JP2017504060A - リン表面処理剤を有するナノ粒子を含む自己集合層を含む物品 - Google Patents

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Abstract

基材、及び基材上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層を含む、物品が記載されている。層の一部分は、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む。ポリカチオンの単層とポリアニオンの単層とを含む二重層を含む物品も記載されている。ポリアニオンは、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む。ポリカチオンは、高分子電解質又は無機酸化物ナノ粒子であり得る。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
[概要]
1つの実施形態では、基材、及び基材上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層を含む、物品が記載されている。層の一部分は、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む。
別の実施形態では、ポリカチオンの単層とポリアニオンの単層とを含む二重層を含む物品が記載されている。ポリアニオンは、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む。ポリカチオンは、高分子電解質又は無機酸化物ナノ粒子であり得る。
更に別の実施形態では、基材を提供する工程と、交互積層自己集合によって形成される複数の層を基材上に配置する工程と、を含む。層の少なくとも一部分は、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、無機酸化物ナノ粒子は、少なくとも1.60の屈折率を有する。リン含有表面処理剤は、典型的には、リン含有酸又はこれらの塩である。
基材550と、基材550上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層510と、を含む例示的物品500の断面図である。 コーティング560を含む基材551と、コーティング560上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層510と、を含む例示的物品501の断面図である。 交互積層自己集合によって形成された複数の層510の一実施形態の断面図である。 多層光学フィルム130と、多層光学フィルム130上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層110と、を含む例示的物品100の断面図である。 例示的な多層光学フィルム130の断面図である。 交互積層自己集合によって形成された複数の層110の断面図である。 太陽電池の概略図である。 太陽電池の別の実施形態の概略図である。 集光型太陽熱発電システムの概略平面図である。及び、 集光型太陽熱発電システムの別の実施形態の概略平面図である。 実施例10〜12の交互積層自己集合コーティングの分光反射率を示している。
[詳細な説明]
本出願において使用するとき、
「ポリマー」とは、有機ポリマー及びコポリマー(即ち、2つ以上のモノマー又はコモノマーから形成されたポリマーであり、例えば、ターポリマーが挙げられる)を意味し、同様に、例えば、共押出又は反応(例えば、エステル交換が挙げられる)により混和性ブレンドに形成可能なコポリマー又はポリマーを意味する。ブロック、ランダム、グラフト、及び交互ポリマーが含まれる。
「ポリイオン」とは、水溶液(水)中で(負又は正に)帯電した高分子電解質又は無機酸化物粒子を指す。
「ポリカチオン」とは、水溶液(水)中で正に帯電した高分子電解質又は無機酸化物粒子を指す。
「ポリアニオン」とは、水溶液(水)中で負に帯電した高分子電解質又は無機酸化物粒子を指す。
「高分子電解質」は、反応単位が電解質基を担持するポリマーである。電解質基は、水溶液(水)中で解離し、ポリマーを帯電させることができる。したがって、高分子電解質の特性は、電解質(塩)及びポリマー(高分子化合物)の両方と同じであって、高分子塩と呼ばれることも多い。塩と同様に、溶液は導電性である。「強高分子電解質」は、広範囲のpHにわたって永久荷電を有する(例えば、第4級アンモニウム基又はスルホン酸基を含有するポリマー)。「弱高分子電解質」は、pHに依存する荷電レベルを有する(例えば、第1級、第2級、若しくは第3級アミン、又はカルボン酸を含有するポリマー)。
「(メタ)アクリル」は、メタクリレート、メタクリルアミド、アクリレート、又はアクリルアミドを指す。
「屈折率(index of refraction)」とは、「屈折率(index)」又は「RI」とも呼ばれ、別途記載のない限り、材料の平面内における、垂直入射又は近垂直入射(即ち8度)させた633nmの光に対する材料の屈折率を意味する。
「高屈折率」及び「低屈折率」は、相対語である。2つの層が、対象の両方の面内方向で比較された場合、より高い平均面内屈折率を有する層が、高屈折率層であり、より低い平均面内屈折率を有する層が、低屈折率層である。
「複屈折」とは、直交するx、y、及びz方向における屈折率が、全て同じではないことを意味する。屈折率は、それぞれx、y、及びz方向に関してn、n、及びnとして示される。本明細書で記載されるポリマー層においては、軸は、x及びy軸が層の平面内にあり、z軸が層の平面に対して直角であり、典型的には層の厚み又は高さに相当するように選択される。面内での1つの方向での屈折率が、別の面内方向での屈折率より大きい場合、x軸は一般に、最大屈折率を持つ面内方向となるように選択され、これは場合により、光学フィルムが配向される(例えば、延伸する)方向の1つに対応する。複屈折値は本明細書において、別途記載のない限り、垂直入射させた633nmの光に対して表される。
一軸延伸フィルムの「面内複屈折、Δnin」は、直交面内方向での屈折率(n及びn)の差に関する。一軸延伸フィルムについてより具体的には、面内複屈折とは、延伸方向と非延伸方向との差を意味する。例えば、フィルムが縦方向(MD)に一軸延伸されると仮定すると、面内複屈折は次のように表される。
Figure 2017504060

(式中、nは延伸方向(この場合、MD)の屈折率であり、nは非延伸方向(この場合、横方向(TD))の屈折率である。)二軸延伸フィルムの場合、面内複屈折は比較的小さく、バランスがとれているときにはほぼゼロの場合もある。その代わりに、面外複屈折は延伸フィルムの複屈折性をより明確に示す。
二軸配向フィルムの「面外複屈折、Δnout」は、面内屈折率(n及びn)の平均と、フィルムに垂直な屈折率(n)との差に関係する。面外複屈折は、以下のように表すことができる。
Figure 2017504060

(式中、nはMDのRIであり、nはTDのRIであり、nはフィルムに垂直なRIである。)面外複屈折は、一軸延伸フィルムの複屈折性を測定するために使用することもできる。
「反射率」は、垂直入射における反射率を指し、特に断りのない限り、この垂直入射は90度からのわずかな偏差(例えば偏差8度)を含むことが理解される。
特に断りのない限り、帯域幅は、290nm〜1100nmの間の電磁放射の少なくとも10nmの任意の増分を指す。帯域幅はまた、25nm、50nm、又は100nmといったように10nmより大きくてもよい。本明細書で使用されるとき、可視光とは、400nm〜700nmの帯域幅を指す。紫外線は、290〜400nmの帯域幅を指す。紫外/青は、350〜490nmの帯域幅である。及び、近赤外光とは、870〜1100nmの帯域幅を指す。
図1を参照すると、例示的物品500は、通常、基材550と、基材550上に配置される、交互積層自己集合によって形成される複数の層510と、を含む。層の少なくとも一部分は、無機酸化物ナノ粒子を含む。無機酸化物ナノ粒子は、リン含有表面処理剤を含む。図1は、単一主表面上に交互積層自己集合によって形成される複数の層を示しているが、別の実施形態では、基材550の両方の主表面が、交互積層自己集合によって形成される複数の層510を含んでもよい。
基材又はコーティング上に配置される層は、一般に「交互積層自己集合法」と呼ばれる方法によって形成される少なくとも2つの層を含む。このプロセスは、高分子電解質及び/又は無機酸化物粒子などの反対の電荷を有するポリイオンのフィルム又はコーティングを静電的に形成するために一般に使用されるが、水素結合供与体/受容体、金属イオン/リガンド、及び共有結合部分のような他の機能性もフィルム形成のための駆動力として利用できる。典型的には、この形成プロセスは、表面電荷を有する基材を、一連の溶液、又は液浴に曝露する工程を伴う。これは、液浴への基材の浸漬(浸漬コーティングとも呼ばれる)、噴霧、スピンコーティング、ロールコーティング、インクジェット印刷などによって行うことができる。基材と反対の電荷を有する第1のポリイオン(例えば高分子電解質浴)溶液に曝露されると、基材表面近くの荷電種が急速に吸着する。これによって濃度勾配が確立され、バルク溶液から表面に更なる高分子電解質が吸着される。更なる吸着は、下側の電荷を完全に遮蔽して基材表面の正味電荷を反転させるのに十分な層が発達するまで続く。質量移動と吸着が生じるためには、この曝露時間は典型的には約数分である。次いで、基材は、第1のポリイオン(例えば浴)溶液から取り出され、その後一連の水すすぎ浴に曝露されて、物理的に絡んでいるか又は緩く結合している高分子電解質が除去される。これらのすすぎ(例えば浴)溶液に続いて、基材は、次に、第1のポリイオン(例えば浴)溶液とは反対の電荷を有する第2のポリイオン(例えば高分子電解質又は無機酸化物ナノ粒子浴)溶液に曝露される。基材の表面電荷は第2の(例えば浴)溶液の電荷とは反対であるので、ここでもまた吸着が起きる。第2のポリイオン(例えば浴)溶液への曝露を更に続けると、基材の表面電荷の逆転をもたらす。続くすすぎを行ってこのサイクルを完了する。この逐次工程は1対の層(本明細書では形成の「二重層」とも呼ばれる)を形成すると言われ、所望通りに繰り返すことにより基材に更なる層の対を加えることができる。
好適なプロセスにおけるいくつかの例としては、米国特許第8,234,998号(Krogmanら);米国特許出願公開第2011/0064936号(Hammond−Cunninghamら);及び、米国特許第8,313,798号(Nogueiraら)に記載のものが挙げられる。更なる交互積層浸漬コーティングは、StratoSequence VI(nanoStrata Inc.,Tallahassee,FL)浸漬コーティングロボットを使用して行うことができる。
好ましい実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層(すなわち、自己集合層)は、少なくとも1.60の屈折率を有する無機酸化物ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、無機酸化物ナノ粒子の屈折率は、少なくとも約1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90、1.95、2.00、2.05、又は2.10である。無機酸化物ナノ粒子の屈折率は、典型的には2.55又は2.61以下である。チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、セリア、酸化亜鉛、酸化ランタン、酸化タンタル、これらの混合金属酸化物、及びこれらの混合物などの様々な高屈折率無機酸化物ナノ粒子が既知である。
