ系細胞(lymphotic cell))が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書中に記載されるFabは、大腸菌において組み換え技術を用いて発現させる。一旦Fabが組み換え技術で発現された後に、ポリペプチドまたは抗体の精製に関して当該分野で知られたいずれかの方法により、たとえばクロマトグラフィー(たとえばイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、またはサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心、溶解度の差異、またはポリペプチドもしくは抗体の精製に関する他の標準的な技術により、Fabを精製してもよい。
「キメラ抗体」の生成のために開発された技術もまた、当該分野でよく知られている。たとえばMorrison et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81, 6851; Neuberger et al. (1984) Nature 312, 604; and Takeda et al. (1984) Nature 314:452を参照されたい。
ヒト化抗体を構築する方法もまた、当該分野でよく知られている。たとえば、Queen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:10029−10033 (1989)を参照されたい。一例では、親の非ヒト抗体のVHおよびVLの可変領域に、当該分野で知られた方法に従って3次元分子モデリング解析を行う。次に、正確なCDR構造の形成に重要であると予測されたフレームワークアミノ酸残基を、同じ分子モデリング解析を使用して同定する。並行して、親の非ヒト抗体の配列と相同であるアミノ酸配列を有するヒトのVHおよびVL鎖を、検索クエリとして親のVHおよびVL配列を使用して、いずれかの抗体遺伝子データベースから同定する。次に、ヒトのVHおよびVLアクセプター遺伝子を選択する。
選択したヒトのアクセプター遺伝子の中のCDR領域を、親の非ヒト抗体またはその機能的変異体由来のCDR領域と置換することができる。必要に応じて、CDR領域との相互作用に重要であると予測される親鎖のフレームワーク領域内の残基(上記を参照)を使用して、ヒトのアクセプター遺伝子における対応する残基と置換することができる。
一本鎖抗体は、重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を連結させることにより、組み換え技術を介して調製することができる。好ましくは、可動性リンカーを、2つの可変領域の間に組み込む。あるいは、一本鎖抗体を生成するために記載される技術(米国特許第4,946,778号および第4,704,692号)を、ファージまたは酵母のscFvライブラリーを生成するよう適合させることができ、PKalに特異的なscFvクローンを、定例的な手法に従ってライブラリーから同定することができる。陽性のクローンを、PKal活性を阻害するクローンを同定するためにさらなるスクリーニングに供することができる。
当該分野で知られており、本明細書中に記載された方法に従って得た抗体は、当該分野でよく知られた方法を使用して特徴付けすることができる。たとえば1つの方法として、抗原が結合するエピトープを同定すること、または「エピトープマッピング」がある。抗体‐抗原複合体の結晶構造を解析すること、競合アッセイ、遺伝子フラグメント発現アッセイ、および合成ペプチドベースアッセイを含む、タンパク質上のエピトープの位置をマッピングおよび特徴付けするための当該分野で既知の方法が多く存在しており、たとえばChapter 11 of Harlow and Lane, Using Antibodies, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1999に記載されている。さらなる例として、エピトープマッピングを使用して、抗体が結合する配列を決定することができる。エピトープは、直線状のエピトープ、すなわち、一続きのアミノ酸に含まれるエピトープであり得るか、または一続きの配列(一次構造の直線状の配列)に必ずしも含まれるとは限らないアミノ酸の3次元相互作用により形成される立体構造的なエピトープであり得る。様々な長さのペプチド(たとえば、少なくとも長さがアミノ酸4〜6個)を、単離または合成(たとえば組み換え技術を用いて)することができ、抗体との結合アッセイに使用することができる。別の例では、抗体が結合するエピトープは、標的抗原の配列に由来する重複するペプチドを使用し、抗体による結合を決定することにより、系統的なスクリーニングにおいて決定できる。遺伝子フラグメント発現アッセイに従って、標的抗原をコードするオープンリーディングフレームを、無作為に、または特異的な遺伝的構成により断片化し、発現された抗原フラグメントと試験される抗体との反応性を決定する。遺伝子フラグメントは、たとえば、PCRにより生成され、次に放射活性アミノ酸の存在下、in vitroで転写してタンパク質に翻訳してもよい。次に、放射活性標識した抗原フラグメントに対する抗体の結合を、免疫沈降およびゲル電気泳動により決定する。また、特定のエピトープは、ファージ粒子の表面上に提示されるランダムペプチド配列の大きなライブラリー(ファージライブラリー)を使用することにより同定することもできる。あるいは、重複するペプチドフラグメントの定義されたライブラリーを、単純な結合アッセイにおいて試験抗体との結合に関して試験することができる。さらなる例として、抗原結合ドメインの変異導入法、ドメイン交換実験、およびアラニン系統的変異導入法を行って、エピトープの結合性にとって要求される、十分な、および/または必要な残基を同定することができる。たとえば、ドメイン交換実験は、PKalポリペプチドの様々なフラグメントが、近縁であるが抗原性が異なるタンパク質(ニューロトロフィンタンパク質ファミリーの別のメンバーなど)に由来する配列と置換(交換)されている標的抗原の変異体を使用して、行うことができる。変異体PKal(たとえば以下の実施例2に記載される変異体)に対する抗体の結合を評価することにより、抗体の結合に対する特定の抗原フラグメントの重要性を評価することができる。
