JP2017508078A - 流体管理のための一体型流体流れ網 - Google Patents

流体管理のための一体型流体流れ網 Download PDF

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Abstract

基材(106)に流体網構造を形成するように異なる隣接した濡れ性領域(102、104)を利用する流体の流れの管理用装置(100)および方法を提供する。流体網構造は、吸液流体チャネル(118)を備えてもよく、吸液流体チャネル(118)内には流体が流れるとともに、基材(106)から流体を除去することができる。重力、圧縮力、毛細管力および表面張力によって移動されうる。【選択図】 図1B

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2014年3月21日に出願された米国仮特許出願第61/969,040号の優先権および利益の享受を主張し、同出願の内容全体は、本願に参照により援用されたものとする。
(連邦政府による援助を受けた研究開発の記載)
適用せず
(コンピュータプログラム付録の参照による援用)
適用せず
(著作権保護の対象物の通知)
適用せず
本開示の技術は、一般に、流体管理に関し、特に、基材に流体網構造を形成するために異なる隣接した濡れ性領域を利用した流体流れの管理に関する。
発汗は、人体の体温調節の主な手段であり、発汗中に汗(主に水からなる)が皮膚の上に分泌され、その下の皮膚表面から熱を奪って流体が蒸発する。激しい活動中に汗の除去が効率良く行われなければ、蓄積した汗で皮膚周囲の湿度レベルが急上昇し、強い不快感が生じる。最近では、高ウィック性の布を利用したスポーツウェアが、汗を身体から除去するための標準的な方法となっている。ウィック性ベースのこのような布は、繊維の毛細管作用を利用して水分を吸収する。また、上記布が水分を放散し布を乾燥させるためには蒸発作用を利用することとなる。しかし、このようなウィック性と蒸発とによる水分除去モードには深刻な問題がある。例えば、完全に水を含んだ後、水分が飽和した状態になった布は重みが増し、吸い上げプロセスが停止する。布がこのように飽和状態になると、皮膚に不快感が生じうる。また、布の繊維間にある空気の通り道を水分が塞ぐため、布の通気性も悪くなる。
最近のスポーツ衣類品は、親水性の吸汗領域を相互につなげ、衣服全体が吸液性の布で作られている。衣服の一部が汗に触れると、衣服は水分をすぐに吸収して広い範囲に汗を拡散する。毛細管作用による吸い上げ原理により、水分は、衣服全体が飽和状態になるまでシャツの濡れエリアから乾燥エリアに運ばれる。このような仕組みは、発汗量が少量であれば特に問題はないが、着用者が大量に汗をかくと、うまく機能しなくなる。着用者がすぐに汗をかく場合は、衣服が皮膚にほとんど触れていない身体部分に汗をかいたとしても、衣服全体の湿り気、重さ、べたつき、不快な状態が一様に増してしまう。また、飽和状態の布は、皮膚から周囲環境までの蒸気輸送ルートを塞ぎ、体表の気化冷却を抑制してしまう。さらに、皮膚と接触した飽和状態のシャツの水分が蒸発することにより、布にほとんど触れていない身体部分でも不快な冷えを感じる場合がある。
上述した問題の1つの原因は、上記のような一般的な衣服構造をデザインする際、人体の発汗速度が人体のさまざまな部分で異なるという点が見過ごされていることにある。汗の分泌速度が遅い部分または衣服との接触頻度が低い部分(例えば、胸部、腹部、腰部など)での布の乾燥は、高発汗領域(例えば、頭部、首部、上背部など)からの汗を吸収するために犠牲にされている。例えば、シャツの正面パネルは、布が覆う主要な部分である胸部や腹部の領域ではなく、頭部や首部の領域から流れ落ちる汗ですぐに飽和状態になることが多い。同様に、シャツの背面パネルの下側領域は、皮膚と接触する頻度が低いにもかかわらず、すぐに汗が出やすく、皮膚と衣服との密着性が高い部分である頭部/首部や上背部の領域から流れ落ちる汗で飽和状態になることが多い。上記のような布は、人体にとって快適となるような水分管理がなされていない。
NanoTex(登録商標)やウィッキングウィンドウなどの新開発されたハイテク布は、布の内面層に改良を加えることでこの問題の解決を試みているものである。例えば、NanoTex(登録商標)の発明は、布の内面層(水分発生表面または皮膚と接触状態にある表面)の親水性を外側よりも低くするような改良を加えたものである。その結果、水分は、布の外面層に移ってから乾燥する傾向にある。ウィッキングウィンドウの布も同様の考えを利用したものである。布の内面層は、断続的な疎水性パターンを形成するように改良されている。その結果、布の濡れエリア内面層が減り、より多くの水分が布の外側に移り吸収されるようになる。しかしながら、上述した布には重大な問題が依然存在する。布が液体を吸収したときの通気性の低下および大幅な重量増加の問題が残ったままである。
別の例示的な布として、布に湾曲構造を作り出して布の接触面積を縮小し気流を高めるようにした3D編成構造体(x−bionic(登録商標))を利用したものがある。しかしながら、湾曲化により布の全面積が増大する。面積が増大すると、布が濡れたときの重量変化が、一般的な布より大きくなる。
別の例として、天然繊維に共通する問題を解決するために、親水性の繊維と疎水性の繊維との混合物を利用したDri−release(登録商標)布がある。しかしながら、最終的に得られるものは、依然として親水性の繊維であって、布にされたときに流体を移動させたり除去させたりすることができるようになるわけではない。
流体管理のための流体網構造を形成するために異なる濡れ性領域を利用する装置および方法について記載する。本願に記載する技術の一実施形態によれば、流体網構造は、基材内の異なる濡れ性領域によって形成される流体チャネルを備える。上記流体チャネル網は、基材内にサイフォン式のシステムのように構成されたものであってもよく、毛管吸収の代わりに、主に重力を利用して水分を移動および除去することができる。また、布が水分に表面張力や圧縮力をかけることで、流体の移動を促す場合もある。
本願に記載する技術の一態様において、基材は、異なる濡れ性領域を備え、これらの濡れ性領域は、吸液性があり、濡れ性勾配を形成する。流体が基材に接触すると、流体は、より低い吸液性領域からより高い吸液性領域への勾配に沿って移動する。
本願技術の別の態様において、基材は、隣接する吸液性領域および撥液性領域によって形成された流体チャネルを備える。吸液流体チャネル内への流体の移動は、撥液性領域によって生じる圧縮力によって促すことができる。
本明細書に記載する技術のさらなる態様については、本明細書の以下の記載において示される。なお、以下の詳細な説明は、限定を加えることなく本技術の好ましい実施形態を十分に開示する目的のものである。
本明細書に記載する技術は、例示的目的のために示した以下の図面を参照しながらより深く理解されるであろう。
本発明の一実施形態による、基材の撥液性領域内にチャネルを形成する吸液性領域の概略正面図である。 皮膚に接触した状態にある図1Aの材料の概略側断面図である。 異なる形状にチャネルを形成する吸液性領域の例の正面図である。 基材の全長に延伸する吸液性領域の正面図である。 大部分の領域が吸液性のままである基材の2つの流体チャネルの正面図である。 流体チャネル網の例の正面図である。 流体チャネル網の例の正面図である。 流体チャネル網の例の正面図である。 広範囲の領域から水分を集め、集めた水分を中央の滴下点に運ぶように構成された流体網の正面図である。 広範囲の領域から水分を集め、集めた水分を側部の滴下点に運ぶように構成された流体網の正面図である。 本発明の一実施形態による、流体チャネルが形成されて得られる形状の例、特に、ハート形状の図である。 本発明の一実施形態による、流体チャネルが形成されて得られる形状の例、特に、ハート形状の図である。 本発明の一実施形態による、滴下点の形状を示す図である。 本発明の一実施形態による、滴下点の別の形状を示す図である。 本発明の一実施形態による、滴下点のさらなる別の形状を示す図である。 流体チャネルの底部が撥液層によって覆われた吸液チャネルの正面図である。 図6Aの材料の側断面図である。 基材の外面層上にあるため、流体チャネルの底部が露出された吸液チャネルの正面図である。 流体の流路を示し、皮膚と接触した状態にある図6Cの材料の側断面図である。 材料(図7A)の内面層(水分発生表面と接触状態にある層)が材料(図7C)の外層より撥液性領域の面積の範囲が広い実施形態を示す図である。 材料(図7A)の内面層(水分発生表面と接触状態にある層)が材料(図7C)の外層より撥液性領域の面積の範囲が広い実施形態を示す図であって、図7Aの流体チャネルデザインの断面図である。 材料(図7A)の内面層(水分発生表面と接触状態にある層)が材料(図7C)の外層より撥液性領域の面積の範囲が広い実施形態を示す図である。 基材を貫通し、材料の外層流体チャネル網へつながる吸液円形部を有する材料の内面層の正面図である。 図8Aの流体チャネルデザインの断面図である。 図8Aおよび図8Bに示す材料の外層の流体チャネル網の正面図である。 基材を貫通し、材料の外層の流体チャネル網とつながる吸液円形部を有する材料の内面層の正面図である。この実施形態において、チャネルの形状は矩形状ではなく、抽象的なものである。 図9Aの流体チャネルデザインの断面図である。 図9Aおよび図9Bに示す材料の外層の流体チャネル網の正面図である。 基材を貫通し、材料の外層流体チャネル網へつながる吸液円形部を有する内面層の正面図である。 図10Aの流体チャネルデザインの断面図である。 図10Aおよび図10Bに示す材料の外面層の流体チャネル網の図であり、基材の外面層上の吸液チャネルは、内面層につながる吸液性領域より狭い領域を有する。 流体チャネル網パターンの外面層が撥液性コーティングによって完全に覆われた本発明の一実施形態の図であって、内面層を示す図である。 流体チャネル網パターンの外面層が撥液性コーティングによって完全に覆われた内面層を示す本発明の一実施形態の図であって、図11Aの流体チャネルデザインの断面図である。 流体チャネル網パターンの外面層が撥液性コーティングによって完全に覆われた内面層を示す本発明の一実施形態の図であって、外面層を示す図である。 凝縮の過程で生じた水分を管理するように構成された流体網構造の一実施形態の正面断面図である。 内側と外側の撥液層の間に挟まれた吸液流体チャネルの一実施形態の斜視図である。 流体チャネルのさまざまな構成を示す正面図である。 内面層上の吸液性領域での材料の厚みが、残りより大きくさらに外向きに延伸しうる本発明の一実施形態の図であって、内面層を示す正面図である。 内面層上の吸液領域での材料の厚みが、残りより大きくさらに外向きに延伸しうる本発明の一実施形態の図であって、図15Aの材料の断面図を示す。 内面層上の吸液領域での材料の厚みが、残りより大きくさらに外向きに延伸しうる本発明の一実施形態の図であって、材料の外面層を示す図である。 撥液性支持構造を備える本発明の一実施形態の図であって、材料の内面層の正面図を示す。 撥液性支持構造を備える本発明の一実施形態の図であって、図16Aの材料の内面層の断面図を示す。 撥液性支持構造を備える本発明の一実施形態の図であって、材料の外面層を示す図である。 吸液チャネルと、流体チャネルの外側に位置する場合がある着用者の衣服のさらなる層との間を分離するための乾燥層を追加することができるように基材材料の外側に撥液性支持構造が位置づけられた本発明の一実施形態の断面図である。 図17Aに示す実施形態の外面層の正面図である。 複数の材料を組み合わせて流体網構造を形成したり、基本的な流体網構造に追加の機能を設けたりすることが可能な様子を示す図であって、材料(流体網構造を備えた基材)の内面層の正面図である。 複数の材料を組み合わせて流体網構造を形成したり、基本的な流体網構造に追加の機能を設けたりすることが可能な様子を示す図であって、図18Aに示す材料の側断面図である。 