JP2012208168A - 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体 - Google Patents

近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体 Download PDF

Info

Publication number
JP2012208168A
JP2012208168A JP2011071774A JP2011071774A JP2012208168A JP 2012208168 A JP2012208168 A JP 2012208168A JP 2011071774 A JP2011071774 A JP 2011071774A JP 2011071774 A JP2011071774 A JP 2011071774A JP 2012208168 A JP2012208168 A JP 2012208168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
index layer
high refractive
acid
coating solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011071774A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hisamitsu
聡史 久光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2011071774A priority Critical patent/JP2012208168A/ja
Publication of JP2012208168A publication Critical patent/JP2012208168A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】水系の分散スラリーを用いた塗布法により、近赤外光反射性、可視光透過性に優れ、塗布液の分散安定性があり生産性が高い、近赤外光反射フィルムとそれを用いた近赤外光反射体を提供する。
【解決手段】支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した少なくとも1つのユニットを含む近赤外光反射フィルムにおいて、前記高屈折率層と低屈折率層のうち少なくとも高屈折率層に、金属酸化物粒子と下記一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物を含有させたことを特徴とする近赤外光反射フィルム。
一般式(1) −CO−NH−CH−CH−O−CO−
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外光反射性、可視光透過性に優れ、生産性が高い近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体に関するものである。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、建物や車両の窓ガラスから、太陽光の中、熱線の透過を遮断する近赤外光反射フィルムの開発が盛んに行われる様になってきている。これにより冷房設備にかかる負荷を減らすことが出来、省エネルギー対策として有効だからである。
従来、近赤外光反射フィルムとして、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタ、などのドライ製膜法で作製する提案がされている。しかし、ドライ製膜法は製造コストが高く、大面積化が困難であり、耐熱性素材に限定される等の課題がある。
そこで塗布法で作製する方法として、熱硬化樹脂を用いる方法(特許文献1)やUV硬化樹脂を用いる方法(特許文献2)が開示されている。これらの方法は製造コストや大面積化などの点で有利であるが、どちらも大量に有機溶媒を用いる方法であり、環境保全上好ましくない。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものである。
本発明者らが、大量に有機溶媒を用いることなく、水系塗布液を用いる方法でありながら、塗布液として低温環境での増粘性を確保しつつ、生産において問題となる塗布液の分散安定性を向上させることによって、高生産性で、かつ近赤外遮断性、可視光透過性に優れた近赤外反射フィルムを検討するなかで、本発明は成された。
即ち、本発明の目的は、水系の分散スラリーを用いた塗布法により、近赤外光反射性、可視光透過性に優れ、塗布液の分散安定性があり生産性が高い、近赤外光反射フィルムとそれを用いた近赤外光反射体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記構成を採ることにより本発明の目的が達成されることが判明した。
1.
支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した少なくとも1つのユニットを含む近赤外光反射フィルムにおいて、少なくとも高屈折率層に、金属酸化物粒子と下記一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物を含有させたことを特徴とする近赤外光反射フィルム。
一般式(1) −CO−NH−CH−CH−O−CO−
2.
更に好ましい態様としては、前記一般式(1)で表わされる有機原子鎖の、少なくとも一部が、下記一般式(2)で表わされることを特徴とする上記1記載の近赤外光反射フィルム。
一般式(2) R−CO−NH−CH−CH−O−CO−
(式中、Rは置換または無置換の炭素数1〜10の炭化水素基である。)
3.
前記一般式(1)又は一般式(2)で表わされる基を含有する高分子化合物が、カルボキシル基を有する高分子化合物とオキサゾリン基を有する化合物とを反応させたものであり、該高分子化合物のカルボキシル基のうち20%以上95%以下が、オキサゾリン基を有する化合物と反応していることを特徴とする上記1又は2記載の近赤外光反射フィルム。
4.