あるいは、ある抗体が、他の抗体と同じエピトープに結合するかどうかを決定するために、同じ抗原に結合することがわかっている他の抗体を使用して、競合アッセイを行うことができる。競合アッセイは、当業者に良く知られている。
当該分野で知られているいずれかの適切な方法、たとえば本明細書中に記載されるエピトープマッピング方法を、抗PKal抗体が、本明細書中に記載されるPKalにおける1つまたは複数の特異的残基/セグメントに結合するかどうかを決定するために適用することができる。さらに、PKal中のそれらの定義された残基の1つまたは複数と抗体の相互作用は、定例的な技術により決定することができる。たとえば、結晶構造を、実施例1に開示される方法に従って決定することができ、これにより、PKal中の残基と抗体中の1つまたは複数の残基との間の距離を決定することができる。このような距離に基づき、PKal中の特定の残基が、抗体中の1つまたは複数の残基と相互作用するかどうかを決定することができる。さらに、競合アッセイおよび標的変異原性アッセイなどの適切な方法を適用して、変異体PKalなどの別の標的と比較して、PKalに対する候補抗PKal抗体の優先的結合を決定することができる。
医薬組成物
上述の抗PKal抗体のうちの1つまたは複数を、DMEの緩和に使用するための医薬組成物を形成するため、緩衝剤を含む薬学的に許容可能な担体(賦形剤)と混合することができる。「許容可能な」は、担体が組成物の活性成分に適合することができ(および好ましくは活性成分を安定化させることができ)なければならず、処置される対象に有害であってはならないことを意味する。薬学的に許容可能な賦形剤(担体)は、緩衝剤を含み、当該分野でよく知られている。たとえばRemington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. (2000) Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hoover.を参照されたい。一例では、本明細書中に記載される医薬組成物は、活性PKalの異なるエピトープ/残基を認識する1つより多くの抗PKal抗体を含む。
本方法で使用される医薬組成物は、凍結乾燥した製剤または水溶液の剤形で、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または安定剤を含むことができる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. (2000) Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hoover)。許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、使用される用量および濃度で、レシピエントに対して非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンなどの抗酸化剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール;メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10個未満の残基)のポリペプチド:血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストランを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩を形成する対イオン;金属錯体(たとえばZn‐タンパク質錯体);ならびに/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコールなどの非イオン性界面活性剤を含み得る。薬学的に許容可能な賦形剤を、本明細書中でさらに記載する。
一部の例では、本明細書中に記載される医薬組成物は、抗PKal抗体を含むリポソームを含み、これは、Epstein, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688 (1985); Hwang, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030 (1980);ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号に記載される方法などの当該分野で知られた方法により調製することができる。循環時間が改良されたリポソームが、米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有益なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法により、作製することができる。リポソームを、規定の孔サイズのフィルターを介して押し出すことにより、所望の直径のリポソームが得られる。
