JP2017227502A - 組織切片から蛍光ナノ粒子の解離を防止する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[項1]
免疫染色法またはFISH法により、検体スライド上の組織切片に含まれる目的生体物質を蛍光ナノ粒子で標識する処理(蛍光標識処理)
および
前記蛍光標識処理がなされた組織切片を蛍光ナノ粒子用の固定化試薬で固定する処理(蛍光ナノ粒子固定処理)
を含む、組織切片から蛍光ナノ粒子の解離を防止する方法。
[項2]
さらに、前記蛍光ナノ粒子固定処理がなされた組織切片を、細胞形態観察用の染色液で染色する処理(染色処理)および/またはブロッキングする処理を含む、項1に記載の方法。
[項3]
前記固定化試薬が官能基としてNHS基(N−ヒドロキシスクシンイミド基)および/またはエポキシ基を有する化合物から選ばれる、項1または2に記載の方法。
[項4]
前記固定化試薬がNHS−PEG−NHS、ビオチン−PEG−NHSおよびエポキシ−PEG−エポキシから選ばれる、項1または2に記載の方法。
[項5]
前記固定化試薬の濃度が1μM〜500μMである、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[項6]
前記染色液がヘマトキシリン、エオジンおよびDAPIから選ばれる、項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[項7]
前記蛍光ナノ粒子が蛍光色素集積ナノ粒子または無機蛍光ナノ粒子集積体であり、その平均粒子径が40nm〜160nmである、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
本発明では、目的とする遺伝子またはタンパク質を蛍光標識するための物質として、蛍光ナノ粒子を使用する。蛍光ナノ粒子は、ナノサイズの(直径が1μm以下の)粒子状の蛍光体であり、1粒子で十分な輝度を有する蛍光を発することのできるものである。撮影される蛍光画像において所望の波長の蛍光(色)を発する蛍光ナノ粒子を選択すればよい。また、蛍光標識の対象とする生体目的物質が複数ある場合は、それぞれに対応した異なる波長の蛍光を発する、複数種類の蛍光ナノ粒子を組み合わせて用いればよい。このような蛍光ナノ粒子は、無機蛍光ナノ粒子、無機蛍光ナノ粒子集積体および蛍光色素集積ナノ粒子に大別することができる。
本発明では無機蛍光ナノ粒子として、量子ドットまたはシリカドットを用いることができる。これらの無機蛍光ナノ粒子は、次に述べるような無機蛍光ナノ粒子集積体を調製しなくても単独で、観察可能な輝度を有する輝点の輝度を構成することができる。
無機蛍光ナノ粒子集積体は、量子ドットやシリカドットのような無機蛍光ナノ粒子を複数個、母体となる物質に内包したり表面に付着させたりすることで、または個々の無機蛍光ナノ粒子を連結することで集積化した、ナノサイズの(直径が1μm以下の)粒子状の蛍光体である。免疫染色においてこのような無機蛍光ナノ粒子集積体を用いることは、無機蛍光ナノ粒子を単独で(集積化せずに一粒子で)用いる場合と比較して、目的とする生体分子を標識した蛍光標識体1つあたりが発する蛍光の強度を増強し、細胞の自家蛍光等のノイズや他の色素との識別性を高めることができること、また励起光の照射による褪色を抑制することができることから好ましい。
蛍光色素集積ナノ粒子は、蛍光色素を複数個、母体となる物質に内包したり表面に付着させたりすることで集積化した、ナノサイズの(直径が1μm以下の)粒子状の蛍光体である。免疫染色においてこのような蛍光色素集積ナノ粒子を用いることは、蛍光色素を単独で(集積化せずに一分子で)用いる場合と比較して、目的とする生体分子を標識した蛍光標識体1つあたりが発する蛍光の強度を増強し、細胞の自家蛍光等のノイズや他の色素との識別性を高めることができること、また励起光の照射による褪色を抑制することができることから好ましい。
特にメラミン樹脂やスチレン樹脂は、蛍光色素等の蛍光体を集積させたナノ粒子を作製しやすく、また発光強度の高いナノ粒子が得られるため好ましい。
本発明において蛍光ナノ粒子として無機蛍光ナノ粒子集積体または蛍光色素集積ナノ粒子を用いる場合、それらの蛍光ナノ粒子の粒径が小さくなる程、比表面積が大きくなり、組織切片との結合力が高まることになるので、無機蛍光ナノ粒子集積体または蛍光色素集積ナノ粒子の平均粒子径は、40nm以上160nm以下であることが好ましい。
本発明の第1実施形態で行われる蛍光標識処理は、染色工程において、免疫染色法に基づいて目的とするタンパク質を蛍光ナノ粒子で標識する処理である。
蛍光ナノ粒子と1次抗体を連結した蛍光標識1次抗体を用意し、その蛍光標識1次抗体で目的タンパク質を直接的に蛍光標識し染色する方法(1次抗体法);
1次抗体、および蛍光ナノ粒子と2次抗体を連結した蛍光標識2次抗体を用意し、目的タンパク質に1次抗体を反応させた後、その1次抗体に蛍光標識2次抗体を反応させることで、目的タンパク質を間接的に蛍光標識し染色する方法(2次抗体法)