前記1〜3のいずれか1項に記載の近赤外光反射フィルムが、基体の少なくとも一方の面に設けられていることを特徴とする近赤外光反射体。
本発明により、水系の分散スラリーを用いた塗布法を用いて、近赤外光反射性、可視光透過性に優れ、塗布液の分散安定性があり生産性が高い、近赤外光反射フィルムとそれを用いた近赤外光反射体を提供することができる。
前記した通り、本発明の発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した少なくとも1つのユニットを含む近赤外反射フィルムにおいて、少なくとも高屈折率層に、金属酸化物粒子と一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物を含有させた赤外反射フィルムにより、近赤外遮断性、可視光透過性に優れた近赤外反射フィルムを実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明について、さらに説明する。
これまで、ポリマーと金属酸化物粒子(例えば、酸化チタン粒子)を含む高屈折率層に、水系の塗布液が採用されてこなかった理由としては、バインダーである水溶性高分子に酸化チタン粒子を併存させた分散液は、高屈折率層塗布液として安定性が低い点を解決出来なかったことにあると考えられる。
前記した如く近赤外光反射フィルムの製造において、水溶性ポリマーを用いた水系塗布液を用いる公知例はほとんど無い。強いてあげるならば、特開2009−86659号公報の実施例で低屈折率層を水溶液を用いてスピンコートしたとの記載がある。しかし、無機酸化物粒子を添加したものではなく、高屈折率層は、TiO+分散剤+UV硬化樹脂の有機溶媒(PGMEA;Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate)溶液を、スピンコートしていて水系塗布ではない。
何故公知例がないかは必ずしも明確ではないが、水系の多層塗布は高度な技術であり、特に超薄膜多層塗布は難しいため、塗布技術という点からも達成が困難と予測されたためであろう。
さらに、カルボキシル基を持たない水溶性ポリマーは低温増粘性がないものがほとんどであり、この点からも塗布性に問題が生じる。酸化チタン含有液を安定化させる方法として、分散剤を十分量使うことも考えられる。しかし、近赤外光反射フィルムのように各層の膜厚が薄くそのため添加される粒子の粒径が小さいと、粒子の表面積が相対的に増えてそれだけ分散剤の必要量が多くなる。結果的に酸化チタン比率が減って塗膜の屈折率が高くできないという問題点も予測されるためであろう。
しかしながら、本発明の構成を採ることにより、これらの問題点は克服できることが判明した。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔高分子化合物〕
本発明に係る屈折率層においては特定の化学構造を有する高分子化合物を用いる。高分子化合物は単独で使用してもよいし、複数を混合して使用してもよいが、本発明に関わる屈折率層には少なくとも前記一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物を含有していることが必須である。
一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物は、高分子化合物のうち置換基としてカルボキシル基を有する水溶性高分子に、オキサゾリン基を有する化合物を反応させることによって得られる。
尚、本発明において、一般式(1)の化学構造を有する高分子化合物は、水系媒体中で得られるため、後記する実施例等では得られた水溶液(分散液)を水溶性高分子水溶液と呼んでいる。
カルボキシル基を有する水溶性高分子は金属酸化物粒子(例えば、ルチル型の酸化チタン等)と混合して塗布液とした場合、金属酸化物粒子の分散安定性を低下させやすい。これは特に金属酸化物粒子が正の電荷を帯びている場合、カルボキシル基を有する水溶性高分子のカルボキシル基と金属酸化物粒子が相互作用して凝集してしまうためと考えられる。しかしながら、本発明の構成の如くカルボキシル基と反応する化合物を添加してカルボキシル基をキャッピングすれば、高分子化合物と金属酸化物粒子の相互作用が弱くなると考えられる。
カルボキシル基と反応する化合物としては、オキサゾリン基を有する化合物の他に、アルコール、アミン、アンモニア、イソシアネート、エポキシなどが挙げられるが、1)混合するだけで反応が起こる、2)副反応物が生成しない、3)比較的低温でも反応が進行する、4)弱酸性条件で反応が進行するなどの点で、オキサゾリン基を有する化合物を用いるのがよい。
カルボキシル基を有する水溶性高分子としては、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、ゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物などのゼラチン類、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アルギン酸及びアルギン酸塩、ヒアルロン酸、アラビアガム、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、もしくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、もしくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及びそれらの塩が挙げられ、1種または2種以上を混合して用いてもよい。特に低温で増粘するものが好ましく、そのようなものとしてゼラチン類、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチンなどが挙げられる。
〔オキサゾリン基を有する化合物〕
オキサゾリン基を有する化合物としては、低分子、高分子のものを用いることができ、例えば、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)などの低分子化合物、エポクロスWS−500(日本触媒製)、エポクロスWS−700(日本触媒製)、エポクロスRPS−1005(日本触媒製)などの高分子化合物を挙げることができる。オキサゾリン基を1つ含有する化合物、特に炭素数1〜10の置換無置換の炭化水素にオキサゾリン基がついた化合物、例えば、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリンなどが分散安定性と低温増粘性を両立するためにより好ましい。
〔その他の高分子化合物〕
なお、本発明に係る屈折率層において、前記一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物以外に水溶性高分子として、一般的に用いられる合成高分子や天然高分子を併用してもよい。
合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
天然高分子としては、例えば、ゼラチンや増粘多糖類が挙げられる。
ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンを使用してもよく、さらにゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物を用いることもできる。
増粘多糖類としては、例えば、一般に知られている単純多糖類、複合多糖類を挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版) 東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、β1−4グルカン(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等)、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられる。