理論に束縛されるものではないが、リン含有表面処理剤によって、交互積層自己集合中のナノ粒子の充填密度が向上すると考えられている。無機酸化物ナノ粒子が高屈折率粒子である場合、充填密度が向上することで、取り込まれる空気が減り、高屈折率を有する二重層となり得る。リン含有表面処理剤を含まない同様の無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子と比較して、屈折率の増大は、少なくとも0.05、又は0.10、又は0.15、又は0.20、又は0.25、又は0.30であり、典型的には約0.35以下である。
他の実施形態では、充填密度が向上することで、交互積層自己集合によって形成された複数の層のバリア特性が向上され得る。この実施形態では、無機酸化物ナノ粒子は、あるいは低屈折率であってもよく、すなわち、少なくとも1.45及び1.60又は1.55未満であってよい。例えば、リン含有表面処理剤を含むナノ粒子は、モンモリロナイト、ベントナイト、及びヘクトライトなどのクレー小板であり得る。この実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、基材に、難燃性、酸素バリア性、遮水性、及び/又は耐食性を提供し得る。
リン含有表面処理剤は、無機酸化物ナノ粒子の電荷を変化させるのにも用いられ得る。例えば、正に帯電した無機酸化物ナノ粒子を含むポリカチオンは、ポリアニオンに変換され得る。更には、リン含有表面処理剤は、等電点(すなわち、正味電荷を有さない状態でのpH)を改変するのに用いられてもよく、ナノ粒子は溶液から沈殿し得る。これらの技術効果は、屈折率に関わらず、多くの任意の無機酸化物ナノ粒子に適用可能である。様々な無機酸化物ナノ粒子は、交互積層自己集合での使用に関して記載されており、そのいくつかが米国特許出願公開第2010/0290109号(Kurtら)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は透光性であり、かかるナノ粒子の寸法は、著しい可視光線散乱を防ぐように選択される。表面改質された無機酸化物ナノ粒子は、1nm、5nm、又は10nmを超える(例えば、非会合性)一次粒径又は会合粒径を有する。一次粒径又は会合粒径は、一般的には、100nm未満、75nm未満、又は50nm未満である。典型的には、一次粒径又は会合粒径は、40nm未満、30nm未満、又は20nm未満である。ナノ粒子は、非会合であることが好ましい。
乾燥した自己集合層のナノ粒子の平均粒径は、例えば、透過電子顕微鏡(TEM)又は走査電子顕微鏡を使用して測定することができる。ナノ粒子懸濁液中のナノ粒子の平均粒径は、動的光散乱を用いて測定することができる。「凝集」とは、電荷又は極性によりまとまってよく、より小さい構成要素に分解可能である、一次粒子間の弱い会合を意味する。「一次粒径」は、単一の(非粒塊、非凝集)粒子の平均直径を指す。本明細書で使用されるとき、粒子に関して使用する「粒塊」とは、得られた外表面積が個々の構成要素の計算された表面積の合計より著しく小さい場合がある、強く結合した又は縮合した粒子を指す。例えば、共有結合、又は焼結若しくは複雑な物理的絡み合いから生じるものなどの粒塊をまとめる力は、強い力である。凝集したナノ粒子は、表面処理を施すことなどにより離散一次粒子などのより小さい構成要素に分解可能であるが、粒塊に表面処理を施しても、表面処理された粒塊が得られるだけである。いくつかの実施形態では、大半のナノ粒子(すなわち、少なくとも50%)は、離散非凝集ナノ粒子として存在する。例えば、少なくとも70%、80%、又は90%のナノ粒子が、離散非凝集ナノ粒子として存在する。
表面改質されたコロイド状ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮することができる。完全凝縮ナノ粒子(シリカを除く)は、典型的には、55%超、好ましくは60%超、より好ましくは70%超の結晶化度(単離した金属酸化物粒子として測定した場合)を有する。例えば、結晶化度は、最大約86%以上の範囲であり得る。結晶化度は、X線回折法によって測定することができる。凝縮された結晶性(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、高い屈折率を有するが、非晶質ナノ粒子は、典型的には、より低い屈折率を有する。
様々な高屈折率無機酸化物ゾルが市販されている。ジルコニアゾルは、Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)から商品名「Nalco 00SS008」で、Buhler AG(Uzwil,Switzerland)から商品名「Buhler zirconia Z−WO sol」で、及びNissan Chemical America Corporation(Houston,TX)からNanoUse ZR(商標)という商標名で入手可能である。酸化アンチモン(RI〜1.9)により被覆された酸化スズとジルコニアとの混合物を含むナノ粒子分散液は、Nissan Chemical America Corporation(Houston,TX)から商品名「HX−05M5」で市販されている。酸化スズナノ粒子分散液(RI〜2.0)は、Nissan Chemicals Corp.から商品名「CX−S501M」で市販されている。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合ポリマー−ナノ粒子層はチタニアを含む。アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型及び非晶質形態といった様々な形態のチタニアを使用することができる。アナターゼチタニアナノ粒子(直径5〜15nm)分散液は、U.S.Research Nanomaterials(Houston,TX)から15重量%の水性懸濁液として市販されている。強酸又は塩基条件で分散したTiOゾルもまた、石原産業株式会社(大阪、日本)から入手可能である。チタニアの等電点は約pH4〜6であるので、pH6超、好ましくはpH7超、より好ましくはpH8超の交互積層自己集合においてポリアニオンとして、又はpH4未満、より好ましくはpH3未満の交互積層自己集合においてポリカチオンとして使用することができる。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合ポリマー−ナノ粒子は、米国特許出願公開第2006/0148950号(Davidsonら)及び米国特許第6,376,590号(Kolbら)に記載される通りの水熱技術を使用して調製されるジルコニアを含む。
より具体的には、ジルコニウム塩を含有する第1の原料に、第1の水熱処理を実施し、ジルコニウム含有中間体及び副生成物を形成する。第2の供給原料は、第1の熱水処理で生成した副生成物の少なくとも一部を除去することによって調製される。第2の供給原料は、その後、第2の熱水処理を施されて、ジルコニア粒子を含有するジルコニアゾルを生成する。
第1の供給原料は、ジルコニウム塩を含有する水性前駆体溶液を形成することにより調製される。ジルコニウム塩のアニオンは、ジルコニアゾルを調製するプロセスのその後の工程時に、ジルコニウム塩のアニオンが除去できるように通常選択される。更に、アニオンは、多くの場合、非腐食性であるように選択され、水熱反応器などの処理装置に選択される材料の種類のより大きい柔軟性を可能にする。
前駆体溶液中のアニオンを少なくとも部分的に除去する1つの方法では、前駆体溶液は加熱され、アニオンの酸性形態を蒸発させることができる。例えば、4個以下の炭素原子を有するカルボン酸アニオンは、対応カルボン酸として除去され得る。より詳細には、酢酸アニオンは、酢酸として除去され得る。遊離酢酸は除去され得るが、酢酸の少なくとも一部分は、典型的には(例えば、ジルコニア)ナノ粒子表面上に吸着される。したがって、ナノ粒子は、典型的には吸着された揮発性の酸を含む。吸着された酸のために、ジルコニアナノ粒子は正に帯電するため、ポリカチオンとして機能し得る。
表面改質には、無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子に表面処理化合物を付着させて、表面特性を改質する工程が含まれる。コロイド状分散液中の無機酸化物ナノ粒子の表面改質は、様々な方法で実現され得る。プロセスは、一般的には、無機ナノ粒子とリン含有表面処理化合物とを混合する工程を含む。所望により、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリジノンのような共溶媒を、その時点で添加することができる。共溶媒は、表面改質剤並びに表面改質された粒子の溶解度を向上させることができる。次いで、無機ゾルと表面改質剤とを含む混合物を、室温又は高温で混合を行うか又は行わずに反応させる。透析又はダイアフィルトレーションなどの技術によって、余分な表面改質剤を懸濁液から取り除くことができる。表面処理化合物を含む無機酸化物ナノ粒子はしばしば、水分散液中で非会合であるか、非凝集であるか、又はこれらの組み合わせである。
無機酸化物ナノ粒子は、リン含有表面処理剤を含む。リン含有表面処理剤は、典型的にはリン含有酸又はこれらの塩(対イオンを有する)である。いくつかの実施形態では、リン含有表面処理剤は、有機リン酸(すなわち、炭素原子を含む)又はそれらの塩である。他の実施形態では、リン含有表面処理剤は、無機酸(すなわち、炭素原子を含まない)又はそれらの塩である。リン含有表面処理剤は、典型的には、1つの基が無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子表面上の酸性基に付着して中和し、もう1つの基が無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子表面を負に帯電させるために、少なくとも2つの負に帯電した基を含み得る。「負に帯電した基」とは、酸性基のpKaによって解離し得る解離塩形態又は解離酸形態を指す。表面処理化合物の負に帯電した基の1つ又は両方は、負に帯電したリン含有基である。
リン含有表面処理剤は、以下の一般式を有する酸であり得る:
Figure 2017504060

式中、Lは酸素、若しくは場合によりOH基で置換されているアルキレン基であり;又は、L−R2はH、OH、若しくはC〜C12アルキルであり;
R1はOHであり;
R2は、PO、SOH、COOHなどの負に帯電した基であり;又は
それらの塩である。
アルキレン基は、典型的には、1〜12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキレン基は8個以下、6個以下、又は4個以下の炭素原子を有する。
リン含有表面処理剤が(例えば、酸性)塩である場合、酸性基の水素原子の1つ以上は、金属又は他のカチオンで置換されている。典型的には、酸性塩は、正に帯電した対イオン(A)として、ナトリウム又はカリウムなどの1つ以上のアルカリ(アルカリ性)金属イオンを有する。アンモニウム(NH4+)も正に帯電した対イオンであり得る。したがって、リン含有表面処理剤が塩である場合、R1は、Oであり得る。更には、R2は、例えばPO 2−、SO 、又はCOOであり得る。
L−R2がH又はC〜C12アルキルである場合、リン含有化合物は二塩基酸亜リン酸(HPO)又は三塩基酸リン酸(HPO)である。かかる酸は、2個の酸性プロトンのpKa間のpHにおいて、表面改変剤として用いられ得る。いくつかの実施形態では、二塩基酸のアルキル基は、8個以下、6個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の炭素原子を有する。この実施形態では、負に帯電した基は、R1(すなわち、OH)基であり得る。
