JP2017508644A - タイヤ・カーカス成形ドラムおよび該タイヤ・カーカス成形ドラムの作動方法 - Google Patents

Abstract

タイヤ・カーカス成形ドラム（１）は、長手方向軸（３）を有し、ドラム（１）の中心平面（４）から離れるように、および中心平面（４）へ向かって、長手方向軸（３）に沿って相対する方向に移動可能な２つのハーフドラム（６）を備え、各ハーフドラム（６）は、サドルを画定するビード・キャリング装置（１６）と、カーカス・プライの環状側方部分（４２）を、それぞれのビード・リングの周りおよび外側で折り返すように設計された折り返し装置（４１）とを備え、折り返し装置（４３）は、静止時に、サドル（１７）の周辺環状部分（１８）に沿って配置され、かつ、サドル（１７）の曲線輪郭の延長部を画定するように形付けされた端部部分を有し、推力手段（５０）は、軸方向の推力および半径方向の推力を、折り返し装置（４３）に対し直接的かつ独立的に及ぼすように設けられる。本発明は、該ドラムの作動方法にも関する。

Description

本発明は、タイヤ・カーカスを成形するためのドラムに関する。

一般に、車両用のタイヤ、さらに詳細には２つのビード・リングを含むカーカスを備えるタイヤを製造するには、互いに同軸であり、中央駆動装置の推力の下で共通の長手方向軸に沿って相対する方向に移動可能である２つのハーフドラムを装備した、成形ドラムを使用することが周知されている。

各ハーフドラムは、拡張可能なビード係止装置を備え、ビード係止装置は、関連するハーフドラムに沿った特定の軸位置にあり、作製中のタイヤの関連付けられたカーカス・プライの半径方向外部にある、それぞれのビード・リングを係止する拡張位置から離れるように、および拡張位置へ向かって、上述の長手方向軸に対して略半径方向に、駆動装置の推力の下で移動可能である。このカーカス・プライは、初期の横に延びた（ｏｕｔｓｔｒｅｔｃｈｅｄ）位置で成形ドラム上に置かれている。

各ハーフドラムは、折り返し装置をさらに備え、この折り返し装置は、ビード係止装置の作動後、および、２つのビード・リング間に構成されたカーカス・プライの中央部分におけるトーラス状形状（ｔｏｒｕｓ−ｌｉｋｅ ｓｈａｐｅ）の形成後に、カーカス・プライのそれぞれの環状側方部分を、それぞれのビード・リングの周りおよび外側で折り返すように起動される。

上記の側方部分を折り返す作動は、トーラス形状にされた中央部分の、それぞれの側面に対する環状側方部分の完全な接着が要求されるため非常に重要である。

周知の技術は、主として折り返し用空気ブラダの使用または機械的レバーシステムの使用に基づく、折り返し装置のための数多くの解決方法を明らかにしている。

本発明の目的は、多要素の複合構造体を折り返すことができる、タイヤ・カーカスを形成するための理想的なドラムを提供することである。

本発明によれば、請求項１に記載された、および、好ましくは直接的または間接的に請求項１に従属する請求項２以降のいずれか一項に記載されたタイヤ・カーカス成形ドラムが提供される。

本発明について、非限定的な実施形態を例証する添付の図面を参照して説明する。

２つの異なる作動構成に配置された、本発明によるドラムの好ましい実施形態の側面図および部分断面図である。 異なる作動構成にある図１のドラムの詳細を示す図である。 異なる作動構成にある図１のドラムの詳細を示す図である。 異なる作動構成にある図１のドラムの詳細を示す図である。 ２つの異なる作動構成にある、明瞭にするために部品が取り除かれている図１のドラムの斜視図である。

図１において、参照符号１は全体として、タイヤ（図示せず）のカーカス２を成形するためのドラムを示す。

ドラム１は、長手方向軸３と、長手方向軸３に直交する中心平面４とを有し、管状中心シャフト５を備え、管状中心シャフト５は、長手方向軸３と同軸であり、周知の支持体（図示せず）に取り付けられ、周知の駆動手段（図示せず）の推力の下で軸３を中心に回転する。