1次抗体とビオチンを連結したビオチン修飾1次抗体、および蛍光ナノ粒子とアビジンないしストレプトアビジンを連結したアビジン修飾蛍光ナノ粒子を用意し、目的タンパク質にビオチン修飾1次抗体を反応させた後、さらにアビジン修飾蛍光ナノ粒子を反応させて、アビジン−ビオチン反応を利用して目的タンパク質を間接的に蛍光標識し染色する方法(アビジン−ビオチン併用1次抗体法);
1次抗体、2次抗体とビオチンを連結したビオチン修飾2次抗体、および蛍光ナノ粒子とアビジンないしストレプトアビジンを連結したアビジン修飾蛍光ナノ粒子を用意し、目的タンパク質に1次抗体を反応させ、次いでビオチン修飾2次抗体を反応させた後、さらにアビジン修飾蛍光ナノ粒子を反応させて、アビジン−ビオチン反応を利用して目的タンパク質を間接的に蛍光標識し染色する方法(アビジン−ビオチン併用2次抗体法)。
本発明の第1実施形態の染色工程において、標識物質として蛍光ナノ粒子で検体スライドを標識した後に、細胞ないし組織の形状や細胞の各部の位置情報を得るために検体スライドを形態観察用染色液で染色する染色処理を行うことができる。形態観察用染色液としては、例えばヘマトキシリン染色液、エオジン染色液、パパニコロウ(Pap)染色液が挙げられる。
本発明の第2実施形態で行われる蛍光標識処理は、染色工程において、FISH法に基づいて目的とする遺伝子を蛍光ナノ粒子で標識する処理である。
蛍光体とプローブを連結した蛍光標識プローブを用意し、その蛍光標識プローブで目的遺伝子を直接的に蛍光標識し染色する方法(直接法);
プローブとビオチンを連結したビオチン修飾プローブ、および蛍光体とアビジンないしストレプトアビジンを連結したアビジン修飾蛍光ナノ粒子を用意し、目的遺伝子にビオチン修飾プローブを反応させた後、さらにアビジン修飾蛍光ナノ粒子を反応させて、アビジン−ビオチン反応を利用して目的遺伝子を間接的に蛍光標識し染色する方法(間接法)。
主に本発明の第2実施形態で行われる形態観察用染色処理は、染色工程において、水系染色試薬(水溶液の形態で用いられる核染色能を有する蛍光色素)で核染色を行う処理である。核染色処理をすることにより、細胞数をカウントし、あわせて核内(染色体上)にある目的遺伝子を蛍光標識した蛍光ナノ粒子の輝点数をカウントすることができるようになる。
本発明の第1実施形態および第2実施形態で行われる蛍光ナノ粒子固定処理は、第1実施形態においては免疫染色工程、第2実施形態においてはFISH染色工程で、それぞれの実施形態に応じて行われる形態観察用染色処理の前に行われる処理であって、所定の固定化試薬を用いて組織切片に導入された蛍光ナノ粒子を固定化する処理である。
本発明で使用される蛍光ナノ粒子用の固定化試薬は、蛍光ナノ粒子表面に存在する反応部位(以下「第1反応部位」と呼ぶ。)および組織切片の周辺のタンパク質が有する反応部位(以下「第2反応部位」と呼ぶ。)のそれぞれと反応しうる反応部位(それぞれ、以下「第3反応部位」および「第4反応部位」と呼ぶ。)を有する化合物(架橋剤)である。
本発明の第1実施形態および第2実施形態において必要に応じて行われる細胞固定処理は、それぞれの実施形態の標本前処理工程において、例えば第1実施形態では抗原賦活化処理の後に、第2実施形態では酵素(プロテアーゼ)処理の後に行われる、細胞のプレパラートからの剥離を抑制するための処理である。本発明においては、細胞固定処理は標本前処理工程において(つまり染色工程の前に)行う工程である点で、蛍光ナノ粒子固定処理とは区別される。細胞固定処理は、例えば、検体スライドをホルマリン溶液に一定時間浸漬した後、洗浄緩衝液に浸漬して洗浄し、必要に応じてこの操作を複数回繰り返してから、検体スライドを風乾等により乾燥させるようにして行えばよい。
本発明において必要に応じて行われるブロッキング処理は、染色工程で行われる免疫染色処理(第1実施形態)またはFISH処理(第2実施形態)において、抗原抗体反応またはビオチン−アビジン反応の前後に行われる、抗体の非特異的吸着またはアビジンの内因性ビオチンへの吸着を抑制するための処理である。
本発明の第1実施形態および第2実施形態の染色工程を終えた検体スライドは、観察に適したものとなるよう、封入処理を行うことができる。必要に応じて、第1実施形態においては透徹および脱水処理を行うことが好ましく、第2実施形態においては溶媒置換および脱水処理を行うことが好ましい。これらの処理を行う上での条件、例えば検体スライドを所定の処理液に浸漬する際の温度および浸漬時間は、従来の免疫染色法に準じて、適切なシグナルが得られるよう適宜調整することができる。
蛍光標識で用いたテキサスレッド色素分子「Sulforhodamine 101」(シグマアルドリッチ社)3.4mgと3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM903)3μLをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の中で混合し、オルガノアルコキシシラン化合物を得た。
