JP2017229203A - モータ制御装置及び開閉部材制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】いずれかのリレースイッチが故障したときにモータへの通電を適切に停止する。【解決手段】モータ制御装置1において、第一リレースイッチS1及び第二リレースイッチS2と、各リレースイッチのオンオフを切り換えるために各リレースイッチに電圧を印加するリレー駆動電源回路6と、各リレースイッチの異常の有無を判定するマイコン3と、が備えられている。第一リレースイッチS1及び第二リレースイッチS2がオンするとモータMが通電停止状態となり、マイコン3が異常有りと判定すると、リレー駆動電源回路6は、第一リレースイッチS1及び第二リレースイッチS2がオンするように各リレースイッチに電圧を印加した後、第一リレースイッチS1及び第二リレースイッチS2がオンした状態を維持しながら各リレースイッチに印加する電圧の大きさを下げる。【選択図】図2
Description
本発明は、モータ制御装置及び開閉部材制御装置に係り、特に、モータの通電状態を切り換えるためにオンオフする切換器を複数備えるモータ制御装置及び開閉部材制御装置に関する。
モータ制御装置の中には、モータの通電状態を切り換えるためにオンオフするリレースイッチ等の切換器を複数備えているものが存在する。このような構成のモータ制御装置において、切換器の一つが故障し、例えば接点のオン溶着等を原因としてオン状態を続けてしまうと、モータが意図せず回転し続けてしまう。このような不具合を解消する技術として、特許文献1に記載のモータ制御装置が既に開発されている。
特許文献1に記載のモータ制御装置によれば、いずれかのリレースイッチにおける接点のオン溶着を検出すると、それ以外のリレースイッチを強制的にオンさせることにより、モータのアーマチャ端子を短絡させてモータへの通電を停止させる。これにより、リレースイッチのオン溶着に伴うモータの連続回転を防止することが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載のモータ制御装置のように、一方のリレースイッチがオン溶着したときの対応として他方のリレースイッチを強制的にオンさせると、強制的にオンしたリレースイッチ内のコイル(リレーコイル)に電流が流れ続ける。この結果、電源電力を無駄に消費してしまい、また、リレーコイルが異常発熱してしまう虞がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の切換器のいずれかが故障したときにモータへの通電を適切に停止することが可能なモータ制御装置を提供することである。
また、上述した不具合は、開閉部材を開閉するために回転するモータと、当該モータの通電状態を切り換えるために複数の切換器と、を有する開閉部材制御装置においても同様に生じ得る。したがって、本発明の他の目的は、複数の切換器のいずれかが故障したときにモータへの通電を適切に停止することが可能な開閉部材制御装置を提供することである。
前記課題は、本発明のモータ制御装置によれば、モータの通電状態を切り換えるためにオンオフする第一切換器及び第二切換器と、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々のオンオフを切り換えるために前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加する電圧印加部と、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定する判定部と、を有し、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンすると前記モータが通電停止状態となり、前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加した後、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げることにより解決される。
上記のように構成された本発明のモータ制御装置では、第一切換器や第二切換器に異常が有る場合に両方の切換器をオンさせてモータへの通電を停止する。これにより、切換器が故障した場合にモータが意図せず回転し続けるのを防止することが可能となる。また、両方の切換器をオンさせた後には、両方の切換器がオンした状態を維持しながら各切換器への印加電圧の大きさを下げる。これにより、切換器を強制的にオンさせたことによる電力消費を抑えつつ、モータへの通電を適切に停止することが可能となる。
また、上記のモータ制御装置において、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げる際に、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々がオフする時点での電圧の大きさ以下にならないように下げると、好適である。
上記の構成では、両方の切換器をオンさせた後に各切換器への印加電圧の大きさを下げる際に、当該印加電圧の大きさは、各切換器がオフする時点の大きさ以下にならないように設定される。これにより、各切換器の印加電圧の大きさを下げながらも、両方の切換器がオンした状態を維持することが可能となる。