複数の材料を組み合わせて流体網構造を形成したり、基本的な流体網構造に追加の機能を設けたりすることが可能な様子を示す図であって、流体の流れが皮膚に触れないように接着剤を用いて布の背面に密着させて取り付け可能な完全撥液性材料で作られた膜によって部分撥液性領域の置き換えまたは強化が可能な、図18Aの実施形態と若干異なる別の実施形態の側断面図である。 複数の材料を組み合わせて流体網構造を形成したり、基本的な流体網構造に追加の機能を設けたりすることが可能な様子を示す図であって、本発明の一実施形態による、材料の外面層の正面図である。 水分を集め、集めた水分が材料から滴下しないようにしうる吸液性材料のパッチに流体チャネル網の領域が接続された本発明の一実施形態の正面図である。 吸液チャネルの滴下点が、滴下点を吸水収集領域に切り換え可能な移動構造体である本発明の一実施形態の正面図である。 本発明の一実施形態による、一端から他端へ増大する幅を有する表面張力駆動流を利用するように構成された吸液チャネルの図である。 図21Aに示す流体チャネルの実施形態の流体の流れの方向を示す図である。 吸液勾配を形成するためにより少ない吸液性領域によって囲まれた吸液性領域を有する基材の図である。 図22Aに示す流体チャネルの実施形態の流体の流れの方向を示す図である。 一体化された流体網構造を有する小さな布片の画像である。 一体化された流体網構造を有する小さな布片の画像であって、布の内面層を示し、滴下点に滴がある布の外面層を示す。 スクリーンローラを用いて吸液性基材に撥液性コーティングパターンを印刷することによって流体網構造が構成されうる様子の一例の概略図である。 流体チャネル構造を形成するように基材を貫通する材料の外面層チャネルパターンがスクリーンローラを用いて印刷される様子を示す平面図である。 外層チャネルパターンの印刷後の材料の近接側面図である。 基材を半分まで貫通して流体チャネル構造を形成する材料の内面層チャネルパターンがスクリーンローラを用いて印刷される様子を示す図である。 内面層チャネルパターンの印刷後の材料の近接図である。 本発明の一実施形態による編成流体チャネル構造の外層の図である。 本発明の一実施形態による編成流体チャネル構造の内面層の図である。 本発明の一実施形態による編成流体チャネル構造の近接平面図である。 本発明の一実施形態による編成流体チャネル構造の近接平面図である。 チャネルの長さ、幅および織物の多孔性が、流体網システムの流速にどのようにそれぞれ影響を及ぼしうるかを示すグラフである。 チャネルの長さ、幅および織物の多孔性が、流体網システムの流速にどのようにそれぞれ影響を及ぼしうるかを示すグラフである。 チャネルの長さ、幅および織物の多孔性が、流体網システムの流速にどのようにそれぞれ影響を及ぼしうるかを示すグラフである。 滴下点の形状が特定の流体チャネル網の流速にどのように影響を及ぼしうるかを示すグラフである。 流体管理用の流体チャネル網がない布試料と比較された布試料の外面層で使用された流体チャネルパターンの正面図である。 流体管理用の流体チャネル網がない布試料と比較された布試料の内面層で使用された流体チャネルパターンの正面図である。 従来の水分ウィック性ポリエステル布試料と、水が布試料を流れ落ちてからおよそ10秒後、流体チャネルパターンを有する布試料とを比較した画像である。 本発明の一実施形態による流体チャネル網を有する凝縮制御材料の図である。 本発明の一実施形態による水分を収集する流体チャネル網を有する凝縮制御材料の画像である。 衣服全体に流体チャネル網を複数繰り返して設けて作られたシャツの前面の画像を示す。 衣服全体に流体チャネル網を複数繰り返して設けて作られたシャツの背面の画像を示す。 シャツの流体チャネルが、滴の形成および滴下が明らかではないように配設されてもよい様子を示すシャツの正面概略図を示す。 シャツの流体チャネルが、滴の形成および滴下が明らかではないように配設されてもよい様子を示すシャツの背面概略図を示す。 襟部から始まり、シャツの底部まで延伸する1つの吸液性領域と、肩部から始まり、シャツの中央のすぐ下まで延伸するシャツの両側にある2つの吸液性領域とを有し、これらの領域のすべてが、撥液性領域によって分離されたシャツの正面図である。 上側吸液性領域および中央吸液性領域を有するシャツの背面図である。 シャツの襟部から底部へ延伸する中央吸液性領域と、2つの側部吸液性領域とを有するシャツの正面図である。 2つの主要な吸液性領域を有するシャツの背面図である。 シャツの袖部に流体チャネルが追加され、図36Aのシャツと同じチャネルデザインを有するシャツの正面図である。 シャツの袖部に流体チャネルが追加され、図36Aのシャツと同じチャネルデザインを有するシャツの背面図である。 シャツの袖部に流体チャネルが追加され、図36Aのシャツと同じチャネルデザインを有するシャツの側面図である。 底部吸液性パネルおよび2つの側部吸液性パネルを有するシャツの正面図である。 底部吸液性パネルおよび2つの側部吸液性パネルを有するシャツの背面図である。 運動後、着用者からの汗を集める吸液性パネルを底部に備えることを示した、図38Aに示すシャツの画像である。 運動後、着用者からの汗を集める側部パネルを示す、図38Aおよび図38Bに示すシャツの画像である。 襟部および胸部のエリアの両方を覆い、腹部領域が撥液性に保たれたまま、シャツの側部滴下点まで延伸する吸液性領域を有するシャツの正面図を示す。 襟部および胸部のエリアの両方を覆い、腹部領域が撥液性に保たれたまま、シャツの側部滴下点まで延伸する吸液性領域を有するシャツの背面図を示す。 シャツの正面外面層にパターン化されたツリー状の例示的な流体チャネル網の図である。 撥液性領域によって分離された吸液チャネルの3つの領域を有するシャツの正面図である。 撥液性領域によって分離された吸液チャネルの4つの領域を有するシャツの背面図である。 半ズボンのウエストバンドに適用された場合の例示的な流体網構造の図である。 半ズボンの正面のウエストバンドに適用された場合の例示的な流体網構造の画像である。 半ズボンの側部のウエストバンドに適用された場合の例示的な流体網構造の画像である。 半ズボンのウエストバンドおよび上側エリアに適用された場合の例示的な流体網構造の図である。 流体吸収チャネルが、半ズボンの側部に汗を運び、滴下点を介して汗を滴り落とすように半ズボンを覆う別の流体チャネル網構成を示す図である。 脚部から靴下の側部へ流れる汗を運び、滴下点を介して汗を滴り落とす流体チャネルを有する流体網構造を備える靴下の一実施形態の図である。 流体網構造を有するヘッドバンドの一実施形態の正面図を示す。 図46Aに示す実施形態の画像である。 図46Aに示す実施形態の画像である。 図46Aに示す実施形態の画像である。 流体網構造を有する自転車用衣服の一実施形態の図である。 流体網構造を備えた四隅テントの一実施形態の斜視図である。 流体網構造を備えた円筒状テントの一実施形態の斜視図である。
濡れ性は、材料の表面と液体との間の相互作用の特性である。単一の材料内での濡れ性の相違に応じて、液体が材料の表面に触れると、液体は材料の表面に吸水または撥水されることになる。この状態を2つの濡れ性の状態である吸液性および撥液性としてまとめることができる。材料の表面での液体の濡れ性は、ある液体に対する材料の繊維の接触角度α、平均孔半径rを特徴とする多孔性構造の幾何学的形状(布の構造体の場合、孔半径は隣接する繊維の頂部間の距離と推量されうる)、材料の表面上での液体の性質(表面張力γおよび液圧PL)に関係する。液体の吸水性または撥水性はいずれも、濡れ性値と呼ばれる臨界値Sで概算されうる。
S>0の場合、液体は布に吸収される。S<0の場合、液体は布にはじかれる。数が大きくなるほど、材料の吸液性は高くなる。式1により、2つの表面の濡れ性を概して定量的に比較する方法が得られる。上記関係から、濡れ性は、実際のところこれらのパラメータの組み合わせを示すものであって、所与の条件に応じて異なる。
なお、濡れ性の定義は、「親水性」および「疎水性」材料の従来の定義よりさらに広義のものであり、より的確なものである。一般に、水の接触角度が90°より小さい材料の性質を親水性と呼び、90°を超える材料の性質を疎水性と呼ぶ。この現象は上記式から理解できる。例えば、αが90°より小さければ、cosαは0より大きくなり、Sは、一般に、ゼロより大きくなり(液圧PLが0を大きく下回らない限り)、すなわち、液体は材料に吸収される。しかしながら、接触角度が90°より大きく(疎水性)、式の右辺が負になる場合であっても、少量の加圧水または大きな液圧PLを有するごく小さな水滴が材料によって吸収される傾向を依然として備える。
例えば、高速加圧水流を用いて撥液性表面に勢いよく水流をぶつけた場合、撥水性の欠如が観察され、この状況では、材料は水を保持して「吸液性」状態になる。したがって、「撥液性」および「吸液性」は、材料構造の濡れ性全体を表す表現として本明細書において一貫して用いられる。
なお、材料の濡れ性は固定された構造または材料の接触角度として見られるべきものではなく、液体の性質や条件の所与の範囲における材料の構造の特定の特性として見られるべきものである。例えば、汗を制御するための撥液性領域は、凝縮収集の状況下では液圧が大きくなるため、凝縮収集のための吸液性領域になることがある。
例示的目的のために、図面をさらに詳細に参照すると、流体網構造を形成する吸液性および撥液性(または低吸液性)領域を有する材料を用いて流体の流れを管理するための装置および方法の実施形態が、本明細書において説明され、概して、図1Aから図48Bに示されている。なお、本明細書を通して複数の図面に示す1つの構造には同一の参照番号を付与している。また、本方法は、本明細書に開示する基本概念から逸脱することなく特定のステップおよび特定の順序についてはさまざまである。方法ステップは、これらのステップが起こりうる順序の例示にすぎない。これらのステップは、本発明の技術の目的が達せられる限り、必要に応じて任意の順序で起こりうるものである。
図1Aは、基材106の撥液性領域104内においてチャネル118を形成する吸液性領域102の一実施形態100の概略図である。これらの2つの領域間の濡れ性の対比により、撥液性領域104は乾燥した状態を保ったまま、流体の流れを吸液性領域102内に制限するように仮想チャネル118が形成される。流体網構造デザイン(サイフォン網)を形成するために、多数の流体チャネル118を特定の基材106上に形成することもできる。最も効率的に流体を除去するためには、流体網デザイン内の吸液チャネル118の向きが、使用時に完全に水平にならないようにすべきである。チャネル118の最底部重力領域を滴下点108と呼ぶ。滴下点108は、一般に、吸液性領域102と隣接する撥液性領域104とがチャネル118の重力最下点で合流する場所である。チャネル118の長さLに沿って流れ落ちる流体は、材料から離れて落ちるほどの大きさの滴116になるまで、滴下点108に留まる。チャネルの幅Wは、特定の用途に応じてさまざまなものであってもよい。
図1Bに示すように、材料(流体網構造を有する基材)が例えば、人体の皮膚110と接触状態にあるとき、材料の吸液性領域102と接触状態にある皮膚110の水分112は、すぐに吸収され、チャネル領域を湿潤させる。チャネル118と接触する水分112は、重力により下向きに移動する水分114の状態を保つサイフォン式の原理によりチャネル118内に継続的に吸い込まれる。これにより、チャネル118の大部分は不飽和状態が維持される。水分112は、圧力差によりチャネル118の不飽和部分内に引き込まれる。
このような自立プロセスの結果、蒸発しなかった過度の水分112が、チャネル118の底部の滴下点108に次第に溜まる。滴下点108に滴116ができ、吸液性領域と撥液性領域との接触角度差が大きいことにより生じるヒステリシスにより、最初は滴下点領域に留まる。水分が集められると、滴116は次第に大きくなる。重力がヒステリシス力より大きくなったとき、滴は材料の表面から離れ、滴り落ちる。