〔高分子化合物の含有量〕
各屈折率層中における高分子化合物の含有量としては、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。但し、その他の高分子化合物やエマルジョン樹脂等と併用する場合には、3質量%以上の含有量でもよい。高分子化合物が少ないと塗膜乾燥時に膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が大きくなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、相対的に金属酸化物の含有量が増し、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〔硬化剤〕
本発明においては、バインダーである高分子化合物を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、高分子化合物と硬化反応を起こすものであれば特に制限はなく、公知のものが使用でき、一般的には高分子化合物と反応し得る基を有する化合物あるいは高分子化合物が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、高分子化合物の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、ホウ酸またはその塩、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリス−アクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
上記硬化剤の総使用量は、上記高分子化合物1g当たり1〜600mgが好ましく、更には、上記高分子化合物1g当たり100〜600mgが好ましい。
〔支持体〕
近赤外光反射フィルムの支持体としては、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に用いられるフィルム支持体の厚みは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
〔屈折率差〕
本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層及び低屈折率層)の屈折率差が0.1以上であり、好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.45以上である。また、上限には特に制限はないが通常1.4以下である。
また、本発明の近赤外光反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.55である。
隣接した層界面での反射は、層間の屈折率差に依存するのでこの屈折率差が大きいほど、反射率が高まる。また、単層膜でみたとき層表面における反射光と、層底部における反射光の光路差を、n・d=波長/4、で表される関係にすると位相差により反射光を強めあうよう制御出来、反射率を上げることができる。ここで、nは屈折率、またdは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚である。この光路差を利用することで、反射を制御出来る。波長900nm〜1400nmにおいて、この関係を利用して、各層の膜厚を制御して、可視光の透過、近赤外光の反射を制御する。即ち、各層の屈折率、各層の膜厚、各層の積層のさせ方で、特定波長領域の反射率をアップさせることができる。
太陽直達光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R3106に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーをみると、760から1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。従って、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
この近赤外光域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低下が官能評価により得られる。たとえば8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外光域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、1.9以上、望ましくは2.0以上の高屈折率層を利用し、6層以上積層した場合に優れた特性が得られることがわかっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に8層積層したモデルのシミュレーション結果をみると、高屈折率層の屈折率が1.8では反射率が70%にも達しないが、1.9になると約80%の反射率が得られる。また、高屈折率層(屈折率=2.2)と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に積層したモデルでは、積層数が4では反射率が60%にも達していないが、6層になると約80%の反射率が得られる。
〔金属酸化物粒子〕
本発明の金属酸化物は、低屈折率層、または高屈折率層を構成するときに用いられ、上記の目的で使用される金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ、等を挙げることができる。
尚、金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
高屈折率層に含有される金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でも特にアナターゼ型よりルチル型の方が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
又、本発明の低屈折率層には、後記する二酸化ケイ素(シリカ)を金属酸化物としてさらに添加してもよい。
〔二酸化ケイ素〕
本発明で用いることのできる二酸化ケイ素(シリカ)としては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、カチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
金属酸化物粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
金属酸化物粒子は、その粒径が100nm以下であり、4〜50nm、より好ましくは4〜30nmであることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された金属酸化物粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業(株)製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
該気相法シリカとして現在市販されているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロジルが該当する。
本発明で好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、このコロイダルシリカをインクジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭57−14091号公報、同60−219083号公報、同60−219084号公報、同61−20792号公報、同61−188183号公報、同63−17807号公報、特開平4−93284号公報、同5−278324号公報、同6−92011号公報、同6−183134号公報、同6−297830号公報、同7−81214号公報、同7−101142号公報、同7−179029号公報、同7−137431号公報、及び国際特許公開WO94/26530号公報などに記載されている。
コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均粒子径が好ましい。
気相法により合成されたシリカ及びコロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等で処理された物であってもよい。
〔酸化チタン〕
酸化チタンゾルの製造方法
本発明に使用する金属酸化物中、特に好ましい酸化チタンゾルの製造方法について下記に記載する。
ルチル型微粒子二酸化チタンの製造方法における第1の工程は、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(工程1)である。
二酸化チタン水和物は、硫酸チタン、塩化チタン等の水溶性チタン化合物の加水分解によって得ることができる。加水分解の方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。なかでも、硫酸チタンの熱加水分解によって得られたものであることが好ましい。
上記工程(1)は、例えば、上記二酸化チタン水和物の水性懸濁液に、上記塩基性化合物を添加し、所定温度の条件下において、所定時間処理する(反応させる)ことにより行うことができる。
上記二酸化チタン水和物を水性懸濁液とする方法は特に限定されず、水に上記二酸化チタン水和物を添加して撹拌することによって行うことができる。懸濁液の濃度は特に限定されないが、例えば、TiO濃度が懸濁液中に30〜150g/Lとなる濃度であることが好ましい。上記範囲内とすることによって、反応(処理)を効率よく進行させることができる。
上記工程(1)において使用するアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物としては特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。上記工程(1)における上記塩基性化合物の添加量は、反応(処理)懸濁液中の塩基性化合物濃度で30〜300g/L(リットル)であることが好ましい。
上記工程(1)は、60〜120℃の反応(処理)温度で行うことが好ましい。反応(処理)時間は、反応(処理)温度によって異なるが、2〜10時間であることが好ましい。反応(処理)は、二酸化チタン水和物の懸濁液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの水溶液を添加することによって行うことが好ましい。反応(処理)後、反応(処理)混合物を冷却し、必要に応じて塩酸等の無機酸で中和した後、濾過、水洗することによって微粒子二酸化チタン水和物を得ることができる。
また、第2の工程(工程(2))として、工程(1)によって得られた化合物をカルボン酸基含有化合物及び無機酸で処理してもよい。ルチル型微粒子二酸化チタンの製造において上記工程(1)によって得られた化合物を無機酸で処理する方法は公知の方法であるが、無機酸に加えてカルボン酸基含有化合物を使用して、粒子径を調整することができる。
上記カルボン酸基含有化合物とは、−COOH基を有する有機化合物である。上記カルボン酸基含有化合物としては、2以上、より好ましくは2以上4以下のカルボン酸基を有するポリカルボン酸であることが好ましい。上記ポリカルボン酸は、金属原子への配位能を有することから、配位によって微粒子間の凝集を抑制し、これによって好適にルチル型微粒子二酸化チタンを得ることができるものと推測される。
上記カルボン酸基含有化合物としては特に限定されず、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、プロピルマロン酸、マレイン酸等のジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸等を挙げることができる。これらのなかから、2種以上の化合物を同時に併用するものであってもよい。
なお、上記カルボン酸基含有化合物の全部又は一部は、−COOH基を有する有機化合物の中和物(例えば、−COONa基等を有する有機化合物)であってもよい。
上記無機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等を挙げることができる。上記無機酸は、反応(処理)用液中の濃度が0.5〜2.5モル/L、より好ましくは0.8〜1.4モル/Lになるように加えるとよい。
上記工程(2)は、上記工程(1)によって得られた化合物を純水中に懸濁させ、撹拌下、必要に応じて加熱して行うことが好ましい。カルボン酸基含有化合物及び無機酸の添加は同時であっても順次添加するものであってもよいが、順次添加することが好ましい。
添加は、カルボン酸基含有化合物添加後に無機酸を添加するものであっても、無機酸添加後にカルボン酸基含有化合物を添加するものであってもよい。
例えば、上記工程(1)によって得られた化合物の懸濁液中にカルボキシル基含有化合物を添加し、加熱を開始し、液温が60℃以上、好ましくは90℃以上になったところで無機酸を添加し、液温を維持しつつ、好ましくは15分〜5時間、より好ましくは2〜3時間撹拌する方法(方法1);上記工程(1)によって得られた化合物の懸濁液中を加熱し、液温が60℃以上、好ましくは90℃以上になったところで無機酸を添加し、無機酸添加から10〜15分後にカルボン酸基含有化合物を添加し、液温を維持しつつ、好ましくは15分〜5時間、より好ましくは2〜3時間撹拌する方法(方法2)等を挙げることができる。これらの方法によって行うことにより、好適な微粒子状のルチル型二酸化チタンを得ることができる。
上記工程(2)を上記方法1によって行う場合、上記カルボン酸基含有化合物は、TiO100モル%に対し0.25〜1.5モル%使用するものであることが好ましく、0.4〜0.8モル%の割合で使用することがより好ましい。カルボン酸基含有化合物の添加量が0.25モル%より少ない場合は粒子成長が進んでしまい目的とする粒子サイズの粒子が得られないおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が1.5モル%より多い場合は粒子のルチル化が進まずアナタースの粒子ができてしまうおそれがある。
上記工程(2)を上記方法2によって行う場合、上記カルボン酸基含有化合物は、TiO100モル%に対し1.6〜4.0モル%使用するものであることが好ましく、2.0〜2.4モル%の割合で使用することがより好ましい。
カルボン酸基含有化合物の添加量が1.6モル%より少ない場合は粒子成長が進んでしまい目的とする粒子サイズの粒子が得られないおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が4.0モル%より多い場合は粒子のルチル化が進まずアナタースの粒子ができてしまうおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が4.0モル%を超えても効果は良好なものとならず、経済的に不利である。また、上記カルボン酸基含有化合物の添加を無機酸添加から10分未満で行うと、ルチル化が進まず、アナタース型の粒子ができてしまうおそれがあり、無機酸添加から15分を超えて行うと、粒子成長が進みすぎ、目的とする粒子サイズの粒子が得られない場合がある。
上記工程(2)においては、反応(処理)終了後冷却し、更にpH5.0〜pH10.0になるように中和することが好ましい。上記中和は、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水等のアルカリ性化合物によって行うことができる。中和後に濾過、水洗することによって目的のルチル型微粒子二酸化チタンを分離することができる。