また、抗PKal抗体は、たとえばコアセルベーション技術または界面重合によりそれぞれ調製したマイクロカプセル、たとえばヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンのマイクロカプセル、およびポリ(メタクリル酸メチル)のマイクロカプセルに、コロイド状の薬剤送達システム(たとえばリポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、およびナノカプセル)、またはマクロエマルションに、封入することができる。このような技術は当該分野で知られており、たとえばRemington, The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. Mack Publishing (2000)を参照されたい。
他の例では、本明細書中に記載される医薬組成物を、徐放の形態で製剤化することができる。徐放調製物の適切な例として、本抗体を含む固体の疎水性ポリマーの半透過性のマトリックスが挙げられ、このマトリックスは、成形品、たとえばフィルムまたはマイクロカプセルの形状である。徐放マトリックスの例として、ポリエステル、ハイドロゲル(たとえばポリ(2‐ヒドロキシエチル‐メタクリラート)、またはポリ(ビニルアルコール(v nylalcohol))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸と7 エチル‐L‐グルタメートのコポリマー、非分解性のエチレン‐ビニルアセテート、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性の乳酸‐グリコール酸のコポリマー(乳酸‐グリコール酸のコポリマーおよび酢酸リュープロリドから構成される注射可能のマイクロスフィア)、しょ糖酢酸イソ酪酸エステル、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
In vivoでの投与に使用される医薬組成物は、無菌性でなければならない。これは、たとえば滅菌濾過膜を介したろ過により、容易に達成される。治療用抗体組成物は、一般的に、たとえば、皮下注射針により穿刺可能なストッパーを有する静脈内投与溶液のバッグまたはバイアルといった滅菌性のアクセスポートを有するコンテナに入れられている。
本明細書中に記載される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、もしくは直腸投与、または吸入もしくは吹送法による投与のための錠剤、丸剤、カプセル、散剤、顆粒剤、液剤、または懸濁剤、または坐剤などの単位投与剤形であり得る。錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分を、薬学的担体、たとえばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガムなどの従来の錠剤化成分、および他の薬学的な希釈剤、たとえば水と混合して、本発明の化合物またはその非毒性の薬学的に許容可能な塩の均質な混合物を含む固体の予備製剤組成物を形成することができる。これら予備製剤の組成物を均質と呼ぶ場合、組成物が錠剤、丸剤、およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分され得るように、活性成分が組成物全体に均一に分散していることを意味する。次に、固体の予備製剤組成物を、本発明の活性成分を0.1〜約500mg含む上述のタイプの単位剤形に細分化する。新規組成物の錠剤または丸剤は、長期間作用する利点を有する剤形を提供するために、コーティングすることができ、またはそうでなければ調合することができる。たとえば錠剤または丸剤は、内部投与成分と外部投与成分を含むことができ、後者は、前者を覆う外皮の形態である。胃での分解に抵抗するよう作用し、かつ内部成分を無傷のまま十二指腸へと通過させるか、または放出を遅らせる腸溶層により、この2つの成分を分離することができる。様々な材料をこのような腸溶層またはコーティングに使用することができ、このような材料として、多くのポリマー酸、ならびにセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料とポリマー酸との混合物が挙げられる。
適切な表面活性剤として、特に、ポリオキシエチレンソルビタン(たとえばTween(商標)20、40、60、80、または85)、および他のソルビタン(たとえばSpan(商標)20、40、60、80、または85)などの非イオン性の薬剤が挙げられる。表面活性剤を含む組成物は、0.05〜5%の表面活性剤を含むことが都合よく、界面活性剤は0.1〜2.5%のあいだであり得る。必要に応じて、他の成分、たとえばマンニトールまたは他の薬学的に許容可能なビヒクルを添加してもよいと認識される。
適切な乳剤を、Intralipid(商標)、Liposyn(商標)、Infonutrol(商標)、Lipofundin(商標)およびLipiphysan(商標)などの市販の脂肪乳剤を使用して調製してもよい。活性成分を、あらかじめ混合した乳剤組成物に溶解してもよく、またはあるいは油(たとえばダイズ油、ベニバナ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、またはアーモンド油)、およびリン脂質(たとえば卵のリン脂質、ダイズのリン脂質、またはダイズのレシチン)と混合して形成された乳剤、および水に溶解してもよい。乳剤の浸透圧を調節するために、他の成分、たとえばグリセロールまたはグルコースを添加してもよいと認識される。適切な乳剤は、典型的に最大20%、たとえば5〜20%の油を含む。脂肪乳剤は、0.1〜1.0im、特に0.1〜0.5imの脂肪の液滴を含み、5.5〜8.0の範囲のpHを有する。
乳剤は、Intralipid(商標)またはその成分(ダイズ油、卵のリン脂質、グリセロール、および水)と抗PKal抗体を混合することにより調製された組成物であり得る。