上記の構成では、両方の切換器をオンさせた後に各切換器への印加電圧の大きさを下げる際に、当該印加電圧の大きさは、各切換器がオフする時点の大きさ以下にならないように設定される。これにより、各切換器の印加電圧の大きさを下げながらも、両方の切換器がオンした状態を維持することが可能となる。
また、上記のモータ制御装置において、前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加してから予め決められた設定時間が経過した後に、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げると、尚好適である。
上記の構成では、両方の切換器をオンさせてから所定の時間が経過した後に、各切換器への印加電圧の大きさを下げる。これにより、両方の切換器を確実にオンさせてから、各切換器への印加電圧の大きさを下げるようになる。
上記の構成では、両方の切換器をオンさせてから所定の時間が経過した後に、各切換器への印加電圧の大きさを下げる。これにより、両方の切換器を確実にオンさせてから、各切換器への印加電圧の大きさを下げるようになる。
また、上記のモータ制御装置において、前記モータを回転させるために行われるユーザ操作を受け付けて信号を出力する操作受付部を有し、前記判定部は、前記操作受付部から信号が出力されていない期間に前記モータが回転しているか否かを特定することにより、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定すると、一層好適である。
上記の構成では、操作受付部がユーザ操作を受け付けていないにもかかわらずモータが回転している場合に異常有りと判定する。これにより、切換器の異常の有無を的確に判定することが可能となる。
上記の構成では、操作受付部がユーザ操作を受け付けていないにもかかわらずモータが回転している場合に異常有りと判定する。これにより、切換器の異常の有無を的確に判定することが可能となる。
また、上記のモータ制御装置において、前記第一切換器及び前記第二切換器は、電源から前記モータへの電力供給路中に設けられたリレースイッチによって構成されており、前記第一切換器を構成する前記リレースイッチ、及び、前記第二切換器を構成する前記リレースイッチの双方がオンすると前記電力供給路が短絡すると、益々好適である。
上記の構成では、第一切換器及び第二切換器をオンにすることでモータへの電力供給路が短絡し、これによりモータへの通電が停止する。
上記の構成では、第一切換器及び第二切換器をオンにすることでモータへの電力供給路が短絡し、これによりモータへの通電が停止する。
また、前述の課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、開閉部材を開閉移動させるために回転するモータと、該モータの通電状態を切り換えるためにオンオフする第一切換器及び第二切換器と、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々のオンオフを切り換えるために前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加する電圧印加部と、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定する判定部と、を有し、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンすると前記モータが通電停止状態となり、前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加した後、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げることにより解決される。
上記のように構成された本発明の開閉部材制御装置によれば、第一切換器や第二切換器が故障したときにモータへの通電を適切に停止することが可能となる。これにより、切換器の故障によってモータが回転し続けるために開閉部材が意図せずに開閉移動してしまう事態を回避することが可能となる。
本発明によれば、複数の切換器のいずれかが故障したときにモータへの通電を適切に停止し、以て、モータが意図せずに回転し続ける事態を回避することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について説明する。なお、以下では、車両に搭載されたパワーウィンドウ装置10を開閉部材制御装置の一例として説明する。パワーウィンドウ装置10は、モータMの回転力を利用してウィンドウガラス11を開閉移動(昇降)させる。ここで、ウィンドウガラス11は、開閉部材に相当し、車両ドアDに形成された開口部Daを閉じる閉位置と、開口部Daを開ける開位置との間を移動する。
また、パワーウィンドウ装置10は、図1に示すように、ウィンドウガラス11を開閉移動させるために動作する昇降機構12を有する。この昇降機構12は、Xアーム式の機構であり、モータMを駆動源として作動する。具体的に説明すると、モータMが回転した際、その回転力が昇降機構12の各アーム部に伝達されて当該各アーム部が揺動する。これにより、各アーム部に支持されたウィンドウガラス11が開閉移動(昇降)するようになる。なお、本実施形態では、Xアーム式の昇降機構12について説明したが、昇降機構12については、モータMの回転を利用してウィンドウガラス11を開閉移動させるものであれば制限なく利用可能である。
