1又は複数の実施形態は、同封された複数の図を参照して説明される。特定の複数の構成及び配置は、詳細に描かれ、説明されている一方で、これは例示の目的のみのためになされることが理解されるべきである。当業者であれば、本説明の趣旨及び範囲から逸脱することなしに、他の複数の構成及び配置が可能であることを認識するであろう。本明細書において詳細に説明される複数の技術及び/又は配置は、本明細書において詳細に説明されるもの以外の様々な他のシステム及び用途において用いられてよいことが当業者には明らかであろう。
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成し、複数の例示的な実施形態を示す添付の複数の図面へ参照がされる。更に、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を逸脱することなく、他の複数の実施形態が利用されてよく、構造的及び/又は論理的変更がなされてよいことが理解されるべきである。複数の方向及び参照、例えば、上昇、低下、上部、下部等は、図面において複数の特徴の記載を単に容易にするために使用され得ることもまた留意されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的意味で理解されるべきでなく、特許請求の範囲に説明された主題の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ定義される。
以下の説明において、多数の詳細が説明される。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細がなくとも実施され得ることは当業者に明らかであろう。幾つかの例において、よく知られた複数の方法及びデバイスが、本発明を不明瞭にすることを回避すべく、詳細にではなく、むしろブロック図の形式において示される。本明細書全体における「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、本発明の少なくとも一実施形態に、当該実施形態が含まれることに関連して説明される、特定の特徴、構造、機能又は特性を意味する。従って、本明細書全体の様々な場所の「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」という文言の表現は、本発明の同一の実施形態を必ずしも指す必要はない。更に、特定の特徴、構造、機能及び特性は、1又は複数の実施形態において任意の適した態様で組み合わされてよい。例えば、第1の実施形態は、2つの実施形態に関連する複数の特定の特徴、構造、機能、又は特性が、相互に排他的でないいずれの箇所においても、第2の実施形態と組み合わされてよい。
本発明の説明及び添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形「1の」、「1つの」及び「その」は、文脈において明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。本明細書において使用されるとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された部材の1又は複数のもののありとあらゆる可能な組み合わせを指し、包含することもまた理解されるであろう。
「結合され」及び「接続され」という用語は、これらの派生語と共に、本明細書において、複数の要素間の機能的又は構造的関係を説明すべく使用されてよい。これらの用語は、互いに類義語として意図されないことを理解されるべきである。むしろ、複数の特定の実施形態において、「接続」は、2つ又はそれより多くの要素が、互いに直接的に物理的、光学的又は電気的に接触していることを示すように使用されてよい。「結合され」という用語は、2つ又はそれより多くの要素が、互いに(それらの間の他の介在する要素によって)直接的か若しくは間接的かのいずれかで物理的又は電気的に接触していること、及び/又は2つ若しくはそれより多くの要素が(例えば、因果関係においてのように)互いに協働又は相互作用することを示すように使用されてよい。
本明細書に使用されるように用語「わたって」「下に」「間に」及び「上に」は、そのような物理的関係に注目すべきである、他の複数の要素又は材料に対する1つの要素又は材料の相対的な位置を指す。例えば、複数の材料の文脈において、1つの材料若しくは別のものにわたって、又はそれらの下に配置された材料は、直接的に接してよく、又は1若しくは複数の介在する材料を有してよい。更に、2つの材料若しくは複数の材料の間に配置される1つの材料は、2つの層と直接的に接触してよく、又は1若しくは複数の介在する層を有してよい。対照的に、第1の材料、又は第2の材料若しくは材料「上の」材料は、第2の材料/材料と直接的に接触する。類似の区別が、コンポーネントアセンブリの文脈でなされるべきである。
本説明及び特許請求の範囲全体において使用されるように、「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1又は複数のもの」という用語により列挙される複数の部材は、列挙された用語の任意の組み合わせを意味することが出来る。例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という文言は、A、B、C、並びにA及びB、A及びC、B及びC、又はA、B及びCを意味する。
急峻なサブスレッショルド勾配を有するIII−Nトランジスタ及び関連付けられたエピタキシャル半導体ヘテロ構造が、本明細書に説明される。本明細書の複数の実施形態は、III−N材料により可能となる大きな圧電及び自発分極場を利用することで、ネガティブキャパシタンス効果を介してトランジスタチャネルの静電制御を向上し、60mV/decadeより小さなSSを有するFETを実現する。複数の実施形態において、III−N HFETはバランスが取られ、対向するIII−N分極材料を有するゲートスタックを用いる。対向するIII−N分極材料の全体の有効分極は、外場、例えば適用されるゲート電極の電圧に関連付けられる外場により変調される。複数の実施形態において、所望のトランジスタ閾値電圧(Vt)を実現すべく、ゲートスタック内のIII−N材料間の分極強度差は、組成及び/又は膜厚により調節される。互いにバランスが取られ、対向するゲートスタック内の分極強度によって、前進及び反転するゲート電圧スイープの両方は、電荷キャリアが分極層及びIII−Nチャネル半導体に及びそこから転送される際に、ドレイン電流において急峻なSS応答を生成し得る。