吸入または吹送法用の医薬組成物として、薬学的に許容可能な水性溶媒もしくは有機溶媒の液剤および懸濁剤、またはそれらの混合物、および散剤が挙げられる。液体または固体の組成物は、上述の適切な薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。一部の実施形態では、組成物は、局所作用または全身性の作用のために、経口経路または経鼻呼吸経路により投与される。
好ましくは滅菌性の薬学的に許容可能な溶媒中の組成物を、気体を使用して噴霧してもよい。噴霧した溶液をネブライザーデバイスから直接吸い込んでもよく、またはネブライザーデバイスを、フェイスマスク、テント、または間欠的陽圧呼吸機器に取り付けてもよい。液剤、懸濁剤、または散剤の組成物は、好ましくは、適切な方法で製剤を送達するデバイスから経口的または経鼻的に投与され得る。
網膜疾患の治療に使用するためのキット
また、本開示は、DME、AMD、RVO、ぶどう膜炎、眼内炎、またはPCVなどの網膜疾患の治療に使用するためのキットをも提供する。このようなキットは、たとえば本明細書中に記載されるいずれか、たとえばDX−2930といった抗PKal抗体を含む1つまたは複数の容器を含むことができる。
一部の実施形態では、キットは、本明細書中に記載される方法のいずれかに従って使用するための説明書を含み得る。含まれる説明書は、網膜疾患を治療、発病を遅延、または緩和するための抗PKal抗体の投与の説明を含み得る。キットは、個体が網膜疾患を有するか、または有するリスクがあるかどうかの同定に基づき治療に適した個体を選択する説明をさらに含み得る。さらなる他の実施形態では、説明書は、標的疾患のリスクがある個体に抗体を投与する説明を含む。
抗PKal抗体の使用に関連する説明書は、一般的に、意図する治療のための用量、投与スケジュール、および投与経路に関する情報を含む。容器は、単位剤形、バルク包装(たとえば複数の用量パッケージ)またはサブユニットの用量であってもよい。本発明のキットに供給される説明書は、典型的にラベルまたはパッケージインサート(たとえばキットに含まれる紙シート)に書かれた説明書であるが、機械可読の説明書(たとえば磁性記憶ディスクまたは光学記憶ディスク上で伝達される説明書)もまた許容可能である。
本開示のキットは、適切に包装されている。適切な包装として、限定するものではないが、バイアル、ビン、ジャー、可撓性包装(たとえば封入されたマイラーまたはプラスチックのバッグ)などが挙げられる。また、シリンジなどの特定の機器またはミニポンプなどの点滴の機器と共に使用するための包装も企図される。キットは、滅菌性のアクセスポートを有してもよい(たとえば容器は、皮下注射針により貫通可能なストッパーを有する静脈内投与溶液のバッグまたはバイアルであってもよい)。本組成物中の少なくとも1つの活性成分は、本明細書中に記載される抗PKal抗体である。
一般的な技術
本発明の実務は、特段他の記載がない限り、分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来技術を用いており、これらは従来技術の範囲内にある。このような技術は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook, et al., 1989) Cold Spring Harbor Press; Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P. E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J. B. Griffiths, and D. G. Newell, eds., 1993−8) J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller and M. P. Calos, eds., 1987); Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel, et al., eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis, et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999); Immunobiology (C. A. Janeway and P. Travers, 1997); Antibodies (P. Finch, 1997); Antibodies: a practical approach (D. Catty., ed., IRL Press, 1988−1989); Monoclonal antibodies: a practical approach (P. Shepherd and C. Dean, eds., Oxford University Press, 2000); Using antibodies: a laboratory manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); The Antibodies (M. Zanetti and J. D. Capra, eds., Harwood Academic Publishers, 1995)などの文献に十分に説明されている。
さらに苦心することなく、当業者は、上記の記載に基づき、本発明を最も完全な程度で利用することができると考えられる。よって、以下の特定の実施形態は、単なる例示であり、本開示の残りをいかなるようにも限定しないと解釈すべきである。本明細書中に記載されるすべての刊行物は、本明細書中で参照される目的または主題のために、参照として本明細書中に援用されている。
