JP2017506335A - 電子線照射装置、および照射検出を有する照射システム - Google Patents

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Abstract

本発明の電子線照射装置7は、内部が真空状態の真空チャンバー1と;真空チャンバー1内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器6と;電子線発生器6で発生した電子線を真空チャンバー1の外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー1内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部とを有する窓構造体5と;窓構造体5と真空チャンバー1とを隔離する絶縁隔離部4と;窓構造体5の外面を覆う層状の絶縁被覆部3と;絶縁隔離部4および絶縁被覆部3の外面を覆うように設けられ、かつ接地されている導電層2と;を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子線照射装置、およびオンラインのビーム電流および線量を測定し、電子線照射装置のプロセス制御を可能にする電子線照射システムに関する。
本発明は、電子透過およびビーム測定の機能を促進する電子線窓の新規な構造を創作する。システムレベルにおいては、ビーム測定の適用を監視して、本発明は照射プロセスを制御する方法を提供する。
従来より、容器等の被照射体の滅菌処理や表面処理に用いられる電子線照射装置が知られている(例えば、特許文献1)。このような電子線照射装置は、内部が真空状態の真空チャンバーと、真空チャンバー内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器と、窓構造体とを有する。窓構造体は、電子線発生器で発生した電子線を真空チャンバーの外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部とを有する。薄膜部は、例えば、チタン箔のような金属箔で構成される。真空チャンバーには、例えば、ステンレス鋼が用いられる。
電子線発生器より発生した電子線は、窓構造体を通過して、電子線照射装置(真空チャンバー)の外部へ放出される。電子発生器より発生した電子線が窓構造体を通過する際に、その電子線(電子)の一部は窓構造体に吸収される。電子線の出力は、窓構造体に吸収された電子の量に比例する。このため、窓構造体に吸収される電子の量を検出することにより、電子線発生器より発生する電子線の強度を把握することが考えられる。適切に絶縁すれば、吸収された電子の量は、窓構造に流れる電流として検出される。このような装置は、本発明の基本原理を成している。
特開2011−26000号公報
しかしながら、窓構造体および真空チャンバーは導電性を有し、基本的に接地されているため、電流検出ができない。フローティングであって接地されていないとしても、信号は吸収された電子を表すものではない。その理由としては、システムで検出される電流値は、窓構造体に吸収された電子に基づく電流成分以外に、真空チャンバーおよび窓構造体から流れ込んだ電流成分を含んでしまう。また、窓構造体で検出される電流値は、照射プロセスのための周囲条件に基づいて窓構造体の外面近傍でプラズマが発生することに起因した、窓構造との荷電粒子相互作用の結果として流れるプラズマからの荷電粒子成分を含んでしまう。このため、窓構造体に吸収された電子に基づく電流値は、ビーム電流をほとんど表せていなかった。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するために、電子線発生器より発生した電子線が窓構造体を通過する際に窓構造体に吸収される電子に基づく電流値を精度良く検出することが可能な電子線照射装置を提供することを目的とする。電子線照射システムのための電子線照射の出力を監視したり、プロセス制御のために使用される。
本発明は、以下のとおりである。
(1)内部が真空状態の真空チャンバーと;真空チャンバー内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器と;電子線発生器で発生した電子線を真空チャンバーの外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部とを有する窓構造体と;窓構造体と真空チャンバーとを隔離する前縁隔離部と、窓構造体の外面を覆う層状の絶縁被膜部と;を備えることを特徴とする電子線照射装置。
(2)絶縁部材の外面を覆うように設けられ、かつ接地されている導電層をさらに備えることを特徴とする(1)に記載の電子線照射装置。
(3)窓構造体は、その温度を調整するための冷却媒体が流れる冷却流路を有することを特徴とする(1)に記載の電子線照射装置。