蛍光色素集積シリカ粒子に結合可能なストレプトアビジンを以下のように調製した。
28質量%のアンモニア水の使用量2.0mLから2.6mLに変更したこと以外は作製例1と同様にして、ストレプトアビジン修飾Texas Red色素集積シリカ粒子(SA修飾蛍光色素集積ナノ粒子2)の製造を行った。
28質量%のアンモニア水の使用量2.0mLから2.5mLに変更したこと以外は作製例1と同様にして、平均粒子径が280nmのストレプトアビジン修飾Texas Red色素集積シリカ粒子(SA修飾蛍光色素集積ナノ粒子3)の製造を行った。
28質量%のアンモニア水の使用量2.0mLから1.7mLに変更したこと以外は作製例1と同様にして、ストレプトアビジン修飾Texas Red色素集積シリカ粒子(SA修飾蛍光色素集積ナノ粒子4)の製造を行った。
28質量%のアンモニア水の使用量2.0mLから1.2mLに変更したこと以外は製造例1と同様にして、ストレプトアビジン修飾Texas Red色素集積シリカ粒子(SA修飾蛍光色素集積ナノ粒子5)の製造を行った。
テキサスレッド色素分子「Sulforhodamine 101」(シグマアルドリッチ社)2.5mgを純水22.5mLに溶解した後、ホットスターラーにより溶液の温度を70℃に維持ながら20分間撹拌した。撹拌後の溶液に、メラミン樹脂「ニカラックMX−035」(日本カーバイド工業株式会社)1.5gを加え、さらに同一条件で5分間加熱撹拌した。撹拌後の溶液にギ酸100μLを加え、溶液の温度を60℃に維持しながら20分間攪拌した後、その溶液を放置して室温まで冷却した。冷却した後の溶液を複数の遠心用チューブに分注して、12,000rpmで20分間遠心分離して、溶液に混合物として含まれる蛍光色素集積メラミン樹脂粒子を沈殿させた。上澄みを除去し、沈殿した樹脂粒子をエタノールおよび水で洗浄した。
CellBiochemBiophys.2006;45(1)59の記載の方法に従って、ニックトランスレーション法により、ビオチン修飾されたBACプローブを調製した。すなわち、GSP社から購入したHER2−DNAクローン(約150kbp)1μg(5μL)に対して、ニックトランスレーション用のキット(製品名「GSP−ニックトランスレーションキット」K−015、GSP社製)をプロトコールに従って用い、当該HER2−DNAクローン(核酸分子)のdTTPをビオチン修飾dUTPで置換した。具体的な作製手順は以下の通りである。
・10×NickBuffer(Tris−HCl[pH7.2]、MgSO4、DTT)・・・2.5μL、
・BSA(Nuclease−free BSA)・・・1.5μL
・dNTP mix(dATP、dCTP、dCTP)・・・5μL
・dTTP・・・1.5μL
・Biotin−16−dUTP(製品番号1093070、Roche社製、50nmol/50μL)・・・0.2μL
・純水(Nuclease free water)・・・3μL
・上記HER2−DNAクローン約150kbp)1μgの水溶液・・・5μL
・DNA PоlymeraseI(Tris−HCl[pH7.5]、EDTA、DTT、glycerоl)・・・1μL
・DNaseI・・・5μL
作製例7で作製した、ビオチン標識されたBACプローブ25μL(濃度1μg/250μL)と、作製例6で作製した、ストレプトアビジン修飾蛍光色素集積メラミン樹脂粒子(SA蛍光色素集積ナノ粒子6)の溶液とを混合して、室温で30分間反応させ、それぞれが有するビオチンとストレプトアビジンを結合させることにより、HER−2検出用のDNAプローブを得た。
トラスツズマブとして、医薬品の形態でロッシュ社が製造している粉末状のハーセプチン(登録商標)を使用し、これに対して、Biotin Labeling kit-SH(同仁化学、cord LK10)を用いてビオチン修飾を行うことにより、ビオチン修飾トラスツズマブを得た。
一次抗体として抗ki67抗体(クローンSP6、アブカム社 cord: ab16667)を使用し、これに対してBiotin Labeling kit-SH(同仁化学、cord LK10)を用いてビオチン修飾を行うことにより、ビオチン修飾ki67抗体を得た。
50mMTris溶液に、2次抗体として用いる抗ウサギIgG抗体(LO−RG1、GeneTex、cordGTX40383)50μgを溶解した。この溶液に、最終濃度3mMとなるようにDTT(ジチオトレイトール)溶液を添加、混合し、37℃で30分間反応させた。その後、反応溶液を脱塩カラム「Zeba Desalt Spin Columns」(サーモサイエンティフィック社、Cat.#89882)に通して、DTTで還元化した2次抗体を精製した。精製した抗体全量のうち200μLを50mMTris溶液に溶解して抗体溶液を調製した。その一方で、リンカー試薬「マレイミド−PEG2−ビオチン」(サーモサイエンティフィック社、製品番号21901)を、DMSOを用いて0.4mMとなるように調整した。このリンカー試薬溶液8.5μLを前記抗体溶液に添加、混合し、37℃で30分間反応させることにより、抗ウサギIgG抗体にPEG鎖を介してビオチンを結合させた。この反応溶液を脱塩カラムに通して精製した。脱塩した反応溶液について、波長300nmにおける吸光度を分光高度計(日立製「F−7000」)を用いて測定することにより、反応溶液中のタンパク質(ビオチン修飾2次抗体)の濃度を算出した。50mMTris溶液を用いて、ビオチン修飾2次抗体の濃度を250μg/mLに調整した溶液を、ビオチン修飾2次抗体の溶液とした。