実施例
実施例1:レーザー誘発脈絡膜血管新生(レーザCNV)疾患モデルにおけるDX−2944の効果
DX―2944は、大腸菌発現系から発現させて精製したDX−2930の組み換えFab型である。レーザーCNVモデルは、加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈閉塞症、および黄斑浮腫などのヒトの網膜疾患に関連する合併症に関する確立されたげっ歯類モデルである。この試験のために使用した実験計画を、以下に概説する。
実験計画
1日目:眼あたり3つの病変を作製するために両側のレーザー処置
3日目:試験薬剤、ビヒクル、または陽性対照(抗VEGF Ab)の両側の硝子体内注射
22日目:in vivoでのフルオレセイン眼底血管造影
図1A〜1Bおよび図2A〜2Bにおける結果は、DX−2944が、観察されたCNVを、陽性対照(抗VEGF抗体)とほぼ同程度に低減させることを示す。抗VEGF処置群のフルオレセイン眼底血管造影シグナルの平均値は7023蛍光単位であったが、これは、DX−2944処置群で観察された7071蛍光単位と類似する。
実施例2:DX−2930−PKal複合体の結晶構造に基づくヒトの血漿カリクレインの触媒ドメインにおける重要な残基の同定
His−タグと融合した、ヒト血漿カリクレインの触媒ドメインを、昆虫細胞で発現させ、まずニッケル親和性カラムにより精製した。トリプシン消化を介して、His−タグを血漿カリクレインから除去し、遊離した血漿カリクレインを、ベンズアミジン親和性カラム、次にSECカラムにより精製した、精製した生成物をPAGEゲル上で試験した。この結果は、ヒトの血漿カリクレインの触媒ドメインが適切に発現されて精製されたことを示した。
DX−2930を、定例の組み換え技術を介して調製し、精製した。DX−2930の組み換えFabフラグメントを、定例の方法を介して生成し、精製した。
抗体‐PKal複合体を形成できる適切な条件下で、DX−2930のFabフラグメントおよびヒトの血漿カリクレインの触媒ドメインを様々な濃度で混合した。これにより、形成される複合体を、複合体における抗体‐PKalの比率を決定するため、HPLCを使用して試験した。これに応じて、1:1の複合体を形成するために適した抗体およびPKalの両方の濃度を同定した。
抗体‐PKal複合体を、結晶化を可能にする様々な条件で保存した。結晶化した複合体に関して回折解析を行った。回折統計値に基づき、結晶構造(2.1Åおよび2.4Å)を決定した。
結晶構造により、DX−2930との相互作用に関与するヒトPKalの触媒ドメインの残基を同定した。これらの残基を、図4に示し(太字および下線)、これは、ヒトのPKalの触媒ドメインのアミノ酸配列(ヒトのPKalの391〜638番目の残基)を提供する。
さらに、結晶構造に基づき、重鎖可変領域におけるE1、V2、F27、T28、F29、S30、H31、R100、I101、G102、V103、P104、R105、R106、D107、G107、K108、およびD111、ならびに軽鎖可変領域におけるS31、W32、Y49、K50、T53、L54、E55、S56、G57、およびV58を含む、PKalと相互作用するDX−2930の残基をも同定した。
これらの残基は、DX−2930のHC CDR3が、PKalと相互作用する主な領域であり、HC CDR1およびFR1における数個の残基もまた、PKalとの相互作用に寄与することを示す。軽鎖では、LC CDR2領域が、相互作用に寄与することが見出された。
さらに、この結果は、HC CDR3領域における特定の位置での変異が許容され得ることをも示す。たとえば、103番目の位置は、VまたはIなどの小さな疎水性残基を必要とする。別の例として、R106を、Wと置換してもよく、E108をSまたはDと置換してもよく、それでもPKalの結合活性に実質的に影響を与えない。同様に、D110を、Eと置換してもよい。
実施例3:親和性成熟化の結果は、結晶構造に由来する構造情報と一致する。
抗体M0162−A04の重鎖可変領域、特にHC CDR3領域を、親和性成熟に供した。HC CDR3領域における1つまたは複数の位置でアミノ酸変異を有する様々な変異体を作製し、その i,app を、定例的な方法に従って決定した。
簡潔に述べると、様々な濃度のPKalおよびFabを共に、30℃で1時間インキュベートする。次に、基質ペプチド(PKalにより切断可能)を、このPKal−Fab混合物に添加する。次に、基質ペプチドの切断/タンパク質分解の比率を測定し、Fabの濃度に対してプロットする。次にこのプロットをMorrison式に適合させ、 i,app 値を計算する。これにより得られた結果を、図5A〜5Dおよび以下の表3に示す。
Figure 2017512790
親和性成熟の結果は、HC CDR3領域内の特定の位置の変異が、親のM0162−A04クローンと比較して、高い親和性/阻害性の抗PKal抗体をもたらすことを示す。これらの結果は、上記の実施例2に提供される構造情報と一致する。クローンM0199−A08のHC CDR3領域は、DX−2930のHC CDR3領域と同一であることに留意されたい。
実施例4 抗体の阻害活性に及ぼす血漿カリクレインの変異の影響
様々なPKal変異体に対する変異体X115−F02の阻害活性を調べた。
X115−F02は、DX−2930に存在しないC末端のリジン残基を含み、CHO細胞ではなくてHEK293Tで発現されることを除き、DX−2930と同じであるIgGである(上記表2)。X115−F02の結合特異性および親和性は、DX−2930と同じである。