図1Aは、HFET101の断面図である。この例示的な実施形態において、HFET101は、より具体的にはMOSデバイスであり、GaNのような、アンドープチャネル半導体において実現可能な高電子移動度を更に参照して、MOS−HEMTとして分類されてよい。HFET101におけるIII−N材料は、基板102にわたって配置され、これは、実質的に予め定められた結晶方位を有する単結晶であってよい。基板102は、限定されないが、GaN、SiC、サファイア、及びシリコンを含む様々な材料であってよい。シリコンは、従来型のシリコンCMOSを有するHFET101のモノリシック集積のために有利であり、そのような実施形態に対し、基板の結晶方向は、(100)、(111)、(110)のいずれかであってよい。他の結晶方向もまた可能であり、(例えば4−11°の)ミスカットの範囲が、基板102と上にある半導体バッファ105との間のよりよい格子整合のために利用されてよい。半導体バッファ105は、格子欠陥を閉じ込めるよう設計された幅広い多様な組成及び構造を有してよい。一実施形態において、半導体バッファ105は、非III−N基板102との界面となる第1のIII−N層である。そのような一実施形態において、半導体バッファ105は、1又は複数のGaN材料層を含む。
ソース135、及びドレイン145は、接触金属135A、145Aを含み、これらは、限定されないが、Ti/Au合金のようなオーミック金属であってよい。それぞれ不純物ドープソース半導体領域112、113は、金属135A、145Aに電気的に結合される。不純物ドープ半導体領域112、113は、例えば、低い抵抗についてのInxGa1−xN及びInNのような低いバンドギャップグループのIII−N材料であってよく、又は単にN型の(例えばSiドープ)GaNであってよい。
HFET101は、ソース135とドレイン145との間に配置されるゲートスタック150を含む。ゲートスタック150は、仕事関数金属を伴うゲート電極を含み、当該金属は、有利に、限定されないが、TiNのようなミッドギャップ金属、又は、限定されないが、Ni/Au合金のようなわずかにP型のものである。ゲート電極120は、電界効果を介してチャネル半導体107に静電的に結合する。本明細書の複数の実施形態はショットキーゲートアーキテクチャを利用し得る一方で、HFET101は、ゲートスタック150がゲート誘電体115を含む例示的なMOSアーキテクチャを示す。そのような複数のMOS実施形態は、有利にショットキーアーキテクチャより低いゲートリークを提供する。図1Aに描かれるように、ゲート誘電体115はまた、ソース及びドレイン135、145からゲート電極120を分離してよい。ゲート誘電体115は、有利に、7又はより大きいバルク誘電率を有する材料である。1つの有利な実施形態において、ゲート誘電体115は、Al2O3である。限定されないが、III−ONのグループのような他の誘電体材料、及び、Gd2O3、HfO2、Ta2O5、ZrO2のような他のhigh−kの誘電体、HfOSiO、TaSiyOx、AlSiOのようなhigh−kの金属ケイ酸塩、及びHfON、AlON、ZrSiON、HfSiONのような他のhigh−kの酸窒化物もまた、ゲート誘電体115として適し得る。
ゲートスタック150は、III−Nチャネル半導体107に近接した複数のIII−N分極材料106、109を更に含む。描かれる例示的な実施形態において、分極材料106、109は、III−Nスペーサ108によりチャネル半導体105から離間され、これはキャリア界面散乱等を低減すべく、2DEG波動関数をチャネル半導体107内に閉じ込めるのに役立つ。スペーサ108は、高極性であってよく、分極材料106、109のいずれの膜厚より著しく薄い。一実施形態において、例えば、スペーサ108は、2nm未満の厚さ、及び有利には約1nmの厚さを有するAlNである。
チャネル半導体107は、ゲートスタック150の下部及び半導体バッファ105の上部に配置される。チャネル半導体107は、半導体バッファ105に対しエピタキシャルであり、従って、2つの材料の結晶方位は位置合わせされている。ゲートスタック150内の全ての半導体膜が実質的に単一の結晶性であるよう、III−N分極材料106、109は、同様にチャネル半導体107に対しエピタキシャルである。特定の環境下で、2次元電子ガス(2DEG)111が形成されるよう、チャネル半導体107は、III−N分極材料106、109から区別できる圧電及び自発分極強度を有する任意のIII−N材料であってよい。ソース及びドレイン135、145は、2DEG111を介して電気的に結合される。例示的な実施形態において、チャネル半導体107は、GaNを有する。そのような一実施形態において、チャネル半導体107は、バイナリ合金GaNであって、1100cm2/V*s又はより大きなキャリア移動度を有するべく、実質的にドープされていない。
チャネル半導体107及び分極材料106、109は、ゲート誘電体115を介して全てゲート電極120に結合される。チャネル半導体107及び分極材料106、109の相対的な分極強度に依存して、2DEG111は、外部適用場が存在しない場合に存在してよく(例えば、デプレッションモード)、又は2DEG111は、外部適用場が加えられた場合にのみ存在してよい(例えば、エンハンスメントモード)。2DEG111がゲートスタック150内に形成する点は、Vtに対応する。複数の実施形態において、ゲートスタック150内のIII−N分極材料106及び109は、外場が存在しない場合に、バランスが取られ対向する分極を有する。対向する分極のバランスが取られている場合、複数の材料106、109の全体の有効分極は、外場の適用を介して2つの対向する分極の間で変調されることが出来、Vtは0Vを目標とされてよい。更なる複数の実施形態において、ゲートスタック150より上の(例えば、ソース/ドレイン領域135、145内の)III−N分極材料106及び109の対向する分極は、バランスが取られない。特定のそのような実施形態において、ソース/ドレイン領域135、145内のバランスが取られていない分極は、2DEGが広いトランジスタ動作範囲にわたってこれらの領域で維持されることを確実にする。
図1Aに示される例示的な実施形態において、III−N分極材料106及び109は、チャネル半導体107の同一の側にあり、より具体的には、スペーサ108との界面となる隣接する横方向領域又はアイランド部を占める。図1Aにおける複数の矢印は、III−N分極材料106、109の対向する分極場極性を示す。図1Bは、ゲートスタック150内の2つの隣接するIII−N分極材料106、109の拡大図である。ゲートスタック150の外側で、分極材料109が優勢である一方で、ゲートスタック150内に、対向する極性を有する分極双極子電荷の場所が存在する。ドナー型及びアクセプタ型の状態は、それぞれQD、QAとして示される。外部の電場が適用されない(例えば、Vg=0V)場合の図1Bに図示される状態に対して、複数の分極材料の1つ(例えば、分極材料106)は、チャネル半導体107のGa極性界面から負電荷を除去する分極場極性を有する。分極材料の他のもの(例えば、分極材料109)は、チャネル半導体107のGa極性界面に負電荷を置く分極場極性を有する。参考までに、GaNウルツ鉱結晶構造は、図1Cに描かれる。GaN及び本明細書に説明される他の複数のIII族窒化物は、これらのウルツ鉱型結晶形が反転対称性を欠き、より具体的には、{0001}平面が等価でないことにおいて顕著である。{0001}平面の1つは、通常Ga面(+cの極性)として呼称され、他のものは、N面(−cの極性)として呼称される。図1Aに示されるように、平面型III族−Nデバイスについて多くの場合、{0001}面の1つ又は他のものは、基板表面により近接し、それゆえ、Ga(又は他のIII族元素)の3つの結合が基板(例えば、基板102)に対して向く場合、Ga極性(+c)と称されてよく、Ga(又は他のIII族元素)の3つの結合が基板から離れて向く場合、N極性(−c)として参照されてよい。