[蛍光ナノ粒子固定処理の有無による対比]
免疫染色および形態観察用染色を同一の組織切片に施すにあたり、それらの染色処理の間(形態観察用染色がHE染色の場合)または両方の染色処理が終わった後(形態観察用染色が参照生体物質(カドヘリン)の免疫染色の場合)に行う、蛍光ナノ粒子固定処理の有無による効果を以下の方法により評価した。
下記(1)〜(3)に示すような手順で、標本前処理工程(脱パラフィン処理、賦活化処理)、染色工程(1次抗体処理、2次抗体処理、蛍光標識処理、蛍光ナノ粒子固定処理および形態観察用染色処理)、標本後処理工程(洗浄処理および封入処理)を行うことにより、免疫染色法に基づく染色スライドを作製した。そして作製した染色スライドを用いて、下記(4)に示すような手順で観察および撮像を行った。
(1−1)脱パラフィン処理
HER2陽性染色対照標本の検体スライドとしてあらかじめパスビジョンHER-2 DNAプローブキット(アボット)をもちいてFISHスコアを算出したコスモバイオ社製の組織アレイスライド(CB-A712)を用いた。以下の(i)〜(iii)の手順で脱パラフィン処理を行った。(i)キシレンを入れた容器に検体スライドを30分間、常温で浸漬する。途中3回キシレンを交換した。(ii)エタノールを入れた容器に検体スライドを常温で、30分間浸漬する。途中3回エタノールを交換した。(iii)水を入れた容器に検体スライドを30分浸漬させた。途中3回水を交換した。
検体スライドを脱パラフィン処理した後、以下の(i)〜(v)の手順で賦活化処理を行った。(i)検体スライドを水に置換する洗浄を行った。(ii)10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中で検体スライドを121℃で15分、オートクレーブ処理を行った。(iii)PBSを入れた容器に、オートクレーブ処理後の検体スライドを30分浸漬し、洗浄した。(iv)1%BSA含有PBSを検体スライドに載せて、1時間、ブロッキング処理を行った。
(2−1)蛍光標識処理
検体スライドの賦活化処理(1−2)を実施した後、1%BSA含有PBS緩衝液で0.05nMに希釈した作製例9で作製したビオチン修飾トラスツズマブを検体スライドと2時間反応させ、その後PBSで洗浄した。さらに、作製例1で作製したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子1と0.5時間反応させ、その後PBSで洗浄した。
蛍光標識処理(2−1)を行った検体スライドを4%中性パラホルムアルデヒド水系バッファ溶液中に10分間浸漬することにより、蛍光ナノ粒子固定処理を行った。
蛍光ナノ粒子固定処理(2−2)を行った検体スライドに対して、以下の(i)〜(ii)の手順で形態観察染色処理(ヘマトキシリンーエオシン染色)を行った。(i)検体スライドをマイヤーヘマトキシリン液で5分間染色してヘマトキシリン染色を行った。その後、該スライドを45℃の流水で3分間洗浄した。(ii)次に、1%エオシン液で5分間染色してエオシン染色を行い、染色スライドを作製した。
形態観察用染色処理(2−3)を実施した後、染色スライドに対して、以下の(i)〜(ii)の手順で封入処理を行った。(i)染色スライドに常温でエンテランニュー(メルク社)を滴下した後、カバーガラスを被せ、常温で10分間、風乾することで、封入処理を行った。(ii)その後、シグナルの計測まで、封入処理が行われた染色スライドを遮光して保存した。
封入処理を終えた染色スライドに対して所定の励起光を照射して、蛍光を発光させた。その状態の染色スライドを蛍光顕微鏡(オリンパス社製「BX−53」)、顕微鏡用デジタルカメラ(オリンパス社製「DP73」)により観察および撮像を行った。上記励起光は、光学フィルターに通すことで575〜600nmに設定した。また、観察する蛍光の波長(nm)の範囲についても、光学フィルターを通すことで612〜692nmに設定した。顕微鏡観察、画像取得時の励起波長の条件は、580nmの励起では視野中心部付近の照射エネルギーが900W/cm2となるようにした。画像取得時の露光時間は、画像の輝度が飽和しないように任意に設定(例えば4000μ秒に設定)して撮像した。HER2(3+)の組織の輝点数は、400倍で撮像した画像をもとにImageJ FindMaxims法により計測した1000細胞の平均値とした。また、撮像した画像から、1細胞当たりの蛍光ナノ粒子を算出した。撮影された蛍光画像を図3[A]に示す。