(4)(1)に記載の電子線照射装置と、窓構造体を流れる電流値を検出し、検出された電流値に応じて電子線発生器から照射される電子線の強度を調整する監視制御装置と、を備えることを特徴とする電子線照射システム。
(5)(2)に記載の電子線照射装置と、導電層を流れる電流値を検出し、検出された電流値に応じて窓構造体の外側の外部雰囲気の残留時間、温度、および湿度の少なくとも1つを調整する監視制御装置と、を備えることを特徴とする電子線滅菌システム。
(6)(3)に記載の電子線照射装置と、窓構造体を流れる電流値を検出する監視制御装置と、監視制御装置で検出された電流値に応じて冷却媒体の流量を調整する流量制御装置と、を備えることを特徴とする電子線照射システム。
本発明によれば、電子線発生器より発生した電子線が窓構造体を通過する際に窓構造体に吸収される電子に基づく電流値を把握することによって、照射器を離れる電子の量を正確に感受することが可能な電子線照射装置を提供することができる。また、上記の電子線照射装置を備えた電子線照射システムを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る、電子線照射装置を備えた電子線照射システムの概略構成図である。
図2は、図1の電子線照射システムに用いられる電子線照射装置の一例を示す図である。
図3は、図2のノズル部31bの先端部分36の拡大断面図である。
以下、本発明の、電子線照射装置を備えた電子線照射システムの一実施形態を、図1を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
図1に示すように、電子線照射システムは電子線照射装置7を備える。電子線照射装置7は、例えば、容器の外面に電子線を照射するのに用いられる。電子線照射装置7は、内部が真空状態の真空チャンバー1と、真空チャンバー1内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器6と、窓構造体5とを備える。真空チャンバー1には、ステンレス鋼のような導電性を有する材料が用いられる。
窓構造体5は、真空チャンバー1に設けられ、電子線発生器6で発生した電子線を真空チャンバー1の外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー1内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部と、を備える。窓構造体5には、チタンや銅のような導電性を有する材料が用いられる。
窓構造体5は、例えば、複数の開口部を有する、例えば銅製のグリッドと、グリッドの複数の開口部を一括して覆うように、グリッドの表面に支持された金属箔(例えば、チタン箔)とを有する。透過窓は、複数の開口部により構成される。薄膜部は金属箔により構成される。
また、グリッドを用いずに薄膜部のみで窓構造体5を構成してもよい。
さらに、窓構造体5としては、レーザを用いたパターニング加工により肉薄部と肉厚部とが形成されたものを用いてもよい。薄膜部は、肉薄部を有する。透過窓は、肉厚部および肉薄部とで形成される凹部を有する。
窓構造体5の全面が薄膜部で構成されていてもよく、窓構造体5の一部が薄膜部で構成されていてもよい。
電子線照射装置7は、さらに、窓構造体5と真空チャンバー1とを隔離し、かつ窓構造体5の外面(窓構造体5が外部雰囲気に露出する面)を層状に覆う絶縁部材を備える。絶縁部材は、窓構造体5と真空チャンバー1とを隔離する絶縁隔離部4と、窓構造体5の外面(窓構造体5が外部雰囲気に露出する面)を層状に覆う絶縁被覆部3とを有する。窓構造体5の表面は、電子線発生器6より電子線16が照射される部分を除いて、絶縁材料(絶縁隔離部4および絶縁被覆部3)で覆われる。
絶縁隔離部4は、真空チャンバー1から窓構造体5へ流れる電流を遮断することができる。絶縁隔離部4は、例えば、AlまたはSiOで形成されている。絶縁隔離部4は、例えば、絶縁材料として使用可能なセラミックスで形成されてもよい。しかしながら、絶縁隔離部4の材料は、これらの材料に限定されない。絶縁隔離部4は、蒸着法により形成された層状の絶縁部材でもよく、ブロック状の絶縁部材でもよい。絶縁隔離部4は、例えば、ろう付法によって真空チャンバー1および窓構造体5との接合される。接合方法は、真空チャンバ1と窓構造5とを接合可能であれば特に限定されない。
電子線照射装置7は、絶縁部材の外面(絶縁部材、すなわち絶縁隔離部4および絶縁被覆部3が外部雰囲気に露出する面)を覆うように設けられ、かつ絶縁部材とともに接地されている導電層2を備える。これにより、窓構造体5の外面近傍に発生するプラズマにより窓構造体5にプラズマ電流が流れるのを抑制することができる。