遷移動作中の負のゲートバイアス電圧に応答して、電子は、2DEG111へと集合し始め、理論によっては束縛されないが、複数の発明者は、現在、追加の電子がゲート電位によりはね返されるように、充填されたアクセプタ状態(Q'A)から2DEG111へ転送されるべきことを理解している。これらの追加の電子は表面電荷ポテンシャル(φ)を向上させること、及び、60mVより小さく変化するゲート電極のバイアス電圧に応答して20℃でドレインでの電流の大きさの1桁分の変化を引き起こすことを担うものと考えられる。dVG/dφは、1.0以下に減少される場合、ネガティブキャパシタンスが観測される。ネガティブキャパシタンスは、20℃で測定されるゲートキャパシタンス(CG)及び1MHzの摂動が分極材料106、109を欠く制御HFETについて破線でプロットされる、図1Dにおいて更に図示される。この制御の処理(i)では、ゲート誘電体115が直接的にスペーサ108上に配置され、直列容量が半導体チャネル107(C107)、スペーサ108(C108)及びゲート誘電体115(C115)を含む。CGはまた、分極層106、109の有効キャパシタンス(C106,109)を更に含む直列容量を有するHFET101に対しての処理(ii)として、実線でプロットされる。フラットバンドにわたる電圧に対して、CGは分極層106、109の存在により減少される。しかしながら、小さなVGに対して、CGは、実際には、ゲートスタック150へと追加する分極層の膜厚に関わらず、分極層106、109を含むHFET101より高い。
特定の有利な実施形態において、III−N分極材料106、109は単結晶(即ち、それらを分離する結晶粒界によって領域を分離しない)であるが、別個の合金組成を有する。例えば、分極材料106は、チャネル半導体107のGa極性界面から負電荷を除去する分極場極性を有するInリッチであってよく、その一方で分極材料109は、外場の存在しない場合、チャネル半導体107のGa極性界面に負電荷を与える分極場極性を有するAlリッチである。図1A及び図1Bに示される実施形態において、この組成変調は、10nmより小さい、有利には2nmと5nmとの間の横方向の距離(xの寸法)にわたって生じ得る。
一実施形態において、ゲートスタック150内の分極層106、109のz方向の厚さは、3nmより小さい。横方向の組成変調を介して対向する分極材料を形成する1つの技術は、800℃と1000℃との間で実行される金属有機物化学蒸着(MOCVD)処理による。そのような一実施形態において、前駆体ガスは、900℃以下の安定状態成長温度におけるAl0.83In0.17Nの組成をターゲットとすべく導入される。横方向に均一である場合、このターゲットとなる膜は、外場が存在しない場合、チャネル半導体107のGa極性界面に負電荷を置くべく、均一に向き付けられた分極を有する。しかしながら、横方向の組成変調は、より高い成長温度(例えば、800℃と1000℃との間)において、特にAlNスペーサ108上で成長される場合に、及び、より具体的には少なくとも900℃の温度で成長され、AlNスペーサ108においてその場で成長される場合に生じることが発見されている。AlNリッチな材料109に横方向に隣接するInNリッチな材料106を有するAlInN膜は、より低い温度(例えば700℃)を有するAlNスペーサ108の成長条件とAl0.83In0.17N成長条件との間の少なくとも遷移期間中に形成されてよい。AlInNの成長は、この遷移期間の完了の後に終端されることが出来るか、又は安定化された成長条件が所望の横方向の組成変調を維持出来る場合には、4nm以上、有利には7nmと20nmとの間のz方向の厚さに到達すべく無期限に継続され得るかのいずれかであってよい。
成長条件が、横方向の組成変調を無期限に維持し得ない複数の実施形態において、(例えば、ソース/ドレイン135、145において示されるように)実質的に単一の分極場極性を有する成長被覆膜は、リセスエッチングされ、又はある閾値の厚さに戻るように研磨されてよい。この下には、(例えば3nmより小さい)対向する極性の2つの分極材料が存在する。図1A、1Bにおいて図示される横方向に変調された分極場極性を有する分極材料106、109はまた、横方向のエピタキシャルオーバーグロース技術の使用を介してより厚い膜(例えば、7nm−20nm)において実現されてよい。例えば、20nmのz方向の寸法の側壁を有するIII−N材料の側壁上での横方向の成長は、例えば、5−10nmの成長サイクルを使用して予め定められたInNリッチな組成と予め定められたAlNリッチな組成との間で変化する成長条件によって実行されてよい。
複数の実施形態において、III−N HFETは、対向し、バランスが取られた分極場極性を有する複数の分極材料層を備える。そのような実施形態に対して、図1A及び図1Bに示される横方向の組成変調よりむしろ、組成変調は、成長基板に直交する成長軸に沿う。複数の分極材料層を有する複数の実施形態は、少なくとも2つの分極膜を含み、分極膜の各々は固定された優勢極性を有し、従って、任意の所望の厚さ(即ち、限定されないが、遷移成長環境に対応する厚さ)であってよい。分極材料層の組成及び膜厚は、これらの分極強度がバランスが取られ、これらの場の極性が、外部の電場が存在しない場合に互いに対向するよう、調節されてよい。トランジスタゲートスタック内の全体の有効分極は、次に外部の電場による変調の対象となる。複数の分極層を有する複数の実施形態は、HFETエピタキシアーキテクチャにおいて追加的な自由度を有利に提供し、これらの自由度の1つは、チャネル半導体に対する各分極層の相対的な位置である。分極層の組成及び分極層のz方向の厚さは、そのようなHFETエピタキシャル構造に対するもう2つの追加的な自由度であり、これらの自由度は、ゲート電圧スイープ方向に関わらず、急峻なSS勾配を可能とするターゲット電圧へVtを調節すべく利用されてよい。