蛍光ナノ粒子固定処理(2−2)を行わないことを除いて実施例1と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。撮影された蛍光画像を図3[B]に示す。
蛍光標識処理(2−1)において、蛍光ナノ粒子として作製例6で作製したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子6を使用したこと以外は実施例1と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光ナノ粒子固定処理を行わないことを除いて実施例2と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
検体スライドをUS-BioMax社製のパラフィン包埋乳がん組織アレイ(商品番号:BR243)に変更し、蛍光標識処理(実施例1の(2−1)の記載参照)においてビオチン修飾1次抗体として作製例10で作製したビオチン修飾抗ki67抗体を使用した以外は実施例2と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。撮影された蛍光画像およびヘマトキシリン−エオジン染色画像を図4[A]および図5[A]に示す。
蛍光ナノ粒子固定処理を行わないことを除いて実施例3と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。撮影された蛍光画像およびヘマトキシリン−エオジン染色画像を図4[B]および図5[B]に示す。
HE染色による形態観察用染色処理に代えて、参照生体物質(カドヘリン)を利用した膜染色処理を行うため、免疫染色工程(実施例1の(2)の記載参照)を下記のように変更したこと以外は実施例3と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光ナノ粒子固定処理(vi)を行わないことを除いて実施例4と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
実施例1〜4および比較例1〜4の結果を表1に示す。目的生体物質の1細胞あたりの輝点数は、例えば実施例3についてであれば、図4[A]の蛍光画像と図5[A]のHE染色画像を重ね合わせ、細胞膜上に位置する輝点数を計測することにより算出した(図面の掲載を省略したその他の実施例および比較例についても同様である)。対応する実施例および比較例の結果の対比から、蛍光ナノ粒子固定処理を行うことで、形態観察用染色処理(HE染色または参照生体物質による膜染色)を行っても染色スライドから蛍光ナノ粒子が解離することを抑制でき、目的生体物質を蛍光標識した際の染色性を維持することができるため、目的生体物質を従来よりも正確に定量できることがわかった。
免疫染色および形態観察用染色を同一の組織切片に施すにあたり、蛍光ナノ粒子用の固定化試薬(架橋剤)の違いによる効果を以下の方法により評価した。
蛍光ナノ粒子固定処理(実施例1の(2−2)の記載参照)で、4%中性パラホルムアルデヒドに代えて、NHSエステル系架橋剤「Bi−Functional PEG DE 100HS」(分子量10000、直鎖状のPEG鎖の両末端にNHS基が存在する)を濃度700μM(室温、30分)で使用した以外は実施例2と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を500μMに変更した以外は実施例5と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を50μMに変更した以外は実施例5と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を2μMに変更した以外は実施例5と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
NHSエステル系架橋剤を「Bi−Functional PEG DE 100HS」から「4−arm−Functional PEG DE200HS」(分子量10000、分岐したPEG鎖の合計4箇所の末端にNHS基が存在する)に代えて、濃度500μMに調製して使用した以外は実施例5と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を50μMに変更した以外は実施例9と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