モータMは、ウィンドウガラス11を開閉移動させるために回転するものであり、図2に図示のバッテリB(電源に相当)から給電されることにより回転する。また、モータMへの通電は、本実施形態に係るモータ制御装置1によって制御される。すなわち、本実施形態に係るモータ制御装置1は、パワーウィンドウ装置10に組み込まれており、主としてパワーウィンドウ装置10の制御系統を構成している。以下、図2を参照しながら、モータ制御装置1の構成について説明する。なお、以下の説明では、電力供給路において、バッテリBの陽極により近い側を+側と呼び、バッテリBの陰極により近い側を−側と呼ぶこととする。
モータ制御装置1は、パワーウィンドウ装置10用のECU(Electric Control Unit)によって構成され、図2に示すように、モータドライブ回路2と、マイクロコンピュータ(以下、マイコン3)と、操作スイッチ4、5を備える。モータドライブ回路2は、バッテリBからモータMへの電力供給路を構成している。モータドライブ回路2の構成について詳細に説明すると、モータドライブ回路2の+側の端子がバッテリBの陽極に接続されており、−側の端子がバッテリBの陰極に接続されている。なお、バッテリBの陰極は、図2に示すようにグランドに接地されている。
また、モータドライブ回路2内には2つのリレースイッチS1、S2が配置されている。各リレースイッチS1、S2は、切換器に相当し、モータMへの通電状態を切り換えるためにオンオフする。ここで、2つのリレースイッチS1、S2のうちの一方(例えば、モータMの+側端子により近いリレースイッチS1)が第一切換器に相当し、他方(例えば、モータMの−側端子により近いリレースイッチS2)が第二切換器に相当する。各リレースイッチS1、S2は、コイルとしての励磁コイルRcと切換接点Rs(C接点)を有し、コモンにはモータMの端子が結線されている。そして、各リレースイッチS1、S2がオンオフすることで、バッテリBからモータMへの給電の有無、すなわちモータMの通電状態が切り換わる。
各リレースイッチS1、S2のオンオフは、マイコン3によって制御される。具体的に説明すると、マイコン3は、各リレースイッチS1、S2の励磁コイルRcに電圧を印加して励磁コイルRc内に電流を流すことで当該各リレースイッチS1、S2をオンさせる。より詳しく説明すると、励磁コイルRcの+側端子は、バッテリBの陽極に接続されている。他方、励磁コイルRcの−側端子は、マイコン3の出力ポートに接続されたトランジスタTrのドレイン端子に接続されている。なお、トランジスタTrのゲート端子は、マイコン3の出力ポートに接続されており、ソース端子は、バッテリBの陰極(厳密にはグランド)に接地されている。
そして、トランジスタTrが通電してドレイン−ソース間が開通するようになると、励磁コイルRcに電圧が印加されて当該励磁コイルRc内に電流が流れるようになる。この結果、電流が流れている励磁コイルRcを備えるリレースイッチS1、S2がオンするようになる。なお、リレースイッチS1、S2がオンするとは、C接点である切換接点RsがバッテリBの陽極と電気的に接続された状態になることを意味する。そして、2つのリレースイッチS1、S2が共にオンすると、モータドライブ回路2が短絡することになる。つまり、2つのリレースイッチS1、S2がオンしたときには、モータMが通電停止状態となる。
また、本実施形態では、図2に示すように、励磁コイルRcの+側端子とバッテリBの陽極との間にリレー駆動電源回路6が介在している。このリレー駆動電源回路6は、電圧印加部に相当し、各リレースイッチS1、S2のオンオフを切り換えるために各リレースイッチS1、S2(厳密には励磁コイルRc)に電圧を印加する。また、リレー駆動電源回路6が印加する電圧の大きさは、可変であり、マイコン3からの制御指令に従って調整されることになっている。
操作スイッチ4、5は、操作受付部に相当し、ウィンドウガラス11を開閉移動させる際に車両の乗員(ユーザ)によって操作される。換言すると、操作スイッチ4、5は、ウィンドウガラス11を昇降させる昇降機構12の駆動源であるモータMを回転させるために行われるユーザ操作を受け付ける。より具体的に説明すると、一方の操作スイッチ4(以下、開側の操作スイッチ4)は、ウィンドウガラス11が開移動するようにモータMを回転させるために行われるユーザ操作を受け付ける。他方の操作スイッチ5(以下、閉側の操作スイッチ5)は、ウィンドウガラス11が閉移動するようにモータMを回転させるために行われるユーザ操作を受け付ける。そして、各操作スイッチ4、5は、ユーザ操作を受け付けると、これに連動して信号(操作信号)をマイコン3に対して出力する。
マイコン3は、操作スイッチ4、5から出力された操作信号を受信した際に、当該信号に応じた向きにモータMが回転するように各リレースイッチS1、S2のオンオフを制御する。具体的に説明すると、マイコン3は、上記の操作信号に従ってリレー駆動電源回路6を制御し、リレー駆動電源回路6が各リレースイッチS1、S2に印加する電圧の大きさを制御する。