図2Aは、実施形態に係る、バランスが取られ、対向するIII−N分極材料層を含むゲートスタック250を有するHFET201の断面図であり、ここで、第1及び第2のIII−N分極材料106、109は、両方、チャネル半導体107のGa極性界面にわたって配置される層である。図3Aは、実施形態に係る、バランスが取られ、対向するIII−N分極材料層を含むゲートスタック350を有するHFET301の断面図であり、ここで、分極材料109は、チャネル半導体107のGa極性界面にわたって配置される層であり、チャネル半導体107は、III−N分極材料106の層のGa極性界面にわたって配置される。
まず図2Aを参照すると、HFET201は、HFET101に対して説明されたように、実質的にゲート電極120、ゲート誘電体115、ソース及びドレイン135、145、基板102、並びにバッファ層105を含む。チャネル半導体107及びスペーサ108はまた、HFET101の文脈において、上記の特性のいずれかを有し得る。例示的な一実施形態において、チャネル半導体107は、10nmまたはより多くの厚さを有するアンドープGaN層であり、スペーサ108は2nm未満の厚さのAlNである。III−N分極材料106、109は、チャネル半導体107にわたって配置される。図示されるように、分極材料106は、チャネル半導体107のGa面から電荷を除去する第1の極性を有し、一方で分極材料109は反対の極性を有する。例示的な実施形態において、III−N分極材料106は、ゲートスタック250内で少なくとも4nm、有利には7nmと20nmとの間の層の厚さT1を有する。ゲートスタック250内で、III−N分極材料109は同様に、少なくとも4nm、有利には7nmと20nmとの間の層の厚さT2を有する。これらのより大きな厚さは、組成変調を有し得る任意の遷移領域が過剰となり、各分極材料層において1つの高い優勢分極場極性が存在することを確実にする。更なる実施形態において、T2は、ゲートスタック250内でT1の10%以内である。
分極材料109は、分極材料106とチャネル半導体107との間に配置される。より具体的には、分極材料106は、チャネル半導体107のGa面との界面となる下部分極層であり、分極材料109は、分極材料106のGa面との界面となる上部分極層を形成する。分極材料106、109の代替的な積層が可能である一方で、図示される順序付けは、ゲートスタック250内でIII−N分極材料106が予め定められた厚さT1を有し、分極材料109が分極材料106の分極場強度の最も良いバランスを取る予め定められた厚さT2を有することを可能とする。分極材料109は、ゲートスタック250を超えてより大きな厚さT2を更に有してよく、この厚さは、ソース/ドレイン領域135/145において2DEG内の高い電荷キャリア密度を確実にする。T2における変化は、例えばゲートリセス処理を介して実現されてよく、リセス処理は、III−N分極材料106の対向する分極場極性のバランスを取るために必要とされるように、ゲートスタック205内の分極材料109を薄くし得る。更なる実施形態において、膜厚T2は、ソース/ドレイン領域135/145内にあるより少なくとも数ナノメートル、ゲートスタック250内でより小さい。
図3Aを次に参照すると、HFET101及びHFET201について説明されるように、HFET301は、ゲート電極120、ゲート誘電体115、ソース及びドレイン135、145、基板102及びバッファ層105を実質的に含む。チャネル半導体107及びスペーサ108はまた、HFET101及びHFET201の文脈において、上述した特性のいずれかを有してよい。例示的な一実施形態において、チャネル半導体107は、少なくとも7nmの厚さ及び有利には10nm、又はより多くの厚さを有するアンドープGaN層である。例示的な実施形態において、スペーサ108は2nmより小さいAlNである。チャネル半導体107は、分極材料106と分極材料109との間に配置される。より具体的には、チャネル半導体107は、III−N分極材料106のGa極性界面とヘテロ接合を形成し、分極材料109は、チャネル半導体107のGa面との界面をなす上部分極層を形成する。GaNチャネル半導体107が更に、分極材料106の格子間隔から分極層109の格子間隔への遷移として働き得るという意味で、HFET301のエピタキシャルアーキテクチャは、HFET201のものを超えて利点を有する。各分極層は、次にGaNに対する格子不整合の対象となり得、GaNは、分極層の格子定数の間の中間である格子定数を有し得る。
HFET301において、分極材料106は、チャネル半導体107のGa面から負電荷を除去する第1の極性を再び有する。分極材料109は、反対の極性を有し、チャネル半導体107のGa面に負電荷を置く。HFET201に対して説明されるように、分極材料の膜厚T1及びT2は、ゲートスタック350内の対向する場の間の分極強度のバランスを取るべく選択され、従って分極材料組成の関数となる。複数の実施形態において、分極材料層の厚さT1及びT2の両方は少なくとも4nmであり、有利には、7nmと20nmとの間であり、組成変調を有してよい任意の遷移領域が過剰とされ、各分極膜における1つの高い優勢分極場極性が存在することを確実にする。更なる実施形態において、ゲートスタック350内で、T2は、T1の10%以内である。図3Aに図示される例示的な実施形態において、ゲート電極120は、リセスされず、分極材料109は、ゲートスタック350内、及びソース/ドレイン135/145内の両方で固定された厚さのT2を有する層を形成する。代替的な実施形態において、しかしながら、ゲート電極120は、ゲートスタック350内で分極場のバランスを取るために(例えば、図2Aにおいて示されるように)リセスされてよいが、一方で、2DEG111がソース/ドレイン135/145へ拡張することをなお確実にする。
対向する分極場が、ゲートスタック内でよくバランスが取られた強度(即ち、実質的に等しい強度)を有する場合、全体の有効分極は、例えば、ゲート電極上のバイアス電圧の適用から結果として生じる外場の適用を介して2つの対向する分極の間で変調されることが出来る。バランスが取られた対向する分極場に対して、急峻なサブスレッショルドスイングは、ゲート電圧の正及び負のスイープの両方において実現されることが出来る。図2Bは、そのような実施形態に係るHFET201のサブスレッショルド特性のグラフである。図3Bは、別のそのような実施形態に係るHFET301のサブスレッショルド特性のグラフである。dVG/dφの減少は、III−N分極材料106、109内で充填された状態とチャネル半導体107との間の電子の転送に対応し、小さなヒステリシスは、200mV以下であるゲート電極バイアス電圧のスイープする方向の関数として変化するVtによって予期され得ることに留意されたい。バランスが取られた分極強度のために適切に選択された分極材料106、109の厚さと組成によって、III−N分極材料106、109は、0Vに向かって60mVより小さく増加(図2B及び図3Bにおける実線)するゲートバイアス電圧に応答して、20℃でドレイン電流の大きさの1桁分の増加を引き起こす。材料106、109はまた、0Vに向かって60mVより小さく減少(図2B及び図3Bにおける破線)するゲートバイアス電圧に応答して、20℃でドレイン電流の大きさの1桁分の減少を引き起こす。言い換えると、0ボルトを中央とするVtを有して、サブスレッショルド勾配は、HFET201及びHFET301の両方に対するoff−to−onスイッチング及びon−to−offスイッチングの両方における熱的限度を超える。対向する極性の分極強度は、バランスが取られないので、低下したサブスレッショルド勾配(例えば、>60mV/dec)は、少なくとも1つの電圧スイープ方向で観察されてよい。