また、二酸化チタン微粒子の製造方法として、「酸化チタン−物性と応用技術」(清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版(株))等に記載の公知の方法を用いることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、5nm〜15nmであり、より好ましくは6nm〜10nmである。
本発明に係る金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
〔コロイダルシリカ複合エマルジョン〕
また、本発明においては、コロイダルシリカ複合エマルジョンも低屈折率層において、金属酸化物として用いることができる。本発明に好ましく用いられるコロイダルシリカ複合エマルジョンは、粒子の中心部が重合体或いは共重合体等を主成分としてなり、特開昭59−71316号公報、特開昭60−127371号公報に記載されているコロイダルシリカの存在下でエチレン性不飽和結合を有するモノマーを従来公知の乳化重合法で重合して得られる。該複合体エマルジョンに適用されるコロイダルシリカの粒子径としては40nm未満のものが好ましい。
この複合エマルジョンの調製に用いられるコロイダルシリカとしては、通常2〜100μmの一次粒子のものが挙げられる。エチレン性モノマーとしては、例えば炭素数が1〜18個のアルキル基、アリール基、或いはアリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のラテックス業界で公知の材料が挙げられ、必要に応じて更にコロイダルシリカとの相溶性をより良くするためにビニルトリメトオキシシラン、ビニルトリエトオキシシラン、γ−メタクリロオキシプロピルトリメトオキシシラン等の如きビニルシランが、また、エマルジョンの分散安定に(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のアニオン性モノマーが助剤的に使われる。なお、エチレン性モノマーは必要に応じて2種類以上を併用することができる。
また、乳化重合におけるエチレン性モノマー/コロイダルシリカの比率は固形分比率で100/1〜200であることが好ましい。
本発明に使用されるコロイダルシリカ複合体エマルジョンの中でより好ましいものとしては、ガラス転移点が−30〜30℃の範囲のものが挙げられる。
また、組成的に好ましいものとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のエチレン性モノマーが挙げられ、特に好ましいものとしては(メタ)アクリル酸エステルとスチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アラルキルエステルの共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステル共重合体が挙げられる。
乳化重合で使われる乳化剤としては、例えばアルキルアリルポリエーテルスルホン酸ソーダ塩、ラウリルスルホン酸ソーダ塩、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硝酸ソーダ塩、アルキルアリルスルホサクシネートソーダ塩、スルホプロピルマレイン酸モノアルキルエステルソーダ塩等が挙げられる。
好ましい粒子径は1次粒子で10nm以下、また二次粒子で30nm以下であり、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる。
〔無機ポリマー〕
本発明に係る各屈折率層では、ジルコニウム原子含有化合物あるいはアルミニウム原子含有化合物等の無機ポリマーを用いることができる。
本発明に適用可能なジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニル、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、酸塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、第一稀元素化学工業(株)製の酢酸ジルコニルZA(商品名)や、第一稀元素化学工業(株)製の酸塩化ジルコニル(商品名)等が挙げられる。
ジルコニウム原子を含む化合物は、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
また、本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。
〔屈折率層のその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔重層塗布の製造方法〕
本発明の近赤外光反射フィルムは、高屈折率層、低屈折率層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号公報、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
また、近赤外光反射フィルムを保管する際には、本発明に係る近赤外光反射フィルムは、オーバーコートして乾燥した後、ロールに保管したまま、あるいはシート状に断裁した後、保管することが好ましい。30℃以上で一定時間、例えば、1日〜1ヶ月間保管すると、塗布ムラの軽減に役立つ。好ましい保管条件は、30〜50℃で1〜30日である。
〔近赤外光反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外光反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備(基体)に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る近赤外光反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂等の基体に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外光反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外光反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外光反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業(株)製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(高屈折率層塗布液1の調製)
ジルコニアゾル(ナノユースZR30−AR 日産化学工業(株)製)60質量部を撹拌しながら50℃まで昇温した後、下記水溶性高分子水溶液1の225質量部と純水150質量部を添加して90分撹拌した後、5質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P 花王(株)製)0.45質量部を添加して高屈折率層塗布液1を調製した。
(水溶性高分子水溶液1の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液100質量部にオキサゾリン基含有ポリマー(WS700 (株)日本触媒製)3.0質量部を添加した。この量はゼラチンの組成分析から求めたカルボキシル基の100%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後50℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液1を調製した。
(高屈折率層塗布液2の調製)
ジルコニアゾル(ナノユースZR30−AR 日産化学工業(株)製)の代わりに20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン)を使用したほかは高屈折率層用塗布液1と同様にして高屈折率層用塗布液2を調製した。
(高屈折率層塗布液3の調製)
水溶性高分子水溶液1の225質量部の代わりに水溶性高分子水溶液1の160質量部と下記水溶性高分子水溶液2の65質量部の混合液を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液3を調製した。