この構造を有する例示的な表面処理剤は、
以下の構造を有するピロリン酸:
Figure 2017504060

以下の構造を有するエチドロン酸:
Figure 2017504060

及び
以下の構造を有するメドロン酸:
Figure 2017504060

を含む。
リン含有表面処理剤は、以下の一般式を有する酸であり得る:
Figure 2017504060

式中、R1及びR2は、独立して、H、OH、又はC1〜Cアルキル基(例えば、メチル又はエチル);又はそれらの塩である。
図3を参照すると、1つの実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層510は、ポリカチオン(例えば、高分子電解質)単層512及びポリアニオン単層513を含む1つ以上の二重層を含む。ポリアニオンは、本明細書に記載する通り、リン含有表面処理剤を有する無機酸化物ナノ粒子を実質的に含むか、又は実質的にそれらからなる。この実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、複数の交互ポリマー無機ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、ポリカチオンは、リン含有材料ではない高分子電解質である。
高分子電解質の不在下で、無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子の電荷を変更するのは、複数の交互無機酸化物ナノ粒子を生成するのに有用でもある。図3を参照すると、この実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層510は、ポリカチオン単層512及びリン含有表面処理剤を有する無機ナノ粒子の単層513を含む1つ以上の二重層を含み、ここで、ポリカチオンは、ナノ粒子表面上で正に帯電した基を有する無機酸化物ナノ粒子を含む。この実施形態では、交互積層自己集合によって形成された二重層又は複数の層は、複数の交互無機ナノ粒子−無機ナノ粒子層を含む。
例えば、ポリカチオンとして機能する吸着された酸(例えば、酢酸)によって、正に帯電した無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、ポリアニオンに変換されることができ、ここで、無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、負に帯電した(リン含有)基を含む。正に帯電した無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子(例えば、表面処理剤を含まない)は、ポリカチオンとして用いられ得る。つまりは、ポリアニオン及びポリカチオンは、双方共に無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子を含む。これによって、高濃度の無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子を有する二重層がもたらされ得る。例えば、二重層又は複数の二重層の無機酸化物(例えば、ジルコニア)無機酸化物ナノ粒子の濃度は、95%を超え得る。この実施形態では、複数の交互無機酸化物ナノ粒子層は、実質的に無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子及びリン含有表面処理剤からなり得る。
他の実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層510は、
高屈折率のスタックを形成する1つ以上の二重層を含む。その場合、低屈折率のスタックは、高屈折率のスタックと交互になっている。例えば、図4Bを参照すると、高屈折率のスタック111は、ポリアニオンとして本明細書に記載されるように、リン含有表面処理剤を含む高屈折率無機酸化物(例えば、ジルコニア)ナノ粒子を含む112と、ポリ(ジアリ−ジメチルアンモニウムクロリド)などのポリマーポリカチオン113と、の二重層を含むことができる。図4Bにおいて、例示的な高屈折率のスタック111は、8つの交互二重層を含む。低屈折率のスタック115は、ポリアニオンとして低屈折率無機酸化物ナノ粒子(SiOなど)を含む116と、ポリ(ジアリ−ジメチルアンモニウムクロリド)などのポリマーポリカチオン117と、の二重層を含み得る。図4Bにおいて、例示的な低屈折率のスタック115は4つの交互二重層を含む。各スタックは、複数のポリマー−無機酸化物二重層を含む高屈折率層又は低屈折率層として特徴付けられ得る。
様々な低屈折率ナノ粒子は、シリカ、又はシリカを含むコアシェルナノ粒子などの複合ナノ粒子などの低屈折率のスタックで使用され得る。コア−シェルナノ粒子は、1つの種類の酸化物(例えば、酸化鉄)又は金属(例えば、金又は銀)のコア、及びコア上に形成したシリカのシェルを含み得る。本明細書において、「シリカナノ粒子」は、シリカだけを含むナノ粒子、並びにシリカを含む表面を有するコアシェルナノ粒子を指す。しかしながら、特にナノ粒子が水分散液の形態で提供される場合には、非改質シリカナノ粒子は、通常、ナノ粒子の表面にヒドロキシル又はシラノール官能基を含むことが理解される。シリカナノ粒子の水分散液はまた、アンモニウム安定化又はナトリウム安定化されていてもよい。シリカの等電点は約pH2であるので、2超のpH値、より好ましくは3以上のpH値の交互積層自己集合プロセスにおいてシリカをポリアニオンとして使用することができる。
水性媒質中の無機シリカゾルは、当該技術分野において周知であり、市販されている。水又は水−アルコール溶液中のシリカゾルは、LUDOX(E.I.duPont de Nemours and Co.,Inc.(Wilmington,DE)により製造)、NYACOL(Nyacol Co.(Ashland,MA)より入手可能)、又はNALCO(Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)により製造)などの商標名で入手可能である。いくつかの有用なシリカゾルは、平均粒径が4ナノメートル(nm)〜77nmであるシリカゾルとして入手可能なNALCO 1115、2326、1050、2327及び2329である。別の有用なシリカゾルは、平均粒径が20ナノメートルのシリカゾルとして入手可能なNALCO 1034aである。有用なシリカゾルは、平均粒径が5ナノメートルのシリカゾルとして入手可能なNALCO 2326である。好適なコロイド状シリカの更なる例が、米国特許第5,126,394号(Revisら)に記載されている。
好適な高分子電解質としては、ポリカチオン性ポリマー(すなわち、ポリカチオン)、例えば、直鎖又は分枝鎖ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリビニルアミン、キトサン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアミドアミン、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン(vinylbenzyltriamethylamine)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、及びポリ(メタクリロイルアミノ)プロピル−トリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。好適なポリアニオン性ポリマーとしては、ポリ(硫酸ビニル)、ポリ(ビニルスルホネート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレンスルホネート)、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヒアルロン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、スルホン酸化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー(例えばNafion(登録商標))、ポリ(ビニルホスホン酸)、及びポリ(ビニルホスホン酸)が挙げられるが、これらに限定されない。
高分子電解質の分子量は、約1,000g/モル〜約1,000,000g/モルの範囲で変化し得る。いくつかの実施形態では、高分子電荷質の分子量(Mw)は、50,000g/モル〜100,000g/モルに及ぶ。
交互積層自己集合によって形成された複数の層は、参照により本明細書に組み込まれる、2013年5月31日に出願された61/829332号に記載されるように、高分子電解質内に分散された、好ましくは高分子電解質に共有結合された有機光吸収性化合物、有機光安定化化合物、又はその組み合わせを含む。
無機ナノ粒子の濃度は、典型的には、乾燥した二重層の低屈折率のスタック、高屈折率のスタック、又は自己集合ポリマー−ナノ粒子層全体の少なくとも30重量%である。無機ナノ粒子の濃度は、典型的には、約80、85、90、又は95重量%以下である。無機ナノ粒子の濃度は、熱重量分析などの当該技術分野で既知の方法によって求めることができる。いくつかの実施形態では、乾燥した低屈折率のスタック、高屈折率のスタック、又は自己集合ポリマー−ナノ粒子層全体は、少なくとも50、55、60、65、又は70重量%の無機ナノ粒子を含む。
二重層の厚さ及び二重層の数は、典型的には、自己集合層の最小全厚及び/又は最低数の交互積層形成工程を使用して、所望の(例えば、光学、バリア、保護)特性を達成するように選択される。いくつかの実施形態では、二重層の厚さ、1スタック当たりの二重層の数、スタック数、及び各スタックの厚さは、自己集合層の最小全厚及び/又は最低数の交互積層形成工程を使用して、所望の光学特性を達成するように選択される。各二重層の厚さは、典型的には、約1nm〜100nmに及ぶ。1スタック当たりの二重層の数は、典型的には、約1〜200に及ぶ。いくつかの実施形態では、1スタック当たりの二重層の数は、少なくとも2、5、10、20、又は30である。スタックの数は、典型的には、少なくとも1、2、3、又は4、かつ20、19、18、17、又は15以下である。スタックの厚さは、典型的には、少なくとも25nm、35nm、45nm、55nm、65nm、75nm、又は85nm、かつ5、6、7、8、9、又は10マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、スタックの厚さは、500nm、400nm、300nm、250nm、200nm、又は150nm以下である。他の実施形態では、二重層の数は、所望の透過率と機械的耐久性との組み合わせを達成するように選択される。この実施形態では、二重層の厚さ及び二重層の数は、最大値に近くなる可能性がある。更には、この実施形態は、層が適用される基材又はコーティンと屈折率を整合させることができる、低又は高屈折率の単一スタックが用いられ得る。
交互積層自己集合によって形成された複数の層は、耐久性のある(例えば、屈折率が整合された)トップコート(例えばハードコート)、バリア層、反射防止、又は電磁放射の特定帯域の反射率を更に提供し得る。
基材550は、典型的には、少なくとも20、30、40、又は50マイクロメートルから1、2、3、4、又は5cmまでの厚さを有する(例えば、非多孔質)プレート又は連続フィルムである。より典型的な実施形態では、基材の厚さは30、20、又は10mm以下である。更には、除去可能な剥離ライナーなどのキャリアによって基材が強化されている実施形態には、より薄い基材を使用することが可能である。