この試験で使用される血漿カリクレインの野生型および4つの変異体(図7A〜7B)は、ピキア・パストリス(pichia pastoris)から発現され、精製された組み換え触媒ドメインである。変異体1は、活性部位のS3サブサイトにおいて以下の変異:S478A、N481A、S506A、Y507A(完全長のアミノ酸配列に基づく数)を含む。変異体2は、活性部位のS1’サブサイトにおいて以下の変異:R551A、Q553A、Y555A、T558A、R560Aを含む。変異体4は、活性部位から遠位である以下の変異:N396A、S398A、W399Aを含む。変異体3は不活性であることがわかり、よって活性アッセイにおいて試験しなかった。変異体3は、活性部位のS1’サブサイトにおいて以下の変異:D572A、K575A、D577Aを含む。
野生型PKalおよび変異体に対するX115―F02の阻害活性を、上記の実施例3に記載される方法を使用して行い、 i,app 値を決定した。図6に示されるように、変異体1および4における変異は、血漿カリクレインのX115−F02の阻害の効力に有意に影響を与えなかった。驚くべきことに、変異体2における変異は、効力をおよそ65倍低減させた。これらの結果は、残基R551A、Q553A、Y555A、T558A、R560Aおよびその隣接残基が、X115−F02(DX−2930)の阻害活性に重要であり得ることを示す。
実施例5:レーザー誘発脈絡膜血管新生(レーザーCNV)疾患モデルにおけるDX−2944の効果‐試験3
本明細書中に記載されるDX−2944を、大腸菌発現系から発現させて精製した。この試験で使用したレーザーCNVモデルは、加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈閉塞症、および黄斑浮腫などのヒトの網膜疾患に関連する合併症の、確立されたげっ歯類モデルである。行われた実験計画を以下に概説する。
実験計画:ラットにおけるレーザー誘発脈絡膜血管新生(CNV)
1日目:眼あたり3つの病変を生成するために両側のレーザー処置
3日目:試験薬剤、ビヒクル、および陽性対照の両側の硝子体内注射
10日目:試験薬剤、ビヒクル、および陽性対照の両側の硝子体内注射
15日目:in vivoでのフルオレセイン眼底血管造影
22日目:in vivoでのフルオレセイン眼底血管造影
図8で示される結果は、DX―2944が、試験の15日目に観察されたCNVを、陽性対照(抗VEGF抗体)とほぼ同程度に低減したことを示す。抗VEGF処置群での、フルオレセイン眼底血管造影シグナルの平均値は、4627蛍光単位であり、これはDX−2944処置群で観察される4917蛍光単位と類似した。図9に示される結果は、DX−2944が、試験の22日目に、観察されたCNVを陽性対照とほぼ同程度に低減させたことを示す。抗VEGF処置群のフルオレセイン眼底血管造影シグナルの平均値は4551蛍光単位であり、これはDX−2944処置群で観察される5011蛍光単位と類似した。
これらの結果は、DX−2944が動物モデルにおいてCNVを低減するために有効であることを示しており、この抗体が加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈閉塞症、および黄斑浮腫などのヒトの網膜疾患の治療に有効であることを示している。
他の実施形態
本明細書に開示される特徴のすべては、何等かの組み合わせで組み合わせてもよい。本明細書に開示される各特徴は、同じ、均等、または類似の目的を果たす代替的な特徴と置換してもよい。よって、特段他の記載が明確に記載されていない限り、開示される特徴は、それぞれ、一般的な一連の均等なまたは類似の特徴の単なる一例である。
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な用途および条件に適合させるために本発明の様々な変更および修正を行うことができる。よって、他の実施形態も特許請求の範囲内にある。
均等物
いくつかの発明の実施形態が本明細書中に記載され、例示されているが、当業者は、本明細書中に記載される機能を実施するための、および/もしくは本明細書中に記載される結果および/または利点の1つまたは複数を得るための、様々な他の手段および/または構造を容易に想定するものであり、このような変更および/または修正は、それぞれ、本明細書に記載される本発明の実施形態の範囲内にあるとされる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載されるすべてのパラメータ、次元、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、次元、材料および/または構成が、本発明の技術が使用される特定の用途に依存することを容易に理解するものである。当業者は、単なる定例的な実験を使用して、本明細書中に記載される特定の発明の実施形態の多くの均等物を認識し、または確認することができる。よって、上記の実施形態が、単なる例として提示されており、添付される特許請求の範囲およびその均等物の中で、発明の実施形態を、具体的に記載され、主張されるものとは異なるように実施してもよいと理解される。本開示の発明の実施形態は、本明細書中に記載されるそれぞれ個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を目的としている。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合に、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせが、本開示の発明の範囲内に含まれる。
本明細書中で定義され使用されるすべての定義は、辞書での定義、参照として援用されている文書での定義、および/または定義される文言の通常の意味を支配すると理解すべきである。