チャネル118の方向に沿った流れは2つの部分から構成される。1つは、材料の表面上の自由表面流、もう1つは、チャネルパターンの内側の流れである。吸液性パターンの外面層の流量Qsおよび内面層(水分生成表面と接触する層)の流量Qiは、以下の式2、式3および式4で特徴づけられうる。
式中、kは流体に対する布の浸透率、L、WおよびTはそれぞれ吸液性領域の長さ、幅および厚み、ΔPは静水圧、Hは表面流体膜の厚み、μは流体の粘度、θはチャネルの向きと垂直(重力)方向との間の角度(0°から完全に水平である90°までの範囲)である。この角度は、動きのある間の材料のさまざまな向きに応じて変化しうるもので、重力の現方向を参照して常に算出されるべきものである。
吸液性パターンの真下にない水分は、撥液性領域104から絞り出すことによって流体チャネルの方へ部分的に押圧されうる。このような「押圧」輸送は、材料が、例えば人体の皮膚などの水分発生表面と加圧密着した状態にある場合は重要である。これは、流体網構造が衣類品に適用され、動きのある間に皮膚に対して伸張したり、引締め用衣服として着用されたりする場合に見られうる。このプロセスの間、水分112の大部分は、流体網によって除去され(図2Dから図2Fを参照)、過剰な水分が滴下する一方で、撥液性領域は乾燥した状態のまま、流体が下方へ流れないようにする障壁を形成する。
衣類品の流体網構造が実現する水分除去により、気化による冷却に必要な量の水分112が皮膚110に維持できるとともに、蒸気が材料106の乾燥部分(撥液性領域104)を自由に通過することができる。流体チャネル構造自体は、過剰な水分のみを除去し続ける。このような構造により、湿った布パターン自体の冷却効果と皮膚での気化冷却とを組み合わせたものが得られる。
なお、材料のさまざまな実施形態の水分輸送プロセスを説明するための一例として皮膚上の汗を用いているが、この構造は広範囲にわたる水分管理の応用に適用可能なものである。この応用には、異なる表面上の水分の除去、結露の除去、漏出制御、燃料電池電極などがある。水分は、水、生体液(汗、尿、血液など)、油、有機溶媒およびその他多くのものでありうる。また、「親水性」および「疎水性」という用語は、液体に対する材料の親和性の一般的な説明である。これらの用語の使用は、本構造を水関連の応用に限定するものではない。上述した布の液体濡れ性の理論に基づいた状況ごとに適切な構造および材料を導き出すことができる。
以下、図2Aを参照すると、吸液性領域102(またはチャネル)の形状は、矩形、三角形、円形、多角形などでありえ、限定的なものではない。形状は傾斜したものであってもよく、さまざまな角度θを有しうる。また、吸液性領域102は、図2Bに示すように、材料の全長を通って延伸するものであってもよい。複数のチャネル118を接触した状態にして、ある部分にわたって滴下点108へ水分を輸送する流体チャネル網を形成するようにしてもよい。図2D、図2Eおよび図2Fには、流体チャネル網の3つの例が示されている。基材上でのチャネル118の位置は任意のものであってもよい。また、チャネルパターンは、基材全体を覆うように繰り返されたものであってもよい。
吸液チャネルパターンの幅は、流体管理システムの用途に応じてさまざまなものであってもよい。吸液性領域102の長さや網パターンの長さは、材料の長さに比べて非常に短いものであっても、同程度の長さのもの(図2Bを参照)であってもよい。吸液性エリアと撥液性エリアとの比率は限定されない。図2Cは、エリアの大部分が吸液性102である材料にある2つの流体チャネル118を示す。
一実施形態において、図3Aに示すように、チャネル118の流体網は、広範囲にある水分112を中央の滴下点108に集めるように構成されてもよい。他の態様において、チャネル118は、図3Bに示すように、過剰な水分がすべて2つの側方滴下点108に分かれて滴り落ちるように構成されてもよい。
図4Aに示す別の実施形態において、流体チャネル118は、ハート形などの美的パターンを形成する曲線となるように構成されてもよい。他の態様において、チャネル118の異なる長さが、図4Bに示すように、パターン化された形状に位置づけられてもよい。
さらなる別の実施形態において、吸液チャネルパターンは、パターンの乾湿にかかわらず、衣服の装飾として目立つように布に異なる染料で着色されたものであってもよい。
滴下点108の形状は、流体チャネル網の滴下速度に影響を及ぼしうる。滴下点108の幾何学的形状は、チャネルと異なるものであってもよく、それによって、流体チャネル網の滴下プロセスが加速または減速し、流体チャネル網のサイフォンシステムの流体除去速度全体も影響を受けうる。例えば、滴下点が狭いと(チャネル幅に対して)、チャネルの滴下速度は加速する。図5Aから図5Cは、異なる滴下点108の形状の例を示す。図5Aに示す滴下点は、図5Bまたは図5Cに示すものより速い滴下速度を生じる。
チャネル118は吸液性のものであるべきであるが、吸液性領域102の厚さは、基材を全体では不均一でありうる。言い換えれば、吸液性領域102の一部は、布の湿り気をさらに低くし、流体管理を向上させるために、より低い吸液性または撥液性のものであるように修正されてもよい。
図6Aから図6Dに示す一実施形態600において、吸液性領域102の底部領域602は、撥液性層604によって覆われてもよい。図6Aは、流体発生表面、この例では、人体の皮膚に接触する材料の内面層を示す。図6Bは、材料の断面図を示し、撥液層604によって吸液性領域102(チャネル)の下部領域602がどのように覆われるかを示す。図6Cは、材料の外面を示す。図6Dは、このデザインにより、材料の外層の流体チャネルの底部に溜まった滴116が、皮膚と材料の内層とのギャップに後退して流れるのではなく、どのようにして滴下が促されうるのかを示す。この実施形態において、撥液パターンの長さは、材料の内層液体の静水圧が、外側の滴下する滴のラプラス圧ΔP2より高くなるような長さのものである。
図7Aから図7Cは、図7Aに示す材料106の内面層の撥液性領域104が、図7Cに示す材料の外側表面層のものより広い面積範囲を有する一実施形態700を示す図である。材料の内面層(液体生成面と接触状態にある)は、小さな円形(または任意の他の形状)からなるパターン702の非連続的な吸液性領域102を有する。材料の内面にあるこれらの吸液性領域102は、図7Bの断面図に示すように、吸液経路704を介して材料の外層吸液チャネル118に接続される。材料の内面層上にパターン702を形成する吸液性領域102は、外側サイフォン網(吸液チャネル118)へ水分を吸う小さな入口として作用する。内面層から外層へのこの構造の水分除去速度は、材料106の内面層および外面層をつなぐチャネルとして作用する入口のサイズに大きく制限される。入口のサイズが大きいほど、流速は速くなる。
材料の内面層パターンは、円形のような単純なものであってもよく、複雑なものであってもよい。パターンのサイズはさまざまなものであってもよい。内面層の吸液パターンは、外層のパターンサイズより大きいか、または小さいものでありうる。
図8Aから図8Cに示す実施形態800において、図8Aに示す材料の内層は、各円形部802間に5mmの空間を設けて5mmの吸液円形部802を有する。吸液パターンが均一に分布することで、水分が効率的に取り込まれる。吸液円形部は、材料基材を貫通し、材料の内層上の吸液円形パターン全体をつなぐ流体チャネル網デザインを有する材料の外層とつながる。チャネルデザインは、材料の濡れエリア全体が最小限に抑えられるように、吸液円形部のすべてをつなげるように最小数のチャネル118を使用する。また、外層チャネルパターンは、材料基材全体にわたってパターンが繰り返されるように構成される。図8Bは、デザインの断面図を示す。図8Cは、材料の外面を示す。外層チャネル118は、そのほとんどが垂直方向であり(5.5mm幅および5mm間隔)、線をつないで主要チャネルの底部の位置に1つの滴下点108へと合わさる2つの45°傾斜したチャネルを有する。
図9Aから図9Cの実施形態900は、図8Aから図8Cに示す実施形態の一変形例である。この実施形態900において、吸液チャネル118は、矩形状の代わりに不規則な形状であり、吸液経路は、内面層でより小さく(図9A)、外層までの材料の厚みを通って流体チャネル118にいくほど大きくなる。
図10Aから図10Cに示す実施形態1000において、材料106の外層上の吸液チャネル118は狭い領域1004を有し、この狭い領域1004は、内面層1002につながる吸液性領域より狭い。このデザインにより、内面層1002とつながる吸液性領域を通して同様の輸送速度を維持しながら、材料全体の濡れ面積をさらに縮小できる。図10Aは、材料106の内面上にパターン化された外層1002とつながる吸液性領域を示す。図10Bは、実施形態1000の断面図を示す。
他の態様において、材料の内面層の流体チャネルの大部分を撥液性コーティングで覆ってもよい。チャネルのこの領域は、水分用の高速輸送チャネルとして作用でき、材料の内面層へ液体が戻ることがないように液体の漏出を防止できる。また、このようなデザインにより、親水性チャネルエリアの皮膚への付着を防止でき、毛管圧力による流体の流れの途絶を防止できる。また、このデザインにより、例えば、運動用衣服として材料が使用される場合など、大量の流体が汗まみれの皮膚に流れ落ちたときの不快感の軽減の一助ともなりうる。流体チャネルは、デザインの自由度を与えるとともに、流体が動く方向をより制御する。
同様に、図11Aから図11Cの図は、流体チャネル網パターンの外面層(図11C)が、図11Bの断面図に示すように、撥液性コーティングによって完全に覆われた実施形態1100を示す。パターンの内面層は、同図に示すように材料の上部から滴下点108まで一定を維持してもよく、または上述した実施形態の任意のものや特定の必要性に適した任意の他のパターンに類似したものであってもよい。これにより、水分がチャネル118に接触し材料内に流れうるが、図11Cに示すように、材料の外側からは見えない領域が得られる。この実施形態は、吸液性領域102のパターンへ水分を押す接触圧力を生じる引締め用衣服として作られる場合に特に有用でありうる。溜まった水分は、吸液チャネル118の構造体に維持されるか、または他へ運ばれうる。さらに、この実施形態は、汗をかいているときに非常に着心地の悪い撥液性衣服を着用しなければならない問題を解消する。これにより、体表の外側に撥液性および防塵性を維持しながら、汗を除去し身体を冷やす布デザインが得られる。
また、この実施形態は、材料の表面での凝縮を低減および管理するさいにも有用でありうる。図12に示すデザイン1200は、凝縮の過程で発生した水分1202を制御するための流体網構造の1つの可能な実施形態を示す。このパターンは、吸液チャネル間のギャップDにより材料に留まることが可能な大きいサイズの滴を制御する。ギャップDより大きいサイズまで大きくなった滴があれば、吸液流体チャネルによって運ばれ、最終的には底部の滴下点108に集められる。
図13に示す別の実施形態1300において、材料の内側と外側に2つの撥液性領域104があり、材料の中部に吸液性領域102があるサンドイッチ構造を用いた材料内に、完全に密封または閉鎖された吸液チャネル118が形成されうる。このタイプの構造は、布内に流体の流れの特定の方向を確保するさいに役立つ場合がある。さらに、このデザインは、材料、布、衣服などの外側に流れチャネル118が現れないようするために用いられうる。一般に、色つきの布が濡れると、布の見た目が濃くなる。この実施形態1300では、サイフォン網のチャネル118がほとんど見えない状態になる。このような閉鎖型のチャネル構造により、チャネル構造が見える可能性をなくす一助となる。上記構造は全チャネルパターンの一部でありうる。側部チャネル(図示せず)によって捕捉される水がこのチャネル内に供給され、この構造の底部で滴下しうる。