NHSエステル系架橋剤を「4−arm−Functional PEG DE100HS」から「8−arm−Functional PEG HGEO 400GS」(分子量40000、分岐したPEG鎖の合計8箇所の末端にNHS基が存在する)に代えて、濃度500μMに調製して使用した以外は実施例9と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を50μMに変更した以外は実施例11と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光ナノ粒子用の固定化試薬を、NHSエステル系架橋剤「Bi−Functional PEG DE 100HS」からマレイミド系架橋剤「Bi−Functional PEG DE100MA」(分子量10000、直鎖状のPEG鎖の両末端にマレイミド基が存在する)に変更した以外は実施例7と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
実施例5〜13の結果を表2に示す。4%中性パラホルムアルデヒドを使用した場合と同様に、NHSエステル系架橋剤またはマレイミド系架橋剤を使用して蛍光ナノ粒子固定処理を行っても、形態観察用染色処理による染色スライドからの蛍光ナノ粒子の解離を抑制でき、目的生体物質を蛍光標識した際の染色性を維持することができるため、目的生体物質(膜タンパク質)を従来よりも正確に定量できることがわかった。
免疫染色および形態観察用染色を同一の組織切片に施すにあたり、蛍光ナノ粒子の平均粒子径の違いによる効果を以下の方法により評価した。
蛍光標識処理(2−1)において、蛍光ナノ粒子として作製例2で製造したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子2を使用したこと以外は実施例1と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光標識処理(2−1)において、蛍光ナノ粒子として作製例3で製造したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子3を使用したこと以外は実施例1と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光標識処理(2−1)において、蛍光ナノ粒子として作製例4で製造したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子4を使用したこと以外は実施例1と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光標識処理(2−1)において、蛍光ナノ粒子として作製例5で製造したSA修飾蛍光色素集積ナノ粒子5を使用したこと以外は実施例1と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
実施例14〜17の結果を表3に示す(対比のため、表1の実施例1の結果もあわせて示す)。平均粒子径が40nm〜160nmの蛍光色素集積ナノ粒子は、平均粒子径が280nmおよび320nmの蛍光色素集積ナノ粒子に比べ、観察される1細胞あたりの輝点数が向上する結果となった。
[蛍光ナノ粒子固定処理の有無による対比]
FISH染色および形態観察用の核染色を同一の組織切片に施すにあたり、それらの染色処理の間に行う固定処理の有無による効果を以下の方法により評価した。
FISHによりHER2遺伝子のコピー数を測定した。すなわち、下記(1)〜(3)に示すような手順で、標本前処理工程(脱パラフィン処理、FISH用前処理、酵素処理)、染色工程(プローブの準備、DNA変性処理、ハイブリダイゼーション処理、ポストハイブリダイゼーション洗浄処理、蛍光ナノ粒子固定処理および形態観察用のDAPIによる核染色処理)、標本後処理工程(洗浄処理、溶媒置換処理および封入処理)を行うことにより、FISH法に基づく染色スライドを作製した。そして作製した染色スライドを用いて、下記(4)に示すような手順で観察および撮像を行った。
(1−1)脱パラフィン処理
HER2陽性染色対照標本の検体スライド(Roche社 HER2 Dual ISH 3-in-1 コントロールスライド 商品コード:109530)を、以下の(i)〜(iv)の手順で脱パラフィン処理を行った。(i)脱パラフィン剤「ヘモディー(Hemo−De)」(株式会社ファルマ、主成分:d−リモネン、酸化防止剤)に常温で10分間浸漬する。(ii)検体スライドを新しい「Hemo−De」に常温10分間浸漬する。同じ操作を3回繰り返す。(iii)検体スライドを100%エタノールで、常温で5分間浸漬し、2回洗浄し、脱水処理を行う。(iv)検体スライドを風乾または45〜50℃のスライドウォーマー上で乾燥させる。
DNAプローブの到達性を向上させるために、脱パラフィン処理(1−1)が行われた検体スライドに対し、以下の(i)〜(vi)の手順で細胞膜および核膜のタンパク質の除去処理を行った。(i)検体スライドを0.2mоl/L HClで室温、20分間処理する。(ii)検体スライドを精製水に3分間浸漬する。(iii)検体スライドを洗浄緩衝液(2xSSC:standard sailine citrate)に3分間浸漬する。(vi)検体スライドを80℃の前処理溶液(1N NaSCN)に30分間浸漬する。(v)検体スライドを精製水に1分間浸漬する。(vi)検体スライドを洗浄緩衝液(2xSSC)に5分間浸漬し、これと同じ操作を2回繰り返す。