ドラム１は、２つのハーフドラム６をさらに備え、ハーフドラム６は、中心平面４に対して鏡像位置に配置され、長手方向軸３と同軸であり、（周知の図示されていない）駆動手段の推力の下で、中心平面４から離れるように、および中心平面４へ向かって、中心シャフト５に沿って軸方向に、相対する方向に移動可能である。

詳細には、図２から図４でより明瞭に示されるように、各ハーフドラム６は、それぞれの管状本体７を備え、管状本体７は、軸方向に摺動するように中心シャフト５に結合され、中心平面４に面して管状本体７の軸方向端部に連結された、それぞれの拡張可能な係止装置８を有する。係止装置８は、使用時にそれぞれの駆動装置９によって作動されて、それぞれの環状ビード・フィラー・ストリップ１１を装備したそれぞれのビード・リング１０を、管状本体７に係止するように設計されている。

図２から図４でより明瞭に示されるように、係止装置８はピン１２の環を備え、各ピン１２は、管状本体７の一部分の環状端部フランジ１４に形成されたそれぞれの半径方向の座部１３に摺動するように係合する。各ピン１２に対し、係止装置８は、溝付きセクタ１５をさらに備え、溝付きセクタ１５は、長手方向軸３に直交する、全ての他の溝付きセクタ１５に共通した平面に存在し、溝付きセクタ１５のキャビティが、半径方向にドラム１の外側に面して配置され、他の溝付きセクタ１５と共に環状ビード・キャリア１６を形成する。環状ビード・キャリア１６の外面は、長手方向軸３と同軸の環状サドル１７を画定し、環状サドル１７は、それぞれのビード・リング１０を受け入れ、所定位置に係止するように設計される。

図４および図５でより明瞭に示されるように、ビード・キャリア１６は、複数の溝付き本体１９を備える環状付加体（ａｎｎｕｌａｒ ａｐｐｅｎｄａｇｅ）１８を、ビード・キャリア１６の軸方向外周に沿って有し、各溝付き本体１９は、それぞれの溝付きセクタ１５に一体的に留められ、溝付き本体１９の外面にキャビティを有し、このキャビティは、他の溝付き本体１９のキャビティと共に、長手方向軸３と同軸の凹形の環状座部２０を画定する。

中心平面４に面する軸方向端部、および関連付けられた係止装置８の軸方向内側に、各管状本体７は、それぞれの連結された推力ブラダ２１を有し、推力ブラダ２１は、ドラム１の周りに巻かれたカーカス・プライ２３の管状中央部分２２の下に位置し、使用時に、圧縮空気が供給されて、推力ブラダ２１がＵ字状に折り曲げられ管状中央部分２２の真下に平らに延在する静止構成（図２および図３）から、ブラダ２１が他のブラダ２１と共に２つのビード・リング１０間に構成された管状中央部分２２をトロイダル形状に形成する拡張された作動構成（図１、図４、および図５）に移動する。

図２に示されるように、各ブラダ２１の第１の環状端部部分は、関連付けられたサドル１７を覆って延在し、ビード・キャリア１６と、関連付けられた環状付加体１８との間に設けられた環状座部に挿入された第１の環状結合シュー２４によって、関連付けられたビード・キャリア１６に一体的に連結され、ブラダ２１の第２の環状端部部分は、環状結合シュー２４に対するサドル１７の反対側において、ビード・キャリア１６に設けられたそれぞれの環状溝内に係合された第２の環状結合シュー２５によって、ビード・キャリア１６に一体的に連結される。加えて、環状結合シュー２５の近くに、ブラダ２１は、連結された環状封止膜２６を有し、環状封止膜２６は、ブラダ２１の半径方向内側に配置され、フランジ１４に設けられたそれぞれの環状溝内に係合された別の環状結合シュー２７によってフランジ１４に連結され、トーラス形状にされた管状中央部分２２から加圧空気が漏れるのを防止する機能を有する。