より具体的には、絶縁被覆部3により、窓構造体5の外面近傍に発生するプラズマに起因して発生した電子が窓構造体5に吸収されるのを防ぐことができる。さらに、絶縁被覆部3の外面を導電層2で覆い、導電層2を接地することにより、窓構造体5の外面近傍に発生するプラズマに起因して発生した電子を、導電層2から経路15を経由して逃がすことができる。その結果、プラズマに起因して絶縁被覆部3に電荷が蓄積されること(チャージアップ現象)により窓構造体5にプラズマ電流が流れるのを抑制することができる。プラズマは、電子線の照射により窓構造体5の外面近傍で発生する。
窓構造体5の外面近傍のプラズマは、真空チャンバー1の外部に放出された電子(一次電子)と外部雰囲気との相互作用により発生する。窓構造体5の外面近傍には、真空チャンバー1の外部に放出された電子の散乱により生成した二次電子やイオンのような荷電種が存在する。
本発明では、真空チャンバー1および外部雰囲気のいずれの側においても窓構造体5は電気的に絶縁されている。このため、電子線発生器6より発生した電子線16が窓構造体5を通過する際に窓構造体5に吸収される電子に基づく電流値を精度良く、直接検出することができる。
本発明では、電子線が真空チャンバー1の外部へ放射される前の電子線に関するデータに基づいて、滅菌処理や表面処理に用いられる電子線の強度を精度良く把握することができる。また、このデータは、窓構造体5に到達する電子線16のすべてに対するデータとして処理することができる。よって、本発明では、真空チャンバー1の外部雰囲気へ放射された後の電子線を直接測定する場合における測定位置や外部雰囲気の状態(例えば、プラズマ状態)により測定値が異なるという不具合は生じない。検出された電流値は、設計が同じ電子線照射装置であれば適用することができる。
絶縁被覆部3は、例えば、SiO層で構成される。絶縁被覆部3は、例えば、絶縁材料として使用可能なセラミックスで形成されている。窓構造体5の外面に配される絶縁被覆部3は、例えば、蒸着法により絶縁材料の層を窓構造体5の外面に形成することにより得られる。また、窓構造体5の外面に配される絶縁被覆部3は、例えば、窓構造体5の外面に絶縁被覆部3を密着させることにより得られる。絶縁被覆部3は、電子線のほとんどが透過可能な薄い層(例えば、厚みがナノレベルの層)である。絶縁被覆部3の厚みは、絶縁被覆部3に吸収される電子の量が無視できるレベルに小さくなるように適宜決めればよい。
導電層2は、金属化合物で構成される。導電層2は、例えば蒸着法によって絶縁被膜部3上に形成される。薄い層を容易に形成可能であるため、蒸着法を採用することが好ましい。絶縁被覆部3が導電層2に接合可能であれば、方法は特に限定されない。導電層2は、経路15を介して接地されている。経路15には、導電層2を流れるプラズマ電流を検出するための電流計15aが設けられる。電流計15aで検出されるプラズマ電流により、窓構造体5の外面近傍における外部雰囲気の状態(例えば、外部雰囲気におけるプラズマの発生度合い、温度、湿度)を把握することができる。導電層2は、電子線のほとんどが透過可能な薄い層(例えば、厚みがナノレベルの層)である。導電層2の厚みは、導電層2に吸収される電子の量が無視できるレベルに小さくなるように適宜決めればよい。
真空チャンバー1は、その側面の壁が二重構造を有する。2つの壁の間の空間部分により冷却媒体を流すための冷却流路(図示しない)が形成されている。空間部分は壁により2つの領域に隔離されている。一方の領域は窓構造体5へ冷却媒体を供給するための供給流路となり、他方の領域が窓構造体5を通過した冷却媒体を排出するための排出流路となる。窓構造体5は、その温度を調整するための冷却媒体が流れる冷却流路(図示しない)を有する。窓構造体5の冷却流路の一方は、絶縁隔離部4中に設けた供給流路(図示しない)を介して、上記の供給流路に接続される。窓構造体5の冷却流路の他方は、絶縁隔離部4中に設けた排出流路(図示しない)を介して、上記の排出流路に接続されている。冷却用の媒体には、冷却用の媒体として使用可能な、水等の液体や空気等の気体が用いられる。上記の冷却流路としては、例えば、特願2013−093145号で記載されている冷却流路が挙げられる。
なお、本実施形態では、冷却流路を設けるために真空チャンバー1の側面の壁を二重構造としたが、真空チャンバー1の側面に冷却流路を設けない場合は、真空チャンバー1の側面を1つの壁で構成してもよい。
電子発生器6は、熱電子放出型の電子源(カソード)19と、電子源19を収容するガンシェル18とを備える。電子源19は、熱電子放出型以外に、電界放出型でもよい。電子源19にはフィラメントが用いられる。電子源19は、フィラメントカソードに代えてディスクカソードであってもよい。しかしながら、電子源19に使用されるカソードは、フィラメントまたはディスクカソードに限られない。リード10および11を経由して電子源19に電力が供給される。電子源19の周囲に必要な電界を維持するために、2つのリード10、11は、加速電圧にフローティングされている。リード11は、ノード17にてガンシェル18と接している。リード10は、ガンシェル18の孔を通り電子源19に接続されている。ガンシェル18は電子源19より発生する電子線をビーム状に集束させて電子線の軌道を調整するための電子レンズの役割を有する。