タンパク質除去処理(1−2)が行われた検体スライドに対して、以下の(i)〜(iv)の手順で酵素処理を行った。(i)前処理した検体スライドを取り出し、ペーパータオルにスライドグラスの下端をつけて余分な洗浄緩衝液を取り除く。(ii)検体スライドを37℃に加温したプロテアーゼ溶液に10〜60分間浸漬する。この浸漬処理は、細胞膜及び核膜のタンパク質、特にコラーゲンの分解をするために、25mg プロテアーゼ(2500−3000Units/mg)[ペプシン]/1M NaCl[pH2.0]50mLで37℃、60分間)で処理した。(iii)検体スライドを洗浄緩衝液に5分間浸漬する。この操作を2回繰り返す。(iv)検体スライドを風乾した。
4%パラホルムアルデヒドを室温で10分間反応させることにより、細胞固定処理を実施し、検体スライドを洗浄緩衝液に5分間浸漬する操作を2回繰り返して洗浄した。
(2−1)プローブの準備
冷凍保存しておいた蛍光標識DNAプローブ溶液を室温に戻し、正確な容量を採液可能なピペッティング操作ができる程度まで溶液の粘度を十分にさげて、ボルテックスミキサーで溶液を混和した。
検体スライド上のDNAを変性させるために、標本前処理工程(1)を行った検体スライドに対し、以下の(i)〜(viii)の手順でDNA変性処理を行った。(i)検体スライドの作製前に水で湿らせたペーパータオルを底に敷いた湿潤箱(気密性の容器であり、その側面をペーパータオルでテーピングしたもの)を37℃インキュベータ内に載置して予備加熱する。(ii)変性溶液(70%ホルムアミド/SSC[150mM NaCl、15mMクエン酸ナトリウム])のpHが常温でpH7.0〜8.0であることを確かめる。変性溶液をコプリンジャーに入れ、変性溶液が72℃±1℃になるまで温浴槽で加温する(72±1℃の温浴槽に少なくとも30分間置く)。(iii)ハイブリダイゼーション領域がどの部分か分かるように、検体スライドの裏側に領域を囲むようにダイアモンドペン等でマークする。(iv)検体スライドを72±1℃の変性溶液の入ったコプリンジャー中に浸漬し、検体スライドのDNAを変性する。(v)ピンセットを使って、検体スライドを変性溶液から取り出し、すぐに常温の70%エタノール中に入れる。ホルムアミドを除くためにスライドを振盪する。検体スライドを1分間浸漬する。(vi)検体スライドを70%エタノールから取り出し、85%エタノール中に入れ、ホルムアミドを除くためにスライドを振盪する。検体を1分間浸漬する。100%エタノールで同じ操作を2回繰り返す。(vii)ペーパータオルに検体スライドグラスの下端をつけてエタノールを取り除き、ペーパータオルでスライドグラスの裏側を拭く。(viii)検体スライドをドライヤーで風乾した。
変性処理(2−2)が行われた検体スライドに対し、以下の(i)〜(iii)の手順で、蛍光標識DNAプローブのハイブリダイゼーション処理を行った。(i)検体スライド上に蛍光標識DNAプローブ溶液を10μL添加し、すぐに22mm×22mmのカバーグラスをその上に被せ、気泡が入らないようにしながら、蛍光標識DNAプローブ溶液を均一に広げる。(ii)ペーパーボンドでカバーグラスをシールする。(iii)前もって加温した湿潤箱に検体スライドを入れて蓋をし、37℃のインキュベータで14〜18時間ハイブリダイゼーションを行う。
ハイブリダイゼーション処理(2−3)が行われた検体スライドに対し、以下の(i)〜(vi)の手順でポストハイブリダイゼーション洗浄処理を行った。(i)ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液(2×SSC/0.3%NP−40)をコプリンジャーに入れる。72℃±1℃の温浴槽に少なくとも30分間置き、ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液が72℃±1℃になるまで温浴槽で予備加熱をする(72℃±1℃の温浴槽に少なくとも30分間置く)。(ii)ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液を入れたコプリンジャーをもう一つ用意し、常温に維持する。(iii)ピンセットでペーパーボンドのシールを取り除く。(iv)検体スライドをポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液の中に入れる。カバーグラスが自然に溶液中で剥がれるのを待つ。(v)溶液から検体スライドを取り出し、余分な溶液を取り去り、72±1℃に加温したポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液に2分間浸漬した。(vi)コプリンジャーから検体スライドを取り出し、遮光下で風乾する。