いくつかの実施形態では、基材550は、ガラスなどの無機基材である。他の実施態様では、基材550は、有機材料である。
いくつかの好ましい実施形態では、基材550は、ポリマーフィルムなどの有機材料を含む。好適な有機(例えばフィルム)ポリマー材料としては、例えばポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、アリルジグリコールカーボネート、アクリル類(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ホモエポキシポリマー、ポリジアミン及び/又はポリジチオールを有するエポキシ付加ポリマー、ポリアミド(例えば、ナイロン6及びナイロン6,6)、ポリイミド、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、オレフィン系コポリマー(例えば、ポリエチレンコポリマー)、ポリウレタン、ポリ尿素、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、及びセルロースブチレート)、フルオロポリマー、並びにこれらの組み合わせをなどの任意のポリマー材料のホモポリマー、コポリマー、ブレンド、多層フィルム、及び多層ラミネートが挙げられる。
有機材料を含む基材の別の例を図2に示す。この実施形態では、基材551は、有機材料を含んでもよく、又はガラス若しくは金属などの無機材料からなってもよい。基材551は、有機ポリマーコーティング560を更に含む。この実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層510は、ポリマーコーティング560上に配置されている。ポリマーコーティング560は、典型的には、少なくとも5又は10マイクロメートルの厚さを有し、100マイクロメートルにまで及ぶ場合がある。
無機基材としては、例えば絶縁体/誘電体、半導体、又は導体が挙げられる。無機基材(例えば誘電体)は非晶質であっても結晶質であってもよく、例えば、ガラス(例えばフロートガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス)、石英、融解石英、サファイア、イットリア、及びその他の透明セラミックスが挙げられる。無機基材(例えば半導体)としては、例えばケイ素、ゲルマニウム、III族/V族半導体(例えばガリウムヒ素)II族/VI族半導体、IV族/VI族半導体、又はIV族半導体(例えば炭化ケイ素)が挙げられる。無機基材(例えば導体)としては、例えば透明導電性酸化物(TCO)、例えばインジウムドープ酸化スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)など、又は金属、例えば金、銀、アルミニウム、銅、鉄など、又はステンレス鋼などの合金が挙げられる。
ポリマーコーティング560は、前述の有機ポリマー材料のいずれかを含むことができる。ポリマーコーティングは、水系コーティング、溶剤系コーティング、又は重合性樹脂を含む放射線硬化性(例えば固形分100%)コーティングであり得る。重合性樹脂は、様々な(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーを含み得る。ポリマーコーティングは、導電性ポリマー(例えばポリアニリン又はポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート))を含み得る。ポリマーコーティングは、無機材料(例えばナノシリカ、粘土などの無機酸化物)のナノ粒子又はミクロ粒子で充填され得る。ポリマーコーティングは、例えば、保護コーティング、構造コーティング、ハードコート、反射防止コーティング、又は選択反射コーティング(例えば可視光反射体、UV反射体、IR反射体、又はこれらの組み合わせ)であり得る。
交互積層自己集合ポリマー−無機酸化物ナノ粒子層は、耐久性のある保護トップコートを基材に提供することができる。この実施形態では、交互積層自己集合スタックは、基材又はコーティング表面との屈折率を整合させた低又は高屈折率のスタックを含むことができる。機械的強度及び耐摩耗性が改善された交互積層自己集合コーティングは、米国特許第8,277,899号(Krogmanら)及び国際公開第2012/112624号(Olmeijerら)に教示されている。
いくつかの実施形態では、無機材料の選択は、対象となる反射帯域幅に依存する。例えば、交互積層自己集合によって形成される複数の層は1/4波長スタックであってもよく、1/4波長スタックでは、スペクトルの制御は、形成される二重層の数を変更することにより高及び低屈折率スタックの厚さを制御することによって、及び/又は交互積層自己集合プロセスの際の条件(例えば液体(例えば浴)溶液のpH及びイオン強度など)を変更することによって達成される。交互積層自己集合によって形成される複数の層は、典型的には、低屈折率スタックと高屈折率のスタックとの間の屈折率差を作り出すために複屈折を利用しないことが理解される。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、可視光(400〜700nm)に対して光透過性であり、即ち、典型的には、ポリマー−ポリマー層で少なくとも85%は又は90%の透過率、及びポリマー−無機酸化物ナノ粒子層では少なくとも70又は75%の透過率を示す。いくつかの実施形態では、基材は可視光(400〜700nm)に対して光透過性であり、即ち、典型的には、少なくとも85%又は90%の透過率を示す。
1つの実施形態では、交互積層自己集合ポリマー−無機酸化物ナノ粒子層は、基材に反射防止コーティングを提供することができる。交互積層自己集合層を含めることにより表面反射を低減させて、透過率を1、2、3、4、又は5%増大させることができる。
反射防止フィルム及びコーティングの物理的原理は既知である。ARフィルムは、正しい光学厚さの交互の高屈折率及び低屈折率(「RI」)ポリマー層から構成される場合が多い。可視光では、この厚みは、反射される光の波長の約4分の1である。人間の目は、550nm前後の光に最も敏感である。したがって、この光学範囲に反射光の量を最小限(例えば3%、2%、1%以下)に抑える形で、低及び高屈折率のコーティング厚を策定するのが望ましい。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される反射防止コーティングを含めることで、400〜700nmにおける平均反射率が少なくとも1、2、3、又は4%低下する。更に、550nmにおける反射率は、反射防止交互積層コーティングを欠く同様の基材と比べて、少なくとも1、2、3、又は4%低下させることができる。反射防止コーティングは、SiO含有二重層を1/4波長の光学厚さでコーティングすることによって作り出すことができる。他の実施形態では、反射防止コーティングは、少なくとも1つの低屈折率二重層スタックと、少なくとも1つの高屈折率二重層スタックとを含む。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合ポリマー−無機酸化物ナノ粒子層は、所望の帯域幅を反射するように選択されてもよい。交互積層自己集合によって形成された複数の層は、UVミラー、青色光ミラー、可視光ミラー、近赤外光ミラー、又はこれらの組み合わせとして機能する。そのような自己集合層は、米国特許出願公開第2010/0290109号(Kurtら)に記載されているような1/4波長スタック又は非1/4波長スタックであってもよい。
例えば、図9は、透明なガラス基材上に提供された可視光ミラーを示している。反射ピークは、可視光スペクトル内にある。当業者は、ガラスが、空気中の単一表面において約4%の反射率を有することを認識している。しかしながら、可視光ミラーが存在することで、600〜650nmの帯域幅における反射率が、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%増大する。交互高スタック及び低スタックの数が増加することで、600〜650nmの帯域幅における反射率が90%以上増大し得る。ピークの帯域幅範囲は、当該技術分野で既知の光学スタックの厚さを変更することで改変され得る。
図4に関して、1つの実施形態では、本発明は、交互積層自己集合によって形成される複数の層110が多層光学フィルム130上に配置され、これらの層のうち少なくとも一部が、高分子電解質内に分散された有機光吸収性化合物又は有機光安定化化合物を含む、多層光学フィルム(MOF)基材に関する。いくつかの実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層110は、環境に曝露されている主表面層を形成する。
多層光学フィルムは、2層以上の層を有するフィルムを含む。多層光学フィルムは、例えば、高効率ミラー及び/又は偏光子として有用である。
様々な多層光学フィルムが既知である。多層光学フィルムは、一般的に、少なくとも1つの複屈折ポリマー(例えば、配向された半結晶質ポリマー)と1つの第2のポリマーとの交互ポリマー層を含み、これらの層は、特定帯域幅の電磁放射線の反射を達成するように選択される。
図4Aは、例えば、光学偏光子又はミラーとして使用され得る多層ポリマーフィルム130を示す。フィルム16は、1つ以上の第1の光学層12、1つ以上の第2の光学層14、及び場合により、1つ以上の(例えば、非光学的な)追加の層18を含む。図4Aは、少なくとも2つの材料の交互層12、14を有する多層スタックを含む。1つの実施形態では、層12及び14の材料は、ポリマーである。高屈折率層12の面内の1つの方向での面内屈折率nは、同じ面内方向での低屈折率層14の面内屈折率nより大きい。層12、14間の各境界での屈折率差によって、入射光の一部が反射される。多層フィルム16の透過特性及び反射特性は、層12、14間の屈折率差によって生じる光のコヒーレント干渉、及び層12、14の厚さに基づいている。実効屈折率(又は垂直入射の場合の面内屈折率)が、層12、14間で異なる場合、隣接層12、14間の界面は、反射面を形成する。反射面の反射能は、層12、14の実効屈折率間の差の二乗(例えば、(n−n)に依存する。層12、14間の屈折率差を増大させることによって、改善された屈折力(より高い反射率)、より薄いフィルム(より薄い又はより少ない層)、及びより広い帯域幅性能を達成することができる。代表的な実施形態における面内の1つの方向での屈折率差は、少なくとも約0.05、好ましくは約0.10超、より好ましくは約0.15超、更により好ましくは約0.20超である。
1つの実施形態では、層12、14の材料は、本来的に異なる屈折率を有する。別の実施形態では、層12、14の材料の少なくとも1つは、応力誘発性複屈折の性質を有し、その結果、材料の屈折率(n)は、延伸プロセスの影響を受ける。多層フィルム16を一軸方向から二軸方向にわたって延伸することによって、配向が異なる平面偏光した入射光線に対して一定の範囲を持った反射率を有するフィルムが作製され得る。
層の数は、典型的には、少なくとも10、25、50又は100である。好ましい実施形態では、多層フィルム16内の層の数は、フィルム厚、柔軟性、及び経済性の理由により、最小数の層を使用して所望の光学特性を達成するように選択される。偏光子及びミラーなどの反射性フィルムの場合、層の数は、好ましくは約2,000未満、より好ましくは約1,000未満、更により好ましくは約750未満である。いくつかの実施形態では、層の数は少なくとも150又は200である。他の実施形態では、層の数は少なくとも250である。