高電圧電源9によりガンシェル18と窓構造体5との間に高い電位差が形成され、ガンシェル18と窓構造体5との間に高電圧の電界が形成される。これにより、電子源19より発生した電子が窓構造体5(透過窓)に向かって加速され、窓構造体5より真空チャンバー1の外部へ放出される。真空チャンバー1は経路20を介して接地され、窓構造体5は絶縁部材および絶縁層のような電気的に絶縁される材料と接している。高電圧電源9は経路12を介して接地されている。
電子線発生器6で発生した電子線16は、窓構造体5(透過窓)を通過し、薄膜部(図示しない)、絶縁被覆部3、導電層2を透過し、電子線14として電子線照射装置7の真空チャンバー1より外部へ照射される。このとき、電子線16の一部は、窓構造体5、絶縁被覆部3、および導電層2に吸収される。
ここで、電子線照射装置7の外部に放射された、滅菌処理や表面処理に用いられる電子線14のビーム電流iTは、下記の式により表される。
=i−i+E
上記の式中、iは、電子発生器6より発生した電子線16のビーム電流を示す。iは、電子線発生器6より発生した電子線16が窓構造体5を通過する際に窓構造体5に吸収された電子に基づき窓構造体5を流れる電流を示す。Eは、電子線が被覆部3および導電層2を通過する際に絶縁被覆部3および導電層2に吸収された電子や、窓構造体5に到達しなかった電子に基づく誤差を表す。
窓構造体5を透過した電子のほとんどが絶縁被覆部3および導電層2を透過可能な程度に、絶縁被覆部3および導電層2の厚みを適度に薄くする。また、電子線発生器6より発生した電子のほとんどが窓構造体5に到達できるように電子線の出力条件を適宜設定する。これにより、誤差Eを無視できるレベルに小さくすることができる。誤差Eを無視できる場合、電流iを精度良く検出することで、電流値iの値を正確に把握することができる。
本発明の電子線照射システムは、さらに、窓構造体5を流れる電流値iを検出し、検出された電流値iに応じて電子線発生器6より発生する電子線の強度を調整する監視制御装置8を備える。監視制御装置8は、高電圧電源9に設けられている。窓構造体5を流れる電流iに関する信号に基づいて、監視制御部8により、リード10、11から電子源19へ供給される電力を精度良く調整することができる。また、導電層2を流れる電流ipに関する信号は、電流計15aと監視制御部8とを接続する経路により、監視制御部8に送られる。これにより、監視制御部8による制御に、前記外部雰囲気の状態を反映させることができる。例えば、電子線照射装置7および外部雰囲気は、ケーシング(図示しない)で取り囲まれている。この場合、オゾンや硝酸を含んだプラズマ生成物が窓構造体5の外側の外部雰囲気に保持され、電子線照射装置7を腐食させる。そのため、腐食を防止するために、電子線照射装置7とケーシングとの間(すなわち、窓構造体5の外側の外部雰囲気中)に換気ガス24を提供し、外部雰囲気の残留時間、温度、湿度などの状態を調整することが好ましい。具体的には、監視制御装置8は、外部雰囲気中に換気ガス24を提供する外部雰囲気制御装置25と接続されており、外部雰囲気の状態を反映する電流計15aとも接続されている。外部雰囲気制御装置25は、換気ガス24の換気速度、温度、および湿度の少なくとも1つを制御するように構成されている。したがって、監視制御装置8は、電流計15aで検出された電流値に関連して、外部雰囲気制御装置25を介して外部雰囲気の残留時間、温度、および湿度の少なくとも1つを調整することができる。この構成により、電子線照射装置7の腐食を防止することができる。
誤差Eを無視できる場合、電子線発生器6より発生した電子線のビーム電流iから窓構造体5を流れる電流iを差し引くことで、電子線照射装置(真空チャンバー1)より外部へ放射された電子線の電流値iが得られる。これにより、被照射体に照射される電子線の強度を精度良く把握することができる。
例えば、窓構造体5を流れる電流iWに関する信号は、図1中の経路13を通り監視制御部8に送られる。窓構造体5を流れる電流iは、オンラインにより監視制御部8において連続的に監視することができる。図1に示すシステムにおける監視制御装置8を用いたオンライン制御では、電子線が窓構造体5を通過することにより窓構造体5を流れる電流iを検出する第1ステップと、監視制御装置8に入力された被照射体の形状に関するデータとともに上記第1ステップで検出された電流値に基づいて、電子源19へ供給される電力を調整する第2ステップとを繰り返し実施することができる。