リレー駆動電源回路6の制御に関して一例を挙げて説明すると、開側の操作スイッチ4が操作されたとき、マイコン3は、リレースイッチ毎に印加電圧の大きさを設定する。この際、一方のリレースイッチS1に対する印加電圧については、当該リレースイッチS1をオンさせる大きさ(以下、作動電圧値)に設定し、他方のリレースイッチS2に対する印加電圧については、当該リレースイッチS2をオフさせる大きさ(以下、開放電圧値)に設定する。そして、リレー駆動電源回路6は、各リレースイッチS1、S2に対して、マイコン3がリレースイッチ毎に設定した大きさの電圧を印加するようになる。すなわち、一方のリレースイッチS1が、その励磁コイルRcに作動電圧値に相当する電圧が印加されることでオンし、他方のリレースイッチS2が、その励磁コイルRcに開放電圧値以下の電圧が印加されることでオフする。この結果、モータMが通電して、操作された操作スイッチ4と対応する向き(つまり、ウィンドウガラス11を開移動させる向き)に回転するようになる。
本実施形態において、マイコン3は、リレー駆動電源回路6を制御する機能を有する他、各リレースイッチS1、S2の異常の有無を判定する機能を有している。すなわち、本実施形態に係るマイコン3は、判定部として機能する。
具体的に説明すると、モータ制御装置1には、モータMの回転を検出する装置としてのホール素子7が設けられている。このホール素子7は、モータMの回転と同期したパルス信号をマイコン3に向けて出力する。つまり、マイコン3は、モータMが所定の回転角度だけ回転する度に上記のパルス信号をホール素子7から受信する。一方、操作スイッチ4、5が操作されていない期間(換言すると、操作スイッチ4、5から操作信号が出力されていない期間であり、以下、不操作期間)中には、本来、モータMが停止しているはずである。しかしながら、リレースイッチS1、S2にオン溶着等の異常が有ると、当該異常が発生した方のリレースイッチS1、S2がオン状態で維持されてしまうために、不操作期間であってもモータMが意図せずに回転してしまう。そこで、本実施形態において、マイコン3は、不操作期間にモータMが回転しているか否かを、ホール素子7からのパルス信号に基づいて特定することにより、各リレースイッチS1、S2の異常の有無を判定する。
以下、図3を参照しながら、マイコン3によって異常の有無を判定するフロー(異常判定フロー)の流れについて説明する。異常判定フローでは、先ず、マイコン3がホール素子7からパルス信号を取得したか否かを判定する(S001)。これにより、マイコン3は、モータMが現在回転しているかどうかを特定する。そして、パルス信号を取得している場合、マイコン3は、操作スイッチ4、5が操作されているか否か(すなわち、操作信号を受信しているか否か)を判定する(S002)。この際、操作スイッチ4、5が操作されているのであれば、当該スイッチ操作に応じてモータMが回転しているため、マイコン3は、異常なしと判定する(S003)。他方、操作スイッチ4、5が操作されていないのであれば、不操作期間中にモータMが回転していることになるため、マイコン3は、異常有りと判定する(S004)。
そして、マイコン3が異常有りと判定した場合に、その対応策としてモータMを停止する処理(以下、異常対応処理)を実行する。具体的に説明すると、異常対応処理では、2つのリレースイッチS1、S2の双方をオンさせてモータドライブ回路2を短絡させることでモータMを通電停止状態とする。これにより、不操作期間中のモータMの連続回転を回避することが可能となる。
一方、リレースイッチS1、S2をオン状態で維持する場合、励磁コイルRcに作動電圧値に相当する電圧が印加され続けることになる。この結果、励磁コイルRcに電流が流れ続けて、バッテリBの電力を無駄に消費してしまうことになる。そこで、上記の異常対応処理では、2つのリレースイッチS1、S2の双方をオンさせてモータドライブ回路2を短絡させた後に、2つのリレースイッチS1、S2の双方がオンした状態を維持しながら各リレースイッチS1、S2への印加電圧の大きさを下げることにしている。
以下、異常対応処理の具体的な流れについて図4を参照しながら説明する。なお、以下では、リレースイッチS1にオン溶着の異常が生じたケースを例に挙げて説明する。異常対応処理では、先ず、2つのリレースイッチS1、S2の双方をオンさせる(S011)。具体的に説明すると、マイコン3がリレースイッチS1、S2への印加電圧の大きさを設定し、設定した大きさの電圧を印加するようにリレー駆動電源回路6を制御する。この際、印加電圧の大きさは、図5に示すように作動電圧値(図5に図示のケースでは12V)に設定される。そして、リレー駆動電源回路6は、作動電圧値に相当する大きさの電圧を各リレースイッチS1、S2(厳密には、励磁コイルRc)に印加する。これにより、それまでオフ状態であったリレースイッチS2がオンし、結果として、2つのリレースイッチS1、S2がいずれもオンする。この結果、モータドライブ回路2が短絡し、それまで回転状態にあったモータMが停止するようになる。