図２から図４を参照すると、係止装置８の駆動装置９は、環状空気圧式シリンダ２８を備え、空気圧式シリンダ２８は、管状本体７と一体の金属管２９の内側に収容され、外向き方向において、管状本体７の環状フランジ３０によって半径方向が限定され、ねじによってフランジ３０に固く連結された管状スリーブ３１を備える。空気圧式シリンダ２８は、長手方向軸３と同軸の、管状スリーブ３１の内面から半径方向内向きに突出する環状フランジ３３によって画定された穴を通って移動可能な流体密封環状ピストン３２をさらに備える。ピストン３２は、摺動するように、かつ、流体を密封するように管状本体７に結合され、ピストン３２の外方の軸方向端部は、環状壁３４によって限定される。環状壁３４は、摺動するように、かつ、流体を密封するように管状スリーブ３１に結合され、環状フランジ３３および管状スリーブ３１と共に可変容量チャンバ３５を画定する。可変容量チャンバ２５の内側には、管状本体７に設けられたダクト３６を通って圧縮空気を送ることができ、長手方向軸３に沿った往復運動をピストン３２に付与する。

環状壁３４に対して反対側の端部に、ピストン３２は、連結された複数の駆動部材を有し、各駆動部材は、それぞれのピン１２と協働して、ピストン３２の変位に応答してピン１２を昇降させ、それゆえ、他の駆動部材と共に、半径方向の往復運動をビード・キャリア１６に与える。したがって、各駆動部材は、それぞれのピン１２のための、確動の誘導および制御部材に相当し、三角プレート３７によって画定される。三角プレートは、１つの頂点でピストン３２にヒンジ結合され、他の２つの頂点に、それぞれのローラー３８および３９を有し、ローラー３８および３９の軸は、長手方向軸３に対し横方向に延びる（ｔｒａｎｓｖｅｒｓａｌ）。詳細には、ローラー３８は、管状スリーブ３１に設けられた、長手方向軸３と同軸の環状溝に半径方向に摺動するように係合し、ローラー３９は、関連付けられたピン１２の基部に設けられた、長手方向軸３と同軸の環状溝４０に軸方向に摺動するように係合する。使用時に、チャンバ２５に圧縮空気が供給されるのに従って、ピストン３２が平常静止位置（図２）からビード・キャリア１６に向かって変位されると、ピストン３２の進行は、それぞれの溝内に係合されたローラー３８によって生じる抑制があるために、プレート３７の回転平行移動（ｒｏｔｏ−ｔｒａｎｓｌａｔｉｏｎ）を生じさせ、それが、関連付けられたローラー３９を介して、それぞれのピン１２に外向きの推力を与え、そのようにしてビード・キャリア１６の半径方向の拡張をもたらす。反対に、ピストン３２の後退は、ピン１２を下降させ、ビード・キャリア１６を初期の非拡張位置へ戻す。

図１に示されるように、各ハーフドラム６に対し、ドラム１は、それぞれの折り返し装置４１をさらに備える。折り返し装置４１は、カーカス・プライ２３のそれぞれの環状側方部分４２を、それぞれのビード・リング１０の周りおよび外側で折り返し、環状側方部分４２を、事前にトーラス形状にされた管状中央部分２２のそれぞれの環状側面に付着させる機能を有する。

詳細には、図２から図５でより明瞭に示されるように、折り返し装置４１は、長手方向折り返しロッド４３の環を備え、折り返しロッド４３は、長手方向軸３の周りに均一に分散され、長手方向軸３を通過するそれぞれの平面に存在し、使用時には、折り返しロッド４３が長手方向軸３に略平行である、横に延びた平常静止位置（図１の右手側、および、図５の下方部）から、折り返しロッド４３が半径方向外向きに回転され、全体として、中心平面４に向かって広がる円錐を画定する、上昇された作動位置（図１の左手側、および図５の上方部）へ同時に移動するように作動可能である。