また、チャネル構造は、流体の流れを分離する中間層撥液性障壁によって分離されうる。言い換えれば、隣接する乾燥収集チャネルと湿潤収集チャネルとの間での逆向きの吸水流をなくすために、流体「ダイオード」構造が流体網内に組み込まれうる。図14に示す変形例において変形例において、3つの垂直チャネル118は、撥液ギャップ1402によって距離dだけ主要輸送チャネル118’からすべて分離されている。水分が垂直チャネル118の1つから下向きに移動すると、水分は、吸液性領域および撥液性領域が合流する境界に溜まる。液体が撥液ギャップ1402を乗り越える程集まると、液体は輸送チャネル118’へと流れ落ち、他へ運ばれる一方で、輸送チャネル118’が湿っている場合、水分は、撥液ギャップ1402により乾いた垂直チャネル118内には移動しない。この構造は、1つの網または複数の網間で吸液性領域を分離するために用いられてもよい。ギャップの形状は、特定の目的に合うように、三角形、矩形、または任意の他の形状のものでありうる。ギャップの位置は、輸送チャネル内、輸送チャネルの上方または輸送チャネルの縁であってもよいが、これらに限定されるものではない。
一実施形態1500において、内面1502上の吸液性領域での材料の厚さは、図15Aから図15Cに示すように、基材材料106の残りより厚みがあるとともに、さらに外向きに突出するものであってもよい。このようなさらなる厚さや支持構造は、撥液性領域104の安定性を高め、運動中の摩擦や圧縮に対する耐久性を高めうる。図15Aは材料の内面層を示し、図15Bは材料の断面図を示し、図15Cは材料の外面層を示す。
他の態様において、図16Aから図16Cの実施形態1600に示すように、材料106の内面層に撥液性領域104の支持構造104’が存在してもよい。図16Aは材料の内面層を示し、図16Bは材料の断面図を示し、図16Cは材料の外面層を示す。このように撥液性領域の厚みを増すことで、布の内側の乾いた領域の耐久性を高めることができる。また、布の内側で皮膚と直接接触した状態にある湿った領域の面積を縮小することにもなる。
以下、図17Aおよび図17Bを参照すると、吸液チャネル118と、例えば、流体チャネルの外側に着用された衣服のさらなる層との間を分離するために、乾燥層1702の追加が可能なように、基材106の外面層に支持構造104’を位置づけることもできる。この実施形態1700は、材料の底部分が吸液チャネル118でパターン化され、強撥液性材料の別の層(撥水性乾燥層1702)に接着されて、外側撥水性(アウトドア用の雨具などの衣服に必要とされる)および湿度や温度に制限されない内層の迅速水分除去能力の両方を与えるように少し変更されてもよい。上記構造により「一方向」の水分輸送方式が得られる。他の態様において、材料の内面層および外面層の両方に支持構造体104’があってもよい(図示せず)。
なお、材料の密度および/または多孔性が、本明細書に記載する実施形態の任意のものの材料の異なる領域で異なるものでありうる。
また、材料の複数の層が組み合わせられて、流体網構造を形成したり、基本的な流体網構造にさらなる機能を与えたりしてもよい。図18Aから図18Cに示す実施形態1800において、材料基材の2つの層が組み合わせられている。円形パターン1804を有する撥液性材料1802の第1の層が、流体網構造を形成するように、接着剤1806または他の接合方法を用いて、外側吸液チャネル118パターンを有する撥液性材料1808の第2の層に接合されてもよい。図18Aは、吸液円形パターン1804を有する材料の内面層を示す。図18Bは、断面図を示す。図18Cの断面図に示すわずかに異なるデザインにおいて、部分的撥液性領域は、布、ゴム、プラスチック、ポリマー、金属などの完全に撥液性の材料1810で作られた膜との置き換えや当該膜での強化ができる。材料は、接着剤1806を用いて布の背面に密接に取り付けられてもよく、流体の流れが皮膚に触れないようにする。この材料の厚さは、限定的なものではない。この膜1810は、材料が衣服として着用される場合、高い流体圧力に抵抗するさいに有用でありえ、水分の流れと皮膚との間に障壁を与えうる。図18Dは、流体チャネルを備える外面層を示す。
図19は、流体チャネル網の領域が、水分を収集可能な吸収性材料(例えば、ウィック性繊維、綿、高吸水性樹脂など)1902の領域に接続され、水分が材料から滴下するのを防止しうる実施形態1900を示す。これらの吸収性材料は、材料の吸液チャネル118のシステムに沿った輸送を容易にし、材料から滴下しないように水分を内側に留めるようにする。この実施形態は、水分が地面に落ちるのを望まない状況(例えば、室内でのバスケットボール、バドミントンなどの競技時)において、または高い流速の輸送が要求される場合において有用である。
また、吸液チャネル118の滴下点108は、図20の実施形態2000に示すように、移動構造体でありうる。この構造体は、吸液チャネルの滴下点が、滴下点を吸水収集領域に切り換えることができる「スイッチ」として作用しうる。この構造を材料上の吸収領域2002のパネルに固定することによって、輸送された水分のすべてが集められうる。この滴下点を吸収材料2002のパネルから離して固定することによって、水分は滴下されうる。一実施形態において、この構造体は、流体チャネルに固定されたさらなる吸液性ストリップであってもよく、簡単な取り外し用のVelcro(登録商標)などの両面使用可能な取り付け具を先端部に有しうる。
吸液チャネル118の形状は、表面張力駆動流を利用するように特別に構成されうる。吸液チャネル118は、一端から他端へ増大する幅を有してもよく、例えば、図21Aに示すように、三角形状を有するものでありうる。しかしながら、チャネルは、任意の目的に合わせて必要な形状であれば、任意の形状のものでありうる。図21Bを参照すると、液滴116は、この領域に接触すると、液滴116の前後での表面張力が不均衡であることにより、より大きな幅の端部の方へ自発的に移動する。
図22Aおよび図22Bは、明確な吸液・撥液界面とは対照的に吸液性の勾配を形成するようにより低い吸液性の領域2204によって囲まれた吸液性領域2202を材料が備える別の実施形態2200を示す。水が材料に触れると、図22Bに示す濡れ勾配により、水は吸液性がより低い領域から吸液性がより高い領域へ方向2206に沿って移動する。この構造は、撥液・吸液のコントラストではなく、吸液性の勾配を要する。言い換えれば、流体は、吸液性がより高い領域を満たす傾向にある。これにより、吸液性がより高い領域に沿って、基材の平面における流体の一方向のウィック性が得られる。その結果、水分は、布の表面に不均一に分布され、吸液性がより低いエリアに比較的乾いた領域を生じさせる。このような吸液性領域は、重力がかかることで、水分が、まず、材料にあるより高い吸液性のパターンを通して吸水されやすくなるように、重力方向に沿うように構成されてもよい。
図23Aおよび図23Bは、図8Aから図8Cに概略的に示す一体型の流体網構造を有する布の小さな部分の画像である。図23Bは、布の内層を示す。図23Bは、滴下点108に滴116がある布の外層を示す。
本発明は、流体網構造の作成方法についての例を参照しながらさらに深く理解されるであろう。これらの例は、例示的目的でのみ記載されたものであって、添付の特許請求の範囲に規定されるような本明細書に記載された技術の範囲を限定する意味で解釈されるべきではない。
流体網構造は、図24に示すように、スクリーンローラ2406を用いて吸液性材料2404に撥液性コーティング2400パターン2402を印刷することによって構成されうる。現在、平台印刷、輪転印刷、インクジェット印刷などを含むさまざまな繊維印刷方法が利用可能である。織物、編物または不織物の構造において綿、処理ポリエステル、ナイロン、絹、竹繊維を含むが、これらに限定されるものではない任意の吸液性材料が、材料基材106として用いられてもよい。吸液チャネルまたは流体網構造を作り出すために、フッ素化合物、シリコーン、ワックスまたは他の同様の材料など、耐久性のある撥液剤の任意のものが用いられてもよい。
印刷方法のうち、インクの移動を抑制し、より明確または鮮明な印刷を維持するために、さまざまな増粘剤を使用するものもある。一般に、印刷時には、制御可能な変数が多くある。印刷ペーストの粘度、塗布する印刷ペーストの量、ローラ/ワイパーの圧力、速度、スクリーンのメッシュサイズなどのいくつかの変数が、印刷ペーストの浸透深さを制御するために用いることができる。インクの浸透深さを制御する1つの方法は、印刷ペーストが混ざり合うことなく布を通って完全に浸透できるように、印刷パラメータを調節することである。印刷スクリーンによって規定される材料基材上に流体網構造が形成されうる。
吸液パターンを内部に有する材料を容易に作るには、二段階の印刷プロセスを利用すればよい。図25Aは、流体チャネル118構造を形成するために、材料基材106を完全に浸透させるスクリーンローラ2500を用いて、材料の外層チャネルパターンが印刷される様子を示す。図25Bに、近接図が示されている。図26Aおよび近接図である図26Bに示すように、材料基材106の同じ側に再度印刷するために、材料の内面層に対して、内面層パターン2600を有するスクリーンローラが用いられうる。印刷パラメータを調節することによって、内層パターンは、基材の他方側がチャネルパターンのままであるように基材の半分しか浸透されない。このような浸透は、外側チャネルの吸い上げ挙動が影響を受けることがないように、または吸液性が落ちないように十分に制御される必要がある。内面層の入口パターンがチャネルパターンのすぐ上にくるように、印刷プロセスにおいて2つのスクリーンが位置合わせされうる。このような位置合わせは、マルチカラー印刷プロセスに類似している。正確な位置決めを伴うマルチカラー印刷と同様に、撥液パターンは、非常に正確に位置合わせすることができる。
他の態様において、流体チャネル構造は、材料基材の一方側を印刷し、浸透厚みを材料基材の半分より大きくなるように制御した後、材料基材の他方側に半分の浸透より多く再度印刷することによって作ることができる。このようにして、同様の流体チャネル構造を作ることができるが、この方法は、印刷中に布を回転させる必要がある。内層デザインのより密度の高いランダムなパターンのために、引き続き印刷プロセス中に2つのスクリーンを整列させる必要はない。チャネルパターンの上部に位置する撥液パターンは常に一部存在する。
また、印刷プロセスは、図22Aおよび図22Bに示す実施形態2200を構成するために使用されてもよい。流体チャネル構造は、材料のある一定の領域を吸液性は低いが、完全に撥液性のものではないようにして作ることもできる。
別の実施形態において、流体チャネルパターンは、インクジェットプリンタで布に形成されうる。インクジェット印刷の利点は、他の印刷方法より正確にインク量および浸透力をデジタル制御できることである。また、インクジェットプリンタは、印刷基材に関してより柔軟なものである。このプロセスは、原布だけでなく完成したシャツにも働く。スクリーン印刷法と同様に、布は2つの方法で印刷可能である。一実施形態では、まず布の正面を印刷した後、布の背面を印刷する。背面側のパターンが正面パターンと重なるほど密度の高いものであれば、正面パターンと背面パターンの位置合わせは不要である。インクジェット印刷により噴射されるインク量は、印刷解像度、ヘッドからの噴射圧力、インクジェットヘッドと基材との間の距離によって制御される。布に噴射されるインク量が多すぎると、インクは混ざり合い、良好な画像にならない。一方、布に噴射されるインクが十分でなければ、インクの適用範囲が不完全であるため、撥液性領域の撥水性が落ちる。したがって、使用するインクの量を印刷ごとに制御することが重要である。
良好な解像度および良好な撥水性の維持は、反復印刷法を用いて達成されうる。撥液性コーティングは、熱処理を施さなければ強度が高くないため、1回目の印刷がほぼ乾いた状態になった後に2回目の印刷を行うことで、パターンの印刷に一定量のインクが使用されうる。必要であれば、反復印刷も使用されうる。インクジェット印刷では多数のパラメータを制御できるため、この印刷方法の正確さは非常に高いものとなりうる。
繊維の良好な浸漬を維持しながらパターン解像度を高める他の方法として、「ストローク+充填」モードの使用がある。最初に、パターンの境界のみパターンを印刷し、次に、繊維に熱処理を施して印刷された境界を硬化する。境界が完全に硬化された後、パターンが完全に充填されるように、パターンの境界内の空の空間を充填する別のパターンを印刷する。疎水性コーティングがインクの拡散を規定し制限するため、混ざり合いの問題について懸念することなく布により多くのインクを使用することができる。