(水溶性高分子水溶液2の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.33質量部を添加した。この量はゼラチンの組成分析から求めたカルボキシル基の100%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後50℃で24時間撹拌し水溶性高分子水溶液2を調製した。
(高屈折率層塗布液4の調製)
水溶性高分子水溶液1の225質量部の代わりに水溶性高分子水溶液1の65質量部と水溶性高分子水溶液2の160質量部の混合液を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液4を調製した。
(高屈折率層塗布液5の調製)
水溶性高分子水溶液1の代わりに水溶性高分子水溶液2を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液5を調製した。
(高屈折率層塗布液6の調製)
水溶性高分子水溶液1の代わりに下記水溶性高分子水溶液3を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液6を調製した。
(水溶性高分子水溶液3の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.066質量部を添加した。この量はゼラチンの組成分析から求めたカルボキシル基の20%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後50℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液3を調製した。
(高屈折率層塗布液7の調製)
水溶性高分子水溶液1の代わりに下記水溶性高分子水溶液4を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液7を調製した。
(水溶性高分子水溶液4の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.17質量部を添加した。この量はゼラチンの組成分析から求めたカルボキシル基の50%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後50℃で24時間撹拌し水溶性高分子水溶液4を調製した。
(高屈折率層塗布液8の調製)
水溶性高分子水溶液1の代わりに下記水溶性高分子水溶液5を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液8を調製した。
(水溶性高分子水溶液5の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.26質量部を添加した。この量はゼラチンの組成分析から求めたカルボキシル基の80%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後50℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液5を調製した。
(高屈折率層塗布液9の調製)
20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン)60質量部を撹拌しながら50℃まで昇温した後、下記水溶性高分子水溶液6の1125質量部を添加して90分撹拌した後、5質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P 花王(株)製)1.2質量部を添加して高屈折率層塗布液9を調製した。
(水溶性高分子水溶液6の調製)
1質量%キサンタンガム水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.21質量部を添加した。この量はキサンタンガムのカルボキシル基の100%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後80℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液6を調製した。
(高屈折率層塗布液10の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに下記水溶性高分子水溶液7を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液10を調製した。
(水溶性高分子水溶液7の調製)
1質量%キサンタンガム水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.19質量部を添加した。この量はキサンタンガムのカルボキシル基の90%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後80℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液7を調製した。
(高屈折率層塗布液11の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに下記水溶性高分子水溶液8を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液11を調製した。
(水溶性高分子水溶液8の調製)
1質量%ジェランガム水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.15質量部を添加した。この量はジェランガムのカルボキシル基の100%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後80℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液8を調製した。
(高屈折率層塗布液12の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに下記水溶性高分子水溶液9を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液12を調製した。
(水溶性高分子水溶液9の調製)
1質量%ジェランガム水溶液100質量部に2−エチル−2−オキサゾリン0.14質量部を添加した。この量はジェランガムのカルボキシル基の90%がオキサゾリン基と反応する比率である。添加後80℃で24時間撹拌し、水溶性高分子水溶液9を調製した。
(高屈折率層塗布液13の調製)
水溶性高分子水溶液1の代わりに5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液2と同様にして高屈折率層用塗布液13を調製した。
(高屈折率層塗布液14の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%キサンタンガム水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液14を調製した。
(高屈折率層塗布液15の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%ジェランガム水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液15を調製した。
(高屈折率層塗布液16の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%ローカストビーンガム水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液9と同様にして高屈折率層用塗布液16を調製した。
(低屈折率層塗布液1の調製)