HFET201及びHFET301の両方に対してVtは0ボルトを中央とする一方で、HFET201とHFET301との間のエピタキシャルアーキテクチャにおける差は、異なるIDVQ特性をもたらす。HFET201において、負極性の外部ゲート電位の増大が適用される場合、チャネル内の負電荷は、層106及び109の界面からチャネル半導体107への電荷移動により増大し、チャネル電位が、適用されるゲート電位の増加のみに起因して可能であり得たより多く加増することを引き起こす。これは、電圧のステップアップ効果、即ちネガティブキャパシタンス効果、及びスイープアップ上で60mV/decadeより小さいサブスレッショルドスイングをもたらす。正極性の外部ゲート電位を減少させることが適用される場合に、反対のことが生じる。HFET301において、負極性の外部ゲート電位の減少が適用される場合、チャネル内の負電荷は、チャネルから界面層106への電荷移動により減少し、チャネル電位が、適用されるゲート電位の減少のみに起因して可能であり得たより多く低減することを引き起こす。これは、スイープダウン上の60mV/decadeより小さいサブスレッショルドスイングをもたらす。反対のことが、正極性の外部ゲート電位の増大が適用されるときに生じる。
複数の実施形態において、III−N分極層106は、InGaN又はAlInN合金であり、III−N分極層109はAlInNか又はAlGaNのいずれかの合金である。各材料の組成は、分極強度のバランスを取り、対向する極性を実現するために制限される。図4は、HFET101、又はHFET201、又はHFET301の複数の実施形態に係る、エピタキシャル構造において組み合わされ得る、III−N分極層の組成を強調するIII−N組成の関数としての束縛界面ポテンシャルのグラフである。図4において、分極層106として適した正のGa面/GaN界面密度を有する合金割合の3つの例示的な範囲は、306A、306B及び306Cとして強調される。分極層109として適した負のGa面/GaN界面密度を有する合金割合の2つの例示的な範囲は、同様に309A及び309Bとして強調される。図4において図示される組成の範囲は、複数の実施形態に係る、表1に列挙される3つの例示的なHFETエピタキシャル構造A、B、及びCを形成するために組み合わされてよい。
図4及び表1に示されるように、分極層106は、xが0.6から0.4の間のAlxIn1−xNであってよく(306A)、又はxが0.2から0.5の間であるInxGa1−xNであってよく(306B)、その一方で、分極層109は、xが0.8と1との間であるAlxIn1−xNである(309A)。これらの実施形態のいずれかにおいて、分極層109は、GaNと有利に格子整合するためにAl0.83In0.17Nであってよい。これらの実施形態の第1のものにおいて、AlxIn1−xN分極層106におけるAlのより小さい割合は、AlxIn1−xN分極層109におけるAlのより大きな割合とバランスが取られ得る。これらの実施形態の第2のものにおいて、InxGa1−xN分極層106におけるInのより大きな割合は、AlxIn1−xN分極層109におけるAlのより大きな割合とバランスが取られ得る。いずれかの実施形態において、負及び正の束縛界面密度がより整合された分極層の厚さの間のよりよい整合が可能である。
図4に図示され、表1に列挙される第3の実施形態において、分極層106は、xが0.03から0.2の間であるInxGa1−xNであってよく(306C)、その一方で分極層109は、適切な対向する分極場を提供すべく、xが0.1と0.4との間のAlxGa1−xN(309B)である。この実施形態において、Inのより大きな割合は、Alのより大きな割合とバランスを取る。
表1におけるもののような分極材料の組成を含むエピタキシャルアーキテクチャは、外場が存在しないチャネル半導体107のGa面上に十分な負電荷を置くようIII−N分極材料109の組成を選択することにより設計され得る。その一方で、特定の分極強度を実現するために必要とされる分極材料の厚さT2を可能とすべく、下にある又は上にあるIII−N材料との適切な格子整合もまた有する。次にIII−N分極材料106の組成は、(外場が存在しない場合に)分極層材料109によりチャネルに置かれた電荷とバランスを取るべく、チャネル半導体107のGa面から十分な負電荷を離すために選択され得る。III−N分極材料109の組成は、更にバランスが取られたIII−N分極材料106がまた、バランスが取られた分極場を提供するために必要とされるIII−N分極材料の厚さT1を可能とすべく、下にある又は上にあるIII−N材料に対して適切な格子整合を有することを確実にすべく選択されてよい。繰返し可能な固定された分極場極性(例えば7nm)のために必要な最小の厚さにわたって更に制限されたT1及びT2によって、図4のような束縛界面密度のグラフは、最小の厚さT1を有する場合、少なくとも最小の厚さT2をまた有する分極材料109の分極場のバランスを取ることが出来る、分極材料106の組成を選択するのに利用されてよい。分極材料106又は109は、十分に格子整合される場合、厚さT1及び/又は厚さT2は、より大きくともよい。0Vに最寄りの値をターゲットとするVtを実現すべく必要とされるように、いずれかの分極層は他方より大きな厚さを有する。
特に、HFET101、201又は301のいずれかは、システムオンアチップを有する電子デバイス構造において実装されてよい。例えば、構造は、シリコン相補的金属酸化物半導体(CMOS)回路部102、III−N材料ベースのデバイス部103、基板上に実装される他のデバイス部を含んでよい。III−N材料ベースのデバイス(例えば、トランジスタ100又はトランジスタ200)は、基板上に、基板上方で、あるいは基板内に形成されるIII−N材料領域上で形成されてよい。例えば、基板は、本明細書に説明されるようにシリコンであってよい。III−N材料領域は、例えばデバイス要求に基づいて、CMOS回路部に隣接して形成されてよい。