ポストハイブリダイゼーション洗浄処理(2−4)が行われた検体スライドを、濃度700μMに調製したNHSエステル系架橋剤「Bi−Functional PEG DE 100HS」(分子量10000)に(室温、30分)浸漬することにより、蛍光ナノ粒子固定処理を行った。
蛍光ナノ粒子固定処理(2−5)が行われた検体スライドのハイブリダイゼーション領域に、10μLのDAPI染色液(2μg/mLPBS、Molecular Probes社、D1306)を添加し、25℃で10分間保持して、核染色処理を行い染色スライドを作製した。
染色スライドを以下の(i)〜(ii)の手順で、洗浄処理を行った。(i)(2)の処理が行われた染色スライドの組織上にエンテランニュー(メルク社)を滴下した。カバーガラスを被せ、常温で10分間、風乾することで、封入処理を行った。(ii)その後、シグナルの計測まで、封入処理が行われた検体スライドを遮光して保存した。
蛍光顕微鏡Zeiss imager(Camera:MRmモノクロ・冷却機能付、対物レンズ:×100油浸)を用いて、上述したような実施例1〜3および比較例1のそれぞれで作製された染色スライドの観察および蛍光画像の撮影(1000倍)を行った。蛍光色素(スルホローダミン101)集積メラミン樹脂粒子は、適切なフィルターを用いて、励起波長を575〜600nmとする励起光を照射し、蛍光波長を610〜670nmとする蛍光を観測し、その蛍光画像を取得した。DAPIは、適切なフィルターを用いて、励起波長を340〜380nmとする励起光を照射し、蛍光波長を435〜485nmとする蛍光を観測し、その蛍光画像を取得した。
架橋剤濃度を500μMに変更した以外は実施例18と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を50μMに変更した以外は実施例18と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
架橋剤濃度を2μMに変更した以外は実施例18と同様にして染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光ナノ粒子用の固定化試薬を、NHSエステル系架橋剤「Bi−Functional PEG DE 100HS」からマレイミド系架橋剤「Bi−Functional PEG DE100MA」(分子量10000、直鎖状のPEG鎖の両末端にマレイミド基が存在する)に変更し、その濃度を50μmとした以外は実施例18と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
蛍光ナノ粒子固定処理を行わないことを除いて実施例18と同様にして、染色スライドの作製および観察を行った。
実施例18〜22および比較例5の結果を表4に示す。免疫染色法に基づく場合と同様に、FISH法に基づいて染色スライドを作製した場合も、NHSエステル系架橋剤またはマレイミド系架橋剤を使用して蛍光ナノ粒子固定処理を行うことで、それらの架橋剤の濃度が比較的低くても、形態観察用染色処理(DAPIによる核染色処理)による染色スライドからの蛍光ナノ粒子の解離を抑制でき、目的生体物質を蛍光標識した際の染色性を維持することができるため、目的生体物質(遺伝子)を従来よりも正確に定量できることがわかった。
Claims (7)
- 免疫染色法またはFISH法により、検体スライド上の組織切片に含まれる目的生体物質を蛍光ナノ粒子で標識する処理(蛍光標識処理)
および
前記蛍光標識処理がなされた組織切片を蛍光ナノ粒子用の固定化試薬で固定する処理(蛍光ナノ粒子固定処理)を含む、組織切片から蛍光ナノ粒子の解離を防止する方法。 - さらに、前記蛍光ナノ粒子固定処理がなされた組織切片を、細胞形態観察用の染色液で染色する処理(染色処理)および/またはブロッキングする処理を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記固定化試薬が官能基としてNHS基(N−ヒドロキシスクシンイミド基)および/またはエポキシ基を有する化合物から選ばれる、請求項1または2に記載の方法。
- 前記固定化試薬がNHS−PEG−NHS、ビオチン−PEG−NHSおよびエポキシ−PEG−エポキシから選ばれる、請求項1または2に記載の方法。
- 前記固定化試薬の濃度が1μM〜500μMである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記染色液がヘマトキシリン、エオジンおよびDAPIから選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記蛍光ナノ粒子が蛍光色素集積ナノ粒子または無機蛍光ナノ粒子集積体であり、その平均粒子径が40nm〜160nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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