その後、リレー駆動電源回路6は、作動電圧値に相当する大きさの電圧を各リレースイッチS1、S2に印加してから待機時間が経過するまでの間、作動電圧値に相当する大きさの電圧を各リレースイッチS1、S2に印加し続ける(S012)。ここで、待機時間とは、予め決められた設定時間である。そして、待機時間が経過した後、マイコン3は、リレースイッチS1、S2への印加電圧の大きさを再設定し、再設定後の大きさの電圧を印加するようにリレー駆動電源回路6を制御する(S013)。この際、印加電圧の大きさは、図5に示すように作動電圧値未満であり、かつ、開放電圧値(図5に図示のケースでは4V)以下にならないように設定される。
そして、マイコン3は、再設定後の大きさ(以下、中間電圧値)の電圧を各リレースイッチS1、S2に印加するようにリレー駆動電源回路6を制御する。これにより、リレー駆動電源回路6は、中間電圧値に相当する大きさの電圧を各リレースイッチS1、S2(厳密には、励磁コイルRc)に印加するようになる。これにより、印加電圧の大きさを下げながらも各リレースイッチS1、S2がオンし続けるようになる。つまり、リレー駆動電源回路6は、待機時間経過をトリガーとして、2つのリレースイッチS1、S2がオンした状態を維持しながら各リレースイッチS1、S2への印加電圧の大きさを作動電圧値から下げ、本実施形態では、各リレースイッチS1、S2がオフする時点での電圧の大きさ(すなわち、開放電圧値)以下にならないように下げる。なお、図5に図示のケースでは、中間電圧値が5Vに設定されている。ただし、中間電圧値については特に限定されるものではなく、作動電圧値未満であり、かつ、開放電圧値以下とならない範囲であれば任意に設定してもよい。
以上のように本実施形態では、リレースイッチS1、S2の故障(例えばオン溶着)に起因して操作スイッチ4、5の不操作期間中にモータMが回転している場合、かかる不具合を検出して、モータMを停止するための措置(具体的には、2つのリレースイッチS1、S2をオンさせてモータドライブ回路2を短絡させること)を講じる。これにより、不操作期間中であるにも拘らずにウィンドウガラス11が意図せずに開閉移動してしまう事態を回避することが可能となる。
また、本実施形態では、各リレースイッチS1、S2がオンするように各リレースイッチS1、S2に電圧を印加した後、各リレースイッチS1、S2がオンした状態を維持しながら各リレースイッチS1、S2への印加電圧の大きさを下げる。これにより、バッテリBの消費電力を削減することが可能になると共に、リレースイッチS1、S2の内部(厳密には励磁コイルRc)での発熱を抑えることが可能となる。そして、リレースイッチS1、S2の内部での発熱が抑えられることで、当該発熱によってモータ制御装置1が作動しなくなる事態、さらに、そのような事態に備えてモータ制御装置1を大型化しておく状況に陥らないようにすることが可能となる。
なお、以上までに本発明の具体的な構成について一例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、操作スイッチ4、5の不操作期間中にモータMが回転しているか否かを特定するために、ホール素子7を設け、ホール素子7から出力される信号(パルス信号)の有無に基づいて特定することとした。ただし、これに限定されるものではなく、ホール素子7が設けられる代わりに、図6に示すようにモータMの端子電圧を検出するためのライン(図6中、記号DLにて表記)がマイコン3に接続されており、当該検出ラインを通じてマイコン3がモータMの端子電圧を検出してもよい。かかる構成では、モータMの端子電圧がモータ回転時の電圧(つまり、モータMが通電状態にあるときの端子電圧)となっているか否かを判定することで、モータMが回転しているかどうかを特定することが可能となる。
また、上記の実施形態では、励磁コイルRcの+側端子とバッテリBの陽極との間にリレー駆動電源回路6が介在していることとした。ただし、これに限定されるものではなく、図7に示すように、励磁コイルRcの−側端子とバッテリBの陰極との間、より厳密には、ドレイン端子に励磁コイルRcが接続されたトランジスタTrのソース端子とグランドとの間にリレー駆動電源回路6が配置されてもよい。
また、上記の実施形態では、開閉部材制御装置の一例としてパワーウィンドウ装置10を挙げ、当該装置に組み込まれたモータ制御装置1の構成について説明した。ただし、開閉部材制御装置については、パワーウィンドウ装置10に限定されず、車両等の乗物に搭載された他の開閉部材(具体的にはスライドドア等)を開閉移動させる開閉部材制御装置、あるいは住宅等の建物に設置された開閉部材(具体的には自動ドア等)を開閉移動させる開閉部材制御装置も考えられる。そして、これらの開閉部材制御装置に組み込まれたモータ制御装置に対して本発明は適用可能である。
1 モータ制御装置
2 モータドライブ回路
3 マイコン(判定部)
4,5 操作スイッチ
6 リレー駆動電源回路(電圧印加部)
7 ホール素子
10 パワーウィンドウ装置(開閉部材制御装置)
11 ウィンドウガラス(開閉部材)
12 昇降機構
B バッテリ(電源)
D 車両ドア、Da 開口部
M モータ
Rc 励磁コイル、Rs 切換接点
S1 リレースイッチ(第一切換器)
S2 リレースイッチ(第二切換器)
Tr トランジスタ
2 モータドライブ回路
3 マイコン(判定部)
4,5 操作スイッチ
6 リレー駆動電源回路(電圧印加部)
7 ホール素子
10 パワーウィンドウ装置(開閉部材制御装置)