いくつかの実施形態では、多層ポリマーフィルムは、任意の追加的な非光学層又は光学層を更に含む。追加層18は、フィルム16内に配置されたポリマー層である。このような追加層は、光学層12、14を損傷から保護し、共押出加工を補助し、及び/又は後処理機械特性を向上させることができる。追加層18は、多くの場合、光学層12、14よりも厚い。追加(例えば、表面薄)層18の厚みは、通常、個々の光学層12、14の厚みの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍、より好ましくは少なくとも10倍である。追加層18の厚さは、特定の厚さを有する多層ポリマーフィルム16を作成するために変えることができる。非光学表面薄層と光学層との間に連結層(図示せず)が存在してもよい。更に、表面薄層の上にトップコート(同様に図示せず)が配置されてもよい。典型的には、1つ以上の追加層18は、光学層12、14によって透過、偏光、及び/又は反射される光の少なくとも一部もまた、追加層を通って伝わるように設置される(即ち、追加の層は、光学層12、14を通って伝わる又は光学層12、14によって反射される光の光路内に設置される)。
多層フィルム16の1つの実施形態は、複数の低/高屈折率のフィルム層の対を含み、各低/高屈折率の層の対の合計光学厚さは、反射するように設計された帯域の中心波長の1/2である。このようなフィルムのスタックは、通常、1/4波長スタックと呼ばれている。可視波長及び近赤外波長に関する多層光学フィルムの場合、1/4波長スタックの設計により、多層スタック内の層12、14の各平均厚さは約0.5マイクロメートル以下となる。他の例示的な実施形態では、例えば、広帯域反射光学フィルムが所望される場合などは、異なる低/高屈折率の層の対は、異なる光学的な結合厚さを有し得る。
更に、非対称反射性フィルム(不均衡な二軸延伸から生じたフィルムなど)が、特定用途に望ましい場合がある。その場合、例えば、可視スペクトル(約380nm〜750nm)の帯域幅にわたって、又は可視スペクトルから近赤外(例えば、約380nm〜850nm)に及ぶ範囲にわたって、1つの延伸方向に沿った平均透過率は、望ましくは、例えば約50%未満であるが、もう1つの延伸方向に沿った平均透過率は、望ましくは、例えば約20%未満であり得る。
多層光学フィルムはまた、反射偏光子として動作するように設計することもできる。多層反射偏光子を作製するための1つの方法は、多層スタックを一軸延伸することである。得られた反射偏光子は、光に対する高い反射率を有し、広範囲の入射角度に関して第1の面内軸線(通常は、延伸方向)と平行する偏光面を持ち、同時に、光に対する低い反射率及び高い透過率を有し、広範囲の入射角度に関して第1の面内軸線と直交する第2の面内軸線(通常は、非延伸方向)と平行する偏光面を持つ。各フィルムの3つの屈性率n、n及びnを制御することによって、所望の偏光子挙動を得ることができる。例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)を参照のこと。
第1の光学層(単一又は複数)は、配向後に少なくとも0.10、好ましくは少なくとも0.15の面内複屈折性(n−nの絶対値)を有する複屈折ポリマーから調製される。いくつかの実施形態では、第1の光学層の複屈折性は0.20以上である。延伸方向に平行な平面内で偏光した632.8nmの光でのポリエステルの屈折率は、約1.62から約1.87の大きさまで増大することができる。例えばミラーフィルムとして使用されるものなど、他の種類の多層光学フィルムでは、面外複屈折特性が重要である。いくつかの実施形態では、平均面外複屈折性は、少なくとも0.10、少なくとも0.15、又は少なくとも0.20である。
光学層12、14及び多層ポリマーフィルム16の任意の追加層18は、典型的には、ポリエステルなどのポリマーから構成される。ポリエステルは、カルボキシレート及びグリコールサブユニットを含み、カルボキシレートモノマー分子をグリコールモノマー分子と反応させることによって生成される。各カルボキシレートモノマー分子は、2つ以上のカルボン酸又はエステル官能基を有し、各グリコールモノマー分子は、2つ以上のヒドロキシ官能基を有する。カルボキシレートモノマー分子は、全て同一であってもよいし、又は2つ以上の異なるタイプの分子であってもよい。グリコールモノマー分子についても同様である。ポリマー層又はフィルムの特性は、ポリエステルのモノマー分子の特定の選択によって異なる。
様々な好適なポリエステルポリマー当該技術分野で記載されており、そのうちのいくつかは、国際公開第2014/099367号に記載されており、その全ては参照により本明細書に組み込まれる。本発明の多層光学フィルムにおいて複屈折層として有用な例示的ポリマーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)であり、例えば、ナフタレンジカルボン酸をエチレングリコールと反応させることによって作成され得る。ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)は、複屈折ポリマーとして選択される場合が多い。PENは大きい正の応力光係数を有し、延伸後に効果的に複屈折を保持し、可視範囲内でほとんど又は全く吸光度を有さない。PENはまた等方性状態において大きい屈折率を有する。偏光平面が延伸方向と平行になるとき、550nm波長の偏光入射光線におけるその屈折率は、約1.64から約1.9もの大きさまで増大する。分子配向の増大によって、PENの複屈折が増大する。分子配向は、材料をより高い延伸比まで延伸させ、他の延伸条件を一定に保つことにより増大し得る。米国特許第6,352,761号(Hebrinkら)及び米国特許第6,449,093号(Hebrinkら)に記載されているもののようなPENのコポリマー(CoPEN)は、低温で加工可能であり、熱的に不安定な第2のポリマーとの共押出により適合性があるので、特に有用である。複屈折ポリマーとして好適な他の半結晶性ポリエステルとしては、例えば、米国特許第6,449,093 B2号(Hebrinkら)に記載されるもの、又は米国特許出願公開第2006/0084780号(Hebrinkら)に記載されるものなどの、ポリブチレン2,6−ナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びそれらのコポリマーが挙げられる。あるいは、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)は、別の有用な複屈折ポリマーである。
多層光学フィルムの第2のポリマーは、第1の複屈折ポリマーのガラス転移温度と互換性のあるガラス転移温度を有し、複屈折ポリマーの等方性屈折率に類似する屈折率を有する、多様なポリマーから作成することができる。光学フィルム、特に、第2ポリマー中で使用するのに好適な他のポリマーの例としては、ビニルナフタレン、スチレン、無水マレイン酸、アクリレート、及びメタクリレートなどのモノマーから作成される、ビニルポリマー及びコポリマーが挙げられる。そのようなポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などのポリメタクリレート、及びアイソタクチック又はシンジオタクチックポリスチレンが挙げられる。その他のポリマーとしては、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアミック酸、及びポリイミドなどの縮合ポリマーが挙げられる。加えて、第2のポリマーは、ポリエステル、ポリカーボネート、フルオロポリマー、及びポリジメチルシロキサンのホモポリマー及びコポリマー、並びにそれらの混合物から形成することができる。
いくつかの好ましい実施形態では、多層光学フィルムは、1/4波長フィルムのスタックを含むか、又は1/4波長フィルムのスタックからなる。この場合、スペクトルの制御には、フィルムスタックの層厚プロファイルを制御する必要がある。空中の広範囲の角度にわたって可視光を反射する必要があるものなど、広帯域スペクトルでは、層がポリマーである場合、依然として多数の層が必要になるが、これは、無機フィルムに比べてポリマーフィルムで達成できる屈折率の差が比較的小さいためである。そのようなフィルムの層の厚さ特性は、顕微鏡技術で得られる層特性情報と組み合わされる、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,783,349号(Neavinら)において教示される軸ロッド器具を使用して、向上したスペクトル特性を提供するように調整することができる。
多層光学フィルムは、国際公開第2014/099367号に更に記載されているような紫外光反射体、青色光反射体、可視光反射体、又は赤外光反射体であり得る。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、UV反射多層光学フィルム(即ちUV反射体又はUVミラー)として特徴付けられ得る。UV反射多層光学フィルムは、290nm〜400nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率が少なくとも50、60、70、80、又は90%であるフィルムを指す。いくつかの実施形態では、290nm〜400nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、又は98%である。UV反射多層光学フィルムは、可視光に対して低反射率及び高透過率を有し得る。例えば、可視光の透過率は、少なくとも85%又は90%とすることができる。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、UV〜青色光反射多層光学フィルム(即ちUV〜青色光反射体又はUV〜青色光ミラー)として特徴付けられ得る。UV〜青色光反射多層光学フィルムは、350nm〜490nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率が少なくとも50、60、70、80、又は90%であるフィルムを指す。いくつかの実施形態では、350nm〜490nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、又は97%である。UV〜青色光反射多層光学フィルムは、500nm超の波長を有する可視光に対して低反射率及び高透過率を有し得る。例えば、500nm超の波長を有する可視光の透過率は、少なくとも85%又は90%であり得る。
いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、近赤外光反射多層光学フィルム(即ち近赤外光反射体又は近赤外光ミラー)として特徴付けることができる。近赤外光反射多層光学フィルムは、870nm〜1100nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率が少なくとも50、60、70、80、又は90%であるフィルムを指す。いくつかの実施形態では、870nm〜1100nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率は、少なくとも91、92、93、又は94%である。いくつかの実施形態では、該フィルムは、45度の角度においても同じ近赤外光反射率を示す。近赤外光反射多層光学フィルムは、可視光に対して低反射率及び高透過率を有し得る。例えば、可視光の透過率は少なくとも85%、86%、87%又は88%であり得る。