コロイダルシリカ(スノーテックスOS 日産化学工業(株)製)68質量部を撹拌しながら40℃まで昇温した後、5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液の280質量部と純水240質量部を添加して10分撹拌した後、5質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P 花王(株)製)0.64質量部を添加して低屈折率層塗布液1を調製した。
(低屈折率層塗布液2の調製)
5質量%酸処理ゼラチン(平均分子量13万)水溶液の代わりに水溶性高分子水溶液5を使用したほかは低屈折率層用塗布液1と同様にして低屈折率層用塗布液2を調製した。
(低屈折率層塗布液3の調製)
コロイダルシリカ(スノーテックスOS 日産化学工業(株)製)68質量部を撹拌しながら40℃まで昇温した後、水溶性高分子水溶液6の1400質量部を添加して10分撹拌した後、5質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P 花王(株)製)1.6質量部を添加して低屈折率層塗布液3を調製した。
(低屈折率層塗布液4の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに水溶性高分子水溶液7を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液4を調製した。
(低屈折率層塗布液5の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに水溶性高分子水溶液8を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液5を調製した。
(低屈折率層塗布液6の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに水溶性高分子水溶液9を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液6を調製した。
(低屈折率層塗布液7の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%キサンタンガム水溶液を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液7を調製した。
(低屈折率層塗布液8の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%ジェランガム水溶液を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液8を調製した。
(低屈折率層塗布液9の調製)
水溶性高分子水溶液6の代わりに1質量%ローカストビーンガム水溶液を使用したほかは低屈折率層用塗布液3と同様にして低屈折率層用塗布液9を調製した。
(近赤外反射フィルムの作製)
以下の高屈折率層、低屈折率層の形成においては、塗布液の安定性を確認するために、上記調製した高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液を24時間撹拌保存したあとに用いた。
《試料1の作製》
(低屈折率層1の形成)
上記調製した低屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が175nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層1を形成した。
(高屈折率層1の形成)
さらに、高屈折率層用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの低屈折率層1上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層1を形成した。
(近赤外反射フィルムの作製)
上記形成した高屈折率層1上に、同様にして低屈折率層1/高屈折率層1から構成されるユニットをさらに5ユニット積層し、合計6ユニット(12層)から構成された交互積層膜を形成した後、最上層にさらに低屈折率層1を積層した近赤外反射フィルムである試料1を作製した。
《試料2の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液2を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料2を作製した。
《試料3の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液3を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料3を作製した。
《試料4の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液4を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料4を作製した。
《試料5の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液5を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料5を作製した。
《試料6の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液6を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料6を作製した。
《試料7の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液7を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料7を作製した。
《試料8の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液8を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料8を作製した。
《試料9の作製》
低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液2を使用したほかは、試料8の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料9を作製した。
《試料10の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液9を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液3を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料10を作製した。
《試料11の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液10を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液4を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料11を作製した。
《試料12の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液11を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液5を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料12を作製した。
《試料13の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液12を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液6を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料13を作製した。