本明細書および特許請求の範囲において、本明細書中使用される不定形「a」および「an」は、特段他の記載が明確に記載されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解すべきである。
本明細書および特許請求の範囲において、本明細書中使用される文言「および/または」は、組み合わせた要素の「いずれかまたは両方」、すなわち組み合わせて存在する場合もあれば、別々に存在する場合もある要素を意味すると理解される。「および/または」と共に列挙される複数の要素は、同じように、すなわち、組み合わせられる要素の「1つまたは複数」であると解釈すべきである。これらの具体的に同定された要素に関連するか関連しないかに関わらず、「および/または」の節により具体的に同定された要素以外の他の要素が任意に存在してもよい。よって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という言及は、「含む」などの制限のない言語と共に使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(任意にA以外の要素を含む)を指し、さらなる別の実施形態では、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)を指す。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、「または」は、上記で定義される「および/または」と同じ意味を有すると理解すべきである。たとえば、ある列挙で項目を分ける場合、「または」または「および/または」は、包括的、すなわち多くの要素または要素の列挙のうちの少なくとも1つを含むが、同様に1つより多くを含み、任意で、列挙されていない追加的な項目をも含むと解釈されるべきである。用語が「〜のうちの1つのみ」、または「〜のうち正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される「〜からなる」などの反対の意味を明確に表す用語のみが、多くの要素または要素の列挙のうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般的に、本明細書中で使用される用語「または」は、「いずれか」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つのみ」、または「〜のうちの正確に1つ」などの排他的な文言が先行する場合に限って、排他的な代替物を示すと解釈される(すなわち「1つまたはその他であるが、両方ではない」)。
特許請求の範囲で使用する場合「〜から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有する。
本明細書および特許請求の範囲において、1つまたは複数の要素の列挙に関して「少なくとも1つ」の文言は、要素の列挙における要素の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素の列挙において具体的に列挙されるそれぞれのおよびあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むものではなく、この要素の列挙における要素のいかなる組み合わせも除外するものではないと理解すべきである。また、この定義は、具体的に同定されたこれら要素に関連するか関連しないかに関わらず、「少なくとも1つ」の文言が表す要素の列挙において具体的に同定された要素以外の要素が存在し得ることを許容する。よって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、または任意に1つより多くのAを含むがBは存在しない(および任意にB以外の要素を含む)ことを指し、別の実施形態では、少なくとも1つ、任意に1つより多くのBを含むがAは存在しない(および任意にA以外の要素を含む)ことを指し、さらなる別の実施形態では、少なくとも1つ、任意に1つより多くのAと、少なくとも1つの、任意に1つより多くのBとを含む(および任意に他の要素を含む)ことを指す。
また、他の記載が明確に記載されない限り、1つより多くのステップまたは作用を含む本明細書中に請求される任意の方法において、方法のステップまたは作用の順序は、方法のステップまたは作用が列挙される順序に必ずしも限定されないと理解すべきである。
特許請求の範囲、および上記の明細書では、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「involving(含む)」、「保持する(holding)」、「〜から構成される」などのすべての移行句は、制限がないと理解され、すなわち、含むがそれらに限定されないことを意味する。「〜からなる」または「〜から本質的になる」の移行句のみが、それぞれ、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されるように、閉鎖的または半閉鎖的な移行句である。

Claims (22)

  1. 対象の網膜疾患治療における使用のための医薬組成物であって、前記対象において活性血漿カリクレイン(PKal)に特異的に結合する抗体を有効量含む医薬組成物。
  2. 前記網膜疾患が、糖尿病黄斑浮腫(DME)、加齢黄斑変性(AMD)、網膜静脈閉塞症(RVO)、ぶどう膜炎、眼内炎、またはポリープ状脈絡膜血管症(PCV)からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記網膜疾患が、糖尿病黄斑浮腫である、請求項1に記載の医薬組成物
  4. 前記抗体が、ヒトのプレカリクレインに結合しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物