印刷プロセスを向上するためのさらなる別の方法は、インクジェット印刷とスクリーン印刷法とを組み合わせることによる方法である。スクリーン印刷技術は、印刷時に非常に大きな圧縮圧力をかけることができ、インク印刷技術は、非常に優れた印刷浸透制御を提供できる。まず、途中まで浸透させたパターンを形成するように布に印刷した後、貫通パターンを形成するようにスクリーン印刷プロセスを施すことができる。
流体網構造を構築する別の方法は、別々の布部分を縫い合わせて衣服全体にする方法である。吸液性領域および撥液性領域の特定の形状は、予め規定され、吸液性および撥液性の布から切り取られた後、親水性または疎水性の糸で境界を縫い合わせて衣服を形成する。
別の方法は、編成を印刷プロセスと組み合わせることである。編成プロセスを利用して、半浸透された撥液性構造および吸液性構造を作り、印刷を利用して、貫通浸透された撥液性構造を作る。
また、布は、撥液性繊維と吸液性繊維とを編み合わせることで作られてもよい。図27Aから図27Dに、編み流体チャネル構造2700の一実施形態を示す。撥液性繊維2702は、本来的に撥液性を備えるものであっても、吸液性繊維2704の改質によって達成されてもよい。撥液性繊維2702は、布に撥液性領域を形成するように配設され、吸液性の領域およびチャネルを形成するように吸液性繊維2704とともに編まれてもよい。
図27Aは編材の外層を示し、図27Bに内面層が示されている。図27Cは、撥液性繊維2702および吸液性繊維2704から構成された布の正面側と背面側にある編み畝構造の詳細な配列を示す。図27Dは、撥液性繊維2702および吸液性繊維2704の編み合わせ状態の例を示す。
材料は、撥液性領域および吸液性領域と異なる孔サイズを形成するように撥液性繊維を編んで作られうる。撥液性領域の孔サイズは、吸液性領域のものより小さくなり、これは式1による濡れ性の差を示す。その結果、高圧力下において、液体は孔がより大きな吸液性領域へ押圧され、撥液性領域は乾いた状態のまま、吸液性領域は湿り吸収状態になる。
図22Aおよび図22Bに示す実施形態2200を構成するために編成を用いることもできる。材料は、天然綿繊維のような吸液性繊維およびポリエステルやナイロンなどの純合成繊維のような低吸液性繊維を利用して構成されうる。この構造は、デザインしたパターンになるように2種類の糸を制御して位置決めする単純な編成プロセスを用いて達成されうる。他の態様において、流体構図は、吸液性領域および低吸液性領域で異なる孔サイズを形成するように吸液性繊維を編むことによって作られうる。低吸液性領域の孔サイズは、吸液性領域のものより大きいものとなる。
また、流体網構造を形成するために接合プロセスが利用されてもよい。吸液性材料が、チャネルパターンの形状に切り込まれ、水分が吸液チャネルパターンに接触できるようにする孔を含む撥液性材料基材106に付着されうる。接合は、熱可塑性の粉末、繊維または膜を含む技術により達成されうる。
撥液性材料基材に流体網構造を形成するために、縫い合わせプロセスが利用されてもよい。流体チャネルを形成するために、撥液性材料基材に吸液性の糸での縫い付けや刺繍が施されうる。他の態様において、流体チャネルを規定するために、吸液性材料基材に撥液性の糸がきつく縫い付けられうる。
(実施例および結果)
本明細書に開示する実施例は、例示的目的のものであって、いかなる場合も限定的であるように意図したものではない。
多孔性材料を通る力駆動流用の一体型流体チャネル網を有する布について説明する。流体管理の駆動力は、高所に位置する液滴の静水圧から生じる。図28Aから図28Cは、チャネルの長さ、幅および織物の多孔性(「白色」の布は孔サイズが最大であるのに対して、「灰色」の布は他行サイズが最小である)が、流体システムの流速にどのように影響を及ぼしうるかを示したグラフである。同様に、図29は、滴下点の形状が特定の流体チャネル網の流速にどのように影響を及ぼしうるかを示すグラフである。
撥液性領域の静水圧の安定性に及ぼす異なる影響を示すために、3種類の異なる編布素材を比較した。それぞれの種類の布(A、B、C)の2つの試料を裁断し、市販のフッ素重合体コーティング剤(Aqua Armor、Trek7)が装填されたインクジェットプリンタ(Freejet 500、Omniprint)を用いて撥液性コーティング剤で処理した。布へのコーティング液の浸透率がおよそ50%および100%となるように、2つの異なる印刷設定を用いた。各試料の静水圧は、実験室設置の装置で測定した。表1に示すように、同じ種類の布Aおよび布B(縦編みジャージー)の場合、孔サイズが大きいほど、漏れまでの耐性可能な静水圧は低くなる。これは、孔が大きい布ほど、水分に触れると湿りがちになることを示しており、このことは濡れ性モデルによっても予測されている。また、半浸透試料の静水圧は、全浸透印刷試料の傾向に沿うものであるが、より低い値を有する。布Cの両面編み構造は、布Aと同様の孔サイズを有し、両方の印刷コーティング浸透に対し、より高い静水圧を示した。これは、100%ポリエステルの両面編み構造を用いた布Cの低伸縮性および高安定性の構造に起因するとされる。このような特徴付けプロセスは、さまざまな用途(例えば、汗除去、凝縮など)において撥液性領域を構築するために適切な基材構造を選択するさいに有用であることが示された。
同じ構造(両面編み構造、吸液性ポリエステル、175gm-2)を有する2つの布試料を準備し、流体チャネル仕上げと水分ウィック性仕上げとを利用した流体管理の比較を行った。図30Aおよび図30Bに示すように、流体網チャネルデザインで布試料の1つをパターン化した。図30Bに示す内層パターンは、布の厚みの約半分まで浸透させた。
1つの実証において、流体網布3102の6cm×9cm片および従来の水分ウィック性ポリエステル3104の6cm×9cm片の両方を、図31の画像3100に示すように、プラスチック板に固定した。シリンジポンプ3110を使用して、2本の細管3114を用いて50mL/hの速度で水を供給した。水の吐出に伴い、2つの布が非常に異なる挙動を示した。従来の水分ウィック性ポリエステルは、湿った状態になり、水分が布の表面全体に広がった。流体チャネルパターンを有する布は、内面層(布の背面)から外側滴下点へと水をすぐに通し、滴下点では、およそ10秒後に布の外面に滴が形成された。
2分後、従来の水分ウィック性ポリエステル3104は完全に飽和状態になり、水がすべて布の内側に留まった。水分は、正方形の布の色が濃くなっていることで特定できる。一方、流体網3102を有する布の場合、水分は流体チャネル3106に含まれた。水分が流体チャネル3106内に集まり、滴下点3108へとチャネルの長さ流れ落ちるにつれ、滴3112が布から継続的に滴り落ち、プラスチック板(図示せず)の底部に小さな水たまりを形成した。これにより流体網構造の流体管理が示された。
また、重量含浸率、飽和時透湿性、布の内外の濡れ面積率および乾燥時間を含む、水による完全湿潤時の2つの布試料の異なる特性を比較するために、より定量的な測定を行った。表2から分かるように、各特性パラメータに対して、流体パターンを有する布は、従来の水分吸い上げ(制御)方式よりも優れた利点を示した。なお、このデータは、図30Aから図31に示す特定の流体チャネルデザインに相当し、他のデザインは、異なる値を有しうる。
図32Aに示すデザイン3200に従って、凝縮物3208制御布を構築した。流体チャネル網は、3mmより大きいすべての滴の除去を行いやすいデザインである。吸液性ポリエステル布パターンストリップ3202をレーザ彫刻機(VLS、Universal Laser)で裁断し、撥液性基材布3204(疎水性ポリエステル織物)に瞬間接着剤で接合した。
プラスチック板3206上に布試料を垂直方向に配置し、図32Bに示す画像3208に示すように、加湿器(型番号7144、Air−o−Swiss)を「高」出力設定で利用して、水蒸気流を生成した。6分後、水蒸気を停止させ、試料材料の重量および乾燥時間を記録した。比較の基準として、同じ形状を有する元の撥液性ポリエステル布を準備した。
その結果を表3に示す。流体チャネルを有する布の含水率が制御布より25%低いという実験の結論が得られた。
また、試料での滴の数および大きさが小さい(表面対体積比が大きい)ことから、乾燥時間が非常に速い(210分に対して110分)結果となった。実験中、余分な滴はすべて試料布の流体パターンの滴下点から転がり離れている様子が観察された。一方で、制御布試料では、滴はより大きなサイズ(〜4mm)まで大きくなり、任意の場所で布から流れ出た。これらの結果は、凝縮管理における流体チャネル構造の有効性を示している。
運動中の人体の発汗速度マッピングに関する出版物に掲載された研究によると、人体の異なる領域での発汗速度は著しく異なることが分かっている。額の発汗速度は、胸の中央の領域での発汗速度(546gm-2-2)の約3倍の1710gm-2-1でありうる。このような不均一さから、体表を覆う布は、運動中、異なる水分レベルになることが分かる。しかしながら、水分ウィック性布で構成された従来のスポーツウェアは、身体のさまざまな部分で発生した汗(額からの汗を含む)をすべて吸収し、水分を隣接する乾燥エリアで吸い上げる。これにより、発汗速度が遅いエリア(側胸部、胴部、下腹部などを含む)であっても、その特定の領域の下の汗だけを吸収していればより乾燥状態であったにもかかわらず、シャツのほとんどのエリアは均一に飽和された状態になりうる。
例えば、着用者のスポーツウェアの胸部エリアは、運動中、急速に飽和されべたついた状態になりうる。しかしながら、シャツのこのエリアは、首に沿ってシャツの襟に流れ、シャツの胸部エリアに広がる汗である頭部で発生した汗が吸い込まれる。したがって、図33Aおよび図33Bは、衣服全体に流体チャネル網3304を複数繰り返して設けて作られたシャツの前面3300および背面3302の画像を示す。
各パターンは、撥液性障壁によって分離され、各ユニットの除去能力は独立したものであるため、より低い発汗速度の領域3306はほとんど乾燥した状態のままである。シャツは、各流体チャネル網3304の滴下点3308で汗を滴下することによって、胴部で発生した汗を除去することができる。このような布構造は、シャツ、半ズボン、ズボン、タンクトップ、スポーツ用ブラジャー、下着などに適用されうる。
流体チャネル網の幾何学的形状および配列は、運動中の快適さを提供するように身体の発汗速度領域のマッピングに合わせて位置づけることができる。このような位置づけは、人体の生理学的特性や快適さに関してこれらの流体チャネル網を適切に配列し、特定の着用者に適合するようにカスタマイズすることもできる。提示した技術のさらなる態様は、衣類品のいくつかのカテゴリーの以下の例において明らかになる。以下の記載は、流体網構造を衣類品に適用するための技術の好ましい実施形態をすべて開示するためのものであるが、制限を課すものではない。流体チャネルおよび滴下点の幾何学的形状は非常に異なるものであってもよいが、以下の実施例は、さまざまな用途に対する流体チャネルおよび滴下点の位置づけを例示するためのものである。したがって、以下の図面におけるチャネルおよび滴下点は簡略化したものである。
図34Aおよび図34Bは、シャツの流体チャネル3400が、滴の形成および滴下が明らかではないように配設されてもよい様子を示す。この実施形態は、衣服の外面から複数の滴が流れ落ちることに当惑したり不快に思ったりする人に有用な場合がある。このデザインでは、流体チャネル3400は、身体から汗を除去し、シャツの底部で汗を滴り落とすように特別に配設される。流体チャネル3400は、シャツのほとんどを覆うように垂直方向に延伸される。底部輸送チャネル3402は、垂直流体チャネルに接続され、シャツの底部にある2つの滴下点3404へ水分を運び、滴下点から水分が放出され、滴り落ちることができる。着用者が動いているときに生じる風量によっても、滴の放出が促される場合もある。