可視光反射多層光学フィルム(例えば可視光反射体又は可視光ミラー)は、400nm〜700nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率が少なくとも50、60、70、80、又は90%であるフィルムを指す。いくつかの実施形態では、400nm〜700nmの範囲の帯域幅における垂直入射時の反射率は、少なくとも91、92、93、94、95、96、97、又は98%である。かかる広帯域反射体の近赤外光反射率特性は、前述の通りである。
他の実施形態では、1つの多層光学フィルムで1つを超える帯域幅を反射することができ、広帯域反射体と見なすことができる。例えば、多層光学フィルムは、可視光及び近赤外光反射多層光学フィルムであり得る。したがって、そのような多層光学フィルムは、可視光及び近赤外光帯域の両方において高い反射率を有する。
加えて、反射帯域を拡大するために、例えば異なる反射帯域を有する2つ以上の多層光学フィルムミラーを一緒に積層する。例えば、前述したもののような多層光学フィルム可視光反射体を、UV反射体、UV〜青色光反射体、及び/又は近赤外光反射体と組み合わせてもよい。当業者に理解されるように、様々なその他の組み合わせを行うことができる。
いくつかの実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、多層光学フィルムと同じ帯域の電磁放射の少なくとも一部を反射する。例えば、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、(例えば可視光に対する)平均反射率を約10%から20、30、又は35%に増大させることができる。
他の実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層は、多層光学フィルムと異なる帯域の電磁放射の少なくとも一部を反射する。例えば、交互積層自己集合によって形成された複数の層を含めることにより、(例えばUV光に対する)平均反射率を約35%から40、45、又は50%に増大させることができる。更に別の実施形態では、交互積層自己集合によって形成された複数の層を含めることにより、(例えば290〜400nmに対する)平均反射率を約15%から30、35、40、又は45%に増大させることができる。
(例えばMOF)基材は、場合により、光への曝露に起因する早期劣化の防止に更に寄与することができる(例えば耐久性がある)保護トップコートを、一種の有機ポリマーコーティングとして含むことができる。元は基材の「トップコート」であった層は、複数の自己集合層が基材上に配置された後には中間層となることが理解される。
ハードコートとも呼ばれる(例えば耐久性がある)保護トップコートは、摩耗及び衝撃に対して耐性であり、電磁放射線の選択された帯域幅を反射する主要機能を妨げない。トップコート層としては、以下の非限定例のうちの1つ以上が挙げられる:PMMA/PVDFブレンド、熱可塑性ポリウレタン、硬化性ポリウレタン、CoPET、環状オレフィンコポリマー(COC)、フルオロポリマー及びそれらのコポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、及びテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデン(THV)のコポリマー、熱可塑性及び硬化性アクリレート、架橋アクリレート、架橋ウレタンアクリレート、架橋ウレタン、硬化性又は架橋ポリエポキシド、並びにシリコーンポリオキサミド。剥離性ポリプロピレンコポリマースキンが用いられ得る。あるいは、シランシリカゾルコポリマーハードコーティングを、耐性トップコートとして塗布して、引っかき抵抗性を向上させることができる。
トップコートの厚みは、ベールの法則によって計算されるような特定の波長における光学密度の目標に依存する。いくつかの実施形態では、トップコートは380nmで3.5を超える;390で1.7を超える;400nmで0.5を超える光学密度を有する。典型的な保護層厚は、0.5〜15ミル(0.01〜0.4mm)である。
トップコートはまた、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、又はトリアジン基を含む吸光剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、及びこれらの組み合わせなどの様々な(重合性又は非重合性の)添加剤を、約2〜10%の範囲の量で含むことができる。そのようなUVA吸収剤は、(メタ)アクリル基又はビニル基の含有が任意であることを除いては、前述したものと同じ種類の化合物である。
トップコートは、非顔料である酸化亜鉛及び酸化チタンなどの無機酸化物ナノ粒子を、光遮断又は散乱添加剤として含むことができる。例えば、ナノスケール粒子をポリマー又はコーティング基材中に分散させて、UV照射による劣化を最小限にすることができる。ナノスケール粒子は、有害なUV照射を散乱又は吸収すると同時に可視光線に対して透過性であることにより、熱可塑性樹脂に対する損傷を低減する。そのような無機酸化物ナノ粒子の濃度は、典型的には5、4、3、2、又は1重量%未満である。
(例えばMOF)基材の両方の主表面上にUV保護トップコートを含むことは本開示の範囲内である。いくつかの実施形態では、交互積層自己集合によって形成される複数の層と基材との間のみ、又は交互積層自己集合によって形成される複数の層とは反対側の表面上のみにUV保護トップコートを有するのが望ましくあり得る。
任意のUV保護ハードコートは、米国特許第7,153,588号(McManら)及び国際公開第2013/142239号(Clearら)に記載されている技術を含む当該技術分野で既知の技術によって設けることができる。更なるハードコートとしては、例えば、California Hard Coat(San Diego,CA)から商品名「PERMANEW」として、並びにMomentive Performance Materials(Albany,NY)から商品名「AS4000」、「AS4700」、及び「UVHC−3000」として入手可能なシリカ充填シロキサンが挙げられる。紫外線防御性を有する例示的なアクリル系ハードコートは、Red Spot Paint & Varnish Company(Evansville,IN)から商品名「UVT610(GEN IV)」及び「UVT200」で入手可能である。例示的なUV保護アクリル系ハードコートは、例えば、国際公開第2013/142239号に開示されている。ハードコートの使用によって、例えば、屋外要素への曝露による物品の早期劣化を低減又は防止することができる。ハードコートは、一般に摩耗及び衝撃に対して耐性であり、電磁放射線の選択された帯域幅を反射する主要機能を妨げない。
しかしながら、複数の交互積層自己集合層は、UV照射を反射することによってUV照射劣化を最小限に抑えることができるので、いくつかの実施形態では、基材(任意の層を含む)は無機酸化物粒子を含まず、更には、有機コーティング層(例えば、存在する場合にはトップコート)に有機光吸収性又は光安定化化合物を含んでいなくてもよい。
いくつかの実施形態では、基材及び物品は、屋外での使用又は他の使用に好適であり、ここで、基材は高レベルで日射に曝露される。例えば、1つの実施形態では、基材は、白熱電球の透光カバーであり得る。
他の実施形態では、基材は、高い可視光透過率を有する光学フィルム、例えば、光学ディスプレイ用カバー(ガラス又は有機)ポリマー基材、様々な液晶ディスプレイ(LCD)及び発光ダイオードディスプレイ(LED)で使用するのに適した(例えば反射)偏光フィルム又は輝度向上フィルムなどである。
UV、IR、及び可視光ミラーなどの高い可視光透過率を有するフィルムはまた、建築用途、温室用途、窓用フィルム、塗料保護フィルム、太陽光発電用途、照明、窓割り製品(即ち、例えば、光を通すように設計された窓、ドア、天窓、又はカーテンウォールなどの、建造物の開口部を充填する製品)、太陽光チューブ製品、及び太陽光を室内に導入するためのその他の昼光照明システム、並びにその他の用途で使用することができる。
他の実施形態では、本明細書に記載される基材は、業務用グラフィックフィルム(例えば、広告用掲示板、建物外壁、看板、自動車、大量輸送車両等のためのフィルム)、道路標識用フィルム、及び自動車用ラップフィルムなどの保護フィルムで使用することができる。
いくつかの好ましい実施形態では、本開示の多層光学フィルムは、太陽エネルギーシステムの太陽電池の太陽集光器の広帯域反射体として利用される。
例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0283144号(Hebrinkら)で記載されるように、図5は、太陽光集光ミラーとしての物品20の一般的な塗布を示す。物品20は、太陽電池26に近接して位置付けられる、自己集合層110を有する多層光学フィルム130を含む。物品20は、太陽30から電磁放射線28を受ける。電磁放射線28の選択帯域幅32は、太陽電池26上に反射される。電磁放射線の所望されない帯域幅34は、物品20を通過し、太陽電池26上に反射されない。
図6は、パラボラ状太陽光集光ミラー100の形態の本発明の物品を描く、別の一般的な実施形態である。太陽50からの電磁放射線42は、パラボラ状太陽光集光ミラー100によって受信される。好ましい帯域幅48は、太陽電池46上に反射されるが、電磁放射線の所望されない帯域幅44は、パラボラ状太陽光集光ミラー100を通過し、太陽電池46上に反射されず、そこで太陽電池の動作効率を改変する可能性がある。物品の形状には、パラボラ状、又は例えば正弦曲線状等その他の湾曲形状を挙げることができる。
例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0011850号(Hebrinkら)で記載されるように、例示的な集光型太陽熱発電システム300が図7に概略的に示されている。集光型太陽熱発電システム300は、天体追尾機構320に接続された広帯域反射体100を備え、天体追尾機構320は、広帯域反射体100からの直達日射を中空の受容器330に向けて整列させることができる。熱伝導流体がポンプ360によって中空の受容器330を通って循環し、そこで熱伝導流体は集光された太陽放射によって加熱される。次に、加熱された熱伝導流体は、発電機350(例えば、蒸気タービン)に向かって方向付けられ、そこで熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。別の実施形態では、熱伝導流体は、発電機の代わりに熱交換器に向かって方向付けられてよく、そこでは熱含有量が液状媒体(例えば、水など)に移され、この液状媒体が蒸気に変換されて、これが発電機を駆動する。
別の例示的な集光型太陽熱発電システム400が図8に概略的に示されている。集光型太陽熱発電システム400は、天体追尾機構420に接続されたパラボラ状の槽状広帯域反射体100を備え、天体追尾機構420は、広帯域反射体100からの直達日射を中空の受容器430に向けて整列させることができる。熱伝導流体440がポンプ460によって中空の受容器430を通って循環し、そこで熱伝導流体は集光された太陽放射によって加熱される。次に、加熱された熱伝導流体440は加熱システム450に向かって方向付けられ、そこで熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。