この目的のために、各折り返しロッド４３は、折り返しロッド４３の軸方向外方端部において、全ての折り返しロッド４３に共通する、スライド４５の環状フランジ４４にヒンジ結合され、折り返しロッド４３が存在する平面に直交するそれぞれの軸４６を中心に振動する。反対側の軸方向端部では、各折り返しロッド４３は、それぞれの連結されたアイドル・ローラー４７を有し、アイドル・ローラー４７は、関連付けられた軸４６に平行な、それぞれの軸を中心に回るように取り付けられており、関連付けられた環状側方部分４２の折り返し中に、カーカス・プライ２３と常に接触し続けるように設計された加圧部材を画定する。折り返しロッド４３が上述の横に延びた静止位置をとるとき、ローラー４７は、環状座部２０の中に位置し、環状座部２０によって支持される。サドル１７に対する環状座部２０の半径方向の位置、およびローラー４７の大きさは、ローラー４７が環状座部２０の内側にあるときに、ローラー４７の外方の円筒面が、サドル１７の曲線輪郭の半径方向の延長部を画定するように適切に選択される。

折り返しロッド４３は、管状弾性膜４８によって共に連結され、管状弾性膜４８は、折り返しロッド４３の中間部分の周りに装着され、折り返しロッド４３の外面に設けられたそれぞれの環状溝に挿入されたそれぞれの結合シュー４９によって、折り返しロッド４３に軸方向に係止される。管状弾性膜４８は、ロッドを互いに対して正しい位置に保持すると共に、上昇された作動位置から平常静止位置にロッド４３が戻るのを補助する二重の機能を有する。

折り返しロッド４３が枢着されたスライド４５は、折り返しロッド４３に直接的に軸方向の力および半径方向の力を印加するように、折り返しロッド４３に作用するように設計された推力装置５０の一部である。

詳細には、図２から図４に示されるように、各ハーフドラム６のスライド４５は、長手方向軸３と同軸の管状本体によって画定され、摺動するように、かつ、流体を密封するようにそれぞれの管状本体７の外面の中間部分に結合され、ドラム１の２つのスライド４５が互いから最大距離にあり、折り返しロッド４３が上述の横に延びた静止位置をとる後退位置（図２）と、ドラム１の２つのスライド４５が互いから最小距離にあり、折り返しロッド４３が上述の上昇された作動位置をとる前進位置（図４）との間で、全体として折り返しロッド４３と共に、空気圧式駆動手段の推力の下で、長手方向軸３に沿って往復運動を伴い移動する。この目的のために、スライド４５は、環状フランジ５１を含み、環状フランジ５１は、スライド４５の内面の中間部分から半径方向内向きに突出し、摺動するように、かつ、流体を密封するように管状本体７の外方の環状キャビティ５２に係合し、管状本体７に設けられたダクト５４を通って圧縮空気が送られるように設計された可変容量チャンバ５３を、環状キャビティ５２の中に画定する。

図４に詳細に示されるように、チャンバ５３に対して反対側の、環状キャビティ５２の内方の軸方向端部は、使用時に環状フランジ５１と協働して中心平面４に向かうスライド４５の外向きの作動進行を制限するように設計された、半径方向の肩部５５を画定する。

各ハーフドラム６に対し、推力装置５０は、環状の管状ブラダ５６をさらに備え、管状ブラダ５６は、静止時（図２）には、スライド４５の前方部分の上部、かつ、折り返しロッド４３の下に存在し、拡張されたとき（図４）には、一般的なトロイダル形状を有する。管状ブラダ５６は、スライド４５の外面に設けられたそれぞれの環状溝内に係合された２つの環状結合シュー５７によってスライド４５に連結され、スライド４５に面する折り返しロッド４３の表面に設けられた溝の内側に挿入された結合シュー５８によって折り返しロッド４３に連結される。管状ブラダ５６には、使用時に、スライド４５の推力チャンバ５３に空気を供給するダクト５４からは完全に独立した、管状本体７に設けられたダクト５９を通じて圧縮空気が供給される。