複数の横方向及び/又は平面型チャネルを有する複数の構造に対して図示されるが、本明細書に説明される複数の技術は、鉛直方向に向き付けられた複数のMOSFETデバイス、又は複数のマルチゲートMOSFETデバイスに拡張されてよい。そのような非平面型トランジスタの実施形態において、ゲート誘電体及びゲート電極は、複数の寸法のIII−Nチャネル半導体及び複数の分極材料の周囲を包み込んでよい。そのような実施例は、複数のIII−N分極層、特にHFET301に対し結合するより強いゲート電極の利点を得てよく、ここで、III−N分極層はチャネル半導体の反対側にある。非平面型デバイスは、更に、本明細書に説明されるIII−N分極層の一方又は両方を形成をすべく、横方向のオーバーグロースエピタキシの使用から恩恵を得てよい。
図5は、複数の実施形態に係る、急峻なサブスレッショルド勾配を実現するよう構成されたバランスが取られ、対向する複数のIII−N分極材料層を含むゲートスタックを有するHFETを形成するための方法501を示すフロー図である。しかしながら、本明細書の複数の実施形態は、追加的な動作を含んでよく、特定の動作が省略されてよく、又は複数の動作は提供された順序を外れて実行されてよい。
方法501は、限定されないが、分子ビームエピタキシ(MBE)又はMOCVDのような任意の公知のエピタキシャル成長技術を使用して、基板102のような基板上の、バッファ105のようなIII−Nバッファの成長から始める。III−Nバッファの成長後に、方法501は、動作520において、バッファ上でIII−Nチャネル半導体をエピタキシャル成長させる段階を更に伴うか、又は、動作525において、バッファ上でIII−N分極層をエピタキシャル成長させる段階を更に伴うかのいずれかである。第1の実施形態において、動作520は、少なくとも7nmの厚さのGaNチャネル半導体を成長させることを伴い、AlNスペーサはGaNチャネル半導体上で2nm未満の厚さまでエピタキシャル成長される。第2の実施形態において、動作525は第1の圧電及び自発分極場極性を有する少なくとも4nmの厚さのIII−N分極層を成長することを伴う。例示的な一実施形態において、動作525は、正の束縛Ga面/GaN界面密度を有するInリッチなIII−N合金を成長することを伴う。
方法501は、動作520から動作530へ継続し、ここで第1の圧電及び自発分極場極性を有する少なくとも4nmのIII−N分極層が、III−Nスペーサ上で成長される。例示的な一実施形態において、動作530は、正の束縛Ga面/GaN界面密度を有するIII−N合金を成長させることを伴う。代替的な実施形態において、方法510は動作525から動作535へ継続し、少なくとも7nmの厚さのGaNチャネル半導体は、第1のIII−N分極層上でエピタキシャル成長され、AlNスペーサは、GaNチャネル半導体上で2nm未満の厚さまでエピタキシャル成長される。
方法501は、動作530から動作540へ継続し、ここで、第2のIII−N分極層は、III−Nスペーサ上で少なくとも4nmの厚さにエピタキシャル成長される。例示的な一実施形態において、動作540は、負の束縛Ga面/GaN界面密度を有するIII−N合金をエピタキシャル成長させることを伴う。代替的な実施形態において、方法501は、動作535から動作545へ継続し、ここで、III−N分極層は、III−Nスペーサ上で少なくとも4nmの厚さに成長される。例示的な一実施形態において、動作545は、負の束縛Ga面/GaN界面密度を有するIII−N合金をエピタキシャル成長させることを伴う。
動作540又は動作545に続いて、図2A又は図3Aで描かれるような複数の分極層及びチャネル半導体を含むエピタキシャル構造は、従来技術を使用してソース/ドレイン半導体層をエピタキシャル成長させることにより完成され得る。動作550で、ゲートリセスエッチングは、上部III−N分極層を露出させ、ゲート誘電体及びゲート電極仕事関数金属をリセスに堆積させるように実行されてよい。あるいは、持ち上げられたソース/ドレイン半導体は、上部III−N分極層上にゲート誘電体及びゲート電極仕事関数金属を堆積させる後に続けて成長されてよい。方法501は、次に、動作560において完了し、ここで、相互接続メタライゼーションは、HFETゲート電極、ソース及びドレイン上に堆積される。
図6は、モバイルコンピューティングプラットフォーム1005及び/又はデータサーバマシーン1006が、本発明の複数の実施形態に係る、バランスが取られ、対向するIII−N分極材料を用いる少なくとも1つのIII−N HFETを含むICを用いるシステム1000を示す。サーバマシン1006は、例えば、ラック内に配置された、及び電子データ処理のために共にネットワーク接続された任意の数の高性能コンピューティングプラットフォームを含む任意の商用サーバであってよく、これらの高性能コンピューティングプラットフォームは、例示的な実施形態において、パッケージドモノリシックIC1050を含む。モバイルコンピューティングプラットフォーム1005は、電子データディスプレイ、電子データ処理、無線電子データ送信、又は同様のものの各々のために構成された任意の携帯デバイスであってよい。例えば、モバイルコンピューティングプラットフォーム1005は、タブレット、スマートフォン、ラップトップコンピュータ等のいずれかであってよく、ディスプレイスクリーン(例えば、容量性、誘導性、抵抗性、又は光学的タッチスクリーン)、チップレベル又はパッケージレベルの集積システム1010、及びバッテリ1015を含んでもよい。
拡大図1020内に図示される統合システム1010内に配置されるか、又は、サーバマシン1006内のスタンドアローンパッケージドチップとするかのいずれにせよ、パッケージドモノリシックIC1050は、例えば、本明細書の他の箇所で記載されるようなバランスが取られ、対向するIII−N分極材料を用いる少なくとも1つのIII−N HFETを含むメモリチップ(例えばRAM)、又はプロセッサチップ(例えば、マイクロプロセッサ、マルチコアマイクロプロセッサ、グラフィクプロセッサ、又は同様のもの)を有する。モノリシックIC1050は、(例えば、更に、送信経路上の電力増幅器及び受信経路上の低ノイズ増幅器を含むデジタルベースバンド並びにアナログフロントエンドモジュールを有する)電力管理集積回路(PMIC)1030、広帯域RF(無線)送信機及び/又は受信機(TX/RX)を含むRF(無線)集積回路(RFIC)1025、並びに、それらのコントローラ1035のうちの1又は複数のものと共にボード、基板、又はインターポーザ1060に更に結合されてよい。
機能的に、PMIC1030は、バッテリ電力の調整、DC−to−DC変換等を実行してよく、それゆえ、バッテリ1015に、及び他の機能的モジュールへ電流供給を提供する出力と結合された入力を有する。更に図示されるように、例示的な実施形態において、RFIC1025は、アンテナ(不図示)に結合された出力を有し、当該アンテナは、限定されないが、Wi−Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロングタームエボリューション(LTE)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、それらの派生物、並びに、3G、4G、5G及び以降に指定された任意の他の無線プロトコルを含む、多数の無線規格又は無線プロトコルのいずれかを実装するためのものである。代わりの複数の実施例において、これらのボードレベルモジュールの各々は、モノリシックIC1050のパッケージ基板上に結合された別個のIC上に又はモノリシックIC1050のパッケージ基板に結合された単一のIC内に集積されてよい。