《試料14の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液13を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料14を作製した。
《試料15の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液14を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液7を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料15を作製した。
《試料16の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液15を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液8を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料16を作製した。
《試料17の作製》
高屈折率層用塗布液1の代わりに高屈折率層用塗布液16を、低屈折率層用塗布液1の代わりに低屈折率層用塗布液9を使用したほかは、試料1の作製と同様にして近赤外反射フィルムである試料17を作製した。
《近赤外反射フィルムの評価》
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
(可視光透過率及び近赤外光透過率の測定)
分光光度計(U−4000型、日立製作所(株)製)を用い、各近赤外反射フィルムの800nm〜1400nmの領域における透過率を測定し、その平均値を求め、これを近赤外光透過率とした。この値が小さいほど近赤外光遮断性が高いことになる。また550nmにおける透過率を測定し、可視光透過率とした。
Figure 2012208168
表1の結果より明らかなように、本発明の近赤外反射フィルムは、近赤外光遮断性、可視光透過性に優れることが分かる。

Claims (4)

  1. 支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した少なくとも1つのユニットを含む近赤外光反射フィルムにおいて、少なくとも高屈折率層に、金属酸化物粒子と下記一般式(1)で表わされる有機原子鎖を有する高分子化合物を含有させたことを特徴とする近赤外光反射フィルム。
    一般式(1) −CO−NH−CH−CH−O−CO−
  2. 前記一般式(1)で表わされる有機原子鎖の、少なくとも一部が、下記一般式(2)で表わされることを特徴とする請求項1に記載の近赤外光反射フィルム。
    一般式(2) R−CO−NH−CH−CH−O−CO−
    (式中、Rは置換または無置換の炭素数1〜10の炭化水素基である。)
  3. 前記一般式(1)又は一般式(2)で表わされる基を含有する高分子化合物が、カルボキシル基を有する高分子化合物とオキサゾリン基を有する化合物とを反応させたものであり、該高分子化合物のカルボキシル基のうち20%以上95%以下が、オキサゾリン基を有する化合物と反応していることを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外光反射フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外光反射フィルムが、基体の少なくとも一方の面に設けられていることを特徴とする近赤外光反射体。
JP2011071774A 2011-03-29 2011-03-29 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体 Withdrawn JP2012208168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011071774A JP2012208168A (ja) 2011-03-29 2011-03-29 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011071774A JP2012208168A (ja) 2011-03-29 2011-03-29 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012208168A true JP2012208168A (ja) 2012-10-25

Family

ID=47188000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011071774A Withdrawn JP2012208168A (ja) 2011-03-29 2011-03-29 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012208168A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115675B2 (ja) 光学反射フィルム及びそれを用いた光学反射体
JP6201756B2 (ja) 赤外遮蔽フィルム
JP5880438B2 (ja) 近赤外反射フィルム、その製造方法及び近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体
WO2012014607A1 (ja) 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体
JP5939257B2 (ja) 近赤外遮蔽フィルムおよび近赤外遮蔽体
WO2014010562A1 (ja) 赤外遮蔽フィルム
JP5593916B2 (ja) 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体
WO2014069507A1 (ja) 光学反射フィルム、赤外遮蔽フィルムおよびその製造方法
WO2013077274A1 (ja) 赤外遮蔽フィルム
US20160062000A1 (en) Optical reflective film, method for manufacturing the same, and optical reflector using the same
JP2012071446A (ja) 近赤外反射フィルム及び近赤外反射体
JP5811626B2 (ja) 光学反射フィルム及びそれを用いた光学反射体
JP6176256B2 (ja) 光学反射フィルムおよびそれを用いた光学反射体
JP5609536B2 (ja) 近赤外反射フィルム及び近赤外反射体
WO2017086048A1 (ja) 光学反射フィルムおよび光学反射体
JP2013080178A (ja) 光遮蔽フィルムおよびそれを用いた赤外遮蔽体
JP2014089347A (ja) 赤外遮蔽フィルムおよびその製造方法
JP2012208168A (ja) 近赤外光反射フィルム及びそれを用いた近赤外光反射体
JP5724620B2 (ja) 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体
JP2017090714A (ja) 赤外遮蔽フィルム、及び、赤外反射体
JP5733319B2 (ja) 近赤外反射フィルム及びそれを用いた近赤外反射体
JP2016114806A (ja) 光学フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20121101

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130415

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140603