使用時に、カーカス・プライ２３は、図１（右手側）および図２に示される、２つのハーフドラム６が互いから最大距離に配置され、ブラダ２１が収縮されている、静止位置に設定されたドラム１の周りに巻かれる。この位置では、カーカス・プライ２３は、非拡張または後退位置に設定されたビード・キャリア１６上に載っており、折り返し装置４１は、管状ブラダ５６が収縮され、スライド４５が後退位置にあり、折り返しロッド４３が、環状座部２０に挿入された折り返しロッド４３のそれぞれのローラー４７で支持されている、横に延びた静止位置にある、非作動構成にある。さらに、この位置では、カーカス・プライ２３の２つの環状側方部分４２のそれぞれは、それぞれのビード・キャリア１６から外向きに、折り返しロッド４３の上を覆って延在する。次いで、それぞれのビード・リング１０が、各ハーフドラム６および各環状側方部分４２に装着され、そして、上述のようにして、関連付けられたビード・キャリア１６を拡張することにより、所定位置に係止される（図３）。この時点で、加圧空気が、管状中央部分２２の下に周知のようにして供給され、同時に、２つのハーフドラム６が、互いに向かって、かつ、中心平面４に向かって移動され、管状中央部分２２を、長手方向軸３に略直交する２つの環状側面６０を有するトーラス形状に形成する。

図３に示されるように、ビード・キャリア１６の半径方向の拡張は、環状付加体１８の半径方向の拡張も必然的に伴い、環状座部２０に収容されたローラー４７を通じて、折り返しロッド４３に外向きの半径方向の力を与え、それぞれの軸４６を中心に折り返しロッド４３をわずかに回転させる。ビード・キャリア１６および環状付加体１８の拡張は、ビード・リング１０の周りにおける、環状側方部分４２の基礎部の初期の折り返しも生じさせることを留意すべきである。環状付加体１８によって半径方向外向きに引き出され、ビード・リング１０と協働し、環状側方部分４２の基部を、ビード・リング１０に対して「Ｌ」字状に略上方に折れ曲がらせる、固定された障害物のような働きをするローラー４７の作用の下で、この初期の折り返しが受動的に発生する。

この時点で、図４に示されるように、ダクト５４を通して各チャンバ５３に加圧空気が供給され、その結果、それぞれのスライド４５が前進位置に向かって変位する。同時に、加圧空気が、ダクト５９を通して各管状ブラダ５６に個別に供給される。

スライド４５と、管状ブラダ５６の拡張との組み合わされた作用が、中心平面４に向かう前進、および、それと同時に起こる、２組の折り返しロッド４３の半径方向の拡張をもたらす。折り返しロッド４３のローラー４７は、それぞれの環状側方部分４２の外面と終始接触して保持され、それぞれの側面６０に対し、環状側方部分４２を漸進的に折り返させる。

環状側方部分４２の折り返しが完了すると、推力装置５０は、折り返しロッド４３の各組を、折り返しロッド４３の横に延びた静止位置へ戻すように作動される。この作動は、管状ブラダ５６、およびスライド４５の駆動チャンバ５３への加圧空気の供給を中断することにより、かつ、可変容量チャンバ６１へ加圧空気を供給することにより、各ハーフドラム６に対して実行される。可変容量チャンバ６１は、管状本体７の外方の円筒面と、フランジ５１より軸方向外部にある、スライド４５の管状部分との間に得られ（図２および図３）、スライド４５の端部から半径方向内向きに突出する外方の環状フランジによって一方側が軸方向に限定され、他方側は、肩部５５に隣接する位置で、管状本体７から半径方向外向きに突出する内方の環状フランジによって限定されている。スライド４５を、スライド４５の前進位置に移動させる前（図２および図３）は、チャンバ６１は最大容量状態にあり、供給用ダクト（図示せず）を通して外側に連通している。スライド４５が前進位置（図４）に設定されると、チャンバ６１の容量はゼロまで減少する。この時点から、加圧空気がチャンバ６１に供給されると、チャンバ６１の拡張は、スライド４５を後退位置に戻させ、その結果、チャンバ５３および管状ブラダ５６を空にし、したがって、折り返しロッド４３を横に延びた静止位置に戻す。