図7は、本開示の少なくとも幾つかの実施例に従って配置されたコンピューティングデバイス1100の機能ブロック図である。コンピューティングデバイス1100は、例えば、プラットフォーム1005又はサーバマシン1006内に見られてよい。デバイス1100は、限定されないが、プロセッサ1104(例えば、アプリケーションプロセッサ)のような多数のコンポーネントをホストするマザーボード1102を更に含む。これは、本発明の複数の実施形態に係る、バランスが取られ、対向するIII−N分極材料を用いる少なくとも1つのIII−N HFETを更に組み込み得る。プロセッサ1104は、物理的及び/又は電気的にマザーボード1102に結合され得る。幾つかの例において、プロセッサ1104は、プロセッサ1104内にパッケージ化された集積回路ダイを含む。 一般的に、「プロセッサ」又は「マイクロプロセッサ」という用語は、複数のレジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データを複数のレジスタ及び/又はメモリに更にストアされ得る他の電子データに変換する、任意のデバイス又はデバイスの一部を指してもよい。
様々な例において、1又は複数の通信チップ1106はまた、マザーボード1102に物理的及び/又は電気的結合され得る。更なる複数の実施例において、通信チップ1106は、プロセッサ1104の一部であり得る。その複数の用途に依存して、コンピューティングデバイス1100は、他の複数のコンポーネントを含んでよく、これらは、物理的及び電気的にマザーボード1102に結合されたものであってもなくてもよい。これらの他の複数のコンポーネントは、限定されないが、揮発性メモリ(例えばDRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、グラフィクプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーン、コントローラ、バッテリ、オーディオコーデック、映像コーデック、電力増幅器、全地球測位システム(GPS)デバイス、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ、及び(ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等のような)大容量格納デバイス又はこれと同様のものを含む。
通信チップ1106は、コンピューティングデバイス1100へのデータ転送及び、コンピューティングデバイス1100からのデータ転送に対して、無線通信を可能とし得る。「無線」という用語及びその複数の派生語は、非固体媒体を通る変調電磁放射を使用することによって、データ通信を行い得る複数の回路、複数のデバイス、複数のシステム、複数の方法、複数の技術、複数の通信チャネル等を説明するのに使用されてよい。その用語は、複数の関連デバイスはいかなる有線をも含まないことを示唆するものではないが、幾つかの実施形態においては含まないかもしれない。通信チップ1106は、限定されないが、本明細書の他の箇所で記載されたものを含む、多数の無線規格又はプロトコルのいずれかを実装してよい。説明されるように、コンピューティングデバイス1100は、複数の通信チップ706を含んでよい。例えば、第1の通信チップは、Wi−Fi及びBluetooth(登録商標)のようなより短い範囲の無線通信に専用であってよく、第2通信チップは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DO及びその他のもののようなより長い範囲の無線通信に専用であってよい。
本明細書で説明される特定の特徴は、様々な実装例を参照して説明される一方で、この説明は限定的意味で解釈されることを意図されていない。従って、本明細書で説明される実施例の、本開示に関する技術分野の当業者にとって明らかな様々な修正形態、並びに他の実施例が、本開示の趣旨及び範囲内にあるものと見なされる。
本発明は、そのように説明される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱しないで、修正形態及び改変形態によって実施されることが出来ることが認識されるであろう。例えば、上述された複数の実施形態は、更に以下に提供されるような特徴の特定の組み合わせを含んでよい。
1又は複数の第1の実施形態において、ヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)は、ゲート電極、ソース及びドレイン、並びに、GaNを含み、ソース及びドレインを、ゲート誘電体材料を介してゲート電極へ結合された2次元電子ガス(2DEG)と電気的に結合するチャネル半導体を備える。HFETは、ゲート誘電体材料を介してゲート電極にもまた結合された、チャネル半導体に近接した複数のIII族窒化物(III−N)分極材料を更に含む。複数のIII−N分極材料は、ゲート電極からの外部適用場が存在しない場合にチャネル半導体のGa極性界面において負電荷を置く第1の極性を伴う第1の分極場を有する第1のIII−N材料を更に有する。複数のIII−N分極材料は、第1の極性とは反対であり、第1の分極場と実質的に等しい大きさである第2の極性を伴う第2の分極場を含む第2のIII−N材料を更に有する。
1又は複数の第1の実施形態を促進するために、第1及び第2のIII−N分極材料は、60mVより小さい変化をするゲート電極のバイアス電圧に応答して、20℃でドレインでの電流の大きさの1桁分の変化を引き起こす。
1又は複数の第1の実施形態を促進するために、第1及び第2のIII−N分極材料はチャネル半導体のGa極性界面にわたって配置され、又は第1のIII−N分極材料は、チャネル半導体のGa極性界面にわたって配置され、チャネル半導体は、第2のIII−N分極材料のGa極性界面にわたって配置される。
1又は複数の第1の実施形態を促進するために、第1及び第2のIII−N分極材料は、チャネル半導体のGa極性界面にわたって配置される。第1及び第2のIII−N分極材料は、60mVから0Vに対してより少ないゲート電極で増加するバイアス電圧に応答して20℃でドレインでの電流における大きさを1桁増加させる。第1及び第2のIII−N分極材料は、60mVから0Vに対してより小さいゲート電極で減少するバイアス電圧における変化に応答して20℃でドレインでの電流における大きさを1桁減少させる。