流体チャネルの配列は、人体の異なる部分に生じた汗を特別に除去するようにデザインされうる。これを行うために、流体網構造を有する衣服は、長時間にわたって(例えば、運動活動中やスポーツの試合中など)着用者の快適さを維持する衣服の最小限エリアを利用して、ある場所から水分を除去することができる。撥液性領域が完全に乾燥しているため、この領域の浸透率は高い状態を維持し、この状態は、皮膚の気化による冷却効果に有益である。また、撥液性布の温度は高い状態のままであり、この状態は、運動中および運動後に感じ得る不快な冷えを軽減するのに有益である。1回のテストによれば、乾燥布は、汗が吸い込まれた布の温度より7℃高い温度が測定された。
図35Aを参照すると、この例のシャツ3500の正面側には、3つの主要な分離された吸液性領域がある(領域内の詳細な流体チャネル構造は、ここに示す簡易なデザインに限定されるものではなく、任意の着用者や用途に最適に作用するものであれば、任意のデザインであってもよい)。中央流域3502は襟部エリアから始まり、シャツの正面側の底部まで延伸する。左側領域3504および右側領域3506は、シャツの肩部から始まり、人体の胸部エリアを覆う。これらの3つの領域は、布の厚みにわたって延伸する撥液性領域3508によって互いに分離される。衣服の中央領域3502は、頭部および首部からシャツの底部へ流れる汗を、胸部エリアや腹部エリアに拡散することなく集めて運ぶためのものである。他の2つの領域3504、3506は、胸部エリアで発生した汗を衣服の側部の滴下点3518、3520に運ぶためのものである。シャツの腹部領域3508は、スポーツ活動中の多くの姿勢で胴部と頻繁に接触状態にはならないため、ほとんど撥液性のままである。
図35Bを参照すると、この例3500の背面側は、上側吸液性領域3510および中央吸液性領域3512を有する。上側領域3510は、正面側の襟部領域とつながり、シャツの側部へと斜め下向きに延伸する。中央領域3512は、上側領域3510の下方に位置し、背中の中央領域を覆うとともに、シャツの側部に巻きつく。2つの吸液性領域3510、3512は、布を貫通する撥液性領域3514によって分離される。上側吸液性領域3510は、主に頭部エリアおよび首部エリアから汗を集め、中央領域3512は、身体の上背部エリアから汗を除去し、汗をシャツの側部へと流す。下背部/ウエストエリアを覆う衣服の下部分は、シャツのこの部分が多くの活動中皮膚に頻繁に触れないため、完全に撥液性のものである。
図36Aおよび図36Bは、上記実施形態3500に示す全体的な領域配列に沿った詳細な吸液チャネル3602構成の別の実施形態3600を示す。各チャネルの背面側は、前述した記載により部分的に撥液性のものでありうる。矢印は、流体の流れの方向および滴下点3612、3614、3616、3618、3630、3632の場所を示す。
図36Aを参照すると、この実施形態3600のシャツの正面側には、3つの主要吸液性領域がある。左側および右側の吸液チャネル胸部領域3606、3608は、撥液性領域3620、3622によって主要な吸液チャネル3610から分離される。主要な吸液チャネル3610は、シャツの正面側を垂直方向に下向きに伸び、頭部および首部の領域3604から2つの底部滴下点3612、3614へ流体を運ぶ。左側の吸液チャネル胸部領域3606および右側の吸液チャネル胸部領域3608は、胸部からシャツの側部の滴下点3616、3618に流体を運ぶ。シャツの正面3620、3622および背面3624の腹部領域は、これらの領域がスポーツ活動中の多くの姿勢で胴部と頻繁に接触状態にはならないため、ほとんど撥液性のままである。
図36Bを参照すると、シャツの背面には、2つの主要な分離された吸液性領域3626、3628がある。吸液性の頭部/首部チャネル領域3626は、頭部および首部から側部滴下点3630、3632へ流体を運ぶ。
図37Aから図37Cに示す実施形態3700において、シャツの袖3706は、図36Aおよび図36Bに示す流体網デザインに組み込まれている。図37Cは、肩部に沿ってシャツの上腕部エリアへ下方に伸びる吸液チャネル3702を有するシャツの実施形態3700の側面図を示す。流体は、頭部および首部から肩部を通って、袖の端部にある滴下点3704へと下方に運ばれる。
状況によっては、例えば、バスケットボール、バドミントン、ラケットボールの試合などにおいては、衣服から表面へと流体が滴り落ちないようにすることが好適な場合もある。これらの状況の場合、吸液チャネル網の端部にある滴下点は、流体(例えば、汗)を保持しうる吸液性パネルに接続されて、流体を所望の場所に除去したり、パネル内に保持して蒸発させたりしうる。図38Aおよび図38Bは、底部吸液性パネル3802と、2つの側部吸液性パネル3804、3806と、図36Aおよび図36Bにおいて前述した例3600と同一の吸液チャネル網デザインとを備えたシャツの正面および背面の図をそれぞれ示す。これらのパネルは、シャツの側部にあるため、着用者は、スポーツ活動中、快適さを保つ。
図38Cは、運動後、着用者からの汗(濃い色)を滴下させずに集める吸液性パネルを底部3802に備えることを示した、図38Aに示すシャツの画像である。図38Dは、運動後、着用者からの汗を滴下させずに集める側部パネルを示す、図38Aおよび図38Bに示すシャツの画像である。両方の画像において、シャツの大部分は、吸液チャネル3808および側部パネル3806以外、乾燥状態として示されている。
図38Aから図38Dに記載した例の代わりに、吸液性側部パネル3804、3806は、シャツの残りとは異なる材料として構成されうる。また、吸液性側部パネル3804、3806および底部吸液性パネル3802は、取り外し可能にされて、流体で飽和状態になった場合は乾燥パネルと取り替えられてもよい。
前述した実施形態3800の別の構成において、吸収性パネルは、両面使用可能なものであってもよく、その場合、チャネル網とつながる滴下点を有するパネルと、吸液性(非滴下)パネルとの間に吸収性パネルが挟まれてもよい。着用者は、活動のさまざまな需要に応じて適切な汗管理モードを選択することができる。
図39Aおよび図39Bに示す実施形態3900の正面側は、襟部および胸部のエリアの両方を覆い、腹部領域3904が撥液性に保たれたまま、シャツの側部滴下点3906、3908まで延伸する吸液性領域3902を有する。図39Bに示す背面側には、下背中エリア3904は撥液性のまま、襟部エリアおよび上背中部エリアの両方を覆う同一の吸液性領域3902を有する。
図40は、図39Aに示す簡易なチャネル領域配列に沿ったシャツにあるツリーパターンの形状の流体チャネル網の図4000を示す。ツリー形状の頂部領域は、頭部、首部および胸部の領域からツリー形状の幹4004まで流体を運ぶいくつかのランダムに分布した短い流体チャネル4002からなる。次に、流体は、根の形状の流体チャネル4006を通って流れ、滴下点4008でシャツから離れる。
別の実施形態4100において、シャツの正面パネルには、図41Aから分かるように、撥液性領域によって分離された吸液チャネルの3つの領域がある。このデザインは、衣服が、身体に密着する引締め用衣服として着用されている場合に有用でありうる。上部吸液チャネル領域4102は、シャツの襟部領域とつながり、流体を腋下部エリアの滴下点4104、4106へ運ぶ。中央吸液性領域4108は、胸部エリアを覆い、シャツ4110、4112の中腹側部の滴下点へ流体を運ぶ。下腹部吸液性領域4114は、腹部エリアを覆い、底部から滴下するように流体をシャツの下側部分へ運ぶ。
図41Bに示すシャツの背面パネルは、撥液性領域によって分離された4つの吸液性領域を有する。上部吸液性領域4116は、シャツの襟部領域および肩部領域から衣服の上側側部滴下点4118、4120へ流体を運ぶ。左中央吸液性領域4122および右中央吸液性領域4124は、上背部を覆い、シャツの下側側部の滴下点4126、4128に流体を運ぶ。これらの2つの領域間のギャップは、撥液性領域4130であり、背骨への冷却作用のために最大通気性で中央領域を乾燥した状態に保つ。底部吸液性領域4132は、下背部エリアおよびウエストエリアを覆い、流体をシャツの底部に運ぶ。
別の実施形態において、衣服構成は、運動後の冷え後の感触を軽減するために、身体の感温部分から汗を離すように運ぶ吸液性領域を組み込んだものであってもよい。感応エリアは、背骨、胸の下方の胸部前方、腋の下のくぼみなどを含む、温度変化に対してより感度のある領域のものである。運動後のこれらのエリアの乾燥状態は、運動後に濡れた布により生じうる不快な冷えを軽減させる。この衣服構成は、布の蒸発冷却作用による運動後のこれらのエリアでの大きな温度低下を抑制しうる吸液性領域がより少なくても済むようにすることができる。他の形態において、運動中にこれらの領域にわたってより強い冷却感を与えるように、感温エリアにわたってより多くの吸液性領域が配設されうる。
別の実施形態において、流体網構造は、人体の幾何学的形状または輪郭に沿うものであってもよい。人体の凸形領域(例えば、胸部、肩部、腹部)は、吸液チャネルで覆われてもよく、一方で、人体の凹形領域(例えば、下背部)は、撥液性にされても、吸液性チャネルで覆われてもよい。着用者の性別も衣類品のデザインに影響しうる。男性と女性とでは身体の構造が異なるため、汗を運び除去するために異なる領域が利用されることになりうる。
別の実施形態において、衣服の吸液チャネルの数は、着用者特有の身体のエリアおよび発汗速度に応じてカスタマイズすることもできる。着用者の発汗速度がゆっくりな身体の領域に対しては、限定的な量の汗を皮膚から蒸発させて冷却するために、より多くの撥液性領域が配設されうる。発汗速度が速い着用者に対しては、より多量の汗を即除去するために、流体輸送機構(重力、圧縮力または表面張力)を使用するように、より多くの吸液チャネルが配置されうる。
別の実施形態において、活動前に着用者を予め冷やすために、または温暖時に着用者を単に冷やすために、流体網構造を有する衣服が利用されうる。衣服は、着用者が着用する前に水に浸して、着用者により長い冷却効果を与えるようにしてもよい。衣服の濡れたエリアが限定的でありうるため、衣服の重さはわずかしか増えない。また、衣服の冷え感は、衣服の濡れエリアと乾いたエリアとの比率を調節することによって制御されうる。
吸液チャネルの位置、数、流体の流れの方向および撥液性領域は、本記載の例に限定されるものではない。流体網構造の構成は、衣服の密着度、特定の活動中の着用者の姿勢、所望の美的感覚などに応じうる。さらに、シャツの正面側および背面側などは、分離されてもよく、衣服は、正面側または背面側のみが水分管理用に修正されるように構成されうる。
図42Aは、半ズボン4200に適用された場合の例示的な流体網構造の図を示す。半ズボンのウエストエリアにおいて、流体チャネル4202は、運動中に上半身から流れ落ちる汗が、ウエストバンドの流体チャネル4202で集められ、半ズボンの側部に運ばれうるように構成されうる。次に、汗は流体チャネル構造の縁部まで流れ落ち、滴下点4204、4026から滴り落ちる。図42Bは、図42Aに示す半ズボンの正面の画像である。図42Cは、図42Aに示す半ズボンの側部の画像である。半ズボン4108の残りは、着用者が半ズボンの下に下着を身に着けているであろうため、完全に撥液性のものにされうる。ウエストバンドに流体チャネルがない場合、より多量の汗が着用者の下着を含め、半ズボンに吸い込まれうる。
図43Aは、流体チャネル4302が脚部領域の側部まで延びる半ズボンに適用された場合の流体チャネル構成の別の例4300を示した図を示す。
図44は、吸液チャネル4402が、半ズボンの側部へ汗を運び、滴下点4404、4406を介して汗を滴り落とすように半ズボンを覆った半ズボン4400の別の流体チャネル網構成を示す図である。円形部4408は、半ズボンの内層にある流体入口の様態を示す一例である。