１つの変形例によれば、チャンバ６１の拡張によってスライド４５に付与される推力作用は、ダクト５４を通じてチャンバ５３を吸引装置に連結することにより高めることができる。

別の変形例によれば、空気圧式推力手段を使用する代わりに、スライド４５は、用途に適した、印加される軸方向力の強度および持続時間を調節することが可能な任意の機械的駆動装置によって作動させることができる。

前述された記載に関連して、いくつかの考察がなされる。

− スライド４５および管状ブラダ５６は、軸方向推力装置および半径方向推力装置をそれぞれ画定し、半径方向推力装置は、軸方向推力装置から作動的に独立し、折り返しロッド４３に直接的に作用するように構成される。よって、相対的に高強度で、例えば軸方向推力装置によって作動される駆動手段を介して半径方向力が折り返しロッド４３に間接的に及ぼされた場合に、同じ軸方向力で達成され得るよりもはるかに強い半径方向力を、折り返しロッド４３に及ぼすことが可能であることになる。事実、この後者の場合、折り返しロッド４３に作用する半径方向力は、軸方向推力装置によって印加された軸方向力の分割を通じて得られることになる。したがって、非常に高い半径方向力は、さらに高い軸方向力を印加することを通じて、そして、損傷を引き起こしかねない応力にカーカス本体を晒すことなどを通じてのみ達成可能である。

折り返しロッド４３に軸方向の推力とは別に高い半径方向力を印加することができる半径方向推力装置を使用することにより、特に、高多層の厚さと、その結果として円周方向の拡張に対し強い抵抗力とを有するカーカス・プライの場合に、環状側方部分４２を特に効果的に折り返すことが可能になる。また、この結果は、サドル１７に対するローラー４７の位置により達成される。事実、折り返しロッド４３に直接的に印加される半径方向力の強度は、ローラー４７が動かされるとすぐに、ローラー４７が、環状側方部分４２の基部に有意な圧迫力を印加することを可能にするのに十分であり、このようにして、フィラー・ストリップ１１に材料を確実に完全に接着し、分離またはしわ形成の可能性を最小限に減らす。

− 推力装置５０の空気圧式の駆動は、折り返しロッド４３の作動中に、チャンバ５３および管状ブラダ５６に供給される空気の圧力調整を介して、折り返しロッド４３に印加される軸方向および半径方向の推力を調整することを可能にする。

Claims (10)