11 ウィンドウガラス(開閉部材)
12 昇降機構
B バッテリ(電源)
D 車両ドア、Da 開口部
M モータ
Rc 励磁コイル、Rs 切換接点
S1 リレースイッチ(第一切換器)
S2 リレースイッチ(第二切換器)
Tr トランジスタ
Claims (6)
- モータの通電状態を切り換えるためにオンオフする第一切換器及び第二切換器と、
前記第一切換器及び前記第二切換器の各々のオンオフを切り換えるために前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加する電圧印加部と、
前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定する判定部と、を有し、
前記第一切換器及び前記第二切換器がオンすると前記モータが通電停止状態となり、
前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加した後、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げる際に、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々がオフする時点での電圧の大きさ以下にならないように下げることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加してから予め決められた設定時間が経過した後に、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
- 前記モータを回転させるために行われるユーザ操作を受け付けて信号を出力する操作受付部を有し、
前記判定部は、前記操作受付部から信号が出力されていない期間に前記モータが回転しているか否かを特定することにより、前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。 - 前記第一切換器及び前記第二切換器は、電源から前記モータへの電力供給路中に設けられたリレースイッチによって構成されており、
前記第一切換器を構成する前記リレースイッチ、及び、前記第二切換器を構成する前記リレースイッチの双方がオンすると前記電力供給路が短絡することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。 - 開閉部材を開閉移動させるために回転するモータと、
該モータの通電状態を切り換えるためにオンオフする第一切換器及び第二切換器と、
前記第一切換器及び前記第二切換器の各々のオンオフを切り換えるために前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加する電圧印加部と、
前記第一切換器及び前記第二切換器の各々の異常の有無を判定する判定部と、を有し、
前記第一切換器及び前記第二切換器がオンすると前記モータが通電停止状態となり、
前記判定部が異常有りと判定すると、前記電圧印加部は、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンするように前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に電圧を印加した後、前記第一切換器及び前記第二切換器がオンした状態を維持しながら前記第一切換器及び前記第二切換器の各々に印加する電圧の大きさを下げることを特徴とする開閉部材制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016125522A JP2017229203A (ja) | 2016-06-24 | 2016-06-24 | モータ制御装置及び開閉部材制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016125522A JP2017229203A (ja) | 2016-06-24 | 2016-06-24 | モータ制御装置及び開閉部材制御装置 |
Publications (1)
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JP2017229203A true JP2017229203A (ja) | 2017-12-28 |
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ID=60892279
Family Applications (1)
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JP2016125522A Pending JP2017229203A (ja) | 2016-06-24 | 2016-06-24 | モータ制御装置及び開閉部材制御装置 |
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-
2016
- 2016-06-24 JP JP2016125522A patent/JP2017229203A/ja active Pending
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