中空の受容器は透明であっても不透明であってもよく、典型的には、広帯域反射体によって方向付けられた光及び熱に耐えることができる材料(例えば、金属又はガラス)で作製される必要がある。代表的な熱伝導流体としては、水、水/グリコール混合物、塩水、溶融塩、及び油が挙げられ、典型的には用途要件及びコストに応じて選定される。多くの場合、中空の受容器は、外側の透明な(例えば、ガラス)パイプの内部に配設された、太陽熱吸収材料でコーティングされている内側パイプを備えるが、他の構成を用いることも可能である。いくつかの実施形態では、太陽熱吸収中空受容器を通って流れる加熱された熱伝導流体は、水との間で熱交換して、発電機を駆動する蒸気を作る。
反射防止表面構造化フィルム又はコーティングを中空受容器の前面に適用すると、集光型太陽熱発電システム出力の更なる強化を達成することができる。フィルム又はコーティングの表面構造は、通常、光の入射角を変え、それによって光が臨界角を超えてポリマー及び中空受容器に入り、内部で反射されて、中空受容器による吸収を高めるようにする。そのような表面構造は、例えば、直線角柱、ピラミッド、円錐、又は円柱構造の形状であり得る。角柱の場合、通常、角柱の頂角は90度未満(例えば、60度未満)である。表面構造フィルム又はコーティングの屈折率は、通常、1.55未満(例えば、1.50未満)である。これらの反射防止表面構造フィルム又はコーティングは、本質的に紫外線安定性かつ疎水性又は親水性の材料の使用によって、耐性を高め、洗浄を容易にすることができる。反射防止コーティング(例えば、ナノ構造コーティング又は低屈折率コーティング)は、中空受容器の内側のガラス表面に適用されてもよい。反射防止コーティング又はフィルムの耐久性は、無機ナノ粒子の添加によって強化することができる。
本開示による広帯域反射体はまた、例えば、集中太陽光発電システムにも有用であり得る。例えば、本明細書に開示される広帯域反射体は、約350nm〜約1750nmの吸収帯域幅を有する多接合GaAsセル、又は約400nm〜約1150nmの吸収帯域幅を有する単結晶シリコン光電池に近接して設置された場合に有用であり得る。いくつかの実施形態では、熱管理装置(例えば、リブ、ピン、又はフィンの形態)を使用して、太陽電池からの熱を消散させてもよい。
本開示の利点及び実施形態を、以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例において記載される特定の材料及びその量並びにその他の条件及び詳細は、本開示を不当に限定するものとして解釈されるべきではない。特に記載するか又は明らかでない限り、全ての材料は市販されているか、又は当業者に既知である。
材料
標準的なソーダ石灰顕微鏡ガラススライドは、Fisher Scientific(Pittsburgh,PA)から購入した。
「SPECTRA/POR 7」透析膜は、商品名「SPECTRA/POR 7」で、Spectrum Labs,Inc.(Rancho Dominguez,California)から購入した。
「HEDP」とは、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から入手した1−ヒドロキシエタン1,1−ジホスホン酸(60重量%水溶液)を指す。
「PDADMAC」とは、PolySciences,Inc.(Warrington,PA)から入手した、正に帯電したポリマー(すなわち、ポリカチオン性ポリマー)であり、分子量240Kのポリ(ジアリル−ジメチルアンモニウムクロライド)(20重量%水溶液)を指す。
「PSS」とは、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から入手した、負に帯電したポリマー(すなわち、ポリアニオン性ポリマー)であり、分子量70Kのポリ(スチレンスルホン酸)(20重量%水溶液)を指す。
「PAA」とは、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から入手した、負に帯電したポリマーであり、分子量240Kのポリアクリル酸(20重量%水溶液)を指す。
「IPA」は、VWR(West Chester,PA)から入手した2−プロパノールを指す。
「SiO」は、商品名「NALCO 1050」でNalco Company(Naperville,IL)から入手した、負に帯電した金属酸化物(すなわち、ポリアニオン性ナノ粒子)であるシリカナノ粒子(直径20nm、ナトリウム安定化)(42.5重量%の水分散液)を指す。
ジルコニアナノ粒子ゾル合成及び精製方法
国際公開第2009/085926A2号(Kolbら)にしたがって、高温及び高圧下で酢酸ジルコニウムを加水分解することで。ジルコニアゾルを作成した。蒸留(固形分:34.75%)によってゾルを濃縮し、膜カートリッジ(M21S−100−01P(SpectrumLab,Rancho Dominguez,CA)から入手可能)を使用して、ダイアフィルトレーションして余分な酢酸を除去した。次に、ゾルを蒸留によって62.51重量%固形分まで更に濃縮した。最終的な酢酸濃度は、1.39mmol/g ZrOとなった。
交互積層自己集合コーティングを作成する一般的な方法
StratoSequence VI(nanoStrata Inc.(Tallahassee,FL))浸漬コーティングロボットを使用して、交互積層コーティングを作成した。IPA及び脱イオン(DI)水でガラス顕微鏡スライドをすすぎ、窒素流下で乾燥させた。続けて、スライドをDI水でしっかりとすすぎ、弱結合ポリマーを除去した。次に、基材を、特定時間にわたってポリカチオン(例えば、ZrOナノ粒子懸濁液)の溶液、及び特定時間にわたってポリアニオン(例えば、PSS)の溶液に交互に浸漬し、ポリマー又はナノ粒子溶液が各々帯電した後に、3回にわたる30秒間のすすぎ工程を行う。各槽において、約90rpmで基材を回転させた。所望の数の層を形成させた後、コーティングを脱イオン水ですすぎ、Nガスで乾燥させた。コーティングは、(ポリカチオン/ポリアニオン)で表され、ここでzは形成した「二重層」の数である。「二重層」はポリカチオン層とポリアニオンとの組み合わせとして定義される。「ポリカチオン」及び「ポリアニオン」は、ポリマーポリカチオン及びポリアニオン又は無機金属酸化物ナノ粒子を指すことができる。
コーティング溶液のpHの測定方法
コーティングで使用する溶液のpHを、VWR sympHony(登録商標)pH計に接続されたVWR sympHony(登録商標)ラギッドバルブ(rugged bulb)pH電極を使用して測定した。較正のために標準緩衝液を使用した。
交互積層自己集合コーティングの厚さ及び屈折率の測定方法
コーティング厚さをJ.A.Woollam M−2000可変角エリプソメーターを使用して、300〜1500nmから、50°、60°、及び70°の角度での分光エリプソメトリーによって測定した。まず最初に、ベアガラススライドを2パラメータのコーシー関数(n=A+B/λ)で測定しモデル化した。次に、コーティングされたガラススライドを測定し、コーティングも2パラメータのコーシー関数(n=A+B/λ)でモデル化した。モデルと実験データとの間の誤差が最小化されるまで、ガラススライドの厚さ及び光学定数を維持し、WVASE 32ソフトウェアを使用して、コーティング厚A及びBを繰り返し変化させた。表面粗さを概算するために、光学モデルのコーシー層上に追加の粗面層を加えた。粗面層は50%の下側のコーシー材料、及び50%の空気からなる(n=1.00)。
試料のUV及び可視反射率の測定方法
以下で記載される実施例にしたがって調製した試料のUV及び可視反射率を、積分球を備えたLAMBDA 1050 UV/Vis/NIR分光計(PerkinElmer,Inc(Waltham,MA)より入手)で測定した。調製したコーティングを、かみそりの刃で基材の裏側から除去した。反射率測定において、試料の裏側を黒色の絶縁テープで覆い、裏側の反射を抑制した。測定は、通常の入射角付近(すなわち、標準から8°の偏差)で行った。
調製例1(PEX1)
ジルコニアナノ粒子表面改質手順
約56.3重量%のZrOナノ粒子を、100mL容量の脱イオン水で1重量%に希釈した。この懸濁液に、約1.5mLの60重量% HEDPを撹拌しながら加えた。懸濁液は、最初は正に帯電したZrOで複合化された負に帯電したHEDPとして不透明になるが、懸濁液は、十分な過剰量で、個別のZrO粒子が改質され、安定したコロイド状懸濁液が形成されるHEDPとして数秒のうちに透明となり、これは、HEDP−ZrOとして表した。次に、このHEDP−ZrO懸濁液を3500 MWCO再生セルロース透析膜で透析し、余分なHEDPを除去した。透析槽(脱イオン水)は約4Lの容量であり、磁気撹拌棒で撹拌した。少なくとも5回、交換から交換まで少なくと2時間間隔でこの水を新鮮な脱イオン水に換えた。
実施例1〜4(EX1〜EX4)
高屈折率「全ナノ粒子」「交互積層」コーティング(ZrO/HEDP−ZrO)n
約56.3重量%のZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のHEDP−ZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、両方の懸濁液にNaClを加えた。上述されるようなStratoSequence VIで顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをZrO懸濁液に15分間浸漬し、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをHEDP−ZrO懸濁液に15分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、5個(EX1)、10個(EX2)、15個(EX3)、及び20個(EX4)の二重層を有するコーティングを形成させた。
実施例5(EX5)
高屈折率「全ナノ粒子」「交互積層」コーティング(ZrO/HEDP)n
約56.3重量%のZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。60重量%のHEDPを、140mL容量の脱イオン水で2重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、ZrOの懸濁液にNaClを加えた。上述されるようなStratoSequence VIを含む顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをZrO懸濁液に15分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをHEDP懸濁液に1分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、20個(EX5)の二重層を有するコーティングを形成させた。
実施例6〜9(EX6〜EX9)
高屈折率(PDADMAC/HEDP−ZrO)交互積層コーティング
20重量%のPDADMACを、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のHEDP−ZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、HEDP−ZrOの懸濁液にNaClを加えた。上述されるようなStratoSequence VIを含む顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをPDADMAC懸濁液に1分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをHEDP−ZrO懸濁液に15分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、5個(EX6)、10個(EX7)、15個(EX8)、及び20個(EX9)の二重層を有するコーティングを形成させた。