1. タイヤ・カーカス成形ドラム（１）であって、長手方向軸（３）を有し、前記ドラム（１）の中心平面（４）から、および該中心平面（４）へ向かって、前記長手方向軸（３）に沿って相対する方向に移動可能な２つのハーフドラム（６）を備え、該各ハーフドラム（６）が、それぞれのビード・リング（１０）を係止する拡張位置から離れるように、および前記拡張位置へ向かって移動可能である、環状サドル（１７）を有するビード・キャリング装置（１６）を備え、該ビード・キャリング装置（１６）が、前記ドラム（１）に巻かれたカーカス（２）のプライ（２３）上に、管状中央部分（２２）および２つの環状側方部分（４２）を画定し、前記各ハーフドラム（６）が、それぞれの前記環状側方部分（４２）を、前記それぞれのビード・リング（１０）の周りおよび外側で折り返すように作動可能である折り返し手段（４１）をさらに備え、前記折り返し手段（４１）が、静止時に、前記サドル（１７）の周辺環状部分（１８）に沿って配置され、かつ、前記サドル（１７）の曲線輪郭の延長部を画定するように形付けされた端部部分を有する折り返し装置（４３）を備え、前記折り返し手段（４１）が、軸方向の推力および半径方向の推力を、前記折り返し装置（４３）に対し直接的かつ独立的に及ぼすように作動可能である推力手段（５０）をさらに備える、タイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
2. 前記折り返し装置（４３）が、前記長手方向軸（３）の周りに均一に分散され、前記長手方向軸（３）を貫通するそれぞれの平面に存在する複数の長手方向折り返しロッド（４３）を備え、該各折り返しロッド（４３）が、前記長手方向軸（３）に沿って前記それぞれのハーフドラム（６）に対して平行移動するように、かつ、前記ロッド（４３）が存在する前記平面に直交するそれぞれの回転軸（４６）を中心に振動するように取り付けられ、前記折り返しロッド（４３）が、前記中心平面（４）に向かって面するそれぞれの軸方向端部に、前記それぞれの折り返しロッド（４３）に回転可能に取り付けられ、全体として、前記端部部分を画定するそれぞれのローラー（４７）を含む、請求項１に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
3. 前記推力手段（５０）が、前記折り返しロッド（４３）を、前記長手方向軸（３）に沿って平行移動させるように適合された軸方向推力装置（４５）と、前記折り返しロッド（４３）を、前記それぞれの回転軸（４６）を中心に振動させるように適合された半径方向推力装置（５６）とを備え、前記軸方向推力装置（４５）および前記半径方向推力装置（５６）が、互いから独立的に作動可能である、請求項２に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
4. 前記軸方向推力装置（４５）および前記半径方向推力装置（５６）が、前記折り返しロッド（４３）に及ぼされる前記軸方向および前記半径方向の推力の強度を調整することを可能にするように構成される、請求項３に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
5. 前記半径方向推力装置（５６）が、拡張されたときに、全体として、前記ドラム（１）の外側に向けられた前記半径方向の推力を前記折り返しロッド（４３）に直接的に印加するために、前記長手方向軸（３）と同軸であり、前記折り返しロッド（４３）の下に配置された管状ブラダ（５６）を備える、請求項３または４に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
6. 前記軸方向推力装置（４５）が、前記長手方向軸（３）と同軸であり、軸方向に摺動するように、かつ、角変位しないように前記それぞれのハーフドラム（６）に結合された管状スライド（４５）を備え、前記折り返しロッド（４３）が、それぞれのヒンジにより前記スライド（４５）に連結され、前記回転軸を中心に前記スライド（４５）に対して振動する、請求項３から５のいずれか一項に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
7. 前記軸方向推力装置（４５）が、前記スライド（４５）を前記長手方向軸（３）に沿って移動させるための空気圧式駆動手段をさらに備える、請求項６に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
8. 前記管状ブラダ（５６）が、静止時には、前記スライド（４５）の前方部分を覆って前記折り返しロッド（４３）の下に存在し、それぞれの結合シュー（５７、５８）により前記スライド（４５）および前記折り返しロッド（４３）に連結される、請求項６または７に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）。
9. 請求項５に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）の作動方法であって、前記半径方向推力装置（５６）により前記折り返しロッド（４３）に付与される前記半径方向の推力を調整するステップを含み、前記半径方向の推力を調整する該ステップが、前記空気チャンバ（５６）に供給される圧縮空気の流れを調整するステップを含む、方法。
10. 前記軸方向推力装置（４５）および前記半径方向推力装置（５６）が、それぞれの静止位置からそれぞれの作動位置まで移動し、この移動中に、前記それぞれの環状側方部分（４２）の折り返しを実行するように互いから独立的に作動され、前記軸方向推力装置（４５）および前記半径方向推力装置（５６）の前記それぞれの静止位置への戻りが、空気圧式の戻し作用力の印加によって達成される、請求項９に記載のタイヤ・カーカス成形ドラム（１）の作動方法。

Images