被照射体の形状に関するデータに基づいて監視制御装置8により電子源19へ供給される電力(電子線の強度)を制御することにより、規則的でない形状を有する被照射体の表面への照射量を精度良く調整することができる。電子線の照射量が最大許容線量を超えることなく、線量均一度(DUR:dose uniformity ratio)を最適化することができ、滅菌処理や表面処理を効率よく行うことができる。
監視制御装置8を用いたシンプルなオンラインでの制御を可能とする本発明では、規則的でない形状を有する容器に照射される線量を最適化するために、容器に対する透過窓の向きを調整したり、容器の照射窓に対する相対移動速度を調整したりするような、従来行っていた複雑な調整が要らない。
本発明の電子線照射システムは、さらに、窓構造体5を流れる電流値iを検出する監視制御装置8とともに、監視制御装置8で検出された電流値iに応じて窓構造体5中を流れる冷却媒体の流量を調整する流量制御装置22(マスフローコントローラ)を備える。
より具体的には、窓構造体5を流れる電流iに関する信号は、経路13を通り監視制御装置8に入力される。入力された電流iに関する信号に基づいて、監視制御装置8から所定の信号が出力される。監視制御装置8より出力された信号は、経路21を通り流路制御装置22に入力される。流量制御装置22に入力された信号に基づいて、流量制御装置22により窓構造体5が所定の温度に冷却されるように窓構造体5を流れる冷却媒体の流量が調整される。
上記の監視制御装置8および流量制御装置22を含むシステムにより窓構造体5が一定の温度になるように冷却媒体の流量を調整することができる。これにより、窓構造体5への熱負荷の変化(窓構造体5の温度変動)に起因する窓構造体の劣化を抑制して、窓構造体5を長寿命化することができる。
本実施形態の電子線滅菌システムでは、電子線照射装置7を用いたが、電子線照射装置7の代わりに、ノズル部を有する電子線照射装置37を用いてもよい。電子線照射装置37は、例えば、容器の内面に電子線を照射するのに用いられる。
電子線照射装置37は、図2および3に示すように、内部が真空状態の真空チャンバー31と、真空チャンバー31内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器(図示しない)と、電子線発生器で発生した電子線を真空チャンバー31の外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部とを有する窓構造体35とを備える。
真空チャンバー31は、電子線発生器を収納する本体部31aと、本体部31aから延出するノズル部31bとを備える。ノズル部31は、容器の内部へ挿入可能な形状(容器の内部へ挿入可能な長さおよび径の寸法)を有する。ノズル部31bの先端部分36には、窓構造体35が設けられている。
電子線照射装置37は、さらに、窓構造体35と真空チャンバー31とを隔離する絶縁隔離部34と、窓構造体35の外面を覆う絶縁被覆部33と、絶縁部材34および絶縁被覆部33の外面を覆うように設けられ、かつ接地されている導電層32とを備える。

Claims (6)

  1. 内部が真空状態の真空チャンバーと、
    真空チャンバー内に設けられ、電子線を発生させるための電子線発生器と、
    電子線発生器で発生した電子線を真空チャンバーの外部へ照射するための透過窓と、真空チャンバー内の真空状態を維持するために透過窓を覆うとともに、電子線が透過可能な薄膜部とを有する窓構造体と、
    窓構造体と真空チャンバーとを隔離する絶縁隔離部と、
    窓構造体の外面を覆う層状の絶縁被膜部と、
    を備えることを特徴とする電子線照射装置。
  2. 絶縁部材の外面を覆うように設けられ、かつ接地されている導電層をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 窓構造体は、その温度を調整するための冷却媒体が流れる冷却流路を有することを特徴とする請求項1記載の電子線照射装置。
  4. 請求項1記載の電子線照射装置と、
    窓構造体を流れる電流値を検出し、検出された電流値に応じて電子線発生器から照射される電子線の強度を調整する監視制御装置と、
    を備えることを特徴とする電子線照射システム。
  5. 請求項2記載の電子線照射装置と、
    導電層を流れる電流値を検出し、検出された電流値に応じて窓構造体の外側の外部雰囲気の残留時間、温度、および湿度の少なくとも1つを調整する監視制御装置と、
    を備えることを特徴とする電子線照射システム。
  6. 請求項3記載の電子線照射装置と、
    窓構造体を流れる電流値を検出する監視制御装置と、
    監視制御装置で検出された電流値に応じて冷却媒体の流量を調整する流量制御装置と、
    を備えることを特徴とする電子線照射システム。
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