  5. 前記抗体が、ヒトのPKalの触媒ドメインに特異的に結合する、請求項4に記載の医薬組成物
  6. 前記抗体が、ヒトの活性PKalの1つまたは複数のアミノ酸残基と相互作用し、かつ、ヒトのPKalの活性を少なくとも50%阻害し、前記アミノ酸残基が、V410、L412、T413、A414、Q415、R416、L418、C419、H434、C435、F436、D437、G438、L439、W445、Y475、K476、V477、S478、E479、G480、D483、F524、E527、K528、Y552、D554、Y555、A564、D572、A573、C574、K575、G576、S578、T596、S597、W598、G599、E600、G601、C602、A603、R604、Q607、P608、G609、V610、およびY611からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物
  7. 前記抗体が、ヒトの活性PKalのエピトープに結合し、
    前記エピトープが、
    (i)V410−C419、
    (ii)H434−L439、
    (iii)Y475−G480、
    (iv)F524−K528、
    (v)Y552−Y555、
    (vi)D572−S578、
    (vii)T596−R604、および
    (viii)Q607−Y611
    からなる群から選択されるセグメントを含む、
    請求項6に記載の医薬組成物
  8. 前記抗体が、活性PKalの活性を少なくとも80%阻害する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物
  9. 前記抗体が、約1nM未満の見かけ上のKi(Ki,app)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物
  10. 前記抗体が、10−6M未満の活性PKalに関する結合親和性(K)を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物
  11. 前記抗体が、R551、Q553、Y555、T558、およびR560の位置で1つまたは複数の変異を含む活性PKalの変異体と比較して、優先的に活性PKalに結合する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物
  12. 前記抗体が、相補性決定領域1(HC CDR1)、相補性決定領域2(HC CDR2)、および相補性決定領域3(HC CDR3)を含む重鎖可変領域を含み、前記HC CDR3が、モチーフX99100101102103104105106107108109110111を含み、ここで、
    99がRまたはQであり、
    101がT、I、R、S、またはPであり、
    103がV、I、またはLであり、
    106がRまたはWであり、
    107がDまたはNであり、
    108がA、S、D、E、またはVであり、
    109がFまたはLであり、
    110がD、E、またはNであり、および
    111が、I、N、M、またはSである、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物
  13. 99がQであり、かつX101がI、R、S、またはPである、および/または
    106 がWであり、かつX 111 がN、M、またはSである、
    請求項12に記載の医薬組成物
  14. 101がIであり、X108がEであり、かつX103がIまたはLである、および/または
    103 がIまたはLであり、かつX 110 がD、E、またはNである、
    請求項12または13に記載の医薬組成物
  15. 前記重鎖可変領域が、HC CDR1にH31を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物
  16. 前記抗体が、相補性決定領域1(LC CDR1)、相補性決定領域2(LC CDR2)、および相補性決定領域3(LC CDR3)を含む軽鎖可変領域をさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物
  17. 前記LC CDR2が、K50、L54、E55、S56、またはその組み合わせを含む
    前記軽鎖可変領域が、フレームワーク領域3(FR3)にG 57 をさらに含む;および/または
    前記軽鎖可変が、フレームワーク領域2(FR2)にN 45 を含む、
    請求項16に記載の医薬組成物
  18. 前記抗体が、DX−2930またはM202−H03の重鎖(HC)CDR1、HC CDR2およびHC CDR3ならびに軽鎖(LC)CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物
  19. 前記抗体が、DX−2930またはM202−H03のHC可変ドメインおよびLC可変ドメインを含む、請求項18に記載の医薬組成物
  20. 前記抗体が、完全長の抗体またはその抗原結合フラグメントである、および/または
    前記抗体がヒト抗体またはヒト化抗体である、
    請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物
  21. 前記抗体がFabである、請求項20に記載の医薬組成物
  22. 子体内注射用に製剤化されている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物
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