図45は、流体チャネル4502を有する吸液性流体網構造を備える靴下の一実施形態4500の図を示し、流体チャネル4502は、脚部から靴下の側部に流れる汗を運び、滴下点4504、4506を介して汗を滴り落とす。着用者の靴下および靴は、運動中、足部自体で発生する汗だけでなく、脚部から靴の中に流れ落ちる汗によっても飽和状態になりうる。流体チャネルを靴下に組み込むことで、脚部を不快にさせる靴の中に流れる身体の汗を大幅に低減させることができる。
図46Aは、吸液性流体網を備えたヘッドバンドの一実施形態4600の図を示す。ヘッドバンドは、吸液チャネル4602と、撥液性エリア4604とを備える。吸液チャネル4602は、額で発生した汗を顔の側部にある2つの滴下点4606、4608に運ぶパターンに配設される。吸液チャネル4602は、汗が目に流れ込んで目が沁みるのを防ぐ。重力駆動流の原理に従い、吸液チャネル4602は、汗を持続的に除去して着用者に涼感および快適さを与えるとともに、着用者が額を拭う必要がなくなるようにする。図46Bから図46Dは、図46Aに示す実施形態4600の画像である。このヘッドバンドは、スポーツウェア用の同じ布から構成され、従来のテリー織材料と比較すると非常に薄く軽量のものである。ヘッドバンドは、スポーツや工業的応用の両方で標準的な汗止めバンドとして利用されうる。このような汗方向付け構造は、帽子、ヘルメットまたは他の同様の衣類品の内側に一体化されうる。
運動用の衣服とともに使用するための流体網材料をデザインする際、特定の運動中の人の姿勢は、適正な流体チャネル構成を与えるために慎重に観察されるべきである。例えば、自転車用の衣服4700での流体チャネル4702の配列は、ランニングシャツとは非常に異なるようにすべきである。なぜなら、自転車の乗り手の上半身は、図47に示すように、時間のほとんどを垂直方向ではなくほぼ水平方向になるためである。衣服の背面および正面の流体チャネル4702は、運動選手が乗車姿勢をとるとき主に垂直方向となる。滴下点4704は、重力駆動による滴下を確保するためにズボンの底部に位置する。
図48Aおよび図48Bは、吸液性流体網を内部に有するテントの一実施形態4800の図を示す。流体網構造は、現行のテントデザインに存在する問題でありうる結露の管理に有用である。キャンパーが長い時間テント内にいると、キャンパーの息から発生した水蒸気がテントの内面に凝結しうる。水分は、24時間につき1Lまで溜まりうる。吸液チャネル4802を用いた適切な流体管理の場合、凝結した水分は、テントの屋根から不規則に滑り落ちてテントの床周辺に水たまりを作ることがない。その代わり、水分は、所望の場所に運ばれ、または吸液性パッドで吸収されてテントから排除されうる。また、流体網は、テントをしまう前に乾いた状態にしやすいようにテントに適用されるのは有用である。これにより、過剰な水分やカビが梱包したテントで増大することが回避される。
図48Aにおいて、流体網構造は、屋根の上部4804からテントの底部4806へ配設される。簡単に説明するために、流体パターンの一区画のみしか示していないが、流体網は、テントの4区画を覆うようにしてもよい。流体網構造は、前述した原理に従い、屋根に溜まる水の量を低減させることができる。図48Bにおいて、テントは、より長く拡張された半円筒状の吸液チャネル4802を有し、内部流体網配配列は異なる。チャネルの短い「補強リブ」4808は、屋根の上部の周囲に対称的であり、長い輸送チャネル4810は、水分が集められるテントの下端部の方に向いた角度を有する側壁4812上にある。
本明細書の記載から、本開示が、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない多数の実施形態を包含することを認識されたい。
1 流体管理装置であって、
第1の濡れ性を有する第1の領域と、第2の濡れ性を有する第2の領域とを含む基材を備え、
前記第2の領域は、前記第1の領域に隣接し、
前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
前記第2の領域は、流体流れ方向を有する流体チャネルを形成し、
前記流体チャネルは、流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように構成される流体管理装置。
2 前記加えられた力は、重力、圧縮力、毛細管力および表面張力の1つ以上である、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
3 前記流体チャネルとつながる滴下点をさらに備え、
前記滴下点は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
前記基材は、流体が前記滴下点に集まり、前記基材から滴り落ちるように構成され、
前記滴下点は、前記流体が前記基材から滴り落ちる速度を減速または加速するように構成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
4 前記流体チャネルは、一方向の流体の流れ用に構成された撥液性ギャップによって遮られる、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
5 前記第1の濡れ性は、撥液性領域を生じる撥液性のものであり、
前記第2の濡れ性は、吸液性領域を生じる吸液性のものである、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
6 前記流体チャネルに接触する流体は、流体発生表面に密接した状態にある前記撥液性領域によって発生した圧縮力によって推進される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
7 前記基材は、前記吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
8 前記基材は、前記撥液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
9 複数の流体チャネルが凝縮を管理するように構成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
10 前記基材に、第3の濡れ性を有する第3の領域をさらに備え、
前記第3の濡れ性は吸液性のものであり、
前記第3の領域は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
前記第3の領域は、流体を集め、前記基材から前記流体が滴り落ちないように構成された、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
11 前記第3の領域は、取り外し可能なように構成された、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
12 前記基材は、1つ以上の流体チャネルを含む第1の表面層と、第2の表面層と、
前記第1の表面層と前記第2の表面層との間に前記基材の厚みとをさらに備え、
前記流体チャネルは、前記第2の表面層の1つ以上の位置で前記基材の厚みを貫通し、
前記流体チャネルは、前記第2の表面層から前記第1の表面層へ前記流体チャネルに沿って流体が移動するように構成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
13 前記流体チャネルとつながる滴下点をさらに備え、
前記滴下点は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
前記基材は、流体が前記滴下点に集まり、前記基材から滴り落ちるように構成され、
前記滴下点は、前記第2の表面層にのみ位置づけられて、流体が基材から滴り落ちるときに前記第1の表面層に流体が接触しないように構成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
14 前記基材の厚みを貫通する前記チャネルの一部が、前記第2の表面層でより小さく、前記第1の表面層に近づくほど大きくなる、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
15 前記流体チャネルが、乾いている場合も濡れている場合も見えないように、前記第1の表面層の上部に撥液性材料層が位置づけられる、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
16 前記流体チャネルは、支持構造体を形成するように前記第2の表面層を越えて延伸する、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
17 前記流体チャネルは、衣服の構成要素である、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
18 複数の流体チャネルが、前記衣服のデザインを形成する、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
19 複数の流体チャネルが、人体の発汗を管理するために前記衣服に構成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
20 前記衣服はシャツであり、
第1の複数の流体チャネルは、人の首部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの底部へと汗を運ぶように構成された首部領域を前記シャツに形成し、
第2の複数の流体チャネルは、人の胸部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの1つ以上の側部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の胸部領域を前記シャツに形成し、
第3の複数の流体チャネルは、人の胸部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの1つ以上の側部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の背中部領域を前記シャツに形成する、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
21 第4の複数の流体チャネルは、人の頭部および首部から、前記シャツから汗が滴り落ちる袖部の底部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の袖部領域を前記シャツに形成する、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
22 流体管理装置であって、
第1の濡れ性を有する第1の吸液性領域と、第2の濡れ性を有する第2の吸液性領域とを含む基材を備え、
前記第2の吸液性領域は、前記第1の吸液性領域に隣接し、
前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
前記第1および第2の吸液性領域は、流体の流れのための濡れ性勾配を形成し、
流体が前記基材に接触すると、前記流体は、前記第1の吸液性領域から前記第2の吸液性領域に前記濡れ性勾配に沿って移動する、流体管理装置。
23 前記基材は、前記第2の吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
24 前記基材は、前記第1の吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
25 前記第2の吸液性領域の流体の流れは、重力、圧縮力、毛細管力または表面張力の1つ以上によって影響を受ける、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理装置。
26 流体管理装置であって、
(a)複数の流体チャネルを備え、
(b)前記複数の流体チャネルのそれぞれは、
(i)第1の濡れ性を有する第1の領域と、第2の濡れ性を有する第2の領域とを含む基材を備え、
(ii)前記第2の領域は、前記第1の領域に隣接し、