1又は複数の第1の実施形態を促進するために、チャネル半導体は、第2のIII−N分極材料のGa極性界面とのヘテロ接合を形成する。第1及び第2のIII−N分極材料は、0Vから60mVより小さいゲート電極で増加するバイアス電圧の変化に応答して、20℃でドレインでの電流の大きさを1桁増加させる。第1及び第2のIII−N分極材料は、0Vから60mVより小さいゲート電極で減少するバイアス電圧の変化に応答して、20℃でドレインでの電流の大きさを1桁減少させる。
上記の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料は、AlNスペーサ層のGa極性界面とヘテロ接合を形成し、AlNスペーサ層は、チャネル半導体のGa極性界面とヘテロ接合を形成する。
1又は複数の第1の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料は、xが0.8と1との間であるAlxIn1−xNを備える。第2のIII−N分極材料は、xが0.6から0.4の間であるAlxIn1−xN、又はxが0.2から0.5の間であるInxGa1−xNを有する。あるいは、第1のIII−N分極材料は、xが0.1から0.4の間であるAlxGa1−xNを有し、第2のIII−N分極材料は、xが0.03から0.2であるInxGa1−xNを有する。
上記の実施形態を促進するために、閾値電圧(Vt)は、0Vを通過するゲート電極電圧のスイープの増加と減少との間で、200mV以下のシフトを有するヒステリシスを表示する。
また、上記の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料の膜厚は、第2のIII−N分極材料の膜厚の10%以内である。
また、上記の実施形態を促進するために、第1及び第2のIII−N分極材料それぞれは、少なくとも4nm及び20nm以下の膜厚を有し、チャネル半導体は、少なくとも厚さにおいて10nmである。この実施形態を促進するために、AlN層はチャネル層から第1のIII−N材料層を2nmより小さく離間し、ゲート電極はミッドギャップ又はわずかにP型の金属を有し、ゲート誘電体は、Al2O3、HfO2、TaSiyOx、Ta2O5、ZrO2を有する。
1又は複数の第2の実施形態において、III−Nエピタキシャルスタックは、基板、基板上に配置された半導体バッファ層、バッファにわたって配置された、Ga極性GaN層、及びGaN層に近接した複数のIII族窒化物(III−N)分極材料を有する。複数のIII−N分極材料は、外部適用場が存在しない場合にGaN層のGa極性界面に負電荷を置く、第1の極性を伴う第1の分極場を含む第1のIII−N材料と、第1の極性を反対であり、第1の分極場と実質的に等しい大きさの第2の極性を伴う第2の分極場を含む第2のIII−N材料とを更に有する。
1又は複数の第2の実施形態を促進するため、第1のIII−N分極材料は、AlNスペーサ層のGa極性界面とのヘテロ接合を形成する。AlNスペーサ層は、GaN層のGa極性界面とのヘテロ接合を形成する。GaN層は、第2のIII−N分極材料のGa極性界面とのヘテロ接合を形成する。
1又は複数の第2の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料は、xが0.8と1との間であるAlxIn1−xNを有し、第2のIII−N分極材料はxが0.6から0.4の間であるAlxIn1−xN、又はxが0.2から0.5の間であるInxGa1−xNを有する。あるいは、第1のIII−N分極材料は、xが0.1から0.4の間であるAlxGa1−xNを有し、第2のIII−N分極材料は、xが0.03から0.2の間であるInxGa1−xNを有する。
上記の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料の膜厚は、第2のIII−N分極材料の膜厚の10%以内である。
上記の実施形態を促進するために、第1及び第2のIII−N分極材料それぞれは、少なくとも4nm及び20nm以下の膜厚を有する。GaN層は、10nm以下の厚さを有する。AlN層は、第1のIII−N材料層をチャネル層から2nmより小さく離間する。
1又は複数の第4の実施形態において、ヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)は、ゲート電極、ソース及びドレイン、並びにGaNを含み、ソース及びドレインを7又はより大きなバルク誘電率を有する誘電体層を介してゲート電極へ結合された2次元電子ガス(2DEG)と電気的に結合するチャネル半導体を備える。HFETは、チャネル半導体に近接し、また誘電体を介してゲート電極に結合された複数のIII族窒化物(III−N)分極材料層を更に備える。複数のIII−N分極材料層は、AlN層によりチャネル半導体から離間され、ゲート電極からの外部適用場が存在しない場合にチャネル半導体のGa極性界面において負電荷を置く第1の極性を伴う第1の分極場を有する第1のIII−N材料を更に有する。複数のIII−N分極材料層は、第1のIII−N分極層とチャネル半導体の反対側に配置され、第1の極性と反対で、ゲート電極からの外部適用場が存在しない場合にチャネル層のGa極性界面で負電荷を実質的に除去する第2の極性を伴う第2の分極場を含む第2のIII−N材料を更に有する。
1又は複数の第4の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料層は、AlNスペーサ層のGa極性界面とヘテロ接合を形成する。AlNスペーサ層は、GaN層のGa極性界面とヘテロ接合を形成し、GaN層は、第2のIII−N分極材料層のGa極性界面とのヘテロ接合を形成する。
1又は複数の第4の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料は、xが0.8と1との間であるAlxIn1−xNを有し、第2のIII−N分極材料は、xが0.6から0.4への間であるAlxIn1−xNを有し、又はxが0.2から0.5であるInxGa1−xNを有する。あるいは、第1のIII−N分極材料は、xが0.1から0.4の間であるAlxGa1−xNを有し、第2のIII−N分極材料は、xが0.03から0.2の間であるInxGa1−xNを有する。
上記の実施形態を促進するために、第1のIII−N分極材料の膜厚は、第2のIII−N分極材料の膜厚の10%以内である。
しかしながら、上述された複数の実施形態は、この点に限定されず、様々な実装例において、上述された複数の実施形態は、そのような複数の特徴のサブセットだけを扱うこと、そのような複数の特徴の異なる順序を扱うこと、そのような複数の特徴の異なる組み合わせを扱うこと、及び/又は明示的に列挙されたそれらの特徴に対して追加の複数の特徴を扱うことを含んでよい。 従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲参照し、そのような特許請求の範囲が受けるのと同等の全範囲に沿って、発明の範囲が決定されるべきである。