実施例10〜12(EX10〜EX12)
高屈折率HEDP−ZrO層及び低屈折率SiO層に基づいた可視光反射コーティング
PDADMACの20重量%水溶液を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のHEDP−ZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。42.5重量%のSiOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの緩衝強度及び約10のpHになるまで、炭酸ナトリウム十水和物及び重炭酸ナトリウムを、PDADMAC、HEDP−ZrO、及びSiO懸濁液に加えた。
上述されるようなStratoSequence VIを含む顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをPDADMAC懸濁液に1分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをHEDP−ZrO懸濁液に15分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返し、「高屈折率スタック」(H)と呼ばれる、(PDADMAC/HEDP−ZrOで表される5個の二重層を形成した。この高屈折率スタックは、84.0±1.5nmの厚さ、及び633nmで1.68の屈折率を有していた。
次に、スライドをPDADMAC懸濁液に1分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをSiO懸濁液に15分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返し、「低屈折率スタック」(L)と呼ばれる、(PDADMAC/SiOで表される9個の二重層を形成した。この低屈折率スタックは、117.6±0.9nmの厚さ、及び633nmで1.30の屈折率を有していた。
合計で3個(EX10)、5個(EX11)、及び7個(EX12)のスタックを、それぞれHLH、HLHLH、及びHLHLHLHの並びで形成させた。各スタック間において、N流下で試料を乾燥させた。コーティングのUV/Visの分光反射率を図9に示す。
実施例13〜15(EX13〜EX15)
ポリマー基材上の高屈折率(PDADMAC/HEDP−ZrO)交互積層コーティング
20重量%のPDADMACを、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のHEDP−ZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、HEDP−ZrOの懸濁液にNaClを加えた。上記の「General Method for Making Layer−by−Layer Self−Assembled Coatings」にしたがって、StratoSequence VIでPET(2ミル(0.05mm)厚、3M Company(St.Paul MN))上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。しかしながら、PET基材の場合、最初にPETをIPA及び脱イオン水ですすぎ、N流下で乾燥させて、BD−20AC Laboratory Corona Treater(obtained from Electro−Technic Products,Inc.(Chicago,IL)によって、スライド毎に約20秒間、空気中でコロナ処理を手で行い、コーティング水溶液の湿潤性を向上させた。最初に、PETをPDADMAC懸濁液に1分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをHEDP−ZrO懸濁液に15分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、10個(EX13)、15個(EX14)、20個(EX15)の二重層を有するコーティングを形成させた。ガラス上での外観が等しい、均質なコーティングが観察された。
比較実施例1〜6(CE1〜CE6)
PSSを含む低屈折率ZrO交互積層コーティング
PSSの30重量%水溶液を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、両方の懸濁液にNaClを加えた。上述されるようなStratoSequence VIで顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをZrO懸濁液に15分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをPSS懸濁液に1分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、5個(CE1)、10個(CE2)、15個(CE3)、及び20個(CE4)の二重層を有するコーティングを形成させた。
加えて、ZrOに加えるNaClの量を増加させることは、コーティングの屈折率を更に増やすことを企図したものである。50mMのNaCl(CE5)及び100mMのNaCl(CE6)を含むZrO懸濁液で作製された15個の二重層を有するコーティングを、上述の通りに作製した。50mMのNaClを含むものは、10mMのNaClを含むものと比較して、屈折率が若干上昇したが、その代りに表面粗さが上昇した。100mMのNaClを含むものには、10mM及び50mMのNaCl条件に対して、屈折率が減少した。
比較実施例7〜10(CE7〜CE10)
PAAを含む低屈折率ZrO交互積層コーティング
PAAの約25重量%水溶液を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。約1重量%のZrOナノ粒子を、140mL容量の脱イオン水で0.1重量%に希釈した。10mMの濃度になるまで、両方の懸濁液にNaClを加えた。上述されるようなStratoSequence VIで顕微鏡ガラススライド上で、交互積層自己集合コーティングを調製した。最初に、ガラススライドをZrO懸濁液に15分間浸漬し、次に3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。次に、スライドをPAA懸濁液に1分間浸漬した後、3つの別々の脱イオン水すすぎ槽で各30秒間すすいだ。このサイクルを繰り返して、5個(CE7)、10個(CE8)、15個(CE9)、及び20個(CE10)の二重層を有するコーティングを形成させた。
以下の表1で、EX1〜EX9及びCE1〜CE10における相互積層自己集合コーティングを含むZrOナノ粒子の厚さ、表面粗さ、及び屈折率をまとめる。
Figure 2017504060

Claims (21)

  1. 物品であって、
    基材と、
    前記基材上に配置された、交互積層自己集合によって形成された複数の層と、を含み、前記層の一部が、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む、物品。
  2. 前記無機酸化物ナノ粒子は、負に帯電した基を含む前記リン含有表面処理剤を含む、請求項1に記載の物品。
  3. 前記無機酸化物ナノ粒子が、少なくとも1.60の屈折率を有する、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記無機酸化物ナノ粒子は、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化アンチモン、セリア、酸化亜鉛、酸化ランタン、酸化タンタル、これらの混合金属酸化物、及びこれらの混合物を含む、請求項3に記載の物品。
  5. 前記無機酸化物ナノ粒子は、ジルコニアを含む、請求項4に記載の物品。
  6. 前記リン含有表面処理剤は、リン含有酸又はこれらの塩である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
  7. 前記リン含有表面処理剤は、有機リン酸又はこれらの塩である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
  8. 前記リン含有表面処理剤は、少なくとも2個の負に帯電した基を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
  9. 前記負に帯電した基の少なくとも1つは、負に帯電したリン含有基である、請求項8に記載の物品。
  10. 前記リン含有表面処理剤は、以下の一般構造
    Figure 2017504060

    (式中、Lは酸素、若しくは場合によりOH基で置換されているアルキレン基であり、又は、L−R2はH、OH、若しくはC〜C12であり、
    R1はOHであり、
    R2は、PO、SOH、COOHである)、を有する酸、又は
    それらの塩である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
  11. 前記リン含有表面処理剤を含む前記無機酸化物ナノ粒子を含む層が、ポリカチオンを含む層と交互になり二重層を形成している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。
  12. 前記ポリカチオンはリン含有材料ではない高分子電解質である、請求項11に記載の物品。
  13. 前記ポリカチオンは、前記リン含有表面処理剤を含まない無機ナノ粒子を含む、請求項11に記載の物品。
  14. 二重層は、少なくとも1.40、1.45、1.50、1.55又は1.60の屈折率を有する、請求項10又は11に記載の物品。
  15. 前記基材は光透過性の無機又は有機ポリマー材料である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の物品。
  16. 前記基材は、光学フィルム、建築用フィルム、温室用フィルム、窓用フィルム、保護フィルム、窓割り製品、太陽光チューブ用フィルム、道路標識用フィルム、業務用グラフィックフィルム、太陽光発電フロントシート用フィルム、太陽熱発電集光ミラー、又は白熱電球の透光カバーである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の物品。
  17. ポリカチオンの単層及びポリアニオンの単層を含む二重層を含み、前記ポリアニオンは、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む、物品。
  18. 請求項2〜15のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、請求項17に記載の物品。
  19. 物品を製造する方法であって、
    基材を準備する工程と、
    交互積層自己集合によって形成される複数の層を前記基材上に配置する工程と、を含み、前記層の一部は、リン含有表面処理剤を含む無機酸化物ナノ粒子を含む、方法。
  20. 前記無機酸化物ナノ粒子及び高分子電解質は、各々が水性溶媒中に提供されている、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項2〜17のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、請求項19又は20に記載の方法。
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