(iii)前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
(iv)前記第2の領域は、流体流れ方向を有する流体チャネルを形成し、
(v)前記流体チャネルは、流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように構成され、
(c)前記複数の流体チャネルは、流体網構造に配設される、流体管理装置。
27 流体管理方法であって、
第1の濡れ性を有する第1の領域を基材に作成することと、
第2の濡れ性を有する第2の領域を基材に作成することであって、前記第2の濡れ性は前記第1の濡れ性より高く、前記第2の領域は流体流れ方向を有する流体チャネルを形成することと、
流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように前記流体チャネルを構成することと、を備えた流体管理方法。
28 前記加えられた力は、重力、圧縮力、毛細管力および表面張力の1つ以上である、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理方法。
29 前記第1の領域および前記第2の領域は、印刷プロセスを用いて作成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理方法。
30 前記第1の領域および前記第2の領域は、編成プロセスを用いて作成される、あらゆる上記実施の形態に記載の流体管理方法。
本明細書の記載には多くの詳細が含まれるが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではなく、現時点で好ましい実施形態のいくつかの例を提供したものにすぎない。したがって、本開示の範囲は、当業者に明らかになりうる他の実施形態をすべて包含することを認識されたい。
特許請求の範囲において、要素を単数の要素として参照しているものは、特段の記載がない限り「1つおよび1つのみ」を意味しているものではなく、「1つ以上」を意味することを意図している。当業者に知られている開示された実施形態の要素と構造的、化学的および機能的に等価のものはすべて、本明細書に参照により明確に援用されたものとされ、本特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本開示にない要素、構成部品または方法ステップは、その要素、構成部品または方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているか否かにかかわらず、公にされるためのものであることが意図される。本願の請求項の要素は、「〜するための手段」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ミーンズ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。本願の請求項の要素は、「〜するためのステップ」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ステップ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。



†23℃、湿度40%で実験を行った
‡25℃、湿度37%で実験を行った



Claims (30)

  1. 流体管理装置であって、
    第1の濡れ性を有する第1の領域と、第2の濡れ性を有する第2の領域とを含む基材を備え、
    前記第2の領域は、前記第1の領域に隣接し、
    前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
    前記第2の領域は、流体流れ方向を有する流体チャネルを形成し、
    前記流体チャネルは、流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように構成される流体管理装置。
  2. 前記加えられた力は、重力、圧縮力、毛細管力および表面張力の1つ以上である、請求項1に記載の流体管理装置。
  3. 前記流体チャネルとつながる滴下点をさらに備え、
    前記滴下点は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
    前記基材は、流体が前記滴下点に集まり、前記基材から滴り落ちるように構成され、
    前記滴下点は、前記流体が前記基材から滴り落ちる速度を減速または加速するように構成される、請求項1に記載の流体管理装置。
  4. 前記流体チャネルは、一方向の流体の流れ用に構成された撥液性ギャップによって遮られる、請求項1に記載の流体管理装置。
  5. 前記第1の濡れ性は、撥液性領域を生じる撥液性のものであり、
    前記第2の濡れ性は、吸液性領域を生じる吸液性のものである、請求項1に記載の流体管理装置。
  6. 前記流体チャネルに接触する流体は、流体発生表面に密接した状態にある前記撥液性領域によって発生した圧縮力によって推進される、請求項5に記載の流体管理装置。
  7. 前記基材は、前記吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、請求項5に記載の流体管理装置。
  8. 前記基材は、前記撥液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、請求項5に記載の流体管理装置。
  9. 複数の流体チャネルが凝縮を管理するように構成される、請求項5に記載の流体管理装置。
  10. 前記基材に、第3の濡れ性を有する第3の領域をさらに備え、
    前記第3の濡れ性は吸液性のものであり、
    前記第3の領域は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
    前記第3の領域は、流体を集め、前記基材から前記流体が滴り落ちないように構成された、請求項1に記載の流体管理装置。
  11. 前記第3の領域は、取り外し可能なように構成された、請求項10に記載の流体管理装置。
  12. 前記基材は、1つ以上の流体チャネルを含む第1の表面層と、第2の表面層と、
    前記第1の表面層と前記第2の表面層との間に前記基材の厚みとをさらに備え、
    前記流体チャネルは、前記第2の表面層の1つ以上の位置で前記基材の厚みを貫通し、
    前記流体チャネルは、前記第2の表面層から前記第1の表面層へ前記流体チャネルに沿って流体が移動するように構成される、請求項1に記載の流体管理装置。
  13. 前記流体チャネルとつながる滴下点をさらに備え、
    前記滴下点は、前記流体チャネルの重力最下点付近に位置づけられ、
    前記基材は、流体が前記滴下点に集まり、前記基材から滴り落ちるように構成され、
    前記滴下点は、前記第2の表面層にのみ位置づけられて、流体が基材から滴り落ちるときに前記第1の表面層に流体が接触しないように構成される、請求項12に記載の流体管理装置。
  14. 前記基材の厚みを貫通する前記チャネルの一部が、前記第2の表面層でより小さく、前記第1の表面層に近づくほど大きくなる、請求項12に記載の流体管理装置。
  15. 前記流体チャネルが、乾いている場合も濡れている場合も見えないように、前記第1の表面層の上部に撥液性材料層が位置づけられる、請求項12に記載の流体管理装置。
  16. 前記流体チャネルは、支持構造体を形成するように前記第2の表面層を越えて延伸する、請求項12に記載の流体管理装置。
  17. 前記流体チャネルは、衣服の構成要素である、請求項1に記載の流体管理装置。
  18. 複数の流体チャネルが、前記衣服のデザインを形成する、請求項17に記載の流体管理装置。
  19. 複数の流体チャネルが、人体の発汗を管理するために前記衣服に構成される、請求項17に記載の流体管理装置。
  20. 前記衣服はシャツであり、
    第1の複数の流体チャネルは、人の首部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの底部へと汗を運ぶように構成された首部領域を前記シャツに形成し、
    第2の複数の流体チャネルは、人の胸部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの1つ以上の側部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の胸部領域を前記シャツに形成し、
    第3の複数の流体チャネルは、人の胸部から、前記シャツから汗が滴り落ちる前記シャツの1つ以上の側部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の背中部領域を前記シャツに形成する、請求項19に記載の流体管理装置。
  21. 第4の複数の流体チャネルは、人の頭部および首部から、前記シャツから汗が滴り落ちる袖部の底部へと汗を運ぶように構成された1つ以上の袖部領域を前記シャツに形成する、請求項20に記載の流体管理装置。
  22. 流体管理装置であって、
    第1の濡れ性を有する第1の吸液性領域と、第2の濡れ性を有する第2の吸液性領域とを含む基材を備え、
    前記第2の吸液性領域は、前記第1の吸液性領域に隣接し、
    前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
    前記第1および第2の吸液性領域は、流体の流れのための濡れ性勾配を形成し、
    流体が前記基材に接触すると、前記流体は、前記第1の吸液性領域から前記第2の吸液性領域に前記濡れ性勾配に沿って移動する、流体管理装置。
  23. 前記基材は、前記第2の吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、請求項22に記載の流体管理装置。
  24. 前記基材は、前記第1の吸液性領域内に、濡れ性勾配を生じる複数の接触角度を備える、請求項22に記載の流体管理装置。
  25. 前記第2の吸液性領域の流体の流れは、重力、圧縮力、毛細管力または表面張力の1つ以上によって影響を受ける、請求項22に記載の流体管理装置。
  26. 流体管理装置であって、
    (a)複数の流体チャネルを備え、
    (b)前記複数の流体チャネルのそれぞれは、
    (i)第1の濡れ性を有する第1の領域と、第2の濡れ性を有する第2の領域とを含む基材を備え、
    (ii)前記第2の領域は、前記第1の領域に隣接し、
    (iii)前記第2の濡れ性は、前記第1の濡れ性より高く、
    (iv)前記第2の領域は、流体流れ方向を有する流体チャネルを形成し、
    (v)前記流体チャネルは、流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように構成され、
    (c)前記複数の流体チャネルは、流体網構造に配設される、流体管理装置。
  27. 流体管理方法であって、
    第1の濡れ性を有する第1の領域を基材に作成することと、
    第2の濡れ性を有する第2の領域を基材に作成することであって、前記第2の濡れ性は前記第1の濡れ性より高く、前記第2の領域は流体流れ方向を有する流体チャネルを形成することと、
    流体と前記流体チャネルとの接触に応答して前記流れ方向に加えられた力によって、流体が前記流体チャネルに沿って移動するように前記流体チャネルを構成することと、を備えた流体管理方法。
  28. 前記加えられた力は、重力、圧縮力、毛細管力および表面張力の1つ以上である、請求項27に記載の流体管理方法。
  29. 前記第1の領域および前記第2の領域は、印刷プロセスを用いて作成される、請求項27に記載の流体管理方法。
  30. 前記第1の領域および前記第2の領域は、編成プロセスを用いて作成される、請求項27に記載の流体管理方法。
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